説明

店舗システム、売上登録装置及びプログラム

【課題】仮登録した商品を後で探し出す際の手間を軽減することを可能とする。
【解決手段】読取装置101は、撮像部164で撮像した画像に含まれるコードシンボルを検出し、そのコードシンボルに対応したコード情報を読み取り(S4)、読み取ったコード情報をPOS端末11へ出力する(S5)。POS端末11は、出力されたコード情報で特定された商品の売上を登録する(S21)。POS端末11は、出力されたコード情報が未登録である場合に、仮登録にかかる情報と、未登録のコード情報を読み取った商品の画像とを取得し(S23,S25)、取得された商品の画像に含まれる文字を認識する(S26)。POS端末11は、取得された仮登録にかかる情報と、認識された文字とを未登録のコード情報に対応付けて仮登録する(S27)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、店舗システム、売上登録装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケット等の店舗では、商品に添付されたバーコードや二次元コード(例えばQRコード(登録商標))等のコードシンボルをCCDイメージセンサ等のデジタルカメラによって撮像し、その撮像した画像から検出したコードシンボルを検出して復号することで商品コードを読み取る商品コード読取装置が用いられている。店員は、顧客がカウンタ台に持ち込んだ買物カゴの中に収められている商品を取り出して商品コード読取装置のデジタルカメラにかざすことで、顧客が購入する商品の売上を登録する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、商品コード読取装置によって読み取った商品コードと、その商品コードで特定される商品の単価や商品名などが未登録である場合は、商品コードから顧客が購入する商品を特定できないことから、商品の売上を登録することができない。したがって、未登録の商品については、読み取った商品の部門などのリンク先を示すリンクコードや単価をキー操作で仮登録した後に、売上を登録する。
【0004】
しかしながら、仮登録した商品を陳列棚などから探し出して本登録する際には、仮登録した商品の部門などのリンク先を示すリンクコードや単価などしか登録されていないことから、仮登録した商品を探し出すことが困難な場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明の実施形態は、画像取込手段と、コード読取手段と、出力手段とを備える読取装置と、売上登録手段と、取得手段と、文字認識手段と、仮登録手段とを備える売上登録装置と、を有することを特徴とする店舗システムである。画像取込手段は、撮像手段が撮像した画像を取り込む。コード読取手段は、取り込まれた画像に含まれる商品に添付されたコードシンボルを検出し、そのコードシンボルに対応したコード情報を読み取る。出力手段は、読み取ったコード情報を出力する。売上登録手段は、コード情報ごとに商品にかかる情報が予め登録されている商品登録情報を参照して、出力されたコード情報で特定された商品の売上を登録する。取得手段は、出力されたコード情報にかかる情報が商品登録情報に未登録である場合に、仮登録にかかる情報と、未登録のコード情報を読み取った商品の画像とを取得する。文字認識手段は、取得された商品の画像に含まれる文字を認識する。仮登録手段は、取得された仮登録にかかる情報と、認識された文字とを未登録のコード情報に対応付けて商品登録情報に仮登録する。
【0006】
また、本発明の実施形態は、コード読取手段と、売上登録手段と、取得手段と、文字認識手段と、仮登録手段と、を備えることを特徴とする売上登録装置である。コード読取手段は、撮像手段が撮像した画像に含まれる商品に添付されたコードシンボルを検出し、そのコードシンボルに対応したコード情報を読み取る。売上登録手段は、コード情報ごとに商品にかかる情報が予め登録されている商品登録情報を参照して、読み取られたコード情報で特定された商品の売上を登録する。取得手段は、読み取られたコード情報にかかる情報が商品登録情報に未登録である場合に、仮登録にかかる情報と、未登録のコード情報を読み取った商品の画像とを取得する。文字認識手段は、取得された商品の画像に含まれる文字を認識する。仮登録手段は、取得された仮登録にかかる情報と、認識された文字とを未登録のコード情報に対応付けて商品登録情報に仮登録する。
【0007】
