説明

広帯域ダイレクト・ディジタル・シンセサイザ

信号発生器、及び周波数シンセサイザのDDSは比較的高い入力クロックスピードを必要とし、不要な成分が出力周波数スペクトルの中に存在するスプリアス周波数応答を生成する。DDSへのクロック信号入力を変化させることによりスプリアスDDS応答を減少させるか回避するためのシステム及び方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は信号発生器、周波数シンセサイザ、信号発生器及び/又は周波数シンセサイザを内蔵する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多くのエレクトロニクス・アプリケーション及びシステムは、特定の周波数及び/又は位相を有する1又は複数の信号の使用を必要とする。例えば、無線送信機及び受信機は、局部発振器信号をアップコンバーション及びダウンコンバーションのために利用することが多い。従って、(位相同期ループ(PLL)に基づく問題解決手段を含む)方法及び装置が、そのような信号を発生するために開発されてきた。
【0003】
信号を発生するために使用される他の装置は、ダイレクト・ディジタル・シンセサイザ(DDS)である。一般に、DDSは入力クロック信号及び制御語を受信する。制御語、もしかすると後続のタイミング(読み出し、書き込み、更新制御、等)にも基づいて、DDSは、入力クロック信号に対して既知の周波数及び/又は位相を有する波形(例えば、正弦波)を出力する。例えば、一般にDDSは、現在の出力サンプルの位相状態を指示する位相アキュムレータ、及びその位相状態に対応する振幅を指示するルックアップテーブルを含む。制御語は、DDSのレジスタ(例えば、位相アキュムレータ)にロードされる。次にDDSは、出力信号の所望する周波数及び/又は位相を、受信した入力制御語に関連付けられたルックアップテーブル情報に基づいて決定する。集積回路製造業者から入手可能なDDSデバイスは、 Massachusetts 州 Norwood の Analog Devices 社から入手可能な AD98XX シリーズを含む。他のDDS製造業者は、 Florida 州 Melbourne の Harris 社、 Florida 州 Melbourne の Intersil 社、及び California 州 Santa Clara の Intel 社を含む。
【0004】
標準的なDDSは、位相アキュムレータ、位相/振幅変換器、及びディジタル-アナログ変換器(D/Aコンバータ)を含む。又、D/Aコンバータなしの上記DDSコアは、数値制御発振器(NCO)とも呼ばれる。各々の具体例は設計間で変化するが、位相アキュムレータ、位相/振幅変換器、及びD/AコンバータはDDSのための標準的な構成要素である。
【0005】
そのような変化の1つが、位相/振幅変換器の具体例である。(メモリに記憶されたルックアップテーブルを一般に使用する)この変換器は、所定のサンプルにおいて位相を受信し、対応する振幅を出力する。しかし、そのような具体例では、現在の設計のメモリサイズ制限のために、位相値の最上位部分だけが使用される。従って、テーブルは最下位ビットX(設計間及びデバイス間でXは変化する)を切り捨てて、最上位ビットYだけを使用する。加えて、テーブルの具体例が変化する。例えば、振幅は90°刻みで繰り返され、振幅の符号だけが四分円によって変化する。従って、多くのルックアップテーブルは、ルックアップテーブルの中の90°だけを、位相がどのような四分円にあるかを明示する符号ビットと一緒に使用する。
【0006】
DDSは、分周器として構成されてもよい。そのような場合、制御語が、(周波数がDDSコアを通して処理され、位相オフセットが加算される)出力信号の所望する周波数及び/又は位相を、所望する出力信号と(出力周波数が、アキュムレータ値及びクロック・レートに基づく)入力クロック信号の比として指定する。
【0007】
DDS出力がディジタル処理を使用して生成されるので、DDSに基づく問題解決手段は、アナログに基づく問題解決手段と比較して著しく減少した位相ノイズを提供する。例えば、アナログ問題解決手段は、出力の位相/周波数を決定するために誤り訂正ループを使用する。そのような場合、訂正の範囲(例えば、帯域幅)を決定する転送機能は訂正に要する時間に反比例し、それにより位相ノイズのためにスピードを犠牲にするか、その逆である。更に、DDSに基づく問題解決手段は、出力周波数の高精度なチューニング分解能(例えば、マイクロヘルツのチューニング分解能)、及び1°未満の位相チューニングを提供できる。加えて、DDSに基づく問題解決手段は、出力周波数又は位相に対するチューニングにおける極めて速いスピード、オーバーシュート/アンダーシュートのない位相連続周波数切替、及びアナログに基づく(例えば、ループ)問題解決手段で生じるような整定時間が殆ど又は全くないことのような長所を提供する。又、DDSに基づく問題解決手段は、構成要素の劣化、及び(例えば、アナログに基づく問題解決手段で問題になることが多い)温度ドリフトが原因である手動によるシステムのチューニング及び微調整の必要性を減らすか除去する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、DDSに基づく問題解決手段は比較的高い入力クロックスピードを必要とし、不要な成分が出力周波数スペクトルの中に存在するスプリアス周波数応答を生成する。
【0009】
スプリアス (spurious) 出力成分(又は「相互変調成分」)の原因の1つは位相打切り誤差である。例えば、DDS出力ルックアップテーブルのエントリの数が、例えば、復号化のために制御語を受信するDDSのアキュムレータ・レジスタの長さに基づいてディジタル制御語により指定できる可能な振幅の最大数より少ないとき、位相打切り誤差が発生する。例えば、32ビット位相アキュムレータを有するDDSは、232の別個の位相を明瞭に指定できる。これらの232の可能性の各々に対応する振幅エントリを提供することは、4,294,967,296個のエントリを含む位相ルックアップテーブルを必要とし、4,294,967,296個のエントリを含む位相ルックアップテーブルを設計で提供することは実現可能でない。従って、ルックアップテーブルは可能な振幅の最大数より少ないエントリを含み、DDSは、位相アキュムレータの状態により指定される正確な値に最も近い位相に対する入力制御語から生じる位相アキュムレータ値を決定するか、又は関連付ける。
【0010】
更に、打切り誤差相互変調成分の振幅は、位相アキュムレータのオーバーフロー特性に基づき、ある期間にわたって周期的に変化する( Grand Repetition Rate としても既知である)。時間に対する打切り誤差振幅の変化は、十分に高い範囲の周波数スペクトルを有する周期的な波形を定義し、打切り誤差波形の高次高調波は、エイリアシングをNyquist 帯域幅に生成する。DDS 位相打切り誤差、他の誤差、及びスプリアス応答に関する追加情報は業界筋から入手可能であり、例えば、(1999年に Analog Devices社が出版し、 http://www.analog.com/UploadedFiles/Tutorials/3343533079104002517DDStutor.pdf においてオンラインで入手可能な)「A Technical Tutorial on Digital signal Synthesis」を含む。
【0011】
スプリアス応答は、DDSの出力周波数に比較的近い周波数で出現する。この側面は、システム設計者にとって特に面倒である。狭帯域アプリケーションでは、例えば、これらの「至近距離の」応答を避けるために、DDS入力クロックは単一周波数、又は非常に狭いチューニング帯域に設定できる。しかし、入力クロックの範囲を限定することは、DDSの出力信号チューニング範囲も制限する。
【0012】
一般に、ディジタル/アナログ変換(D/Aコンバータ)プロセス中の誤差は、スプリアス応答の著しいソースである。そのような誤差は、量子化誤差及びD/Aコンバータ非線形性を含む。一般に、D/Aコンバータに導入された(クロック周波数及び出力周波数に関係する)誤差は、高度に予測可能である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の実施例は、広帯域アプリケーションに対してDDSに基づく信号発生器問題解決手段を利用するためのシステム及び方法を含む。又、そのような実施例は、DDSへのクロック信号入力を変化させることによりスプリアスDDS応答を減少させるか回避するためのシステム及び方法を提供する。
【0014】
本発明による信号発生器の少なくとも1つの実施例は、合成信号をクロック源信号に基づいて生成するように構成された第1のダイレクト・ディジタル・シンセサイザ(DDS)を有するクロック発生器を含む。更に、信号発生器は、分割信号を(1)合成信号、及び(2)分割比率を指示する制御信号に基づいて生成するように構成された第2のDDSを有するクロック分割器を含む。更に、これらの実施例は、ろ波された信号を分割信号に基づいて生成するように構成された選択可能なフィルタを含む。選択可能なフィルタの選択は、制御信号、(例えば、ユーザにより、又はアプリケーションのハードウェア構成要素又はソフトウェア構成要素により選択された)選択された出力周波数、(選択された出力周波数に基づく)分割信号の周波数、及び/又は選択された出力周波数(例えば、周波数比率)に基づく他の値に基づく。少なくとも1つの実施例では、選択可能なフィルタの数は4個である。
【発明の効果】
【0015】
少なくとも1つの実施例では、信号発生器は、変換された信号をろ波された信号に基づいて生成するように構成された周波数変換器を更に含む。いくつかの実施例では、周波数変換器は、局部発振器(LO)信号を受信するミキサ、周波数2倍器、又は(例えば、ステップリカバリダイオード(SRD)を含む)乗算器である。乗算器の使用はスプリアス成分を招くが、又、変換される。
【0016】
少なくとも1つの実施例では、クロック分割器は、次のろ波により合成信号の主周波数より2.5倍低い主周波数を有する分割信号を生成するように構成される。
【0017】
更に、クロック分割器は、第2の分割信号を(1)合成されたクロック信号、及び(2)第2の周波数比率を指示する第2の制御信号に基づいて生成するように構成された第3のDDSを含む。そのような実施例では、複数の選択可能なフィルタの1つの選択が、第2の制御信号に基づいて提供される。少なくとも1つの実施例では、選択可能なフィルタの数は4個である。
