説明

展開方法

【課題】二次元画像の特徴的部分の歪みを抑制し、美観を維持して三次元形状に展開する。
【解決手段】二次元画像データ50に基準始点60a及びベクトルV1を設定する。対応始点80aを基準とした展開基準線80をポリゴン体72に設定する。ポリゴン体72上で、対応始点80aを含むポリゴンP11を処理対象ポリゴンとして選択する。基準始点60aと対応始点80aが一致するように二次元画像データ50から、処理対象ポリゴンと同形状の部分を抽出し、該処理対象ポリゴンに貼り付ける。展開基準線80の延在方向に隣接したポリゴンP12、P13、P14…を処理対象ポリゴンとして選択し直す。二次元画像データ50上で、直前に抽出された部分に対して境界を一致させて、選択された処理対象ポリゴンと同形状の部分をさらに抽出し、該処理対象ポリゴンに順次貼り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次元画像データを、複数のポリゴンからなるポリゴン体で示される三次元形状表面に展開する展開方法に関し、特に、二次元画像として創作された模様をインクジェットプリンタ等を用いて三次元形状表面に印刷するのに好適な展開方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動二輪車の燃料タンクにはエンブレムや、デザイン化された車種名等の模様が設けられることがある。従来、これらの模様はシールを貼り付けることによって行われていたが、シールの貼り付けを規定通りに歪みやばらつきなく行うことには十分な熟練を要する。また、シールは僅かながら厚さを有するため、シールが貼り付けられていることは外観上で認識可能であり、一部の看者からは評価が必ずしも高くない。
【0003】
このような背景から、燃料タンク等に対してインクジェットプリンタ等を用いて模様を印刷する方法が開発されている(例えば、特許文献1参照)。また、本出願人はシール貼付と同等の画を曲面に描くことができる印刷方法を提案している(特願2005−300787号)。
【0004】
ところで、エンブレムや、デザイン化された車種名等の模様は、デザイナによって当初は二次元画像として創作されることが多いが、貼り付ける対象の燃料タンクは三次元形状である。シールの場合には二次元画像をそのまま伸縮可能なシールにすることで、熟練工により所定箇所を適度に伸ばしながら貼り付けることができるが、インクジェットプリンタ等を用いて印刷する場合には二次元画像を三次元形状に展開する必要が生じる。
【0005】
元の画像を他の対象に貼り付けるための方法としては、例えば特許文献2が提案されている。また、特許文献3には、三次元形状をポリゴンで表し、ポリゴンの境界部のテクスチャを補正することについて提案されている。
【0006】
【特許文献1】特開平7−52525号公報
【特許文献2】特開2006−53647号公報
【特許文献3】特開2003−44871号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
二次元画像を三次元形状に展開するためにはある程度の歪みは避けられないのであるが、模様の特徴的部分はできるだけ歪みをなくし美観が維持されることが望ましい。特に、二次元画像における図形のうち長い輪郭部分は目立つので、途切れたり不自然に屈曲することのないように三次元形状に反映されることが望ましい。一方、単一色の領域は大きな歪みが発生してもそれが歪みとして認識されることはないので、このような領域に歪みを集約させることが望ましい。
【0008】
ところが、従来は二次元画像の模様の特徴的部分について特に考慮することなく、画一的な手順によって展開を行っているため美観が損なわれてしまい、十分な美観が得られるまで試行錯誤を繰り返すことがある。
【0009】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、二次元画像の模様の特徴的部分の歪みを抑制し、美観を維持して三次元形状に展開することのできる展開方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る展開方法は、二次元画像データを、複数のポリゴンからなるポリゴン体で示される三次元形状表面に展開する展開方法であって、対象の二次元画像に基準始点を設定する第1工程と、対応始点及び該対応始点を基準として延在方向が付けられた展開基準線を前記ポリゴン体に設定する第2工程と、前記ポリゴン体上で、前記対応始点を含むポリゴンを処理対象ポリゴンとして選択する第3工程と、基準始点と対応始点が一致するように前記二次元画像から、選択された処理対象ポリゴンと同形状の部分を抽出し、該処理対象ポリゴンに貼り付ける第4工程と、その時点で選択されていた処理対象ポリゴンに対して、前記展開基準線の延在方向に隣接したポリゴンを処理対象ポリゴンとして選択し直す第5工程と、前記二次元画像上で、直前に抽出された部分に対して境界を一致させて、選択された処理対象ポリゴンと同形状の部分をさらに抽出し、該処理対象ポリゴンに貼り付ける第6工程とを有し、前記第5工程及び前記第6工程を所定回数繰り返し実行することを特徴とする。