また、本発明の実施形態は、撮像手段が撮像した画像に含まれる商品に添付されたコードシンボルを検出し、そのコードシンボルに対応したコード情報を読み取るコード読取手段を有する売上登録装置のコンピュータを、売上登録手段と、取得手段と、文字認識手段と、仮登録手段と、して機能させるためのプログラムである。売上登録手段は、コード情報ごとに商品にかかる情報が予め登録されている商品登録情報を参照して、読み取られたコード情報で特定された商品の売上を登録する。取得手段は、読み取られたコード情報にかかる情報が商品登録情報に未登録である場合に、仮登録にかかる情報と、未登録のコード情報を読み取った商品の画像とを取得する。文字認識手段は、取得された商品の画像に含まれる文字を認識する。仮登録手段は、取得された仮登録にかかる情報と、認識された文字とを未登録のコード情報に対応付けて商品登録情報に仮登録する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、チェックアウトシステムを示す斜視図である。
【図2】図2は、POS端末及び読取装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、PLUファイルのデータ構成を例示する概念図である。
【図4】図4は、CPUの機能構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、チェックアウトシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】図6は、読取窓における読取領域の例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下では、チェックアウトシステムを例に本実施形態にかかる店舗システム、売上登録装置及びプログラムを図面を参照して説明する。チェックアウトシステムは、一取引にかかる商品の登録、精算を行う売上登録装置としてのPOS端末と、商品に添付された商品コードなどを読み取るコード読取装置とを有する構成であり、店舗システムの一例である。本実施形態は、スーパーマーケット等の店舗に導入されたチェックアウトシステムへの適用例である。
【0010】
図1は、チェックアウトシステム1を示す斜視図である。図1に示すように、チェックアウトシステム1は、一取引にかかる商品の登録、精算を行うPOS端末11を備える。POS端末11は、チェックアウト台51上のドロワ21上面に載置されている。ドロワ21は、POS端末11によって開放動作の制御を受ける。POS端末11の上面には、オペレータ(店員)によって押下操作されるキーボード22が配置されている。キーボード22を操作する店員から見てキーボード22よりも奥側には、店員に向けて情報を表示する表示デバイス23が設けられている。表示デバイス23は、その表示面23aに情報を表示する。表示面23aには、タッチパネル26が積層されている。表示デバイス23よりもさらに奥側には、顧客用表示デバイス24が回転自在に立設されている。顧客用表示デバイス24は、その表示面24aに情報を表示する。なお、図1に示す顧客用表示デバイス24は、表示面24aを図1中手前側に向けているが、表示面24aが図1中奥側に向くように顧客用表示デバイス24を回転させることによって、顧客用表示デバイス24は顧客に向けて情報を表示する。
【0011】
POS端末11が載置されているチェックアウト台51とL字を形成するようにして、横長テーブル状のカウンタ台151が配置されている。カウンタ台151の上面には、荷受面152が形成されている。荷受面152には、バーコードBCが付された商品Aを収納する買物カゴ153が載置される。買物カゴ153は、顧客によって持ち込まれる第1の買物カゴ153aと、第1の買物カゴ153aから読取装置101を挟んだ位置に位置付けられる第2の買物カゴ153bとに分けて考えることができる。
【0012】
カウンタ台151の荷受面152には、POS端末11とデータ送受信自在に接続された読取装置101が設置されている。読取装置101は、薄型矩形形状のハウジング102を備える。ハウジング102の正面には読取窓103が配置されている。ハウジング102の上部には、表示・操作部104が取り付けられている。表示・操作部104には、タッチパネル105が表面に積層された表示デバイス106が設けられている。表示デバイス106の右隣にはキーボード107が配設されている。キーボード107の右隣には、図示しないカードリーダのカード読取溝108が設けられている。店員から見て表示・操作部104の裏面左奥側には、顧客に向けて設けられる表示装置であり、顧客に対して情報を表示するための顧客用表示デバイス109が設置されている。顧客用表示デバイス109の表示面には、顧客用タッチパネル109aが積層されている。
【0013】
顧客によって持ち込まれた第1の買物カゴ153aには、一取引にかかる商品Aが収納されている。商品Aには、その商品Aに関する商品コード(コード情報)が符号化されたバーコードBCが貼付されている。商品Aは、オペレータの手によって第2の買物カゴ153bへと移動される。この移動過程で、バーコードBCが読取装置101の読取窓103に向けられる。この際、読取窓103の奥側に配置された撮像部164(図2参照)はバーコードBCを撮像する。読取装置101では、撮像部164により撮像された画像に含まれる商品Aに添付されたバーコードBCを検出してデコード(復号)することで、商品Aに対応した商品コードを読み取る。次いで、読取装置101は、読み取った商品コードをPOS端末11へ出力する。
