説明

干渉制御システム、干渉制御装置、端末及び干渉制御プログラム

【課題】干渉制御用サブフレームと非干渉制御用サブフレームとを時分割多重する移動体通信システムの干渉制御システムにおいて、下りリンク通信容量を向上させることができる干渉制御システム、干渉制御装置、端末及び干渉制御プログラムを提供する。
【解決手段】干渉制御システムは、第1送信電力を示すメッセージ及び第2送信電力を示すメッセージと、サブセットパターンを示すメッセージとを、サブセットパターンに応じて送信する増幅部170と、を有する干渉制御装置100aと、第1送信電力及び第1受信電力に基づくカップリングロスを算出し、且つ、第2送信電力及び第2受信電力に基づくカップリングロスを算出するカップリングロス算出部280aと、カップリングロス算出部280aにより算出されたカップリングロスに基づいて、上り送信電力を算出する上り送信電力算出部290と、を有する端末200aと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信における、干渉制御システム、干渉制御装置、端末及び干渉制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
日本国内の移動通信システムでは、W‐CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)及びCDMA2000(Code Division Multiple Access 2000)に代表される、第3世代移動通信システムが普及している。第3世代移動通信システムの高度化及びその次世代システムとして、3GPP(Third Generation Partnership Project)の標準規格の一つである「LTE(Long Term Evolution)」が知られている(非特許文献1参照)。
【0003】
近年、3GPPでは、LTEを更に高度化させた「LTE‐Advanced」に関する検討が行われている。その中でも、低コストで迅速なエリア展開を目指し、ピコ基地局及びフェムト基地局などの小型かつ安価なローカルノードを併用してエリア品質を改善する、ヘテロジニアスネットワーク(Heterogeneous Network:HetNet)の検討が活発である。
【0004】
HetNetでは、マクロ基地局のエリア内に、ピコ基地局及びフェムト基地局が混在するセル配置となるため、セル間での干渉量が増えるが、適切な干渉制御により、スループットを大きく向上させることができる。3GPPでは、HetNetにおける干渉制御技術として、サブフレーム(Sub−Frame:SF)単位で干渉制御を行う、時分割多重(Time Division Multiplex:TDM)型干渉制御(非特許文献2参照)と、複数のコンポーネント・キャリア(Component Carrier:CC)を用い、周波数軸上で干渉制御を行う、キャリア・アグリゲーション(Carrier Aggregation:CA)ベース干渉制御(非特許文献3参照)と、が検討されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】3GPP, TS36.201, “Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); LTE physical layer; General description”, V9.1.0, Mar. 2010.
【非特許文献2】小西 外2名,“TDM型干渉制御手法を適用したピコ局混在型HetNetにおける下りリンクの性能評価,”B-5-73,信学総大,Mar. 2011.
【非特許文献3】伏木 外3名,“ピコ局混在型HetNet用干渉制御手法に関する下りリンクでの性能比較,”B-5-48,信学通ソ,Sep. 2011.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、キャリア・アグリゲーションをベースとする干渉制御(CAベース干渉制御)では、非干渉制御用キャリアよりも低い送信電力で干渉制御用キャリアが運用されることにより、干渉制御用キャリアを停波した場合と比較して、下りリンク通信容量を向上させることができる。また、CAベース干渉制御では、キャリア毎に異なる下り送信電力設定値を通知することができるので、キャリアが低い送信電力で運用されても、端末は、カップリングロスを正しく推定することができる。
【0007】
これに対し、TDM型干渉制御では、干渉制御用サブフレームと非干渉制御用サブフレームとが同一キャリア内において時分割で切り替えられる際、基地局から端末に下り送信電力を通知する手段は、キャリア当り一つしかない。このため、非干渉制御用サブフレームより低い送信電力で干渉制御用サブフレームが送信された場合、端末は、干渉制御用サブフレーム又は非干渉制御用サブフレームのいずれか一方についてしか、カップリングロスを正しく推定することができない。カップリングロスを正しく推定することができなければ、端末は、上りリンク送信電力を適切に定めることができない。また、上りリンク送信電力が適切に定められなければ、上りリンク通信を確立できないので、干渉制御システムは、干渉制御用サブフレームを低い送信電力で運用することができない。このため、干渉制御システムは、下りリンク通信容量を向上させることができない、という問題がある。
【0008】
本発明は、前記の諸点に鑑みてなされたものであり、干渉制御用サブフレームと非干渉制御用サブフレームとを時分割多重する移動体通信システムの干渉制御システムにおいて、下りリンク通信容量を向上させることができる干渉制御システム、干渉制御装置、端末及び干渉制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、干渉制御用サブフレームと非干渉制御用サブフレームとを時分割多重する移動体通信システムの干渉制御システムにおいて、干渉制御用サブフレーム及び非干渉制御用サブフレームの送信順を示すサブセットパターンを記憶するサブセット管理部と、干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である第1送信電力を示す情報、及び、非干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である第2送信電力を示す情報を、干渉制御用サブフレーム及び非干渉制御用サブフレームに対応付けて記憶する電力管理部と、前記第1送信電力を示すメッセージ、及び、前記第2送信電力を示すメッセージを生成する下り送信電力メッセージ生成部と、前記サブセットパターンを示すメッセージを生成するパターンメッセージ生成部と、前記第1送信電力を示すメッセージ及び前記第2送信電力を示すメッセージと、前記サブセットパターンを示すメッセージとを、前記第1送信電力及び前記第2送信電力で前記サブセットパターンに応じて送信する送信部と、を有する干渉制御装置と、前記第1送信電力を示すメッセージ及び前記第2送信電力を示すメッセージと、前記サブセットパターンを示すメッセージとを、前記送信部から受信する受信部と、前記第1送信電力を示すメッセージ、及び、前記第2送信電力を示すメッセージを検知する下り送信電力メッセージ検知部と、前記サブセットパターンを示すメッセージを検知するパターンメッセージ検知部と、前記受信部により受信された干渉制御用サブフレームを、前記サブセットパターンを示すメッセージに基づいて検知した場合、前記第1送信電力を選択し、且つ、前記受信部により受信された非干渉制御用サブフレームを、前記サブセットパターンを示すメッセージに基づいて検知した場合、前記第2送信電力を選択する、電力及びサブセット管理部と、干渉制御用サブフレームの受信電力である第1受信電力、及び、干渉制御用サブフレームの受信電力である第2受信電力を測定する測定部と、前記電力及びサブセット管理部により前記第1送信電力が選択された場合、前記第1送信電力及び前記第1受信電力に基づくカップリングロスを算出し、且つ、前記電力及びサブセット管理部により前記第2送信電力が選択された場合、前記第2送信電力及び前記第2受信電力に基づくカップリングロスを算出するカップリングロス算出部と、前記カップリングロス算出部により算出されたカップリングロスに基づいて、上り送信電力を算出する上り送信電力算出部と、を有する端末と、を備えることを特徴とする干渉制御システムである。
【0010】
また、本発明は、干渉制御用サブフレームと非干渉制御用サブフレームとを時分割多重する移動体通信システムの干渉制御システムにおいて、干渉制御用サブフレーム及び非干渉制御用サブフレームの送信順を示すサブセットパターンを記憶するサブセット管理部と、干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である第1送信電力を示す情報、及び、非干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である第2送信電力を示す情報を、干渉制御用サブフレーム及び非干渉制御用サブフレームに対応付けて記憶する電力管理部と、前記第1送信電力を示すメッセージ、及び、前記第2送信電力を示すメッセージを生成する下り送信電力メッセージ生成部と、前記サブセットパターンを示すメッセージを生成するパターンメッセージ生成部と、前記第1送信電力を示すメッセージ及び前記第2送信電力を示すメッセージと、前記サブセットパターンを示すメッセージとを、前記第1送信電力及び前記第2送信電力で前記サブセットパターンに応じて送信する送信部と、を備えることを特徴とする干渉制御装置である。