【0011】
これにより、展開基準線に沿った箇所が優先的に展開されて、歪みが抑制されて三次元形状を示すポリゴンに反映される。したがって、展開基準線を二次元画像の模様の特徴的部分に合わせて設定しておくことにより、該特徴的部分の歪みを抑制し、美観を維持して三次元形状に展開することができる。
【0012】
この場合、前記展開基準線に沿って終点の属するポリゴンまで二次元画像の貼付を行った後、二次元画像の貼付を行ったポリゴンのいずれか1つに対して、隣接したポリゴンを処理対象ポリゴンとして選択し直す第7工程と、前記二次元画像上で、前記いずれか1つのポリゴンに対応して抽出された部分に対して境界を一致させて、選択された処理対象ポリゴンと同形状の部分をさらに抽出し、該処理対象ポリゴンに貼り付ける第8工程とを有し、前記第7工程及び前記第8工程を所定回数繰り返し実行してもよい。
【0013】
これにより、展開基準線の近傍の部分が二次的に優先的に展開され、歪みが相当に抑制されて三次元形状を示すポリゴンに反映される。したがって、展開基準線に沿った部分及びその近傍部分の歪みが相当抑制され、二次元画像の特徴的部分の美観が維持される。
【0014】
また、前記展開基準線は順序づけられて複数設けられ、各展開基準線について順に、前記第1工程から前記第6工程をそれぞれ実行してもよい。これにより、二次元画像の特徴部分が複数存在する場合においても適用が可能となる。
【0015】
さらに、二次元の画像がポリゴンに貼り付けられた前記ポリゴン体を三次元表示手段を用いてモニタに表示させることにより、展開した結果を簡便に確認することができる。
【0016】
前記ポリゴン体の複数のポリゴンのうち、所定方向を基準とした高低差が第1閾値以内であり、且つ前記所定方向を基準とした傾斜角度差が第2閾値以内である一群をグループ化して平面に近似して平面画像を得るようにしてもよい。
【0017】
前記三次元形状表面は、三次元的に移動可能に設けられたインクジェットプリンタにより印刷をする対象面であり、
このようなグループ化された平面画像によれば、結果を示すデータ量を相当に抑制することができるとともに、インクジェットプリンタ等で印刷をする印刷データとして簡便に利用可能である。
【0018】
前記三次元形状表面は、三次元的に移動可能に設けられたインクジェットプリンタにより印刷をする対象面であり、前記第1閾値は、前記インクジェットプリンタによる印刷可能な高さであり、前記第2閾値は、前記インクジェットプリンタによる印刷可能な傾斜角度に設定するとよい。これにより、印刷をする対象面に対してインクジェットプリンタによる高品質の印刷が可能となる。
【0019】
前記平面画像を、対応するポリゴンの位置データと、対応するポリゴンの画像データに分解して記憶してもよい。得られた位置データは、インクジェットプリンタの三次元的な動作制御に用いるのに好適であり、画像データはインク噴出の制御に用いるのに好適である。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る展開方法によれば、展開基準線に沿った箇所が優先的に展開されて、歪みが抑制されて三次元形状を示すポリゴンに反映される。したがって、展開基準線を二次元画像の模様の特徴的部分に合わせて設定しておくことにより、該特徴的部分の歪みを抑制し、美観を維持して三次元形状に展開することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係る展開方法について実施の形態を挙げ、添付の図1〜図10を参照しながら説明する。
【0022】
本実施の形態に係る展開方法は、自動二輪車の燃料タンクに対してインクジェットプリンタにより模様を印刷する準備段階として、デザイナが創作した二次元画像データを、複数のポリゴンからなるポリゴン体で示される三次元形状表面に展開する方法である。このポリゴン体は燃料タンクの形状に近似形状に設定されている。
【0023】
先ず、燃料タンク10に対してインクジェットプリンタにより印刷をする印刷装置12について図1を参照しながら説明する。
【0024】
図1に示すように、印刷装置12は、ベース14と、門柱形のアーチ16と、ベース14上をX方向に移動するスライダ18と、アーチ16の水平部をY方向に移動するインクジェットプリンタ20と、スライダ18上に設けられたワーク支持機構22とを有する。
【0025】
インクジェットプリンタ20は、アーチ16の水平部に設けられたレール24にガイドされながら移動可能である。インクジェットプリンタ20は、レール24に係合するランプ26と、燃料タンク10に対して極微少量のインクを噴出させることにより印刷を行う印刷ガン28とを有する。
【0026】
