説明

帳票イメージファイリングシステム

【課題】帳票の読取り異常が発生した場合であっても保管が必要な帳票のイメージデータだけを確実に保管する。
【解決手段】帳票読取異常検知手段としての制御部15が帳票21の読取り異常を検知したとき、該帳票21のイメージデータをスキャナ部13で再度読取り、すべての帳票21のイメージデータを読取った後、帳票種別認識手段152が認識した帳票の種別に基づいて抽出した帳票イメージ保管要否情報40にしたがって保管が必要な帳票21のイメージデータを帳票記憶手段に記憶させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帳票読取装置で読取った帳票のイメージデータを記憶装置に保管する帳票イメージファイリングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の帳票イメージファイリングシステムは、高速スキャナで連続的に搬送される帳票の記載情報を順次読取り、連続番号を付与して読取ったすべての帳票のイメージデータを記憶装置に記憶するようにし、また搬送エラーとなった帳票のイメージデータは、その再読取が完了後に読取りが完了している帳票のイメージデータ中に挿入してすべての帳票のイメージデータを保管するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、高速スキャナで読取った帳票のイメージデータ量は多量なものであり、読取ったすべての帳票のイメージデータを記憶装置に記憶させて保管すると記憶装置に保管される帳票のイメージデータが膨大なものになってしまうため、帳票の種類を示す帳票種別に関連付けて保管が必要な帳票のイメージデータを記述したデータテーブルを設け、そのデータテーブルを参照して保管が必要な帳票のイメージデータだけを記憶装置に記憶させるようにしているものもある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−259080号公報(段落「0062」〜段落「0073」、図3)
【特許文献2】特願2008−157255(段落「0024」〜段落「0036」、図6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の技術においては、帳票読取装置の異常等により帳票の読取りを失敗した場合、帳票の種別を認識することができないことや帳票の読取り順位の繰り上がりにより、保管が必要な帳票のイメージデータを保管せず、または保管が不要な帳票のイメージデータを保管してしまうという問題がある。
【0006】
例えば、図9に示すような主帳票と添付帳票の組み合わせについて、おもて面と裏面のイメージデータを取得するような場合を考える。ここで、前述のデータテーブルに取得したイメージデータの保管規則として、主帳票アのおもて面および添付帳票ア−1のおもて面並びに裏面のイメージデータを保管し、主帳票アの裏面のイメージデータ、主帳票イの裏面のイメージデータ、添付帳票イのおもて面並びに裏面のイメージデータを保管しないとする規則を指定しているものとする。
【0007】
この場合において、すべての画像の取得に成功した場合には、当該規則どおりのイメージデータの保管がなされる。ここでもし、1枚目の帳票である主帳票アの裏面92と3枚目の主帳票イのおもて面95の読取りに失敗したとき、2枚目の添付帳票ア−1のおもて面93のイメージデータを1枚目の主帳票アの裏面92のイメージデータとして廃棄してしまい、3枚目以降の主帳票イの裏面96、添付帳票イ−1のおもて面97および裏面98のイメージデータを添付帳票ア−1(帳票束1)のイメージデータとして保管してしまうため、本来保管が必要な帳票のイメージデータ(添付帳票ア−1のおもて面93のイメージデータ)を保管することなく、また本来保管が不要な帳票のイメージデータ(主帳票イの裏面96、添付帳票イ−1のおもて面97および裏面98のイメージデータ)を保管してしまう。
【0008】
