説明

床材用含浸原紙及び床材用含浸紙

【課題】合板として、表面性が悪く、軟質なベニヤ合板が使用された場合であっても、層間強度が高く、耐衝撃性があり、また床材の表面に形成される凹凸を被覆することができる床材用含浸紙を提供する。
【解決手段】少なくとも表層、及び裏層の2層を有する多層抄きの床材用含浸原紙の、JIS−P8141(2004)に記載の「紙及び板紙−吸水度試験方法−クレム法」に準拠して測定したクレム吸水度を80〜113mmとし、またJ.TAPPI No.41(2000)に記載の「紙及び板紙−はつ油度試験方法−キット法」に準拠して測定した吸油度を0.5〜2.2秒とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床材を構成する合板の補強材として用いられる床材用含浸原紙及び床材用含浸紙に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に示されるように、床材等の建築用化粧板は、一般に化粧シートと、接着剤層と、合板とを具備して構成されている。特に、複合フローリング床材では合板としてベニヤ合板が用いられることが多いが、その補強材として、MDF(中密度積層板)が用いられている。しかし、補強材としてMDFが用いられると合板単体から構成される床材と比べて、コストが高くなるだけでなく、水分を吸収して膨らんでしまい、床面に波打ちが生じ易い、すなわち表面性が悪くなるという問題がある。そこで、補強材として、MDFの他に、例えば特許文献1に示されるように樹脂含浸紙硬化層(クラフト紙)を設けることが提案されている。この樹脂含浸紙硬化層は、原紙にフェノール系樹脂等の硬化樹脂を含浸塗工することにより、床材の耐衝撃性を維持すると共に、床材の表面に形成される凹凸を被覆し、波打ちが形成されないようにしている。
【0003】
また、昨今の木材需要量の増大により、ベニヤの価格が高騰し、ベニヤ合板が入手しにくくなってきている。従って、製造コストを抑えるために、比較的安価な中国製のベニヤ合板が用いられるようになってきている。しかしながら、中国製のベニヤ合板は軟質で、耐衝撃性が低く、表面性も悪い。このため、従来の厚さが0.3mm程度のクラフト紙では床材としての耐衝撃性を確保できず、また床材の表面に形成される凹凸も被覆できないという問題があり、床材用含浸紙に適した原紙が要求されるようになってきた。
【0004】
また、補強材として厚さが0.3mm程度のクラフト紙が用いられた床材にVカット加工が施されると、ベニヤ合板そのものが見えてしまい、床材の見栄えが悪くなるという問題もあった。そこで、厚さが約0.3mmのクラフト紙を2枚貼合する方法が用いられているが、クラフト紙の貼合面での剥離強度の低下や、加工工程が多くなるという問題がある。
【0005】
さらにまた、従来のクラフト紙は樹脂等の含浸性が悪かったため、床材として使用するために必要な耐衝撃性を得ることが難しいという問題もあった。そこで、含浸性を向上させるために原料パルプのフリーネスを高くする、抄紙工程におけるプレス線圧、カレンダー線圧を低くする等の手段があるが、いずれの手段もパルプ繊維同士の絡み合いを弱くする、又は少なくするものであり、その結果、繊維間強度の低下を招き、床材用含浸原紙あるいは床材用含浸紙としての層間強度を確保できず、耐衝撃性を確保することが難しいという問題を生じる。
【0006】
なお、このほか、床材の補強材として、特許文献2に示されるプレプレッグを作ったり、特許文献3に示される合成樹脂液を塗布した繊維質シートを用いることが提案されているが、これらの技術によっても上記のような問題を解決することはできなかった。
【0007】
【特許文献1】特開2007−77726号公報
【特許文献2】特開2003−314043号公報
【特許文献3】特開2002−172604号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述したような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、合板として、表面性が悪く、軟質なベニヤ合板が使用された場合であっても、層間強度が高く、耐衝撃性があり、また床材の表面に形成される凹凸を被覆することができる床材用含浸原紙及び床材用含浸紙を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の上記目的は、少なくとも表層、及び裏層の2層を有する多層抄きの床材用含浸原紙において、JIS−P8141(2004)に記載の「紙及び板紙−吸水度試験方法−クレム法」に準拠して測定したクレム吸水度が80〜113mmであり、また、J.TAPPI No.41(2000)に記載の「紙及び板紙−はつ油度試験方法−キット法」に準拠して測定した吸油度が0.5〜2.2秒であることを特徴とすることで、本課題を解決できる床材用含浸原紙を提供することができる。
