屋上緑化用パネル
【課題】屋上面への設置、及びその屋上面からの離脱を容易に行うことができ、建築物の屋上部において修繕工事や防水工事の改修等を行う場合や、植栽されている植物種を代える場合に緑化パネルを一時的に撤去し、或いは再設置する作業を容易に行うことができる屋上緑化用パネルを提供することを課題とする。
【解決手段】植栽基盤材を収納する植栽基盤材収納部が設けられたパネル本体と、該パネル本体の少なくとも水平方向への移動を規制するように該パネル本体を支持する支持用治具とを備え、前記支持用治具は、屋上面に固定できるように構成され、且つ前記パネル本体と支持用治具とは、相互に係合して前記パネル本体の少なくとも水平方向への移動が規制される係合状態と、該係合が外れた解除状態とをとりうるように構成されていることを特徴とする。
【解決手段】植栽基盤材を収納する植栽基盤材収納部が設けられたパネル本体と、該パネル本体の少なくとも水平方向への移動を規制するように該パネル本体を支持する支持用治具とを備え、前記支持用治具は、屋上面に固定できるように構成され、且つ前記パネル本体と支持用治具とは、相互に係合して前記パネル本体の少なくとも水平方向への移動が規制される係合状態と、該係合が外れた解除状態とをとりうるように構成されていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋上部分に設置することで、その屋上部分の緑化を行う屋上緑化用パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、都市緑化等の要請が高まり、それに応じて建築物の屋上に植生パネル等を設置して緑化を行う技術が開発され、普及しつつある。このような屋上緑化は、建築物の屋上で植物を栽培し、植物の蒸散作用により屋上部における熱の放出を緩和することで、いわゆるヒートアイランド現象を抑制するものであり、また建築物の屋上で植物の栽培が行なわれることで、大気汚染等に対する環境改善を図ることも意図するものである。そして、このような屋上緑化の技術として、従来では、たとえば下記特許文献1のような特許出願がなされている。
【0003】
この特許文献1に記載された緑化パネルは、当該特許文献1の請求項4にも記載されているように、「箱状の枠体の底部と一体に複数の支持用の凸部を設け、上記凸部の間に形成された凹部の底部に充填された砂等の下地にスナゴケを活着させた」ものである。
【0004】
そして、このような緑化パネルは、当該特許文献1の段落[0010]や段落[0026]にも記載されているように、建物屋上の面積に応じた必要な枚数を縦横に接着して敷き並べるものである。
【0005】
しかしながら、このような接着によってパネルの底部が屋上面に固定されていると、屋上部のコンクリート面からパネルを取り外すことができず、また取り外せたとしても、パネルの底部を接着テープ等の接着力に抗して取り外さなければならないので、その作業が煩雑となる。
【0006】
このように、緑化パネルを屋上面に接着して設置するのは、単に緑化パネルを屋上面に載置するのみでは、風等によって緑化パネルが不用意に移動するおそれがあるためであり、そのような風等による不用意な移動が阻止できればよいので、強固な接着力で接着することは必ずしも必要とされないが、接着面から容易に剥離できる、いわゆる剥離自在な接着剤では、上記のような不用意な移動を阻止できないおそれがあり、従ってある程度の接着力は必要とされるので、いずれにしても接着力に抗してパネルを屋上面から脱離させる作業は煩雑となる。
【0007】
このため、たとえば建築物の屋上部において修繕工事や防水工事の改修等を行う場合において、緑化パネルを一時的に撤去し、或いは再設置することができず、また一時的な撤去や再設置ができたとしても、上記のように接着剤等の接着力に抗してパネルを取り外さなければならないので、一時的な撤去や再設置の作業が煩雑となっていた。
【0008】
また、緑化パネルに植栽されている植物種を代える場合においても、パネルを屋上面から離脱させることができず、また離脱させたとしても、上記のように離脱の作業が煩雑になることは、植物種を代える作業を行う観点からも不都合となる。
【0009】
この点、上記特許文献1の緑化パネルでは、植物種がスナゴケに限定されているので、もともと植物種を変更することは想定していないものであり、そのためにパネルを屋上面から離脱させることも想定されていなかったものと思われる。
【0010】
しかし、建築物の施主の要望によって植物種の変更の必要が生じる場合があり、また、植物種が限られることは、緑化が本来目的とすべき植物の多様性を実現する観点からは望ましくないので、本来、この種の緑化用パネルには、植物種の変更を容易に行えるような構成とすることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2011−43040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、屋上面への設置、及びその屋上面からの離脱を容易に行うことができ、建築物の屋上部において修繕工事や防水工事の改修等を行う場合や、植栽されている植物種を代える場合に緑化パネルを一時的に撤去し、或いは再設置する作業を容易に行うことができる屋上緑化用パネルを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者等は、このような課題を解決すべく鋭意研究した結果、パネルの設置や離脱のための作業を極力容易にする観点から、植栽基盤材を収納するパネルのいわゆる本体部分は、接着による屋上面への固定作業を不要とする一方で、固定のための部材を、上記パネルの本体部分とは別に設けることに着目して本発明を完成するに至った。
【0014】
すなわち、本発明は、植栽基盤材を収納する植栽基盤材収納部が設けられたパネル本体と、該パネル本体の少なくとも水平方向への移動を規制するように該パネル本体を支持する支持用治具とを備え、前記支持用治具は、屋上面に固定できるように構成され、且つ前記パネル本体と支持用治具とは、相互に係合して前記パネル本体の少なくとも水平方向への移動が規制される係合状態と、該係合が外れた解除状態とをとりうるように構成されていることを特徴とする屋上緑化用パネルを提供するものである。
【0015】
かかる構成からなる屋上緑化用パネルを屋上面に設置する場合には、パネル本体を、屋上面に接着せずに載置するとともに、支持用治具を屋上面に固定する。このとき、パネル本体と支持用治具とが、相互に係合してパネル本体の少なくとも水平方向への移動が規制される係合状態と、該係合が外れた解除状態とをとりうるように、支持用治具でパネル本体を支持する。
【0016】
この場合において、パネル本体は屋上面に固定されているわけではなく、単に屋上面に載置されているだけであるが、屋上面に固定されている支持用治具に、該パネル本体の少なくとも水平方向への移動が規制されるように係合されているので、そのような係合状態によって、屋上面に載置されているだけであっても、風等によってパネル本体が不用意に移動するようなこともない。このようにして、屋上緑化用パネルの全体が屋上面に設置されることになる。
【0017】
一方、屋上面から屋上緑化用パネルを離脱させる場合には、支持用治具とパネル本体との相互間の係合状態を解除させる。この場合において、支持用治具は屋上面に固定されていて、そのままでは屋上面から離脱させることができないが、パネル本体は固定されずに屋上面に載置されているだけであり、且つ支持用治具とパネル本体との相互間の係合状態が解除されているので、パネル本体を屋上面から離脱させることが可能となる。
【0018】