本発明は、このような問題を解決することを課題とし、帳票の読取り異常が発生した場合であっても保管が必要な帳票のイメージデータだけを確実に保管することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そのため、本発明は、帳票読取装置が読取った帳票のイメージデータを帳票記憶手段に記憶させて保管する帳票イメージファイリングシステムにおいて、主帳票および添付帳票からなる複数の帳票のイメージデータを読取る帳票読取手段と、前記帳票読取手段が読取った帳票のイメージデータから帳票の読取りの成否を検知する帳票読取異常検知手段と、前記帳票読取手段が読取った主帳票のイメージデータから帳票の種別を認識する帳票種別認識手段と、帳票の種別に関連付けて保管が必要な主帳票および添付帳票のイメージデータを示す帳票イメージ保管要否情報を予め記憶する記憶手段とを設け、前記帳票読取異常検知手段が帳票の読取り異常を検知したとき、該帳票のイメージデータを前記帳票読取手段で再度読取り、すべての帳票のイメージデータを読取った後、前記帳票種別認識手段が認識した帳票の種別に基づいて抽出した前記帳票イメージ保管要否情報にしたがって保管が必要な主帳票および添付帳票のイメージデータを帳票記憶手段に記憶させるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
このようにした本発明は、帳票の読取り異常が発生した場合であっても保管が必要な帳票のイメージデータだけを確実に保管することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例における帳票読取装置の処理の流れを示すブロック図
【図2】実施例における帳票イメージファイリングシステムの構成を示すブロック図
【図3】実施例における帳票読取装置の構成を示すブロック図
【図4】実施例における帳票イメージ保管要否情報の説明図
【図5】実施例における帳票イメージ保管処理を示すフローチャート
【図6】実施例における帳票イメージ読取結果を示す説明図
【図7】実施例における帳票イメージ再取得画面を示す説明図
【図8】実施例における帳票イメージ保管処理の説明図
【図9】従来例における帳票イメージ保管処理の説明図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明による帳票イメージファイリングシステムの実施例を説明する。
【実施例】
【0013】
図2は実施例における帳票イメージファイリングシステムの構成を示すブロック図である。
【0014】
図2において、1は帳票読取手段としての帳票読取装置であり、金融機関等に設置され、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等の演算および制御手段、磁気ディスク、半導体メモリ等の記憶手段、帳票を光学的に読取ってイメージデータを取得するスキャナやキーボード、マウス等の入力手段、液晶ディスプレイ等の表示手段および通信手段等を備えるものである。この帳票読取装置1は通信回線4を介して他の装置と相互に通信可能に接続されている。
【0015】
帳票読取装置1で読取る帳票は、例えば、各種届けを申し込む諸届け帳票、投資信託購入募集申込書等の投信帳票、および外貨預金申込書等の主帳票およびそれに添付される身分証明証等の添付帳票からなる一または複数の帳票群であり、主帳票は所定の形式を有するものとする。
【0016】
なお、この帳票読取装置1の構成の詳細は後述する。
【0017】
2はサーバであり、金融機関等に設置され、帳票読取装置1で読取った帳票のイメージデータを保管するため、その帳票イメージデータを帳票記憶手段としての帳票データベース3に記憶させるサーバコンピュータである。このサーバ2はCPU、MPU等の演算および制御手段、磁気ディスク、半導体メモリ等の記憶手段および通信手段等を備え、通信回線4を介して帳票読取装置1等の他の装置と相互に通信可能に接続されている。
【0018】
このように帳票イメージファイリングシステムは帳票読取装置1、サーバ2、帳票データベース3、および通信回線4等で構成され、帳票読取装置1で読取った帳票のイメージデータを、サーバ2を介して帳票データベース3に記憶させて保管することができるようになっている。
【0019】
図3は実施例における帳票読取装置の構成を示すブロック図であり、図3に基づいて帳票読取装置1を説明する。
【0020】
図3において、11は表示部であり、CRT、液晶ディスプレイ等の表示手段である。
【0021】
12は入力部であり、キーボード、マウス等の入力手段である。
【0022】
13はスキャナ部であり、CCD(Charge Coupled Device)カメラ等で構成され、帳票のイメージデータを読取るためのものである。このスキャナ部13は図示しない帳票吸入部に載置された帳票を図示しない帳票分離搬送手段により1枚ずつ分離して搬送し、その帳票のおもて面および裏面のイメージデータを読取ることができるようになっている。すなわち、帳票吸入部に載置された複数の帳票のおもて面および裏面のイメージデータを連続して読取ることができるようになっている。