【0010】
また、本発明の上記目的は、前記床材用含浸原紙の各層を構成する原料パルプには、機械パルプを0〜30%配合し、また、前記原料パルプは、JIS−P8121(1995)に記載の「紙及び板紙−パルプのろ水度試験方法−カナダ標準ろ水度試験方法」に準拠して測定したフリーネスを550〜750ccに調整し、また、前記床材用含浸原紙のJIS−P8118(1998)に記載の「紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定した密度が0.3〜0.6g/cmであることを特徴とする床材用含浸原紙を提供することによって、効果的に達成される。
【0011】
また、本発明の上記目的は、前記床材用含浸原紙に、少なくとも−CHOH基(メチロール基)を有する水系熱硬化性樹脂を含浸塗工して床材用含浸紙を形成し、JIS−Z0237(2000)に記載の「粘着テープ・粘着シート試験方法−引張り強さ」に準拠して測定した層間強度が、縦:350N/15mm以上、横:200N/15mm以上であることを特徴とする床材用含浸紙を提供することによって達成される。
【0012】
さらにまた、本発明の上記目的は、紙厚が550〜750μmであることを特徴とする床材用含浸紙を提供することによって、より効果的に達成される。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る床材用含浸原紙によれば、少なくとも表層、及び裏層の2層を有する多層抄きとし、クレム吸水度を80〜113mmとし、また吸油度を0.5〜2.2秒としたので、水系熱硬化性樹脂の含浸性を所望の範囲とすることができ、作業効率、製造コスト、操業性のバランスの優れたものとすることができる。
【0014】
また、本発明に係る床材用含浸紙によれば、層間強度を縦:350N/15mm以上、横:200N/15mm以上としたので、床材の合板として表面性が悪く、軟質なベニヤ合板等が用いられても、耐衝撃性があり、床材の表面の凹凸を被覆することができるようになる。特に、水系熱硬化性樹脂として、特定のメチロール基を有するものを用いると、その効果は顕著なものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る多層抄きの床材用含浸原紙及び床材用含浸紙について、床材用含浸原紙が表層、1層の中間層、及び裏層の3層の紙層から成る場合を例に詳細に説明する。なお、本発明に係る多層抄きの床材用含浸原紙及び床材用含浸紙は、以下の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲内において、その構成を適宜変更できることはいうまでもない。
【0016】
本発明に係る床材用含浸原紙(以下、「本含浸原紙」という。)は、表層、1層の中間層、及び裏層の3層の紙層を有する。
【0017】
本含浸原紙は、JIS−P8141(2004)に記載の「紙及び板紙−吸水度試験方法−クレム法」に準拠して測定した縦のクレム吸水度(以下、単に「クレム吸水度」と言う。)が80〜113mmであることが好ましく、より好ましくは80〜97mmである。また、J.TAPPI No.41(2000)に記載の「紙及び板紙−はつ油度試験方法−キット法」に準拠して測定した吸油度(以下、単に「吸油度」と言う。)が0.5〜2.2秒であることが好ましく、より好ましくは1.3〜1.8秒である。
【0018】
含浸原紙のクレム吸水度が80mm未満であると、後述する水系熱硬化性樹脂の含浸性が低くなり、水系熱硬化性樹脂の含浸量が減ってしまう。このため、含浸原紙に水系熱硬化性樹脂を含浸塗工して形成される含浸紙は、所望とする層間強度を得ることができず、床材として使用することが困難となる。一方、クレム吸水度が113mmを超えると、含浸原紙の水系熱硬化性樹脂の含浸性が高くなりすぎ、必要量以上の水系熱硬化性樹脂が含浸原紙に含浸されてしまうため、乾燥に時間が掛かり、作業効率が悪くなると共に、製造コストが増加する。
【0019】
また、含浸原紙の吸油度が0.5秒未満であると、水系熱硬化性樹脂の含浸性が高くなりすぎ、必要量以上の水系熱硬化性樹脂が含浸原紙に含浸されてしまうため、乾燥に時間が掛かり、作業効率が悪くなると共に、製造コストが増加する。一方、含浸原紙の吸油度が2.2秒を超えると、水系熱硬化性樹脂の含浸性が低くなり、必要量の水系熱硬化性樹脂が含浸されるまでの時間が長くなり、操業性が低下してしまう。
【0020】