【0018】
加えて、少なくとも1つの実施例では、第2のDDS(又は、第3のDDS)は出力値のテーブルを含み、分割信号が(1)合成されたクロック信号、及び(2)周波数比率、及び前記の位相/振幅変換を指示する制御信号に応答する出力値のテーブルに基づいて決定される。これらの実施例では、第2のDDSは、分割信号に対する変化を、合成されたクロック信号の周波数と実質的に等しい周波数において、完全な位相/振幅変換なしに出力する。出力された分割信号は整数又は整数±サブセット(例えば、0.5)の位相値なので、ルックアップテーブルのサイズを減少させることが可能である。
【0019】
更に、少なくとも1つの実施例では、第2のDDS(又は、第3のDDS)が、分割信号を予め定められた周波数において合成されたクロック信号の受信に応答して出力するために予め導入される。
【0020】
本発明の他の実施例による信号を発生する方法は、クロック信号を発生するための第1のDDSを使用すること、及びクロック信号に基づいて信号を発生してクロック信号の2分の1と実質的に等しい周波数を有する第2のDDSを使用することを含む。又、そのような方法は、位相オフセット値を第2のDDSに提供することも含む。
【0021】
本発明の他の実施例による信号を発生する方法は、第1の信号をDDSのクロック入力に提供すること、及び第1の信号に基づいて出力信号を発生してクロック信号の2分の1と実質的に等しい周波数を有するDDSを使用することを含む。又、そのような方法は、位相オフセット値をDDSに提供することも含む。
【0022】
本発明の他の実施例による信号を発生する方法は、出力信号を発生して所望する周波数成分及びスプリアス周波数成分を有するDDSを使用すること、スプリアス周波数成分の強度をモニタすること、及び前記モニタリングの結果に基づいてDDSの位相オフセット値を変化させることを含む。
【0023】
更に、本発明の実施例は、送信機、受信機、トランシーバ、試験装置、衛星通信システム、並びにここに記載された(例えば、局部発振器として利用される)信号発生器、及びそのような装置を使用する方法を含むレーダーシステムを含む。
【0024】
更に、本発明は、典型的な実施例の観点から説明される。これらの典型的な実施例は、図を参照して詳細に記載される。これらの実施例は制限されない典型的な実施例であり、図面全体を通して、類似の参照番号は類似の構造を表す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
特別の定めのない限り、ここでは用語「信号発生器」「シンセサイザ」及び「周波数シンセサイザ」は同義的に使用される。「典型的」として記載される複数の実施例は単に説明に役立つ実例を指し、他の実施例よりも好ましい必要はない。
【0026】
本発明の実施例は、例えば、広帯域アプリケーションでの信号発生に適するシンセサイザ・アーキテクチャを含む。少なくとも1つの実施例では、DDSシンセサイザは、調節可能な(又は、変化する)クロック入力を1又は複数の他のDDSに供給するように構成されたクロック発生器を含む。その種の装置のオペレーションは、後続の1又は複数のDDSの出力のスプリアス成分を阻止又は減少させるように(DDSを含む)クロック発生器の出力周波数を選択することを含む。その種の実施例は、例えば、広い周波数範囲にわたる信号を生成するために適用される。
【0027】
図24は、本発明の実施例による信号発生器10のブロック図を示す。(1又は複数のDDSを含む)クロック発生器101は、合成されたクロック信号を、クロック源信号(図示されない)に基づいて発生する。(1又は複数のDDSを含む)分割器105は、合成されたクロック信号(又は、それに基づく信号)を受信し、分割信号を合成されたクロック信号及び比率に基づいて発生する。選択可能なフィルタのバンク167は、分割信号(又は、それに基づく信号)を受信し、フィルタの選択された1つが、信号をろ波して出力を生成するために適用される。選択可能なフィルタの選択は、比率に基づく。更に、ここに記載された信号発生器10の実施例は、構成要素、例えば、フィルタ、周波数変換器、スイッチ、及び/又は(クロック発生器101と分割器105の間、分割器105と選択可能なフィルタ167の間、及び/又は1又は複数の選択可能なフィルタ167の下流の信号経路の)アナログ加算器を含む
【0028】
図1は、信号発生器10の2つの具体例20a,20bを含むシンセサイザ100の機能ブロック図を示す。シンセサイザ100は、(例えば、第1のクロック信号を提供するように構成された第1のアジャイル (agile) ・クロック発生器101を含む)広帯域局部発振器信号発生器として構成される。この具体例では、クロック発生器101は、第1のクロック源信号(及び、もしかすると他の信号)をクロック分配ユニット110から受信する。例えば、クロック分配ユニット110は、300MHzのクロック信号入力を発生又は受信し、300MHzのクロック信号を、その信号に基づいて、クロック発生器101に対して出力する。他の具体例では、クロック発生器101は、第1のクロック信号、又はそのような信号のプリカーサー (precursor) を発生するように構成された発振器を含む。そのような発振器は、水晶発振器(例えば、温度調整式水晶発振器、又はTCXO)、又は他の適当な装置である。
【0029】
少なくとも1つの実施例では、クロック発生器101は、DDSクロック信号入力をクロック分割器102に対して生成する。クロック発生器101は、ステップリカバリダイオード(SRD)、及び(例えば、低い周波数を有するクロック信号と乗算することによる)クロック発生のための関連回路を含む。クロック分割器102は、DDSクロック信号入力及び制御語の状態に基づいて分割信号を出力するように構成される。
【0030】
図2及び図3は、クロック発生器101及びクロック分割器102の実施可能な具体例に関する補足的詳細をそれぞれ提供する。図2に示されるように、クロック発生器101は、可変帯域通過(及び/又はスイッチ帯域通過)フィルタ153に結合されたDDS151を含み、可変帯域通過(及び/又はスイッチ帯域通過)フィルタ153の出力は周波数変換器155に提供される。可変帯域通過フィルタ153は、クロック信号によるアーティファクト (artifact) 、及び他のアーティファクト(例えば、エイリアス、及びスプリアス応答)を除去する。
【0031】
ここで使用される用語「周波数変換器」は、例えば、周波数乗算器(例えば、SRD、及びミキサを含む回路)のような装置を含む。周波数変換器155は、第1の局部発振器信号を受信しアップコンバートされた出力DDSクロック信号を生成するミキサとして実施される。少なくとも1つの具体例では、第1の局部発振器信号は、クロック分配ユニット110によりDDS151に提供されるクロック信号と同じベースから取り出され、たとえ同じ信号でもよい。更に、出力DDSクロック信号は、ある範囲(例えば、DDS151の出力バンド全体にわたる任意の周波数)全体にわたって連続的に調節可能な正弦波として実施される。出力DDSクロック信号は、ろ波された出力DDSクロック信号を生成するために複数の選択可能な帯域通過フィルタの1つ(又は、スイッチ帯域通過フィルタ、又は単独のフィルタ)157を使用してろ波される。
【0032】
図3に示されるように、クロック分割器102は、出力DDSクロック信号をクロック発生器101から受信するDDS161を含む。DDS161は、DDS161の出力に結合される可変帯域通過(又は、スイッチ帯域通過、又は単独の)フィルタ163に提供される分割信号を生成する。可変帯域通過フィルタ163は、クロック信号によるアーティファクト、及び他のアーティファクト(例えば、エイリアス、及びスプリアス応答)を除去する。DDS161により出力された分割信号は、例えば、広い周波数範囲にわたって調節可能な正弦波である。
【0033】
次に、ろ波された分割信号は、(例えば、ろ波された分割信号を第2の局部発振器信号と混合することにより)変換された分割信号を生成するように構成された周波数変換器165に提供される。変換された(例えば、アップコンバートされた)分割信号は、ろ波さアップコンバートされた分割信号を生成する複数の選択可能な帯域通過フィルタ167の1つを使用してろ波される。少なくとも1つの実施例では、DDS161が特定の帯域通過フィルタ167を制御語の状態に基づいて選択する。
【0034】
いくつかの実施例では、クロック分割器102により出力された分割信号は、クロック発生器101から受信したDDSクロック信号の少なくとも2倍(しかし、3倍よりは小さい)周波数を有する。少なくとも1つの実施例では、分割信号はDDSクロック信号より2.5倍低い周波数を有する。そのような実施例では、0.5倍及び1.5倍の出力周波数において出現するイメージを抑圧するだけのためには、出力のろ波を提供することで十分である。従って、整数値2付近の分割限定だけが、ディジタル・アーキテクチャのサンプリング特性によって課された限定であり、ディジタル・アーキテクチャのサンプリング特性は、イメージに関心がある帯域幅で誤差を生じさせる。
【0035】
少なくとも1つの実施例では、選択可能な帯域通過フィルタ157,167の組のために適切な数字は4であることが分かっており、帯域通過フィルタ157,167の各々は、各入力信号をろ波するために別々に選択される。少なくとも1つの実施例では、フィルタ157,167の組の各フィルタは個別部品を使用して組み立てられ、個別部品は各フィルタに対する別々の構成要素である。或いは、もしアジャイル・クロック発生器への選択可能な入力周波数が使用されたら、4は選択可能な帯域通過フィルタ153,163の組のために適切な数字であることが分かっている。アジャイル・クロック発生器101への選択可能な入力周波数の使用は、クロック発生器101の出力の相互変調成分が無い帯域幅を増加させることにおいて更に有利である。
【0036】
フィルタ157,167の組(及び、選択可能な帯域通過フィルタの他の組)を構成する各フィルタは、組の他のフィルタと比較して、異なる帯域通過周波数範囲、及び更に小さな(又は、更に大きな)相対的帯域通過範囲(即ち、フィルタに対する高周波数カットオフと低周波数カットオフの差として計算されるフィルタの範囲のサイズ)を有する。特定のアプリケーション(又は、設計)の要求仕様及び/又は公差次第で、隣接する通過帯域は重なり合う(又は、重なり合わない)。1組のフィルタの通過帯域の1つの実施可能な配置は、一連のオクターブと同様である。
【0037】
