説明

帳票処理システム、当該帳票処理システムに用いるセンタ端末、及び、当該センタ端末を実現するためのプログラム

【課題】帳票が二重読み取りされることによって発生する不具合を効率よく抑制する。
【解決手段】センタ端末23,24,25は、スキャナ制御端末で取得された二重読取有無フラグデータに基づいて、帳票データが二重読み取りされたデータであるか否かを判別するチェック処理部235と、チェック処理部235の判別結果に基づいて、帳票データの取り扱いに関するメッセージデータを生成するメッセージ生成部236と、メッセージデータを含む各種の情報を表示部に表示させる表示制御部232とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙文書(帳票)を電子化する帳票処理システム、当該振込処理システムに用いるセンタ端末、及び、当該センタ端末を実現するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
紙文書(帳票)を電子化する帳票処理システムは、例えば、金融機関や流通機関等で広く用いられている。例えば、金融機関では、振込依頼書を処理対象の帳票とし、振込処理が行われる場合に、帳票処理システムを用いている。以下、帳票処理システムが金融機関で振込処理に用いられる場合を想定して、従来の帳票処理システムの概要につき説明する。
【0003】
帳票処理システムは、帳票に関するデータ(以下、「帳票データ」と称する)を受け付ける受付端末と、帳票データに基づいて生成される処理電文データを処理ホストに送信するセンタ装置(為替サーバや、端末装置等)とが、ネットワークを介して接続された構成となっている(例えば、特許文献1参照)。受付端末は、営業店に配置され、一方、センタ装置は、帳票データを集中的に管理する集中センタに配置されている。
【0004】
金融機関の営業店は、顧客から振込処理が依頼された場合に、受付端末のオペレータが受付端末を操作して、顧客によって諸事項が記載された振込依頼用の帳票(振込依頼書)のスキャン処理(光学読取処理)を受付端末に行わせる。受付端末は、スキャナを制御するスキャナ制御端末として機能する端末装置である。受付端末は、通常、パーソナルコンピュータによって構成される。受付端末は、振込依頼書の画像をスキャンして、振込依頼書の画像イメージデータを取得するとともに、その画像イメージデータに含まれる文字を文字認識して、認識結果である文字データを取得し、取得された振込依頼書の画像イメージデータ及び文字データをセンタ装置に送信する。
【0005】
センタ装置は、受付端末から振込依頼書の画像イメージデータ及び文字データを受信すると、これらのデータを帳票データとして、センタ装置を構成する為替サーバのデータベースに登録する。
【0006】
この後、金融機関の集中センタは、センタ装置を構成する端末装置(以下、「センタ端末」と称する)のオペレータがセンタ端末を操作して、帳票データに対する所定の処理(例えば、帳票データに対する補正入力操作を行うエントリ処理や、エントリ処理後の帳票データに対する検証操作を行うベリファイ処理、ベリファイ処理後の帳票データに対する承認操作を行う承認処理等)をセンタ端末に行わせる。
【0007】
センタ端末は、帳票データに対する各処理を行うと、その都度、各処理で得られる帳票データを為替サーバのデータベースに登録する。為替サーバは、帳票データに対する承認処理が行われると、承認処理後の帳票データに基づいて、処理ホストに振込等の為替処理を実行させるための処理電文データを生成して、生成された処理電文データを処理ホストに送信する。これにより、処理ホストが、処理電文データに基づいて、振込等の為替処理を実行する。
【0008】
ところで、帳票データは、以下のような場合に、二重にデータベースに登録されるときがある。
(1)例えば、スキャン処理された際に帳票に印字された通し番号(以下、「通番」と称する)の発色が薄かったために、受付端末のオペレータが、スキャン処理された帳票をスキャン処理されていない帳票と誤認して、再度、スキャン処理を行った場合。
(2)例えば、帳票の通番印字欄に消去できない汚れが付着したために、受付端末のオペレータが、やむなく、二重にスキャン処理を行った場合。
(3)例えば、帳票を走行させながらスキャン処理を行っている最中に、紙詰まりが発生し、そのスキャン処理に失敗した帳票に通番が印字されてしまったために、受付端末のオペレータが、やむなく、二重にスキャン処理を行った場合。
これらの場合に、帳票データは、二重にデータベースに登録されていた。
【0009】
そこで、センタ端末のオペレータは、帳票データのエントリ処理時に、帳票データが二重にデータベースに登録されていないかをチェックしている。以下、このチェックを「二重読取チェック」と称する。なお、「二重読取チェック」は、二重に振込処理が行われるのを防止するためのチェックでもあるので、「二重振込チェック」と称される場合もある。
【0010】
「二重読取チェック」は、帳票データのエントリ処理で、帳票データに対する補正入力操作が終了した後に、行われる。具体的には、「二重読取チェック」は、帳票データに対する補正入力操作が終了した後に、センタ端末のオペレータが、センタ端末を操作して、例えば、振込指定日や、口座番号、金額をキーにして、エントリ処理中の帳票データと、データベースに既に登録されている過去の処理済みの帳票データ(以下、「処理済帳票データ」と称する)とを突き合わせることによって、行われる。このとき、センタ端末は、エントリ処理中の帳票データと一致する処理済帳票データがデータベースに登録されている場合に、エントリ処理中の帳票データが二重読み取りされたデータである可能性がある旨を表す警告メッセージボックスを表示部に表示して、センタ端末のオペレータに二重振込を警告する。これにより、センタ端末は、エントリ処理中の帳票データをデータベースに登録するか否かをオペレータに判断させている。
【0011】
なお、例えば、特許文献2には、「二重読取チェック」に関連する技術として、二重スキャンルールと二重スキャン検査用登録データとを参照して、自動的に二重スキャン検査を実行する電子化文書管理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2010−134727号公報
【特許文献2】特開2006−330863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
特許文献1に開示された帳票処理システム(以下、「従来の帳票処理システム」と称する)は、以下に説明するように、帳票が二重読み取りされることによって発生する不具合を効率よく(高頻度に)抑制することが望まれている、という課題があった。
【0014】
「二重読取チェック」は、前記した通り、帳票データのエントリ処理で、帳票データに対する補正入力操作が終了した後に、行われる。そのため、センタ端末のオペレータは、エントリ処理中の帳票データが二重読み取りされたデータであっても、補正入力操作が終了するまで、そのことを知らずに、不要な補正入力操作を最後まで行う。したがって、エントリ処理中の帳票データが二重読み取りされたデータである場合に、センタ端末のオペレータは、無駄な作業に労力及び時間を費やすことを強いられる、という不具合があった。
【0015】
また、帳票が振込依頼の受付時間の終了間際に営業店でスキャン処理された場合に、センタ端末のオペレータは、エントリ処理中の帳票データが二重読み取りされたデータであっても、二重読取チェックが帳票データに対する補正入力操作の終了後に行われるため、そのことに気付くのが振込依頼の受付時間の終了後になるときがある。センタ端末は、振込依頼が為替サーバに送信される直前に、警告メッセージボックスを表示部に表示して、センタ端末のオペレータに二重振込を警告する。しかしながら、センタ端末のオペレータがメッセージを見逃した場合に、振込依頼が為替サーバに送信される。この場合に、為替サーバが、二重読み取りされた帳票データに基づいて処理電文データを生成して、その処理電文データを処理ホストに送信する。そのため、二重振込が発生する。したがって、この場合に、金融機関は、処理ホスト側で、二重振込を解消するためのデータのリカバリ等の対応を行う必要がある、という不具合があった。
【0016】
このように、従来の帳票処理システムは、帳票が二重読み取りされることによって、(1)センタ端末のオペレータが無駄な作業に労力及び時間を費すことを強いられるという不具合や、(2)振込依頼が為替サーバに送信された場合に、データのリカバリが必要になるという不具合が発生していた。よって、従来の帳票処理システムは、帳票が二重読み取りされることによって発生する不具合を効率よく抑制することが望まれていた。
