説明

小動物捕獲器

【課題】小動物を逃がすことなく確実に捕獲することができる小動物捕獲器を提供する。
【解決手段】捕獲箱内には、上記入口に臨むようにシーソー板が設けられ、上記シーソー板は、入口から侵入した小動物が奥に移動することにより奥に向かって傾斜するよう構成されるとともに、入口から侵入した小動物が奥に移動して奥に向かって傾斜した状態で入口を閉鎖するよう構成され、上記シーソー板がロックフリー状態のときに、シーソー板が奥に向かって下り傾斜となる動作を検知して確認可能とする動作確認手段と、上記奥に向かって下り傾斜となったシーソー板の傾斜状態を保持してロック可能なロック機構とを備え、上記ロック機構は、ロックフリー状態とロック可能状態とを切り換え可能になっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネズミ、マングース、あらいぐま等の小動物を捕獲するために使用される小動物捕獲器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ネズミ等の小動物を捕獲するために、例えば下記の特許文献1に示すように、シーソー板を利用した小動物捕獲箱が提供されている。この小動物捕獲箱は、鼠がシーソーの中央より奥に入って行くと、その重さによってシーソーの奥側が少し下がる。すると、回転軸が下側に離れているのでバランスがくずれ、奥側がいっきに底まで下がり、シーソー下部の磁石と箱底の磁石の吸引力で固定される。この状態で、シーソー入口がふさがれることにより鼠が逃げられなくなるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3113786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記小動物捕獲箱は、シーソーの奥側がいっきに下がったときに磁石の吸引力で固定するようになっている。このため、捕獲された小動物が驚いて暴れだすと磁石が外れてしまい、せっかく捕獲した小動物に逃げられてしまうという問題がある。一方、鼠等の小動物は尻尾が長く、体長の約1/2は尻尾の長さが占めている。したがって、シーソーの奥側がいっきに下がったときに、磁石の吸引力でシーソーが固定される前に鼠等の尻尾がシーソーと入口の間に挟まってしまい、磁石同士の間にその分隙間が出来て十分に固定することができない。一方、鼠等は、尻尾が挟まることにより異変を感じて逃げようとするので、この状態で鼠等が逆戻りすると、簡単にシーソーが元にもどってしまってせっかく箱に入った鼠等に簡単に逃げられてしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、小動物を逃がすことなく確実に捕獲することができる小動物捕獲器を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明の小動物捕獲器は、捕獲箱に形成された入口を閉鎖することにより上記入口から侵入した小動物を捕獲する小動物捕獲器であって、
捕獲箱内には、上記入口に臨むようにシーソー板が設けられ、
上記シーソー板は、入口から侵入した小動物が奥に移動することにより奥に向かって傾斜するよう構成されるとともに、入口から侵入した小動物が奥に移動して奥に向かって傾斜した状態で入口を閉鎖するよう構成され、
上記シーソー板がロックフリー状態のときに、シーソー板が奥に向かって下り傾斜となる動作を検知して確認可能とする動作確認手段と、
上記奥に向かって下り傾斜となったシーソー板の傾斜状態を保持してロック可能なロック機構とを備え、
上記ロック機構は、ロックフリー状態とロック可能状態とを切り換え可能になっていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の小動物捕獲器によれば、上記奥に向かって傾斜したシーソー板の傾斜状態を保持してロック可能なロック機構を備えているため、小動物が入口から侵入して奥に移動したときに、シーソー板が奥に向かって傾斜したときにロック機構でシーソー板がロックされるため、捕獲した小動物が暴れたとしても逃げられることがない。また、上記シーソー板がロックフリー状態のときに、シーソー板が奥に向かって下り傾斜となる動作を検知して確認可能とする動作確認手段を備え、上記ロック機構がロックフリー状態とロック可能状態とを切り換え可能になっていることから、上記動作確認手段により、小動物が捕獲箱内に入ってシーソー板をある程度動作させたことを確認してからロック機構をロックフリー状態からロック可能状態に切り換えることができる。このようにすることにより、未ロックでシーソー板がフリーで動作する状態で暫く放置し、小動物がシーソー板を傾斜させる位置まで侵入してシーソー板を動作させたことを動作確認手段で確認することができる。そして、シーソー板が動作したことを確認してからロック可能状態に切り換えることで、小動物を逃がすことなく確実に捕獲することができる。
