説明

巻回型電気化学デバイス及びその製造方法

【課題】 巻回後の形状がフラットであり且つ十分な容量を有する薄型の巻回型電気化学デバイスを提供すること。
【解決手段】 正極20、セパレータ40及び負極10の積層構造を含む積層部材3を巻回してなる巻回体1を備え、正極20及び負極10はそれぞれ、集電体の両面に活物質層を形成した構造を有し、巻回体1は中心部に空隙を有し、巻回体1の最内周部分における湾曲部の最小曲率半径Rが下記式(1);
R=α×(T+2T) (1)
[Rは巻回体の最内周部分の湾曲部の最小曲率半径(単位:μm)、αは3.33〜7.12の範囲内の数値、Tは巻回体の最内周に位置する電極の集電体の厚み(単位:μm)、Tは巻回体の最内周に位置する電極の活物質層の厚み(単位:μm)を示し、Tは8〜30の範囲内の数値(単位:μm)である。]
で表される条件を満たす、巻回型電気化学デバイス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巻回型電気化学デバイス及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、巻回型電気化学デバイスには、長尺の電極を平坦に巻き上げた、長円又は平坦な「平型巻回体」を用いる形式がある(下記特許文献1〜4参照)。この態様では、平坦部分で電極の積層構造を実現すると共に、巻き上げ時の折り曲げ部分で電極の機械的な強度を維持し、変形を抑えることができる。また、巻回後の形状がフラットであることから使用スペースの点で有利である。しかし、電極には特定厚みを有するリードの接続が必須であり、これにより有意にフラット形状を得ることは困難である。
【0003】
こうした問題に対し、確実にフラット形状を得るために、巻回体の中心部に内側に凸となる構造を与えることによってリードによって生じるふくらみを吸収することが提案されている(下記特許文献5参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2007−194130号公報
【特許文献2】特開2006−286431号公報
【特許文献3】特開2000−67907号公報
【特許文献4】特開2001−345115号公報
【特許文献5】特開2003−109869号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献5に記載されたように巻回体の中心部に空間を設けた場合、その空間を担保する部分(すなわち、電極の湾曲部分)に対して、空間の変形に伴う機械的なストレスが加わり、電気化学デバイスの特性自体にも悪影響を及ぼす場合があることを本発明者らは見出した。
【0006】
また、電極を形成する集電体や活物質層の厚さが薄い場合には特に、巻回体の湾曲部に加わる機械的なストレスに電極が耐えられず、電極の欠けや割れが生じて電気化学デバイスの容量が低下したり、巻回体にゆがみが生じてフラットな形状が得られないといった問題が生じやすい。
【0007】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、巻回後の形状がフラットであり、且つ、十分な容量を有する薄型の巻回型電気化学デバイス及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、正極、セパレータ及び負極の積層構造を含む積層部材を巻回してなる扁平状の巻回体を備え、上記正極及び上記負極はそれぞれ、集電体の両面に活物質層を形成した構造を有しており、上記巻回体は中心部に空隙を有しており、上記巻回体の最内周部分における湾曲部の最小の曲率半径をRとした場合に、上記Rが下記式(1);
R=α×(T+2T) (1)
[式中、Rは上記巻回体の最内周部分における湾曲部の最小曲率半径(単位:μm)を示し、αは3.33〜7.12の範囲内の数値を示し、Tは上記巻回体の最内周に位置する電極の集電体の厚み(単位:μm)を示し、Tは上記巻回体の最内周に位置する電極の活物質層の厚み(単位:μm)を示す。但し、Tは8〜30の範囲内の数値(単位:μm)である。]
で表される条件を満たす、巻回型電気化学デバイスを提供する。
【0009】
かかる巻回型電気化学デバイスによれば、巻回体の中心部に空隙を有するとともに、その空隙を画成する最内周部分の湾曲部の最小曲率半径Rを上記所定の関係式を満たすものとすることにより、湾曲部における電極への機械的ストレスを、当該電極における集電体及び活物質層の厚さで耐えられるレベルに抑えることができ、電極の折れ曲がりによる割れや欠けの発生を防ぎ、十分な容量を得ることができるとともに、ゆがみのないフラットな形状を得ることができる。
【0010】
