説明

巻取装置

【課題】電極箔の切断に際し、バリや破片の発生を抑制でき、ひいてはこれらの発生に起因する不具合を防止することのできる巻取装置を提供する。
【解決手段】プラス電極箔5の原反40が支持手段41にて支持されており、支持手段41から回転手段20にかけてのプラス電極箔5の供給経路の途中には段差ローラ45を具備する張力付与手段42が設けられている。張力付与手段42の下流側には上下一対のチャック48を具備する電極箔供給手段47が設けられ、その下流側には切断手段91が設けられている。帯状体の巻回がほぼ完了した時点で回転手段20の回転を一旦停止させ、張力付与手段42による張力を付与し続けた状態でプラス電極箔5をチャック48で把持する。把持を維持したまま、チャック48を回転手段20の方へ移動させチャック48及び回転手段20間におけるプラス電極箔5の張力を弱めプラス電極箔5を挟み切る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば二次電池等に内蔵される巻回素子を得るための巻取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、リチウムイオン電池等の二次電池として用いられる電池素子は、プラス電極箔及びマイナス電極箔と、2枚のセパレータとからなる帯状体が巻回されることで構成されている。
【0003】
従来、帯状体を巻取るための巻取装置として、回転可能な巻芯(回転軸)に対して前記電極箔やセパレータを巻取り、巻取後において巻回された帯状体(巻回体)を前記回転軸から取り外す方法が知られている。また、巻回体の巻き圧力による巻回体の取外しに支障が生じたりするのを回避するべく、回転軸に筒状の巻芯コアを装着し、当該巻芯コアに対して帯状体を巻取り、帯状体の巻取後においては、巻芯コアごと巻回素子を取り外す、つまり、巻芯コアと帯状体とからなる巻回素子を電池素子として用いる技術も提案されている。
【0004】
いずれの手法を採用するにしても、帯状体は、ロール状に巻回された原反から供給されるものであるため、帯状体の巻取完了に際しては、各帯状体を切断する必要がある。従って、巻取装置には、各電極箔や各セパレータを切断するためのカッタが設けられるのが一般的である。このようにカッタを用いて帯状体を切断する技術としては、例えば帯状体に所定の張力を付与し、その上でカッタによる切断を行うものが提案されている(例えば、特許文献1,2等参照)。
【特許文献1】特開2002−114417号公報
【特許文献2】特開2006−69735号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、樹脂フィルムや不織布等で構成されるセパレータを切断する場合はさておき、金属製の電極箔を切断する場合において、上記のように所定の張力を付与した状態で切断を行うと、次に記すような不具合が生じてしまうおそれがある。すなわち、図9に示すように、カッタ(切断手段)91は、電極箔5の下側に位置する台座部92と、上側に位置する刃部93とを備えているとともに、刃部93を同図矢印方向に回動させることで、帯状の電極箔5を、幅方向一端側(図の左側)から他端側(図の右側)に向かって挟み切るよう構成されている。この場合において、電極箔5に所定の張力が付与されていると、図10(a)に示すように、電極箔5が所定幅切断された時点で(切断完了前の僅かに繋がっている時点で)、当該繋がっていた部分が前記所定の張力により引きちぎられてしまうおそれがある。そして、この場合には、図10(b)に示すように、引きちぎられた部位にバリBRが発生したり、破片(金属粉)HHが発生したりするおそれがある。そして、バリBRが発生した場合や、破片HHが巻回体や巻回素子中に混在した場合には、バリBRや破片HHがセパレータを突き破り、ひいては短絡等の不具合が発生することが懸念される。
【0006】
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、電極箔の切断に際し、バリや破片の発生を抑制でき、ひいてはこれらの発生に起因する不具合を防止することのできる巻取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記目的を解決するのに適した各手段につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
【0008】
手段1.軸線を中心に回転可能に構成され、自身の回転に基づき少なくとも帯状の電極箔を巻回可能な回転手段と、
少なくとも巻回中の電極箔に張力を付与する張力付与手段と、
前記電極箔を切断する切断手段と
を備えた巻取装置であって、
前記電極箔の切断に際し、それまで当該電極箔に付与されていた張力を弱める弛緩手段を設けたことを特徴とする巻取装置。
【0009】
