説明

広告配信システム、広告表示装置および広告配信方法

【課題】広告の訴求効果を高めるために、同地域で同時に広告配信させることが多く、そのため従来のコンテンツ配信方法を使用した場合、サーバにトラフィックが集中し通信遅延が生じ、スケジュール通り広告を配信できない場合が頻発するという問題がある。
【解決手段】広告サーバ装置は広告表示装置の起動時間を指示する電源制御情報を広告サーバ装置から広告表示装置に対して送信し、広告表示装置は無停電電源装置に接続され、少なくとも制御部と記憶部を有し、制御部は送信された電源制御情報を受信し、該電源制御情報を記憶部に記憶し、該電源制御情報を無停電電源装置に送信し、無停電電源装置は、起動時間制御手段によって送信された電源制御情報を記憶し該電源制御情報に従って広告表示装置を起動させ、起動された広告表示装置の制御部は広告サーバ装置にアクセスし該広告サーバ装置から広告情報をダウンロードするタイミングをランダムに設定し実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告配信システム、広告表示装置および広告配信方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
広告情報の配信・表示システムのASP(Application Service Provider)型ビジネスモデルでは、広告主への売り切り型の広告端末とASP事業者が出資するサーバから構成されており、サーバ投資分は、広告主に徴収する端末使用料等で回収するスキームが構築されている。
【0003】
そのため、ASP事業者にとっての収益最大化の手法の一つは、契約広告端末数の増大化の一方でサーバ数の現状を維持すること、つまりサーバの増設を抑制することである。
【0004】
しかし、広告、特にプッシュ型広告は、スケジュールにしたがって配信されるのが一般的である。このためサーバに多数の広告端末が設置されていれば、同時に広告情報等を同時にダウンロードしようとして、一過性にサーバにトラフィックが集中することとなる。そうすると広告の放映に遅延が生ずる結果となる。
【0005】
従来、広告表示の遅延を解消する方法として、特許文献1の方法が開示されている。
【0006】
ここで特許文献1は、サーバからコンテンツデータをダウンロード取得して、装置内部記憶部に保持するものである。
【0007】
【特許文献1】特開2005−159930号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した特許文献1に記載のコンテンツ配信方法は、プル型(オンデマンド型)であり、利用者の操作に対する遅延を解消するが、同時的にサーバにトラフィックが集中するという、プッシュ型広告配信特有の問題を解決することができない。
【0009】
特にプッシュ型では、広告の訴求効果を高める目的で同地域に同時に広告配信させる要請があるにもかかわらず、特許文献1のコンテンツ配信方法では、通信遅延が生じ、スケジュール通り広告を配信できない場合が頻発するという問題がある。
【0010】
また、ASPビジネスモデルにおいては、貸し出されるアプリケーションは均一なものが求められる。しかし、広告主に貸し出すプログラムごとに、ダウンロード時間等の設定を変更するのでは、設定に要する人件費が余計にかかり、設定された時間によっては広告主の不公平感も生ずる。そのため、アプリケーションは均一でありながら、サーバへアクセスするタイミングを自動的に振り分ける装置(システム)を開発しなければならないという問題があった。
【0011】
本発明が解決しようとする課題には上述した問題が一例として挙げられる。
【0012】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、広告放映開始時刻の遅延を生じさせずに、サーバ装置による電源制御と、サーバアクセスのタイミングをランダムな時間だけずらすことにより、サーバへのトラフィックの集中を軽減し、サーバ対広告端末数を最大化することを可能とする広告配信システム、広告表示装置および広告配信方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
このような目的を達成するため、請求項1に記載の広告配信システムは、広告情報を配信する広告サーバ装置と、該広告情報を受信する複数の広告表示装置から構成されており、上記広告サーバ装置は、広告表示装置の起動時間を指示する電源制御情報を該広告サーバ装置から上記広告表示装置に対して送信する電源制御情報送信手段を備え、上記広告表示装置は、無停電電源装置に接続され、少なくとも制御部と記憶部を備え、上記無停電電源装置は、上記電源制御情報を記憶し、該電源制御情報に従って上記広告表示装置を起動させる広告表示装置起動手段を備え、上記制御部は、上記電源制御情報送信手段によって送信された上記電源制御情報を受信し、該電源制御情報を記憶部に記憶し、該電源制御情報を上記無停電電源装置に送信する起動時間制御手段と、上記広告表示装置起動手段により広告表示装置が起動された場合に、上記広告サーバ装置にアクセスし該広告サーバ装置から広告情報をダウンロードするタイミングを、ランダムに設定し実行するタイミングランダム化手段と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項3に記載の広告配信方法は、広告情報を配信する広告サーバ装置と、該広告情報を受信する複数の広告表示装置から構成される