なお、本発明の巻回型電気化学デバイスは、巻回体の最内周に位置する電極における活物質層の厚み(T)が、従来の巻回型電気化学デバイスと比較して薄いことも特徴の一つとしている。このような薄型の電極を用いて巻回型電気化学デバイスを形成した場合、巻回体の湾曲部で電極の欠けや割れが生じやすいため、一般的には板状の電極を積層した積層型電気化学デバイスの構造が採用される。これに対し、本発明によれば、薄型の電極を用いる場合において、上記湾曲部の最小曲率半径Rを上記所定の関係式を満たすものとすることにより、巻回体の湾曲部で電極の欠けや割れの発生を抑制し、十分な容量を有する薄型の巻回型電気化学デバイスを得ることができる。
【0011】
また、本発明の巻回型電気化学デバイスは、上記巻回体をその側面に平行な面で切断した断面における、上記巻回体の最内周に位置する電極の集電体の中心線を結んで描かれる繭型形状において、上記巻回体の短軸方向に平行な第1の直線と上記繭型形状における湾曲部との接点を点Aとし、上記第1の直線に平行な直線であって、上記巻回体の巻き始め部よりも上記第1の直線側で上記繭型形状と2つの交点で交差し、その2つの交点間の距離が最大となる上記第1の直線から最も近い直線を第2の直線とした場合の、該第2の直線と上記繭型形状との2つの交点をそれぞれ点B及び点Cとし、上記第1の直線に垂直且つ上記点Aを通る直線と、上記第2の直線との交点を点Oとし、OA間の距離をD(単位:μm)、OB間の距離をD(単位:μm)、OC間の距離をD(単位:μm)とした場合、(D−D)の値及び(D−D)の値がいずれも±5μm以下であることが好ましい。
【0012】
上記(D−D)の値及び(D−D)の値は、巻回体における湾曲部の均一性の程度を表すものであり、これらの値が大きくなるほど湾曲部の形状がいびつであることを意味する。湾曲部の形状がいびつであると、局部的に機械的ストレスが加わりやすく、電極の割れや欠けが生じやすくなる。これに対し、上記(D−D)の値及び(D−D)の値をいずれも±5μm以下の範囲内とすることにより、湾曲部に加わる機械的ストレスが十分に均一化され、電極の割れや欠けの発生をより十分に抑制することができる。
【0013】
本発明はまた、正極、セパレータ及び負極の積層構造を含む積層部材を準備する積層部材準備工程と、断面が繭型形状の芯材に上記積層部材を巻回して扁平状の巻回体を形成する巻回工程と、を有し、上記芯材として、上記繭型形状における湾曲部の最小の曲率半径をRとした場合に、上記Rが下記式(2);
=α×(T+2T) (2)
[式中、Rは上記繭型形状における湾曲部の最小曲率半径(単位:μm)を示し、αは3.33〜7.12の範囲内の数値を示し、Tは上記巻回体の最内周に位置する電極の集電体の厚み(単位:μm)を示し、Tは上記巻回体の最内周に位置する電極の活物質層の厚み(単位:μm)を示す。但し、Tは8〜30の範囲内の数値(単位:μm)である。]
で表される条件を満たす芯材を用いる、巻回型電気化学デバイスの製造方法を提供する。
【0014】
かかる巻回型電気化学デバイスの製造方法によれば、上記湾曲部の最小曲率半径Rが上記所定の関係式を満たす芯材を用いることにより、上述した本発明の巻回型電気化学デバイスを効率的に且つ確実に製造することができる。上記芯材を用いて電極を巻回することにより、芯材を引き抜いた後の巻回体における最内周部分の湾曲部の最小曲率半径Rも、上記式(1)の条件を満たすものとなる。したがって、本発明の巻回型電気化学デバイスの製造方法によれば、薄型の電極を用いる場合において、巻回体の湾曲部における電極の折れ曲がりによる割れや欠けの発生が抑制され、十分な容量を有するとともに、ゆがみのないフラットな形状を有する巻回型電気化学デバイスを得ることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、巻回後の形状がフラットであり、且つ、十分な容量を有する薄型の巻回型電気化学デバイス及びその製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
【0017】
(巻回型電気化学デバイス)
本発明の好適な一実施形態に係る巻回型電気化学デバイスは、正極、セパレータ及び負極の積層構造を含む積層部材を巻回してなる扁平状の巻回体を備えるものである。ここで、図1は、巻回型電気化学デバイスを構成する巻回体の一実施形態を示す斜視図である。図1に示すように、巻回体1は、帯状の積層部材3を巻き始め部1cから扁平状に巻回して巻き終わり部1dを巻き止めテープ5で止めた構造を有している。
【0018】
また、巻回体1の最内周部分は、2つの湾曲部1aと、2つの湾曲部1a同士をつなぐ2つの長辺部1bとを有しており、湾曲部1a及び長辺部1bにより空隙部Sが画成されている。この空隙部Sは、巻回体1をその側面(空隙部Sの開口部を有する面)に平行な面で切断した断面形状が、図1に示されるように繭型形状となっている。但し、巻回体1の最内周部分は、積層部材3の巻き始め部1cに段差を有している。この空隙部Sは、電解質溶液を保持するとともに、リード厚みによる膨れを吸収することができる。
