説明

廃棄物の処理システム

【課題】 有害廃棄物を発生場所で無害化、減容化、又は再資源化を図ることができ、また定量的に発生する有害廃棄物を巡回して処理したり、短期間に大量に有害廃棄物が発生する場所で効率よく廃棄物を処理すると共に、周辺住民へ環境情報を公開できる廃棄物の処理システムの提供。
【解決手段】 廃棄物ステーション間を結ぶ物流ネットワークと、該物流ネットワーク上の前記廃棄物ステーション間を巡回する少なくとも1台の廃棄物処理装置と、該廃棄物処理装置の運行管理、廃棄物ステーションとの情報管理、システム全体の制御及びメンテナンス並びに環境情報の発信の少なくともいずれかを行う環境情報管理コンピュータとを備え、前記環境情報管理コンピュータからの情報に基づき、廃棄物の処理が必要な前記廃棄物ステーションのいずれかに前記廃棄物処理装置を移動させて前記廃棄物ステーションで廃棄物の処理を行う廃棄物の処理システムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有害廃棄物を発生場所で無害化、減容化、及び再資源化の少なくともいずれかを図ることができ、また定量的に発生する有害廃棄物を巡回して処理したり、短期間に大量に有害廃棄物が発生する場所で効率よく廃棄物を処理すると共に、周辺住民などに対し環境情報を公開することができる廃棄物の処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、都市ゴミ、下水汚泥、又はその他の廃棄物を焼却炉で焼却することによって発生する焼却灰は、多くの場合は、埋め立て処理されている。しかし、埋立地の確保が年々困難になっているため、埋め立てられる焼却灰の容積を小さくする方法、即ち、減容化処理が要望されている。また、焼却灰を処理することなくそのままの状態で埋立地に埋め立てる場合には、焼却灰自体には、種々の重金属等の有害物質が含まれているため、焼却灰から有毒物質が雨水、地下水等に溶出したり、或いは、焼却灰中の未燃物質が腐敗し、二次公害を引き起こす原因になっている。そこで、焼却炉から排出される焼却灰の無害処理化乃至は減容化処理が要求されている。
【0003】
そこで、焼却灰を溶融炉でプラズマにより溶融させて、減容化処理及び無害処理する焼却灰の処理方法が提案されている。
例えば、ケーシングされた穴の中へ所定の位置までプラズマアークトーチを挿入し、穴の周囲の土壌を溶解し、固化する方法が提案されている(特許文献1参照)。また、特許文献2には、前記特許文献1と同様の方法で土壌を溶融し、発生する有害なガスを処理する装置を追加し、汚染土壌や焼却灰なども処理することにより有害な廃棄物の溶融処理を可能とする方法が提案されている(特許文献2参照)。
また、非特許文献1には、抵抗加熱による汚染土壌などの溶融技術において、土中に鋼製の容器を設置し、その中にセラミック製の容器を据え付け、この容器の中に電極を挿入し、ジュール加熱により廃棄物を溶融するものである。鋼製の容器にはフードが取り付けられていて、発生する排ガスを回収できるようになっている。また、回収された排ガスは除害後に大気放出されることが開示されている。
【0004】
しかし、前記特許文献1〜2及び非特許文献1は、土壌の掘削が必要であるため、装置の据付、撤去には相当数の日数が必要となり、巡回処理には適さない。また、前記特許文献1〜2では、掘削した土壌中で直接廃棄物を溶融することになり、溶融固化物の溶出などの安全性評価を実施する場合、再度、土壌を掘削する必要が生じ、時間的にも経済的にも合理的なものではない。
以上の理由から前記特許文献1〜2及び非特許文献1は、有害廃棄物の巡回処理に適していないため、ネットワーク化による巡回処理や住民への情報公開をシステム的に行う概念もなく、更に、巡回処理に加えて、解体工事などに伴って短期間に大量に発生する有害廃棄物をスポット的に処理するビジネスモデルについても開示も示唆もない。
【0005】
