平面的な被処理材料を処理するための方法、処理ステーションおよびアセンブリ
被処理材料(10)の湿式化学処理のためのアセンブリ内を輸送される平面的な被処理材料(10)から処理液(21)を除去するために、処理液(21)を保持するための保持面(4、14)が提供される。保持面(4、14)は、被処理材料(10)が保持面(4、14)を通過する時に保持面(4、14)と該保持面(4、14)に向かい合う被処理材料(10)の表面との間にギャップ(8、18)が残るように、被処理材料(10)の輸送路に関して配置構成される。保持面(4、14)は、例えば、ロール(2、3)の周囲表面のオフセット部分として提供されてもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面的な被処理材料を処理するための方法、処理ステーションおよびアセンブリに関する。特に、本発明は、1または複数の易損性表面を有する被処理材料の処理を可能にするような方法、処理ステーション、およびアセンブリに関する。本発明はさらに、被処理材料の有用領域と固定要素との間の接触が減少され得るような方法、処理ステーション、およびアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
平面的な被処理材料、例えば回路基板産業における回路基板を加工する場合、被処理材料は湿式化学プロセスのラインで処理されることが多い。プロセス薬品またはプロセス水のような処理液を除去するために、いわゆるニップロールが使用される場合がある。そのようなロールは、例えば、特許文献1に開示されるように、処理ステーションにおいて浸漬処理用の処理液を貯留するために使用されてもよい。基板表面上の素材の交換を促進すべく、被処理材料の表面に液体を流すためのノズルが用いられてもよい。
【0003】
図18は、処理液の液位が被処理材料203の輸送面より高く、その結果被処理材料203が浸漬状態で輸送されうるようになっている、処理ステーション200の概略図である。被処理材料203は処理ステーションを通って水平輸送方向204に輸送される。被処理材料を輸送するためにロール対211〜216が提供され、該ロール対は、前記被処理材料を輸送するために、被処理材料203の上方または下方のうち少なくともいずれか一方を向いている表面に接して支持するようになっている。処理液の漏れを回避するために内部容器201が設けられ、該容器内で処理液が上方液位まで貯留される(図示せず)。内部容器201は外部容器202によって包囲され、外部容器202が内部容器201から溢流する処理液を回収するようになっている。外部容器202に回収された、外部容器内で液位209を有する処理液208から、該処理液はポンプ210によって内部容器201に戻るように送り込まれる。処理液は、フローノズル206、207、あるいはさらなる処理部材を介して放出されて内部容器201に戻ることができる。
【0004】
内部容器201に処理液を貯留するために、いわゆるニップロールの対213、215が内部容器201の流入領域および流出領域において使用される。ニップロール対213、215は、例えば、円筒状の周囲表面を有していてよい。対213のニップロール213a、213bおよびロール対215のニップロールが被処理材料203に接して支持する場合、処理液が通り抜けて内部容器201から漏出する可能性のある解放断面は限られている。ポンプ210の送達速度を相応に調節することによって、内部容器201の中の処理液の所望の液位が設定されうる。処理ステーションの流入領域または流出領域のロール対211、212、214および216のような追加のロール対も、ニップロールとしての役割を果たすことができる。
【0005】
しかしながら、被処理材料203が1以上の易損性表面を有する場合、従来型ニップロールの幅全体にわたる、すなわち、被処理材料203の輸送方向204に対して横方向に全体に広がる、ニップロール対213、215と被処理材料203との間の直接接触は、被処理材料203の表面に損傷を与える可能性がある。被処理材料203の表面への損傷は、例えば、表面圧またはニップロール213、215の表面に付着している粒子状物質および表面の凹凸によって、引き起こされる可能性がある。さらに、フローノズル206,207の領域では、例えば処理ステーションの流出の条件によっては被処理材料203の望ましくない撓曲を生じることがある。撓曲によって、被処理材料203が処理ステー
ションの他の部材と接触することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】ドイツ連邦共和国公開特許第43 37 988 A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、平面的な被処理材料を処理するための方法、処理ステーションおよびアセンブリであって、被処理材料の易損性表面を損傷するリスクが低減されうる方法およびアセンブリならびにデバイスを提供することである。本発明の目的はさらに、回路基板を製造する方法であって、回路基板の易損性表面領域を損傷するリスクが低減されうる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、この目的は、独立請求項に示されるような、平面的な被処理材料を処理するための方法、処理ステーションおよびアセンブリによって達成される。従属請求項は、本発明の好適かつ有利な実施形態を定義する。
【0009】
一実施形態によると、被処理材料を電解処理または湿式化学処理するためのアセンブリ内を通って輸送される、平面的な被処理材料を処理する方法が提供される。被処理材料はアセンブリの処理ステーション内で処理液に晒され、この処理液は被処理材料を覆う。処理ステーションにおいて、ロール表面を備えたロールは、該ロール表面が少なくとも被処理ステーションの両端の領域の間に連続して延伸する被処理材料の有用領域から離隔するように配置されることによって、ロール表面と被処理材料の有用領域との間に間隙、即ちギャップが保持される。
【0010】
ロール表面は少なくともその一部が処理液の中にあるように配置される。ロールはギャップにおいてロール表面と被処理材料の表面との間で相対速度が生成されるように回転自在に駆動される。
【0011】
この方法によると被処理材料の表面に対する損傷といったリスクが減少する。なぜならロールと被処理材料の有用領域との間にギャップが設けられるからである。一実施形態によると、ロールは被処理材料の表面全体から離隔されていてもよい。ギャップを挟んで対向する2つの面の間の相対速度により、被処理材料の表面での材料の交換は促進され、あるいはギャップを通じた処理液の漏出が減少される。
【0012】
ロール表面と被処理材料の有用領域との間に設けられるギャップはアセンブリの部材配置によって定められてもよいが、被処理材料が低い固有剛性を有するなどによる力学的バランスから生じるものであってもよい。
【0013】
被処理材料の表面から一定のギャップ高をもって離隔されるロール表面の部分は、被処理材料の輸送速度とは向きと大きさが異なる速度で移動される。
ロールは、ギャップを画成しているロール表面の部分が被処理材料の輸送の方向と反対の方向に移動するように駆動される。その結果、ロールを高速で回転する必要なくギャップでは相対速度がかかることになる。
【0014】
ロールは好適には回転軸が被処理材料の輸送面と平行になるように配備される。
ロールは、ロール表面の周面での速度の値が被処理材料の輸送速度の値とは異なるように、特定の実施形態では輸送速度の値よりも大きな値となるように、駆動される。この場
合、被処理材料の表面からギャップ高をもって離隔されるロール表面の部分は被処理材料の輸送の方向に移動され得る。
【0015】
処理液は除去装置を用いてロールから取り除かれ得る。除去装置は、ロールから取り除かれるべき一定量の処理液を設定することができるように調節される。この方式により、ロールで生じる材料の交換の度合いおよび/またはギャップを通る液体の漏出が減少される度合いを制御することができる。
【0016】
除去装置はロール表面からの距離が一定となるように配備されうる。その結果、ロールの軸方向に置いて均一な効果を達成することができる。除去装置とロール表面の間隔は調節可能である。例えば、除去装置はロールの軸方向に平行に延びるストリップであり、ロール表面から多様な距離をもって配置することができるように構成されることができる。
【0017】
ロールは処理ステーションの処理部材として与えられてもよい。これによりロールをフローノズルの代わりに設けることが可能となる。ロールを処理部材として用いることによって、小型の処理ステーションを生産することができる。したがって、コスト削減が達成される。また、被処理材料に加わる力が減少する。エネルギーのコストも減少する。さらに、処理浴の保持が達成される。
【0018】
ロールが処理部材として用いられる場合には、ロール表面と被処理材料の有用領域との間の最小ギャップ高は1mm未満、好適には0.7mm未満、さらには0.5mm未満であってもよい。最小ギャップ高は少なくとも0.05mm、好適には0.07mm、より好適には0.09mmであることが可能である。最小ギャップ高は上記の制限値よりも大きくてもよいが、10.0mmよりは小さい必要がある。
【0019】
ロールはロール表面と被処理材料の間の相対速度を用いることによって、被処理材料表面での材料の交換が増加するように配置される。より詳細には、ロールはロールの回転によって表面および/または被処理材料の凹部の処理液に一定の効果が生じるように配置され得る。
【0020】
輸送の方向でのロールの対向する両面で、処理液をロールに接触させ、処理ステーションの駆動レベルまで上げられる。ロールは処理ステーションの駆動レベルを完全に下回るように配置されることも可能である。このことはロールを処理ステーションの、流入領域および流出領域から離隔された一部分の処理部材として用いることを可能にする。
【0021】
ロールは処理ステーションの流入領域または流出領域に設けられることも可能である。例えば、ロールは処理ステーションの内部容器の端縁近傍に設けられ得る。この場合、ロール表面は処理液を保持するための保持面をなす。ギャップを通した処理液の漏出はギャップにおける相対移動によって減少される。
【0022】
ロール表面が保持面の役割を果たす場合には、ロール表面と被処理材料の有用領域との間の最小ギャップ高は1mm未満、好適には0.7mm未満、より好適には0.5mm未満であってもよい。最小ギャップ高は少なくとも0.05mm、好適には0.07mm、より好適には0.09mmであり得る。
【0023】
さらなるギャップが被処理材料の有用領域とさらなるロール表面との間にさらなるギャップが保持されるように、さらなるロール表面を有するさらなるロールが配置されてもよい。ロールと、さらなるロールとは被処理材料の輸送面の対向する側面に配備されることが可能である。例えば、ロールと、さらなるロールとは、これらの軸が輸送の方向と同一の位置に設けられるように配置されることが可能である。さらに異なる実施形態に置いて
、ロールとさらなるロールのそれぞれの軸は、輸送の方向において互いに離間するように配置される。さらなるロールを設けることによって、被処理材料の処理は、さらに向上し、および/または処理液の漏出がさらに減少する。
【0024】
さらなるギャップの端縁をなす、さらなるロール表面の部分の速度が輸送の方向を向くように、さらなるロールは回転自在に駆動される。さらなるロールの周面での速度の値は輸送速度±20%に等しくすることができる。その結果、低い固有剛性を有している被処理材料の輸送は好適に影響を与えることができる。
【0025】
ロールとさらなるロールとが同一方向に回転するように、さらなるロールを回転自在に駆動することができる。
さらに異なる実施形態によると、被処理材料の電解処理または湿式化学処理のためのアセンブリとして、平面状の被処理材料を処理するための処理ステーションが提供される。駆動の間に処理液が被処理材料を被覆するように処理ステーションは設計される。処理ステーションはロールを備え、ロール表面を備えたロールは、該ロール表面が少なくとも被処理ステーションの両端の領域の間に連続して延伸する被処理材料の有用領域から離隔するように配置されることによって、ロール表面と被処理材料の有用領域との間に間隙、即ちギャップが保持される。ロールはさらに、ロール表面が少なくとも一部において処理液の中にあるように配置される。駆動装置は、ギャップにおいてロール表面と被処理材料の間に相対速度が生成されるようにロールを回転自在に駆動する。
【0026】
ロールと被処理材料の有用領域との間にギャップが設けられることにより、上記の処理ステーションでは被処理材料の表面に対する損傷といったリスクが減少する。一実施形態によると、ロールは被処理材料の表面全体から離隔されていてもよい。ギャップを挟んで対向する2つの面の間の相対速度により、被処理材料の表面での材料の交換は促進され、あるいはギャップを通じた処理液の漏出が減少される。
【0027】
ギャップを画成しているロール表面の部分が被処理材料の輸送の方向と反対の方向に移動するようにロールを駆動するように駆動装置を設計することができる。
駆動装置は、ロール表面の周面での速度の値が被処理材料の輸送速度の絶対値とは異なるように、特定の実施形態では輸送速度の絶対値よりも大きな値となるように、ロールを駆動すべく設計されて得る。
【0028】
ロールは好適には回転軸が被処理材料の輸送面と平行になるように配備される。
処理ステーションは除去装置を備えていてもよく、除去装置は好適にはロールから処理液を取り除くためにロールに対して調節可能に設けられ得る。
【0029】
ロールは処理ステーションの処理部材として与えられてもよい。輸送の方向でのロールの対向する両面で、処理液をロールに接触させ、処理ステーションの駆動レベルまで上げられ、またはロールは処理ステーションの駆動レベルを完全に下回るように配置されることも可能である。
【0030】
ロールは処理ステーションの流入領域または流出領域に設けられることも可能であり、ロール表面は処理液を保持するための保持面をなす。例えば、ロールは処理ステーションの内部容器の端縁近傍に設けられ得る。
【0031】
さらなるギャップが被処理材料の有用領域とさらなるロール表面との間にさらなるギャップが保持されるように、処理ステーションは、さらなるロール表面を有するさらなるロールを備えていてもよい。ロールと、さらなるロールとは被処理材料の輸送面の対向する側面に配備されることが可能である。
【0032】
駆動装置は、さらなるロール表面のうち、さらなるギャップの端縁をなす部分が輸送の方向に回転するように、さらなるロールを回転自在に駆動すべく設計することが可能である。さらなるロールの周面での速度は輸送速度と等しくあってもよい。
【0033】
駆動装置は、さらなるロールとロールとが同一の方向に回転するように、さらなるロールを回転自在に駆動すべく設計されていてもよい。
処理ステーションは、開示された実施形態又は実施例に従う方法を実施するために設計されることが可能である。
【0034】
処理ステーションはさらに、輸送ロールまたは輸送ローラとして構成されているもの等、被処理材料の輸送のための複数の輸送要素を備えていてもよい。
処理ステーションの実施形態の効果は、対応する方法の実施形態の効果に対応する。
【0035】
さらなる実施形態によると、平面状の被処理材料を処理するためのアセンブリが与えられ、このアセンブリは実施形態または実施例に従う処理ステーションを備えている。
さらなる態様によれば、回路基板を製造する方法が提供され、回路基板を生産するための被処理材料は、実施形態または実施例に従う方法によって処理される。
【0036】
本発明の実施形態により、被処理材料を電解処理または湿式化学処理するため、あるいは被処理材料の表面での材料の交換を促進するために、被処理材料を電解処理または湿式化学処理するアセンブリにおいて、被処理材料から処理液を除去または離隔することが可能となる。したがって、ロール面が、被処理材料の有用領域から間隔を置いて配置構成されて、有用領域が固定要素と直接接触するのを低減または回避するためにギャップが形成されるようになっていてもよい。
【0037】
本発明の実施形態は、特に、易損性表面を備えた平面的な被処理材料が水平な輸送面またはほぼ水平な輸送面において輸送されるアセンブリにおいて、使用されうる。しかしながら、実施形態はこの応用分野に限定されない。
【0038】
本発明は、好ましい実施形態または有利な実施形態を参照し、また添付の図面を参照することにより、本明細書中以降においてより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】実施形態による、処理ステーションの処理液を除去または離隔するためのデバイスの概略正面図。
【図2】図1のデバイスの概略的な部分断面側面図。
【図3】さらなる実施形態による、処理ステーションの処理液を除去するためのデバイスの概略的な部分断面側面図。
【図4】一実施形態による、処理液を除去するための複数のデバイスを備えた処理ステーションの一部分の概略的な部分断面側面図。
【図5】さらなる実施形態による、処理液を除去するための複数のデバイスを備えた処理ステーションの一部分の概略的な部分断面側面図。
【図6】さらなる実施形態による、処理ステーションの処理液を除去または離隔するためのデバイスの概略正面図。
【図7】処理液を除去するためのデバイスの概略的な部分断面側面図。
【図8】流入領域および流出領域において実施形態による処理液を除去または離隔するためのデバイスを備えた処理ステーションの概略的な部分断面側面図。
【図9】さらなる実施態様による、処理ステーションの流出領域を概略的に示す部分側面図。
【図10】さらなる実施態様による、処理ステーションの流出領域を概略的に示す部分側面図。
【図11】さらなる実施形態による、処理ステーションのロールを備えた処理部材の概略を示す部分断面図。
【図12】さらなる実施形態による、処理ステーションのロールを備えた処理部材の概略を示す部分断面図。
【図13】さらなる実施形態による、処理ステーションのロールを備えた処理部材の概略を示す部分断面図。
【図14】さらなる実施形態による、処理ステーションのロールを備えた処理部材の概略を示す部分断面図。
【図15】さらなる実施形態による、処理ステーションのロールを備えた処理部材の概略を示す部分断面図。
【図16】さらなる実施形態による、処理ステーションのロールを備えた処理部材の概略を示す部分断面図。
【図17】さらなる実施形態による、処理ステーションのロールを備えた処理部材の概略を示す部分断面図。
【図18】ニップロール対を備えた処理ステーションの概略的な部分断面側面図。
【発明を実施するための形態】
【0040】
被処理材料を指す方向情報または位置情報は、慣習に従って輸送方向に関して提示される。被処理材料の輸送が輸送方向に対して平行かつ/または非平行である場合に、輸送方向に対して輸送面において直角な方向である長手方向として示される方向は、被処理材料の横幅方向として示される。
【0041】
被処理材料から処理液が離隔または除去され、および/または被処理材料上で材料の交換が促進されるデバイスおよび方法の実施形態が開示される。「処理液」という用語により、電解処理または湿式化学処理のためのアセンブリにおいて被処理材料が供される可能性のある任意の液体、特にプロセス薬品、水などのようなリンス液が了解される。
【0042】
実施形態は、被処理材料の処理であって該処理において被処理材料が水平の輸送面で輸送される処理のためのアセンブリとの関連において開示される。「輸送面より上方」または「輸送面より下方」、「上部表面」、「下部表面」、および処理液の高さまたは液位への言及などのような情報は、そうでないことが指摘されない限りは、そのまま鉛直方向ついて述べている。「水平な輸送面を輸送する」という語によって、特に、被処理材料の少なくとも3つの角部が水平な平面上に位置している被処理材料の輸送と了解されうる。これは、例えば低い固有剛性を有する被処理材料においては、輸送中の被処理材料の少なくとも個別の部分または個別の領域は輸送面の外側に位置するという事実を排除するものではない。
【0043】
図1は、被処理材料10から処理液を除去するためのデバイス1の概略正面図である。図2は、図1にII−IIで示された方向に沿った、デバイス1の概略側面図である。この部分断面側面図の切断面は鉛直平面であり、被処理材料の有用領域が輸送される線に沿った輸送面と交差する。
【0044】
デバイス1はロール2およびさらなるロール3を含んでなり、該ロールは、被処理材料10がロール2とさらなるロール3との間を輸送されるように、被処理材料10の輸送面の両側に配置構成されている。デバイス1は、例えば、図18の処理ステーション200においてニップロール対213または215として使用されうる。
【0045】
ロール2は、ロール2の周囲表面のオフセット部分として提供される、処理液を保持す
るための保持面として構成されているロール表面4を有する。ロール2は、被処理材料10がロール2を通過して輸送される時に保持面4と被処理材料10との間にギャップ8が残るように、被処理材料10の輸送路に対して配置される。ロール2の周囲表面の保持面4を形成する部分は、ほぼ円筒状に構成されてよい。
【0046】
さらなるロール3は、ロール3の周囲表面のオフセット部分として提供される、処理液を保持するための保持面として構成されている、さらなるロール表面14を有する。さらなるロール3は、被処理材料10がロール3を通過して輸送される時にさらなる保持面14と被処理材料10との間にギャップ18が残るように、被処理材料10の輸送路に対して配置される。ロール3の周囲表面のさらなる保持面14を形成する部分は、ほぼ円筒状に構成されてよい。
【0047】
ロール2およびさらなるロール3の配置構成および設計によって形成されるギャップ8、18により、被処理材料10の横幅方向の大部分にわたって伸びる、被処理材料10の有用領域11は、デバイス1の固定要素とは接触しない。有用領域11における被処理材料10の表面に損傷を与えるリスクは、このようにして低減可能である。
【0048】
保持面4およびさらなる保持面14の円筒形状により、ギャップ8、18は、被処理材料10の輸送方向20において変化しうるギャップ高かつ/または空間高を有する。ギャップ8、18の最小ギャップ高9、19は、保持面4、14の、それぞれのロール2および/または3に向かい合う被処理材料10の表面から最短距離にある地点によって決まる。
【0049】
ギャップ8、18が処理液の通路を許容するとしても、処理液はデバイス1によって被処理材料10から除去されうる。特に、ギャップ8、18が最小ギャップ高9、19へと先細りすることによって、デバイス1は、輸送方向20にロール2の相対する2つの側において処理液の液位を可変的にすることができる、圧力の減少を引き起こすことができる。
【0050】
図2は、ロール2の一方の側で液位22まで貯留された処理液21と、被処理材料10がデバイス1を通過した後に残っている、より低い液位24の処理液23の層とを概略的に示している。デバイス1は、特に、処理液21が保持面4およびさらなる保持面14によって、保持面4の真上に、最小ギャップ高となる配置に相当するギャップ8、18の下縁からそれぞれ計測されたギャップ8の最小ギャップ高9よりも、かつギャップ18の最小ギャップ高19よりも高い液位22まで、ロール2、3の片側に(図2ではロール2、3の左側に)貯留されるように、設計可能である。
【0051】
図3〜6,9,10に関連してより詳細に説明されるように、被処理材料10が保持面4、14を通過した後に被処理材料上に依然として残っている処理液23は、適切な方法で、例えば被処理材料上に流体を流れさせることにより、除去可能である。
【0052】
デバイス1のロール2、3は、被処理材料10から液体を除去するためだけでなく被処理材料10を輸送するためにも設計されうる。この目的のために、ロール2はその2つの軸方向端部に、被処理材料がロール2、3を通過せしめられる時に被処理材料10のエッジ領域12に接して支持するようになる隆起エッジ部分5、6を有することができる。隆起エッジ部分5、6は、被処理材料10を輸送するために、回転駆動されうる。エッジ部分5、6の回転駆動機構のために、デバイス1を使用する場合に被処理材料10のための処理アセンブリに回転自在に載地されるシャフト7が提供される。エッジ部分5、6を1つの回転方向25に回転させることによって、被処理材料10はさらに輸送されうる。従って、ロール3はその2つの軸方向端部に、被処理材料がロール2、3を通過せしめられ
る時に被処理材料10のエッジ領域12に接して支持するようになる隆起エッジ部分15、16を有することができる。隆起エッジ部分15、16は、被処理材料10を輸送するために回転駆動されうる。エッジ部分15、16の回転駆動機構のために、デバイス1を使用する場合に被処理材料10のための処理アセンブリに回転自在に載地されるシャフト17が提供される。エッジ部分15、16を或る回転方向26に回転させることによって、被処理材料10はさらに輸送されうる。
【0053】
エッジ部分5、6またはエッジ部分15、16のうち少なくともいずれか一方は、被処理材料10を輸送するために、前記被処理材料とともに摩擦結合または確動結合のうち少なくともいずれか一方を形成することができる。例えば、エッジ部分5、6またはエッジ部分15、16のうち少なくともいずれか一方に、被処理材料10を輸送するために被処理材料10の対応する凹部に係合する突部が形成されてもよい。
【0054】
ロール2では、隆起エッジ部分5、6は、被処理材料10を輸送するために被処理材料10に結合可能な輸送部分として作用する。保持面4はエッジ部分5、6に対してオフセットされる。エッジ部分5、6の、保持面4の半径と比較して隆起している、かつ/または大きい半径が、最小ギャップ高9を決定する。従って、ロール3では、隆起エッジ部分15、16は被処理材料10を輸送するための被処理材料10に結合可能な輸送部分として作用する。保持面14はエッジ部分15、16に対してオフセットされる。エッジ部分15、16の、保持面14の半径と比較して隆起している、かつ/または大きい半径が、最小ギャップ高19を決定する。
【0055】
エッジ部分および保持面の半径は所望の応用分野に適切であるように選択可能である。例えば、ロール2、3の保持面を形成する部分の半径は、輸送部分として使用されるロール2、3のエッジ部分の半径よりも、1mm未満、特に0.7mm未満、特に0.5mm未満だけ小さくてよい。ロール2、3の保持面を形成する部分の半径は、輸送部分として使用されるロール2、3のエッジ部分の半径よりも、少なくとも0.05mm、特に少なくとも0.07mm、特に少なくとも0.09mmだけ小さくてよい。
【0056】
加えて、ロール2のシャフト7またはさらなるロール3のシャフト17のうち少なくともいずれか一方が高さ調節可能な軸受を用いて載置されて、被処理材料10の上部表面からのシャフト7の離間距離または被処理材料10の下部表面からのシャフト17の離間距離のうち少なくともいずれか一方が設定可能となっていてもよい。
【0057】
ロール2およびさらなるロール3は、輸送部分としての役割を果たしているエッジ部分5、6または15、16のうち少なくともいずれか一方を回転させると、それぞれのロールの保持面4または14のうち少なくともいずれか一方も、それぞれのロールの輸送部分と同じ方向に回転するように設計されてもよい。
【0058】
この目的のために、ロール2またはロール3のうち少なくともいずれか一方は、例えば、輸送部分および保持面の両方が、互いに対する回転という点で固定されてロールの表面上に構成されるように、設計されてもよい。被処理材料10の有用領域11から離隔し、およびギャップ8および/またはギャップ18を画成しているロール表面の部分4および/または部分14が、輸送部分5,6または15,16に対してオフセットになっていることにより、ロール2,3のロール表面は被処理材料10の輸送速度とは異なる周面速度を有することとなる。しかしながら、別例として、輸送部分が、図8により詳細に説明されるように、保持面に対して回転可能なように提供されてもよい。