【0011】
また、本発明は、干渉制御用サブフレームと非干渉制御用サブフレームとを時分割多重する移動体通信システムの干渉制御システムにおいて、干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である第1送信電力を示すメッセージ、及び、非干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である第2送信電力を示すメッセージと、干渉制御用サブフレーム及び非干渉制御用サブフレームの送信順を示すサブセットパターンを示すメッセージとを、受信する受信部と、干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である第1送信電力を示すメッセージ、及び、非干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である第2送信電力を示すメッセージを検知する下り送信電力メッセージ検知部と、干渉制御用サブフレーム及び非干渉制御用サブフレームの送信順を示すサブセットパターンを示すメッセージを検知するパターンメッセージ検知部と、前記受信部により受信された干渉制御用サブフレームを、前記サブセットパターンを示すメッセージに基づいて検知した場合、前記第1送信電力を選択し、且つ、前記受信部により受信された非干渉制御用サブフレームを、前記サブセットパターンを示すメッセージに基づいて検知した場合、前記第2送信電力を選択する、電力及びサブセット管理部と、干渉制御用サブフレームの受信電力である第1受信電力、及び、干渉制御用サブフレームの受信電力である第2受信電力を測定する測定部と、前記電力及びサブセット管理部により前記第1送信電力が選択された場合、前記第1送信電力及び前記第1受信電力に基づくカップリングロスを算出し、且つ、前記電力及びサブセット管理部により前記第2送信電力が選択された場合、前記第2送信電力及び前記第2受信電力に基づくカップリングロスを算出するカップリングロス算出部と、前記カップリングロス算出部により算出されたカップリングロスに基づいて、上り送信電力を算出する上り送信電力算出部と、を備えることを特徴とする端末である。
【0012】
また、本発明は、干渉制御用サブフレームと非干渉制御用サブフレームとを時分割多重する移動体通信システムの干渉制御システムにおいて、干渉制御用サブフレーム及び非干渉制御用サブフレームの送信順を示すサブセットパターンを記憶し、カップリングロスを算出する対象として、干渉制御用サブフレーム又は非干渉制御用サブフレームを選択するサブセット管理部と、干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である第1送信電力を示す情報、及び、非干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である第2送信電力を示す情報を、干渉制御用サブフレーム及び非干渉制御用サブフレームに対応付けて記憶する電力管理部と、前記サブセット管理部により選択された干渉制御用サブフレームに対応付けられた前記第1送信電力を示すメッセージ、又は、前記サブセット管理部により選択された非干渉制御用サブフレームに対応付けられた前記第2送信電力を示すメッセージを生成する下り送信電力メッセージ生成部と、前記サブセットパターンを示すメッセージを生成するパターンメッセージ生成部と、前記サブセット管理部により選択された干渉制御用サブフレームを示すメッセージ、又は、前記サブセット管理部により選択された非干渉制御用サブフレームを示すメッセージを生成する指示メッセージ生成部と、前記第1送信電力を示すメッセージ又は前記第2送信電力を示すメッセージと、前記サブセットパターンを示すメッセージと、干渉制御用サブフレームを示すメッセージ又は非干渉制御用サブフレームを示すメッセージとを、前記第1送信電力及び前記第2送信電力で前記サブセットパターンに応じて送信する送信部と、を有する干渉制御装置と、前記第1送信電力を示すメッセージ又は前記第2送信電力を示すメッセージと、前記サブセットパターンを示すメッセージと、干渉制御用サブフレームを示すメッセージ又は非干渉制御用サブフレームを示すメッセージとを、前記送信部から受信する受信部と、前記第1送信電力を示すメッセージ、又は、前記第2送信電力を示すメッセージを検知する下り送信電力メッセージ検知部と、前記サブセットパターンを示すメッセージを検知するパターンメッセージ検知部と、干渉制御用サブフレームの受信電力である第1受信電力、及び、干渉制御用サブフレームの受信電力である第2受信電力を測定する測定部と、干渉制御用サブフレームを示すメッセージ、又は、非干渉制御用サブフレームを示すメッセージを検知する指示メッセージ検知部と、前記指示メッセージ検知部により干渉制御用サブフレームを示すメッセージが検知された場合、前記第1送信電力及び前記第1受信電力に基づくカップリングロスを算出し、一方、前記指示メッセージ検知部により非干渉制御用サブフレームを示すメッセージが検知された場合、前記第2送信電力及び前記第2受信電力に基づくカップリングロスを算出するカップリングロス算出部と、前記カップリングロス算出部により算出されたカップリングロスに基づいて、上り送信電力を算出する上り送信電力算出部と、を有する端末と、を備えることを特徴とする干渉制御システムである。
【0013】
また、本発明は、干渉制御用サブフレームと非干渉制御用サブフレームとを時分割多重する移動体通信システムの干渉制御システムにおいて、干渉制御用サブフレーム及び非干渉制御用サブフレームの送信順を示すサブセットパターンを記憶し、カップリングロスを算出する対象として、干渉制御用サブフレーム又は非干渉制御用サブフレームを選択するサブセット管理部と、干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である第1送信電力を示す情報、及び、非干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である第2送信電力を示す情報を、干渉制御用サブフレーム及び非干渉制御用サブフレームに対応付けて記憶する電力管理部と、前記サブセット管理部により選択された干渉制御用サブフレームに対応付けられた前記第1送信電力を示すメッセージ、又は、前記サブセット管理部により選択された非干渉制御用サブフレームに対応付けられた前記第2送信電力を示すメッセージを生成する下り送信電力メッセージ生成部と、前記サブセットパターンを示すメッセージを生成するパターンメッセージ生成部と、前記サブセット管理部により選択された干渉制御用サブフレームを示すメッセージ、又は、前記サブセット管理部により選択された非干渉制御用サブフレームを示すメッセージを生成する指示メッセージ生成部と、前記第1送信電力を示すメッセージ又は前記第2送信電力を示すメッセージと、前記サブセットパターンを示すメッセージと、干渉制御用サブフレームを示すメッセージ又は非干渉制御用サブフレームを示すメッセージとを、前記第1送信電力及び前記第2送信電力で前記サブセットパターンに応じて送信する送信部と、を備えることを特徴とする干渉制御装置である。
【0014】
また、本発明は、干渉制御用サブフレームと非干渉制御用サブフレームとを時分割多重する移動体通信システムの干渉制御システムにおいて、干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である第1送信電力を示すメッセージ、又は、非干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である前記第2送信電力を示すメッセージと、干渉制御用サブフレーム及び非干渉制御用サブフレームの送信順を示すサブセットパターンを示すメッセージと、干渉制御用サブフレームを示すメッセージ又は非干渉制御用サブフレームを示すメッセージとを、受信する受信部と、前記第1送信電力を示すメッセージ、又は、前記第2送信電力を示すメッセージを検知する下り送信電力メッセージ検知部と、前記サブセットパターンを示すメッセージを検知するパターンメッセージ検知部と、干渉制御用サブフレームの受信電力である第1受信電力、及び、干渉制御用サブフレームの受信電力である第2受信電力を測定する測定部と、干渉制御用サブフレームを示すメッセージ、又は、非干渉制御用サブフレームを示すメッセージを検知する指示メッセージ検知部と、前記指示メッセージ検知部により干渉制御用サブフレームを示すメッセージが検知された場合、前記第1送信電力及び前記第1受信電力に基づくカップリングロスを算出し、一方、前記指示メッセージ検知部により非干渉制御用サブフレームを示すメッセージが検知された場合、前記第2送信電力及び前記第2受信電力に基づくカップリングロスを算出するカップリングロス算出部と、前記カップリングロス算出部により算出されたカップリングロスに基づいて、上り送信電力を算出する上り送信電力算出部と、を備えることを特徴とする端末である。
【0015】