例えば、フィルタの組157は4つのフィルタを有し、帯域50−200MHzを通過させるように実施される。もし個別のフィルタが等しい幅の通過帯域を有するように実施されたら、各通過帯域は50,100,150,及び200MHzに中心を置かれ、各フィルタは中心周波数から±25MHzの帯域を通過させる。そのような分布は0.5x及び1.5xにおけるイメージを50MHzの出力周波数から除去するためには適切ではないが、しかし、25MHz及び75MHzのイメージは50MHzフィルタの通過帯域の内部(又は、少なくとも端)にある。従って、フィルタの中心周波数及び/又は通過帯域の他の分布は、更に望ましい。例えば、同じ中心周波数を、中心周波数が増加するにつれて次第に広くなる通過帯域を有するフィルタを用いて使用してもよい。或いは、フィルタは、不均一に分布した中心周波数を有してもよい。例えば、オクターブ、又は半オクターブ分布(例えば、50−70−100−140)が、中心周波数より僅かに狭い通過帯域を有する各フィルタを用いて代わりに使用される。
【0038】
DDS151,161は、DDSに特定の周波数及び位相を有する出力信号を生成させる1又は複数の制御語を受信する。例えば、制御語は、ディジタル位相及び周波数情報を含む。制御語は、DDS151,161により、例えば、位相アキュムレータ(又は、復号化及び処理のための他のレジスタ)に記憶される。
【0039】
少なくとも1つの実施例では、実施例(例えば、DDS151、又はDDS161)で使用されるDDSの位相アキュムレータは、受信した制御語に含まれるディジタル情報をアキュムレータに既にあるバイナリ値に(例えば、モジュロ2加算を使用して)加え、新しい周波数/位相インデックス値を形成する。次にDDSは、新しく形成された周波数/位相インデックス値を使用して位相ルックアップテーブルから信号の周波数及び位相を決定し、DDSから出力する。
【0040】
更に詳細には、少なくとも1つの実施例では、一方又は両方のDDSは位相連続である。即ち、新しいアキュムレータ値がアキュムレータに書き込まれるとき、DDSは現在の値を位相アキュムレータで累積する。新しい周波数値(位相アキュムレータ値)が書き込まれるとき、DDSが故意に位相アキュムレータ値0にリセットされない限り、新しい周波数値は最終値にアキュムレータで累積又は加算する。
【0041】
実施例では、クロック分割器102が、分割信号を予め定められた周波数においてDDSクロック信号入力の受信に応答して出力するために予め導入される。
【0042】
以下の表1は、周波数計画の特定の実施例を提供し、ここに記載された信号合成オペレーションを行うためのDDS151(「DDS1」)及びDDS161(「DDS2」)の特定の具体例を制御するために使用される制御情報を含む。少なくとも1つの実施例では、制御論理は、表1によりDDS151,161の機能を制御して特定の分割信号を生成するために使用される。例えば、1又は複数の制御語がDDSの制御レジスタにロードされる。この論理は、例えば、書き換え可能なゲートアレイ(FPGA)に具体化されたゲートベースの論理設計、特定用途向け集積回路(ASIC)、一連の個別部品、及び/又は(読み出し専用メモリ(ROM)、プログラム可能なROM(PROM)、消去可能なPROM(EPROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、フラッシュメモリ、又はそれらの変形)であるメモリに記憶されたプロセッサが実行可能な命令を使用して実施される。
【0043】
この実施例では、DDS1(151)の出力は、DDS2(161)への入力前に300MHzだけアップコンバートされる。DDS2(161)は選択された分割比率を適用し、その出力信号は、所望する出力信号を得るために2倍にされる。所定の選択された出力周波数、許容できる分割比率の既知の範囲、及び利用可能なアップコンバーション選択項目の既知の組を仮定して、制御論理がDDS1(151)に対する適切な出力周波数を選択するために実施される。
【0044】
【表1】

【0045】
少なくとも1つの実施例では、クロック分割器102は、(例えば、位相値を変換することなく)分割信号出力を直接的に指定するために使用される振幅値のルックアップテーブルを含む。例えば、制御語に対する応答では、出力された値が振幅値のテーブルに基づいて決定される。少なくとも1つの実施例では、クロック分割器102は、分割信号の新しい値をDDSクロック信号の周波数と実質的に等しい周波数において完全な位相−振幅変換なしに出力する。又、クロック発生器101のためのDDS151のルックアップテーブルは、クロック発生器101により生成されるDDSクロック信号の周波数スペクトルでのスプリアス成分の発生を減少又は阻止するために予め決定されたエントリも含む。
【0046】
少なくとも1つの実施例では、スプリアス含有量は、分割器DDSを整数(又は、整数±0.X)の値(ここで、Xは数字)にチューニングすることにより減少する。更に詳細には、Xは5に等しい。しかし、Xに対して他の値も可能である(例えば、1)。或いは、Xは実数でもよい。この選択は、スプリアス応答(例えば、D/Aコンバータ誤差(例えば、量子化、及び非線形性)により発生するイメージ)を基本周波数(出力周波数)下でマスクする効果を有する。正確な整数分割値に対して、D/Aコンバータ誤差による全スプリアス含有量は、基本周波数の項に分類される。整数値±0.Xに対して、いくらかのスプリアス含有量は基本周波数の項に分類され、接近した残りのスプリアス含有量は出力周波数±(0.X*出力周波数)に等しい周波数の項に分類される。従って、フィルタの数、及び阻止必要性を、出力周波数のスプリアスがない範囲に基づいて決定することが可能である。
【0047】
図3Aは、クロック分割器102、及び周波数変換器段120の他の実施例を示す。この図に示されるように、クロック分割器102は、クロック発生器101により出力されたクロック信号を受信するDDS161を含む。DDS161は、ろ波された分割信号を生成するために複数の選択可能な帯域通過フィルタ167の1つを使用してろ波された分割信号を生成する。少なくとも1つの実施例では、DDS161は、特定の帯域通過フィルタ167を制御語の状態に基づいて選択する。例えば、DDS161により出力された分割信号は、広い周波数範囲にわたって調節可能な正弦波である。
【0048】
ろ波された分割信号は、駆動回路169を通して、ろ波された分割信号が変換された分割信号を生成するために変換される周波数変換器段120に提供される。周波数変換器121は、乗算器として、例えば、スナップオフダイオード(ステップリカバリダイオード)を含むコム発生器を使用して実施される。或いは、周波数変換器121は、周波数2倍器(又は、「専用の乗算器」)として構成されたミキサを含み、入力信号はミキサのRF入力及びLO入力の両方と結合する。
【0049】
変換された分割信号は、ろ波され変換された分割信号を生成するために複数の選択可能な帯域通過フィルタ123の1つを使用してろ波される。例えば、選択可能な帯域通過フィルタの数は4である。少なくとも1つの実施例では、DDS161は、特定の帯域通過フィルタ123を制御語の状態に基づいて選択する。従って、ろ波され変換された分割信号は、駆動回路125(例えば、バッファ、増幅器、又はインピーダンス整合ネットワーク)を通して1又は複数の周波数変換器に提供され、関心がある他の周波数を生成する。
【0050】
図4は、周波数変換器段130の実施例の詳細な機能ブロック図を示す。この図に示されるように、第1の局部発振器信号の第1の部分を出力する周波数変換器段130は、(周波数変換器段120に結合される)周波数変換器131を含み、周波数変換器131の出力は、スイッチ132,135を通して1又は複数の選択可能な帯域通過フィルタ133,134に結合される。少なくとも1つの実施例では、周波数変換器段130は、帯域通過フィルタ133又は帯域通過フィルタ134を、受信した(ろ波され変換された)分割信号の周波数に基づいて選択する。実施例では、この段での選択可能な帯域通過フィルタの数は2であるが、2より多いか2より少ないフィルタも適切なものとして使用できる。
【0051】
帯域通過フィルタ133,134は、段の所望する出力周波数(又は、所望する出力周波数への変換を行うために必要な中間周波数)に基づいて選択される。例えば、図4に示される特定の具体例では、1100−1300MHzの帯域通過フィルタ133又は1300−1500MHzの帯域通過フィルタ134の何れかが、第1の周波数変換器段130に対して所望する出力周波数に基づいて選択され、出力周波数の範囲は1100MHz−1500MHzである。図4に示されるように、先行する段120からの100−300MHzの中間周波数(IF)入力は、1000MHz又は1200MHzの何れかと混合され、上記出力を生成する。
【0052】
少なくとも1つの実施例では、制御論理は、フィルタ133又はフィルタ134を所望する出力周波数に基づいて選択するために使用される。制御論理は、(限定されないが)例えば、上記のようなFPGA、ASIC、ROMデバイス、又はソフトウェアを使用して実施される。制御論理は、提供される出力周波数を最初に決定し、最終出力にアップコンバートされるのに必要な局部発振器周波数を次に決定する。実施例では、もし所望する出力周波数が1100−1300MHzならば、図4に示されるように1000MHz局部発振器信号が選択されて、1100−1300MHzを生じさせるために周波数変換器131を使用して100−300MHzと混合される。他方では、もし所望する出力周波数が1300−1500MHzならば、1200MHz局部発振器信号が選択されて、1300−1500MHzフィルタ134が選択される。少なくとも1つの実施例では、LO信号及びフィルタを選択することは、同じ制御信号を用いて行われる。制御論理及び制御流れに関する補足的詳細が、図16に対して記載される。
【0053】
図5は、周波数変換器段140の実施例の詳細な機能ブロック図を示す。この図に示されるように、周波数変換器段140は、第1の位置で、周波数変換器段140が、受信した信号を、ろ波された信号を生成するために複数の選択可能な帯域通過フィルタ142の1つに結合される周波数変換器141(例えば、ミキサ)に提供するように構成する1組のスイッチ144,145を含む。少なくとも1つの実施例では、周波数変換器段140は、特定の帯域通過フィルタ142を、周波数変換器段140の出力において必要な最終出力周波数に基づいて選択する。第2の位置では、スイッチ144,145は、周波数変換器段140に、周波数変換器段140により受信された信号を出力させる。どちらの場合も、スイッチ145を通る第2段信号が、駆動回路146を通して、第1の局部発振器最終出力信号として提供される。図1及び図5に示される特定の具体例では、この段により出力される第1の局部発振器信号は、1100MHz−2100MHzの周波数を有する。