また、移動式の廃棄物処理装置について種々の提案がなされており、例えば、車載式の焼却炉(特許文献3〜7参照)、移動可能な廃棄物の破砕装置(特許文献8〜10参照)、耐火物の吹き付け作業時の落ち綿の回収・成形加工装置(特許文献11参照)、移動可能な廃棄物の分別装置(特許文献12参照)などが挙げられる。
しかし、前記特許文献3〜12の提案は、焼却炉などの処理装置を移動可能としたものであって、ダイオキシン類や重金属を含有する廃棄物などの有害な廃棄物を無害化乃至は減容化できるものではない。
【0006】
したがって有害廃棄物を発生場所で無害化、減容化、及び再資源化の少なくともいずれかを図ることができ、また定量的に発生する有害廃棄物を巡回して処理したり、短期間に大量に有害廃棄物が発生する場所で効率よく廃棄物を処理すると共に、周辺住民へ環境情報を公開することができる廃棄物の処理システムの提供が強く望まれているのが現状である。
【0007】
【特許文献1】特表2001−502020号公報
【特許文献2】特開2001−173932号公報
【特許文献3】特開平10−122532号公報
【特許文献4】特開平7−198119号公報
【特許文献5】特開平5−240417号公報
【特許文献6】登録実用新案第3036799号公報
【特許文献7】登録実用新案第3002971号公報
【特許文献8】特開2002−18851号公報
【特許文献9】特開平10−137624号公報
【特許文献10】特開平9−192528号公報
【特許文献11】特開平7−33204号公報
【特許文献12】特開2003−145058号公報
【非特許文献1】安福、寺田、木川田、「ジオメルト工法によるダイオキシン類汚染土壌の無害化」、日本機械学会誌、vol.107、No.1023、pp.8〜12、2004
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、有害廃棄物を発生場所において無害化、減容化、及び再資源化の少なくともいずれかを図ることができ、また定量的に発生する有害廃棄物を巡回して処理したり、短期間に大量に有害廃棄物が発生する場所で効率よく廃棄物を処理すると共に、地域住民へ環境情報を公開し、安心して暮らせる社会を構築することができる廃棄物の処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 廃棄物ステーションが点在する地域における該廃棄物ステーション間を結ぶ物流ネットワークと、該物流ネットワーク上の前記廃棄物ステーション間を巡回する少なくとも1台の廃棄物処理装置と、該廃棄物処理装置の運行管理、廃棄物ステーションとの情報管理、システム全体の制御及びメンテナンス並びに環境情報の発信の少なくともいずれかを行う環境情報管理コンピュータとを備えた廃棄物の処理システムであって、
前記環境情報管理コンピュータからの情報に基づき、廃棄物の処理が必要な前記廃棄物ステーションのいずれかに前記廃棄物処理装置を移動させて前記廃棄物ステーションで廃棄物の処理を行うことを特徴とする廃棄物の処理システムである。該<1>に記載の廃棄物の処理システムにおいては、有害廃棄物を発生場所において無害化、減容化、及び再資源化を図ることができ、定量的に発生する有害廃棄物を巡回処理したり、短期間に大量に有害廃棄物が発生する場所で効率よく廃棄物を処理すると共に、物流ネットワーク上を巡回している廃棄物処理装置の運行管理と周辺住民などへの環境情報の発信機能を有する。
<2> 廃棄物ステーションが、小規模な焼却施設である前記<1>に記載の廃棄物の処理システムである。
<3> 小規模な焼却施設が、自前の溶融炉を持っておらず、廃棄物の集積、廃棄物の分別、及び廃棄物の焼却の少なくともいずれかを行う前記<1>から<2>のいずれかに記載の廃棄物の処理システムである。
前記<2>及び<3>のいずれかに記載の廃棄物の処理システムにおいては、自前の溶融炉を持っておらず、廃棄物の集積、廃棄物の分別、及び廃棄物の焼却の少なくともいずれかを行っているだけの小規模な焼却施設は、焼却灰の処理に困っており、溶融炉を新たに設置したいものの、費用がかかりすぎ、また溶融炉を設置しても稼働率が低く採算がとれないので、本発明の廃棄物処理システムが好適に適用される。
【0010】
