説明

希土類金属酸化物被覆マイクロポーラス材料の製造方法

【課題】様々な適用例において種々のガス状および微粒子放出物の処理に用いるための安定な触媒金属酸化物被覆マイクロポーラス微粒子材料を製造する有効な方法を提供すること。
【解決手段】触媒希土類酸化物被覆マイクロポーラス易流動性バルク微粒子を提供する方法であって、材料の有効性を脅かすことなく、被覆される金属酸化物の量が多くなる方法。外面に被覆された希土類金属酸化物は、全希土類金属酸化物およびマイクロポーラス微粒子材料当量含量に対して20から70重量%の範囲とすることができる。特に、高負荷量の希土類金属酸化物を有するゼオライト易流動性バルク微粒子は非常に安定である傾向にある。たとえば、希土類金属酸化物被覆ゼオライト易流動性バルク微粒子を約200℃未満の温度で熱処理し、水でスラリーにしたとき、典型的に30重量%未満(全希土類金属酸化物当量含量に対して)の希土類金属酸化物が水に浸出することが見出されている。この材料は400℃超で熱処理されたとき最小の浸出性を有することが認められた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に触媒金属酸化物被覆マイクロポーラス微粒子材料および関連製品に関する。
【背景技術】
【0002】
触媒活性元素を有するポーラス微粒子材料は、当分野において知られている。これらの材料は、石油留分の処理、または流出物の処理、たとえば内燃エンジンから放出される排出ガスの触媒による転化などの多くのプロセスにおいて有用である。
【0003】
この触媒は、典型的にアルミナなどのポーラス材料を成形することにより生成された担体を含む。したがって、この担体は球形、円筒押出物、あるいはポリローバル断面、または輪などの様々な形状の断面を有する押出物などの様々な形状を有することができる。
【0004】
一般に用いられるポーラス材料は、アルミナ、シリカ、ゼオライトなどである。これらの担体は、一般に広い比表面積、たとえば20m2/gを超える比表面積を有し、その上に触媒活性元素を析出させることによって触媒活性を付与する広い表面積を提供する。
【0005】
種々の元素が、一般にポーラス材料に含浸される。たとえば、米国特許第5232889号は、ポーラス材料、好ましくはアルミナ球体にコロイド分散系を含浸させることによって調製された触媒を対象としている。このコロイド分散系は、ポーラス材料の孔径を超えない粒径を持たなければならない。コロイド分散系が担体の孔を通るとき、担体の反応表面位置が分散系のpHを変え、ポーラス材料内に金属を析出させる。米国特許第6040265号も、アルミナ、またはゼオライトなどのポーラス材料に、第1の金属酢酸塩、少なくとも1種の第2の金属酢酸塩、および可溶性糖、糖類、多糖類、またはそれらの誘導体などの有機析出試薬の溶液を含浸させ、それによって含浸ポーラス材料を形成することを対象としている。さらに、カナダ特許第2033291号は、高温排出ガス中の窒素酸化物を転化するための触媒を対象としている。この触媒は、0.5〜10重量%の酸化セリウムを含有するゼオライト(SiO2/Al23のモル比>20)からなる。この触媒は、ゼオライトにセリウムの硝酸塩、ハロゲン化物、または硫酸塩の水溶液を含浸させることによって、あるいはイオン交換を行うことによって調製することができる。混合物を次いで乾燥し、300〜600℃で焼成する。
【0006】
従来技術はまた、他の元素がポーラス材料と凝集体を形成し、触媒材料を生成できることを示している。たとえば、米国特許第5804526号は、窒素酸化物に関して優れた吸着能を示す吸着剤を対象としている。この吸着剤は、たとえば酸化セリウムおよびゼオライトの凝集体からなることができる。この触媒の酸化セリウム含量は、全ゼオライトおよび酸化セリウム当量含量に対して10重量%から80重量%の範囲である。吸着剤は酸化セリウム微結晶粒子と脱アルミニウム化ZSM−5ゼオライトのゼオライト粒子の混合物から作られ、この酸化セリウム微結晶粒子は、500Å未満の平均結晶粒径を有する多結晶凝集体を含む。凝集体として、酸化セリウム微結晶粒子は、ゼオライト粒子の表面に隣接している。
【0007】
いくつかの特許が、ガスを削減するために、ポーラス金属、または類似の担持体上に触媒被覆を用いることを開示している。米国特許第4900712号は、高表面積アルミナ上への1種または複数の触媒活性酸化物の吸着に関する。この触媒被覆を調製する方法は、コロイド析出手法を用いて、高表面積アルミナに一様に酸化物をドープするものである。このコロイド分散系は、金属硝酸塩の水溶液を用い、イオン交換樹脂で金属硝酸塩を金属酸化物コロイドに転化することによって調製される。酸化物のコロイド分散系をアルミナとスラリーにし、コロイド酸化物粒子はアルミナ上に吸着される。担持体上の触媒被覆の付着を維持し、触媒の高表面積を確実に維持するために、ドープ酸化物は全アルミナおよびドープ酸化物当量含量に対して約20重量%未満に限定された。
【0008】
米国特許第5431887号および第5556819号は、焼肉器具の触媒煙削減アセンブリに用いる火炎防止被覆フィルタを対象としている。このフィルタは、アルミナ(ゼオライトまたは2種の混合物を用いることができる)およびコロイド状分散セリアのスラリーで被覆され、セリアはバインダとして作用する。このセリアのコロイド分散系は、前述の米国特許第4900712号に記載のとおり、長時間、高温で製造された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第5232889号明細書
【特許文献2】米国特許第6040265号明細書
【特許文献3】カナダ国特許第2033291号明細書
【特許文献4】米国特許第5804526号明細書
【特許文献5】米国特許第4900712号明細書
【特許文献6】米国特許第5431887号明細書
【特許文献7】米国特許第5556819号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、多様な負荷を伴う安定した易流動性バルク触媒金属酸化物被覆マイクロポーラス微粒子材料を提供し、従来技術の欠点を回避する方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、様々な適用例において種々のガス状および微粒子放出物の処理に用いるための安定な触媒金属酸化物被覆マイクロポーラス微粒子材料を製造する有効な方法を提供する。
【0012】
本発明の一態様によれば、全希土類金属酸化物およびマイクロポーラス微粒子材料当量含量に対して20重量%を超える、マイクロポーラス微粒子材料の外面に被覆された希土類金属酸化物を有する触媒希土類金属酸化物被覆マイクロポーラス微粒子材料を製造する方法が提供され、この方法は、
i)ある量の希土類金属酸化物水和物のコロイド分散系を適合性マイクロポーラス微粒子材料と合わせてスラリーを形成するステップであって、コロイド分散系の量はステップ(ii)に従って熱処理されたとき、20重量%を超える希土類金属酸化物を提供するのに充分であり、マイクロポーラス微粒子材料は20Å未満の平均孔径を有し、コロイド分散系は少なくとも20Åの粒径を有し、それによってマイクロポーラス微粒子材料の外面にコロイド分散系を配置するステップ、および
ii)スラリーを約200℃未満、約400℃超の温度で、またはスラリーを最初に約200℃未満の温度、次いで約400℃超の温度で熱処理するそれらの連続した組合せで熱処理し、その結果生じる希土類金属酸化物をマイクロポーラス微粒子材料の外面に固定して、易流動性バルク微粒子を提供するステップを含む。
【0013】
本発明の他の態様によれば、好ましくは、マイクロポーラス微粒子材料は、適合性アルミノケイ酸塩である。もっとも好ましくは、マイクロポーラス微粒子材料は、適合性ゼオライトである。
【0014】
本発明の他の態様によれば、好ましくは、希土類金属酸化物は、ランタニド金属、イットリウム、スカンジウム、およびそれらの混合物の酸化物からなるグループから選択される。もっとも好ましくは、希土類金属酸化物は、セリウムの酸化物である。
【0015】
本発明の他の態様において、コロイド分散系は結晶性であり、4.2未満のpHを有する。
【0016】
本発明の他の態様において、この方法は、前記希土類金属酸化物被覆ゼオライト微粒子材料を破砕して、1から25ミクロンの範囲の粒径を提供することを含むステップ(iii)をさらに含む。
【0017】
本発明の他の態様において、スラリーは、好ましくは、噴霧乾燥、トレイ乾燥、凍結乾燥、溶媒乾燥、フラッシュ乾燥技法、またはそれらの組合せを用いて熱処理される。
【0018】
本発明の他の態様において、コロイド分散系は、好ましくは、乾燥してゲルとし、続いて水で再構成して、ステップ(i)で用いるコロイド分散系を形成する。
【0019】
本発明の他の態様によれば、全希土類金属酸化物およびゼオライト当量含量に対して少なくとも1.0重量%の、前記ゼオライト微粒子材料の外面に被覆された前記希土類金属酸化物を有する触媒希土類金属酸化物被覆ゼオライト微粒子材料を製造する方法が提供され、前記方法は、