ワーク支持機構22は、燃料タンク10等のワークを支持するとともに高さ及び向きを調整する機構である。ワーク支持機構22は、ワークを正確に位置決めして支持する治具30と、ワークをZ方向に昇降させるとともにロール方向に回転させるロッド32と、ワークをヨー方向に回転させるヨー回転部34と、ワークをピッチ方向に回転させるピッチ回転部36とを有する。
【0027】
このような印刷装置12では6自由度を有することから、燃料タンク10等のワークの任意の印刷位置をインクジェットプリンタ20に対して位置及び向きを適切に設定することができ、燃料タンク10が曲面を有する形状であっても印刷が可能である。また、シールでは対応できない広い範囲の模様についても継ぎ目や皺を発生させることなく印刷することが可能である。
【0028】
図2に示すように、ワークとしての燃料タンク10は、自動二輪車用のものである。燃料タンク10は、単に燃料を格納するだけの機能部品ではなく、自動二輪車における外観上の美観を形成する上で意匠的に重要な部品であり、形状、模様及び色彩が重要視されている。
【0029】
形状については、一見すると単調な面であっても、実際は多様な曲面が滑らかに接続されており、高い美観が得られている。
【0030】
色彩、つまり下地の色は商品性を考慮して設定され、図示しない塗装装置によって着色される。
【0031】
模様については、印刷装置12を用いることによりエンブレム、デザイン化された車種名(又はメーカ名等)、又は連続模様等が印刷装置12によって印刷される。
【0032】
これらの模様は、デザイナによって当初は二次元画像として創作され、スキャナ等により読み取り、デジタル化された二次元画像データとなって所定の記憶媒体に格納されている。もちろん、二次元画像データは、スキャナ等の読み取り手段を介さずに、画像制作ソフト等を用いて直接的にデジタルデータとして制作してもよい。
【0033】
図3に示すように、一例として、二次元画像データ50としては、デザイン部52及び文字列54とを有する二次元データを用いることができる。
【0034】
デザイン部52は、略「J」字を横にした形状であり、具体的には、左方に円弧部を有し、該円弧部の上部から右方向に向かって滑らかに延在する形状である。デザイン部52は、外側の第1色部52aと、中間の第2色部52bと、内側の第3色部52cとからなる。第1色部52a、第2色部52b、及び第3色部52cは、各境界が必ずしも明確に識別できる形である必要はなく、一部又は全部にグラデーションが用いられていてもよい。デザイン部52はより複雑な模様、より多数の色を含むものであってもよい。
【0035】
文字列54は、車種名「ABC」をデザイン化した文字列であり、デザイン部52の左円弧部の下部近傍に横書きで配置されている。ここでいうデザイン化された文字列とは、単に情報伝達だけの文字列ではないことを意味しており、美観に対するある程度の貢献があればよく、その書体やデザインの程度は問われない。
【0036】
二次元画像データ50は長方形のデータであり、デザイン部52及び文字列54以外の領域については無色を示すデータが記録されている。
【0037】
二次元画像データ50は、燃料タンク10に対して印刷するのに適当なサイズに調整しておく。サイズの調整は画像制作ソフトの拡大・縮小機能によって簡便に行うことができる。
【0038】
このような二次元画像データ50で示される模様を燃料タンク10に対して印刷する場合、燃料タンク10は多様な曲面から構成される三次元形状であることから、そのまま印刷データとして用いることはできず、三次元形状に展開する必要が生じる。
【0039】
次に、本実施の形態に係る展開方法として、二次元画像データ50を燃料タンク10に対応した三次元形状に展開する方法について説明する。
【0040】
先ず、図4のステップS1において、二次元画像データ50で、模様の特徴的部分をオペレータが判断し、該特徴的部分に沿った二次元基準線60を設定する。ここでいうオペレータとは、コンピュータ操作に詳しい者に限られず、デザイナをも含む。
【0041】
ここで、特徴的部分とは看者の意識に特に美観を起こさせるためにデザイン上重要な部分であり、厳密に定義されるものではなが、概略的には、三次元形状に展開することにより発生する歪みが極力少ないことが望ましい箇所である。
【0042】
特徴的部分は、人の感性に係るものであることから、オペレータが二次元画像データ50を見て直接的に判断し、設定することが望ましい。
【0043】
一般的には、最も長い輪郭部(例えば、デザイン部52の外側輪郭部)や、最も外側の輪郭部、明度差の大きい境界ライン(例えば、第1色部52aと第2色部52bとの境界ライン)は意匠上目立つことが多く、このような部分に沿って二次元基準線60を設定するとよい。このようなルールによれば、公知の画像処理手段を適用することにより、二次元基準線60を自動的に設定することも可能である。
【0044】