【0014】
バーコードBCとして記述された商品コードは、商品Aを特定するために商品ごとに割り当てられたコードであり、一例として13桁の数字であるJANコードである。なお、本実施形態ではコードシンボルとしてバーコードBCを例に説明するが、コードシンボルはQRコード(登録商標)等の二次元コードであってもよいことは言うまでもない。
【0015】
図2は、POS端末11及び読取装置101のハードウェア構成を示すブロック図である。POS端末11は、情報処理を実行する情報処理部としてのマイクロコンピュータ60を備える。マイクロコンピュータ60は、各種演算処理を実行し各部を制御するCPU61(Central Processing Unit)に、ROM62(Read Only Memory)とRAM63(Random Access Memory)とがバス接続されて構成されている。
【0016】
POS端末11のCPU61には、前述したドロワ21、キーボード22、表示デバイス23、タッチパネル26、顧客用表示デバイス24がいずれも各種の入出力回路(いずれも図示せず)を介して接続されている。これらは、CPU61による制御を受ける。
【0017】
キーボード22は、「1」、「2」、「3」…等の数字や「×」という乗算の演算子が上面に表示されているテンキー22d、仮締めキー22e、及び締めキー22fを含む。キーボード22は、テンキー22d、仮締めキー22e、及び締めキー22fによる店員の操作入力をCPU61へ出力する。キーボード22は、店員からの操作を受け付ける操作手段である。POS端末11では、CPU61の制御の下、店員からの操作入力をキーボード22から受け付けることで、商品の仮登録にかかる情報を取得する。具体的には、仮登録を行う商品の部門などのリンク先を示すリンクコードや単価などを取得する。
【0018】
POS端末11のCPU61には、HDD64(Hard Disk Drive)が接続されている。HDD64には、プログラムや各種ファイルが記憶されている。HDD64に記憶されているプログラムや各種ファイルは、POS端末11の起動時に、その全部又は一部がRAM63にコピーされてCPU61により順次実行される。HDD64に記憶されているプログラムの一例は、商品販売データ処理用のプログラムPRである。HDD64に記憶されているファイルの一例は、ストアコンピュータSCから配信されて格納されているPLUファイルF1と、仮登録にかかる商品を撮像した画像を格納する撮像データファイルF2とがある。
【0019】
PLUファイルF1は、商品ごとにユニークに割り当てられた商品コードごとに、その商品の商品名、単価などの商品に関連した情報を格納するファイルである。すなわち、PLUファイルF1は、コード情報(商品コード)ごとに商品にかかる情報が予め登録されている商品登録情報である。
【0020】
図3は、PLUファイルF1のデータ構成を例示する概念図である。図3に例示したデータD1は、仮登録ではなく、ストアコンピュータSCなどによって予め登録されている、本登録済みの登録データである。データD2は、仮登録されている、仮登録済みの登録データである。本登録済みのデータD1には、「商品コード」としての「XXXX」と、「商品名」としての「XX牛乳」と、「単価」としての「200円」とが登録されている。仮登録済みのデータD2には、仮登録にかかる情報として取得された「リンクコード」及び「単価」としての「L_ZZZZ」及び「220円」と、仮登録にかかる商品を撮像した画像から文字認識した「商品名」としての「YY牛乳」と、その撮像した画像を格納する撮像データファイルF2のファイル名などである「YY.jpg」とが登録されている。POS端末11では、読取装置101で読み取られた商品コードでPLUファイルF1に登録されているデータD1、データD2などを参照することで、読み取られた商品コードに対応した商品の売上を登録することができる。
【0021】
POS端末11のCPU61には、ストアコンピュータSCとデータ通信を実行するための通信インターフェース25が入出力回路(図示せず)を介して接続されている。ストアコンピュータSCは、店舗のバックヤード等に設置されている。ストアコンピュータSCのHDD(図示せず)には、POS端末11に配信されるPLUファイルF1が格納されている。また、ストアコンピュータSCは、POS端末11のHDD64が記憶するPLUファイルF1、撮像データファイルF2を通信インターフェース25を介して取得し、自らのHDDが格納しているPLUファイルF1と比較することで、POS端末11において仮登録済みのデータD2(図3参照)を集計できる。また、ストアコンピュータSCは、この集計を店舗に設置されている全てのPOS端末11に対して行うことで、店舗全体のPOS端末11で仮登録されたデータを集計できる。