また、本発明は、干渉制御用サブフレームと非干渉制御用サブフレームとを時分割多重する移動体通信システムの干渉制御システムにおいて、干渉制御装置のコンピュータに、干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である第1送信電力を示すメッセージ、及び、前記非干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である第2送信電力を示すメッセージを生成する手順と、干渉制御用サブフレーム及び非干渉制御用サブフレームの送信順を示すサブセットパターンを示すメッセージを生成する手順と、前記第1送信電力を示すメッセージ、及び、前記第2送信電力を示すメッセージと、前記サブセットパターンを示すメッセージとを、前記第1送信電力及び前記第2送信電力で前記サブセットパターンに応じて送信する手順と、を実行させるための干渉制御プログラムである。
【0016】
また、本発明は、干渉制御用サブフレームと非干渉制御用サブフレームとを時分割多重する移動体通信システムの干渉制御システムにおいて、端末のコンピュータに、干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である第1送信電力を示すメッセージ、及び、非干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である第2送信電力を示すメッセージと、干渉制御用サブフレーム及び非干渉制御用サブフレームの送信順を示すサブセットパターンを示すメッセージとを、受信する手順と、前記第1送信電力を示すメッセージ、及び、前記第2送信電力を示すメッセージを検知する手順と、前記サブセットパターンを示すメッセージを検知する手順と、受信された干渉制御用サブフレームを、前記サブセットパターンを示すメッセージに基づいて検知した場合、前記第1送信電力を選択し、且つ、受信された非干渉制御用サブフレームを、前記サブセットパターンを示すメッセージに基づいて検知した場合、前記第2送信電力を選択する手順と、干渉制御用サブフレームの受信電力である第1受信電力、及び、干渉制御用サブフレームの受信電力である第2受信電力を測定する手順と、前記第1送信電力が選択された場合、前記第1送信電力及び前記第1受信電力に基づくカップリングロスを算出し、且つ、前記第2送信電力が選択された場合、前記第2送信電力及び前記第2受信電力に基づくカップリングロスを算出する手順と、前記カップリングロス算出部により算出されたカップリングロスに基づいて、上り送信電力を算出する手順と、を実行させるための干渉制御プログラムである。
【0017】
また、本発明は、干渉制御用サブフレームと非干渉制御用サブフレームとを時分割多重する移動体通信システムの干渉制御システムにおいて、干渉制御装置のコンピュータに、カップリングロスを算出する対象として、干渉制御用サブフレーム又は非干渉制御用サブフレームを選択する手順と、選択された干渉制御用サブフレームに対応付けられた前記第1送信電力を示すメッセージ、又は、選択された非干渉制御用サブフレームに対応付けられた前記第2送信電力を示すメッセージを生成する手順と、前記サブセットパターンを示すメッセージを生成する手順と、選択された干渉制御用サブフレームを示すメッセージ、又は、選択された非干渉制御用サブフレームを示すメッセージを生成する手順と、前記第1送信電力を示すメッセージ又は前記第2送信電力を示すメッセージと、前記サブセットパターンを示すメッセージと、干渉制御用サブフレームを示すメッセージ又は非干渉制御用サブフレームを示すメッセージとを、前記第1送信電力及び前記第2送信電力で前記サブセットパターンに応じて送信する手順と、を実行させるための干渉制御プログラムである。
【0018】
また、本発明は、干渉制御用サブフレームと非干渉制御用サブフレームとを時分割多重する移動体通信システムの干渉制御システムにおいて、端末のコンピュータに、干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である第1送信電力を示すメッセージ、又は、非干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である前記第2送信電力を示すメッセージと、干渉制御用サブフレーム及び非干渉制御用サブフレームの送信順を示すサブセットパターンを示すメッセージと、干渉制御用サブフレームを示すメッセージ又は非干渉制御用サブフレームを示すメッセージとを、受信する手順と、前記第1送信電力を示すメッセージ、又は、前記第2送信電力を示すメッセージを検知する手順と、前記サブセットパターンを示すメッセージを検知するパターンメッセージ検知部と、干渉制御用サブフレームの受信電力である第1受信電力、及び、干渉制御用サブフレームの受信電力である第2受信電力を測定する手順と、干渉制御用サブフレームを示すメッセージ、又は、非干渉制御用サブフレームを示すメッセージを検知する手順と、前記指示メッセージ検知部により干渉制御用サブフレームを示すメッセージが検知された場合、前記第1送信電力及び前記第1受信電力に基づくカップリングロスを算出し、一方、前記指示メッセージ検知部により非干渉制御用サブフレームを示すメッセージが検知された場合、前記第2送信電力及び前記第2受信電力に基づくカップリングロスを算出する手順と、前記カップリングロス算出部により算出されたカップリングロスに基づいて、上り送信電力を算出する手順と、を実行させるための干渉制御プログラムである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、干渉制御用サブフレームと非干渉制御用サブフレームとを時分割多重する移動体通信システムの干渉制御システムにおいて、カップリングロス算出部が、前記第1送信電力及び前記第1受信電力に基づくカップリングロス、及び、前記第2送信電力及び前記第2受信電力に基づくカップリングロスのうち、少なくとも一方を算出する。これにより、干渉制御システムは、上りリンク送信電力を適切に定め、下りリンク通信容量を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態における、干渉制御システムの第1構成例を表す図である。
【図2】本発明の第1実施形態における、サブフレームサブセットと下り送信電力との対応を示す管理テーブルの例である。
【図3】本発明の第2実施形態における、干渉制御システムの第2構成例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態について図面を参照して詳細に説明する。干渉制御用サブフレームと、非干渉制御用サブフレームとを時分割多重(TDM)する移動体通信システムにおいて、干渉制御システムは、マクロ基地局が送信する干渉制御用サブフレームの送信電力を低減させることにより、下りリンク通信容量(スループット)を向上させる。また、干渉制御システムは、上りリンク送信電力を適切に定めることにより、安定した移動体通信システムを提供する。
【0022】
図1には、干渉制御システムの第1構成例が表されている。干渉制御システムは、干渉制御装置100aと、端末200aとを備える。干渉制御装置100aは、例えば、マクロ基地局に備えられる。
【0023】
まず、干渉制御装置100aの構成を説明する。
干渉制御装置100aは、サブセット管理部110aと、電力管理部120aと、下り送信電力メッセージ生成部130と、パターンメッセージ生成部140と、変調部150と、D/A変換部160と、増幅部170とを備える。
【0024】
サブセット管理部110aは、サブフレームサブセットを示す情報を予め記憶し、サブフレームサブセットのパターン(例えば、AABAB…)を管理する。ここで、パターンとは、送信順を示す情報である。以下、サブフレームサブセットには、干渉制御用サブフレームAと、非干渉制御用サブフレームBとがあるものとして説明を続ける。なお、サブフレームサブセットは、これら二つのサブセットに限られなくてもよい。
【0025】
また、サブセット管理部110aは、サブフレームサブセットのパターン(以下、「サブセットパターン」という)を示す情報を、電力管理部120a及びパターンメッセージ生成部140に出力する。
【0026】
電力管理部120aには、サブセットパターンを示す情報が、サブセット管理部110aから入力される。また、電力管理部120aは、下り送信電力設定値Tを、サブフレームサブセット毎に管理テーブルに予め記憶する。ここで、下り送信電力とは、例えば、マクロ基地局から端末に送信されるセル参照信号(Cell Reference Signal:CRS)の送信電力である。
【0027】
図2には、サブフレームサブセットと下り送信電力との対応を示す管理テーブルの例が示されている。以下では、一例として、干渉制御用サブフレームAには、下り送信電力T(A)を示す情報が、管理テーブルにより対応付けられているものとする。また、非干渉制御用サブフレームBには、下り送信電力T(B)を示す情報が、管理テーブルにより対応付けられているものとする。
【0028】
電力管理部120aは、増幅部170が次回増幅するサブフレームサブセットが、干渉制御用サブフレームA又は非干渉制御用サブフレームBのいずれなのかを、サブセットパターンを示す情報に基づいて、繰り返し検出する。
