説明

小型廃水濃縮器および汚染物質スクラバー

小型携帯用液体濃縮器および汚染物質スクラバーは、ガス注入口、ガス排出口、およびガス注入口とガス排出口とを接続する流動路を含み、流動路は、流動路を通るガスを加速させる狭窄部分を含む。液体注入口は、狭窄部分より前の地点でガス流内に液体を注入し、そうして気液混合物が流動路内で完全に混合され、液体の一部分を蒸発させる。狭窄部分の下流のデミスターまたは流体スクラバーが、ガス流から同伴液滴を除去し、除去された液体を、再循環回路を通じて液体注入口へと再循環させる。試薬は、液体内の汚染物質と反応させるために、その液体と混合されてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、概して、液体濃縮器に関し、より具体的には、廃熱源に容易に接続し、それを使用することができる、小型、携帯用、かつ費用効果の高い廃水濃縮器に関し、より具体的には、廃水流内で溶解される汚染物質を除去しながら、同時に廃水を濃縮する、小型、携帯用、かつ費用効果の高い廃水濃縮器に関する。
【背景技術】
【0002】
濃縮は、幅広い種類の廃水流の処理または前処理の効果的な形態であり得、様々な種類の商用処理システム内で実行することができる。高レベルの濃縮において、多くの廃水流は、高レベルの溶解および懸濁固形物を含有するスラリー状の残留物質まで縮小することが可能である。このような濃縮残留物は、埋立地内での処分のための従来技術によって容易に凝固することができるか、あるいは、適用可能な場合、最終処分の前にさらなる処理のために後続プロセスへ送達されてもよい。廃水の濃縮は、運送費および必要な貯蔵容量を大幅に減少させることができ、物質が廃水から再生される、後続プロセスにおいても有益であり得る。
【0003】
産業廃水流の特徴は、それらを生産する多数の産業プロセスの結果として、非常に幅広い。廃水を管理するための技術には、下水処理場への直接排出、前処理後下水処理場への排出、有用成分の再利用のための現地または現地外処理、および最終処分のために廃水を単純に準備するための現地または現地外処理が挙げられる。廃水源が制御されない事象である場合には、効果的な格納および再生技術が、これらの選択肢のうちのいずれかに含まれていなければならない。
【0004】
廃水濃縮プロセスの有効性の重要な尺度は、プロセスに入る廃水の容積に比例して生産される残留物の容積である。具体的には、供給容積に対する残留物容積の比率が低いこと(高レベルの濃縮)が、最も望ましい。廃水が、溶解および/または懸濁した不揮発性物質を含有する場合、揮発性物質の蒸発に頼る特定の濃縮プロセスで達成可能な減容は、プロセス流体に熱を伝達するために選択される方法によって大いに制限される。
【0005】
一般的に、水分および他の揮発性物質の蒸発によって濃縮を行う従来のプロセスは、間接的な伝熱システムを使用する。間接的な伝熱システムは、一般的に、プロセス流体およびプレートを保持する容器、差し込み管、またはプロセス流体内に浸漬されるコイル型熱交換器を含む。蒸気または熱油等の媒体は、蒸発のために必要な熱を伝達するために、熱交換器を通過する。
【0006】
プレート、差し込み管、またはコイル等の熱交換器に頼る間接的な伝熱システムは、一般的に、プロセス流体との直接接触状態になる熱交換器の表面上の固形沈殿物の蓄積によって制限される。さらに、このようなシステムの設計は、蒸気ボイラーまたは熱油ヒーター等の他の伝熱流体を加熱するために使用される装置等の熱媒体に、熱エネルギーを伝達するための別個のプロセスの必要性により、複雑化される。この設計は、濃縮プロセスを支持するために、2つの間接的な伝熱システムへの依存をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
処理を受けている間に、熱交換器上に沈殿物を生産する供給流は、汚損流体と称される。供給流が、温度の上昇で可溶性が低下する(すなわち、逆溶解性の)炭酸塩等、特定の化合物を含有する場合、一般的にボイラースケールと称される沈殿物が、比較的低度の濃縮でさえも、熱交換器の表面における昇温のために、生じることになる。さらに、塩化ナトリウム等、昇温で高い可溶性を有する化合物が廃水供給内に存在する場合、それらもまた、プロセス流体が高濃縮(すなわち、飽和)に達する際に、その溶液から沈殿することによって沈殿物を形成することになる。熱交換表面上に蓄積された固形物の層は、伝熱率を減少させる絶縁壁として機能する。さらに、固形沈殿物は、熱交換器内で特定の物質を腐食する潜在性を有する可能性がある。プロセス効率を維持し、腐食の可能性を減少させるために、頻繁な周期での熱交換表面清浄を必要とするこのような沈殿物は、廃水供給を伴うプロセスで生じる懸濁固形物とプロセス流体から沈殿する固形物との任意の組み合わせであり得る。効率性の損失に対抗し、清浄間の時間を延ばすために、間接的な熱交換蒸発器の設計者は、一般的に、熱交換表面を拡大する。言い換えると、間接的な熱交換表面は、清浄周期を減らすために、必要以上に大きく作られている。さらに、腐食の可能性に対抗するため、設計者は、典型的に、熱交換器の材料に高価な高合金を選択する。間接的な熱交換器内の固形物蓄積の影響は、特に廃水の範囲が汚損流体を含む場合に、効果的に管理可能な廃水の範囲に、実際的な制限を課す。そのため、間接的な伝熱機構に頼るプロセスは、概して、幅広い種類の廃水流を濃縮し、供給容積に対する残留物容積の低い比率を達成するためには不適当である。
【0008】
上記の要因のため、間接的な熱交換蒸発器の設計者は、このようなシステムを設計する際、費用、清浄周期、腐食抵抗力、および効率性のバランスを取る必要がある。清浄周期間の時間を延ばすために、間接的な熱交換蒸発器は、しばしば、差圧が制限され、プロセス流体の最大濃度を制限する。結果として、既知の間接的な熱交換蒸発器は、しばしば、熱交換表面上の固形物蓄積率を減少させるために、最大濃度として、全固形物を20%未満に制限される。
【0009】
既知の間接的な熱交換蒸発器の別の欠点は、廃水内の水分を蒸発させるために大量の熱が必要なことである。海面において、一般的に、廃水をその沸点まで加熱するために、1Btu/Lb/°Fが必要である(この熱は、一般的に「顕熱」と称される)。したがって、水の蒸発をもたらすためには、おおよそ1,000Btu/Lbが必要である(この熱は、一般的に「潜熱)と称される)。
【0010】
いくつかの間接的な熱交換蒸発器は、水分を蒸発させるために必要な熱エネルギーの量を減少させようと試みてきた。特に、必要とされる熱エネルギーを減少させる目的で、不完全真空下で動作する多段式間接蒸発プロセスが開発されてきた。このような設計は、必要とされる熱エネルギーの量を減少させることにいくらかは効果的であったが、これらの設計は非常に高価であり、それらは、依然として、上述の欠点、特に固形物蓄積と濃度制限を受けている。
【0011】
蒸発に加えて、いくつかの伝統的な廃水処理システムは、安全な最終処理生産物を提供するために相互作用する、一連のプロセスステップ、または「単位操作」を含む。これらの種類の廃水処理システム例は、従来の汚水処理システムを含む。従来の汚水処理システムは、脱水、加熱、微生物消化(好気性および嫌気性)、pH調整、沈殿、汚泥濃縮、汚泥乾燥、ならびに処理済流出液の脱窒および濾過等の、プロセスステップを含む。汚水の清浄および安全な生産物の生産を目指す、いくつかのプロセスステップを用いてさえも、従来の汚水処理システムの最終生産物は、概して、何らかの汚泥である。結果として得られた汚泥のうちのいくらかは、処理プロセス中に溶液から出て沈殿する重金属を含有する場合がある。これらの重金属は、有毒な場合があり、重金属は汚泥から抽出することが困難である。
【0012】
従来の汚水処理システムの別の欠点は、プロセス流体が、pHの変動に非常に敏感であることである。さらに、プロセス流体は、微生物消化を妨げる化合物を含有する場合がある。言い換えると、プロセス流体は、従来の汚水処理システムにおいて使用される細菌に対して有害な化合物を含有する可能性がある。
【0013】
さらに別の従来の廃水処理方法は、濾過システムである。濾過システムは、様々な濾過方法を使用して、廃水を浄化することができる。濾過方法のいくつかの例は、逆浸透、限外濾過、およびイオン交換である。これらの濾過システムのそれぞれは、システム内の膜上の汚染物質に対するある程度の感受性を含む。したがって、この膜は、定期的に逆洗または清浄する必要がある。さらに、二次システムが、これらの汚染物質を除去するために必要となる場合があり、より高価で複雑なシステムにつながる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
小型液体濃縮装置は、天然ガスフレアまたは燃焼機関排気筒等の、廃熱源に容易に接続可能であり、この廃熱を使用して、大型および高価な格納容器の必要性、ならびに大量の高価な高温耐熱材料なしに、直接的な伝熱濃縮および汚染物質除去プロセスを実行することができる。小型液体濃縮器は、ガス注入口とガス排出口とを接続する混合路または流動路を含み、流動路は、流動路を通してガスを加速させる狭窄部分を含む。流動路のガス注入口と狭窄部分との間に設置される液体注入口は、狭窄部分より前の地点でガス流内に液体を注入し、そうして気液混合物が、流動路内で完全に混合され、液体の一部分を蒸発または濃縮させる。狭窄部分の下流にあり、ガス排出口に接続されるデミスターまたは流体スクラバーは、ガス流から同伴液滴を除去し、除去した液体を、再循環回路を通じて液体注入口へ再循環させる。濃縮される新しい液体もまた、流動路内で蒸発される液体と、プロセスから引き出された濃縮済みの液体との総合計を相殺するために十分な割合で、再循環回路内に導入される。
【0015】
