広帯域RF探知
本発明は、広帯域RF探知の方法に関する。方法は、駆動経路に沿った複数の送信位置から信号を送信するステップを含む。送信された信号の反射が、駆動経路に沿った複数の受信位置において受信される。標識が、各受信位置において、反射の到来角に基づいて形成される。標識は、対応する送信位置、及び対応する各反射の受信位置の駆動経路に沿った距離に対する各受信位置における反射の到来角を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
政府からの受注契約
本発明は、国防高等研究計画局(DARPA)により授与された、契約HR0011−06−C−0110、下請け契約061033の下に政府支援を受けてなされた。米国政府は本発明において一定の権利を有する。
【背景技術】
【0002】
壁透過レーダ感知は、単一視点(single aspect)から建物内の比較的小さい領域に亘って物体を撮像するものとみなされてきた。しかし、従来の壁透過感知は有効な建物幅に亘る特性に対応する能力を欠いている。
【0003】
合成開口レーダ(SAR)技術が、多重視点(multiple aspects)から建物の外部を再構築するために使用されてきた。しかし、従来のSAR技術は、やはり有効な建物幅に亘る特性に対応する能力を欠いている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は広帯域RF探知の方法に関する。一実施形態において、方法は、駆動経路に沿った複数の送信位置から信号を送信するステップを含む。送信された信号の反射が駆動経路に沿った複数の受信位置で受信される。標識(signature)が受信位置それぞれにおいて反射の到来角に基づいて形成される。
【0005】
標識は、対応する送信位置及び対応する各反射の受信位置の駆動経路に沿った距離に対する、各受信位置における反射の到来角を含む。
【0006】
標識は、対応する送信信号の送信時間に対する、駆動経路に沿った各受信位置における受信された反射の経路遅延を含む。
【0007】
標識は、駆動経路に沿った各受信位置において、対応する送信位置及び対応する各反射の受信位置の駆動経路に沿った距離に対する、各受信位置における反射の到来角のグラム(gram)・プロットとして表される。色付けが、受信された反射の経路遅延を示すために使用される。
【0008】
標識に対して、受信された反射を導き出すために、ビーム形成が駆動経路に沿って実施される。受信された反射の到来角が、対応する送信位置/受信位置ペアそれぞれに対するマトリックスの1列の複数のビン(bin)に亘って分配される。ビンは反射の複素数の経路の振幅で満たされ、マトリックスの各列は単一の送信位置/受信位置ペアに対応する。
【0009】
構造の内部は、構造内の隅部を特定するために反射の到来角の軌跡を照合することにより、標識に基づいて推測される。
【0010】
特許又は特許申請書は、少なくとも1枚の色彩で制作された図面を含む。この、色彩図面を伴う特許又は特許出願公開のコピーは、特許庁に申請し、必要な料金を支払うことにより提供される。
【0011】
例示的実施形態は、本明細書の中で以下に与えられる詳細な説明及び添付の図面から、より完全に理解されよう。図において、同じ要素は同じ参照番号で表され、図面は単に例示のために与えられ、従って本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】2つの壁の交叉で形成された2平面からなる隅部からの反射の全体的な幾何学的形状を示す図である。
【図2】曲率が比R/dによる、角度余弦の軌跡の正規化されたプロットを示す図である。
【図3】図3Aは例示的建物の上面図であり、図3Bは、例示的建物の側面図であり、図3Cは例示的建物の正面図である。
【図4A】xR=1に対する例示的光線フレームを示す図である。
【図4B】xR=10に対する例示的光線フレームを示す図である。
【図4C】xR=21に対する例示的光線フレームを示す図である。
【図5】図4Aに含まれる例に対する、量子化されたAoA余弦に対する経路損失を示す図である。
【図6】長さ64のブラックマン窓の高速フーリエ変換の一例を示す図である。
【図7】図5に対応する、シミュレーションされたビームフォーマ応答シーケンスの一例の1フレームを示す図である。
【図8】経路遅延の一例の色相−彩度−明度(hsv)の配色表を示す図である。
【図9A】空の建物に対する駆動経路に沿った、シミュレーションされたビームフォーマのスナップ写真の例の強度を示す、グラム・プロットを示す図である。
【図9B】閉塞体(occlusion)が付加された図9Aにおける建物に対して、駆動経路に沿った、シミュレーションされたビームフォーマのスナップ写真の例の強度を示す、グラム・プロットを示す図である。
【図9C】図9Aで示されたグラム及び図9Bで示されたグラムの間の差を示すグラム・プロットを示す図である。
【図10A】(a)x次元に沿った駆動経路における、0.1mの変化の影響を示すグラフである。
【図10B】(b)y次元に沿った駆動経路における、0.1mの変化の影響を示すグラフである。
【図10C】(c)z次元に沿った駆動経路における、0.1mの変化の影響を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の様々な例示的実施形態が、本発明の幾つかの例示的実施形態が示される添付の図面を参照して、より詳細に説明される。図において、層及び領域の厚さは簡明化のために誇張されている。
【0014】
本発明の詳細な例示的実施形態が、本明細書の中に開示される。しかし、本明細書の中に開示される具体的な構造及び機能の詳細は、本発明の例示的実施形態を説明することを目的とする単なる代表に過ぎない。しかし、この発明は、多くの代替的形態で具現化可能であり、本明細書の中で説明される実施形態だけに限定されるものと解釈されるべきではない。
【0015】
従って、本発明の例示的実施形態は様々な改変形態及び代替的形態が可能であるが、本発明の実施形態が図面の中に例として示され、本明細書の中で詳細に説明される。しかし、本発明の例示的実施形態を開示された特定の形態に限定する意図はなく、逆に、本発明の例示的実施形態は、本発明の範囲内に入る全ての改変形態、等価形態及び代替形態をカバーするものであることを理解されたい。図の説明を通して同じ番号は同じ要素を指す。
【0016】
用語、第1の、第2の等は、本明細書の中で、様々な要素を説明するために使用され得るが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきではないことが理解されよう。これらの用語は、単に、1つの要素を他の要素と区別するために使用される。例えば、本発明の例示的実施形態の範囲を逸脱することなく、第1の要素が第2の要素と呼ばれ、同様に、第2の要素が第1の要素と呼ばれ得る。本明細書の中で使用されるように、用語「及び/又は」は、関連するリスト記載の項目のうちの1つ以上の、任意の全ての組合せを含む。
【0017】
1つの要素が他の要素と「接続」又は「結合」されていると言われるとき、その要素は、他方の要素に直接的に接続又は結合され、或いは介在する要素が存在し得ることが理解されよう。対照的に、1つの要素が他の要素に「直接接続」又は「直接結合」されていると言われるとき、介在する要素は存在しない。要素間の関係を説明するために使用される他の言葉が、同じようなやり方で解釈されるべきである(例えば、「間」対「ちょうど間」、「隣」対「ちょうど隣」等)。
【0018】