広告配信システムにおいて、上記広告表示装置は、無停電電源装置に接続され、少なくとも制御部と記憶部を有しており、上記広告サーバ装置において、広告表示装置の起動時間を指示する電源制御情報を上記広告サーバ装置から上記広告表示装置に対して送信する電源制御情報送信ステップと、上記制御部において、上記電源制御情報送信手段によって送信された上記電源制御情報を受信し、該電源制御情報を記憶部に記憶し、該電源制御情報を上記無停電電源装置に送信する起動時間制御ステップと、上記無停電電源装置において、上記起動時間制御手段によって送信された上記電源制御情報を記憶し、該電源制御情報に従って上記広告表示装置を起動させる広告表示装置起動ステップと、上記広告表示装置起動ステップにより起動された上記広告表示装置の上記制御部において、上記広告サーバ装置にアクセスし該広告サーバ装置から広告情報をダウンロードするタイミングを、ランダムに設定し実行するタイミングランダム化ステップと、を含んだことを特徴とする。
【0015】
また、請求項4に記載の広告表示装置は、広告情報を配信する広告サーバ装置と、該広告情報を受信する複数の広告表示装置から構成される広告配信システムにおいて、上記広告表示装置は、無停電電源装置に接続され、少なくとも制御部と記憶部を有し、上記制御部は、上記広告表示装置の起動時間を指示する電源制御情報が、上記広告サーバ装置から上記広告表示装置に対して送信された場合に、受信した該電源制御情報を上記無停電電源装置に送信する起動時間制御手段と、上記起動時間制御手段によって指示を受けた上記無停電電源装置によって、電源制御情報に基づいて上記広告表示装置が起動された場合に、上記広告サーバ装置にアクセスし該広告サーバ装置から広告情報をダウンロードするタイミングを、ランダムに設定し実行するタイミングランダム化手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明にかかる装置、方法、プログラムおよび記録媒体の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【0017】
[本発明の概要]
以下、本広告配信システムの概要について説明し、その後、本広告配信システムの構成および処理等について詳細に説明する。
【0018】
本広告配信システムは、概略的に、以下の基本的特徴を有する。すなわち、本広告配信システムは、広告情報を配信する広告サーバ装置と、広告情報を受信する複数の広告表示装置から構成されており、広告サーバ装置は、広告表示装置の起動時間を指示する電源制御情報を広告サーバ装置から広告表示装置に対して送信する。
【0019】
つぎに、本広告配信システムの広告表示装置は、無停電電源装置に接続され、少なくとも制御部と記憶部を有しており、制御部は、広告サーバ装置から送信された電源制御情報を受信し、電源制御情報ファイルに記憶し、電源制御情報を無停電電源装置に送信する。
【0020】
さらに、本広告配信システムにおいて、無停電電源装置は、送信された電源制御情報を記憶し、該電源制御情報に従って上記広告表示装置を起動させる。
【0021】
最後に、起動された広告表示装置の制御部は、広告サーバ装置にアクセスし広告サーバ装置から広告情報をダウンロードするタイミングを、ランダムに設定し、設定されたタイミングに従ってアクセス・ダウンロードを実行する。
【0022】
このように、サーバが次回起動時間を指示し、起動した広告表示装置がランダムなタイミングでサーバにアクセスし、広告番組情報をダウンロードすることで、サーバへのトラフィックの集中を回避することができる。また分散アクセスが可能となることでサーバ対広告表示端末数を増大させることができる。特に、広告配信システムのASPビジネスモデルにおいては、ASP事業者が負担するサーバ設備投資を抑えることができ、また分散アクセスのための広告表示装置の設定と運用を共通化および自動化することができる。これにより人件費の削減にもつながる。
【0023】
ここで、上記に加えさらに制御部は、所定の時間間隔で広告サーバ装置にログ情報を送信する場合に、上記所定の時間にランダムな時間を付与した時間に該ログ情報を送信するようにしてもよい。
【0024】
これにより、ログ情報をサーバへアップロードする場合にも過剰なトラフィックの集中を回避することができる。
【0025】
ログ情報は、通常、広告表示装置のプログラム動作記録として記憶部に保持されている。そして定期的にログ情報をサーバへアップロードすることで、広告配信システムの管理者は、ログを閲覧して、各広告配信装置における各プロセス実行の成否を把握することができることとなる。
【0026】
以上が広告配信システムの概要である。
【0027】
[システム構成]
まず、本広告配信システムの構成について図1を参照して説明する。図1は、本広告配信システムが適用される本システム構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。本システムは、概略的に広告表示装置100と、広告コンテンツや電源制御情報等を提供し、ログ情報等を収集する広告サーバ装置200とを、ネットワーク300を介して通信可能に接続して構成されている。
【0028】
図1において、ネットワーク300は、広告表示装置100と広告サーバ装置200とを相互に接続する機能を有し、例えば、インターネット等である。
【0029】