また、本含浸原紙を形成する各層の原料パルプには、加温、加圧下でチップを機械的にパルプ化したサーモメカニカルパルプ(TMP)等の機械パルプを0〜30質量%配合することが好ましく、より好ましくは10〜20質量%である。各層の機械パルプの配合率が30質量%を超えると、含浸原紙の水系熱硬化性樹脂の含浸性が悪くなるという問題が生じてしまう。
【0021】
本含浸原紙を形成する各層の原料パルプは、機械パルプが0〜30質量%配合されていれば、その他の原料パルプとしては、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹亜硫酸パルプ、針葉樹亜硫酸パルプ等の木材繊維を主原料として、化学的に処理されたパルプ、化学的に処理されたパルプやチップを機械的にパルプ化したグランドパルプ、木材またはチップに化学薬品を添加しながら機械的にパルプ化したケミグランドパルプ、及びチップを柔らかくなるまで蒸解した後、レファイナー等でパルプ化したセミケミカルパルプ等のバージンパルプ等を用いることができる。また、木材以外の繊維原料であるケナフ、麻、葦等の非木材繊維も用いることができる。なお、古紙からなるパルプを配合しても良いが、微細繊維が多いため、濾水性が悪くなり、生産スピードが落ち、また水系熱硬化性樹脂を含浸原紙に含浸させて形成される含浸紙の紙面の見栄えが悪化するとともに、層間強度も低下してしまう。従って、古紙パルプは特に表層及び裏層を形成する原料パルプには配合しない方が好ましく、さらには中間層を形成する原料パルプにも配合しないほうがより好ましい。
【0022】
また、本含浸原紙は、同じ配合の原料パルプを用いて各層を抄造するのが好ましいが、例えば中間層の原料パルプ中に古紙を配合する等、表層、中間層、裏層と異なる配合の原料パルプを用いて抄紙しても良い。
【0023】
また、各層の原料パルプは、JIS−P8121(1995)に記載の「紙及び板紙−パルプのろ水度試験方法−カナダ標準ろ水度試験方法」に準拠して測定したフリーネス(以下、単に「フリーネス」と言う。)を550〜750ccに調整することが好ましく、より好ましくは600〜750ccである。各層の原料パルプのフリーネスが750ccを超えると含浸原紙の水系熱硬化性樹脂の含浸量が多くなるため、使用する水系熱硬化性樹脂の量が増え、コストが増加してしまうほか、水系熱硬化性樹脂の含浸量が多くなるために乾燥に時間がかかり、操業性も低下する。また、繊維間結合力も低下し、層間強度が低くなるため、このような含浸原紙が床材として使用されると、層間剥離が発生したり、耐衝撃性が低下する等の問題が生じる。一方、各層の原料パルプのフリーネスが550cc未満であると、繊維間結合力は増し、層間強度は高まるものの、含浸原紙の水系熱硬化性樹脂の含浸性が著しく低下してしまうため、やはり本発明の所望とする層間強度を得ることが困難となり、耐衝撃性が低下してしまう。
【0024】
また、含浸原紙を構成する少なくとも1層の原料パルプ中に、湿潤紙力増強剤及び/又は乾燥紙力増強剤を添加することが好ましい。これにより、水系熱硬化性樹脂の含浸塗工時における本含浸原紙の加工適性を向上させることができると共に、本含浸原紙に水系熱硬化性樹脂を含浸塗工して形成される床材用含浸紙の層間強度をより高くすることができる。なお、湿潤紙力増強剤が配合されない場合、含浸原紙に水系熱硬化性樹脂を含浸塗工する際に紙切れが発生する等、加工適性が低下する場合がある。また、乾燥紙力増強剤が配合されない場合、含浸原紙に水系熱硬化性樹脂を含浸塗工して形成される床材用含浸紙の層間強度が低下してしまうため、このような含浸紙を床材用として用いることが難しくなる。従って、湿潤紙力増強剤及び乾燥紙力増強剤を本含浸原始を構成する全層の原料パルプ中に添加することが好ましい。
【0025】
このような湿潤紙力増強剤としては、例えばポリアミドポリアミン・エピクロロヒドリン系,メラミン・ホルマリン系,尿素・ホルマリン系樹脂等を用いることができる。また、乾燥紙力増強剤としては、アニオン性、カチオン性、または両性のポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、カチオン化澱粉、植物性ガラクトマンナン等を用いることができる。しかしながら、本含浸紙に用いられる湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤はこれらに限定されるものではない。
【0026】
また、上記の紙力増強剤を添加することにより、含浸原紙の水系熱硬化性樹脂の含浸性が低下してしまうため、紙力増強剤を添加する層を形成する原料パルプに含浸液浸透促進剤を添加することが好ましい。この含浸液浸透促進剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤を用いることができ、またこれらの1種又は2種以上を併用してもよい。