【0022】
POS端末11のCPU61には、読取装置101との間でデータ送受信を可能にする接続インターフェース65が接続されている。したがって、接続インターフェース65は、読取装置101に接続している。また、POS端末11のCPU61には、レシートなどに印字を行うプリンタ66が接続されている。POS端末11は、CPU61の制御のもと、一取引の取引内容(精算金額や付与されたポイント)等をレシートに印字する。
【0023】
読取装置101も、マイクロコンピュータ160を備える。マイクロコンピュータ160は、CPU161にROM162とRAM163とがバス接続されて構成されている。ROM162には、CPU161によって実行されるプログラムが記憶されている。CPU161には、撮像部164、音声出力部165が各種の入出力回路(いずれも図示せず)を介して接続されている。撮像部164、音声出力部165は、CPU161によって動作が制御される。表示・操作部104は接続インターフェース176を介してPOS端末11に接続されている。表示・操作部104はPOS端末11のCPU61によって動作が制御される。
【0024】
撮像部164は、CCDイメージセンサやCOMSイメージセンサなどであり、CPU161の制御の下で読取窓103からの撮像を行う。例えば撮像部164では30fpsの動画像の撮像を行う。撮像部164が所定のフレームレートで順次撮像したフレーム画像はRAM163に保存される。音声出力部165は、予め設定された警告音などを発生するための音声回路とスピーカなどである。音声出力部165は、CPU161の制御の下で警告音などの音声による報知を行う。
【0025】
さらに、CPU161には、POS端末11の接続インターフェース65に接続して、POS端末11との間でデータ送受信を可能にする接続インターフェース175が接続されている。CPU161の制御の下、読取装置101の撮像部164によって撮像された画像から読み取られた商品コードや、その撮像された画像等は、接続インターフェース175を介して出力され、接続インターフェース65を介してPOS端末11に入力される。
【0026】
次に、CPU161、CPU61がプログラムを順次実行することで実現されるCPU161、CPU61の機能部について、図4を参照して説明する。図4は、CPU161、CPU61の機能構成を示すブロック図である。図4に示すように、CPU161は、プログラムを順次実行することにより、撮像画像取込部1611、バーコード読取部1612、情報出力部1613としての機能を備える。同様に、CPU61は、売上登録部611、仮登録部612、文字認識部613としての機能を備える。
【0027】
撮像画像取込部1611は、撮像部164に撮像オン信号を出力して撮像部164に撮像動作を開始させる。撮像画像取込部1611は、撮像動作開始後に撮像部164が撮像してRAM163に保存されたフレーム画像を順次取り込む。撮像画像取込部1611によるフレーム画像の取り込みは、RAM163に保存された順に行われる。
【0028】
バーコード読取部1612は、撮像画像取込部1611により取り込まれたフレーム画像に含まれるコードシンボルを検出し、そのコードシンボルに対応した商品コード等のコード情報を読み取る。具体的には、取り込まれたフレーム画像を2値化した画像からパターンマッチング技術によるバーコードの検出や、所定のファインダパターンから二次元コードの検出などを行う。次いで、バーコード読取部1612は、検出したバーコードや二次元コードを所定の規則に従ったコード情報(例えばJANコード)に変換することで、検出したバーコードに対応したコード情報を読み取る。情報出力部1613は、バーコード読取部1612が読み取ったコード情報を接続インターフェース175を介してPOS端末11へ出力する。また、情報出力部1613は、POS端末11からの要求に応じて撮像部164が撮像した商品の画像を接続インターフェース175を介してPOS端末11へ出力する。
【0029】
売上登録部611は、読取装置101から出力されたコード情報(商品コード)をもとにPLUファイルF1を参照することで、バーコード読取部1612により読み取られた商品Aを特定する。次いで、売上登録部611は、特定された商品Aの売上を登録する。売上登録部611は、一取引ごとにユニークな取引番号を割り当てて、商品Aの売上を登録する際にこの取引番号を付与する。売上登録部611による売上の登録は、商品コード、商品名、単価、数量、日時、取引番号などの情報を売上マスタファイル(図示しない)などに記録して行う。
【0030】