本明細書に記載の小型液体濃縮器は、幅広い特徴を有する廃水流を費用効果よく濃縮するように動作するいくつかの特性を含む。本濃縮器は、幅広い範囲の供給特徴にわたり、腐食作用に耐性があり、手頃な製造費用および操作費用を有し、高レベルの濃縮で継続的に動作可能であり、幅広い種類の源から直接、熱エネルギーを効率的に利用する。さらに、本濃縮器は、携帯するために十分に小型であるため、廃水が制御されない事象を通じて生成される場所へ容易に輸送可能であり、天然ガス井戸フレア等の、廃熱源に近接近して設置可能である。したがって、本明細書に記載の濃縮器は、幅広い異なる種類の廃水流を継続的に濃縮するように動作し、目詰まりおよび沈殿物の蓄積をもたらす従来の間接的な伝熱システムに見られる従来の固体表面熱交換器の使用を排除する、費用効果が高く、信頼性および耐久性のある装置である。
【0016】
本小型液体濃縮器は、固体熱交換表面の必要性なしに、直接的な熱交換上で有利に動作する。結果として、本小型液体濃縮器は、熱交換表面上の固形沈殿物の欠点に影響されない。さらに、本小型液体濃縮器は、非常に高レベルの廃水濃縮で継続的に動作する。濃縮器内の高い乱流は、大型結晶の形成を未然に防ぎ、固形物が溶液内に懸濁された状態を保持する。結果として、本小型液体濃縮器は、表面上の固形物の蓄積をほとんど経験しない。沈殿した固形物は、液体部分が濃縮器に戻る間に、沈殿槽または真空ベルトフィルタ等のサイドプロセスを通じて濃縮器から除去することができる。このようにして、本濃縮器は、継続的な動作中のゼロ液体排出に取り組む。沈殿した固形物は、しばしば、処分のために埋立地に蓄積される場合がある。
【0017】
本濃縮器の一実施形態において、試薬が、濃縮前または濃縮後に廃水に添加されてもよい。試薬は、廃水の有害成分と化学的または機械的に反応して、無害または不溶性の生産物を生産することができる。したがって、本濃縮器は、廃水流から有害物質を除去することにおいて有用であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】小型濃縮器の斜視図である。
【図2】図1の小型液体濃縮器の濃縮/蒸発部の拡大斜視図である。
【図3】図1の小型液体濃縮器の概略図である。
【図4】小型液体濃縮器のもう1つの実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、天然ガス井戸からの天然ガスフレアの形状の廃熱源に接続される、小型液体濃縮器110の1つの特定の実施形態を図示する。一般的に言えば、小型液体濃縮器110は、米国環境保護庁(the U.S. Environmental Protection Agency)(EPA)および/または地域の規制当局によって設定された基準を満たす様態で天然ガスを焼却する、天然ガスフレア内で発生する排熱または廃熱を使用して、天然ガス井戸からの還流水等の廃水を濃縮するように動作する。既知のように、ほとんどの天然ガス井戸は、余剰の天然ガスを焼却するために使用される、フレアを含む。典型的に、フレアから出るガスは、華氏1200から1500度であり、華氏1800度に達する場合がある。小型液体濃縮器100は、埋立浸出液または他の生産された水分の濃縮に、同等に効果的であり、埋立ガスフレア、プロパンフレアからの排ガスで、または事実上いかなる他の源からの熱でも、動作可能である。
【0020】
図1に図示されるように、小型液体濃縮器110は、概して、フレアアセンブリ115を含むか、またはそれに接続され、伝熱アセンブリ117、空気前処理アセンブリ119、濃縮器アセンブリ120(図2において、より詳細に示される)、流体スクラバー122、および排気部124を含む。重要なことに、フレアアセンブリ115は、任意の既知の原理に従って、天然ガス(または他の可燃燃料)をその中で焼却する、フレア130、およびフレアキャップアセンブリ132を含む。フレアキャップアセンブリ132は、フレア130の上部、または他の種類の排気筒(例えば、燃焼ガス排気筒)を覆う、可動キャップ134(例えば、フレアキャップ、排ガスキャップ等)を含み、フレアキャップ134が閉鎖位置にある場合に、フレア130の上部を密封するか、または部分的な閉鎖位置でフレアガスの一部分を迂回させ、フレアキャップ134が開放位置または部分的な開放位置にある場合に、フレア130内で生産されるガスが、一次ガス排気口143を形成する開口端を通じて大気中へ脱出することを可能にする。フレアキャップアセンブリ132はまた、完全な開放位置と完全な閉鎖位置との間でフレアキャップ134を移動させる、モータ135(図3を参照)等のキャップ作動装置を含む。フレアキャップ作動装置は、フレアキャップ134に接続される、チェーン駆動または他の種類の駆動機構を利用して、フレアキャップ134を、枢動点を中心に移動させることができる。フレアキャップアセンブリ132はまた、フレアキャップ134を、枢動点を中心に移動する際に、フレアキャップ134の重量の一部分のバランスをとるか、またはそれを相殺するために、フレアキャップ134から枢動点の反対側に配置される平衡錘(図3を参照)を含む。平衡錘は、作動装置が、フレア130の上部(または一次燃焼ガス排気口143)が大気に開放される開放位置と、フレアキャップ134がフレア130(または一次燃焼ガス排気口143)の上部を覆い、実質的に密封する閉鎖位置との間で、フレアキャップ134を移動または回転させる能力がありながらも、サイズまたは電力を減少させることを可能にする。フレアキャップ134自体は、ステンレス鋼または炭素鋼等の高温耐熱材料で作製することができ、フレアキャップ134が閉鎖位置にある場合に、高温のフレアガスと直接接触することになる、その底部を酸化アルミニウムおよび/または酸化ジルコニウムを含む耐熱材料で加工または防護することができる。
【0021】
必要であれば、フレア130は、一次燃焼ガス排気口143および一次燃焼ガス排気口143の上流の二次燃焼ガス排気口141を含む、アダプタ部138を含んでもよい。フレアキャップ130が閉鎖位置にあるか、または部分的に閉鎖位置にある場合、燃焼ガスは、二次燃焼ガス排気口141を通じて迂回される。アダプタ部138は、90度のエルボ管またはターンを使用して、フレア130(または排気筒)を伝熱部117に接続する、コネクタ部139を含んでもよい。他のコネクタ配列も可能である。例えば、フレア130および伝熱部117は、事実上、0度から180度の間のいずれの角度で接続されてもよい。この場合、フレアキャップアセンブリ132は、一次燃焼ガス排気口143に近接するアダプタ部138の上部に取り付けることができる。
【0022】
図1に図示されるように、伝熱アセンブリ117は、空気前処理アセンブリ119の注入口をフレア130に、より具体的にはフレア130のアダプタ部138に接続する、伝達パイプ140を含む。垂直の棒またはポール状の支持部材142は、地面より上の所定のレベルまたは高さで、フレア130と空気前処理アセンブリ119との間の伝熱パイプ140を支持する。伝熱パイプ140は、二次燃焼ガス排気口141で、コネクタ部139またはアダプタ部138に接続され、伝達パイプは、アダプタ部138と、流体濃縮プロセス等の二次プロセスとの間の流体通路の一部を形成する。支持部材142は、伝熱パイプ140が、一般的に炭素鋼またはステンレス鋼等の金属でできており、酸化アルミニウムおよび/または酸化ジルコニウム等の材料で耐火加工されている場合があるため、フレア130から空気前処理アセンブリ119へ伝達されるガスの温度に耐えるために必要な場合がある。したがって、伝熱パイプ140は、典型的に、重い機器となる。しかしながら、一方ではフレア130、ならびに、他方では空気前処理アセンブリ119および濃縮器アセンブリ120は、互いに直接隣接して配置されるため、伝熱パイプ140は、一般的に比較的短い長さのみを必要とし、したがって、濃縮器110で使用される材料の費用を減らし、同様に、地面より上で濃縮器110の重い部品の重量に耐えるために必要な支持構造の量を減らす。図1に図示されるように、伝熱パイプ140および空気前処理アセンブリ119は、逆さのU型構造を形成する。
【0023】
空気前処理アセンブリ119は、垂直配管部150および垂直配管部150の上部に配置される外気バルブ306(図3を参照)を含む。外気バルブ306(ダンパーまたはブリードバルブとも称される)は、伝熱パイプ140(または空気前処理アセンブリ119)と大気との間の流体通路を形成する。外気バルブ306は、外気が、網目スクリーン152(典型的に針金または金属)を通り、空気前処理アセンブリ119の内部へ流れ、フレア130からくる高温ガスと混合することを可能にするように動作する。必要であれば、空気前処理アセンブリ119は、空気前処理アセンブリ119へ、いくらかの量のブリード空気を常に許容する外気バルブ306に近接する、恒久的な開放部を含んでもよく、それは、必要とされる外気バルブ306のサイズを減らすため、および安全上の理由から、望ましい場合がある。圧式送風機(図示されない)は、必要であれば、外気バルブ306を通して外気を強制的に送るために、外気バルブ306の注入口側に接続されてもよい。圧式送風機が実装される場合、スクリーン152および恒久的開放部(実装される場合)は、圧式送風機の注入口側に設置しなおすことができる。外気306の制御は、以下でより詳細に説明されるが、外気バルブ306は、概して、フレア130からのガスが、濃縮器アセンブリ120内へ入る前に、より望ましい温度まで冷却されることを可能にする。空気前処理アセンブリ119は、支持部材142に接続される横断部材154によって部分的に支持されてもよい。横断部材154は、同様に典型的に重い炭素もしくはステンレス鋼または他の金属でできており、エネルギー効率を改善し、濃縮器110のこの部材内のガスの高温に耐えるために、耐火性加工される場合のある、空気前処理アセンブリ119を安定化させる。必要であれば、垂直配管部150は、構成要素の垂直および/または水平のわずかな不均衡を補正することによって濃縮器を直立させる際に、液体濃縮器110を多数の異なるフレアまたは異なる高さのフレアに容易に適合可能にし、効率も改善するために、異なる高さのフレアに適合するように、あるいはそれを考慮して、拡張可能であってもよい。垂直配管部150は、第2部150Bの内部に重なり、それによって垂直配管部150の長さ(高さ)を調整可能にする、第1部150A(点線を使用して示される)を含んでもよい。
【0024】