i)ある量の希土類金属酸化物水和物のコロイド分散系を適合性ゼオライト微粒子材料と合わせてスラリーを形成するステップであって、コロイド分散系の量はステップ(ii)に従って熱処理されたとき、少なくとも1.0重量%の希土類金属酸化物を提供するのに充分であり、前記ゼオライト微粒子材料は20Å未満の平均孔径を有し、前記コロイド分散系は少なくとも20Åの粒径を有し、それによって前記ゼオライトの前記外面に前記コロイド分散系を配置するステップ、および
ii)前記スラリーを約200℃未満の温度で熱処理し、その結果生じる希土類金属酸化物を前記ゼオライト微粒子材料の前記外面に固定して、易流動性バルク微粒子を提供するステップを含む。
【0020】
本発明の他の態様によれば、全希土類金属酸化物およびゼオライト当量含量に対して少なくとも1.0重量%の、前記ゼオライト微粒子材料の外面に被覆された前記希土類金属酸化物を有する触媒希土類金属酸化物被覆ゼオライト微粒子材料を製造する方法が提供され、前記方法は、
i)ある量の希土類金属酸化物水和物のコロイド分散系を適合性ゼオライト微粒子材料と合わせてスラリーを形成するステップであって、コロイド分散系の量はステップ(ii)に従って熱処理されたとき、1.0重量%を超える希土類金属酸化物を提供するのに充分であり、前記ゼオライト微粒子材料は約20Å未満の平均孔径を有し、前記コロイド分散系は少なくとも約20Åの粒径を有し、それによって前記ゼオライトの前記外面に前記コロイド分散系を配置するステップ、および
ii)前記スラリーを約200℃未満、約400℃超から約550℃未満の温度で、または前記スラリーを最初に約200℃未満の温度、次いで約400℃超、550℃未満の温度で熱処理するそれらの連続した組合せで熱処理し、その結果生じる希土類金属酸化物を前記ゼオライト微粒子材料の前記外面に固定して、易流動性バルク微粒子を提供するステップを含む。
【0021】
本発明の他の態様によれば、全酸化セリウムおよびゼオライト当量含量に対して少なくとも1重量%の、前記ゼオライト微粒子材料の外面に被覆された前記酸化セリウムを有する触媒酸化セリウム被覆ゼオライト微粒子材料を製造する方法が提供され、前記方法は、
i)ある量の酸化セリウム水和物のコロイド分散系を適合性ゼオライト微粒子材料と合わせてスラリーを形成するステップであって、コロイド分散系の量はステップ(ii)に従って熱処理されたとき、1.0重量%を超える酸化セリウムを提供するのに充分であり、前記ゼオライト微粒子材料は約20Å未満の平均孔径を有し、前記コロイド分散系は少なくとも約20Åの粒径を有し、それによって前記ゼオライトの前記外面に前記コロイド分散系を配置するステップ、および
ii)前記スラリーを約200℃未満、約400℃超から約550℃未満の温度で、または前記スラリーを最初に約200℃未満の温度、次いで約400℃超、550℃未満の温度で熱処理するそれらの連続した組合せで熱処理し、その結果生じる酸化セリウムを前記ゼオライト微粒子材料の前記外面に固定して、易流動性バルク微粒子を提供するステップを含む。
【0022】
さらに、本発明の他の態様において、全希土類金属酸化物およびゼオライト当量含量に対して少なくとも1重量%の、前記ゼオライト微粒子材料の外面に被覆された前記希土類金属酸化物を有する触媒希土類金属酸化物被覆ゼオライト微粒子材料を製造する方法が提供され、前記方法は、
i)ある量の希土類金属酸化物水和物のコロイド分散系を、約4.2未満のpHを有する適合性ゼオライト微粒子材料と合わせてスラリーを形成するステップであって、コロイド分散系の量はステップ(ii)に従って熱処理されたとき、約1.0重量%を超える希土類金属酸化物を提供するのに充分であり、前記ゼオライト微粒子材料は約20Å未満の平均孔径を有し、前記コロイド分散系は少なくとも約20Åの粒径を有し、それによって前記ゼオライトの前記外面に前記コロイド分散系を配置するステップ、および
ii)前記スラリーを約200℃未満、約400℃超の温度で、または前記スラリーを最初に約200℃未満の温度、次いで約400℃超の温度で熱処理するそれらの連続した組合せで熱処理し、その結果生じる希土類金属酸化物を前記ゼオライト微粒子材料の前記外面に固定して、易流動性バルク微粒子を提供するステップを含む。
【0023】
本発明の他の態様において、外面に被覆された希土類金属酸化物は、全希土類金属酸化物およびゼオライト当量含量に対して、約1.0から75重量%、好ましくは約20から70重量%の範囲である。
【0024】
本発明の他の態様において、コロイド分散系は、20から50Å、50から70Å、または100から150Åの所定の制御された範囲のコロイド粒径に調製される。
【0025】
本発明の他の態様において、約20から50Åの所定の粒径を有するコロイド分散系の調製は、
a)塩基および過酸化水素を加水分解性希土類金属塩溶液と混合し、希土類金属水酸化物溶液を生じるステップ、および
b)希土類金属水酸化物溶液に強酸を添加し、希土類金属酸化物水和物のコロイド分散系を提供するステップであって、強酸が希土類金属酸化物水和物のコロイド分散系を解凝集できるステップを含む。
【0026】
本発明の他の態様において、50から70Åの所定の粒径を有するコロイド分散系の調製は、
a)塩基を加水分解性希土類金属塩溶液と混合し、溶液に空気を通気することにより、希土類金属水酸化物溶液を生じるステップ、および
b)希土類金属水酸化物溶液に強酸を添加し、希土類金属酸化物水和物のコロイド分散系を提供するステップであって、強酸が希土類金属酸化物水和物のコロイド分散系を解凝集できるステップを含む。
【0027】
本発明の他の態様において、100から150Åの所定の粒径を有するコロイド分散系の調製は、
a)塩基を加水分解性希土類金属塩溶液と混合するステップであって、希土類金属が2つの酸化状態を有するステップ、
b)加水分解性希土類金属塩溶液を空気中でゆっくり酸化させ、希土類金属水酸化物溶液を生じるステップ、および
c)希土類金属水酸化物溶液に強酸を添加し、希土類金属酸化物水和物のコロイド分散系を提供するステップであって、強酸が希土類金属酸化物水和物のコロイド分散系を解凝集できるステップを含む。
【0028】
本発明の他の態様によれば、
ゼオライト微粒子材料、
希土類金属酸化物、
20Å未満の平均孔径を有する前記ゼオライト微粒子材料、および
全希土類金属酸化物およびゼオライト当量含量に対して20重量%を超える、前記ゼオライト微粒子材料の外面に被覆した前記希土類金属酸化物を含む触媒希土類金属酸化物被覆ゼオライト易流動性バルク微粒子が提供される。
【0029】
本発明の他の態様において、希土類金属酸化物被覆ゼオライト易流動性バルク微粒子を水でスラリーにするとき、典型的に30重量%未満の希土類金属酸化物(全希土類金属酸化物当量含量に対して)が水に浸出することが見出される。
【0030】
本発明の他の態様によれば、前記マイクロポーラス微粒子材料の外面に被覆された希土類金属酸化物を有する触媒希土類金属酸化物被覆マイクロポーラス微粒子材料を製造する方法が提供され、前記方法は、
i)ある量の希土類金属酸化物水和物のコロイド分散系を適合性マイクロポーラス微粒子材料と合わせてスラリーを形成するステップであって、前記マイクロポーラス微粒子材料は前記コロイド分散系の粒径より小さい平均孔径を有し、それによって前記マイクロポーラス微粒子材料の外面に前記コロイド分散系を配置するステップ、および
ii)前記スラリーを熱処理し、マイクロポーラス微粒子材料の外面に希土類金属酸化物を固定するステップを含む。
【0031】
一実施形態において、前記熱処理は、前記スラリーから充分な水を除去して、易流動性バルク微粒子を形成するのに充分な温度で前記スラリーを加熱することを含む。好ましくは、前記熱処理はさらに、前記易流動性バルク微粒子を焼成することを含む。
【0032】
他の実施形態において、前記熱処理は、単一ステップで前記スラリーを乾燥、焼成粉末に加熱することを含む。
【0033】
他の実施形態において、前記スラリーは硝酸イオンを含み、前記熱処理は硝酸イオンの少なくとも一部をガス状成分に分解するのに充分な温度で行われる。
【0034】
他の実施形態において、前記方法はさらに、前記希土類金属酸化物被覆マイクロポーラス微粒子材料を破砕して、1から25ミクロンの範囲の粒径を提供することを含む。他の粒径範囲も用いられることに留意されたい。特に、より小さい粒子、たとえば0.5から1ミクロンの粒子を破砕によって製造することができる。選択される粒径は、被覆マイクロポーラス微粒子材料の使用、および破砕粒子に処理する能力に基づく。
【発明を実施するための形態】
【0035】
したがって、本発明は、易流動性バルク触媒希土類金属酸化物被覆適合性マイクロポーラス微粒子材料を提供する新規な方法に関する。好ましくは、適合性マイクロポーラス材料は、適合性アルミノケイ酸塩、たとえば適合性ゼオライト微粒子材料などである。
【0036】
本発明において、希土類金属は、スカンジウム、イットリウム、およびランタニド金属であると定義される。
【0037】
本発明の一実施形態において、触媒希土類金属酸化物被覆マイクロポーラス微粒子材料を製造する方法は、
i)ある量の希土類金属酸化物水和物のコロイド分散系を適合性マイクロポーラス微粒子材料と合わせてスラリーを形成するステップであって、コロイド分散系の量はステップ(ii)に従って熱処理されたとき、特定の重量%の希土類金属酸化物を提供するのに充分であるステップ、および
ii)スラリーを熱処理し、その結果生じる希土類金属酸化物をマイクロポーラス微粒子材料の外面に固定し、易流動性バルク微粒子を生じるステップを含む。
