説明

尿吸引装置

【課題】衛生的でメンテナンスが容易に行なえるとともに、外出やドライブ等にも簡単に携行できる尿吸引装置を提供できるようにすることを目的とする。
【解決手段】負圧形成部と、負圧形成部で発生させた負圧が負圧供給管を介して導入される密閉可能なリザーブタンクと、リザーブタンクに吸引管を介して連結された尿受け具とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は尿吸引装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、高齢化が進み、認知症の老人がふえる一方、少子化で十分な介護が難しくなっている。この認知症の老人の屎尿の処理にはオムツを装着するのが一般的であった。
また、高齢化にともなって、前立腺肥大による頻尿も多くなりこうした不意の尿意に対しても、オムツを装着するのが一般的である。
かかるオシメは主として尿を吸収させるためのもので、分厚い水分吸収体のためにズボン等が不恰好なものとなり、これがために、ゴルフあるいはジョギング等のスポーツや、外出が躊躇される。
また、健常者でも長時間のドライブ等では不意の尿意におそわれることもある。
【0003】
そこで、無意識の放尿や不意の尿意に対して、尿を吸引するものとして例えば、吸尿並びに排出を兼ねるロータリーポンプとこれを駆動する制御部とを有する真空吸引装置と、排尿受器と、これらを連通接続し尿検知センサ電極を兼ねる電導体を外周面に形成した輸尿チューブとを備え、これらを、隔離された2つのポンプ室と、該ポンプ室と隔離された制御部収納室とを有する筐体に収納し、筐体に併設される収尿タンクは、前記輸尿チューブに連通する内部チューブを備え、開口部が、前記一方のポンプ室とフィルタを介して連通するとともに、ロータを経て他方のポンプ室とフィルタを介して外気に連通させ、二重のフィルタで排気を浄化するようにした自動採尿装置が提案されている。
【0004】
上記先の提案にかかる自動採尿装置では、尿の吸引並びに排出時に尿がロータリーポンプを直接通過するので、ポンプのロータ等の周面に付着したり、ポンプ内に残った尿が腐敗して雑菌が繁殖しやすく、衛生上に問題があるだけでなく悪臭の原因にもなるという問題があった。
更に、上記の提案されたもののように、隔離された2つのポンプ室と、ポンプ室と隔離された制御部収納室とを有する筐体に収尿タンクを配設したものでは、この収尿タンクからの尿の排出や洗浄に多大の手間と時間を要してしまうという問題もある。
【特許文献1】特開2005−334558号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みて提案されたもので、タンクに収納された尿を簡単に処理でき、衛生的でメンテナンスが容易に行なえるとともに、外出やドライブ等にも簡単に携行できる尿吸引装置を提供できるようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明にかかる尿吸引装置は、負圧形成部と、負圧形成部で発生させた負圧が負圧供給管を介して導入される密閉可能なリザーブタンクと、リザーブタンクに吸引管を介して連結された尿受け具とを備えたことを最も主要な特徴とするものである。
【0007】
また、本発明にかかる尿吸引装置では、リザーブタンク内に開口する吸引路の端部に水密性を有する収納袋を着脱可能に設け、収納袋の内部と、ケーシング内で収納袋の外方との間に圧力差を形成して収納袋を広げるためのオリフィスを収納袋に形成したこと、その際、 収納袋内に、ゲル化剤、増粘剤、吸水樹脂剤の少なくとも一剤を入れたことも特徴とするものである。
【0008】
更に、負圧形成部が電動モータと、これに直結された吸引ポンプとで構成したこと、負圧形成部を構成する電動モータと、電動モータを駆動する電源と、電動モータで駆動される吸引ポンプとを同一のケースに収納したこと、更に、尿受け具が尿放出口に装着可能なカップ状に形成され、当該カップ状の尿受け具の底部に吸引管が連結されていること、尿受け具若しくはその近傍に設けられた温度、湿度、水滴の少なくとも1つを検出する検出器を備え、当該検出器の検出信号により、負圧形成部が駆動されるように構成したこと、更に、リザーブタンク及び/又は負圧形成部が介護用品に着脱可能に設けたことも特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明にかかる尿吸引装置によれば、負圧形成部と、負圧形成部で発生させた負圧が負圧供給管を介して導入される密閉可能なリザーブタンクと、リザーブタンクに吸引管を介して連結された尿受け具とを備えてなり、尿が直接負圧形成部を通過しないので、負圧形成部に尿が付着乃至残留することをなくせる。これにより付着乃至残留した尿が腐敗して雑菌が繁殖したり、悪臭の原因になったりすることがなく、衛生的な尿吸引装置を提供することができるという利点がある。
