説明

小売店における表示価格設定を維持管理するためのシステム及び方法

【課題】本開示は一般に小売在庫管理のためのシステム及び方法に関する。より具体的には、本開示は小売在庫の表示価格設定を維持管理するためのシステム及び方法に関する。
【解決手段】小売店における表示価格設定を維持管理するためのシステムが提供される。このシステムは、コンピュータ、プリンタ、EDSDリーダ又はEDSDリーダ/エンコーダ、及び少なくとも1つの携帯用EDSDリーダを備える。コンピュータは、表示価格設定が維持管理されることになる各製品の記録を有するデータベースを含む。その記録の各々は、製品の固有識別名及び製品の現行価格を含む。プリンタはコンピュータと通信し、EDSD使用可能媒体上に価格設定印刷資料を生成するように適合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に小売在庫管理のためのシステム及び方法に関する。より具体的には、本開示は小売在庫の表示価格設定を維持管理するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
広告表示価格とスキャナ/レジスタにおいて請求される価格との間の間違いは小売業界において深刻な問題である。この問題の最もよく知られた表れは小売顧客が過剰請求される場合に起る。顧客満足、失われた販売、罰金、及び従業員がこれらの問題を処理するのに費やす時間は、過剰請求の代償の一部である。調査によれば、顧客は、毎年過剰請求により10億ドル以上を失う。
【0003】
顧客に対する過少請求は、過剰請求よりも一般的である可能性があるが、この場合には顧客は苦情を申し出ないのであまり知られていない。小売店は過剰請求によって失うよりも多くの金を過少請求によって失うと見積られる。
【0004】
価格設定の不一致は一般に、人的エラー、及び/又は、製品価格を変更する決定と新しい価格を製品に貼付することとの間の時間のずれに帰される。店の在庫管理システムにおける製品価格の変更は実質的に瞬間的であり、一方、店内の製品上に表示される価格の変更には相当な時間がかかる可能性がある。店が、コンピュータ・システム内の価格変更と同時に、棚又は他の場所の表示価格並びに製品自体の価格シールを更新することを怠るとき、走査の問題が起る。
【0005】
小売製品価格を更新する典型的なプロセスは一般に、従業員が手持ちのバーコード・スキャナ/プリンタを携えて店内を定期的に歩き、棚に価格を表示するのに使用されるラベル内に印刷されたバーコードを走査することを必要とする。幾つかの場合には、従業員は、変更された価格を示すコンピュータ記録を助けとすることができる。更新が必要な場合、携帯用プリンタを用いて新しいラベルを印刷し、それを従業員が棚及び/又は製品に配置することになる。通常このプロセスは、特売のための価格設定情報を表示する販売促進資料の更新は対象としない。この方法は非常に労働力を要するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
小売製品価格設定を維持管理するプロセスを改善するための幾つかの解決策が提案されている。一つのそのような解決策はLCD型のデバイス内に価格を表示する電子棚を用いることである。LCDディスプレイは、レジスタ/スキャナにおいて用いられるのと同じデータベースにストアされた価格を表示することになる。しかし、このシステムは棚に表示される価格のみを扱い、店内中に実施するには多額の費用がかかる。販売促進情報の表示のための電子ペーパー・バナーもまた提案されている。しかし、このシステムは実施するのに多額の費用がかかる。これに加えて、eペーパー・バナーと中央コンピュータの間の通信機構が、店内のeペーパー・バナーの配置を制約する。さらに、これら両方の技術によって生成することができる色範囲は、通常のインク及び紙の表示に比べて限られる。多くの小売業者は、特定の顧客をターゲットとするカラーの販売促進資料を用いる。従って、LCDディスプレイ及びeペーパー・バナーはこれらの技術の受け入れを制約する可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
小売店における表示価格設定を維持管理するためのシステムが提供される。このシステムは、コンピュータ、プリンタ、EDSDリーダ又はEDSDリーダ/エンコーダ、及び少なくとも1つの携帯用EDSDリーダを備える。コンピュータは、表示価格設定が維持管理されることになる各製品の記録を有するデータベースを含む。その記録の各々は、製品の固有識別名及び製品の現行価格を含む。プリンタはコンピュータと通信し、EDSD使用可能媒体上に価格設定印刷資料を生成するように適合される。
【0008】
EDSDリーダ又はEDSDリーダ/エンコーダはプリンタに結合される。システムは少なくとも1つの携帯用プリンタをさらに備えることができる。