仮登録部612は、売上登録部611で商品Aが特定できなかった場合、すなわち、読取装置101から出力された商品コードがPLUファイルF1に未登録である場合に、その商品コードに関する情報をPLUファイルF1に仮登録する。具体的には、仮登録部612は、店員の操作入力をキーボード22から受け付けることで、リンクコードや単価などの仮登録にかかる情報を取得する。また、仮登録部612は、特定できなかった商品Aの画像を読取装置101に要求し、読取装置101で撮像した商品Aの画像を取得する。また、仮登録部612は、取得された商品Aの画像に含まれる文字(文字列)を、文字認識部613の文字認識処理(OCR)によって取得する。そして、仮登録部612は、仮登録にかかる情報と、文字認識部613により認識された文字と、商品Aの画像とを未登録の商品コードに対応付けてPLUファイルF1に登録する。
【0031】
文字認識部613は、読取装置101で撮像した商品Aの画像に対して文字認識処理(OCR)を施すことで、その画像に含まれる文字を認識する。なお、文字認識部613は、商品Aの画像から複数の文字(文字列)を認識した場合は、最もサイズの大きな文字(文字列)を認識結果とする。商品Aでは最もサイズの大きな文字で商品名を記載することが多い。したがって、最もサイズの大きな文字を認識結果とすることで、商品名を認識できる。
【0032】
次に、チェックアウトシステム1の動作について詳細に説明する。図5は、チェックアウトシステム1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0033】
先ず、読取装置101側の動作について説明する。図5に示すように、POS端末11による商品登録の開始などに応じて処理が開始されると、撮像画像取込部1611は、撮像部164に撮像オン信号を出力して撮像部164による撮像を開始する(S1)。次いで、撮像画像取込部1611は、撮像部164が撮像してRAM163に保存されたフレーム画像(撮像画像)を取り込む(S2)。
【0034】
次いで、バーコード読取部1612は、撮像画像取込部1611により取り込まれたフレーム画像に含まれるバーコードを検出し(S3)、検出したバーコードに対応した商品コードを読み取る(S4)。
【0035】
図6は、読取窓103における読取領域Rの例を示す概念図である。具体的には、図6は商品Aを読み取る際の読取領域Rを例示する概念図である。図6に示すように、前述した商品Aの移動過程において読取領域Rに商品Aが映り込んだ場合、S4では、商品Aに添付されたバーコードBCに対応した商品コードが読み取られることとなる。
【0036】
次いで、情報出力部1613は、バーコード読取部1612が読み取った商品コードを接続インターフェース175を介してPOS端末11へ出力する(S5)。次いで、CPU161は、商品Aを撮像した画像の要求がPOS端末11よりあったか否かを判定する(S6)。要求がなかった場合(S6:NO)はS9へ処理を進める。
【0037】
要求があった場合(S6:YES)、CPU161は、表示デバイス106などの表示画面において、商品Aの撮像を促す旨の報知を行う(S7)。例えば、読取窓103へ商品Aをかざすように促すメッセージを表示するための表示データを接続インターフェース175を介してCPU61へ出力し、表示デバイス106における表示を行う。次いで、情報出力部1613は、撮像部164で撮像した商品Aの画像を接続インターフェース175を介してPOS端末11へ出力し(S8)、S9へ処理を進める。
【0038】
S9において、CPU161は、POS端末11から商品登録の終了通知などによる業務終了の有無を判定する。業務を継続する場合(S9:NO)、CPU161は、S2へ処理を戻して処理を継続させる。業務を終了する場合(S9:YES)、撮像画像取込部1611は、撮像部164に撮像オフ信号を出力して撮像部164による撮像を終了し(S10)、処理を終了する。
【0039】
次に、POS端末11側の動作について説明する。図5に示すように、キーボード22の操作指示による商品登録の開始などに応じて処理が開始されると、CPU61は、読取装置101がバーコードBCを読み取って出力してきた商品コードを接続インターフェース65を介して受信する(S20)。次いで、売上登録部611は、読取装置101から出力された商品コードをもとにPLUファイルF1を参照し、特定された商品Aの売上を登録する(S21)。
【0040】
次いで、CPU61は、読取装置101から出力された商品コードがPLUファイルF1に未登録であり、その商品コードが該当なしであったか否かを判定する(S22)。商品コードが該当ありの場合(S22:NO)は、読取装置101から出力された商品コードをもとに商品Aの売上が登録されたことから、S23〜S28の処理を行うことなく、S29へ処理を進める。
【0041】