【0027】
アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸の金属塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアリール硫酸エステル塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、モノ置換又はジ置換スルホコハク酸エステル塩等が挙げられる。
【0028】
カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩型(塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム等)、アミン塩型(ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド乳酸塩、ジラウリルアミン塩酸塩、オレイルアミン乳酸塩等)等が挙げられる。
【0029】
また、ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、エチレンジアミンポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド等が挙げられる。
【0030】
これらの含浸液浸透促進剤の中でもノニオン性界面活性剤が好ましく、特にポリエチレングリコールを含まない多価アルコール、多価フェノール化合物のプロピレンオキサイド付加体を含有することが好ましい。さらに、DF6300(星光PMC株式会社製)の、脂肪酸系でシリコーンを含まない液状の自己乳化型の界面活性剤が用いられると、より好ましい。
【0031】
また、この含浸液浸透促進剤の添加量は0.01〜0.5質量%が好ましく、0.05〜0.25質量%がより好ましい。
【0032】
含浸液浸透促進剤の添加量が0.01質量%未満であると、サイズ性を十分に消去することができないため、樹脂浸透性が悪く、含浸紙の生産性が低下してしまう。一方、添加量が0.5質量%を超えるとサイズ性の消去は十分にできるが、紙力増強剤、染料等の薬品の定着を阻害するとともに、パルプ繊維同士の水素結合も阻害する傾向にあり、含浸原紙の層間強度が低下する問題が発生する。また、樹脂含浸後の含浸紙の剥離強度も低下するおそれがある。
【0033】
なお、含浸原紙に水系熱硬化性樹脂の含浸性を付与するために、含浸液浸透促進剤剤の他に吸液剤や嵩高剤等の薬品を添加する事も可能である。しかしながら、原料パルプの叩解の度合いや、パルプの配合率によっては含浸液浸透促進剤剤等の薬品を添加する必要がないので、この場合には添加しなくても良い。
【0034】
また、含浸原紙の嵩を出すため、すなわち含浸原紙の紙厚を大きくするために、熱発泡性粒子を原料パルプ中に混合することもできる。本含浸原紙に用いることができる熱発泡性粒子としては、アクリル系コポリマーを主成分とする熱可塑性合成樹脂で構成された微細粒子外殻内に低沸点溶剤を封入したものである。なお、この熱発泡性粒子は、平均粒径が5〜15μmで、75〜130℃の加熱により膨張を開始するものが好ましい。外殻を構成する熱可塑性合成樹脂としては、例えば塩化ビニリデン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の共重合体等を挙げることができる。また、外殻内に封入される低沸点溶剤としては、例えば、イソブタン、ペンタン、石油エーテル、ヘキサン、低沸点ハロゲン化炭化水素、メチルシラン等を挙げることができる。
【0035】
このような熱発泡性粒子としては、例えば、松本油脂製薬株式会社製造の「マツモトマイクロスフェアF−20シリーズ」、「同F−30シリーズ」、「同F−36シリーズ」、「同F−46シリーズ」や、日本フィライト株式会社販売の「エクスパンセルWU」、「同DU」などを使用することができるが、含浸原紙に使用する熱発泡性樹脂はこれらに限定されるものではない。
【0036】
また、熱発泡性粒子は自己定着しないため、あらかじめ定着剤を混合して用いることが好ましい。この定着剤としては、ポリアクリルアミド系紙力剤、ポリアミドエピクロロヒドリン系紙力剤、ポリエチレンイミン系紙力剤、澱粉,酸化澱粉,カルボキシメチル化澱粉等の澱粉類、植物ガム、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等、公知の種々のものを用いることができる。
【0037】
なお、この他、含浸原紙を構成する各層の原料パルプに添加される薬品の添加量、種類等については、原料の種類等に応じて、適宜調整することができる。