【0008】
本発明において、上記ロック機構は、シーソー板が入口との間に隙間を作る第1段階と入口を閉鎖する第2段階との2段階にシーソー板の傾斜状態を保持してロック可能な場合には、小動物が入口から侵入して奥に移動したときに、シーソー板が奥に向かって傾斜したときに、まず、シーソー板は、入口との間に隙間を作る第1段階でロックされる。このとき、小動物の尻尾は上記隙間によってシーソー板に挟まれることがないうえ、この状態でシーソー板がロックされることから、捕獲箱から外へは逃げることが出来ない。つぎに、尻尾まで捕獲箱内に収容されてから小動物がさらに奥に進んだときに、シーソー板が入口を閉鎖する第2段階でロックされるため、入り込んだ小動物は完全に捕獲箱内に捕獲される。
【0009】
本発明において、上記シーソー板の奥側端部には、シーソー板の奥側端部と捕獲箱の床面を傾斜面で橋渡すブリッジ部材が連結されている場合には、シーソー板が途中までしか傾斜しない場合でも、ブリッジ部材によってシーソー板の奥側端部と捕獲箱の床面が傾斜面で橋渡されるため、シーソー板の奥側端部が中に浮いて道がなくなるような状態にならない。すなわち、シーソー板がシーソー動作したときでも、シーソー板の奥側すなわち小動物がシーソー板から降りる側が、床面から高く離れる状態にならないため、小動物が怖がって引き返す確率が少なくなり、小動物の取り逃がしが大幅に少なくなって捕獲率のアップにつながる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施の形態における小動捕獲器の全体構造を示す斜視図である。
【図2】上記小動物捕獲器の動作を説明する縦断面図であり、(A)はロックフリー状態のシーソー板動作前であり、(B)はロックフリー状態のシーソー板動作後であり、(C)はロック可能状態である。
【図3】ロック可能状態のロック機構の動作を説明する要部拡大図であり、(A)は未ロック状態、(B)は第1段階のロック状態、(C)は第2段階のロック状態を示す。
【図4】上記小動物捕獲器の要部拡大図であり、シーソー板の傾斜状態を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の小動物捕獲器の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1〜図4は本発明の一実施形態における小動物捕獲器を示す図である。
【0012】
この小動物捕獲器は、捕獲箱1の横面に形成された入口2を閉鎖することにより上記入口2から侵入した小動物を捕獲するものである。図において、符号9は小動物を誘引するための餌9である。
【0013】
より詳しく説明すると、上記捕獲箱1は、前後方向に延びる直方体状に形成され、前側の壁面下側に入口2が開口している。また、上記捕獲箱1内には、上記入口2に臨むようにシーソー板3が設けられている。上記シーソー板3は、左右の壁面にわたって設けられた軸4により前後にシーソー式に回動しうるようになっている。
【0014】
上記シーソー板3は、軸4に対して入口2側が長く、奥側が短くなるように設定されるとともに、シーソー板3の奥側の下面には錘5が取り付けられている。これにより、上記シーソー板3は、初期状態では入口2側から奥に向かって登り傾斜となり、入口2から侵入した小動物がシーソー板3上を奥に移動することにより回動して奥に向かって傾斜するようバランスされている。
【0015】
さらに、上記シーソー板3は、入口2から侵入した小動物が奥に移動して奥に向かって傾斜した状態で、入口側端部3aが入口2の開口縁2aの高さを超えることによりシーソー板3が入口2を閉鎖するよう構成されている。
【0016】
上記シーソー板3の奥側端部には、シーソー板3の奥側端部と捕獲箱1の床面を傾斜面で橋渡すブリッジ部材8が連結されている。上記ブリッジ部材8は、シーソー板3の奥側端部に対して薄肉ヒンジや軸等により屈曲可能に連結される。例えば、薄肉ヒンジとして樹脂製の粘着テープ等によって連結することができる。これにより、シーソー板3がシーソー動作したときでも、シーソー板3の奥側すなわち小動物がシーソー板3から降りる側が、床面から高く離れる状態にならないため、小動物が怖がって引き返す確率が少なくなり、捕獲率が向上する。
【0017】