商品コードが該当なしの場合(S22:YES)は、読取装置101から出力された商品コードをもとに商品Aが特定されず、商品Aの売上が登録されなかったことから、S23〜S28による商品Aの仮登録と、その仮登録した商品Aの売上登録とにかかるS23〜S28の処理を行う。
【0042】
S23において、仮登録部612は、店員の操作入力をキーボード22から受け付けて、部門(リンクコード)や単価などの仮登録にかかる情報の入力を受け付ける。次いで、仮登録部612は、特定できなかった商品Aの画像を接続インターフェース65を介して読取装置101に要求し(S24)、読取装置101で撮像した商品Aの画像を受信する(S25)。
【0043】
次いで、文字認識部613は、読取装置101で撮像した商品Aの画像に対して文字認識処理(OCR)を施す(S26)。前述したとおり、文字認識部613はこの文字認識によって商品名を取得する。
【0044】
次いで、仮登録部612は、仮登録にかかる情報と、文字認識部613により認識された文字とを未登録の商品コードに対応付けてPLUファイルF1に仮登録する。また、仮登録部612は、商品Aの画像を撮像データファイルF2に格納し、未登録の商品コードに対応付けて撮像データファイルF2に格納したファイル名を仮登録する(S27)。具体的には、図3のデータD2に示すように、「リンクコード」、「単価」、「商品名(文字認識)」、「撮像データ」が仮登録される。次いで、売上登録部611は、仮登録されたデータ(例えば図3のデータD2)により、商品Aの売上を登録する(S28)。
【0045】
例えば、図3に示すPLUファイルF1において、データD2が未登録である場合に、図6に示す商品Aが読み取られてバーコードBCに対応した「YYYY」を取得した際には、商品Aが特定できないこととなる。したがって、S23〜S28の処理が行われ、「L_ZZZZ」、「220円」などの情報を店員の操作入力から取得する。また、商品Aを撮像した画像に含まれる「YY牛乳」などの商品名を文字認識により取得され、データD2のPLUファイルF1への仮登録と商品Aの売上登録が行われることとなる。
【0046】
S29において、CPU61は、キーボード22の操作指示による商品登録の終了などによる業務終了の有無を判定する。業務を継続する場合(S29:NO)、CPU61は、S20へ処理を戻して処理を継続させる。業務を終了する場合(S29:YES)、CPU61は処理を終了する。
【0047】
以上のように、チェックアウトシステム1において、読取装置101は、撮像部164で撮像した画像に含まれるコードシンボルを検出し、そのコードシンボルに対応したコード情報を読み取り(S4)、読み取ったコード情報をPOS端末11へ出力する(S5)。POS端末11は、出力されたコード情報で特定された商品の売上を登録する(S21)。POS端末11は、出力されたコード情報が未登録である場合に、仮登録にかかる情報と、未登録のコード情報を読み取った商品の画像とを取得し(S23,S25)、取得された商品の画像に含まれる文字を認識する(S26)。POS端末11は、取得された仮登録にかかる情報と、認識された文字とを未登録のコード情報に対応付けて仮登録する(S27)。したがって、チェックアウトシステム1では、未登録のコード情報に対応付けて、取得された仮登録にかかる情報とともに、商品の画像に含まれる認識された文字が仮登録されることから、仮登録した商品を後で探し出す際に、商品の画像に含まれる文字を参考にできるため、探し出す手間を軽減することができる。また、チェックアウトシステム1では、未登録のコード情報に対応付けて商品の画像も仮登録されることから、仮登録した商品を後で探し出す際にはその画像も参考にできる。
【0048】
本実施形態のPOS端末11、読取装置101で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。本実施形態のPOS端末11、読取装置101で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0049】
さらに、本実施形態のPOS端末11、読取装置101で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のPOS端末11、読取装置101で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0050】
本実施形態のPOS端末11、読取装置101で実行されるプログラムは、上述した各部(売上登録部611、仮登録部612、文字認識部613、撮像画像取込部1611、バーコード読取部1612、情報出力部1613)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、売上登録部611、仮登録部612、文字認識部613、撮像画像取込部1611、バーコード読取部1612、情報出力部1613が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0051】