上記手段1によれば、回転手段の回転に基づき少なくとも帯状の電極箔が巻回される。また、張力付与手段によって、少なくとも巻回中の電極箔に張力が付与される。さらに、巻回終了に際しては、電極箔は切断手段によって切断される。さて、手段1では、電極箔の切断に際し、それまで当該電極箔に付与されていた張力が弛緩手段によって弱められる。そして、張力が弱められた状態で電極箔が切断される。このため、電極箔が所定幅切断された時点、つまり切断完了前の僅かに繋がっている時点で、当該繋がっていた部分が張力によって引きちぎられてしまうといった事態を抑制することができる。そのため、引きちぎられることに起因してバリが発生したり、破片(金属粉)が発生したりするといった事態、ひいては、それによる不具合の発生を防止することができる。一方で、張力を弱めたとしても、電極箔は金属により構成され、所定の剛性(形状保持性)を具備しているため、切断に際し特段の困難を伴うこともない。
【0010】
手段2.軸線を中心に回転可能に構成され、自身の回転に基づき少なくとも帯状の電極箔を巻回可能な回転手段と、
ロール状に巻回されてなる前記電極箔の原反を支持する支持手段と、
前記電極箔を把持可能な把持部を有するとともに、前記電極箔の巻回開始に際しては、前記支持手段から延びる前記電極箔を前記把持部が把持した状態で前記回転手段の方へ供給可能な電極箔供給手段と、
前記支持手段及び前記電極箔供給手段間に設けられ、少なくとも巻回中の電極箔に張力を付与する張力付与手段と、
前記電極箔供給手段及び前記回転手段間に設けられ、前記電極箔を切断する切断手段と
を備えた巻取装置であって、
前記電極箔の切断に際しては、前記電極箔供給手段の把持部が前記電極箔を把持するとともに、当該把持部が前記回転手段の方へ移動することで、それまでの前記電極箔供給手段及び前記回転手段間における前記電極箔の張力を弱めることを特徴とする巻取装置。
【0011】
上記手段2によれば、回転手段の回転に基づき少なくとも帯状の電極箔が巻回される。また、支持手段により、ロール状に巻回されてなる電極箔の原反が支持されており、電極箔の巻回開始に際しては、支持手段から延びる電極箔は、電極箔供給手段の把持部によって把持された状態で回転手段の方へ供給される。また、少なくとも電極箔の巻回中には、支持手段及び電極箔供給手段間に設けられた張力付与手段によって、電極箔に張力が付与される。さらに、巻回終了に際しては、電極箔供給手段及び回転手段間に設けられた切断手段によって、電極箔が切断される。さて、手段2では、電極箔の切断に際しては、電極箔供給手段の把持部によって、電極箔が把持されるとともに、当該把持部が回転手段の方へ移動させられることで、それまでの電極箔供給手段及び回転手段間における電極箔の張力が弱められる。そして、張力が弱められた状態で、電極箔が切断される。このため、電極箔が所定幅切断された時点、つまり切断完了前の僅かに繋がっている時点で、当該繋がっていた部分が張力によって引きちぎられてしまうといった事態を抑制することができる。そのため、引きちぎられることに起因してバリが発生したり、破片(金属粉)が発生したりするといった事態、ひいては、それによる不具合の発生を防止することができる。一方で、張力を弱めたとしても、電極箔は金属により構成され、所定の剛性(形状保持性)を具備しているため、切断に際し特段の困難を伴うこともない。
【0012】
さらに、手段2では、切断に際し、張力付与手段によって張力が弱められるわけではなく、電極箔供給手段の把持部によって電極箔が把持されるとともに、当該把持部が回転手段の方へ移動させられることで、電極箔供給手段及び回転手段間における電極箔の張力が弱められる。このため、非常に速やかに張力を弱めることができ、ひいては、張力付与手段によって張力を弱める場合と比較して速やかな切断等を実現することができ、結果的に巻取効率の飛躍的な向上を図ることができる。しかも、把持部よりも上流側においては、電極箔に対し張力を付与し続けることができる。従って、次回の巻取り開始に際しての張力の調整に手間取るといった事態を防止できる。また、把持部による把持を継続することで、一旦把持を解除する場合に比べて、速やかに次回の巻取り開始を実現できる。その上、把握可能な移動量を適切に制御することで、切断位置の精度を飛躍的に高めることもできる。
【0013】
手段3.前記把持部が前記回転手段の方へ移動することで、それまでの前記電極箔供給手段及び前記回転手段間における前記電極箔の張力が弱められるときにおいても、前記把持部よりも上流側においては前記電極箔への張力の付与が維持されるよう構成したことを特徴とする手段2に記載の巻取装置。
【0014】
手段3によれば、切断中においても、把持部よりも上流側においては電極箔への張力の付与が維持される。そのため、次回の巻取り開始に際しての張力の調整に手間取るといった事態を防止できる。また、巻取り初期段階等における張力不足による電極箔の蛇行を防止しやすい。
【0015】
手段4.前記張力付与手段により前記電極箔に付与される張力を制御する張力制御手段を備え、
前記把持部が前記回転手段の方へ移動することで、それまでの前記電極箔供給手段及び前記回転手段間における前記電極箔の張力が弱められるときにおいても、前記張力制御手段は、前記把持部よりも上流側における前記電極箔にそれまでと同様の張力が付与され続けるよう制御することを特徴とする手段2に記載の巻取装置。
【0016】