【0059】
1つの実施形態では、輸送部分は保持面に対して回転可能なように提供されてよい。保持面の角速度は、輸送部分の角速度、輸送部分の半径、およびロールの保持面を成形して
いる部分の半径に応じて選択可能である。
【0060】
デバイス1の複数の改変形態がさらなる実施形態で実施されうる。
例えば、デバイス1のロール2、3がその軸方向端部に隆起部分5、6、15、16を有する一方、ロール2またはさらなるロール3のうちいずれか一方に、2以上の隆起部分がさらに提供されてもよい。したがってこのさらなる隆起部分は、特に、該隆起部分が、被処理材料10と、機械的接触が重要ではない表面領域上に接触するように、ロール2またはさらなるロール3のうち少なくともいずれか一方の上に配置構成されうる。例えば、被処理材料の側部のうちの1つでの接触が臨界的意味をもたない場合には、被処理材料10の長手方向に伸びている被処理材料の表面領域が、ロール2またはさらなるロール3のうち少なくともいずれか一方のさらなる隆起部分によって支持されてもよい。さらなる隆起部分によって達成される追加の支持作用により、被処理材料10の有用領域における望ましくない接触のリスクが低減されうる。
【0061】
デバイス1では、被処理材料の表面とともにギャップを形成する保持面4、14は輸送面の上方および下方の両方に提供されるが、さらなる実施形態によるデバイスでは保持面は片側のみに提供され、かつ被処理材料の表面とともにギャップを形成する。例えば、そのようなギャップを形成する保持面が、輸送面の上側のみ、または下側のみに配置構成されてもよい。反対側には、例えば、ほぼ一定の直径を有するロールが提供されてもよい。反対側に提供される、ギャップを形成する保持面は、被処理材料の表面を損傷するリスクを低減するために、該表面に加わる力の低減をもたらしてもよい。
【0062】
さらなる実施形態では、一定の、すなわちロールの軸線方向において変化しない直径を備えたロールの周囲表面も、被処理材料の表面との間にギャップを画成する保持面としての役割を果たすことができる。ギャップ、特に最小ギャップ高の設計は、輸送面に対して高さ調節が可能な軸受によって載置されているロールによって、調節可能であってもよい。さらに、2つのそのようなロールが被処理材料の上側面および下側面の液体を除去するために提供されて、対応するロールと被処理材料との間に形成されるギャップが残っていてもよい。
【0063】
図3は、さらなる実施形態による、処理液を除去するためのデバイス31の概略側面図である。デバイス31は、例えば、図9の処理ステーション200の流出領域においてニップロール対214、215、216の代わりに使用されうる。機能または設計のうち少なくともいずれか一方においてデバイス1の要素または装備に相当する、デバイス31の要素または装備は、同じ参照数字で提示されており、重ねて詳細には説明されない。
【0064】
デバイス31は液体を保持するための保持面4をなすロール表面を含んでなる。デバイス31は、保持面4が該保持面と向かい合う被処理材料10の表面とともに(図3では被処理材料10の上部表面とともに)ギャップ8を形成するように、設計されている。保持面4は、例えば、回転自在に載置されたロール2の上に提供される。ロール2は、図1および2に関して後述されるように設計されうる。より詳細には、図1,2を参照して記載してきたように、ギャップ8でのロール表面の周面方向の速度は被処理材料10の輸送速度とは異なっていてもよい。保持面4は、保持面4を通過して輸送される被処理材料10から処理液を除去する。一実施形態のギャップ8は処理液の通過を許容するので、処理液34は、被処理材料10が保持面4を備えたロール2を通過した後も前記被処理材料上にまだ存在する可能性がある。
【0065】
デバイス31は、ノズル装置を備えたフローデバイス32をさらに含んでなる。輸送方向においてフローデバイス32は、ロール2およびロール2に提供された保持面4から間隔を置いて配置される。フローデバイス32は、輸送方向に下流に、すなわち輸送方向に
おいて保持面4を備えたロール2の後に、配置構成される。フローデバイス32は、ギャップ8を通り抜けた後に被処理材料10の上に残っている処理液34の一部を被処理材料10から除去するために設計されている。フローデバイス32は、特に、ギャップ8を通り抜けた後に被処理材料10の上に残っている処理液34の大部分を被処理材料10から除去するために設計されていてもよい。
【0066】
フローデバイス32は、被処理材料10から処理液34を吹き飛ばすために、または流体流33によって他の方法で処理液を除去するために、流体流33、特に気体流(例えば空気流)を放出することができる。流体流33は、デバイス31のギャップを形成する保持面4の方向に少なくとも1つの流れ成分(図3では、左に配向された成分)を有することができる。保持面4の上では、処理液は被処理材料の側方に流れることができる。
【0067】
フローデバイスはさらに、流体流33が、輸送面に対して平行かつ輸送方向20に対して横方向、すなわち、保持面4が形成されるロール2の軸線方向と平行に方向付けられた流れ成分を有するように、設計されてもよい。このようにして、処理液34は被処理材料10から側方へと除去されうる。
【0068】
フローデバイス32は、被処理材料10の上に、被処理材料10の幅全体にわたって、すなわち、輸送方向に対して横方向に被処理材料10の広がりを覆って伸びていてもよい。流体流33の放出については、フローデバイス32は1以上のノズル口を含んでなることができる。ノズル口は、例えば、フローデバイス32の上に被処理材料10の横幅方向に形成された一続きのスロット、複数のスロットまたは複数の穴として形成されうる。フローデバイス32は、被処理材料10の表面に対するノズル口の離間距離が、被処理材料の幅全体にわたってほぼ同じ寸法であるように設計されてよい。
【0069】
フローデバイス32は、輸送面に対して平行かつ輸送方向20に対して横方向に方向づけられた直線状のチャネル本体を含んでなることができる。チャネル本体は、別例として、輸送面に対して平行かつ輸送方向20に対して傾斜をなすように方向づけられてもよい。
【0070】
1つの実施形態では、フローデバイス32の形状は、被処理材料の横幅方向におけるフローデバイス32の中央部分が、フローデバイス32のエッジ部分よりも、ギャップを形成する保持面4に接近して配置構成されるような形状であってよい。例えば、フローデバイス32は、輸送面に垂直な方向からの平面図で(すなわち、輸送面の上方から垂直に見た場合の図3において)、保持面4によって形成されたギャップ8へと向かう凸形状を有する形状を有していてもよい。例えば、該平面図におけるフローデバイス32は、先端部が保持面4を指しているV字形状であってもよい。このように構成されたフローデバイスは、被処理材料のエッジ部に向かって処理液を効率良く運んで前記処理液を除去するために、被処理材料の一方のエッジ部の方向に速度成分を有する流体流を放出するように設計されている。
【0071】
フローデバイス32は、このように被処理材料上を流れる気体流、特に空気流を放出するように設計可能である。フローデバイス32は、気体流33の流出速度が少なくとも2m/秒、特に少なくとも10m/秒、特に少なくとも30m/秒であるように設計可能である。
【0072】
フローデバイス32は、液体流を放出することによって被処理材料上を流れるように設計されてもよい。フローデバイス32は、液体流33の流出速度が少なくとも0.1m/秒、特に少なくとも1m/秒、特に少なくとも3m/秒であるように設計可能である。
【0073】
フローデバイス32は、流体流33の流出方向が被処理材料の表面に対して平行であるかまたは傾斜をなすことができるように設計されてもよい。特に、フローデバイス32は、流体流がフローデバイス32のノズル口からギャップ8の方向に、かつ/または輸送方向に対して横方向に出して、被処理材料10の一方のエッジ部に向かって流れるように、構成されてもよい。別例として、流出方向は、被処理材料10の表面に対して垂直に方向づけられてもよい。
【0074】
フローデバイス32は、流体流33がギャップ8を通り抜けないように、すなわち、ギャップを形成している保持面4の反対側に貯留された処理液に入らないように、構成可能である。このようにして、流体流33により処理液21の中に泡が形成されることが回避または防止されうる。流体流33がギャップ8を通過するのを回避するために、例えばフローデバイス32からの流体流33の体積流量または1以上の体積流量、流出速度、および/または流出方向を適宜設定可能である。
【0075】
デバイス31は、ギャップ8とフローデバイス32の1または複数のノズル口との間の間隔または様々な間隔が、最大でも100mmおよび少なくとも10mmであるように、設計されうる。
【0076】
図3に示されるように、デバイス31は、さらなるロール3の上に形成されうる、輸送面より下方に配置構成され、さらなる保持面14をなす、さらなるロール表面をさらに含んでなることもできる。
【0077】
デバイス31の複数の改変形態はさらなる実施形態において実装されうる。例えば、図3に関連して、フローデバイス32が被処理材料10の輸送方向に関してギャップを形成する保持面4を備えたロール2の下流に配置構成されている、処理液を除去するためのデバイス31が説明されてきたが、処理液を離隔するためのデバイスは、フローデバイスが被処理材料の輸送方向においてギャップを形成する保持面の前かつ/または上流に配置構成されるように、設計されてもよい。このように形成されたデバイスは、特に、処理ステーションの流入領域において使用されうる。
【0078】
さらなる実施形態による、処理液を除去または離隔するためのデバイスでは、別例または追加として、フローデバイスから放出される流体流33により、被処理材料10の下側から液体を吹き飛ばすために、またはその他の方法で被処理材料10から液体を除去するために、輸送面より下方にフローデバイス32が提供されてもよい。
【0079】
フローデバイスが輸送面より下方に提供される場合、該フローデバイスは、フローデバイスによって生じる流体流が、輸送方向に対して平行な、ギャップを形成する保持面から離れるように方向付けられた速度成分を有するように、設計可能である。例えば、処理ステーションの流出領域に提供されるフローデバイスでは、フローデバイスによって生じる流体流は、輸送方向に方向付けられた速度成分を有することができる。
【0080】
処理液を除去するためのフローデバイスが輸送面より上方に提供される場合、輸送要素が輸送面より下方の対応する位置に提供されてもよい。同様のやり方で、処理液を除去するためのフローデバイスが輸送面より下方に提供される場合、輸送要素が輸送面より上方の対応する位置に提供されてもよい。輸送要素およびフローデバイスは、輸送面の両側に、輸送方向に関して同じ位置に配置構成されるとよい。
【0081】
輸送要素は、例えば、被処理材料の支持または輸送のうち少なくともいずれか一方を行うように設計可能である。輸送要素はロールとして構成されてもよい。ロールはオフセット保持面を有してもよいが、軸線方向にほぼ一定の直径を有してもよい。輸送要素は、複
数のホイールが提供されるホイール車軸として形成されてもよい。ホイールは被処理材料を輸送するために被処理材料と接触するように設計されうる。
【0082】
図4は、処理ステーションの流出領域41の概略側面図である。このような流出領域41は、図9の処理ステーション200において、内部容器201の、被処理材料が処理ステーションを出る側の一端に提供されうる。流出領域では、被処理材料10は、処理液21が被処理材料を被覆している処理領域42から、輸送方向20にさらに輸送される。
【0083】
流出領域41は、被処理材料10から処理液を除去するための複数のデバイス43、44および45を含んでなる。処理液を除去するためのデバイス43、44および45は、被処理材料10の輸送路に沿って並べられて、輸送方向20に互いに間隔を置いて配置される。デバイス43、44および45はそれぞれ保持面を有し、該保持面は、該保持面と該保持面に向かい合う被処理材料10の表面との間にギャップが形成されるように、輸送面に関して配置構成される。
【0084】
デバイス43、44および45は、一実施形態によって処理液を除去するためのデバイスとして形成されてもよい。1つの実施形態では、デバイス43は、被処理材料10がその間を通過するように配置構成された1対のロール51、52を含んでなることができる。デバイス43のロール51、52のうち少なくとも一方には、ギャップを形成する保持面が処理液を保持するために形成されて、被処理材料がロール51、52を通過する時に保持面と前記保持面に向かい合う被処理材料10の表面との間にギャップが形成されるようになっていてもよい。特に、ロール51、52のうち少なくとも一方は、被処理材料10を輸送するための隆起エッジ領域、およびその間に提供されたオフセット保持面を有することができる。デバイス43は、例えば、図1および2に関して記載されたデバイス1のように構成されてもよい。少なくとも、ギャップを形成する保持面が生成されるロール51,52は、ギャップの端面、すなわちロール表面が被処理材料10から最小ギャップ高をもって分離される線に沿って、ロール表面の周面速度が被処理材料10の輸送速度の向きおよび/または大きさとは異なるように駆動されている。
【0085】
デバイス44は、輸送面より上方に配置構成されたロール53およびフローデバイス54、ならびに輸送面より下方に配置構成されたロール55およびフローデバイス56を有することができる。デバイス44のロール53、55のうち少なくとも一方には、処理液を保持するためのギャップを形成する保持面が形成されて、被処理材料10がロール53、55を通過する時に保持面と前記保持面に向かい合う被処理材料の表面との間にギャップが形成されるようになっていてもよい。特に、図1および2に関して説明されるように、ロール53、55のうち少なくとも一方は、被処理材料10を輸送するための隆起エッジ領域と、該エッジ領域の間に設けられたオフセット保持面とを有することができる。フローデバイス54および56は、被処理材料10の上に残っている処理液を除去するために、被処理材料の上に流体流33が、例えば空気流が流れるようにする。この目的のために、フローデバイス54および56によって放出される流体流33は、該流体流が移動することによって被処理材料の一方のエッジ部の方向に処理液を除去するように、方向づけられてもよい。
【0086】
デバイス45は、輸送面より上方に配置構成されたロール57およびフローデバイス58、ならびに輸送面より下方に配置構成されたロール59およびフローデバイス60を有することができる。デバイス45のロール57、59のうち少なくとも一方には、処理液を保持するためのギャップを形成する保持面が形成されて、被処理材料10がロール57、59を通過する時に保持面と前記保持面に向かい合う被処理材料の表面との間にギャップが形成されるようになっていてもよい。特に、図1および2に関して説明されるように、ロール57、59のうち少なくとも一方は、被処理材料10を輸送するための隆起エッ
ジ領域と、該エッジ領域の間に設けられたオフセット保持面とを有することができる。フローデバイス58および60は、被処理材料10の上に残っている処理液を除去するために、被処理材料の上に流体流33が、例えば空気流が流れるようにする。この目的のために、フローデバイス58および60から放出される流体流33は、該流体流が移動することによって被処理材料の一方のエッジ部の方向に処理液を除去するように、方向づけられてもよい。
【0087】
ロール53,55,57,59のうち、少なくとも対応するロールと被処理材料の間のギャップを形成するロールは、被処理材料10の輸送速度とは、ギャップでの周面速度が向きおよび/または大きさの点で異なるように回転される。
【0088】
被処理材料10が連続して通り抜けるデバイス43、44および45の、ギャップを形成する保持面は、様々な設計のものであってよい。例えば、該デバイス上のギャップは次第に狭くなってもよい。例えば、デバイス43はギャップがデバイス43の保持面と向かい合う被処理材料10の表面との間に第1の最小ギャップ高を備えて形成されるように設計される一方、輸送方向に関してデバイス43の下流に配置構成されるデバイス44は、ギャップがデバイス44の保持面と向かい合う被処理材料10の表面との間に第2の最小ギャップ高を備えて形成されるように設計されてよい。したがって、デバイス44の第2の最小ギャップ高は、デバイス43の第1の最小ギャップ高より小さくてもよい、すなわち、処理ステーションの流出領域におけるギャップは、1つのデバイスから、輸送方向に関して下流に配置構成された処理液を除去するためのさらなるデバイスへ、より低い高さを有していてよい。
【0089】
処理領域42を画成するデバイス43は、ロール51の、輸送方向に関して互いに反対となる側の間に処理液の液位差74が設定されるように設計される。処理領域42では、処理液21は液位71まで貯留され、ロール51の反対側の隣接領域では、処理液は液位72まで貯留される。
【0090】
輸送方向に関してデバイス43の下流に配置構成されるデバイス44は、被処理材料10がロール53、55を通過する時に被処理材料10から処理液が除去されるように設計される。ロール53、55を通過するように被処理材料10を移動させた後もなお被処理材料上に存在する処理液73は、フローデバイス54、56によって少なくとも部分的に除去される。輸送方向に関してデバイス44の下流に配置構成されるデバイス45によって、デバイス44を通過した後もなお被処理材料10の上に存在しうる処理液のさらに一部が、被処理材料から除去されうる。
【0091】
処理液を除去するための複数のデバイスの使用によって、処理液は、ギャップが保持面と被処理材料10との間に依然として残っていても被処理材料10から確実に除去可能である。
【0092】
処理ステーションの内部容器の底部46と、輸送面より下方に配置構成されたデバイス43のロール52との間に、バリア47が提供される。バリア47により、液位71と液位72との間の液位差74がデバイス43の両側において設定されうる。この目的のために、例えば長穴、穴またはスロットの形状の開口部61がバリア47に形成される。開口部61は、バリア47を通る液体の流れを調節し、ひいては液位71と液位72との間の液位差74を調節するために、閉止させることが可能である。
【0093】
処理領域42に隣接する領域における液位72は、流出入する処理液の流れの平衡を保つことにより決定される。前記の流れ、ひいては液位72を調節することを可能にするために、バリア47とバリア48との間に1つ以上の開口部、例えば閉止可能な穴が、底部
46に提供されてもよい。バリア47に開く開口部、および底部46に開く開口部を適切に選択することにより、処理領域42に隣接する領域における所望の液位72のための基本設定が選択されうる。加えて、処理ステーションを側面にそって画成する要素の上に、例えばロール51、52、53および55を支持するために提供される軸受レシーバの上に、溢流バリアが提供されてもよい。余計に流入した分の液体は溢流バリアを介して放出可能である。
【0094】
処理領域42から流出する処理液の流れの平衡を保つために、処理液がポンプ(図示せず)によって処理領域42へ運搬されてもよい。
処理ステーションの内部容器の底部46と、輸送面より下方に配置構成されたデバイス44のロール55との間に、バリア48が提供される。バリア48は、液位を調節するための閉止可能な開口部を有する必要はない。バリア48は、処理領域から出る処理液の流れを縮小するのを支援する。
【0095】
さらなる実施形態では、流出領域41の改変形態が実装されうる。1つの実施形態では、例えば、デバイス45が省略されてもよい。従って、処理液を除去するための2つのデバイスが流出領域に提供されてもよい。輸送方向に関してこれらのデバイスの少なくとも最後にはフローデバイスを有することができる。フローデバイスは少なくとも輸送面より上方に提供されてよい。
【0096】
さらなる実施形態では、液位差を設定するための1または複数の開口部を備えたバリアを有する、液体を除去するための複数のデバイスが提供されてもよい。バリアは、いずれの場合も、バリア47に関して説明されたような設計を有することができる。1つの実施形態では、例えば流入領域または流出領域において、2つのデバイスがいずれの場合も液体を保持するための保持面を有する少なくとも1つのロールを備えて提供されてもよく、該保持面は前記保持面を過ぎて誘導される被処理材料とともにギャップを形成し、輸送面より下方のいずれのデバイスにおいてもバリア47に関して説明されたような1または複数の開口部を備えたバリアが提供されている。上記デバイスの両方から輸送方向に間隔を置いて、デバイス44に相当する設計を有するさらなるデバイスが提供されてもよい。このようにして、例えば、流入領域または流出領域において、処理領域に比べてより低い液位の処理液を備えた少なくとも2つの領域が形成されうる。
【0097】
いずれ場合の液体を除去するためのデバイス43〜45においても、ロールは輸送面より上方および下方の両方に提供されて、前記ロールを過ぎて誘導される被処理材料とともにギャップを形成するが、さらなる実施形態では、液体を除去するためのデバイスはそれぞれ、保持面が輸送面より上方に提供されたロール上にのみ提供されて、該保持面と前記ロールを過ぎて誘導される被処理材料との間にギャップを残すように、構成されてもよい。輸送面より下方に提供されるロールは、該ロールの軸線方向に一定の直径を有していてもよい。
【0098】
1つの実施形態では、フローデバイス54、56のうち一方が輸送要素に置き換えられてもよい。該輸送要素は、被処理材料を支持かつ/または輸送するために設計されていてよい。該輸送要素は、例えば、ロールまたはホイールの車軸として構成されてもよい。別例として、または追加として、フローデバイス58、60のうち一方が輸送要素に置き換えられてもよい。該輸送要素は、被処理材料を支持かつ/または輸送するために設計されていてよい。該輸送要素は、例えば、ロールまたはホイールの車軸として構成されてもよい。
【0099】
1つの実施形態では、輸送面より下方に提供されるフローデバイス56、60のうち一方は、フローデバイス56、60によって生じる流体流33が流出領域41において輸送
方向に向かう速度成分を有するように、構成されてもよい。
【0100】
図5は、処理ステーションの流出領域81の概略側面図である。そのような流出領域81は、図18の処理ステーション200の、内部容器201の一端であって被処理材料が内部容器201から出る端部に提供されてもよい。流出領域では、被処理材料10は、処理液21が被処理材料を被覆している処理領域82から、輸送方向20へとさらに輸送される。機能または設計のうち少なくともいずれか一方が流出領域41の要素またはデバイスに相当する、流出領域81の要素またはデバイスは、同じ参照数字で提示されており、改めて詳細には説明されない。
【0101】
個別の処理ステーションでは、処理領域82において比較的高い液位91を設定することが望ましい場合もある。処理領域82の液位91は、例えば、輸送面より少なくとも15mm上方に配置されてもよい。
【0102】
流出領域81には、処理液を除去または離隔するための複数のデバイス83、44および45が提供されている。デバイス83は、間を被処理材料10が通過せしめられるように配置構成されたロール84、85を含んでなる。デバイス83のロール84、85の少なくとも一方に、処理液を保持するためのギャップを形成する保持面が形成されて、被処理材料がロール84、85を通過する時に保持面と前記保持面に向かい合う被処理材料10の表面との間にギャップが形成されるようになっていてもよい。特に、ロール84、85のうち少なくとも一方は、被処理材料10を輸送するための隆起エッジ領域と、該エッジ領域の間に設けられたオフセット保持面とを有することができる。ロール84、85の対は、例えば、図1および2に関して説明されたデバイス1として構成されてもよい。ギャップ形成保持面が形成される、少なくともロール84,85は、ギャップでのロール表面の周面速度、すなわちロール表面が被処理材料10から最小のギャップ高をもって離間される線に沿った速度が被処理材料10の輸送速度と、その方向と大きさのうちの少なくとも一方において異なっている方式で駆動される。
【0103】
処理液が高い液位91まで貯留するのを可能にするために、デバイス83はロール84の上方にさらなる保持要素86を有する。このさらなる保持要素86は、貯留される液体の側壁として作用することによって、処理領域82の高い液位をともなって、処理液の貯留に寄与するように設計される。このさらなる保持要素86は、ロール84、86がかたく閉止されてロール84と86との間の液体のわずかな通過のみを可能にするかまたは液体の通過を許さないように、例えばロール84に対して補完的な様式に構成されたロールとして構成されてもよい。さらなる要素86の他の実施形態は、例えば、直立した形態であることも可能である。
【0104】
処理領域82の液位91と、該領域に対してデバイス83の反対側に隣接する領域の液位92との間の処理液の液位差97が、デバイス83によって設定かつ維持されるように、デバイス83が設計されている。輸送方向に関してデバイス83の下流に配置構成されたデバイス44は、被処理材料10がデバイス44を通過する時にこの被処理材料からさらなる処理液を除去する。被処理材料10がデバイス44のロール対を通り抜けてしまうと、液位92の代わりに、より少量の処理液93のみが被処理材料10上に見出される。デバイス44を通過した後もさらに必要であれば、輸送方向に関してデバイス44の下流に配置構成されたデバイス45が被処理材料10からさらに処理液を除去してもよい。
【0105】
液位差97を設定するために、閉止可能な開口部61がバリア47に提供される。処理領域82に隣接する領域における液位92は、流出入する処理液の流れの平衡を保つことにより決定される。これらの流れ、ひいては液位92の設定を可能にするために、1つ以上の開口部96、例えば閉止可能な穴がバリア47と48との間の底部46に提供されて
もよい。バリア47に開く開口部61、および底部46に開く開口部96の適切な選択によって、処理領域82に隣接する領域における所望の液位92の基本設定が選択可能である。加えて、処理ステーションを側面にそって画成する要素の上に、例えば、デバイス83および44のロールを支持するために提供される軸受レシーバの上に、溢流バリアが提供されてもよい。余計に流入した分の液体は溢流バリアを介して放出可能である。
【0106】
処理領域82から流出する処理液の流れの平衡を保つために、処理液の流れ95がポンプ94によって処理領域82の中に運搬される。
図4および5を参照して処理ステーションの流出領域の実施形態について記載してきたが、処理液を除去または離隔するためのデバイスは、処理ステーションの流入領域にも適宜提供されうる。特に、流入領域では、被処理材料が処理ステーション内の流入領域に供給される前に処理液が前記被処理材料の上を流れるのを防止するために、複数のデバイスが、処理液を除去または離隔するために、輸送方向に互いに間隔を置いて配置されて提供されてもよい。
【0107】
ギャップを形成する保持面の設計は、個別の応用分野に応じて適切な方法で選択可能である。
図6は、さらなる実施形態による処理液を除去または離隔するためのデバイス101の概略正面図である。
【0108】
デバイス101はロール102およびさらなるロール103を含んでなる。ロール102およびさらなるロール103は、被処理材料10がロール102とロール103との間を輸送されるように配置構成される。ロール102の周囲表面は処理液を保持するために構成された保持面104を有する。保持面104を備えたロール102は、被処理材料10がロール102を通過する時にロール102の保持面104と前記保持面に向かい合う被処理材料10の表面との間にギャップ8が残るように、構成される。ロール102の軸方向端部105は、被処理材料10がその長手方向に伸びるエッジ部において固定レールにより保持される場合に前記被処理材料を輸送するための輸送部分として作用するために、保持面104を画成するロール102の中央部分よりも小さな直径を備えて構成されている。