<4> 廃棄物ステーションから環境情報管理コンピュータに廃棄物の処理依頼と共に、該廃棄物ステーションにおける廃棄物の種類、廃棄物の量、運転時間、及び位置情報の少なくともいずれかを伝達する前記<1>から<3>のいずれかに記載の廃棄物の処理システムである。
<5> 環境情報管理コンピュータから廃棄物ステーションに対し廃棄物処理装置の到着予定時刻、廃棄物処理装置の予定処理時間、及び予定料金の少なくともいずれかを伝達する前記<1>から<4>のいずれかに記載の廃棄物の処理システムである。
<6> 廃棄物ステーションが点在する地域が、島嶼地域、及びごみ処理広域化計画が難航している地域の少なくともいずれかである前記<1>から<5>のいずれかに記載の廃棄物の処理システムである。
<7> 物流ネットワーク上で、廃棄物処理装置を陸路、海路、及び空路の少なくともいずれかの巡回手段により巡回させる前記<1>から<6>のいずれかに記載の廃棄物の処理システムである。
<8> 廃棄物処理装置による廃棄物の処理が、廃棄物の焼却処理、廃棄物の無害化処理、廃棄物の減容化処理、廃棄物の再資源化処理、排ガス処理及び有害物質の計測処理の少なくともいずれかである前記<1>から<7>のいずれかに記載の廃棄物の処理システムである。
<9> 廃棄物処理装置が、少なくとも不燃性廃棄物溶融ユニット及び排ガス処理ユニットを着脱自在に有する前記<1>から<8>のいずれかに記載の廃棄物の処理システムである。該<9>に記載の廃棄物の処理システムにおいては、廃棄物の種類や現場によっては、可燃性廃棄物の処理が不要な場合がある。このような状況に対応できるように、可燃性廃棄物の処理装置をブロック化し、更に必要に応じて使用できる設計とすることにより、廃棄物処理装置の機動性(移動性能)が向上し巡回処理が可能となる。現地では簡単な接続程度で稼動が可能な状態に立ち上げることができる。
<10> 廃棄物処理装置が、更に可燃性廃棄物焼却ユニットを有する前記<9>に記載の廃棄物の処理システムである。
<11> 不燃性廃棄物溶融ユニットが、小型のプラズマ溶融炉を有する前記<9>から<10>のいずれかに記載の廃棄物の処理システムである。
<12> 廃棄物処理装置が、更に有害物質を計測する有害物質計測ユニットを有する前記<9>から<11>のいずれかに記載に廃棄物の処理システムである。
<13> ダイオキシン類、環境ホルモン、重金属、ポリ塩化ビフェニル(PCB)、放射性廃棄物、二酸化炭素ガス、塩化水素ガス、フロンガス、窒素酸化物(NOx)及び硫黄酸化物(SOx)から選択される少なくとも1種である前記<12>に記載に廃棄物の処理システムである。
<14> 環境情報管理コンピュータは、廃棄物ステーションから排出された排気ガス、焼却灰の量、それらに含まれる有害物質の濃度、及び廃棄物処理装置で処理した焼却灰の量の少なくともいずれかの環境情報を一元管理して公衆に開示する前記<1>から<13>のいずれかに記載の廃棄物の処理システムである。
<15> 環境情報の開示が、インターネットのホームページ及びメールにより行われる前記<14>に記載の廃棄物の処理システムである。該<15>に記載の廃棄物の処理システムにおいては、インターネットのホームページ及びメールを用いて環境情報を開示することにより、簡単かつ日本を含む全世界に環境情報を迅速に提供することができる。
<16> 廃棄物の処理システムが、廃棄物の処理量及び廃棄物の処理時間の少なくともいずれかに応じて課金を行う課金手段を有する前記<1>から<15>のいずれかに記載の廃棄物の処理システムである。
<17> 廃棄物の処理システムが、GPS(Global Positioning System)を通して巡回中の廃棄物処理装置の位置をリアルタイムで環境情報管理コンピュータに伝達する前記<1>から<16>のいずれかに記載の廃棄物の処理システムである。該<17>に記載の廃棄物の処理システムにおいては、GPSを利用することによって、巡回中の廃棄物処理装置の位置情報をリアルタイムに把握することができるので、無駄のない効率的な運用を図ることができる。
