説明

層状シリケート難燃組成物

本発明は、ポリマー基材、特にポリアミドに添加された層状シリケートを有するポリリン酸メラミンを含有する難燃組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリリン酸メラミンと層状シリケートとの混合物を含む難燃ポリマー組成物に関する。該組成物は、熱可塑性ポリマーに基づく難燃組成物の製造のために特に有用である。
【0002】
難燃剤は、ポリマーの難燃特性を強化するためにポリマー材料(合成または天然)に添加される。その組成に依存して、難燃剤は固相、液相または気相中で、化学的、例えば窒素の遊離による発泡として、および/または物理的に、例えば泡の被覆によって作用できる。難燃剤は、燃焼工程の特定の段階の間、例えば加熱の間、分解、着火、または炎の広がりを妨害する。
【0003】
有機材料、特にポリマーへの充填剤の添加が公知であり、且つ、例えばHans Zweifel (編者), Plastics Additives Handbook,第5版, 901〜948ページ, Hanser Publishers、ミュンヘン (ドイツ) 2001内に記載されている。ポリマー内での充填剤の使用は、例えば機械的特性、特に密度、硬度、剛性(弾性率)の改善、またはポリマーの収縮の低減という利点を有する。
【0004】
極めて小さい充填剤粒子(<200nm)、いわゆるナノスケール充填剤を使用して、ポリマーの機械的特性、加熱歪み温度安定性または難燃特性を、マイクロスケールの通常の充填剤粒子での20〜50質量%と比較して、典型的には2〜10質量%の非常に低い濃度で改善できる。ナノスケールの充填剤を含有するポリマーは、好ましい機械的特性、例えば強度、弾性率、および衝撃と、改善された表面品質、例えば光沢、加工時のより低い工具摩耗、および再利用のための良好な状態を示すこととを兼ね備える。ナノスケールの充填剤を含む被覆物および膜は、改善された熱安定性、難燃性、ガスバリア特性、および引掻耐性を示す。
【0005】
ナノスケールの充填剤は、高い表面エネルギーを有する極めて大きな表面を有している。従って、表面エネルギーの不活性化およびナノスケールの充填剤とポリマー基材との適合性は、充填されたポリマーの加工または変換の間の凝集を避けるために、および最終的な物品中でナノスケールの充填剤の優れた分散に達するために、通常のマイクロスケールの充填剤を用いる場合よりも、さらにより重要である。
【0006】
層状シリケート、例えばモンモリロナイトおよび合成ポリマーに基づく有機−無機ナノ複合物における本質的な最近の文献がある。ポリオレフィンナノ複合物は有機変性粘土から製造されている。使用される粘土は一般に、アルキルまたはジアルキルアンモニウムイオンまたはアミンで、またはいくつかの場合においては他のオニウムイオン、例えばホスホニウムで変性されている。アンモニウムイオン/アミン添加剤を、通常、別途の溶液または懸濁液のインターカレーション段階によって粘土の構造内に組み込む。
【0007】
種々のポリマー基材中で使用できる改善された特性を有する難燃剤組成物についての必要性がまだある。安全性および環境の要請に関する基準の増加は、より厳しい規制をもたらす。特に、公知のハロゲン含有難燃剤はもはや全ての必要な要請に適合しない。従って、無ハロゲンの難燃剤は、特により低い毒性およびより少ない環境的な懸念、および炎に関連する煙濃度の点でのより良好な性能ゆえに好ましい。改善された熱安定性およびより低い腐食挙動は、無ハロゲン難燃剤組成物のさらなる恩恵である。
【0008】
驚くべきことに、ポリリン酸メラミンと層状シリケートとの混合物がポリマー基材に添加された場合に、優れた難燃特性を有するポリマーが製造されることが見出された。
【0009】
本発明は、組成物、特に難燃組成物であって、
a) 少なくとも1つの式
【化1】