【0038】
上述した原料パルプは、公知の抄紙工程、例えばワイヤーパート、プレスパート、ドライヤーパート、サイズプレス、カレンダーパートなどを経て、表層、中間層、及び裏層の3層の紙層を有する本含浸原紙を形成する。なお、本含浸原紙の抄紙方法については、特に限定されるものではないので、酸性抄紙法、中性抄紙法、アルカリ性抄紙法のいずれであっても良い。また、抄紙機も特に限定されるものではないので、例えば長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、円網抄紙機、円網短網コンビネーション抄紙機等の公知の種々の抄紙機を使用することができる。
【0039】
このように形成された本含浸原紙は、JIS−P8118(1998)に記載の「紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定した密度(以下、単に「密度」という)が0.3〜0.6g/cm、好ましくは0.35〜0.55g/cm、より好ましくは0.35〜0.5g/cmに調整されている。このように本含浸原紙の密度を調整することによって、含浸原紙の水系熱硬化性樹脂の含浸性(含浸量)を調整することができる。なお、本含浸原紙の密度が0.3g/cm未満であると、含浸原紙の水系熱硬化性樹脂の含浸性は向上するが、必要量以上の水系熱硬化性樹脂が含浸原紙に含浸されてしまうため、乾燥に時間が掛かり、作業効率が悪くなるとともに、製造コストが高くなる。一方、本含浸原紙の密度が0.6g/cmを超えると、水系熱硬化性樹脂の含浸性が低下し、含浸原紙に含浸塗工される水系熱硬化性樹脂の量が減少するため、本発明の所望とする層間強度を得ることが困難となり、耐衝撃性が低下するため、本含浸原紙を床材として用いることができなくなる。
【0040】
また、本含浸原紙の坪量は170〜200g/m、好ましくは180〜195g/m、より好ましくは180〜190g/mである。本含浸原紙の坪量をこのような範囲とすることにより、水系熱硬化性樹脂の含浸量を後述する範囲にすることができる。すなわち、本含浸原紙の坪量が170g/m未満であると、所望の厚みを確保することができなくなるため、耐衝撃性が低下してしまう傾向にある。一方、本含浸原紙の坪量が200g/mを超えると、含浸原紙に対する水系熱硬化性樹脂の含浸量の割合が低下するため、本発明の所望とする層間強度を得ることが困難となり、耐衝撃性が低下するため、本含浸原紙を床材として用いることが難しくなる。
【0041】
以上、本含浸原紙について、表層、中間層、及び裏層の3層の紙層から成る場合について説明したが、本発明は必ずしもこのような床材用含浸原紙に限らず、含浸原紙が多層抄き構造で形成されていれば、この他、例えば、表層及び裏層の2層の紙層から成る含浸原紙であっても良く、さらには含浸原紙の中間層を2層以上で構成し、4層以上の紙層で構成しても良い。すなわち、複数層の中間層を有する床材用含浸原紙においては、中間層も含めた全ての層に水系熱硬化性樹脂を含浸塗工することができる構造になっていれば良い。
【0042】
上述した本含浸原紙に水系熱硬化性樹脂を含浸塗工して、本発明に係る床材用含浸紙(以下、「本含浸紙」と言う。)が形成される。すなわち、本含浸紙は、本含浸原紙を構成する全層に、水系熱硬化性樹脂である含浸液を含浸塗工することによって形成される。
【0043】
このように形成された本含浸紙は、JIS−Z0237(2000)に記載の「粘着テープ・粘着シート試験方法−引張り強さ」に準拠して測定した層間強度(以下、単に「層間強度」と言う。)が、縦:350N/15mm以上、横:200N/15mm以上となるように調整する。含浸紙の縦の層間強度が350N/15mm未満、横の層間強度が200N/15mm未満であると、層間剥離が発生し易くなり、耐衝撃性が低下するため、本含浸紙を床材として使用できなくなる。
【0044】
本含浸原紙に含浸塗工される水系熱硬化性樹脂は、少なくとも−CHOH基(メチロール基)を有するものである。このように少なくとも−CHOH基を有する水系熱硬化性樹脂を本含浸原紙に含浸塗工することにより、本含浸紙を床材用コア紙とすることができる。すなわち、合板として、表面性が悪く、軟質なベニヤ合板が使用された場合であっても、床材用コア紙として本含浸紙を用いると、床材の表面に形成される凹凸を被覆することができるようになる。
【0045】
このような少なくとも−CHOH基を有する水系熱硬化性樹脂としては、メラミン、フェノール、ユリア、DAP、エポキシ樹脂等を挙げることができ、これらの中でも水系熱硬化性樹脂として好適であるのは、メラミン、フェノール、ユリアである。これらの中でも特にメラミン樹脂を用いると、硬度が高く、耐衝撃性の高い含浸紙とすることができるので、より好ましい。