図1において、広告サーバ装置200は、ネットワーク300を介して、広告表示装置100と相互に接続され、広告表示装置に対して電源制御情報や広告放映時間などの広告番組に関する外部データベースや広告配信に関するプログラム等の外部プログラム等を実行するウェブサイトを提供する機能を有する。特に本システムにおいては電源制御情報を広告表示装置100に送信する電源制御情報送信手段である。
【0030】
ここで、広告サーバ装置200は、主にASPサーバであるがWEBサーバ等として構成していてもよく、そのハードウェア構成は、一般に市販されるワークステーション、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置およびその付属装置により構成していてもよい。また、広告サーバ装置200の各機能は、広告サーバ装置200のハードウェア構成中のCPU、ディスク装置、メモリ装置、入力装置、出力装置、通信制御装置等およびそれらを制御するプログラム等により実現される。
【0031】
図1において広告表示装置100は、概略的に、無停電電源装置113に接続され、広告表示装置100の全体を統括的に制御するCPU等の制御部102、および、各種のデータベースやテーブルなどを格納する記憶部106を備えて構成されており、これら各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。更に、この広告表示装置100は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、ネットワーク300に通信可能に接続されている。
【0032】
記憶部106に格納される各種のデータベースやテーブル(電源制御ファイル106a〜ログファイル106c)は、固定ディスク装置等のストレージ手段であり、各種処理に用いる各種のプログラムやテーブル、ファイル、データベースやウェブページ等を格納する。
【0033】
これら記憶部106の各構成要素のうち、電源制御ファイル106aは、電源制御情報を格納する電源制御情報格納手段である。電源制御ファイル106aに格納される電源制御情報は、広告表示装置の起動時間と終了時間を定義している。
【0034】
また、広告番組ファイル106bは、広告番組情報(広告コンテンツ)を格納する広告番組格納手段である。
【0035】
また、ログファイル106cは、ログ情報を格納するログ格納手段である。ログには、広告放映ログと広告配信ログの2種類がある。広告放映ログには、各番組の再生開始・終了時刻および番組ファイル名などが記述されており、課金の絡む広告ビジネスにおいては「再生証明書」として扱われる。他方、広告配信ログは、各コンテンツおよび番組表などのデータベースへのアクセス・ダウンロード成否、モニタ状況(内部温度等)など運用に絡む情報も記述されており、サービスの向上と維持をする上で必要な情報源である。
【0036】
図1において、制御部102は、OS(Operating System)等の制御プログラム、各種の処理手順等を規定したプログラム、および所要データを格納するための内部メモリを有し、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部102は、機能概念的に、監視プログラム102a、広告表示プログラム102b、および電源制御部102cを備えて構成されている。
【0037】
このうち、監視プログラム102aは、広告表示プログラムの動作を監視・制御する監視手段である。
【0038】
また、広告表示プログラム102bは、広告サーバ装置200との送受信を制御し、スケジュールに従って広告を出力装置114に表示する広告表示手段である。ここで広告表示プログラム102bは、図1に示すように、通信部102k、スケジューラ102m、再生プレーヤー102nを備えて構成されている。通信部102kは、広告サーバとの送受信を制御する通信手段である。スケジューラ102mは、通信部102kがログを送信する時間や再生プレーヤー102nが広告放映開始時間に再生を行うよう時間管理するスケジュール手段である。再生プレーヤー102nは、広告番組ファイル106bに格納されている広告番組コンテンツをスケジュールに従って再生する再生手段である。
【0039】
また、電源制御部102cは、無停電電源装置113に対して電源制御情報を送信し、起動時間と終了時間を指示し、無停電電源装置113を介して間接的に広告表示装置100の起動時間を制御している起動時間制御手段である。
【0040】
入力装置としては、キーボード、マウス、およびマイク等を用いることができる。また、モニタも、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現することができる。
【0041】
また無停電電源装置113は、電源制御部102cから電源制御情報を受け取り、記憶し、広告表示装置100本体の電源を制御する広告表示装置起動手段であり広告表示装置終了手段である。
【0042】
ここで、出力装置114としては、モニタ(PDPなど)を用いることができる。また。スピーカを用いることができる。
【0043】
[システムの処理]
まず図2を参照して、本広告配信システムの処理の一例を概略的に説明する。図2は、本広告配信システムの機能別タイムチャートである。
【0044】
図2に示すように、電源制御情報を記憶した無停電電源装置(UPS:Uninterruptible Power Supply)は、電源制御情報にしたがって広告表示装置100を起動させる(ステップSA−1)。起動された広告表示装置100は、まず監視プログラム102aを立ち上げる(ステップSA−2)。
