説明

工具及び自動工具交換装置

【課題】自動交換される工具をより簡単な動作で工具軸に着脱することが可能な工具及び工具交換装置得る。
【解決手段】工具軸に結合するシャンクと刃具(砥石又はチップ)との間又は刃具の反シャンク側に、工具マガジンの工具ホルダに設けた円筒凹面又は円錐凹面に嵌合される円筒面又は円錐面を備えていることを特徴とするものである。この発明の工具は、刃具3側を下にした鉛直姿勢で工作機械の工具軸に装着され、円筒面又は円錐面を工具マガジンの工具ホルダに設けた円筒凹面又は円錐凹面に嵌合した状態で、刃具を下方にした鉛直姿勢で、工具マガジンの工具ホルダに保持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動工具交換装置(以下、「ATC」と言う)を備えた工作機械で用いる工具及びそのような工作機械のATCに関するものである。
【背景技術】
【0002】
工具を装着して回転する回転工具軸と、その工具軸に装着される工具のATCとを備えた工作機械(以下、単に「工作機械」と言う)で使用する工具は、工具軸で把持されるシャンクと、ワークを加工する刃具(砥粒ないし砥石を含む意味で用いている。)とを備えている。また、ATCは、複数の工具を収容する工具マガジンと、この工具マガジンと工具軸との間で工具を受け渡しする交換装置とを備えている。
【0003】
工具軸と工具の結合は、開閉するチャックで工具のシャンクを把持する構造と、テーパシャンクとテーパ孔の嵌合による構造が一般的である。前者の構造では、シャンクは円筒状(ストレートシャンク)であり、後者の構造では、シャンクは刃先側が太い円錐状(テーパシャンク)である。図8は、テーパシャンク21bを備えた工具2の従来の工具交換動作を模式的に示した図で、41は工具マガジンのポット(工具ホルダ)、7は工具軸1とポット41との間で工具2の受け渡しをする交換装置である。ポット41は、工具のテーパシャンク21bに嵌合する円錐凹面42を備えており、工具2は、テーパシャンク21bをこの円錐凹面42に嵌合した状態でポット41に保持される。
【0004】
図の交換装置7は、180度旋回及び軸方向に進退する旋回軸71の先端に両端にフィンガ72を備えた旋回腕73を装着した構造で、両端のフィンガ72でポット41に保持された工具の鍔28と工具軸に保持された工具の鍔28を把持して図で下動することにより、工具2、2を工具軸1及びポット41から抜き取り、180度旋回して図で上方に移動することにより、工具2、2のテーパシャンク21bを工具軸1及びポット41に挿入することによって、ポット41と工具軸1との間で工具2、2相互の交換を行うものである。
【0005】
このように、従来のATCの工具マガジンは、工具軸に把持されるシャンクの部分を工具マガジンに設けた工具ホルダで保持する(ポットタイプ)か、シャンクの根本に設けた鍔の部分を工具マガジンに設けたフィンガで保持する(フィンガタイプ)かして、交換される多数の工具を収容している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、ポットタイプのものは、工具軸と工具マガジンとの間で工具を受け渡しする交換装置が必要である。一方、フィンガタイプのものは、工具マガジンに設けた多数の工具ホルダにフィンガを設ける必要があり、工具マガジンの構造が複雑になると共に、工具交換時にフィンガの開閉が必要である。従って、ポットタイプ及びフィンガタイプのいずれも、ATCの構造が複雑になると共に、工具交換動作が複雑になるという問題がある。
【0007】
この発明は、自動交換される工具をより簡単な動作で工具軸に着脱することが可能な工具、及びそのような工具を自動交換するためのATCを得ることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の工具は、工具軸に結合するシャンク21(ストレートシャンク21a又はテーパシャンク21b)と刃具3(砥石3a又はチップ3b)とを備えた工作機械の自動交換用の工具2(2a〜2d)において、シャンク21と刃具3との間に、工具マガジンの工具ホルダ4に設けた円筒凹面48又は上方が大径となった円錐凹面42に嵌合される円筒面(以下、「保持円筒面」と言う。)38又はシャンク21側が大径で刃具3側が小径となった円錐面(以下、「保持円錐面」と言う。)22を備えていることを特徴とするものである。
【0009】