【0019】
ここで、図2は積層部材3の積層構造を示す模式断面図である。図2に示すように、積層部材3は、帯状の正極20、帯状のセパレータ40、帯状の負極10及び帯状のセパレータ40をこの順で積層した構造を有している。また、正極20は、正極集電体22の両面に正極活物質層24を積層した構造を有しており、負極10は、負極集電体12の両面に負極活物質層14を積層した構造を有している。なお、本実施形態においては、積層部材3の正極20が巻回体1の中心側となるように巻回されている。
【0020】
また、巻回体1において、正極集電体22及び負極集電体12のそれぞれには正極リード及び負極リードが電気的に接続されている。そして、上記のような構造を有する巻回体1が電解質溶液とともに外装体内に収容され、正極リード及び負極リードが外装体の外部にまで伸びた状態で封止されて、巻回型電気化学デバイスが形成される。
【0021】
巻回体1において、長軸方向(巻回体1をその側面に平行な面で切断した繭型断面における長軸方向)の長さLは16〜18mm程度であり、短軸方向(上記長軸方向に垂直な方向)の長さHは1.0〜1.3mm程度であり、幅Wは13.5〜15.0mm程度である。また、巻回体1の中心に形成される空隙部Sの短軸方向の長さTは0.4〜0.8mm程度である。
【0022】
図3は、巻回体1における最内周に位置する電極(正極20)の要部構成を示す模式断面図である。図3に示すように、巻回型電気化学デバイスにおいて、巻回体1の最内周部分における湾曲部1aの最小の曲率半径をRとした場合に、上記Rは下記式(1);
R=α×(T+2T) (1)
[式中、Rは上記巻回体の最内周部分における湾曲部の最小曲率半径(単位:μm)を示し、αは3.33〜7.12の範囲内の数値を示し、Tは上記巻回体の最内周に位置する電極の集電体の厚み(単位:μm)を示し、Tは上記巻回体の最内周に位置する電極の活物質層の厚み(単位:μm)を示す。但し、Tは8〜30の範囲内の数値(単位:μm)である。]
で表される条件を満たしていることが必要である。
【0023】
巻回体1の最内周部分は2つの湾曲部1aを有しているが、上記Rは2つの湾曲部1aのうちの最小値である。なお、図1に示すような巻回体1においては、通常、積層部材3の巻き始め部1cから最初の(図中の左側の)湾曲部1aの曲率半径が最小曲率半径Rとなる。また、1つの湾曲部1a内で曲率半径が変動している場合、そのうちの最小の曲率半径が最小曲率半径Rとなる。
【0024】
Rが上記式(1)で表される条件を満たしているか否かは、巻回型電気化学デバイスのR、T及びTの値を測定し、それらの値を上記式(1)に代入して求められるαの値が3.33〜7.12の範囲内であるか否かで判定することができる。算出されるαの値が3.33未満の場合、活物質層の欠けや割れ、脱落等が生じやすく、容量が低下する。一方、αの値が7.12を超える場合、湾曲部1aで巻回体1の強度を担保することが困難となり、巻回体1全体のゆがみが生じやすくなるとともに、内側へのゆがみが大きくなってフラット形状にすることが困難となる。なお、こうした問題の発生をより十分に抑制する観点から、算出されるαの値の範囲は3.50〜7.00であることが好ましく、3.60〜6.80であることがより好ましい。
【0025】
また、上記Tの値は8〜30(単位:μm)であるが、この値が8未満であると、活物質層の未塗布部分の発生が顕著となり、ピンホール等が生じて電極特性が低下し、30を超えると、電極切断時の欠けなどから容量の低下が顕著となる。こうした問題の発生をより十分に抑制する観点から上記Tの値は10〜25であることが好ましい。
【0026】
上記Tの値は、上記式(1)の条件を満たすものであれば特に制限されないが、ゆがみの抑制、電極の欠けや割れの抑制及び体積容量の向上等の観点から、15〜40であることが好ましく、20〜30であることがより好ましい。
【0027】
上記Rの値の範囲は、上記α、T及びTの値により決定される。
【0028】