【0023】
14は記憶手段としての記憶部であり、磁気ディスク、半導体メモリ等の記憶手段である。この記憶部14には帳票読取装置1全体の動作を制御する制御プログラム(ソフトウェア)やスキャナ部13で読取った帳票の枚数、読取ったそれぞれの帳票のイメージデータ等を記憶する。
【0024】
15は制御部であり、CPU等の演算および制御手段等で構成されたものである。この制御部15は表示部11、入力部12、スキャナ部13、記憶部14および通信回線4を介してその装置との間の通信を制御する図示しない通信部を含めて帳票読取装置1全体の動作を記憶部14に格納された制御プログラム(ソフトウェア)に基づいて制御する。
【0025】
また、制御部15はそれぞれの帳票に記載された帳票IDを示す記号や英数字等の文字からなる帳票識別情報、手書き文字等を認識する帳票認識手段、また帳票に記載された罫線等のレイアウト、すなわち帳票フォーマット(帳票の特徴情報)から帳票の種類を認識する帳票種別認識手段も有している。
【0026】
なお、この帳票認識手段および帳票種別認識手段をサーバ2に備え、帳票読取装置1から受信した帳票イメージデータから帳票識別情報、手書き文字および帳票の種類等を認識するようにしてもよい。
【0027】
次に、記憶部14に記憶される帳票イメージ保管要否情報を図4の実施例における帳票イメージ保管要否情報の説明図に基づいて説明する。
【0028】
図4において、40は帳票イメージ保管要否情報であり、帳票の種類を示す帳票種別41に関連付けて帳票データベース3に保管する帳票イメージデータを示す保管イメージデータ42を予め記憶部14に記憶するデータテーブルである。
【0029】
帳票種別41は、帳票の種類を示す情報であり、帳票の罫線等のレイアウト、すなわち帳票フォーマットの認識結果から特定した帳票の種類を示すものである。
【0030】
保管イメージデータ42は、帳票種別41が示す帳票の種類の中から帳票イメージデータを帳票データベース3に保管する帳票を示す情報であり、例えば保管する帳票を示す帳票番号等の帳票識別情報やイメージデータの読取り順位等である。
【0031】
この帳票イメージ保管要否情報40は、例えば図4に示すように帳票種別41が「ア」の帳票については、主帳票のおもて面、添付帳票nのおもて面、添付帳票nの裏面の帳票イメージデータを帳票データベース3に保管することを示し、また帳票種別41が「イ」の帳票については、主帳票のおもて面、添付帳票nのおもて面の帳票イメージデータを帳票データベース3に保管することを示している。ここで、nは帳票のおもて面および裏面を1組とした組数を示している。
【0032】
なお、帳票イメージ保管要否情報40は帳票読取装置1の記憶部14に記憶するものとして説明するが、サーバ2の記憶部に記憶させるようにしてもよい。
【0033】
上述した構成の作用について説明する。
【0034】
なお、以下に説明する各実施例の各部の動作は、図示しないメモリや磁気ディスク等の記憶手段に格納されたプログラム(ソフトウェア)に基づいて図示しない中央処理装置等の制御手段により制御される。
【0035】
まず、帳票読取装置1が行う帳票イメージ保管処理の概略を図1の実施例における帳票イメージ保管処理を示すブロック図および図5の実施例における帳票イメージ保管処理を示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって説明する。
【0036】
S1:帳票読取装置1の画像読取手段151としての制御部15は操作者の操作を受け付けて帳票吸入部にまとめて載置されたすべての帳票21のおもて面および裏面のイメージデータをスキャナ部13で読取る。
【0037】
S2:制御部15は読取ったすべての帳票21の読取り結果およびイメージデータを記憶部14にスキャン情報141として記憶させる。
【0038】
このスキャン情報141は、例えば図6に示すように読取った1枚目の帳票21のおもて面を「0000001」、1枚目の帳票21の裏面を「0000001R」、2枚目の帳票21のおもて面を「0000002」、2枚目の帳票21の裏面を「0000002R」、3枚目の帳票21のおもて面を「0000003」、3枚目の帳票21の裏面を「0000003R」、4枚目の帳票21のおもて面を「0000004」、4枚目の帳票21の裏面を「0000004R」となるように読取り順序を示す画像番号(例えば0000001〜9999999)およびおもて面または裏面を識別するための情報(例えば“R”が付与されたものは裏面を示し、“R”が付与されていないものはおもて面を示す)を付与して帳票画像識別情報とし、その帳票画像識別情報に対応させてそれぞれの帳票21の画像読取り結果を成功(OK)または失敗(NG)として記憶させる。また、読取った帳票21のイメージデータは、“帳票画像識別情報.bmp”としたファイル名を付与して記憶させる。