【0017】
本発明は、前記した課題を解決するためになされたものであり、帳票が二重読み取りされることによって発生する不具合を効率よく抑制する帳票処理システム、当該振込処理システムに用いるセンタ端末、及び、当該センタ端末を実現するためのプログラムを提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記目的を達成するため、第1発明は、帳票に関するデータを帳票データとして受け付けるスキャナ制御端末と、当該帳票データに対して所定の処理を行うセンタ端末とが、ネットワークを介して接続された帳票処理システムであって、前記スキャナ制御端末は、前記帳票データを取得する帳票データ取得部と、前記帳票データに対する二重読取有無フラグデータの入力操作を誘導する画面を表示部に表示させる表示制御部と、前記二重読取有無フラグデータの入力操作が行われている場合に、前記入力された前記二重読取有無フラグデータを取得する二重読取有無フラグ取得部と、前記二重読取有無フラグ取得部が取得した前記二重読取有無フラグデータと共に前記帳票データを送信する通信部とを備え、前記センタ端末は、受信された前記二重読取有無フラグデータに基づいて、前記帳票データが二重読み取りされたデータであるか否かを判別するチェック処理部と、前記チェック処理部の判別結果に基づいて、前記帳票データの取り扱いに関するメッセージデータを生成するメッセージ生成部と、前記メッセージデータを含む各種の情報を表示部に表示させる表示制御部とを備える構成とする。
【0019】
この帳票処理システムのセンタ端末が、スキャナ制御端末で取得された二重読取有無フラグデータに基づいて、帳票データが二重読み取りされたデータであるか否かを判別し、その判定結果に基づいて、帳票データの取り扱いに関するメッセージデータを表示部に表示する。
【0020】
メッセージデータは、例えば、処理中の帳票データが二重読み取りされたデータである場合に、その旨を表す内容となる。この場合に、センタ端末のオペレータは、このメッセージを見ることにより、帳票データが二重読み取りされたデータであることを、早期に(例えば、エントリ処理で補正入力操作に着手する前や、ベリファイ処理で検証操作に着手する前、承認処理で承認操作に着手する前に)、認識することができる。
【0021】
そのため、センタ端末のオペレータは、例えば、エントリ処理中の帳票データが二重読み取りされたデータである場合に、無駄な作業を中止することができる。したがって、この帳票処理システムは、無駄な作業に要するセンタ端末のオペレータの労力を軽減することができるとともに、無駄な作業に要する時間を短縮することができる。
【0022】
また、センタ端末のオペレータは、例えば、振込依頼書を処理対象の帳票とし、帳票が振込依頼の受付時間の終了間際に営業店でスキャン処理された場合で、かつ、エントリ処理中の帳票データが二重読み取りされたデータである場合に、メッセージを見ることにより、帳票データが二重読み取りされたデータであることを、早期に(具体的には、エントリ処理で補正入力操作に着手する前に)、認識することができる。そのため、センタ端末のオペレータは、振込依頼の受付時間内に、帳票データが二重読み取りされたデータであるか否かを、また、帳票データがどのような経緯で二重読み取りされたのか等を、スキャナ制御端末のオペレータに確認できる可能性が高くなる。その結果、この帳票処理システムは、二重読み取りされた帳票データに基づいて生成される処理電文データが処理ホストに送信されるのを、従来の帳票処理システムよりも効率よく(高頻度に)抑制することができる。
【0023】
なお、メッセージデータは、好ましくは、例えば、帳票データが二重読み取りされたデータであるか否かが不明である場合に、その旨を表す内容にしてもよい。この場合に、センタ端末のオペレータは、このメッセージを見ることにより、帳票データが二重読み取りされたデータであるか否かをスキャナ制御端末のオペレータに問い合わせることができる。そのため、センタ端末のオペレータは、帳票データが二重読み取りされたデータであるか否かを、また、仮に、帳票データが二重読み取りされたデータである場合に、帳票データがどのような経緯で二重読み取りされたのかを確認することができる。
【0024】
このように、この帳票処理システムは、センタ端末が、スキャナ制御端末で取得された二重読取有無フラグデータに基づいて、早期に、帳票データの取り扱いに関するメッセージデータを表示部に表示するため、帳票が二重読み取りされることによって発生する不具合を効率よく(高頻度に)抑制することができる。
【0025】
また、第2発明は、帳票に関するデータを帳票データとして受け付けるスキャナ制御端末とネットワークを介して接続され、当該帳票データに対して所定の処理を行うセンタ端末であって、前記スキャナ制御端末によって取得された前記帳票データが前記帳票データと共に取得される二重読み取りされたデータであるか否かを表す二重読取有無フラグデータに基づいて、前記スキャナ制御端末によって取得された前記帳票データが二重読み取りされたデータであるか否かを判別するチェック処理部と、前記チェック処理部の判別結果に基づいて、前記帳票データの取り扱いに関するメッセージを生成するメッセージ生成部と、前記メッセージデータを含む各種の情報を表示部に表示させる表示制御部とを備える構成とする。
このセンタ端末は、第1発明に係る帳票処理システムに用いることができる。
【0026】
さらに、第3発明は、コンピュータを、帳票に関するデータを帳票データとして受け付けるスキャナ制御端末とネットワークを介して接続され、当該帳票データに対して所定の処理を行うセンタ端末として機能させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、前記スキャナ制御端末によって取得された前記帳票データが前記帳票データと共に取得される二重読み取りされたデータであるか否かを表す二重読取有無フラグデータに基づいて、前記スキャナ制御端末によって取得された前記帳票データが二重読み取りされたデータであるか否かを判別するチェック処理部と、前記チェック処理部の判別結果に基づいて、前記帳票データの取り扱いに関するメッセージを生成するメッセージ生成部と、前記メッセージデータを含む各種の情報を表示部に表示させる表示制御部として機能させる構成とする。
このプログラムは、コンピュータによって、第2発明に係るセンタ端末を実現することができる。
【発明の効果】
【0027】
第1発明によれば、帳票が二重読み取りされることによって発生する不具合を効率よく抑制する帳票処理システムを提供することができる。
また、第2発明によれば、第1発明に係る帳票処理システムに用いるセンタ端末を提供することができる。
さらに、第3発明によれば、第2発明に係るセンタ端末を実現するプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1A】実施形態に係る帳票処理システムの全体構成を示す図である。
【図1B】実施形態に係る営業店側の装置の主要な構成を示す図である。
【図1C】実施形態に係る集中センタ側の装置の主要な構成を示す図である。
【図2】実施形態に係る帳票処理システムによって行われる主な処理の流れを示す図である。
【図3】受付画面の一例を示す図である。
【図4】実施形態で用いる二重読取有無フラグの内訳を示す図である。
【図5】実施形態で用いる帳票の一例を示す図である。
【図6】入力(エントリ)画面の一例を示す図である。
【図7】実施形態に係る帳票処理システムの動作を示すフローチャートである。
【図8】実施形態で用いる二重読取チェックメッセージ画面を示す図である。
【図9】二重読取チェックメッセージ画面表示後の主な処理の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0030】
<帳票処理システムの全体構成>
以下、図1Aを参照して、本実施形態に係る帳票処理システムの全体構成につき説明する。なお、図1Aは、実施形態に係る帳票処理システムの全体構成を示す図である。ここでは、本実施形態に係る帳票処理システム1が金融機関で振込処理に用いられる場合を想定して説明する。
【0031】
図1Aに示すように、本実施形態に係る帳票処理システム1は、営業店10に設置された機器と、集中センタ20に設置された機器とを含む構成となっており、振込処理を実行する処理ホスト30と接続されている。
【0032】
営業店10に設置された機器としては、スキャナ11及び受付端末100がある。スキャナ11及び受付端末100は、LAN等の通信回線を介して、通信可能に接続されている。
【0033】