プリンタに結合されたEDSDリーダ又はEDSDリーダ/エンコーダ、携帯用EDSDリーダ、及び携帯用プリンタは、コンピュータと通信することができる。
【0009】
システムはまた、内部にストアされたデータベースのコピーを有する1つ又はそれ以上の衛星コンピュータを備えることができる。衛星コンピュータと通信する衛星プリンタは、EDSD使用可能媒体上に価格設定印刷資料を生成するように適合される。EDSDリーダ又はEDSDリーダ/エンコーダは衛星プリンタに結合される。
携帯用EDSDリーダは、内部にストアしたデータベースのコピーを有することができる。携帯用プリンタは、内部にストアされたデータベースのコピーを有することができる。
このシステムは、特定のEDSDの位置を決定するように適合された位置突き止めシステムをさらに備えることができる。
【0010】
また小売店における表示価格設定を維持管理する方法が提供される。この方法は製品価格設定データベースを維持管理することを含む。データベースは表示価格設定が維持管理されることになる各製品の記録を含む。その記録の各々は、製品の固有識別名及び製品の現行価格を含む。製品価格設定データベース内の製品記録から現行価格を取得し、現行価格をEDSD使用可能媒体上に印刷し、EDSD内にストアされた識別名を製品に関連付けるステップにより、印刷価格資料が生成される。次いで、印刷価格資料は店内に取り付けられる。
【0011】
識別名を関連付けるステップは、EDSD内にストアされた識別名をプリンタに結合されたEDSDリーダ・デバイスにより読取り、識別名を製品記録のフィールドにストアするステップを含むことができる。
識別名を関連付けるステップは、データベースから製品の固有識別名を引き出し、製品識別名をEDSD内に符号化するステップを含むことができる。識別名を関連付けるステップは、データベースから製品の現行価格を引き出し、現行価格をEDSD内に符号化するステップをさらに含むことができる。
【0012】
本方法はさらに、携帯用EDSDリーダを店内中を移動させるステップを含むことができる。携帯用EDSDリーダが店内中を移動する際、携帯用EDSDリーダの範囲内に入る各EDSDはクエリを受ける。製品価格設定データベースは、EDSD識別名に関連付けられた製品の現行価格に関してクエリを受け、製品の現行価格は取り付けられた価格設定印刷資料と比較される。取り付けられた価格設定印刷資料上に印刷された価格が、製品の現行価格と同じでない場合、新しい価格設定印刷資料が生成される。
【0013】
本方法はさらに、携帯用EDSDリーダを店内中を移動させるステップを含むことができる。携帯用EDSDリーダが店内中を移動する際、携帯用EDSDリーダの範囲内に入る各EDSD内にストアされた識別名が読み取られる。製品価格設定データベースは、EDSD識別名に関連付けられた製品の現行価格に関してクエリを受け、現行価格は携帯用EDSDリーダ上に表示される。オペレータは、製品の現行価格を、取り付けられた価格設定印刷資料上の価格と視覚によって比較する。取り付けられた価格設定印刷資料上に印刷された価格が製品の現行価格と同じでない場合、新しい価格設定印刷資料が生成される。
【0014】
本方法はさらに、携帯用EDSDリーダを店内中を移動させるステップを含むことができる。携帯用EDSDリーダが店内中を移動する際、携帯用EDSDリーダの範囲内に入る各EDSD内にストアされた識別名及び価格が読み取られる。製品価格設定データベースは、EDSD識別名に関連付けられた製品の現行価格に関するクエリを受ける。製品の現行価格は、取り付けられた価格設定印刷資料のEDSD内にストアされた価格と比較される。取り付けられた価格設定印刷資料上に印刷された価格が製品の現行価格と同じでない場合、新しい価格設定印刷資料が生成される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】小売店において表示価格設定を維持管理するためのシステムの第1の実施形態の概略図である。
【図2】小売店において表示価格設定を維持管理するためのシステムの第2の実施形態の概略図である。
【図3】小売店において表示価格設定を維持管理する方法のフロー図である。
【図4】図3の価格設定印刷資料生成ルーチンのフロー図である。
【図5】図3の価格設定印刷資料維持管理ルーチンのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示による小売店における表示価格設定を維持管理するためのシステム10、10’において、電子データ記憶デバイス(EDSD)12は、価格設定印刷資料14の各ピース内に埋め込まれるか又はそれに取り付けられる。価格設定印刷資料14の各ピース内のEDSD12は、EDSDリーダ16により読み取られ、現行価格設定情報のデータベース18と比較されて、顧客に表示される価格が価格設定印刷資料14に関連付けられた製品の現行価格であることを検証するためのデータを含む。