手段4においても、手段3と同様の作用効果が奏される。特に、手段4では、切断中においても、把持部よりも上流側における電極箔にそれまでと同様の張力が付与され続ける。そのため、次回の巻取り開始に際して、張力の調整を必要としない。また、巻取り初期段階等における張力不足による電極箔の蛇行を防止することができる。
【0017】
手段5.前記把持部よりも上流側位置に、当該把持部及び電極箔のうち少なくとも一方の蛇行を修正する蛇行修正手段を備えることを特徴とする手段2乃至4のいずれかに記載の巻取装置。
【0018】
手段5によれば、把持部よりも上流側位置に設けられた蛇行修正手段により、把持部等の蛇行が修正される。かかる構成下、上述した手段3,4のように、前記切断中においても、把持部よりも上流側において電極箔への張力の付与を維持する構成を採用することで、張力低下に起因する蛇行修正を懸念する必要をなくすことができる。結果として、蛇行修正手段への負担を軽減することができる。
【0019】
手段6.前記切断手段による切断後、前記電極箔供給手段は、前記把持部による前記電極箔の把持を継続したまま、前記支持手段から延びる前記電極箔を前記回転手段の方へ供給することを特徴とする手段2乃至5のいずれかに記載の巻取装置。
【0020】
手段6によれば、切断手段による切断後、把持部による把持を継続したまま、支持手段から延びる電極箔が、電極箔供給手段によって回転手段の方へ供給される。このため、一旦把持を解除する場合に比べて、速やかに次回の巻取り開始を実現できる。結果として、巻取り効率のさらなる向上を図ることができる。
【0021】
手段7.前記電極箔は、プラス電極箔及びマイナス電極箔からなり、
当該プラス電極箔及びマイナス電極箔を、それぞれ電気絶縁性素材よりなる帯状のセパレータを介して互いに絶縁状態で巻き取るよう構成してなるとともに、
前記支持手段、前記電極箔供給手段、前記張力付与手段、及び、前記切断手段は、それぞれ前記プラス電極箔及びマイナス電極箔に対応して設けられていることを特徴とする手段2乃至6のいずれかに記載の巻取装置。
【0022】
上記手段7のように、電極箔として、プラス電極箔及びマイナス電極箔を用いるとともに、当該プラス電極箔及びマイナス電極箔を、それぞれ電気絶縁性素材よりなる帯状のセパレータを介して互いに絶縁状態で巻き取るよう構成してもよい。この場合、上述した支持手段、電極箔供給手段、張力付与手段、及び、切断手段は、それぞれプラス電極箔及びマイナス電極箔に対応して設けられていることとするのが望ましい。
【0023】
手段8.前記切断手段は、前記帯状の電極箔を、幅方向一端側から他端側に向かって挟み切るよう構成されていることを特徴とする手段1乃至7のいずれかに記載の巻取装置。
【0024】
帯状の電極箔を幅方向に亘り一度に(同時に)切断しようと構成した場合、構造上著しい複雑化を招いてしまうこととなり、実現性に乏しい。この点を鑑みると、手段8のように、切断手段としては、帯状の電極箔を、幅方向一端側から他端側に向かって挟み切るよう構成されているものが好適に用いられる。一方で、このように幅方向一端側から他端側に向かって挟み切るよう構成されていると、上述の「発明が解決しようとする課題」の項でも説明したように、あるタイミングにおいて、電極箔が所定幅切断された状態、つまり切断完了前の僅かに繋がっている状態が実際に発生しうる。従って、手段8のように構成されている場合には、あるタイミングで電極箔が所定幅切断された状態が発生しうるが、それでも引きちぎられてしまうことがなく、上述の手段1〜7がより確実に奏功するといえる。
【0025】
手段9.前記切断手段は、
台座部と刃部とを備えることで、前記帯状の電極箔を、幅方向一端側から他端側に向かって挟み切るよう構成されているとともに、
さらに、前記台座部に対し接離方向へ移動可能な押さえ部を備え、前記挟み切りに際しては、前記台座部と前記押さえ部とで前記電極箔を挟持することを特徴とする手段8に記載の巻取装置。
【0026】
手段9によれば、台座部と刃部とによって、帯状の電極箔が、幅方向一端側から他端側に向かって挟み切られる。また、台座部と、当該台座部に対し接離方向へ移動可能な押さえ部とで電極箔が挟持された上で、挟み切りが実現される。このため、電極箔の張力が相当弱められた場合でも、より確実な切断を実現することができる。
【0027】
手段10.前記電極箔の切断に際し、切断される前記電極箔の張力をゼロとすることを特徴とする手段1乃至9のいずれかに記載の巻取装置。
【0028】
手段10によれば、電極箔の切断に際し、切断される電極箔の張力がゼロとされる。このため、電極箔が引きちぎられてしまうといった事態を確実に防止できる。また、上記手段2等に関連して、張力付与手段によって張力をゼロにしようとした場合、或いは、張力付与状態に戻そうとした場合には、相当の時間を要してしまうこととなるが、把持部を移動させる構成を作用することで、張力を速やかにゼロにすることができる。さらに、上記手段9に関連して、電極箔の張力がゼロとされた場合でも、台座部と押さえ部とで電極箔を挟持することで、より一層確実な切断を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下に、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0030】