【0109】
さらなるロール103の周囲表面は処理液を保持するために構成されたさらなる保持面106を有する。さらなる保持面106を備えたさらなるロール103は、被処理材料10がさらなるロール103を通過する時にさらなるロール103のさらなる保持面106とこのロールに向かい合う被処理材料10の表面との間にギャップ18が残るように、設計される。さらなるロール103の軸方向端部107は、被処理材料10がその長手方向に伸びるエッジ部において固定レールにより保持される場合に、前記被処理材料を輸送するための輸送部分として作用するために、さらなる保持面106を画成するさらなるロール103の中央部分よりも小さな直径を備えて構成されている。
【0110】
被処理材料10の長手方向に伸びるエッジ部においては、被処理材料10を輸送するために被処理材料を保持する固定レール108、109が提供される。そのような固定レール108、109は、特に、低い固有剛性を有する被処理材料の輸送のために、該被処理材料に付加的な安定性を与えるために使用されうる。デバイス101のロール102およびさらなるロール103は、より小さな直径を備えた該ロールの軸方向端部105、107が、固定レール108、109に接して支持するようになるように設計される。ロール102およびさらなるロール103を回転させることによって、被処理材料10は、さらに固定レール108、109を介して輸送されうる。
【0111】
デバイス101では、ロール102、103の保持面104、106はロール102、
103の軸方向端部に提供された輸送部分に対してオフセットされて、被処理材料10が保持面104、106を通過する時に保持面104、106と前記保持面に向かい合う被処理材料10の表面との間に所望の最小ギャップ高を備えてギャップ8、18が形成されるようになっている。
【0112】
デバイス101では、ロール102、103は被処理材料10と直接接触しない。被処理材料10の輸送は、輸送部分105、107を被処理材料10が保持される固定レール108、109と連結することによって行なわれる。
【0113】
デバイス101では、片側でギャップ8を画成している、ロール102のロール表面であって、保持面104をなす表面は、被処理材料10の輸送速度よりも低い周面速度を有している。片側にギャップ18を形成している、ロール103のロール表面であって保持面106をなす表面は、被処理材料10の輸送速度よりも低い速度を有する。
【0114】
デバイス101の改変形態では、ロール102、103は、被処理材料10を輸送するために、該ロールが被処理材料10と固定レール108、109に隣接するエッジ領域において接触するように構成されてもよい。この目的のために、ロール102、103において、固定レール108、109に隣接して被処理材料と接触する隆起した輸送部分が提供されてもよい。ロール102、103はさらに、ロール102、103と固定レール108、109との間に液体を排出するためのギャップも形成されるように設計可能である。この目的のために、固定レールから液体を搾出するための、ロールの輸送部分に対して相応に凹設された凹部または溝が、ロール102、103に提供されてもよい。ロールと固定レールとの間に形成されるギャップは、1mm未満、特に0.7mm未満、特に0.5mm未満となりうる最小ギャップ高を有することができる。ロールと固定レールとの間に形成されるギャップは、少なくとも0.05mm、特に少なくとも0.07mm、特に少なくとも0.09mmとなりうる最小ギャップ高を有することができる。
【0115】
固定された被処理材料から液体を搾出するためのデバイス101は、フローデバイスをさらに含んでなることができる。フローデバイスは、図3に関して説明されたように構成されうる。フローデバイスは、特に、フローデバイスから放出された流体流も固定レールから処理液を除去するように設計可能である。
【0116】
固定レール108、109に、液体が輸送方向に対して横方向に固定レールを通過するのを可能にする貫通穴が提供されてもよい。
ロール102、103は、長手方向に伸びるエッジ部のうち少なくとも一方に提供される固定レール108、109に対し、輸送面上にありかつ輸送方向に対して横方向に方向づけられた力成分を備えた力を加えるように設計されうる。この力は、反対側の長手方向に伸びるエッジ部に提供される固定レール108、109が、輸送方向に対して横方向に被処理材料10を挟持するために離間されうるように、方向づけられてよい。この目的のために、例えば、被処理材料の少なくとも一方の長手方向に伸びるエッジ部の上の固定レール108または109のうち少なくともいずれか一方は、1つ以上の磁石、特に永久磁石を有していてもよい。輸送面より上方に提供されるロール102または輸送面より下方に提供されるロール103のうち少なくともいずれか一方は、固定レールに電磁力を与えるために、磁石または複数の磁石を有していてもよい。この力は、固定レールが被処理材料10の向かい合う長手方向に伸びるエッジ部において弾性的に離間せしめられるように方向づけられてもよい。
【0117】
図7は、処理液を除去または離隔するためのデバイス111の概略側面図である。デバイス111では、保持面は回転自在に載置されたロール上には提供されていない。一実施形態によると、デバイス111は図1〜6を参照して記載した設計を有するロールと組み
合わせた処理ステーションに与えられる。
【0118】
デバイス111は、被処理材料10を処理するためのアセンブリにおいてインサートとして使用可能な2つのほぼ立方形の要素112、113を含んでなる。インサート112は輸送面より上方に配置構成され、インサート113は輸送面より方に配置構成される。インサート112、113の表面は、処理液を保持する保持面としての役割を果たす。
【0119】
デバイス111のインサート112、113は、被処理材料10の上部表面とインサート112の前記上部表面に面している側面114との間に、被処理材料10がデバイス111を過ぎて誘導される場合にギャップ115が残るように、かつ、被処理材料10の下部表面とインサート113の前記下部表面に面している側面117との間に、被処理材料10がデバイス111を過ぎて誘導される時にギャップ118が残るように、被処理材料10の輸送路に関して配置構成される。インサート112の側面114およびインサート117の側面117は、ギャップ115および118が一定のギャップ高を備えて輸送方向に伸びるように、平らな設計を有することができる。
【0120】
デバイス111のインサート112、113は、輸送方向20とは反対側に開口している、インサート112、113上の面取り部116、119によって形成される流入領域を有する。そのような流入領域は、例えば、低い固有剛性を有する被処理材料、例えばフィルムを誘導するために使用されうる。
【0121】
インサート112、113を含んでなるデバイス111は、被処理材料10の電解処理または湿式化学処理のためのアセンブリにおいて処理液21を貯留するために使用されてもよい。インサートの第1の側(図7において左)に配置構成された、処理液21が液位121まで貯留された処理領域から、被処理材料10がインサート112、113を過ぎて誘導される場合、より少ない深さ122の処理液の層が被処理材料10の上に残る。
【0122】
インサート112、113は、デバイス111が使用されるアセンブリの構造条件に従って適切な方法で構成されうる。例えば、インサート112、113は、ギャップ115、118が輸送方向20にできる限り長いように設計されてもよい。
【0123】
インサート112、113は、電解処理または湿式化学処理のためのアセンブリにおいて回転に関して固定して載置されてもよい。アセンブリにおけるインサート112、113は、特に、輸送方向において固定される状態で取り付けられてもよい。インサート112、113は、該インサートが互いに対して鉛直方向に移動可能なように取り付けられてもよい。
【0124】
デバイス111の改変形態では、立方形のインサートが輸送面より上方に提供される一方で、輸送面より下方には被処理材料を輸送するためにロールが提供される。立方形のインサートは、例えば、デバイス111のインサート112と同じ設計を有していてよい。
【0125】
図8は、流入領域に1対のロール132、133が提供され、流出領域にさらなる対のロール134、135が提供されている、処理ステーション131の概略側面図である。流入領域のロール132は輸送面より上方に配置構成され、流入領域のロール133は被処理材料10の輸送面より下方に配置構成されている。流出領域のロール134は輸送面より上方に配置構成され、流出領域のロール135は被処理材料10の輸送面より下方に配置構成されている。該ロール対により、処理ステーション131の処理液21は液位136レベルまで貯留されている。
【0126】
ロール132〜135はそれぞれ、その軸方向端部に、被処理材料の輸送のための、隆
起部分5、15の形態の輸送部分を有する。該端部に提供される輸送部分の間に、より直径の小さい保持面4、14が形成される。図1および2に関して説明されたように、保持面4、14を形成するロール表面は、ロールを過ぎて誘導される被処理材料とともに、被処理材料の横幅方向に広がるギャップを形成する。
【0127】
輸送面より上方に提供されるロール132の輸送部分5と、該輸送部分の間に配置構成された保持面4とが同じ方向に回転するように、流入領域のロール132の異なる部分は回転自在に駆動される。輸送面より下方に提供されるロール133の輸送部分15と、該輸送部分の間に配置構成された保持面14とが同じ方向に回転するように、流入領域のロール133の異なる部分は回転自在に駆動される。輸送面より上方に提供されるロール132の輸送部分5の回転方向141は、被処理材料10を輸送方向20に輸送するために、被処理材料10との接点において輸送部分5が輸送方向20に動くように、選択される。輸送面より下方に提供されるロール133の輸送部分15の回転方向143は、被処理材料10を輸送方向20に輸送するために、被処理材料10との接点において輸送部分15が輸送方向20に動くように、選択される。輸送面より上方に提供されるロール132の保持面4は、ロール132の輸送部分5と同じ方向に回転方向142に回転されて、その結果、保持面4の、被処理材料10に直接に面する部分が、より液位の高い方向(図8においては右側)に移動するようになっている。同様に、輸送機より下方に提供されるロール133の保持面14は、輸送部分15と同じ方向に回転方向144に回転されて、その結果、保持面14の、被処理材料10に直接に面する部分が、より液位の高い方向(図8においては右側)に移動するようになっている。
【0128】
ロール132、133の適切な設計によって、十分に高い液位136が貯留されうる一方、液位の高い領域に向かって保持面4が移動することにより、ロール132、133の保持面4の上に形成されたギャップを通る液体の通過が十分に低減されうる。この目的のために、ロール132、133は、保持面4、14と該保持面に向かい合う被処理材料10の表面との間に、0.3mm未満、例えばおよそ0.1mmの最小ギャップ高を備えてギャップが形成されるように、設計されてもよい。例えば、輸送部分は、保持面に対して0.3mm未満、例えばおよそ0.1mmだけ高くなっていてもよい。
【0129】
流出領域では、ロール134、135の輸送部分5、15は回転方向145、147に向かって回転して、輸送部分5、15が被処理材料10との接点において輸送方向20に動くようになっている。
【0130】
流出領域のロール134、135を用いて流出領域に形成されたギャップを通る液体の通過を低減するために、輸送面より上方に提供されるロール134は、ロール134の保持面4がロール134の輸送部分5に対して回転されうるように、構成されてよい。同様に、輸送面より下方に提供されるロール135は、ロール135の保持面14がロール135の輸送部分15に対して回転されうるように、構成されてよい。流出領域では、輸送面より上方に提供されるロール134の保持面4は、このロール134の輸送部分5の回転方向145に対して反対方向である回転方向146に回転されうる。輸送面より下方に提供されるロール135の保持面14は、このロール135の輸送部分15の回転方向147に反対の回転方向148に回転されうる。このように、保持面4、14は、輸送面より上方に提供されるロール134の保持面4の被処理材料10に直接面する部分が、より液位の高い方向(図8では左側)に動くように、流出領域において回転してもよい。同様に、ロール135の保持面14は、ロール135の保持面14の被処理材料10に直接面する部分が、より液位の高い方向(図8では左側)に動くように、輸送部分15に反対の方向に回転されてもよい。
【0131】
保持面4としてのは役割を果たす、ロール134のロール表面は、輸送面に最も近いロ
ール表面の各点が被処理材料10の輸送方向と反対方向(図8の左側)に移動するように、回転される。この方式により、ギャップ8の上端にあるロール表面4と被処理材料10の間に相対移動が生じる。保持面5の役割を果たす、ロール135のロール表面は、輸送面に最も近いロール表面の各点が、被処理材料10の輸送方向と反対の方向(図8の左側)に移動するように回転される。この方式により、ギャップ9の下端にあるロール表面と被処理材料10の間に相対移動が生じる。
【0132】
さらに、流出領域内のロール134、135は、保持面4、14と該保持面に向かい合う被処理材料10の表面との間に0.3mm未満、例えばおよそ0.1mmの最小ギャップ高を備えてギャップが形成されるように、設計されてもよい。例えば、輸送部分は、保持面に対して0.3mm未満、例えばおよそ0.1mmだけ高くなっていてよい。
【0133】
別例または追加として、それぞれの場合に、図3に関して説明されるようにして流体流によりギャップを通って出て来る処理液を除去するために、処理ステーション131の流入領域または流出領域のうち少なくともいずれか一方に1または複数のフローデバイスが提供されてもよい。
【0134】
ロール対の適切な設計により、流入領域または流出領域のうち少なくともいずれか一方において、被処理材料の輸送の際に残るギャップを通る液体の流出を低減し、その結果として処理ステーションの流入領域または流出領域のうち少なくともいずれか一方には処理液を吹き飛ばすためのフローデバイスは提供されないようにすることが可能である。
【0135】
流入領域または流出領域のうち少なくともいずれか一方において、図4および5に関して説明されるようにして処理液を除去または離隔するための複数のデバイスがそれぞれ提供されてもよい。
【0136】
様々な実施形態によるデバイスおよび方法により、被処理材料の電解処理または湿式化学処理のためのアセンブリにおいて、固定された部材と被処理材料の有用領域との間の直接接触を低減または回避させることを可能にしながら、被処理材料から処理液を除去または離隔すること、あるいは被処理材料上の材料の交換を促進することが可能となる。
【0137】
図9は、処理ステーションの流出領域221を示す部分側面図である。ここに図示されている液体を除去するためのデバイスは、一組のロール231,232、除去装置235、フローデバイス236、および駆動装置238を備え得る。このデバイスは例えば図18に示される処理ステーションのニップロール214,215の代わりに用いることができる。
【0138】
処理ステーションは基部222を有した内部槽を有する。処理液は、処理ステーションのある領域において、基部222に相対して高さ224を有する動作時液位223を有する。動作時液位223は被処理材料10が一組のロール231,232を通って通過する前に処理液に覆われるように設定される。図4,5を参照してすでに記載したように、バリア227と一組のロール231,232を組み合わせることによって、バリア227よりも下流の処理液は被処理材料10の輸送面よりも下方の液位225までしか到達しないようにすることができる。バリア227よりも下流の処理液の高さ226はバリアの上流の高さ224よりも低い。
【0139】
ロール231,232は、いずれの場合においても被処理材料10の対向する端縁の間に連続的に延伸する有用領域から離間するように設計されている。ロール231は被処理材料の輸送面の上方に設けられている。ロール232は被処理材料の輸送面の下方に設けられている。ロール231,232のそれぞれはその周面の少なくとも一部が処理液を被
っている。ロール231,232は、被処理材料がロール231,232を超えて移動したときには被処理材料10の全体から離間するように構成されてもよい。より詳細には、ロール231,232は被処理材料10の輸送の間には協働しないように設計されてもよい。ロール231,232は円筒形のロール表面228および/または229を有することができる。ロール231のロール表面228と被処理材料10の間のギャップは被処理材料10の幅方向において両端の間に連続的に延伸している。ロール232のロール表面229と被処理材料10の間にある、さらなるギャップは、被処理材料10の幅方向において両端の間に連続的に延伸している。
【0140】
ロール231,232は駆動装置238によって回転自在に駆動される。駆動装置はモータなどのアクチュエータ、およびアクチュエータからのトルクをロール231,232に伝達するために適切な部品を備えることができる。ロール231,232のための駆動装置238は、同時に他の要素、例えば輸送ロールを駆動するための部品を備えていてもよい。好適には、駆動装置238は処理ステーションの内部に設けられ得る。少なくとも駆動装置238のモータはカプセル化されている。
【0141】
駆動装置238はロールが値v1の周面速度を有するように駆動する。ロール231のロール表面228が被処理材料10の有用領域からギャップ高をもって離間される点での線233に沿って、周面速度の速度ベクトル234は被処理材料の輸送速度vTと反対の向きを有する。ロール231と処理液の間の粘性抵抗により、ギャップを通る処理液の漏出が減少する。一般的に、処理ステーションの流入領域または流出領域において、輸送面の上方に設けられたロール231は、ギャップを画成する線上のロール表面がより高い位置へと向かう向きに移動するように駆動される。速度v1の値および/またはロール231の回転速度はロールの2つの側面の間の処理液の所望の液位差に応じて決められる。
【0142】
駆動装置238はロールがv2の値の周面速度を有するようにロール232を駆動する。ロール231,232は同一の方向に回転するように駆動される。一実施形態によると、第2のロール232の速度v2は被処理材料の輸送速度vTに対して±20%の数値である。その結果、被処理材料10が低い固有剛性を有するためにロール231,232と望ましくない接触が生じることのリスクが減少する。ロール232は周面速度v2が輸送速度vTよりも速くなるように駆動することもできる。
【0143】
一実施形態において、ロール231,232はv1=v2であるように駆動される。
駆動装置238はロール231が処理液を取り込むように駆動することもできる。取り込む処理液の量は、ロール231の表面特性、特に表面粗さ、回転速度、およびロール231の直径によって異なる。
【0144】
除去装置235は取り込まれた処理液をロール231から取り除く。除去装置235は例えばロール231の軸と平行に延伸するストリップとして形成され得る。除去装置235はロール231に取り込まれた多様な処理液のロール231の軸方向での釣り合いをとるように構成されることができる。例えば、ロール231の軸方向で除去装置235をロール表面228から均一な距離をもって配置することができる。除去装置235は、ロール231から処理液を完全に取り除かないことにより、ロール231の回転によってロール231の周りに処理液の膜が、所定の厚さで形成されるように構成することができる。除去装置235は、ロール231の周りの処理液の膜がロール231と被処理材料10の間のギャップの有効な断面積を減少させることで処理液の漏出を防ぐように構成することができる。
【0145】
除去装置235によって取り除かれる処理液の量を調節するために、除去装置235はロール231に相対して調節可能には位置され得る。この方式により、取り除かれる処理
液の量が、例えば所定の液位223など条件に応じて設定することができる。
【0146】
フローデバイス236は被処理材料10に、例えば空気などの流体237を流出する。被処理材料10がロール231,232の間を通過した後の処理液は依然として被処理材料10の上にあるので取り除いてもよい。フローデバイスは図3〜5を参照して開示したように構成されてもよい。
【0147】
図10は、処理液を除去するための装置を備えた処理ステーションの流出領域241を示す部分断面図である。処理液を除去するための装置はロール231,232、除去装置235、および駆動装置248からなる。この装置は図18の処理ステーション200のニップロール204および/または214の代わりに用いることができる。図9を参照して記載した流出領域221の要素および/装置と設計または機能が対応する要素/および装置は図9と同一の参照符号で示している。
【0148】
駆動装置248はロール232をロール231と反対の方向に駆動するように設計されている。ロール232の表面は値v2の周面速度を有する。被処理材料10と最小のギャップをもって離間されるロール232の線に沿って、周面速度は被処理材料の輸送速度と反対の方向を向いている。ロール232と処理液の間の粘性抵抗により、ロール232と被処理材料の間のギャップを通過する処理液の漏出は減少することができる。より詳細には、十分な固有剛性を有する被処理材料10について、例えば高い固有剛性を有する回路基板について、ロールv1、v2は図10に示されたものとは反対の方向に回転することができる。
【0149】
ロール232の周面速度の値v2は、例えばロール232と被処理材料10の間のギャップを通していかなる液体の流れが許容されるかに応じて選択することができる。より大きな値v2の周面速度によって、一定の単位時間で漏出する処理液の量は減少することができる。一実施形態において、ロール231,232はv1=v2であるように駆動される。
【0150】
図9,10を参照して一組のロールを有する装置に関する記載をしてきたが、さらなる実施形態では図9,10のような処理ステーションの流出領域において複数の組のロールを用いることもできる。例えば、図4,5を参照して記載したような複数の組のロールが、輸送方向において互いに離間するように設けることができる。この方式により、カスケード状の一連の液位を達成することができる。この代替手段として、あるいは追加の手段として、一組のロールから離隔した装置に固定要素を組み合わせてもよい。
【0151】
図9,10を参照して一組のロールを有する装置を記載したが、さらなる実施形態において、1つのロール、例えば輸送面よりも下方に設けられるロール232の代わりに固定要素が用いられてもよい。さらなる実施形態において、ロール231,232の両方が被処理材料から離間されていなくてもよい。ロールに対面する被処理材料の片面が接触に対して傷を受けやすい場合には上記の実施形態のように離間させる。
【0152】
実施形態の記載において、処理ステーションの内部領域にある流入領域および/または流出領域での処理液の除去または減少のための装置の使用について記載したが、これらの装置は処理ステーションの流入領域および/または流出領域から離隔した状態で、例えば材料の交換を促進するための液体の除去のために用いることができ、それらは図11〜17を参照してより詳細に記載される。図11〜17をを参照してより詳細に記載される装置において、被処理材料の平面状の表面のみならず、好適にはブラインドホールまたはスルーホールをも処理することができる。図11〜17をを参照して記載される装置は、フローノズルと組み合わせて、あるいはフローノズルの代わりに処理ステーションで用いら
れる。フローノズルの代わりに上記の装置を用いる場合には、適切な手段によって処理液は処理ステーションの内部領域に運ばれる。
【0153】
図11は処理ステーションの処理領域部251を示す部分断面図である。処理領域部251は一組のロール261,262、除去装置265、および駆動装置268を有する。これらの要素は被処理材料の表面での材料交換を促進するために用いられ、例えば、図18の処理ステーション200のフローノズル206,207の代わりに用いられる。
【0154】
処理ステーションは基部252を有する内部槽を有する。処理液は処理ステーションの一定の領域において高さ254の動作時液位253を有する。動作時液位253は被処理材料10がロール261,262の近傍を処理液で覆うように設定される。
【0155】
ロール261,262はいかなる場合においても被処理材料10の有用領域からり患しているように設計される。有用領域は対向する両端の間に伸びている。ロール261は被処理材料の輸送面の上方に取り付けられている。ロール262は被処理材料の輸送面の下方に取り付けられている。処理液は輸送方向においてロール261の対向する側面に接触し、動作時液位253まで挙げられる。ロール262は液位253よりも完全に下方にある。
【0156】
ロール261,262は、被処理材料10がロール261,262の間を通過するときには被処理材料10の全体から離間しているように設計されてもよい。より詳細には、ロール261,262は被処理材料10の輸送の間には協働することがないように設計されることができる。ロール261,262は円筒形の周面258,259を有する。ロール261と被処理材料10の間の、ギャップ高9のギャップ8は、被処理材料10の幅方向において両端の間に連続して延伸している。ロール262と被処理材料10の間のさらなるギャップは、被処理材料10の幅方向において両端の間に連続して延伸している。
ロール261,262はは駆動装置268によって回転自在に駆動される。駆動装置はモータなどのアクチュエータ、およびアクチュエータからのトルクをロール261,262に伝達するために適切な部品を備えることができる。ロール261,262のための駆動装置268は、同時に他の要素、例えば輸送ロールを駆動するための部品を備えていてもよい。
駆動装置268はロール表面258が値v1の周面速度を有するようにロール261を駆動する。ロール261のロール表面22と被処理材料10の間に形成されるギャップの限界を現す点での線263に沿って、周面速度の速度ベクトル264は被処理材料の輸送速度vTと反対の向きを有する。ロール261のロール表面と被処理材料10はギャップ8の両端において一定の相対速度をもって移動する。被処理材料10のロール261に対向する表面での材料の交換は、これにより有効に促進される。駆動装置238はロールの周面速度の値がv2であるようにロール262を駆動する。
ロール261,262は同一の方向に回転するように駆動装置268によって駆動される。より詳細には、輸送面よりも下方に配置されるロール262は、被処理材料10からギャップ高をもって離間されるロール262の線に沿ったロール表面が被処理材料10の輸送速度vTの方向に移動する。
除去装置265は処理液をロール261から取り除くために設けられる。除去装置265とロール261の間の距離は調節可能である。この方式により除去装置265によって取り除かれる処理液の量が設定される。除去装置265の設計および動作のモードは除去装置235に関連して開示されている設計及び動作のモードに対応する。より詳細には、除去装置は、ロール261が処理液の膜に完全に囲まれているように設定することができる。
