説明

小型イオン移動度分光計用のパルス放電イオン源

イオンドリフトチャンバ(24)内の第1の位置に位置するコロナ放電電極(26)を通過させて試料ガスと反応ガス(38,43)を流し、試料ガスと反応ガスからイオンを生成させるコロナを発生させるためにコロナ放電電極(26)へ変動パルス成分と直流バイアス成分からなるパルス電圧波形を印加し、イオンドリフトチャンバ(24)内の第2の位置(25)へイオンをドリフトさせるためにイオンドリフトチャンバ(24)へ直流バイアス電圧を印加し、ドリフトチャンバ(24)内の第2の位置(25)においてイオンを検出し、イオンがコロナ放電電極からドリフトチャンバ内の選択された位置へドリフトする期間を計測するための方法と装置を開示する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明の分野は、イオン移動度分光計である。イオン移動度分光分析(IMS)は、大気圧において、薬物,爆発物,揮発性有機化合物(VOC),化学戦争兵器を検出するための重要な手法である。爆発物は、通常、高い電子親和力を有し、薬物と化学戦争(CW)兵器は、高いプロトン親和力を有する。これらの化学物質がイオン移動度分光計(IMS)の反応装置に入ると、これらのサンプルの陰イオンと陽イオンが優先的に形成される。このような優先的傾向によって、微量の爆発物,薬物,化学戦争兵器を検出するときの、高感度のイオン移動度分光分析技術が可能となる。一部の市販のイオン移動度分光計は、上記化学物質の検出に利用可能である。
【0002】
上記装置の小型化によって、この分野における有利な用途が提供される。しかし、市販の携帯型のイオン移動度分光計に特有の問題は、感度の損失である。例えば、現在、空港で用いられている卓上型のイオン移動度分光計の感度は、爆発物について約1ナノグラムである。より小さい携帯型バージョンの感度は、100倍以上に低下する。この感度低下の主な原因は、イオン化のためにニッケル−63(Ni63)放射性線源を使用していることである。ニッケル−63は、67keVの運動エネルギーの電子を放出する。高エネルギー電子の気体中における低い阻止能によって、小さい容積の小型イオン移動度分光計のイオン化室においては、少しのイオンしか発生せず、その結果として低感度となる。その上、ニッケル−63放射性線源は、その放射性の性質に起因する潜在的な危険性を有している。ニッケル−63放射性線源を備えたイオン発生装置の例が、2001年5月1日に発行されたTurnerらの米国特許第6,225,623号に開示されている。イオン移動度分光計の原理に関する概説としては、Eiceman, G.A. and Karpas, Z., "Ion Mobility Spectrometry", CRC Press, Boca Raton FL, USA, 1994.が参考となる。
【0003】
Taylorらの1997年11月4日に発行された米国特許第5,684,300号と、1993年6月10日に公表された国際公開第WO03/11554号では、多様な極性,振幅,幅のパルスを高周波(RF)発振器により発生させ、そのパルスをコロナ放電でイオンを発生させるために用いている。これらのパルスのいくつかの特性は確定されていないが、その特性はこの種の分光計の性能を制限する傾向がある。イオン移動度チャンネルに入射するイオンを制御するためにイオンゲートが用いられ、その電子機器によって、装置は余分なサイズを有することが要求される。
【発明の開示】
【0004】
本発明は、特に小型イオン移動度分光計(IMS)用に設計され、その他の分析装置にも使用可能なパルス放電イオン源を提供するための方法と装置である。本発明は、サンプルガスからイオンを発生させ、イオンの運動の開始を合図するために、パルスを用いて非放射性(非ドープ)材料の先端の周囲にコロナを発生させる。
【0005】
本発明のさらなる特徴において、印加されるポテンシャルは、パルス成分と、このパルス成分を低減する直流ベース電圧成分を含んでいる。これにより、ノイズと電力消費量が低減される。
【0006】
本発明のパルス放電イオン源を備えた小型イオン移動度分光計は、以下の長所がある:(1)イオンが非常に小さい体積中に集中することにより高感度であること、(2)イオンゲートとそれに付属する電子機器の使用が不必要であること、(3)イオン化率を調節できることにより高ダイナミックレンジが得られること。
【0007】
