説明

小型溶液浄化装置

【課題】浄化対象溶液に対し効率よく光触媒活性を発揮させ、構造が簡単でかつ小型であり、とくに切り花浸け液の殺菌および有機物分解に好適な小型溶液浄化装置の提供。
【解決手段】光触媒(とくに、酸化チタン)を担持した不織布または金属メッシュタイプの光触媒担持体と紫外線発光ダイオードとを対向させて併設し、両者間に浄化対象溶液が流通可能な溶液路を形成するとともに、これらを一つの容器内に収納したことを特徴とする小型溶液浄化装置で、とくに切り花浸け液の浄化に好適な装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線と光触媒を用いて溶液を浄化する小型の浄化装置に関し、特に、比較的小容量の容器内の切り花浸け液の殺菌等に用いて好適な小型溶液浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の、切り花浸け液中の微生物繁殖抑制に用いられている抗菌剤は、環境への影響やコストの面で問題が残されている。また、粉末状の光触媒を使った場合も光触媒自体は使い捨てとなるため、コストや廃水処理の問題があり、添加量の調整等の手間や光触媒粉末の植物体への影響等が問題である。
【0003】
特許文献1には、切り花等の延命効果を得るために、透明な花瓶容器の内表面に、光触媒粒子を含有する実質的に透明な層を設けた花瓶が開示されている。また、特許文献2には、水中に含まれる菌を殺菌し、切り花の延命と水耕栽培の促成効果を得るために、花瓶の底面よりも若干上方の位置に、植物飼育用の抗菌フィルタを設けた植物飼育器が開示されており、この抗菌フィルタは、網目材からなる保持体内に粒子状の光触媒材を充填して構成されている。
【特許文献1】特開平10−225351号公報
【特許文献2】特開平10−146509号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、切り花浸け液等に対する、従来の光触媒を用いた浄化装置では、溶液の殺菌効果や含有有機物分解効果が未だ不十分であるという問題がある。また、構造が複雑であったり、光触媒添加量の調整が困難であったり、小型の装置に構成されておらず各種の溶液浄化用途に汎用的に使用することが困難である、等の問題がある。
【0005】
そこで本発明の課題は、浄化対象溶液に対し効率よくかつ効果的に光触媒活性を発揮させることができ、構造が簡単でかつ小型であり、種々の用途に広範にかつ容易に適用でき、とくに切り花浸け液の殺菌および有機物分解に好適な、小型溶液浄化装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る小型溶液浄化装置は、光触媒を担持した光触媒担持体と紫外線発光ダイオードとを対向させて併設し、両者間に浄化対象溶液が流通可能な溶液路を形成するとともに、これらを一つの容器内に収納したことを特徴とする小型の溶液浄化装置からなる。とくに一つの容器内に光触媒担持体と紫外線発光ダイオードをそれぞれ最適な位置にコンパクトに配置できるようにしているので、全体を小型の装置に構成しつつ、両者間の溶液路を流通される浄化対象溶液を、効率よくかつ効果的に浄化することが可能になる。
【0007】
この小型溶液浄化装置においては、上記光触媒担持体としては、不織布に光触媒を担持したものが好ましい。このような形態とすることで、種々の形状を有する容器であっても、かつ、小型の容器であっても、容易に不織布光触媒担持体を容器内に所定の状態で収納することが可能になる。
【0008】
あるいは、上記光触媒担持体として、金属メッシュに光触媒を担持したものも好ましい。このような形態とすることで、比較的厚みの薄い金属メッシュ(例えば、厚み0.5mm程度の金属メッシュ)に光触媒を担持させることにより、担持された光触媒全体に紫外線発光ダイオードからの紫外線を容易にかつ効率よく照射することができるようになり、所望の光触媒活性を容易にかつ効果的に発揮させることができるようになる。
【0009】
また、上記光触媒担持体が、紫外線発光ダイオードの少なくとも両側に配置されている形態とすることができる。これにより、紫外線発光ダイオードからの紫外線が広い面積にわたって光触媒担持体に照射され、該紫外線発光ダイオードからの紫外線を効率よく光触媒活性の発現に使用できるようになる。
【0010】
