説明

屋外用LED照明パネル

【課題】 誘導灯、屋外灯、非常灯、標識、広告など屋外に設置するのに最適なLED照明パネルを提供する。
【解決手段】 電柱(20)の外周面に嵌め合わせ可能な曲率の半円筒状をなす導光板(11)と、導光板の光伝搬方向の端面に設けられ、導光板内部に光を入射するLEDユニット(14)と、導光板の背面側に設けられ、電柱の外面に嵌め合わせ可能な曲率の半円筒状をなし、伝搬する光を前方に反射する反射板(12)と、導光板及び反射板を電柱に取付けるための取付け金具(15)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は屋外用LED照明パネルに関し、特に誘導灯、屋外灯、非常灯、標識、広告など屋外に設置するのに最適なLED照明パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、誘導灯や標識は地震等の災害発生時や夜間の屋外通行時などにおいて住民の避難や通行を誘導するという重要な機能を発揮する。従来の誘導灯や標識は金属製プレートやプラスチック製プレートに文字や図柄を描き、路肩に立てた支柱にプレートを固定し、あるいは高い支柱や電柱からプレートを吊り下げていたが、路肩の支柱が交通の邪魔になるおそれがあるばかりでなく、夜間には見え難かった。
【0003】
これに対し、複数のLEDの光を導光板に入射して伝搬させ、導光板のドットパターンで反射させ、前方の表示板を発光させるようにしたLED照明パネルが実用化されている(特許文献1、特許文献2)。
【0004】
【特許文献1】特開2004−265813号公報
【特許文献2】特開2008−130336号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の屋外用LED照明パネルでは高い支柱から吊り下げるようにしていたので、依然として路肩などに支柱を立てる必要があって交通の邪魔になるおそれがあった。
【0006】
本発明はかかる問題点に鑑み、路肩などに支柱を立てることなく簡単に設置できるようにした屋外用LED照明パネルを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明に係る屋外用LED照明パネルは、電柱の外周面に嵌め合わせ可能な曲率の半円筒状をなす導光板と、該導光板の光伝搬方向の端面に設けられ、上記導光板内部に光を入射するLEDユニットと、上導光板の背面側に設けられ、電柱の外面に嵌め合わせ可能な曲率の半円筒状をなし、伝搬する光を前方に反射する反射板と、上記導光板及び反射板を電柱に取付けるための取付け金具と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明の特徴の1つは導光板を半円筒状に形成し、電柱の外周面に嵌め合わせて取付けるようにした点にある。これにより、支柱を立てることなくLED照明パネルを設置できるので、交通に邪魔になることはなく、又設置作業も簡単に済む。
【0009】
また、高い支柱から吊り下げるのではなく、電柱の外周面に取付けるようにしているので、ほぼ人の目の高さにLED照明パネルを設置することができ、昼夜を問わず視認しやすい。その結果、災害発生時や夜間通行時の誘導灯や標識に有用であるばかりでなく、屋外照明灯、非常灯、宣伝広告用パネルなどにも適用でき、その有用性は大である。
【0010】
導光板を円筒状に湾曲させた場合、曲率が大きいと、導光板に入射した光が伝搬できないおそれがある。そこで、導光板及び反射板は、導光板が2mm〜8mmの厚みを有するとき反射板の曲率半径Rが150mm以上となるような半円筒状に形成することが必要である。
【0011】
LEDユニットの電源は商用電源やバッテリでもよいが、メンテナンス性を考慮すると、ソーラパネルを設けてLEDユニットを駆動するのがよい。
【0012】
導光板は十分な透光性を有する材料であれば特に限定されず、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を採用できるが、屋外に装備される点を考慮すると、例えばポリカーボネート樹脂が好ましい。
【0013】
また、LED(Light Emitting Diode; 発光ダイオード)は赤色LED、青色LED、緑色LEDを単色で用いてもよく、組合せて用いることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。図1ないし図4は本発明に係る屋外用LED照明パネルの好ましい実施形態を示す。本例のLED照明パネル10は電柱20の大きさ(半径172mm、外周1080mm)に対応して高さが500mm、横方向長さLが540mm、曲率半径Rが174mmの半円筒状に製作され、取付け金具15と締結バンド(図示せず)とによって電柱20の外周面に取付けられるようになっている。
【0015】
このLED照明パネル10は導光板11、反射板12及び表面パネル13を積層して構成され、導光板11、反射板12及び表面パネル13はポリカーボネート樹脂を用いて製作され、LED照明パネル10の両端には商用電源を電源とするLEDユニット14が取付けられ、導光板11内に光を入射するようになっている。
【0016】
また、導光板11の背面には光反射ドット部が例えばレーザー加工などによって形成され、光反射ドット部は導光板11の中央に向かうにつれて密度又は面積が大きくなるように形成されている。
【0017】
表面パネル13には用途に応じた文字や図柄、例えば避難誘導用、宣伝広告用の文字や図柄が刻設されあるいはスクリーン印刷などによって描かれている。夜間照明の場合には表面パネル13は無地のままとしてもよく、宣伝広告の印刷を行ってもよい。
【0018】
本例のLED照明ユニット10は電柱20の1500mm〜2000mmの高さにて電柱20の外周に被せ、取付け金具15に締結バンド(図示せず)を引っ掛け、締結バンドを締め付けて取付ける。
【0019】
LEDユニット14内の駆動回路によってLEDを駆動すると、導光板11内には側方から光が入射され、導光板11内を光が伝搬されるが、そのとき光は光反射ドット部と反射板12によって前方に反射され、表面パネル13を照明する。
【0020】
LED照明ユニット10は電柱20の目の高さに取付けているので、視認識しやすく、避難の誘導、交通の案内、夜間照明を効率よく行うことできるとともに、宣伝広告にも有用である。
【0021】
また、電柱20からほとんど突き出ていないので、通行の邪魔にならず、町並みや景観を損なうこともない。
【0022】
LEDユニット14は商用電源を電源としたが、ソーラパネルを電源として用いることもできる。この場合、ソーラパネルはLED照明パネル10と別体に設けるようにしてもよく、反射板12の位置に設けることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る屋外用LED照明パネルの好ましい実施形態を電柱に取付けた状態を示す概略図である。
【図2】上記実施形態を示す斜視図である。
【図3】上記実施形態を示す平面図である。
【図4】上記実施形態における要部を示す構成図である。
【符号の説明】
【0024】
10 屋外用LED照明パネル
11 導光板
12 反射板
13 表面パネル
14 LEDユニット
20 電柱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電柱の外周面に嵌め合わせ可能な曲率の半円筒状をなす導光板と、
該導光板の光伝搬方向の端面に設けられ、上記導光板内部に光を入射するLEDユニットと、
上記導光板の背面側に設けられ、電柱の外面に嵌め合わせ可能な曲率の半円筒状をなし、伝搬する光を前方に反射する反射板と、
上記導光板及び反射板を電柱に取付けるための取付け金具と、
を備えたことを特徴とする屋外用LED照明パネル。
【請求項2】
上記導光板及び反射板は、上記導光板が2mm〜8mmの厚みを有し、上記反射板の曲率半径Rが150mm以上となるような半円筒状に形成されている請求項1記載の屋外用LED照明パネル。
【請求項3】
上記LEDユニット駆動用のソーラパネルを更に備えるようにした請求項1記載の屋外用LED照明パネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−33862(P2010−33862A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−194348(P2008−194348)
【出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【出願人】(000180313)四国計測工業株式会社 (13)
【出願人】(591051162)新光電装株式会社 (10)
【Fターム(参考)】