二次元基準線60は直線、曲線又は折れ線等で構成され、方向性を有する線であり、一端が基準始点60a、他端が基準終点60bとして規定される。二次元基準線60は、基準始点60aの側が基準終点60bの側より三次元形状への展開の際の優先度が高い。二次元基準線60は、最低限、基準始点60aだけが二次元画像データ50上に記録されればよい。
【0045】
二次元基準線60は、例えば、図3に示すように、デザイン部52の外側輪郭部に沿って設定される。この場合、デザイン部52の右側は細く、しかも単調に延在している形状であるのに対し、左側は太く、しかもシャープな円弧を形成しており躍動感や前進方向をイメージさせる。実際、デザイン部52の左側は、自動二輪車の進行方向側として設定される。このような意匠上の検討から、デザイン部52においては右側よりも左側の方が意匠上重要であると考えられるので、基準始点60aは二次元基準線60の左側端部に設定し、基準終点60bは右側端部に設定するとよい。
【0046】
一般的には、車両に設けられる模様は、進行方向側が意匠上重要であり、展開優先度が高くなることが多い。また、文字列の場合には、該文字列の先頭側が特に意識されやすく、意匠上重要となり、展開優先度が高くなることが多い。
【0047】
なお、第1の優先度を有する二次元基準線60に準ずる第2の優先度を有する二次元基準線70を設けてもよい。つまり、二次元画像データ50においては、デザイン部52のみならず文字列54も相当に重要であると考えられる場合、該文字列54の中心に沿って二次元基準線70を設けるとよい。この場合、基準始点70aは文字列54の先頭側(つまり、文字「A」の側)に設定し、基準終点70bは文字列54の後端側(つまり、文字「C」の側)に設定するとよい。
【0048】
また、文字列54もデザインの一類型であると考えれば、デザイン部52と同様の基準を適用して、破線で示すように、文字列54の二方を略覆うように二次元基準線70を設定してもよい。
【0049】
さらに、デザイン部52よりも文字列54の方が面積が大きく、意匠上重要であると考えられるときには、二次元基準線70を第1の優先度とし、二次元基準線60を第2の優先度としてもよい。二次元基準線は3本以上であってもよい。
【0050】
また、二次元画像データ50における向きを規定するベクトルV1を設定する。このベクトルV1は、二次元画像データ50をポリゴン体72(図5参照)に展開する際に基準の向きを指定するものであり、例えば、自動二輪車の水平前方に合わせて設定する。ベクトルV1は、二次元基準線60の基準始点60aを基準として設定しておくとよい。ベクトルV1は、二次元基準線60及び70に対して個別に異なる方向を規定してもよい。
【0051】
二次元画像データ50の向きを規定する手段としては、ベクトルV1に限らず、例えば、基準始点60aを基準として相対的な向きを規定する点を設けてもよい。あるいは、二次元画像データ50の横方向を基準の向きとして固定しておき、該向きに合わせてデザイン部52、文字列54、二次元基準線60及び70を回転変換させてもよい。
【0052】
次に、ステップS2において、燃料タンク10の形状を三次元CAD等を用いて多数の細かいポリゴン74からなるポリゴン体72(図5参照)に変換する。
【0053】
燃料タンク10の形状は、予め三次元CADにソリッドモデル等により表されており、該ソリッドモデルを三次元CADの有する機能によってポリゴン体72に変換すればよい。ソリッドモデル等の形状からポリゴン体72に変換する工程では、途中にメッシュ化等のサブ工程を含んでいてもよい。
【0054】
なお、燃料タンク10が実物、モックアップ又はクレーモデル等であって、ソリッドモデル等のデジタル化したモデルが得られていないときには、これらのモデル等を所定の3次元計測装置によって形状を計測した後に、得られたデータに基づいてポリゴン体72を生成すればよい。燃料タンク10は、左右対称形状であることから、左右いずれか一方についてポリゴン体72を生成すればよい。反対側は対称変換等によって得られるからである。
【0055】
図5に示すように、ポリゴン体72は、多数のポリゴン74から構成されており、厳密には多数の平面を有する多角体であるが、各ポリゴン74は十分に小さく、燃料タンク10の形状を十分忠実に再現している。なお、理解を容易にするため、図5においては、ポリゴン74を実際よりも相当に大きく表している。ポリゴン74は、三角形、四角形若しくはその他の多角形又はこれらの組合わせでもよい。ポリゴン74の大きさは一定である必要はなく、例えば緩やかな曲面では面積を大きく設定してもよい。
【0056】
ステップS3において、二次元基準線60及び70をポリゴン体72上に反映し、設定する。すなわち、図5に示すように、先ず、ポリゴン体72における所定の位置に対応始点80aを設定する。この対応始点80aは前記の基準始点60aに対応するものであり、二次元画像データ50をポリゴン体72に展開する際の基準となる点である。
【0057】