【0029】
電力管理部120aは、増幅部170が次回増幅するサブフレームサブセットが、干渉制御用サブフレームAである場合、干渉制御用サブフレームAに対応する下り送信電力T(A)を示す情報を、管理テーブル(図2を参照)に基づいて、下り送信電力メッセージ生成部130及び増幅部170に出力する。
【0030】
一方、電力管理部120aは、増幅部170が次回増幅するサブフレームサブセットが非干渉制御用サブフレームBである場合、非干渉制御用サブフレームBに対応する下り送信電力T(B)を示す情報を、管理テーブル(図2を参照)に基づいて、下り送信電力メッセージ生成部130及び増幅部170に出力する。
【0031】
下り送信電力メッセージ生成部130には、下り送信電力T(A)を示す情報、又は、下り送信電力T(B)を示す情報が、増幅部170が次回増幅するサブフレームサブセット毎に、電力管理部120aから入力される。
【0032】
ここで、下り送信電力メッセージ生成部130は、下り送信電力T(A)を示す情報が入力された場合、下り送信電力T(A)を示す情報を、予め定められた方法により制御メッセージに変換し、変換した制御メッセージを変調部150に出力する。一方、下り送信電力メッセージ生成部130は、下り送信電力T(B)を示す情報が入力された場合、下り送信電力T(B)を示す情報を、予め定められた方法により制御メッセージに変換し、変換した制御メッセージを変調部150に出力する。
【0033】
このようにして、下り送信電力メッセージ生成部130は、下り送信電力T(A)を示す情報と、下り送信電力T(B)を示す情報との両方を、予め定められた方法により制御メッセージに変換し、変換した制御メッセージを変調部150に出力する。
【0034】
パターンメッセージ生成部140には、サブセットパターンを示す情報が、サブセット管理部110aから入力される。パターンメッセージ生成部140は、サブセットパターンを示す情報を、予め定められた方法により制御メッセージに変換し、変換した制御メッセージを変調部150に出力する。
【0035】
変調部150には、各種の制御メッセージが入力される。例えば、上記で説明したように、変調部150には、下り送信電力T(A)を示す情報を変換した制御メッセージ、又は、下り送信電力T(B)を示す情報を変換した制御メッセージが、増幅部170が次回増幅するサブフレームサブセット毎に、下り送信電力メッセージ生成部130から入力される。また、例えば、上記で説明したように、変調部150には、サブセットパターンを示す情報を変換した制御メッセージが、パターンメッセージ生成部140から入力される。
【0036】
変調部150は、入力された制御メッセージをデジタル無線信号に変調し、変調したデジタル無線信号をD/A変換部160に出力する。また、変調部150は、セル参照信号をデジタル無線信号に変調し、変調したデジタル無線信号をD/A変換部160に出力する。
【0037】
D/A変換部160は、変調部150から入力されたデジタル信号をアナログ信号に変換し、変換したアナログ信号を増幅部170に出力する。
【0038】
増幅部170には、変換したアナログ信号がD/A変換部160から入力される。また、増幅部170には、下り送信電力T(A)を示す情報、又は、下り送信電力T(B)を示す情報が、増幅部170が次回増幅するサブフレームサブセット毎に、電力管理部120aから入力される。
【0039】
ここで、増幅部170は、下り送信電力T(A)を示す情報が入力された場合、下り送信電力が下り送信電力T(A)となるようアナログ信号を増幅(出力調整)し、増幅したアナログ信号を端末200aに無線送信する。一方、増幅部170は、下り送信電力T(B)を示す情報が入力された場合、下り送信電力が下り送信電力T(B)となるようアナログ信号を増幅(出力調整)し、増幅したアナログ信号を端末200aに自装置のアンテナを介して無線送信する。
【0040】
次に、端末200aの構成を説明する。
端末200aは、増幅部210と、A/D変換部220と、復調部230と、下り送信電力メッセージ検知部240aと、パターンメッセージ検知部250aと、測定部260と、電力及びサブセット管理部270と、カップリングロス算出部280aと、上り送信電力算出部290とを備える。
【0041】
増幅部210は、干渉制御装置100aの増幅部170を介して無線送信されたアナログ信号を、自端末のアンテナを介して受信し、受信したアナログ信号に含まれている雑音を低減してから、A/D変換部220に転送する。A/D変換部220は、雑音が低減されたアナログ信号をデジタル信号に変換し、変換したデジタル信号を復調部230に出力する。
【0042】
復調部230は、A/D変換部220が変換したデジタル信号を論理情報に復調し、復調した論理情報を、下り送信電力メッセージ検知部240a、パターンメッセージ検知部250a、及び測定部260に出力する。なお、復調部230は、復調した論理情報を他の各種の検知部(不図示)に出力してもよい。
【0043】
下り送信電力メッセージ検知部240aは、入力された論理情報から制御メッセージを抽出することにより、抽出した制御メッセージが下り送信電力T(A)又は下り送信電力T(B)のいずれを示しているかを検知する。
【0044】
ここで、下り送信電力メッセージ検知部240aは、抽出した制御メッセージが下り送信電力T(A)を示す場合、下り送信電力T(A)を示す情報を、電力及びサブセット管理部270に出力する。一方、下り送信電力メッセージ検知部240aは、抽出した制御メッセージが下り送信電力T(B)を示す場合、下り送信電力T(B)を示す情報を、電力及びサブセット管理部270に出力する。
【0045】
このようにして、下り送信電力メッセージ検知部240aは、下り送信電力T(A)を示す情報と、下り送信電力T(B)を示す情報との両方を、電力及びサブセット管理部270に出力する。
【0046】
パターンメッセージ検知部250aは、入力された論理情報から制御メッセージを抽出することにより、サブセットパターンを示す情報を検知する。また、パターンメッセージ検知部250aは、検知したサブセットパターンを示す情報、すなわち、受信したサブフレームが干渉制御用サブフレームA又は非干渉制御用サブフレームBのいずれであるかを示す情報を、電力及びサブセット管理部270と、測定部160とに出力する。
【0047】
測定部260には、サブセットパターンを示す情報が、パターンメッセージ検知部250aから入力される。また、測定部260には、復調部230が復調した論理情報が、復調部230から入力される。測定部260は、入力された論理情報からセル参照信号を抽出し、サブセットパターンを示す情報に基づいて、サブフレームサブセット毎にセル参照信号の受信電力を測定する。また、測定部260は、サブフレームサブセット毎に測定したセル参照信号の受信電力を示す測定情報を、そのサブフレームサブセットに対応づけてカップリングロス算出部280aに出力する。
【0048】
以下、干渉制御用サブフレームAにより送信されたセル参照信号の受信電力を、R(A)と表記する。また、非干渉制御用サブフレームBにより送信されたセル参照信号の受信電力を、R(B)と表記する。
【0049】
電力及びサブセット管理部270には、下り送信電力T(A)を示す情報、又は、下り送信電力T(B)を示す情報が、サブフレームサブセット毎に下り送信電力メッセージ検知部240aから入力される。このようにして、電力及びサブセット管理部270には、下り送信電力T(A)を示す情報と、下り送信電力T(B)を示す情報との両方が、下り送信電力メッセージ検知部240aから入力される。
【0050】
電力及びサブセット管理部270には、サブセットパターンを示す情報が、パターンメッセージ検知部250aから入力される。電力及びサブセット管理部270は、カップリングロスを算出する対象とするサブフレームサブセットを、サブセットパターンを示す情報に基づいて検出する。また、電力及びサブセット管理部270は、カップリングロスを算出する対象とするサブフレームサブセットの下り送信電力Tを示す情報を、管理テーブル(図2を参照)に基づいて検出する。
【0051】
ここで、電力及びサブセット管理部270は、カップリングロスを算出する対象とするサブフレームサブセットが、干渉制御用サブフレームAである場合、下り送信電力T(A)を示す情報を、管理テーブルに基づいてカップリングロス算出部280aに出力する。一方、電力及びサブセット管理部270は、カップリングロスを算出する対象とするサブフレームサブセットが、非干渉制御用サブフレームBである場合、下り送信電力T(B)を示す情報を、管理テーブルに基づいてカップリングロス算出部280aに出力する。
【0052】
カップリングロス算出部280aには、下り送信電力T(A)を示す情報、又は、下り送信電力T(B)を示す情報が、電力及びサブセット管理部270から入力される。また、カップリングロス算出部280aには、セル参照信号の受信電力R(A)を示す測定情報と、セル参照信号の受信電力R(B)を示す測定情報とが、測定部260から入力される。
【0053】
カップリングロス算出部280aは、干渉制御用サブフレームAを示す情報が入力された場合、セル参照信号の受信電力R(A)から、下り送信電力T(A)を減算することにより、カップリングロスL(A)(=セル参照信号の受信電力値R(A)−下り送信電力T(A))を算出(推定)し、カップリングロスL(A)を示す情報を、上り送信電力算出部290に出力する。