このように、本発明においては、屋上面に固定するための支持用治具を、植栽基盤材収納部を有するパネル本体とは別に設けたので、植栽基盤材収納部を有するパネル本体は、屋上面に固定せず単に載置するだけであっても、支持用治具を屋上面に固定し、パネル本体の少なくとも水平方向への移動が規制されるように支持用治具とパネル本体との相互間が係合状態とされることで、パネル本体が屋上面から不用意に離脱しないように該パネル本体を屋上面に設置することができ、またパネル本体と支持用治具との上記係合状態は解除することができるので、そのような係合が解除された状態で、パネル本体はそのまま屋上面から離脱させることができ、パネル本体の屋上面への設置及び屋上面からの離脱のための作業を容易に行うことができる。
【0019】
また、本発明においては、パネル本体及び支持用治具は、いずれか一方に筒状部が形成され、他方に該筒状部に挿入可能な挿入部が形成されてなり、該筒状部に挿入部を挿入することで、パネル本体の少なくとも水平方向への移動が規制される係合状態とし、筒状部又は挿入部のいずれか一方を他方から脱抜することで、係合が外れた解除状態とすることができる。
【0020】
かかる構成によれば、筒状部に挿入部が包囲されるようにしてパネル本体と支持用治具との相互間が係合状態とされるので、パネル本体と支持用治具との相互間の係合が確実になされることとなる。
【0021】
さらに、本発明においては、パネル本体に筒状部を形成するとともに、支持用治具に挿入部を形成し、前記筒状部の内径よりも大きな外径を有し且つ前記挿入部に対して固定させることができる蓋状治具をさらに具備させ、該蓋状治具を挿入部に対して固定させることで、前記筒状部が挿入部から脱抜されるのが阻止され、前記蓋状治具の挿入部に対する固定状態を解除することで、前記筒状部の挿入部からの脱抜阻止状態が解除されうるように構成することができる。
【0022】
かかる構成によれば、蓋状治具を挿入部に対して固定させた状態で、筒状部を挿入部から脱抜させようとしても、筒状部の内径よりも大きな外径を有する蓋状治具が存在することによって、筒状部が挿入部から脱抜するのが好適に阻止されることとなる。一方、蓋状治具の挿入部に対する固定状態を解除すれば、蓋状治具を挿入部から取り外すことで、筒状部を挿入部から脱抜させることができ、パネル本体を屋上面から離脱させることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明においては、上述のように、緑化用パネルの屋上面への設置、及び屋上面からの離脱を容易に行うことができるので、建築物の屋上部において修繕工事や防水工事の改修等を行う場合においても、緑化パネルを一時的に撤去し、或いは再設置する作業を容易に行うことができる。
【0024】
また緑化パネルに植栽されている植物種を代える場合にも、パネルの屋上面への設置及び屋上面からの離脱が容易であることによって、植物種を代える作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】一実施形態の屋上緑化用パネルの概略平面図。
【図2】A方向矢視側面図。
【図3】B方向矢視側面図。
【図4】図1のC−C線端面図。
【図5】図1のD−D線端面図。
【図6】図1のE−E線端面図。
【図7】図1のF−F線端面図。
【図8】支持用治具の概略側面図。
【図9】支持用治具の概略平面図。
【図10】蓋状治具の概略平面図。
【図11】蓋状治具の概略断面図。
【図12】パネル本体の筒状部に支持用治具を挿入した状態の端面図。
【図13】支持用治具に蓋状治具を係止させるとともに、蓋状治具をパネル本体の筒状部に嵌合させた状態の断面図。
【図14】蓋状治具を支持用治具及びパネル本体の筒状部から取り外した状態の断面図。
【図15】筒状部を支持用治具から抜き取ってパネル本体を屋上面から取り外した状態を示す概略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の屋上緑化用パネルは、上述のように、植栽基盤材を収納する植栽基盤材収納部が設けられたパネル本体と、該パネル本体の少なくとも水平方向への移動を規制するように該パネル本体を支持する支持用治具とを備え、前記支持用治具は、屋上面に固定できるように構成され、且つ前記パネル本体と支持用治具とは、相互に係合してパネル本体の少なくとも水平方向への移動が規制される係合状態と、該係合が外れた解除状態とをとりうるように構成されているものである。
【0027】
パネル本体は、たとえば平面略正方形状の浅い箱状に形成することができる。パネル本体の材質も特に限定されるものではなく、たとえば合成樹脂で構成することができ、合成樹脂以外に金属等で構成することもできる。パネル本体には、上記のように植栽基盤材収納部が設けられている。植栽基盤材としては、たとえば土壌を用いることができ、土壌としては、天然土壌、人口土壌のいずれも用いることができる。パネル本体には、凹状部分及び凸状部分を形成することができ、その凹状部分を植栽基盤材収納部とすることができる。凸状部分は、作業者が歩行して植栽作業を行う部分として形成されることになる。
【0028】
支持用治具は、上記のように、パネル本体の少なくとも水平方向への移動を規制するように、該パネル本体を支持するためのものである。この支持用治具は、屋上面に固定できるように構成されている。固定のための手段として、たとえば支持用治具を屋上面に接着する手段が例示され、その接着の手段として、たとえば両面で接着することのできる両面接着テープを支持用治具の底面部に貼着し、或いは接着剤を支持用治具の底面部に塗着させることで、そのような両面接着テープ又は接着剤を介して支持用治具を屋上面に接着させることが例示される。
【0029】
またパネル本体と支持用治具とは、上述のように相互に係合してパネル本体の少なくとも水平方向への移動が規制される係合状態と、該係合が外れた解除状態とをとりうるように構成されている。ここで、「パネル本体と支持用治具とを相互に係合する」とは、パネル本体の少なくとも水平方向への移動が規制されるように、パネル本体と支持用治具とが係わり合っている状態を広く含むことを意味し、たとえばパネル本体と支持用治具とのいずれか一方に筒状部が形成され、他方に該筒状部に挿入可能な挿入部が形成されてなり、該筒状部に挿入部を挿入して係合状態とするような場合が含まれる。この場合、筒状部又は挿入部のいずれか一方を他方から脱抜することで、前記係合が外れた解除状態となる。
【0030】
上記のような筒状部は、たとえばパネル本体側に形成することができる。筒状部がパネル本体側に形成される場合には、挿入部が支持用治具に形成されることになるが、その場合には、支持用治具のほぼ全体が筒状部に挿入されるように構成することができる。すなわち、この場合には、支持用治具の一部に挿入部が形成されているのではなく、支持用治具のほぼ全体が挿入部として形成されるのである。
【0031】
このような筒状部は、上下方向に延びる筒状に形成され、上下に開口部を有するものであることが望ましい。筒状部が上下方向に延びる筒状に形成されているときは、筒状部に上記支持用治具(挿入部)を挿入するだけで、パネル本体の水平方向への移動が規制されることになる。また筒状部が上下に開口部を有する場合には、先にパネル本体を屋上面に載置し、その後に、支持用治具を前記筒状部に挿入して、支持用治具とパネル本体との相互間を係合状態とすることができるので、そのように相互に係合状態とする作業を容易に行うことができる。筒状部は、たとえば円筒状に形成することができる。また、筒状部は、周面の全周が連続しているような場合の他、周面の一部が切り欠かれているような形状のものであってもよい。
【0032】