【0017】
価格設定印刷資料14は、本明細書では、店の顧客に価格設定情報を明示的に又は暗に示す、小売店内中に配置することができる印刷資料と定義される。価格設定印刷資料は、関連する製品を置く棚に取り付けられる値札、製品に取り付けられる値札、販売促進イベントを記載する販売促進資料などを含むことができる。
【0018】
電子データ記憶デバイス12は、電子データをストアすることができる機械可読デバイスである。EDSD12はまた機械書込み可能とすることができる。電子データ記憶デバイス12は、単一の電子データ記憶デバイス、並びに、例えば、直列に、並列に、又は互いに入れ子に結合された2つ又はそれ以上の電子データ記憶デバイスの集合を指す。電子データ記憶デバイスの例には、それらに限定されないが、無線周波数識別タッグ(RFIDタグ)、近接(Prox)タグ、iButton、スマートカード、及び類似のデバイスが含まれる。無線周波数識別(RFID)は、RFIDタグ/トランスポンダと呼ばれるデバイスを用いて遠隔でデータをストアし及び引き出す方法である。RFIDタグは、粘着性シールのような小さな物体で、製品に取り付けるか又は組み込むことができる。RFIDタグは、RFIDトランシーバからの無線周波数クエリを受取り応答することを可能にするアンテナを含む。
【0019】
図1を参照すると、システム10の第1の実施形態は、一般に中央位置に配置されるコンピュータ20及びプリンタ22、並びに、少なくとも1つの携帯用EDSDリーダを含む。データベース18は、コンピュータ20上で生成され26、維持管理される28(図3)。データベース18は、店内で販売される各製品に関する記録を有する。その記録の各々は、一般に、製品の固有識別名及び製品の現行価格を含み、製品の説明書を含むことができる。この集中型システム10において、プリンタ22及び携帯用EDSDリーダ24は中央コンピュータ20と通信し、この中央コンピュータ20は、価格設定印刷資料14の印刷及びEDSDリーダ16によって読み取られたデータのストアを制御する。システム10はまた、中央コンピュータ20と、直接的に又は携帯用EDSDリーダ24のうちの1つを介して間接的に通信する1つ又はそれ以上の携帯用プリンタ30を含むことができる。
【0020】
価格設定印刷資料14用に用いられる媒体32は、価格設定情報を印刷することができる任意の紙、カード用紙、プラスチックシートなどを含む。前述のように、媒体32はEDSD使用可能でなければならない。EDSD使用可能な媒体は、本明細書では、その内部に埋め込まれた、又はその上に形成された、又はそれに取り付けられた、EDSD12を有する媒体と定義される。従って、価格設定印刷資料14を作成するのに用いられるプリンタ22、22’、30は、媒体のEDSD12上にストアされた識別情報を読み取るように配置されたEDSDリーダ16、又は媒体のEDSD12上にデータを符号化するように配置されたEDSDリーダ/エンコーダ・デバイス34を含む。プリンタ22、22’、30内で用いられる媒体32のEDSD12が読取り専用である場合、プリンタ22、22’、30はEDSDリーダ16を含むことができる。プリンタ22、22’、30内で用いられる媒体32のEDSD12のメモリが符号化可能である場合、プリンタ22、22’、30はEDSDリーダ/エンコーダ・デバイス34を含むことになる。
【0021】
多くの通常の在庫管理システムは、バーコード・スキャナを用いて在庫製品の識別情報を決定する。しかし、バーコード・スキャナは、バーコードを読み取るために遮られない一列のサイトを必要とする。取り付けられたバーコードが他の製品、棚、壁などによって遮られるように、製品が配置される場合、バーコード・リーダはバーコードを読み取ることができない。携帯用EDSDリーダ24は、EDSD12が携帯用EDSDリーダ24に対してどのような向きにあっても、携帯用EDSDリーダ24がEDSD12の範囲内にあるとき、EDSD12を検知して読み取ることができる。店の従業員が単に携帯用EDSDリーダ24を携えて店内中を移動するとき、携帯用EDSDリーダ24は、何らのユーザ介入なしに、リーダの範囲内にあるEDSD12の各々1つと通信する。
【0022】
図2を参照すると、システム10’の第2の実施形態はまた、前述の型のデータベース18を有する中央コンピュータ及び中央プリンタを含む。この分散型システム10’は、内部にストアされたスレーブ・データベース38(データベース18のコピー)を有する1つ又はそれ以上の衛星コンピュータ36を含むことができる。中央コンピュータ20及び衛星コンピュータ36は、それらに接続されたプリンタ22、22’を制御する。スレーブ・データベース38はまた、1つ又はそれ以上の携帯用プリンタ30及び携帯用EDSDリーダ24の内部にストアすることができ、スレーブ・データベース38はそれぞれのデバイスの動作中にアクセスされる。スレーブ・データベース38は、マスター・データベース18が修正又は更新されるときは必ずマスター・データベース18と同調化48される。