本発明は、イオンを非常に限定された空間と時間において発生させる方法と装置を提供するものであるが、その結果、小型IMS検出器が高感度となる。プロセッサに基づく電子制御により、イオン化パルスに伴う初期のイオンの運動の時間的調節が可能になる。これにより、イオンをドリフトチェンバに入射するためのイオン抽出ゲートを必要としない装置が提供される。これにより、ドリフトチャンバ本体、電子制御パッケージのサイズと電力消費量が小さくなる。本発明はまた、パルス波高の調節または直流バイアスの調節によって、増加したダイナミックレンジを与える。
【0008】
上述したことに加えて、本発明のその他の対象と長所は、以下の好ましい実施例の説明から、この技術において通常の知識を有する者には明白である。その説明においては添付した図面を参照するが、これはその一部を形成し、本発明の実施例を示すものである。この実施例は、本発明の種々の実施例を網羅するものではないが、本発明の範囲を決定するためには、その説明に続く特許請求の範囲が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の方法を実施するための装置の第1実施例の概略図である。
【図2】本発明の方法を実施するための装置の第2実施例の概略図である。
【図3】時間と直流バイアス電圧に対するイオン検出電流のグラフである。
【図4】ドリフトチャンバに供給された湿気のある空気について、および窒素について、ドリフト時間に対するイオン検出電流のグラフである。
【図5】イオンを生成するコロナを発生させるための2つの電極間の距離に対するアーク放電スレッショルド電圧のグラフである。
【図6】イオンを生成するコロナを発生させるためのパルス波高に対するアーク放電スレッショルド電圧のグラフである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1を参照すると、本発明は、図1に示すような、パルス状のコロナ放電イオン源を用いた小型イオン移動度分光計(IMS)10において実施される。
【0011】
図2は、超小型電子CPU51を特徴とする装置からなる第2の小型化された実施例を示している。
【0012】
図1及び図2において、装置は、テフロン(登録商標)などの誘電材料からなる環状のスペーサ21(厚さ5mm、内径8mm)により分離された10層の環状の金属電極12〜19,22,23を備えた円筒型の本体11を有している。これは、直径が1.7mm〜2.5mm、有効長が35〜50mmの範囲のドリフトチャンネル24を形成している。図1において、ドリフトチャンネルは具体的には、それぞれ直径が2.5mm、長さが47mmである。
【0013】
それぞれ抵抗値2MΩ、誤差1%の9個の小型抵抗器(図示せず)が電極12〜19,22,23の間に接続され、分圧器を形成している。第1の電極12は、イオンドリフト電圧を与えるために電源装置20でバイアスがかけられ、その電圧は中間の電極13〜19,22,23へ抵抗器を通じて分圧される。最後の電極23は、電気的な接地40に接続されている。最後の電極の隣の電極22は、過渡現象を抑えるために470pFのコンデンサー39が接続されている。イオン検出電極25は、最後の電極23とその隣の電極22の間のドリフトチャンバ24内に位置している。プラスとマイナスのイオンをそれぞれ検出するために、検出電極25にはプラス又はマイナスの電位が印加可能になっている。
【0014】
非放射性(非ドープ)材料からなり、約25μmの湾曲した先端径を有するニッケル先端電極26が、ドリフトチャンバ24の入り口に設置されている。第2のドリフトチャンネル電極13は、コロナ放電用の対極として用いられ、その先端電極26までの距離は、図5に示すように放電域の限界距離よりも大きくなっている。コロナ生成先端電極26は、IMSチャンネルの第2の電極13とともに、先端リングコロナ放電素子を形成している。
【0015】
試料ガスは、図1のリザーバ38から、流量計37を経由しドリフトチャンバ24のコロナ放電側への入り口へ供給される。キャリアガス、この場合、窒素は、ソース35から、フィルター34と第2の流量計33を経由して、ドリフトチャンバ24の検出側への入り口へ供給される。これらのガスは、バルブ41と排気口42を経由して、ドリフトチャンバを出る。図2において、図1と同様の部分は同じ符号を有しており、試料ガスはソース43から受け入れられ、一方、乾燥空気は、ドリフトチャンバ24の反対側の入り口への供給装置53から入る。この乾燥空気は、ドリフトガスと反応ガスの両方を含んでいる。これらすべてのガスは、排気口42から出る。