まず、本実施形態の巻取装置によって得られる巻回素子としてのリチウムイオン電池素子の構成について説明する。図1に示すように、リチウムイオン電池素子(以下、「電池素子」と称す)1は、筒状の巻芯コア2に対して、2枚のセパレータ3,4とプラス電極箔5とマイナス電極箔6とによって構成される帯状体7が巻回されることで構成されている。尚、図1においては、説明の便宜上、セパレータ3,4、プラス電極箔5、及び、マイナス電極箔6の相互の間隔をあけて示している箇所がある。
【0031】
本実施形態において、巻芯コア2は、十分な剛性を有する材料(例えば、アルミニウム等の金属素材やポリプロピレン(PP)等の樹脂素材)により形成されている。また、当該巻芯コア2は、断面非円形状(本実施形態では、断面正方形状)の挿通孔8を有している(図3等参照)。
【0032】
セパレータ3,4は、巻芯コア2の長手方向に沿った長さと同一の幅を有するものであり、異なる電極箔5,6同士が互いに接触して短絡を起こしてしまうのを防止すべく絶縁体、特に本実施形態ではPPにより構成されている。
【0033】
プラス電極箔5及びマイナス電極箔6もまた、セパレータ3,4と同様、巻芯コア2の長手方向に沿った長さとほぼ同一の幅を有するものである。本実施形態において、プラス電極箔5及びマイナス電極箔6は、金属製の薄板よりなり、その表裏両面には図示しない活物質が塗布されている。そして、当該活物質を介して、プラス電極箔5及びマイナス電極箔6間におけるイオン交換ができるようになっている。より詳しくは、充電時には、プラス電極箔5側からマイナス電極箔6側へイオンが移動し、反対に、放電時には、マイナス電極箔6側からプラス電極箔5側へとイオンが移動する。また、プラス電極箔5の幅方向一端縁からは図示しない複数の正極リードが延出するとともに、マイナス電極箔6の幅方向他端縁からは図示しない複数の負極リードが延出している。
【0034】
リチウムイオン電池を得るに際しては、前記電池素子1が金属製で筒状をなす電池容器(図示せず)内に配設されるとともに、前記正極リード及び負極リードがそれぞれまとめられる。そして、まとめられた正極リードを正極端子部品(図示せず)に接続するとともに、同じくまとめられた負極リードを負極端子部品(図示せず)に接続し、両端子部品を前記電気容器の両端開口に設けることで、リチウムイオン電池を得ることができる。
【0035】
次に、前記電池素子1を製造するための巻取装置11について説明する。図2に示すように、巻取装置11は、回転可能に設けられたターレット12を備えている。該ターレット12は、2枚の円盤状のテーブル14,15が相対向するようにして構成されており、両テーブル14,15間に跨って、回転手段20が、テーブル14,15の中心を対称中心として2つ設けられている。尚、両テーブル14,15(ターレット12)は時計回りに回転可能に構成されているとともに、両テーブル14,15が同期回転するように設定されている。これにより、各回転手段20が着脱ポジションP1及び巻取ポジションP2間を移動することができるようになっている。尚、両テーブル14,15は、180°ずつ反転可能となっていてもよい。
【0036】
図3にしたがって回転手段20の一例について説明すると、回転手段20は、軸線C方向に延び、軸線C方向一端側のテーブル14から他端側のテーブル15に向けて突出する回転軸としての巻芯21と、前記軸線C方向に延び、軸線C方向他端側のテーブル15から一端側のテーブル14に向けて突出する巻芯受け31とから構成されている。
【0037】
前記巻芯21は、全体として棒状をなしており、軸線C方向他端側に延びる基部22と、当該基部22から軸線C方向他端側に延びる装着部23と、前記基部22及び装着部23間に形成されたテーパ段差部24とから構成されている。また、基部22、装着部23、及び、テーパ段差部24の中心軸はそれぞれ前記軸線Cと一致している。
【0038】
前記基部22は、円柱状をなし、図示しない駆動手段によって、前記テーブル14に対し軸線C方向に沿って相対移動可能(出没可能)に構成されている。これにより、前記巻芯受け31に対して巻芯21が接離可能となっている。加えて、基部22は、図示しない回転駆動手段(例えば、モータ)によって、軸線Cを回転軸としてテーブル14に対して相対回転可能となっており、ひいては巻芯21全体が軸線Cを回転軸として相対回転可能となっている。すなわち、回転駆動手段は帯状体7を巻取る際の巻取動力として機能する。
【0039】
前記装着部23は、電池素子1の製造時において、前記巻芯コア2がその外周部分に装着されるものである。当該装着部23は、棒状をなすとともに、前記巻芯コア2の挿通孔8の断面形状に対応すべく断面非円形状(本実施形態では、断面正方形状)に形成されている。さらに、装着部23は、前記基部22よりも細化されており、また、装着部23の先端側面部には、軸線C方向へと延びる一対の先割れ部25が形成されている。加えて、当該先割れ部25の内周部分には、後述する受けピン33を嵌合可能な図示しない嵌合凹部が形成されている。