本明細書の中で使用される専門語は、特定の実施形態を説明することを目的とするに過ぎず、本発明の例示的実施形態を限定することを意図するものではない。本明細書の中で使用されるように、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が別段に明確に指示しない限り、複数形をも含むことが意図される。用語「備える(comprise)」、「備えている(comprising)」、「含む(include)」及び/又は「含んでいる(including)」は、本明細書の中で使用される場合、提示された特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は成分の存在を詳述するが、1以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、成分、及び/又はそれらの群の存在又は追加を排除するものでないことが理解されよう。
【0019】
幾つかの代替的実施形態において、言及された機能/動作が、図において言及された順序とは違って発生しうることにもまた、留意されたい。例えば、連続して示される2つの図が、関連する機能/動作によって、実際には、実質的に同時に実行され、又は時には逆の順序で実行され得る。
【0020】
例示的実施形態は、センサ配列を用いた広帯域RFプローブ信号を使用して、構造物、例えば、建築構造物の中の変化を感知することができる。多重ビームフォーマ・スナップ写真が(例えば、パターン認識問題の「特徴抽出」ステップにおいて、)固有の、建物全体の標識を形成するために、建物の外側の送信/受信(Tx/Rx)駆動経路に沿って撮像され得る。
【0021】
スペクトログラム(例えば、解析的音声パターンを表示するために使用されるものと同じで、時間及び周波数に亘って強度において濃淡を付けられる2次元プロットからなるスペクトログラム)が内部建築構造物に対する表示として使用されうる。動的時間軸圧縮(DTW)、隠れマルコフモデル(HMM)他を含め、スペクトログラム・パターンの解析及び認識に対して、定評のあるディジタル信号処理技術が存在する。ビームフォーマの出力振幅を、一方の次元における角度に亘る強度、及び他方の次元における駆動経路に沿った距離に亘る強度として、経路時間遅れを表すために色彩を付加して示す、「グラム」タイプの表示が使用され得る。建物又は構造内の有意な変化を探知するために、グラム・タイプの表示標識が、関心のある建物又は構造それぞれに対して収集されてファイル上に保存され、及び/又は周期的にモニタされ得る。
【0022】
例示的実施形態は、光線追跡法を使用し、実際の建物の物理学的測定を用いてグラム表示を作成してシミュレーションし、多数の、駆動経路に沿って移動するTx/Rxの位置に亘って後方散乱データを生成させることができる。物理学的測定からのデータは、(例えば、マットラブ・ルーチンを使用して)処理され、光線経路、経路損失、シミュレーションされたビームフォーマ応答、及び/又は複合的グラム表示の動的プロットを表示することができる。建物内に置かれた物品閉塞体の探知可能性、並びに駆動経路の乱れに対して確立されたロバスト性を求めるために、シミュレーションが作成され得る。
【0023】
建物の内壁で形成される隅部からの鏡面反射が、Tx/Rxの位置が駆動経路に沿って動くとき、固有のロバストな標識を形成する。例えば、単一の隅部からの2次元鏡面反射の幾何学的形状が、予期される応答の一例として以下に論じられる。これらの鏡面反射の特徴的な挙動が、後で論じられるようなグラム・プロットを解釈するために、引き続き使用される。
【0024】
図1は、2つの壁の交叉で形成された2平面からなる隅部からの反射の、全体的な幾何学的形状を、上から見た図として示す。光線が、x軸上のx−d/2から(0,R)の隅部に向けて、反射された光がx+d/2に位置する受信器に到達するような一定の到来角θで送信される。下の式(1)及び式(2)に示すように、所与のTx/Rxのx軸上の離隔距離d及びy軸の範囲Rに対して、到来角θがこの幾何学的形状から一意的に求められる。Tx/Rxのx軸上の離隔距離dは、x−d/2で示される光線の送信器、及びx+d/2に位置する受信器の間のx軸上の距離とすることができ、xはTx光線及びRx光線の間の中点である。範囲Rは、駆動経路から、平行に面する建物の壁までのy軸上の距離とすることができる。
【0025】
x≦d/2と仮定すると、反射は、壁の交叉の左側の隅部から到来する。図1における(x、0)から(0、R)までの点線はTx光線及びRx光線の間の中間の地点である。tanθが、下式
【0026】
【数1】
に従って計算されることが分かる。
【0027】
式(1)をcosθの項で書き直し、図1の対称性を考慮すると、角度余弦の軌跡が、下式
【0028】
【数2】
に従って計算され得る。
【0029】
図2は、式(2)の正規化されたプロットであり、それはその曲率が比R/dによって決まる特徴的な軌跡を示す。図2において、2平面からなる隅部の反射からの角度余弦が、R/d=2、5、10、20、及び50に対して、正規化された横軸の距離の関数として示される。この特徴的な挙動が、グラム・プロットを解釈するために、次節において使用される。例示的実施形態は、2次元座標系における到来角θを計算するものとして上記に説明されているが、例示的実施形態は、上記に説明されるものに限定はされず、到来角θは3次元座標系において計算され得る。
【0030】
図3A、図3B及び図3Cは、それぞれ、例示的建物の上面図、側面図及び正面図を示す。建物の基礎の土台の(x、y)次元の全体は22.86m×21.64mであり、3次元(x、y、z)における建物本体は22.56m×9.14m×7.62mである。
【0031】
2.4GHzの動作周波数を有する広帯域RFプローブ信号を使用して、図3A〜図3Cに示す例示的建物の中に描かれる壁の幾何学的形状及び仕様に基づいて建物の標識を形成する、例示的実施形態が、以下に説明される。例えば、無線システム工学(WiSE)のレイトレーシング(ray−tracing)モデル(例えば、シミュレータ)が、広帯域インパルス応答を得るために使用される。インパルス応答は、送信された広帯域RFインパルスに対して受信された信号の時間応答である。
【0032】
例示的一実施形態において、変数で名前を付けられたTx及びRxの位置を有する汎用入力ファイルが、WiSEモデルの中で公称条件及びパラメータ値を定義するために書き込まれ得る。この特定の例示的実施形態において、nbounceが5に設定され、betamaxが1.0×10−9に設定され、閾値が100に設定される。広帯域インパルス応答を得るための、WiSEモデルに対する条件及びパラメータにおける他の変化が、例示的実施形態の中に存在し得ることに留意されたい。Tx/Rxの位置は、一組の多重インパルス応答、例えばWiSEインパルス応答を得ながら、駆動経路に沿って直線的に変化され得る。しかし、例示的実施形態はそれらに限定されるものではなく、Tx/Rxの位置は3次元空間の中の任意の次元において変更され得る。Tx/Rxの位置を変化させるプロセスはユニックス・シェル・スクリプトを使用して自動化可能であり、シェル・スクリプトはTx/Rxの変数名に対して数値を順次代入し、WiSEルーチンを(例えば、サン・ウルトラ・ワークステーション上で)実行し、出力データを1つのファイルの中で連結する。
【0033】
例示的一実施形態において、x軸上のTxの位置はy及びzの位置を一定にして初期位置から最終位置まで等しい増分で変化され、及び/又は受信位置Rxはx軸上の離隔距離を一定にして送信位置Txを追従し得る。しかし、駆動経路は任意の所望の、或いは所定の方向に変更され得る。各インパルス応答は、各光線経路に対して複素数の経路の振幅、遅延、並びに発射角及び到来角の方位角及び仰角を示す、計算された光線経路のリストを含むことができる。光線経路は、送信された発射角及び受信された到来角であってもよい。この「駆動しながら(drive−by)」のシナリオにおいて生成された応答の多重実行出力ファイルが、以下に論じられる様々な動的表示ルーチンにおいて使用され得る。