上記のような筒状部は、パネル本体の中央に形成されることが望ましい。支持用治具が筒状部に挿入されたときに、パネル本体の水平方向への移動を規制する上で、最もバランスが保たれた状態となるからである。このようにパネル本体の中央に筒状部が形成される場合、上記植栽基盤材収納部、及び凸状部分以外の部分に、筒状部を形成することができる。
【0033】
支持用治具は、たとえば容器状に形成することができる。容器状に形成された支持用治具には、支持用治具の屋上面からの離脱を可能ならしめる離脱剤を収容することができる。この離脱剤としては、たとえば上記のような接着剤を溶解させてその接着力を弱める溶剤のようなものを用いることができる。
【0034】
また、上記のような容器状に形成された支持用治具の底面部に、排出用孔を穿設することができる。このような排出用孔を支持用治具の底面部に穿設することで、上記溶剤のような離脱剤を容器状の支持用治具に収容したときに、離脱剤を支持用治具の排出用孔から排出し、支持用治具の底面部を屋上面に接着させている接着剤に浸透させることができ、それによって、支持用治具を屋上面から離脱させることができる。
【0035】
支持用治具は、たとえば合成樹脂で構成することができ、また金属等で構成することもできる。
【0036】
本発明の屋上緑化用パネルには、上記パネル本体及び支持用治具の他に、蓋状治具を具備させることができる。上記のように、パネル本体に筒状部を形成するとともに支持用治具に挿入部を形成する場合には、蓋状治具は、筒状部の内径よりも大きな外径を有し且つ挿入部に対して固定させることができるように構成される。蓋状治具を挿入部に対して固定させることで、前記筒状部が挿入部から脱抜されるのが阻止され、蓋状治具の挿入部に対する固定状態を解除することで、前記筒状部の挿入部からの脱抜阻止状態が解除される。蓋状治具は、たとえば合成樹脂で構成することができ、また金属等で構成することもできる。
【0037】
以下、本発明のより具体的な実施形態について、図面に従って説明する。本実施形態の屋上緑化用パネルは、パネル本体1と、支持用治具2と、蓋状治具3とで構成されている。
【0038】
パネル本体1は、図1に示すように全体が平面正方形状に形成され、且つ全体が合成樹脂で構成されている。このパネル本体1は、土壌等の植栽基盤材を収納する植栽基盤材収納部4と、該植栽基盤材収納部4に収納される植栽基盤材を所定の厚みにするために前記植栽基盤材収納部4を所定の深さに形成すべく底プレート部6から上向きに突出して形成された突出部5とを具備して構成されている。この突出部5は、植栽等の作業時に作業者の足場とすることができるものである。
【0039】
図1乃至図7に示すように、パネル本体1の周囲には、側壁7が形成されている。前記突出部5は、パネル本体1の4辺に沿って複数個所に形成されている。そして、これらの突出部5は、いずれも側壁7に隣接するように配置されている。
【0040】
パネル本体1の中央には、支持用治具2を挿入するための筒状部8が形成されている。この筒状部8は、上部及び下部にそれぞれ開口部9、10を有するような略円筒状に形成されている。
【0041】
またパネル本体1には、前記筒状部8を中心としてコーナー部に向かって対角線の方向となる4箇所の位置に、リブ11が形成されている。このリブ11は、筒状部8を四方から支持するものであり、図1に示すように、平面略Y字状に形成されている。さらに、パネル本体1の側壁7の4角コーナー部近辺には、図2及び図3に示すように、排水孔12が形成されている。この排水孔12は、同図のように、複数のスリットからなるものである。
【0042】
さらに、側壁7の上端にはフランジ16が外向きに突設されている。このフランジ16の複数個所には、切欠き15が形成されている。この切欠き15は、植栽された植物に灌水するための灌水パイプ等を係入して保持するためのものである。
【0043】
支持用治具2は、図8及び図9に示すように、略有底円筒の容器状に形成されたものである。該支持用治具2の底面部19には、離脱剤を排出するための複数の略円形状の排出用孔20が穿設されており、この排出用孔20とは別に、前記支持用治具2の側面部17から底面部19にかけて、複数のスリットからなる排出用孔18が穿設されている。また、支持用治具2の上端部の4箇所には後述する蓋状治具3に係合可能な係合片21が形成されている。この係合片21の一端21a側にはストッパー22が形成され、前記係合片21のほぼ中央から他端21b側に向かってテーパ状となるテーパ面23が、該係合片21の下面側に形成されている。さらに支持用治具2の底面部19には、中央に穿設された排出用孔20の位置から周辺部に放射状となるような位置に、リブ13が配設されている。支持用治具2は、全体が可撓性の合成樹脂で構成されている。
【0044】
蓋状治具3は、図10及び図11に示すように、平面円形の蓋状のものであり、該蓋状治具3の上面には複数の水抜き孔24が穿設されている。蓋状治具3の外周壁部26は、パネル本体1の筒状部8の上部に外嵌合可能であり、該蓋状治具3の外周壁部26の内側には、前記支持用治具2の係合片21と係合可能な断面略L字状の係合片25が形成されている。この係合片25は、図示しないが、蓋状治具3の全周ではなく複数箇所(たとえば支持用治具2の係合片21の数に合わせて4箇所)に部分的に形成されている。
【0045】
蓋状治具3は、上述のように、パネル本体1の筒状部8の内径よりも大きな外径を有し、且つ挿入部(支持用治具2)に対して固定させることができるように構成されている。上記のように蓋状治具3の外周壁部26が、パネル本体1の筒状部8の上部に外嵌合可能であることは、「蓋状治具3が、パネル本体1の筒状部8の内径よりも大きな外径を有する」ことの一態様である。また、上記のように蓋状治具3の係合片25と支持用治具2の係合片21とを係合させることは、「蓋状治具を挿入部に対して固定させる」ことの一態様である。
そして、蓋状治具3の外周壁部26をパネル本体1の筒状部8に外嵌合して回転することで、当初はテーパ面23が形成された支持用治具2の係合片21の他端21b側が蓋状治具3の係合片25と係合し、徐々に蓋状治具3を回転して締め付けることで、両係合片21、25の相互の係合力が強まり、最終的には、支持用治具2の係合片21のストッパー22に蓋状治具3の係合片25の内向突片25aが係止されて、蓋状治具3の回転が禁止され、蓋状治具3を反対方向に回転させることで、支持用治具2の係合片21と蓋状治具3の係合片25との係合状態が解除されるように構成されている。さらに、蓋状治具3の下面側には突出部27が形成されている。
【0046】
次に、上記のような構成からなる屋上緑化用パネルを使用する場合について説明する。
【0047】
先ず、パネル本体1を屋上面に載置して複数のパネル本体1を屋上面に敷き並べる。次に、図12に示すように、支持用治具2の底面部19の裏面側に、両面で接着可能な接着テープ28を貼着してパネル本体1の筒状部8に挿入し、該接着テープ28を介して支持用治具2を屋上面29に貼着する。これによって、支持用治具2は屋上面29に固定されることとなる。
【0048】
次に、図13に示すように、蓋状治具3をパネル本体1の筒状部8の上部に外嵌する。このとき、蓋状治具3の外周壁部26の内面側は、同図に示すように筒状部8の上端部8aに当接することとなる。また、同図のように蓋状治具3の突出部27が支持用治具2の側面部17の内周面に当接する。このように蓋状治具3が筒状部8の上部に外嵌された状態で、蓋状治具3を回転する。このとき、テーパ面23が形成された支持用治具2の係合片21の他端21b側が蓋状治具3の係合片25と係合し、徐々に蓋状治具3を回転して締め付けることで、両係合片21、25の相互の係合力が強まり、支持用治具2の係合片21のストッパー22に蓋状治具3の係合片25の内向突片25aが係止されたとき、蓋状治具3の回転が禁止され、蓋状治具3によって支持用治具2とパネル本体1の筒状部8との相互間が固定されることとなる。