また、巻回型電気化学デバイスにおいて、巻回体1は下記の条件を満たす形状を有するものであることが好ましい。ここで、図4は、図3に示した巻回体1の要部断面において、集電体(正極集電体22)の中心線CLを結んで描かれる繭型形状7の要部を示す図である。図4に示すように、巻回体1の短軸方向に平行な第1の直線Xと繭型形状7における湾曲部1eとの接点を点Aとし、第1の直線Xに平行な直線であって、巻回体1の巻き始め部1cよりも第1の直線X側で繭型形状7と2つの交点で交差し、その2つの交点間の距離が最大となる第1の直線Xから最も近い直線を第2の直線Xとした場合の、該第2の直線Xと繭型形状7との上記2つの交点をそれぞれ点B及び点Cとし、第1の直線Xに垂直且つ点Aを通る直線Xと、第2の直線Xとの交点を点Oとし、OA間の距離をD(単位:μm)、OB間の距離をD(単位:μm)、OC間の距離をD(単位:μm)とした場合、(D−D)の値及び(D−D)の値はいずれも±5μm以下であることが好ましい。なお、巻回体1は2つの湾曲部1aを有しているが、その双方とも上記の条件を満たしていることが好ましい。巻回体1が上記の条件を満たす形状を有していることにより、電極の割れや欠けの発生をより十分に抑制することができ、より十分な容量を得ることができるとともに、ゆがみの発生をより十分に抑制することができる。なお、上記(D−D)の値及び(D−D)の値が0に近いほど湾曲部1aの形状は半円状に近づくこととなり好ましい。
【0029】
また、図5及び図6は、他の巻回体の断面において集電体の中心線CLを結んで描かれる他の繭型形状8,9の要部を示す図である。図5に示すように、繭型形状は巻回体1の最内周の長辺部1bの中央部分が巻回体1の中心に向かって窪んだ形状となっていてもよい。更に、図6に示すように、繭型形状は湾曲部1e内で曲率半径が変動していてもよい。但し、図6に示すような繭型形状の場合、最小曲率半径Rが上記式(1)で表される条件を満たしにくく、(D−D)の値及び(D−D)の値も±5μm以下となりにくいため、図4及び図5に示すような形状とすることが好ましい。
【0030】
次に、本発明の巻回型電気化学デバイスの各構成要素について、電気化学デバイスがリチウムイオン二次電池である場合を例に説明する。
【0031】
正極集電体22及び負極集電体12としては、公知の電気化学デバイスに用いられている集電体を用いることができ、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル等を帯状に成形したものを用いることができる。
【0032】
正極活物質層24は、正極活物質(カソード活物質)、導電助剤、結着剤等を含む層である。カソード活物質は、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入(インターカレーション)、又は、リチウムイオンと該リチウムイオンのカウンターアニオン(例えば、PF)とのドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることが可能であれば特に限定されず、公知の電極活物質を使用できる。例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、リチウムマンガンスピネル(LiMn)、及び、一般式:LiNiCoMn(x+y+z+a=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、0≦a≦1、MはAl、Mg、Nb、Ti、Cu、Zn、Crより選ばれる1種類以上の元素)で表される複合金属酸化物、リチウムバナジウム化合物(LiV)、オリビン型LiMPO(ただし、Mは、Co、Ni、Mn又はFe、Mg、Nb、Ti、Al、Zrより選ばれる1種類以上の元素またはVOを示す)、チタン酸リチウム(LiTi12)等の複合金属酸化物が挙げられる。
【0033】
導電助剤は、正極活物質層24の導電性を良好にするものであれば特に限定されず、公知の導電助剤を使用できる。導電助剤としては、例えば、カーボンブラック類、炭素材料、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、炭素材料及び金属微粉の混合物、ITO等の導電性酸化物が挙げられる。
【0034】
結着剤は、上記の正極活物質の粒子と導電助剤の粒子とを正極集電体22に結着することができれば特に限定されず、公知の結着剤を使用できる。例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PEA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂及びスチレン−ブタジエンゴム(SBR)等が挙げられる。
【0035】