【0045】
ここで「監視プログラム」とは、広告表示プログラム起動前の初期処理、および広告表示サービス稼動中における広告表示プログラムの動作状況を監視し、制御する機能をコンピュータに発揮させるプログラムである。
【0046】
図2に示すように監視プログラム102aは、起動後、再生プレーヤー102nを起動させ(ステップSA−3)、不定期間静止する。そして不定期間経過後、広告表示プログラム102bを起動する(ステップSA−4)。これにより、監視プログラム102aがコンピュータ上でタイミングランダム化手段として機能する。
【0047】
そして、広告表示プログラムが起動することにより、サーバ装置に対してアクセスを行い、広告コンテンツなどをダウンロードし、広告放映を行うことになる(ステップSA−5)。
【0048】
なお電源制御情報により指示される起動時間は、広告放映開始時刻に対して余裕をもって設定されており、たとえば5分〜2時間ほど前である。これに対して、不定期間は秒単位レベル(最大30〜60秒程度)でランダムに設定されるので、広告放映が開始時刻に遅れることはない。
【0049】
以上が本広告配信システムの処理の概要である。次に、本システムの各処理について、以下に図3から図5を参照して詳細に説明する。
【0050】
[電源制御処理]
まず、電源制御処理の詳細について図3を参照して説明する。図3は、本実施形態における本システムの電源制御処理の一例を示す概念図である。
【0051】
図3に示すように、広告表示装置100(図中における「端末」)は、電源制御部102cの処理により、電源制御ファイル106aに格納された電源制御情報を制御命令Aとして無停電電源装置113に送信する(ステップSB−1)。
【0052】
通知を受けた無停電電源装置113は、広告表示装置100に制御命令受信完了通知を行う(ステップSB−2)。
【0053】
次に、広告サーバ装置200から広告表示装置100に新たな制御情報が送信される。これにより広告表示装置100は電源制御部102cの処理により電源制御ファイル106aを上書きして更新する(ステップSB−3)。
【0054】
つづいて、無停電電源装置113は、通知された制御命令Aに基づいて広告表示装置100を終了させる(ステップSB−4)。
【0055】
日付変更されると、無停電電源装置113は、制御情報Aに基づいて広告表示装置100を起動させる(ステップSB−5)。
【0056】
広告表示装置100は、起動すると電源制御部102cの処理により電源制御ファイル106aに格納された電源制御情報Bを無停電電源装置113に制御命令Bとして通知する(ステップSB−6)。
【0057】
通知を受けた無停電電源装置113は、広告表示装置100に制御命令受信完了通知を行う(ステップSB−7)。
【0058】
無停電電源装置113は、通知された制御命令Bに基づいて広告表示装置100を終了させる(ステップSB−8)。
【0059】
これにて、電源制御処理が終了する。なお広告表示装置100の電源制御部102cは、広告サーバ装置200から新たな電源制御情報を受け取った直後に、無停電電源装置113に制御命令を通知するように構成されていてもよい。
【0060】
[ランダム起動処理]
次に、ランダム機能処理の詳細について図4を参照して説明する。図4は、本実施形態における本システムのランダム機能処理の一例を示す概念図である。
【0061】
図4に示すように、広告表示装置100が起動すると、監視プログラム102aがコンピュータに読み込まれ起動する。
【0062】
そして監視プログラム102aは起動後、自己の内部処理により監視プログラム102aを静止させるための不定値を設定する。
【0063】
これにより、監視プログラム102aは数秒間休止する。
【0064】
監視プログラム102aの静止期間が終了し、再び機能するようになると、広告表示装置100は、コンピュータに広告表示プログラムの読み込みを開始させる。これにより広告表示プログラム102bが起動し、タイミングランダム化ステップが実現する。
【0065】
つづいて広告表示装置100は、通信部102kの処理により広告サーバ装置200に対して制御情報ファイル参照の送信要求を行う(ステップSC−1)。
【0066】
要求を受けた広告サーバ装置200は、広告表示装置100に対しダウンロードすべきファイルのURLやスケジュールが記載された制御情報ファイルを広告表示装置100に対して送信する(ステップSC−2)。
【0067】
次に、広告表示装置100は、通信部102kの処理により広告サーバ装置200に制御情報に基づいてダウンロード要求を行う(ステップSC−3)。
【0068】
ダウンロード要求を受けた広告サーバ装置200は、広告コンテンツを広告表示装置100に送信する(ステップSC−4)。
【0069】
そして広告表示装置100はスケジューラ102mの処理により、広告放映開始時間に再生プレーヤー102nを機能させ、広告の放映が開始される。
【0070】
そして広告表示装置はスケジューラ102mの処理により、参照間隔(固定値)が到来すると、再び制御情報ファイル参照のため送信要求を行う(ステップSC−5)。
【0071】
これにて、ランダム起動処理が終了する。
【0072】
[ログ送信処理]
次に、ログ送信処理の詳細について図5を参照して説明する。図5は、本実施形態における本システムのログ送信処理の一例を示す概念図である。
【0073】