この発明の工具2は、シャンク21を工具軸のチャック(ストレートシャンクの場合)で把持するか、または工具軸のテーパ孔(テーパシャンクの場合)に嵌合して、刃具3側を下にした鉛直姿勢で工作機械の工具軸1に装着され、シャンク21と刃具3との間に設けた保持円筒面38又は保持円錐面22を工具マガジン5の工具ホルダ4に設けた円筒凹面48又は円錐凹面42に嵌合した状態で、刃具3を下方にした鉛直姿勢で、工具マガジンの工具ホルダ4に保持される。従って工具ホルダ4は、円錐凹面42の小径側に、刃具3及びこの刃具を保持しているボディ25の部分が通過可能な開口45を備えている。
【0010】
工具ホルダ4に上記のような開口45を設けることが困難なとき、すなわち、工具の刃具が大きいために円筒凹面や円錐凹面の径が実用的でないほど大径になるときは、刃具3の反シャンク側に保持円錐面を設け、この保持円錐面と工具ホルダ側の円筒凹面との嵌合により、工具ホルダに工具を保持することもできる。しかしこの構造は、工具2の軸方向長さが短いときにのみ実用可能である。
【0011】
工具ホルダ4は工具2の軸を鉛直方向にして保持するので、工具2は自重により工具ホルダ4の円筒凹面48又は円錐凹面42に嵌合して、工具ホルダ4内での工具2の位置が保持される。工具ホルダに保持された工具の軸心の位置精度や傾き精度を高くしたいときは、保持円錐面22と円錐凹面42との嵌合により工具を保持するのが好ましい。この場合には、工具ホルダ4に、工具の保持円錐面22を工具ホルダの円錐凹面42に付勢する押接具6(6a、6b)を設けるのが望ましい。
【0012】
この発明のATCは、工具軸1の工具装着端11と、工具ホルダ4の円筒凹面48の開口上端又は円錐凹面42の大径側とを対向させた状態で、工具軸1の軸方向の進退動作とその進出端における工具軸側のチャックやプルロッドなどの工具把持装置の開閉動作とにより、工具軸1と工具マガジンの工具ホルダ4との間で、この発明の工具2を直接(交換装置を介さないで)装脱することを特徴とする。
【0013】
この発明のATCは、工具軸1がその工具装着端11を下方にした鉛直姿勢で工具交換を行う工作機械に特に適している。そのような工作機械では、工具マガジンの工具ホルダ4に工具2が、その保持円筒面38又は保持円錐面22を工具ホルダの円筒凹面48又は円錐凹面42に自重により嵌合する状態で保持されるので、保持円筒面38又は保持円錐面22と円筒凹面48又は円錐凹面42との工具軸方向の嵌合長さが比較的短くても工具2を正確な鉛直姿勢で工具軸1から工具ホルダ4に受け渡すことができ、従って、工具2が工具ホルダ4に正確な姿勢で保持されるから、次にその工具を工具軸1に装着するとき、当該工具が正確に工具軸1に装着されるからである。
【0014】
この発明のATCの工具交換位置は、工具軸1の移動領域内で当該工具軸の軸心と、交換される工具を保持する工具ホルダの軸心とが正確に一致する位置に設定される。この工具交換位置は、工具軸の移動領域内の複数位置に設定することが可能である。工具マガジンに多数の工具ホルダ4を設けるときは、従来のATCと同様に、工具ホルダを工具交換位置から退避させる往復動装置や周回装置を設けてやればよい。工具軸を鉛直方向下向きにして工具交換を行う工作機械では、工具ホルダの鉛直方向上向きの姿勢を保持して往復動ないし周回移動させる構造がより好ましい。
【発明の効果】
【0015】
この発明のATCは、工具マガジンの工具ホルダ4と工作機械の工具軸1との間で工具が直接受け渡しされるため、交換装置を設けることによる機械の複雑化と、交換装置との受け渡し時に生ずる軸心位置の誤差の発生を避けることができるので、ATCの構造及び工具の交換動作を単純化することができると共に、自動交換される工具を工作機械の工具軸により正確に装着することができるという効果がある。
【0016】
この発明の工具は、工具マガジン内で、工具に設けた保持円筒面38又は保持円錐面22と工具マガジンの工具ホルダに設けた円筒凹面48又は円錐凹面42との嵌合により保持されている。保持円筒面38や保持円錐面22は、シャンク21と刃具3との間、従ってシャンク21より刃具3に近い位置に設けられているので、テーパシャンクを工具マガジンのポットに嵌合して工具を保持する従来構造と比較しても、嵌合部が刃具3に近い分だけ刃具3の位置をより正確な位置にした状態で工具が工具マガジンに保持されることとなり、しかもその工具が交換装置を介さないで直接工具軸に装着されるので、より高い精度で工具を工具軸に装着することができる。
【0017】