負極活物質層14は、負極活物質(アノード活物質)、導電助剤、結着剤等を含む層である。アノード活物質は、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入(インターカレーション)、又は、リチウムイオンと該リチウムイオンのカウンターアニオン(例えば、PF)とのドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることが可能であれば特に限定されず、公知のアノード活物質を使用できる。このような活物質としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、低温度焼成炭素等の炭素材料、Al、Si、Sn、Si等のリチウムと化合することのできる金属、SiO、SiO、SiO、SnO等の酸化物を主体とする非晶質の化合物、チタン酸リチウム(LiTi12)、TiOが挙げられる。中でも、炭素材料が好ましく、層間距離d002が0.335〜0.338nmであり、且つ、結晶子の大きさLc002が30〜120nmである炭素材料がより好ましい。このような条件を満たす炭素材料としては、人造黒鉛、MCF(メソカーボンファイバ)、MCMB(メソカーボンマイクロビーズ)等が挙げられる。なお、上記層間距離d002及び結晶子の大きさLc002は、X線回折法により求めることができる。
【0036】
負極活物質層14に含まれる負極活物質以外の各構成要素は、正極活物質層24を構成するものと同様の物質を使用することができる。
【0037】
セパレータ40としては、例えば、電気絶縁性の多孔体から形成されたものを用いることができる。電気絶縁性の多孔体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリオレフィンからなるフィルムの単層体又は積層体、樹脂の混合物の延伸膜、又はセルロース、ポリエステル及びポリプロピレンからなる群より選択される少なとも1種の構成材料からなる繊維不織布等が挙げられる。
【0038】
セパレータ40としては、短絡防止の観点から、正極20及び負極10よりも一回り大きい平面サイズを有するものを用いることが好ましく、積層部材3を形成した際に、各側面においてセパレータ40が正極20及び負極10よりも突出した状態にすることが好ましい。また、セパレータ40の厚さは、15〜30μm程度である。
【0039】
巻き止めテープには公知のものを特に制限なく用いることができ、その厚さは50μm程度である。
【0040】
電解質溶液は、外装体の内部空間、巻回体1の空隙部S等に含有されるとともに、正極活物質層24、負極活物質層14及びセパレータ40の孔内にも含有される。電解質溶液は、特に限定されず、公知のリチウムイオン二次電池に用いられる、リチウム塩を含む電解質溶液(電解質水溶液、有機溶媒を使用する電解液)を使用することができる。ただし、電解質水溶液は電気化学的に分解電圧が低いことにより、充電時の耐用電圧が低く制限されるので、有機溶媒を使用する電解質溶液(非水電解質溶液)であることが好ましい。二次電池の電解質溶液としては、リチウム塩を非水溶媒(有機溶媒)に溶解したものが好適に使用される。リチウム塩としては、例えば、LiPF、LiClO、LiBF、LiAsF、LiCFSO、LiCF、CFSO、LiC(CFSO、LiN(CFSO、LiN(CFCFSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiN(CFCFCO)等の塩が使用される。なお、これらの塩は1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0041】
また、有機溶媒としては、公知の二次電池に使用されている溶媒を使用することができる。例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、及び、ジエチルカーボネート等が好ましく挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で混合して使用してもよい。
【0042】
なお、本発明において、電解質は液状以外にゲル化剤を添加することにより得られるゲル状電解質であってもよい。また、電解質溶液に代えて、固体電解質(固体高分子電解質又はイオン伝導性無機材料からなる電解質)を用いてもよい。
【0043】
外装体は、巻回体1を密封し、外装体内部へ空気や水分が進入するのを防止できるものであれば特に限定されず、公知の二次電池に用いられているケースを使用することができる。例えば、エポキシ樹脂等の合成樹脂や、アルミニウム等の金属シートを樹脂ラミネートしたものを使用することができる。
【0044】
正極リード及び負極リードは、金属等の導体材料により形成されている。この導体材料としては、例えば、銅やニッケル等の導電材料を利用できる。正極リード及び負極リードは、外装体内から外装体のシール部と交差して外装体の外側まで延びている。正極リードと負極リード外部とは、巻回体1の短軸方向と直交する方向に離間している。正極リード及び負極リードは、外装体のシール部に挟まれる部分が絶縁体で被覆されており、シール部において絶縁体と外装体とが接着されている。
【0045】
(巻回型電気化学デバイスの製造方法)
