説明

平管型固体酸化物セルスタック

本発明は平管型固体酸化物セルスタックに関する。具体的には、内部に第1ガスが流れる第1ガス流チャネル112が長手方向に沿って形成され、外部に第2ガスが流れる第2ガス流チャネル113が形成され、多孔性の伝導性平管型第1電極支持体111を含む多数の単位セル110、120、330が積層されてスタックを成す平管型固体酸化物セルスタックにおいて、前記第1ガスが単位セルの長手方向に沿ってジグザグに流れるように前記第1ガス流チャネルの端部には隣接して積層された単位セルの第1ガス流チャネル112に連通する連結孔114、124、334が形成される。このような構成によれば、セルスタッキング(cell stacking)の応力を最小化し、密封部位を最小化して密封し、化学反応経路を伸ばし、燃料電池として使うときに電気エネルギー発電効率を高め、高温水電解装置として使うときに発生ガス(水素)の純度を高める効果がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は平管型固体酸化物セルスタックに係り、より詳しくはセルスタッキング(cell stacking)の応力を最小化し、密封部位を最小化して密封することで化学反応経路を伸ばし、燃料電池として使うとき、電気エネルギー発電効率を高め、高温水電解装置として使うときに発生ガス(水素)の純度を高める平管型固体酸化物セルスタックに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、燃料電池は、天然ガス、石炭ガス、メタノールなどの炭化水素系の物質内に含有されている水素と空気中の酸素を電気化学反応によって直接電気エネルギーに変換させる高効率の清浄発電技術であって、使用電解質の種類によって大別してアルカリ型、リン酸型、溶融炭酸塩、固体酸化物及び高分子燃料電池に分類される。
【0003】
固体酸化物燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell、SOFC)は構成要素がいずれも固形で構成され、600℃〜1000℃程度の高温で作動する燃料電池であり、従来の多様な形態の燃料電池の中で最も効率が高くて公害が少ないのみならず、燃料改質器を必要としなく、複合発電が可能であるという多くの利点を持っている。前記固体酸化物燃料電池は電気化学反応を逆に進行させて高温水電解装置(Solid Oxide Electrolyzer Cell;SOEC)として利用可能である。
【0004】
前記固体酸化物燃料電池と高温水電解装置などの電気化学反応装置はその形態によって平板型と円筒型に大別される。前記平板型は、電力密度(出力)が高い利点があるが、ガス密封面積が広く、積層の際に材料間の熱膨張係数差による熱的ショックが発生し、大面積化が難しいという欠点がある。前記円筒型は、熱応力に対する抵抗及び機械的強度が相対的に高いので、押出し成形で製造して大面積化することができるという利点があるが、電力密度(出力)が低いという限界点がある。
【0005】
このような平板型と円筒型の電気化学反応装置が持っている利点を取り入れた平管型電気化学反応装置(例えば、平管型固体酸化物燃料電池)が特許文献1及び2などに開示されている。前記平管型電気化学反応装置も出力を高めるためにセルを積層したスタック構造になっているが、アノード及びカソード側の電流集電に難しさがあり、ガス出入口マニホールドの数がセルの数に比例して増加し、ガス密封に難しさがある。
【0006】
一方、平管型固体酸化物燃料電池用電極支持体及び単位セルとして特許文献3が開示されており、このような電極支持体及び単位セルを用いたセルスタックとして特許文献4が開示されている。
【0007】
ところで、従来の平管型電気化学反応装置(平管型固体酸化物燃料電池及び平管型高温水電解装置)は、スタック集電方式が金属性接続板を半円弧状または板状に加工し、セラミックス素材でなった多数のセルを圧着させて接続する方式でなるので、セラミックス素材でなったセルと金属性接続板との熱膨張係数の差によってセルが破損されるおそれがあり、金属性接続板材が空気と接触して酸化して集電性能が減少するという問題点があった。
【0008】
また、従来の平管型電気化学反応装置(平管型固体酸化物燃料電池及び平管型高温水電解装置)においては、酸化剤(空気または酸素)供給部と還元剤(水素または炭化水素)供給部を隔離するためにマニホールド部位を密封することになるが、出力を高めるためにセルを積層するときに積層セル数に比例してガス出入口マニホールドの数が増加し、マニホールド密封部位の形状が複雑でガス密封に難しさがあり、さらに作動温度が高くてガスを密封する密封構造及び密封材の選定に難しさがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】韓国公開特許第2005−0021027号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2003/0224240号明細書