【0054】
一方、カップリングロス算出部280aは、非干渉制御用サブフレームBを示す情報が入力された場合、セル参照信号の受信電力R(B)から、下り送信電力T(B)を減算することにより、カップリングロスL(B) (=セル参照信号の受信電力R(B)−下り送信電力T(B))を算出(推定)し、カップリングロスL(B)を示す情報を、上り送信電力算出部290に出力する。
【0055】
上り送信電力算出部290には、カップリングロスL(A)を示す情報、又は、カップリングロスL(B)を示す情報が、カップリングロス算出部280aから入力される。したがって、上り送信電力算出部290には、カップリングロスL(A)を示す情報と、カップリングロスL(B)を示す情報との両方が、カップリングロス算出部280aから入力される。
【0056】
上り送信電力算出部290は、カップリングロスL(A)を示す情報が入力された場合、カップリングロスL(A)に基づいて、適切な上りリンク送信電力値を、予め定められた方法により算出する。一方、上り送信電力算出部290は、カップリングロスL(B)を示す情報が入力された場合、カップリングロスL(B)に基づいて、適切な上りリンク送信電力値を、予め定められた方法により算出する。
【0057】
これにより、所定データは、上り送信電力算出部290が算出した適切な上りリンク送信電力により、端末200aからマクロ基地局に、上りリンクを介して無線送信される。
【0058】
以上のように、干渉制御用サブフレームと非干渉制御用サブフレームとを時分割多重する移動体通信システムの干渉制御システムにおいて、干渉制御システムは、干渉制御用サブフレーム及び非干渉制御用サブフレームの送信順を示すサブセットパターンを記憶するサブセット管理部110aと、干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である第1送信電力を示す情報、及び、非干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である第2送信電力を示す情報を、干渉制御用サブフレーム及び非干渉制御用サブフレームに対応付けて記憶する電力管理部120aと、前記第1送信電力を示すメッセージ、及び、前記第2送信電力を示すメッセージを生成する下り送信電力メッセージ生成部130と、前記サブセットパターンを示すメッセージを生成するパターンメッセージ生成部140と、前記第1送信電力を示すメッセージ及び前記第2送信電力を示すメッセージと、前記サブセットパターンを示すメッセージとを、前記第1送信電力及び前記第2送信電力で前記サブセットパターンに応じて送信するアンテナ(送信部)、変調部150(送信部)、D/A変換部160(送信部)及び増幅部170(送信部)と、を有する干渉制御装置100aと、前記第1送信電力を示すメッセージ及び前記第2送信電力を示すメッセージと、前記サブセットパターンを示すメッセージとを、増幅部170(送信部)から受信するアンテナ(受信部)、増幅部210(受信部)、A/D変換部220(受信部)及び復調部230(受信部)と、前記第1送信電力を示すメッセージ、及び、前記第2送信電力を示すメッセージを検知する下り送信電力メッセージ検知部240aと、前記サブセットパターンを示すメッセージを検知するパターンメッセージ検知部250aと、増幅部170(受信部)により受信された干渉制御用サブフレームを、前記サブセットパターンを示すメッセージに基づいて検知した場合、前記第1送信電力を選択し、且つ、増幅部170(受信部)により受信された非干渉制御用サブフレームを、前記サブセットパターンを示すメッセージに基づいて検知した場合、前記第2送信電力を選択する、電力及びサブセット管理部270と、干渉制御用サブフレームの受信電力である第1受信電力、及び、干渉制御用サブフレームの受信電力である第2受信電力を測定する測定部260と、電力及びサブセット管理部270により前記第1送信電力が選択された場合、前記第1送信電力及び前記第1受信電力に基づくカップリングロスを算出し、且つ、電力及びサブセット管理部270により前記第2送信電力が選択された場合、前記第2送信電力及び前記第2受信電力に基づくカップリングロスを算出するカップリングロス算出部280aと、カップリングロス算出部280aにより算出されたカップリングロスに基づいて、上り送信電力を算出する上り送信電力算出部290と、を有する端末200aと、を備える。
この構成により、カップリングロス算出部が、前記第1送信電力及び前記第1受信電力に基づくカップリングロス、及び、前記第2送信電力及び前記第2受信電力に基づくカップリングロスのうち、少なくとも一方を算出する。これにより、干渉制御システムは、上りリンク送信電力を適切に定める、下りリンク通信容量(スループット)を向上させることができる。また、干渉制御システムは、安定した移動体通信システムを提供することができる。
【0059】
[第2実施形態]
第2実施形態では、カップリングロスを算出する対象とするサブフレームサブセットを、干渉制御装置が端末に指示するためメッセージが用いられる点が、第1実施形態と相違する。以下では、第1実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0060】
図3には、干渉制御システムの第2構成例が示されている。干渉制御システムは、干渉制御装置100bと、端末200bとを備える。干渉制御装置100bは、例えば、マクロ基地局に備えられる。
【0061】
まず、干渉制御装置100bの構成を説明する。
干渉制御装置100bは、サブセット管理部110bと、電力管理部120bと、下り送信電力メッセージ生成部130と、パターンメッセージ生成部140と、変調部150と、D/A変換部160と、増幅部170と、指示メッセージ生成部180とを備える。 ここで、サブセット管理部110bは、第1実施形態における、サブセット管理部110aに相当する。また、電力管理部120bは、第1実施形態における、電力管理部120aに相当する。
【0062】
サブセット管理部110aは、サブセットパターンを示す情報を、電力管理部120b及びパターンメッセージ生成部140に出力する。また、サブセット管理部110bは、端末200bがカップリングロスを算出する対象とするサブフレームサブセットとして、干渉制御用サブフレームAを示す情報、又は非干渉制御用サブフレームBを示す情報のいずれか一方を、電力管理部120b及び指示メッセージ生成部180に出力する。
【0063】
ここで、端末100bがカップリングロスを算出する対象とするサブフレームサブセットとして、干渉制御用サブフレームAが予め定められている場合、サブセット管理部110bは、干渉制御用サブフレームAを示す情報のみを、電力管理部120b及び指示メッセージ生成部180に出力する。一方、端末200bがカップリングロスを算出する対象とするサブフレームサブセットとして、非干渉制御用サブフレームBが予め定められている場合、サブセット管理部110bは、非干渉制御用サブフレームBを示す情報のみを、電力管理部120b及び指示メッセージ生成部180に出力する。
【0064】
電力管理部120bには、端末100bがカップリングロスを算出する対象とするサブフレームサブセットを示す情報として、干渉制御用サブフレームAを示す情報、又は非干渉制御用サブフレームBを示す情報のいずれか一方のみが、サブセット管理部110bから入力される。このようにして、電力管理部120bは、下り送信電力T(A)を示す情報、又は下り送信電力T(B)を示す情報のいずれか一方のみを、下り送信電力メッセージ生成部130に出力する。
【0065】
下り送信電力メッセージ生成部130には、下り送信電力T(A)を示す情報、又は、下り送信電力T(B)を示す情報のいずれか一方のみが、電力管理部120bから入力される。このようにして、下り送信電力メッセージ生成部130は、下り送信電力T(A)を示す情報、又は下り送信電力T(B)を示す情報のいずれか一方のみを、予め定められた方法により制御メッセージに変換し、変換した制御メッセージを変調部150に出力する。
【0066】
指示メッセージ生成部180には、端末100bがカップリングロスを算出する対象とするサブフレームサブセットとして、干渉制御用サブフレームAを示す情報、又は非干渉制御用サブフレームBを示す情報のいずれか一方のみが、サブセット管理部110bから入力される。
【0067】
ここで、指示メッセージ生成部180は、干渉制御用サブフレームAを示す情報が入力された場合、干渉制御用サブフレームAを示す情報を、予め定められた方法により制御メッセージに変換し、変換した制御メッセージを変調部150に出力する。一方、指示メッセージ生成部170は、非干渉制御用サブフレームBを示す情報が入力された場合、非干渉制御用サブフレームBを示す情報を、予め定められた方法により制御メッセージに変換し、変換した制御メッセージを変調部150に出力する。
【0068】
このようにして、指示メッセージ生成部180は、干渉制御用サブフレームAを示す情報、又は非干渉制御用サブフレームBを示す情報のいずれか一方のみを、予め定められた方法により制御メッセージに変換し、変換した制御メッセージを変調部150に出力する。