【0010】
しかも、尿を吸引するリザーブタンクは、吸引管を介して尿受け具と、負圧供給管を介して負圧形成部と夫々連結されており、これら各管を取り外すだけでリザーブタンクを尿吸引装置から取り外して洗浄することができる。
また、リザーブタンク内に開口する吸引路の端部に水密性を有する収納袋を着脱可能に設けたものでは、この収納袋を取り外してそのまま処理することができ、そのメンテナンスも至って簡便なものにすることができる。
【0011】
因みに、上記収納袋内に、ゲル化剤、増粘剤、吸水樹脂剤の少なくとも一剤を入れたものでは、収納袋の吸引された尿がゲル化若しくは粘度が増加し、当該収納袋を着脱する際に収納された尿が飛散したり、作業者等にかかったりすることを防止できる。
これによりメンテナンスも容易に行なえる利点があり、衛生的に維持できるので、外出やドライブ等にも簡単に携行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明にかかる尿吸引装置の好ましい実施の形態を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明の尿吸引装置の概略構成図であって、図中符号1は尿吸引装置を全体的に示す。
この尿吸引装置1は、負圧形成部2と、負圧形成部2で発生させた負圧が負圧供給管3を介して導入される密閉可能なリザーブタンク4と、リザーブタンク4に吸引管5を介して連結された尿受け具6とを備えてなる。
【0014】
リザーブタンク4は、容器状の本体部分7とその開口部分を気密状に閉塞する蓋体8とからなり、本体部分7はペット(ポリエチレンテレフタレート)樹脂をブロー成形したもので、開口部9には雄螺子10が形成されている。
上記蓋体8はキャップ状に形成され、周壁の内面には開口部9に形成された雄螺子部10に嵌着される雌螺子11が形成されており、蓋体8の天板部分12には吸引管5と負圧供給管3とがそれぞれ個別に装着される取り付け孔13・14が穿設されている。
斯くして、尿受け部の底部と吸引管及び吸引管の取り付け孔にいたる間に尿の吸引路Rが形成される。
【0015】
上記尿受け具6は、合成樹脂により尿放出口15を挿入可能な有底筒状のカップ状に形成されており、尿受け具6の底部16には吸引管連結口17が設けられ、その近傍部分には尿検出器18が配設されている。
この尿検出器18は、温度、湿度、水滴の少なくとも1つを検出するもので、詳細な図示は省略したが、例えば温度検出器ではバイメタルや熱膨張により抵抗が変化するものが、湿度検出器としては湿度の変化に応じて静電容量が変化する容量変化型検出器が、水滴を検出するものとしては結露センサ等が考えられ、これらを併用することで尿の検出精度を高めることができる。
【0016】
尿受け具6の底部16の吸引管連結口17に一端が連結され、他端がリザーブタンク4の蓋体8に穿設された取り付け孔13に連結する吸引管5は、シリコンチューブ等の柔軟性を有する管で形成されており、吸引管5のリザーブタンク4内の開口端部5aは負圧供給管3のリザーブタンク4内の開口端部3aより低い位置に開口させてある。
負圧供給管3は、吸引管5と同様にシリコンチューブ等の柔軟性を有する管で形成することが望ましい。
負圧供給管3を介してリザーブタンク4に負圧を供給する負圧形成部2は、図2乃至図4に示すようになっている。
【0017】
負圧形成部2はケーシング20の中に、電動モータ21を駆動する電源22と、電動モータ21で駆動される2個の吸引ポンプ23を収納してなる。
電源22は、6本の乾電池を電気的に直列に接続した状態で図3中にケーシング20の下側に収納するとともに、その上側に上記2個の吸引ポンプ23が並設されている。
この2個の吸引ポンプ23は夫々前記電動モータ21とこれで駆動されるダイヤフラム式のポンプ部24とを一体に組み合わせて形成されたもので、各ポンプ部24の吸引口25は合一されて負圧供給管3に接続されている。
【0018】
各ポンプ部24の吸引口25が合一する部分のケーシング20の内部空間部分は、活性炭等の消臭剤入りの繊維27を充填し、側面部分に複数の小孔からなる排気口28を設けた排気消臭空間26となっている。
一方、各ポンプ部24の吐出口40は上記排気消臭空間26に開口させてある。
また、ポンプ部24とケーシング20との間には制御装置29が設けられており、この制御装置29は、前記尿検出器18からの検出信号あるいは図示を省略したが手動スイッチの操作に基づいて電源22である乾電池からの電流を上記電動モータ21に給電又は停止する制御を行なうものである。