工具の保持円錐面22と工具ホルダの円錐凹面42との嵌合によるときは、工具マガジンの工具ホルダ4に工具2を軸心のずれや傾きのない姿勢で保持することができ、かつ工具軸1と工具ホルダ4との間で交換装置を介することなく直接工具を受け渡すことができるため、工具軸1と工具ホルダ4との間で工具2を高い精度で受け渡すことができ、従って工具軸1に装着された工具2の軸心のずれや傾きを最小限にした、高い精度での工具の装着が可能になるこの効果は、工具軸1と工具2との結合部に高い調心作用を備えさせることが困難なストレートシャンクの工具に対して特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の工具の第1実施例の側面図
【図2】図1の工具を保持する工具ホルダの断面側面図
【図3】この発明のATCの第1実施例の側面図
【図4】この発明の工具の第2実施例の側面図
【図5】図4の工具を保持する工具ホルダの断面側面図
【図6】この発明の工具とATCの第3実施例の断面側面図
【図7】この発明の工具とATCの第4実施例の断面側面図
【図8】従来の工具とATCの一例を示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、この発明の工具及びATCについて更に説明する。図1は、この発明の工具の一例を示した図で、ガラス板の孔明け及び内周縁の加工を行う砥石の例を示した図である。
【0020】
図1に示した小径砥石3aは、基本形状が細い円筒形で、その先端面31は、ガラス板を砥石軸方向に切り進む研削面とされ、当該先端面には、研削作用が発揮されない中心部がガラス板に接触するのを防止すると共に加工液を流通させるための直径方向の溝32が設けられている。砥石3aの先端部外周は、先端側が小径となる円錐面33とされ、それに続く円筒面34と、鼓形部35とを備えている。鼓形部35の両側の円錐面36、37は、くり貫いた孔の周面の表裏のエッジを斜めに削り落とす、いわゆる面取を行うための研削面となっている。
【0021】
砥石3aには、砥石軸26が一体に設けられ、その先端側がストレートシャンク21aとなっている。砥石軸26のシャンク21aと刃具となる砥石3aとの間には、シャンク側が大径で砥石側が小径となった保持円錐面22が形成されている。そして、この保持円錐面22の小径端に隣接して逆方向の、すなわちシャンク21a側が小径で砥石3a側が大径の、付勢円錐面23が形成されている。付勢円錐面23は保持円錐面22より小径で、保持円錐面22の小径端と付勢円錐面23の小径端との連接部に、保持円錐面側が大径となる段差27が形成されている。更に、付勢円錐面23の大径端に連接して、砥石3a側が小径となった案内円錐面(特許請求の範囲で言う第3円錐面)24が形成されている。
【0022】
図2は、この工具2aを保持する工具ホルダ4の断面側面図である。工具ホルダ4は、その軸心に工具2aの保持円錐面22と嵌合する円錐凹面42を備え、この円錐凹面42を上方に向けた鉛直姿勢で所定個数が工具マガジンのテーブル51にボルト52で装着されている。工具ホルダ4は、円錐凹面42の小径端に連続して貫通する開口45を備えており、この開口は、工具2aの砥石3a、案内円錐面24及び付勢円錐面23が通過可能な大きさである。更に工具ホルダ4は、円錐凹面42に保持円錐面22が嵌合した状態で工具ホルダ4に保持された工具の付勢円錐面23に対応する位置に、ばね61で付勢円錐面23に押接されるボール62を備えたボールプランジャ6aを備えている。このボールプランジャ6aは、工具ホルダ4の軸回りに120度の角度で3個設けられている。
【0023】
図示しない工作機械の回転工具軸1は、少なくとも工具交換時に、その工具装着端11を下に向けた鉛直方向を向いている。工具軸1には、工具のシャンク21を把持するコレットチャック及びその開閉装置が内蔵されている。
【0024】
工具軸1に装着された工具2aは、工具交換位置に位置決めされた空の工具ホルダ4に向けて工具軸1を軸方向に進出させ、保持円錐面22が円錐凹面42に衝突する直前の進出端で停止し、コレットチャックを開くことにより、工具ホルダ4に受け渡される。
【0025】
このとき工具の砥石3aは、開口45を通過し、ボールプランジャ6aは、案内円錐面24で押し込まれてその大径端を通過した位置で、付勢円錐面23に対向している。工具軸1から解放された工具2aは、ボールプランジャ6aが付勢円錐面23を押すことにより生ずる楔作用で、保持円錐面22が円錐凹面42に嵌合した状態で工具ホルダ4に保持される。この保持状態において、工具ホルダ4の軸心とこれに保持された工具2aの軸心とは、保持円錐面22と円錐凹面42との円錐相互の嵌合により、ずれや傾きのない状態で保持される。