【0023】
集中型システム10及び分散型システム10’は組み合せて多くの異なる複合型システムを生成することができることを理解されたい。例えば、衛星コンピュータ36、携帯用プリンタ30又は携帯用EDSDリーダ24の幾つかは中央コンピュータと通信するようにしてスレーブ・データベース38を必要としないようにすることができる。
【0024】
図3を参照すると、システム10、10’は、小売店において表示される製品価格設定が正しく最新のものであることの検証を容易にする。前述のように、システム10、10’は、店内で販売される各製品の記録を有する製品価格設定データベース18を有する中央コンピュータ20を含む。多くのそのような店は、製品価格設定データベースに用いることができるか又は製品価格設定データベースとして用いるように適合させることができる在庫データベースを有する中央コンピュータを持つ。他の店は製品価格設定データベース18を作成(26)しなければならない可能性がある。製品価格設定データベース18の各記録は、少なくとも、製品の固有識別名及び製品の現行価格を含む。製品の価格の変更は、製品に関連する記録の中の価格データを変更する28ことによって実施される。ユーザは、価格変更を連続的にではなく定期的に実施してより効率的に製品価格設定データベースを維持管理することが有利であることを認めるであろう。
【0025】
以下の手順によって生成される価格設定印刷資料14は、そのような資料に対する通常の任意の方法で用いることができる。例えば、価格設定印刷資料は製品を収容する棚に取り付ける(44)か又は製品に添付することができる。各製品に関する価格設定印刷資料14が生成される(4)2とき、価格設定印刷資料上に印刷された価格は、その製品用の製品価格設定データベース18中の記録の価格データ・フィールドから取得され(46)、この価格は媒体32上に印刷される(48)。価格設定印刷資料14を生成するためのプリンタ22、22’、30に用いられる媒体32のEDSD12が読取り専用である場合、プリンタ22、22’、30のEDSDリーダ16はEDSD12にストアされた識別データを読み取り(50)、この識別データは製品用の記録のフィールドにストアされる(52)。集中型システム10において、識別データは中央コンピュータ20に伝達されて製品価格設定データベース18に保管される。分散型システムにおいては、識別データはプリンタ22’又は衛星コンピュータ36のスレーブ・データベース38にストアされ、同調化(40)によりマスター・データベース18に転送される。
【0026】
プリンタに用いられる媒体のEDSDのメモリが符号化可能である場合、EDSDリーダ/エンコーダ・デバイスは、マスター・データベース18又はスレーブ・データベース38から製品の固有識別名を引き出し(54)、識別名をEDSD内に符号化する(56)。EDSDリーダ/エンコーダ・デバイスはまた、マスター・データベース18又はスレーブ・データベース38から製品の価格データを引き出し(58)、価格データをEDSD内に符号化する(60)ことができる。
【0027】
価格設定印刷資料は、少なくとも1人の従業員に携帯用EDSDリーダ24を携えて店内中を歩かせることにより維持管理される(62)。従業員が店内を移動する際に、携帯用EDSDリーダ24は、携帯用EDSDリーダ24の範囲内に入る各EDSD12のメモリにクエリを行う(64)。EDSD12が読取り専用EDSDであるか又は識別データのみを含む場合、携帯用EDSDリーダ24はその中にストアされている識別データを読取り(66)、識別データに関連する製品の記録についてデータベースにクエリを行い(68)、製品に関連する価格データを取得する。この価格データは携帯用EDSDリーダ24の上に表示され(70)、従業員が現行価格データ(携帯用EDSDリーダ上に表示された)を、貼付された価格設定印刷資料14と比較できるようになる。貼付された価格設定印刷資料上に表示された価格情報が携帯用EDSDリーダ24上に表示された現行価格データと同じである場合には、何の処置も必要なく、従業員は店内の移動を続ける(74)。貼付された価格設定印刷資料上に表示された価格情報が携帯用EDSDリーダ24上に表示された現行価格データと同じでない場合には、新しい価格設定印刷資料が生成され(42)、間違った価格設定印刷資料が除去され、新しい価格設定印刷資料14で置き換えられる(44)。
【0028】
従業員が携帯用プリンタ30を持たない場合、又は価格設定印刷資料14が携帯用プリンタ30によって作成できない型のものである場合、携帯用EDSDリーダ24は、置き換える必要がある価格設定印刷資料14に関するデータを蓄積する(76)。携帯用EDSDリーダ24が、適切なプリンタ22、22’を有する中央コンピュータ20又は衛星コンピュータ36と同調化される(40)とき、価格設定印刷資料14が生成され(42)、間違った価格設定印刷資料が除去され、新しい価格設定印刷資料14で置き換えられる(44)。