【0040】
一方、前記巻芯受け31は、円柱状をなす支持部32と、当該支持部32に一体形成され、軸線C方向一端側に向けて突出する受けピン33と、当該受けピン33の外周側に設けられ、先端筒状の受け部34とを備えている。尚、支持部32、受けピン33、及び、受け部34のそれぞれの中心軸は、前記軸線Cと一致している。
【0041】
前記支持部32は、前記テーブル15に対して軸線Cを回転軸として相対回転(本実施形態では、自由回転)可能、かつ、軸線C方向に相対移動不能に支持されている。
【0042】
前記受けピン33は、円柱状をなすとともに、その外周面の大部分が軸線Cと略平行となるように構成されている。当該受けピン33は、前記受け部34の内側に配設されており、また、その外径は、前記嵌合凹部の内径と同径或いは若干大径となるように構成されている。尚、受けピン33は、前記嵌合凹部への嵌合をより容易なものとすべく、その先端部分が先細り形状となっている。
【0043】
前記受け部34は、前記巻芯コア2の外径と略等しい外径を有しており、その先端面が前記巻芯コア2の一端面と当接可能な被当接面35となっている。また、受け部34と受けピン33との間の環状空間は、装着部23の先端部を収容可能な収容凹部36となっており、前記受けピン33が、前記嵌合凹部に嵌合された際には、装着部23の先端部が前記収容凹部36に収容されるようになっている。
【0044】
上記のように構成されている回転手段20にあっては、後記する着脱装置13によって、装着部23に巻芯コア2が取付けられる。そして、基部22を軸線C方向に沿って他端側(テーブル15側)へと相対移動させることで、受けピン33が前記嵌合凹部に嵌合されるとともに、受け部34の収容凹部36に対して装着部23の先端部が挿入される。このとき、装着部23の先端部が受けピン33によって外周側へ広げられることとなり、ひいては巻芯コア2の他端部が前記装着部23によって内周側から保持されることとなる。併せて、巻芯コア2の一端部が、前記テーパ段差部24に当接・保持されることとなる。さらに、巻芯コア2の他端の当接面が、受け部34の被当接面35に当接する。このようにして巻芯コア2が、回転手段20に装着される。
【0045】
説明を図2の巻取装置11に戻す。前記2つの回転手段20が、前記ターレット12の回動により、着脱ポジションP1(図の右側位置)と、巻取ポジションP2(図の左側位置)との間を移動可能である点については上述したが、本実施形態では、着脱ポジションP1に対応して、後述する巻芯コア2の取付及び電池素子1の取外を行うための着脱装置13が設けられている。
【0046】
また、巻取ポジションP2は、前記巻芯コア2に対し帯状体7を巻回するポジションであって、当該巻取ポジションP2に対応して、帯状体7を供給するための帯状体供給機構が設けられている。より具体的には、帯状体供給機構は、2枚のセパレータ3,4をそれぞれ巻取ポジションP2に位置する回転手段20の方へ供給するセパレータ供給機構と、プラス電極箔5を回転手段20の方へ供給するプラス電極箔供給機構と、マイナス電極箔6を回転手段20の方へ供給するマイナス電極箔供給機構とを備えている(図2においてはいずれも図示を省略する)。いずれの供給機構も、ロール状に巻回された原反から帯状体7(セパレータ3,4や電極箔5,6)を引き出して、回転手段20の方へ供給することができるよう構成されているが、ここでは、プラス電極箔供給機構及びマイナス電極箔供給機構等の構成に特徴があるので、次には、プラス電極箔供給機構を代表例として、図4を参照しつつ、詳細を説明することとする。
【0047】
プラス電極箔供給機構の最上流側においては、プラス電極箔5がロール状に巻回された原反40が、支持手段41にて自由回転可能に支持されている。当該支持手段41から回転手段20にかけてのプラス電極箔5の供給経路の途中には、張力付与手段42が設けられている。当該張力付与手段42は、一対のローラ43,44と、両ローラ43,44間に設けられた段差ローラ45とを具備している。また、本実施形態では、当該段差ローラ45によるプラス電極箔5への張力を制御する張力制御手段46が設けられている。
【0048】
また、プラス電極箔5の供給経路の途中において、前記張力付与手段42の下流側(回転手段20側)には、電極箔供給手段47が設けられている。電極箔供給手段47は、把持部としての上下一対のチャック48を具備している。電極箔供給手段47は、当該チャック48を開閉可能に支持するとともに、前記プラス電極箔5の供給経路に沿ってチャック48を上流側及び下流側へと移動可能に構成されている。本実施形態では、前記電極箔供給手段47により、弛緩手段が構成されている。
【0049】
さらに、プラス電極箔5の供給経路の途中において、前記電極箔供給手段47の下流側(回転手段20側)には、プラス電極箔5を切断する切断手段91が設けられている。上記従来の技術の欄でも説明したとおり、切断手段91(図9参照)は、プラス電極箔5の下側に位置する台座部92と、上側に位置する刃部93とを備えている。そして、刃部93を図9の矢印方向に回動させることで、プラス電極箔5を、幅方向一端側(図の左側)から他端側(図の右側)に向かって挟み切るよう構成されている。