【0054】
少なくとも1つの実施例では、ろ波及びアップコンバーション選択、又はバイパスに対するスイッチ設定は、制御論理により、段出力周波数、第1の局部発振器LO1の所望する最終出力周波数(例えば、1100−2100MHz)、又はこれらの1つを生成するためのアップコンバーションに使用される中間周波数に基づいて選択される。出力周波数の範囲の中に通過帯域を有し、不要な項(例えば、アップコンバージョンの場合の局部発振器入力)を減衰させるフィルタが選択される。もし周波数変換器段140がアップコンバーション(例えば、出力周波数は、1100−1500MHz)のために構成されていなければ、周波数変換器141はバイパスされて、前の段(例えば、図4の周波数変換器段130)からの出力周波数が使用される。
【0055】
図1に示されるように、少なくとも1つの実施例では、シンセサイザ100は、第2の局部発振器信号を生成するように構成された第2の信号発生器(即ち、第2の分割器104に結合される第2のクロック発生器103)を更に含む。第2のクロック発生器103によりクロック分配ユニット110から受信されたクロック信号は、第1のクロック発生器101により受信されたクロック信号と同じ周波数を有する。或いは、クロック分配ユニット110は、異なる周波数を有する信号を第2のクロック発生器103に提供する。第2のクロック発生器103及び第2の分割器104の構造及びオペレーションは、図1−図3Aの第1のクロック発生器101及び第1の分割器102に対して記載されたものと実質的に同じである。第2の局部発振器信号は、例えば、48MHz−94MHzの周波数を有する。更に高い局部発振器周波数を発生するために、第2の分割器104の出力は、上記のアップコンバータ及び/又は1又は複数の合成器段に結合される。
【0056】
少なくとも1つの実施例では、シンセサイザ100は第3の局部発振器信号を提供する。第3の局部発振器信号は、例えば、300MHz、500MHz、又は1100MHzの周波数の1つを有する。実施例では、クロック分配ユニット110は、第3の局部発振器信号を発生するように構成された1又は複数のステップリカバリダイオード(SRD)を含む。
【0057】
或いは、調節可能なクロック源を変化させることは、第2の(又は、後の)DDSに対してクロックを提供するDDS方法及び装置以外を使用して構成してもよい。そのような変化する(調節可能な)クロック源の実施例は、位相同期ループである。位相同期ループは同調が遅いが、そのような装置はDDSと比較して(ミリワットまで下がる)低い電力消費及び/又は(例えば、減らされたろ波要求仕様による)小さなサイズを提供する。そのような実施例では、可変周波数クロック信号はクロック分割器により受信され、クロック分割器は図1−図3Aに対して記載された。
【0058】
他の実施例では、シンセサイザ200は、2つ以上の分割器(例えば、図6に示されるような分割器202−204)に結合されるクロック発生器201を含む。少なくとも1つの実施例では、1又は複数の分割器202−204はDDSを使用して実施される。例えば、複数のクロック分割器は、新しい分割比率又は制御語をDDS分割器にロードするために掛かる時間を減らすか削除するために使用される。1つの具体例では、1又は複数のクロック分割器202−204が、均一に早い切替時間を達成するために、特定の分割比率、制御語、及び/又は出力周波数/位相を用いて(即ち、信号経路に選択される前に)予め構成される。典型的なアプリケーションでは、そのようなアーキテクチャは、異なる周波数の間(又は、中で)非常に高速に「ピンポン」(又は、「ホップ」)するために使用される。
【0059】
例えば、1又は複数のクロック分割器202−204は、予め定められた異なる分割器値を予めロードするための複数のレジスタを含み、分割器は、予めロードされた分割器値の1つを、制御論理により分割器の外部に各分割器へ別々にロードするために掛かる時間より早く提供される信号に応答して選択できる。制御信号は、分割器が信号経路に選択されるときに(又は、前に)提供される。
【0060】
或いは、複数の分割器202−204の各々は、単一の各分割器値で予め構成(又は、単一の各分割器値を予めロード)され、各分割器は、非常に速いチューニング・スピードを達成するために、(例えば、スイッチ205により)各分割器へ別々にロードするために掛かる時間より早く別々に選択される。少なくとも1つの実施例では、分割器202−204は、(直列にロードされるレジスタとは逆の)並列ロード制御語レジスタを有する。
【0061】
図6は3つの分割器202−204を示すが、任意の数の分割器(又は、分割器DDS)が種々の実施例で使用できることを銘記しておく。又、アーキテクチャも、クロック発生器201と分割器202−204の間にスイッチを含むように実施できる。
【0062】
他の具体例では、分割器チップは複数の(例えば、4又は8)異なるピンを選択可能な特性を有し、図6に対して記載したようにオペレーション中に早い周波数切替が達成されるように、各特性はそれぞれの制御語(又は、分割比率)を含む。1つの具体例では、そのような分割器チップは、2つの異なる周波数の間で切り替わる位相連続を提供する。或いは、図6のアーキテクチャは、複数の分割器(例えば、202−204からの出力)が変調された出力信号(又は、所望する波形)を提供するために結合するように、スイッチ205の代わりに(又は、スイッチ205に加えて)アナログ加算機を使用して実施される。
【0063】
更に、代わりに、分割器202−204の少なくとも1つが、DDSに基づかない分周器でもよい。例えば、そのような分周器は、論理チップ(例えば、TTL、ECL)を含むか個別部品を使用するものとして構成されるか、又は分割周波数を出力できる集積回路を含む。或いは、そのような分割器は、分割信号を、複数の異なる分割比率の1つにより、選択信号に応答して生成する。クロック発生器201が、特定のアプリケーションで、分割器202−204の少なくとも1つがDDSを使用して実施される実施例より大きい周波数範囲を有することを必要とするように、そのような実施例は、利用可能な分割比率の組を減少させる。
【0064】
図7Aに示されるように、他の実施例によるシンセサイザ700は、第1の分割器段710に結合されるクロック発生器701を含み、次に第1の分割器段710の出力が第2の分割器段703に結合される。そのような実施例では、クロック発生器701、第1の分割器段710、及び第2の分割器段703の少なくとも1つ(又は、全て)がDDSを使用して実施され、例えばクロック発生器701は第1のDDSを含み、第1のDDSは第1の分割器段710を実施している第2のDDSに結合され、第1の分割器段710は第2の分割器段703を実施している第3のDDSに結合される。例えば、第3のDDS(又は、第2段分割器)は、上記の実施例の第2のDDS(又は、分割器)を実質的に再現する。
【0065】
第2のDDSの出力へ直列に結合された第3のDDSを使用する長所は、更に高精度なチューニング分解能(例えば、マイクロヘルツ分解能)及び/又は更にスプリアス成分抑圧を含む。更に、増大したチューニング分解能(しかし、減少したスプリアス性能)を有する第1のDDS(例えば、アジャイル・クロック、又はクロック発生器DDS)が使用される。そのような実施例では、第1のDDS(例えば、アジャイル・クロック発生器DDS)により生成されるスプリアス成分は、例えば、20log[(第2のDDS分割値)*(第3のDDS分割値)]だけ減少する。従って、第3のDDSの付加は、第1のDDS(例えば、アジャイル・クロック発生器)により作り出されたスプリアス応答を更に減少させ、一方で更に高精度なチューニング分解能を提供する。他の実施例のように、1又は複数のDDSが、素早い周波数切替のために予めロードされる。更に、図7Bに示されるように、第1の分割器段722は、2つ以上の分割器(例えば、分割器710,711)を含むように実施される。そのような分割器は、(例えば、スイッチ712を介して)選択可能、又は(例えば、変調された信号、又は他の波形を得るために)組合せ可能な出力を有する。
【0066】
クロック分割器102に関して、少なくとも1つの実施例では、DDS161は、入力クロックのレートでD/Aコンバータへ直接的に出力される振幅値のテーブルを含む。そのようなアーキテクチャは現在のDDSアーキテクチャの位相−振幅変換をバイパスし、従って、制御語入力に対する必要性を除去する。制御語が適用される整数(±0.5)比率を指定する信号により取って代わられるように、振幅値のテーブルは小さい(即ち、整数(又は整数±0.5)の比率に対してのみ実施される)。更に詳細には、そのような実施例は、例えば、整数値±0.5、及び/又は整数値±0.1,±0.2,±0.3,又は±0.4の比率を使用してもよい。他の許容できる問題解決手段は、(例えば、図23に示されるように)スプリアス応答のない広い帯域を提供することが分かっている、整数でない比率の分割器DDSを含む。このアプローチは、特定の要求仕様(例えば、アプリケーションの帯域幅、スプリアスのない動的範囲、要求仕様サイズ、等)に応えるために柔軟である。
【0067】
実施例では、上記のシンセサイザは、集積回路デバイスを、信号発生における使用のためのプログラム可能な分割器チップDDSとして使用して実施される。チップは、それを各クロック・サイクルに使用するために対応する正弦波(又は、余弦波)値を指示する特定の分割比率へ送信することによりプログラムされる。出力は正弦波であるが、他の波形も可能である。そのようなプログラム可能な分割器チップは、特定のアプリケーション(例えば、デュアルDDS形態を使用するアプリケーション)のために設計され、従って、簡素化(又は、合理化)した設計を利用する。デュアルDDSシンセサイザの場合、1つのDDSは、特定のスペクトル純度関係のために特定の分割比率だけで機能するために動作可能である第2のDDSを同期するために使用される。
【0068】