スキャナ11は、帳票50の画像をスキャン処理(光学読取処理)する装置である。なお、ここでは、振込依頼書を処理対象の帳票50として用いるものとする。
【0034】
受付端末100は、スキャナ11を制御するスキャナ制御端末として機能する端末装置であり、帳票データ(帳票に関するデータ)の受け付けを行う。受付端末100は、スキャナ11にスキャン処理させて、帳票50の画像イメージデータファイル(Tagged Image File Format;TIFF)(以下、単に、「画像イメージデータ(TIFF)」と称する)を取得する機能や、帳票50の画像イメージデータに含まれる文字(数字や記号等を含む)を文字認識して、認識結果である文字データを含む取引データファイル(帳票認識ファイル(Forms Recognition File)(以下、単に、「取引データ(FRG)」と称する)を取得する機能、画像イメージデータ(TIFF)及び取引データ(FRG)を帳票データとして集中センタ20のデータベース226(図1C参照)に登録する機能等を有している。なお、図1Aに示す例では、受付端末100は、スキャナ11と別体の装置となっているが、スキャナ11と1つの装置に統合することもできる。
【0035】
受付端末100は、ネットワーク2を介して、集中センタ20の機器(具体的には、Webサーバ21)と接続されている。なお、図1Aに示す例では、1つの受付端末100が集中センタ20の機器と接続されているが、複数の受付端末100が集中センタ20の機器と接続されていてもよい。また、複数の営業店10に設置された複数の受付端末100が集中センタ20の機器と接続されていてもよい。
【0036】
集中センタ20に設置された機器としては、Webサーバ21、為替サーバ22、センタ端末23,24,25、及び、通信ゲートウェイ(通信GW)26がある。Webサーバ21、為替サーバ22、センタ端末23,24,25、及び、通信GW26は、LAN等の通信回線を介して、通信可能に接続されている。なお、Webサーバ21、為替サーバ22、センタ端末23,24,25、及び、通信GW26は、センタ機能統合装置200として、1つの装置に統合することもできる。
【0037】
Webサーバ21は、WWW(World Wide Web)システムにおいて、情報送信を行うサーバである。Webサーバ21は、様々な表示画面(例えば、振込依頼を受け付けるための受付画面101(図3参照))を受付端末100に提供したり、受付端末100から、表示画面で入力された指示やデータ、帳票データ等を取得したりする。Webサーバ21は、受付端末100から取得されたデータ(特に、帳票データ)を為替サーバ22に設けられたデータベース226(図1C)に登録する。
【0038】
為替サーバ22は、帳票データを登録及び管理するサーバである。為替サーバ22は、帳票データに基づいて、処理電文データを生成して、処理ホスト30に送信する機能を有している。なお、「処理電文データ」は、処理ホスト30に振込等の為替処理を実行させるための為替決済データである。また、処理ホスト30は、処理電文データに基づいて為替処理を実行するデータ処理装置である。
【0039】
センタ端末23,24,25は、帳票データに対して所定の処理を行う端末装置である。センタ端末23,24,25は、それぞれ、エントリ処理用の端末(以下、「エントリ端末23」と称する場合もある)、ベリファイ処理用の端末(以下、「ベリファイ端末24」と称する場合もある)、承認処理用の端末(以下、「承認端末25」と称する場合もある)となっている。
【0040】
帳票データの処理ミスを確実に防止することを前提としたシステムでは、データ入力(エントリ)、検証(ベリファイ)、及び、承認等の多段階の確認プロセスが採用される。エントリ端末23、ベリファイ端末24、承認端末25は、このような確認プロセスを実現するための端末装置であり、これらの端末23,24,25に処理されて処理電文データが生成される。なお、エントリ端末23、ベリファイ端末24、及び、承認端末25は、それぞれ、集中センタ20内に、複数設けられていてもよい。また、センタ端末23,24,25は、1つの装置に統合することもできる。
【0041】
通信GW26は、ネットワーク上で、媒体やプロトコルが異なるデータを相互に変換して通信を可能にするデータ処理装置である。
【0042】
<帳票処理システムを構成する主要な装置の構成>
以下、図1B及び図1Cを参照して、帳票処理システム1を構成する主要な装置の構成につき説明する。なお、図1Bは、実施形態に係る営業店側の装置の主要な構成を示す図である。また、図1Cは、実施形態に係る集中センタ側の装置の主要な構成を示す図である。
【0043】
図1Bに示すように、営業店側の装置である受付端末100は、例えば、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」と称する)によって構成される。このPCは、記憶部116に格納された制御プログラムを実行することによって、受付端末100として機能する。なお、PCを受付端末100として機能させる制御プログラムは、例えば、図示せぬ記憶媒体を介して受付端末100にインストールされる。又は、この制御プログラムは、集中センタ20に設置された機器の記憶部(例えば、為替サーバ22のデータベース226)に予め記憶されており、その機器から受付端末100にダウンロードされるようにしてもよい。
【0044】
図1Bに示すように、受付端末100は、通信部111、表示制御部112、入力処理部113、帳票データ取得部114、二重読取有無フラグ取得部115、及び、記憶部116を有している。なお、表示制御部112、入力処理部113、帳票データ取得部114、及び、二重読取有無フラグ取得部115は、受付端末100の図示せぬCPUが記憶部116に格納されている制御プログラムを実行することにより、実現される。
【0045】
通信部111は、外部の機器との通信を実行する構成要素である。通信部111は、例えば、通信デバイス等で構成されている。
表示制御部112は、図示せぬ表示部に画像を表示させる機能手段である。
入力処理部113は、例えばキーボードやマウス等の図示せぬ入力部からの入力を受け付ける機能手段である。
【0046】
帳票データ取得部114は、帳票データを取得する機能手段である。帳票データ取得部114は、画像イメージデータ取得部114a及び文字データ取得部114bを備えている。
【0047】
画像イメージデータ取得部114aは、スキャナ11にスキャン処理させて、帳票50の画像イメージデータ(TIFF)を取得する機能手段である。
【0048】
文字データ取得部114bは、画像イメージデータ取得部114aによって取得された画像イメージデータ(TIFF)に含まれている文字を文字認識し、認識結果である文字データを取得する機能手段である。文字データ取得部114bは、受付画面101(図3参照)で受付端末100のオペレータによって入力された各種のデータ(例えば、店番や、後記する二重読取チェックボックス101a内のチェック印の有無等のデータである二重読取有無フラグデータ)と文字データとを統合して取引データ(FRG)を生成する取引データ取得部としても機能する。
【0049】
なお、図3は、受付画面の一例を示す図である。図3に示す受付画面101は、振込依頼を受け付けるための画面であるとともに、受付端末100にスキャン処理を実行させるための操作画面(以下、「スキャン操作画面」と称する)でもある。
【0050】
二重読取有無フラグ取得部115は、帳票データが二重読み取りされたデータであるか否かを表すフラグデータ(以下、「二重読取有無フラグデータ」と称する)を取得する機能手段である。「二重読取有無フラグデータ」は、帳票データが二重読み取りされたデータであることを表す値(例えば、値「1」)である場合に、二重読取の確認をセンタ端末23,24,25のオペレータに促す警告メッセージ画面(例えば、図8に示す二重読取チェック画面306)をセンタ端末23,24,25の図示せぬ表示部に直ちに表示させるためのデータでもある。「二重読取有無フラグデータ」は、二重読取有無フラグ取得部115が例えば図3に示す受付画面101の二重読取チェックボックス101aに設定された値を識別することによって、取得される。
【0051】
なお、「二重読取チェックボックス101a」は、帳票データが二重読み取りされたデータである場合に、そのことを表す値(例えば、値「1」)を二重読取有無フラグデータに設定するための入力欄である。二重読取チェックボックス101aの値は、例えば、図4に示すように、設定される。なお、図4は、実施形態で用いる二重読取有無フラグの内訳を示す図である。
【0052】