【0019】
即ち、尿検出器18が尿を検出若しくは手動スイッチがオン操作されると、電源(乾電池)22からの電流を上記電動モータ21に供給し、尿検出器18が尿を検出しなくなったり、手動スイッチがオフ操作されると電動モータ21への給電が断たれたりするようになっている。
電動モータ21への給電を断つ場合、給電開始から計時を開始するタイマーにより給電を断つようにすることも考えられる。この給電を停止するタイマーの場合、電動モータ21の可動時間は概ね30秒に設定してある。
【0020】
尚、図2乃至図4中、符号30はケーシング20の中に、電動モータ21を駆動する電源22と、各電動モータ21で駆動される2個の吸引ポンプを収納したケーシング20を吊持若しくは固定するための板状の吊持片であって、この吊持片30には鍵穴形の吊持孔31が穿設されている。
図4に示すようにケーシング20の一側部は電動モータ21の点検、脱臭剤の取替え、電源22である乾電池の交換等のメンテンスのための開口32されており、この開口32の部分は開閉可能な蓋33で蓋されている。
また、図1中リザーブタンク4内に二点鎖線で示すものはリザーブタンク4に吸引された尿が一定量になり交換又は排出時期を検出する検出センサ34である。
【0021】
上記のように構成された尿吸引装置1の使用の態様を図5に基づいて説明する。
図5は、本発明にかかる尿吸引装置1を車椅子(介護用品)25に取り付けて使用する例であって、リザーブタンク4は手押しハンドル36の下方のフレーム部分37に取り付け、負圧形成部2のケーシング20は座部38と手押しハンドル36の支柱39とが交差する部分に設置し、尿受け具6をこの介護車35を使用する者41の尿放出口15に装着する。
【0022】
このとき、図示は省略したが、尿受け具6の上端部に紐やゴム等の装着具を設け、この装着具で尿受け具6をこの車椅子を使用する者41に固定しておけば、身体が動いたときでもはずれるのを防止することができる。
尿吸引装置1に手動スイッチを備えている場合、その手動スイッチはアームレスト部分42に取り付けられる。
【0023】
尿受け具6を装着した者が尿意を催した場合、手動スイッチをオンにして負圧形成部2の電動モータ21を起動させて吸引ポンプ23を駆動させるか、そのまま尿を尿受け具6に放出する。
尿受け具6に尿が放出されると、これを尿検出器18が検出し、尿検出器18からの検出信号により負圧形成部2の電動モータ21が起動されて吸引ポンプ23が駆動される。
この吸引ポンプ23の駆動により発生された吸引負圧は負圧供給管3を通じてリザーブタンク4に供給されリザーブタンク4内を負圧にする。
【0024】
リザーブタンク4内が負圧になると、この負圧で吸引管5を介して尿受け具6内の尿はリザーブタンク4内に吸引されて貯留される。
尿受け具6内の尿がなくなり、尿検出器18が一定の時間(例えば3秒程度)尿を検出しないとき、または上記タイマーが予め設定された一定の時間(例えば30秒)を経過すると電動モータ21への給電が停止し、尿の吸引が終了する。
【0025】
斯くしてリザーブタンク4に所定量の尿が吸引され、これを交換又は排出時期を検出する検出センサ34が検出すると、リザーブタンク4の蓋体8を外し、尿を貯留した本体部分7が介護車35から取り出されて尿が排出される。
このとき、図1に二点鎖線で示すように吸引管5と負圧供給管3の夫々にジョイント43を設けておくと、このジョイント部分を分離することにより、リザーブタンク4の介護車35からの取り出しが容易なものにすることができる。
【0026】
尚、上記実施の形態では、尿受け具6を図上では男性用にしてあるが、こうしたものに限られず、形状を変えることにより女性用の尿吸引装置1にすることができる。
また、上記実施の形態における吸引ポンプ23のポンプ部24の形式はダイヤフラム式に限られず、ベーン式ポンプやプランジャ式ポンプその他のポンプが使用できるのは勿論のこと、エジェクターやジェットポンプで負圧形成部2を構成することもできるし、吸引ポンプ23は1台にすることもできる。
また、上記実施の形態におけるケーシング20を吊持若しくは固定するための吊持片30は板状の物に代えて紐やフックにすることができるし接着剤などで固定することも可能である。
【実施例2】
【0027】
本例の尿吸引装置1は、上記実施例1におけるリザーブタンク4を図6乃至図9に示すように変更したもので、図6に示すように、リザーブタンク4内に吸引される尿を収納する収納袋45を、蓋体8の下方に着脱可能に取り付けてある。
リザーブタンク4は、上記実施例1と略同様に容器状の本体部分7と、本体部分7の上端開口を気密状に閉塞する蓋体8とからなり、蓋体8の中央部分に一端が尿受け具6に連結された吸引管5の端部が接続される接続部46が形成され、その側方に負圧供給管3が接続される負圧供給口47が形成されている。