【0016】
コロナは、40ナノ秒から100マイクロ秒の幅と、0.2〜3.3kVに変化するパルス高さと、20Hzの反復率(周波数)とを有する電気的パルスを印加することによって、電極26で生成される。このパルスは、高電圧源36で発生するベース直流電圧成分と、高電圧源29,アンプ28,増幅される前の5Vのオーダーのパルスを発生するパルス発生装置27から構成されるパルス発生装置によって生成される変動パルス成分として生成される。これらのパルスは、コンデンサC1を通してベース直流電圧に加算される。その結果として得られた増幅された高電圧パルスは、図1に見られるコロナ先端電極26に印加される。高電圧パルスが印加される間、先端26の周辺にイオンが生成する。パルス印加後、そのイオンはドリフトチャンネル24に沿って、電圧供給装置20によって与えられるドリフト電場バイアスの影響下でキャリアガスを通って移動する。
【0017】
コロナ放電パルスはまた、イオン移動度運動の時間を計測するために、開始信号を与える。各パルスについて、イオンは、チャンネル24の端部に位置するイオン検出電極25に到達するまでの移動時間に応じて分離される。ここで、イオン電流が生じ、イオン電流は電極25に接続された電流アンプ30へ伝達される。開始信号とイオンの到達の間の時間差は、時間デジタル変換装置(TDC)31によって検出されて、分析用のコンピュータ32へ伝送される。時間デジタル変換装置31の代わりにデジタルオシロスコープ31が使用される場合、開始パルスはオシロスコープをトリガーする。イオン到達信号は、オシロスコープによって記録され、コンピュータ32へ送られる。
【0018】
検出電極25は、信号を増幅する図1のアンプ30へ接続されている。オシロスコープは、図1のラブビュー(Labview)アプリケーションプログラムを実行するアップルマッキントッシュコンピュータ32へ接続されている。これは、本発明の動作を説明するための実験プロトタイプの実施例である。図2において、図1の構成要素は、市販用の実施例の縮小サイズに設計されている。
【0019】
陽イオンと陰イオンの両方のイオン移動度スペクトルは、パルス幅の関数として測定された。陽イオンについて、イオン電流はパルス幅とともに増加して飽和した。陰イオンについて、イオン電流は急速にピークに達して、つぎにパルス幅の増加とともに減少した。
【0020】
パルス状のコロナ放電と空気のイオン化によって生成した陰イオンのイオン移動度スペクトルは、図3に見られるように、直流の−600Vから直流の−1700Vまでのドリフトバイアス電圧の関数として測定された。パルスは1.08マイクロ秒の幅と+2600Vの振幅を有していた。試料空気は大気圧で室温であった。ドリフトガスは窒素であり、流速20sccm(立方センチメートル毎秒)で、フィルター34とIMSチャンネル24の検出側の流量計33とを経由して、ソース35から供給される。
【0021】
空気のパルス状コロナ放電イオン化により生成した陽イオンの典型的な移動度スペクトルを図4に示す。陽イオンを生成させるために、先端電極26に印加されるパルス電位もまた、陰イオンを生成させるために用いられるのと同じ極性のプラスであり、高さが直流3100Vで幅が14.5マイクロ秒である。
【0022】
コロナ放電特性は、先端電極26と対極13の距離に依存する。対極は環状と先端状のどちらであってもよい。これは、図5に図示されている。1.96mm未満の距離では、スレッショルド電圧の直流約1900Vに達するまで、イオン化は起こらない。スレッショルド電圧またはその上の電圧で、安定したコロナの形成に先行して、スパーク・ブレークダウンが起こる。そのスレッショルド電圧は、図5に示すように、1.96mmの2400Vまで、距離の関数として増加することが分かった。安定したコロナ放電の条件は、この距離範囲では見つからなかった。距離が1.96mmを超えたとき、ドリフトバイアス電圧の関数であるスレッショルド電圧において、コロナ放電が起こった。
【0023】