[式中、
Tは1,3,5−トリアジン化合物を表し、且つ
pは3より大きい数を表す]
の1,3,5−トリアジン化合物のポリリン酸塩;
b) 少なくとも1つの天然または合成フィロシリケートまたはそれらの混合物; および
c) ポリマー基材; および
d) フェノール系酸化防止剤
を含む組成物に関する。
【0010】
難燃剤として使用するために上記で定義された組成物は、本発明の他の実施態様である。
【0011】
本発明の好ましい実施態様は、
a) 少なくとも1つの1,3,5−トリアジン化合物のポリリン酸塩(I)であって、その際、pが3より大きい数字を表し、且つ、1,3,5−トリアジン含有率はリン原子1モルあたり1,3,5−トリアジン化合物1.0モルよりも高い;
b) 少なくとも1つの層状シリケート;
c) 熱可塑性ポリマー基材; および
d) フェノール系酸化防止剤
を含む組成物に関する。
【0012】
本発明の特に好ましい実施態様は、
a) 少なくとも1つの1,3,5−トリアジン化合物のポリリン酸塩(I)であって、その際、pが10より大きい数字を表し、且つ、1,3,5−トリアジン含有率はリン原子1モルあたり1,3,5−トリアジン化合物1.1モルよりも高い;
b) モンモリロナイト、ベントナイト、バイデライト、マイカ、ヘクトライト、サポナイト、ノントロナイト、ソーコナイト、バーミキュライト、レディカイト(ledikite)、マガダイト(magadite)、ケニヤイト、ステベンサイト、ボルコンスコイト(volkonskoite)、およびハイドロタルサイトまたはそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの変性されていない層状シリケート;
c) 熱可塑性ポリマー基材; および
d) フェノール系酸化防止剤
を含む組成物に関する。
【0013】
他の本発明の好ましい実施態様は、
a) 少なくとも1つの1,3,5−トリアジン化合物のポリリン酸塩(I)であって、その際、pが10より大きい数字を表し、且つ、1,3,5−トリアジン含有率はリン原子1モルあたり1,3,5−トリアジン化合物1.1モルよりも高い;
b) モンモリロナイト、ベントナイト、バイデライト、マイカ、ヘクトライト、サポナイト、ノントロナイト、ソーコナイト、バーミキュライト、レディカイト、マガダイト、ケニヤイト、ステベンサイト、ボルコンスコイト、ハイドロタルサイト、イライト、カオリナイト、ウォラストナイト、アタパルジャイト、滑石、およびシリカ、またはアンモニウム、アミン、ホスホニウム、スルホニウムまたはシロキサン化合物によって変性されたそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの層状シリケート;
c) 熱可塑性ポリマー基材; および
d) フェノール系酸化防止剤
を含む組成物に関する。
【0014】
非常に好ましい実施態様によれば、本発明は、
a) 少なくとも1つの1,3,5−トリアジン化合物のポリリン酸塩(I)であって、その際、pが10より大きい数字を表し、且つ、1,3,5−トリアジン含有率はリン原子1モルあたり1,3,5−トリアジン化合物1.1モルよりも高い;
b) モンモリロナイト、ベントナイト、バイデライト、マイカ、ヘクトライト、サポナイト、ノントロナイト、ソーコナイト、バーミキュライト、レディカイト、マガダイト、ケニヤイト、ステベンサイト、ボルコンスコイトおよびハイドロタルサイトまたはそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの変性されていない層状シリケート; および
c) ポリアミドおよびコポリアミドからなる群から選択される熱可塑性ポリマー基材;
d) オクタデシル 3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリトリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]、およびN,N’−ヘキサン−1,6−ジイル−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]からなる群から選択されるフェノール系酸化防止剤
を含む組成物に関する。
【0015】
本発明による組成物は、UL−94 (Underwriter’s Laboratories Subject 94)による優れたランク付け、および関連の試験方法における他の優れたランク付け(従来の難燃剤は不合格となる傾向がある)、および、同時に非常に良好な機械的特性を達成する。
【0016】
難燃剤とポリマーとの組成物は、難燃剤の化学基とポリマー鎖との相互作用のために、純粋なポリマーと比較して溶融粘度が増加する傾向がある。これは、ポリアミドのアミド基が難燃剤のホスフェート基と相互作用できる効果を有する。しかしながら、溶融粘度の増加はスループットおよびポリマー物品の加工および製造の間のサイクルタイムを低下させ、より高い加工温度またはより高いエネルギー費用を必要とする。層状シリケートと難燃剤、例えばメラミン誘導体との当該の組成物は、溶融粘度における、および加工挙動における低減された影響を示し、従って、純粋なポリマーに近い変形加工を可能にする。
【0017】
成分a)
式(I)の1,3,5−トリアジン化合物のポリリン酸塩において、1,3,5−トリアジン化合物は、定義の範疇の様々な化合物、例えばメラミン、メラム、メレム、メロン、アメリン、アメリド、2−ウレイドメラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミンまたはジアミンフェニルトリアジンから選択される塩基性塩成分である。
【0018】
ポリリン酸メラミンおよびこの塩を製造するための方法は、とりわけ、WO97/44377号内に記載されている。この参考文献によれば、25℃で水100mlあたり0.01〜0.10gの溶解度、2.5〜4.5のpH、および1.0〜1.1のメラミン/リンのモル比を有するポリリン酸メラミンを、25℃で10質量%の水性のスラリーとして得ることができる。
【0019】
平均縮合度の数pが5〜200であり、且つ1,3,5−トリアジン含有率が、1,3,5−トリアジン化合物1.1〜2.0molとなる、1,3,5−トリアジン化合物のポリリン酸塩の製造がWO00/02869号内に記載されている。
【0020】
この参考文献は、1,3,5−トリアジン化合物とオルトリン酸とを、そのオルトリン酸塩に変換すること、次に脱水および熱処理してオルトリン酸塩を1,3,5−トリアジン化合物のポリリン酸塩へと変換することを含む方法を開示している。
【0021】
ポリリン酸塩のp値は、好ましくは10より上、特に40〜150であり、且つ、リン原子1モル当たりの1,3,5−トリアジン化合物の比は好ましくは1.2〜1.8である。さらには、この方法によって製造された10質量%の塩の水性スラリーのpHは、4.5より高く、好ましくは少なくとも5.0である。引用されるpH値は、塩および純粋を室温で300mlのビーカー内に導入し、得られる水性スラリーを約30分間攪拌し、その後、pHを測定することによって決定される。
【0022】
この熱処理は、好ましくは少なくとも300℃、好ましくは少なくとも310℃の温度で実施される。1,3,5−トリアジン化合物のオルトリン酸塩に加えて、他の1,3,5−トリアジンリン酸塩も使用でき、例えばオルトリン酸塩とピロリン酸塩との混合物を含む。
【0023】
1,3,5−トリアジン化合物のオルトリン酸塩は、様々な他の方法で製造できる。好ましい方法は、1,3,5−トリアジン化合物をオルトリン酸水溶液に添加することを含む。選択的な方法は、オルトリン酸を1,3,5−トリアジン化合物の水性スラリーに添加することを含む。
【0024】
1,3,5−トリアジン化合物のポリリン酸塩のいくつかは市販であり、例えばポリリン酸メラミン(Melapur(登録商標)、Ciba Inc、バーゼル、スイス)である。
【0025】
上述のポリリン酸塩は有利には、本発明の組成物中に、有機ポリマー基材の約0.1〜約45.0質量%の量で; ポリマーの、または組成物の総質量に対して、例えば約1.0質量%〜約40.0質量%; 例えば約5.0質量%〜約35.0質量%の量で含有される。
【0026】
成分b)
成分b)は、ナノ粒子の大きさの充填剤(ナノスケール充填剤、ナノ微粒子充填剤)である。例えば、好ましい充填剤は、天然または合成のフィロシリケートまたはかかるフィロシリケートの混合物である。特に興味深い充填剤は、例えば層状シリケートである。非常に特に興味深いのは、成分b)として、モンモリロナイト、ベントナイト、バイデライト、マイカ、ヘクトライト、サポナイト、ノントロナイト、ソーコナイト、バーミキュライト、レディカイト、マガダイト、ケニヤイト、ステベンサイト、ボルコンスコイト、ハイドロタルサイト、イライト、カオリナイト、ウォラストナイト、アタパルジャイト(attapulcite)、滑石、およびシリカまたはそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの変性されていない層状シリケートを含む組成物である。
【0027】
特に興味深いのは、成分b)として、モンモリロナイト、ベントナイト、バイデライト、マイカ、ヘクトライト、サポナイト、ノントロナイト、ソーコナイト、バーミキュライト、レディカイト、マガダイト、ケニヤイト、ステベンサイト、ボルコンスコイト、ハイドロタルサイト、イライト、カオリナイト、ウォラストナイト、アタパルジャイト、滑石、およびシリカまたはそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの変性されていない層状シリケートを含む組成物である。選択的な実施態様によれば、成分b)を変性剤、例えばアンモニウム、アミンおよびホスホニウム、スルホニウムまたはシロキサン化合物によって変性できる。ナノ粘度のために適した変性剤の例は例えば以下である:
【0028】
アミンおよびアンモニウム化合物、例えばジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ステアリルベンジルジメチルアンモニウムクロリド、ステアリルアミン、ステアリルジエトキシアミンまたはアミノドデカン酸 [例えばNanofil(登録商標)、Rockwood Additives Ltd.(ドイツ)から市販]; ジメチルジタロウアンモニウム、トリオクチルメチルアンモニウム、ジポリオキシエチレンアルキルメチルアンモニウムまたはポリオキシプロピレンメチルジエチルアンモニウム [変性Somasif(登録商標)、コープケミカル(日本)から市販]; オクタデシルアミン、トリエトキシシラニル−プロピルアミン [Nanomer(登録商標)、Nanocor(米国)から市販]、ポリアルコキシル化アンモニウム化合物、例えば、オクタデシルビス(ポリオキシエチレン[15]アミン [Ethomeen(登録商標)、Eastman(米国)から市販]またはオクタデシルメチルビス(ポリオキシエチレン[15]アンモニウムクロリド [Etoquad(登録商標)、Eastman(米国)から市販]など、または相応する遊離アミン;
【0029】
ホスホニウム化合物、例えばテトラブチルホスホニウムまたはオクタデシルトリフェニルホスホニウム[Eastman(米国)から市販];
【0030】
その他、例えばトリエトキシオクチルシラン [Nanomer(登録商標)、Nanocorから市販]、例えばWO−A−01/04050号またはWO−A−99/67790号内に開示されるアンモニウム、スルホニウムまたはピリジニウム化合物; ブロックまたはグラフトコポリマー、例えばPEO−b−PSまたはポリ−4−ビニルピリジン−b−PSなど; または膨潤のための溶剤、例えばγ−ブチロラクトン、2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジグリム、テトラヒドロフランまたはフルフリルアルコールなど。
【0031】
上述のフィロシリケート化合物は有利には、本発明の組成物中に、有機ポリマー基材の約0.1〜約45.0質量%の量で; 例えばポリマーの、または組成物の総質量に対して、約1.0質量%〜約40.0質量%; 例えば約5.0質量%〜約35.0質量%の量で含有される。
【0032】
成分c)
ポリマー基材の用語は、その範疇に熱可塑性ポリマーまたは熱硬化性樹脂、特にポリアミドまたはコポリアミドを含む。適した合成ポリマーのリストを以下に示す:
1. ジアミンおよびジカルボン酸から、および/またはアミノカルボン酸または相応するラクタムから誘導されるポリアミドおよびコポリアミド、例えばポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、ポリアミド11、ポリアミド12、m−キシレンジアミンおよびアジピン酸から出発する芳香族ポリアミド; ヘキサメチレンジアミンおよびイソフタル酸または/およびテレフタル酸から製造され、且つ改質剤としてのエラストマーを有するまたは有さないポリアミド、例えばポリ−2,4,4−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミドまたはポリ−m−フェニレンイソフタルアミド; および上述のポリアミドと、ポリオレフィン、オレフィンコポリマー、イオノマー、あるいは化学的に結合されたまたはグラフトされたエラストマーとのブロックコポリマー; またはポリエーテル、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはポリテトラメチレングリコールとのブロックコポリマー;並びにEPDMまたはABSで変性されたポリアミドまたはコポリアミド; および加工の間に縮合したポリアミド(RIMポリアミド系)。
【0033】
2. モノオレフィンおよびジオレフィンのポリマー、例えばポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブト−1−エン、ポリ−4−メチルペント−1−エン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリイソプレンまたはポリブタジエン、並びにシクロオレフィンのポリマー、例えばシクロペンテンまたはノルボルネン、ポリエチレン(随意に架橋していてよい)、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度高分子量ポリエチレン(HDPE−HMW)、高密度超高分子量ポリエチレン(HDPE−UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、(VLDPE)および(ULDPE)。
【0034】
ポリオレフィン、即ち、前記の段落に例示されたモノオレフィンのポリマー、好ましくはポリエチレンおよびポリプロピレンを種々の方法、および特に以下の方法によって製造できる:
a) ラジカル重合(通常、高圧且つ高温下にて)。
【0035】
b) 通常、周期律表のIVb、Vb、VIbまたはVIII族の1つまたはそれより多くの金属を含有する触媒を使用した触媒重合。それらの金属は通常、1つまたはそれより多くの配位子、典型的にはオキシド、ハライド、アルコレート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニル、および/またはアリールを有し、それらはπまたはσ配位のいずれかであってよい。それらの金属錯体は遊離した形態か、あるいは基材、典型的には活性化塩化マグネシウム、塩化チタン(III)、アルミナまたはケイ素酸化物に固定されていてよい。それらの触媒は重合媒体中で可溶性または不溶性であってよい。重合において、該触媒をそれのみで使用するか、またはさらなる活性剤、典型的には金属アルキル、金属水素化物、金属アルキルハライド、金属アルキルオキシドまたは金属アルキルオキサンを使用してもよく、前記の金属は周期律表のIa、IIaおよび/またはIIIa族の元素である。前記の活性剤を適宜、さらなるエステル、エーテル、およびアミンまたはシリルエーテル基で変性してもよい。それらの触媒系は通常、Phillips、Standard Oil Indiana、Ziegler−Natta)、TNZ(DuPont)、メタロセンまたはシングルサイト触媒(SSC)と称される。
【0036】
3. 2で述べられたポリマーの混合物、例えばポリプロピレンとポリイソブチレンとの混合物、ポリプロピレンとポリエチレンとの混合物(例えばPP/HDPE、PP/LDPE)、および異なる種類のポリエチレンの混合物(例えばLDPE/HDPE)。
【0037】
4. モノオレフィンおよびジオレフィンのお互いの、または他のビニルモノマーとのコポリマー、例えば、エチレン/プロピレンコポリマー、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)およびそれらと低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン/ブト−1−エンコポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブト−1−エンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキサンコポリマー、エチレン/シクロオレフィンコポリマー(例えばエチレン/ノルボルネン、例えばCOC)、エチレン/1−オレフィンコポリマー、ここで1−オレフィンはインサイチューで生成される; プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキセンコポリマー、エチレン/アルキルアクリレートコポリマー、エチレン/アルキルメタクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマーまたはエチレン/アクリル酸コポリマーおよびそれらの塩(イオノマー)、並びにエチレンとプロピレンおよびジエン、例えばヘキサジエン、ジシクロペンタジエンまたはエチリデン−ノルボルネンとのターポリマー; および、かかるコポリマー同士の、および上記1)で述べられたポリマーとの混合物、例えばポリプロピレン/エチレン−プロピレンコポリマー、LDPE/エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)、LDPE/エチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)、LLDPE/EVA、LLDPE/EAA、および交互またはランダムなポリアルキレン/一酸化炭素コポリマーおよびそれらと他のポリマー、例えばポリアミドとの混合物。
【0038】
5. 炭化水素樹脂(例えばC5〜C9)。それらの水素化変性物(例えば粘着性付与剤)およびポリアルキレンとデンプンとの混合物を含む。
【0039】
上述のホモポリマーおよびコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミアイソタクチック、またはアタクチックを含む立体構造を有してよく、ここで、アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーも含まれる。
【0040】
6. ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)。
【0041】
7. スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンの全ての異性体、特にp−ビニルトルエン、エチルスチレン、プロピルスチレン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレンおよびビニルアントラセンの全ての異性体、およびそれらの混合物を含む、ビニル芳香族モノマーから誘導される芳香族ホモポリマーおよびコポリマー。ホモポリマーおよびコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミアイソタクチック、またはアタクチックを含む立体構造を有してよく、ここで、アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーも含まれる;
【0042】
a) エチレン、プロピレン、ジエン、ニトリル、酸、マレイン酸無水物、マレイミド、酢酸ビニルおよび塩化ビニルまたはアクリル誘導体およびそれらの混合物、例えばスチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/エチレン(共重合体)、スチレン/アルキルメタクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルアクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルメタクリレート、スチレン/マレイン酸無水物、スチレン/アクリロニトリル/メチルアクリレート;耐衝撃性スチレンコポリマーと他のポリマーとの混合物、例えばポリアクリレート、ジエンポリマーまたはエチレン/プロピレン/ジエンターポリマー; およびスチレンのブロックコポリマー、例えば、スチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレンまたはスチレン/エチレン/プロピレン/スチレンから選択される、先述のビニル芳香族モノマーおよびコモノマーを含むコポリマー。
【0043】
b) 7で述べられたポリマーの水素化から誘導される水素化芳香族ポリマー、特にアタクチックポリスチレンを水素化することによって製造されるポリシクロヘキシルエチレン(PCHE)を含み、それはしばしばポリビニルシクロヘキサン(PVCH)として示される。
【0044】
c) 7a)で述べられたポリマーの水素化から誘導される水素化芳香族ポリマー。ホモポリマーおよびコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミアイソタクチック、またはアタクチックを含む立体構造を有してよく、ここで、アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーも含まれる。
【0045】
8. ビニル芳香族モノマー、例えばスチレンまたはα−メチルスチレンのグラフトコポリマー、例えばポリブタジエン上のスチレン、ポリブタジエン−スチレンまたはポリブタジエン−アクリロニトリルコポリマー上のスチレン;ポリブタジエン上のスチレンおよびアクリロニトリル(またはメタクリロニトリル);ポリブタジエン上のスチレン、アクリロニトリルおよびメチルメタクリレート;ポリブタジエン上のスチレンおよびマレイン酸無水物;ポリブタジエン上のスチレン、アクリロニトリルおよびマレイン酸無水物またはマレイミド;ポリブタジエン上のスチレンおよびマレイミド;ポリブタジエン上のスチレンおよびアルキルアクリレートまたはメタクリレート;エチレン/プロピレン/ジエンターポリマー上のスチレンおよびアクリロニトリル;ポリアルキルアクリレートまたはポリアルキルメタクリレート上のスチレンおよびアクリロニトリル、アクリレート/ブタジエンコポリマー上のスチレンおよびアクリロニトリル、並びにそれらと7で示されたコポリマーとの混合物、例えばABS、MBS、ASAまたはAESポリマーとして公知のコポリマー混合物。
【0046】
9. ハロゲン含有ポリマー、例えばポリクロロプレン、塩化ゴム、イソブチレン−イソプレンの塩素化および臭素化コポリマー(ハロブチルゴム)、塩素化またはスルホ塩素化(sulphochlorinated)ポリエチレン、エチレンと塩素化エチレンとのコポリマー、エピクロロヒドリンホモポリマーおよびコポリマー、特にハロゲン含有ビニル化合物のポリマー、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、並びにそれらのコポリマー、例えば塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニルまたは塩化ビニリデン/酢酸ビニルコポリマー。
【0047】
10. α,β−不飽和酸から誘導されるポリマーおよびその誘導体、例えばポリアクリレートおよびポリメタクリレート; ポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミドおよびポリアクリロニトリル、ブチルアクリレートを用いた耐衝撃性改質物。
【0048】
11. 10で述べられたモノマー同士の、または他の不飽和モノマーとのコポリマー、例えばアクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/アルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル/アルコキシアルキルアクリレートまたはアクリロニトリル/ビニルハライドコポリマーまたはアクリロニトリル/アルキルメタクリレート/ブタジエンターポリマー。
【0049】
12. 不飽和アルコールおよびアミンまたはアシル誘導体またはそれらのアセタールから誘導されるポリマー、例えばポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルステアレート、ポリビニルベンゾエート、ポリビニルマレエート、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタレートまたはポリアリルメラミン; 並びにそれらと上記の2の部分で述べられたオレフィンとのコポリマー。
【0050】
13. 環状エーテルのホモポリマーおよびコポリマー、例えばポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、またはビスグリシジルエーテルとのそれらのコポリマー。
【0051】
14. ポリアセタール、例えばポリオキシメチレン、およびコモノマーとしてエチレンオキシドを含有するそれらのポリオキシメチレン; 熱可塑性ポリウレタン、アクリレートまたはMBSで変性されたポリアセタール。
【0052】
15. ポリフェニレンオキシドおよび硫化物、およびポリフェニレンオキシドとスチレンポリマーまたはポリアミドとの混合物。
【0053】
16. 一方で末端にヒドロキシル基を有するポリエーテル、ポリエステルまたはポリブタジエンから、且つ他方で脂肪族または芳香族ポリイソシアネートから誘導されるポリウレタン、並びにそれらの前駆体。
【0054】
17. ポリウレア、ポリイミド、ポリアミド−イミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリヒダントインおよびポリベンゾイミダゾール。
【0055】
18. ジカルボン酸およびジオールから誘導される、および/またはヒドロキシカルボン酸または相応するラクトンから誘導されるポリエステル、例えばポリ−β−ヒドロキシ酪酸、ポリ−β−ヒドロキシ吉草、ポリラクチド、特に生分解性ポリラクチド、または1−乳酸およびε−カプロラクトンからの相応するコポリマー、酸 ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレート(PAN)およびポリヒドロキシベンゾエート、並びにヒドロキシル基を末端に持つポリエーテルから誘導されるブロックコポリエーテルエステル; およびポリカーボネートまたはMBSで変性されたポリエステル。
【0056】
19. ポリケトン。
【0057】
20. ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、およびポリエーテルケトン。
【0058】
21. 上述のポリマーのブレンド(ポリブレンド)、例えばPP/EPDM、ポリアミド/EPDMまたはABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリレート、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR、POM/アクリレート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA 6.6およびコポリマー、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/PC/ABSまたはPBT/PET/PC。
【0059】
22. 一般式:
【化2】

