説明

少なくとも重合体のナノ繊維の一層を含んでいる織物及び重合体溶液から静電紡糸により重合体のナノ繊維の層を製造する方法

本特許は、重合溶液の静電紡糸により製造される600ナノメートルまでの直径を有する重合体ナノ繊維の少なくとも1層を含んでいる織物に関する。重合体ナノ繊維は、静電紡糸に供された重合体の溶液中に溶解又は分散された低分子量物質の粒子、場合により静電紡糸に供された溶液中に溶解又は分散された原低分子量物質からその後の化学反応で作り出される低分子量物質の粒子を含有する。本発明は帯電電極と対向電極の間の電位差で作られる電場中の静電紡糸による重合体溶液からのナノ繊維の層の製造法にも関し、そこでは回転する帯電電極を通して紡糸用の電場に重合体の溶液が持ち込まれ、同時にこの電場中で作り出されるナノ繊維は対向電極に運ばれてそれに指定された表面に付着する。紡糸用の重合体溶液は低分子量物質の粒子を含有し、それは紡糸時に重合体と共に作り出されるナノ繊維に取り込まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重合体溶液の静電紡糸により600ナノメートルまでの直径を有する重合体ナノ繊維の少なくとも一層を含有する織物に関する。
【0002】
本発明はまた帯電電極及び対向電極の間の電位差で生じる電場中の静電紡糸による重合体溶液からナノ繊維の層の製造法に関し、重合体溶液は回転する帯電電極の表面を経由して紡糸用の電場に持ち込まれ、同時にこの電場で生成するナノ繊維は対向電極に運ばれて指定された表面に付着する。
【背景技術】
【0003】
CZ 294274から、及び類似の国際出願WO 2005/024101 A1によれば回転方式で位置する帯電円筒形電極と対向電極の間の電位差により作り出される電場における重合体溶液の静電紡糸により製造される重合体ナノ繊維からの少なくとも1層を含有している織物が製造されることが知られており、同時に帯電円筒形電極はその周囲部分が重合体溶液中に沈んでおり、その表面を経て重合体溶液が紡糸用の電極に持ち込まれる。静電紡糸を通じて前述の織物が水溶液又は非水溶液中に溶解できる種々な重合体から製造される。
【0004】
重合体ナノ繊維の少なくとも1層を含有している織物を治療の際に他のものと隣接して例えば傷を覆うのに使えば、孔が小さいので傷に細菌が侵入するのを防ぎ、同時に治癒過程の液体産物を排出し、傷への空気の接近を可能とする。
【0005】
治療に使用される他の知られている織物は時に生理学的に活性物質を含有し、それが調節された速度でそれから放出され治癒工程を助ける。織物に付着した物質の量を各々調節するのが非常に難しく、活性物質のそれぞれの非常に少ない量を付着するのが困難で織物の用途が制限される場合、織物を各物質の溶液に浸漬し、乾燥することで仕上げた織物上にこれらの物質を付着させる。より難しいのは物質につき長期で徐々なる放出をさせることである。
【0006】
防腐及び殺菌効果を有する多くの物質がその防腐及び殺菌効果ゆえに治療工程で使用される。一例には強殺菌効果を有する重金属、特に銀の解離性化合物がある。同時にこれらは人体に対しても毒なので、望ましくない副作用を有している。よりよい結果は体液の環境では僅かに溶け、僅かに解離するだけの金属銀で達成される。そのような様式で作られるイオンの濃度は殺菌効果を達成するのに充分で、同時に望ましくない副作用の程度は無視できる。適当な形態の銀は、銀化合物の還元を経て織物形成又は重合体膜のような種々な基材中で調製でき、その大きさは数値でいうとマイクロメートルである。銀の同様な形態は、例えばソックスのようなものの織物材料でも使用され、細菌による匂いの生成を防止する。
【0007】