尿受け具6から接続部46に至る間に尿の吸引路48が形成されており、この吸引路48のリザーブタンク4側の端部に尿の収納袋45が螺着される雌螺子49が形成されている。
【0028】
尿の収納袋45は、柔軟で可撓性を有するシートで、上部開口に筒状の吸引口50を設けた水密状の袋に形成され、外周には吸引路48に形成された雄螺子51が形成されるとともに、当該吸引口50の近傍の片面(図上表面)部分には差圧形成用のオリフィス(小孔)52が形成されている。
ここで、上記オリフィス52は、収納袋45を膨らませながら吸引管5から多量の空気とともに収納袋45に尿を吸引するためのもので、収納袋45内部の圧力(P1)とリザーブタンク内で収納袋35の外周部分の圧力(P2)との間にP1>P2となるような差圧を形成するようになっている。
【0029】
したがって、オリフィス52の開口面積をS1、吸引口50の通路断面積をS2とし、負圧供給口47の通路断面積S3としたときに、S1<S3<S2となるのが望ましいが、少なくともS1≦S3となるようにする必要がある。
尚、本例はオリフィス52を収納袋45の吸引口50の近傍の片面(図上表面)部分に形成するようにしてあるが、こうしたものに限られず、収納袋45の表裏に貫通するように形成することができる。この場合、オリフィス52の開口面積S1は表裏の開口面積を合算したものとなる。
【0030】
また、本例の尿の収納袋45内には顆粒状のゲル化剤乃至増粘剤等の薬剤60が封入されている。
上記ゲル化剤乃至増粘剤等の薬剤60の一例としては例えば特表2005−533134号公報に記載のゲル化剤がある。
因みに上記公報に記載の薬剤60はゲル化剤≒増粘剤としてあるが、ゲル化剤若しくは増粘剤等の薬剤60の夫々を単独でまたは混合して封入してもよいし、これに代えて、又はこれとともに特開2000−79159号公報に記載されているような吸水樹脂剤を封入することもできる。
【0031】
本例の尿吸引装置1では、先ず、吸引路48のリザーブタンク4側端部に収納袋45を取り付けた蓋体8を本体部分7に取り付ける。
次に、上記実施例1と同様、尿受け具6を装着した者が尿意を催した場合、手動スイッチをオンにして負圧形成部2の電動モータ21を起動させて吸引ポンプ23を駆動させるか、そのまま尿を尿受け具6に放出する。
尿受け具6に尿が放出されると、これを尿検出器18が検出し、尿検出器18からの検出信号により負圧形成部2の電動モータ21が起動されて吸引ポンプ23が駆動される。
この吸引ポンプ23の駆動により発生された吸引負圧は負圧供給管3を通じてリザーブタンク4に供給されリザーブタンク4内を負圧にする。
【0032】
リザーブタンク4内の負圧により、吸引管を介して大気に開放されている尿受け具6から大量の空気とともに尿が収納袋45内に吸引される。
この時、尿の収納袋45は、その表面に形成されたオリフィス52により収納袋45に吸引された空気が収納袋45の外周部に流出するのが制限され、若しくはオリフィス52の開口面積をS1と負圧供給口47の通路断面積S3とが等しいときでも流動抵抗を受けるので、膨らむ抵抗が少ない収納袋45では収納袋45内の圧力(P1)と収納袋45の外周部分の圧力(P2)との間にP1>P2となるような差圧が生じ、尿の収納袋45が膨れた状態に維持される。
【0033】
したがって、尿の収納袋45に多量の空気とともに吸引された尿は収納袋45内のゲル化剤乃至粘剤等の薬剤60でゲル化されるとともに空気のみがオリフィス52から収納袋45外のリザーブタンク4内に流出し、ここから負圧供給管3を介して吸引ポンプ23に吸い込まれて排出される。
所定量の尿が収納袋45に吸引されてゲル化剤乃至粘剤等の薬剤60でゲル化されると、吸引口50の雄螺子51と雌螺子49との螺合が解かれて収納袋45がリザーブタンク4から取り出される。
しかして、リザーブタンク4から取り出された収納袋45は、図8に示すようにその吸引口50の雄螺子51にキャップ53を装着すると、不燃ごみ若しくは産業廃棄物として処理することができる。
【0034】
尚、本例では尿の収納袋45を、その吸引口50に形成された雄螺子51を吸引路48の端部に形成された雌螺子49に螺合させて取り付けるようにしてあるが、これを図9に示すように吸引路48の雌螺子49を係止用の環状突起54にし、収納袋45の吸引口50を可撓性のチューブ55で吸引口50を形成し、このチューブ55を吸引路48の環状突起54部分に挿入して収納袋45を取り付けるようにすることもできる。
この場合、上記キャップ53に代えてこのチューブ55を屈曲させてクリップ56等で固定して封止する。