【0026】
次に交換する工具を保持した工具ホルダを工具交換位置に位置決めし、工具軸1を軸方向に進出させ、工具のシャンク21aが工具軸に挿通された状態でコレットチャックを閉じ、工具軸1を上昇させることにより、工具2aが工具軸1に受け渡される。このときボールプランジャ6aは、付勢円錐面23で押し込まれてその大径端を通過した後、案内円錐面24に案内されて進出位置に戻る。工具の砥石3aは、開口45を通過して上昇する。
【0027】
図4及び図5は、上記第1実施例の変形例を示した図で、図4は工具2cを、図5は図4の工具を保持する工具ホルダ4を示した図である。この第2実施例は、第1実施例の保持円錐面22に代えて保持円筒面38を設け、円錐凹面42に代えて保持円筒面38に嵌合する円筒凹面48を設けたものである。円筒凹面48は、工具側の段差27と係合する底縁49を備えており、ボールプランジャ6aの押接力により、工具2cの保持円筒面38は、段差27と底縁49とが当接した状態で、工具ホルダ4の円筒凹面48に嵌合されて保持される。
【0028】
シャンク21aを把持する工具軸のチャックほ、挿入されたシャンクの僅かな軸ずれを修正して把持する機能を備えているのが普通であり、保持円筒面38と円筒凹面48との径差がこの許容される軸ずれの範囲内になるように保持円筒面38と円筒凹面48を精度良く加工することにより、保持円筒面38と円筒凹面48の嵌合で工具2cを工具ホルダ4に実用上十分な精度で保持することかできる。
【0029】
図6は、この発明の工具とATCの工具ホルダの第3実施例を示した図で、テーパシャンク21bと従来構造の交換装置の把持爪で工具を把持するための鍔28とを備えた工具2bにこの発明を適用した例である。第3実施例の工具2bは、工具軸のテーパ孔に嵌合するテーパシャンク21bと、装着された工具を引き上げてテーパシャンク21bと工具軸のテーパ孔とをしっかりと嵌合させるためのプルロッドを係止するフック29とを備えている。更に工具2bは、従来構造のATCでも利用できるように工具軸と工具マガジンとの間で工具を受け渡す交換装置のフィンガで保持される鍔28を備えている。3bは刃具となるチップ、25はチップ3bを固定するボディである。シャンク21b側が大径でチップ3b側が小径となる保持円錐面22は、鍔28とボディ25との間に設けられている。
【0030】
工具マガジンの周回テーブル51に装着された工具ホルダ4は、工具の保持円錐面22に嵌合する円錐凹面42を備えており、その小径側には、チップ3bとボディ25とが通過可能な開口45が貫通している。工具ホルダ4には、円錐凹面42の軸心と交差する支軸66に軸支されて巻ばね65で押接端67を円錐凹面42側に向けて付勢した押え駒6bが設けられている。この押え駒6bは、支軸66から反押接端側へと延びるレバー68を備えており、工具交換位置で図示しないアクチュエータ(エアシリンダなど)にレバー68が押動されたときに押接端67が上方へと回動し、工具ホルダ4に挿脱される工具の鍔28と押え駒6bとの干渉が回避される。
【0031】
工具軸1と工具ホルダ4との間で工具2bを受け渡すときは、押え駒6bの押接端67が上方へ回動した状態で行われ、交換動作が終了した後、前記アクチュエータが退避して、押え駒6bの押接端67が巻ばね65の付勢力により、工具ホルダ4に保持された工具の鍔28を円錐凹面42側へと押して、工具2bが工具ホルダ4から脱落するのを防止する。工具ホルダ4が工具交換位置から退避した状態で押え駒6bは巻ばね65の付勢力により常時保持した工具の保持円錐面22を工具ホルダの円錐凹面42に付勢した状態で工具を保持している。これにより、工具2bと工具ホルダ4の軸心のずれや傾きが防止され、工具ホルダ4に保持された工具が再度工具軸1に装着されてるときの工具軸1と工具2bの軸心のずれや傾きを防止することができる。
【0032】
図7は、この発明の第4実施例を示した図で、工具2dの刃具(砥石)3aが大径であるため、工具ホルダ4に砥石3aが通過可能な円筒凹面や円錐凹面を設けることができないときの例を示した図である。この例では、工具ホルダ4の構造は図2で説明したとおりの構造であり、この工具ホルダ4の円錐凹面42に嵌合する工具2dの保持円錐面22、並びに付勢円錐面23及び案内円錐面24は、砥石3aの反シャンク21a側に設けられている。保持円錐面22、付勢円錐面23及び案内円錐面24の形状及び作用は、第1実施例で説明したとおりであり、工具2dは、ボールプランジャ6aで保持円錐面22を工具ホルダの円錐凹面42に向けて付勢された状態で、ホルダ4に保持されている。