【0046】
また、本含浸紙における水系熱硬化性樹脂の含浸量は、含浸原紙全層の坪量に対して、37〜71%、好ましくは40〜60%である。なお、水系熱硬化性樹脂の含浸量が37%未満であると、本発明の所望とする層間強度を得ることができず、層間剥離を起こしやすくなるため、含浸紙を床材として使用することが困難となる。一方、水系熱硬化性樹脂の含浸量が71%を超えると、必要量以上の水系熱硬化性樹脂が含浸されているため、乾燥に時間が掛かり、作業効率が悪くなるほか、製造コストも高くなるという問題が生じる。
【0047】
このように特定の−CHOH基を有する水系熱硬化性樹脂を本含浸原紙に含浸塗工させて形成された本含浸原紙は、樹脂浸透性が5〜13秒であることが好ましく、より好ましくは6〜11秒である。本含浸原紙の樹脂浸透性が5秒未満であると、水系熱硬化性樹脂の含浸性が高くなりすぎ、必要量以上の水系熱硬化性樹脂が含浸されてしまうため、乾燥に時間が掛かり、作業効率が悪くなると共に、製造コストが増加する。一方、樹脂浸透性が13秒を越えると、水系熱硬化性樹脂の含浸性が低くなり、必要量の水系熱硬化性樹脂が含浸されるまでの時間が長くなり、操業性が低下してしまう。
【0048】
また、本含浸紙の紙厚は550〜750μmの範囲内であることが好ましい。これにより、本含浸紙を、合板として、表面性が悪く、軟質なベニヤ合板が使用された場合であっても、層間強度が高く、耐衝撃性があり、また床材の表面に形成される凹凸を被覆することができる床材用含浸紙とすることができる。なお、本含浸紙の紙厚を550〜750μmの範囲とするには、本含浸原紙の紙厚は、水系熱硬化性樹脂の含浸塗工後に膨れが発生することから、400〜500μmであることが好ましい。
【0049】
本含浸紙の紙厚が550μm未満であると、合板として、例えば軟質で表面性の悪いベニヤ合板を用いた際、耐衝撃性が低くなると共に、床材の表面に形成される凹凸を被覆できなくなるので、本含浸紙を床材として使用することが困難となる。また、Vカット加工を施すことによりベニヤ合板が見えてしまうようになり、床材として見た目が悪くなり、品質が低下するという問題も生じる。
【0050】
一方、本含浸紙の紙厚が750μmを超えると、床材としての加工適性が低下する。また、含浸紙の紙厚を750μmより大きくするには、含浸原紙の紙厚を大きくする必要があるが、含浸原紙の紙厚が大きすぎると、水系熱硬化性樹脂の含浸塗工時、水系熱硬化性樹脂が含浸原紙に浸透するまでの時間が長くなり、操業性が低下すると共に、使用する水系熱硬化性樹脂の量も多くなるため、製造コストが増加する。さらにまた、層間剥離が発生しやすくなり、耐衝撃性が低下するという問題も生じる。
【0051】
以上に詳述したような本含浸原紙を用い、本含浸紙を形成することにより、合板として、表面性が悪く、軟質なベニヤ合板が使用された場合であっても、層間強度が高く、耐衝撃性があり、また床材の表面に形成される凹凸を被覆することができるという床材用含浸原紙及び床材用含浸紙を提供するという本発明の課題を解決することができるのである。
【実施例】
【0052】
本発明に係る床材用含浸紙の効果を確認するため、以下のような各種の試料を作製し、これらの各試料に対する品質を評価する試験を行った。なお、本実施例において、配合、濃度等を示す数値は、固形分又は有効成分の質量基準の数値である。また、本実施例で示すパルプ・薬品等は一例にすぎないので、本発明はこれらの実施例によって制限を受けるものではなく、適宜選択可能であることはいうまでもない。
【0053】
本発明に係る22種類の床材用含浸紙(これを「実施例1」ないし「実施例22」とする)と、これらの実施例1ないし実施例22と比較検討するために、4種類の床材用含浸紙(これを「比較例1」ないし「比較例4」とする)を、表1に示すような構成で作製した。
【0054】
【表1】

【0055】
〔実施例1〕
以下の原料を用いて、下記の製造法に従い、表層、裏層及び両層間に位置する2層の中間層からなる4層構造の床材用含浸原紙を得た。
<原料>
・表層及び裏層
針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)90質量%と、機械パルプ(TMP)10質量%とを配合した後に、カナディアンスタンダードフリーネス(CSF)を550ccに調整した原料に、薬品の定着剤として、硫酸アルミニウムを固形分で0.4質量%、湿潤紙力増強剤(星光PMC株式会社製WS4024)を固形分で0.175質量%、乾燥紙力増強剤(星光PMC株式会社製DS4356)を固形分で0.2質量%、含浸液浸透促進剤(星光PMC株式会社製DF6300)を固形分で0.02質量%配合し、表層及び裏層用の原料パルプスラリーを得た。