一般的に言って、空気前処理アセンブリ119は、スクリーン152の真下の外気バルブ306を通じて提供される外気と、伝熱パイプ140を通じてフレア130から流れる高温ガスとを混合するように動作し、濃縮器アセンブリ120の注入口で、所望の温度のガスを発生させる。
【0025】
液体濃縮器アセンブリ120は、その底辺で断面積が減少し、配管部150の底部を濃縮器アセンブリ120のクエンチャー159と合わせる、導入部156を含む。濃縮器アセンブリ120はまた、天然ガス井戸からの還流水等、濃縮される、新しいかまたは未処理の液体をクエンチャー159の内部へ注入する、第1の流体注入口160を含む。図1には示されていないが、注入口160は、クエンチャー159内に未処理の液体を噴霧するための、大きなノズルを有する粗い噴霧器を含んでもよい。本システムにおいてこの時点でクエンチャー159内に噴霧される液体は、未だ濃縮されておらず、したがって、その中に大量の水分を有し、噴霧器が粗い噴霧器のため、噴霧器のノズルは、液体内の小粒子による汚損または目詰まりを受けにくい。理解されるように、クエンチャー159は、注入口160で注入される液体に高度の蒸発を行いながら、(例えば、華氏約900度から華氏200度未満まで)ガス流の温度を迅速に低下させるように動作する。必要であれば、温度感知器308(図3を参照)は、配管部150の排出口か、もしくはその付近、またはクエンチャー159内に設置することができ、外気バルブの位置を制御するため、その結果濃縮器アセンブリ120の注入口に存在するガスの温度を制御するために、使用することができる。
【0026】
図1および2に示されるように、クエンチャー159は、クエンチャー159に対して狭窄横断部を有し、その中に配置されるベンチュリプレート163(点線で示される)を有する狭窄部分またはベンチュリ部162に接続される液体注入室に接続される。ベンチュリプレート163は、ベンチュリ部162の入口と出口との間で大きな圧力降下を発生させる、ベンチュリ部162を通る狭通路を作成する。この大きな圧力降下は、乱流ガスの流れ、ならびにクエンチャー159とベンチュリ部162の上部または入口部との間でせん断力をもたらし、ベンチュリ部162からの高いガス流量をもたらし、いずれも、ベンチュリ部162内のガスと液体の完全な混合につながる。ベンチュリプレート163の位置は、プレート163の枢動点に接続される手動制御棒165(図2を参照)を用いてか、あるいは、電動モータまたは空気圧シリンダによって駆動可能な自動位置決め装置を介して、制御することができる。
【0027】
再循環パイプ166は、ベンチュリ部162の入口の反対側周辺に延在し、部分的に濃縮された(すなわち、再循環された)液体をベンチュリ部162内へ注入するように動作し、さらに濃縮させ、および/または流動路の1つ以上の側面上に設置される複数の流体入口を通じて濃縮器アセンブリ120内の乾燥微粒子の形成を阻止する。図1および図2に明確には示されていないが、多数のパイプ、例えば、直径1/2インチの3個のパイプが、パイプ166の逆の足のそれぞれから、ベンチュリ部162を部分的に包囲して、壁部を通じてベンチュリ部162の内部へ延在してもよい。この時点で濃縮器110内に噴出される液体は、再循環した液体であり、したがって、部分的に濃縮されているか、または特定の平衡濃度に維持されているかのいずれかであり、注入口160で注入される、あまり濃縮されていない液体よりも噴霧ノズルを塞ぐ傾向が強いため、この液体は、目詰まりを阻止するために、噴霧器なしで直接注入されてもよい。しかしながら、必要があれば、平板の形状のバッフルを、直径1/2のパイプの開口部のそれぞれの前に配置して、この時点で注入される液体を、バッフルに当てさせ、より小さな液滴として濃縮器アセンブリ120内に拡散させてもよい。いずれの事象においても、この再循環システムの構成は、再循環する液体を、濃縮器アセンブリ120を通じて流れるガス流内で、よりよく分散または拡散させる。
【0028】
合わされた高温ガスと液体は、乱流様態でベンチュリ部162を通って流れる。上述のように、濃縮器アセンブリ120の幅に合わせて配置される可動ベンチュリプレート163を有するベンチュリ部162は、乱流、および液体とガスの完全混合をもたらし、不連続液相から連続的なガス相への急速な蒸発をもたらす。ベンチュリ部162によってもたらされる混合作用は、高い蒸発率を提供するため、ガスは、濃縮器アセンブリ120内で実質的に冷却され、高速で、ベンチュリ部162から浸水エルボ164内へ出る。実際に、この時点での気液混合物の温度は、華氏約160度であり得る。一実施形態において、濃縮器アセンブリの全長は、20フィート以下、具体的には約4フィートから約12フィート、より具体的には約5フィートから約10フィートであってもよい。一実施形態においてベンチュリ部162の最大断面積は、約25平方フィート以下、具体的には約2平方フィートから約16平方フィート、より具体的には約3平方フィートから約8平方フィートであってもよい。上述のサイズは、これらのサイズが、ガス相と液相との間に相当量の界面積の形成をもたらすため、ガス粒子と液体粒子との間の熱および物質の伝達を強化する、ガス/液体の流れにおいて、効率的かつ十分な量の乱流を生産する。おおよそ26重量%の全固形物を含有する廃水が、毎分8.75ガロン濃縮器110内に導入された一実施形態において、毎分85ガロンの濃縮廃水(合計で、毎分おおよそ93.75ガロンの流体合計に対して)が、毎分おおよそ14,000立方フィートの燃焼ガスとともに、排水溜め172から持続的に再循環される間、ガス相と液相との間におおよそ5.26エーカー/分の合計界面積を生み出した(平均液体粒子の直径がおおよそ110ミクロンのサイズであると仮定して)。この量の界面積は、既知の間接熱交換器蒸発システムにおいて達成可能な界面積をはるかに上回る。
【0029】
浸水エルボ164の底部内での堰の配設(図示されない)は、その内部に配置される、部分的または完全に濃縮された再循環液体を一定レベルに維持する。気液混合物がベンチュリ部162を高速で脱出する際にガス相内に同伴される再循環液体の液滴は、気液混合物が、90度回転させられて流体スクラバー122内に流れ込む際に生成される遠心力によって、浸水エルボ164の底部内に保持される再循環液体の表面外側へ落ちる。浸水エルボ164の底部に保持される再循環液体の表面上に作用する、ガス相内に同伴された相当数の液滴が、再循環液体と融合および接合し、それによって、浸水エルボ164の底部の再循環液体の量を増加させ、同量の再循環液体が堰の配設を溢れ出し、流体スクラバー122の底部で、重力によって排水溜め172内へ流れ込む。したがって、ガス液体流と浸水エルボ164内の液体との相互作用は、液滴をガス液体流から除去し、さらにガス液体流内の懸濁粒子が、高速で浸水エルボ164の底部に当たることを阻止し、それによって、堰配設および浸水エルボ164の底部の真下のレベルに設置される側壁の部分を形成する金属の腐食を阻止する。
【0030】
浸水エルボ164を出た後、蒸発した液体、いくらかの液体、および他の粒子が依然としてその中に存在するガス液体流は、流体スクラバー122、この場合においては直交流流体スクラバーを通じて流れる。流体スクラバー122は、ガス液体流から同伴液および他の粒子を除去するために役立つ様々なスクリーンまたはフィルタを含む。1つの特定の実施例において、直交流スクラバー122は、サイズが50から100ミクロンの範囲またはそれより高い液滴を除去するように設計される、初期の粗い緩衝バッフル169をその流入部に含む。したがって、シェブロンの形状をした2つの取り外し可能なフィルタ170が、流体スクラバー122を通じて流体管路全域に配置され、シェブロン170は、20〜30ミクロンおよび10ミクロン未満等の、徐々に小さいサイズの液滴を除去するように、進行的にサイズ決めされるか、構成することができる。もちろん、より多数もしくはより少数のフィルタまたはシェブロンが使用されてもよい。
【0031】
直交流スクラバーに典型的なように、フィルタ169および170によって捕獲される液体、ならびに浸水エルボ164の底部内で溢れた堰の配設は、重力によって流体スクラバー122の底部に設置される液溜めまたは排水溜め172内に流れ出る。例えば、おおよそ200ガロンの液体を保持することができる、排水溜め172は、したがって、ガス液体流から除去された溶解および懸濁固形物を含有する濃縮流体を収集し、さらに処理するため、および/または濃縮器アセンブリ120内の乾燥粒子の形成を阻止するために、濃縮器アセンブリ120に戻る再循環する濃縮液体源のための液溜めとして動作する。一実施形態において、排水溜め172は、流体スクラバー122(浸水エルボ164から最も遠く離れている)の背面から流体スクラバー122(浸水エルボ164に最も近い)の前面へ延在する、V型溝175を有する傾斜したV型底部171を含んでもよく、V型溝175は、V型溝175の底部が、浸水エルボ164に最も近い流体スクラバー122の端部で、浸水エルボ164から遠く離れた端部におけるものよりも低くなるように、傾斜している。言い換えると、V型底部171は、V型底部171の最低地点が排出ポート173および/またはポンプ182に近接して傾斜していてもよい。さらに、洗浄回路177(図3を参照)は、直交流スクラバー122内で排水溜め172から噴霧器179へ濃縮流体を送り込むことができ、噴霧器179は、V型底部171で液体を噴霧することを目的としている。代替的には、噴霧器179は、V型底部171で、未濃縮液体または清浄水を噴霧することができる。噴霧器179は、V型底部171の表面上に液体を周期的または常時噴霧して、固形物を洗浄し、V型底部171上または排出ポート173および/もしくはポンプ182での固形物の蓄積を阻止することができる。このV型傾斜底部171および洗浄回路177の結果として、排水溜め172内での液体収集は、連続的に扇動および更新され、したがって、比較的一定した整合性を維持し、固形物を懸濁状態に維持する。必要であれば、噴霧回路177は、排水溜め172内部に、例えば、注入口を有する別個のポンプを使用する、別個の回路であってもよく、あるいは、以下に記載の濃縮液体再循環回路と関連するポンプ182を使用して、排水溜め172からV型底部171上へ濃縮流体を噴霧してもよい。