【0034】
例示的実施形態が以下に説明され、例えば、送信器の位置が(メートルで)、(xT、yT、zT)=(−5:1:28、−7.5、2.5)として選択され、ここで、元の送信器の位置が、図3A〜図3Cに示す例示的建物の前方左下の隅部であり、各段階においてRxが、(xR、yR、zR)=(xT+1、yT、zT)、即ち、Txの右に1mシフトされて配置される。例えば、送信位置Txは、例示的建物の前縁から7.5m離れた駆動経路を、2.5mの高さで、左端から5mで開始して右から28−22.86=5.14mで終了するように横移動する。
【0035】
Tx/Rxの位置の進行に従う光線経路の進行が求められ、及び/又は、例えば駆動しながらの「動画」として(例えば、マットラブ・プログラムを使用して)表示され得る。駆動しながらの動画の表示は、個々のフレームを印刷する能力を有しながら、(例えば、リターン・キーが押されたときに)フレームからフレームに移行することができる。
【0036】
図4A、図4B及び図4Cは、xR=1、10、21それぞれに対する光線フレームの3つの例を示す。図4A、図4B及び図4Cにおける長方形は、基礎の土台を含まない、図3Aに示す建物本体の上面図を示す。図から分かるように、プロービング(probing)の顕著な特性を表し、それにより特定の建物に対して独特の標識が生成される、内壁からの隅部反射に付随して、90°に近い前壁及び後壁から幾らかの帰還が全体として存在する。
【0037】
同様に、受信された方位到来角(AoA)の関数としての光線経路損失が(例えば、マットラブ・プログラムを使用して)求められ、及び/又は表示される。光線経路損失は、光線経路の送信された強度及び受信された強度の間の差であり得る。例えば、ビーム形成プロセスがシミュレーション可能であり、シミュレーションされた応答が操作角に対して応答が一定であるように角度余弦に関してプロットされ得る。
【0038】
例示的一実施形態において、AoA余弦が(例えば、1〜−127/128(0〜172.83度)の128ステップに)量子化され得る。各受信位置XRに対して、列ベクトル、例えば128×1の列ベクトルが生成される。言い換えれば、各受信位置XRに対して、128のビン(量子化されたAoA余弦を表す)が、それらの対応する、個別の光線の複素数の経路の振幅で満たされる。
【0039】
図5は、図4Aに含まれる例に対して量子化されたAoA余弦に対する経路損失を示し、経路損失は以下のように容易に比較され得る。図4Aにおける3つの最小角度は72.5040度、51.1910度、38.7330度である。余弦空間において、3つの最小角がそれぞれビン46、25、15に量子化され、それらが、図5に示すAoA余弦値0.2969、0.6250、0.7812に変換される。AoA余弦値の逆余弦を取ることで、それぞれの量子化された角度72.7300度、51.3178度、38.6248度が与えられ、それらはそれぞれ図4Aにおける元の角度に近い。他のAoA余弦は、前壁からの反射(例えば、より強い)及び後壁からの反射(例えば、より弱い)に対応して0(90度)に比較的近い値を返し、見られるように、内部の反射からの中間的な強さの帰還を実質的に抑制する。例えば、図4Aから、実際には、3回反射に対応する、第3の垂線に近い帰還が存在することが見られるが、この帰還は、図5における実際の壁の反射に包含される。というのは、これらの反射は同じ量子化ビンの中に入るからである。
【0040】
例示的実施形態によれば、ビーム形成が、所与の方向から到達する成分を優先する信号を導き出すために使用され、他の方向から到達する成分を排除することができる。例示的一実施形態において、シミュレーションされたビーム形成が、角度余弦応答を特徴的なビーム・パターンで畳み込み積分することにより実施され得る。例えば、シミュレーションされたビーム形成が余弦空間応答の逆FFT(IFFT)を取り、M点のブラックマン窓で乗算し、FFTを取ることにより、高速フーリエ変換(FFT)を使用して実施され得る。ブラックマン窓の長さがビーム解像度を決定し、ビーム解像度はおよそ2/Mラジアンであり、Mはビームフォーマを形成する複数の等価配列要素として解釈され得る。
【0041】
図6は長さ64のブラックマン窓のFFTの一例を示し、メイン・ローブ幅及びサイド・ローブ・レベルに関して、ガウス形及びハン窓形の間の中間である。従って、シミュレーションされたビームフォーマ応答は、例えば、ブラックマン窓のFFTに基づいた、他の駆動しながらのプログラムを使用して表示されうる。
【0042】
図7は、図5に対応する、シミュレーションされたビームフォーマ応答シーケンスの一例の1フレームを示す。例えば、図7は、図5の応答を図6の窓応答で畳み込み積分した結果の応答を示す。
【0043】
上記に説明したように、ビームフォーマ出力は、一方の次元における角度余弦に亘る強度に対する、他方の次元における駆動経路距離に亘る強度として、経路時間遅れを表すために色彩を付加して(例えば、マットラブ画像ルーチンを使用して)表示されうる。ビームフォーマ出力表示の各成分の詳細が以下により詳細に論じられる。
【0044】
例示的一実施形態において、帰還の振幅が、Amin及びAmax(例えば、dBの)の間の、ユーザが選択した範囲に制限され、像関数が予期する0〜1の範囲をカバーするように拡縮され得る。ガンマ・コントラスト増進が使用されて良く、強度が、ユーザが選択した指数gamまで上げられる。このプロセスが128の角度余弦ビンに亘って実施され、NX駆動経路のXR位置のそれぞれに対して128×NXのマトリックスの1列を形成する。結果として得られたマトリックスは単色バージョンのグラムとなり得、そのグラムは、以下に論じられるように遅延データで色付けされる。
【0045】
経路遅延が同様に、Tmin及びTmaxの間に制限され、0〜1に拡縮され得る。拡縮された遅延値が、hsv(色相−彩度−明度)関数(例えば、hsvマットラブ関数)の最初の43のビンに索引を付ける。
【0046】
図8は、選択された遅延範囲に対応して、最初の43のビンに亘って赤から青に移行する経路遅延の一例のhsv配色表を示す。角度/距離の単色の像の各画素に対する3つの彩度出力が存在し、その3つの彩度出力が、128×NX×3のテンソルを生成するために使用され、3つの128×NXのマトリックスのそれぞれが、単色マトリックス、及び3つの128×NXの彩度マトリックスのうちの1つの積である。彩度マトリックスの各列が、光線帰還の角度余弦に対応する制限され拡縮された遅延値で満たし、シミュレーションされたビーム・パターンを生成するために使用されたものと同じIFFT/ブラックマン(M)/FFTプロセスを使用することにより計算されうる。従って、強度に応じて、色付けがビーム・パターン上になされる。
【0047】
最後に表示される像のテンソルは128×NX×3の大きさであり、ここで、128は角度余弦のビンの数であり、NXは経路遅延を表す3つの彩度成分を有する、x軸の駆動経路に沿ったビームフォーマのスナップ写真の数である。従って、最後の像のテンソルが、図9A〜図9C及び図10A〜図10Cに示され、以下に論じられるように(例えば、マットラブ・プログラムを使用して)表示され得る。
【0048】