上記シーソー板3の軸4より奥側には、捕獲箱1の側壁に上下に延びるように形成した第1スリット11をスライド可能に通過するピン12が設けられている。上記シーソー板3がシーソー動作する際に、上記ピン12が第1スリット11内を上下スライド移動するようになっている。上記ピン12には、ピン12を上向き付勢する付勢部材としてのスプリング13が取り付けられ、小動物がシーソー板3に乗って奥側に進んだときに、シーソー板3が急激に傾くのを防止する。これによって、シーソー板3に乗った小動物が奥側に進んだときに、シーソー板3がゆっくりと傾き、小動物を驚かさず、驚いて逃げることが減り、捕獲率が向上する。
【0018】
この小動物捕獲器は、上記奥に向かって下り傾斜となったシーソー板3の傾斜状態を保持してロック可能なロック機構6を備えている。この例では、上記ロック機構6は、捕獲箱1の入口2寄りの片側の外側に設けられている。また、この小動物捕獲器は、上記シーソー板3がロックフリー状態のときに、シーソー板3が奥に向かって下り傾斜となる動作を検知して確認可能とする動作確認手段7を備えている。そして、上記ロック機構6は、ロックフリー状態とロック可能状態とを切り換え可能になっている。
【0019】
図2は、動作確認手段7とロック機構6の切り替え状態を説明する図である。
【0020】
図2(A)は、シーソー板3がロックフリー状態で初期状態すなわちシーソー動作を開始する前の状態である。上記ロック機構6は、捕獲箱1の側壁において、上記シーソー板3の軸4より入口2側に上下に延びるように形成された第2スリット14と、上記シーソー板3に取り付けられて上記第2スリット14をスライド可能に通過する軸17と、上記捕獲箱1の外側において軸17に回動可能に取り付けられたロックプレート15と、捕獲箱1の側壁の外側面に突出して上記ロックプレート15と係合してロック状態を可能とするロックピン16とを含んで構成されている。
【0021】
上記ロック機構6は、ロックプレート15を縦にした状態でロックフリー状態となり、ロックプレート15をロックピン16側に倒した状態でロック可能状態となる。すなわち、ロックプレート15を、軸17を中心に回動させて縦にしたり横に倒したりすることでロックフリー状態とロック可能状態とを切り換えるようになっている。
【0022】
また、上記動作確認手段7は、上記ロックプレート15よりも少し入口2側において捕獲箱1の側壁外側に設けられ、軸19を中心に回転可能な回転プレート18を含んで構成されている。上記回転プレート18にはフック20が突出形成され、上記シーソー板3が奥側に向かって傾斜するシーソー動作を行う際に、上記ロックフリー状態のロックプレート15に形成された爪21がフック20に引っかかるようになっている。
【0023】
図2(B)は、ロックフリー状態のシーソー板3が、シーソー動作を行なった後の状態である。すなわち、初期状態では、回転プレート18の回転位置を、フック20がロックプレート15側に位置するように決めておく。その状態でシーソー板3に小動物が乗って奥側に進み、シーソー板3が奥側に向かって傾斜するシーソー運動をすると、ロックフリー状態すなわち縦向きになったロックプレート15の入口2側に突設された爪21が、回転プレート18のフック20に引っかかり、回転プレート18を後方に回転させる。回転プレート18は回転した状態で留まるため、フック20の位置が横位置から上位置に変化したことで、シーソー板3が奥に向かって下り傾斜となるシーソー動作を検知して確認することができるようになっている。
【0024】
このとき、ロックプレート15の爪21が回転プレート18を回転させた後、上記爪21が捕獲箱1側壁のピン22に係止する位置まで上昇してそれ以上は上昇しないようシーソー板3の傾斜角度を規制するように構成されている。この状態において、シーソー板3の入口側端部3aと捕獲箱1入口2の開口縁2aとの間に隙間ができるようになっている。例えば、ロックプレート15の爪21がピン22に係止したときのシーソー板3の傾斜角度は、後述する第1段階のロック状態と同様の傾斜角度とすることができる。このようにすることにより、ロックフリー状態で侵入した小動物の尻尾が、シーソー板の入口側端部3aと入口2の開口縁2aとの間に挟まれないため、小動物に警戒されることによる捕り逃がしを防止できる。
【0025】
図2(C)は、ロックプレート15を横倒しにしたロック可能状態である。上述したように、シーソー板3がシーソー動作したことを検知した後、ロックプレート15を倒してロックフリー状態からロック可能状態に切り換える。このとき、ロックプレート15を軸17を中心に奥側に倒してロックピン16に当接させる。
【0026】
図3は、ロック可能状態のロック機構6の動作を説明する図である。