物質のコロイド状態の研究から、固体の化学的作用又は触媒作用は活性物質の特異な表面で増強されることが知られている。担体中の活性物質粒子の大きさが減少すると共に、この物質の効果で必要とされる割合は担体中での活性物質のより少ない量又は担体中での活性物質のより低い濃度で達成できる。水溶液中の金属塩の還元により、例えば写真の手法での1マイクロメートルより大きな寸法の金属粒子が作成される。これらの粒子は黒色である。多くの特許及び文献が1マイクロメートル未満の特徴ある大きさの金属ナノ粒子の調製についての工程を取り扱っている。US 5759230によれば、粒子はアルコール性溶液中での銀塩の還元で調製できる。US 6110254及び6660058による工程は、場合により適した界面活性剤を用いて2種溶媒系の相間での還元を使用している。予稿集Nano03,Brno2003及びNano04,Brno2004で公にされたK.Siskova及びそのチームの論文は銀のナノ粒子の調製に関してレーザー光の使用を記載している。銀ナノ粒子はそれらの高活性及び最低の毒性という利点をもって使用できる。それにもかかわらず、上に挙げた工程によるそれらの製造は厳しく、適した担体物質にてそれらの粒子を適当な位置につけることが解決されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は適切な担体、例えば銀及び適切な性質の他の金属類、塩類、生理的活性物質などのような低分子量物質のナノ粒子用のそれぞれの担持基質を提示することである。
(本発明の原理)
【0009】
本発明の目的は重合体ナノ繊維の少なくとも1層を含有する織物を通して達せられたが、本発明の原理はその大きさがナノ繊維の直径より小さいこと、同時に低分子量物質の粒子がナノ繊維の重合体中に付着していることにある。
【0010】
重合体ナノ繊維は紡糸する前には静電紡糸溶液中に溶解又は分散された低分子量物質の粒子を含有している。或いは重合体ナノ繊維は、紡糸する前に重合体の静電紡糸溶液中に溶解された原低分子量物質のその後の化学反応を通してのフィブレーション後に造られる低分子量物質の粒子の重合体ナノ繊維を含有する。低分子量物質は層の重合体ナノ繊維中に直接付着しており、その濃度は紡糸工程中の重合体溶液中にある低分子量物質の濃度に近い。得られる層のナノ繊維中にある活性物質の濃度は正確に制御できる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項2によれば、低分子量物質の粒子が金属類、塩類、染料類、生理活性物質類、香料類、指示薬類及び触媒類の群からの少なくとも1種類の物質で造られれば好都合である。ナノ繊維はこうして通常相当する物質を非常に少量含有し、長期間に亘って放出することができ、求める効果が作りだせる。
【0012】
低分子量物質の粒子の大きさはナノ繊維の直径より小さくて、請求項3に従えばこれらの粒子はナノ繊維中に付着させ得る直径5から100ナノメートルであるのが好都合である。
【0013】
請求項4によれば、織物の層中のナノ繊維は水溶液から静電紡糸を受け、次いで網目状になり、その中では低分子量物質の粒子は紡糸前に溶解又は分散された。本織物のナノ繊維は通常水に可溶な低分子量物質を含有し、それは網目処理後に他の水溶液中で化学反応処理に供される。一方請求項5によれば、ナノ繊維は網目処理前にナノ繊維中に含有された金属の塩粒子の次なる化学反応を通して造られた金属の粒子を含有できる。
【0014】
ナノ繊維中に付着している金属の塩粒子は硝酸銀からなり、それを原料としてその後の還元を経て銀粒子が造られるが、同時に硝酸銀の粒子はナノ繊維中に付着しているにもかかわらず還元は起こる。
【0015】
請求項7によれば、ナノ繊維は非水溶液から静電紡糸を受けた重合体により織物層中に造られる。低分子量物質の細かい粒子は非水溶液中に分散することができる。
【0016】
同時にナノ繊維は非水溶液中に分散された金属粒子を含有し、紡糸前又はその経過中には静電紡糸に供される。
【0017】
請求項9によれば、金属粒子は銀の粒子である。
【0018】
重合体溶液から静電紡糸を経たナノ繊維の層の製造法の原理は、紡糸用重合体溶液はナノ繊維の直径より小さな寸法を有する低分子量物質の粒子を含有し、それは重合体と共に造られるナノ繊維に紡糸時に取り込まれる。
【0019】
同時に低分子量物質の粒子は金属類、塩類、染料類、生理活性物質類、香料類、例えばpHに反応する指示薬類及び触媒類の群よりの少なくとも1種類の物質で造られる。
【0020】