【0069】
次に、端末200bの構成を説明する。
端末200bは、増幅部210と、A/D変換部220と、復調部230と、下り送信電力メッセージ検知部240bと、パターンメッセージ検知部250bと、測定部260と、カップリングロス算出部280bと、指示メッセージ検知部285と、上り送信電力算出部290とを備える。
【0070】
ここで、下り送信電力メッセージ検知部240bは、第1実施形態における、下り送信電力メッセージ検知部240aに相当する。また、パターンメッセージ検知部250bは、第1実施形態における、パターンメッセージ検知部250aに相当する。また、カップリングロス算出部280bは、第1実施形態における、カップリングロス算出部280aに相当する。
【0071】
下り送信電力メッセージ検知部240bは、入力された論理情報から制御メッセージを抽出することにより、抽出した制御メッセージが下り送信電力T(A)又は下り送信電力T(B)のいずれを示しているかを検知する。
【0072】
下り送信電力メッセージ検知部240bは、抽出した制御メッセージが下り送信電力T(A)を示す場合、下り送信電力T(A)を示す情報を、カップリングロス算出部280bに出力する。一方、下り送信電力メッセージ検知部240bは、抽出した制御メッセージが下り送信電力T(B)を示す場合、下り送信電力T(B)を示す情報を、カップリングロス算出部280bに出力する。
【0073】
このようにして、下り送信電力メッセージ検知部240bは、下り送信電力T(A)を示す情報、又は下り送信電力T(B)を示す情報のいずれか一方のみを、カップリングロス算出部280bに出力する。
【0074】
パターンメッセージ検知部250bは、入力された論理情報から制御メッセージを抽出することにより、サブセットパターンを示す情報を検知し、検知したサブセットパターンを示す情報を、測定部260に出力する。
【0075】
指示メッセージ検知部285には、復調した論理情報が、復調部230から入力される。指示メッセージ検知部285は、入力された論理情報から制御メッセージを抽出することにより、端末100bがカップリングロスを算出する対象とするサブフレームサブセットを示す情報を検知し、検知したサブフレームサブセットを示す情報を、カップリングロス算出部280bに出力する。
【0076】
このようにして、指示メッセージ検知部285は、干渉制御用サブフレームAを示す情報、又は非干渉制御用サブフレームBを示す情報のいずれか一方のみを、カップリングロス算出部280bに出力する。
【0077】
カップリングロス算出部280bには、下り送信電力T(A)を示す情報、又は下り送信電力T(B)を示す情報のいずれか一方のみが、下り送信電力メッセージ検知部240bから入力される。また、カップリングロス算出部280bには、測定したセル参照信号の受信電力R(A)を示す測定情報と、測定したセル参照信号の受信電力R(B)を示す測定情報とが、測定部260から入力される。また、カップリングロス算出部280bには、干渉制御用サブフレームAを示す情報、又は非干渉制御用サブフレームBを示す情報のいずれか一方のみが、指示メッセージ検知部285から入力される。
【0078】
このようにして、カップリングロス算出部280bは、カップリングロスL(A)を示す情報、又はカップリングロスL(B)を示す情報のいずれか一方のみを、上り送信電力算出部290に出力する。例えば、カップリングロス算出部280bは、干渉制御用サブフレームAを示す情報が指示メッセージ検知部285から入力された場合、セル参照信号の受信電力R(A)から、下り送信電力T(A)を減算することにより、カップリングロスL(A)(=セル参照信号の受信電力値R(A)−下り送信電力T(A))を算出(推定)し、カップリングロスL(A)を示す情報のみを、上り送信電力算出部290に出力する。カップリングロスL(B)についても同様である。
【0079】
これにより、所定データは、上り送信電力算出部290が算出した適切な上りリンク送信電力により、端末200bからマクロ基地局に、上りリンクを介して無線送信される。
【0080】
以上のように、干渉制御用サブフレームと非干渉制御用サブフレームとを時分割多重する移動体通信システムの干渉制御システムにおいて、干渉制御システムは、干渉制御用サブフレーム及び非干渉制御用サブフレームの送信順を示すサブセットパターンを記憶し、カップリングロスを算出する対象として、干渉制御用サブフレーム又は非干渉制御用サブフレームを選択するサブセット管理部110bと、干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である第1送信電力を示す情報、及び、非干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である第2送信電力を示す情報を、干渉制御用サブフレーム及び非干渉制御用サブフレームに対応付けて記憶する電力管理部120bと、サブセット管理部110bにより選択された干渉制御用サブフレームに対応付けられた前記第1送信電力を示すメッセージ、又は、サブセット管理部110bにより選択された非干渉制御用サブフレームに対応付けられた前記第2送信電力を示すメッセージを生成する下り送信電力メッセージ生成部130と、前記サブセットパターンを示すメッセージを生成するパターンメッセージ生成部と、サブセット管理部110bにより選択された干渉制御用サブフレームを示すメッセージ、又は、サブセット管理部110bにより選択された非干渉制御用サブフレームを示すメッセージを生成する指示メッセージ生成部180と、前記第1送信電力を示すメッセージ又は前記第2送信電力を示すメッセージと、前記サブセットパターンを示すメッセージと、干渉制御用サブフレームを示すメッセージ又は非干渉制御用サブフレームを示すメッセージとを、前記第1送信電力及び前記第2送信電力で前記サブセットパターンに応じて送信するアンテナ(送信部)、変調部150(送信部)、D/A変換部160(送信部)及び増幅部170(送信部)と、を有する干渉制御装置100bと、前記第1送信電力を示すメッセージ又は前記第2送信電力を示すメッセージと、前記サブセットパターンを示すメッセージと、干渉制御用サブフレームを示すメッセージ又は非干渉制御用サブフレームを示すメッセージとを、増幅部170(送信部)から受信するアンテナ(受信部)、増幅部210(受信部)、A/D変換部220(受信部)及び復調部230(受信部)と、前記第1送信電力を示すメッセージ、又は、前記第2送信電力を示すメッセージを検知する下り送信電力メッセージ検知部240bと、前記サブセットパターンを示すメッセージを検知するパターンメッセージ検知部250bと、干渉制御用サブフレームの受信電力である第1受信電力、及び、干渉制御用サブフレームの受信電力である第2受信電力を測定する測定部260と、干渉制御用サブフレームを示すメッセージ、又は、非干渉制御用サブフレームを示すメッセージを検知する指示メッセージ検知部285と、指示メッセージ検知部285により干渉制御用サブフレームを示すメッセージが検知された場合、前記第1送信電力及び前記第1受信電力に基づくカップリングロスを算出し、一方、指示メッセージ検知部285により非干渉制御用サブフレームを示すメッセージが検知された場合、前記第2送信電力及び前記第2受信電力に基づくカップリングロスを算出するカップリングロス算出部280bと、カップリングロス算出部280bにより算出されたカップリングロスに基づいて、上り送信電力を算出する上り送信電力算出部290と、を有する端末200bと、を備える。
この構成により、カップリングロス算出部が、前記第1送信電力及び前記第1受信電力に基づくカップリングロス、及び、前記第2送信電力及び前記第2受信電力に基づくカップリングロスのうち、少なくとも一方を算出する。これにより、干渉制御システムは、上りリンク送信電力を適切に定める、下りリンク通信容量(スループット)を向上させることができる。また、干渉制御システムは、安定した移動体通信システムを提供することができる。
【0081】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0082】
なお、以上に説明した干渉制御システム、干渉制御基地局及び干渉制御端末を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0083】
100a及び110b…干渉制御装置、110a及び110b…サブセット管理部、120a及び120b…電力管理部、130…下り送信電力メッセージ生成部、140…パターンメッセージ生成部、150…変調部(送信部)、160…D/A変換部(送信部)、170…増幅部(送信部)、180…指示メッセージ生成部、210…増幅部(受信部)、220…A/D変換部(受信部)、230…復調部(受信部)、240a及び240b…下り送信電力メッセージ検知部、250a及び250b…パターンメッセージ検知部、260…測定部、270…電力及びサブセット管理部、280a及び280b…カップリングロス算出部、285…指示メッセージ検知部、290…上り送信電力算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