センタ端末23,24,25は、取得された帳票データが「二重読取チェックボックス101a」にチェック印が入力されているデータである場合に、入力(エントリ)画面201(図6参照)の表示時に、帳票データに対するオペレータの操作が行われる前に、処理中の帳票データが二重読み取りされたデータであることをオペレータに警告する警告メッセージ画面(例えば、図8に示す二重読取チェックメッセージ画面306)を図示せぬ表示部に表示する。これにより、センタ端末23,24,25は、帳票データに対するオペレータの操作(例えば、エントリ処理時の帳票データに対する補正入力操作)後に帳票データに対する二重読取のチェックを行うまでもなく、直ちに営業店10に確認する必要があることをオペレータに通知する。
【0053】
例えば、受付画面101の二重読取チェックボックス101aにチェック印が無い場合に、値「0」が二重読取有無フラグデータに設定される。値「0」は、帳票データが二重読み取りされていないデータであることを表している。二重読取有無フラグデータの値が「0」である場合に、センタ端末23,24,25は、帳票データに含まれている取引データ(FRG)を入力画面に反映させて、帳票データに対する補正入力操作や検証操作、承認操作が可能な状態にする。
【0054】
一方、受付画面101の二重読取チェックボックス101aにチェック印が有る場合に、値「1」が二重読取有無フラグデータに設定される。値「1」は、帳票データが二重読み取りされたデータであることを表している。二重読取有無フラグデータの値が「1」である場合に、センタ端末23,24,25は、帳票データが二重読み取りされたデータであることをオペレータに警告するメッセージ画面306(図8参照)を図示せぬ表示部に表示する。これにより、センタ端末23,24,25は、帳票データが二重読み取りされたデータであることを、早期に(例えば、オペレータがエントリ処理で補正入力操作に着手する前や、ベリファイ処理で検証操作に着手する前、承認処理で承認操作に着手する前に)、オペレータに通知する。
【0055】
記憶部116は、帳票データを取得するために必要な様々なデータや制御プログラムを記憶する記憶手段である。
【0056】
また、図1Cに示すように、集中センタ側の装置であるWebサーバ21は、通信部211、Web画面生成部212、データ抽出部213、及び、記憶部214を有している。なお、Web画面生成部212、及び、データ抽出部213は、Webサーバ21の図示せぬCPUが記憶部214に格納されている制御プログラムを実行することにより、実現される。
【0057】
通信部211は、外部の機器との通信を実行する構成要素である。通信部211は、例えば、通信デバイス等で構成されている。
Web画面生成部212は、記憶部214に予め記憶された画面フォーム情報に基づいて、受付端末100に提供する画面(以下、「提供画面」と称する)データを生成する機能手段である。
【0058】
データ抽出部213は、受付端末100から受信される各種のデータの中から、帳票データや二重読取有無フラグデータ等を抽出する機能手段である。データ抽出部213は、抽出されたデータを為替サーバ22のデータベース226(記憶部)に登録する。
記憶部214は、提供画面データを生成するために必要な様々なデータや制御プログラムを記憶する記憶手段である。
【0059】
また、図1Cに示すように、集中センタ側の装置である為替サーバ22は、通信部221、エントリ操作受付部222、ベリファイ操作受付部223、承認操作受付部224、処理電文データ生成部225、及び、データベース226を有している。なお、エントリ操作受付部222、ベリファイ操作受付部223、承認操作受付部224、及び、処理電文データ生成部225は、為替サーバ22の図示せぬCPUがデータベース226に格納されている制御プログラムを実行することにより、実現される。
【0060】
通信部221は、外部の機器との通信を実行する構成要素である。通信部221は、例えば、通信デバイス等で構成されている。
エントリ操作受付部222は、エントリ処理時に、エントリ端末23で行われた帳票データに対する補正入力操作を受け付ける機能手段である。エントリ操作受付部222は、帳票データに対する補正入力操作が行われると、補正入力操作された帳票データを後記するエントリデータとして為替サーバ22のデータベース226に登録する。
【0061】
ベリファイ操作受付部223は、ベリファイ処理時に、ベリファイ端末24で行われた帳票データに対する検証操作を受け付ける機能手段である。ベリファイ操作受付部223は、帳票データに対する検証操作が行われると、検証操作された帳票データを後記するベリファイデータとして為替サーバ22のデータベース226に登録する。
承認操作受付部224は、承認処理時に、承認端末25で行われた帳票データに対する承認操作を受け付ける機能手段である。承認操作受付部224は、帳票データに対する承認操作が行われると、承認操作された帳票データを後記する承認データとして為替サーバ22のデータベース226に登録する。
【0062】
処理電文データ生成部225は、振込等の為替処理を処理ホストに実行させるための処理電文データを生成する機能手段である。
データベース226は、提供画面データを生成するために必要な様々なデータや制御プログラムを記憶する記憶手段である。なお、為替サーバ22は、センタ端末23,24,25によって帳票データに対する各処理が行われると、各処理で得られる帳票データをデータベース226に登録する。
【0063】
また、図1Cに示すように、集中センタ側の装置であるセンタ端末23,24,25は、例えば、PCによって構成される。このPCは、記憶部237に格納された制御プログラムを実行することによって、センタ端末23,24,25として機能する。なお、PCをセンタ端末23,24,25として機能させる制御プログラムは、例えば、図示せぬ記憶媒体を介してセンタ端末23,24,25にインストールされる。又は、この制御プログラムは、集中センタ20に設置された機器の記憶部(例えば、為替サーバ22のデータベース226)に予め記憶されており、その機器からセンタ端末23,24,25にダウンロードされるようにしてもよい。
【0064】
図1Cに示すように、センタ端末23,24,25は、それぞれ、通信部231、表示制御部232、入力処理部233、入力画面生成部234、チェック処理部235、メッセージ生成部236、及び、記憶部237を有している。なお、表示制御部232、入力処理部233、入力画面生成部234、チェック処理部235、及び、メッセージ生成部236は、センタ端末23,24,25の図示せぬCPUが記憶部237に格納されている制御プログラムを実行することにより、実現される。
【0065】
通信部231は、外部の機器との通信を実行する構成要素である。通信部231は、例えば、通信デバイス等で構成されている。
表示制御部232は、図示せぬ表示部に画像を表示させる機能手段である。
入力処理部233は、例えばキーボードやマウス等の図示せぬ入力部からの入力を受け付ける機能手段である。
【0066】
入力画面生成部234は、エントリ処理やベリファイ処理、承認処理等の、帳票データに対する各処理を実行するための入力画面を生成する機能手段である。
チェック処理部235は、受付端末100の二重読取有無フラグ取得部115によって取得された二重読取有無フラグデータに基づいて、帳票データが二重読み取りされたデータであるか否かを判別する機能手段である。
メッセージ生成部236は、チェック処理部235の判別結果に基づいて、帳票データの取り扱いに関するメッセージデータを生成する機能手段である。
記憶部237は、帳票データに対する所定の処理を実行するために必要な様々なデータや制御プログラムを記憶する記憶手段である。
【0067】
<帳票処理システムによって行われる主な処理の流れ>
以下、図2を参照して、帳票処理システム1によって行われる主な処理の流れにつき説明する。なお、図2は、実施形態に係る帳票処理システムによって行われる主な処理の流れを示す図である。
【0068】
なお、各装置は、図示せぬタイマによって計測された時間に基づいて動作する。また、各装置の動作は、各装置の記憶部に読み出し自在に予め格納された制御プログラムによって規定されており、各装置の制御部によって実行される。また、装置間の通信は、受信側の装置が通信によって受信されたデータを記憶部に一旦格納し、その後に、データを記憶部から読み出すことによって、行われる。また、各データは、記憶部に読み出し自在に一旦格納されてから、その後の処理を行う所要の構成要素に出力される。以下、これらの点については、情報処理では常套手段であるので、その詳細な説明を省略する。
【0069】