【特許文献3】韓国公開特許第2009−0084160号明細書
【特許文献4】韓国公開特許第2009−0104548号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明は前記問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、セルスタッキング(cell stacking)の応力を最小化し、密封部位を最小化して密封して化学反応経路を伸ばし、燃料電池として使うときに電気エネルギー発電効率を高め、高温水電解装置として使うときに発生ガス(水素)の純度を高める平管型固体酸化物セルスタックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明による平管型固体酸化物セルスタックは、内部に第1ガスが流れる第1ガス流チャネルが長手方向に沿って形成され、外部に第2ガスが流れる第2ガス流チャネルが形成され、多孔性の伝導性平管型電極支持体を含む多数の単位セルが積層されてスタックを成す平管型固体酸化物セルスタックであって、前記第1ガスが単位セルの長手方向に沿ってジグザグに流れるように、前記第1ガス流チャネルの端部には隣接して積層された単位セルの第1ガス流チャネルに連通する連結孔が形成されたことを特徴とする。
【0012】
前記単位セルの中で下側と上側に積層された単位セルの第1ガス流チャネルの一端部には第1ガスが出入する第1ガス出入マニホールドが設置される。
【0013】
前記第1ガスがスタックの中間で上下側方向に分岐して単位セルの長手方向に沿ってジグザグに流れるように、前記第1ガス出入マニホールドは前記単位セルの中で中間に積層された単位セルの第1ガス流チャネルの一端部にさらに形成されることができる。
【0014】
前記第1ガス出入マニホールドが設置された単位セルの第1ガス流チャネルの一端部は単位セルの長手方向に開放されている。
【0015】
前記単位セルの第2ガス流チャネルが形成された面またはその反対側面には電気を連結するか集電するようにセラミックス導電体が備えられる。
【0016】
前記連結孔の外側には環状の密封溝が形成され、前記密封溝には密封リングが挿入されることで、前記連結孔を通じてのガスの漏洩を防止する。
【0017】
前記連結孔は多数の孔が円を成しながら円周方向に配列されて前記第1ガス流チャネルに連通し、前記密封溝は前記多数の孔を取り囲む構造になっている。
【0018】
前記第1ガス流チャネルは多数形成され、前記連結孔は二つの前記第1ガス流チャネルに同時に連通する多数の大孔と一つの前記第1ガス流チャネルに連通する多数の小孔が円または半円を成しながら円周方向に配列されて多数の前記第1ガス流チャネルに連通し、前記密封溝は前記多数の大孔と多数の小孔を取り囲む構造になっていることが好ましい。
【0019】
前記第1ガス流チャネルは多数形成され、前記多数の第1ガス流チャネルの端部には連結流路が形成されることで前記多数の第1ガス流チャネルが互いに連通していることもできる。
【0020】
前記密封溝は隣り合う単位セルに見合うようにそれぞれ形成されている。
【0021】
前記密封リングはセラミックス(glass、mica、silicaなど)または金属(silver、goldなど)素材を基材とするペーストまたはテープでなっている。
【発明の効果】
【0022】
本発明による平管型固体酸化物セルスタックによれば、スタックを形成するときに金属性接続材を使わずにマニホールド部位の複雑な形状の密封部を最小化するので、セルスタッキング(cell stacking)の応力を最小化し、マニホールド部の数を減らして構造を簡単にする効果がある。
【0023】
そして、本発明は第1ガスが単位セルの長手方向に沿ってジグザグに流れるので、化学反応経路が伸ばされ、燃料電池として使うときに電気エネルギー発電効率を高め、高温水電解装置として使うときに発生ガス(水素)の純度を高める効果がある。
【0024】
また、両端が密閉された平管型単位セルを使うので、ガス流動及び機械的特性を考慮して密封面積を最小化することができ、密封溝に挿入された密封材(リング)によって密封効果を高めるとともに単位セル間隔の段差を無くし、高温で密封材の流れを抑制することができる。
【0025】
そして、本発明は非常に小さな単位セル間のガスチャネル用連結孔と密封部位を持ちながらも平管型単位セルを積層してセルスタックを成すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は本発明の第1実施例による平管型固体酸化物セルスタックを示す構成図である。
【図2】図2は図1のセルスタックの単位セルを分解して示す分解構成図である。
【図3】図3の(a)及び(b)は図2の第1単位セルを示す平面図及び断面図である。
【図4】図4の(a)及び(b)は図2の第2単位セルを示す平面図及び断面図である。