<18> 環境情報管理コンピュータからの情報に基づき、物流ネットワークを構成していない他の廃棄物ステーションまで廃棄物処理装置を移動させて、廃棄物を処理する前記<1>から<17>のいずれかに記載の廃棄物の処理システムである。該<18>に記載の廃棄物の処理システムにおいては、物流ネットワークを構成しない他の廃棄物ステーションについても、必要に応じて、廃棄物の処理を行うことができるので、利便性が向上する。
<19> 他の廃棄物ステーションが、物流ネットワークを構成していない小規模焼却施設、発電プラント、化学プラント、マンション、建家の解体工事現場、学校、及びデパート、ショッピングセンターから選択される少なくともいずれかである前記<18>に記載の廃棄物の処理システムである。該<19>に記載の廃棄物の処理システムにおいては、物流ネットワークを構成していない小規模焼却施設、発電プラント、化学プラント、マンション、建家の解体工事現場、学校、デパート、ショッピングセンターなどの依頼に応じて、廃棄物の発生場所で廃棄物の処理を行うことにより、周辺環境への有害物質の拡散を防止できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、有害廃棄物を発生場所で無害化、減容化、及び再資源化の少なくともいずれかを図ることができ、また定量的に発生する有害廃棄物を巡回して処理したり、短期間に大量に有害廃棄物が発生する場所で効率よく廃棄物を処理すると共に、周辺住民に対し環境情報を公開し、安心して暮らせる社会を構築することができる。
また、本発明によると、小規模な焼却処理施設ごとに高価な溶融炉を設けなくてよいので、無駄な設備投資を回避することができる。また、本発明によると、リサイクル業者へのリサイクル原料の情報提供によりリサイクルを効率よく行うことができ、再資源化が達成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の廃棄物の処理システムは、物流ネットワークと、廃棄物処理装置と、環境情報管理コンピュータとを備えてなり、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
【0013】
−物流ネットワーク−
前記物流ネットワークは、廃棄物ステーションが点在する地域における該廃棄物ステーション間を結ぶネットワークである。
前記廃棄物ステーションとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、小規模な焼却施設、発電プラント、化学プラント、マンション、建家の解体工事現場、学校、デパート、ショッピングセンター、などが挙げられ、これらの中でも、自前の溶融炉を持っておらず、廃棄物の集積、廃棄物の分別、及び廃棄物の焼却の少なくともいずれかを行っている小規模な焼却施設が特に好ましい。このような小規模な焼却施設は、焼却灰の処理に困っており、溶融炉を新たに設置したいものの、費用がかかりすぎ、また溶融炉を設置しても稼働率が低く採算がとれないからである。
【0014】
前記廃棄物ステーションと環境情報管理コンピュータとは、電話回線等の通信回線を経由したインターネット、又は広域LANに接続されていることが好ましい。
前記廃棄物ステーションから環境情報管理コンピュータに廃棄物の処理依頼と共に、該廃棄物ステーションにおける廃棄物の種類、廃棄物の量、運転時間、位置情報を伝達することが好ましい。一方、環境情報管理コンピュータから廃棄物ステーションに対し廃棄物処理装置の到着予定時刻、廃棄物処理装置の予定処理時間、及び予定料金の少なくともいずれかを伝達することが好ましい。
【0015】
前記廃棄物ステーションが点在する地域としては、例えば、島嶼地域、ごみ処理広域化計画が難航している地域、などが挙げられる。前記島嶼地域としては、例えば、北から大島、利島、新島、式根島、神津島、三宅島、御蔵島、八丈島の8つの島からなる伊豆諸島などが挙げられる。前記ごみ処理広域化計画が難航している地域としては、小規模な焼却施設が点在し、焼却灰の処理に困っており、溶融施設を新たに設置したいものの、費用がかかりすぎる、設置しても稼働率が低く採算がとれないという理由などから実現が困難である地域が該当する。