【0038】
適合性マイクロポーラス材料は、コロイド分散系が損なわれないままである(すなわち、微粒子材料が実質的に分散形態のままである)ように、コロイド分散系との適合性を維持するものであると定義される。コロイド分散系が乾燥前に実質的な程度に凝集する場合、スラリーが乾燥(噴霧乾燥機など)されたとき、スラリーは易流動性粉末を形成せず、製品は均質でない可能性がある。したがって、マイクロポーラス材料は、分散系に実質的なコロイド粒子の凝集を生じないように、好ましくはまったく、または本質的に分散系にコロイド粒子の凝集を生じないように選択される。マイクロポーラス材料とコロイド分散系の適合性を決定するいくつかの要因には、これに限定されるものではないが、マイクロポーラス材料のpH、および硝酸アンモニウムなどのイオン性塩の存在が含まれる。pHが高すぎる場合、コロイドは凝集する。そのような場合、pHを下げることによって、コロイドを流体に分散することができる。
【0039】
好ましくは、適合性マイクロポーラス微粒子材料は適合性アルミノケイ酸塩であり、より好ましくは適合性ゼオライト微粒子材料である。本発明に用いることのできる適合性ゼオライト微粒子材料には、これに限定されるものではないが、シリカライト型ゼオライト、X、Y、およびL型ゼオライト、フォージャサイト((Na2,Ca,Mg)29[Al58Si134384]・240H2O、立方晶)、β−ゼオライト(Nan[AlnSi64-n128]n<7、正方晶)、モルデナイト型ゼオライト(Na8[Al8Si4096]・24H2O、斜方晶)、ZSM型ゼオライト(Nan[AlnSi96-n192]〜16H2O、n<27、斜方晶)、およびそれらの混合物が含まれる。好ましくは、ゼオライトは、疎水性および弱疎水性の有機化合物に親和性を有する、疎水性、弱疎水性ゼオライト、またはそれらの混合物である。4.2未満のpHを有するゼオライトも、コロイド分散系との適合性を維持するために非常に好ましい。ゼオライトを水と混合し、酸を加え、所望のpHレベルにpHを下げることによって、高いpHを有するゼオライトを用いることができる。
【0040】
用いられるゼオライト材料は、次式によって特徴づけることもでき、
mM'nM"p[aAlO2・bSiO2・cTO2
式中、
Mは、1価陽イオンであり、
M'は、2価陽イオンであり、
M"は、3価陽イオンであり、
a、b、c、n、m、およびpは、化学量比を表す数であり、
c、m、n、またはpは、ゼロであることもでき、
AlおよびSiは、4面体配位AlおよびSi原子であり、
Tは、AlまたはSiと置換できる4面体配位金属原子であり、
ゼオライト、またはゼオライト様材料のb/a比は、約5から約300の値を有し、ゼオライトの微小孔径は、5から13Åの範囲内である。
【0041】
好ましくは、用いられる希土類金属酸化物は、ランタニド金属、イットリウム、スカンジウム、およびそれらの混合物の酸化物である。より好ましくは、希土類金属酸化物は、セリウムの酸化物である。
【0042】
本発明に有用な希土類金属コロイド分散系は、それだけに限定されるものではないが、以下の希土類金属塩から作られる。YCl3、Y2(CO33、Y(C2323、Y(NO33、CeCl3、Ce2(CO33、Ce(C2323、Ce(ClO43、およびCe(NO33である。好ましくは、希土類金属コロイド分散系は、20から150Åの所定の粒径に調製される。一般に、コロイド分散系は、希土類金属塩の水性スラリーを酸と混合して、加水分解性塩を生じることによって製造される。好ましい酸は、硝酸、または塩酸である。別法として、最初の金属塩が硝酸塩、または塩化物である場合、硝酸塩または塩化物を酸と混合するステップは不要である。いずれかの手法によって、その結果生じる加水分解性塩、たとえば金属硝酸塩または金属塩化物などは加水分解される。好ましくは、水酸化アンモニウムと過酸化水素の混合物を添加することにより加水分解および酸化される。金属水酸化物が得られ、水および強酸と混合して、スラリーが生じる。この強酸は、たとえば硝酸、塩酸、または過塩素酸であることができ、その結果生じる不溶性金属水和物を解凝集できる。次いでスラリーの残渣を水と混合して、金属酸化物コロイド分散系を得る。強酸として硝酸を用いるとき、前記コロイド分散系の硝酸イオンと希土類金属酸化物のモル比は、0.1から1.0、好ましくは0.1から0.5、もっとも好ましくは0.12から0.25の範囲である。
【0043】
実施形態において、コロイド分散系は、20から150Åの所定の粒径に調製することができる。粒径は、コロイド分散系を形成するために用いられる沈殿および酸化パラメータによって制御される。特定の実施形態において、塩基、および任意選択で過酸化水素を添加して、加水分解性希土類金属塩溶液を酸化し、希土類金属水和物分散系を生じ、
(i)反応が高温条件または低温条件で行われるか、
(ii)反応が空気でパージされるか、
(iii)希土類金属水和物を含有する溶液がどのように濃縮されているか、
(iv)塩基が塩に添加されるか、または逆であるかに応じて、結晶の大きさは20から100Åまで多様であることができる。他の特定の実施形態において、たとえば100から150Åの大きな粒子を作るために、塩基を加水分解性希土類金属塩溶液に添加し、空気中でゆっくり酸化させる。
【0044】
一実施形態において、コロイド分散系は、20から50Åの所定の粒径に調製される。水酸化アンモニウムおよび過酸化水素を硝酸セリウム溶液と混合し、水酸化セリウム溶液を形成する。次いで硝酸を水酸化セリウム(IV)溶液に添加し、20から50Åの酸化セリウム水和物粒子および硝酸イオンのコロイド分散系を得る。好ましくは、前記コロイド分散系の硝酸イオンと酸化セリウムのモル比は、0.12から0.25の範囲である。他の実施形態も可能であり、任意の適切な加水分解性希土類金属塩、またはその混合物を代りに使用することができ、塩酸または過塩素酸などの、その結果生じる不溶性希土類金属水和物を解凝集することのできる任意の適切な強酸を代りに使用することができ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化テトラエチルアンモニウムなどの任意の適切な塩基を代りに使用することができる。好ましくは、塩基は4を超えるpHを有する。より好ましくは、塩基は、水酸化アンモニウム、およびその誘導体からなるグループから選択される。塩基として水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムを用いるとき、ナトリウムおよびカリウムは沈殿水和物粒子から除去することが困難である。したがって、数度の洗浄が必要である。
【0045】
他の実施形態において、水酸化アンモニウムを硝酸セリウム溶液と混合し、混合物を空気でパージ、たとえば空気を混合物に通気する。水酸化セリウム(IV)溶液が生じ、次いで硝酸を添加し、50から70Åの酸化セリウム水和物粒子および硝酸イオンのコロイド分散系が形成される。好ましくは、前記コロイド分散系の硝酸イオンと酸化セリウムのモル比は、0.12から0.25の範囲である。他の実施形態も可能であり、上述のとおり任意の適切な加水分解性希土類金属塩またはその混合物、任意の適切な強酸、および任意の適切な塩基を代りに使用することができる。
【0046】
他の実施形態において、水酸化アンモニウムを硝酸セリウム溶液と混合し、混合物を空気中でゆっくり酸化し、たとえば室温で数日間静置して、水酸化セリウム(IV)溶液を得る。次いで硝酸をその溶液に添加し、100から150Åの酸化セリウム水和物粒子および硝酸イオンのコロイド分散系が生じる。好ましくは、前記コロイド分散系の硝酸イオンと酸化セリウムのモル比は、0.12から0.25の範囲である。他の実施形態も可能であり、上述のとおり任意の適切な加水分解性希土類金属塩またはその混合物、任意の適切な強酸、および任意の適切な塩基を代りに使用することができる。
【0047】
第一セリウムおよび/または第二セリウム塩は、比較的容易にセリウム(IV)コロイドに転化できる。他の実施形態において、分散系は、炭酸セリウムの水性スラリーを硝酸と混合することにより製造される。その結果生じる硝酸セリウムは、水酸化アンモニウムと過酸化水素の混合物を添加することにより加水分解および酸化される。水酸化セリウムが得られ、水および硝酸と混合して、セリウムコロイド分散系が生じるが、これは酸化セリウム水和物粒子および硝酸イオンを含む。次いで、セリウムコロイド分散系を適合性ゼオライトに添加してスラリーを形成し、上述の温度で熱処理し、易流動性微粒子を得る。
【0048】
一般に、希土類金属酸化物水和物のコロイド分散系および適合性マイクロポーラス微粒子材料のスラリーは、かなり安定である。このスラリーは、凝固、ならびに化学反応、溶解、pH変化、および伝導度変化などの化学変化に安定であることが見出されている。
【0049】
マイクロポーラス微粒子材料は、コロイド分散系がその材料の外面に配置され得るように、コロイド分散系の平均粒径より小さい平均孔径を有する。好ましくは、この材料は約20Å未満の平均孔径を有し、コロイド分散系は少なくとも約20Åの粒径を有する。より好ましくは、この材料は、約10Å未満の平均孔径を有する。
【0050】