【0032】
図1に図示されるように、戻りライン180、ならびにポンプ182は、排水溜め172から濃縮器120へ戻るガス液体流から除去される流体を再循環するように動作し、それによって、流体または液体再循環回路を完結させる。同様に、ポンプ184が、流入ライン186内に提供され、天然ガス井戸からの還流水等、新しいかまたは未処理の液体を、濃縮器アセンブリ120の流入部160へ送り込んでもよい。さらに、1つ以上の噴霧器(図示されない)を、シェブロン170に隣接する流体スクラバー122の内部に配置することができ、清浄水または廃水供給の一部分をシェブロン170上に噴霧し、それらを清浄に保つために周期的に動作してもよい。
【0033】
濃縮液体はまた、排出ポート173を介して液体スクラバー122の底部から除去することができ、サイドアームプロセスまたは二次再循環回路181において、任意の好適な様態で、さらに処理されるか、または処分されてもよい。具体的には、排出ポート173によって除去される濃縮液体は、好ましくは、濃縮液体の液体部分から分離し、二次再循環回路181を使用して本システムから除去することができる、ある程度の量の懸濁固形物を含有する。一実施例において、濃縮流体は、約50%から約60%の全固形物を含む場合がある。排出ポート173から除去される濃縮液体は、二次再循環回路181を通じて、重力沈殿槽、振動ふるい、回転真空フィルタ、水平ベルト真空フィルタ、ベルトプレス、フィルタプレス、および/または水力サイクロン等、1つ以上の固体/液体分離装置183へ送達することができる。固体/液体分離装置183は、懸濁固形物の粒子を増大させ、より急速に沈殿させ、より容易に分離させることができる、沈殿物の結晶化を助ける低乱流ゾーンを提供することができる。懸濁固形物および濃縮廃水の液体部分が、固体/液体分離装置183によって分離された後、懸濁粒子を実質的に除去された濃縮廃水の液体部分を、排水溜め172へ戻して、濃縮器に接続される一次再循環回路内でさらに処理することができる。一実施形態においては、おおよそ80%以上の全固形物を含む、濃縮廃水の固体部分は、抽出ポート215を通じてシステムから除去することができ、例えば、埋立地に固体部分を蓄積することによって、処分することができる。代替的には、濃縮廃水の固体部分は、道路用塩、または掘削泥水用原料等の、販売可能材料に再生するために、さらなる処理を受けることができる。
【0034】
液体および懸濁固形物がそこから除去されて、流体スクラバー122を通って、およびそこから出て、流れるガスは、流体スクラバー122(シェブロン170の下流)の背面で、配管(piping)または配管(ductwork)から排出され、蒸発した水蒸気と混合される冷却された高温の注入ガスの形状で大気中に排気される排気アセンブリ124の吹き出し送風機190を通って流れる。もちろん、吹き出し送風機モータ192が、送風機190に接続され、それを操作して、最終的に、伝達パイプ140、空気前処理アセンブリ119、および濃縮器アセンブリ120を通じて、フレア130からガスを引き出すように、流体スクラバー122内に陰圧を発生させる。吹き出し送風機190は、濃縮器110の適正な動作を保証するために、流体スクラバー122内に僅かな陰圧を供給するだけでよい。
【0035】
吹き出し送風機190の速度は、流体スクラバー122内で、様々なレベルの陰圧を発生させるように動作する可変周波数駆動等の装置によって変化可能であり、したがって、通常フレア130からの完全なガス流を保証するためのガス流容量の範囲内で動作することができるが、フレア130によって生産されているガスが、十分な量ではない場合、吹き出し送風機190の動作は、流体スクラバー122自体全域で、適正な圧力降下を保証するために調整される必要はない。つまり、効率的かつ適正に動作するためには、流体スクラバー122を通って流れるガスは、流体スクラバー122の流入部において十分な(最小の)流率でなければならない。典型的に、この要件は、流体スクラバー122全域で、少なくとも既定の最小圧力降下を保つことによって制御される。しかしながら、フレア130が少なくとも最小レベルのガスを生産していない場合、吹き出し送風機190の速度の増加は、流体スクラバー122全域で必要とされる圧力降下を発生させることができない。
【0036】
この状況を補うために、直交流スクラバー122は、システムが、流体スクラバー122全域で必要な圧力降下を得ることを可能にするために、流体スクラバー122の流入部に十分なガスが存在することを保証するために使用可能なガス再循環回路を含むように設計される。具体的には、ガス再循環回路は、排気アセンブリ124の高圧側(例えば、吹き出し送風機190の下流)を流体スクラバー122の流入部(例えば、流体スクラバー122のガス流入部)に接続する、ガス戻りラインまたは戻りダクト196、ならびに、戻りダクト196を開閉し、それによって、排気アセンブリ124の高圧側を流体スクラバー122の流入部に流動的に接続するように動作する、戻りダクト196内に配置されるバッフルまたは制御機構198を含む。動作中、流体スクラバー122内に入るガスが、流体スクラバー122全域で必要な最小の圧力降下を得るために十分ではない場合、バッフル198(例えば、ガスバルブ、ルーバーダンパーのようなダンパー等であってもよい)は、排気アセンブリ124の高圧側からのガス(すなわち、吹き出し送風機190を通じて移動したガス)を、流体スクラバー122の流入部へ戻すために開放される。この動作は、したがって、流体スクラバー122の流入部において、吹き出し送風機190の動作が、流体スクラバー122全域で必要な最小の圧力降下を得ることを可能にするために十分な量のガスを提供する。
【0037】
図2に戻って参照して、濃縮器アセンブリ120の浸水エルボ164の前面はまた、浸水エルボ164の内部への容易なアクセスを可能にする、急開アクセスドア200を含むことがわかる。しかしながら、濃縮器10のほとんどの要素が、陰圧下で動作するため、類似の急開アクセスドアが、流体濃縮器110の任意の所望の部分に設置されてもよい。
【0038】
図1および図2に図示される特性の組み合わせは、そうでなければ廃熱が大気に直接放出されるであろう、天然ガスフレアの動作がもたらすガス状の廃熱を使用する、小型流体濃縮器110に役立つ。重要なことに、濃縮器110は、高価な高温耐熱材料を最低限のみ使用して、フレア130から排気される高温ガスを使用するために必要とされる配管および構造的設備を提供する。例えば、最も高価な材料でできている短い伝動パイプ140が最小化され、したがって、流体濃縮器110の費用および重量を減少させる。さらに、伝熱パイプ140のサイズが小さいため、単一の支持部材142のみを必要とし、それによって、濃縮器110の建築費用をさらに減少させる。さらには、空気前処理アセンブリ119が、これらの部内のガスが地面に向かって下向きに流れる状態で、流体濃縮器アセンブリ120の上部に直接配置されるという事実は、濃縮器110のこれらの部が、地面によって直接か、あるいはこれらの部材が取り付けられるスキッドによって、支持されることを可能にする。この構成は、濃縮器110をフレア130の非常に近くに配置し続け、それをより小型にしている。同様に、この構成は、濃縮器110の高温部(例えば、フレア130の上部、伝熱パイプ140、および空気前処理アセンブリ119)を、地面より上で、人間との不慮の接触がないように保ち、より安全な構成に導く。実際に、濃縮器アセンブリ120のベンチュリ部162内で行われる急速冷却のため、ベンチュリ部162、浸水エルボ164、および流体スクラバー122は、典型的に、(フレア130から出るガスが華氏1800度の場合でさえも)危害なく接触するために十分に冷却されている。気液混合物の急速冷却は、加工が容易であり、腐食耐性のある、一般的により低費用の材料の使用を可能にする。さらに、流体スクラバー122、吹き出し送風機190、および排気部124等、浸水エルボ164の下流の部分は、ガラス繊維等の材料から加工することができる。
【0039】
流体濃縮器110はまた、極めて高速作動の濃縮器である。濃縮器110は、直接接触型の濃縮器であるため、ほとんどの他の濃縮器ほど、沈殿物の蓄積、目詰まり、および汚損を受けない。さらに、濃縮器110が使用中または動作中であるかどうかに応じて、フレアキャップ134の開閉を制御する能力は、濃縮器110を起動および停止の際に、途切れることなくガスを焼却するためにフレア130を使用することを可能にする。より具体的には、フレアキャップ134は、フレア130が、濃縮器110の停止中に、通常通りガスを単純に焼却することを可能にするように、いかなるときでも迅速に開放可能である。一方で、フレアキャップ134は、濃縮器110が起動する際には、迅速に閉鎖可能であり、したがって、フレア130内で発生する高温ガスを濃縮器110へ迂回させ、濃縮器110が、フレア130の動作を中断することなく、動作することを可能にする。いずれの場合においても、濃縮器110は、フレア130の動作を中断することなく、フレアキャップ134の動作に基づいて起動および停止可能である。
【0040】
必要であれば、フレアキャップ134は、濃縮器110の動作中に、一部の量に開放して、フレア130から濃縮器110へ伝達されるガスの量を制御することができる。この動作は、外気バルブの動作と連動して、ベンチュリ部162の入口でガスの温度を制御するために有用な場合がある。
【0041】