【0049】
この場合において、支持用治具2の係合片21が蓋状治具3の係合片25と係合し、さらに蓋状治具3の外周壁部26の内面側が筒状部8の上端部8aに当接しているので、筒状部8が支持用治具2から脱抜されるのが防止されることとなり、しかも、支持用治具2の係合片21と蓋状治具3の係合片25とは、該蓋状治具3の回転締め付け力によって相互に強固に係合された状態とされているので、結果として、筒状部8は、支持用治具2から脱抜されないように該支持用治具2に対して固定されたこととなる。これによって、パネル本体1は、屋上面から不用意な離脱するのが防止されることとなるのである。
【0050】
また、蓋状治具3の係合片25を、支持用治具2の係合片21に係合させることで、筒状部8の上面の開口部9及び支持用治具2の上面の開口部が閉鎖されることとなり、植栽基盤材収納部4に収納された植栽基盤材で植栽されている植物が生育してその根が繁殖するときに、その根が容器状の支持用治具2内に侵入するのを防止することができ、その結果、支持用治具2の底面部19の排出用孔20から植物の根がパネル本体1の外部に排出されるのを防止することができる。
【0051】
その後、土壌等の植栽基盤材を植栽基盤材収納部4に収納し、植物を植栽することで、屋上緑化の施工が完了する。
【0052】
次に、植栽された植物種を代える場合、或いは屋上部において修繕工事や防水工事の改修等を行う場合において、緑化用パネルを屋上面25から離脱させるときは、先ず植栽された植物及び植栽基盤材を上記植栽基盤材収納部4から取り除き、蓋状治具3を締め付け時とは逆方向に回転させることにより、蓋状治具3の係合片25と支持用治具2の係合片21との係合状態を解除し、図14に示すように蓋状治具3を筒状部8及び支持用治具2から取り外す。
【0053】
さらに、支持用治具2の底面部19の裏面側に設けられた接着テープ28の接着力を弱めるための離脱剤を、支持用治具2に収容する。この場合、支持用治具2の底面部19には、複数の排出用孔20が穿設されているので、収容された離脱剤は、その排出用孔20から支持用治具2の底面部19の裏面側に排出され、該裏面側に設けられた接着テープ28の接着剤に浸透して該接着テープ28が接着力を弱められることとなる。このように接着テープ28の接着力が弱められることによって、支持用治具2を屋上面29から離脱させることが可能となる。
【0054】
以上のように、本実施形態では、パネル本体1の屋上面29への設置、及び屋上面29からの離脱のいずれもが可能となり、また、そのような取り付け及び取り外しの作業を、上記のような支持用治具2の筒状部8への挿入、及び支持用治具2の屋上面29への接着、並びに蓋状治具3と支持用治具2との係合及び係合解除という簡単な操作で行うことができるので、建築物の屋上部において修繕工事や防水工事の改修等を行う場合において、緑化パネルを一時的に撤去し、或いは再設置する作業を容易に行うことができ、また植栽されている植物種を代える場合にも、その作業を容易に行うことができることとなる。
【0055】
尚、上記実施形態では、パネル本体1を屋上面に固定した際に、支持用治具2から筒状部8が脱抜されるのを防止するために、パネル本体1の筒状部8に蓋状治具3を外嵌合し、その状態で蓋状治具3の係合片25と支持用治具2の係合片21とを係合させることで支持用治具2から筒状部8が脱抜されるのを防止する構成としたが、支持用治具2から筒状部8が脱抜されるのを防止するための構成は該実施形態に限定されるものではない。たとえば、蓋状治具3をパネル本体1の筒状部8或いは支持用治具2に螺合させ、蓋状治具3と支持用治具2とを相互に係合させることで、支持用治具2から筒状部8が脱抜されるのを防止する構成とすることも可能である。
【0056】
また、上記実施形態においては、パネル本体1の筒状部8を、上下に開口部9、10を有するような形状に形成したが、これに限らず、たとえば上面は閉塞されていて下面のみに開口部が形成されたようなものであってもよい.このような形状に形成された筒状部であっても、支持用治具2に嵌合させることができる。ただし、この場合には、先に支持用治具2を屋上面に固定した後に、該支持用治具2にパネル本体1の筒状部8が嵌合されることになる。
【0057】
さらに、上記実施形態では、パネル本体の設置時においては、支持用治具2から筒状部8が脱抜されるのを防止する構成としたため,屋上面にパネル本体をより確実に固定することができるという好ましい効果が得られたが、このように支持用治具2から筒状部8が脱抜されるのを防止する構成とすることは本発明に必須の条件ではなく、支持用治具2が筒状部8に単に挿入されて嵌合されているだけの構成であってもよい.単に挿入、嵌合されているだけの構成であっても、少なくとも水平方向へのパネル本体の移動は阻止されるからである。
【0058】
さらに、上記実施形態では、支持用治具2のほぼ全体が筒状部8に挿入されるように支持用治具2を形成したが、これに限らず、たとえば支持用治具2の一部に、上記筒状部8に挿入可能な挿入部を形成することも可能である。
【0059】
また、上記実施形態では、パネル本体1側に筒状部8を形成し、該筒状部8に挿入可能な挿入部を支持用治具2側に形成したが、これとは逆に、支持用治具2側に筒状部を形成し、パネル本体1側に挿入部を形成することも可能である。
【0060】
さらに、上記実施形態では、パネル本体と支持用治具とのいずれか一方に筒状部を形成するとともに、いずれか他方に該筒状部に挿入可能な挿入部を形成することで、パネル本体と支持用治具とが相互に係合状態となるように構成したが、パネル本体と支持用治具とを相互に係合状態とする手段はこれに限定されるものではない。たとえば相互に係合可能となるような係止片を、パネル本体と支持用治具とにそれぞれ形成し、それらの係止片を係合させる手段を採用することもできる。
【0061】
さらに、上記実施形態では、支持用治具を屋上面に接着することによって支持用治具を屋上面に固定させたが、支持用治具を屋上面に固定させる手段はこれに限定されるものではなく、たとえばアンカーボルトによる固定手段を採用することも可能である。
【符号の説明】
【0062】
1 パネル本体
2 支持用治具
3 蓋状治具
4 植栽基盤材収納部
8 筒状部
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋上部分に設置することで、その屋上部分の緑化を行う屋上緑化用パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、都市緑化等の要請が高まり、それに応じて建築物の屋上に植生パネル等を設置して緑化を行う技術が開発され、普及しつつある。このような屋上緑化は、建築物の屋上で植物を栽培し、植物の蒸散作用により屋上部における熱の放出を緩和することで、いわゆるヒートアイランド現象を抑制するものであり、また建築物の屋上で植物の栽培が行なわれることで、大気汚染等に対する環境改善を図ることも意図するものである。そして、このような屋上緑化の技術として、従来では、たとえば下記特許文献1のような特許出願がなされている。
【0003】
この特許文献1に記載された緑化パネルは、当該特許文献1の請求項4にも記載されているように、「箱状の枠体の底部と一体に複数の支持用の凸部を設け、上記凸部の間に形成された凹部の底部に充填された砂等の下地にスナゴケを活着させた」ものである。
【0004】
そして、このような緑化パネルは、当該特許文献1の段落[0010]や段落[0026]にも記載されているように、建物屋上の面積に応じた必要な枚数を縦横に接着して敷き並べるものである。
【0005】