図9Aは、空の建物に対して、駆動経路に沿った、シミュレーションされたビームフォーマのスナップ写真の例の強度を示すグラム・プロットを示す。例えば、グラム・プロットは、同等のM=64要素のビームフォーマと、−140〜−8dBの振幅リミットと、4のガンマ指数と、50ns〜250nsの遅延リミットとにおいて、前と同じ(xT、yT、zT)=(−5:1:28、−7.5、2.5)の駆動経路を使用して生成された。Tx/Rxが建物の真正面(例えば、Rx距離が1〜24)にある場合、水平の細長い筋がAoA余弦が0(90度)の付近に現れる。水平の細長い筋は、前壁(赤)、後壁(緑)及び前壁/後壁の3回反射(青)からのほぼ垂直な(90度の)帰還に対応し、色彩は異なる経路遅延の間で区別される。曲がった部分は内壁からの隅部の反射に対応し、その形状(例えば、図2に示すような)及び色彩は、隅部からTx/Rxの位置までの相対角度及び距離を表す。これらの特徴(例えば、形状及び色彩)が、内部構造を判別するために使用されうる。
【0049】
図3A〜図3Cに「X」で記された箱で示すように、人工的な閉塞体が(6、4、0)及び(8、6、2)に対角線の隅部が位置する、全反射の1辺2mの立方体として例示的建物モデルの中に置かれた。
【0050】
図9Bは、この閉塞体が導入された後のグラム・プロットを示す。図9Aと比較すると、2つの主たる差が分かる。即ち、4〜12のRx距離に対する後壁帰還の部分(緑及び青の水平の細長い筋)、並びに19〜23のRx距離に対する逸脱した隅部反射(青)の部分が立方体によって不鮮明にされている。図9Cは、図9Aに示されるグラム及び図9Bに示されるグラムの間の差を示すグラム・プロットを示す。
【0051】
実世界において、厳密に同じ駆動経路で反復することは不可能であるので、示差的グラム技術のロバスト性は、駆動経路における比較的小さく、不明確な差に対する感度に左右され得る。図10A〜図10Cは、(a)x次元、(b)y次元、及び(c)z次元それぞれに沿った駆動経路における、0.1mの変化に対する影響を示すグラフを示す。これらのプロットの濃淡の強度を図9Cのものと比較すると、駆動経路における0.1mの変化が、1辺2mの立方体により導き出された差に匹敵することが分かる。それ故、例示的実施形態による方法は、比較的小さい幾何学的形状の誤差に対してロバストでありうる。
【0052】
例示的実施形態によれば、光線追跡法が、駆動しながらのシナリオにおいて、シミュレーションされた建物からの後方散乱データを生成することができる。一方の次元における角度に亘る強度、及び他方の次元における駆動経路に沿った距離に亘る強度として、経路時間遅延を表すために色彩を付加して、ビームフォーマ出力振幅を示す「グラム」表示を得るために、データが使用され得る。部屋の隅部からの鏡面反射が、ロバストで動的な建物内部の標識を形成することができる。上記に論じたように、建物内の閉塞体は、約0.1m未満の駆動経路変動により導き出された変化を比較すると、確実に探知されうる。
【0053】
単一の移動可能なTxアンテナ及びRxアンテナを使用する実際の測定が、他の例示的実施形態による実時間ビームフォーマ出力をシミュレーションするために処理され得る。2つのグラムが相違を与えられる前に2つのグラムを最も良く整合させるために、駆動経路及び移送手段の速度記録における既知の差を補償するように、同じ建物に対する、異なる駆動しながらの実行によるデータを前処理することが、前述の、音声信号処理からのDTW技術を使用することにより実施され得る。
【0054】
例示的実施形態は、所望の物体と所望しない物体とを区別するために、音声認識HMMを適用することにより、視野の中で動く物体又は静止している物体に関して、外部環境の影響を評価することができる。Tx/Rxのアンテナの高さ及び水平/垂直の偏波の影響が、所望の、或いは所定のレベルに調整でき、探知可能性が更に増強される。
【0055】
他の例示的実施形態によれば、建物の内部構造がグラム・データから推測され得る。例えば、式(2)及び図2の解析的形式が、グラムからの軌跡を整合させるために使用され、それぞれが、壁の隅部を特定することができる。式(2)及び図2の解析的形式が統合され、建物の内壁構造及び/又は建物、或いは構造の内部で一定の帰還をマスクする閉塞体の位置を表すことができる。
【0056】
例示的実施形態はこのように説明されているが、同じことが多くの方法で変更され得ることは明らかであろう。そのような変更形態は、本発明から逸脱しているとみなされるべきではなく、そのような改変形態の全てが本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【技術分野】
【0001】
政府からの受注契約
本発明は、国防高等研究計画局(DARPA)により授与された、契約HR0011−06−C−0110、下請け契約061033の下に政府支援を受けてなされた。米国政府は本発明において一定の権利を有する。
【背景技術】
【0002】
壁透過レーダ感知は、単一視点(single aspect)から建物内の比較的小さい領域に亘って物体を撮像するものとみなされてきた。しかし、従来の壁透過感知は有効な建物幅に亘る特性に対応する能力を欠いている。
【0003】
合成開口レーダ(SAR)技術が、多重視点(multiple aspects)から建物の外部を再構築するために使用されてきた。しかし、従来のSAR技術は、やはり有効な建物幅に亘る特性に対応する能力を欠いている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は広帯域RF探知の方法に関する。一実施形態において、方法は、駆動経路に沿った複数の送信位置から信号を送信するステップを含む。送信された信号の反射が駆動経路に沿った複数の受信位置で受信される。標識(signature)が受信位置それぞれにおいて反射の到来角に基づいて形成される。
【0005】
標識は、対応する送信位置及び対応する各反射の受信位置の駆動経路に沿った距離に対する、各受信位置における反射の到来角を含む。
【0006】
標識は、対応する送信信号の送信時間に対する、駆動経路に沿った各受信位置における受信された反射の経路遅延を含む。
【0007】
標識は、駆動経路に沿った各受信位置において、対応する送信位置及び対応する各反射の受信位置の駆動経路に沿った距離に対する、各受信位置における反射の到来角のグラム(gram)・プロットとして表される。色付けが、受信された反射の経路遅延を示すために使用される。
【0008】
標識に対して、受信された反射を導き出すために、ビーム形成が駆動経路に沿って実施される。受信された反射の到来角が、対応する送信位置/受信位置ペアそれぞれに対するマトリックスの1列の複数のビン(bin)に亘って分配される。ビンは反射の複素数の経路の振幅で満たされ、マトリックスの各列は単一の送信位置/受信位置ペアに対応する。
【0009】
構造の内部は、構造内の隅部を特定するために反射の到来角の軌跡を照合することにより、標識に基づいて推測される。
【0010】
特許又は特許申請書は、少なくとも1枚の色彩で制作された図面を含む。この、色彩図面を伴う特許又は特許出願公開のコピーは、特許庁に申請し、必要な料金を支払うことにより提供される。
【0011】
例示的実施形態は、本明細書の中で以下に与えられる詳細な説明及び添付の図面から、より完全に理解されよう。図において、同じ要素は同じ参照番号で表され、図面は単に例示のために与えられ、従って本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】2つの壁の交叉で形成された2平面からなる隅部からの反射の全体的な幾何学的形状を示す図である。
【図2】曲率が比R/dによる、角度余弦の軌跡の正規化されたプロットを示す図である。
【図3】図3Aは例示的建物の上面図であり、図3Bは、例示的建物の側面図であり、図3Cは例示的建物の正面図である。