上で論じたように、デュアルDDSシンセサイザは、相互変調成分を減少させる長所を有するように実施される。スプリアス応答は、特に広帯域アプリケーションのためのDDSの広範な使用を制限した以前のDDSアーキテクチャの1つの特徴である。クロックは調節された出力周波数に関係するので、クロックの予測可能な間隔では、DDSは多くの隣接するスプリアス応答を有する。狭帯域システムでは、これらの隣接する応答を回避するためにクロックは単一周波数に設定されるが、これもチューニング範囲を制限する。従って、これらのスプリアス応答は、広帯域システムでの既存のDDSアーキテクチャの使用を禁じる。
【0069】
少なくとも1つの本発明の実施例では、第1のDDSは調節可能なクロックを第2のDDSに提供し、調節可能なクロックは、第2のDDSの固有のスプリアス領域を軽減するために必要であるとして、第2のDDSへの入力クロックが調節されることを可能にする。この形態は、DDSの所望する利点を利用するために隣接するスプリアス応答を除去及び/又は著しく減少させ、DDSの所望する利点は優れた位相ノイズ及び高速チューニング・スピードを含む。最もクリーンな出力スペクトルは整数及び半整数の比率において得られるので、これらの分割比率専用のDDSチップがその機能に対して最適化される。
【0070】
本発明の他の実施例は、プログラム可能な分割器チップを含む。(分割器DDSとして特に構成された)そのようなDDSシンセサイザ・チップは、高速チューニング及び低い位相ノイズ特性が所望される多様な広帯域アプリケーションで利用される。これらのアプリケーションは、(制限されないが)信号監視、電子戦、試験装置、送信機、レーダー、及びデータ通信を含んでもよい。(例えば、アナログ設計と比較して)分割器DDSの特定の長所は、更に単純な設計、更に早い設計、更に小さいチューニング語、更に低いスプリアス応答、更に高い忠実度、及び更に低い位相ジッタを含む。
【0071】
図8Aに示されるように、本発明の実施例によるプログラム可能な分割器チップは、3つの部分:分割比率−アドレス・マッピング部801、(例えば、正弦及び/又は余弦)ルックアップテーブル802、及びディジタル−アナログ変換器(D/Aコンバータ)部803を含む。(指示された分割比率によりルックアップテーブル802のためのアドレスの配列を出力する)分割比率−アドレス・マッピング部801は、複数の異なる方法で実施され、選択された分割比率(例えば、一連の2.5,3,3.5,4,4.5,...,100の全部又は一部)がサポートされる。例えば、4で分割する場合、マッピング部801は、クロック・サイクル毎のアドレス/角度の1つのレートでD/Aコンバータ803に出力される90°毎(又は、0°,90°,180°,及び270°)に対する正弦波(又は、余弦波)値のためのルックアップテーブル802のアドレスを示す。従って、4で分割された出力の1つの完全なサイクルは、4つのクロック・サイクルで生成される。2.5で分割される場合、マッピング部801は、同じレートでD/Aコンバータ803に出力される0°,144°,288°,432°,及び576°に対する正弦値のためのアドレスを示す。この場合、2.5で分割された出力の2つの完全なサイクルは、5つのクロック・サイクルで生成される。他の分割比率に対するオペレーションは、この論理から推論できる。又、そのようなチップも、ここに記載された(例えば、ピンを選択可能な)選択可能な特性を含む。
【0072】
そのような実施例は正弦波(又は、余弦波)出力を提供するが、しかし、この基本構造の他の実施例も可能である。図8Bに示されるように、1実施例は、1機能802のような、分割比率のROMへのルックアップを含む。他の実施例は、非正弦波形(例えば、三角波、のこぎり波、又は他の波形)に基づくルックアップテーブルである。
【0073】
以下の表2は、特定の分割比率を生成するために使用される増加位相値の実施例を一覧表示する。
【0074】
【表2】

【0075】
位相増加数を検討することにより認識されるように、多くの値が再利用される。例えば、12による分割は30°毎に12個の値を有し、60°毎に値を有する6による分割の6個の値全てを包含する。そのような数字の再利用(及び、ルックアップのサイズの結果的な減少)は、具体例で実現されるDDSの単純化を可能にする。
【0076】
分割比率2(即ち、Nyquist 周波数)におけるDDSの使用は、現在知られていない。1つの考えられる理由は、DDSが、更に高い分割比率における出力信号強度と比較して、整数比率2における20dB(又は、20dBより大きな)までの出力信号強度での減少を示すことである。
【0077】
いくつかのDDS(例えば、Analog Devices 社の 98XX シリーズのDDS)は、位相オフセット値を、位相アキュムレータにより(例えば、ディジタル/アナログ変換の前に)出力される位相値に加算する措置を含む。発明者は、90°(又は、270°)の位相オフセットを選択することにより、出力信号強度が、更に高い分割比率における結果と匹敵する整数比率2において達成されることを発見した(例えば、図25を参照)。
【0078】
ここに記載されたように、そのような技術は、可変周波数クロック(例えば、PLL、又は他のDDS)により駆動されるDDSを用いる特定の長所に使用される。そのような1つのアプリケーションでは、分割器DDSは分割比率2、及び位相オフセット90°で構成される。PLL(又は、DDS)を同期することは周波数可変性(及び/又は、広帯域オペレーション)を提供するために使用され、一方、分割器DDSは位相連続(及び/又は、比較的スプリアスが無い出力)を半分のクロック周波数において提供するために使用される。異なる位相オフセット値が、類似の長所を他のDDSモジュールに提供することが確認される。
【0079】
又、DDSの位相オフセット値の調整は、分割比率X.5(ここで、Xは2以上の整数)と関連して使用される(例えば、図26を参照)。本発明の他の実施例による方法では、位相オフセット値が選択されて減少したスプリアス信号強度(及び/又は、増大した出力信号強度)を提供する。
【0080】
上記のように、D/Aコンバータ非線形性は、スプリアス含有量を増加させる。一般に、D/Aコンバータ非線形性は、更に高い周波数において大きい。この効果に対する1つの理由は、更に低い分割比率における出力が、更に高い分割比率における出力よりも少ないデータポイントを使用して変換されることである。もしかすると、この効果のために、分割比率2.5におけるDDSのオペレーションは現在知られていない。そのようなオペレーションを可能にするろ波(及び、他の技術)が、ここに記載される。
【0081】
ここに記載されるように、分割比率X.5(ここで、Xは2以上の整数)で動作するDDSは、0.5倍(及び、1.5倍)の出力周波数においてスプリアス出力を有することを期待される(例えば、図21を参照)。DDSの位相オフセット値を変化させること(又は、選択すること)により、これらの相互変調成分の一方(又は、両方)の強度が減少する。
【0082】
そのような方法は、例えば、ろ波タスクを簡略化するために更に適用される。例えば、フィルタは1クロック周波数によるスプリアスの強度を減少させるが、他のクロック周波数によるスプリアスの強度への(特定の設計仕様を満たす)十分な効果を有しない。少なくとも第2の場合において、上記のようにスプリアスの強度を減少させることにより、その場合に同じフィルタを使用することにより仕様を満たすことが可能であり、このことは他のフィルタをシステムに付加する必要性を回避する。又、ここに記載された方法は、X.5以外の分割比率で動作するDDSでも使用される。
【0083】
位相オフセット値が分割比率X.5(ここで、Xは2以上の整数)で動作するDDSに対して変更(又は、選択)される場合、適切な位相オフセット値(即ち、スプリアス強度の所望する(又は、許容できる)減少、及び/又は所望する信号強度の所望する(又は、許容できる)増加をもたらす値)が徐々に変化することが可能である。例えば、そのような値は、温度、静電容量、周波数、デバイス劣化、等の効果に基づいて変化する。従って、DDSの出力信号の1又は複数のスプリアス成分の強度をモニタすること、及びモニタリングの結果に基づいてDDSの位相オフセット値を変更(又は、選択)することが望ましい(例えば、図27を参照)。又、そのような方法は、X.5以外の分割比率で動作するDDSでも使用される。加えて、そのような方法は、スプリアスの強度を減少させて(又は、させること無しに)所望する信号の強度を増加させるために使用される。
【0084】
少なくとも同じ周波数、同じ分割比率、及び/又は同じアプリケーションにおけるオペレーションに対して、同じ型番の異なるDDSに対する所望する出力、同じロットからの異なるDDS、等を生成する位相オフセット値を変更(又は、選択)するために使用される1又は複数のDDSから情報を得ることが可能である。例えば、最適な(又は、望ましい)位相オフセット値が(DDSの内部及び/又は外部にある)1又は複数の特定の伝搬路に依存すること、及び値と伝搬路の関係に関する情報が得られて他のDDSの使用に適用されることが可能である。例えば、他の周波数において長所を有する位相オフセット値を計算するために、2又は3以上の異なるクロック(及び/又は、出力周波数)における測定値に関する情報を使用することが可能である(例えば、図28を参照)。当該技術分野で既知の状態分析、補間、等の特定の方法が、本発明の実施例による方法で適用される。
【0085】
ここに記載するように、本発明の実施例は、1又は複数の極めて清浄な、高速チューニング周波数ソースが所望されるアプリケーションに対して使用される。実施例は、(限定されないが)周波数変換における局部発振器、復号変調、並びに送信及び試験・測定アプリケーションを含む。一般に、本発明も、以前に実施した位相同期ループ(PLL)アプリケーションに対して使用される。図9−図16に対して、特定のアプリケーションが以下に記載される。
【0086】