(処理1:スキャン処理)
図2に示すように、帳票処理システム1は、まず、営業店10で、受付端末100が、例えば図5に示す振込依頼書を処理対象の帳票50とし、帳票50のスキャン処理を行う。なお、図5は、実施形態で用いる帳票の一例を示す図である。
【0070】
このとき、受付端末100は、Webサーバ21から、例えば図3に示す受付画面(スキャン操作画面)101を表示するための画面データを取得して、受付画面101を図示せぬ表示部に表示する。そして、オペレータが例えば図3に示す「読取&転送」ボタンを押下して読取を指示すると、受付端末100は、帳票50の画像をスキャナ11に光学的に読み取らせる。これにより、受付端末100は、スキャナ11から読み取られた帳票50の画像イメージデータ(TIFF)50Aaを取得する。
【0071】
ここで、受付端末100のオペレータが、一度スキャン処理された帳票50に対し、やむなく、二重にスキャン処理を行うものとする。このような二重スキャン処理は、例えば、以下のような場合に行われる。
(1)例えば、帳票50の通番印字欄に消去できない汚れが付着したために、二重にスキャン処理を行う必要があった場合。
(2)例えば、帳票50を走行させながらスキャン処理を行っている最中に、紙詰まりが発生し、そのスキャン処理に失敗した帳票50に通番が印字されてしまったために、二重にスキャン処理を行う必要があった場合。
【0072】
受付端末100のオペレータは、これらの場合に、図3に示す受付画面101の二重読取チェックボックス101aにチェック印を入れて、「読取&転送」ボタンを押下する。これにより、受付端末100は、帳票50の画像をスキャナ11に光学的に読み取らせて、スキャナ11から二重に読み取られた帳票50の画像イメージデータ(TIFF)50Aaを取得する。
【0073】
(処理2:帳票データ取得処理)
受付端末100は、帳票50の画像イメージデータ(TIFF)50Aaを取得すると、OCR(Optical Character Recognition)等のアプリケーションプログラムを利用して、帳票50の画像イメージデータ(TIFF)50Aaに含まれている文字(数字や記号等を含む)を文字認識することによって、認識結果である文字データを取得する。また、受付端末100は、例えば図3に示す受付画面101の二重読取チェックボックス101aに設定された値を識別することによって、二重読取有無フラグデータを取得する。そして、受付端末100は、文字データや、二重読取有無フラグデータ、受付画面101で入力されたその他のデータ(例えば、店番データ等)を統合して、取引データ(FRG)50Abを取得する。これにより、受付端末100は、振込依頼書の帳票データ50Aとして、帳票50の画像イメージデータ(TIFF)50Aa及び取引データ(FRG)50Abを取得する。
【0074】
(処理3:帳票データ転送処理)
受付端末100は、帳票データ50Aとして、帳票50の画像イメージデータ(TIFF)50Aa及び取引データ(FRG)50Abを取得すると、通信部111がWebサーバ21を介して、取得された帳票データ50Aを為替サーバ22に転送して、為替サーバ22のデータベース226(図1C参照)に登録させる。
【0075】
なお、前記した処理1〜処理3は、例えば、集中センタ20に配置されたセンタ端末23Bを操作して行うこともできる。
処理3の後、センタ端末23,24,25は、帳票データ50Aがリジェクト要因を含むデータ(例えば、文字認識で認識されなかった文字を含むデータ等)である場合に、処理4(エントリ処理)以降の処理を行い、一方、帳票データ50Aがリジェクト要因を含まないデータである場合に、処理5B(ベリファイ処理)以降の処理を行う。以下、リジェクト要因を含むデータを「リジェクト有りデータ」と称し、リジェクト要因を含まないデータを「リジェクト無しデータ」と称する。
【0076】
(処理4:エントリ処理)
センタ端末23(エントリ端末23)は、帳票データ50Aがリジェクト有りデータである場合に、帳票データ50Aが為替サーバ22のデータベース226に登録されると、エントリ処理を実行する。このとき、エントリ端末23は、為替サーバ22からデータベース226に登録された帳票データ50Aを取得する。そして、エントリ端末23は、帳票データ50Aに基づいて、例えば図6に示す入力(エントリ)画面201を図示せぬ表示部に表示して、オペレータに、帳票データ50Aに対する補正入力操作を行わせる。
【0077】
なお、図6は、入力(エントリ)画面の一例を示す図である。入力(エントリ)画面201では、データベース226に登録された帳票データ50Aの取引データ(FRG)50Abが、各項目の入力欄に取り込まれて表示される。なお、初回時のエントリ処理では、通番程度の情報しか表示されない。また、入力(エントリ)画面201は、データベース226に登録された帳票データ50Aの画像イメージデータ(TIFF)50Aaが、入力欄に隣接して設けられた各項目のイメージ表示欄に取り込まれて表示される。オペレータは、入力(エントリ)画面201に表示された入力欄の内容とイメージ表示欄に表示された内容とを比較し、不一致があれば、その箇所を補正する。また、入力欄にデータの欠落があれば、その箇所にデータを入力する。
【0078】
このようにしてエントリ処理で入力(エントリ)画面201に補正入力されたデータは、為替サーバ22に送信され、エントリ処理後の取引データ(FRG)50Abとして為替サーバ22のデータベース226に登録される。以下、エントリ処理後の取引データ(FRG)50Abを「エントリデータ」と称する。
【0079】
(処理5,処理5B:ベリファイ処理)
センタ端末24(ベリファイ端末24)は、帳票データ50Aに対する補正入力操作が行われると、ベリファイ処理を実行する。このとき、ベリファイ端末24は、為替サーバ22からデータベース226に登録されたエントリデータを取得する。そして、ベリファイ端末24は、エントリデータに基づいて、入力(エントリ)画面201(図6参照)と同様の図示せぬ入力画面を図示せぬ表示部に表示して、オペレータに、エントリデータに対する検証操作を行わせる。
【0080】
検証操作では、ベリファイ端末24のオペレータは、入力画面に表示された入力欄の内容とイメージ表示欄に表示された内容とを比較し、不一致があるか否かを検証する。不一致がある場合に、ベリファイ端末24のオペレータは、エントリデータをエントリ端末23に戻して、エントリ端末23のオペレータにエントリデータを補正させる。
【0081】
このようにしてベリファイ処理されたエントリデータは、為替サーバ22に送信され、ベリファイ処理後の取引データ(FRG)50Abとして為替サーバ22のデータベース226に登録される。以下、ベリファイ処理後の取引データ(FRG)50Abを「ベリファイデータ」と称する。
なお、ベリファイ端末24は、帳票データ50Aがリジェクト無しデータである場合に、処理3の後に、処理5Bとして、ベリファイ処理を実行する。
【0082】
(処理6:承認処理)
センタ端末25(承認端末25)は、帳票データ50Aに対する検証操作が行われると、承認処理を実行する。このとき、承認端末25は、為替サーバ22からデータベース226に登録されたエントリデータとベリファイデータとを取得する。そして、承認端末25は、エントリデータとベリファイデータとに基づいて、エントリデータとベリファイデータとを比較する図示せぬ入力画面を図示せぬ表示部に表示して、オペレータに、ベリファイデータに対する承認操作を行わせる。
【0083】
承認操作では、承認端末25のオペレータは、入力画面に表示されたベリファイデータに不備がない場合、エントリデータとベリファイデータとが一致する場合、及び、振込金額が限度額以内である場合に、振込処理を承認する。ベリファイデータに不備がある場合や、エントリデータとベリファイデータとが一致しない場合、又は、振込金額が限度額以上である場合に、承認端末25のオペレータは、ベリファイデータをベリファイ端末24に戻して、ベリファイ端末24のオペレータにベリファイデータを再度検証させる。
【0084】
このようにして承認処理されたベリファイデータは、為替サーバ22に送信され、承認処理後の取引データ(FRG)50Abとして為替サーバ22のデータベース226に登録される。以下、承認処理後の取引データ(FRG)50Abを「承認データ」と称する。
【0085】
(処理7:処理電文データ(為替決済データ)生成・転送処理)
為替サーバ22は、ベリファイデータに対する承認操作が行われると、データベース226に登録された承認データに基づいて、処理電文データを生成して、処理ホスト30に送信する。これにより、為替サーバ22は、処理ホスト30に振込処理を実行させる。