干渉制御用サブフレームと非干渉制御用サブフレームとを時分割多重する移動体通信システムの干渉制御システムにおいて、
干渉制御用サブフレーム及び非干渉制御用サブフレームの送信順を示すサブセットパターンを記憶するサブセット管理部と、
干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である第1送信電力を示す情報、及び、非干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である第2送信電力を示す情報を、干渉制御用サブフレーム及び非干渉制御用サブフレームに対応付けて記憶する電力管理部と、
前記第1送信電力を示すメッセージ、及び、前記第2送信電力を示すメッセージを生成する下り送信電力メッセージ生成部と、
前記サブセットパターンを示すメッセージを生成するパターンメッセージ生成部と、
前記第1送信電力を示すメッセージ及び前記第2送信電力を示すメッセージと、前記サブセットパターンを示すメッセージとを、前記第1送信電力及び前記第2送信電力で前記サブセットパターンに応じて送信する送信部と、
を有する干渉制御装置と、
前記第1送信電力を示すメッセージ及び前記第2送信電力を示すメッセージと、前記サブセットパターンを示すメッセージとを、前記送信部から受信する受信部と、
前記第1送信電力を示すメッセージ、及び、前記第2送信電力を示すメッセージを検知する下り送信電力メッセージ検知部と、
前記サブセットパターンを示すメッセージを検知するパターンメッセージ検知部と、
前記受信部により受信された干渉制御用サブフレームを、前記サブセットパターンを示すメッセージに基づいて検知した場合、前記第1送信電力を選択し、且つ、前記受信部により受信された非干渉制御用サブフレームを、前記サブセットパターンを示すメッセージに基づいて検知した場合、前記第2送信電力を選択する、電力及びサブセット管理部と、
干渉制御用サブフレームの受信電力である第1受信電力、及び、干渉制御用サブフレームの受信電力である第2受信電力を測定する測定部と、
前記電力及びサブセット管理部により前記第1送信電力が選択された場合、前記第1送信電力及び前記第1受信電力に基づくカップリングロスを算出し、且つ、前記電力及びサブセット管理部により前記第2送信電力が選択された場合、前記第2送信電力及び前記第2受信電力に基づくカップリングロスを算出するカップリングロス算出部と、
前記カップリングロス算出部により算出されたカップリングロスに基づいて、上り送信電力を算出する上り送信電力算出部と、
を有する端末と、
を備えることを特徴とする干渉制御システム。
【請求項2】
干渉制御用サブフレームと非干渉制御用サブフレームとを時分割多重する移動体通信システムの干渉制御システムにおいて、
干渉制御用サブフレーム及び非干渉制御用サブフレームの送信順を示すサブセットパターンを記憶するサブセット管理部と、
干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である第1送信電力を示す情報、及び、非干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である第2送信電力を示す情報を、干渉制御用サブフレーム及び非干渉制御用サブフレームに対応付けて記憶する電力管理部と、
前記第1送信電力を示すメッセージ、及び、前記第2送信電力を示すメッセージを生成する下り送信電力メッセージ生成部と、
前記サブセットパターンを示すメッセージを生成するパターンメッセージ生成部と、
前記第1送信電力を示すメッセージ及び前記第2送信電力を示すメッセージと、前記サブセットパターンを示すメッセージとを、前記第1送信電力及び前記第2送信電力で前記サブセットパターンに応じて送信する送信部と、
を備えることを特徴とする干渉制御装置。
【請求項3】
干渉制御用サブフレームと非干渉制御用サブフレームとを時分割多重する移動体通信システムの干渉制御システムにおいて、
干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である第1送信電力を示すメッセージ、及び、非干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である第2送信電力を示すメッセージと、干渉制御用サブフレーム及び非干渉制御用サブフレームの送信順を示すサブセットパターンを示すメッセージとを、受信する受信部と、
干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である第1送信電力を示すメッセージ、及び、非干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である第2送信電力を示すメッセージを検知する下り送信電力メッセージ検知部と、
干渉制御用サブフレーム及び非干渉制御用サブフレームの送信順を示すサブセットパターンを示すメッセージを検知するパターンメッセージ検知部と、
前記受信部により受信された干渉制御用サブフレームを、前記サブセットパターンを示すメッセージに基づいて検知した場合、前記第1送信電力を選択し、且つ、前記受信部により受信された非干渉制御用サブフレームを、前記サブセットパターンを示すメッセージに基づいて検知した場合、前記第2送信電力を選択する、電力及びサブセット管理部と、
干渉制御用サブフレームの受信電力である第1受信電力、及び、干渉制御用サブフレームの受信電力である第2受信電力を測定する測定部と、
前記電力及びサブセット管理部により前記第1送信電力が選択された場合、前記第1送信電力及び前記第1受信電力に基づくカップリングロスを算出し、且つ、前記電力及びサブセット管理部により前記第2送信電力が選択された場合、前記第2送信電力及び前記第2受信電力に基づくカップリングロスを算出するカップリングロス算出部と、
前記カップリングロス算出部により算出されたカップリングロスに基づいて、上り送信電力を算出する上り送信電力算出部と、
を備えることを特徴とする端末。
【請求項4】
干渉制御用サブフレームと非干渉制御用サブフレームとを時分割多重する移動体通信システムの干渉制御システムにおいて、
干渉制御用サブフレーム及び非干渉制御用サブフレームの送信順を示すサブセットパターンを記憶し、カップリングロスを算出する対象として、干渉制御用サブフレーム又は非干渉制御用サブフレームを選択するサブセット管理部と、
干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である第1送信電力を示す情報、及び、非干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である第2送信電力を示す情報を、干渉制御用サブフレーム及び非干渉制御用サブフレームに対応付けて記憶する電力管理部と、
前記サブセット管理部により選択された干渉制御用サブフレームに対応付けられた前記第1送信電力を示すメッセージ、又は、前記サブセット管理部により選択された非干渉制御用サブフレームに対応付けられた前記第2送信電力を示すメッセージを生成する下り送信電力メッセージ生成部と、
前記サブセットパターンを示すメッセージを生成するパターンメッセージ生成部と、
前記サブセット管理部により選択された干渉制御用サブフレームを示すメッセージ、又は、前記サブセット管理部により選択された非干渉制御用サブフレームを示すメッセージを生成する指示メッセージ生成部と、
前記第1送信電力を示すメッセージ又は前記第2送信電力を示すメッセージと、前記サブセットパターンを示すメッセージと、干渉制御用サブフレームを示すメッセージ又は非干渉制御用サブフレームを示すメッセージとを、前記第1送信電力及び前記第2送信電力で前記サブセットパターンに応じて送信する送信部と、
を有する干渉制御装置と、
前記第1送信電力を示すメッセージ又は前記第2送信電力を示すメッセージと、前記サブセットパターンを示すメッセージと、干渉制御用サブフレームを示すメッセージ又は非干渉制御用サブフレームを示すメッセージとを、前記送信部から受信する受信部と、
前記第1送信電力を示すメッセージ、又は、前記第2送信電力を示すメッセージを検知する下り送信電力メッセージ検知部と、
前記サブセットパターンを示すメッセージを検知するパターンメッセージ検知部と、
干渉制御用サブフレームの受信電力である第1受信電力、及び、干渉制御用サブフレームの受信電力である第2受信電力を測定する測定部と、
干渉制御用サブフレームを示すメッセージ、又は、非干渉制御用サブフレームを示すメッセージを検知する指示メッセージ検知部と、
前記指示メッセージ検知部により干渉制御用サブフレームを示すメッセージが検知された場合、前記第1送信電力及び前記第1受信電力に基づくカップリングロスを算出し、一方、前記指示メッセージ検知部により非干渉制御用サブフレームを示すメッセージが検知された場合、前記第2送信電力及び前記第2受信電力に基づくカップリングロスを算出するカップリングロス算出部と、
前記カップリングロス算出部により算出されたカップリングロスに基づいて、上り送信電力を算出する上り送信電力算出部と、
を有する端末と、
を備えることを特徴とする干渉制御システム。
【請求項5】
干渉制御用サブフレームと非干渉制御用サブフレームとを時分割多重する移動体通信システムの干渉制御システムにおいて、