対応始点80aを設定した後、該対応始点80aに対して基準始点60aが一致するように二次元基準線60を反映し、設定する。二次元基準線60の向きはオペレータが指定する。二次元基準線60を設定する方法は、例えば、投影法等を用いればよい。この設定は、必ずしも、二次元基準線60が厳密に反映されるものに限らず、例えば、二次元画像データ50上における二次元基準線60やデザイン部52の形状を目視で観察しながら、マウス等のポインティングデバイスを介したカーソル操作によってマニュアル的にポリゴン体72に移し替えてもよい。
【0058】
展開基準線80の一端が対応始点80aであり、他端が対応終点80bである。
【0059】
なお、二次元基準線70についても同様に、ポリゴン体72上の展開基準線90に反映されるものとする。展開基準線90の一端が対応始点90aであり、他端が対応終点90bである。
【0060】
さらに、ポリゴン体72の基準となる向きを規定するベクトルV2を設定する。このベクトルV2は、二次元画像データ50をポリゴン体72に展開する際に基準の向きを調整するためのものであり、前記のベクトルV1に対応する。ベクトルV2は、例えば、自動二輪車の水平前方に合わせて設定する。ベクトルV2は、展開基準線80の対応始点80aを基準として設定しておくとよい。ベクトルV2は、展開基準線80及び90に対して個別に異なる方向を規定してもよい。
【0061】
ステップS3の処理は、人の感性に係るものであることから、基本的には、オペレータがコンピュータ及びポインティングデバイス等を用いてポリゴン体72が設けられる仮想空間上で行う。
【0062】
以下のステップS4〜ステップS12の処理は、コンピュータのプログラム処理によって自動的に行われる。
【0063】
ステップS4において、ポリゴン体72上で、展開基準線80の対応始点80aを含むポリゴンP11を処理対象ポリゴンとして選択する。以下、処理対象ポリゴンとして選択されるポリゴン74をポリゴンPnmとして表す。添え字nは、メイン処理の回数を示す数字であり、添え字mはメイン処理内におけるサブ処理の回数を示す数字である。添え字mについて、「9」以降はアルファベット(A、B、C…)で示すものとする。また、図5〜図7においては、理解を容易にするために添え字nが「1」であるポリゴン74を太線で示し、添え字nが「2」であるポリゴン74を細線で示し、添え字nが「3」であるポリゴン74を破線で示して区別する。
【0064】
ステップS5において、図6に示すように、対応始点80aと基準始点70aが一致するように二次元画像データ50から、選択された処理対象ポリゴン(つまりポリゴンP11)と同形状の部分を抽出し、該処理対象ポリゴンに貼り付ける。このとき、ベクトルV1とベクトルV2が一致する向きとなるように画像を抽出する。
【0065】
つまり、図6に示すように、デザイン部52の左端の一部を含む領域から、ベクトルV1とベクトルV2を一致させながらポリゴンP11と同じ形状を抽出し、抽出した画像を図7のポリゴンP11に対して貼付処理を行う。
【0066】
以下、二次元画像データ50上においても、抽出された画像の部分を便宜的にポリゴンと呼ぶ。
【0067】
ステップS6において、その時点で選択されていた処理対象ポリゴンに対して、二次元基準線70の延在方向に隣接したポリゴン74を処理対象ポリゴンとして選択し直す。つまり、ステップS6を最初に実行するときには、ポリゴンP11について二次元基準線70の延在方向に隣接するポリゴンP12を処理対象ポリゴンとして選択し直す。2回目以降にステップS6を実行するときには、ポリゴンP12、P13…について展開基準線80の延在方向に隣接するポリゴンP13を対象ポリゴンとして選択し直す。
【0068】
ステップS7において、二次元画像データ50(図6参照)上で、直前に抽出された部分に対して境界を一致させて、選択された処理対象ポリゴンと同形状の部分をさらに抽出し、該処理対象ポリゴンに貼り付ける。つまり、処理対象ポリゴンがポリゴンP12であるときには、直前に抽出された部分は対応始点80aを含むポリゴンP11と同形状の部分であり、対応する境界100を一致させてポリゴンP12と同じ形状を抽出し、抽出した画像を図7のポリゴンP12に対して貼付処理を行う。
【0069】
処理対象ポリゴンがポリゴンP13、P14、P15…である場合にも同様の処理を行う。
【0070】
ステップS8において、展開基準線80の対応終点80bの属するポリゴン74(図6ではポリゴンP17)まで画像の貼付処理が終わったか否かを確認する。これらのポリゴンについて貼付処理が終了している場合にはステップS9へ移り、終了していない場合には、添え字mを、m←m+1とし、ステップS6に戻り処理を繰り返し実行する。
【0071】
ここまでの処理により第1回目のメイン処理が終わり、展開基準線80に沿った箇所が優先的に展開されて、実質的な歪みがなく三次元形状を示すポリゴン体72に反映される。したがって、展開基準線80を二次元画像の模様の特徴的部分に合わせて設定しておくことにより、該特徴的部分の歪みを抑制し、美観を維持して三次元形状に展開することができる。