【図5】図5の(a)〜(i)は本発明が適用される単位セルの連結孔の例を示す図である。
【図6】図6の(a)及び(b)は本発明が適用される隣接単位セルの連結孔部位を示す断面図である。
【図7】図7の(a)及び(b)は図2の第1単位セルの他の例を示す平面図及び断面図である。
【図8】図8は本発明の第1実施例による平管型固体酸化物セルスタックの第1ガス流を示す説明図である。
【図9】図9は本発明の第2実施例による平管型固体酸化物セルスタックを示す構成図である。
【図10】図10は本発明の第3実施例による平管型固体酸化物セルスタックを示す構成図である。
【図11】図11は図10の第3単位セルを示す長手方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施例について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0028】
本発明の平管型固体酸化物セルスタックは燃料電池(Fuel Cell)または高温水電解装置(Electrolyzer Cell)として使われることができるが、以下の説明では燃料電池として使われる平管型固体酸化物セルスタックについて説明する。
【0029】
図1は本発明の第1実施例による平管型固体酸化物セルスタックを示す構成図、図2は図1のセルスタックの単位セルを分解して示す分解構成図である。図示のように、燃料電池用平管型固体酸化物セルスタック100は、多数の第1単位セル110が上下方向に積層され、最下側と最上側には、第1ガス(水素または炭化水素)が出入する第1ガス出入マニホールド140(第1ガス流入マニホールド)、140’(第1ガス流出マニホールド)が設置される第2単位セル120、120’がそれぞれ積層された構造になっている。
【0030】
図3の(a)及び(b)に示すように、前記第1単位セル110は、後述する第1電極支持体111aの内部に第1ガスが流れる多数の第1ガス流チャネル112が長手方向に沿って形成され、前記第1電極支持体111aの一側外部には第2ガス(空気または酸素)が流れる多数の第2ガス流チャネル113が前記第1ガス流チャネル112に交差する方向(第1電極支持体の幅方向)に形成され、前記第1ガスが第1単位セル110の長手方向に沿ってジグザグに流れるように、前記多数の第1ガス流チャネル112の端部には隣接して積層された単位セルの多数の第1ガス流チャネルに連通する多数の連結孔114が形成され、電気を連結するように第2ガス流チャネル113が形成された面の反対側にはセラミックス導電体115が後述する第1電極中間層に被覆された構造である。
【0031】
前記第1単位セル110は、燃料極(陰極)または空気極(陽極)の物質を含む多孔性の伝導性材料でなった第1電極支持体111aと、前記第1電極支持体111aの外表面全面に被覆された第1電極中間層111bと、前記セラミックス導電体115部分を除き前記第1電極中間層111bの外面に被覆された電解質層111cと、前記第2ガス流チャネル113が形成された部分に被覆された電解質層111cの外面に被覆された第2電極層111eとを含む。
【0032】
前記第1電極支持体111aと第1電極中間層111bの電極材料はNiO−YSZ材(酸化ニッケル−イットリア安定化ジルコニア材)が使用可能であり、前記第2電極層111eの電極材料はLSM(LaSrMnO)が使用可能であり、電解質層111cはYSZ材が使われることができるが、多様な電極材料が使われることができる。
【0033】
前記第1電極中間層111b及び第2電極層111eはガスが拡散可能な多孔性に形成され、前記電解質層111cとセラミックス導電体115は第1ガスと第2ガスが互いに混合されないように気孔のない緻密膜で形成される。
【0034】
前記多数の第1ガス流チャネル112はその長手方向の両端が塞がり、その両端部には前記多数の連結孔114が互いに反対方向に形成され、前記多数の第2ガス流チャネル113は前記第1単位セル110の長手方向の中間に第1単位セル110の幅方向に形成される。
【0035】
前記連結孔114は、二つの前記第1ガス流チャネル112に同時に連通する多数の大孔114aと一つの前記第1ガス流チャネル112に連通する多数の小孔114bが円を成しながら円周方向に配列されて前記多数の第1ガス流チャネル112に連通するようになっている。
【0036】
前記連結孔114は、図5の(a)及び(b)に示すように、多数の大孔114aと多数の小孔114bが半円を成しながら配列されて前記多数の第1ガス流チャネル112に連通するようになっていることもできる。
【0037】
また、前記連結孔114は、図5の(c)に示すように、一つの一体孔114cが前記多数の第1ガス流チャネル112に連通するようになっていることもできる。
【0038】