【0039】
ここで、帳票21の読取りの失敗とは、帳票21の搬送異常や搬送不良等により、帳票21のイメージデータを読取ることができなかった場合や読取ったイメージデータが不鮮明である場合等である。
【0040】
帳票21の読取りの成否は、帳票読取異常検知手段としての制御部15が記憶部14のスキャン情報141に記憶された帳票21のイメージデータを精査して検知する。
【0041】
図6では、1枚目の帳票21の裏面および3枚目の帳票21のおもて面の読取りに失敗していることを示している。
【0042】
S3:制御部15は、帳票21の読取りに失敗があったか否かの判定を行い、失敗があったと判定すると処理をS4へ移行し、失敗がなかったと判定すると処理をS5へ移行する。
【0043】
S4:帳票21の読取りに失敗があったと判定されると制御部15は、例えば図7に示すように、帳票21の再読取りを促す文言等からなる画面を表示部11に表示する。操作者は、読取りを失敗したすべての帳票21を帳票吸入部に載置するものとし、画像読取手段151としての制御部15は、帳票吸入部に載置されたすべての帳票21のイメージデータをスキャナ部13で読取る。制御部15は読取ったすべての帳票21のイメージデータを記憶部14のスキャン情報141に記憶させる。
【0044】
本実施例では、読取りを失敗している1枚目の帳票21および3枚目の帳票21を再度読取り、1枚目の帳票21の裏面および3枚目の帳票21のおもて面のイメージデータを図6に示すようにそれぞれ「0000001R.bmp」、「0000003.bmp」として記憶部14のスキャン情報141に記憶させる。なお、再読取が成功した帳票21については、その帳票画像識別情報に対応させて画像読取り結果を成功(OK)としてスキャン情報141に記憶させるものとする。
【0045】
S5:すべての帳票21のイメージデータを読取ると帳票読取装置1の制御部15の帳票種別認識手段152は、記憶部14に記憶されている帳票レイアウト辞書142に登録されている帳票の特徴情報に基づいて読取ったそれぞれの帳票21のイメージデータから帳票種別を認識する。
【0046】
画像保管手段153としての制御部15は、認識したすべての帳票種別に基づいて記憶部14に記憶された帳票イメージ保管要否情報40の帳票種別41を検索して一致する帳票種別41に対応する保管イメージデータ42を抽出し、読取ったそれぞれの帳票21のイメージデータの保管の要否を判定する。
【0047】
S6:帳票21のイメージデータの保管が必要であると判定されると処理をS8へ移行し、保管が不要であると判定されると処理をS7へ移行する。
【0048】
S7:保管が不要であると判定されると制御部15は、当該帳票21のイメージデータを記憶部14のスキャン情報141から削除する。
【0049】
S8:一方、保管が必要であると判定されると制御部15は、当該帳票21のイメージデータを保管イメージデータ143として記憶部14に記憶させるとともに記憶部14のスキャン情報141から削除する。
【0050】
上述したS5〜S8の処理を読取ったすべての帳票21のイメージデータについて行う。
【0051】
次に、帳票イメージデータファイリングシステムの帳票イメージデータ保管処理を図8の実施例における帳票イメージ保管処理の説明図および図1の実施例における帳票イメージ保管処理を示すブロック図に基づいて説明する。
【0052】
図1および図8において、帳票読取装置1は操作者の操作を受け付けて帳票21のイメージデータを読取る。ここで、帳票21は、例えば主帳票ア(おもて面)81、主帳票ア(裏面)82、添付帳票ア−1(おもて面)83、添付帳票ア−1(裏面)84、主帳票イ(おもて面)85、主帳票イ(裏面)86、添付帳票イ−1(おもて面)87、添付帳票イ−1(裏面)88のように所定の枚数の帳票群を形成するように帳票読取装置1の帳票吸入部にまとめて載置され、帳票読取装置1の画像読取手段151としての制御部15の指示によりスキャナ部13は1枚ずつ帳票21のおもて面および裏面のイメージデータを読取り、記憶部14のスキャン情報141に記憶させるものとする。