に相応するポリカーボネート。
【0060】
かかるポリカーボネートは界面法によって、または溶融法(触媒エステル交換)によって得られる。該ポリカーボネートは、分枝鎖または直鎖のいずれかの構造であってよく、且つ、任意の官能性置換基を含んでよい。ポリカーボネートコポリマーおよびポリカーボネートブレンドもまた本発明の範疇である。ポリカーボネートの用語は、他の熱可塑性樹脂とのコポリマーおよびブレンドを含むものとして解釈されるべきである。ポリカーボネートの製造方法は、例えば米国特許明細書3030331号; 3169121号; 4130458号; 4263201号; 4286083号; 4552704号; 5210268号; および5606007号から公知である。異なる分子量の2つまたはそれより多くのポリカーボネートの組み合わせを使用してよい。
【0061】
成分d)
本発明の組成物は、下記に定義される群から選択される少なくとも1つのフェノール系酸化防止剤を含有する:
【0062】
アルキル化モノフェノール、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシメチルフェノール、ノニルフェノール(側鎖内で直鎖または分枝鎖であってよい)、例えば、2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルウンデカ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルヘプタデカ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルトリデカ−1’−イル)フェノール、およびそれらの混合物;
【0063】
アルキルチオメチルフェノール、例えば2,4−ジオクチルチオメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジ−ドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール;
【0064】
ヒドロキノンおよびアルキル化ヒドロキノン、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート;
【0065】
トコフェロール、例えば、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、およびそれらの混合物(ビタミンE);
【0066】
ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、例えば、2,2’−チオビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(3,6−ジ−sec−アミルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−ジスルフィド;
【0067】
アルキリデンビスフェノール、例えば、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコール ビス[3,3−ビス(3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−6−tert−ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス−(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン;
【0068】
O−、N−、およびS−ベンジル化合物、例えば、3,5,3’,5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル)スルフィド、イソオクチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート;
【0069】
ヒドロキシベンジル化マロネート、例えば、ジオクタデシル−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジオクタデシル−2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート;
【0070】
芳香族ヒドロキシベンジル化合物、例えば、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール;
【0071】
トリアジン化合物、例えば2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート;
【0072】
ベンジルホスホネート、例えば、ジメチル−2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩;
【0073】
アシルアミノフェノール、例えば、4−ヒドロキシラウルアニリド(hydroxylauranilide)、4−ヒドロキシステアルアニリド、オクチル N−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバメート;
【0074】
−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と、一価または多価アルコール、例えばメタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル、例えばIrganox(登録商標) 1076などの市販の製品;
【0075】
β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸と、一価または多価アルコール、例えばメタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン; 3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]−ウンデカンとのエステル;
【0076】
β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と、一価または多価アルコール、例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル;
【0077】
3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸と、一価または多価アルコール、例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル;
【0078】
β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えば、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N’−ビス[2−(3−[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド (Naugard(登録商標)XL−1、供給元Uniroyal);
【0079】
アスコルビン酸(ビタミンC)。
【0080】
成分d)による好ましい特定のフェノール系酸化防止剤は、オクタデシル 3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート (IRGANOX 1076)、ペンタエリトリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート] (IRGANOX 1010)、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート (IRGANOX 3114)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−ベンゼン (IRGANOX 1330)、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオネート] (IRGANOX 245)、およびN,N’−ヘキサン−1,6−ジイル−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド] (IRGANOX 1098)を含む。
【0081】
上述の成分d)のフェノール系添加剤は、好ましくは、成分c)によるポリマー基材の質量に対して0.01〜10.0%、特に0.05〜5.0%の量で含有される。
【0082】
追加的な成分
当該の発明はさらには、上記で定義された成分a)、b)およびc)に加えて、随意の成分として、いわゆる滴下防止剤、ポリマー安定剤および追加的な難燃剤、例えばリン含有難燃剤、窒素含有難燃剤、ハロゲン化難燃剤、および無機難燃剤からなる群から選択されるさらなる添加剤を含む組成物に関係する。
【0083】
上記の通り、本発明による組成物は追加的に1つまたはそれより多くの従来の添加剤、例えば顔料、染料、可塑剤、酸化防止剤、チキソトロープ剤、レベリング助剤、塩基性補助安定剤、金属不動態化剤、金属酸化物、有機リン化合物、さらなる光安定剤、およびそれらの混合物から選択されるもの、特に顔料、他の酸化防止剤、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、および/または2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンの群のUV吸収剤を含有してよい。より特定の例は、以下の成分である:
【0084】
1. 光安定剤
2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−sec−ブチル−5’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシ−フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イルフェノール]; 2−[3’−tert−ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換生成物;
【化3】