【0072】
次に、ステップS9以降で第2回目以降のメイン処理を行う。
【0073】
ステップS9において、二次元画像データ50の貼付を行ったポリゴン74に対して少なくとも一部が隣接するポリゴン74を処理対象ポリゴンとして選択し直す。なお、このステップS9以降の処理は、第2回目以降のメイン処理に対応することから、添え字nは、2、3、4…となる。ステップS9を行う直前には、添え字mをm←1とリセットしておく。
【0074】
処理対象ポリゴンは、(n−1)回目のメイン処理で処理対象となったポリゴン74に対して一部が隣接していればいずれを選択してもよいが、例えば、最初にはP(n−1)1のポリゴン74に対して、展開基準線80の延在方向と逆方向に隣接するポリゴン74を選択し、その後反時計回りに順次選択していけがよい。
【0075】
つまり、n=2であるときには、図6におけるポリゴンP11の下側のポリゴン74を処理対象ポリゴンのポリゴンP21として選択し、次に、ポリゴンP11の右側をポリゴンP22として選択するとよい。
【0076】
n=3であるときには、ポリゴンP21の下側のポリゴン74を処理対象ポリゴンのポリゴンP31として選択し、次に、ポリゴンP21の右側をポリゴンP32として選択し、ポリゴンP22の右側をポリゴンP33として選択するとよい。
【0077】
ステップS10において、二次元画像データ50(図6参照)上で、画像貼付済みのポリゴンP(n−1)xに対応して境界を一致させて、選択された処理対象ポリゴンPnmと同形状の部分をさらに抽出する。抽出した画像は処理対象ポリゴンに貼り付ける。
【0078】
ステップS11において、(n−1)回目のメイン処理で処理済みのポリゴンP(n−1)xの全周に接するポリゴンPnmのすべてについて画像の貼付処理が終わったか否かを確認する。これらのポリゴンについて貼付処理が終了している場合にはステップS12へ移り、終了していない場合には、添え字mを、m←m+1とし、ステップS9に戻り処理を繰り返し実行する。
【0079】
ステップS12において、二次元画像データ50又はポリゴン体72における規定の範囲について貼付処理が終了したか否かを確認する。規定範囲の貼付処理が終了していない場合には、添え字nを、n←n+1、添え字mを、m←1とし、ステップS9に戻り処理を続行する。規定範囲の貼付処理が終了している場合には図4に示す処理を終了する。
【0080】
ステップS12の終了判断基準は、例えば二次元画像データ50における所定面積の貼付処理が終了したことや、デザイン部52及び文字列54の範囲の貼付処理が終了したことに基づいて行えばよい。
【0081】
ところで、ポリゴン体72は立体であり、図6から明らかなように、二次元画像データ50上では各ポリゴン74同士には隙間が生じ、一般に、展開基準線80から離間する程隙間が大きくなる傾向がある。
【0082】
しかしながら、展開基準線80は確実に連続して展開されており、該展開基準線80が属するポリゴンP1mについては隙間なく連続的に展開されており、その近傍のポリゴンP2mについてもほとんど隙間なく展開されている。このように、展開基準線80の近傍の部分が二次的に優先的に展開され、歪みが相当に抑制されてポリゴン体72に反映される。したがって、展開基準線80に沿った部分及びその近傍部分の歪みが相当抑制され、二次元画像データ50の特徴的部分の美観が維持される。
【0083】
図7では、デザイン部52の内側部分に多少の歪み92が発生しているように示しているが、実際には該歪み92は十分に小さく抑制することができる。
【0084】
また、図7から了解されるように、ポリゴン体72におけるポリゴンP3H、P3I、P3K等は、燃料タンク10の前方端部に相当し、曲率が大きく、図6の二次元画像データ50上では対応する箇所の隙間94が相当に大きく、歪みが生じうる。しかしながら、この部分は二次元基準線70から離れており、デザイン部52が存在しない単色(無色)の部分である。単色の部分はいかに歪みが大きくても、隣接する部分と同色であって歪みが認識されることはない。
【0085】
このように、本実施の形態に係る展開方法では、重要な特徴的部分から順に優先的に展開を行い、特徴的部分から離れた箇所(単色であることが多い)に歪みを集約させ、全体として歪みがほとんど認識されないように展開を行うことができる。
【0086】
なお、上記の説明では、展開基準線80に沿って行う画像の展開について説明したが、展開基準線90についても同様の展開を行えばよい。この場合、展開基準線80についての第1回目のメイン処理を行った後、展開基準線90についての第1回目のメイン処理を行い、第n回目のメイン処理は展開基準線80と展開基準線90について交互に行うとよい。これにより、特徴部分が複数存在する二次元画像データ50についても、それぞれの特徴部分の歪みを相当程度に抑制しながら好適に展開することが可能となる。