好ましくは、マイクロポーラス微粒子材料の外面に被覆された20重量%を超える(全マイクロポーラス微粒子材料および希土類金属酸化物当量含量に対して)希土類金属酸化物が存在する。外面に被覆された高負荷量の希土類金属酸化物は、好ましくは全希土類金属酸化物およびマイクロポーラス微粒子材料当量含量に対して約20から約70重量%の範囲で提供される。マイクロポーラス微粒子材料が高負荷量の希土類金属酸化物を有するこの易流動性微粒子は、驚くべきことにかなり安定である。
【0051】
易流動性微粒子の安定性は、希土類金属酸化物被覆マイクロポーラス微粒子材料の浸出性によって測定され、低い浸出性は安定な微粒子材料であるとみなされる。浸出性は、希土類金属酸化物被覆マイクロポーラス微粒子材料が水でスラリーにされるとき、水に溶解(浸出)する希土類金属酸化物の量によって決定される。
【0052】
希土類金属酸化物被覆マイクロポーラス微粒子材料は、その安定性を依然として維持しながら、種々の温度、および温度の組合せで熱処理することができる。特定の実施形態において、希土類金属酸化物被覆マイクロポーラス微粒子材料が約200℃未満の温度で熱処理され、水でスラリーにされるとき、驚くべきことに非常に少ない希土類金属酸化物が浸出性である。この材料はそのように低い温度で熱処理されたので、希土類金属酸化物が完全に水に浸出することが予期された。しかしながら、典型的に、30重量%未満(全希土類金属酸化物当量含量に対して)の希土類金属酸化物が水に浸出することが見出され、これは微粒子材料が約200℃未満の温度で熱処理されたときでもかなり安定であることを示している。希土類金属酸化物被覆マイクロポーラス微粒子材料が約400℃を超える温度で熱処理され、水でスラリーにされるとき、通常、0.1重量%未満(全希土類金属酸化物当量含量に対して)の希土類金属酸化物が水に浸出することが見出されている。これらの結果は、高負荷量および低負荷量の両方に当てはまる。従来技術の手法とは異なり、本発明の手法は、連続温度を含む約900℃までの多様な温度を用い、材料の高表面積または触媒活性を損なうことなく、高負荷量(約20重量%超の希土類金属酸化物)を含む多様な負荷量を有効に提供する。
【0053】
好ましい実施形態において、本発明の方法のその結果生じるスラリーは、約200℃未満、約400℃超、またはスラリーを最初に約200℃未満の温度、次いで約400℃超の温度で熱処理するそれらの連続した組合せで熱処理することができる。好ましくは、スラリーは、約200℃未満の温度で、その後続いて約400℃超の温度で熱処理する。より好ましくは、スラリーは、約85℃から約105℃の温度で、その後続いて約400℃超の温度で熱処理し、ここでスラリーは約400℃超の温度に達するまで、100℃/時間の速度で加熱する。この時点で、その温度を少なくとも1時間保持する。約200℃から約400℃の間の温度でのみ、商業上実行可能な時間、通常は5時間、熱処理される場合、希土類金属酸化物被覆マイクロポーラス微粒子材料に有害な結果が生じる。有害な結果が生じないように、希土類金属酸化物被覆マイクロポーラス微粒子材料を約200℃から約400℃の温度で数週間加熱することが可能であるが、これは希土類金属酸化物被覆マイクロポーラス微粒子材料の製造には実用的でない。
【0054】
特定の理論に拘泥するものではないが、希土類金属酸化物水和物のコロイド分散系を適合性マイクロポーラス材料と合わせてスラリーを形成するとき、コロイド分散系の製造に用いられる強酸の対イオン(たとえば硝酸イオン)はマイクロポーラス材料の孔内に移動し、希土類金属酸化物は、希土類金属酸化物がもはや水分散性でないようにマイクロポーラス材料の外面に固定されると考えられる。乾燥ステップが低温、すなわち約200℃未満で行われるとき、マイクロポーラス材料の外面への希土類金属酸化物の固定が強化され、希土類金属酸化物被覆マイクロポーラス微粒子材料は水に不溶性になると考えられる。しかしながら、乾燥ステップが約200℃から約400℃の間で商業上実行可能な時間、通常は5時間行われる場合、対イオンはマイクロポーラス材料の孔から放出されると考えられ、希土類金属酸化物成分と再結合して、水分散性希土類金属酸化物を再形成するために利用できる。総合的に述べれば、水に溶解する場合、このことが希土類金属酸化物被覆マイクロポーラス微粒子材料を破壊する。換言すれば、希土類金属酸化物は水に浸出し、希土類金属酸化物被覆マイクロポーラス微粒子物質を破壊する。加熱が引き続き約400℃超で行われるとき、対イオンはガス成分に分解し、希土類金属酸化物被覆マイクロポーラス微粒子材料の孔から放出されるので、材料は水に不溶性のままである。
【0055】
したがって、一実施形態において、スラリーを熱処理して、マイクロポーラス材料の外面に希土類金属酸化物を固定する。この固定熱処理ステップは、乾燥ステップおよび/または焼成ステップを含むことができる。
【0056】
乾燥ステップにおいて、スラリーは、好ましくは乾燥粉末を形成するのに充分な時間および温度で加熱される(すなわち、少なくとも一部、より好ましくはすべてまたは本質的にすべての水がスラリーから除去される)。好ましくは、この溶液は、約200℃未満の温度で乾燥される(たとえば噴霧乾燥機など)。たいていの場合、乾燥ステップには、噴霧乾燥、トレイ乾燥、凍結乾燥、溶媒乾燥、またはフラッシュ乾燥技法、あるいはそれらの組合せのいずれかが含まれる。
【0057】
焼成ステップにおいて、スラリーまたは乾燥粉末は、好ましくは少なくとも一部の対イオン、より好ましくはすべてまたは本質的にすべての対イオンが結果として生じた乾燥マイクロポーラス材料から除去または分解されるのに充分な時間および温度で加熱される。このプロセスの間、残存する水(スラリーが最初の低温乾燥プロセスに供せられていない場合)が除去され、少なくとも一部の対イオン、より好ましくはすべてまたは本質的にすべての対イオンがガス成分に分解される。好ましくは、溶液は、噴霧焼成器などにおいて、単一の処理ステップで噴霧乾燥および焼成される。しかしながら、この熱処理は、最初の乾燥ステップ(たとえば、噴霧乾燥機によって)、それに続く焼成ステップなど、2段階で行うこともできる。
【0058】
他の実施形態において、前述の方法に用いられる好ましい希土類金属はセリウムであり、好ましい適合性マイクロポーラス材料は適合性ゼオライト微粒子材料である。全ゼオライトおよび酸化セリウム当量含量に対して、ゼオライト微粒子材料の外面に被覆された約1重量%を超える酸化セリウムが存在する可能性がある。外面に被覆された高負荷量の酸化セリウムは、一般に全酸化セリウムおよびゼオライト当量含量に対して約20から約70重量%の範囲で提供される。高負荷量の酸化セリウムを有するこのゼオライト微粒子材料は、驚くべきことにかなり安定である。酸化セリウム被覆ゼオライト微粒子材料が約200℃未満の温度で熱処理され、水でスラリーにされるとき、驚くべきことに非常に少ない酸化セリウムが浸出性である。典型的に、30重量%未満(全酸化セリウム当量含量に対して)の酸化セリウムが水に浸出することが見出され、これは微粒子材料が約200℃未満の温度で熱処理されたときでもかなり安定であることを示している。酸化セリウム被覆ゼオライト微粒子材料が約400℃を超える温度で熱処理され、水でスラリーにされるとき、通常、0.1重量%未満(全酸化セリウム当量含量に対して)の酸化セリウムが水に浸出することが見出される。
【0059】
このスラリーは、好ましくは約200℃未満の温度で噴霧乾燥される。たいていの場合、この熱処理ステップには、噴霧乾燥、トレイ乾燥、凍結乾燥、溶媒乾燥、またはフラッシュ乾燥技法、あるいはそれらの組合せのいずれかが含まれる。
【0060】
ゼオライト微粒子材料は、コロイド分散系がその材料の外面に配置され得るように、酸化セリウム水和物のコロイド分散系の平均粒径より小さい平均孔径を有する。好ましくは、ゼオライトは20Å未満の平均孔径を有し、セリアコロイド分散系は少なくとも20Åの粒径を有する。
【0061】
好ましい実施形態において、前述の方法は、バルク粒子を破砕して、1から25ミクロンの範囲の粒径を提供する追加ステップ(iii)を含む。
【0062】
この触媒希土類金属酸化物被覆マイクロポーラス微粒子材料は、多様な異なる適用例に用いることができる。本発明の一態様において、金属酸化物被覆マイクロポーラス微粒子材料は、副流煙の放出を減ずるために、通常のタバコロッドを包むシガレットペーパに混合することができる。特に、この微粒子材料は、シガレットペーパに含浸されるか、あるいはシガレットペーパの外面および/または内面に被覆または層として適用され、シガレットペーパの製造においてフィラーとして用いることができる。あるいは、この処理紙は多重包装紙として用いることができ、すなわち通常のシガレットペーパを有するシガレットの上に外部包装紙として用いることができる。
【0063】
本発明の他の態様において、微粒子材料は、自動車の排出ガスなど、燃料の燃焼による排出ガスを触媒するために用いることができる。現代の自動車エンジンは、炭化水素燃料の不完全燃焼に起因する多くの汚染物質を生じる。排出ガス混合物は、典型的に、CO、未燃炭化水素、および数千ppmのNOxを含有する。これら3種の燃焼副生成物を低減する触媒コンバータは、3元触媒と呼ばれる。他の用途には、セルフクリーニングオーブンの内壁の被覆、接触分解、熱溶射被覆、および被削性シールが含まれる。
【0064】