【図4A】xR=1に対する例示的光線フレームを示す図である。
【図4B】xR=10に対する例示的光線フレームを示す図である。
【図4C】xR=21に対する例示的光線フレームを示す図である。
【図5】図4Aに含まれる例に対する、量子化されたAoA余弦に対する経路損失を示す図である。
【図6】長さ64のブラックマン窓の高速フーリエ変換の一例を示す図である。
【図7】図5に対応する、シミュレーションされたビームフォーマ応答シーケンスの一例の1フレームを示す図である。
【図8】経路遅延の一例の色相−彩度−明度(hsv)の配色表を示す図である。
【図9A】空の建物に対する駆動経路に沿った、シミュレーションされたビームフォーマのスナップ写真の例の強度を示す、グラム・プロットを示す図である。
【図9B】閉塞体(occlusion)が付加された図9Aにおける建物に対して、駆動経路に沿った、シミュレーションされたビームフォーマのスナップ写真の例の強度を示す、グラム・プロットを示す図である。
【図9C】図9Aで示されたグラム及び図9Bで示されたグラムの間の差を示すグラム・プロットを示す図である。
【図10A】(a)x次元に沿った駆動経路における、0.1mの変化の影響を示すグラフである。
【図10B】(b)y次元に沿った駆動経路における、0.1mの変化の影響を示すグラフである。
【図10C】(c)z次元に沿った駆動経路における、0.1mの変化の影響を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の様々な例示的実施形態が、本発明の幾つかの例示的実施形態が示される添付の図面を参照して、より詳細に説明される。図において、層及び領域の厚さは簡明化のために誇張されている。
【0014】
本発明の詳細な例示的実施形態が、本明細書の中に開示される。しかし、本明細書の中に開示される具体的な構造及び機能の詳細は、本発明の例示的実施形態を説明することを目的とする単なる代表に過ぎない。しかし、この発明は、多くの代替的形態で具現化可能であり、本明細書の中で説明される実施形態だけに限定されるものと解釈されるべきではない。
【0015】
従って、本発明の例示的実施形態は様々な改変形態及び代替的形態が可能であるが、本発明の実施形態が図面の中に例として示され、本明細書の中で詳細に説明される。しかし、本発明の例示的実施形態を開示された特定の形態に限定する意図はなく、逆に、本発明の例示的実施形態は、本発明の範囲内に入る全ての改変形態、等価形態及び代替形態をカバーするものであることを理解されたい。図の説明を通して同じ番号は同じ要素を指す。
【0016】
用語、第1の、第2の等は、本明細書の中で、様々な要素を説明するために使用され得るが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきではないことが理解されよう。これらの用語は、単に、1つの要素を他の要素と区別するために使用される。例えば、本発明の例示的実施形態の範囲を逸脱することなく、第1の要素が第2の要素と呼ばれ、同様に、第2の要素が第1の要素と呼ばれ得る。本明細書の中で使用されるように、用語「及び/又は」は、関連するリスト記載の項目のうちの1つ以上の、任意の全ての組合せを含む。
【0017】
1つの要素が他の要素と「接続」又は「結合」されていると言われるとき、その要素は、他方の要素に直接的に接続又は結合され、或いは介在する要素が存在し得ることが理解されよう。対照的に、1つの要素が他の要素に「直接接続」又は「直接結合」されていると言われるとき、介在する要素は存在しない。要素間の関係を説明するために使用される他の言葉が、同じようなやり方で解釈されるべきである(例えば、「間」対「ちょうど間」、「隣」対「ちょうど隣」等)。
【0018】
本明細書の中で使用される専門語は、特定の実施形態を説明することを目的とするに過ぎず、本発明の例示的実施形態を限定することを意図するものではない。本明細書の中で使用されるように、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が別段に明確に指示しない限り、複数形をも含むことが意図される。用語「備える(comprise)」、「備えている(comprising)」、「含む(include)」及び/又は「含んでいる(including)」は、本明細書の中で使用される場合、提示された特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は成分の存在を詳述するが、1以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、成分、及び/又はそれらの群の存在又は追加を排除するものでないことが理解されよう。
【0019】
幾つかの代替的実施形態において、言及された機能/動作が、図において言及された順序とは違って発生しうることにもまた、留意されたい。例えば、連続して示される2つの図が、関連する機能/動作によって、実際には、実質的に同時に実行され、又は時には逆の順序で実行され得る。
【0020】
例示的実施形態は、センサ配列を用いた広帯域RFプローブ信号を使用して、構造物、例えば、建築構造物の中の変化を感知することができる。多重ビームフォーマ・スナップ写真が(例えば、パターン認識問題の「特徴抽出」ステップにおいて、)固有の、建物全体の標識を形成するために、建物の外側の送信/受信(Tx/Rx)駆動経路に沿って撮像され得る。
【0021】
スペクトログラム(例えば、解析的音声パターンを表示するために使用されるものと同じで、時間及び周波数に亘って強度において濃淡を付けられる2次元プロットからなるスペクトログラム)が内部建築構造物に対する表示として使用されうる。動的時間軸圧縮(DTW)、隠れマルコフモデル(HMM)他を含め、スペクトログラム・パターンの解析及び認識に対して、定評のあるディジタル信号処理技術が存在する。ビームフォーマの出力振幅を、一方の次元における角度に亘る強度、及び他方の次元における駆動経路に沿った距離に亘る強度として、経路時間遅れを表すために色彩を付加して示す、「グラム」タイプの表示が使用され得る。建物又は構造内の有意な変化を探知するために、グラム・タイプの表示標識が、関心のある建物又は構造それぞれに対して収集されてファイル上に保存され、及び/又は周期的にモニタされ得る。
【0022】
例示的実施形態は、光線追跡法を使用し、実際の建物の物理学的測定を用いてグラム表示を作成してシミュレーションし、多数の、駆動経路に沿って移動するTx/Rxの位置に亘って後方散乱データを生成させることができる。物理学的測定からのデータは、(例えば、マットラブ・ルーチンを使用して)処理され、光線経路、経路損失、シミュレーションされたビームフォーマ応答、及び/又は複合的グラム表示の動的プロットを表示することができる。建物内に置かれた物品閉塞体の探知可能性、並びに駆動経路の乱れに対して確立されたロバスト性を求めるために、シミュレーションが作成され得る。
【0023】
建物の内壁で形成される隅部からの鏡面反射が、Tx/Rxの位置が駆動経路に沿って動くとき、固有のロバストな標識を形成する。例えば、単一の隅部からの2次元鏡面反射の幾何学的形状が、予期される応答の一例として以下に論じられる。これらの鏡面反射の特徴的な挙動が、後で論じられるようなグラム・プロットを解釈するために、引き続き使用される。
【0024】