1 チェックアウトシステム
11 POS端末
22 キーボード
61 CPU
62 ROM
101 読取装置
104 表示・操作部
161 CPU
164 撮像部
1611 撮像画像取込部
1612 バーコード読取部
1613 情報出力部
611 売上登録部
612 仮登録部
613 文字認識部
BC バーコード
A 商品
D1 データ
D2 データ
PR プログラム
SC ストアコンピュータ
F1 PLUファイル
F2 撮像データファイル
【先行技術文献】
【特許文献】
【0052】
【特許文献1】特開2008−33640公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段が撮像した画像を取り込む画像取込手段と、
取り込まれた前記画像に含まれる商品に添付されたコードシンボルを検出し、当該コードシンボルに対応したコード情報を読み取るコード読取手段と、
読み取った前記コード情報を出力する出力手段とを備える読取装置と、
コード情報ごとに商品にかかる情報が予め登録されている商品登録情報を参照して、出力された前記コード情報で特定された商品の売上を登録する売上登録手段と、
出力された前記コード情報にかかる情報が前記商品登録情報に未登録である場合に、仮登録にかかる情報と、未登録の前記コード情報を読み取った商品の画像とを取得する取得手段と、
取得された前記商品の画像に含まれる文字を認識する文字認識手段と、
取得された前記仮登録にかかる情報と、認識された前記文字とを未登録の前記コード情報に対応付けて前記商品登録情報に仮登録する仮登録手段とを備える売上登録装置と、
を有することを特徴とする店舗システム。
【請求項2】
前記仮登録手段は、取得された前記商品の画像を未登録の前記コード情報に対応付けて前記商品登録情報に仮登録すること、
を特徴とする請求項1に記載の店舗システム。
【請求項3】
前記取得手段は、未登録の前記コード情報を読み取った商品の商品名を含む画像を取得し、
前記文字認識手段は、取得された前記商品の画像に含まれる商品名を認識し、
前記仮登録手段は、取得された前記仮登録にかかる情報と、認識された前記商品名とを未登録の前記コード情報に対応付けて前記商品登録情報に仮登録すること、
を特徴とする請求項1又は2に記載の店舗システム。
【請求項4】
前記取得手段は、未登録の前記コード情報を読み取った商品について前記撮像手段が撮像した画像を前記読取装置の出力手段に出力させて、前記商品の画像を取得すること、
を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の店舗システム。
【請求項5】
撮像手段が撮像した画像に含まれる商品に添付されたコードシンボルを検出し、当該コードシンボルに対応したコード情報を読み取るコード読取手段と、
コード情報ごとに商品にかかる情報が予め登録されている商品登録情報を参照して、読み取られた前記コード情報で特定された商品の売上を登録する売上登録手段と、
読み取られた前記コード情報にかかる情報が前記商品登録情報に未登録である場合に、仮登録にかかる情報と、未登録の前記コード情報を読み取った商品の画像とを取得する取得手段と、
取得された前記商品の画像に含まれる文字を認識する文字認識手段と、
取得された前記仮登録にかかる情報と、認識された前記文字とを未登録の前記コード情報に対応付けて前記商品登録情報に仮登録する仮登録手段と、
を備えることを特徴とする売上登録装置。
【請求項6】
撮像手段が撮像した画像に含まれる商品に添付されたコードシンボルを検出し、当該コードシンボルに対応したコード情報を読み取るコード読取手段を有する売上登録装置のコンピュータを、
コード情報ごとに商品にかかる情報が予め登録されている商品登録情報を参照して、読み取られた前記コード情報で特定された商品の売上を登録する売上登録手段と、
読み取られた前記コード情報にかかる情報が前記商品登録情報に未登録である場合に、仮登録にかかる情報と、未登録の前記コード情報を読み取った商品の画像とを取得する取得手段と、
取得された前記商品の画像に含まれる文字を認識する文字認識手段と、
取得された前記仮登録にかかる情報と、認識された前記文字とを未登録の前記コード情報に対応付けて前記商品登録情報に仮登録する仮登録手段と、
して機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−53710(P2012−53710A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−196206(P2010−196206)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】