【0053】
本実施例では、帳票読取装置1の異常等により、1枚目の主帳票アの裏面82および3枚目の主帳票イのおもて面85の読取りを失敗したものとする。
【0054】
このとき、記憶部14に記憶されるスキャン情報141は、図6に示すように1枚目の帳票のおもて面81(帳票画像識別情報:0000001)は「OK」、1枚目の帳票の裏面82(帳票画像識別情報:0000001R)は「NG」、2枚目の帳票のおもて面83(帳票画像識別情報:0000002)は「OK」、2枚目の帳票の裏面84(帳票画像識別情報:0000002R)は「OK」、3枚目の帳票のおもて面85(帳票画像識別情報:0000003)は「NG」、3枚目の帳票の裏面86(帳票画像識別情報:0000003R)は「OK」、4枚目の帳票のおもて面87(帳票画像識別情報:0000004)は「OK」、4枚目の帳票の裏面88(帳票画像識別情報:0000004R)は「OK」となる。
【0055】
また、読取った帳票のイメージデータファイルは、それぞれ“0000001.bmp”、“0000002.bmp”、“0000002R.bmp”、“0000003R.bmp”、“0000004.bmp”、“0000004R.bmp”となる。
【0056】
一方、読取りを失敗した1枚目の主帳票アの裏面82および3枚目の主帳票イのおもて面85は、帳票読取装置1で再度読取られ、1枚目の主帳票アの裏面82および3枚目の主帳票イのおもて面85のイメージデータは、図6に示すようにそれぞれ“0000001R.bmp”、“0000003.bmp”として記憶部14のスキャン情報141に挿入されるように記憶され、再取得される。
【0057】
すべての帳票21のイメージデータを読取ると帳票読取装置1の制御部15の帳票種別認識手段152は、記憶部14に記憶されている帳票レイアウト辞書142に登録されている帳票の特徴情報に基づいて読取ったそれぞれの帳票21のイメージデータから帳票種別を認識して主帳票を抽出し、帳票束に区切る。
【0058】
本実施例では、主帳票ア(おもて面)81および主帳票イ(おもて面)85を認識して帳票束1および帳票束2に区切り、主帳票ア(おもて面)81の次の帳票を主帳票ア(裏面)82とし、主帳票ア(裏面)82の次の帳票から主帳票イ(おもて面)85の前までの帳票を主帳票アの添付帳票アとして扱い(帳票束1)、また主帳票イ(おもて面)85の次の帳票を主帳票イ(裏面)86とし、主帳票イ(裏面)86の次の帳票から後の帳票を主帳票イの添付帳票イとして扱う(帳票束2)ものとする。
【0059】
制御部15は、認識した帳票種別に基づいて記憶部14に記憶された帳票イメージ保管要否情報40の帳票種別41を検索して一致する帳票種別41に対応する保管イメージデータ42を抽出する。
【0060】
続いて、帳票読取装置1の制御部15は、抽出した保管イメージデータ52に基づいて読取った帳票のイメージデータを帳票データベース3に保管することが必要であるか否かを判定する。
【0061】
例えば、図4に示すように保管イメージデータ42に帳票種別41の「ア」に対応付けて主帳票のおもて面、添付帳票nのおもて面、添付帳票nの裏面および帳票種別41の「イ」に対応付けて主帳票のおもて面、添付帳票nのおもて面が記憶され、それを抽出した制御部15は、主帳票アのおもて面81のイメージデータ、添付帳票ア−1のおもて面83のイメージデータ、添付帳票ア−1の裏面84のイメージデータ、および主帳票イのおもて面85のイメージデータ、添付帳票イ−1のおもて面87のイメージデータの保管が必要であると判定する。
【0062】
制御部15(帳票イメージデータ保管手段)は、主帳票アのおもて面81のイメージデータ、添付帳票ア−1のおもて面83のイメージデータ、添付帳票ア−1の裏面84のイメージデータ、および主帳票イのおもて面85のイメージデータ、添付帳票イ−1のおもて面87のイメージデータを記憶部14のスキャン情報141から読出して保管イメージデータ143とし、そのイメージデータとともにそのイメージデータを帳票データベース3に保管することをサーバ2へ通知する。
【0063】
なお、認識された帳票の文字等に訂正がある場合、帳票のイメージデータを保管する前に修正手段154が文字入力装置としての入力部12により入力された文字等で修正するものとする。
【0064】
サーバ2は受信した主帳票アのおもて面81のイメージデータ、添付帳票ア−1のおもて面83のイメージデータ、添付帳票ア−1の裏面84のイメージデータ、および主帳票イのおもて面85のイメージデータ、添付帳票イ−1のおもて面87のイメージデータを帳票データベース3に記憶させ、保管する。