前記R=3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾール−2−イルフェニル、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(α,α−ジメチルベンジル)−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]ベンゾトリアゾール; 2−[2’−ヒドロキシ−3’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−5’−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール、例えばTinuvin(登録商標)シリーズからの市販の光安定剤、例えばTINUVIN 234、326、329、350、360またはTINUVIN 1577;
【0085】
2−ヒドロキシベンゾフェノン、例えば、4−ヒドロキシ、4−メトキシ、4−オクチルオキシ、4−デシルオキシ、4−ドデシルオキシ、4−ベンジルオキシ、4,2’,4’−トリヒドロキシおよび2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ誘導体;
【0086】
置換された、および置換されていない安息香酸のエステル、例えば、4−tert−ブチルフェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレソルシノール、ビス(4−tert−ブチルベンゾイル)レソルシノール、ベンゾイルレソルシノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル 3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル 3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル 3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−メチル−4,6−ジ−tert−ブチルフェニル 3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート;
【0087】
アクリレート、例えば、エチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、イソオクチル α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル α−カルボメトキシシンナメート、メチル α−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、ブチル α−シアノ−β−メチル−p−メトキシ−シンナメート、メチル α−カルボメトキシ−p−メトキシシンナメート、およびN−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチルインドリン;
【0088】
ニッケル化合物、例えば、2,2’−チオビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]のニッケル錯体、例えば1:1または1:2錯体であって、さらなる配位子、例えばn−ブチルアミン、トリエタノールアミンまたはN−シクロヘキシルジエタノールアミンを有するまたは有さないもの、ニッケル ジブチルジチオカルバメート、4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルホスホン酸のモノアルキルエステル、例えばメチルまたはエチルエステルのニッケル塩、ケトキシムの、例えば2−ヒドロキシ−4−メチルフェニルウンデシルケトキシムのニッケル錯体、1−フェニル−4−ラウロイル−5−ヒドロキシピラゾールのニッケル錯体であって、さらなる配位子を有するまたは有さないもの;
【0089】
オキサミド、例えば、4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジエトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−tert−ブトキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−tert−ブトキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−tert−ブチル−2’−エトキサニリド、およびその2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−tert−ブトキサニリドとの混合物、o−およびp−メトキシ−二置換オキサニリドの混合物、およびo−およびp−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物;
【0090】
2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、例えば、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ)フェニル−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2−{2−ヒドロキシ−4−[3−(2−エチルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル}−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン;
【0091】
2. 金属不活性化剤、例えば、N,N’−ジフェニルオキサミド、N−サリチラール−N’−サリチロイルヒドラジン、N,N’−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N’−ジアセチルアジポイルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)オキサリルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジド。
【0092】
3. さらなるホスフィットおよびホスホナイト、例えば、トリフェニルホスフィット、ジフェニルアルキルホスフィット、フェニルジアルキルホスフィット、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、トリラウリルホスフィット、トリオクタデシルホスフィット、ジステアリルペンタエリトリトールジホスフィット、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィット、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−クミルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ジイソデシルオキシペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4,6−トリス(tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、トリステアリルソルビトールトリホスフィット、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル) 4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12H−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスフィット、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスフィット、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12−メチル−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、2,2’,2''−ニトリロ[トリエチルトリス(3,3'',5,5’−テトラ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスフィット]、2−エチルヘキシル(3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスフィット、5−ブチル−5−エチル−2−(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノキシ)−1,3,2−ジオキサホスフィラン。
【0093】
以下のホスフィットが特に好ましい:
トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィット(lrgafos(登録商標)168、Ciba Inc)、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、
【化4】