図12は、処理ステーションの処理領域部271の部分断面図である。処理領域部271は一組のロール261,262、除去装置265、および駆動装置278を有する。これ
らの要素は被処理材料の表面での材料交換を促進するために用いられ、例えば、図18の処理ステーション200のフローノズル206,207の代わりに用いられる。図11を参照して記載した処理領域部251の要素および/装置と設計または機能が対応する要素/および装置は図11と同一の参照符号で示している。
【0157】
駆動装置278はロール261,262が同一の方向に回転するようにこれらを駆動する。ロール261が被処理材料10の有用領域からギャップ高9を持って離間される線263に沿って、ロール261のロール表面は速度274で移動し、その向きは被処理材料10の輸送の方向と同一である。周面速度v1の大きさは輸送速度vTの大きさと異なるように設定することができる。ロール262が被処理材料10の有用領域からギャップ高を持って離間される線275に沿って、ロール262のロール表面は被処理材料10の輸送方向とは反対を向いている。このことによりロール262のロール表面と被処理材料10の間にはギャップの場所で相対速度を生じる。
【0158】
さらなる実施形態において、図13,14を引用して下記に記載されるように、駆動装置は、輸送面よりも上方に設けられたロール261と輸送面よりも下方に設けられたロール262が反対の方向に回転するように設計されてもよい。
【0159】
図13は、処理ステーションの処理領域部281の部分断面図である。処理領域部281は一組のロール261,262、除去装置265、および駆動装置288を有する。これらの要素は被処理材料の表面での材料交換を促進するために用いられ、例えば、図18の処理ステーション200のフローノズル206,207の代わりに用いられる。図11,12を参照して記載した処理領域部251または処理領域部271の要素および/装置と設計または機能が対応する要素/および装置は図11,12と同一の参照符号で示している。
【0160】
駆動装置288はロール261,263を反対の方向に駆動する。ロール261が被処理材料10の有用領域とギャップ高9をもって離間される線263に沿って、ロール261のロール表面は被処理材料10の輸送速度とは反対を向く速度284で移動している。ロール262が被処理材料10の有用領域とギャップ高をもって離間される線265に沿って、ロール262のロール表面は被処理材料10の輸送速度とは反対を向く速度286で移動している。その結果、被処理領域10とロール261の間にあるギャップと、被処理材料10とロール262の間にあるさらなるギャップとの両方において、それぞれギャップを画成する場所で被処理材料とロール261または262の間に相対速度を生じる。被処理材料の両面において、材料の交換が有効に促進される。
【0161】
図14は、処理ステーションの処理領域部291の部分断面図である。処理領域部291は一組のロール261,262、除去装置265、および駆動装置298を有する。これらの要素は被処理材料の表面での材料交換を促進するために用いられ、例えば、図18の処理ステーション200のフローノズル206,207の代わりに用いられる。図11,12を参照して記載した処理領域部251または処理領域部271の要素および/装置と設計または機能が対応する要素/および装置は図11,12と同一の参照符号で示している。
【0162】
駆動装置298はロール261,262を反対の方向に駆動する。ロール261が被処理材料10の有用領域とギャップ高9をもって離間される線263に沿って、ロール261のロール表面は被処理材料10の輸送速度と同一の方向を向く速度294で移動している。ロール262が被処理材料10の有用領域とギャップ高をもって離間される線275に沿って、ロール262のロール表面は被処理材料10の輸送速度と同一方向の速度296で移動している。
【0163】
速度294の値はロール261の周面速度v1に対応する。速度296の値はロール262の周面速度v2に対応する。周面速度v1、v2のうちの少なくとも一方は被処理材料10の輸送速度vTと異なっている。その結果、対応するロールと被処理材料の間に相対速度が生じる。
【0164】
さらなる実施形態において、1つのロールのみが処理部材として提供されてもよい。このロールは輸送面よりも上方にあっても、下方にあってもよい。輸送面について反対側の対向するロールを有しない、ロールの形態をなす処理部材はスルーホールやブラインドホールの処理のために用いられることができる。
【0165】
図15は、処理ステーションの処理領域部301の部分断面図である。処理領域部301はロール302、除去装置265、および駆動装置308を有する。これらの要素は被処理材料の表面での材料交換を促進するために用いられ、例えば、図18の処理ステーション200のフローノズル206,207の代わりに用いられる。図11,12を参照して記載した処理領域部251または処理領域部271の要素および/装置と設計または機能が対応する要素/および装置は図11,12と同一の参照符号で示している。
【0166】
ロール302は輸送面よりも上方に設けられ被処理材料10とロール302の間において、被処理材料10の有用領域の全体にわたってギャップが延伸している。処理液はロール302の両側に接触し動作時液位253まで到達する。駆動装置308はロール302を回転自在に駆動する。ロール302が被処理材料10の有用領域とギャップ高9をもって離間される線303に沿って、ロール302のロール表面は被処理材料10の輸送速度と同一の方向を向く速度304で移動している。速度304の値はロール302の周面速度v1に対応する。周面速度v1は被処理材料10の輸送速度vTと異なっている。その結果、ギャップ8において、ロール302と被処理材料の間に相対速度が生じる。
【0167】
図16は、処理ステーションの処理領域部311の部分断面図である。処理領域部311はロール312、および駆動装置318を有する。これらの要素は被処理材料の表面での材料交換を促進するために用いられ、例えば、図18の処理ステーション200のフローノズル206,207の代わりに用いられる。図11,12を参照して記載した処理領域部251または処理領域部271の要素および/装置と設計または機能が対応する要素/および装置は図11,12と同一の参照符号で示している。
【0168】
ロール312は輸送面よりも下方に設けられ被処理材料10とロール302の間において、被処理材料10の有用領域の全体にわたってギャップが延伸している。ロール312は完全に処理液に囲まれている。駆動装置318はロール312を回転自在に駆動する。ロール312が被処理材料10の有用領域とギャップ高19をもって離間される線313に沿って、ロール312のロール表面は被処理材料10の輸送速度と同一の方向を向く速度314で移動している。速度314の値はロール312の周面速度v2に対応する。周面速度v2は被処理材料10の輸送速度vTと異なっている。その結果、ギャップ18の両端において、ロール312と被処理材料の間に相対速度が生じる。
【0169】
さらなる実施形態において、処理部301のロール302または処理部311のロール312は、線303/313に沿うロール302/312の回転速度が被処理材料10の輸送速度と反対を向く速度ベクトルを有していてもよい。このような設計では高い固有剛性を有する被処理材料を用いることができる。
【0170】
さらなる実施形態において、処理部材として輸送方向においてオフセットになっている一組のロールを設けてもよい。このような処理部材は、スルーホールの処理に用いること
ができる。
【0171】
図17は、処理ステーションの処理領域部321の部分断面図である。処理領域部321は一組のロール261,262、除去装置265、および駆動装置328を有する。これらの要素は被処理材料の表面での材料交換を促進するために用いられ、例えば、図18の処理ステーション200のフローノズル206,207の代わりに用いられる。図11,12を参照して記載した処理領域部251または処理領域部271の要素および/装置と設計または機能が対応する要素/および装置は図11,12と同一の参照符号で示している。
【0172】
ロール261は輸送面よりも上方に設けられ、ロール262は輸送面よりも下方に設けられ、輸送方向において互いにオフセットになっている。ロールの配置が輸送面に対して鏡面対象になっていないため、スルーホールを容易に処理することができる。
駆動装置328はロール261,262を反対の方向に駆動する。ロール261が被処理材料10の有用領域とギャップ高9をもって離間される線263に沿って、ロール261のロール表面は被処理材料10の輸送速度と同一の方向を向く速度324で移動している。ロール262が被処理材料10の有用領域とギャップ高をもって離間される線275に沿って、ロール262のロール表面は被処理材料10の輸送速度と同一方向の速度326で移動している。
【0173】
速度324の値はロール261の周面速度v1に対応する。速度326の値はロール262の周面速度v2に対応する。周面速度v1、v2のうちの少なくとも一方は被処理材料10の輸送速度vTと異なっている。その結果、対応するロールと被処理材料の間に相対速度が生じる。
【0174】
図面を参照して記載してきた装置において、ロールと被処理材料の間の相対速度は0.1〜20m/s、好適には0.2〜10m/s、より好適には0.5〜5m/sである。
図11〜14,17を参照して記載してきたように、輸送面に対して対向するように設けられた一組のロールは連続処理アセンブリの処理ステーションにおける処理部材として用いることができる。これらの実施形態において、2つのロールは同一の方向に回転するように駆動されることができる。このような場合、特に輸送面の下方に設けられたロールは、ギャップ高をもって被処理材料の有用領域から離間されている線に沿う周面速度は輸送方向に沿っている。さらなる実施態様において、2つのロールは反対の向きに回転するように駆動されてもよい。駆動装置は、ロールが同一方向に回転するようにも、反対方向に回転するようにも設計され得る。
【0175】
図11〜14,17を参照して記載したのとは異なる実施形態において、輸送面よりも上方に設けられたロールの周面速度v1と下方に設けられたロールの周面速度v2は等しいものであってもよい。さらなる実施形態において、v1>v2、さらにはv1>>v2、あるいはv1<v2、v1<<v2であってもよい。v2は被処理材料の輸送速度vTから±20%であることが可能である。
【0176】
図9〜17を参照して記載してきた多様な装置において、ロールの周面は円筒形であってよい。表面は開口を有しない円筒形にすることができる。好適には、処理液を透過しない表面であってよい。ロールの表面は好適には円筒形であり被処理材料の有用領域の全体にわたって延伸することによって、両端の領域の間に連続的にギャップが形成される。さらなる実施形態において、複数のロール形状の部分要素が組み合わされて、有用領域にわたるギャップを部分的に形成してもよい。
【0177】
図面に示され、かつ詳細に記載された実施形態の数多くの改変形態は、さらなる実施形態において実装されてもよい。
図11〜17を参照して、ロールの近傍で輸送面よりも上方に除去装置が設けられる装置が記載され、さらなる実施形態では輸送面の下方にロール近傍に固定要素が設けられる。固定要素は、例えば、ストリップの形態であってもよい。ストリップはロール近傍の流れの場に影響を与える。ストリップはロールに相対して調節可能である。
【0178】
上記のすべての実施形態において1つ以上のロールは電解処理の電極として設計されることが可能である。より詳細には、内部陽極として形成されることができる。
上記のすべての実施形態において、ロールは処理の許容範囲でなめらかな表面を有していてもよい。さらなる実施形態において、ロールの表面はテクスチャ加工されていてもよい。
【0179】
上記のすべての実施形態において、ロールはロールの軸が輸送速度から90°ずれている角度に配置されてもよい。
様々な実施形態において、被処理材料に対して横方向にほぼ同じ高さで被処理材料の横幅方向に伸びる保持面が記載されてきたが、ギャップを形成する保持面は、ギャップの断面、特にギャップ高が被処理材料の横幅方向に変化するように構成されてもよい。例えば、被処理材料の横幅方向における保持面は、被処理材料の横幅方向における位置に依存して形成されるギャップがエッジ部よりも被処理材料の中央においてより高くなるように、凹面であってもよい。
【0180】
様々な実施形態が、特に、被処理材料が連続的に水平の輸送面において輸送される処理アセンブリにおいて使用されうる一方、被処理材料が鉛直の輸送面において輸送されるアセンブリにおいても実施形態が使用されうる。例えば、被処理材料が鉛直の輸送面において輸送される場合にも、ギャップを形成する保持面およびフローデバイスの組み合わせを液体の貯留のために使用可能である。1つ以上のロール、軸が垂直方向に向いているものは、被処理材料が垂直輸送面において輸送されるときには、処理部材として用いることができる。
【0181】
実施形態において、被処理材料の有用領域全体から離間するロールの、処理ステーションの流入領域または流出領域での使用が記載されてきたが、さらなる実施形態では処理ステーションは、少なくとも1つの回転自在のロールと処理部材を、図11〜17を参照して記載したように有していてもよく、図1〜10を参照して記載したように、流入領域または流出領域で少なくとも1つの回転自在のロールを有するものであってもよい。
【0182】
様々な実施形態によるデバイスおよび方法は、例えば、プリント回路基板のような回路基板の製造において使用可能であるが、その使用はこれに限定はされない。
【符号の説明】
【0183】
1…処理液を除去するためのデバイス、2…ロール、3…さらなるロール、4…保持面、5,6…隆起エッジ部分、7…シャフト、8…ギャップ、9…最小ギャップ高、10…被処理材料、11…有用領域、12…エッジ領域、14…さらなる保持面、15,16…隆起エッジ部分、17…シャフト、18…さらなるギャップ、19…最小ギャップ高、20…輸送方向、21…処理液、22…液位、23…処理液、24…液位、25,26…回転方向、31…処理液を除去するためのデバイス、32…フローデバイス、33…流体流、34…処理液、41…流出領域、42…処理領域、43,44,45…処理液を除去するためのデバイス、46…底部、47,48…バリア、51,52…ロール、53,55…ロール、54,56…フローデバイス、57,59…ロール、58,60…フローデバイス、61…開口部、71,72…液位、73…処理液、74…液位差、81…流出領域、
82…処理領域、83…処理液を除去するためのデバイス、84〜86…ロール、91,92…液位、93…処理液、94…ポンプ、95…液体流、96…開口部、97…液位差、101…処理液を除去するためのデバイス、102…ロール、103…さらなるロール、104…保持面、105…凹設されたエッジ部分、106…さらなる保持面、107…凹設されたエッジ部分、108,109…固定レール、111…処理液を除去するためのデバイス、112,113…インサート、114,117…側面、115,118…ギャップ、116,119…面取り部、131…処理ステーション、132〜135…ロール、136…液位、141〜148…回転方向、200…処理ステーション、201…内部容器、202…外部容器、203…被処理材料、204…輸送方向、206,207…フローノズル、208…処理液、209…外部容器内の液位、210…ポンプ、211,212,214,216…輸送ロール対、213,215…ニップロール対、221…流出領域、222…基部、223,225…液位、224,226…高さ、227…バリア、228,229…ロール表面、231,232…ロール、233…ロール表面上の線、234…速度、235…除去装置、236…フローデバイス、237…流体のフロー、238…駆動装置、241…流出領域、248…駆動装置、251…処理領域部、252…基部、253…動作時液位、253…高さ、258,259…ロール表面、261,262…ロール、263…ロール表面上の線、264…速度、265…除去装置、266…距離、268…駆動装置、271…処理領域部、274…速度、275…ロール表面上の線、276…速度、278…駆動装置、281…処理領域部、284,286…速度、288…駆動装置、291…処理領域部、294,296…速度、298…駆動装置、301…処理領域部、302…ロール、303…ロール表面上の線、304…速度、308…駆動装置、311…処理領域部、312…ロール、313…ロール表面上の線、314…速度、318…駆動装置、321…処理領域部、324,326…速度、328…駆動装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面的な被処理材料を処理するための方法、処理ステーションおよびアセンブリに関する。特に、本発明は、1または複数の易損性表面を有する被処理材料の処理を可能にするような方法、処理ステーション、およびアセンブリに関する。本発明はさらに、被処理材料の有用領域と固定要素との間の接触が減少され得るような方法、処理ステーション、およびアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
平面的な被処理材料、例えば回路基板産業における回路基板を加工する場合、被処理材料は湿式化学プロセスのラインで処理されることが多い。プロセス薬品またはプロセス水のような処理液を除去するために、いわゆるニップロールが使用される場合がある。そのようなロールは、例えば、特許文献1に開示されるように、処理ステーションにおいて浸漬処理用の処理液を貯留するために使用されてもよい。基板表面上の素材の交換を促進すべく、被処理材料の表面に液体を流すためのノズルが用いられてもよい。
【0003】
図18は、処理液の液位が被処理材料203の輸送面より高く、その結果被処理材料203が浸漬状態で輸送されうるようになっている、処理ステーション200の概略図である。被処理材料203は処理ステーションを通って水平輸送方向204に輸送される。被処理材料を輸送するためにロール対211〜216が提供され、該ロール対は、前記被処理材料を輸送するために、被処理材料203の上方または下方のうち少なくともいずれか一方を向いている表面に接して支持するようになっている。処理液の漏れを回避するために内部容器201が設けられ、該容器内で処理液が上方液位まで貯留される(図示せず)。内部容器201は外部容器202によって包囲され、外部容器202が内部容器201から溢流する処理液を回収するようになっている。外部容器202に回収された、外部容器内で液位209を有する処理液208から、該処理液はポンプ210によって内部容器201に戻るように送り込まれる。処理液は、フローノズル206、207、あるいはさらなる処理部材を介して放出されて内部容器201に戻ることができる。
【0004】
内部容器201に処理液を貯留するために、いわゆるニップロールの対213、215が内部容器201の流入領域および流出領域において使用される。ニップロール対213、215は、例えば、円筒状の周囲表面を有していてよい。対213のニップロール213a、213bおよびロール対215のニップロールが被処理材料203に接して支持する場合、処理液が通り抜けて内部容器201から漏出する可能性のある解放断面は限られている。ポンプ210の送達速度を相応に調節することによって、内部容器201の中の処理液の所望の液位が設定されうる。処理ステーションの流入領域または流出領域のロール対211、212、214および216のような追加のロール対も、ニップロールとしての役割を果たすことができる。
【0005】
しかしながら、被処理材料203が1以上の易損性表面を有する場合、従来型ニップロールの幅全体にわたる、すなわち、被処理材料203の輸送方向204に対して横方向に全体に広がる、ニップロール対213、215と被処理材料203との間の直接接触は、被処理材料203の表面に損傷を与える可能性がある。被処理材料203の表面への損傷は、例えば、表面圧またはニップロール213、215の表面に付着している粒子状物質および表面の凹凸によって、引き起こされる可能性がある。さらに、フローノズル206,207の領域では、例えば処理ステーションの流出の条件によっては被処理材料203の望ましくない撓曲を生じることがある。撓曲によって、被処理材料203が処理ステー
ションの他の部材と接触することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】ドイツ連邦共和国公開特許第43 37 988 A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、平面的な被処理材料を処理するための方法、処理ステーションおよびアセンブリであって、被処理材料の易損性表面を損傷するリスクが低減されうる方法およびアセンブリならびにデバイスを提供することである。本発明の目的はさらに、回路基板を製造する方法であって、回路基板の易損性表面領域を損傷するリスクが低減されうる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、この目的は、独立請求項に示されるような、平面的な被処理材料を処理するための方法、処理ステーションおよびアセンブリによって達成される。従属請求項は、本発明の好適かつ有利な実施形態を定義する。
【0009】
一実施形態によると、被処理材料を電解処理または湿式化学処理するためのアセンブリ内を通って輸送される、平面的な被処理材料を処理する方法が提供される。被処理材料はアセンブリの処理ステーション内で処理液に晒され、この処理液は被処理材料を覆う。処理ステーションにおいて、ロール表面を備えたロールは、該ロール表面が少なくとも被処理ステーションの両端の領域の間に連続して延伸する被処理材料の有用領域から離隔するように配置されることによって、ロール表面と被処理材料の有用領域との間に間隙、即ちギャップが保持される。
【0010】
ロール表面は少なくともその一部が処理液の中にあるように配置される。ロールはギャップにおいてロール表面と被処理材料の表面との間で相対速度が生成されるように回転自在に駆動される。
【0011】
この方法によると被処理材料の表面に対する損傷といったリスクが減少する。なぜならロールと被処理材料の有用領域との間にギャップが設けられるからである。一実施形態によると、ロールは被処理材料の表面全体から離隔されていてもよい。ギャップを挟んで対向する2つの面の間の相対速度により、被処理材料の表面での材料の交換は促進され、あるいはギャップを通じた処理液の漏出が減少される。
【0012】
ロール表面と被処理材料の有用領域との間に設けられるギャップはアセンブリの部材配置によって定められてもよいが、被処理材料が低い固有剛性を有するなどによる力学的バランスから生じるものであってもよい。
【0013】
被処理材料の表面から一定のギャップ高をもって離隔されるロール表面の部分は、被処理材料の輸送速度とは向きと大きさが異なる速度で移動される。
ロールは、ギャップを画成しているロール表面の部分が被処理材料の輸送の方向と反対の方向に移動するように駆動される。その結果、ロールを高速で回転する必要なくギャップでは相対速度がかかることになる。
【0014】
ロールは好適には回転軸が被処理材料の輸送面と平行になるように配備される。
ロールは、ロール表面の周面での速度の値が被処理材料の輸送速度の値とは異なるように、特定の実施形態では輸送速度の値よりも大きな値となるように、駆動される。この場
合、被処理材料の表面からギャップ高をもって離隔されるロール表面の部分は被処理材料の輸送の方向に移動され得る。
【0015】
処理液は除去装置を用いてロールから取り除かれ得る。除去装置は、ロールから取り除かれるべき一定量の処理液を設定することができるように調節される。この方式により、ロールで生じる材料の交換の度合いおよび/またはギャップを通る液体の漏出が減少される度合いを制御することができる。
【0016】
除去装置はロール表面からの距離が一定となるように配備されうる。その結果、ロールの軸方向に置いて均一な効果を達成することができる。除去装置とロール表面の間隔は調節可能である。例えば、除去装置はロールの軸方向に平行に延びるストリップであり、ロール表面から多様な距離をもって配置することができるように構成されることができる。
【0017】
ロールは処理ステーションの処理部材として与えられてもよい。これによりロールをフローノズルの代わりに設けることが可能となる。ロールを処理部材として用いることによって、小型の処理ステーションを生産することができる。したがって、コスト削減が達成される。また、被処理材料に加わる力が減少する。エネルギーのコストも減少する。さらに、処理浴の保持が達成される。
【0018】
ロールが処理部材として用いられる場合には、ロール表面と被処理材料の有用領域との間の最小ギャップ高は1mm未満、好適には0.7mm未満、さらには0.5mm未満であってもよい。最小ギャップ高は少なくとも0.05mm、好適には0.07mm、より好適には0.09mmであることが可能である。最小ギャップ高は上記の制限値よりも大きくてもよいが、10.0mmよりは小さい必要がある。
【0019】
ロールはロール表面と被処理材料の間の相対速度を用いることによって、被処理材料表面での材料の交換が増加するように配置される。より詳細には、ロールはロールの回転によって表面および/または被処理材料の凹部の処理液に一定の効果が生じるように配置され得る。
【0020】
輸送の方向でのロールの対向する両面で、処理液をロールに接触させ、処理ステーションの駆動レベルまで上げられる。ロールは処理ステーションの駆動レベルを完全に下回るように配置されることも可能である。このことはロールを処理ステーションの、流入領域および流出領域から離隔された一部分の処理部材として用いることを可能にする。
【0021】
ロールは処理ステーションの流入領域または流出領域に設けられることも可能である。例えば、ロールは処理ステーションの内部容器の端縁近傍に設けられ得る。この場合、ロール表面は処理液を保持するための保持面をなす。ギャップを通した処理液の漏出はギャップにおける相対移動によって減少される。
【0022】
ロール表面が保持面の役割を果たす場合には、ロール表面と被処理材料の有用領域との間の最小ギャップ高は1mm未満、好適には0.7mm未満、より好適には0.5mm未満であってもよい。最小ギャップ高は少なくとも0.05mm、好適には0.07mm、より好適には0.09mmであり得る。
【0023】
さらなるギャップが被処理材料の有用領域とさらなるロール表面との間にさらなるギャップが保持されるように、さらなるロール表面を有するさらなるロールが配置されてもよい。ロールと、さらなるロールとは被処理材料の輸送面の対向する側面に配備されることが可能である。例えば、ロールと、さらなるロールとは、これらの軸が輸送の方向と同一の位置に設けられるように配置されることが可能である。さらに異なる実施形態に置いて
、ロールとさらなるロールのそれぞれの軸は、輸送の方向において互いに離間するように配置される。さらなるロールを設けることによって、被処理材料の処理は、さらに向上し、および/または処理液の漏出がさらに減少する。
【0024】
さらなるギャップの端縁をなす、さらなるロール表面の部分の速度が輸送の方向を向くように、さらなるロールは回転自在に駆動される。さらなるロールの周面での速度の値は輸送速度±20%に等しくすることができる。その結果、低い固有剛性を有している被処理材料の輸送は好適に影響を与えることができる。
【0025】
ロールとさらなるロールとが同一方向に回転するように、さらなるロールを回転自在に駆動することができる。