図5に示すように、広告表示装置100は、通信部102kの処理によりログファイル106cに格納されたログ情報の送信を行う(ステップSD−1)。
【0074】
次に、ログ情報を受け取ったサーバ装置200は、広告表示装置100に受信完了の通知を行う(ステップSD−2)。
【0075】
ログ送信後、広告表示装置100はスケジューラ102mの処理により、次回ログ送信までの一定時間をカウントする。
【0076】
ここで、広告表示装置100はスケジューラ102mの処理により、ログ送信を行うべき時間にランダムな時間を付与し、これを設定する。これによりログ情報ランダム送信手段(ステップ)が実現する。
【0077】
広告表示装置100はスケジューラ102mの処理により、一定間隔ごとの所定時間にランダムな時間を付与した時間になると、通信部102kにログ送信を行うよう通知する。
【0078】
こうして広告表示装置100は通信部102kの処理によりログファイル106cに格納されたログ情報をサーバに送信する(ステップSD−3)。
【0079】
これにて、ログ送信処理が終了する。
【0080】
[他の実施の形態]
さて、これまで本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態以外にも、上記特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施の形態にて実施されてよいものである。
【0081】
特に上述の実施の形態においては、1台の無停電電源装置113に1台の広告表示装置100が接続された例を示したが、これに限らず図6に示すように、1台の無停電電源装置113a(113b)に対して複数台の広告表示装置100a〜100c(100d〜f)が接続されていてもよい。
【0082】
また、上述の実施の形態においては、本発明をプッシュ型広告配信に適用した例について説明したが、この場合に限られず本発明は、プル型(オンデマンド型)広告配信においても、同様に適用することができる。
【0083】
また、広告表示装置100がスタンドアローンの形態で処理を行う場合を一例に説明したが、広告表示装置100とは別筐体で構成される端末からの制御命令に応じて電源制御処理を行い、その処理結果を当該端末に返却するように構成してもよい。
【0084】
また、実施の形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
このほか、上記文献中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0085】
また、広告表示装置100に関して、図示の各構成要素は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
例えば、広告表示装置100の各装置が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現することができ、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現することも可能である。尚、プログラムは、後述する記録媒体に記録されており、必要に応じて広告表示装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDなどの記憶部106などは、OS(Operating System)として協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0086】
また、このコンピュータプログラムは、広告表示装置100に対して任意のネットワーク300を介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0087】
また、本発明に係るプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、EEPROM、CD−ROM、MO、DVD等の任意の「可搬用の物理媒体」、あるいは、LAN、WAN、インターネットに代表されるネットワークを介してプログラムを送信する場合の通信回線や搬送波のように、短期にプログラムを保持する「通信媒体」を含むものとする。
【0088】
また、「プログラム」とは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OS(Operating System)に代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成、読み取り手順、あるいは、読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0089】
記憶部106に格納される各種のデータベース等(電源制御ファイル106a〜ログファイル106c)は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラムやテーブルやデータベースやウェブページ用ファイル等を格納する。
【0090】
また、広告表示装置100は、基地のパーソナルコンピュータ、ワークステーション等の情報処理装置を接続し、該情報処理装置に本発明の方法を実現させるソフトウェア(プログラム、データ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0091】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じた任意の単位で、機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本広告配信システムが適用される本システム構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本広告配信システムの機能別タイムチャートである。