あるいは、上記光触媒担持体が、上記容器内の上記紫外線発光ダイオードに対向する複数の面のうちの特定の面のみに(例えば、容器内の底面のみに)配置されており、残りの対向面は上記光触媒担持体が配置されていない面とされている形態とすることもできる。すなわち、紫外線発光ダイオードからの紫外線のみによる殺菌効果の及ぶ範囲をできるだけ広く確保して、紫外線のみによる殺菌効果を広い範囲にわたって効率よく作用させ、加えて、紫外線発光ダイオードからの紫外線を特定の面に配置された光触媒担持体にも照射することにより、光触媒活性を発現させて該光触媒活性による溶液の殺菌および有機物分解作用を併せて発現させ、紫外線による殺菌と紫外線および光触媒による殺菌および有機物分解との相乗効果を狙ったものである。
【0011】
光触媒としては、代表的には酸化チタンを使用できるが、所定の光触媒活性を発現可能なものであれば、その他の光触媒も使用可能である。
【0012】
上記容器としては、容器内と容器外とを連通する連通路を、容器の下部側(例えば、底壁)と上部側(例えば、上蓋)とに有するものが好ましい。このように構成すれば、本発明に係る小型溶液浄化装置としての上記容器を、浄化対象溶液が収容されている容器(本発明に係る小型溶液浄化装置より大型の容器)中に単に浸漬させるだけで、上記容器内に容易に浄化対象溶液の流路を確保できるようになる。
【0013】
また、上記容器が、外側容器と、その内部に収納される内側容器とからなり、内側容器内に上記紫外線発光ダイオードが、内側容器と外側容器との間の少なくとも一部位に(例えば、外側容器の底壁内面に)上記光触媒担持体が、それぞれ収納されている形態とすることが好ましい。内側容器は、紫外線が透過できるよう、実質的に透明容器であることが好ましい。このように構成すれば、溶液路が容易に形成されるとともに、紫外線発光ダイオードからの紫外線が、その周囲に位置する光触媒担持体に効率よく当てられ、望ましい光触媒活性が発現される。また、紫外線発光ダイオードからの紫外線を、殺菌作用を発揮し、光触媒担持体には照射されない方向に出射される紫外線と、光触媒担持体に照射される方向に出射される紫外線とに分けるような形態を採ることも可能である。
【0014】
また、上記溶液路は、上下方向に延びる流路に形成されていることが好ましい。紫外線発光ダイオードの起動により多かれ少なかれ発熱が生じるので、この発熱に伴う溶液の対流が期待できる。溶液路に対流が生じると、浄化対象溶液が自然に効率よく入れ替えられることになるので、浄化が促進される。
【0015】
本発明に係る小型溶液浄化装置は、小型でかつ、溶液の殺菌や含有有機物の分解が求められる、あらゆる用途に使用可能であり、とくに、浄化対象溶液が切り花浸け液からなる場合に好適なものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る小型溶液浄化装置は、小容量の容器内の溶液の殺菌および有機物の分解に適しており、光触媒担持体と紫外線発光ダイオードを極めて簡単かつコンパクトな構造で高効率に作用するように組み込んでいるので、メンテナンスが容易で繰り返し使用が可能な、小型で安価な装置として構成できる。
【0017】
このように、本発明に係る小型溶液浄化装置は、小型で低消費電力、少発熱量で簡単な構造であるという特徴を持っており、小規模な容器内の溶液中の有機物や微生物の分解に好適に使用できる。したがって、直売所や家庭等のにおける切り花の品質保持に利用が可能であると共に、同様の作用が要求される他の用途へも適用可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、本発明の望ましい実施の形態について、実際に行った実験に基づき、図面を参照しながら説明する。次に示すような実験により、試作機による有機物分解能力、抗菌機能を検証した。
【0019】
I.実験−1
1.実験方法
(1)試作機の構造
図1、図2に、本発明の一実施態様に係る小型溶液浄化装置として製作した第1の試作機1を示す。試作機1は、溶液が流通するための穴を開けた外側容器2内に、光触媒担持体としての不織布タイプの酸化チタン担持体3と、外側容器2の蓋体4に取り付けられ、紫外線発光ダイオード5(SDL-5N3CUV-A)を封入した内側容器としてのサンプル瓶6とを収納して組み込んだ構造に構成した。長方形に裁断した担持体3は、その幅方向中心部が紫外線発光ダイオード5の照射方向に位置するように、発光部としての上記サンプル瓶6をU字型に包み込む形で外側容器2内に収めた。したがって、紫外線発光ダイオード5の両側に不織布タイプ酸化チタン担持体3が位置している。発光部(酸化チタン担持体3を収納した内側容器としてのサンプル瓶6)と担持体3の間には浄化対象溶液が流通する溶液路が形成され、かつ紫外線が担持体に効率良く照射される隙間を設定してある。