さらに異なる実施形態によると、被処理材料の電解処理または湿式化学処理のためのアセンブリとして、平面状の被処理材料を処理するための処理ステーションが提供される。駆動の間に処理液が被処理材料を被覆するように処理ステーションは設計される。処理ステーションはロールを備え、ロール表面を備えたロールは、該ロール表面が少なくとも被処理ステーションの両端の領域の間に連続して延伸する被処理材料の有用領域から離隔するように配置されることによって、ロール表面と被処理材料の有用領域との間に間隙、即ちギャップが保持される。ロールはさらに、ロール表面が少なくとも一部において処理液の中にあるように配置される。駆動装置は、ギャップにおいてロール表面と被処理材料の間に相対速度が生成されるようにロールを回転自在に駆動する。
【0026】
ロールと被処理材料の有用領域との間にギャップが設けられることにより、上記の処理ステーションでは被処理材料の表面に対する損傷といったリスクが減少する。一実施形態によると、ロールは被処理材料の表面全体から離隔されていてもよい。ギャップを挟んで対向する2つの面の間の相対速度により、被処理材料の表面での材料の交換は促進され、あるいはギャップを通じた処理液の漏出が減少される。
【0027】
ギャップを画成しているロール表面の部分が被処理材料の輸送の方向と反対の方向に移動するようにロールを駆動するように駆動装置を設計することができる。
駆動装置は、ロール表面の周面での速度の値が被処理材料の輸送速度の絶対値とは異なるように、特定の実施形態では輸送速度の絶対値よりも大きな値となるように、ロールを駆動すべく設計されて得る。
【0028】
ロールは好適には回転軸が被処理材料の輸送面と平行になるように配備される。
処理ステーションは除去装置を備えていてもよく、除去装置は好適にはロールから処理液を取り除くためにロールに対して調節可能に設けられ得る。
【0029】
ロールは処理ステーションの処理部材として与えられてもよい。輸送の方向でのロールの対向する両面で、処理液をロールに接触させ、処理ステーションの駆動レベルまで上げられ、またはロールは処理ステーションの駆動レベルを完全に下回るように配置されることも可能である。
【0030】
ロールは処理ステーションの流入領域または流出領域に設けられることも可能であり、ロール表面は処理液を保持するための保持面をなす。例えば、ロールは処理ステーションの内部容器の端縁近傍に設けられ得る。
【0031】
さらなるギャップが被処理材料の有用領域とさらなるロール表面との間にさらなるギャップが保持されるように、処理ステーションは、さらなるロール表面を有するさらなるロールを備えていてもよい。ロールと、さらなるロールとは被処理材料の輸送面の対向する側面に配備されることが可能である。
【0032】
駆動装置は、さらなるロール表面のうち、さらなるギャップの端縁をなす部分が輸送の方向に回転するように、さらなるロールを回転自在に駆動すべく設計することが可能である。さらなるロールの周面での速度は輸送速度と等しくあってもよい。
【0033】
駆動装置は、さらなるロールとロールとが同一の方向に回転するように、さらなるロールを回転自在に駆動すべく設計されていてもよい。
処理ステーションは、開示された実施形態又は実施例に従う方法を実施するために設計されることが可能である。
【0034】
処理ステーションはさらに、輸送ロールまたは輸送ローラとして構成されているもの等、被処理材料の輸送のための複数の輸送要素を備えていてもよい。
処理ステーションの実施形態の効果は、対応する方法の実施形態の効果に対応する。
【0035】
さらなる実施形態によると、平面状の被処理材料を処理するためのアセンブリが与えられ、このアセンブリは実施形態または実施例に従う処理ステーションを備えている。
さらなる態様によれば、回路基板を製造する方法が提供され、回路基板を生産するための被処理材料は、実施形態または実施例に従う方法によって処理される。
【0036】
本発明の実施形態により、被処理材料を電解処理または湿式化学処理するため、あるいは被処理材料の表面での材料の交換を促進するために、被処理材料を電解処理または湿式化学処理するアセンブリにおいて、被処理材料から処理液を除去または離隔することが可能となる。したがって、ロール面が、被処理材料の有用領域から間隔を置いて配置構成されて、有用領域が固定要素と直接接触するのを低減または回避するためにギャップが形成されるようになっていてもよい。
【0037】
本発明の実施形態は、特に、易損性表面を備えた平面的な被処理材料が水平な輸送面またはほぼ水平な輸送面において輸送されるアセンブリにおいて、使用されうる。しかしながら、実施形態はこの応用分野に限定されない。
【0038】
本発明は、好ましい実施形態または有利な実施形態を参照し、また添付の図面を参照することにより、本明細書中以降においてより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】実施形態による、処理ステーションの処理液を除去または離隔するためのデバイスの概略正面図。
【図2】図1のデバイスの概略的な部分断面側面図。
【図3】さらなる実施形態による、処理ステーションの処理液を除去するためのデバイスの概略的な部分断面側面図。
【図4】一実施形態による、処理液を除去するための複数のデバイスを備えた処理ステーションの一部分の概略的な部分断面側面図。
【図5】さらなる実施形態による、処理液を除去するための複数のデバイスを備えた処理ステーションの一部分の概略的な部分断面側面図。
【図6】さらなる実施形態による、処理ステーションの処理液を除去または離隔するためのデバイスの概略正面図。
【図7】処理液を除去するためのデバイスの概略的な部分断面側面図。
【図8】流入領域および流出領域において実施形態による処理液を除去または離隔するためのデバイスを備えた処理ステーションの概略的な部分断面側面図。
【図9】さらなる実施態様による、処理ステーションの流出領域を概略的に示す部分側面図。
【図10】さらなる実施態様による、処理ステーションの流出領域を概略的に示す部分側面図。
【図11】さらなる実施形態による、処理ステーションのロールを備えた処理部材の概略を示す部分断面図。
【図12】さらなる実施形態による、処理ステーションのロールを備えた処理部材の概略を示す部分断面図。
【図13】さらなる実施形態による、処理ステーションのロールを備えた処理部材の概略を示す部分断面図。
【図14】さらなる実施形態による、処理ステーションのロールを備えた処理部材の概略を示す部分断面図。
【図15】さらなる実施形態による、処理ステーションのロールを備えた処理部材の概略を示す部分断面図。
【図16】さらなる実施形態による、処理ステーションのロールを備えた処理部材の概略を示す部分断面図。
【図17】さらなる実施形態による、処理ステーションのロールを備えた処理部材の概略を示す部分断面図。
【図18】ニップロール対を備えた処理ステーションの概略的な部分断面側面図。
【発明を実施するための形態】
【0040】
被処理材料を指す方向情報または位置情報は、慣習に従って輸送方向に関して提示される。被処理材料の輸送が輸送方向に対して平行かつ/または非平行である場合に、輸送方向に対して輸送面において直角な方向である長手方向として示される方向は、被処理材料の横幅方向として示される。
【0041】
被処理材料から処理液が離隔または除去され、および/または被処理材料上で材料の交換が促進されるデバイスおよび方法の実施形態が開示される。「処理液」という用語により、電解処理または湿式化学処理のためのアセンブリにおいて被処理材料が供される可能性のある任意の液体、特にプロセス薬品、水などのようなリンス液が了解される。
【0042】
実施形態は、被処理材料の処理であって該処理において被処理材料が水平の輸送面で輸送される処理のためのアセンブリとの関連において開示される。「輸送面より上方」または「輸送面より下方」、「上部表面」、「下部表面」、および処理液の高さまたは液位への言及などのような情報は、そうでないことが指摘されない限りは、そのまま鉛直方向ついて述べている。「水平な輸送面を輸送する」という語によって、特に、被処理材料の少なくとも3つの角部が水平な平面上に位置している被処理材料の輸送と了解されうる。これは、例えば低い固有剛性を有する被処理材料においては、輸送中の被処理材料の少なくとも個別の部分または個別の領域は輸送面の外側に位置するという事実を排除するものではない。
【0043】
図1は、被処理材料10から処理液を除去するためのデバイス1の概略正面図である。図2は、図1にII−IIで示された方向に沿った、デバイス1の概略側面図である。この部分断面側面図の切断面は鉛直平面であり、被処理材料の有用領域が輸送される線に沿った輸送面と交差する。
【0044】
デバイス1はロール2およびさらなるロール3を含んでなり、該ロールは、被処理材料10がロール2とさらなるロール3との間を輸送されるように、被処理材料10の輸送面の両側に配置構成されている。デバイス1は、例えば、図18の処理ステーション200においてニップロール対213または215として使用されうる。
【0045】
ロール2は、ロール2の周囲表面のオフセット部分として提供される、処理液を保持す
るための保持面として構成されているロール表面4を有する。ロール2は、被処理材料10がロール2を通過して輸送される時に保持面4と被処理材料10との間にギャップ8が残るように、被処理材料10の輸送路に対して配置される。ロール2の周囲表面の保持面4を形成する部分は、ほぼ円筒状に構成されてよい。
【0046】
さらなるロール3は、ロール3の周囲表面のオフセット部分として提供される、処理液を保持するための保持面として構成されている、さらなるロール表面14を有する。さらなるロール3は、被処理材料10がロール3を通過して輸送される時にさらなる保持面14と被処理材料10との間にギャップ18が残るように、被処理材料10の輸送路に対して配置される。ロール3の周囲表面のさらなる保持面14を形成する部分は、ほぼ円筒状に構成されてよい。
【0047】
ロール2およびさらなるロール3の配置構成および設計によって形成されるギャップ8、18により、被処理材料10の横幅方向の大部分にわたって伸びる、被処理材料10の有用領域11は、デバイス1の固定要素とは接触しない。有用領域11における被処理材料10の表面に損傷を与えるリスクは、このようにして低減可能である。
【0048】
保持面4およびさらなる保持面14の円筒形状により、ギャップ8、18は、被処理材料10の輸送方向20において変化しうるギャップ高かつ/または空間高を有する。ギャップ8、18の最小ギャップ高9、19は、保持面4、14の、それぞれのロール2および/または3に向かい合う被処理材料10の表面から最短距離にある地点によって決まる。
【0049】
ギャップ8、18が処理液の通路を許容するとしても、処理液はデバイス1によって被処理材料10から除去されうる。特に、ギャップ8、18が最小ギャップ高9、19へと先細りすることによって、デバイス1は、輸送方向20にロール2の相対する2つの側において処理液の液位を可変的にすることができる、圧力の減少を引き起こすことができる。
【0050】
図2は、ロール2の一方の側で液位22まで貯留された処理液21と、被処理材料10がデバイス1を通過した後に残っている、より低い液位24の処理液23の層とを概略的に示している。デバイス1は、特に、処理液21が保持面4およびさらなる保持面14によって、保持面4の真上に、最小ギャップ高となる配置に相当するギャップ8、18の下縁からそれぞれ計測されたギャップ8の最小ギャップ高9よりも、かつギャップ18の最小ギャップ高19よりも高い液位22まで、ロール2、3の片側に(図2ではロール2、3の左側に)貯留されるように、設計可能である。
【0051】
図3〜6,9,10に関連してより詳細に説明されるように、被処理材料10が保持面4、14を通過した後に被処理材料上に依然として残っている処理液23は、適切な方法で、例えば被処理材料上に流体を流れさせることにより、除去可能である。
【0052】
デバイス1のロール2、3は、被処理材料10から液体を除去するためだけでなく被処理材料10を輸送するためにも設計されうる。この目的のために、ロール2はその2つの軸方向端部に、被処理材料がロール2、3を通過せしめられる時に被処理材料10のエッジ領域12に接して支持するようになる隆起エッジ部分5、6を有することができる。隆起エッジ部分5、6は、被処理材料10を輸送するために、回転駆動されうる。エッジ部分5、6の回転駆動機構のために、デバイス1を使用する場合に被処理材料10のための処理アセンブリに回転自在に載地されるシャフト7が提供される。エッジ部分5、6を1つの回転方向25に回転させることによって、被処理材料10はさらに輸送されうる。従って、ロール3はその2つの軸方向端部に、被処理材料がロール2、3を通過せしめられ
る時に被処理材料10のエッジ領域12に接して支持するようになる隆起エッジ部分15、16を有することができる。隆起エッジ部分15、16は、被処理材料10を輸送するために回転駆動されうる。エッジ部分15、16の回転駆動機構のために、デバイス1を使用する場合に被処理材料10のための処理アセンブリに回転自在に載地されるシャフト17が提供される。エッジ部分15、16を或る回転方向26に回転させることによって、被処理材料10はさらに輸送されうる。
【0053】
エッジ部分5、6またはエッジ部分15、16のうち少なくともいずれか一方は、被処理材料10を輸送するために、前記被処理材料とともに摩擦結合または確動結合のうち少なくともいずれか一方を形成することができる。例えば、エッジ部分5、6またはエッジ部分15、16のうち少なくともいずれか一方に、被処理材料10を輸送するために被処理材料10の対応する凹部に係合する突部が形成されてもよい。
【0054】
ロール2では、隆起エッジ部分5、6は、被処理材料10を輸送するために被処理材料10に結合可能な輸送部分として作用する。保持面4はエッジ部分5、6に対してオフセットされる。エッジ部分5、6の、保持面4の半径と比較して隆起している、かつ/または大きい半径が、最小ギャップ高9を決定する。従って、ロール3では、隆起エッジ部分15、16は被処理材料10を輸送するための被処理材料10に結合可能な輸送部分として作用する。保持面14はエッジ部分15、16に対してオフセットされる。エッジ部分15、16の、保持面14の半径と比較して隆起している、かつ/または大きい半径が、最小ギャップ高19を決定する。
【0055】
エッジ部分および保持面の半径は所望の応用分野に適切であるように選択可能である。例えば、ロール2、3の保持面を形成する部分の半径は、輸送部分として使用されるロール2、3のエッジ部分の半径よりも、1mm未満、特に0.7mm未満、特に0.5mm未満だけ小さくてよい。ロール2、3の保持面を形成する部分の半径は、輸送部分として使用されるロール2、3のエッジ部分の半径よりも、少なくとも0.05mm、特に少なくとも0.07mm、特に少なくとも0.09mmだけ小さくてよい。
【0056】
加えて、ロール2のシャフト7またはさらなるロール3のシャフト17のうち少なくともいずれか一方が高さ調節可能な軸受を用いて載置されて、被処理材料10の上部表面からのシャフト7の離間距離または被処理材料10の下部表面からのシャフト17の離間距離のうち少なくともいずれか一方が設定可能となっていてもよい。
【0057】
ロール2およびさらなるロール3は、輸送部分としての役割を果たしているエッジ部分5、6または15、16のうち少なくともいずれか一方を回転させると、それぞれのロールの保持面4または14のうち少なくともいずれか一方も、それぞれのロールの輸送部分と同じ方向に回転するように設計されてもよい。
【0058】
この目的のために、ロール2またはロール3のうち少なくともいずれか一方は、例えば、輸送部分および保持面の両方が、互いに対する回転という点で固定されてロールの表面上に構成されるように、設計されてもよい。被処理材料10の有用領域11から離隔し、およびギャップ8および/またはギャップ18を画成しているロール表面の部分4および/または部分14が、輸送部分5,6または15,16に対してオフセットになっていることにより、ロール2,3のロール表面は被処理材料10の輸送速度とは異なる周面速度を有することとなる。しかしながら、別例として、輸送部分が、図8により詳細に説明されるように、保持面に対して回転可能なように提供されてもよい。
【0059】
1つの実施形態では、輸送部分は保持面に対して回転可能なように提供されてよい。保持面の角速度は、輸送部分の角速度、輸送部分の半径、およびロールの保持面を成形して
いる部分の半径に応じて選択可能である。
【0060】
デバイス1の複数の改変形態がさらなる実施形態で実施されうる。
例えば、デバイス1のロール2、3がその軸方向端部に隆起部分5、6、15、16を有する一方、ロール2またはさらなるロール3のうちいずれか一方に、2以上の隆起部分がさらに提供されてもよい。したがってこのさらなる隆起部分は、特に、該隆起部分が、被処理材料10と、機械的接触が重要ではない表面領域上に接触するように、ロール2またはさらなるロール3のうち少なくともいずれか一方の上に配置構成されうる。例えば、被処理材料の側部のうちの1つでの接触が臨界的意味をもたない場合には、被処理材料10の長手方向に伸びている被処理材料の表面領域が、ロール2またはさらなるロール3のうち少なくともいずれか一方のさらなる隆起部分によって支持されてもよい。さらなる隆起部分によって達成される追加の支持作用により、被処理材料10の有用領域における望ましくない接触のリスクが低減されうる。
【0061】
デバイス1では、被処理材料の表面とともにギャップを形成する保持面4、14は輸送面の上方および下方の両方に提供されるが、さらなる実施形態によるデバイスでは保持面は片側のみに提供され、かつ被処理材料の表面とともにギャップを形成する。例えば、そのようなギャップを形成する保持面が、輸送面の上側のみ、または下側のみに配置構成されてもよい。反対側には、例えば、ほぼ一定の直径を有するロールが提供されてもよい。反対側に提供される、ギャップを形成する保持面は、被処理材料の表面を損傷するリスクを低減するために、該表面に加わる力の低減をもたらしてもよい。
【0062】
さらなる実施形態では、一定の、すなわちロールの軸線方向において変化しない直径を備えたロールの周囲表面も、被処理材料の表面との間にギャップを画成する保持面としての役割を果たすことができる。ギャップ、特に最小ギャップ高の設計は、輸送面に対して高さ調節が可能な軸受によって載置されているロールによって、調節可能であってもよい。さらに、2つのそのようなロールが被処理材料の上側面および下側面の液体を除去するために提供されて、対応するロールと被処理材料との間に形成されるギャップが残っていてもよい。
【0063】
図3は、さらなる実施形態による、処理液を除去するためのデバイス31の概略側面図である。デバイス31は、例えば、図9の処理ステーション200の流出領域においてニップロール対214、215、216の代わりに使用されうる。機能または設計のうち少なくともいずれか一方においてデバイス1の要素または装備に相当する、デバイス31の要素または装備は、同じ参照数字で提示されており、重ねて詳細には説明されない。
【0064】
デバイス31は液体を保持するための保持面4をなすロール表面を含んでなる。デバイス31は、保持面4が該保持面と向かい合う被処理材料10の表面とともに(図3では被処理材料10の上部表面とともに)ギャップ8を形成するように、設計されている。保持面4は、例えば、回転自在に載置されたロール2の上に提供される。ロール2は、図1および2に関して後述されるように設計されうる。より詳細には、図1,2を参照して記載してきたように、ギャップ8でのロール表面の周面方向の速度は被処理材料10の輸送速度とは異なっていてもよい。保持面4は、保持面4を通過して輸送される被処理材料10から処理液を除去する。一実施形態のギャップ8は処理液の通過を許容するので、処理液34は、被処理材料10が保持面4を備えたロール2を通過した後も前記被処理材料上にまだ存在する可能性がある。
【0065】
デバイス31は、ノズル装置を備えたフローデバイス32をさらに含んでなる。輸送方向においてフローデバイス32は、ロール2およびロール2に提供された保持面4から間隔を置いて配置される。フローデバイス32は、輸送方向に下流に、すなわち輸送方向に
おいて保持面4を備えたロール2の後に、配置構成される。フローデバイス32は、ギャップ8を通り抜けた後に被処理材料10の上に残っている処理液34の一部を被処理材料10から除去するために設計されている。フローデバイス32は、特に、ギャップ8を通り抜けた後に被処理材料10の上に残っている処理液34の大部分を被処理材料10から除去するために設計されていてもよい。
【0066】
フローデバイス32は、被処理材料10から処理液34を吹き飛ばすために、または流体流33によって他の方法で処理液を除去するために、流体流33、特に気体流(例えば空気流)を放出することができる。流体流33は、デバイス31のギャップを形成する保持面4の方向に少なくとも1つの流れ成分(図3では、左に配向された成分)を有することができる。保持面4の上では、処理液は被処理材料の側方に流れることができる。
【0067】
フローデバイスはさらに、流体流33が、輸送面に対して平行かつ輸送方向20に対して横方向、すなわち、保持面4が形成されるロール2の軸線方向と平行に方向付けられた流れ成分を有するように、設計されてもよい。このようにして、処理液34は被処理材料10から側方へと除去されうる。
【0068】
フローデバイス32は、被処理材料10の上に、被処理材料10の幅全体にわたって、すなわち、輸送方向に対して横方向に被処理材料10の広がりを覆って伸びていてもよい。流体流33の放出については、フローデバイス32は1以上のノズル口を含んでなることができる。ノズル口は、例えば、フローデバイス32の上に被処理材料10の横幅方向に形成された一続きのスロット、複数のスロットまたは複数の穴として形成されうる。フローデバイス32は、被処理材料10の表面に対するノズル口の離間距離が、被処理材料の幅全体にわたってほぼ同じ寸法であるように設計されてよい。
【0069】
フローデバイス32は、輸送面に対して平行かつ輸送方向20に対して横方向に方向づけられた直線状のチャネル本体を含んでなることができる。チャネル本体は、別例として、輸送面に対して平行かつ輸送方向20に対して傾斜をなすように方向づけられてもよい。
【0070】
1つの実施形態では、フローデバイス32の形状は、被処理材料の横幅方向におけるフローデバイス32の中央部分が、フローデバイス32のエッジ部分よりも、ギャップを形成する保持面4に接近して配置構成されるような形状であってよい。例えば、フローデバイス32は、輸送面に垂直な方向からの平面図で(すなわち、輸送面の上方から垂直に見た場合の図3において)、保持面4によって形成されたギャップ8へと向かう凸形状を有する形状を有していてもよい。例えば、該平面図におけるフローデバイス32は、先端部が保持面4を指しているV字形状であってもよい。このように構成されたフローデバイスは、被処理材料のエッジ部に向かって処理液を効率良く運んで前記処理液を除去するために、被処理材料の一方のエッジ部の方向に速度成分を有する流体流を放出するように設計されている。
【0071】
フローデバイス32は、このように被処理材料上を流れる気体流、特に空気流を放出するように設計可能である。フローデバイス32は、気体流33の流出速度が少なくとも2m/秒、特に少なくとも10m/秒、特に少なくとも30m/秒であるように設計可能である。
【0072】
フローデバイス32は、液体流を放出することによって被処理材料上を流れるように設計されてもよい。フローデバイス32は、液体流33の流出速度が少なくとも0.1m/秒、特に少なくとも1m/秒、特に少なくとも3m/秒であるように設計可能である。
【0073】
フローデバイス32は、流体流33の流出方向が被処理材料の表面に対して平行であるかまたは傾斜をなすことができるように設計されてもよい。特に、フローデバイス32は、流体流がフローデバイス32のノズル口からギャップ8の方向に、かつ/または輸送方向に対して横方向に出して、被処理材料10の一方のエッジ部に向かって流れるように、構成されてもよい。別例として、流出方向は、被処理材料10の表面に対して垂直に方向づけられてもよい。
【0074】
フローデバイス32は、流体流33がギャップ8を通り抜けないように、すなわち、ギャップを形成している保持面4の反対側に貯留された処理液に入らないように、構成可能である。このようにして、流体流33により処理液21の中に泡が形成されることが回避または防止されうる。流体流33がギャップ8を通過するのを回避するために、例えばフローデバイス32からの流体流33の体積流量または1以上の体積流量、流出速度、および/または流出方向を適宜設定可能である。
【0075】
デバイス31は、ギャップ8とフローデバイス32の1または複数のノズル口との間の間隔または様々な間隔が、最大でも100mmおよび少なくとも10mmであるように、設計されうる。
【0076】
図3に示されるように、デバイス31は、さらなるロール3の上に形成されうる、輸送面より下方に配置構成され、さらなる保持面14をなす、さらなるロール表面をさらに含んでなることもできる。
【0077】
デバイス31の複数の改変形態はさらなる実施形態において実装されうる。例えば、図3に関連して、フローデバイス32が被処理材料10の輸送方向に関してギャップを形成する保持面4を備えたロール2の下流に配置構成されている、処理液を除去するためのデバイス31が説明されてきたが、処理液を離隔するためのデバイスは、フローデバイスが被処理材料の輸送方向においてギャップを形成する保持面の前かつ/または上流に配置構成されるように、設計されてもよい。このように形成されたデバイスは、特に、処理ステーションの流入領域において使用されうる。
【0078】
さらなる実施形態による、処理液を除去または離隔するためのデバイスでは、別例または追加として、フローデバイスから放出される流体流33により、被処理材料10の下側から液体を吹き飛ばすために、またはその他の方法で被処理材料10から液体を除去するために、輸送面より下方にフローデバイス32が提供されてもよい。
【0079】
フローデバイスが輸送面より下方に提供される場合、該フローデバイスは、フローデバイスによって生じる流体流が、輸送方向に対して平行な、ギャップを形成する保持面から離れるように方向付けられた速度成分を有するように、設計可能である。例えば、処理ステーションの流出領域に提供されるフローデバイスでは、フローデバイスによって生じる流体流は、輸送方向に方向付けられた速度成分を有することができる。
【0080】
処理液を除去するためのフローデバイスが輸送面より上方に提供される場合、輸送要素が輸送面より下方の対応する位置に提供されてもよい。同様のやり方で、処理液を除去するためのフローデバイスが輸送面より下方に提供される場合、輸送要素が輸送面より上方の対応する位置に提供されてもよい。輸送要素およびフローデバイスは、輸送面の両側に、輸送方向に関して同じ位置に配置構成されるとよい。
【0081】
輸送要素は、例えば、被処理材料の支持または輸送のうち少なくともいずれか一方を行うように設計可能である。輸送要素はロールとして構成されてもよい。ロールはオフセット保持面を有してもよいが、軸線方向にほぼ一定の直径を有してもよい。輸送要素は、複
数のホイールが提供されるホイール車軸として形成されてもよい。ホイールは被処理材料を輸送するために被処理材料と接触するように設計されうる。
【0082】
図4は、処理ステーションの流出領域41の概略側面図である。このような流出領域41は、図9の処理ステーション200において、内部容器201の、被処理材料が処理ステーションを出る側の一端に提供されうる。流出領域では、被処理材料10は、処理液21が被処理材料を被覆している処理領域42から、輸送方向20にさらに輸送される。
【0083】