酸化セリウムなどの触媒は、エンジンがリッチバーンで作動しているとき、その期間に完全に炭化水素およびCOを酸化するために酸素を提供することができる。エンジンがリーンバーンで作動しているとき、セリウムは酸素を貯蔵するCe4+に酸化される。多燃料サイクルが始まるとき、セリウムは可逆的にCe4+からCe3+に酸化状態を変えることができ、化学反応(たとえばCOからCO2への転化)に酸素を提供する。触媒が排気管に存在する高温下で有効に作用することができるように、触媒反応に充分な活性部位を提供するのに充分な表面積を持たなければならない。本発明に従って製造されたセリア被覆マイクロポーラス微粒子材料は、汚染物質の充分な触媒反応をもたらす高い触媒表面積を提供する。さらに、セリアはマイクロポーラス微粒子材料によって安定化され、その酸化物が排気管の高温に耐性であることを可能にする。
【0065】
以下の実施例は、本発明の様々な態様をさらに例示するために提示される。これらの実施例は例示にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0066】
セリアコロイド分散系
(実施例1)
酸化セリウム換算で69.3重量%相当量を含む炭酸セリウム(50g、純度99.9%)を蒸留水(0.1L)でスラリーにし、硝酸(38.4ml、16M)を加えて溶解した。生じた中性溶液を数分間煮沸し、濾過して微量の不溶物質を除去し、水で1Lに希釈して、硝酸第一セリウム溶液を得た。調製し、75℃に維持した硝酸第一セリウム溶液に、水酸化アンモニウム(40ml、18M)、過酸化水素(20ml、100容量)、水(160ml)の混合物を攪拌しながら添加した。生じた不溶性、暗褐色の過酸化セリウム(IV)錯体は急速に退色し、水酸化アンモニウム/過酸化水素混合物の添加が完了した後、水酸化セリウム(IV)の乳白色沈殿物が得られ、pH7.0を有した。
【0067】
沈殿物を遠心分離し、連続的に1L容量の蒸留水を用いて攪拌によって2度洗浄した。分離した沈殿物を蒸留水(750ml)および硝酸(12.5ml、16M)と共に攪拌し、モル比1の硝酸/酸化セリウムを得た。生じたスラリーを約70℃に15分間加熱し、水酸化セリウム(IV)を解凝集し、調整スラリーを得た。調整スラリーのpHは1未満であった。
【0068】
冷却後、スラリーを遠心分離し、残渣を蒸留水(150ml)に分散し、半透明の緑色がかったコロイドゾルを得た。
【0069】
(実施例2)
1kgの酸化セリウム(IV)水和物(酸化セリウム約72%、硝酸塩/酸化セリウム比0.24)をルツボ(床厚3.0cm)に入れ、マッフル炉において空気中320℃で1時間加熱した。生じた乾燥分散性セリウム化合物粉末(0.78kg)は微結晶径59Åを有し、硝酸塩/セリウム比は0.14であった。
【0070】
熱処理セリウム化合物粉末100gを温脱塩水に攪拌によって分散し、濃度μ450g/L酸化セリウム当量のコロイド分散系を形成した。
【0071】
(実施例3)
1.22kgの分散性セリアゲル(Advanced Materials Resources,Inc、Toronto、Canadaから入手、実施例1に記載の方法によって製造)を5.5Lの脱塩水と共に30分間攪拌した。生じたコロイド分散系は200g/Lの酸化セリウムを含有した。このコロイド分散系は、密度1.15g/ml、pH1.8を有する。
【0072】
混合セリアコロイド分散系−ゼオライトスラリー
(実施例4A)
0.536kgのゼオライト粉末(Zeolyst International、Pennsylvania、USAから入手したZeolyst(商標)CBV400、pH3から5)を、実施例3に記載のとおり製造した2.0Lの酸化セリウムコロイド分散系(酸化セリウム当量180g/L)に攪拌しながら添加した。公称44重量%の酸化セリウム(全酸化セリウムおよびゼオライト当量含量に対して)、および56重量%のゼオライト(全酸化セリウムおよびゼオライト当量含量に対して)を含有するチキソトロープ混合物(密度1.30g/ml、pH3.8)を噴霧乾燥して(入口温度180℃、出口温度105℃)、易流動性ゲル粉末を得た。
【0073】
(実施例4B)
45gのゼオライト粉末(Zeolyst Internationalから入手したZeolyst(商標)CBV400、pH3から5)を、実施例3に記載のとおり製造した0.5Lの酸化セリウムコロイド分散系(酸化セリウム当量100g/L)に攪拌しながら添加した。公称72重量%の酸化セリウム(全酸化セリウムおよびゼオライト当量含量に対して)、および28重量%のゼオライト(全酸化セリウムおよびゼオライト当量含量に対して)を含有するチキソトロープ混合物(密度1.20g/ml、pH2.8)を噴霧乾燥して(入口温度180℃、出口温度105℃)、易流動性ゲル粉末を得た。
【0074】
(実施例5)
0.59kgのゼオライト粉末(Zeolyst Internationalから入手したZeolyst(商標)CBV600、pH3から5)を、実施例3に記載のとおり製造した2.0Lの酸化セリウムコロイド分散系(酸化セリウム当量180g/L)に攪拌しながら添加した。公称44重量%の酸化セリウム(全酸化セリウムおよびゼオライト当量含量に対して)、および56重量%のゼオライト(全酸化セリウムおよびゼオライト当量含量に対して)を含有するチキソトロープ混合物(密度1.28g/ml、pH3.3)を噴霧乾燥して(入口温度180℃、出口温度105℃)、易流動性ゲル粉末を得た。
【0075】
(実施例6)
0.36kgのゼオライト粉末(Zeolyst Internationalから入手したZeolyst(商標)CBV300、pH5から7)を、実施例3に記載のとおり製造した0.50Lの酸化セリウムコロイド分散系(酸化セリウム当量180g/L)に攪拌しながら添加した。公称33重量%の酸化セリウム(全酸化セリウムおよびゼオライト当量含量に対して)、および67重量%のゼオライト(全酸化セリウムおよびゼオライト当量含量に対して)を含有するチキソトロープ混合物(密度1.28g/ml、pH3.7)を噴霧乾燥して(入口温度180℃、出口温度105℃)、易流動性ゲル粉末を得た。
【0076】
(実施例7)
実施例3に記載のとおり製造した異なる容量のセリウムコロイド分散系を、異なる重量のゼオライト粉末(Zeolyst Internationalから入手したZeolyst(商標)CBV720、pH3から5)と共に攪拌した。セリウムコロイド分散系とゼオライト粉末の混合物は、表1に示す種々の組成物を含むスラリーを生じた。
【0077】
【表1】

【0078】
混合セリアコロイド分散系−ゼオライト供給物の噴霧乾燥
(実施例8)
実施例7で調製したすべての供給物は、150μmのふるいを容易に通過する。少量の異形(tramp)物が存在する(<1%)。噴霧乾燥の前に、供給物を22℃で24時間静置した。供給1は沈殿の証拠を示さなかった。供給2から5は沈殿を示すが、沈殿物は振盪または静かに攪拌することによって容易に再スラリー化した。
【0079】
より多量の供給物の噴霧乾燥は、Mobile Minor噴霧乾燥機(公称蒸発容量、1時間当たり水5kg)を用いて行った。噴霧乾燥機の供給量は1.7L/時間であり、入口温度は220℃であり、出口温度は109℃から116℃であった。噴霧の間、供給物を攪拌した。表2は、噴霧乾燥の結果を示す。
【0080】
【表2】

【0081】
表2に記載のゲル粉末は、球状で易流動性である。このゲル粉末は、好ましい熱処理温度を決めるために熱重量分析で試験され、その後500℃で熱処理に供し(ゲル粉末を温度500℃に達するまで100℃/時間の速度で加熱し、ただし、温度は少なくとも1時間その温度に保つ)、損失重量および/またはNOx放出を観察した。これらの噴霧乾燥セリア−ゼオライトゲル粉末の評価を表3に示す。
【0082】
【表3】

【0083】
セリアの密度はゼオライトの密度よりはるかに高いので、表3に示した実験の結果は、セリアがセリア−ゼオライトゲル粉末を伴い、セリアの重量%が増大するにつれ、密度が高くなることを確認する。
【0084】
非浸出性セリア−ゼオライトゲル粉末
(実施例9)
実施例8に記載のとおり調製し(500℃の熱処理は除く)、4.4gの酸化セリウムを含有する(酸化セリウム44重量%)10.0gのセリア−ゼオライトゲル粉末(Zeolyst Internationalから入手したZeolyst(商標)CBV720、pH3から5)を100mlの水に添加し、約10分間70℃に加熱した。次いで、この溶液を遠心分離し、生じた透明の上澄み(浸出液)に水酸化アンモニウムを添加し、上澄みに溶解しているセリアを沈殿させた。わずか0.35gのセリアが浸出液に見出された。
【0085】
(実施例10)
実施例5と同様に調製し(500℃で熱処理せず)、6.5gの酸化セリウムを含有する(酸化セリウム65重量%)10.0gのセリア−ゼオライトゲル粉末(Zeolyst Internationalから入手したZeolyst(商標)CBV600、pH3から5)を50mlの水に添加し、約10分間70℃に加熱した。伝導度を測定すると、10×10-3ジーメンスであった。
【0086】
(実施例11)
実施例5と同様に調製し(500℃で熱処理せず)、4.4gの酸化セリウムを含有する(酸化セリウム44重量%)10.0gのセリア−ゼオライトゲル粉末(Zeolyst Internationalから入手したZeolyst(商標)CBV600、pH3から5)を50mlの水に添加し、約10分間70℃に加熱した。伝導度を測定すると、6.4×10-3ジーメンスであった。