本発明の巻回型電気化学デバイスの製造方法は、正極、セパレータ及び負極の積層構造を含む積層部材を準備する積層部材準備工程と、断面が繭型形状の芯材に上記積層部材を巻回して扁平状の巻回体を形成する巻回工程と、を有し、上記芯材として、上記繭型形状における湾曲部の最小の曲率半径をRとした場合に、上記Rが下記式(2);
=α×(T+2T) (2)
[式中、Rは上記繭型形状における湾曲部の最小曲率半径(単位:μm)を示し、αは3.33〜7.12の範囲内の数値を示し、Tは上記巻回体の最内周に位置する電極の集電体の厚み(単位:μm)を示し、Tは上記巻回体の最内周に位置する電極の活物質層の厚み(単位:μm)を示す。但し、Tは8〜30の範囲内の数値(単位:μm)である。]
で表される条件を満たす芯材を用いる方法である。
【0046】
上記積層部材準備工程においては、帯状の正極集電体22を用意し、その両面に正極活物質層形成用塗布液を塗布して乾燥させて、両面に正極活物質層24を形成して帯状の正極20を得る。同様に、帯状の負極集電体12を用意し、その両面に負極活物質層形成用塗布液を塗布して乾燥させて、両面に負極活物質層14を形成して帯状の正極10を得る。
【0047】
ここで、各集電体に各塗布液を塗布する際の手法は特に限定されるものではなく、集電体用金属板の材質や形状等に応じて適宜決定すればよい。例えば、メタルマスク印刷法、静電塗装法、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ドクターブレード法、グラビアコート法、スクリーン印刷法等が挙げられる。塗布後、必要に応じて、平板プレス、カレンダーロール等により圧延処理を行う。
【0048】
次に、正極20、セパレータ40、負極10及びセパレータ40をこの順で積層し、帯状の積層部材3を形成する。積層部材3は、必要に応じて、その積層方向に熱プレス等を行ってもよい。
【0049】
次に、巻回工程を行う。ここで、図7は巻回工程において使用する芯材の好適な一実施形態を示す斜視図である。図7に示すように芯材50は、断面が繭型形状となっており、その湾曲部の最小曲率半径Rが上記の条件を満たすものとなっている。かかる形状の芯材を用いることにより、上述した本発明の巻回型電気化学デバイスにおける巻回体1を効率的に且つ確実に作製することができる。
【0050】
なお、上記芯材50を用いて形成される巻回体1の湾曲部の最小曲率半径Rは、通常、芯材50の湾曲部における最小曲率半径Rとほぼ一致する。また、巻回体1がリードの厚みによるふくれや電解液の含浸によるふくれ等の影響を受けても、上記式(2)の条件を満たす芯材50を用いた場合、形成される巻回体1は上記式(1)の条件を満たすものとなる。上記式(2)におけるαの値の範囲も、上記式(1)の場合と同様に、3.50〜7.00であることが好ましく、3.60〜6.80であることがより好ましい。
【0051】
芯材50において、長軸方向の長さLは14〜17mm程度であり、短軸方向の長さHは0.4〜0.8mm程度であり、幅Wは15〜30mm程度である。
【0052】
芯材50に積層部材3を巻回した後、芯材50を引き抜くことにより中心に空隙部Sを有する巻回体1を得ることができる。この空隙部Sは、電解質溶液を保持するとともに、リード厚みによる膨れを吸収することができる。上記芯材50を用いて形成される巻回体1において、空隙部Sの形状は、芯材50の形状により必然的に決定される。
【0053】
正極リードの正極集電体22への接続、及び、負極リードの負極集電体12への接続は、公知の方法により行うことができる。
【0054】
巻回体1を作製した後、開口部を有する外装体内に巻回体1を収容する。続いて、真空容器内で外装体内に電解質溶液を注入して巻回体1を電解質溶液に浸漬させる。そして、正極リード及び負極リードをそれぞれ、外装体内から開口部を交差して外部へ伸びるように配置させる。次いで、ヒートシール機を用いて、外装体のシール部をヒートシールする。このとき、正極リード及び負極リードの絶縁体を開口部で挟み込んでヒートシールする。ヒートシールは、好ましくは減圧環境下、例えば真空容器内で行う。これにより、電気化学デバイスの作製が完了する。
【0055】
以上、本発明の好適な一実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0056】