【0086】
係る構成において、帳票処理システム1は、センタ端末23,24,25が処理4〜処理6を実行する場合に、各処理でオペレータが操作に着手する前(例えば、オペレータがエントリ処理で補正入力操作に着手する前や、ベリファイ処理で検証操作に着手する前、承認処理で承認操作に着手する前)に、二重読取有無フラグデータ(図4参照)の値(すなわち、二重読取チェックボックス101a(図3参照)のチェック印の有無)に基づいて、帳票データ50Aが二重読み取りされたデータであるか否かを判定する。
【0087】
そして、二重読取有無フラグデータの値が「1」である場合(二重読取チェックボックス101aにチェック印が有る場合)に、センタ端末23,24,25は、帳票データ50Aが二重読み取りされたデータであることをオペレータに警告するメッセージ画面306(図8参照)を図示せぬ表示部に表示する。
【0088】
<帳票処理システムの動作>
本発明は、センタ端末23,24,25が、図2に示す処理4〜処理6(エントリ処理、ベリファイ処理、及び、承認処理)のいずれかの処理で、入力画面(例えば、図6に示す入力画面201)を表示する際に、二重読取チェックを行うことに特徴がある。
【0089】
以下、図7を参照して、入力画面を表示する際の帳票処理システム1の動作につき説明する。ここでは、エントリ端末23がエントリ処理を実行する際に、入力画面を表示する場合を想定して説明する。なお、図7は、実施形態に係る帳票処理システムの動作を示すフローチャートである。
【0090】
エントリ端末23は、オペレータがエントリ処理を開始するための操作を行うことにより、入力(エントリ)画面201(図6参照)の表示処理を開始する。
【0091】
入力画面201の表示処理では、図7に示すように、まず、エントリ端末23の入力画面生成部234が、為替サーバ22のデータベース226から、帳票データ50Aとして、画像イメージデータ(TIFF)50Aaと取引データ(FRG)50Abとを取得する(S105)。帳票データ50Aの取得は、エントリ端末23の入力画面生成部234が為替サーバ22に帳票データ50Aの配信を要求し、これに応答して、為替サーバ22が帳票データ50Aをエントリ端末23に配信することによって、行われる。
【0092】
次に、エントリ端末23の入力画面生成部234が、配信された取引データ(FRG)50Abから入力画面の表示に必要な初期情報(以下、「入力画面初期情報」と称する)を取得する(S110)。初回配信時の取引データ(FRG)50Abは、帳票50がスキャン処理された直後であるため、「通番」程度の情報しか登録されていない。入力画面生成部234は、その通番情報(ただし、通番以外の情報が登録されていれば、その情報を含む)を「入力画面初期情報」として、取引データ(FRG)50Abから取得する。なお、取引データ(FRG)50Abは、初回配信時(エントリ処理時)に、帳票50に記載されている文字データ(金額や振込人等のデータ)がエントリ端末23のオペレータによって入力画面201から入力される。そのため、取引データ(FRG)50Abは、2回目以降の配信では、その情報が反映された状態となる。
【0093】
次に、エントリ端末23のチェック処理部235は、帳票データ50Aが二重読取チェック対象の帳票50のデータであるか否かを判定する(S115)。なお、対象外となる帳票50としては、例えば、エントリ処理がまだ行われていないダイレクト系の帳票がある。S115では、エントリ端末23は、帳票データ50Aがこのような帳票以外のデータであるか否かを判定する。
【0094】
ここで、「ダイレクト系の帳票」とは、以下のような帳票を意味している。
例えば、営業店10に持ち込まれる帳票50としては、出力要件が予め定められた所定の書式の帳票(以下、「定型帳票」と称する)と、これ以外の、例えば、旧式の帳票とがある。金融機関にもよるが、通常、帳票処理システム1は、新帳票(定型帳票)のフォーマットにのみ対応している。そのため、帳票処理システム1は、新帳票(定型帳票)の書式に合わない帳票50をスキャン処理した場合に、「フォーマット認識ができない帳票」と見なす。そして、帳票処理システム1は、「フォーマット認識ができない帳票」を、非定型帳票(又は、「イメージ帳票」と称する場合もある)として、処理する。
【0095】
この場合に、帳票処理システム1は、非定型帳票の画像イメージデータ(TIFF)50Aaを取得するものの、文字データを取得できない。そのため、帳票処理システム1は、エントリ端末23のオペレータが、非定型帳票のエントリ処理で、非定型帳票の画像イメージデータ(TIFF)50Aaの画像を見ながら、入力画面201(図6参照)から文字データを直接入力する。ただし、帳票50によっては、画像イメージデータ(TIFF)50Aaの画像が見にくい場合がある。この場合に、エントリ端末23のオペレータは、画像イメージデータ(TIFF)50Aaの画像を拡大して印刷し、印刷された画像を見ながら、入力画面201から文字データを直接入力する。このようなエントリ端末23のオペレータが印刷された画像を見ながら文字データを直接入力する操作を「ダイレクト入力」と称する。そして、「ダイレクト入力」によって処理される帳票を「ダイレクト系の帳票」と称する。
【0096】
S115の判定で、帳票データ50Aが二重読取チェック対象の帳票50のデータであると判定された場合(“Yes”の場合)に、エントリ端末23のチェック処理部235は、入力画面初期情報の二重読取有無フラグデータが空白であるか否かを判定する(S120)。なお、入力画面初期情報の二重読取有無フラグデータは、初回配信時では、空白の状態になっている。
【0097】
S120の判定で、入力画面初期情報の二重読取有無フラグデータが空白であると判定された場合(“Yes”の場合)に、エントリ端末23のチェック処理部235は、取引データ(FRG)50Abから二重読取有無フラグデータを抽出し、取引データ(FRG)50Abの二重読取有無フラグデータを入力画面初期情報の二重読取有無フラグデータとして設定する(S125)。
【0098】
S125の後、エントリ端末23の入力画面生成部234は、入力画面のフォームを表示する(S130)。ここでは、入力画面のフォーム情報が為替サーバ22のデータベース226に予め登録されており、エントリ端末23は、為替サーバ22から入力画面のフォーム情報を取得し、その入力画面のフォーム情報に基づいて、入力画面のフォームを表示するものとする。ただし、エントリ端末23は、入力画面のフォーム情報が記憶部237に予め登録されており、その入力画面のフォーム情報に基づいて、入力画面のフォームを表示するようにしてもよい。
【0099】
なお、S115の判定で、帳票データ50Aが二重読取チェック対象の帳票50のデータでないと判定された場合(“No”の場合)、又は、S120の判定で、入力画面初期情報の二重読取有無フラグデータが空白でないと判定された場合(“No”の場合)も、処理は、S130に進む。その結果、S130で、エントリ端末23の入力画面生成部234は、入力画面のフォームを表示する。
【0100】
なお、S115の判定で、帳票データ50Aが二重読取チェック対象の帳票50のデータでないと判定された場合(“No”の場合)に、処理がS130に進むのは、以下の理由のためである。すなわち、エントリ処理では、主に非定型帳票が、ダイレクト系の帳票になる。その非定型帳票は、通番印字欄の位置が、固定されておらず、帳票50毎に異なる。そのため、帳票処理システム1は、帳票50が非定型帳票である場合に、帳票50の通番情報を抽出することができず、データをオペレータに直接入力させる必要があるからである。
【0101】
S130の後、エントリ端末23のチェック処理部235は、エントリ処理中の取引データ(FRG)50Abが妥当か否かを判定する(S135)。この判定は、エントリ処理中の取引データ(FRG)50Abの通番とデータベース226に既に登録されている過去の処理済みの取引データ(FRG)50Abとを突き合わせ、エントリ処理中の取引データ(FRG)50Abが振込実績のある通番のデータであるか否かを識別することによって、行われる。以下、この判定を「取引データの妥当性チェック」と称する。
【0102】
S135の判定で、エントリ処理中の取引データ(FRG)50Abが妥当である(すなわち、エントリ処理中の取引データ(FRG)50Abが振込実績のない通番のデータである)と判定された場合(“Yes”の場合)に、エントリ端末23のチェック処理部235は、操作が処理済帳票データの照会以外の操作であるか否かを判定する(S140)。
【0103】