図1は、2つの壁の交叉で形成された2平面からなる隅部からの反射の、全体的な幾何学的形状を、上から見た図として示す。光線が、x軸上のx−d/2から(0,R)の隅部に向けて、反射された光がx+d/2に位置する受信器に到達するような一定の到来角θで送信される。下の式(1)及び式(2)に示すように、所与のTx/Rxのx軸上の離隔距離d及びy軸の範囲Rに対して、到来角θがこの幾何学的形状から一意的に求められる。Tx/Rxのx軸上の離隔距離dは、x−d/2で示される光線の送信器、及びx+d/2に位置する受信器の間のx軸上の距離とすることができ、xはTx光線及びRx光線の間の中点である。範囲Rは、駆動経路から、平行に面する建物の壁までのy軸上の距離とすることができる。
【0025】
x≦d/2と仮定すると、反射は、壁の交叉の左側の隅部から到来する。図1における(x、0)から(0、R)までの点線はTx光線及びRx光線の間の中間の地点である。tanθが、下式
【0026】
【数1】
に従って計算されることが分かる。
【0027】
式(1)をcosθの項で書き直し、図1の対称性を考慮すると、角度余弦の軌跡が、下式
【0028】
【数2】
に従って計算され得る。
【0029】
図2は、式(2)の正規化されたプロットであり、それはその曲率が比R/dによって決まる特徴的な軌跡を示す。図2において、2平面からなる隅部の反射からの角度余弦が、R/d=2、5、10、20、及び50に対して、正規化された横軸の距離の関数として示される。この特徴的な挙動が、グラム・プロットを解釈するために、次節において使用される。例示的実施形態は、2次元座標系における到来角θを計算するものとして上記に説明されているが、例示的実施形態は、上記に説明されるものに限定はされず、到来角θは3次元座標系において計算され得る。
【0030】
図3A、図3B及び図3Cは、それぞれ、例示的建物の上面図、側面図及び正面図を示す。建物の基礎の土台の(x、y)次元の全体は22.86m×21.64mであり、3次元(x、y、z)における建物本体は22.56m×9.14m×7.62mである。
【0031】
2.4GHzの動作周波数を有する広帯域RFプローブ信号を使用して、図3A〜図3Cに示す例示的建物の中に描かれる壁の幾何学的形状及び仕様に基づいて建物の標識を形成する、例示的実施形態が、以下に説明される。例えば、無線システム工学(WiSE)のレイトレーシング(ray−tracing)モデル(例えば、シミュレータ)が、広帯域インパルス応答を得るために使用される。インパルス応答は、送信された広帯域RFインパルスに対して受信された信号の時間応答である。
【0032】
例示的一実施形態において、変数で名前を付けられたTx及びRxの位置を有する汎用入力ファイルが、WiSEモデルの中で公称条件及びパラメータ値を定義するために書き込まれ得る。この特定の例示的実施形態において、nbounceが5に設定され、betamaxが1.0×10−9に設定され、閾値が100に設定される。広帯域インパルス応答を得るための、WiSEモデルに対する条件及びパラメータにおける他の変化が、例示的実施形態の中に存在し得ることに留意されたい。Tx/Rxの位置は、一組の多重インパルス応答、例えばWiSEインパルス応答を得ながら、駆動経路に沿って直線的に変化され得る。しかし、例示的実施形態はそれらに限定されるものではなく、Tx/Rxの位置は3次元空間の中の任意の次元において変更され得る。Tx/Rxの位置を変化させるプロセスはユニックス・シェル・スクリプトを使用して自動化可能であり、シェル・スクリプトはTx/Rxの変数名に対して数値を順次代入し、WiSEルーチンを(例えば、サン・ウルトラ・ワークステーション上で)実行し、出力データを1つのファイルの中で連結する。
【0033】
例示的一実施形態において、x軸上のTxの位置はy及びzの位置を一定にして初期位置から最終位置まで等しい増分で変化され、及び/又は受信位置Rxはx軸上の離隔距離を一定にして送信位置Txを追従し得る。しかし、駆動経路は任意の所望の、或いは所定の方向に変更され得る。各インパルス応答は、各光線経路に対して複素数の経路の振幅、遅延、並びに発射角及び到来角の方位角及び仰角を示す、計算された光線経路のリストを含むことができる。光線経路は、送信された発射角及び受信された到来角であってもよい。この「駆動しながら(drive−by)」のシナリオにおいて生成された応答の多重実行出力ファイルが、以下に論じられる様々な動的表示ルーチンにおいて使用され得る。
【0034】
例示的実施形態が以下に説明され、例えば、送信器の位置が(メートルで)、(xT、yT、zT)=(−5:1:28、−7.5、2.5)として選択され、ここで、元の送信器の位置が、図3A〜図3Cに示す例示的建物の前方左下の隅部であり、各段階においてRxが、(xR、yR、zR)=(xT+1、yT、zT)、即ち、Txの右に1mシフトされて配置される。例えば、送信位置Txは、例示的建物の前縁から7.5m離れた駆動経路を、2.5mの高さで、左端から5mで開始して右から28−22.86=5.14mで終了するように横移動する。
【0035】
Tx/Rxの位置の進行に従う光線経路の進行が求められ、及び/又は、例えば駆動しながらの「動画」として(例えば、マットラブ・プログラムを使用して)表示され得る。駆動しながらの動画の表示は、個々のフレームを印刷する能力を有しながら、(例えば、リターン・キーが押されたときに)フレームからフレームに移行することができる。
【0036】
図4A、図4B及び図4Cは、xR=1、10、21それぞれに対する光線フレームの3つの例を示す。図4A、図4B及び図4Cにおける長方形は、基礎の土台を含まない、図3Aに示す建物本体の上面図を示す。図から分かるように、プロービング(probing)の顕著な特性を表し、それにより特定の建物に対して独特の標識が生成される、内壁からの隅部反射に付随して、90°に近い前壁及び後壁から幾らかの帰還が全体として存在する。
【0037】
同様に、受信された方位到来角(AoA)の関数としての光線経路損失が(例えば、マットラブ・プログラムを使用して)求められ、及び/又は表示される。光線経路損失は、光線経路の送信された強度及び受信された強度の間の差であり得る。例えば、ビーム形成プロセスがシミュレーション可能であり、シミュレーションされた応答が操作角に対して応答が一定であるように角度余弦に関してプロットされ得る。
【0038】
例示的一実施形態において、AoA余弦が(例えば、1〜−127/128(0〜172.83度)の128ステップに)量子化され得る。各受信位置XRに対して、列ベクトル、例えば128×1の列ベクトルが生成される。言い換えれば、各受信位置XRに対して、128のビン(量子化されたAoA余弦を表す)が、それらの対応する、個別の光線の複素数の経路の振幅で満たされる。
【0039】
図5は、図4Aに含まれる例に対して量子化されたAoA余弦に対する経路損失を示し、経路損失は以下のように容易に比較され得る。図4Aにおける3つの最小角度は72.5040度、51.1910度、38.7330度である。余弦空間において、3つの最小角がそれぞれビン46、25、15に量子化され、それらが、図5に示すAoA余弦値0.2969、0.6250、0.7812に変換される。AoA余弦値の逆余弦を取ることで、それぞれの量子化された角度72.7300度、51.3178度、38.6248度が与えられ、それらはそれぞれ図4Aにおける元の角度に近い。他のAoA余弦は、前壁からの反射(例えば、より強い)及び後壁からの反射(例えば、より弱い)に対応して0(90度)に比較的近い値を返し、見られるように、内部の反射からの中間的な強さの帰還を実質的に抑制する。例えば、図4Aから、実際には、3回反射に対応する、第3の垂線に近い帰還が存在することが見られるが、この帰還は、図5における実際の壁の反射に包含される。というのは、これらの反射は同じ量子化ビンの中に入るからである。
【0040】