【0087】
伝導度の増大はより多くのセリアの浸出を意味し、したがって実施例10および11は、セリアの負荷量の増大と共に、伝導度は比例して増大すると考えられることを示し、これはより多くのセリアの浸出を意味する。負荷量が高くなると共に浸出は増大するが、約200℃未満の温度で熱処理された試料は、典型的に30重量%未満の酸化セリウム(全酸化セリウム当量含量に対して)が水に浸出することが見出されている。
【0088】
これらの実施例は、広範な重量%の酸化セリウム被覆ゼオライトを示す。実験は、酸化セリウム被覆ゼオライトの高い密度と酸化セリウムの高い負荷量の相関性の増大を示している。驚くべきことに、実施例9から11において認められるように、これらの被覆ゼオライトの安定性は、酸化セリウム被覆ゼオライトを500℃超で熱処理しなくてもかなり高い。
【0089】
本発明の好ましい実施形態を本明細書に詳しく記載したが、本発明の精神または添付の特許請求の範囲から逸脱することなく変更できることを当分野の技術者は理解するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
全希土類金属酸化物およびマイクロポーラス微粒子材料当量含量に対して20重量%を超える、前記マイクロポーラス微粒子材料の外面に被覆された前記希土類金属酸化物を有する触媒希土類金属酸化物被覆マイクロポーラス微粒子材料を製造する方法であって、
i)ある量の希土類金属酸化物水和物のコロイド分散系を適合性マイクロポーラス微粒子材料と合わせてスラリーを形成するステップであって、コロイド分散系の量はステップ(ii)に従って熱処理されたとき、20重量%を超える希土類金属酸化物を提供するのに充分であり、前記マイクロポーラス微粒子材料は20Å未満の平均孔径を有し、前記コロイド分散系は少なくとも20Åの粒径を有し、それによって前記マイクロポーラス微粒子材料の前記外面に前記コロイド分散系を配置するステップ、および
ii)前記スラリーを約200℃未満、約400℃超の温度で、またはスラリーを最初に約200℃未満の温度、次いで約400℃超の温度で熱処理するそれらの連続した組合せで熱処理し、その結果生じる希土類金属酸化物を前記マイクロポーラス微粒子材料の前記外面に固定して、易流動性バルク微粒子を提供するステップを含む方法。
【請求項2】
前記マイクロポーラス微粒子材料が、適合性アルミノケイ酸塩である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記マイクロポーラス微粒子材料が、適合性ゼオライト微粒子材料である請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記スラリーが、最初に約200℃未満の温度、次いで約400℃超の温度で熱処理される請求項3に記載の方法。
【請求項5】
希土類金属酸化物が、ランタニド金属、イットリウム、スカンジウム、およびそれらの混合物の酸化物からなるグループから選択される請求項4に記載の方法。
【請求項6】
希土類金属酸化物が、セリウムの酸化物である請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記コロイド分散系が4.2未満のpHを有し、前記コロイド分散系が結晶性である請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記希土類金属酸化物被覆マイクロポーラス微粒子材料を破砕して、1から25ミクロンの範囲の粒径を提供することを含むさらなるステップ(iii)を含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記スラリーが、噴霧乾燥、トレイ乾燥、凍結乾燥、溶媒乾燥、フラッシュ乾燥技法、またはそれらの組合せを用いて熱処理される請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記コロイド分散系が、希土類金属硝酸塩、希土類金属塩化物、希土類金属酢酸塩、希土類金属過塩素酸塩、およびそれらの混合物からなるグループから選択された希土類金属塩基体から製造される請求項3に記載の方法。
【請求項11】
前記コロイド分散系が、ランタニド金属硝酸塩、ランタニド金属塩化物、ランタニド金属酢酸塩、ランタニド金属過塩素酸塩、およびそれらの混合物からなるグループから選択されたランタニド金属塩基体から製造される請求項3に記載の方法。
【請求項12】
前記コロイド分散系をゲルに乾燥し、続いて水で再構成してステップ(i)で用いる前記コロイド分散系を形成する請求項3に記載の方法。
【請求項13】
前記ゼオライトを水と混合し、酸を添加して4.2未満のpHを提供する請求項3に記載の方法。
【請求項14】
前記ゼオライトを水と混合し、4.2未満のpHを提供する請求項3に記載の方法。
【請求項15】
前記コロイド分散系が、20から50Å、50から70Å、または100から150Åの所定の制御された範囲のコロイド粒径に調製される請求項3に記載の方法。
【請求項16】
20から50Åの所定の前記粒径を有する前記コロイド分散系の調製が、
a)塩基および過酸化水素を加水分解性希土類金属塩溶液と混合し、希土類金属水酸化物溶液を生じるステップ、および
b)希土類金属水酸化物溶液に強酸を添加し、希土類金属酸化物水和物のコロイド分散系を提供するステップであって、強酸が希土類金属酸化物水和物のコロイド分散系を解凝集できるステップを含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
50から70Åの所定の前記粒径を有する前記コロイド分散系の調製が、
a)塩基を加水分解性希土類金属塩溶液と混合し、前記溶液に空気を通気し、希土類金属水酸化物溶液を生じるステップ、および
b)希土類金属水酸化物溶液に強酸を添加し、希土類金属酸化物水和物のコロイド分散系を提供するステップであって、強酸が希土類金属酸化物水和物のコロイド分散系を解凝集できるステップを含む請求項15に記載の方法。
【請求項18】
100から150Åの所定の前記粒径を有する前記コロイド分散系の調製が、
a)塩基を加水分解性希土類金属塩溶液と混合するステップであって、希土類金属が2つの酸化状態を有するステップ、
b)加水分解性希土類金属塩溶液を空気中でゆっくり酸化させ、希土類金属水酸化物溶液を生じるステップ、および
c)希土類金属水酸化物溶液に強酸を添加し、希土類金属酸化物水和物のコロイド分散系を提供するステップであって、強酸が希土類金属酸化物水和物のコロイド分散系を解凝集できるステップを含む請求項15に記載の方法。
【請求項19】
強酸が、硝酸、塩酸、および過塩素酸からなるグループから選択される請求項16に記載の方法。
【請求項20】
強酸が、硝酸、塩酸、および過塩素酸からなるグループから選択される請求項17に記載の方法。
【請求項21】
強酸が、硝酸、塩酸、および過塩素酸からなるグループから選択される請求項18に記載の方法。
【請求項22】
強酸が硝酸であり、前記希土類金属酸化物水和物のコロイド分散系が硝酸イオンを含む請求項19に記載の方法。
【請求項23】
強酸が硝酸であり、前記希土類金属酸化物水和物のコロイド分散系が硝酸イオンを含む請求項20に記載の方法。
【請求項24】
強酸が硝酸であり、前記希土類金属酸化物水和物のコロイド分散系が硝酸イオンを含む請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記易流動性バルク微粒子が、硝酸イオンを含まない請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記易流動性バルク微粒子が、硝酸イオンを含まない請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記易流動性バルク微粒子が、硝酸イオンを含まない請求項24に記載の方法。
【請求項28】
希土類金属塩が、希土類金属硝酸塩、希土類金属塩化物、希土類金属酢酸塩、希土類金属過塩素酸塩、およびそれらの混合物からなるグループから選択される請求項16に記載の方法。
【請求項29】
希土類金属塩が、希土類金属硝酸塩、希土類金属塩化物、希土類金属酢酸塩、希土類金属過塩素酸塩、およびそれらの混合物からなるグループから選択される請求項17に記載の方法。
【請求項30】
希土類金属塩が、希土類金属硝酸塩、希土類金属塩化物、希土類金属酢酸塩、希土類金属過塩素酸塩、およびそれらの混合物からなるグループから選択される請求項18に記載の方法。
【請求項31】
希土類金属が、ランタニド金属、イットリウム、スカンジウム、およびそれらの混合物からなるグループから選択される請求項16に記載の方法。
【請求項32】
希土類金属が、ランタニド金属、イットリウム、スカンジウム、およびそれらの混合物からなるグループから選択される請求項17に記載の方法。
【請求項33】
希土類金属が、セリウム、ユーロピウム、およびそれらの混合物からなるグループから選択される請求項18に記載の方法。
【請求項34】
前記マイクロポーラス微粒子材料が、10Å未満の孔径を有する請求項1に記載の方法。
【請求項35】
コロイド分散系が4.2未満のpHを有し、前記酸化セリウム水和物が結晶性である請求項3に記載の方法。