【符号の説明】
【0033】
1 工具軸
2(a〜d) 工具
3 刃具
3a 砥石
3b チップ
4 工具ホルダ
5 工具マガジン
6 押接具
6a ボールプランジャ
6b 押え駒
11 工具装着端
21 シャンク
21a ストレートシャンク
21b テーパシャンク
22 円錐面(保持円錐面)
23 付勢円錐面
25 ボディ
28 鍔
30 段部
38 円筒面(保持円筒面)
42 円錐凹面
45 開口
48 円筒凹面
61 ばね
62 ボール
65 巻ばね
66 支軸
67 押接端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転工具軸に把持されるシャンクを備えた工具において、シャンクと刃具との間にシャンク側が大径となる円錐面を備え、当該円錐面は、工具マガジンの工具ホルダに設けた円錐凹面と嵌合する形状精度及び面精度を備えている、工具。
【請求項2】
回転工具軸に把持されるシャンクを備えた工具において、シャンクと刃具との間にシャンク側が大径となる円錐面と、当該円錐面の刃具側に隣接する当該円錐面より小径で逆向きの第2円錐面と、当該第2円錐面の刃具側それらの大径端を隣接させて設けられた刃具側が小径の第3円錐面とを備えている、工具。
【請求項3】
回転工具軸に把持されるシャンクを備えた工具において、シャンクと刃具との間に円筒面を備え、当該円筒面が工具マガジンの工具ホルダに設けた円筒凹面と嵌合して当該工具ホルダに保持される、工具。
【請求項4】
回転工具軸に把持されるシャンクを備えた工具において、シャンクと刃具との間に円筒面と、当該円筒面の刃具側に隣接する当該円筒面より小径で刃具側が大径となった円錐面と、当該円錐面の刃具側でそれらの大径端を隣接させて設けられた刃具側が小径の第2円錐面とを備えている、工具。
【請求項5】
回転工具軸に把持されるシャンクを備えた工具において、刃具の反シャンク側にシャンク側が大径となる円錐面を備え、当該円錐面は、工具マガジンの工具ホルダに設けた円錐凹面と嵌合する形状精度及び面精度を備えている、工具。
【請求項6】
工具マガジンに複数の工具ホルダを備え、各工具ホルダは、請求項2記載の工具の円錐面と嵌合する円錐凹面と、この円錐凹面の小径側に前記第2円錐面より刃具側の部分が通過可能な開口と、先端が保持した工具の第2円錐面に当接して当該工具をその刃具側に付勢する押接具とを備え、工作機械の工具軸の軸心と複数の工具ホルダの1個の軸心とを同一軸線上に一致させた状態で、工具軸の当該1個の工具ホルダに向かう進退動作で工具マガジンと工作機械との間の工具の受渡を行う、工具交換装置。
【請求項7】
工具マガジンに複数の工具ホルダを備え、各工具ホルダは、請求項4記載の工具の円筒面と嵌合する円筒凹面と、この円筒凹面の小径側に前記第1円錐面より刃具側の部分が通過可能な開口と、先端が保持した工具の第1円錐面に当接して当該工具をその刃具側に付勢する押接具とを備え、工作機械の工具軸の軸心と複数の工具ホルダの1個の軸心とを同一軸線上に一致させた状態で、工具軸の当該1個の工具ホルダに向かう進退動作で工具マガジンと工作機械との間の工具の受渡を行う、工具交換装置。
【請求項8】
工具マガジンに複数の工具ホルダを備え、各工具ホルダは、請求項1ないし5のいずれかに記載の工具の円筒面又は円錐面と嵌合する円筒凹面又は円錐凹面と、この円筒凹面又は円錐凹面と、保持した工具をその刃具側に付勢する押接手段とを備え、工作機械の工具軸の軸心と複数の工具ホルダの1個の軸心とを鉛直方向の同一軸線上に一致させた状態で、工具軸の当該1個の工具ホルダに向かう進退動作で工具マガジンと工作機械との間の工具の受渡を行う、工具交換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−6246(P2013−6246A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140983(P2011−140983)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000212566)中村留精密工業株式会社 (120)
【Fターム(参考)】