また、前記連結孔114は、図5の(d)に示すように、一つの前記第1ガス流チャネル112に連通する多数の小孔114bが円の全面にかけて配列されて前記多数の第1ガス流チャネル112に連通するか、図5の(e)に示すように、一つの前記第1ガス流チャネル112に連通する多数の小孔114bが円を成しながら円周方向に配列されて前記多数の第1ガス流チャネル112に連通するようになっていることもできる。
【0039】
また、図5の(f)に示すように、二つの前記第1ガス流チャネル112に同時に連通する多数の大孔114aが直線を成しながら配列されて前記多数の第1ガス流チャネル112に連通するか、図5の(g)に示すように、二つの前記第1ガス流チャネル112に同時に連通する多数の大孔114aが斜線を成しながら配列されて前記多数の第1ガス流チャネル112に連通するか、図5の(h)に示すように、二つの前記第1ガス流チャネル112に同時に連通する多数の大孔114aが折曲線を成しながら配列されて前記多数の第1ガス流チャネル112に連通するか、あるいは図5の(i)に示すように、二つの前記第1ガス流チャネル112に同時に連通する多数の大孔114aが四角形の全面にかけて配列されて前記多数の第1ガス流チャネル112に連通するようになっていることもできる。
【0040】
しかし、前記連結孔114は、図3の(a)のように配置されるか、図5の(a)及び(b)のように配置されることが構造物の機械的強度、密封部位面積及びガス流動などを考慮して好ましいことが確認された。特に、図3の(a)のように配置されることが最も好ましいことが確認された。
【0041】
図3の(a)及び(b)に示すように、前記連結孔114の外側には円周方向に沿って配列された前記連結孔114を取り囲む環状の密封溝116が形成され、前記密封溝116には密封リング150が挿入され、前記連結孔114を通じてのガスの漏洩を防止する。前記環状の密封溝116及び密封リング150は密封面積を最小化する効果がある。
【0042】
図6の(a)に示すように、前記密封溝116は隣り合う第1単位セル110または第2単位セル120(図4に図示)に見合うようにそれぞれ形成されているが、図6の(b)に示すように、前記密封溝116は隣り合う第1単位セル110または第2単位セル120(図4に図示)の一方にだけ形成されていることもできる。この際、図6の(a)の密封溝116に挿入される密封リング150はその厚さを図6の(b)の密封溝116に挿入される密封リング150’の厚さより厚くして見合う密封溝116に挿入されることで、ガスの漏洩効果を高めるようになる。
【0043】
前記密封リング150、150’はセラミックス(glass、mica、silicaなど)または金属(silver、goldなど)素材を基材とするペーストまたはテープでなっており、積層される単位セル間隔の段差を無くし、高温で密封リングの遊動が抑制される。
【0044】
一方、図7の(a)及び(b)に示すように、多数の第1ガス流チャネル112はその長手方向両端に連結流路112aが形成されることで互いに連通する構造に構成されることもできる。このような構成は、連結孔114’の大きさを小さくするか数を減らし、密封溝116’及び密封リング150”の面積を小さくしても密封部位を一層最小化することができる。図7の(a)及び(b)の残り構成は図3の(a)及び(b)の構成と同様であるので、同一符号を付け、その詳細な説明は省略する。
【0045】
図4の(a)及び(b)に示すように、前記第2単位セル120は、第1電極支持体121aの内部に第1ガスが流れる多数の第1ガス流チャネル122が長手方向に沿って形成され、前記第1電極支持体121の一側外部には第2ガス(空気または酸素)が流れる多数の第2ガス流チャネル123が前記第1ガス流チャネル122に交差する方向(第1電極支持体の幅方向)に形成され、前記多数の第1ガス流チャネル122の一側端部には隣接して積層された前記第1単位セル110の多数の第1ガス流チャネルに連通する多数の連結孔124が形成され、前記多数の第1ガス流チャネル122の他側端部は前記第1ガス出入マニホールド140(第1ガス流入マニホールド)、140’(第1ガス流出マニホールド)に連通するように長手方向にチャネルが開放されており、電気を集電するか連結するように第2ガス流チャネル123が形成された面側(またはその反対側)には集電体の役目をするセラミックス導電体125、115が第2電極層123(または第1電極中間層121b)に付着された構造である。
【0046】
前記第2単位セル120、120’の他側(第1ガス出入マニホールド側)は出入配管を容易にするために前記第1単位セル110より長く形成されている。
【0047】
前記第2単位セル120の第1電極支持体121a、第1電極中間層121b、電解質層121c、第2電極層121e、連結孔124、密封溝126及び密封リング150は前記第1単位セル110の構成と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