・中間層
針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)90質量%と、機械パルプ(TMP)10質量%とを配合した後に、CSFを550ccに調整した原料に、薬品の定着剤として、硫酸アルミニウムを固形分で0.4質量%、湿潤紙力増強剤(星光PMC株式会社製WS4024)を固形分で0.175質量%、乾燥紙力増強剤(星光PMC株式会社製DS4356)を固形分で0.2質量%、含浸液浸透促進剤(星光PMC株式会社製DF6300)を固形分で0.02質量%配合し、中間層用のパルプスラリーを得た。
【0056】
これらの原料パルプスラリーを用い、円網抄紙機にて表層、2層の中間層、及び裏層の紙層を抄き合わせて、表層の付け量を50g/m、中間層の合計付け量を80g/m、裏層の付け量を53g/m、含浸原紙全体の坪量が183g/mである4層抄きの床材用含浸原紙(実施例1)を得た。
【0057】
このように作製した含浸原紙に、表1に示すような樹脂を、含浸原紙全層の坪量に対し、表1に示す含浸量を含浸塗工して、含浸紙を形成する。
【0058】
また、実施例2〜22、及び比較例1〜4を表1に示す条件以外は実施例1と同様に含浸原紙を作製した。なお、本実施例における熱発泡性粒子としては、熱発泡性粒子(松本油脂製薬株式会社製「マツモトマイクロスフェアF−46」)と、定着剤(伯東株式会社製「ハクトロンKC100」)(凝集カチオン性高分子樹脂)を用いた。
【0059】
なお、表1中の「CSF(cc)」とは、JIS−P8121(1995)に記載の「紙及び板紙−パルプのろ水度試験方法−カナダ標準ろ水度試験方法」に準拠して測定した値である。
【0060】
また、「付け量(g/m)」とは、各試料の層剥離を行い、各層の坪量をJIS−P8124に記載の「紙及び板紙−坪量測定方法」に準拠して測定した値である。
【0061】
なお、層剥離は以下の手順で行った。まず、各試料から得た各サンプルを室温の水に約1時間浸漬する。水に浸漬した各サンプルを、角を起点として10mmΦ程度の丸棒に巻き付けた後、丸棒を転がして各サンプルをしごく。この操作を各サンプルの四隅の全ての角を起点に繰り返し、各方向からサンプルにしごきの力を加える。これにより、各サンプルの層間の一部が剥離してくるので、これを利用して、表層、中間層、及び裏層に分離して層剥離を行う。層剥離を行った後、各サンプルの各層を熱風乾燥機などで十分に乾燥し、試験に使用した。
【0062】
これらの全実施例及び比較例について品質評価を行った結果は、表2に示すとおりであった。なお、この品質評価試験は、JIS−P8111に準拠して温度23±2℃、湿度50±2%の環境条件で行った。
【0063】
なお、表2中の「坪量(g/m)」とは、各試料全層、すなわち床材用含浸原紙全体の坪量で、JIS−P8124(1998)に記載の「紙及び板紙−坪量測定方法」に準拠して測定した値である。
【0064】
「紙厚(μm)」とは、JIS−P8118(1998)に記載の「紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法」に準拠して含浸原紙、含浸紙を測定した値である。
【0065】
「密度(g/cm)」とは、JIS−P8124(1998)に記載の「紙及び板紙−坪量測定方法」に準拠して測定した含浸原紙の坪量と、JIS−P8118(1998)に記載の「紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定した含浸原紙の紙厚から算出した値である。
【0066】
「クレム吸水度(mm)」とは、JIS−P8141(2004)に記載の「紙及び板紙−吸水度試験方法−クレム法」に準拠して測定した含浸原紙の縦方向の吸水度の値である。
【0067】
「吸油度(秒)」とは、J.TAPPI No.32−2(2000)に記載の「紙−吸水性試験方法−第二部:滴下法」に準拠し、滴下する溶媒に軽油を用いて測定した数値である。
【0068】
「樹脂浸透性(秒)」とは、上記「吸油度(秒)」と同様に、J.TAPPI No.32−2(2000)に記載の「紙−吸水性試験方法−第二部:滴下法」に準拠し、滴下した溶媒に、日本カーバイト株式会社製、型番ニカレヂンS−260のメラミン樹脂を水で濃度50%に調整したメラミン樹脂溶液を用いて測定した数値である。
【0069】
「剥離強度(MPa)」とは、JIS−P8131(1995)に記載の「紙及び板紙−ミューレン高圧形試験機による破裂強さ試験方法に準拠して含浸原紙を測定した値を、層間剥離強度としたものである。
【0070】