さらに、空気前処理アセンブリ119の小型構成のため、濃縮器アセンブリ120および流体スクラバー122、濃縮器アセンブリ120の部品、流体スクラバー122、送風機190、ならびに排気部124の少なくとも下部は、スキッドまたはプレート上に恒久的に取り付けられ(そこに接続され、それによって支持され)てもよい。濃縮器アセンブリ120の上部の部品、空気前処理アセンブリ119、および伝熱パイプ140、ならびに排気筒の上部は、取り外され、輸送のためにスキッドまたはプレート上に貯蔵されてもよく、あるいは、別個の台車で輸送されてもよい。濃縮器110の下部が、スキッドまたはプレートに取り付け可能な様態のため、濃縮器110は、移動および導入が容易である。特に、濃縮器110の組み立ての際に、流体スクラバー122、浸水エルボ164、および送風機190を上に取り付けたスキッドが、濃縮器110が単純にスキッドを地面に降ろすことによって使用される現場、あるいは、濃縮器110が組み立てられる他の格納領域で降ろされてもよい。したがって、ベンチュリ部162、クエンチャー159、および空気前処理アセンブリ119は、浸水エルボ164の上部に置かれ、それに取り付けることができる。配管部150は、次に、濃縮器110が接続される、フレア130の高さに合う高さで延在することができる。いくつかの場合においては、これは、まずフレアキャップアセンブリ132を既存のフレア130に取り付けることを要求する場合がある。その後、伝熱パイプ140を、適正な高さに引き上げ、フレア130と空気前処理アセンブリ119との間に取り付けることができ、さらに支持部材142が、適所に配置される。1日あたりの蒸発容量が10,000から30,000ガロンの範囲の濃縮器については、フレアアセンブリ115全体が、濃縮器120と同一のスキッドまたはプレート上に取り付けられ得ることが可能である。
【0042】
ポンプ、流体ライン、感知器、および電子機器のほとんどが、流体濃縮器アセンブリ120、流体スクラバー122、または送風機アセンブリ190の上に配置されるか、それに接続されるため、濃縮器110の特定の現場における組み立ては、現場において、最低限の配管、機械、および電気工事しか必要としない。結果として、濃縮器110は、特定の現場において、導入および組み立て(ならびに分解および取り外し)が比較的容易である。さらに、濃縮器110の構成要素の大部分が、スキッドに恒久的に取り付けられているため、濃縮器110は、トラックまたは他の運搬車両で容易に輸送可能であり、埋立地フレアの隣等の特定の場所で容易に降ろして導入することができる。
【0043】
図3は、図1の濃縮器110を操作するために使用可能な制御システム300の概略図を図示する。図3に図示されるように、制御システム300は、デジタルシグナルプロセッサ型の制御器、例えば、ラダーロジック基準の制御を実行する、プログラマブル論理制御装置(PLC)、またはいずれの他の種類の制御器の形状をしていてもよい、制御器302を含む。制御器302は、もちろん、濃縮器110内の様々な構成要素に接続される。具体的には、制御器302は、フレアキャップ134の開閉動作を制御するフレアキャップ駆動モータ135に接続される。モータ135は、フレアキャップ134を制御して、完全な開放位置と完全な閉鎖位置との間で移動させるように設定することができる。しかしながら、必要であれば、制御器302は、完全な開放位置と完全な閉鎖位置との間で、様々な異なる制御可能位置のセットのいずれかにフレアキャップ134を開放するように、駆動モータ135を制御することができる。モータ135は、フレアキャップ134を、完全な開放と完全な閉鎖との間の任意の所望の地点に置くことができるように、必要であれば、継続的に可変であってもよい。
【0044】
さらに、制御器302は、ベンチュリ部162上流で図1の空気前処理アセンブリ119内に配置される外気注入バルブ306に接続され、それを制御し、処理される新しい液体の注入と濃縮器110内で処理された再循環液体との量と、その比率とを制御する、ポンプ182および184を制御するために使用可能である。制御器302は、排水溜めレベル感知器317(例えば、フロートセンサー、レーダーまたは音波ユニット等の非接触センサー、あるいは差圧セル)に動作可能に接続することができる。制御器302は、所定または所望のレベルで排水溜め172内の濃縮流体のレベルを維持するために、排水溜めレベル感知器317からの信号を使用して、ポンプ182および184を制御する。さらに、制御器302は、単一速度の送風機、可変速度の送風機、または連続的に速度制御可能な送風機であってもよい、送風機190の動作を制御するために、吹き出し送風機190に接続可能である。一実施形態において、吹き出し送風機190は、モータの周波数が、送風機の速度を制御するために変更される、可変周波数モータによって駆動される。さらに、制御器302は、例えば、濃縮器アセンブリ120の注入口またはベンチュリ部162の注入口に配置される、温度感知器308に接続され、温度感知器308によって生成される温度信号を受信する。温度感知器308は、代替的に、ベンチュリ部162の下流に設置されてもよく、あるいは、温度感知器308は、圧力信号を生成するための、圧力感知器を含んでもよい。
【0045】
例えば、濃縮器110の動作中および起動時に、フレア130が実際に起動しており、したがって天然ガスを焼却している場合、制御器302は、吹き出し送風機190をまず作動させて、流体スクラバー122および濃縮器アセンブリ120内に陰圧を発生させることができる。制御器302は、次いで、または同時に、フレアキャップ134を部分的に、または完全に閉じるようにモータ135に信号を送信して、フレア130から伝達パイプ140内へ、それによって空気前処理アセンブリ119へ、廃熱を配向することができる。温度感知器308からの温度信号に基づいて、制御器302は、外気バルブ306(典型的に、このバルブを部分的かまたは完全に閉じることによって)、ならびに/あるいはフレアキャップ作動装置を制御して、濃縮器アセンブリ120の注入口で、ガスの温度を制御することができる。一般的に言うと、外気バルブ306は、バネ等の偏倚要素によって、完全な開放位置(すなわち、通常開いている)を偏倚することができ、制御器302は、外気とフレア130からの高温ガスとの混合物が、所望の温度に達するように、バルブ306の閉鎖を開始して、(空気前処理アセンブリ119内の陰圧に起因して)空気前処理アセンブリ119内に迂回される外気量を制御することができる。さらに、必要であれば、制御器302は、フレアキャップ134の位置を(完全な開放から完全な閉鎖の任意の位置で)制御することができ、吹き出し送風機190の速度を制御して、フレア130から空気前処理アセンブリ119に入るガスの量を制御することができる。理解されるように、濃縮器110を通って流れるガスの量は、外気の温度および湿度、フレアガスの温度、フレア130から出るガスの量等に応じて、可変である必要がある場合がある。制御器302は、したがって、例えば、濃縮器アセンブリ120の注入口における温度感知器308の測定に基づいて、外気制御バルブ306、フレアキャップ134の位置、および吹き出し送風機190の速度のうちの1つまたは任意の組み合わせを制御することによって、濃縮器アセンブリ120を通じて流れるガスの温度および量を制御することができる。このフィードバックシステムは、多数の事例において、フレア130から出てくる空気が、高温すぎるか、または濃縮器110が効率的かつ効果的に動作するために必要とされるものよりも高温である可能性のある華氏1200から1800度のため、望ましい。
【0046】
いずれの事象においても、図3に図示されるように、制御器302はまた、濃縮器アセンブリ120内で生じる乱流の量を制御するために、濃縮器アセンブリ120の狭窄部分内で、ベンチュリプレート163の位置を駆動または制御するモータ310に接続されてもよい。さらに、制御器302は、ポンプ182および184が、クエンチャー159およびベンチュリ部162の流入部に、再循環液体および処理される新しい廃流体を提供する、速度(および比率)を制御するために、ポンプ182および184の動作を制御することができる。一実施形態において、制御器302は、再循環流体と新しい流体の比率を約10:1で制御することができ、そうすることでポンプ184が1分間に8ガロンの新しい液体を流入部160に提供する場合、再循環ポンプ182は、毎分80ガロンを供給する。さらに、あるいは代替として、制御器302は、例えば、レベル感知器317を使用して、排水溜め172内の濃縮液体の一定または所定のレベルを維持することによって、(ポンプ184を介して)濃縮器内への処理される新しい液体の流れを制御することができる。もちろん、排水溜め172内の液体の量は、濃縮器内の濃縮率、濃縮液体が、二次再循環回路を介して排水溜め172から供給されるか、そうでなければそこを出る速度、および二次再循環回路から排水溜め172に提供し戻される液体の速度、ならびにポンプ182が一次再循環回路を介して、送達のために排水溜め172から濃縮器に液体を供給する速度、に依存することになる。
【0047】
必要であれば、外気バルブ306およびフレアキャップ134のいずれかまたは両方は、フレアキャップ134および外気バルブ306が、システムの故障(例えば、制御信号の損失)または濃縮器110の停止の場合に開放されるように、フェイルセーフの開放位置で動作してもよい。一事例において、フレアキャップモータ135は、フレアキャップ134を開放するか、またはモータ135への電力損失時にフレアキャップ134の開放を許容するために、バネ等の偏倚要素で、バネ荷重されるか、あるいは偏倚され得る。代替的には、偏倚要素は、フレアキャップ134上の平衡錘137であってもよく、モータ135が電力を失うか、制御信号を失う場合に、平衡錘137の印加力下で、フレアキャップ134自体が、開放位置へ揺動するように位置づけられてもよい。この動作は、電力が損失されるか、または制御器302がフレアキャップ134を開放するかのいずれかの場合に、フレアキャップ134を迅速に開放し、それによって、フレア130内の高温ガスがフレア130の上部から出ることを可能にする。もちろん、フレアキャップ134の枢動点136上のねじりバネ、圧力の損失が制御信号の損失時にフレアキャップ134を開放させる、フレアキャップ134を閉じるためにシリンダを加圧する水力または加圧空気システム等の使用を含む、制御信号の損失時にフレアキャップ134を開放させる他の様態が使用可能である。
【0048】