【請求項36】
前記希土類金属酸化物被覆ゼオライト微粒子材料を破砕して、1から25ミクロンの範囲の粒径を提供することを含むさらなるステップ(iii)を含む請求項3に記載の方法。
【請求項37】
前記スラリーが、噴霧乾燥、トレイ乾燥、凍結乾燥、溶媒乾燥、フラッシュ乾燥技法、およびそれらの組合せを用いて熱処理される請求項3に記載の方法。
【請求項38】
前記酸化セリウム水和物のコロイド分散系が、硝酸セリウム、塩化セリウム、酢酸セリウム、過塩素酸セリウム、およびそれらの混合物からなるグループから選択されたセリウム塩の基質から製造される請求項3に記載の方法。
【請求項39】
前記コロイド分散系をゲルに乾燥し、続いて水で再構成してステップ(i)で用いる前記コロイド分散系を形成する請求項3に記載の方法。
【請求項40】
前記ゼオライトを水と混合し、酸を添加して4.2未満のpHを提供する請求項3に記載の方法。
【請求項41】
前記ゼオライトを水と混合し、4.2未満のpHを提供する請求項3に記載の方法。
【請求項42】
前記コロイド分散系が、20から50Å、50から70Å、または100から150Åの所定の制御された範囲のコロイド粒径に調製される請求項3に記載の方法。
【請求項43】
20から50Åの所定の前記粒径を有する前記コロイド分散系の調製が、
a)塩基および過酸化水素を加水分解性セリウム塩溶液と混合し、水酸化セリウム(IV)溶液を生じるステップ、および
b)前記水酸化セリウム(IV)溶液に強酸を添加し、酸化セリウム水和物のコロイド分散系を提供するステップであって、強酸が酸化セリウム水和物酸化物水和物のコロイド分散系を解凝集できるステップを含む請求項42に記載の方法。
【請求項44】
50から70Åの所定の前記粒径を有する前記コロイド分散系の調製が、
a)塩基を加水分解性セリウム塩溶液と混合し、前記溶液に空気を通気し、水酸化セリウム(IV)溶液を生じるステップ、および
b)前記水酸化セリウム(IV)溶液に強酸を添加し、酸化セリウム水和物のコロイド分散系を提供するステップであって、強酸が酸化セリウム水和物酸化物水和物のコロイド分散系を解凝集できるステップを含む請求項42に記載の方法。
【請求項45】
100から150Åの所定の前記粒径を有する前記コロイド分散系の調製が、
a)塩基を加水分解性セリウム塩溶液と混合するステップ、
b)加水分解性セリウム塩溶液を空気中でゆっくり酸化させ、水酸化セリウム(IV)溶液を生じるステップ、および
c)前記水酸化セリウム(IV)溶液に強酸を添加し、酸化セリウム水和物のコロイド分散系を提供するステップであって、強酸が酸化セリウム水和物酸化物水和物のコロイド分散系を解凝集できるステップを含む請求項42に記載の方法。
【請求項46】
強酸が、硝酸、塩酸、および過塩素酸からなるグループから選択される請求項43に記載の方法。
【請求項47】
強酸が、硝酸、塩酸、および過塩素酸からなるグループから選択される請求項44に記載の方法。
【請求項48】
強酸が、硝酸、塩酸、および過塩素酸からなるグループから選択される請求項45に記載の方法。
【請求項49】
強酸が硝酸であり、前記酸化セリウム水和物のコロイド分散系が硝酸イオンを含む請求項46に記載の方法。
【請求項50】
強酸が硝酸であり、前記酸化セリウム水和物のコロイド分散系が硝酸イオンを含む請求項47に記載の方法。
【請求項51】
強酸が硝酸であり、前記酸化セリウム水和物のコロイド分散系が硝酸イオンを含む請求項48に記載の方法。
【請求項52】
前記易流動性バルク微粒子が、硝酸イオンを含まない請求項49に記載の方法。
【請求項53】
前記易流動性バルク微粒子が、硝酸イオンを含まない請求項50に記載の方法。
【請求項54】
前記易流動性バルク微粒子が、硝酸イオンを含まない請求項51に記載の方法。
【請求項55】
セリウム塩が、硝酸セリウム、塩化セリウム、酢酸セリウム、過塩素酸セリウム、およびそれらの混合物からなるグループから選択される請求項43に記載の方法。
【請求項56】
セリウム塩が、硝酸セリウム、塩化セリウム、酢酸セリウム、過塩素酸セリウム、およびそれらの混合物からなるグループから選択される請求項44に記載の方法。
【請求項57】
セリウム塩が、硝酸セリウム、塩化セリウム、酢酸セリウム、過塩素酸セリウム、およびそれらの混合物からなるグループから選択される請求項45に記載の方法。
【請求項58】
前記コロイド分散系の硝酸イオンと酸化セリウムのモル比が、0.12から0.25の範囲である請求項49に記載の方法。
【請求項59】
前記コロイド分散系の硝酸イオンと酸化セリウムのモル比が、0.12から0.25の範囲である請求項50に記載の方法。
【請求項60】
前記コロイド分散系の硝酸イオンと酸化セリウムのモル比が、0.12から0.25の範囲である請求項51に記載の方法。
【請求項61】
外面に被覆された前記希土類金属酸化物が、全希土類金属酸化物およびゼオライト当量含量に対して20から70重量%の範囲である請求項3に記載の方法。
【請求項62】
前記希土類金属酸化物が、酸化セリウムである請求項61に記載の方法。
【請求項63】
ゼオライトが次式によって表され、
mM'nM"p[aAlO2・bSiO2・cTO2
式中、
Mは、1価陽イオンであり、
M'は、2価陽イオンであり、
M"は、3価陽イオンであり、
a、b、c、n、m、およびpは、化学量比を表す数であり、
c、m、n、またはpは、ゼロであることもでき、
AlおよびSiは、4面体配位AlおよびSi原子であり、
Tは、AlまたはSiと置換できる4面体配位金属原子であり、
ゼオライトまたはゼオライト様材料のb/a比は、約5から約300の値を有し、ゼオライトの微小孔径は、5から13Åの範囲内である請求項3に記載の方法。
【請求項64】
ゼオライトが、シリカライト型ゼオライト、フォージャサイト、X、Y、およびL型ゼオライト、β−ゼオライト、モルデナイト型ゼオライト、ZSM型ゼオライト、およびそれらの混合物からなるグループから選択される請求項3に記載の方法。
【請求項65】
ゼオライトが、疎水性および弱疎水性の有機化合物に親和性を有する、疎水性、弱疎水性ゼオライト、およびそれらの混合物からなるグループから選択される請求項3に記載の方法。
【請求項66】
ゼオライト微粒子材料、
希土類金属酸化物、
20Å未満の平均孔径を有する前記ゼオライト微粒子材料、および
全希土類金属酸化物およびゼオライト当量含量に対して20重量%を超える前記ゼオライト微粒子材料の外面に被覆された前記希土類金属酸化物を含む触媒希土類金属酸化物被覆ゼオライト易流動性バルク微粒子。
【請求項67】
希土類金属酸化物が、ランタニド金属、イットリウム、スカンジウム、およびそれらの混合物の酸化物からなるグループから選択される請求項66に記載の易流動性バルク微粒子。
【請求項68】
希土類金属酸化物が、セリウムの酸化物である請求項67に記載の易流動性バルク微粒子。
【請求項69】
外面に被覆された前記希土類金属酸化物が、全希土類金属酸化物およびゼオライト当量含量に対して20から70重量%の範囲である請求項66に記載の易流動性バルク微粒子。
【請求項70】
外面に被覆された前記ランタニド金属酸化物が、全酸化セリウムおよびゼオライト当量含量に対して20から70重量%の範囲である請求項67に記載の易流動性バルク微粒子。
【請求項71】
外面に被覆された前記酸化セリウムが、全酸化セリウムおよびゼオライト当量含量に対して20から70重量%の範囲である請求項68に記載の易流動性バルク微粒子。
【請求項72】
1から25ミクロンの範囲の粒径をさらに有する請求項66に記載の易流動性バルク微粒子。
【請求項73】
前記易流動性バルク微粒子が、硝酸イオンを含まない請求項66に記載の易流動性バルク微粒子。
【請求項74】
前記ゼオライト微粒子材料が、10Å未満の孔径を有する請求項66に記載の易流動性バルク微粒子。
【請求項75】
ゼオライトが次式によって表され、
mM'nM"p[aAlO2・bSiO2・cTO2
式中、
Mは、1価陽イオンであり、
M'は、2価陽イオンであり、
M"は、3価陽イオンであり、
a、b、c、n、m、およびpは、化学量比を表す数であり、
c、m、n、またはpは、ゼロであることもでき、
AlおよびSiは、4面体配位AlおよびSi原子であり、
Tは、AlまたはSiと置換できる4面体配位金属原子であり、
ゼオライトまたはゼオライト様材料のb/a比は、約5から約300の値を有し、ゼオライトの微小孔径は、5から13Åの範囲内である請求項66に記載の方法。
【請求項76】
ゼオライトが次式によって表され、
mM'nM"p[aAlO2・bSiO2・cTO2
式中、
Mは、1価陽イオンであり、
M'は、2価陽イオンであり、
M"は、3価陽イオンであり、
a、b、c、n、m、およびpは、化学量比を表す数であり、
c、m、n、またはpは、ゼロであることもでき、
AlおよびSiは、4面体配位AlおよびSi原子であり、
Tは、AlまたはSiと置換できる4面体配位金属原子であり、
ゼオライトまたはゼオライト様材料のb/a比は、>5の値を有し、ゼオライトの微小孔径は、5から13Åの範囲内である請求項67に記載の方法。
【請求項77】
ゼオライトが次式によって表され、
mM'nM"p[aAlO2・bSiO2・cTO2
式中、
Mは、1価陽イオンであり、
M'は、2価陽イオンであり、
M"は、3価陽イオンであり、