「樹脂浸透性(秒)」とは、水系熱硬化性樹脂の浸透性(含浸性)を評価したもので、J.TAPPI No.41(2000)に記載の「紙及び板紙−はつ油度試験方法−キット法」準拠して含浸紙を測定した値である。
【0071】
「層間強度(縦)(N/15mm)」とは、JIS−Z0237(2000)に記載の「粘着テープ・粘着シート試験方法−引張り強さ」に準拠して含浸紙を測定した縦方向の層間強度で、「層間強度(横)(N/15mm)」とは、JIS−Z0237(2000)に記載の「粘着テープ・粘着シート試験方法−引張り強さ」に準拠して含浸紙を測定した横方向の層間強度で、試験片が15mm幅であることから、単位をN/15mmに変更し、測定した値である。
【0072】
「折曲げ」とは、含浸紙の層間強度を評価したものであり、含浸紙である各試料を90度、180度に折り曲げ、ひび割れの発生状況を目視で確認して評価した。その評価基準は下記の通りとした。
○:ひび割れが発生していない。
○△:ひび割れが発生しかけている。
△:ややひび割れが発生している。
×:ひび割れが発生している。
【0073】
「耐セロハンテープ」とは、含浸紙の表面強度を評価するものであり、幅15mm長さ150mmのセロハンテープを含浸紙に縦方向に貼り付け、その上から5kgの荷重を5分かけ、その後セロハンテープを引き剥がした際のセロハンテープの剥離面を観察し、評価したものである。その評価基準は下記の通りとした。
○:セロハンテープが綺麗に剥がれている。
△:含浸紙表面がやや剥ぎ取られている。
×:含浸紙表面と繊維が一緒に剥ぎ取られている。
【0074】
「碁盤目」とは、含浸紙の層間強度を評価したものである。その評価方法は、各試料である含浸原紙に樹脂を含浸させた含浸紙の表面の流れ方向に、垂直・水平に幅2mm、深さ0.3mmの升目を用い、100枡カッターで切り込みを入れた後、含浸紙の表面にセロハンテープを貼り、その後強制的にセロハンテープを剥ぎ取った。その際に層間が剥離しなかった枡目をカウントして評価したものである。なお、表中には、「残存した枡の数/100枡」で表している。
【0075】
また、「総合評価」とは、樹脂浸透性、層間強度(縦・横)、折曲げ、耐セロハンテープ、碁盤目の評価を総合的に評価したもので、その評価基準は下記の通りである。
◎:十分満足できる。
○:満足できる。
△:やや満足できる。
×:満足できない。
【0076】
【表2】

【0077】
表2から、本発明に係る床材用含浸紙であると、層間強度が高く、耐衝撃性があり、また床材の表面に形成される凹凸を被覆することができるということが分かる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも表層、及び裏層の2層を有する多層抄きの床材用含浸原紙において、
JIS−P8141(2004)に記載の「紙及び板紙−吸水度試験方法−クレム法」に準拠して測定したクレム吸水度が80〜113mmであり、
また、J.TAPPI No.41(2000)に記載の「紙及び板紙−はつ油度試験方法−キット法」に準拠して測定した吸油度が0.5〜2.2秒であることを特徴とする特徴とする床材用含浸原紙。
【請求項2】
前記床材用含浸原紙の各層を構成する原料パルプには、機械パルプを0〜30%配合し、
また、前記原料パルプは、JIS−P8121(1995)に記載の「紙及び板紙−パルプのろ水度試験方法−カナダ標準ろ水度試験方法」に準拠して測定したフリーネスを550〜750ccに調整し、
また、前記床材用含浸原紙のJIS−P8118(1998)に記載の「紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定した密度が0.3〜0.6g/cmであることを特徴とする請求項1に記載の床材用含浸原紙。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の前記床材用含浸原紙に、
少なくとも−CHOH基(メチロール基)を有する水系熱硬化性樹脂を含浸塗工して床材用含浸紙を形成し、
JIS−Z0237(2000)に記載の「粘着テープ・粘着シート試験方法−引張り強さ」に準拠して測定した層間強度が、縦:350N/15mm以上、横:200N/15mm以上であることを特徴とする床材用含浸紙。
【請求項4】
紙厚が550〜750μmであることを特徴とする請求項3に記載の床材用含浸紙。

【公開番号】特開2010−31420(P2010−31420A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−194794(P2008−194794)
【出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】