この隙間を外側容器2の底壁の中心に設置したしたビス7によって担持体3を底から支えることにより保持する構造とした。外側容器2には、蓋体にあたる上面側と底面側のみに、あるいはそれらに実質的に対応する位置(つまり、外側容器2の上部側と下部側)に、溶液の流通孔8、9を設け、外側容器2内に設置された紫外線発光ダイオード5が発する微量の熱に起因する溶液の対流により、効率良く外側容器2の底面側から溶液が流入し、浄化された溶液が上面側から流出される構造とした。外側容器2の底面には、上記のビス7と共に、4本のビス10を錘として設置し、本装置が溶液の入っている容器の底部に設置される際、正しい姿勢に設置され、効果が最大限に発揮される構造とした。紫外線発光ダイオード5は、三端子レギュレータ及び電流制限用抵抗器(図示略)により制御した。
【0020】
(2)有機物分解能力試験
光触媒として利用する酸化チタンの抗菌(殺菌)機能は、光(紫外線)により励起された酸化チタンの酸化分解能力により隣接する有機物を分解することによっている。そこで、抗菌機能を測定する前に、上記試作機1の能力を確認するため、メチレンブルーに対する分解能力を測定することとした。1000mlの純水にメチレンブルーを3滴投入攪拌後、2つの500mlビーカーに同量づつ移した。図3に示すように、一方のビーカー11に試作機1を投入し(以降、試験区1とする。)、もう一方のビーカー12に試作機から紫外線発光ダイオードを除いたもの(以降、対照区1とする。)を投入した。これを図4に示すように遮光用のダンボール箱13の中に設置し、試験区1の紫外線発光ダイオードに通電した。一定時間おきに各区の液を攪拌後採取し、島津製作所社製UVmini-1240により波長665nmの吸光度を測定した。
【0021】
(3)切り花浸け液内の微生物増殖抑制および花持ちの試験
図5に示すように、純水を500mlづつ入れた2つの500ml三角フラスコのうち、一方の三角フラスコ21に試作機1を投入し(以降、試験区2とする。)、もう一方の三角フラスコ22に試作機1から紫外線発光ダイオードを除いたもの(以降、対照区2とする。)を投入した。各区に切り花としてのヒマワリ23(品種名:ハイブリッドサンフラワー)を5本づつを投入し、一定時間ごとに浸け液を採取し、ペトリフィルム(3M社製、AC6400)により25℃で24時間培養した後、発生したコロニーを計数した。同時に切り花の状態も確認した。
【0022】
2.実験結果
(1)有機物分解能力試験
試験開始前における波長665nmの吸光度は0.202absであった。試験開始後の吸光度変化は図6に示すようになり、対照区1(TiO2(Cont.))と比較して、紫外線発光ダイオード(UV-LED)と光触媒としての酸化チタンの担持体とを組み合わせた試験区1(紫外線+酸化チタン(UV+TiO2) )の吸光度の低下が大きかった。また、対照区1においても若干の吸光度の低下が認められた。
【0023】
(2)切り花浸け液内の微生物増殖抑制および花持ちの試験
ペトリフィルム上のコロニー数の変化は図7に示すとおりであった。試験開始1日後では対照区2が56コロニーであったのに対して試験区2は3コロニー、試験開始2日後では対照区2が85コロニーであったのに対して試験区2は6コロニーとなり、試験区2では微生物の増殖が抑制されているものと考えられる。試験区2と対照区2の浸け液の温度差は試験区2が対照区2に対し0.2〜0.3℃高くなった。花持ちに関しては、試験区の方が若干良好であったが大きな差は認められなかった。
【0024】
3.考察
(1)有機物分解能力試験
試験区1で対照区1より吸光度の低下が大きかったのは、試験区1において光触媒によりメチレンブルーが分解され濃度が低下したものと考えられる。また、対照区1においても若干の吸光度の低下が認められたのは、光触媒担持体の吸着効果によるものと考えられる。したがって、今回の担持体を使用した場合は、担持体がメチレンブルーを吸着し、それが後分解されているものと考えられる。
【0025】
(2)切り花浸け液内の微生物増殖抑制および花持ちの試験
試験区2で対照区2よりコロニー数が少なかったのは、試験区2において光触媒により微生物が分解され菌密度が低下したものと考えられる。また、試験区2の浸け液の温度が対照区2に対し0.2〜0.3℃高くなったのは発光ダイオードの発熱によるものと考えられる。切り花の品質に悪影響を及ぼすほどではなく、光源の発熱量がこの程度であるのは紫外線源として発光ダイオードを使った場合の利点と考えられる。さらに、この微量の発熱は容器内の浸け液に対流を発生させ、装置内への浸け液の循環に貢献しているものと考えられる。
【0026】