例えば、上記実施形態の説明においては、巻回型電気化学デバイスがリチウムイオン二次電池の場合について説明したが、本発明の巻回型電気化学デバイスはリチウムイオン二次電池に限定されるものではなく、金属リチウム二次電池等のリチウムイオン二次電池以外の二次電池や、電気二重層キャパシタ、擬似容量キャパシタ、シュードキャパシタ、レドックスキャパシタ等の電気化学キャパシタ等であってもよい。なお、リチウムイオン二次電池以外の電気化学デバイスの場合、電極活物質としては、それぞれの電気化学デバイスに適したものを用いればよい。例えば、電気二重層キャパシタの場合には、カソード活物質含有層及びアノード活物質含有層中に含まれる活物質として、例えば、アセチレンブラック、グラファイト、黒鉛、活性炭などが用いられる。また、電解質溶液としては、例えば、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレイトのような4級アンモニウム塩を、プロピレンカーボネート、ジエチレンカーボネイト、アセトニトリル等の有機溶媒に溶解したものが使用される。
【0057】
本発明の巻回型電気化学デバイスは、自走式のマイクロマシン、ICカードなどの電源や、プリント基板上又はプリント基板内に配置される分散電源の用途にも使用することが可能である。
【実施例】
【0058】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0059】
[実施例1]
(電極の作製)
粒状の活性炭(クラレケミカル社製、商品名:RP−20)87質量%と、アセチレンブラック3質量%と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン10質量%とを混合し、得られた混合物に溶媒としてのNメチルピロリドンを加えて混練することにより、活物質層形成用塗布液を調製した。また、帯状のアルミニウム箔(厚さ:20μm)にアルミニウム箔からなるリード(厚さ:100μm)を超音波溶接法により電気的に接続した。次に、上記活物質層形成用塗布液を、ドクターブレード法により上記帯状のアルミニウム箔(厚さ:20μm)の両面に塗布し、乾燥して活物質層(厚さ:8μm)を形成した。これにより、厚さ20μmの集電体の両面に厚さ8μmの活物質層が積層された帯状の電極(正極及び負極)を得た。
【0060】
(積層部材の作製)
図2に示したように、帯状の電極(正極)、帯状のセパレータ(再生セルロース不織布)、帯状の電極(負極)及び帯状のセパレータ(再生セルロース不織布)をこの順で積層し、180℃、1kg/cm、10秒の条件で加熱加圧して、帯状の積層部材を得た。このとき、帯状のセパレータは、帯状の正極及び負極よりも一回り大きい寸法のものを用い、積層部材の側面においてセパレータが正極及び負極よりも僅かに突出するように積層した。具体的には、正極:13mm×50mm、負極:13mm×50mm、セパレータ:15mm×52mmとした。
【0061】
(巻回体の作製)
図7に示したような断面繭型形状を有する芯材を用意した。この芯材には、繭型形状の湾曲部の最小曲率半径Rが119.88μmであるものを用いた。この芯材に上記積層部材を、正極を芯材側にして図1に示したように約2周半巻回した。次いで、巻き終わり部を巻き止めテープで止め、芯材を引き抜いて巻回体を得た。
【0062】
(巻回型電気二重層キャパシタの作製)
上記巻回体をアルミラミネートフィルムからなる外装体内に入れ、電解質溶液(1.0mol/Lのホウフッ化テトラエチルアンモニウムのプロピレンカーボネート溶液)を注液し、真空封入した。これにより、巻回型電気二重層キャパシタを得た。
【0063】
得られた巻回型電気二重層キャパシタにおいて、巻回体における最内周部分の湾曲部の最小曲率半径Rは、芯材における最小曲率半径Rと同一であった。また、上記式(1)にR、T1及びT2の値を代入した場合のαの値を算出した。このαの値が3.33〜7.12の範囲内であれば、上記Rが上記式(1)の条件を満たしていることとなる。更に、巻回体におけるD、D及びDの値を測定し、(D−D)及び(D−D)の値を算出した。それらの結果を表1に示す。なお、表1に示した値は、巻回体の2箇所の湾曲部のうち、(D−D)及び(D−D)の値の絶対値が大きくなる方の湾曲部に係る値である。
【0064】
[実施例2〜84及び比較例1〜42]
集電体の厚み、活物質層の厚み、及び、巻回体作製時の芯材の形状のいずれか1つ以上を変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2〜84及び比較例1〜42の巻回型電気二重層キャパシタを作製した。芯材における湾曲部の最小曲率半径R、得られた巻回型電気二重層キャパシタの巻回体におけるD、D、D、(D−D)及び(D−D)の値を表1〜4に示す。なお、得られた巻回型電気二重層キャパシタの巻回体における最内周部分の湾曲部の最小曲率半径Rは、芯材における最小曲率半径Rと同一であった。
【0065】
<容量の測定>
作製した巻回型電気二重層キャパシタについて、3.3Vで5分間CV充電を行った後、3〜2Vを5mAの条件で定電流放電を行い、そのときの放電容量を測定した。その結果を表1〜4に示す。