例示的実施形態によれば、ビーム形成が、所与の方向から到達する成分を優先する信号を導き出すために使用され、他の方向から到達する成分を排除することができる。例示的一実施形態において、シミュレーションされたビーム形成が、角度余弦応答を特徴的なビーム・パターンで畳み込み積分することにより実施され得る。例えば、シミュレーションされたビーム形成が余弦空間応答の逆FFT(IFFT)を取り、M点のブラックマン窓で乗算し、FFTを取ることにより、高速フーリエ変換(FFT)を使用して実施され得る。ブラックマン窓の長さがビーム解像度を決定し、ビーム解像度はおよそ2/Mラジアンであり、Mはビームフォーマを形成する複数の等価配列要素として解釈され得る。
【0041】
図6は長さ64のブラックマン窓のFFTの一例を示し、メイン・ローブ幅及びサイド・ローブ・レベルに関して、ガウス形及びハン窓形の間の中間である。従って、シミュレーションされたビームフォーマ応答は、例えば、ブラックマン窓のFFTに基づいた、他の駆動しながらのプログラムを使用して表示されうる。
【0042】
図7は、図5に対応する、シミュレーションされたビームフォーマ応答シーケンスの一例の1フレームを示す。例えば、図7は、図5の応答を図6の窓応答で畳み込み積分した結果の応答を示す。
【0043】
上記に説明したように、ビームフォーマ出力は、一方の次元における角度余弦に亘る強度に対する、他方の次元における駆動経路距離に亘る強度として、経路時間遅れを表すために色彩を付加して(例えば、マットラブ画像ルーチンを使用して)表示されうる。ビームフォーマ出力表示の各成分の詳細が以下により詳細に論じられる。
【0044】
例示的一実施形態において、帰還の振幅が、Amin及びAmax(例えば、dBの)の間の、ユーザが選択した範囲に制限され、像関数が予期する0〜1の範囲をカバーするように拡縮され得る。ガンマ・コントラスト増進が使用されて良く、強度が、ユーザが選択した指数gamまで上げられる。このプロセスが128の角度余弦ビンに亘って実施され、NX駆動経路のXR位置のそれぞれに対して128×NXのマトリックスの1列を形成する。結果として得られたマトリックスは単色バージョンのグラムとなり得、そのグラムは、以下に論じられるように遅延データで色付けされる。
【0045】
経路遅延が同様に、Tmin及びTmaxの間に制限され、0〜1に拡縮され得る。拡縮された遅延値が、hsv(色相−彩度−明度)関数(例えば、hsvマットラブ関数)の最初の43のビンに索引を付ける。
【0046】
図8は、選択された遅延範囲に対応して、最初の43のビンに亘って赤から青に移行する経路遅延の一例のhsv配色表を示す。角度/距離の単色の像の各画素に対する3つの彩度出力が存在し、その3つの彩度出力が、128×NX×3のテンソルを生成するために使用され、3つの128×NXのマトリックスのそれぞれが、単色マトリックス、及び3つの128×NXの彩度マトリックスのうちの1つの積である。彩度マトリックスの各列が、光線帰還の角度余弦に対応する制限され拡縮された遅延値で満たし、シミュレーションされたビーム・パターンを生成するために使用されたものと同じIFFT/ブラックマン(M)/FFTプロセスを使用することにより計算されうる。従って、強度に応じて、色付けがビーム・パターン上になされる。
【0047】
最後に表示される像のテンソルは128×NX×3の大きさであり、ここで、128は角度余弦のビンの数であり、NXは経路遅延を表す3つの彩度成分を有する、x軸の駆動経路に沿ったビームフォーマのスナップ写真の数である。従って、最後の像のテンソルが、図9A〜図9C及び図10A〜図10Cに示され、以下に論じられるように(例えば、マットラブ・プログラムを使用して)表示され得る。
【0048】
図9Aは、空の建物に対して、駆動経路に沿った、シミュレーションされたビームフォーマのスナップ写真の例の強度を示すグラム・プロットを示す。例えば、グラム・プロットは、同等のM=64要素のビームフォーマと、−140〜−8dBの振幅リミットと、4のガンマ指数と、50ns〜250nsの遅延リミットとにおいて、前と同じ(xT、yT、zT)=(−5:1:28、−7.5、2.5)の駆動経路を使用して生成された。Tx/Rxが建物の真正面(例えば、Rx距離が1〜24)にある場合、水平の細長い筋がAoA余弦が0(90度)の付近に現れる。水平の細長い筋は、前壁(赤)、後壁(緑)及び前壁/後壁の3回反射(青)からのほぼ垂直な(90度の)帰還に対応し、色彩は異なる経路遅延の間で区別される。曲がった部分は内壁からの隅部の反射に対応し、その形状(例えば、図2に示すような)及び色彩は、隅部からTx/Rxの位置までの相対角度及び距離を表す。これらの特徴(例えば、形状及び色彩)が、内部構造を判別するために使用されうる。
【0049】
図3A〜図3Cに「X」で記された箱で示すように、人工的な閉塞体が(6、4、0)及び(8、6、2)に対角線の隅部が位置する、全反射の1辺2mの立方体として例示的建物モデルの中に置かれた。
【0050】
図9Bは、この閉塞体が導入された後のグラム・プロットを示す。図9Aと比較すると、2つの主たる差が分かる。即ち、4〜12のRx距離に対する後壁帰還の部分(緑及び青の水平の細長い筋)、並びに19〜23のRx距離に対する逸脱した隅部反射(青)の部分が立方体によって不鮮明にされている。図9Cは、図9Aに示されるグラム及び図9Bに示されるグラムの間の差を示すグラム・プロットを示す。
【0051】
実世界において、厳密に同じ駆動経路で反復することは不可能であるので、示差的グラム技術のロバスト性は、駆動経路における比較的小さく、不明確な差に対する感度に左右され得る。図10A〜図10Cは、(a)x次元、(b)y次元、及び(c)z次元それぞれに沿った駆動経路における、0.1mの変化に対する影響を示すグラフを示す。これらのプロットの濃淡の強度を図9Cのものと比較すると、駆動経路における0.1mの変化が、1辺2mの立方体により導き出された差に匹敵することが分かる。それ故、例示的実施形態による方法は、比較的小さい幾何学的形状の誤差に対してロバストでありうる。
【0052】
例示的実施形態によれば、光線追跡法が、駆動しながらのシナリオにおいて、シミュレーションされた建物からの後方散乱データを生成することができる。一方の次元における角度に亘る強度、及び他方の次元における駆動経路に沿った距離に亘る強度として、経路時間遅延を表すために色彩を付加して、ビームフォーマ出力振幅を示す「グラム」表示を得るために、データが使用され得る。部屋の隅部からの鏡面反射が、ロバストで動的な建物内部の標識を形成することができる。上記に論じたように、建物内の閉塞体は、約0.1m未満の駆動経路変動により導き出された変化を比較すると、確実に探知されうる。
【0053】
単一の移動可能なTxアンテナ及びRxアンテナを使用する実際の測定が、他の例示的実施形態による実時間ビームフォーマ出力をシミュレーションするために処理され得る。2つのグラムが相違を与えられる前に2つのグラムを最も良く整合させるために、駆動経路及び移送手段の速度記録における既知の差を補償するように、同じ建物に対する、異なる駆動しながらの実行によるデータを前処理することが、前述の、音声信号処理からのDTW技術を使用することにより実施され得る。
【0054】
例示的実施形態は、所望の物体と所望しない物体とを区別するために、音声認識HMMを適用することにより、視野の中で動く物体又は静止している物体に関して、外部環境の影響を評価することができる。Tx/Rxのアンテナの高さ及び水平/垂直の偏波の影響が、所望の、或いは所定のレベルに調整でき、探知可能性が更に増強される。
【0055】