【0087】
この後、二次元の画像がポリゴン74に貼り付けられたポリゴン体72を三次元表示手段(専用三次元表示ソフト又は汎用CAD等)を用いてモニタに表示させることにより、展開した結果を簡便に確認することができる。
【0088】
この時点で、二次元画像データ50は、好適にポリゴン体72に展開されており、個々のポリゴン74の形状、位置のデータ及び貼り付けられた画像データに基づき、前記の印刷装置12を用いることにより燃料タンク10に画像を印刷することが原理的には可能となる。
【0089】
しかしながら、個々のポリゴン74は微小であり、個別のデータとして記録するとデータ容量が膨大になる。また、各ポリゴン74の位置及び向きに対応して印刷装置12のスライダ18及びワーク支持機構22等を頻繁に動作させるとともに、該ポリゴン74のデータの読み込み回数が多くなり、手順が煩雑になり、印刷時間が長くなる。このため、一度に印刷可能な複数のポリゴン74をまとめて記録しておくことが望ましい。
【0090】
具体的には、図8に示すように、インクジェットプリンタ20のインクガン102を基準とし、インクの噴出方向(所定方向)Cを法線とする仮想面104を設定する。印刷装置12は6軸自由度を有することから、噴出方向Cはポリゴン体72の形状に応じて適宜変更可能である。
【0091】
噴出方向Cを基準として、高低差が第1閾値T1以内である領域R1を抽出する。ここで、第1閾値T1は、インクガン102による印刷可能な高さである。例えば、インクガン102による印刷可能な高さが、1mm〜3mmの範囲であるとすると、T1=2(=3−1)mmである。
【0092】
次いで、仮想面104の方向を基準とした傾斜角度差θが第2閾値T2以内である領域R2を抽出する。ここで、第2閾値T2は、インクガン102による印刷可能な傾斜角度の最大値である。
【0093】
このように、高低差が第1閾値T1以内で、且つ傾斜角度θが第2閾値T2以内である領域R2の一群のポリゴン74をグループ化し、さらに平面に近似をして図9に示すような複数の平面画像106を得る。得られた複数の平面画像106は、平面画像データ110(図10参照)として所定の記録部に記録する。
【0094】
図9では、理解を容易にするために各平面画像106を元のデザイン部52及び文字列54の位置に略合わせて配置している。
【0095】
なお、デザイン部52や文字列54の存在しない箇所については印刷不要であることから、これらの領域については平面画像106を設ける必要がないことはもちろんである。
【0096】
このようなグループ化された平面画像106によれば、展開結果を示すデータ量を相当に抑制することができるとともに、印刷装置12で印刷をする印刷データとして簡便に利用可能である。
【0097】
また、第1閾値T1及び第2閾値T2による制限で得られる領域R2は不規則な形となることがあるが、四角形部分を切り取って平面画像106に設定すると、データとして簡便に利用可能である。
【0098】
次に、図10に示すように、全ての平面画像106が格納された平面画像データ110を所定のデータ処理部112で読み取り、画像データ114及び位置データ116に分解し、記録する。
【0099】
画像データ114は、各平面画像106に貼り付けられている個別の画像を識別番号とともに記録する。画像データ114は、印刷装置12において、主にインクジェットプリンタ20のインク噴出の制御に用いられる。
【0100】
位置データ116は、各平面画像106の位置及び向きを規定することのできるデータであり、4つの頂点Q1、Q2、Q3及びQ4を識別番号とともに記録する。位置データ116には、例えば、法線と一致する噴出方向C(図8参照)等を合わせて記録してもよい。位置データ116は、印刷装置12において、主に三次元的な動作機構であるスライダ18及びワーク支持機構22の動作制御に用いられる。
【0101】
なお、上記の説明では、燃料タンク10の左側面に模様を印刷することについて説明したが、右側面については画像データ114及び位置データ116を対称変換して簡便に得ることができる。
【0102】
上述したように、本実施の形態に係る展開方法によれば、展開基準線80、90に沿った箇所が優先的に展開されて、歪みが抑制されて三次元形状を示すポリゴン体72に反映される。したがって、展開基準線80、90を二次元画像データ50の模様の特徴的部分に合わせて設定しておくことにより、該特徴的部分の歪みを抑制し、美観を維持して三次元形状に展開することができる。
【0103】
これにより、印刷をする燃料タンク10等に対して印刷装置12による高品質の印刷が可能となる。
【0104】
本発明に係る展開方法は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成乃至工程を採り得ることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】印刷装置の斜視図である。