【0066】
<ゆがみの評価>
実施例及び比較例の巻回型電気二重層キャパシタを各50個作製し、巻回型電気二重層キャパシタの長手方向の平行度について、±100μm以上のずれがあった試料の数が30個以下である場合を「A」、30個を超える場合を「B」としてゆがみの評価を行った。その結果を表1〜4に示す。
【0067】
【表1】



【0068】
【表2】



【0069】
【表3】



【0070】
【表4】



【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の巻回型電気化学デバイスを構成する巻回体の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】巻回体を構成する積層部材の積層構造を示す模式断面図である。
【図3】巻回体における最内周に位置する電極の要部構成を示す模式断面図である。
【図4】図3に示した巻回体の要部断面において、集電体の中心線を結んで描かれる繭型形状の要部を示す図である。
【図5】巻回体の断面において集電体の中心線を結んで描かれる他の繭型形状の要部を示す図である。
【図6】巻回体の断面において集電体の中心線を結んで描かれる他の繭型形状の要部を示す図である。
【図7】巻回工程において使用する芯材の好適な一実施形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0072】
1…巻回体、3…積層部材、5…巻き止めテープ、10…負極、12…負極集電体、14…負極活物質層、20…正極、22…正極集電体、24…正極活物質層、40…セパレータ、50…芯材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極、セパレータ及び負極の積層構造を含む積層部材を巻回してなる扁平状の巻回体を備え、
前記正極及び前記負極はそれぞれ、集電体の両面に活物質層を形成した構造を有しており、
前記巻回体は中心部に空隙を有しており、
前記巻回体の最内周部分における湾曲部の最小の曲率半径をRとした場合に、前記Rが下記式(1);
R=α×(T+2T) (1)
[式中、Rは前記巻回体の最内周部分における湾曲部の最小曲率半径(単位:μm)を示し、αは3.33〜7.12の範囲内の数値を示し、Tは前記巻回体の最内周に位置する電極の集電体の厚み(単位:μm)を示し、Tは前記巻回体の最内周に位置する電極の活物質層の厚み(単位:μm)を示す。但し、Tは8〜30の範囲内の数値(単位:μm)である。]
で表される条件を満たす、巻回型電気化学デバイス。
【請求項2】
前記巻回体をその側面に平行な面で切断した断面における、前記巻回体の最内周に位置する電極の集電体の中心線を結んで描かれる繭型形状において、
前記巻回体の短軸方向に平行な第1の直線と前記繭型形状における湾曲部との接点を点Aとし、
前記第1の直線に平行な直線であって、前記巻回体の巻き始め部よりも前記第1の直線側で前記繭型形状と2つの交点で交差し、その2つの交点間の距離が最大となる前記第1の直線から最も近い直線を第2の直線とした場合の、該第2の直線と前記繭型形状との2つの交点をそれぞれ点B及び点Cとし、
前記第1の直線に垂直且つ前記点Aを通る直線と、前記第2の直線との交点を点Oとし、
OA間の距離をD(単位:μm)、OB間の距離をD(単位:μm)、OC間の距離をD(単位:μm)とした場合、
(D−D)の値及び(D−D)の値がいずれも±5μm以下である、請求項1記載の巻回型電気化学デバイス。
【請求項3】
正極、セパレータ及び負極の積層構造を含む積層部材を準備する積層部材準備工程と、
断面が繭型形状の芯材に前記積層部材を巻回して扁平状の巻回体を形成する巻回工程と、
を有し、
前記芯材として、前記繭型形状における湾曲部の最小の曲率半径をRとした場合に、前記Rが下記式(2);
=α×(T+2T) (2)
[式中、Rは前記繭型形状における湾曲部の最小曲率半径(単位:μm)を示し、αは3.33〜7.12の範囲内の数値を示し、Tは前記巻回体の最内周に位置する電極の集電体の厚み(単位:μm)を示し、Tは前記巻回体の最内周に位置する電極の活物質層の厚み(単位:μm)を示す。但し、Tは8〜30の範囲内の数値(単位:μm)である。]
で表される条件を満たす芯材を用いる、巻回型電気化学デバイスの製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−158376(P2009−158376A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−337381(P2007−337381)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】