したがって、上述の説明からわかるように、フレアキャップ134と外気バルブ306との組み合わせは、濃縮器110内に組み込まれる設計材料を保護するように、一体となって機能し、システムが停止した場合はいつでも、フレアキャップおよび空気バルブ306が自動で即座に開き、それによって、プロセスを冷却するために、迅速に外気を取り込みながら、フレア130内で生成される高温ガスを、プロセスから隔離する。
【0049】
さらに、同一の様態において、外気バルブ306は、濃縮器110の停止またはバルブ306への信号の損失時に、開放するようにバネ偏倚あるいはその他の構成としてもよい。この動作は、フレアキャップ134が開く際に、空気前処理アセンブリ119および濃縮器アセンブリ120の迅速な冷却をもたらす。さらに、外気バルブ306およびフレアキャップ134の迅速な開放特性のため、制御器302は、フレア130の動作を止めるか、あるいはその動作に影響する必要なく、濃縮器110を迅速に停止させることができる。
【0050】
さらに、図3に図示されるように、制御器302は、ベンチュリプレート163がベンチュリ部162内に配置される角度を移動または作動させる、ベンチュリプレートモータ310または他の作動装置に接続することができる。モータ310を使用して、制御器302は、濃縮器アセンブリ120を通るガスの流れを変更、それによって濃縮器アセンブリ120を通るガスの乱流の性質を変更し、その中の液体とガスとのよりよい混合を提供し、液体のよりよい蒸発、またはより完全な蒸発を得るために、ベンチュリプレート163の角度を変更することができる。この事例において、制御器302は、処理される廃水の最適な濃縮を提供するために、ベンチュリプレート163の動作と連動して、ポンプ182および184の速度を操作することができる。したがって、理解されるように、制御器302は、ベンチュリプレート163の位置をフレアキャップ134の動作、外気またはブリードバルブ306の位置、および吹き出し送風機190の速度と協調させて、廃水が完全に乾燥することなく、廃水の濃縮(乱流混合)を最大化し、乾燥粒子の形成を阻止することができる。制御器302は、圧力感知器からの圧力流入を使用して、ベンチュリプレート163を位置づけてもよい。もちろん、ベンチュリプレート163は、手動制御または自動で制御可能である。
【0051】
制御器302はまた、流体スクラバー122のガス再循環回路内のダンパー198の動作を制御する、モータ312に接続することができる。制御器302は、例えば、流体スクラバー122のガス排出口およびガス入口に、それぞれ配置される圧力感知器313、315からの信号に基づいて、モータ312または他の種類の作動装置に、閉鎖位置から開放位置または部分的な開放位置へ、ダンパー198を移動させることができる。制御器302は、2つの圧力感知器313と315の間で所定の最小圧力差を維持するために、排気部124の高圧側(吹き出し送風機190の下流)から流体スクラバー入口内へ、ガスを強制的に押し込むようにダンパー198を制御することができる。この最小圧力差を維持することは、流体スクラバー122の適正な動作を保証する。もちろん、ダンパー198は、電動制御される代わりに、あるいはそれに加えて、手動で制御されてもよい。
【0052】
理解されるように、本明細書に記載の濃縮器110は、ガスが完全に処理され、放出基準を満たした後に、プロセス内で高温廃ガスを直接利用し、そうして、単純で、信頼性があり、効果的な様態で廃熱を利用するプロセスから、廃熱を生成するプロセスの操作要件を途切れなく分離する。
【0053】
液体濃縮器110は、天然ガスフレア内で生成される廃熱を使用するために、天然ガスフレアに接続されているとして記載されてきたが、液体濃縮器110は、廃熱の他の源に容易に接続可能である。例えば、濃縮器110の別の実施形態は、燃焼機関設備の排気筒に接続し、エンジン排気からの廃熱を使用して、液体濃縮を実行することができる。さらに別の実施形態においては、設備内のエンジンが、電力を生産するために、埋立地ガスで動作する一方、濃縮器110は、ガソリン、ディーゼル燃料、プロパン、および天然ガス等で動作するもの等の、他の種類の燃焼機関を含む、他の種類のエンジンからの排気で起動するように接続されてもよい。
【0054】
廃水および/または燃焼ガスからの汚染物質の除去
【0055】
上述の濃縮器およびプロセスの実施形態は、濃縮される廃水から、さらにはその排水を濃縮するために採用される燃焼ガスからの、汚染物質の除去に対応するように容易に改良可能である。このような改良は、除去を求められる汚染物質が、放出が典型的に政府当局によって規制されるようなものである場合に、特に有利であると考えられる。このような汚染物質の例は、天然ガス井戸からの還流水内に溶解される、バリウムおよび他の有害物質(例えば、カルシウム、鉄、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、ストロンチウム、硫酸塩等)を含む。加えて、金属スケール等の汚損物質を、還流水から除去することができる。バリウムまたは他の有害物質もしくは金属スケールの除去に対応するために、上述の濃縮器およびプロセスの実施形態になされ得る改良が以下に記載されるが、説明はこのような汚染物質のみの除去に限定するように意図されない。
【0056】
例えば、廃水からの汚染物質除去の2つの方法には、濃縮前処理および濃縮後処理が含まれる。より具体的には、汚染物質は、廃水濃縮の前に、汚染物質と化学的もしくは機械的に反応する試薬または安定化化合物を廃水内へ注入することによって、スクラブすることができるか、あるいは、汚染物質は、濃縮後に、濃縮廃水内に安定化化合物を混合することによって、スクラブすることができる。
【0057】
濃縮前処理方法において、汚染物質は、封鎖されるか、または安定化されるかのいずれかであり得る。濃縮前封鎖において、試薬(例えば、硫酸ナトリウム)を、濃縮前に廃水と混合し、試薬が汚染物質と化学的に反応して、溶液から沈殿する不溶性化合物(例えば、硫酸バリウム)を形成する。不溶性化合物は、濃縮廃水から、例えば、沈殿槽183(図1)内に沈殿することができる。不溶性化合物が、一度濃縮廃水から沈殿槽内に沈殿すれば、不溶性化合物は、例えば、抽出ポート215を通じて、他の固形物とともに、取り除くことができる。
【0058】
濃縮前安定化において、安定化化合物は、濃縮前に廃水内に混合され、安定化化合物が、汚染物質と化学的または機械的に反応して、汚染物質を無害または不溶性にする。例えば、安定化化合物は、不溶性の水晶母体内に汚染物質を包み込むことができる。したがって、汚染物質もまた不溶性になる。一度安定化されると、汚染物質および安定化化合物は、濃縮前封鎖と同様に、例えば、沈殿槽183から、抽出することができる。
【0059】
濃縮後安定化は、沈殿槽183内で、安定化化合物を濃縮廃水と混合することを含む。安定化化合物は、濃縮前安定化と同様に、化学的または機械的に反応して、汚染物質を無害または不溶性にする。安定化された汚染物質は、例えば、沈殿槽183から、抽出ポート215を通じて除去することができる。
【0060】
上述の濃縮前および濃縮後のいずれの除去方法も、高レベルの溶解バリウム(例えば塩化バリウム)を還流水から除去するために使用することができる。バリウムは、天然ガス井戸の環流水内に時折溶解が見られる、既知の有害物質である。Marcellus Shale Bed(アパラチア山脈の北部付近に位置する)の天然ガス井戸からの還流水は、高レベルの溶解バリウムを含有する。加えて、この還流水は、百万分の250,000(ppm)または25重量%、あるいはそれ以上の範囲の極めて高レベルの全溶解固形物を含有する。このような高レベルの溶解固形物は、従来の方法を介して濃縮することが極めて困難である。しかしながら、これらの高レベルの溶解固形物は、本明細書で開示される濃縮器を用いて処理可能である。いくつかの還流水内で見られるもの等の可溶性バリウム化合物は、摂取されると極めて有害である。結果として、バリウム化合物の処分は、州または連邦当局によってしばしば規制される。
【0061】
上述のように、本開示の濃縮器を使用して、環流水からバリウムを除去する方法の2つの例は、濃縮前処理および濃縮後処理である。前処理封鎖において、特定の化学試薬を、環流水が濃縮器に注入される前に添加し、バリウムイオンと化学反応させ、不溶性バリウム化合物を形成する。濃縮前または濃縮後の安定化においては、バリウム化合物が、他の化合物と化学的に反応して、可溶性のバリウム化合物等の望ましくないバリウム化合物を生産することを、機械的または化学的に阻止する。
【0062】
濃縮前バリウム封鎖
【0063】
上述のように、天然ガス井戸からの還流水は、高レベルの溶解バリウム化合物を含有する可能性がある。1つのそのような溶解バリウム化合物は、塩化バリウムである。還流水からバリウムを除去する方法は、塩化バリウムを別の物質と反応させて、比較的不溶性のバリウム化合物を生産することを伴う。この反応を達成するための1つの手段は、硫酸塩イオンを含む試薬を、環流水へ導入することである。特に有用な試薬は、硫酸ナトリウムである。他の有用な試薬には、硫酸アルミニウム、硫酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カリウム、および硫酸が挙げられるが、これらに限定されない。試薬の硫酸塩イオンが、バリウムイオンと反応して、硫酸バリウム(BaSO4)を形成する。硫酸バリウムは、極めて不溶性であり、急速に溶液から沈殿する。硫酸バリウムを沈殿させることによる濃縮前のバリウムの封鎖に対する1つの利点は、硫酸バリウムは、埋立地に硫酸バリウムを蓄積することによって、比較的安い費用で処分可能なことである。
【0064】