【0094】
4. さらなるニトロン、例えば、N−ベンジル−アルファ−フェニルニトロン、N−エチル−アルファ−メチルニトロン、N−オクチル−アルファ−ヘプチルニトロン、N−ラウリル−アルファ−ウンデシルニトロン、N−テトラデシル−アルファ−トリデシルニトロン、N−ヘキサデシル−アルファ−ペンタデシルニトロン、N−オクタデシル−アルファ−ヘプタデシルニトロン、N−ヘキサデシル−アルファ−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−アルファ−ペンタデシルニトロン、N−ヘプタデシル−アルファ−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−アルファ−ヘキサデシルニトロン、水素化タローアミンから誘導されるN,N−ジアルキルヒドロキシアミンから誘導されるニトロン。
【0095】
5. チオ相乗剤、例えば、ジラウリルチオジプロピオネートまたはジステアリルチオジプロピオネート。
【0096】
6. 過酸化物捕捉剤、例えば、β−チオジプロピオン酸のエステル、例えば、ラウリル、ステアリル、ミリスチルまたはトリデシルのエステル、メルカプトベンズイミダゾール、または2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリトリトールテトラキス(β−ドデシルメルカプト)プロピオネート。
【0097】
7. ポリアミド安定剤、例えば、銅塩とヨウ化物および/またはリン化合物との組み合わせ、および二価のマンガンの塩。
【0098】
8. 塩基性補助安定剤、例えば、メラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、トリアリルシアヌレート、ウレア誘導体、ポリアミド、ポリウレタン、高級脂肪酸のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、リシノール酸ナトリウムおよびパルミチン酸カリウム、ピロカテコール酸アンチモンまたはピロカテコール酸亜鉛。
【0099】
9. 成核剤、例えば、無機物質、例えば滑石、金属酸化物、例えば二酸化チタンまたは酸化マグネシウム、好ましくはアルカリ土類金属のリン酸塩、炭酸塩または硫酸塩; 有機化合物、例えばモノカルボン酸またはポリカルボン酸およびそれらの塩、例えば4−tert−ブチル安息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸、コハク酸ナトリウムまたは安息香酸ナトリウム; ポリマー化合物、例えばイオン性コポリマー(イオノマー)。特に好ましくは、1,3:2,4−ビス(3’,4’−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ジ(パラメチルジベンジリデン)ソルビトール、および1,3:2,4−ジ(ベンジリデン)ソルビトールである。
【0100】
10. さらなる充填剤および強化剤、例えば、炭酸カルシウム、シリケート、ガラス繊維、ガラス球、ステンレス鋼繊維、アラミド繊維、アスベスト、タルク、カオリン、マイカ、硫酸バリウム、金属酸化物および水酸化物、カーボンブラック、グラファイト、木粉および他の天然物の粉末または繊維、合成繊維。
【0101】
11. 他の添加剤、例えば、ブレンド相溶化剤、可塑剤、潤滑剤、乳化剤、顔料、流動添加剤、触媒、流れ調整剤、蛍光増白剤、防炎加工剤、帯電防止剤および膨張剤。
【0102】
12. 追加的なベンゾフラノンおよびインドリノン、例えば、米国特許明細書4325863号; 4338244号; 5175312号; 5216052号; または5252643号; DE−A−4316611号; DE−A−4316622号; DE−A−4316876号; EP−A−0589839号またはEP−A−0591102号内に開示されているもの、または3−[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−tert−ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラン−2−オン、3,3’−ビス[5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラン−2−オン]、5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラン−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(2,3−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン。
【0103】
好ましい実施態様によれば、本発明は追加的に、ポリマー安定剤および追加的な難燃剤からなる群から選択されるさらなる添加剤を含む組成物に関する。
【0104】
他の実施態様によれば、本発明は追加的に、いわゆる滴下防止剤を追加的な成分として含む組成物に関する。
【0105】
それらの滴下防止剤は、熱可塑性ポリマーの溶融流れを低減し、且つ、高温での滴下物の形成を阻止する。様々な参考文献、例えば米国特許明細書4263201号は、難燃組成物への滴下防止剤の添加について記載している。
【0106】
高温での滴下物の形成を阻止する、適した添加剤は、ガラス繊維、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、高温エラストマー、カーボン繊維、ガラス球およびその種のものを含む。
【0107】
種々の構造のポリシロキサンの添加は、様々な参考文献内で提案されている; 米国特許明細6660787号、6727302号または6730720号参照。
【0108】
本発明の好ましい実施態様によれば、組成物は追加的な難燃成分を含む。かかる追加的な難燃剤は、公知の成分、商品であるか、または公知の方法によって得られる。無ハロゲンの難燃剤が好ましい。
【0109】
好ましい実施態様によれば、組成物は、追加的な難燃成分として、以下の式によって表されるハイポホスフィン酸(hypophosphinic acid)の金属塩を含む
【化5】