【0048】
このように構成された本発明の第1実施例による平管型固体酸化物セルスタックにおいて、燃料電池として使われる場合には、図8に示すように、水素(または炭化水素)が第1ガス流入マニホールド140を通じて最下側の第2単位セル120の第1ガス流チャネルに流入し、矢印方向に多数の第1単位セル110の第1ガス流チャネル内をジグザグに流れて最上側の第2単位セル120’の第1ガス流チャネルを経て第1ガス流出マニホールド140’を通じて流出するようになる。この経路を流れているうちに第1ガス(水素または炭化水素)は前記第1単位セル110と第2単位セル120、120’の第2ガス流チャネルを通じて流れる空気(または酸素)と反応して電気を発生させるとともに発生された水と一緒に前記第1ガス流出マニホールド140’を通じて流出するようになる。電気はセラミックス導電体125によって集電される。
【0049】
図8において、高温水電解装置として使われる場合には、水蒸気が第1ガス流入マニホールド140を通じて流入して電気化学反応(燃料電池の反応の逆反応)をして水素を発生させ、第1ガス流出マニホールド140’を通じて流出するようになる。
【0050】
図9は本発明の第2実施例による平管型固体酸化物セルスタックを示す構成図である。図示のように、本実施例(第2実施例)の燃料電池用平管型固体酸化物セルスタック200は、多数の第1単位セル210が上下方向に積層され、最下側と最上側には第1ガス(水素または炭化水素)が出入する第1ガス出入マニホールド240(第1ガス流入マニホールド)、240’(第1ガス流出マニホールド)が設置される第2単位セル220、220’がそれぞれ積層されている。本実施例においては、最下側と最上側に積層された第2単位セル220、220’は左右に互いに反対方向に突出した端部に第1ガス流入マニホールド240と第1ガス流出マニホールド240’が設置される構造になっている。残りの構成は第1実施例と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
【0051】
図10は本発明の第3実施例による平管型固体酸化物セルスタックを示す構成図、図11は図10の第3単位セルを示す長手方向断面図である。図示のように、本実施例(第3実施例)の燃料電池用平管型固体酸化物セルスタック300は、多数の第1単位セル310が上下方向に積層され、最下側と最上側には第1ガス(水素または炭化水素)が流出する第1ガス流出マニホールド340’が設置される第2単位セル320、320’がそれぞれ積層されているが、前記第1単位セル310の積層物の中間部には前記第1ガス流出マニホールド340’に対して左右に反対方向に突出した端部に第1ガス流入マニホールド340が設置される第3単位セル330を備えた構造になっている。
【0052】
前記第3単位セル330は、図11に示すように、第1電極支持体(図示せず)の内部に第1ガスが流れる多数の第1ガス流チャネル332が長手方向に沿って形成され、前記第1電極支持体(図示せず)の一側外部平面には第2ガス(空気または酸素)が流れる多数の第2ガス流チャネル333が前記第1ガス流チャネル332と交差する方向(支持体の幅方向)に形成され、前記多数の第1ガス流チャネル332の長手方向一側端部には隣接して積層された前記第1単位セル310の多数の第1ガス流チャネルに連通する多数の連結孔334が上下面それぞれ形成され、前記多数の第1ガス流チャネル332の他側端部は前記第1ガス流入マニホールド340(第1ガス流入マニホールド)に連通するように長手方向にチャネルが開放されており、電気を連結するように第2ガス流チャネル333が形成された面の反対側にはセラミックス導電体335が第1電極中間層(図示せず、第1実施例の121b参照)に被覆された構造である。密封溝336などの残りの構成は第1実施例または第2実施例の構成と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
【0053】
このように構成された本発明の第3実施例による平管型固体酸化物セルスタックにおいて、燃料電池として使われる場合、水素(または炭化水素)は第1ガス流入マニホールド340を通じて第3単位セル330の第1ガス流チャネルに流入し、前記連結孔334を通じて上下側方向に分岐し、上下側に積層された多数の第1単位セル310の第1ガス流チャネル内をジグザグに流れ、最下側及び最上側の第2単位セル320、320’の第1ガス流チャネルを経て第1ガス流出マニホールド340’を通じてそれぞれ流出されるようになる。
【0054】
本発明は図面に示す実施例を参照して説明したがこれは例示的なものに過ぎず、当該技術分野の通常の知識を持った者であればこれから多様な変形及び均等な他の実施例が可能であるのはいうまでもなく、本発明の技術的保護範囲は添付された特許請求の範囲の技術的思想によって決定されなければならないであろう。
【符号の説明】
【0055】