【図3】本実施形態における本システムの電源制御処理の一例を示す概念図である。
【図4】本実施形態における本システムのランダム機能処理の一例を示す概念図である。
【図5】本実施形態における本システムのログ送信処理の一例を示す概念図である。
【図6】1台の無停電電源装置に対して複数台の広告表示装置が接続された他の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
【0093】
100 広告表示装置
102 制御部
102a 監視プログラム
102b 広告表示プログラム
102k 通信部
102m スケジューラ
102n 再生プレーヤー
102c 電源制御部
106 記憶部
106a 電源制御ファイル
106b 広告番組ファイル
106c ログファイル
113 無停電電源装置(UPS)
114 出力装置
200 広告サーバ装置
300 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告情報を配信する広告サーバ装置と、該広告情報を受信する複数の広告表示装置から構成される広告配信システムにおいて、
上記広告サーバ装置は、
上記広告表示装置の起動時間を指示する電源制御情報を該広告サーバ装置から上記広告表示装置に対して送信する電源制御情報送信手段を備え、
上記広告表示装置は、無停電電源装置に接続され、少なくとも制御部と記憶部を有しており、
上記無停電電源装置は、
上記電源制御情報を記憶し、該電源制御情報に従って上記広告表示装置を起動させる広告表示装置起動手段を備え、
上記制御部は、
上記電源制御情報送信手段によって送信された上記電源制御情報を受信し、該電源制御情報を記憶部に記憶し、該電源制御情報を上記無停電電源装置に送信する起動時間制御手段と、
上記広告表示装置起動手段により広告表示装置が起動された場合に、上記広告サーバ装置にアクセスし該広告サーバ装置から広告情報をダウンロードするタイミングを、ランダムに設定し実行するタイミングランダム化手段と、
を備えたことを特徴とする広告配信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の広告配信システムにおいて、
上記制御部は、
所定の時間間隔で上記広告サーバ装置にログ情報を送信する場合に、上記所定の時間にランダムな時間を付与した時間に該ログ情報を送信するログ情報ランダム送信手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の広告配信システム。
【請求項3】
広告情報を配信する広告サーバ装置と、該広告情報を受信する複数の広告表示装置から構成される広告配信システムの広告配信方法において、
上記広告表示装置は、無停電電源装置に接続され、少なくとも制御部と記憶部を有しており、
上記広告サーバ装置において、広告表示装置の起動時間を指示する電源制御情報を上記広告サーバ装置から上記広告表示装置に対して送信する電源制御情報送信ステップと、
上記制御部において、上記電源制御情報送信手段によって送信された上記電源制御情報を受信し、該電源制御情報を記憶部に記憶し、該電源制御情報を上記無停電電源装置に送信する起動時間制御ステップと、
上記無停電電源装置において、上記起動時間制御手段によって送信された上記電源制御情報を記憶し、該電源制御情報に従って上記広告表示装置を起動させる広告表示装置起動ステップと、
上記広告表示装置起動ステップにより起動された上記広告表示装置の上記制御部において、上記広告サーバ装置にアクセスし該広告サーバ装置から広告情報をダウンロードするタイミングを、ランダムに設定し実行するタイミングランダム化ステップと、
を含んだことを特徴とする広告配信方法。
【請求項4】
広告情報を配信する広告サーバ装置と、該広告情報を受信する複数の広告表示装置から構成される広告配信システムにおける広告表示装置において、
上記広告表示装置は、無停電電源装置に接続され、少なくとも制御部と記憶部を有し、
上記制御部は、
上記広告表示装置の起動時間を指示する電源制御情報が、上記広告サーバ装置から上記広告表示装置に対して送信された場合に、受信した該電源制御情報を上記無停電電源装置に送信する起動時間制御手段と、
上記起動時間制御手段によって指示を受けた上記無停電電源装置によって、電源制御情報に基づいて上記広告表示装置が起動された場合に、上記広告サーバ装置にアクセスし該広告サーバ装置から広告情報をダウンロードするタイミングを、ランダムに設定し実行するタイミングランダム化手段と、
を備えたことを特徴とする広告表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−265167(P2007−265167A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−91087(P2006−91087)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(505440789)パイオニアソリューションズ株式会社 (33)
【Fターム(参考)】