【0050】
以上がプラス電極箔供給機構の説明であるが、マイナス電極箔6を回転手段20の方へ供給するマイナス電極箔供給機構についても上記と同様の構成を具備している。また、セパレータ供給機構についても、基本的には上記と同様の構成を具備している。尚、本実施形態では、前記巻取ポジションP2に対応して、図示しないセパレータ固着手段が設けられている。セパレータ固着手段は、巻回の初期段階において、例えば、熱溶着により、セパレータ3,4の先端部分を巻芯コア2の表面に対し取着可能に構成されている。勿論、単に接着テープ等を用いてセパレータ3,4の先端部分を巻芯コア2の表面に対し貼付ける構成であっても差し支えない。
【0051】
次に、上述した巻取装置11を用いて、電池素子1を製造するための方法について、特に、電極箔(プラス電極箔5)の供給に着目しつつ説明する。
【0052】
まず、ターレット12を時計回りに半回転させることで、一方の回転手段20を着脱ポジションP1へと移動させる。このとき、他方の回転手段20は巻取ポジションP2に位置することとなる。例えば、それまで巻取ポジションP2に位置しており帯状体7の巻回がほぼ完了した回転手段20が、着脱ポジションP1へと移動させられる。一方、それまで着脱ポジションP1に位置しており新たな巻芯コア2の装着された回転手段20が巻取ポジションP2へと移動させられる。
【0053】
かかる巻取ポジションP2に位置する回転手段20においては、巻芯コア2が装着されているのであるが、当初、当該巻芯コア2には何も巻き付けられていない。この状態において、先ず上述したセパレータ固着手段により、セパレータ3,4の先端部分が巻芯コア2の表面に対し取着固定される。
【0054】
続いて、当該巻取ポジションP2においては、回転手段20(巻芯21)の回転が行われる。そして、所定タイミングが到来したならば、プラス電極箔供給機構及びマイナス電極箔供給機構の各電極箔供給手段47が作動させられ、各電極箔5,6が巻芯コア2の方に向けて供給される。より詳しくは、それまで前記チャック48によって先端部が把持された各電極箔5,6が、前記チャック48が移動させられることで、巻芯コア2の方に向けて供給される。これにより、プラス電極箔5及びマイナス電極箔6が、それぞれ各セパレータ3,4を介して互いに絶縁状態で巻き取られることとなる。
【0055】
帯状体7の巻回がほぼ完了したならば、プラス電極箔5及びマイナス電極箔6を前記切断手段91で切断するとともに、セパレータ3,4についても切断する。そして、切断された残りの帯状体7が完全に巻き取られ、外周側のセパレータ3,4に関しテープ止めが施されることで巻取が完了する。その後、前記回転手段20等を着脱ポジションP1へと移動させた上で、巻芯21を巻芯受け31から離間する方向へと相対移動させ、前記受けピン33を嵌合凹部から抜き外すことで、装着部23による巻芯コア2の保持力が解除されることとなる。その上で、帯状体7の巻回された巻芯コア2を、巻芯コア2ごと装着部23から取り外すことで電池素子1が得られる。
【0056】
ここで、前記プラス電極箔5及びマイナス電極箔6の前記切断手段91による切断の過程をより詳細に説明する。但し、ここではプラス電極箔5を例にとって説明することとする。まず、帯状体7の巻回がほぼ完了し、所定のタイミングが到来した時点で、図5に示すように、回転手段20の回転を一旦停止させる。このとき、同図矢印で示したように、プラス電極箔5には、前記張力付与手段42によって所定の張力が付与され続けている。そして、前記チャック48を作動させ、プラス電極箔5をチャック48で把持する。
【0057】
次に、図6に示すように、前記チャック48による把持を維持したまま、当該チャック48を回転手段20の方へ移動させる。これにより、それまでのチャック48(電極箔供給手段47)及び回転手段20間におけるプラス電極箔5の張力が弱められる。本実施形態では張力がゼロとされる。但し、このようにチャック48が移動した場合においても、チャック48よりも上流側においてはプラス電極箔5への張力の付与が維持される。より具体的には、チャック48よりも上流側におけるプラス電極箔5には、それまでと同じ張力が付与され続ける。
【0058】
そして、この状態を維持したまま、図7に示すように、切断装置91を作動させる。すなわち、刃部93を回動(下動)させることで、プラス電極箔5を、幅方向一端側から他端側に向かって挟み切る。このとき、プラス電極箔5が所定幅切断された状態、つまり切断完了前の僅かに繋がっている状態というのが生じうるが、本実施形態では、当該部分における張力が弱められて(ゼロとなって)いるので、前記繋がっていた部分が張力によって引きちぎられてしまうといった事態が起こらない。一方で、張力が弱められていても、プラス電極箔5は金属板により構成され、所定の剛性(形状保持性)を具備しているため、切断に際し特段の困難を伴うこともなく、安定した切断が実現できる。
【0059】
尚、本実施形態では、切断手段91による切断後においても、前記チャック48によるプラス電極箔5の把持が継続される。そして、次回の巻回に際し、当該チャック48にて把持されたまま、所定の張力が付与されている状態で、プラス電極箔5が回転手段20の方へと供給される。