100、200、300:セルスタック
110、210、310:第1単位セル
111a、121a:第1電極支持体
111b、121b:第1電極中間層
111c、121c:電解質層
111e、121e:第2電極層
112、122、332:第1ガス流チャネル
113、123、333:第2ガス流チャネル
114、124、334:連結孔
115、125、335:セラミックス導電体
116、126、336:密封溝
120、220、320:第2単位セル
140、240、340:第1ガス流入マニホールド
140’、240’、340’:第1ガス流出マニホールド
150、150’:密封リング
330:第3単位セル



【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に第1ガスが流れる第1ガス流チャネルが長手方向に沿って形成され、外部に第2ガスが流れる第2ガス流チャネルが形成され、多孔性の伝導性平管型電極支持体を含む多数の単位セルが積層されてスタックを成す、平管型固体酸化物セルスタックにおいて、
前記第1ガスが前記単位セルの長手方向に沿ってジグザグに流れるように、前記第1ガス流チャネルの端部に、隣接して積層された前記単位セルの前記第1ガス流チャネルに連通する連結孔が形成されていることを特徴とする、平管型固体酸化物セルスタック。
【請求項2】
前記単位セルの中で下側と上側に積層された前記単位セルの前記第1ガス流チャネルの一端部に、前記第1ガスが出入する第1ガス出入マニホールドが設置されていることを特徴とする、
請求項1に記載の平管型固体酸化物セルスタック。
【請求項3】
前記第1ガスが、スタックの中間で上下側方向に分岐して前記単位セルの長手方向に沿ってジグザグに流れるように、
前記第1ガス出入マニホールドは、前記単位セルの中で中間に積層された前記単位セルの前記第1ガス流チャネルの一端部に、さらに形成されていることを特徴とする、
請求項2に記載の平管型固体酸化物セルスタック。
【請求項4】
前記第1ガス出入マニホールドが設置された前記単位セルの前記第1ガス流チャネルの一端部は、前記単位セルの長手方向に開放されていることを特徴とする、
請求項2または3に記載の平管型固体酸化物セルスタック。
【請求項5】
前記単位セルの前記第2ガス流チャネルが形成された面またはその反対側面に、電気を連結するか集電するように、セラミックス導電体が取付けられていることを特徴とする、
請求項1に記載の平管型固体酸化物セルスタック。
【請求項6】
前記連結孔の外側に環状の密封溝が形成され、
前記連結孔を通じてのガスの漏洩を防止するように、前記密封溝に密封リングが挿入されていることを特徴とする、
請求項1に記載の平管型固体酸化物セルスタック。
【請求項7】
前記連結孔は、多数の孔が円を成しながら円周方向に配列されて、前記第1ガス流チャネルに連通し、
前記密封溝は前記多数の孔を取り囲む構造になっていることを特徴とする、
請求項6に記載の平管型固体酸化物セルスタック。
【請求項8】
前記第1ガス流チャネルは多数形成され、
前記連結孔は、二つの前記第1ガス流チャネルに同時に連通する多数の大孔と、一つの前記第1ガス流チャネルに連通する多数の小孔とが、円または半円を成しながら円周方向に配列されて、多数の前記第1ガス流チャネルに連通し、
前記密封溝は、前記多数の大孔と多数の小孔とを取り囲む構造になっていることを特徴とする、
請求項6に記載の平管型固体酸化物セルスタック。
【請求項9】
前記第1ガス流チャネルは多数形成され、
前記多数の第1ガス流チャネルの端部に連結流路が形成されることで、前記多数の第1ガス流チャネルが互いに連通していることを特徴とする、
請求項6に記載の平管型固体酸化物セルスタック。
【請求項10】
前記密封溝は、隣り合う前記単位セルに見合うようにそれぞれ形成されていることを特徴とする、
請求項6〜9のいずれか一項に記載の平管型固体酸化物セルスタック。
【請求項11】
前記密封リングは、セラミックスまたは金属素材を基材とするペーストまたはテープでなることを特徴とする、
請求項6に記載の平管型固体酸化物セルスタック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2013−502699(P2013−502699A)
【公表日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−526675(P2012−526675)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【国際出願番号】PCT/KR2010/008964
【国際公開番号】WO2012/015113
【国際公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【出願人】(595065552)コリア インスティチュート オブ エナジー リサーチ (11)
【Fターム(参考)】