【0110】
[式中、
Mは、(C1〜C4−アルキル)4N、(C1〜C4−アルキル)3NH、(C2〜C4−アルキルOH)4N、(C2〜C4−アルキルOH)3NH、(C2〜C4−アルキルOH)2N(CH32、(C2〜C4−アルキルOH)2NHCH3、(C654N、(C653NH、(C65CH34N、(C65CH33NH、NH4、アルカリ金属またはアルカリ土類金属イオン、またはアルミニウム、亜鉛、鉄またはホウ素イオンを表す;
mは、1〜3の数字であり、且つ、M上の正電荷の数を示す; 且つ
nは、1〜3の数字であり、且つ、Mm+に相当するホスフィン酸アニオンの数を示す]。
【0111】
非常に好ましい実施態様は、追加的な難燃成分として、ハイポホスフィン酸のアルミニウム塩を含む組成物に関する。
【0112】
他の代表的なリン含有難燃剤は、成分a)およびb)に関して上記で定義されたものの他に、例えば:
テトラフェニルレソルシノールジホスフィット (Fyrolflex(登録商標) RDP、Akzo Nobel)、レソルシノールジホスフェートオリゴマー (RDP)、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムスルフィド、トリフェニルホスフェート、ジエチル−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−アミノメチルホスホネート、リン酸のヒドロキシアルキルエステル、次亜リン酸(H3PO2)と適したカチオン、例えばCa2+、Zn2+またはAl3+との塩、ポリリン酸アンモニウム(APP)または(Hostaflam(登録商標) AP750)、レソルシノールジホスフェートオリゴマー (RDP)、ホスファゼン難燃剤およびエチレンジアミンジホスフェート (EDAP)である。
【0113】
窒素含有難燃剤は、例えばイソシアヌレート難燃剤、例えばポリイソシアヌレート、イソシアヌル酸のエステルまたはイソシアヌレートである。代表的な例は、ヒドロキシアルキルイソシアヌレート、例えばトリス−(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(ヒドロキシメチル)イソシアヌレート、トリス(3−ヒドロキシ−n−プロピル(proyl))イソシアヌレート、またはトリグリシジルイソシアヌレートである。
【0114】
窒素含有難燃剤は、さらには、メラミンベースの難燃剤を含む。代表的な例は、メラミンシアヌレート、メラミンボレート、ポリリン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸アンモニウムメラミンアンモニウム、ピロリン酸メラミンアンモニウムまたはリン酸ジメラミンである。
【0115】
さらなる例は、ベンゾグアナミン、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、アラントイン、グリコールウリル、リン酸ジメラミン、ウレアシアヌレート、ポリリン酸アンモニウム、メレム、メラム、メロンの系列からのメラミンの縮合生成物および/またはより高い縮合化合物、またはメラミンとリン酸との反応生成物またはそれらの混合物である。
【0116】
適した無機の難燃剤は、例えばアルミニウムトリヒドロキシド(ATH)、ベーマイト(AlOOH)、マグネシウムジヒドロキシド(MDH)、ホウ酸亜鉛、CACO3、または層状複水酸化物であって、随意に有機置換基で変性されたものを含む。
【0117】
いくつかのオルガノハロゲン難燃剤は、例えば:
ポリ臭素化ジフェニルオキシド (DE−60F、Great Lakes Corp.)、デカブロモジフェニルオキシド (DBDPO; Saytex(登録商標) 102E)、トリス[3−ブロモ−2,2−ビス(ブロモメチル)プロピル]ホスフェート (PB 370(登録商標)、FMC Corp.)、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、クロレンド酸、テトラクロロフタル酸、テトラブロモフタル酸、ポリ−β−クロロエチルトリホスホネート混合物、テトラブロモビスフェノールA ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル) (PE68)、臭素化エポキシ樹脂、エチレンビス(テトラブロモフタルイミド) (Saytex(登録商標) BT−93)、ビス(ヘキサクロロシクロペンタジエノ)シクロオクタン (Declorane Plus(登録商標))、塩素化パラフィン、オクタブロモジフェニルエーテル、ヘキサクロロシクロペンタジエン誘導体、1,2−ビス(トリブロモフェノキシ)エタン (FF680)、テトラブロモ−ビスフェノールA (Saytex(登録商標) RB100)、エチレンビス(ジブロモ−ノルボルナンジカルボキシミド) (Saytex(登録商標) BN−451)、ビス(ヘキサクロロシクロペンタジエノ(hexachlorocycloentadeno))シクロオクタン、PTFE、トリス−(2,3−ジブロモプロピル)−イソシアヌレート、およびエチレン−ビス−テトラブロモフタルイミドである。
【0118】
上述の難燃剤は、慣例的に、無機酸化物相乗剤と組み合わせられる。この使用のために最も一般的なのは、亜鉛またはアンチモン酸化物、例えばSb23またはSb25である。ホウ素化合物も適している。
【0119】
上述の追加的な難燃剤類は有利には、本発明の組成物中に、有機ポリマー基材の約0.5〜約25.0質量%の量で; 例えばポリマー成分c)の、または組成物の総質量に対して、約1.0質量%〜約20.0質量%; 例えば約5.0質量%〜約15.0質量%の量で含有される。
【0120】
上記の通り、本発明による組成物は追加的に1つまたはそれより多くの従来の添加剤、例えばポリマー分散剤、顔料、染料、可塑剤、酸化防止剤、チキソトロープ剤、レベリング助剤、塩基性補助安定剤、金属不動態化剤、金属酸化物、有機リン化合物、さらなる光安定剤、およびそれらの混合物から選択されるもの、特に顔料、フェノール系酸化防止剤、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、および/または2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンの群のUV吸収剤を含有してよい。
【0121】
適したポリマー分散剤は、ポリマー鎖および少なくとも1つのいわゆる固定基からなる。ポリマー鎖がポリマー基材内での溶解特性、並びに立体安定性を提供し、且つ、ポリマー系との適合性を決定する一方、固定基は難燃剤分子自体と結合される。
【0122】
適したポリマー分散剤は、その湿潤効果によって、固体の難燃剤分子が、分散された難燃剤粒子による粘度の上昇を防ぎ、且つ、かかる粒子の再凝縮を防ぐことを特徴とする。
【0123】
適したポリマー分散剤は、例えば商品名SMA(登録商標)樹脂(Sartomer Corp.)の元の市販品、例えば以下の一般式に相応するスチレン−マレイン酸無水物コポリマー:
【化6】

[式中、
−X−は、−O−、−NH−または−NR−を表し、前記RはC1〜C4−アルキルまたはアリール、特にフェニルを表し、mは1〜50の数字であり、且つ、nは1〜5の数字である]
、特に、SMA(登録商標)1000Pの製品である。この製品は、約1:1のモル比を有する、低分子量スチレン、マレイン酸無水物のコポリマーである。
【0124】
他の適した製品は、いわゆるスチレンマレイン酸無水物コポリマー、特に製品SMA 1000F、17352P、2000F、2000P、2625F、2625P、3000F、3000P、3840F、17352F、1440、17352H、1000H、2625H、1440H、1000Hまたは3000H、またはいわゆるスチレンマレイミド樹脂、特に製品SMA 3000I、4000Iまたは2000Iである。
【0125】
選択的な実施態様によれば、適したポリマー分散剤は、製品名Ciba(登録商標)EFKA(登録商標)の元での市販品、適した分子量範囲4000〜20000を有する「ポリマー系用加工助剤および表面改質剤」である。
【0126】
適した製品は、式
【化7】