しかしながら、このような接着によってパネルの底部が屋上面に固定されていると、屋上部のコンクリート面からパネルを取り外すことができず、また取り外せたとしても、パネルの底部を接着テープ等の接着力に抗して取り外さなければならないので、その作業が煩雑となる。
【0006】
このように、緑化パネルを屋上面に接着して設置するのは、単に緑化パネルを屋上面に載置するのみでは、風等によって緑化パネルが不用意に移動するおそれがあるためであり、そのような風等による不用意な移動が阻止できればよいので、強固な接着力で接着することは必ずしも必要とされないが、接着面から容易に剥離できる、いわゆる剥離自在な接着剤では、上記のような不用意な移動を阻止できないおそれがあり、従ってある程度の接着力は必要とされるので、いずれにしても接着力に抗してパネルを屋上面から脱離させる作業は煩雑となる。
【0007】
このため、たとえば建築物の屋上部において修繕工事や防水工事の改修等を行う場合において、緑化パネルを一時的に撤去し、或いは再設置することができず、また一時的な撤去や再設置ができたとしても、上記のように接着剤等の接着力に抗してパネルを取り外さなければならないので、一時的な撤去や再設置の作業が煩雑となっていた。
【0008】
また、緑化パネルに植栽されている植物種を代える場合においても、パネルを屋上面から離脱させることができず、また離脱させたとしても、上記のように離脱の作業が煩雑になることは、植物種を代える作業を行う観点からも不都合となる。
【0009】
この点、上記特許文献1の緑化パネルでは、植物種がスナゴケに限定されているので、もともと植物種を変更することは想定していないものであり、そのためにパネルを屋上面から離脱させることも想定されていなかったものと思われる。
【0010】
しかし、建築物の施主の要望によって植物種の変更の必要が生じる場合があり、また、植物種が限られることは、緑化が本来目的とすべき植物の多様性を実現する観点からは望ましくないので、本来、この種の緑化用パネルには、植物種の変更を容易に行えるような構成とすることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2011−43040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、屋上面への設置、及びその屋上面からの離脱を容易に行うことができ、建築物の屋上部において修繕工事や防水工事の改修等を行う場合や、植栽されている植物種を代える場合に緑化パネルを一時的に撤去し、或いは再設置する作業を容易に行うことができる屋上緑化用パネルを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者等は、このような課題を解決すべく鋭意研究した結果、パネルの設置や離脱のための作業を極力容易にする観点から、植栽基盤材を収納するパネルのいわゆる本体部分は、接着による屋上面への固定作業を不要とする一方で、固定のための部材を、上記パネルの本体部分とは別に設けることに着目して本発明を完成するに至った。
【0014】
すなわち、本発明は、植栽基盤材を収納する植栽基盤材収納部が設けられたパネル本体と、該パネル本体の少なくとも水平方向への移動を規制するように該パネル本体を支持する支持用治具とを備え、前記支持用治具は、屋上面に固定できるように構成され、且つ前記パネル本体と支持用治具とは、相互に係合して前記パネル本体の少なくとも水平方向への移動が規制される係合状態と、該係合が外れた解除状態とをとりうるように構成されていることを特徴とする屋上緑化用パネルを提供するものである。
【0015】
かかる構成からなる屋上緑化用パネルを屋上面に設置する場合には、パネル本体を、屋上面に接着せずに載置するとともに、支持用治具を屋上面に固定する。このとき、パネル本体と支持用治具とが、相互に係合してパネル本体の少なくとも水平方向への移動が規制される係合状態と、該係合が外れた解除状態とをとりうるように、支持用治具でパネル本体を支持する。
【0016】
この場合において、パネル本体は屋上面に固定されているわけではなく、単に屋上面に載置されているだけであるが、屋上面に固定されている支持用治具に、該パネル本体の少なくとも水平方向への移動が規制されるように係合されているので、そのような係合状態によって、屋上面に載置されているだけであっても、風等によってパネル本体が不用意に移動するようなこともない。このようにして、屋上緑化用パネルの全体が屋上面に設置されることになる。
【0017】
一方、屋上面から屋上緑化用パネルを離脱させる場合には、支持用治具とパネル本体との相互間の係合状態を解除させる。この場合において、支持用治具は屋上面に固定されていて、そのままでは屋上面から離脱させることができないが、パネル本体は固定されずに屋上面に載置されているだけであり、且つ支持用治具とパネル本体との相互間の係合状態が解除されているので、パネル本体を屋上面から離脱させることが可能となる。
【0018】
このように、本発明においては、屋上面に固定するための支持用治具を、植栽基盤材収納部を有するパネル本体とは別に設けたので、植栽基盤材収納部を有するパネル本体は、屋上面に固定せず単に載置するだけであっても、支持用治具を屋上面に固定し、パネル本体の少なくとも水平方向への移動が規制されるように支持用治具とパネル本体との相互間が係合状態とされることで、パネル本体が屋上面から不用意に離脱しないように該パネル本体を屋上面に設置することができ、またパネル本体と支持用治具との上記係合状態は解除することができるので、そのような係合が解除された状態で、パネル本体はそのまま屋上面から離脱させることができ、パネル本体の屋上面への設置及び屋上面からの離脱のための作業を容易に行うことができる。
【0019】
また、本発明においては、パネル本体及び支持用治具は、いずれか一方に筒状部が形成され、他方に該筒状部に挿入可能な挿入部が形成されてなり、該筒状部に挿入部を挿入することで、パネル本体の少なくとも水平方向への移動が規制される係合状態とし、筒状部又は挿入部のいずれか一方を他方から脱抜することで、係合が外れた解除状態とすることができる。
【0020】
かかる構成によれば、筒状部に挿入部が包囲されるようにしてパネル本体と支持用治具との相互間が係合状態とされるので、パネル本体と支持用治具との相互間の係合が確実になされることとなる。
【0021】
さらに、本発明においては、パネル本体に筒状部を形成するとともに、支持用治具に挿入部を形成し、前記筒状部の内径よりも大きな外径を有し且つ前記挿入部に対して固定させることができる蓋状治具をさらに具備させ、該蓋状治具を挿入部に対して固定させることで、前記筒状部が挿入部から脱抜されるのが阻止され、前記蓋状治具の挿入部に対する固定状態を解除することで、前記筒状部の挿入部からの脱抜阻止状態が解除されうるように構成することができる。
【0022】
かかる構成によれば、蓋状治具を挿入部に対して固定させた状態で、筒状部を挿入部から脱抜させようとしても、筒状部の内径よりも大きな外径を有する蓋状治具が存在することによって、筒状部が挿入部から脱抜するのが好適に阻止されることとなる。一方、蓋状治具の挿入部に対する固定状態を解除すれば、蓋状治具を挿入部から取り外すことで、筒状部を挿入部から脱抜させることができ、パネル本体を屋上面から離脱させることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明においては、上述のように、緑化用パネルの屋上面への設置、及び屋上面からの離脱を容易に行うことができるので、建築物の屋上部において修繕工事や防水工事の改修等を行う場合においても、緑化パネルを一時的に撤去し、或いは再設置する作業を容易に行うことができる。
【0024】