硫酸バリウムは、強酸の存在下でさえも、硫酸バリウムの高い不溶性のために、埋立地から地下水へ戻って浸出しない。実際に、バリウムの人間への毒性にも関わらず、硫酸バリウムは、硫酸バリウムが、X線に現れ、硫酸バリウムが、胃酸の存在下でさえも溶解しないため、特定の消化管疾患を診断するために、医学界で使用されている。したがって、硫酸バリウムは、消化管を無害に通過する。硫酸バリウムのこの高い不溶性は、硫酸バリウムを含有する固形廃棄物が、米国環境保護庁(EPA)によって管理される毒性浸出法(Toxicity Characteristic Leaching Procedure)(TCLP)を通過することにつながる。EPAは、特定の廃棄物に対して、このような廃棄物の埋立地への処分を承認する前に、TCLPの試験手順を通過することを要求する。バリウムは、TCLP試験を通過することを要求される、1つの廃棄物である。TCLPは、埋立地から浸出可能な毒性物質を排除するために使用される、Federal EPA試験方法のうちの1つである。TCLP試験は、「Test Methods for Evaluating Solid Waste, Physical/Chemical Methods」と題されるEPA出版SW−846に概説され、本明細書での参照により本明細書に組み込まれる。ある物質が、TCLP試験を通過すると、その物質は、無害として分類され、埋立地に処分することができる。危険な可能性のある物質を埋立地から排除するために使用される別のEPA試験は、ペイントフィルタ試験(Paint Filter Test)である。
【0065】
再度図1および2を参照して、上述のバリウム除去方法のうちの1つを実装するために、濃縮器部120は、試薬供給ライン189によって、槽193内の試薬(例えば、硫酸ナトリウム、硫酸、硫酸アルミニウム、硫酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、または硫酸カリウム等)の供給に接続される、試薬注入口187を含んでもよい。試薬ポンプ191は、槽193からの試薬物質を用いて、試薬供給ライン189を加圧することができ、そうして、試薬物質を、(例えば、ベンチュリ162の上流か、またはそこに近接の)濃縮器部120内へ取り出し、フレア130または発電機からの排気ガスと、注入口160によって注入される還流水とを混合させる。試薬ポンプ191は、制御器302(図3を参照)に動作可能に接続可能であり、制御器302は、試薬ポンプ191を操作して、ガスと還流水との流率に基づいて、試薬を測定し、適正な比率および混合を確実にすることができる。濃縮器部120内で、環流水と混合される際、試薬は、溶解バリウムイオンと反応し、固形の状態で溶液から急速に沈殿する硫酸バリウムを形成する。濃縮器110の、非常に高レベルの全固形物に対処する能力のために、沈殿した硫酸バリウムは、濃縮還流水の固体部分を作り上げる他の物質とともに、懸濁状態で維持され、最終的に沈殿槽183に行き着く。濃縮された還流水の固体部分および液体部分は、沈殿槽183内で、互いに分離する。約20%までの液体を含有し得る固体部分が、さらなる分離を必要とする場合、固体部分のいくらかは、ライン221を通じて沈殿槽183から取り除かれ、回転ベルト真空フィルタ223等の、さらなる分離装置にかけられてもよい。回転ベルト真空フィルタ223からの液体は、ライン225からデミスター122の排水溜め172内を介して、濃縮器に戻されてもよい。固形物は、例えば、埋立地への処分のために、排出ライン227を通じて回転ベルト真空フィルタ223から除去することができる。代替的には、回転ベルト真空フィルタ223から除去された固形物は、精製され、例えば、掘削泥水として炭鉱業者に販売されてもよい。
【0066】
代替的には、濃縮前封鎖プロセスは、例えば、順次的混合および沈殿槽201(図4を参照)内で、試薬を還流水注入口160の上流の還流水と混合することを伴う。この場合において、試薬物質は、試薬供給ライン195を介して槽203内の試薬物質の供給から順次的混合および沈殿槽201へ供給することができる。試薬供給ポンプ205は、順次的混合および沈殿槽201への加圧下で、試薬物質を供給することができる。試薬供給ポンプ205は、制御器302(図3を参照)に動作可能に接続することができ、制御器302は、試薬供給ポンプ205を操作し、ガスと還流水との流率に基づいて試薬を測定し、適正な比率および混合を確実にすることができる。バリウムは、上述のように、硫酸バリウムとして溶液から沈殿し、濃縮器への導入前に、ライン207を通じて、混合および沈殿槽201から取り除くことができる。約20%までの液体を含み得る固体部分は、例えば、回転ベルト真空フィルタ231または他の分離装置等の、固体/液体分離装置で、さらに分離されてもよい。したがって、硫酸バリウムは、ライン233を通じて取り除くことができ、さらに処理され、精製され、例えば掘削泥水における使用のために掘削業者に、販売されてもよい。
【0067】
溶解バリウムイオンと反応させるために供給される試薬は、カルシウム等、環流水内の他の溶解化合物とも反応する場合があるため、バリウム単体と反応させるために必要なものよりも多い量の試薬が必要となる可能性がある。例えば、いくつかの事例において、環流水内のバリウム量によって必要とされるものよりも、おおよそ150%から600%多い試薬が、還流水と混合される場合がある。好ましくは、200%から500%多い試薬が使用され、より好ましくは、おおよそ400%多い試薬が使用される。余剰量の試薬を提供することによって、ほぼ全ての溶解バリウムが、環流水から沈殿する。還流水内で見られるいくつかの他の溶解反応性物質は、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウムである。いくつかの事例において、これらの追加の金属との試薬反応からの生産物は、商用販売可能な生産物をもたらし得る。結果として、これらの追加の生産物もまた、さらなる処理のために、ライン233を通じて取り除かれてもよい。代替的には、これらの追加の生産物は、上述のように、濃縮器は大量の懸濁固形物に対処する能力があるため、単純に、還流水とともに濃縮器内に入れることができる。
【0068】
濃縮前または濃縮後の安定化
【0069】
還流水からバリウムを除去する別の手段は、還流水が濃縮される前か、もしくは後に、バリウムを化学的または機械的に安定化させることである。バリウムが、濃縮前に処理されない場合、溶解バリウムイオンは、還流水内で他の化学物質と反応して、化合物の濃縮が飽和に達する際に、溶液から沈殿する化合物を形成することができる。これらのバリウム化合物のうちのいくつかは、水溶性であり、濃縮器システムからの抽出前に安定化させる必要がある。これらのバリウム化合物は、例えば、沈殿槽183内で、安定化させることができる。バリウム化合物は、機械的または化学的に安定化可能である。機械的安定化を用いて、バリウム化合物は、ガラスまたは他の水晶構造に包み込まれており、そのためバリウム化合物は、他の物質と反応することができないか、あるいは溶液中に溶解することができない。化学的安定化においては、試薬を沈殿槽内に提供し、バリウム化合物と反応させて、不溶性化合物を生産する。いずれの場合においても、安定化化合物は、例えば、槽211(図1を参照)から、パイプライン213を介して、沈殿槽183内へ送り込むことができる。安定化された化合物は、抽出ポート215を介して、沈殿槽183から取り除くことができる。この場合、安定化されたバリウム化合物は、不溶性であり、強酸の存在下において、浸出することがない。結果として、安定化バリウム化合物は、TCLP試験を通過する。
【0070】
代替的に、安定化試薬は、例えば、図4の濃縮器を使用して、安定化剤を槽203から混合および沈殿槽201内へ送り込むことによって、廃水が廃水注入口160を通じて濃縮器110内へ導入される前に、廃水に添加されてもよい。この場合、安定化剤は、可溶性バリウム化合物をもたらし得る、バリウムの特定の化学反応を阻止することができる。安定化剤は、安定化剤および廃水が、濃縮器110の濃縮部120内で混合するように、例えば、図1の濃縮器を使用して、槽197(図4)からポート199へ安定化剤を送り込むことによって、廃水とは別個に、濃縮器110内へ導入することもできる。これらの場合、バリウムと安定化剤との間の反応によって形成される不溶性固形物は、最終的に、不溶性バリウム化合物を、上述のようにさらに処理することができる、沈殿槽183に行き着く。
【0071】
<試験例結果>
以下の段落は、溶解バリウムを含有する還流水サンプルを濃縮するために使用した際の、本開示の濃縮器の一実施形態の実際の試験結果を記載する。これらの試験結果は、単なる例であり、決して、本開示の濃縮器または本開示の濃縮器の動作を限定する意図はない。
【0072】
第1の試験において、本開示の濃縮器を、ペンシルベニアにある天然ガス井戸からの還流水を濃縮するために使用した。還流水の化学分解を、以下の表1〜表3に記載する。
【0073】
【表1】

【0074】
【表2】

【0075】
【表3】

【0076】
表1〜表3に示されるように、還流サンプルは、おおよそ260,000mg/Lの全固形物を含んだ(表1の3行目を参照)。処理後、重いスラリーを、800,000mg/Lを超える全固形物を含む、重力沈殿槽から抽出した。重力沈殿槽の上澄み液を、上述のように、濃縮器内に再循環させた。濃縮器は、スケールまたは妨害物から悪影響を受けなかった。排気筒についての積重試験は、ガス放出が、地域の規制当局によって確立された許容範囲内に留まったことを示した。言い換えると、本開示の濃縮器は、既存の排気筒からのガス放出の化学組成を著しく変更しない。この第1の試験の結果として、本開示の濃縮器は、その非常に高レベルの全固形物を有する液体を処理する能力を証明した。
【0077】
表1〜表3の廃水サンプルに、さらにいくつかの試験を行った。試験2Aおよび試験2Bの2回の試運転を、以下の表4、表5に要約する。試験2Aにおいては、廃水をおおよそ45g/1のNa2SO4で前処理した。試験2Aの間、廃水のpHを約1から約4まで変化させた。試験2Bにおいては、廃水をおおよそ22.5g/1のNa2SO4(または試験2Aの約半分の量のNa2SO4)で処理し、廃水のpHを、約1から約4まで変化させた。試験2Aおよび2Bの試験結果を、以下の表4、表5に要約する。
【0078】
【表4】

【0079】
【表5】

【0080】