コロナ放電はまた、パルス電位と組み合わせたベース直流電位の組み合わせによって、生成された。図1に示すように、直流電圧供給装置36は、コンデンサC1を経由して直流パルス発生装置27,アンプ28,第2の直流電圧供給装置29に接続している。図2に示すように、直流電圧供給装置45は、コンデンサ46を経由してパルスアンプ47とパルス高さ制御回路48に接続している。図2において、パルスはデジタル−アナログ変換装置49を経由して超小型電子CPU51によって統御される。0〜3000Vで変化するベース直流電位は、パルス電位に重ね合わせられた。組み合わせられた電位は、コロナ先端電極への直流電位,パルス高さ,パルス幅の独立した変更を可能にする。与えられたパルス高さに対して、イオン移動度スペクトル電流は、直流バイアス電圧の関数として測定可能である。より高いパルス電圧に対して、電流は直流バイアスについてのスレッショルド電圧を示して飽和レベルまで増加する。図6に示すように、パルス高さが直流200Vから直流3000Vに増加したときに、その直流スレッショルド電圧は、直流3000Vから直流200Vに直線的に減少することが分かった。したがって、直流ベース電圧が上昇すれば、低電圧のパルスでイオンが生成可能である。
【0024】
図2の検出電極25は、小さい信号を増幅するアンプ44に近接した近傍に接続されている。この信号は、つぎに、ノイズを除去するためにデジタイザー50によってデジタル化され、そして、超小型電子CPUによって読み込まれる。特定の物質に対して、スレッショルド電圧が設定され、スレッショルド電圧を上回ったときに、アイコンを明るくすることや、ディスプレイスクリーン上のオブジェクトの色を変化させること等によって、アラームディスプレイ52を通して視覚表示がユーザーに与えられる。
【0025】
図2の電子回路20,44〜52は、非常に小型に作製可能であって、回路基板上に実装可能である。これらは、ドリフトチャンバ本体11とともに、チタンケースを有するタイプの軽量のノートブック型コンピュータのサイズのパッケージにまとめることができる。
【0026】
本発明のパルスコロナイオン源は、従来技術のイオン源の近くのイオンゲートの必要性をなくすものである。これはまた、より小さいドリフトチャンバとドリフトチャンバを収容するためのより小さい本体を提供するものである。本発明はまた、イオン源と検出電極の間のイオンの運動の時間を計測するための方法を提供するものである。パルス成分とベース電圧成分からなる直流電圧の使用により、パルス成分が減り、ノイズと電力消費量が減少する。
【0027】
これは、本発明の詳細な実施例の説明であった。当業者にとって、本発明の範囲から逸脱することなく変形実施が可能であることは明らかであるが、それは特許請求の範囲によって規定される。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析装置用のパルス放電の方法であって、
イオンドリフトチャンバ内の第1の位置にある非放射性材料からなるコロナ放電電極を通過するように試料ガスと反応ガスを流すことと、
前記試料ガスと前記反応ガスからイオンを生成させるコロナを発生させるために前記コロナ放電電極にパルス電圧を印加することと、
ドリフトガスによって供給される媒体を通り抜けて前記イオンドリフトチャンバ内の第2の位置へ前記イオンをドリフトさせるために、前記イオンドリフトチャンバに直流バイアスを印加することと、
前記ドリフトチャンバ内の前記第2の位置で前記イオンを検出することと、
前記イオンが前記コロナ放電電極から前記ドリフトチャンバ内の前記第2の位置までドリフトする時間を計測することと、
前記試料ガスの同一性を決定するために前記の計測された時間を用いることを備えたことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記コロナ放電電極に前記パルス電圧を印加することは、さらに、制御可能なベース直流成分と制御可能な変動パルス成分とからなるパルス電圧を生成させることを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記パルス電圧は、40ナノ秒から100マイクロ秒の範囲内で選択されたパルス幅を有することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記パルス電圧は、0.2〜3.3kVの範囲内で選択されたパルス高さを有することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記パルス電圧は、約20Hzの周波数を有することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】
さらに、前記ドリフトチャンバ内の前記第2の位置の近傍の前記ドリフトチャンバ内へ前記ドリフトガスを流すことを備えたことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項7】