流出領域41は、被処理材料10から処理液を除去するための複数のデバイス43、44および45を含んでなる。処理液を除去するためのデバイス43、44および45は、被処理材料10の輸送路に沿って並べられて、輸送方向20に互いに間隔を置いて配置される。デバイス43、44および45はそれぞれ保持面を有し、該保持面は、該保持面と該保持面に向かい合う被処理材料10の表面との間にギャップが形成されるように、輸送面に関して配置構成される。
【0084】
デバイス43、44および45は、一実施形態によって処理液を除去するためのデバイスとして形成されてもよい。1つの実施形態では、デバイス43は、被処理材料10がその間を通過するように配置構成された1対のロール51、52を含んでなることができる。デバイス43のロール51、52のうち少なくとも一方には、ギャップを形成する保持面が処理液を保持するために形成されて、被処理材料がロール51、52を通過する時に保持面と前記保持面に向かい合う被処理材料10の表面との間にギャップが形成されるようになっていてもよい。特に、ロール51、52のうち少なくとも一方は、被処理材料10を輸送するための隆起エッジ領域、およびその間に提供されたオフセット保持面を有することができる。デバイス43は、例えば、図1および2に関して記載されたデバイス1のように構成されてもよい。少なくとも、ギャップを形成する保持面が生成されるロール51,52は、ギャップの端面、すなわちロール表面が被処理材料10から最小ギャップ高をもって分離される線に沿って、ロール表面の周面速度が被処理材料10の輸送速度の向きおよび/または大きさとは異なるように駆動されている。
【0085】
デバイス44は、輸送面より上方に配置構成されたロール53およびフローデバイス54、ならびに輸送面より下方に配置構成されたロール55およびフローデバイス56を有することができる。デバイス44のロール53、55のうち少なくとも一方には、処理液を保持するためのギャップを形成する保持面が形成されて、被処理材料10がロール53、55を通過する時に保持面と前記保持面に向かい合う被処理材料の表面との間にギャップが形成されるようになっていてもよい。特に、図1および2に関して説明されるように、ロール53、55のうち少なくとも一方は、被処理材料10を輸送するための隆起エッジ領域と、該エッジ領域の間に設けられたオフセット保持面とを有することができる。フローデバイス54および56は、被処理材料10の上に残っている処理液を除去するために、被処理材料の上に流体流33が、例えば空気流が流れるようにする。この目的のために、フローデバイス54および56によって放出される流体流33は、該流体流が移動することによって被処理材料の一方のエッジ部の方向に処理液を除去するように、方向づけられてもよい。
【0086】
デバイス45は、輸送面より上方に配置構成されたロール57およびフローデバイス58、ならびに輸送面より下方に配置構成されたロール59およびフローデバイス60を有することができる。デバイス45のロール57、59のうち少なくとも一方には、処理液を保持するためのギャップを形成する保持面が形成されて、被処理材料10がロール57、59を通過する時に保持面と前記保持面に向かい合う被処理材料の表面との間にギャップが形成されるようになっていてもよい。特に、図1および2に関して説明されるように、ロール57、59のうち少なくとも一方は、被処理材料10を輸送するための隆起エッ
ジ領域と、該エッジ領域の間に設けられたオフセット保持面とを有することができる。フローデバイス58および60は、被処理材料10の上に残っている処理液を除去するために、被処理材料の上に流体流33が、例えば空気流が流れるようにする。この目的のために、フローデバイス58および60から放出される流体流33は、該流体流が移動することによって被処理材料の一方のエッジ部の方向に処理液を除去するように、方向づけられてもよい。
【0087】
ロール53,55,57,59のうち、少なくとも対応するロールと被処理材料の間のギャップを形成するロールは、被処理材料10の輸送速度とは、ギャップでの周面速度が向きおよび/または大きさの点で異なるように回転される。
【0088】
被処理材料10が連続して通り抜けるデバイス43、44および45の、ギャップを形成する保持面は、様々な設計のものであってよい。例えば、該デバイス上のギャップは次第に狭くなってもよい。例えば、デバイス43はギャップがデバイス43の保持面と向かい合う被処理材料10の表面との間に第1の最小ギャップ高を備えて形成されるように設計される一方、輸送方向に関してデバイス43の下流に配置構成されるデバイス44は、ギャップがデバイス44の保持面と向かい合う被処理材料10の表面との間に第2の最小ギャップ高を備えて形成されるように設計されてよい。したがって、デバイス44の第2の最小ギャップ高は、デバイス43の第1の最小ギャップ高より小さくてもよい、すなわち、処理ステーションの流出領域におけるギャップは、1つのデバイスから、輸送方向に関して下流に配置構成された処理液を除去するためのさらなるデバイスへ、より低い高さを有していてよい。
【0089】
処理領域42を画成するデバイス43は、ロール51の、輸送方向に関して互いに反対となる側の間に処理液の液位差74が設定されるように設計される。処理領域42では、処理液21は液位71まで貯留され、ロール51の反対側の隣接領域では、処理液は液位72まで貯留される。
【0090】
輸送方向に関してデバイス43の下流に配置構成されるデバイス44は、被処理材料10がロール53、55を通過する時に被処理材料10から処理液が除去されるように設計される。ロール53、55を通過するように被処理材料10を移動させた後もなお被処理材料上に存在する処理液73は、フローデバイス54、56によって少なくとも部分的に除去される。輸送方向に関してデバイス44の下流に配置構成されるデバイス45によって、デバイス44を通過した後もなお被処理材料10の上に存在しうる処理液のさらに一部が、被処理材料から除去されうる。
【0091】
処理液を除去するための複数のデバイスの使用によって、処理液は、ギャップが保持面と被処理材料10との間に依然として残っていても被処理材料10から確実に除去可能である。
【0092】
処理ステーションの内部容器の底部46と、輸送面より下方に配置構成されたデバイス43のロール52との間に、バリア47が提供される。バリア47により、液位71と液位72との間の液位差74がデバイス43の両側において設定されうる。この目的のために、例えば長穴、穴またはスロットの形状の開口部61がバリア47に形成される。開口部61は、バリア47を通る液体の流れを調節し、ひいては液位71と液位72との間の液位差74を調節するために、閉止させることが可能である。
【0093】
処理領域42に隣接する領域における液位72は、流出入する処理液の流れの平衡を保つことにより決定される。前記の流れ、ひいては液位72を調節することを可能にするために、バリア47とバリア48との間に1つ以上の開口部、例えば閉止可能な穴が、底部
46に提供されてもよい。バリア47に開く開口部、および底部46に開く開口部を適切に選択することにより、処理領域42に隣接する領域における所望の液位72のための基本設定が選択されうる。加えて、処理ステーションを側面にそって画成する要素の上に、例えばロール51、52、53および55を支持するために提供される軸受レシーバの上に、溢流バリアが提供されてもよい。余計に流入した分の液体は溢流バリアを介して放出可能である。
【0094】
処理領域42から流出する処理液の流れの平衡を保つために、処理液がポンプ(図示せず)によって処理領域42へ運搬されてもよい。
処理ステーションの内部容器の底部46と、輸送面より下方に配置構成されたデバイス44のロール55との間に、バリア48が提供される。バリア48は、液位を調節するための閉止可能な開口部を有する必要はない。バリア48は、処理領域から出る処理液の流れを縮小するのを支援する。
【0095】
さらなる実施形態では、流出領域41の改変形態が実装されうる。1つの実施形態では、例えば、デバイス45が省略されてもよい。従って、処理液を除去するための2つのデバイスが流出領域に提供されてもよい。輸送方向に関してこれらのデバイスの少なくとも最後にはフローデバイスを有することができる。フローデバイスは少なくとも輸送面より上方に提供されてよい。
【0096】
さらなる実施形態では、液位差を設定するための1または複数の開口部を備えたバリアを有する、液体を除去するための複数のデバイスが提供されてもよい。バリアは、いずれの場合も、バリア47に関して説明されたような設計を有することができる。1つの実施形態では、例えば流入領域または流出領域において、2つのデバイスがいずれの場合も液体を保持するための保持面を有する少なくとも1つのロールを備えて提供されてもよく、該保持面は前記保持面を過ぎて誘導される被処理材料とともにギャップを形成し、輸送面より下方のいずれのデバイスにおいてもバリア47に関して説明されたような1または複数の開口部を備えたバリアが提供されている。上記デバイスの両方から輸送方向に間隔を置いて、デバイス44に相当する設計を有するさらなるデバイスが提供されてもよい。このようにして、例えば、流入領域または流出領域において、処理領域に比べてより低い液位の処理液を備えた少なくとも2つの領域が形成されうる。
【0097】
いずれ場合の液体を除去するためのデバイス43〜45においても、ロールは輸送面より上方および下方の両方に提供されて、前記ロールを過ぎて誘導される被処理材料とともにギャップを形成するが、さらなる実施形態では、液体を除去するためのデバイスはそれぞれ、保持面が輸送面より上方に提供されたロール上にのみ提供されて、該保持面と前記ロールを過ぎて誘導される被処理材料との間にギャップを残すように、構成されてもよい。輸送面より下方に提供されるロールは、該ロールの軸線方向に一定の直径を有していてもよい。
【0098】
1つの実施形態では、フローデバイス54、56のうち一方が輸送要素に置き換えられてもよい。該輸送要素は、被処理材料を支持かつ/または輸送するために設計されていてよい。該輸送要素は、例えば、ロールまたはホイールの車軸として構成されてもよい。別例として、または追加として、フローデバイス58、60のうち一方が輸送要素に置き換えられてもよい。該輸送要素は、被処理材料を支持かつ/または輸送するために設計されていてよい。該輸送要素は、例えば、ロールまたはホイールの車軸として構成されてもよい。
【0099】
1つの実施形態では、輸送面より下方に提供されるフローデバイス56、60のうち一方は、フローデバイス56、60によって生じる流体流33が流出領域41において輸送
方向に向かう速度成分を有するように、構成されてもよい。
【0100】
図5は、処理ステーションの流出領域81の概略側面図である。そのような流出領域81は、図18の処理ステーション200の、内部容器201の一端であって被処理材料が内部容器201から出る端部に提供されてもよい。流出領域では、被処理材料10は、処理液21が被処理材料を被覆している処理領域82から、輸送方向20へとさらに輸送される。機能または設計のうち少なくともいずれか一方が流出領域41の要素またはデバイスに相当する、流出領域81の要素またはデバイスは、同じ参照数字で提示されており、改めて詳細には説明されない。
【0101】
個別の処理ステーションでは、処理領域82において比較的高い液位91を設定することが望ましい場合もある。処理領域82の液位91は、例えば、輸送面より少なくとも15mm上方に配置されてもよい。
【0102】
流出領域81には、処理液を除去または離隔するための複数のデバイス83、44および45が提供されている。デバイス83は、間を被処理材料10が通過せしめられるように配置構成されたロール84、85を含んでなる。デバイス83のロール84、85の少なくとも一方に、処理液を保持するためのギャップを形成する保持面が形成されて、被処理材料がロール84、85を通過する時に保持面と前記保持面に向かい合う被処理材料10の表面との間にギャップが形成されるようになっていてもよい。特に、ロール84、85のうち少なくとも一方は、被処理材料10を輸送するための隆起エッジ領域と、該エッジ領域の間に設けられたオフセット保持面とを有することができる。ロール84、85の対は、例えば、図1および2に関して説明されたデバイス1として構成されてもよい。ギャップ形成保持面が形成される、少なくともロール84,85は、ギャップでのロール表面の周面速度、すなわちロール表面が被処理材料10から最小のギャップ高をもって離間される線に沿った速度が被処理材料10の輸送速度と、その方向と大きさのうちの少なくとも一方において異なっている方式で駆動される。
【0103】
処理液が高い液位91まで貯留するのを可能にするために、デバイス83はロール84の上方にさらなる保持要素86を有する。このさらなる保持要素86は、貯留される液体の側壁として作用することによって、処理領域82の高い液位をともなって、処理液の貯留に寄与するように設計される。このさらなる保持要素86は、ロール84、86がかたく閉止されてロール84と86との間の液体のわずかな通過のみを可能にするかまたは液体の通過を許さないように、例えばロール84に対して補完的な様式に構成されたロールとして構成されてもよい。さらなる要素86の他の実施形態は、例えば、直立した形態であることも可能である。
【0104】
処理領域82の液位91と、該領域に対してデバイス83の反対側に隣接する領域の液位92との間の処理液の液位差97が、デバイス83によって設定かつ維持されるように、デバイス83が設計されている。輸送方向に関してデバイス83の下流に配置構成されたデバイス44は、被処理材料10がデバイス44を通過する時にこの被処理材料からさらなる処理液を除去する。被処理材料10がデバイス44のロール対を通り抜けてしまうと、液位92の代わりに、より少量の処理液93のみが被処理材料10上に見出される。デバイス44を通過した後もさらに必要であれば、輸送方向に関してデバイス44の下流に配置構成されたデバイス45が被処理材料10からさらに処理液を除去してもよい。
【0105】
液位差97を設定するために、閉止可能な開口部61がバリア47に提供される。処理領域82に隣接する領域における液位92は、流出入する処理液の流れの平衡を保つことにより決定される。これらの流れ、ひいては液位92の設定を可能にするために、1つ以上の開口部96、例えば閉止可能な穴がバリア47と48との間の底部46に提供されて
もよい。バリア47に開く開口部61、および底部46に開く開口部96の適切な選択によって、処理領域82に隣接する領域における所望の液位92の基本設定が選択可能である。加えて、処理ステーションを側面にそって画成する要素の上に、例えば、デバイス83および44のロールを支持するために提供される軸受レシーバの上に、溢流バリアが提供されてもよい。余計に流入した分の液体は溢流バリアを介して放出可能である。
【0106】
処理領域82から流出する処理液の流れの平衡を保つために、処理液の流れ95がポンプ94によって処理領域82の中に運搬される。
図4および5を参照して処理ステーションの流出領域の実施形態について記載してきたが、処理液を除去または離隔するためのデバイスは、処理ステーションの流入領域にも適宜提供されうる。特に、流入領域では、被処理材料が処理ステーション内の流入領域に供給される前に処理液が前記被処理材料の上を流れるのを防止するために、複数のデバイスが、処理液を除去または離隔するために、輸送方向に互いに間隔を置いて配置されて提供されてもよい。
【0107】
ギャップを形成する保持面の設計は、個別の応用分野に応じて適切な方法で選択可能である。
図6は、さらなる実施形態による処理液を除去または離隔するためのデバイス101の概略正面図である。
【0108】
デバイス101はロール102およびさらなるロール103を含んでなる。ロール102およびさらなるロール103は、被処理材料10がロール102とロール103との間を輸送されるように配置構成される。ロール102の周囲表面は処理液を保持するために構成された保持面104を有する。保持面104を備えたロール102は、被処理材料10がロール102を通過する時にロール102の保持面104と前記保持面に向かい合う被処理材料10の表面との間にギャップ8が残るように、構成される。ロール102の軸方向端部105は、被処理材料10がその長手方向に伸びるエッジ部において固定レールにより保持される場合に前記被処理材料を輸送するための輸送部分として作用するために、保持面104を画成するロール102の中央部分よりも小さな直径を備えて構成されている。
【0109】
さらなるロール103の周囲表面は処理液を保持するために構成されたさらなる保持面106を有する。さらなる保持面106を備えたさらなるロール103は、被処理材料10がさらなるロール103を通過する時にさらなるロール103のさらなる保持面106とこのロールに向かい合う被処理材料10の表面との間にギャップ18が残るように、設計される。さらなるロール103の軸方向端部107は、被処理材料10がその長手方向に伸びるエッジ部において固定レールにより保持される場合に、前記被処理材料を輸送するための輸送部分として作用するために、さらなる保持面106を画成するさらなるロール103の中央部分よりも小さな直径を備えて構成されている。
【0110】
被処理材料10の長手方向に伸びるエッジ部においては、被処理材料10を輸送するために被処理材料を保持する固定レール108、109が提供される。そのような固定レール108、109は、特に、低い固有剛性を有する被処理材料の輸送のために、該被処理材料に付加的な安定性を与えるために使用されうる。デバイス101のロール102およびさらなるロール103は、より小さな直径を備えた該ロールの軸方向端部105、107が、固定レール108、109に接して支持するようになるように設計される。ロール102およびさらなるロール103を回転させることによって、被処理材料10は、さらに固定レール108、109を介して輸送されうる。
【0111】
デバイス101では、ロール102、103の保持面104、106はロール102、
103の軸方向端部に提供された輸送部分に対してオフセットされて、被処理材料10が保持面104、106を通過する時に保持面104、106と前記保持面に向かい合う被処理材料10の表面との間に所望の最小ギャップ高を備えてギャップ8、18が形成されるようになっている。
【0112】
デバイス101では、ロール102、103は被処理材料10と直接接触しない。被処理材料10の輸送は、輸送部分105、107を被処理材料10が保持される固定レール108、109と連結することによって行なわれる。
【0113】
デバイス101では、片側でギャップ8を画成している、ロール102のロール表面であって、保持面104をなす表面は、被処理材料10の輸送速度よりも低い周面速度を有している。片側にギャップ18を形成している、ロール103のロール表面であって保持面106をなす表面は、被処理材料10の輸送速度よりも低い速度を有する。
【0114】
デバイス101の改変形態では、ロール102、103は、被処理材料10を輸送するために、該ロールが被処理材料10と固定レール108、109に隣接するエッジ領域において接触するように構成されてもよい。この目的のために、ロール102、103において、固定レール108、109に隣接して被処理材料と接触する隆起した輸送部分が提供されてもよい。ロール102、103はさらに、ロール102、103と固定レール108、109との間に液体を排出するためのギャップも形成されるように設計可能である。この目的のために、固定レールから液体を搾出するための、ロールの輸送部分に対して相応に凹設された凹部または溝が、ロール102、103に提供されてもよい。ロールと固定レールとの間に形成されるギャップは、1mm未満、特に0.7mm未満、特に0.5mm未満となりうる最小ギャップ高を有することができる。ロールと固定レールとの間に形成されるギャップは、少なくとも0.05mm、特に少なくとも0.07mm、特に少なくとも0.09mmとなりうる最小ギャップ高を有することができる。
【0115】
固定された被処理材料から液体を搾出するためのデバイス101は、フローデバイスをさらに含んでなることができる。フローデバイスは、図3に関して説明されたように構成されうる。フローデバイスは、特に、フローデバイスから放出された流体流も固定レールから処理液を除去するように設計可能である。
【0116】
固定レール108、109に、液体が輸送方向に対して横方向に固定レールを通過するのを可能にする貫通穴が提供されてもよい。
ロール102、103は、長手方向に伸びるエッジ部のうち少なくとも一方に提供される固定レール108、109に対し、輸送面上にありかつ輸送方向に対して横方向に方向づけられた力成分を備えた力を加えるように設計されうる。この力は、反対側の長手方向に伸びるエッジ部に提供される固定レール108、109が、輸送方向に対して横方向に被処理材料10を挟持するために離間されうるように、方向づけられてよい。この目的のために、例えば、被処理材料の少なくとも一方の長手方向に伸びるエッジ部の上の固定レール108または109のうち少なくともいずれか一方は、1つ以上の磁石、特に永久磁石を有していてもよい。輸送面より上方に提供されるロール102または輸送面より下方に提供されるロール103のうち少なくともいずれか一方は、固定レールに電磁力を与えるために、磁石または複数の磁石を有していてもよい。この力は、固定レールが被処理材料10の向かい合う長手方向に伸びるエッジ部において弾性的に離間せしめられるように方向づけられてもよい。
【0117】
図7は、処理液を除去または離隔するためのデバイス111の概略側面図である。デバイス111では、保持面は回転自在に載置されたロール上には提供されていない。一実施形態によると、デバイス111は図1〜6を参照して記載した設計を有するロールと組み
合わせた処理ステーションに与えられる。
【0118】
デバイス111は、被処理材料10を処理するためのアセンブリにおいてインサートとして使用可能な2つのほぼ立方形の要素112、113を含んでなる。インサート112は輸送面より上方に配置構成され、インサート113は輸送面より方に配置構成される。インサート112、113の表面は、処理液を保持する保持面としての役割を果たす。
【0119】
デバイス111のインサート112、113は、被処理材料10の上部表面とインサート112の前記上部表面に面している側面114との間に、被処理材料10がデバイス111を過ぎて誘導される場合にギャップ115が残るように、かつ、被処理材料10の下部表面とインサート113の前記下部表面に面している側面117との間に、被処理材料10がデバイス111を過ぎて誘導される時にギャップ118が残るように、被処理材料10の輸送路に関して配置構成される。インサート112の側面114およびインサート117の側面117は、ギャップ115および118が一定のギャップ高を備えて輸送方向に伸びるように、平らな設計を有することができる。
【0120】
デバイス111のインサート112、113は、輸送方向20とは反対側に開口している、インサート112、113上の面取り部116、119によって形成される流入領域を有する。そのような流入領域は、例えば、低い固有剛性を有する被処理材料、例えばフィルムを誘導するために使用されうる。
【0121】
インサート112、113を含んでなるデバイス111は、被処理材料10の電解処理または湿式化学処理のためのアセンブリにおいて処理液21を貯留するために使用されてもよい。インサートの第1の側(図7において左)に配置構成された、処理液21が液位121まで貯留された処理領域から、被処理材料10がインサート112、113を過ぎて誘導される場合、より少ない深さ122の処理液の層が被処理材料10の上に残る。
【0122】
インサート112、113は、デバイス111が使用されるアセンブリの構造条件に従って適切な方法で構成されうる。例えば、インサート112、113は、ギャップ115、118が輸送方向20にできる限り長いように設計されてもよい。
【0123】
インサート112、113は、電解処理または湿式化学処理のためのアセンブリにおいて回転に関して固定して載置されてもよい。アセンブリにおけるインサート112、113は、特に、輸送方向において固定される状態で取り付けられてもよい。インサート112、113は、該インサートが互いに対して鉛直方向に移動可能なように取り付けられてもよい。
【0124】
デバイス111の改変形態では、立方形のインサートが輸送面より上方に提供される一方で、輸送面より下方には被処理材料を輸送するためにロールが提供される。立方形のインサートは、例えば、デバイス111のインサート112と同じ設計を有していてよい。
【0125】
図8は、流入領域に1対のロール132、133が提供され、流出領域にさらなる対のロール134、135が提供されている、処理ステーション131の概略側面図である。流入領域のロール132は輸送面より上方に配置構成され、流入領域のロール133は被処理材料10の輸送面より下方に配置構成されている。流出領域のロール134は輸送面より上方に配置構成され、流出領域のロール135は被処理材料10の輸送面より下方に配置構成されている。該ロール対により、処理ステーション131の処理液21は液位136レベルまで貯留されている。
【0126】
ロール132〜135はそれぞれ、その軸方向端部に、被処理材料の輸送のための、隆
起部分5、15の形態の輸送部分を有する。該端部に提供される輸送部分の間に、より直径の小さい保持面4、14が形成される。図1および2に関して説明されたように、保持面4、14を形成するロール表面は、ロールを過ぎて誘導される被処理材料とともに、被処理材料の横幅方向に広がるギャップを形成する。
【0127】
輸送面より上方に提供されるロール132の輸送部分5と、該輸送部分の間に配置構成された保持面4とが同じ方向に回転するように、流入領域のロール132の異なる部分は回転自在に駆動される。輸送面より下方に提供されるロール133の輸送部分15と、該輸送部分の間に配置構成された保持面14とが同じ方向に回転するように、流入領域のロール133の異なる部分は回転自在に駆動される。輸送面より上方に提供されるロール132の輸送部分5の回転方向141は、被処理材料10を輸送方向20に輸送するために、被処理材料10との接点において輸送部分5が輸送方向20に動くように、選択される。輸送面より下方に提供されるロール133の輸送部分15の回転方向143は、被処理材料10を輸送方向20に輸送するために、被処理材料10との接点において輸送部分15が輸送方向20に動くように、選択される。輸送面より上方に提供されるロール132の保持面4は、ロール132の輸送部分5と同じ方向に回転方向142に回転されて、その結果、保持面4の、被処理材料10に直接に面する部分が、より液位の高い方向(図8においては右側)に移動するようになっている。同様に、輸送機より下方に提供されるロール133の保持面14は、輸送部分15と同じ方向に回転方向144に回転されて、その結果、保持面14の、被処理材料10に直接に面する部分が、より液位の高い方向(図8においては右側)に移動するようになっている。
【0128】
ロール132、133の適切な設計によって、十分に高い液位136が貯留されうる一方、液位の高い領域に向かって保持面4が移動することにより、ロール132、133の保持面4の上に形成されたギャップを通る液体の通過が十分に低減されうる。この目的のために、ロール132、133は、保持面4、14と該保持面に向かい合う被処理材料10の表面との間に、0.3mm未満、例えばおよそ0.1mmの最小ギャップ高を備えてギャップが形成されるように、設計されてもよい。例えば、輸送部分は、保持面に対して0.3mm未満、例えばおよそ0.1mmだけ高くなっていてもよい。
【0129】
流出領域では、ロール134、135の輸送部分5、15は回転方向145、147に向かって回転して、輸送部分5、15が被処理材料10との接点において輸送方向20に動くようになっている。
【0130】