【0027】
図3(A)は、図2(C)と同じ状態で、ロックプレート15を横倒しにしたロック可能状態であって、ロック動作が行われる前の未ロック状態である。上記ロックプレート15は、横倒しにしたロック可能状態でロックピン16と当接する部分よりも先端側に、第1の係止部23と第2の係止部24とが順に設けられている。
【0028】
ロック動作前の未ロック状態では、シーソー板3は初期位置すなわち入口2側に向かって下り傾斜の位置であり、ロックプレート15が取り付けられる軸17は、第2スリット14の下部に位置している。
【0029】
図3(B)は、第1段階のロック状態であり、上記初期状態のシーソー板3に小動物が乗って奥側に向かって進み、シーソー板3がシーソー動作を開始して徐々に奥側に向かって回動を始めると、それに連れてロックプレート15が取り付けられる軸17が第2スリット14内で上昇を始める。すると、ロックプレート15はロックピン16との当接状態を維持して徐々に回動し、ロックプレート15のロックピン16上でのスライドが進み、やがて第1の係止部23がロックピン16に係止して第1段階のロック状態となる。
【0030】
上記第1の係止部23は段部として形成され、そのままでは第1段階のロック状態は解除されないが、さらにロックプレート15のロックピン16上でスライドして第2のロック状態に進むことができるようになっている。
【0031】
図3(C)は、第2段階のロック状態であり、上記第1のロック状態からさらに小動物が奥側に向かって進み、シーソー板3がシーソー動作を継続して奥側に向かって下り傾斜になるよう回動すると、それに連れてロックプレート15が取り付けられる軸17が第2スリット14内でさらに上昇する。ロックプレート15はロックピン16との当接状態を維持してさらに回動し、ロックプレート15のロックピン16上でのスライドが進み、やがて第2の係止部24がロックピン16に係止して第2段階のロック状態となる。
【0032】
上記第2の係止部24は凹部として形成され、そのままでは第2段階のロック状態は解除されず、ロックプレート15はロックピン16上でそれ以上スライドしないようになっている。
【0033】
図4は、初期状態(図示の(S))、第1のロック状態(図示の(O))、第2のロック状態(図示の(T))でのシーソー板3の入口側端部3aと、入口2の開口縁2aとの位置関係を示す図である。このように、上記ロック機構6は、シーソー板3が入口2との間に隙間を作る第1段階のロック状態と、入口2を閉鎖する第2段階のロック状態との2段階にシーソー板3の傾斜状態を保持してロックするよう構成されている。
【0034】
上記ロック状態を解除するには、ロックプレート15を元の縦位置に戻すように回動させることで、第1の係止部23または第2の係止部24とロックピン16との係止が解除されてロック状態が解除される。そして、回転プレート18を、フック20が元の横位置にくるまで戻すことにより、動作確認手段7を初期状態に戻すことができる。
【0035】
上記捕獲箱1の入口2上部の開口縁2aには、入口2から捕獲箱1内に進入した小動物の尻尾がシーソー板3と捕獲箱1の間に挟まれるのを防止する切欠き10が形成されている。これにより、小動物が入口2から侵入して奥に移動し、シーソー板3が奥に向かって傾斜してロック機構6でロックされたときに、小動物の尻尾は上記切欠き10によってシーソー板3に挟まれることがないうえ、この状態でシーソー板3がロックされることから、箱から外へは逃げることが出来ず、入り込んだ小動物は完全に捕獲箱内に捕獲される。
【0036】
このように、上記奥に向かって傾斜したシーソー板3の傾斜状態を保持してロック可能なロック機構6を備えているため、小動物が入口2から侵入して奥に移動したときに、シーソー板3が奥に向かって傾斜したときにロック機構6でシーソー板3がロックされるため、捕獲した小動物が暴れたとしても逃げられることがない。また、上記シーソー板3がロックフリー状態のときに、シーソー板3が奥に向かって下り傾斜となる動作を検知して確認可能とする動作確認手段7を備え、上記ロック機構6がロックフリー状態とロック可能状態とを切り換え可能になっていることから、上記動作確認手段7により、小動物が捕獲箱1内に入ってシーソー板3をある程度動作させたことを確認してからロック機構6をロックフリー状態からロック可能状態に切り換えることができる。このようにすることにより、未ロックでシーソー板3がフリーで動作する状態で暫く放置し、小動物がシーソー板3を傾斜させる位置まで侵入してシーソー板3を動作させたことを動作確認手段7で確認することができる。そして、シーソー板3が動作したことを確認してからロック可能状態に切り換えることで、小動物を逃がすことなく確実に捕獲することができる。