花持ちに関して大きな差が認められなかったのは、ヒマワリの切り花の花持ちが5日程度と短く、浸け液中の微生物の影響を受けにくいことや、直売現場に比べ清浄な条件下で試験を実施したためと考えられる。
【0027】
このように、上記試験により、本発明に係る小型溶液浄化装置の、優れた殺菌性能、有機物分解性能を確認することができた。
【0028】
II.実験−2
(1)試作機の構造
図8〜図10に、本発明の別の実施態様に係る小型溶液浄化装置として製作した第2の試作機31を示す。この第2の試作機31においては、第1の試作機1に比べ、厚さ約0.5mmの金属メッシュに光触媒(酸化チタン)を担持させた光触媒担持体32(酸化チタン担持体、図10参照)を使用し、それを外側容器33の底壁の内面にのみ配置した。外側容器33の底壁に、第1の試作機1と同様に容器全体を正しい姿勢で液中に沈ませるための錘としてのビス34を、その頭部側が外側容器33の底壁の内面側となるように設け(図9参照)、そのビス34の頭部上に光触媒担持体32を配置し(図10参照)、光触媒担持体32と紫外線発光ダイオード38(図9参照)とが所定の間隔となるように設定されている。溶液が流通するための孔35は、外側容器33の底部近くの側壁に開け、外側容器33の蓋体36には上部側の溶液流通用の孔37を設けた。この外側容器33の蓋体36に、第1の試作機1同様、紫外線発光ダイオード38を封入した内側容器としてのサンプル瓶39を取り付け、サンプル瓶39を外側容器33内に組み付けて第2の試作機31を構成した。この第2の試作機31では、紫外線発光ダイオード38からの紫外線が、内側容器としてのサンプル瓶39と外側容器33との間の溶液路を流通する浄化対象溶液に照射されて紫外線のみによる殺菌効果が発現されるとともに、溶液路の一部(外側容器33の底壁の内面)に配置された光触媒担持体32に紫外線発光ダイオード38からの紫外線が照射されて光触媒活性による殺菌および有機物分解効果が発現され、相乗的な効果が得られるようにされている。なお、紫外線発光ダイオード38にはSL382AAUEを使用し、5Vの直流安定化電源のプラス側に82Ωの電流制限用抵抗器を挿入し、紫外線発光ダイオード38を約3.2V、16mAで駆動した。
【0029】
(2)有機物分解能力試験
第2の試作機31の有機物に対する分解能力を確認するために、第1の試作機1と同様の方法によりメチレンブルーに対する分解能力を測定した。試験区は紫外線発光ダイオード+光触媒担持体区(以降試験区3とする)、光触媒担持体のみの区(以降対照区3とする)、紫外線発光ダイオードのみの区(以降対照区4とする)の3区とした。実験は、図11に示すように、北側窓にブラインドを降ろした条件下に上記3区の三角フラスコ41を置いて実施した。
【0030】
実験の結果、図12に示すように、試験区3の吸光度が最も大きく低下した。これは、メチレンブルーが光触媒により分解され濃度が低下したものと考えられる。対照区3は試験区3についで吸光度の低下が認められた。これは、自然光に含まれるの紫外線が光触媒担持体に作用した結果と考えられる。
【0031】
(3)切り花における花持ち試験
第1の試作機1と同様の方法により、ヒマワリ切り花42の花持ちの試験を実施した(図13、図14)。装置および試験区の構成は有機物分解能力試験の同様とした。図13に試験開始時、図14に5日後の結果を示すように、花持ちの良さは、試験区3(TiO2+UV) >対照区4(UV)>対照区3(TiO2)となった。これは、試験区2では紫外線による殺菌効果と光触媒による殺菌および有機物分解効果が相乗的に作用し、対照区4では紫外線による殺菌効果のみが予想以上に効果的に作用した結果と考えられる。
【0032】
このように、第2の試作機31における、薄い金属メッシュに光触媒を担持させた構造、および、溶液路に部分的に光触媒担持体を配置し、それに紫外線発光ダイオードからの紫外線を照射した殺菌効果および有機物分解効果が得られるように構成するとともに、光触媒担持体を配置していない部位に対しては単に紫外線発光ダイオードからの紫外線を照射して殺菌効果が得られるように構成した構造により、効率のよい溶液浄化を行うことができることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明に係る小型溶液浄化装置は、上記試験で確認したように、切り花浸け液の浄化にとくに有効であるが、その他、小型でかつ溶液の浄化が求められる種々の分野への適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施態様に係る小型溶液浄化装置として製作した第1の試作機の分解斜視図である。