【0029】
価格設定印刷資料のEDSD12がさらに価格データを含む場合、携帯用EDSDリーダ24は識別データを読取り(78)、さらに価格データを読み取る(80)。価格データは識別データと関連付けられ(82)、データベース記録がクエリを受けて(84)製品の価格データが取得される。次に、EDSDから読み取られた価格データはデータベースから引き出された価格データと比較される(86)。貼付された価格設定印刷資料のEDSD12の中にストアされている価格データが、マスター・データベース18又はスレーブ・データベース38の中にストアされている現行価格データと同じである場合、何の処置も必要なく、従業員は店内の移動を続ける(74)。貼付された価格設定印刷資料のEDSD12の中にストアされている価格情報が現行価格データと同じでない場合には、新しい価格設定印刷資料14が、携帯用プリンタ30、又は、上述のように中央コンピュータ20若しくは衛星コンピュータ36に取り付けられたプリンタ22、22’によって生成される(42)。
【0030】
データベース18が販売促進特売の価格設定に関するデータを含む場合、システムは販売促進キャンペーンの期限についてのクエリを行い、価格設定印刷資料上の価格情報が期限切れであるかどうかを判断することができる。
【0031】
一変形物において、複数の携帯用リーダ24が店内で用いられるショッピングカート内に配置される。買い物客が店内を歩く際、ショッピングカート内の携帯用EDSDリーダ24は、携帯用EDSDリーダ24の範囲内を通過する全ての価格設定印刷資料14の正しさを検証する。価格設定印刷資料14の一つが期限切れであると判断されるとき、その価格設定印刷資料14の識別情報及び位置が記録される。このデータは、無線システムにより中央コンピュータに伝達することができ、或いは、ショッピングカート内の携帯用EDSDリーダ24をマスター・データベースと定期的に同調化する(40)ことができる。次に、置き換え用の価格設定印刷資料14が、取付けのための正確な位置と共に一括して生成される。
【0032】
別の変形物において、EDSDリーダ16を固定配置して、小売フロア全体が少なくとも1つのEDSDリーダ16の範囲内に入るようにすることができる。この場合、システム10、10’は店内全体を期限切れの価格設定印刷資料に関して定期的にチェックすることになる。
【符号の説明】
【0033】
10:集中型システム
10’:分散型システム
12:電子データ記憶デバイス(EDSD)
14:価格設定印刷資料
16:EDSDリーダ
18:データベース(マスター・データベース)
20:中央コンピュータ
22:中央プリンタ
22’:衛星プリンタ
24:携帯用EDSDリーダ
30:携帯用プリンタ
32:媒体
36:衛星コンピュータ
38:スレーブ・データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
その表示価格設定が維持管理される各製品の固有識別名及び現行価格を含んだ記録を有するデータベースを含むコンピュータと、
前記コンピュータと通信し、EDSD使用可能媒体上に価格設定印刷資料を生成するように適合された、プリンタと、
前記プリンタに結合されたEDSDリーダ又はEDSDリーダ/エンコーダと、
少なくとも1つの携帯用EDSDリーダと、
を備えることを特徴とする、小売店における表示価格設定を維持管理するためのシステム。
【請求項2】
内部にストアされた前記データベースのコピーを有する少なくとも1つの衛星コンピュータと、
前記衛星コンピュータと通信し、EDSD使用可能媒体上に価格設定印刷資料を生成するように適合された衛星プリンタと、
前記衛星プリンタに結合された携帯用EDSDリーダ又は携帯用EDSDリーダ/エンコーダと、
をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記携帯用EDSDリーダは、内部にストアされた前記データベースのコピーを有することを特徴とする、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
内部にストアされた前記データベースのコピーを有する少なくとも1つの携帯用プリンタをさらに備えることを特徴とする、請求項2に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−118055(P2010−118055A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−254741(P2009−254741)
【出願日】平成21年11月6日(2009.11.6)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】