[式中、RはC8〜C18−アルキル基を表し、nは5〜10の数字を表す]
によって表される酸基によって置換された脂肪族ポリエーテルであり、例えば製品EFKA(登録商標)8530(酸基を有する脂肪族ポリエーテル)である。他の適した製品は、
・ EFKA(登録商標)5054 (高分子量カルボン酸塩)
・ EFKA(登録商標)8462 (変性ポリアクリレート)
・ EFKA(登録商標)8530 (酸基を有する脂肪族ポリエーテル)
・ EFKA(登録商標)8531 (変性ポリエステル)
・ EFKA(登録商標)8532 (酸性ポリエーテル)
・ EFKA(登録商標)8533 (変性ポリエーテル)
・ EFKA(登録商標)8534 (部分アミドと高分子量不飽和カルボン酸塩)
・ EFKA(登録商標)8536 (ポリカルボン酸付加物、アニオン性)
である。
【0127】
組成物中に存在する分散剤の量は決定的ではなく、且つ、広い範囲に及んでよい。好ましい実施態様によれば、組成物中に存在する分散剤の量は0.05〜10.0質量%、特に0.5〜5.0質量%の濃度範囲内である。
【0128】
好ましい実施態様によれば、上記で定義された組成物用の追加的な添加剤は、加工安定剤、例えば上述のホスフィット、成分d)による上述のフェノール系酸化防止剤、および光安定剤、例えばベンゾトリアゾールからなる群から選択される。特定の加工安定剤は、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィット (IRGAFOS 168)、3,9−ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン (IRGAFOS 126)、2,2’,2''−ニトリロ[トリ−エチル−トリス(3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)]ホスフィット (IRGAFOS 12)、およびテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスホナイト (IRGAFOS P−EPQ)を含む。特定の光安定剤は、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)−フェノール (TINUVIN 234)、2−(5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(メチル)−6−(tert−ブチル)フェノール (TINUVIN 326)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール (TINUVIN 329)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(tert−ブチル)−6−(sec−ブチル)フェノール (TINUVIN 350)、2,2’−メチレン−ビス(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール) (TINUVIN 360)、および2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール (TINUVIN 1577)、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール (TINUVIN P)、2−ヒドロキシ−4−(オクチルオキシ)ベンゾフェノン (CHIMASSORB 81)、1,3−ビス−[(2’−シアノ−3’,3’−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス−{[(2’−シアノ−3’,3’−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル}−プロパン (UVINUL 3030、BASF)、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート (UVINUL 3035、BASF)、および(2−エチルヘキシル)−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート (UVINUL 3039、BASF)を含む。
【0129】
工程
上記で定義された成分の、ポリマー成分中への取り込みを、公知の方法、例えば粉末の形態で、乾式混合によって、または溶液、分散液または懸濁液の形態で、例えば不活性溶剤、水または油中での湿式混合によって行う。添加剤成分a)、b)およびd)、および随意のさらなる添加剤を、例えば成形の前または後に、または溶解または分散された添加剤または添加剤混合物をポリマー材料に適用し、次に溶剤または懸濁液/分散剤を蒸発させて、または蒸発させないで取り込むことができる。それらを加工装置、例えば押出機、密閉式混合機等内に、例えば乾燥した混合物または粉末として、または溶液または分散液または懸濁液または溶融物として、直接的に添加できる。
【0130】
添加剤成分のポリマー基材c)への添加を、慣用の混合機内で行うことができ、そこでポリマーを溶融させ、そして添加剤と混合する。適した装置は当業者に公知である。それらは主に、ミキサー、ニーダおよび押出機である。
【0131】
該工程を、好ましくは、加工の間に添加剤を導入することによって、押出機内で行うことができる。特に好ましい加工装置は、一軸スクリュー押出機、反転および順方向回転二軸スクリュー押出機、遊星歯車型押出機、リング押出機、またはコニーダである。真空を適用できる少なくとも1つのガス除去室を有して提供される加工装置を使用することも可能である。
【0132】
適した押出機およびニーダは、例えばHandbuch der Kunststoffex−trusion、Vol.1 Grundlagen、編者 F.Hensen、W.Knappe、H.Potente、1989、pp.3−7、ISBN:3−446−14339−4(Vol.2 Extrusionsanlagen 1986、ISBN 3−446−14329−7)内に記載されている。
【0133】
例えば、そのスクリュー長は、1〜60スクリュー直径、好ましくは35〜48スクリュー直径である。スクリューの回転速度は、好ましくは1分あたり10〜600回転(rpm)、好ましくは25〜300rpmである。
【0134】
最大スループットは、スクリュー直径、回転速度および駆動力に依存する。本発明の工程を、前述のパラメータを変化させることによって、あるいは供与量を供給する計量機を用いることによって、最大スループットよりも低いレベルで行うこともできる。
【0135】
複数の成分を添加する場合、それらを予め混合しても、または個々に添加してもよい。
【0136】
添加剤成分a)、b)およびd)および随意のさらなる添加剤を、ポリマー基材c)の上に噴霧することもできる。添加剤混合物は他の添加剤、例えば上記で示された従来の添加剤またはその溶融物を、その添加剤も一緒にポリマー基材上に噴霧できるように薄める。重合触媒の失活の間に噴霧によって添加することが特に有利であり、この場合、発生する蒸気を触媒の失活のために使用できる。球状に重合されたポリオレフィンの場合、例えば、本発明の添加剤を随意に他の添加剤と一緒に、噴霧によって適用することが有利であることがある。
【0137】
添加剤成分a)、b)およびd)、および随意のさらなる添加剤を、その成分を例えば約10.0質量%〜約60.0質量%、好ましくは5.0質量%〜約40.0質量%の濃度でポリマー中に取り込んで含有しているマスターバッチ(濃縮物)の形態で、ポリマーに添加することもできる。該ポリマーは、添加剤が最終的に添加されるポリマーと同一の構造である必要はない。かかる作業において、該ポリマーを粉末、顆粒、溶液、および懸濁液の形態で、またはラテックスの形態で使用できる。
【0138】
取り込みを造形作業に先だって、あるいはその間に行うことができる。ここで記載される本発明の添加剤を含有する材料は、好ましくは成形物品、例えば回転成形物品、射出成形物品、形材、およびその種のもの、特に繊維、溶融紡糸不織布、膜または発泡体の製造のために使用される。
【0139】
さらなる実施態様
本発明のさらなる実施態様は、添加剤混合物であって、
a) 少なくとも1つの式(I)の1,3,5−トリアジン化合物のポリリン酸塩であって、その際、Tは1,3,5−トリアジン化合物を表し、且つpは3より大きい数を表す; および
b) 少なくとも1つの天然または合成フィロシリケートまたはそれらの混合物; および
d) フェノール系酸化防止剤
を含む添加剤混合物に関する。
【0140】
成分a)、b)およびd)をポリマー基材c)に、成分a)について0.05〜30質量%、好ましくは0.1〜20.0質量%、成分b)について0.5〜40.0質量%、好ましくは1.0〜25質量%、および成分d)について0.01〜10.0質量%、好ましくは0.05〜5.0質量%の濃度で混和する。
【0141】
成分a):b):c)の好ましい質量比は、40:1:1〜1:2:1、好ましくは20:1:1〜1:1:1の範囲である。
【0142】
好ましい実施態様によれば、ポリリン酸成分a)とフィロシリケート成分b)との質量比は、約2:1〜20:1である。100部のポリマー基材c)は、約1〜40部の上記で定義された添加剤混合物を含有する。
【0143】
本発明のさらなる実施態様は、ポリマー基材に難燃性を付与するための方法であって、ポリマー基材に上記で定義された混合物を添加することを含む方法に関する。
【0144】
本発明の好ましい実施態様は、ポリアミドおよびコポリアミドからなる群から選択される熱可塑性ポリマー基材に難燃性を付与するための方法であって、ポリマー基材に上記で定義された添加剤混合物を添加することを含む方法に関する。
【0145】
以下の実施例によって本発明を説明する:
実施例
成分
ポリアミド6(PA6): Zytel(登録商標)7301 NC010、Dupont de Nemours International Geneve Suisse;
ステアリルベンジルジメチルアンモニウムクロリドで変性された天然モンモリロナイト粘土 (「変性粘土」): Nanofil(登録商標)、Rockwood Additives Ltd.、モースブルグ、ドイツ;
ポリリン酸メラミン: Melapur 200(登録商標)、Ciba;
トリス−(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィットとN,N’−ヘキサン−1,6−ジイル−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオンアミド]との酸化防止剤ブレンド: Ciba(登録商標)lrganox(登録商標) B1171。
【0146】
難燃性評価のための試験方法
UL94試験を、"Flammability of Plastic Materials for Parts in Devices and Appliances"、第五版、1996年10月29日、に記載された原則に従って実施する。UL 94 V試験によるランク付けを以下の表にまとめる(時間は1つの試験片について示されている):
【表1】