【0060】
以上詳述したように、本実施形態によれば、切断に際し、プラス電極箔5(マイナス電極箔6)が所定幅切断された状態、つまり切断完了前の僅かに繋がっている状態というのが生じうるが、当該部分における張力が弱められて(ゼロとなって)いるので、前記繋がっていた部分が張力によって引きちぎられてしまうといった事態が起こらない。そのため、引きちぎられることに起因してバリが発生したり、破片(金属粉)が発生したりするといった事態、ひいては、それによる不具合の発生を防止することができる。一方で、張力を弱めたとしても、両電極箔5,6は、所定の剛性(形状保持性)を具備しているため、切断に際し特段の困難を伴うこともない。
【0061】
さらに、本実施形態では、切断に際し、張力付与手段42によって張力が弱められるわけではなく、電極箔供給手段47のチャック48によって電極箔5,6が把持されるとともに、当該チャック48が回転手段20の方へ移動させられることで、チャック48及び回転手段20間における電極箔5,6の張力が弱められる。このため、レスポンス良く、非常に速やかに張力を弱めることができ、ひいては、張力付与手段42によって張力を弱める場合と比較して速やかな切断等を実現することができ、結果的に巻取効率の飛躍的な向上を図ることができる。
【0062】
しかも、本実施形態では、チャック48よりも上流側においては、電極箔5,6に対し張力を付与し続けられる。従って、次回の巻取り開始に際しての張力の調整に手間取るといった事態を防止できる。また、上記のとおり次回の巻回までチャック48による把持を継続することとしているため、一旦把持を解除してしまう場合に比べて、速やかに次回の巻取り開始を実現できる。また、巻取り初期段階等における張力不足による電極箔5,6の蛇行を防止することができる。
【0063】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0064】
(a)上記実施形態では、切断手段91を、台座部92と刃部93とにより構成することとしている。これに対し、図8(a),(b)に示すように、台座部92及び刃部93に加え、さらに、前記台座部92に対し接離方向へ移動可能な押さえ部94を備えるよう構成し、「挟み切り」に際しては、台座部92と押さえ部94とで電極箔5を挟持することとしてもよい。このように構成することで、電極箔5の張力が相当弱められた場合でも、あるいは、電極箔5がより柔軟な素材により構成された場合であっても、より確実な切断を実現することができる。
【0065】
(b)上記実施形態では特に言及しなかったが、前記チャック48よりも上流側位置に、当該チャック48の蛇行や、電極箔5,6の蛇行を修正する蛇行修正手段を備えることとしてもよい。かかる構成下、上述した実施形態のように、切断中においても、チャック48よりも上流側において電極箔5,6への張力の付与を維持する構成を採用することで、張力低下に起因する蛇行修正を懸念する必要をなくすことができる。結果として、蛇行修正手段への負担を軽減することができる。
【0066】
(c)上記実施形態では、電池素子1が、巻芯コア2を具備する場合について具体化されているが、当該巻芯コア2を有しないタイプの電池素子を得る場合について具体化することとしてもよい。
【0067】
(d)上記実施形態における回転手段20はあくまでも一例であって、他の構成を採用してもよいことは言うまでもない。例えば、上記例では受けピン33は支持部32と一体化して形成されているが、受けピン33を支持部32とは別体で設け、受けピン33を支持部32に対して軸線C方向に沿って移動(出没)可能に構成することとしてもよい。また、上記(c)を勘案すれば、セパレータ3,4の挿通されるスリットを有する巻芯が、回転手段を構成することとしてもよい。
【0068】
(e)上記実施形態では、巻取装置11によって、リチウムイオン電池の電池素子1が製造されているが、巻取装置11によって製造される巻回素子はこれに限定されるものではなく、例えば、電解コンデンサの巻回素子等を製造することとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】一実施形態における電池素子の構成を示すための断面模式図である。
【図2】巻取装置を示す正面模式図である。
【図3】回転手段等を示す斜視図である。
【図4】(プラス)電極箔供給機構の概略構成を示す模式図である。
【図5】(プラス)電極箔の切断に際しての手順を説明する要部模式図である。
【図6】(プラス)電極箔の切断に際しての手順を説明する要部模式図である。
【図7】(プラス)電極箔の切断に際しての手順を説明する要部模式図である。
【図8】(a),(b)は別の実施形態における切断手段等の構成を説明する模式図である。
【図9】切断手段の構成を説明するための部分斜視図である。
【図10】従来技術の不具合を説明する模式図であって、(a)は、電極箔が所定幅切断された状態を示す図であり、(b)は、繋がっていた部分が張力によって引きちぎられてしまった状態を示す図である。