さらに、前記試料ガスからのイオンが検出電極へ到達する時間を記録することと、スレッショルド電圧で前記検出電極において検出された前記試料ガスからのイオンを比較することと、前記スレッショルド電圧を上回ったときに、前記スレッショルド電圧と関連した物質の検出を表示する視覚ディスプレイをユーザーへ与えることを備えたことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項8】
ガスの反応とガスの運動のための細長いチャンバを形成する本体を備え、前記チャンバは試料ガスを受け入れるための第1の入り口を有するとともに反応ガスとドリフトガスを受け入れるための第2の入り口を有し、
前記試料ガスの流路中の前記チャンバの第1の位置において前記本体中に位置する非放射性材料からなるコロナ放電電極と対極と、
前記コロナ放電電極から空間を空けた前記チャンバの第2の位置におけるイオン検出電極を備え、
一対の電極が前記チャンバの全長に沿って直流バイアス電圧を印加するために備えられ、
前記コロナ放電電極への電圧の印加を制御し、前記コロナ放電電圧の印加で開始して前記イオン検出電極におけるイオンの検出で終了する間隔を計測する、電子制御装置を備えたことを特徴とする分析装置。
【請求項9】
前記チャンバを形成する前記本体は、相隔たり誘電性のスペーサリングによって分離された少なくとも4つの電極リングを有し、前記電極リングと前記スペーサリングは、少なくとも前記チャンバの一部をともに形成する中央開口部を有することを特徴とする請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記コロナ放電電極は、端部の電極の開口部を通って前記細長いチャンバへ軸方向又は横方向のいずれかに配置され、前記コロナ放電電極の対極を形成する最後の電極リングの隣の電極から間隔を空けて先端を有することを特徴とする請求項8記載の装置。
【請求項11】
前記電子制御装置は、制御可能なベース直流コンポーネントと制御可能な変動パルスコンポーネントとをさらに備えた前記コロナ放電電極へ電圧を印加することが実施可能であることを特徴とする請求項8記載の装置。
【請求項12】
前記装置は、イオンが導入される前記ドリフトチャンバの端部にイオン注入ゲートを有していないことを特徴とする請求項8記載の装置。
【請求項13】
前記電子制御装置は、開始パルスを発生させる超小型電子CPUをさらに備え、前記CPUは、アンプを経由して前記検出電極に接続されるとともに、検出されたイオン信号を受信するデジタイザーに接続されていることを特徴とする請求項8記載の装置。
【請求項14】
前記電子制御装置は視覚ディスプレイに接続されるとともに、前記電子制御装置は、イオンドリフト時間を計測することによって試料ガスを同定し、スレッショルド電圧で前記検出電極において検出されたイオンを比較し、前記スレッショルド電圧を上回ったときに、前記スレッショルド電圧と関連した物質の検出を表示するために前記視覚ディスプレイを通してユーザーへ信号を与えることを特徴とする請求項13記載の装置。
【請求項15】
前記電子制御装置は、ベース直流コンポーネントと変動パルスコンポーネントをさらに備えた前記コロナ放電電極へ電圧を印加するための手段をさらに備えたことを特徴とする請求項8記載の装置。
【請求項16】
前記ドリフトチャンバ内の前記第2の位置の近傍における前記ドリフトチャンバ内へ第2のガスを流すための手段と、前記チャンバ内へ反応ガスを流すための手段をさらに備えたことを特徴とする請求項8記載の装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−507508(P2006−507508A)
【公表日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−569412(P2004−569412)
【出願日】平成15年9月10日(2003.9.10)
【国際出願番号】PCT/US2003/028269
【国際公開番号】WO2004/081556
【国際公開日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【出願人】(302041176)ユーティー−バッテル,エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】