図9は、実施例による高速チューニング、高スペクトル純度のチューナ/受信機900のブロック図である。更に詳細には、図9は、高速チューニング・スピード、及び高スペクトル純度(位相ノイズ、及びスプリアスが無いダイナミック・レンジ(SFDR))のために設計されたチューナ/受信機の実施例を示す。そのような実施例のためのアプリケーションは、信号インテリジェンス(SIGINT)及び電子インテリジェンス(ELINT)信号の収集及び解析を含む。少なくとも1つの実施例では、受信機/チューナ900は受信帯域フィルタ903に結合された高周波(RF)アンテナ901を含み、受信帯域フィルタ903の出力は低ノイズ増幅器905を通して第1の周波数変換器907に送られて第1の中間周波数(IF1)を生成する。周波数変換器907の出力は、帯域通過フィルタ909を通して、第2のIF(IF2)を生成する第2の周波数変換器911に結合される。第2の周波数変換器911の出力は、帯域通過フィルタ913及び増幅器(又は、信号処理器)915を通して、検出されたディジタル信号を修復する第3の周波数変換器917に送られる。周波数変換器917の出力は、第1の低域通過フィルタ919、増幅器/信号処理器921、及び第2の低域通過フィルタ923を通して、検出されたディジタル信号に対応するアナログ信号を再構成するD/Aコンバータ925に結合される。そのような実施例では、受信機のチューニング・スピード及びスペクトル純度は、そのシンセサイザ(図9に示される特定の具体例の周波数変換器907,909及び917への各LO1,LO2,及びLO3入力)により決定される。本発明の実施例の位相ノイズ、SFDR、及びチューニング・スピードは、そのようなアプリケーションに大変適している。更に詳細には、LO1,LO2及びLO3の任意の1つ(又は、全て)が、ここに記載された(例えば、信号発生器10の1又は複数の具体例を含む)信号発生器(又は、シンセサイザ)の実施例を使用して実施される。或いは、LO2及びLO3の一方又は両方が、他の問題解決手段(例えば、PLLに基づく、又はSRDに基づく信号発生器)を使用して実施される。
【0087】
図10は、実施例(例えば、「チップ上のDDS」)によるDDSチップ/チップセットのブロック図である。新しい混成信号ファウンドリ・プロセスは、このアーキテクチャを、チップ(又は、チップセット)問題解決手段に、制限した数の外部構成要素を用いて与えるために使用される。チップ(又は、チップセット)の帯域幅は、大いに改善された広帯域SFDR(例えば、85−90dBc)を有するDDSチップの簡略化を提供する。本発明の実施例によるアーキテクチャの帯域幅は、ディジタル、及びD/Aコンバータ・アーキテクチャのスピードを増加させ続ける。
【0088】
図10では、変更された正弦ルックアップテーブル、及び位相アキュムレータROMが、本明細書に記載されたDDS#2のための最適に調整されたスポットに対する位相アキュムレータ値及びルックアップ値を収容する。特定のアプリケーションに対して、それら最適スポットは整数分割比率、及び整数±0.5分割比率である。これらの「最適スポット」に対応するこれらの値だけを使用することが、位相アキュムレータROM及び正弦ルックアップテーブル(ROM)のサイズを減少させる。図10に示されるように、いくつかの実施例では、フィルタ構成要素及び周波数変換器構成要素が、DDS集積回路の外部に提供される。
【0089】
図11は、実施例による試験及び測定信号発生器/スペクトラムアナライザ・フロントエンドのための機能情報関連図である。更に詳細には、本発明の実施例は、試験及び測定装置での使用に必要な特性を有し、(限定されないが)変調機能による優れた位相ノイズ及びSFDRを含む。試験及び測定信号発生器フロントエンドは、例えば、基準信号発生器1105、及び基準信号発生器1105と通信する広帯域信号発生器12を含む。広帯域信号発生器12は、ここに記載された信号発生器10の1又は複数の具体例を含むように実施される。又、アーキテクチャは装置のRFフロントエンド(例えば、スペクトラムアナライザ)に有益であり、装置の全体的性能を向上させる。
【0090】
図12は、実施例により提供される変調方式を有するセキュアなトランシーバ1200のブロック図である。本発明の実施例の変調機能は、送信機/受信機(トランシーバ)での使用に有用である。例えば、本発明の実施例により提供される低位相ノイズ及びスペクトル純度は、更に高次の複雑な変調型(及び、周波数ホッピング)の具体例を可能にし、更に高次の複雑な変調型及び周波数ホッピングは、セキュアな送信のいくつかの形態の前提条件である。送信機は標準的な通信アプリケーション、又は特定のアプリケーション(例えば、レーダー)のために使用される。
【0091】
少なくとも1つの実施例では、トランシーバ1200の送信機部分はセキュアなデータを符号化するための符号器/復号器(CODEC)、及び信号発生器14aを含み、ここに記載された信号発生器10の1又は複数の具体例を、符号化されたデータをRF送信用に変調するために含む。そのような実施例は、広帯域変調された信号に対応するためにフィルタ変更が必要である。更に、そのような実施例では、トランシーバ1200の受信機部分は、図9に記載された構成要素を実質的に含み、局部発振器ソースのために(ここに記載された信号発生器10の1又は複数の具体例を各々が含む)信号発生器14b−14dの使用を含む。しかし、これらの実施例では、帯域通過フィルタ913(図9を参照)は、表面弾性波(SAW)素子を使用して実施される。他のフィルタ(例えば、フィルタ903,909,919,923)は、誘電体素子、セラミック素子、又はそれらの混合を使用して実施される。更に、いくつかの実施例では、発振器14c(及び/又は、発振器14d)は、他の問題解決手段(例えば、PLL(又は、SRD)ベースの信号発生器)を使用して実施される。
【0092】
図13は、実施例による衛星通信システムのブロック図である。一般に、衛星通信は、トランスポンダとして使用される少なくとも3つの基本的な構成要素(2つの地上リンク、及び1つの衛星リンク)を必要とする。これらの構成要素の各々は、送信機/受信機、又は(例えば、局部発振器信号発生器として利用される)本発明の実施例と一緒に使用される周波数変換器(例えば、ミキサ)を含む。
【0093】
さらに、本発明の実施例の位相ノイズ特性から恩恵を受ける他のアプリケーションが可能である。図14は、1実施例の改善された位相ノイズの効果を例示する一連の分布図である。低品質の位相ノイズは、データの損失、データの間違った復調(又は、受信機で変調できないということ)をもたらす増大したBER(ビット誤り率)を招く。この実施例では、16−QAMに対して、コンスタレーション・ポイントは決定領域の内部にあることを銘記するが、それに対して64−QAM実施例は、(各グリッド内部の領域の)決定誤りが、データに誤りを発生させる小ノイズ偏差のみによって起こされることを示す。本発明の複数の実施例の例外的な位相ノイズ特性は、非常に高次の信号がビット誤りの大幅な減少を伴って復調されることを可能にする。
【0094】
商業的には、本発明の実施例は、例えば、所定の帯域幅で送信されるデータを増加させるために適用され、従って、新しいセル・サイトを追加するよりも携帯電話/データベース局の能力を拡張することを可能にする。トランシーバでは、実施例は、複雑な高次の変調/復調を達成不可能なレベルで現在のPLLシステムにより実施するために適用される。加えて、増大したチューニング・スピードも、受信機で使用されるとき、ホッピング周波数がインターセプトされて追跡されることを可能にする。送信側では、本発明の実施例を含むトランシーバが、今日の受信機(PLL)が検出するよりも早く調整出来るように実施される。防衛関連出願に対して、実施例はセキュアな送信を可能にする送信/受信(トランシーバ)システムで使用される。
【0095】
図15は、実施例による単一周波数レーダーシステムの全機能ブロック図である。図15に示されるように、そのようなレーダーシステムは、干渉偏波成分及び円偏波成分を生成するために、電力分割器(例えば、PD1−PD6)、増幅器、ディレイライン(例えば、DL1及びDL2)、及びI/Q復調器(IQD1−IQD2)を含む。各レーダー・アプリケーションに対して、ここに記載された信号発生器のスペクトル純度及び再現可能な振る舞いは、レーダー識別特性が更に高い分解能及び精度で規定されることを可能にする。更に詳細には、ここに記載された信号発生器10の具体例を含む実施例は、単一周波数(又は、複数周波数)レーダーシステムを実施するために、図15に示されるOSC1(及び/又は、OSC2)素子を提供するのに使用される。複数周波数アプリケーションでは、ディレイライン素子DL1,DL2は、現在の周波数に基づいて可変及び選択可能であるように実施される。又、本発明の実施例は、大部分のアプリケーションで更に小型、軽量にパッケージされた製品を可能にし、及び/又は再現可能な振る舞いがPLL回路からは利用可能ではないことを呈示する。実施例はディジタル技術(及び、D/Aコンバータ)のスピードが増大するにつれて小型になり、周辺ハードウェアの必要性を減少させる。
【0096】
図16では、本発明の実施例が任意の数の方法で実施され、DDS#1の代わりに可変周波数源を含むか、又はDDSチップ/チップセット実施例に対して記載される変更されたアーキテクチャを実施することにより実施される。今、図16に示される実施例の特性が記載される。
【0097】
図16では、DDS#1がDDS#2に対する可変クロック源として機能する。周波数要求仕様によると、この実施例では、このクロック源は、DDS#1を300MHzと混合し、ろ波して300MHz±DDS#1を達成することにより生成される。周波数及び構成要素は本明細書における例示及び明瞭さのためだけに使用され、他の変形も可能であることを銘記する。狭帯域スプリアス(即ち、ろ波できない)性能は、DDS#1のスプリアス性能、及びDDS#2の分割比率(チューニング語)により確立される。DDS#1によりつくり出される出力の相互変調成分の減少は、以下のように定式化される。
出力スプリアス=DDS#1スプリアス−20logN (式1)
ここで、N=DDS#2の分割比率、又は2X/FTW(ここで、Xは位相アキュムレータのビット数)
【0098】
例えば、DDS#1は−75dBcの最悪スプリアスを有し、DDS#2の周波数チューニング語(FTW)は1/4全分解能(又は、分割比率4)である。
出力スプリアス=−75−20log4=−75−12=−87dBc
【0099】
所定のアプリケーションに必要なスプリアス性能を決定することは、DDS#1に対するSFDRを決定することである。一般に、D/Aコンバータがスプリアス性能に対して最も貢献し、以下のように特徴付けられる。
dBc=20log1/2N (式2)
ここで、N=D/Aコンバータのビット数(又は、dBc≒−6*N)
【0100】
従って、12−ビットD/Aコンバータに対して、≒−6*12≒−72dBcであり、14−ビットD/Aコンバータに対して、≒−6*14≒−84dBcである。
【0101】