流出領域のロール134、135を用いて流出領域に形成されたギャップを通る液体の通過を低減するために、輸送面より上方に提供されるロール134は、ロール134の保持面4がロール134の輸送部分5に対して回転されうるように、構成されてよい。同様に、輸送面より下方に提供されるロール135は、ロール135の保持面14がロール135の輸送部分15に対して回転されうるように、構成されてよい。流出領域では、輸送面より上方に提供されるロール134の保持面4は、このロール134の輸送部分5の回転方向145に対して反対方向である回転方向146に回転されうる。輸送面より下方に提供されるロール135の保持面14は、このロール135の輸送部分15の回転方向147に反対の回転方向148に回転されうる。このように、保持面4、14は、輸送面より上方に提供されるロール134の保持面4の被処理材料10に直接面する部分が、より液位の高い方向(図8では左側)に動くように、流出領域において回転してもよい。同様に、ロール135の保持面14は、ロール135の保持面14の被処理材料10に直接面する部分が、より液位の高い方向(図8では左側)に動くように、輸送部分15に反対の方向に回転されてもよい。
【0131】
保持面4としてのは役割を果たす、ロール134のロール表面は、輸送面に最も近いロ
ール表面の各点が被処理材料10の輸送方向と反対方向(図8の左側)に移動するように、回転される。この方式により、ギャップ8の上端にあるロール表面4と被処理材料10の間に相対移動が生じる。保持面5の役割を果たす、ロール135のロール表面は、輸送面に最も近いロール表面の各点が、被処理材料10の輸送方向と反対の方向(図8の左側)に移動するように回転される。この方式により、ギャップ9の下端にあるロール表面と被処理材料10の間に相対移動が生じる。
【0132】
さらに、流出領域内のロール134、135は、保持面4、14と該保持面に向かい合う被処理材料10の表面との間に0.3mm未満、例えばおよそ0.1mmの最小ギャップ高を備えてギャップが形成されるように、設計されてもよい。例えば、輸送部分は、保持面に対して0.3mm未満、例えばおよそ0.1mmだけ高くなっていてよい。
【0133】
別例または追加として、それぞれの場合に、図3に関して説明されるようにして流体流によりギャップを通って出て来る処理液を除去するために、処理ステーション131の流入領域または流出領域のうち少なくともいずれか一方に1または複数のフローデバイスが提供されてもよい。
【0134】
ロール対の適切な設計により、流入領域または流出領域のうち少なくともいずれか一方において、被処理材料の輸送の際に残るギャップを通る液体の流出を低減し、その結果として処理ステーションの流入領域または流出領域のうち少なくともいずれか一方には処理液を吹き飛ばすためのフローデバイスは提供されないようにすることが可能である。
【0135】
流入領域または流出領域のうち少なくともいずれか一方において、図4および5に関して説明されるようにして処理液を除去または離隔するための複数のデバイスがそれぞれ提供されてもよい。
【0136】
様々な実施形態によるデバイスおよび方法により、被処理材料の電解処理または湿式化学処理のためのアセンブリにおいて、固定された部材と被処理材料の有用領域との間の直接接触を低減または回避させることを可能にしながら、被処理材料から処理液を除去または離隔すること、あるいは被処理材料上の材料の交換を促進することが可能となる。
【0137】
図9は、処理ステーションの流出領域221を示す部分側面図である。ここに図示されている液体を除去するためのデバイスは、一組のロール231,232、除去装置235、フローデバイス236、および駆動装置238を備え得る。このデバイスは例えば図18に示される処理ステーションのニップロール214,215の代わりに用いることができる。
【0138】
処理ステーションは基部222を有した内部槽を有する。処理液は、処理ステーションのある領域において、基部222に相対して高さ224を有する動作時液位223を有する。動作時液位223は被処理材料10が一組のロール231,232を通って通過する前に処理液に覆われるように設定される。図4,5を参照してすでに記載したように、バリア227と一組のロール231,232を組み合わせることによって、バリア227よりも下流の処理液は被処理材料10の輸送面よりも下方の液位225までしか到達しないようにすることができる。バリア227よりも下流の処理液の高さ226はバリアの上流の高さ224よりも低い。
【0139】
ロール231,232は、いずれの場合においても被処理材料10の対向する端縁の間に連続的に延伸する有用領域から離間するように設計されている。ロール231は被処理材料の輸送面の上方に設けられている。ロール232は被処理材料の輸送面の下方に設けられている。ロール231,232のそれぞれはその周面の少なくとも一部が処理液を被
っている。ロール231,232は、被処理材料がロール231,232を超えて移動したときには被処理材料10の全体から離間するように構成されてもよい。より詳細には、ロール231,232は被処理材料10の輸送の間には協働しないように設計されてもよい。ロール231,232は円筒形のロール表面228および/または229を有することができる。ロール231のロール表面228と被処理材料10の間のギャップは被処理材料10の幅方向において両端の間に連続的に延伸している。ロール232のロール表面229と被処理材料10の間にある、さらなるギャップは、被処理材料10の幅方向において両端の間に連続的に延伸している。
【0140】
ロール231,232は駆動装置238によって回転自在に駆動される。駆動装置はモータなどのアクチュエータ、およびアクチュエータからのトルクをロール231,232に伝達するために適切な部品を備えることができる。ロール231,232のための駆動装置238は、同時に他の要素、例えば輸送ロールを駆動するための部品を備えていてもよい。好適には、駆動装置238は処理ステーションの内部に設けられ得る。少なくとも駆動装置238のモータはカプセル化されている。
【0141】
駆動装置238はロールが値v1の周面速度を有するように駆動する。ロール231のロール表面228が被処理材料10の有用領域からギャップ高をもって離間される点での線233に沿って、周面速度の速度ベクトル234は被処理材料の輸送速度vTと反対の向きを有する。ロール231と処理液の間の粘性抵抗により、ギャップを通る処理液の漏出が減少する。一般的に、処理ステーションの流入領域または流出領域において、輸送面の上方に設けられたロール231は、ギャップを画成する線上のロール表面がより高い位置へと向かう向きに移動するように駆動される。速度v1の値および/またはロール231の回転速度はロールの2つの側面の間の処理液の所望の液位差に応じて決められる。
【0142】
駆動装置238はロールがv2の値の周面速度を有するようにロール232を駆動する。ロール231,232は同一の方向に回転するように駆動される。一実施形態によると、第2のロール232の速度v2は被処理材料の輸送速度vTに対して±20%の数値である。その結果、被処理材料10が低い固有剛性を有するためにロール231,232と望ましくない接触が生じることのリスクが減少する。ロール232は周面速度v2が輸送速度vTよりも速くなるように駆動することもできる。
【0143】
一実施形態において、ロール231,232はv1=v2であるように駆動される。
駆動装置238はロール231が処理液を取り込むように駆動することもできる。取り込む処理液の量は、ロール231の表面特性、特に表面粗さ、回転速度、およびロール231の直径によって異なる。
【0144】
除去装置235は取り込まれた処理液をロール231から取り除く。除去装置235は例えばロール231の軸と平行に延伸するストリップとして形成され得る。除去装置235はロール231に取り込まれた多様な処理液のロール231の軸方向での釣り合いをとるように構成されることができる。例えば、ロール231の軸方向で除去装置235をロール表面228から均一な距離をもって配置することができる。除去装置235は、ロール231から処理液を完全に取り除かないことにより、ロール231の回転によってロール231の周りに処理液の膜が、所定の厚さで形成されるように構成することができる。除去装置235は、ロール231の周りの処理液の膜がロール231と被処理材料10の間のギャップの有効な断面積を減少させることで処理液の漏出を防ぐように構成することができる。
【0145】
除去装置235によって取り除かれる処理液の量を調節するために、除去装置235はロール231に相対して調節可能には位置され得る。この方式により、取り除かれる処理
液の量が、例えば所定の液位223など条件に応じて設定することができる。
【0146】
フローデバイス236は被処理材料10に、例えば空気などの流体237を流出する。被処理材料10がロール231,232の間を通過した後の処理液は依然として被処理材料10の上にあるので取り除いてもよい。フローデバイスは図3〜5を参照して開示したように構成されてもよい。
【0147】
図10は、処理液を除去するための装置を備えた処理ステーションの流出領域241を示す部分断面図である。処理液を除去するための装置はロール231,232、除去装置235、および駆動装置248からなる。この装置は図18の処理ステーション200のニップロール204および/または214の代わりに用いることができる。図9を参照して記載した流出領域221の要素および/装置と設計または機能が対応する要素/および装置は図9と同一の参照符号で示している。
【0148】
駆動装置248はロール232をロール231と反対の方向に駆動するように設計されている。ロール232の表面は値v2の周面速度を有する。被処理材料10と最小のギャップをもって離間されるロール232の線に沿って、周面速度は被処理材料の輸送速度と反対の方向を向いている。ロール232と処理液の間の粘性抵抗により、ロール232と被処理材料の間のギャップを通過する処理液の漏出は減少することができる。より詳細には、十分な固有剛性を有する被処理材料10について、例えば高い固有剛性を有する回路基板について、ロールv1、v2は図10に示されたものとは反対の方向に回転することができる。
【0149】
ロール232の周面速度の値v2は、例えばロール232と被処理材料10の間のギャップを通していかなる液体の流れが許容されるかに応じて選択することができる。より大きな値v2の周面速度によって、一定の単位時間で漏出する処理液の量は減少することができる。一実施形態において、ロール231,232はv1=v2であるように駆動される。
【0150】
図9,10を参照して一組のロールを有する装置に関する記載をしてきたが、さらなる実施形態では図9,10のような処理ステーションの流出領域において複数の組のロールを用いることもできる。例えば、図4,5を参照して記載したような複数の組のロールが、輸送方向において互いに離間するように設けることができる。この方式により、カスケード状の一連の液位を達成することができる。この代替手段として、あるいは追加の手段として、一組のロールから離隔した装置に固定要素を組み合わせてもよい。
【0151】
図9,10を参照して一組のロールを有する装置を記載したが、さらなる実施形態において、1つのロール、例えば輸送面よりも下方に設けられるロール232の代わりに固定要素が用いられてもよい。さらなる実施形態において、ロール231,232の両方が被処理材料から離間されていなくてもよい。ロールに対面する被処理材料の片面が接触に対して傷を受けやすい場合には上記の実施形態のように離間させる。
【0152】
実施形態の記載において、処理ステーションの内部領域にある流入領域および/または流出領域での処理液の除去または減少のための装置の使用について記載したが、これらの装置は処理ステーションの流入領域および/または流出領域から離隔した状態で、例えば材料の交換を促進するための液体の除去のために用いることができ、それらは図11〜17を参照してより詳細に記載される。図11〜17をを参照してより詳細に記載される装置において、被処理材料の平面状の表面のみならず、好適にはブラインドホールまたはスルーホールをも処理することができる。図11〜17をを参照して記載される装置は、フローノズルと組み合わせて、あるいはフローノズルの代わりに処理ステーションで用いら
れる。フローノズルの代わりに上記の装置を用いる場合には、適切な手段によって処理液は処理ステーションの内部領域に運ばれる。
【0153】
図11は処理ステーションの処理領域部251を示す部分断面図である。処理領域部251は一組のロール261,262、除去装置265、および駆動装置268を有する。これらの要素は被処理材料の表面での材料交換を促進するために用いられ、例えば、図18の処理ステーション200のフローノズル206,207の代わりに用いられる。
【0154】
処理ステーションは基部252を有する内部槽を有する。処理液は処理ステーションの一定の領域において高さ254の動作時液位253を有する。動作時液位253は被処理材料10がロール261,262の近傍を処理液で覆うように設定される。
【0155】
ロール261,262はいかなる場合においても被処理材料10の有用領域からり患しているように設計される。有用領域は対向する両端の間に伸びている。ロール261は被処理材料の輸送面の上方に取り付けられている。ロール262は被処理材料の輸送面の下方に取り付けられている。処理液は輸送方向においてロール261の対向する側面に接触し、動作時液位253まで挙げられる。ロール262は液位253よりも完全に下方にある。
【0156】
ロール261,262は、被処理材料10がロール261,262の間を通過するときには被処理材料10の全体から離間しているように設計されてもよい。より詳細には、ロール261,262は被処理材料10の輸送の間には協働することがないように設計されることができる。ロール261,262は円筒形の周面258,259を有する。ロール261と被処理材料10の間の、ギャップ高9のギャップ8は、被処理材料10の幅方向において両端の間に連続して延伸している。ロール262と被処理材料10の間のさらなるギャップは、被処理材料10の幅方向において両端の間に連続して延伸している。
ロール261,262はは駆動装置268によって回転自在に駆動される。駆動装置はモータなどのアクチュエータ、およびアクチュエータからのトルクをロール261,262に伝達するために適切な部品を備えることができる。ロール261,262のための駆動装置268は、同時に他の要素、例えば輸送ロールを駆動するための部品を備えていてもよい。
駆動装置268はロール表面258が値v1の周面速度を有するようにロール261を駆動する。ロール261のロール表面22と被処理材料10の間に形成されるギャップの限界を現す点での線263に沿って、周面速度の速度ベクトル264は被処理材料の輸送速度vTと反対の向きを有する。ロール261のロール表面と被処理材料10はギャップ8の両端において一定の相対速度をもって移動する。被処理材料10のロール261に対向する表面での材料の交換は、これにより有効に促進される。駆動装置238はロールの周面速度の値がv2であるようにロール262を駆動する。
ロール261,262は同一の方向に回転するように駆動装置268によって駆動される。より詳細には、輸送面よりも下方に配置されるロール262は、被処理材料10からギャップ高をもって離間されるロール262の線に沿ったロール表面が被処理材料10の輸送速度vTの方向に移動する。
除去装置265は処理液をロール261から取り除くために設けられる。除去装置265とロール261の間の距離は調節可能である。この方式により除去装置265によって取り除かれる処理液の量が設定される。除去装置265の設計および動作のモードは除去装置235に関連して開示されている設計及び動作のモードに対応する。より詳細には、除去装置は、ロール261が処理液の膜に完全に囲まれているように設定することができる。
図12は、処理ステーションの処理領域部271の部分断面図である。処理領域部271は一組のロール261,262、除去装置265、および駆動装置278を有する。これ
らの要素は被処理材料の表面での材料交換を促進するために用いられ、例えば、図18の処理ステーション200のフローノズル206,207の代わりに用いられる。図11を参照して記載した処理領域部251の要素および/装置と設計または機能が対応する要素/および装置は図11と同一の参照符号で示している。
【0157】
駆動装置278はロール261,262が同一の方向に回転するようにこれらを駆動する。ロール261が被処理材料10の有用領域からギャップ高9を持って離間される線263に沿って、ロール261のロール表面は速度274で移動し、その向きは被処理材料10の輸送の方向と同一である。周面速度v1の大きさは輸送速度vTの大きさと異なるように設定することができる。ロール262が被処理材料10の有用領域からギャップ高を持って離間される線275に沿って、ロール262のロール表面は被処理材料10の輸送方向とは反対を向いている。このことによりロール262のロール表面と被処理材料10の間にはギャップの場所で相対速度を生じる。
【0158】
さらなる実施形態において、図13,14を引用して下記に記載されるように、駆動装置は、輸送面よりも上方に設けられたロール261と輸送面よりも下方に設けられたロール262が反対の方向に回転するように設計されてもよい。
【0159】
図13は、処理ステーションの処理領域部281の部分断面図である。処理領域部281は一組のロール261,262、除去装置265、および駆動装置288を有する。これらの要素は被処理材料の表面での材料交換を促進するために用いられ、例えば、図18の処理ステーション200のフローノズル206,207の代わりに用いられる。図11,12を参照して記載した処理領域部251または処理領域部271の要素および/装置と設計または機能が対応する要素/および装置は図11,12と同一の参照符号で示している。
【0160】
駆動装置288はロール261,263を反対の方向に駆動する。ロール261が被処理材料10の有用領域とギャップ高9をもって離間される線263に沿って、ロール261のロール表面は被処理材料10の輸送速度とは反対を向く速度284で移動している。ロール262が被処理材料10の有用領域とギャップ高をもって離間される線265に沿って、ロール262のロール表面は被処理材料10の輸送速度とは反対を向く速度286で移動している。その結果、被処理領域10とロール261の間にあるギャップと、被処理材料10とロール262の間にあるさらなるギャップとの両方において、それぞれギャップを画成する場所で被処理材料とロール261または262の間に相対速度を生じる。被処理材料の両面において、材料の交換が有効に促進される。
【0161】
図14は、処理ステーションの処理領域部291の部分断面図である。処理領域部291は一組のロール261,262、除去装置265、および駆動装置298を有する。これらの要素は被処理材料の表面での材料交換を促進するために用いられ、例えば、図18の処理ステーション200のフローノズル206,207の代わりに用いられる。図11,12を参照して記載した処理領域部251または処理領域部271の要素および/装置と設計または機能が対応する要素/および装置は図11,12と同一の参照符号で示している。
【0162】
駆動装置298はロール261,262を反対の方向に駆動する。ロール261が被処理材料10の有用領域とギャップ高9をもって離間される線263に沿って、ロール261のロール表面は被処理材料10の輸送速度と同一の方向を向く速度294で移動している。ロール262が被処理材料10の有用領域とギャップ高をもって離間される線275に沿って、ロール262のロール表面は被処理材料10の輸送速度と同一方向の速度296で移動している。
【0163】
速度294の値はロール261の周面速度v1に対応する。速度296の値はロール262の周面速度v2に対応する。周面速度v1、v2のうちの少なくとも一方は被処理材料10の輸送速度vTと異なっている。その結果、対応するロールと被処理材料の間に相対速度が生じる。
【0164】
さらなる実施形態において、1つのロールのみが処理部材として提供されてもよい。このロールは輸送面よりも上方にあっても、下方にあってもよい。輸送面について反対側の対向するロールを有しない、ロールの形態をなす処理部材はスルーホールやブラインドホールの処理のために用いられることができる。
【0165】
図15は、処理ステーションの処理領域部301の部分断面図である。処理領域部301はロール302、除去装置265、および駆動装置308を有する。これらの要素は被処理材料の表面での材料交換を促進するために用いられ、例えば、図18の処理ステーション200のフローノズル206,207の代わりに用いられる。図11,12を参照して記載した処理領域部251または処理領域部271の要素および/装置と設計または機能が対応する要素/および装置は図11,12と同一の参照符号で示している。
【0166】
ロール302は輸送面よりも上方に設けられ被処理材料10とロール302の間において、被処理材料10の有用領域の全体にわたってギャップが延伸している。処理液はロール302の両側に接触し動作時液位253まで到達する。駆動装置308はロール302を回転自在に駆動する。ロール302が被処理材料10の有用領域とギャップ高9をもって離間される線303に沿って、ロール302のロール表面は被処理材料10の輸送速度と同一の方向を向く速度304で移動している。速度304の値はロール302の周面速度v1に対応する。周面速度v1は被処理材料10の輸送速度vTと異なっている。その結果、ギャップ8において、ロール302と被処理材料の間に相対速度が生じる。
【0167】
図16は、処理ステーションの処理領域部311の部分断面図である。処理領域部311はロール312、および駆動装置318を有する。これらの要素は被処理材料の表面での材料交換を促進するために用いられ、例えば、図18の処理ステーション200のフローノズル206,207の代わりに用いられる。図11,12を参照して記載した処理領域部251または処理領域部271の要素および/装置と設計または機能が対応する要素/および装置は図11,12と同一の参照符号で示している。
【0168】
ロール312は輸送面よりも下方に設けられ被処理材料10とロール302の間において、被処理材料10の有用領域の全体にわたってギャップが延伸している。ロール312は完全に処理液に囲まれている。駆動装置318はロール312を回転自在に駆動する。ロール312が被処理材料10の有用領域とギャップ高19をもって離間される線313に沿って、ロール312のロール表面は被処理材料10の輸送速度と同一の方向を向く速度314で移動している。速度314の値はロール312の周面速度v2に対応する。周面速度v2は被処理材料10の輸送速度vTと異なっている。その結果、ギャップ18の両端において、ロール312と被処理材料の間に相対速度が生じる。
【0169】
さらなる実施形態において、処理部301のロール302または処理部311のロール312は、線303/313に沿うロール302/312の回転速度が被処理材料10の輸送速度と反対を向く速度ベクトルを有していてもよい。このような設計では高い固有剛性を有する被処理材料を用いることができる。
【0170】
さらなる実施形態において、処理部材として輸送方向においてオフセットになっている一組のロールを設けてもよい。このような処理部材は、スルーホールの処理に用いること
ができる。
【0171】
図17は、処理ステーションの処理領域部321の部分断面図である。処理領域部321は一組のロール261,262、除去装置265、および駆動装置328を有する。これらの要素は被処理材料の表面での材料交換を促進するために用いられ、例えば、図18の処理ステーション200のフローノズル206,207の代わりに用いられる。図11,12を参照して記載した処理領域部251または処理領域部271の要素および/装置と設計または機能が対応する要素/および装置は図11,12と同一の参照符号で示している。
【0172】
ロール261は輸送面よりも上方に設けられ、ロール262は輸送面よりも下方に設けられ、輸送方向において互いにオフセットになっている。ロールの配置が輸送面に対して鏡面対象になっていないため、スルーホールを容易に処理することができる。
駆動装置328はロール261,262を反対の方向に駆動する。ロール261が被処理材料10の有用領域とギャップ高9をもって離間される線263に沿って、ロール261のロール表面は被処理材料10の輸送速度と同一の方向を向く速度324で移動している。ロール262が被処理材料10の有用領域とギャップ高をもって離間される線275に沿って、ロール262のロール表面は被処理材料10の輸送速度と同一方向の速度326で移動している。
【0173】
速度324の値はロール261の周面速度v1に対応する。速度326の値はロール262の周面速度v2に対応する。周面速度v1、v2のうちの少なくとも一方は被処理材料10の輸送速度vTと異なっている。その結果、対応するロールと被処理材料の間に相対速度が生じる。
【0174】
図面を参照して記載してきた装置において、ロールと被処理材料の間の相対速度は0.1〜20m/s、好適には0.2〜10m/s、より好適には0.5〜5m/sである。
図11〜14,17を参照して記載してきたように、輸送面に対して対向するように設けられた一組のロールは連続処理アセンブリの処理ステーションにおける処理部材として用いることができる。これらの実施形態において、2つのロールは同一の方向に回転するように駆動されることができる。このような場合、特に輸送面の下方に設けられたロールは、ギャップ高をもって被処理材料の有用領域から離間されている線に沿う周面速度は輸送方向に沿っている。さらなる実施態様において、2つのロールは反対の向きに回転するように駆動されてもよい。駆動装置は、ロールが同一方向に回転するようにも、反対方向に回転するようにも設計され得る。
【0175】
図11〜14,17を参照して記載したのとは異なる実施形態において、輸送面よりも上方に設けられたロールの周面速度v1と下方に設けられたロールの周面速度v2は等しいものであってもよい。さらなる実施形態において、v1>v2、さらにはv1>>v2、あるいはv1<v2、v1<<v2であってもよい。v2は被処理材料の輸送速度vTから±20%であることが可能である。
【0176】
図9〜17を参照して記載してきた多様な装置において、ロールの周面は円筒形であってよい。表面は開口を有しない円筒形にすることができる。好適には、処理液を透過しない表面であってよい。ロールの表面は好適には円筒形であり被処理材料の有用領域の全体にわたって延伸することによって、両端の領域の間に連続的にギャップが形成される。さらなる実施形態において、複数のロール形状の部分要素が組み合わされて、有用領域にわたるギャップを部分的に形成してもよい。
【0177】
図面に示され、かつ詳細に記載された実施形態の数多くの改変形態は、さらなる実施形態において実装されてもよい。
図11〜17を参照して、ロールの近傍で輸送面よりも上方に除去装置が設けられる装置が記載され、さらなる実施形態では輸送面の下方にロール近傍に固定要素が設けられる。固定要素は、例えば、ストリップの形態であってもよい。ストリップはロール近傍の流れの場に影響を与える。ストリップはロールに相対して調節可能である。
【0178】
上記のすべての実施形態において1つ以上のロールは電解処理の電極として設計されることが可能である。より詳細には、内部陽極として形成されることができる。
上記のすべての実施形態において、ロールは処理の許容範囲でなめらかな表面を有していてもよい。さらなる実施形態において、ロールの表面はテクスチャ加工されていてもよい。
【0179】
上記のすべての実施形態において、ロールはロールの軸が輸送速度から90°ずれている角度に配置されてもよい。