表4、表5に示されるように、廃水供給は、おおよそ11,000mg/Lのバリウムを含有した(表4の5行目を参照)。試験2Aにおいて、ほぼ全てのバリウムは、硫酸ナトリウムの添加で溶液から沈殿した。より具体的には、pH1から2で、0.5mg/Lのバリウムのみが溶液内に残り、pH2から3で、0.36mg/Lのバリウムのみが溶液内に残り、pH3からpH4で、160mg/Lのバリウムのみが溶液内に残った(表4の5行目を参照)。硫酸塩が、廃水内の他の化合物とも反応するため、理論量のおおよそ4倍の硫酸ナトリウムを、廃水と混合した。余剰量の硫酸ナトリウムは、特に低いpHレベルで、事実上全てのバリウムが溶液から沈殿することを確実にする。
【0081】
別の試験中、濃縮器の一実施形態を、既知の処理が困難な廃水源からの廃水を濃縮するために使用した。処理が困難な廃水には、以下の表6、表7に示される化学組成が含まれた。
【0082】
【表6】

【0083】
【表7】

【0084】
廃水を処理して、ゼロ液体排出し、処理プロセスによって生産された固形物は、ペイントフィルタおよびTCLPの両方の試験を通過した。この試験の結果を、いくつかのサンプル(例えば、サンプルID01〜09)の結果が記載される、以下の表8に要約する。
【0085】
【表8】

【0086】
この試験において、硫酸ナトリウムを、再び前処理試薬として使用した。濃縮廃水を、重力沈殿槽へ送り込んだ。固形物を、重力沈殿槽から取り除き、真空ベルト濾過システムにおいて、さらに分離した。このプロセスにより、濃縮器から、ゼロ液体排出を得た。全ての上澄み液を上述のように濃縮器を通して再循環させた。結果として得られた固形物は、ペイントフィルタおよびTCLP試験の両方を通過した。表8は、濃縮前後の固形物の化学組成を要約する。上に示されるように、バリウムのレベルは、この試験でゼロまで減少しなかった。しかしながら、現在の規制は、100mg/Lまでの検出可能なバリウムを許容し、したがって、結果として得られた固形物は、TCLP試験を通過した。
【0087】
前処理済み廃水液体供給におけるバリウムレベルが46mg/Lで(表8の6行目参照)、供給液から沈殿する固形物は、検出不能のバリウム量でTCLPを通過した。前処理済み供給物が、濃縮器を通過して、固形物が、真空ベルトフィルタから除去されたとき、収集された固形物が、検出不能なバリウムレベルでペイントフィルタ試験およびTCLP試験の両方を通過した一方で、固形物が除去された液相は、220mg/Lのバリウムを含有していた(表4の6行目参照)。
【0088】
特定の代表的な実施形態および詳細が、本発明を説明する目的で示されたが、本明細書に開示される方法および装置における様々な変更が、本発明の範囲を逸脱することなくなされてもよいことは、当業者には明らかであろう。例えば、本開示の濃縮器は、廃水から、バリウム以外の汚染物質をスクラブするために使用可能である。具体的には、他の汚染物質は、試薬槽から、ベンチュリ部への廃水注入上流の廃水内へ、あるいは、廃水と同時にベンチュリ部内へのいずれかに、試薬を注入することによって、廃水からスクラブすることができる。さらに、他の汚染物質は、ベンチュリ部への廃水注入の上流の廃水内へ試薬または安定化物質を注入するか、あるいは、沈殿槽へ試薬または安定化物質を注入するかのいずれかによって、化学的または機械的に安定化させることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス注入口と、ガス排出口と、狭窄部分とを有し、前記ガス注入口と前記ガス排出口との間の濃縮部を含む廃水濃縮器を使用する、天然ガス井戸からの還流水から汚染物質を除去するためのプロセスであって、
試薬と天然ガス井戸からの液体還流水とを混合し、前記試薬が前記液体還流水内で可溶性化合物と反応して不溶性化合物を形成する工程と、
前記濃縮部内でガスと前記液体還流水とを混合して、ガスと、前記不溶性化合物を含む飛沫同伴液体還流水との混合物を形成する工程と、
前記飛沫同伴液体還流水の少なくともいくらかが前記ガスから除去され、デミスターの排水溜め内に収集されるデミスター内に、混合した前記ガスと前記飛沫同伴液体還流水とを案内する工程と、
前記デミスターの排水溜め内の前記飛沫同伴液体還流水の一部を除去し、前記飛沫同伴液体還流水内の懸濁固形物および不溶性化合物が前記液体廃水の液体部分から分離される沈殿槽に、前記飛沫同伴液体還流水の部分を送出する工程と、
前記沈殿槽から分離された前記固形物部分を除去し、分離された液体部分を前記デミスターの排水溜めに戻す工程と、
を含むことを特徴とするプロセス。
【請求項2】
前記試薬は、硫酸ナトリウムであることを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記可溶性化合物は、塩化バリウムであることを特徴とする請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記硫酸ナトリウムからの硫酸イオンは、前記塩化バリウムからのバリウムイオンと反応して、極めて不溶性の硫酸バリウムを形成することを特徴とする請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
前記試薬は、前記濃縮部に液体還流水を注入するための液体還流水注入口に接続される試薬槽内に貯蔵されることを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
前記試薬は、前記狭窄部分の上流で前記濃縮部に接続される試薬槽内に貯蔵されることを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
【請求項7】
前記沈殿槽から除去された前記分離された固形物部分は、さらなる固体/液体の分離のために、真空ベルト濾過システムに送られることを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
【請求項8】
前記不溶性化合物は、前記沈殿槽からの除去後に精製されることを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
【請求項9】
精製された前記不溶性化合物は、井戸掘削泥水での使用のために販売されることを特徴とする請求項8に記載のプロセス。
【請求項10】
ポンプが前記濃縮部に試薬を供給し、前記ポンプは、前記可溶性化合物と完全に反応するために必要となる試薬量のおおよそ150%からおおよそ600%を供給することを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
【請求項11】
前記ポンプは、前記可溶性化合物と完全に反応するために必要となる試薬量のおおよそ200%からおおよそ500%を供給することを特徴とする請求項10に記載のプロセス。
【請求項12】
前記ポンプは、前記可溶性化合物と完全に反応するために必要となる試薬量のおおよそ400%を供給することを特徴とする請求項11に記載のプロセス。
【請求項13】
前記液体廃水は、おおよそ250,000ppmを超える溶解固形物を含有することを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
【請求項14】
天然ガス井戸からの還流水のための還流濃縮および汚染物質除去システムであって、
ガス注入口と、
ガス排出口と、
前記ガス注入口と前記ガス排出口との間に配置され、前記濃縮部内のガス流が加速する狭窄部分を有する濃縮部と、
還流水が通って前記濃縮部内に注入され、前記狭窄部分の上流で前記濃縮部内に配置される液体注入口と、
前記狭窄部分の下流に配置され、前記ガス流から飛沫同伴液滴を除去するデミスターと、
前記濃縮部内に試薬を注入するために前記濃縮部に接続され、試薬の供給量を保持するための試薬槽と、
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項15】
前記試薬槽に接続される試薬ポンプをさらに備えることを特徴とする請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記試薬槽は、前記液体注入口に接続されることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記試薬槽は、前記狭窄部分の上流で前記濃縮部に接続されることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記デミスターによって除去される前記飛沫同伴液滴は、排水溜め内に収集されることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記排水溜めは、沈殿槽に接続され、収集された前記飛沫同伴液滴の液体部分および固体部分が、前記沈殿槽内で互いに分離することを特徴とする請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記沈殿槽は、収集された前記飛沫同伴液滴の液体部分を前記排水溜めに戻す戻りラインを有する排水溜めに接続されることを特徴とする請求項18に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−519504(P2013−519504A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552886(P2012−552886)
【出願日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際出願番号】PCT/US2011/021811
【国際公開番号】WO2011/100096
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(511196766)ハートランド テクノロジー パートナーズ リミティッド ライアビリティ カンパニー (4)
【氏名又は名称原語表記】HEARTLAND TECHNOLOGY PARTNERS LLC
【住所又は居所原語表記】9870 Big Bend Blvd., P.O.Box 220842, Kirkwood, MO 63122, U.S.A.
【Fターム(参考)】