a、b、c、n、m、およびpは、化学量比を表す数であり、
c、m、n、またはpは、ゼロであることもでき、
AlおよびSiは、4面体配位AlおよびSi原子であり、
Tは、AlまたはSiと置換できる4面体配位金属原子であり、
ゼオライトまたはゼオライト様材料のb/a比は、>5の値を有し、ゼオライトの微小孔径は、5から13Åの範囲内である請求項68に記載の方法。
【請求項78】
ゼオライトが、シリカライト型ゼオライト、フォージャサイト、X、Y、およびL型ゼオライト、β−ゼオライト、モルデナイト型ゼオライト、ZSM型ゼオライト、およびそれらの混合物からなるグループから選択される請求項66に記載の易流動性バルク微粒子。
【請求項79】
ゼオライトが、シリカライト型ゼオライト、フォージャサイト、X、Y、およびL型ゼオライト、β−ゼオライト、モルデナイト型ゼオライト、ZSM型ゼオライト、およびそれらの混合物からなるグループから選択される請求項67に記載の易流動性バルク微粒子。
【請求項80】
ゼオライトが、シリカライト型ゼオライト、フォージャサイト、X、Y、およびL型ゼオライト、β−ゼオライト、モルデナイト型ゼオライト、ZSM型ゼオライト、およびそれらの混合物からなるグループから選択される請求項68に記載の易流動性バルク微粒子。
【請求項81】
ゼオライトが、疎水性および弱疎水性の有機化合物に親和性を有する、疎水性、弱疎水性ゼオライト、およびそれらの混合物からなるグループから選択される請求項66に記載の易流動性バルク微粒子。
【請求項82】
前記ゼオライト微粒子材料が、4.2未満のpHを有する請求項66に記載の易流動性バルク微粒子。
【請求項83】
希土類金属酸化物被覆ゼオライト易流動性バルク微粒子が水でスラリーにされるとき、30重量%未満(全希土類金属酸化物当量含量に対して)の希土類金属酸化物が水に浸出することが見出されている請求項66に記載の易流動性バルク微粒子。
【請求項84】
酸化セリウム被覆ゼオライト易流動性バルク微粒子が水でスラリーにされるとき、30重量%未満(全酸化セリウム当量含量に対して)の酸化セリウムが水に浸出することが見出されている請求項66に記載の易流動性バルク微粒子。
【請求項85】
全希土類金属酸化物およびゼオライト当量含量に対して少なくとも1重量%の、前記ゼオライト微粒子材料の外面に被覆された前記希土類金属酸化物を有する触媒希土類金属酸化物被覆ゼオライト微粒子材料を製造する方法であって、
i)ある量の希土類金属酸化物水和物のコロイド分散系を適合性ゼオライト微粒子材料と合わせてスラリーを形成するステップであって、コロイド分散系の量はステップ(ii)に従って熱処理されたとき、1.0重量%を超える希土類金属酸化物を提供するのに充分であり、前記ゼオライト微粒子材料は20Å未満の平均孔径を有し、前記コロイド分散系は少なくとも20Åの粒径を有し、それによって前記ゼオライトの前記外面に前記コロイド分散系を配置するステップ、および
ii)前記スラリーを約200℃未満、約400℃超から約550℃未満の温度で、または前記スラリーを最初に約200℃未満の温度、次いで約400℃超、550℃未満の温度で熱処理するそれらの連続した組合せで熱処理し、その結果生じる希土類金属酸化物を前記ゼオライト微粒子材料の前記外面に固定して、易流動性バルク微粒子を提供するステップを含む方法。
【請求項86】
全等価セリウムおよびゼオライト含量に対して少なくとも1重量%の、前記ゼオライト微粒子材料の外面に被覆された前記酸化セリウムを有する触媒酸化セリウム被覆ゼオライト微粒子材料を製造する方法であって、
i)ある量の酸化セリウム水和物のコロイド分散系を適合性ゼオライト微粒子材料と合わせてスラリーを形成するステップであって、コロイド分散系の量はステップ(ii)に従って熱処理されたとき、1.0重量%を超える酸化セリウムを提供するのに充分であり、前記ゼオライト微粒子材料は20Å未満の平均孔径を有し、前記コロイド分散系は少なくとも20Åの粒径を有し、それによって前記ゼオライトの前記外面に前記コロイド分散系を配置するステップ、および
ii)前記スラリーを約200℃未満、約400℃超から約550℃未満の温度で、または前記スラリーを最初に約200℃未満の温度、次いで約400℃超、550℃未満の温度で熱処理するそれらの連続した組合せで熱処理し、その結果生じる酸化セリウムを前記ゼオライト微粒子材料の前記外面に固定して、易流動性バルク微粒子を提供するステップを含む方法。
【請求項87】
全希土類金属酸化物およびゼオライト当量含量に対して少なくとも1重量%の、前記ゼオライト微粒子材料の外面に被覆された前記希土類金属酸化物を有する触媒希土類金属酸化物被覆ゼオライト微粒子材料を製造する方法であって、
i)ある量の希土類金属水和物のコロイド分散系を、約4.2未満のpHを有する適合性ゼオライト微粒子材料と合わせてスラリーを形成するステップであって、コロイド分散系の量はステップ(ii)に従って熱処理されたとき、1.0重量%を超える希土類金属酸化物を提供するのに充分であり、前記ゼオライト微粒子材料は20Å未満の平均孔径を有し、前記コロイド分散系は少なくとも20Åの粒径を有し、それによって前記ゼオライトの前記外面に前記コロイド分散系を配置するステップ、および
ii)前記スラリーを約200℃未満、約400℃超の温度で、または前記スラリーを最初に約200℃未満の温度、次いで約400℃超の温度で熱処理するそれらの連続した組合せで熱処理し、その結果生じる希土類金属酸化物を前記ゼオライト微粒子材料の前記外面に固定して、易流動性バルク微粒子を提供するステップを含む方法。
【請求項88】
全希土類金属酸化物およびゼオライト当量含量に対して少なくとも1重量%の、前記ゼオライト微粒子材料の外面に被覆された前記希土類金属酸化物を有する触媒希土類金属酸化物被覆ゼオライト微粒子材料を製造する方法であって、
i)ある量の希土類金属酸化物水和物のコロイド分散系を適合性ゼオライト微粒子材料と合わせてスラリーを形成するステップであって、コロイド分散系の量はステップ(ii)に従って熱処理されたとき、少なくとも1.0重量%の希土類金属酸化物を提供するのに充分であり、前記ゼオライト微粒子材料は約20Å未満の平均孔径を有し、前記コロイド分散系は少なくとも約20Åの粒径を有し、それによって前記ゼオライトの前記外面に前記コロイド分散系を配置するステップ、および
ii)前記スラリーを約200℃未満の温度で熱処理して、その結果生じる希土類金属酸化物を前記ゼオライト微粒子材料の前記外面に固定して、易流動性バルク微粒子を提供するステップを含む方法。
【請求項89】
前記マイクロポーラス微粒子材料の外面に被覆された希土類金属酸化物を有する触媒希土類金属酸化物被覆マイクロポーラス微粒子材料を製造する方法であって、
i)ある量の希土類金属酸化物水和物のコロイド分散系を適合性マイクロポーラス微粒子材料と合わせてスラリーを形成するステップであって、前記マイクロポーラス微粒子材料は前記コロイド分散系の粒径より小さい平均孔径を有し、それによって前記マイクロポーラス微粒子材料の外面に前記コロイド分散系を配置するステップ、および
ii)前記スラリーを熱処理し、マイクロポーラス微粒子材料の外面に希土類金属酸化物を固定するステップを含む方法。
【請求項90】
前記熱処理が、前記スラリーから充分な水を除去するのに充分な温度で前記スラリーを加熱して、易流動性バルク微粒子を形成することを含む請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記熱処理がさらに、前記易流動性バルク微粒子を焼成することを含む請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記熱処理が、単一ステップで前記スラリーを乾燥、焼成粉末に加熱することを含む請求項89に記載の方法。
【請求項93】
前記スラリーが硝酸イオンを含み、前記熱処理は硝酸イオンの少なくとも一部をガス状成分に分解するのに充分な温度で行われる請求項89に記載の方法。
【請求項94】
前記スラリーが硝酸イオンを含み、前記焼成は硝酸イオンの少なくとも一部をガス状成分に分解するのに充分な温度で行われる請求項91に記載の方法。
【請求項95】
前記方法がさらに、前記希土類金属酸化物被覆マイクロポーラス微粒子材料を破砕して、1から25ミクロンの範囲の粒径を提供することを含む請求項89に記載の方法。

【公開番号】特開2009−233669(P2009−233669A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−172342(P2009−172342)
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【分割の表示】特願2003−528683(P2003−528683)の分割
【原出願日】平成14年9月12日(2002.9.12)
【出願人】(591114478)ロスマンズ、ベンソン アンド ヘッジズ インコーポレイテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】ROTHMANS,BENSON & HEDGES INCORPORATED
【出願人】(504096273)エイエムアール インターナショナル コーポレイション (1)
【氏名又は名称原語表記】AMR INTERNATIONAL CORP.
【Fターム(参考)】