【図2】燃料タンクの側面図である。
【図3】二次元画像データの内容を示す図である。
【図4】本実施の形態に係る展開方法の手順を示すフローチャートである。
【図5】ポリゴン体の側面図である。
【図6】二次元画像データからポリゴンの形状部を抽出した様子を示す図である。
【図7】二次元画像データから抽出した画像を対応するポリゴンに貼り付けたポリゴン体の拡大側面図である。
【図8】ポリゴンをグループ化して平面画像を得る様子を説明する図である。
【図9】得られた複数の平面画像である。
【図10】平面画像データを画像データ及び位置データに分解する手順を示す図である。
【符号の説明】
【0106】
10…燃料タンク 12…印刷装置
50…二次元画像データ 52…デザイン部
54…文字列 60、70…二次元基準線
60a、70a…基準始点 60b、70b…基準終点
72…ポリゴン体 74…ポリゴン
80、90…展開基準線 80a、90a…対応始点
80b、90b…対応終点 106…平面画像
110…平面画像データ 112…データ処理部
114…画像データ 116…位置データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次元画像データを、複数のポリゴンからなるポリゴン体で示される三次元形状表面に展開する展開方法であって、
対象の二次元画像に基準始点を設定する第1工程と、
対応始点及び該対応始点を基準として延在方向が付けられた展開基準線を前記ポリゴン体に設定する第2工程と、
前記ポリゴン体上で、前記対応始点を含むポリゴンを処理対象ポリゴンとして選択する第3工程と、
基準始点と対応始点が一致するように前記二次元画像から、選択された処理対象ポリゴンと同形状の部分を抽出し、該処理対象ポリゴンに貼り付ける第4工程と、
その時点で選択されていた処理対象ポリゴンに対して、前記展開基準線の延在方向に隣接したポリゴンを処理対象ポリゴンとして選択し直す第5工程と、
前記二次元画像上で、直前に抽出された部分に対して境界を一致させて、選択された処理対象ポリゴンと同形状の部分をさらに抽出し、該処理対象ポリゴンに貼り付ける第6工程と、
を有し、
前記第5工程及び前記第6工程を所定回数繰り返し実行することを特徴とする展開方法。
【請求項2】
請求項1記載の展開方法において、
前記展開基準線に沿って前記展開基準線の対応終点の属するポリゴンまで二次元画像の貼付を行った後、
二次元画像の貼付を行ったポリゴンのいずれか1つに対して、隣接したポリゴンを処理対象ポリゴンとして選択し直す第7工程と、
前記二次元画像上で、前記いずれか1つのポリゴンに対応して抽出された部分に対して境界を一致させて、選択された処理対象ポリゴンと同形状の部分をさらに抽出し、該処理対象ポリゴンに貼り付ける第8工程と、
を有し、
前記第7工程及び前記第8工程を所定回数繰り返し実行することを特徴とする展開方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の展開方法において、
前記展開基準線は順序づけられて複数設けられ、各展開基準線について順に、前記第1工程から前記第6工程をそれぞれ実行するこをと特徴とする展開方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の展開方法において、
二次元の画像がポリゴンに貼り付けられた前記ポリゴン体を三次元表示手段を用いてモニタに表示させることを特徴とする展開方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の展開方法において、
前記ポリゴン体の複数のポリゴンのうち、所定方向を基準とした高低差が第1閾値以内であり、且つ前記所定方向を基準とした傾斜角度差が第2閾値以内である一群をグループ化して平面に近似して平面画像を得ることを特徴とする展開方法。
【請求項6】
請求項5記載の展開方法において、
前記三次元形状表面は、三次元的に移動可能に設けられたインクジェットプリンタにより印刷をする対象面であり、
前記第1閾値は、前記インクジェットプリンタによる印刷可能な高さであり、前記第2閾値は、前記インクジェットプリンタによる印刷可能な傾斜角度であることを特徴とする展開方法。
【請求項7】
請求項5又は6記載の展開方法において、
前記平面画像を、対応するポリゴンの位置データと、対応するポリゴンの画像データに分解して記憶することを特徴とする展開方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−191903(P2008−191903A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−25225(P2007−25225)
【出願日】平成19年2月5日(2007.2.5)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】