また緑化パネルに植栽されている植物種を代える場合にも、パネルの屋上面への設置及び屋上面からの離脱が容易であることによって、植物種を代える作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】一実施形態の屋上緑化用パネルの概略平面図。
【図2】A方向矢視側面図。
【図3】B方向矢視側面図。
【図4】図1のC−C線端面図。
【図5】図1のD−D線端面図。
【図6】図1のE−E線端面図。
【図7】図1のF−F線端面図。
【図8】支持用治具の概略側面図。
【図9】支持用治具の概略平面図。
【図10】蓋状治具の概略平面図。
【図11】蓋状治具の概略断面図。
【図12】パネル本体の筒状部に支持用治具を挿入した状態の端面図。
【図13】支持用治具に蓋状治具を係止させるとともに、蓋状治具をパネル本体の筒状部に嵌合させた状態の断面図。
【図14】蓋状治具を支持用治具及びパネル本体の筒状部から取り外した状態の断面図。
【図15】筒状部を支持用治具から抜き取ってパネル本体を屋上面から取り外した状態を示す概略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の屋上緑化用パネルは、上述のように、植栽基盤材を収納する植栽基盤材収納部が設けられたパネル本体と、該パネル本体の少なくとも水平方向への移動を規制するように該パネル本体を支持する支持用治具とを備え、前記支持用治具は、屋上面に固定できるように構成され、且つ前記パネル本体と支持用治具とは、相互に係合してパネル本体の少なくとも水平方向への移動が規制される係合状態と、該係合が外れた解除状態とをとりうるように構成されているものである。
【0027】
パネル本体は、たとえば平面略正方形状の浅い箱状に形成することができる。パネル本体の材質も特に限定されるものではなく、たとえば合成樹脂で構成することができ、合成樹脂以外に金属等で構成することもできる。パネル本体には、上記のように植栽基盤材収納部が設けられている。植栽基盤材としては、たとえば土壌を用いることができ、土壌としては、天然土壌、人口土壌のいずれも用いることができる。パネル本体には、凹状部分及び凸状部分を形成することができ、その凹状部分を植栽基盤材収納部とすることができる。凸状部分は、作業者が歩行して植栽作業を行う部分として形成されることになる。
【0028】
支持用治具は、上記のように、パネル本体の少なくとも水平方向への移動を規制するように、該パネル本体を支持するためのものである。この支持用治具は、屋上面に固定できるように構成されている。固定のための手段として、たとえば支持用治具を屋上面に接着する手段が例示され、その接着の手段として、たとえば両面で接着することのできる両面接着テープを支持用治具の底面部に貼着し、或いは接着剤を支持用治具の底面部に塗着させることで、そのような両面接着テープ又は接着剤を介して支持用治具を屋上面に接着させることが例示される。
【0029】
またパネル本体と支持用治具とは、上述のように相互に係合してパネル本体の少なくとも水平方向への移動が規制される係合状態と、該係合が外れた解除状態とをとりうるように構成されている。ここで、「パネル本体と支持用治具とを相互に係合する」とは、パネル本体の少なくとも水平方向への移動が規制されるように、パネル本体と支持用治具とが係わり合っている状態を広く含むことを意味し、たとえばパネル本体と支持用治具とのいずれか一方に筒状部が形成され、他方に該筒状部に挿入可能な挿入部が形成されてなり、該筒状部に挿入部を挿入して係合状態とするような場合が含まれる。この場合、筒状部又は挿入部のいずれか一方を他方から脱抜することで、前記係合が外れた解除状態となる。
【0030】
上記のような筒状部は、たとえばパネル本体側に形成することができる。筒状部がパネル本体側に形成される場合には、挿入部が支持用治具に形成されることになるが、その場合には、支持用治具のほぼ全体が筒状部に挿入されるように構成することができる。すなわち、この場合には、支持用治具の一部に挿入部が形成されているのではなく、支持用治具のほぼ全体が挿入部として形成されるのである。
【0031】
このような筒状部は、上下方向に延びる筒状に形成され、上下に開口部を有するものであることが望ましい。筒状部が上下方向に延びる筒状に形成されているときは、筒状部に上記支持用治具(挿入部)を挿入するだけで、パネル本体の水平方向への移動が規制されることになる。また筒状部が上下に開口部を有する場合には、先にパネル本体を屋上面に載置し、その後に、支持用治具を前記筒状部に挿入して、支持用治具とパネル本体との相互間を係合状態とすることができるので、そのように相互に係合状態とする作業を容易に行うことができる。筒状部は、たとえば円筒状に形成することができる。また、筒状部は、周面の全周が連続しているような場合の他、周面の一部が切り欠かれているような形状のものであってもよい。
【0032】
上記のような筒状部は、パネル本体の中央に形成されることが望ましい。支持用治具が筒状部に挿入されたときに、パネル本体の水平方向への移動を規制する上で、最もバランスが保たれた状態となるからである。このようにパネル本体の中央に筒状部が形成される場合、上記植栽基盤材収納部、及び凸状部分以外の部分に、筒状部を形成することができる。
【0033】
支持用治具は、たとえば容器状に形成することができる。容器状に形成された支持用治具には、支持用治具の屋上面からの離脱を可能ならしめる離脱剤を収容することができる。この離脱剤としては、たとえば上記のような接着剤を溶解させてその接着力を弱める溶剤のようなものを用いることができる。
【0034】
また、上記のような容器状に形成された支持用治具の底面部に、排出用孔を穿設することができる。このような排出用孔を支持用治具の底面部に穿設することで、上記溶剤のような離脱剤を容器状の支持用治具に収容したときに、離脱剤を支持用治具の排出用孔から排出し、支持用治具の底面部を屋上面に接着させている接着剤に浸透させることができ、それによって、支持用治具を屋上面から離脱させることができる。
【0035】
支持用治具は、たとえば合成樹脂で構成することができ、また金属等で構成することもできる。
【0036】
本発明の屋上緑化用パネルには、上記パネル本体及び支持用治具の他に、蓋状治具を具備させることができる。上記のように、パネル本体に筒状部を形成するとともに支持用治具に挿入部を形成する場合には、蓋状治具は、筒状部の内径よりも大きな外径を有し且つ挿入部に対して固定させることができるように構成される。蓋状治具を挿入部に対して固定させることで、前記筒状部が挿入部から脱抜されるのが阻止され、蓋状治具の挿入部に対する固定状態を解除することで、前記筒状部の挿入部からの脱抜阻止状態が解除される。蓋状治具は、たとえば合成樹脂で構成することができ、また金属等で構成することもできる。
【0037】
以下、本発明のより具体的な実施形態について、図面に従って説明する。本実施形態の屋上緑化用パネルは、パネル本体1と、支持用治具2と、蓋状治具3とで構成されている。
【0038】
パネル本体1は、図1に示すように全体が平面正方形状に形成され、且つ全体が合成樹脂で構成されている。このパネル本体1は、土壌等の植栽基盤材を収納する植栽基盤材収納部4と、該植栽基盤材収納部4に収納される植栽基盤材を所定の厚みにするために前記植栽基盤材収納部4を所定の深さに形成すべく底プレート部6から上向きに突出して形成された突出部5とを具備して構成されている。この突出部5は、植栽等の作業時に作業者の足場とすることができるものである。
【0039】
図1乃至図7に示すように、パネル本体1の周囲には、側壁7が形成されている。前記突出部5は、パネル本体1の4辺に沿って複数個所に形成されている。そして、これらの突出部5は、いずれも側壁7に隣接するように配置されている。