【0065】
なお、帳票イメージデータを帳票データベース3に保管することが不要であると判定された主帳票アの裏面82、主帳票イの裏面86、および添付帳票イ−1の裏面88のイメージデータは帳票データベース3に保管しない。
【0066】
このように帳票読取装置1は帳票の読取りを失敗したことを検知した場合、読取りを失敗したすべての帳票を再度読取ることを促す画面を表示し、読取りを失敗したすべての帳票の再読取りを行う。再度読取った帳票のイメージデータをスキャン情報141に追加挿入し、すべての帳票のイメージデータが正しく取得できた後、イメージ保管要否情報40を参照して帳票のイメージデータの保管要否を判定することにより、保管が必要な帳票のイメージデータを確実に保管することができるようになるとともに保管が不要な帳票のイメージデータを保管してしまうことがなくなる。
【0067】
特に、主帳票のイメージデータの読取りを失敗した場合であっても保管が必要な帳票のイメージデータだけを確実に保管することができるようになる。
【0068】
以上説明したように、本実施例では、帳票の読取りを失敗したことを検知した場合、読取りを失敗したすべての帳票の再読取りを行い、すべての帳票のイメージデータが正しく取得できた後、イメージ保管要否情報を参照して帳票のイメージデータの保管要否を判定することにより、保管が必要な帳票のイメージデータを確実に保管することができるようになるとともに保管が不要な帳票のイメージデータを保管してしまうことがなくなるという効果が得られる。
【0069】
なお、本実施例では、帳票読取装置1は帳票のおもて面および裏面のイメージデータを読取るものとして説明したが、帳票のおもて面のみのイメージデータを読取るものとしてもよい。
【0070】
また、本発明は、帳票イメージファイリングシステムだけでなく、帳票読取装置で帳票の画像をまとめて取得し、オペレータが取得した画像を参照しながらデータエントリを行ったり、OCR(Optical Character Recognition)でデータ入力を行ったりするデータエントリシステムに適用することも可能である。
【符号の説明】
【0071】
1 帳票読取装置
2 サーバ
3 帳票データベース
4 通信回線
11 表示部
12 入力部
13 スキャナ部
14 記憶部
15 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帳票読取装置が読取った帳票のイメージデータを帳票記憶手段に記憶させて保管する帳票イメージファイリングシステムにおいて、
主帳票および添付帳票からなる複数の帳票のイメージデータを読取る帳票読取手段と、
前記帳票読取手段が読取った帳票のイメージデータから帳票の読取りの成否を検知する帳票読取異常検知手段と、
前記帳票読取手段が読取った主帳票のイメージデータから帳票の種別を認識する帳票種別認識手段と、
帳票の種別に関連付けて保管が必要な主帳票および添付帳票のイメージデータを示す帳票イメージ保管要否情報を予め記憶する記憶手段とを設け、
前記帳票読取異常検知手段が帳票の読取り異常を検知したとき、該帳票のイメージデータを前記帳票読取手段で再度読取り、すべての帳票のイメージデータを読取った後、前記帳票種別認識手段が認識した帳票の種別に基づいて抽出した前記帳票イメージ保管要否情報にしたがって保管が必要な主帳票および添付帳票のイメージデータを帳票記憶手段に記憶させるようにしたことを特徴とする帳票イメージファイリングシステム。
【請求項2】
請求項1の帳票イメージファイリングシステムにおいて、
前記帳票読取手段は、帳票のおもて面および裏面のイメージデータを読取ることを特徴とする帳票イメージファイリングシステム。
【請求項3】
請求項1または請求項2の帳票イメージファイリングシステムにおいて、
前記帳票読取異常検知手段が帳票の読取り異常を検知したとき、該帳票のイメージデータを前記帳票読取手段で再度読取ることを誘導する画面を表示するようにしたことを特徴とする帳票イメージファイリングシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−226387(P2010−226387A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−70944(P2009−70944)
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】