一方、S135の判定で、エントリ処理中の取引データ(FRG)50Abが妥当でない(すなわち、エントリ処理中の取引データ(FRG)50Abが振込実績のある通番のデータである)と判定された場合(“No”の場合)に、処理は、S155に進む。
【0104】
S140の判定で、操作が処理済帳票データの照会以外の操作であると判定された場合(“Yes”の場合)に、エントリ端末23のチェック処理部235は、エントリ処理中の取引データ(FRG)50Abに削除予約があるか否かを判定する(S145)。一方、S140の判定で、操作が処理済帳票データの照会の操作であると判定された場合(“No”の場合)に、処理は、S160に進む。
【0105】
S145の判定で、エントリ処理中の取引データ(FRG)50Abに削除予約があると判定された場合(“Yes”の場合)に、エントリ端末23のメッセージ生成部236は、削除が予約されていることをエントリ端末23のオペレータに通知するためのメッセージ画面を生成して、表示制御部232を介して、図示せぬ表示部に表示させる(S150)。
【0106】
一方、S145の判定で、エントリ処理中の取引データ(FRG)50Abに削除予約がないと判定された場合(“No”の場合)に、エントリ端末23のチェック処理部235は、入力画面初期情報の二重読取有無フラグデータ(図4参照)の値が「1(有り)」であるか否かを判定する(S151)。
【0107】
S151の判定で、入力画面初期情報の二重読取有無フラグデータ(図4参照)の値が「1(有り)」であると判定された場合(“Yes”の場合)に、エントリ端末23のメッセージ生成部236は、図8に示す二重読取チェックメッセージ画面306を生成して、表示制御部232を介して、図示せぬ表示部に表示させる(S155)。一方、S151の判定で、入力画面初期情報の二重読取有無フラグデータの値が「1(有り)」でないと判定された場合(“No”の場合)に、処理は、S160に進む。
【0108】
なお、図8は、実施形態で用いる二重読取チェックメッセージ画面を示す図である。二重読取チェックメッセージ画面306は、エントリ処理中の取引データ(FRG)50Abが二重読み取りされたデータであることをオペレータに警告する警告メッセージ画面である。図8に示す例では、二重読取チェックメッセージ画面306は、二重読取の帳票データ50Aを受け付けたこと、及び、営業店10への確認が必要なことをオペレータに通知する内容になっている。
【0109】
S155の後、エントリ端末23の入力画面生成部234(又は、チェック処理部235)は、オペレータが二重読取チェックメッセージ画面306に表示された「再確認」ボタン又は「確認」ボタンを押下する操作を行ったことを検出すると(S156)、表示制御部232を介して、図示せぬ表示部に表示させている二重読取チェックメッセージ画面306を消去させて、入力(エントリ)画面201に復帰させる(S157)。
【0110】
S140の判定で、操作が処理済帳票データの照会の操作であると判定された場合(“No”の場合)に、又は、S150及びS157のいずれか一方の処理の後に、エントリ端末23の入力画面生成部234は、処理中の取引データ(FRG)50Abを入力(エントリ)画面201に反映させる(S160)。このとき、入力画面生成部234は、処理中の取引データ(FRG)50Abから各項目のデータを取り出して、入力(エントリ)画面201の該当する項目欄のデータとして設定する。これにより、エントリ端末23は、入力(エントリ)画面201(図6参照)の表示処理を終了する。
【0111】
なお、この後、エントリ端末23のオペレータが、取引データ(FRG)50Abに対して補正入力操作を行うと、エントリ端末23の入力処理部233が、その操作を検出して、為替サーバ22に通知する。これに応答して、為替サーバ22は、補正入力された帳票データ50Aをエントリデータとしてデータベース226に登録する。
【0112】
なお、図7に示すフローは、ベリファイ端末24がベリファイ処理を実行する場合に、「エントリ」を「ベリファイ」に読み替えるものとし、また、承認端末25が承認処理を実行する場合に、「エントリ」を「承認」に読み替えるものとする。
【0113】
<二重読取チェックメッセージ画面が表示された場合の対応>
以下、図9を参照して、二重読取チェックメッセージ画面306が図示せぬ表示部に表示された場合の営業店10及び集中センタ20で行われる対応につき説明する。ここでは、二重読取チェックメッセージ画面306がエントリ処理時に表示された場合を想定して説明する。なお、図9は、二重読取チェックメッセージ画面表示後の主な処理の流れを示す図である。
【0114】
集中センタ20では、エントリ端末23のオペレータは、二重読取チェックメッセージ画面306が図示せぬ表示部に表示されたことを確認すると(S605)、その旨を役席者に連絡する(S610)。これにより、役席者は、営業店10に詳細を聞くために電話連絡する(S615)。このとき、役席者は、帳票50の通番印字欄に印字された通番を営業店10側に通知する。
【0115】
営業店10では、行員又は責任者が通知された通番に基づいて、実際の帳票50を特定する。その後、行員又は責任者は、帳票50を処理した担当者(受付端末100のオペレータ)を特定し、担当者に二重読取が行われた理由を確認する。
【0116】
二重読取が行われた理由としては、例えば、以下のものがある。
(理由1)例えば、スキャン処理された際に帳票50に印字された通番の発色が薄かったために、担当者が、スキャン処理された帳票50をスキャン処理されていない帳票50と誤認して、再度、スキャン処理を行ってしまった。
(理由2)例えば、帳票50の通番印字欄に消去できない汚れが付着したために、担当者が、やむなく、二重にスキャン処理を行った。
(理由3)例えば、帳票50を走行させながらスキャン処理を行っている最中に、紙詰まりが発生し、そのスキャン処理に失敗した帳票50に通番が印字されてしまったために、担当者が、やむなく、二重にスキャン処理を行った。
【0117】
行員又は責任者は、担当者から確認された理由に応じて、対応方針を決定する。例えば、前記した理由1の場合に、行員又は責任者は、削除依頼を集中センタ20に出す(S620a)。また、例えば、前記した理由2又は理由3の場合に、行員又は責任者は、エントリ処理の実施を集中センタ20に依頼する(S620b,S620c)。営業店10の行員又は責任者は、決定された対応方針を集中センタ20に通知する。
【0118】
集中センタ20では、役席者が営業店10からの指示をエントリ端末23のオペレータに伝える(S625)。エントリ端末23のオペレータは、エントリ処理での補正入力操作を実施し(S630)、操作が完了すると、その旨を役席者に連絡する(S635)。
【0119】
役席者は、該当帳票50の通番を営業店10側に通知して、営業店10に該当帳票50のステータスの確認を依頼する(S640)。営業店10では、行員又は責任者が該当帳票50のステータスを確認する(S645)。
このようにして、二重読取チェックメッセージ画面306が表示された場合の対応が行われる。
【0120】
本実施形態に係る帳票処理システム1は、受付端末100で、二重読取チェックボックス101a(図3参照)にチェック印が入力された状態で、スキャン処理が行われた場合に、センタ端末23,24,25で、操作(例えば、エントリ処理での補正入力操作)が行われる前に、警告メッセージ画面として二重読取チェックメッセージ画面306(図8参照)が表示される。これにより、センタ端末23,24,25のオペレータは、処理中の帳票データ50Aが二重読み取りされたデータであることを、早期に(操作に着手する前に)、認識することができる。
【0121】
なお、二重読取チェックメッセージ画面306は、エントリ、ベリファイ、及び、承認の各処理工程(後の処理工程から前の処理工程に差し戻される場合を含む)で表示される。そのため、仮に、前の処理工程のオペレータが、帳票データ50Aに対する操作終了後に表示される警告メッセージを見落とした場合であっても、後の処理工程のオペレータが、処理中の帳票データ50Aが二重読み取りされたデータであることを、早期に(操作に着手する前に)、認識することができる。
【0122】
そのため、センタ端末23,24,25のオペレータは、処理中の帳票データ50Aが二重読み取りされたデータである場合に、無駄な作業を中止することができる。したがって、帳票処理システム1は、無駄な作業に要するセンタ端末23,24,25のオペレータの労力を軽減することができるとともに、無駄な作業に要する時間を短縮することができる。そのため、帳票処理システム1は、振込処理の効率を向上させることができる。
【0123】