干渉制御用サブフレーム及び非干渉制御用サブフレームの送信順を示すサブセットパターンを記憶し、カップリングロスを算出する対象として、干渉制御用サブフレーム又は非干渉制御用サブフレームを選択するサブセット管理部と、
干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である第1送信電力を示す情報、及び、非干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である第2送信電力を示す情報を、干渉制御用サブフレーム及び非干渉制御用サブフレームに対応付けて記憶する電力管理部と、
前記サブセット管理部により選択された干渉制御用サブフレームに対応付けられた前記第1送信電力を示すメッセージ、又は、前記サブセット管理部により選択された非干渉制御用サブフレームに対応付けられた前記第2送信電力を示すメッセージを生成する下り送信電力メッセージ生成部と、
前記サブセットパターンを示すメッセージを生成するパターンメッセージ生成部と、
前記サブセット管理部により選択された干渉制御用サブフレームを示すメッセージ、又は、前記サブセット管理部により選択された非干渉制御用サブフレームを示すメッセージを生成する指示メッセージ生成部と、
前記第1送信電力を示すメッセージ又は前記第2送信電力を示すメッセージと、前記サブセットパターンを示すメッセージと、干渉制御用サブフレームを示すメッセージ又は非干渉制御用サブフレームを示すメッセージとを、前記第1送信電力及び前記第2送信電力で前記サブセットパターンに応じて送信する送信部と、
を備えることを特徴とする干渉制御装置。
【請求項6】
干渉制御用サブフレームと非干渉制御用サブフレームとを時分割多重する移動体通信システムの干渉制御システムにおいて、
干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である第1送信電力を示すメッセージ、又は、非干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である前記第2送信電力を示すメッセージと、干渉制御用サブフレーム及び非干渉制御用サブフレームの送信順を示すサブセットパターンを示すメッセージと、干渉制御用サブフレームを示すメッセージ又は非干渉制御用サブフレームを示すメッセージとを、受信する受信部と、
前記第1送信電力を示すメッセージ、又は、前記第2送信電力を示すメッセージを検知する下り送信電力メッセージ検知部と、
前記サブセットパターンを示すメッセージを検知するパターンメッセージ検知部と、
干渉制御用サブフレームの受信電力である第1受信電力、及び、干渉制御用サブフレームの受信電力である第2受信電力を測定する測定部と、
干渉制御用サブフレームを示すメッセージ、又は、非干渉制御用サブフレームを示すメッセージを検知する指示メッセージ検知部と、
前記指示メッセージ検知部により干渉制御用サブフレームを示すメッセージが検知された場合、前記第1送信電力及び前記第1受信電力に基づくカップリングロスを算出し、一方、前記指示メッセージ検知部により非干渉制御用サブフレームを示すメッセージが検知された場合、前記第2送信電力及び前記第2受信電力に基づくカップリングロスを算出するカップリングロス算出部と、
前記カップリングロス算出部により算出されたカップリングロスに基づいて、上り送信電力を算出する上り送信電力算出部と、
を備えることを特徴とする端末。
【請求項7】
干渉制御用サブフレームと非干渉制御用サブフレームとを時分割多重する移動体通信システムの干渉制御システムにおいて、
干渉制御装置のコンピュータに、
干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である第1送信電力を示すメッセージ、及び、前記非干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である第2送信電力を示すメッセージを生成する手順と、
干渉制御用サブフレーム及び非干渉制御用サブフレームの送信順を示すサブセットパターンを示すメッセージを生成する手順と、
前記第1送信電力を示すメッセージ、及び、前記第2送信電力を示すメッセージと、前記サブセットパターンを示すメッセージとを、前記第1送信電力及び前記第2送信電力で前記サブセットパターンに応じて送信する手順と、
を実行させるための干渉制御プログラム。
【請求項8】
干渉制御用サブフレームと非干渉制御用サブフレームとを時分割多重する移動体通信システムの干渉制御システムにおいて、
端末のコンピュータに、
干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である第1送信電力を示すメッセージ、及び、非干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である第2送信電力を示すメッセージと、干渉制御用サブフレーム及び非干渉制御用サブフレームの送信順を示すサブセットパターンを示すメッセージとを、受信する手順と、
前記第1送信電力を示すメッセージ、及び、前記第2送信電力を示すメッセージを検知する手順と、
前記サブセットパターンを示すメッセージを検知する手順と、
受信された干渉制御用サブフレームを、前記サブセットパターンを示すメッセージに基づいて検知した場合、前記第1送信電力を選択し、且つ、受信された非干渉制御用サブフレームを、前記サブセットパターンを示すメッセージに基づいて検知した場合、前記第2送信電力を選択する手順と、
干渉制御用サブフレームの受信電力である第1受信電力、及び、干渉制御用サブフレームの受信電力である第2受信電力を測定する手順と、
前記第1送信電力が選択された場合、前記第1送信電力及び前記第1受信電力に基づくカップリングロスを算出し、且つ、前記第2送信電力が選択された場合、前記第2送信電力及び前記第2受信電力に基づくカップリングロスを算出する手順と、
前記カップリングロス算出部により算出されたカップリングロスに基づいて、上り送信電力を算出する手順と、
を実行させるための干渉制御プログラム。
【請求項9】
干渉制御用サブフレームと非干渉制御用サブフレームとを時分割多重する移動体通信システムの干渉制御システムにおいて、
干渉制御装置のコンピュータに、
カップリングロスを算出する対象として、干渉制御用サブフレーム又は非干渉制御用サブフレームを選択する手順と、
選択された干渉制御用サブフレームに対応付けられた前記第1送信電力を示すメッセージ、又は、選択された非干渉制御用サブフレームに対応付けられた前記第2送信電力を示すメッセージを生成する手順と、
前記サブセットパターンを示すメッセージを生成する手順と、
選択された干渉制御用サブフレームを示すメッセージ、又は、選択された非干渉制御用サブフレームを示すメッセージを生成する手順と、
前記第1送信電力を示すメッセージ又は前記第2送信電力を示すメッセージと、前記サブセットパターンを示すメッセージと、干渉制御用サブフレームを示すメッセージ又は非干渉制御用サブフレームを示すメッセージとを、前記第1送信電力及び前記第2送信電力で前記サブセットパターンに応じて送信する手順と、
を実行させるための干渉制御プログラム。
【請求項10】
干渉制御用サブフレームと非干渉制御用サブフレームとを時分割多重する移動体通信システムの干渉制御システムにおいて、
端末のコンピュータに、
干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である第1送信電力を示すメッセージ、又は、非干渉制御用サブフレームを送信するための下り送信電力である前記第2送信電力を示すメッセージと、干渉制御用サブフレーム及び非干渉制御用サブフレームの送信順を示すサブセットパターンを示すメッセージと、干渉制御用サブフレームを示すメッセージ又は非干渉制御用サブフレームを示すメッセージとを、受信する手順と、
前記第1送信電力を示すメッセージ、又は、前記第2送信電力を示すメッセージを検知する手順と、
前記サブセットパターンを示すメッセージを検知するパターンメッセージ検知部と、
干渉制御用サブフレームの受信電力である第1受信電力、及び、干渉制御用サブフレームの受信電力である第2受信電力を測定する手順と、
干渉制御用サブフレームを示すメッセージ、又は、非干渉制御用サブフレームを示すメッセージを検知する手順と、
前記指示メッセージ検知部により干渉制御用サブフレームを示すメッセージが検知された場合、前記第1送信電力及び前記第1受信電力に基づくカップリングロスを算出し、一方、前記指示メッセージ検知部により非干渉制御用サブフレームを示すメッセージが検知された場合、前記第2送信電力及び前記第2受信電力に基づくカップリングロスを算出する手順と、
前記カップリングロス算出部により算出されたカップリングロスに基づいて、上り送信電力を算出する手順と、
を実行させるための干渉制御プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2013−42203(P2013−42203A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−175881(P2011−175881)
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】