他の例示的実施形態によれば、建物の内部構造がグラム・データから推測され得る。例えば、式(2)及び図2の解析的形式が、グラムからの軌跡を整合させるために使用され、それぞれが、壁の隅部を特定することができる。式(2)及び図2の解析的形式が統合され、建物の内壁構造及び/又は建物、或いは構造の内部で一定の帰還をマスクする閉塞体の位置を表すことができる。
【0056】
例示的実施形態はこのように説明されているが、同じことが多くの方法で変更され得ることは明らかであろう。そのような変更形態は、本発明から逸脱しているとみなされるべきではなく、そのような改変形態の全てが本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動経路に沿った複数の送信位置から信号を送信するステップ、
前記駆動経路に沿った複数の受信位置において前記送信信号の反射を受信するステップ、及び
前記受信位置のそれぞれにおいて前記反射の到来角に基づいて標識を形成するステップを備える、方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法であって、前記標識が、対応する送信位置及び対応する前記反射それぞれの受信位置の、前記駆動経路に沿った距離に対する、前記受信位置それぞれにおける前記反射の前記到来角を含む、方法。
【請求項3】
請求項1記載の方法であって、前記反射それぞれの各到来角が、下式
【数1】
に従って計算され、θが特定の反射の到来角であり、xが対応する受信位置のx軸上の位置であり、dが前記対応する送信位置と、前記x軸の範囲に沿った前記特定の反射に対する前記対応する受信位置との間の前記駆動経路に沿った距離であり、Rがy軸に沿った前記駆動経路から前記特定の反射の反射点までの距離である、方法。
【請求項4】
請求項1記載の方法であって、前記標識が、前記駆動経路に沿った前記受信位置それぞれにおいて前記受信された反射の強度を含む、方法。
【請求項5】
請求項1記載の方法であって、前記標識が、対応する送信信号の送信時間に関して、前記駆動経路に沿った前記受信位置それぞれにおいて、前記受信された反射の経路遅延を含む、方法。
【請求項6】
請求項1記載の方法であって、対応する送信位置、及び対応する前記反射それぞれの受信位置の前記駆動経路に沿った距離に対する、前記受信位置それぞれにおける前記反射の前記到来角のグラム・プロットとして、前記標識を、前記駆動経路に沿った前記受信位置それぞれにおいて、前記受信された反射の経路遅延を示すための色付けを伴って表示するステップを更に備え、前記経路遅延が、対応する送信信号の送信時間に関する、方法。
【請求項7】
請求項6記載の方法であって、前記色付けの明度が、前記駆動経路に沿った前記受信位置それぞれにおける前記受信された反射の強度を示す、方法。
【請求項8】
請求項6記載の方法であって、経路損失が、前記受信された反射の前記到来角の関数として計算され、前記経路損失が、前記送信された信号の強度、及び前記受信された反射の強度の間の差である、方法。
【請求項9】
請求項1記載の方法であって、前記駆動経路に沿ってビーム形成を実施して、前記標識に対する前記受信された反射を導き出すステップを更に備える、方法。
【請求項10】
請求項9記載の方法であって、前記受信された反射の前記到来角を、対応する送信位置/受信位置ペアそれぞれに対するマトリックスの1列の複数のビンに亘って分配するステップを更に備え、前記ビンが前記反射の複素数の経路の振幅で満たされ、前記マトリックスの各列が単一の送信位置/受信位置ペアに対応する、方法。
【請求項1】
駆動経路に沿った複数の送信位置から信号を送信するステップ、
前記駆動経路に沿った複数の受信位置において前記送信信号の反射を受信するステップ、及び
前記受信位置のそれぞれにおいて前記反射の到来角に基づいて標識を形成するステップを備える、方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法であって、前記標識が、対応する送信位置及び対応する前記反射それぞれの受信位置の、前記駆動経路に沿った距離に対する、前記受信位置それぞれにおける前記反射の前記到来角を含む、方法。
【請求項3】
請求項1記載の方法であって、前記反射それぞれの各到来角が、下式
【数1】
に従って計算され、θが特定の反射の到来角であり、xが対応する受信位置のx軸上の位置であり、dが前記対応する送信位置と、前記x軸の範囲に沿った前記特定の反射に対する前記対応する受信位置との間の前記駆動経路に沿った距離であり、Rがy軸に沿った前記駆動経路から前記特定の反射の反射点までの距離である、方法。
【請求項4】
請求項1記載の方法であって、前記標識が、前記駆動経路に沿った前記受信位置それぞれにおいて前記受信された反射の強度を含む、方法。
【請求項5】
請求項1記載の方法であって、前記標識が、対応する送信信号の送信時間に関して、前記駆動経路に沿った前記受信位置それぞれにおいて、前記受信された反射の経路遅延を含む、方法。
【請求項6】
請求項1記載の方法であって、対応する送信位置、及び対応する前記反射それぞれの受信位置の前記駆動経路に沿った距離に対する、前記受信位置それぞれにおける前記反射の前記到来角のグラム・プロットとして、前記標識を、前記駆動経路に沿った前記受信位置それぞれにおいて、前記受信された反射の経路遅延を示すための色付けを伴って表示するステップを更に備え、前記経路遅延が、対応する送信信号の送信時間に関する、方法。
【請求項7】
請求項6記載の方法であって、前記色付けの明度が、前記駆動経路に沿った前記受信位置それぞれにおける前記受信された反射の強度を示す、方法。
【請求項8】
請求項6記載の方法であって、経路損失が、前記受信された反射の前記到来角の関数として計算され、前記経路損失が、前記送信された信号の強度、及び前記受信された反射の強度の間の差である、方法。
【請求項9】
請求項1記載の方法であって、前記駆動経路に沿ってビーム形成を実施して、前記標識に対する前記受信された反射を導き出すステップを更に備える、方法。
【請求項10】
請求項9記載の方法であって、前記受信された反射の前記到来角を、対応する送信位置/受信位置ペアそれぞれに対するマトリックスの1列の複数のビンに亘って分配するステップを更に備え、前記ビンが前記反射の複素数の経路の振幅で満たされ、前記マトリックスの各列が単一の送信位置/受信位置ペアに対応する、方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【公表番号】特表2011−528784(P2011−528784A)
【公表日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−511587(P2011−511587)
【出願日】平成21年1月21日(2009.1.21)
【国際出願番号】PCT/US2009/000365
【国際公開番号】WO2009/145811
【国際公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(596092698)アルカテル−ルーセント ユーエスエー インコーポレーテッド (965)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月21日(2009.1.21)
【国際出願番号】PCT/US2009/000365
【国際公開番号】WO2009/145811
【国際公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(596092698)アルカテル−ルーセント ユーエスエー インコーポレーテッド (965)
【Fターム(参考)】
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