紡糸用の重合体溶液は水溶液で、その中に重合体と重合体網目を生じる物質と共に、ナノ繊維が紡糸後含有すべき低分子量物質が溶けているか、ナノ繊維が紡糸後に含有すべきある種の物質を含有している低分子量物質が溶けているが、後者は静電紡糸に供された重合体溶液に溶解している原低分子量物質のその後の化学反応により造られるであろう。低分子量物質は水溶液中に分散しているのがよい。
【0021】
重合体の水溶液中に溶解している低分子量物質は好ましくは金属塩で、網状化の完了後適当な物質の溶液で処理され、その後の化学反応により、所望の低分子量物質がナノ繊維中に作り出される。
【0022】
請求項14によれば、重合体の水溶液中に溶解した低分子量物質が硝酸銀の場合、そこから網状化終了後に還元剤を作用させることでナノ繊維中に金属銀を生成させるのが好都合である。
【0023】
本発明による方法の他の変形では紡糸用の重合体溶液が非水溶液で、その中に重合体と共にナノ繊維が紡糸後に含有すべき低分子量物質、又はナノ繊維が紡糸後に含有すべき物質を含有する低分子量物質を含有し、後者は静電紡糸に供された重合体溶液中に溶解されている原低分子量物質の化学反応を通じて造られる。低分子量物質は重合体の非水溶液中に溶解していてもよい。
【0024】
低分子量物質は好ましくは銀で、重合体の非水溶液中に含有されている硝酸銀を還元すれば得られる。
【0025】
(実施形態の例)
回転方式の帯電電極及び対向電極の間の電位差で生じる電場中での静電紡糸により重合体溶液からナノ繊維を作り出す間、同時に帯電電極はその周囲の一部を重合体溶液に浸漬していて、その表面を通して紡糸のための電場に重合体溶液をもたらす。同時に帯電電極はCZ294274及び同じような国際出願WO 2005/024101 A1によれば円筒形に造るのが好ましい。前述の織物は静電紡糸を用いることにより水又は非水溶液中に溶解する種々の重合体で作られる。ナノ繊維の直径は600ナノメートル未満で、通常100から600ナノメートルの範囲である。
【0026】
適切な環境下では、重合体又は混合重合体の溶液からのみならず重合体と同じ溶媒に溶解又は分散させた低分子量物質を伴う重合体からそれぞれの重合体を静電紡糸することが可能である。低分子量物質の粒子は静電紡糸において回転する帯電電極の周囲で重合体と共に紡糸用の電極に運ばれ、そこにおいてナノ繊維が造られるときに重合体に取り込まれてそれらはナノ繊維中に付着するが、低分子量物質の粒子の大きさは通常5から100ナノメートルで変化し、それが付着するナノ繊維の直径より小さい。造られるナノ繊維の層中にある低分子量物質の濃度は紡糸に供された溶液中の濃度に近似させることができる。
【0027】
低分子量物質の粒子は、金属類、塩類、染料類、生理活性物質類、香料類、指示薬類及び触媒類の群からの少なくとも1種類で作り出される。
【0028】
最初に、本発明によるナノ繊維の層の製造方式について、例えば銀のような金属粒子と重合体の水溶液について説明する。例えば、ポリビニルアルコールからポリビニルアルコールの水溶液は調製され、それは更に網状化剤及び可溶性銀塩、好ましくは硝酸銀を含有している。紡糸工程の間、硝酸銀の粒子は重合体と共に作り出されるナノ繊維中に取り込まれる。フィブレーション後、重合体は加熱で網状化剤を活性化することにより三次元の不溶性形態に移行する。そののち、硝酸銀は例えば白黒写真現像剤の水溶液など既知還元剤溶液の作用で既知の様式を通じて還元される。硝酸銀の還元は通常の様式で行われ、硝酸銀はナノ繊維の重合体中に付着されるが、還元後はナノ繊維層のナノ繊維は5から100ナノメートルの大きさを有する銀の粒子を含有する。
【0029】
ポリウレタンの場合、ジメチルホルムアミドの非水溶液は静電紡糸に供されるが、同時に硝酸銀がこの溶液中に溶解されており、それは適した還元剤を用いてこの溶液中に還元析出され、析出した銀は紡糸溶液中に分散される。静電紡糸の間、これら銀の粒子は重合体と共に捕捉され、ナノ繊維中に付着する。
【0030】
基本的重合体中の金属イオンの低濃度及び反応剤の限られた移動性が還元された金属原子の大きな粒子中への凝縮を防止するので、ナノ粒子が作り出される。少なくともナノ繊維の1層を含有する最終製品の織物は黒色を示さず、褐色から黄色の色を呈する。最終的に、ナノ繊維の層では水を用いる化学反応での可溶生成物は除かれている。