D/Aコンバータ分解能(ビット)を増加させること(及び/又は、スプリアス減少技術(例えば、ディザリング)を使用すること)は、D/Aコンバータのスプリアス性能を向上させる。ディザリングはノイズ/スプリアスを周波数領域において広げるので、ディザリングもSFDR(ノイズ・フロア)全体を減少させるが、ディザリングは個々のスプリアス応答の振幅を減少させるために使用される。
【0102】
次に、変換された(混合された)DDS#1周波数の出力が、DDS#2に対するシステム・クロックとして供給される。DDS#2は、最適な(スプリアスが無い)スポットに調整される。次に、出力は、DDS#1(DDS#2に対する SYSCLK )を変化させることにより変更される。
【0103】
DDS#2に対する最適スポットを決定するために、DDS出力におけるスプリアス応答の2つの主なタイプ(D/Aコンバータ誤差(例えば、非線形性、及び量子化誤差)、及び位相打切り相互変調成分)が存在することを銘記する。最悪な位相打切り相互変調成分は以下のようである。例えば、もし(打切り後の)位相ビット数が19であれば、位相打切り誤差は19ビット*6.02≒114dBcで近似される。この最悪条件(−114dBc)は、打切りビットに対する単一ビット・パターンでだけ発現する。このパターンはMSBに対して1であり、残りのビットは全て0である。114dBcの最悪ケースにより実演されるように、位相打切りはスプリアス性能に対する主要因ではなく、考慮されない。
【0104】
スプリアス応答の第2の源はD/Aコンバータ誤差であり、量子化誤差、及びD/Aコンバータ非線形性を含む。(基本周波数の高調波でつくり出される)これらの相互変調成分は、信号帯域幅で誤差を生じさせ、予測可能かつ再現可能である。
【0105】
図17は、少なくとも1つの実施例による広帯域信号発生方法1700を示す。実施例では、方法1700は、例えば、書き換え可能なゲートアレイ(FPGA)のロジックとして実施される。しかし、他の変形も可能である。例えば、代わりに、方法1700はプログラムされた命令(又は、プロセッサにより実行されるソフトウェア)の配列、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又はパーソナル・コンピュータを使用して、又は別々のロジック構成要素を使用して実施される。
【0106】
図17に示されるように、広帯域信号発生方法はブロック1705で始まる。次に制御はタスク1710まで進み、タスク1710は出力信号に対する要求を(例えば、ユーザ、又はアプリケーションのハードウェア(又は、ソフトウェア)構成要素から)受信する。要求は、少なくとも特定の信号周波数を示す。次に制御はタスク1715まで進み、タスク1715は分割器に対する分割比率を要求された出力信号周波数(及び、クロック源周波数)に基づいて決定する。次に制御は、タスク1720,1725,1730まで進み、タスク1720,1725,1730はタスク1715で決定された分割比率に対応する少なくとも1つの制御信号(例えば、1又は複数の制御語)を発生し、帯域通過フィルタを1組のフィルタから分割比率に基づいて選択する。実施例では、制御信号は周波数、位相オフセット、及び/又は振幅スケーリングの仕様を含む。
【0107】
次に制御はタスク1725まで進み、タスク1725は分割器に対応する制御信号を提供する。実施例では、このタスクは、制御語を分割器の対応するレジスタにロード(例えば、ラッチ)することにより行われた。少なくとも1つの実施例では、分割器はここで記載されるシンセサイザ、及び信号発生器によるDDSである。又、タスク1725は、適切なフィルタを(例えば、フィルタ167の中で)選択すること、及び/又は切替位置を要求された周波数(及び/又は、要求された周波数(例えば、周波数比率、クロック源周波数、ろ波される(又は、通過する)信号の周波数)により選択される関連値)に基づいて選択することも含む。
【0108】
次に制御はタスク1735まで進み、タスク1735は少なくとも1つの分割器に制御信号に従って動作し始めることを命令する。次に制御はタスク1740まで進み、タスク1740は新しい制御信号に従ってシンセサイザの周波数を変更する。次に制御はタスク1745まで進み、タスク1745で方法は終わる。広帯域シンセサイザのためのアプリケーションを必要に応じてサポートするために、方法1700は必要なだけ度々繰り返される。
【0109】
図18−図23に示されるグラフは、信号発生器20の実施例のシミュレートされた出力の主周波数を示し、主に(量子化誤差、及び/又はD/Aコンバータ非線形性を含む)D/Aコンバータ誤差に起因するスプリアス成分を含む。又、グラフはエイリアシングを図示し、DDSを調整するのに最適な周波数を示す。例えば、D/Aコンバータ・スプリアス応答を無効にする最善のチューニング・スポットは、整数分割値をつくり出すDDSチューニング語に対応する。
【0110】
図18は、分割比率2.990を有する少なくとも1つの実施例により生成される出力信号の理論上のグラフを示し、分割比率2.990はスプリアス項を発生する。図19は、分割比率2.999を有する少なくとも1つの実施例により生成される出力信号の理論上のグラフを示し、分割比率2.999もスプリアス項を発生するが、基本周波数により近い(即ち、スプリアス項が基本周波数に集中する)。図20は、分割比率3.000を有する少なくとも1つの実施例による生成される出力信号の理論上のグラフを示す。図21は、分割比率2.5000を有する少なくとも1つの実施例により生成される出力信号の理論上のグラフを示す。図22は、分割比率3.1000を有する少なくとも1つの実施例により生成される出力信号の理論上のグラフを示す。最後に、図23は、分割比率6.1991を有する少なくとも1つの実施例により生成される出力信号の理論上のグラフを示す。
【0111】
図20は、均一な整数分割値(例えば、分割比率=3.000)を示す。全イメージ項が基本周波数の下に隠れるので、そのような比率は第2の(即ち、最終)DDSに対する最適なスポットである。この条件は、上流DDS(例えば、DDS#1)のチューニング(及び/又は、変調)を、現在の状態にある後のDDS(例えば、DDS#2)のSFDRに影響することなく可能にし、現在の状態は、クリーンな、スプリアスの無い出力を可能にする。基本周波数により隠されたスプリアス成分は、この(別々の)同期システムのために、任意ではあるが決定性の位相であり、Nyquist 帯の内部での顕著な振幅変化はもたらさない。
【0112】
図18を参照すると、分割比率が整数値に近づくにつれて、スプリアス成分が基本周波数に集中することが分かる。図20のグラフは、スプリアス項が直接的に搬送波の下に配置されるので、スプリアスが無い性能を示す。第2の最善ケースは、図21に示されるように、チューニング語が整数±0.5をつくり出すときである。このケースは、はっきりとD/Aコンバータ誤差のために、スプリアス項を出力周波数の0.5倍(及び、1.5倍)においてつくり出す。例えば、グラフに示される第3のスプリアス項は、基本周波数の2次高調波のイメージである。この場合のスプリアス位置が予測可能なので、そのような比率が実施される仕様、帯域幅、及びろ波に応じて使用される。
【0113】
第3の選択項目は、第2の場合の拡張である。これは、整数±0.1,±0.2,±0.3,又は±0.4をつくり出すチューニング語をプログラムすることにより実施される。以下の表3は、(図22の実施例に示されるような)この場合のスプリアス位置の予測を助ける。
【0114】
【表3】

【0115】
これらの実施例を使用して実施される他の場合は、図23に示されるように、追加のろ波、及び周波数計画を必要とする。このケースは、使用される特定のDDS(及び、D/Aコンバータ)を特徴付けること、及びスプリアスが無いことを観測される帯域を、図23に示されるD/Aコンバータ状態分析に基づいて選択することにより達成される。このケースは、性能判断基準、D/Aコンバータ特性、及びろ波に著しく依存する。このケースは上記アーキテクチャと比較して更に狭い帯域を生成したが、現在の単一DDSアーテクチャを越える改良も更に提供する。
【0116】
図18−図23に示されるグラフ、及び表3を使用することにより、DDS#2に対する最適スポットを、以下のように(順番に)要約できる。
整数値(CLK/Freq チューニング語=整数)に設定されたDDS#2
整数値±0.5(2.5,3.5,4.5,...N.5)に設定されたDDS#2
整数値±0.1,±0.2,±0.3又は±0.4に設定されたDDS#2
DDS、及びD/Aコンバータ状態分析に基づいてランダム(観察)最適調整されたスポット
【0117】
以上、本発明の好ましい実施例について図示し記載したが、特許請求の範囲によって定められる本発明の範囲から逸脱することなしに種々の変形及び変更がなし得ることは、当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】少なくとも1つの実施例による周波数シンセサイザ100のブロック図である。
【図2】少なくとも1つの実施例のクロック発生器を記載する詳細ブロック図である。
【図3】少なくとも1つの実施例のクロック分割器を記載する詳細ブロック図である。
【図3A】クロック分割器及び周波数乗算器の他の実施例の詳細ブロック図である。
【図4】第1の合成器段の実施例の詳細ブロック図である。
【図5】第2の合成器段の実施例の詳細ブロック図である。
【図6】2つ以上の分割器に結合されたクロック発生器を含むシンセサイザの実施例である。
【図7A】シンセサイザの他の実施例のブロック図である。
【図7B】シンセサイザの他の実施例のブロック図である。
【図8A】プログラム可能な分割器チップの実施例のブロック図である。
【図8B】プログラム可能な分割器チップの実施例の他のブロック図である。
【図9】実施例によるチューニングが早くスペクトル純度が高いチューナ/受信機のブロック図である。
【図10】実施例によるDDSチップ/チップセットのブロック図である。
【図11】実施例による試験及び測定信号発生器/スペクトラムアナライザ・フロントエンドのための機能情報関連図である。
【図12】実施例により提供される変調方式を有するセキュアなトランシーバのブロック図である。
【図13】実施例による衛星通信システムのブロック図である。
【図14】実施例における改善された位相ノイズの効果を例示する一連の分布図である。
【図15】実施例によるレーダーシステムの全体ブロック図である。
【図16】可変周波数入力源を有する分割器の少なくとも1つの実施例のブロック図である。
【図17】少なくとも1つの実施例による方法の流れ図である。