また、オリフィス52はシール用テープ57を貼着することにより尿を収納した収納袋45を密封することができる。
【0035】
加えて、尿の収納袋45の少なくとも一部を透明にし、その透明部分の内方で尿に触れる場所にウロペーパーを貼着しておくと、ウロペーパーの変化を視認することにより健康状態の管理を容易に行なうことができる。
更に上記各実施例の尿受け具6は、シリコン樹脂等の柔軟な素材で形成したり、柔軟なシート素材を成形したりすると、違和感が極めて少なく、装着者への負担が少ないので、ウロバッグのように接着剤等で、直接肌やオムツや下着等に接着して固定することもできる。
【0036】
本発明の尿吸引装置1は図5に例示したような介護用に限られず、長距離のドライブやゴルフ等のスポーツ時にも使用することができるのは勿論のことである。
更に、電源22は乾電池に限られず商用電源を使用することができるようにすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】は本発明の実施例1にかかる尿吸引装置の概略構成図である。
【図2】は本発明の実施例1にかかる尿吸引装置を横断した平面図である。
【図3】は本発明の実施例1にかかる尿吸引装置を縦断した正面図である。
【図4】は本発明の実施例1にかかる尿吸引装置を縦断した側面図である。
【図5】は本発明の実施例1にかかる尿吸引装置の使用状態の1例を示す側面図である。
【図6】は本発明の実施例2にかかる尿吸引装置のリザーブタンクの斜視図である。
【図7】は本発明の実施例2にかかる尿吸引装置の収納袋の取り付け部分の縦断面図である。
【図8】は本発明の実施例2にかかる尿吸引装置の収納袋の斜視図である。
【図9】は本発明の実施例2にかかる尿吸引装置の収納袋の変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0038】
1・・・尿吸引装置
2・・・負圧形成部
3・・・負圧供給管
4・・・リザーブタンク
5・・・吸引管
6・・・尿受け具
15・・・尿放出口
18・・・尿検出器
21・・・電動モータ
22・・・電源(乾電池)
35・・・介護用品(車椅子)
45・・・収納袋
47・・・負圧供給口
48・・・吸引路
52・・・オリフィス
60・・・薬剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
負圧形成部と、負圧形成部で発生させた負圧が負圧供給管を介して導入される密閉可能なリザーブタンクと、リザーブタンクに吸引管を介して連結された尿受け具とを備えたことを特徴とする尿吸引装置。
【請求項2】
負圧形成部が電動モータと、これに直結された吸引ポンプとで構成したことを特徴とする請求項1に記載の尿吸引装置。
【請求項3】
負圧形成部を構成する電動モータと、電動モータを駆動する電源と、電動モータで駆動される吸引ポンプとを同一のケースに収納したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の尿吸引装置。
【請求項4】
リザーブタンク内に開口する吸引路の端部に水密性を有する収納袋を着脱可能に設け、収納袋の内部と、ケーシング内の収納袋の外方との間に圧力差を形成して収納袋を広げるためのオリフィスを収納袋に形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の尿吸引装置。
【請求項5】
収納袋内に、ゲル化剤、増粘剤、吸水樹脂剤の少なくとも一剤を入れたこと特徴とする請求項4に記載の尿吸引装置。
【請求項6】
尿受け具が尿放出口に装着可能なカップ状に形成され、当該カップ状の尿受け具の底部に吸引管が連結されていることを特徴とする請求項1に記載の尿吸引装置。
【請求項7】
尿受け具若しくはその近傍に設けられた温度、湿度、水滴の少なくとも1つを検出する検出器を備え、当該検出器の検出信号により、負圧形成部が駆動されるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の尿吸引装置。
【請求項8】
リザーブタンク及び/又は負圧形成部が介護用品に着脱可能に設けたことを特徴とする請求項1に記載の尿吸引装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−259898(P2007−259898A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−85290(P2006−85290)
【出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【出願人】(391017137)
【Fターム(参考)】