【0147】
標準的な手順/実施例
試料を、乾燥されたPA6(80℃、18時間および真空)、酸化防止剤ブレンド(0.25%)、および種々の濃度の有機粘土および難燃剤を機械的に混合することによって調製する。溶融コンパウンドを、一軸スクリューの研究所用押出機(Brabender PLE 330プラスチコーダー、直径: 20、L/D:25)内で行う。ホッパーからダイまでの温度設定は、220℃、230℃、240℃および250℃である。スクリューの回転速度は20rpmで維持されている。標準試験の試験片は、Arburg 320 S−800−150射出成形機(ロースブルグ、ドイツ)から得られる。バレル帯域温度を、250℃〜265℃の範囲に設定する。成形温度は80℃に保たれ、且つ、射出圧力は80barである。
【0148】
特段述べられない限り、それぞれの系列の全ての実験は、比較可能性を確実にするために同一の条件下で行われる(例えば温度プロファイル、スクリュー形状、難燃剤添加物の添加、射出成形パラメータ等)。全ての量は質量による量によって示され、且つ、難燃剤およびさらなる添加剤を含むプラスチック成形組成物に基づく。燃焼時間は、5つの試験片の燃焼時間の合計として与えられる。
【0149】
【表2】

【0150】
他の系列の実験においては、乾燥されたPA6(80℃、18時間、真空)を、酸化防止剤ブレンド(0.25%)、および種々の濃度の有機粘土(Nanofil 9)および難燃剤と共に機械的に混合することによって試料を調製する。溶融コンパウンドを、二軸スクリュー押出機Haake Rheomex PTW 16、L/D=25 (240−235−235−235−235−230 バレル/ダイ温度、および150rpm、実験 13〜14、200 rpmで)にて実施する。標準的な試料を、実施例1〜7において記載されたArburg 320 S−800−150射出成型機から得る。燃焼試験の他に、機械的特性(引っ張り強度、破断点伸び、引張係数)をISO527に従って測定する。
【0151】
【表3】

【0152】
本発明の組成物10〜14は、良好な難燃性で、改善された機械的特性(高い弾性率および引張強度)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a) 少なくとも1つの式
【化1】

[式中、
Tは1,3,5−トリアジン化合物を表し、且つ
pは3より大きい数を表す]
の1,3,5−トリアジン化合物のポリリン酸塩;
b) 少なくとも1つの天然または合成フィロシリケートまたはそれらの混合物;
c) ポリマー基材; および
d) フェノール系酸化防止剤
を含む組成物。
【請求項2】
a) 少なくとも1つの1,3,5−トリアジン化合物のポリリン酸塩(I)であって、その際、pが3より大きい数字を表し、且つ、1,3,5−トリアジン含有率はリン原子1モルあたり1,3,5−トリアジン化合物1.0モルよりも高い;
b) 少なくとも1つの層状シリケート;
c) 熱可塑性ポリマー基材; および
d) フェノール系酸化防止剤
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
a) 少なくとも1つの1,3,5−トリアジン化合物のポリリン酸塩(I)であって、その際、pが10より大きい数字を表し、且つ、1,3,5−トリアジン含有率はリン原子1モルあたり1,3,5−トリアジン化合物1.1モルよりも高い;
b) モンモリロナイト、ベントナイト、バイデライト、マイカ、ヘクトライト、サポナイト、ノントロナイト、ソーコナイト、バーミキュライト、レディカイト、マガダイト、ケニヤイト、ステベンサイト、ボルコンスコイト、ハイドロタルサイト、イライト、カオリナイト、ウォラストナイト、アタパルジャイト、滑石、およびシリカまたはそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの変性されていない層状シリケート;
c) 熱可塑性ポリマー基材; および
d) フェノール系酸化防止剤
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
a) 少なくとも1つの1,3,5−トリアジン化合物のポリリン酸塩(I)であって、その際、pが10より大きい数字を表し、且つ、1,3,5−トリアジン含有率はリン原子1モルあたり1,3,5−トリアジン化合物1.1モルよりも高い;
b) モンモリロナイト、ベントナイト、バイデライト、マイカ、ヘクトライト、サポナイト、ノントロナイト、ソーコナイト、バーミキュライト、レディカイト、マガダイト、ケニヤイト、ステベンサイト、ボルコンスコイト、ハイドロタルサイト、イライト、カオリナイト、ウォラストナイト、アタパルジャイト、滑石、およびシリカ、またはアンモニウム、アミン、ホスホニウム、スルホニウムまたはシロキサン化合物によって変性されたそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの層状シリケート;
c) 熱可塑性ポリマー基材; および
d) フェノール系酸化防止剤
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
a) 少なくとも1つの1,3,5−トリアジン化合物のポリリン酸塩(I)であって、その際、pが10より大きい数字を表し、且つ、1,3,5−トリアジン含有率はリン原子1モルあたり1,3,5−トリアジン化合物1.1モルよりも高い;
b) モンモリロナイト、ベントナイト、バイデライト、マイカ、ヘクトライト、サポナイト、ノントロナイト、ソーコナイト、バーミキュライト、レディカイト、マガダイト、ケニヤイト、ステベンサイト、ボルコンスコイトおよびハイドロタルサイトまたはそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの変性されていない層状シリケート; および
c) ポリアミドおよびコポリアミドからなる群から選択される熱可塑性ポリマー基材; および
d) オクタデシル 3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリトリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]、およびN,N’−ヘキサン−1,6−ジイル−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]からなる群から選択されるフェノール系酸化防止剤
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
難燃剤として使用するための請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
成分a):b)の質量比が、40:1:1〜1:2:1の範囲である、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
成分a):b)の質量比が、20:1:1〜1:1:1の範囲である、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
a) 少なくとも1つの式
【化2】

[式中、
Tは1,3,5−トリアジン化合物を表し、且つ
pは3より大きい数を表す]
の1,3,5−トリアジン化合物のポリリン酸塩;
b) 少なくとも1つの天然または合成フィロシリケートまたはそれらの混合物; および
d) フェノール系酸化防止剤
を含む混合物。
【請求項10】
ポリマー基材に難燃性を付与する方法であって、請求項9に記載の混合物をポリマー基材に添加することを含む方法。
【請求項11】
ポリアミドおよびコポリアミドからなる群から選択される熱可塑性ポリマー基材に難燃性を付与する方法であって、請求項9に記載の混合物をポリマー基材に添加することを含む方法。

【公表番号】特表2012−512300(P2012−512300A)
【公表日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541333(P2011−541333)
【出願日】平成21年12月9日(2009.12.9)
【国際出願番号】PCT/EP2009/066715
【国際公開番号】WO2010/069835
【国際公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】