【図2】図1の試作機を別の角度から見た分解斜視図である。
【図3】試験において図1の試作機をビーカー内の溶液中に浸漬した状態を示す斜視図である。
【図4】試験において図1の試作機を浸漬したビーカーと試作機から紫外線発光ダイオードを除いたビーカーとを遮光用のダンボール箱の中に設置した状態を示す斜視図である。
【図5】試験において試作機を投入した三角フラスコと試作機から紫外線発光ダイオードを除いたものを投入した三角フラスコとにヒマワリを投入した状態を示す斜視図である。
【図6】試験区1と対照区1におけるメチレンブルーの吸光度の変化を示す特性図である。
【図7】試験区2と対照区2におけるコロニー数の変化を示す特性図である。
【図8】本発明の別の実施態様に係る小型溶液浄化装置として製作した第2の試作機の分解斜視図である。
【図9】図8の試作機の外側容器の底壁内面の平面図である(光触媒担持体配置前)。
【図10】図8の試作機の外側容器の底壁内面の平面図である(光触媒担持体配置後)。
【図11】第2の試作機の有機物分解能力試験試験の様子を示す斜視図である。
【図12】試験区3と対照区3、4におけるメチレンブルーの吸光度の変化を示す特性図である。
【図13】試験区3と対照区3、4における三角フラスコにヒマワリを投入した試験開始時の状態を示す斜視図である。
【図14】試験区3と対照区3、4における三角フラスコにヒマワリを投入した試験開始後5日経過時の状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0035】
1 小型溶液浄化装置として製作した第1の試作機
2 外側容器
3 光触媒担持体としての不織布タイプ酸化チタン担持体
4 蓋体
5 紫外線発光ダイオード
6 内側容器としてのサンプル瓶
7、10 ビス
8、9 溶液の流通孔
11、12 ビーカー
13 遮光用のダンボール箱
21、22 三角フラスコ
23 切り花としてのヒマワリ
31 小型溶液浄化装置として製作した第2の試作機
32 光触媒担持体としての金属メッシュ酸化チタン担持体
33 外側容器
34 ビス
35、37 溶液の流通孔
36 蓋体
38 紫外線発光ダイオード
39 内側容器としてのサンプル瓶
41 三角フラスコ
42 切り花としてのヒマワリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光触媒を担持した光触媒担持体と紫外線発光ダイオードとを対向させて併設し、両者間に浄化対象溶液が流通可能な溶液路を形成するとともに、これらを一つの容器内に収納したことを特徴とする小型溶液浄化装置。
【請求項2】
前記光触媒担持体が、不織布に光触媒を担持したものからなる、請求項1に記載の小型溶液浄化装置。
【請求項3】
前記光触媒担持体が、金属メッシュに光触媒を担持したものからなる、請求項1に記載の小型溶液浄化装置。
【請求項4】
前記光触媒担持体が、前記紫外線発光ダイオードの少なくとも両側に配置されている、請求項1〜3のいずれかに記載の小型溶液浄化装置。
【請求項5】
前記光触媒担持体が、前記容器内の前記紫外線発光ダイオードに対向する複数の面のうちの特定の面のみに配置されており、残りの対向面は前記光触媒担持体が配置されていない面とされている、請求項1〜3のいずれかに記載の小型溶液浄化装置。
【請求項6】
前記光触媒が酸化チタンからなる、請求項1〜5のいずれかに記載の小型溶液浄化装置。
【請求項7】
前記容器が、容器内と容器外とを連通する連通路を、容器の下部側と上部側とに有するものからなる、請求項1〜6のいずれかに記載の小型溶液浄化装置。
【請求項8】
前記容器が、外側容器と、その内部に収納される内側容器とからなり、内側容器内に前記紫外線発光ダイオードが、内側容器と外側容器との間の少なくとも一部位に前記光触媒担持体が、それぞれ配置されている、請求項1〜7のいずれかに記載の小型溶液浄化装置。
【請求項9】
前記溶液路が、上下方向に延びる流路に形成されている、請求項1〜8のいずれかに記載の小型溶液浄化装置。
【請求項10】
前記浄化対象溶液が切り花浸け液からなる、請求項1〜9のいずれかに記載の小型溶液浄化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−80327(P2008−80327A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−217988(P2007−217988)
【出願日】平成19年8月24日(2007.8.24)
【出願人】(000192903)神奈川県 (65)
【Fターム(参考)】