【0037】
このように、ロックフリー状態で餌付けしたのちロック可能状態に切り換えて捕獲することが可能となり、捕獲率が格段に向上する。そして、集団行動をする動物を捕獲する場合、ロックフリー状態で捕獲箱を複数設置して餌付けし、その後一斉にロック可能状態に切り換えることにより、大量捕獲も可能となる。設置した翌日に回収すれば、生け捕りも可能である。また、ロックの仕組みが簡単なことから、連続捕獲の仕組みに発展させることも容易である。さらに、ロックの作動する音が極めて小さいため、他の動物が学習することも少ない。
【0038】
また、上記ロック機構6は、シーソー板3が入口2との間に隙間を作る第1段階と入口2を閉鎖する第2段階との2段階にシーソー板3の傾斜状態を保持してロック可能なため、小動物が入口2から侵入して奥に移動したときに、シーソー板3が奥に向かって傾斜したときに、まず、シーソー板3は、入口2との間に隙間を作る第1段階でロックされる。このとき、小動物の尻尾は上記隙間によってシーソー板3に挟まれることがないうえ、この状態でシーソー板3がロックされることから、捕獲箱1から外へは逃げることが出来ない。つぎに、尻尾まで捕獲箱1内に収容されてから小動物がさらに奥に進んだときに、シーソー板3が入口2を閉鎖する第2段階でロックされるため、入り込んだ小動物は完全に捕獲箱1内に捕獲される。
【0039】
また、上記シーソー板3の奥側端部には、シーソー板3の奥側端部と捕獲箱1の床面を傾斜面で橋渡すブリッジ部材8が連結されているため、シーソー板3が途中までしか傾斜しない場合でも、ブリッジ部材8によってシーソー板3の奥側端部と捕獲箱1の床面が傾斜面で橋渡されるため、シーソー板3の奥側端部が中に浮いて道がなくなるような状態にならない。すなわち、シーソー板3がシーソー動作したときでも、シーソー板3の奥側すなわち小動物がシーソー板3から降りる側が、床面から高く離れる状態にならないため、小動物が怖がって引き返す確率が少なくなり、小動物の取り逃がしが大幅に少なくなって捕獲率のアップにつながる。
【0040】
このように、小動物を捕獲する際に、他の小動物が捕獲装置であることを学習して捕獲しにくくなることを防ぐことができ、クマネズミ等の警戒心の強い小動物を捕獲する場合等に有効である。
【0041】
本発明の捕獲器において、捕獲箱1の奥部に、一方通行の狭い出口通路を形成し、捕獲した小動物を通過させ、この通過の際に、小動物の背中や腹部に両面粘着剤を貼付した発信器を取り付けるようにすることも可能である。
【符号の説明】
【0042】
1:捕獲箱
2:入口
2a:開口縁
3:シーソー板
3a:入口側端部
4:軸
5:錘
6:ロック機構
7:動作確認手段
8:ブリッジ部材
9:餌
10:切欠き
11:第1スリット
12:ピン
13:スプリング
14:第2スリット
15:ロックプレート
16:ロックピン
17:軸
18:回転プレート
19:軸
20:フック
21:爪
22:ピン
23:第1の係止部
24:第2の係止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
捕獲箱に形成された入口を閉鎖することにより上記入口から侵入した小動物を捕獲する小動物捕獲器であって、
捕獲箱内には、上記入口に臨むようにシーソー板が設けられ、
上記シーソー板は、入口から侵入した小動物が奥に移動することにより奥に向かって傾斜するよう構成されるとともに、入口から侵入した小動物が奥に移動して奥に向かって傾斜した状態で入口を閉鎖するよう構成され、
上記シーソー板がロックフリー状態のときに、シーソー板が奥に向かって下り傾斜となる動作を検知して確認可能とする動作確認手段と、
上記奥に向かって下り傾斜となったシーソー板の傾斜状態を保持してロック可能なロック機構とを備え、
上記ロック機構は、ロックフリー状態とロック可能状態とを切り換え可能になっていることを特徴とする小動物捕獲器。
【請求項2】
上記ロック機構は、シーソー板が入口との間に隙間を作る第1段階と入口を閉鎖する第2段階との2段階にシーソー板の傾斜状態を保持してロック可能とするよう構成されている請求項1記載の小動物捕獲器。
【請求項3】
上記シーソー板の奥側端部には、シーソー板の奥側端部と捕獲箱の床面を傾斜面で橋渡すブリッジ部材が連結されている請求項1または2記載の小動物捕獲器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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