【0040】
パネル本体1の中央には、支持用治具2を挿入するための筒状部8が形成されている。この筒状部8は、上部及び下部にそれぞれ開口部9、10を有するような略円筒状に形成されている。
【0041】
またパネル本体1には、前記筒状部8を中心としてコーナー部に向かって対角線の方向となる4箇所の位置に、リブ11が形成されている。このリブ11は、筒状部8を四方から支持するものであり、図1に示すように、平面略Y字状に形成されている。さらに、パネル本体1の側壁7の4角コーナー部近辺には、図2及び図3に示すように、排水孔12が形成されている。この排水孔12は、同図のように、複数のスリットからなるものである。
【0042】
さらに、側壁7の上端にはフランジ16が外向きに突設されている。このフランジ16の複数個所には、切欠き15が形成されている。この切欠き15は、植栽された植物に灌水するための灌水パイプ等を係入して保持するためのものである。
【0043】
支持用治具2は、図8及び図9に示すように、略有底円筒の容器状に形成されたものである。該支持用治具2の底面部19には、離脱剤を排出するための複数の略円形状の排出用孔20が穿設されており、この排出用孔20とは別に、前記支持用治具2の側面部17から底面部19にかけて、複数のスリットからなる排出用孔18が穿設されている。また、支持用治具2の上端部の4箇所には後述する蓋状治具3に係合可能な係合片21が形成されている。この係合片21の一端21a側にはストッパー22が形成され、前記係合片21のほぼ中央から他端21b側に向かってテーパ状となるテーパ面23が、該係合片21の下面側に形成されている。さらに支持用治具2の底面部19には、中央に穿設された排出用孔20の位置から周辺部に放射状となるような位置に、リブ13が配設されている。支持用治具2は、全体が可撓性の合成樹脂で構成されている。
【0044】
蓋状治具3は、図10及び図11に示すように、平面円形の蓋状のものであり、該蓋状治具3の上面には複数の水抜き孔24が穿設されている。蓋状治具3の外周壁部26は、パネル本体1の筒状部8の上部に外嵌合可能であり、該蓋状治具3の外周壁部26の内側には、前記支持用治具2の係合片21と係合可能な断面略L字状の係合片25が形成されている。この係合片25は、図示しないが、蓋状治具3の全周ではなく複数箇所(たとえば支持用治具2の係合片21の数に合わせて4箇所)に部分的に形成されている。
【0045】
蓋状治具3は、上述のように、パネル本体1の筒状部8の内径よりも大きな外径を有し、且つ挿入部(支持用治具2)に対して固定させることができるように構成されている。上記のように蓋状治具3の外周壁部26が、パネル本体1の筒状部8の上部に外嵌合可能であることは、「蓋状治具3が、パネル本体1の筒状部8の内径よりも大きな外径を有する」ことの一態様である。また、上記のように蓋状治具3の係合片25と支持用治具2の係合片21とを係合させることは、「蓋状治具を挿入部に対して固定させる」ことの一態様である。
そして、蓋状治具3の外周壁部26をパネル本体1の筒状部8に外嵌合して回転することで、当初はテーパ面23が形成された支持用治具2の係合片21の他端21b側が蓋状治具3の係合片25と係合し、徐々に蓋状治具3を回転して締め付けることで、両係合片21、25の相互の係合力が強まり、最終的には、支持用治具2の係合片21のストッパー22に蓋状治具3の係合片25の内向突片25aが係止されて、蓋状治具3の回転が禁止され、蓋状治具3を反対方向に回転させることで、支持用治具2の係合片21と蓋状治具3の係合片25との係合状態が解除されるように構成されている。さらに、蓋状治具3の下面側には突出部27が形成されている。
【0046】
次に、上記のような構成からなる屋上緑化用パネルを使用する場合について説明する。
【0047】
先ず、パネル本体1を屋上面に載置して複数のパネル本体1を屋上面に敷き並べる。次に、図12に示すように、支持用治具2の底面部19の裏面側に、両面で接着可能な接着テープ28を貼着してパネル本体1の筒状部8に挿入し、該接着テープ28を介して支持用治具2を屋上面29に貼着する。これによって、支持用治具2は屋上面29に固定されることとなる。
【0048】
次に、図13に示すように、蓋状治具3をパネル本体1の筒状部8の上部に外嵌する。このとき、蓋状治具3の外周壁部26の内面側は、同図に示すように筒状部8の上端部8aに当接することとなる。また、同図のように蓋状治具3の突出部27が支持用治具2の側面部17の内周面に当接する。このように蓋状治具3が筒状部8の上部に外嵌された状態で、蓋状治具3を回転する。このとき、テーパ面23が形成された支持用治具2の係合片21の他端21b側が蓋状治具3の係合片25と係合し、徐々に蓋状治具3を回転して締め付けることで、両係合片21、25の相互の係合力が強まり、支持用治具2の係合片21のストッパー22に蓋状治具3の係合片25の内向突片25aが係止されたとき、蓋状治具3の回転が禁止され、蓋状治具3によって支持用治具2とパネル本体1の筒状部8との相互間が固定されることとなる。
【0049】
この場合において、支持用治具2の係合片21が蓋状治具3の係合片25と係合し、さらに蓋状治具3の外周壁部26の内面側が筒状部8の上端部8aに当接しているので、筒状部8が支持用治具2から脱抜されるのが防止されることとなり、しかも、支持用治具2の係合片21と蓋状治具3の係合片25とは、該蓋状治具3の回転締め付け力によって相互に強固に係合された状態とされているので、結果として、筒状部8は、支持用治具2から脱抜されないように該支持用治具2に対して固定されたこととなる。これによって、パネル本体1は、屋上面から不用意な離脱するのが防止されることとなるのである。
【0050】
また、蓋状治具3の係合片25を、支持用治具2の係合片21に係合させることで、筒状部8の上面の開口部9及び支持用治具2の上面の開口部が閉鎖されることとなり、植栽基盤材収納部4に収納された植栽基盤材で植栽されている植物が生育してその根が繁殖するときに、その根が容器状の支持用治具2内に侵入するのを防止することができ、その結果、支持用治具2の底面部19の排出用孔20から植物の根がパネル本体1の外部に排出されるのを防止することができる。
【0051】
その後、土壌等の植栽基盤材を植栽基盤材収納部4に収納し、植物を植栽することで、屋上緑化の施工が完了する。
【0052】
次に、植栽された植物種を代える場合、或いは屋上部において修繕工事や防水工事の改修等を行う場合において、緑化用パネルを屋上面25から離脱させるときは、先ず植栽された植物及び植栽基盤材を上記植栽基盤材収納部4から取り除き、蓋状治具3を締め付け時とは逆方向に回転させることにより、蓋状治具3の係合片25と支持用治具2の係合片21との係合状態を解除し、図14に示すように蓋状治具3を筒状部8及び支持用治具2から取り外す。
【0053】
さらに、支持用治具2の底面部19の裏面側に設けられた接着テープ28の接着力を弱めるための離脱剤を、支持用治具2に収容する。この場合、支持用治具2の底面部19には、複数の排出用孔20が穿設されているので、収容された離脱剤は、その排出用孔20から支持用治具2の底面部19の裏面側に排出され、該裏面側に設けられた接着テープ28の接着剤に浸透して該接着テープ28が接着力を弱められることとなる。このように接着テープ28の接着力が弱められることによって、支持用治具2を屋上面29から離脱させることが可能となる。
【0054】