【符号の説明】
【0070】
1…巻回素子としての電池素子、3,4…セパレータ、5…プラス電極箔、6…マイナス電極箔、7…帯状体、11…巻取装置、20…回転手段、40…原反、41…支持手段、42…張力付与手段、45…段差ローラ、46…張力制御手段、47…弛緩手段を構成する電極箔供給手段、48…把持部としてのチャック、91…切断手段、92…台座部、93…刃部、94…押さえ部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線を中心に回転可能に構成され、自身の回転に基づき少なくとも帯状の電極箔を巻回可能な回転手段と、
少なくとも巻回中の電極箔に張力を付与する張力付与手段と、
前記電極箔を切断する切断手段と
を備えた巻取装置であって、
前記電極箔の切断に際し、それまで当該電極箔に付与されていた張力を弱める弛緩手段を設けたことを特徴とする巻取装置。
【請求項2】
軸線を中心に回転可能に構成され、自身の回転に基づき少なくとも帯状の電極箔を巻回可能な回転手段と、
ロール状に巻回されてなる前記電極箔の原反を支持する支持手段と、
前記電極箔を把持可能な把持部を有するとともに、前記電極箔の巻回開始に際しては、前記支持手段から延びる前記電極箔を前記把持部が把持した状態で前記回転手段の方へ供給可能な電極箔供給手段と、
前記支持手段及び前記電極箔供給手段間に設けられ、少なくとも巻回中の電極箔に張力を付与する張力付与手段と、
前記電極箔供給手段及び前記回転手段間に設けられ、前記電極箔を切断する切断手段と
を備えた巻取装置であって、
前記電極箔の切断に際しては、前記電極箔供給手段の把持部が前記電極箔を把持するとともに、当該把持部が前記回転手段の方へ移動することで、それまでの前記電極箔供給手段及び前記回転手段間における前記電極箔の張力を弱めることを特徴とする巻取装置。
【請求項3】
前記把持部が前記回転手段の方へ移動することで、それまでの前記電極箔供給手段及び前記回転手段間における前記電極箔の張力が弱められるときにおいても、前記把持部よりも上流側においては前記電極箔への張力の付与が維持されるよう構成したことを特徴とする請求項2に記載の巻取装置。
【請求項4】
前記張力付与手段により前記電極箔に付与される張力を制御する張力制御手段を備え、
前記把持部が前記回転手段の方へ移動することで、それまでの前記電極箔供給手段及び前記回転手段間における前記電極箔の張力が弱められるときにおいても、前記張力制御手段は、前記把持部よりも上流側における前記電極箔にそれまでと同様の張力が付与され続けるよう制御することを特徴とする請求項2に記載の巻取装置。
【請求項5】
前記把持部よりも上流側位置に、当該把持部及び電極箔のうち少なくとも一方の蛇行を修正する蛇行修正手段を備えることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の巻取装置。
【請求項6】
前記切断手段による切断後、前記電極箔供給手段は、前記把持部による前記電極箔の把持を継続したまま、前記支持手段から延びる前記電極箔を前記回転手段の方へ供給することを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の巻取装置。
【請求項7】
前記電極箔は、プラス電極箔及びマイナス電極箔からなり、
当該プラス電極箔及びマイナス電極箔を、それぞれ電気絶縁性素材よりなる帯状のセパレータを介して互いに絶縁状態で巻き取るよう構成してなるとともに、
前記支持手段、前記電極箔供給手段、前記張力付与手段、及び、前記切断手段は、それぞれ前記プラス電極箔及びマイナス電極箔に対応して設けられていることを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載の巻取装置。
【請求項8】
前記切断手段は、前記帯状の電極箔を、幅方向一端側から他端側に向かって挟み切るよう構成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の巻取装置。
【請求項9】
前記切断手段は、
台座部と刃部とを備えることで、前記帯状の電極箔を、幅方向一端側から他端側に向かって挟み切るよう構成されているとともに、
さらに、前記台座部に対し接離方向へ移動可能な押さえ部を備え、前記挟み切りに際しては、前記台座部と前記押さえ部とで前記電極箔を挟持することを特徴とする請求項8に記載の巻取装置。
【請求項10】
前記電極箔の切断に際し、切断される前記電極箔の張力をゼロとすることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の巻取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−249176(P2009−249176A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−103034(P2008−103034)
【出願日】平成20年4月11日(2008.4.11)
【出願人】(000106760)シーケーディ株式会社 (627)
【Fターム(参考)】