【図18】分割比率2.990を有する少なくとも1つの実施例により生成される出力信号の理論上のグラフである。
【図19】分割比率2.999を有する少なくとも1つの実施例により生成される出力信号の理論上のグラフである。
【図20】分割比率3.000を有する少なくとも1つの実施例により生成される出力信号の理論上のグラフである。
【図21】分割比率2.5000を有する少なくとも1つの実施例により生成される出力信号の理論上のグラフである。
【図22】分割比率3.1000を有する少なくとも1つの実施例により生成される出力信号の理論上のグラフである。
【図23】分割比率6.1991を有する少なくとも1つの実施例により生成される出力信号の理論上のグラフである。
【図24】本発明の実施例による信号発生器10のブロック図である。
【図25】分割比率2を有するDDSのブロック図である。
【図26】分割比率2.5を有するDDSのブロック図である。
【図27】本発明の実施例による方法の流れ図である。
【図28】本発明の実施例による方法の流れ図である。
【符号の説明】
【0119】
10 信号発生器
12 広帯域信号発生器
20 信号発生器
100,200,700,720 シンセサイザ
101,103,201,701 クロック発生器
102,104,105,202,203,204,703,710,711 クロック分割器
110 クロック分配ユニット
120,130,140 周波数変換器段
121 周波数2倍器
125,146,169 駆動回路
123,133,134,142,913 帯域通過フィルタ
131,141,155,165,907,911,917 周波数変換器
132,135,144,145,205,712 スイッチ
142,157,167,909 帯域通過フィルタ
151,161 ダイレクト・ディジタル・シンセサイザ(DDS)
153,163 可変帯域通過フィルタ
722 分割器段
801 分割比率−アドレス・マッピング部
802 ルックアップテーブル
803 D/Aコンバータ
900 チューナ/受信機
901 アンテナ
903 受信帯域フィルタ
905,915,921 増幅器
913 帯域通過フィルタ
919,923 低域通過フィルタ
925 D/Aコンバータ
1105 基準信号発生器
1200 トランシーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成信号をクロック源信号に基づいて生成するように構成された第1のダイレクト・ディジタル・シンセサイザ(DDS)を含むクロック発生器、
前記クロック発生器と通信し、第2のDDSを含み、分割信号を(1)前記合成信号、及び(2)周波数比率を示す制御信号に基づいて生成するように構成されたクロック分割器、及び
前記クロック分割器と通信し、ろ波された信号を前記分割信号に基づいて生成するように構成された複数の選択可能なフィルタを含み、
前記複数の選択可能なフィルタの選択は、前記周波数比率に基づくことを特徴とする信号発生器。
【請求項2】
前記クロック発生器が、前記クロック分割器と通信し変換された信号を前記合成信号に基づいて生成するように構成された周波数変換器を含むことを特徴とする、請求項1に記載の信号発生器。
【請求項3】
前記周波数変換器がミキサを含むことを特徴とする、請求項2に記載の信号発生器。
【請求項4】
前記周波数変換器が前記局部発振器入力を有するミキサを含み、前記ミキサが前記局部発振器入力において信号を前記クロック源信号に基づいて受信するように構成されることを特徴とする、請求項2に記載の信号発生器。
【請求項5】
前記複数の選択可能なフィルタの少なくとも1つと通信し、変換された信号を前記ろ波された信号に基づいて生成するように構成された周波数変換器を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の信号発生器。
【請求項6】
前記分割比率が少なくとも2で3より小さいことを特徴とする、請求項1に記載の信号発生器。
【請求項7】
前記クロック分割器が、第2の分割信号を(1)前記合成信号、及び(2)第2の周波数比率を示す第2の制御信号に基づいて生成するように構成された第3のDDSを含むことを特徴とする、請求項1に記載の信号発生器。
【請求項8】
前記複数の選択可能なフィルタの選択が、ユーザが選択した周波数に基づくことを特徴とする、請求項1に記載の信号発生器。
【請求項9】
前記複数の選択可能なフィルタが1/N・オクターブ帯域フィルタ・バンクを含み、Nが0より大きい整数であることを特徴とする、請求項1に記載の信号発生器。
【請求項10】
前記複数の選択可能なフィルタの少なくとも2つが、異なる帯域幅を有することを特徴とする、請求項1に記載の信号発生器。
【請求項11】
前記クロック分割器と通信し、第3のDDSを含み、分割信号を(1)前記ろ波された信号、及び(2)第2の周波数比率を示す第2の制御信号に基づいて生成するように構成される第2のクロック分割器を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の信号発生器。
【請求項12】
クロック信号を生成するように構成された調節可能なクロック発生器、
前記調節可能なクロック発生器と通信し、ダイレクト・ディジタル・シンセサイザを含み、分割信号を(1)前記クロック信号、及び(2)周波数比率を示す制御信号に基づいて生成するように構成されたクロック分割器、及び
前記クロック分割器と通信し、ろ波された信号を前記分割信号に基づいて生成するように構成された複数の選択可能なフィルタを含み、
前記複数の選択可能なフィルタの選択が、前記周波数比率に基づくことを特徴とする信号発生器。
【請求項13】
各々が前記調節可能なクロック発生器と通信し、分割信号を前記クロック信号に基づいて生成するように構成された少なくとも1つの第2のクロック分割器を更に含み、
前記少なくとも1つの第2のクロック分割器の少なくとも1つがダイレクト・ディジタル・シンセサイザを含み、前記分割信号を第2の周波数比率を示す第2の制御信号に基づいて生成するように構成されることを特徴とする、請求項12に記載の信号発生器。
【請求項14】
前記複数の選択可能なフィルタが、前記少なくとも1つの第2のクロック分割器と通信することを特徴とする、請求項13に記載の信号発生器。
【請求項15】
前記クロック分割器、及び前記少なくとも1つの第2のクロック分割器と通信し、前記各分割信号の1つを選択するように構成されたスイッチを更に含むことを特徴とする、請求項13に記載の信号発生器。
【請求項16】
前記クロック分割器、及び前記少なくとも1つの第2のクロック分割器の少なくとも1つが、周波数変換器を含むことを特徴とする、請求項13に記載の信号発生器。
【請求項17】
少なくとも1つの周波数変換器が、ミキサであることを特徴とする、請求項16に記載の信号発生器。
【請求項18】
前記調節可能なクロック発生器が、ダイレクト・ディジタル・シンセサイザを含むことを特徴とする、請求項13に記載の信号発生器。
【請求項19】
少なくとも1つのダイレクト・ディジタル・シンセサイザが、前記分割信号の各々を、定められた周波数において、前記クロック源信号の受信に応答して出力するように予め構成されることを特徴とする、請求項13に記載の信号発生器。
【請求項20】
周波数を示す要求を受信すること、
分割比率を前記示された周波数、及びクロック源信号の周波数に基づいて決定すること、
前記分割比率に対応する制御信号を生成すること、
前記分割比率に基づいて、帯域通過フィルタを1組のフィルタから選択すること、
前記制御信号に基づいて、主成分を前記示された周波数に有する出力信号を生成すること、及び
前記出力信号を前記選択された帯域通過フィルタを使用してろ波し、前記主成分を通過させることを含むことを特徴とする信号発生の方法。
【請求項21】
出力信号を生成するステップが、制御語、及び信号を、前記クロック源信号に基づいて、ダイレクト・ディジタル・シンセサイザ(DDS)に提供することを含むことを特徴とする、請求項20に記載の信号発生の方法。
【請求項22】
出力信号を生成するステップが、信号を、前記クロック源信号に基づいて、少なくとも2であるが3より小さい比率で分割することを含むことを特徴とする、請求項20に記載の信号発生の方法。
【請求項23】
出力信号を生成するステップが、信号を前記クロック源信号に基づいて2.5で分割することを含むことを特徴とする、請求項20に記載の信号発生の方法。
【請求項24】
クロック信号を発生するために第1のダイレクト・ディジタル・シンセサイザ(DDS)を使用すること、及び
前記クロック信号に基づいて、前記クロック信号の2分の1と実質的に等しい周波数を有する信号を発生するために第2のDDSを使用することを含むことを特徴とする信号発生の方法。
【請求項25】
位相オフセット値を前記第2のDDSに提供することを更に含むことを特徴とする、請求項24に記載の信号発生の方法。
【請求項26】
第1の信号をダイレクト・ディジタル・シンセサイザ(DDS)のクロック入力に提供すること、及び
前記第1の信号に基づいて、前記クロック信号の2分の1と実質的に等しい周波数を有する出力信号を発生するために前記DDSを使用することを含むことを特徴とする信号発生の方法。
【請求項27】
位相オフセット値を前記DDSに提供することを更に含むことを特徴とする、請求項26に記載の信号発生の方法。
【請求項28】
所望する周波数成分、及びスプリアス周波数成分を有する出力信号を発生するためにダイレクト・ディジタル・シンセサイザ(DDS)を使用すること、
前記スプリアス周波数成分の強度をモニタすること、及び
前記DDSの位相オフセット値を、前記モニタリングの結果に基づいて変更することを含むことを特徴とする信号発生の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公表番号】特表2007−525853(P2007−525853A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−512861(P2005−512861)
【出願日】平成15年12月11日(2003.12.11)
【国際出願番号】PCT/US2003/039231
【国際公開番号】WO2005/062736
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(598136747)マーキュリー・コンピューター・システムズ・インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】