【0031】
ナノ繊維に留まった銀粒子を伴うポリビニルアルコール又はポリウレタンのナノ繊維の層は強い、長期間での抗菌効果を特徴とし、細菌、フィンブリア及び真菌の繁殖を防止する。織物の表面重量は僅かに0.5から2g/mで、同時にそれは銀を0.01から0.2g/m含有する。この量は現行の使用品より非常に少ないので、人体に副作用を及ぼす程度より十分に低い。
【0032】
重合体溶液から得られるナノ繊維層の生成物の特定例及び重合体ナノ繊維の少なくとも1層を含有している織物は以下に示す例で説明する。
【0033】
(例1)
平均分子量100,000のポリビニルアルコールの12%水溶液、平均分子量70,000のポリアクリル酸の30%水溶液及び硝酸銀の4%水溶液を5:1:1の容積比で混合される。均一化した後、混合溶液はCZ294274に従って静電紡糸の工程により紡糸を受け、範囲150から500ナノメートルの直径のナノ繊維をもつ2g/mの表面重量のナノ繊維層になる。ナノ繊維層は30分間150℃の温度に曝され、同時に網状化反応が進行してナノ繊維材料は水中で不可溶となる。そののち、CR社がMETOLの名称で発売している白黒写真現像剤の水溶液をナノ繊維層に作用させ、それにより硝酸銀が還元して10から100ナノメートルの大きさを有する銀粒子が重合体ナノ繊維内部に作り出される。
【0034】
(例2)
例1と同じやり方で、同じ物質で比率5:1:0.2の混合物からナノ繊維の層を作成する。紡糸する間にナノ繊維中の硝酸銀を還元すると、ナノ繊維の中に5から50ナノメートルの大きさを有する銀粒子が生成する。
【0035】
(例3)
ナノ繊維の層は例1におけるのと同じ方式で製造されるが、紡糸においてナノ繊維中に付着された硝酸銀の還元剤はアスコルビン酸の2%水溶液とする。細菌試験は採集製品について行われ、試験によれば細菌、酵母及び真菌の繁殖を完全に防ぐ。
【0036】
(例4)
平均分子量120,000のポリウレタン18%及び1%の硝酸銀を含有するジメチルホルムアミド溶液は、当量のアセトアルデヒドの存在により20℃で4時間放置すると金属性銀に還元される。溶液はそののち混合され、均一化されて生成した細かい懸濁物をCZ 294274により静電紡糸の工程による紡糸を受けさせると、100から500ナノメートルの範囲の直径であるナノ繊維につき約10g/mの表面重量であるナノ繊維の層となる。
【0037】
重合体溶液中の硝酸銀は、例えば銅のような他の金属塩又は金属類、塩類、染料類、生理活性物質類、香料類、指示薬類及び触媒類の群からの他の低分子量物質に代わるかもしれないし、同時に静電紡糸を通じて製造されるナノ繊維の層は相当する低分子量物質を非常に少量で含有し、それらは必要に応じて制御された方式で放出する。染料類では、Saturnレッドの2%水溶液を重合体の水溶液の紡糸において使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重合体溶液から静電紡糸により製造される600ナノメートルまでの直径の重合体ナノ繊維の少なくとも1層を含む織物において、重合体ナノ繊維がナノ繊維の直径より小さい寸法を有する低分子量物質の粒子を含有し、同時に低分子量物質がナノ繊維の重合体中に付着していることを特徴とする織物。
【請求項2】
低分子量物質の粒子は、金属、塩、染料、生理的活性物質、香料、指示薬及び触媒の群からの少なくとも1種の物質により作り出されることを特徴とする、請求項1に記載の織物。
【請求項3】
ナノ繊維中に含有される低分子量物質が5から100ナノメートルの大きさを有することを特徴とする、請求項1又は2のいずれか一項に記載の織物。
【請求項4】
ナノ繊維が、水溶液からの静電紡糸とそれに続く網状化とに供された重合体であって、その中に低分子量物質の粒子が紡糸前に予め溶解又は分散された重合体により作り出されたものであることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の織物。
【請求項5】