以上のように、本実施形態では、パネル本体1の屋上面29への設置、及び屋上面29からの離脱のいずれもが可能となり、また、そのような取り付け及び取り外しの作業を、上記のような支持用治具2の筒状部8への挿入、及び支持用治具2の屋上面29への接着、並びに蓋状治具3と支持用治具2との係合及び係合解除という簡単な操作で行うことができるので、建築物の屋上部において修繕工事や防水工事の改修等を行う場合において、緑化パネルを一時的に撤去し、或いは再設置する作業を容易に行うことができ、また植栽されている植物種を代える場合にも、その作業を容易に行うことができることとなる。
【0055】
尚、上記実施形態では、パネル本体1を屋上面に固定した際に、支持用治具2から筒状部8が脱抜されるのを防止するために、パネル本体1の筒状部8に蓋状治具3を外嵌合し、その状態で蓋状治具3の係合片25と支持用治具2の係合片21とを係合させることで支持用治具2から筒状部8が脱抜されるのを防止する構成としたが、支持用治具2から筒状部8が脱抜されるのを防止するための構成は該実施形態に限定されるものではない。たとえば、蓋状治具3をパネル本体1の筒状部8或いは支持用治具2に螺合させ、蓋状治具3と支持用治具2とを相互に係合させることで、支持用治具2から筒状部8が脱抜されるのを防止する構成とすることも可能である。
【0056】
また、上記実施形態においては、パネル本体1の筒状部8を、上下に開口部9、10を有するような形状に形成したが、これに限らず、たとえば上面は閉塞されていて下面のみに開口部が形成されたようなものであってもよい.このような形状に形成された筒状部であっても、支持用治具2に嵌合させることができる。ただし、この場合には、先に支持用治具2を屋上面に固定した後に、該支持用治具2にパネル本体1の筒状部8が嵌合されることになる。
【0057】
さらに、上記実施形態では、パネル本体の設置時においては、支持用治具2から筒状部8が脱抜されるのを防止する構成としたため,屋上面にパネル本体をより確実に固定することができるという好ましい効果が得られたが、このように支持用治具2から筒状部8が脱抜されるのを防止する構成とすることは本発明に必須の条件ではなく、支持用治具2が筒状部8に単に挿入されて嵌合されているだけの構成であってもよい.単に挿入、嵌合されているだけの構成であっても、少なくとも水平方向へのパネル本体の移動は阻止されるからである。
【0058】
さらに、上記実施形態では、支持用治具2のほぼ全体が筒状部8に挿入されるように支持用治具2を形成したが、これに限らず、たとえば支持用治具2の一部に、上記筒状部8に挿入可能な挿入部を形成することも可能である。
【0059】
また、上記実施形態では、パネル本体1側に筒状部8を形成し、該筒状部8に挿入可能な挿入部を支持用治具2側に形成したが、これとは逆に、支持用治具2側に筒状部を形成し、パネル本体1側に挿入部を形成することも可能である。
【0060】
さらに、上記実施形態では、パネル本体と支持用治具とのいずれか一方に筒状部を形成するとともに、いずれか他方に該筒状部に挿入可能な挿入部を形成することで、パネル本体と支持用治具とが相互に係合状態となるように構成したが、パネル本体と支持用治具とを相互に係合状態とする手段はこれに限定されるものではない。たとえば相互に係合可能となるような係止片を、パネル本体と支持用治具とにそれぞれ形成し、それらの係止片を係合させる手段を採用することもできる。
【0061】
さらに、上記実施形態では、支持用治具を屋上面に接着することによって支持用治具を屋上面に固定させたが、支持用治具を屋上面に固定させる手段はこれに限定されるものではなく、たとえばアンカーボルトによる固定手段を採用することも可能である。
【符号の説明】
【0062】
1 パネル本体
2 支持用治具
3 蓋状治具
4 植栽基盤材収納部
8 筒状部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植栽基盤材を収納する植栽基盤材収納部(4)が設けられたパネル本体(1)と、該パネル本体(1)の少なくとも水平方向への移動を規制するように該パネル本体(1)を支持する支持用治具(2)とを備え、前記支持用治具(2)は、屋上面に固定できるように構成され、且つ前記パネル本体(1)と支持用治具(2)とは、相互に係合して前記パネル本体(1)の少なくとも水平方向への移動が規制される係合状態と、該係合が外れた解除状態とをとりうるように構成されていることを特徴とする屋上緑化用パネル。
【請求項2】
パネル本体(1)及び支持用治具(2)は、いずれか一方に筒状部(8)が形成され、他方に該筒状部(8)に挿入可能な挿入部が形成されてなり、該筒状部(8)に挿入部を挿入することで、前記パネル本体(1)の少なくとも水平方向への移動が規制される係合状態とされ、前記筒状部(8)又は挿入部のいずれか一方が他方から脱抜されることで、前記係合が外れた解除状態とされる請求項1記載の屋上緑化用パネル。
【請求項3】
パネル本体(1)に筒状部(8)が形成されているとともに、支持用治具(2)に挿入部が形成され、前記筒状部(8)の内径よりも大きな外径を有し且つ前記挿入部に対して固定させることができる蓋状治具(3)がさらに具備され、該蓋状治具(3)を挿入部に対して固定させることで、前記筒状部(8)が挿入部から脱抜されるのが阻止され、前記蓋状治具(3)の挿入部に対する固定状態を解除することで、前記筒状部(8)の挿入部からの脱抜阻止状態が解除されうるように構成されている請求項2記載の屋上緑化用パネル。
【請求項1】
植栽基盤材を収納する植栽基盤材収納部(4)が設けられたパネル本体(1)と、該パネル本体(1)の少なくとも水平方向への移動を規制するように該パネル本体(1)を支持する支持用治具(2)とを備え、前記支持用治具(2)は、屋上面に固定できるように構成され、且つ前記パネル本体(1)と支持用治具(2)とは、相互に係合して前記パネル本体(1)の少なくとも水平方向への移動が規制される係合状態と、該係合が外れた解除状態とをとりうるように構成されていることを特徴とする屋上緑化用パネル。
【請求項2】
パネル本体(1)及び支持用治具(2)は、いずれか一方に筒状部(8)が形成され、他方に該筒状部(8)に挿入可能な挿入部が形成されてなり、該筒状部(8)に挿入部を挿入することで、前記パネル本体(1)の少なくとも水平方向への移動が規制される係合状態とされ、前記筒状部(8)又は挿入部のいずれか一方が他方から脱抜されることで、前記係合が外れた解除状態とされる請求項1記載の屋上緑化用パネル。
【請求項3】
パネル本体(1)に筒状部(8)が形成されているとともに、支持用治具(2)に挿入部が形成され、前記筒状部(8)の内径よりも大きな外径を有し且つ前記挿入部に対して固定させることができる蓋状治具(3)がさらに具備され、該蓋状治具(3)を挿入部に対して固定させることで、前記筒状部(8)が挿入部から脱抜されるのが阻止され、前記蓋状治具(3)の挿入部に対する固定状態を解除することで、前記筒状部(8)の挿入部からの脱抜阻止状態が解除されうるように構成されている請求項2記載の屋上緑化用パネル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図7】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−94137(P2013−94137A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241470(P2011−241470)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000221775)東邦レオ株式会社 (35)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000221775)東邦レオ株式会社 (35)
【Fターム(参考)】
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