様々な実施形態において、被処理材料に対して横方向にほぼ同じ高さで被処理材料の横幅方向に伸びる保持面が記載されてきたが、ギャップを形成する保持面は、ギャップの断面、特にギャップ高が被処理材料の横幅方向に変化するように構成されてもよい。例えば、被処理材料の横幅方向における保持面は、被処理材料の横幅方向における位置に依存して形成されるギャップがエッジ部よりも被処理材料の中央においてより高くなるように、凹面であってもよい。
【0180】
様々な実施形態が、特に、被処理材料が連続的に水平の輸送面において輸送される処理アセンブリにおいて使用されうる一方、被処理材料が鉛直の輸送面において輸送されるアセンブリにおいても実施形態が使用されうる。例えば、被処理材料が鉛直の輸送面において輸送される場合にも、ギャップを形成する保持面およびフローデバイスの組み合わせを液体の貯留のために使用可能である。1つ以上のロール、軸が垂直方向に向いているものは、被処理材料が垂直輸送面において輸送されるときには、処理部材として用いることができる。
【0181】
実施形態において、被処理材料の有用領域全体から離間するロールの、処理ステーションの流入領域または流出領域での使用が記載されてきたが、さらなる実施形態では処理ステーションは、少なくとも1つの回転自在のロールと処理部材を、図11〜17を参照して記載したように有していてもよく、図1〜10を参照して記載したように、流入領域または流出領域で少なくとも1つの回転自在のロールを有するものであってもよい。
【0182】
様々な実施形態によるデバイスおよび方法は、例えば、プリント回路基板のような回路基板の製造において使用可能であるが、その使用はこれに限定はされない。
【符号の説明】
【0183】
1…処理液を除去するためのデバイス、2…ロール、3…さらなるロール、4…保持面、5,6…隆起エッジ部分、7…シャフト、8…ギャップ、9…最小ギャップ高、10…被処理材料、11…有用領域、12…エッジ領域、14…さらなる保持面、15,16…隆起エッジ部分、17…シャフト、18…さらなるギャップ、19…最小ギャップ高、20…輸送方向、21…処理液、22…液位、23…処理液、24…液位、25,26…回転方向、31…処理液を除去するためのデバイス、32…フローデバイス、33…流体流、34…処理液、41…流出領域、42…処理領域、43,44,45…処理液を除去するためのデバイス、46…底部、47,48…バリア、51,52…ロール、53,55…ロール、54,56…フローデバイス、57,59…ロール、58,60…フローデバイス、61…開口部、71,72…液位、73…処理液、74…液位差、81…流出領域、
82…処理領域、83…処理液を除去するためのデバイス、84〜86…ロール、91,92…液位、93…処理液、94…ポンプ、95…液体流、96…開口部、97…液位差、101…処理液を除去するためのデバイス、102…ロール、103…さらなるロール、104…保持面、105…凹設されたエッジ部分、106…さらなる保持面、107…凹設されたエッジ部分、108,109…固定レール、111…処理液を除去するためのデバイス、112,113…インサート、114,117…側面、115,118…ギャップ、116,119…面取り部、131…処理ステーション、132〜135…ロール、136…液位、141〜148…回転方向、200…処理ステーション、201…内部容器、202…外部容器、203…被処理材料、204…輸送方向、206,207…フローノズル、208…処理液、209…外部容器内の液位、210…ポンプ、211,212,214,216…輸送ロール対、213,215…ニップロール対、221…流出領域、222…基部、223,225…液位、224,226…高さ、227…バリア、228,229…ロール表面、231,232…ロール、233…ロール表面上の線、234…速度、235…除去装置、236…フローデバイス、237…流体のフロー、238…駆動装置、241…流出領域、248…駆動装置、251…処理領域部、252…基部、253…動作時液位、253…高さ、258,259…ロール表面、261,262…ロール、263…ロール表面上の線、264…速度、265…除去装置、266…距離、268…駆動装置、271…処理領域部、274…速度、275…ロール表面上の線、276…速度、278…駆動装置、281…処理領域部、284,286…速度、288…駆動装置、291…処理領域部、294,296…速度、298…駆動装置、301…処理領域部、302…ロール、303…ロール表面上の線、304…速度、308…駆動装置、311…処理領域部、312…ロール、313…ロール表面上の線、314…速度、318…駆動装置、321…処理領域部、324,326…速度、328…駆動装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理材料(10)を電解処理または湿式化学処理するためのアセンブリ内を通って輸送される、平面的な被処理材料(10)を処理するための方法であって、
前記アセンブリの処理ステーションの内部で被処理材料(10)を覆うように処理液(21)に供する工程を備え、
前記処理ステーション内において、ロール表面(4,14;104,106;228,229;258,259)を有するロール(2,3;51,52,53,55,57,59;84,85;102,103;132−135;231,232;261,262;302,312)は、前記ロール表面(4,14;104,106;228,229;258,259)が前記被処理材料(10)の有用領域(11)からは少なくとも離間し、前記有用領域(11)が前記被処理材料(10)の端縁領域(12)の間に連続的に延伸することによって、前記ロール表面(4,14;104,106;228,229;258,259)と前記被処理材料(10)の有用領域の間にギャップ(8,18)が残され、前記ロール表面(4,14;104,106;228,229;258,259)は少なくとも一部が前記処理液(21)内に配備され、かつ前記ギャップ(8,18)にて前記ロール表面(4,14;104,106;228,229;258,259)と前記被処理材料(10)の表面との間に相対速度うが生じるようにロール(2,3;51,52,53,55,57,59;84,85;102,103;132−135;231,232;261,262;302,312)を回転自在に駆動する、方法。
【請求項2】
前記ロール(134,135;231,232;261,262)は前記ギャップ(8,18)を画成する前記ロール表面の部分(233;263;275)が前記被処理材料(10)の輸送方向と反対方向に移動する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ロール(2,3;51,52,53,55,57,59;84,85;102,103;132−135;231,232;261,262;302,312)は、前記ロール表面の周面速度(v1、v2)が前記被処理材料(10)の輸送速度(vT)とは異なり、好適には前記輸送速度(vT)よりも大きい、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
除去装置(235;265)によって前記処理液が前記ロール(231;261;302)から除去される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記除去装置(235;265)は、前記ロール(231;261;302)から一定量の前記処理液を除去するために調節可能である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記除去装置(235;265)は、前記ロール(231;261;302)の軸方向において前記ロール表面(228;258)から一定の距離を有するように調節される、請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
前記ロール(231;261;302;312)は前記処理ステーションの処理部材として設けられる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ロール(231;261;302;312)は、前記ロール表面(258、259)と前記被処理材料(10)の前記表面の間に生じる前記相対速度によって前記被処理材料(10)の表面での材料の交換が増加するように調節される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記処理液(21)は、前記ロール(261;302)の対向する側面と前記輸送方向で接触し、前記処理ステーションの動作時液位(253)に達し、または、前記ロール(262;312)が前記処理ステーションの前記動作時液位(253)よりも完全に下方
に配置される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記ロール(2,3;51,52,53,55,57,59;84,85;102,103;132−135;231,232)は、前記処理ステーションの流入領域または流出領域に設けられ、前記ロール表面は前記処理液(21)を保持するための保持面をなす、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記処理ステーションにおいて、前記被処理材料(10)の有用領域(11)とさらなるロール表面(14)の間にさらなるギャップが残されるように、前記さらなるロール表面(14)を有するさらなるロール(3;52,55,59;85;103;133,135;232;262)を配置し、前記ロール(2;51,53,57;84;102;132,134;231;261)と前記さらなるロール(3;52,55,59;85;103;133,135;232;262)は前記被処理材料(10)の輸送面の対向する両側に配置される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記さらなるロール(232;262)は前記ロール(231;261)と前記さらなるロール(232;262)が同一の方向に回転するように、回転自在に駆動される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ロールは電解処理の電極、より詳細には陽極として用いられる、請求項1〜12に記載の方法。
【請求項14】
被処理材料(10)の電解処理または湿式化学処理のためのアセンブリで用いられる平面状の被処理材料(10)の処理ステーションにおいて、前記処理ステーションは動作時に前記被処理材料(10)を処理液(21)で覆うように設計され、かつ、
ロール表面(4,14;104,106;228,229;258,259)を有するロール(2,3;51,52,53,55,57,59;84,85;102,103;132−135;231,232;261,262;302,312)であって、前記ロール表面(4,14;104,106;228,229;258,259)が前記被処理材料(10)の有用領域(11)からは少なくとも離間し、前記有用領域(11)が前記被処理材料(10)の端縁領域(12)の間に連続的に延伸することによって、前記ロール表面(4,14;104,106;228,229;258,259)と前記被処理材料(10)の有用領域(11)の間にギャップ(8,18)が残され、前記ロール表面(4,14;104,106;228,229;258,259)は少なくとも一部が前記処理液(21)内に配備されている、ロール(2,3;51,52,53,55,57,59;84,85;102,103;132−135;231,232;261,262;302,312)と、
前記ロール(2,3;51,52,53,55,57,59;84,85;102,103;132−135;231,232;261,262;302,312)を、前記ロール表面(4,14;104,106;228,229;258,259)と前記被処理材料(10)の表面の間に相対速度が生じるように回転自在に駆動すべく設計されている駆動装置(238;248;268;278;288;298;308;318;328)とを備える、処理ステーション。
【請求項15】
前記駆動装置(238;248;268;278;288)は、前記ギャップ(8,18)を画成する前記ロール表面の部分(233;263;275)が前記被処理材料(10)の輸送方向(20)と反対の方向に移動するように前記ロール(134,135;231,232;261,262)を回転自在に駆動すべく設計されている、請求項14に記載の処理ステーション。
【請求項16】
前記駆動装置(238;248;268;278;298;308;318;328)は前記ロール表面(4;14)の周面速度(v1、v2)の値が前記被処理材料(10)の輸送速度(vT)の値とは異なり、より詳細には前記輸送速度(vT)よりも大きくなるように前記ロールを回転自在に駆動すべく設計されている、請求項14または15に記載の処理ステーション。
【請求項17】
除去装置(235;265)を備え、より好適には前記ロール(231;261;302)から処理液を除去するために前記ロール(231;261;302)に相対して調節することが可能な除去装置(235;265)を備えている、請求項14〜16のいずれか一項に記載の処理ステーション。
【請求項18】
前記ロール(261,262;302;312)は前記処理ステーションの処理部材として設けられる、請求項14〜17のいずれか一項に記載の処理ステーション。
【請求項19】
前記処理液は、前記ロール(261;302)の対向する側面と前記輸送方向で接触し、前記処理ステーションの動作時液位(253)に達し、または、前記ロール(262;312)が前記処理ステーションの前記動作時液位(253)よりも完全に下方に配置される、請求項14〜18のいずれか一項に記載の処理ステーション。
【請求項20】
前記ロール(2,3;51,52,53,55,57,59;84,85;102,103;132−135;231,232)は、前記処理ステーションの流入領域または流出領域に設けられ、前記ロール表面(4;14)は前記処理液を保持するための保持面をなす、請求項14〜17のいずれか一項に記載の処理ステーション。
【請求項21】
前記被処理材料(10)の有用領域(11)とさらなるロール表面(14)の間にさらなるギャップが残されるように、前記さらなるロール表面(14)を有するさらなるロール(3;52,55,59;85;103;133,135;232;262)をさらに備え、前記ロール(2;51,53,57;84;102;132,134;231;261)と前記さらなるロール(3;52,55,59;85;103;133,135;232;262)は前記被処理材料(10)の輸送面の対向する両側に配置される、請求項14〜20のいずれか一項に記載の処理ステーション。
【請求項22】
前記ロール(231;261)と前記さらなるロール(232;262)が同一の方向に回転するように、前記駆動装置(238;268;278)は前記さらなるロール(232;262)を回転自在に駆動する、請求項21に記載の処理ステーション。
【請求項23】
請求項1〜13に記載の方法を実施するために設計されている、請求項14〜22に記載の処理ステーション。
【請求項24】
平面状の被処理材料(10)を処理するためのアセンブリにおいて、請求項14〜23に記載の処理ステーション(221;241;251;271;281;291;301;311)を備える、アセンブリ。
【請求項25】
回路基板を製造するために請求項1〜13に記載の方法によって被処理材料(10)の処理を行う、回路基板の製造方法。
【請求項1】
被処理材料(10)を電解処理または湿式化学処理するためのアセンブリ内を通って輸送される、平面的な被処理材料(10)を処理するための方法であって、
前記アセンブリの処理ステーションの内部で被処理材料(10)を覆うように処理液(21)に供する工程を備え、
前記処理ステーション内において、ロール表面(4,14;104,106;228,229;258,259)を有するロール(2,3;51,52,53,55,57,59;84,85;102,103;132−135;231,232;261,262;302,312)は、前記ロール表面(4,14;104,106;228,229;258,259)が前記被処理材料(10)の有用領域(11)からは少なくとも離間し、前記有用領域(11)が前記被処理材料(10)の端縁領域(12)の間に連続的に延伸することによって、前記ロール表面(4,14;104,106;228,229;258,259)と前記被処理材料(10)の有用領域の間にギャップ(8,18)が残され、前記ロール表面(4,14;104,106;228,229;258,259)は少なくとも一部が前記処理液(21)内に配備され、かつ前記ギャップ(8,18)にて前記ロール表面(4,14;104,106;228,229;258,259)と前記被処理材料(10)の表面との間に相対速度うが生じるようにロール(2,3;51,52,53,55,57,59;84,85;102,103;132−135;231,232;261,262;302,312)を回転自在に駆動する、方法。
【請求項2】
前記ロール(134,135;231,232;261,262)は前記ギャップ(8,18)を画成する前記ロール表面の部分(233;263;275)が前記被処理材料(10)の輸送方向と反対方向に移動する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ロール(2,3;51,52,53,55,57,59;84,85;102,103;132−135;231,232;261,262;302,312)は、前記ロール表面の周面速度(v1、v2)が前記被処理材料(10)の輸送速度(vT)とは異なり、好適には前記輸送速度(vT)よりも大きい、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
除去装置(235;265)によって前記処理液が前記ロール(231;261;302)から除去される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記除去装置(235;265)は、前記ロール(231;261;302)から一定量の前記処理液を除去するために調節可能である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記除去装置(235;265)は、前記ロール(231;261;302)の軸方向において前記ロール表面(228;258)から一定の距離を有するように調節される、請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
前記ロール(231;261;302;312)は前記処理ステーションの処理部材として設けられる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ロール(231;261;302;312)は、前記ロール表面(258、259)と前記被処理材料(10)の前記表面の間に生じる前記相対速度によって前記被処理材料(10)の表面での材料の交換が増加するように調節される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記処理液(21)は、前記ロール(261;302)の対向する側面と前記輸送方向で接触し、前記処理ステーションの動作時液位(253)に達し、または、前記ロール(262;312)が前記処理ステーションの前記動作時液位(253)よりも完全に下方
に配置される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記ロール(2,3;51,52,53,55,57,59;84,85;102,103;132−135;231,232)は、前記処理ステーションの流入領域または流出領域に設けられ、前記ロール表面は前記処理液(21)を保持するための保持面をなす、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記処理ステーションにおいて、前記被処理材料(10)の有用領域(11)とさらなるロール表面(14)の間にさらなるギャップが残されるように、前記さらなるロール表面(14)を有するさらなるロール(3;52,55,59;85;103;133,135;232;262)を配置し、前記ロール(2;51,53,57;84;102;132,134;231;261)と前記さらなるロール(3;52,55,59;85;103;133,135;232;262)は前記被処理材料(10)の輸送面の対向する両側に配置される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記さらなるロール(232;262)は前記ロール(231;261)と前記さらなるロール(232;262)が同一の方向に回転するように、回転自在に駆動される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ロールは電解処理の電極、より詳細には陽極として用いられる、請求項1〜12に記載の方法。
【請求項14】
被処理材料(10)の電解処理または湿式化学処理のためのアセンブリで用いられる平面状の被処理材料(10)の処理ステーションにおいて、前記処理ステーションは動作時に前記被処理材料(10)を処理液(21)で覆うように設計され、かつ、
ロール表面(4,14;104,106;228,229;258,259)を有するロール(2,3;51,52,53,55,57,59;84,85;102,103;132−135;231,232;261,262;302,312)であって、前記ロール表面(4,14;104,106;228,229;258,259)が前記被処理材料(10)の有用領域(11)からは少なくとも離間し、前記有用領域(11)が前記被処理材料(10)の端縁領域(12)の間に連続的に延伸することによって、前記ロール表面(4,14;104,106;228,229;258,259)と前記被処理材料(10)の有用領域(11)の間にギャップ(8,18)が残され、前記ロール表面(4,14;104,106;228,229;258,259)は少なくとも一部が前記処理液(21)内に配備されている、ロール(2,3;51,52,53,55,57,59;84,85;102,103;132−135;231,232;261,262;302,312)と、
前記ロール(2,3;51,52,53,55,57,59;84,85;102,103;132−135;231,232;261,262;302,312)を、前記ロール表面(4,14;104,106;228,229;258,259)と前記被処理材料(10)の表面の間に相対速度が生じるように回転自在に駆動すべく設計されている駆動装置(238;248;268;278;288;298;308;318;328)とを備える、処理ステーション。
【請求項15】
前記駆動装置(238;248;268;278;288)は、前記ギャップ(8,18)を画成する前記ロール表面の部分(233;263;275)が前記被処理材料(10)の輸送方向(20)と反対の方向に移動するように前記ロール(134,135;231,232;261,262)を回転自在に駆動すべく設計されている、請求項14に記載の処理ステーション。
【請求項16】
前記駆動装置(238;248;268;278;298;308;318;328)は前記ロール表面(4;14)の周面速度(v1、v2)の値が前記被処理材料(10)の輸送速度(vT)の値とは異なり、より詳細には前記輸送速度(vT)よりも大きくなるように前記ロールを回転自在に駆動すべく設計されている、請求項14または15に記載の処理ステーション。
【請求項17】
除去装置(235;265)を備え、より好適には前記ロール(231;261;302)から処理液を除去するために前記ロール(231;261;302)に相対して調節することが可能な除去装置(235;265)を備えている、請求項14〜16のいずれか一項に記載の処理ステーション。
【請求項18】
前記ロール(261,262;302;312)は前記処理ステーションの処理部材として設けられる、請求項14〜17のいずれか一項に記載の処理ステーション。
【請求項19】
前記処理液は、前記ロール(261;302)の対向する側面と前記輸送方向で接触し、前記処理ステーションの動作時液位(253)に達し、または、前記ロール(262;312)が前記処理ステーションの前記動作時液位(253)よりも完全に下方に配置される、請求項14〜18のいずれか一項に記載の処理ステーション。
【請求項20】
前記ロール(2,3;51,52,53,55,57,59;84,85;102,103;132−135;231,232)は、前記処理ステーションの流入領域または流出領域に設けられ、前記ロール表面(4;14)は前記処理液を保持するための保持面をなす、請求項14〜17のいずれか一項に記載の処理ステーション。
【請求項21】
前記被処理材料(10)の有用領域(11)とさらなるロール表面(14)の間にさらなるギャップが残されるように、前記さらなるロール表面(14)を有するさらなるロール(3;52,55,59;85;103;133,135;232;262)をさらに備え、前記ロール(2;51,53,57;84;102;132,134;231;261)と前記さらなるロール(3;52,55,59;85;103;133,135;232;262)は前記被処理材料(10)の輸送面の対向する両側に配置される、請求項14〜20のいずれか一項に記載の処理ステーション。
【請求項22】
前記ロール(231;261)と前記さらなるロール(232;262)が同一の方向に回転するように、前記駆動装置(238;268;278)は前記さらなるロール(232;262)を回転自在に駆動する、請求項21に記載の処理ステーション。
【請求項23】
請求項1〜13に記載の方法を実施するために設計されている、請求項14〜22に記載の処理ステーション。
【請求項24】
平面状の被処理材料(10)を処理するためのアセンブリにおいて、請求項14〜23に記載の処理ステーション(221;241;251;271;281;291;301;311)を備える、アセンブリ。
【請求項25】
回路基板を製造するために請求項1〜13に記載の方法によって被処理材料(10)の処理を行う、回路基板の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公表番号】特表2012−527103(P2012−527103A)
【公表日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−510166(P2012−510166)
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【国際出願番号】PCT/EP2010/002938
【国際公開番号】WO2010/130444
【国際公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(503037583)アトテック・ドイチュラント・ゲーエムベーハー (55)
【氏名又は名称原語表記】ATOTECH DEUTSCHLAND GMBH
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【国際出願番号】PCT/EP2010/002938
【国際公開番号】WO2010/130444
【国際公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(503037583)アトテック・ドイチュラント・ゲーエムベーハー (55)
【氏名又は名称原語表記】ATOTECH DEUTSCHLAND GMBH
【Fターム(参考)】
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