ナノ繊維が、網状化の前にナノ繊維中に含有されていた金属塩の粒子のその後の化学反応により作り出された金属の粒子を含むことを特徴とする、請求項4に記載の織物。
【請求項6】
ナノ繊維が、網状化の前にナノ繊維中に含有されていた硝酸銀のその後の還元によって作り出された銀の粒子を含むことを特徴とする、請求項5に記載の織物。
【請求項7】
ナノ繊維が、非水溶液からの静電紡糸に供された重合体により作り出されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の織物。
【請求項8】
ナノ繊維が、静電紡糸に供された非水溶液中に分散された金属の粒子を含有することを特徴とする、請求項7に記載の織物。
【請求項9】
金属粒子が銀の粒子であることを特徴とする、請求項8に記載の織物。
【請求項10】
重合体の溶液を回転する帯電電極の表面を通じて紡糸のための電場内に導入し、同時にこの電場で作られたナノ繊維を対向電極に運び、指定された表面に付着させる、帯電電極及び対向電極の間の電位差により作られた電場内において静電紡糸により重合体溶液からナノ繊維の層を作り出す方法において、紡糸用の重合体の溶液が、紡糸中に、作り出されている途中のナノ繊維へ重合体と共に取り込まれる、ナノ繊維の直径より小さい寸法の低分子量物質の粒子を含有することを特徴とする方法。
【請求項11】
低分子量物質の粒子が、金属、塩、染料、生理的活性物質、香料、指示薬及び触媒の群からの少なくとも1種の物質により作り出されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
紡糸用の重合体溶液が、重合体及び重合体網状化物質と共にナノ繊維が紡糸後に含有すべきものである低分子量物質、又はナノ繊維が紡糸後に含有すべきものであり、静電紡糸に供されている途中の重合体溶液中に溶解された原低分子量物質のその後の化学反応により作り出される物質を含有する低分子量物質が溶解されている水溶液であることを特徴とする、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
重合体の水溶液中に溶解された低分子量物質が金属の塩であり、それが、網状化の完了後、適切な物質の溶液で処理され、その後の化学反応により、必要な低分子量物質がナノ繊維中に作り出されることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
重合体の水溶液中に溶解された低分子量物質が硝酸銀であり、それを原料に網状化完了後に還元剤の作用によりナノ繊維中に金属銀が作り出されることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
紡糸用の重合体溶液が、重合体と共にナノ繊維が紡糸後に含有すべきものである低分子量物質、又はナノ繊維が紡糸後に含有すべきものであり、静電紡糸に供されている途中の重合体溶液中に分散された原低分子量物質のその後の化学反応により作り出される物質を含有する低分子量物質が分散されている非水溶液であることを特徴とする、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項16】
低分子量物質が銀であることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
紡糸用の重合体の非水溶液が硝酸銀を含有し、それを原料に金属銀が紡糸前に得られることを特徴とする、請求項16に記載の方法。

【公表番号】特表2008−536022(P2008−536022A)
【公表日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−505721(P2008−505721)
【出願日】平成18年4月10日(2006.4.10)
【国際出願番号】PCT/CZ2006/000018
【国際公開番号】WO2006/108364
【国際公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(507336444)エルマルコ、エス.アール.オー (17)
【Fターム(参考)】