また、営業店10は、早期に問い合わせを受けることにより、二重読取が行われた理由の確認や方針決定を円滑に行うことができる。また、帳票処理システム1は、無駄な作業に要する時間を短縮することができるため、振込依頼の受付時間の終了間際にスキャン処理された帳票データ50Aについても、受付時間内にリカバリ対応の実行頻度を向上させることができる。そのため、帳票処理システム1は、この点でも、振込処理の効率を向上させることができる。
【0124】
以上の通り、本実施形態に係る帳票処理システム1によれば、無駄な作業に要するセンタ端末23,24,25のオペレータの労力を軽減することができるとともに、無駄な作業に要する時間を短縮することができる。そのため、帳票処理システム1は、振込処理の効率を向上させることができる。
【0125】
本発明は、前記した実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や変形を行うことができる。
例えば、実施形態では、帳票処理システム1が振込処理に用いられる場合を想定して説明しているが、他の用途に用いることもできる。
【符号の説明】
【0126】
1 帳票処理システム
2 ネットワーク
10 営業店
11 スキャナ
20 集中センタ
21 Webサーバ
22 為替サーバ
23,23B,24,25 センタ端末
26 通信ゲートウェイ
30 処理ホスト
100 受付端末
111,211,221,231 通信部
112,232 表示制御部
113,233 入力制御部
114 帳票データ取得部
114a 画像イメージデータ取得部
114b 文字データ取得部(取引データ取得部)
115 二重読取有無フラグ取得部
116,214,237 記憶部
226 データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帳票に関するデータを帳票データとして受け付けるスキャナ制御端末と、当該帳票データに対して所定の処理を行うセンタ端末とが、ネットワークを介して接続された帳票処理システムにおいて、
前記スキャナ制御端末は、
前記帳票データを取得する帳票データ取得部と、
前記帳票データに対する二重読取有無フラグデータの入力操作を誘導する画面を表示部に表示させる表示制御部と、
前記二重読取有無フラグデータの入力操作が行われている場合に、前記入力された前記二重読取有無フラグデータを取得する二重読取有無フラグ取得部と、
前記二重読取有無フラグ取得部が取得した前記二重読取有無フラグデータと共に前記帳票データを送信する通信部とを備え、
前記センタ端末は、
受信された前記二重読取有無フラグデータに基づいて、前記帳票データが二重読み取りされたデータであるか否かを判別するチェック処理部と、
前記チェック処理部の判別結果に基づいて、前記帳票データの取り扱いに関するメッセージデータを生成するメッセージ生成部と、
前記メッセージデータを含む各種の情報を表示部に表示させる表示制御部とを備える
ことを特徴とする帳票処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の帳票処理システムにおいて、
前記メッセージ生成部は、前記帳票データが二重読み取りされたデータである場合に、前記メッセージデータとして、二重読取の確認を前記センタ端末のオペレータに促す警告メッセージ画面のデータを生成する
ことを特徴とする帳票処理システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の帳票処理システムにおいて、
前記センタ端末は、さらに、前記帳票データに対して所定の処理を行うための入力画面データを生成する入力画面生成部を備え、
前記入力画面生成部は、前記センタ端末のオペレータが前記帳票データに対して補正入力操作を行うエントリ処理時、前記センタ端末のオペレータがエントリ処理後の帳票データに対して検証操作を行うベリファイ処理時、及び、前記センタ端末のオペレータがベリファイ処理後の帳票データに対して承認操作を行う承認処理時のいずれか1乃至複数の処理時に、前記入力画面データを生成し、
前記チェック処理部は、前記入力画面生成部が前記入力画面データを生成する際に、前記帳票データが二重読み取りされたデータであるか否かを判別する
ことを特徴とする帳票処理システム。
【請求項4】
請求項3に記載の帳票処理システムにおいて、
前記スキャナ制御端末の前記帳票データ取得部は、前記帳票データとして、前記帳票の画像イメージデータ、及び、当該画像イメージデータに含まれる文字の認識結果である文字データを取得し、
前記入力画面生成部は、前記画像イメージデータ及び前記文字データを含む入力画面データを生成する
ことを特徴とする帳票処理システム。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載の帳票処理システムにおいて、
さらに、前記帳票データを登録及び管理する為替サーバを有しており、
前記為替サーバは、
前記スキャナ制御端末から送信される前記帳票データ、並びに、前記エントリ処理、前記ベリファイ処理、及び、前記承認処理の各処理後の帳票データを登録するデータベースと、
前記承認処理後に、前記データベースに登録された前記承認操作後の帳票データに基づいて、処理ホストに送信する処理電文データを生成する処理電文データ生成部とを備える
ことを特徴とする帳票処理システム。
【請求項6】
請求項5に記載の帳票処理システムにおいて、
さらに、Web画面として、前記帳票データを前記為替サーバの前記データベースに登録させるための画面を前記スキャナ制御端末に提供するWebサーバを有しており、
前記画面には、前記スキャナ制御端末を操作するオペレータに前記二重読取有無フラグデータを入力させるための二重読取チェックボックスが含まれている
ことを特徴とする帳票処理システム。
【請求項7】
請求項5又は請求項6に記載の帳票処理システムにおいて、
前記為替サーバは、前記データベースに、コンピュータを前記スキャナ制御端末として機能させるスキャナ制御端末用プログラムを記憶しており、当該スキャナ制御端末用プログラムを当該コンピュータに配信する
ことを特徴とする帳票処理システム。
【請求項8】
請求項5乃至請求項7のいずれか一項に記載の帳票処理システムにおいて、
前記為替サーバは、前記データベースに、コンピュータを前記センタ端末として機能させるセンタ端末用プログラムを記憶しており、当該センタ端末用プログラムを当該コンピュータに配信する
ことを特徴とする帳票処理システム。
【請求項9】
帳票に関するデータを帳票データとして受け付けるスキャナ制御端末とネットワークを介して接続され、当該帳票データに対して所定の処理を行うセンタ端末において、
前記スキャナ制御端末によって取得された前記帳票データが前記帳票データと共に取得される二重読み取りされたデータであるか否かを表す二重読取有無フラグデータに基づいて、前記スキャナ制御端末によって取得された前記帳票データが二重読み取りされたデータであるか否かを判別するチェック処理部と、
前記チェック処理部の判別結果に基づいて、前記帳票データの取り扱いに関するメッセージを生成するメッセージ生成部と、
前記メッセージデータを含む各種の情報を表示部に表示させる表示制御部とを備える
ことを特徴とするセンタ端末。
【請求項10】
コンピュータを、帳票に関するデータを帳票データとして受け付けるスキャナ制御端末とネットワークを介して接続され、当該帳票データに対して所定の処理を行うセンタ端末として機能させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記スキャナ制御端末によって取得された前記帳票データが前記帳票データと共に取得される二重読み取りされたデータであるか否かを表す二重読取有無フラグデータに基づいて、前記スキャナ制御端末によって取得された前記帳票データが二重読み取りされたデータであるか否かを判別するチェック処理部と、
前記チェック処理部の判別結果に基づいて、前記帳票データの取り扱いに関するメッセージを生成するメッセージ生成部と、
前記メッセージデータを含む各種の情報を表示部に表示させる表示制御部として機能させる
ことを特徴とするプログラム。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−141927(P2012−141927A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−1209(P2011−1209)
【出願日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(591051645)株式会社OKIソフトウェア (173)
【Fターム(参考)】