【0016】
前記物流ネットワーク上には、陸路、海路、及び空路の少なくともいずれかの巡回手段により少なくとも1台、好ましくは2台以上の廃棄物処理装置を巡回させる。
前記陸路の巡回手段としては、例えば、廃棄物処理装置をコンテナーに収納し車、列車、電車などで移動する方法が挙げられる。
前記海路の巡回手段としては、例えば、(1)船舶に装置を直接積載する方法、(2)フェリーなどでトレーラーに積載した装置を移動する方法、(3)コンテナーに収納した装置を船で移動する方法、などが挙げられる。前記(2)ではトレーラーをフェリーに積載する場合には、トラクラー(トレーラーの運転席の部分)を港に待機させておき、トレーラー部分だけを船で移動する方法とすることもできる。
前記空路の巡回手段としては、例えば、廃棄物処理装置をコンテナーに収納しヘリコプターや飛行機で移動する方法などが挙げられる。
【0017】
前記廃棄物処理装置は、前記物流ネットワーク上を巡回し易いように、コンパクト化されているが、更に、廃棄物処理装置を台車に載せたり、廃棄物処理装置の下部に滑車などを取り付け、廃棄物ステーション(焼却施設)において、スムーズに廃棄物の処理が行えるように構成されている。更に、車と小型プラズマ溶融炉が合体した専用車を用いることもできる。
【0018】
−廃棄物処理装置−
前記廃棄物処理装置は、前記物流ネットワーク上を巡回し、廃棄物を処理することができるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、少なくとも不燃性廃棄物溶融ユニット及び排ガス処理ユニットを着脱自在に備えてなり、可燃性廃棄物焼却ユニット、有害物質計測ユニット、ユーティリティ・制御系ユニット、更に必要に応じてその他の手段を有してなるものが好適である。
前記廃棄物処理装置は、廃棄物の焼却処理、廃棄物の無害化処理、廃棄物の減容化処理、廃棄物の再資源化処理、排ガス処理、及び有害物質の計測処理の少なくともいずれかを行うことが好ましい。
【0019】
前記不燃性廃棄物溶融ユニットは、少なくとも小型のプラズマ溶融炉を有してなり、更に必要に応じてその他の手段を備えてなる。
前記小型のプラズマ溶融炉としては、例えば、アークプラズマ溶融方式による溶融炉が好適である。
前記アークプラズマ溶融技術は、5,000〜10,000℃の超高温を容易に発生できるため、極めて速い溶融処理を達成できる。アークプラズマ溶融技術を採用することにより、コンパクトな溶融炉によって200kg/hの処理速度を達成できる。しかも、燃焼加熱では燃料の燃焼のために空気が必要となるが、アークプラズマ溶融技術は、100L/min以下のプラズマガスで運転できるため、排ガス処理系のコンパクト化が可能である。
前記アークプラズマは、プラズマトーチによって発生させることが多く、その電源は、主に直流で、一部交流も使用されている。該プラズマトーチは、(1)トーチから吹き出す非通電状態のプラズマ(プラズマジェット)を利用する非移行型、(2)被加熱物を一方の電極とし、トーチと被加熱物間に形成される通電状態のアークプラズマを利用する移行型の2種に大別される。
前記アークプラズマの発生方法としては、例えば、最初、トーチ内陰極と水冷ノズル間に、小電流のパイロットアークを点じ、得られるプラズマジェットで、陰極(トーチ側)と陽極(被加熱物側)間をイオン化し、それらの間にアークプラズマを進展させる。
【0020】
前記排ガス処理ユニットとしては、例えば、プラズマ溶融炉から排出される燃焼性ガスは燃焼させた後、脱塩、急冷、除塵を行い、脱硝し、活性炭フィルターにかけて処理する。一方、非燃焼性ガスは、除塵を行い、脱硝し、活性炭フィルターにかけて処理する。
【0021】
前記可燃性廃棄物焼却ユニットとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、可燃性廃棄物を破砕し、焼却し、排ガス処理を行うと同時に、残渣を回収する。この残渣は、不燃性廃棄物の溶融ユニットで処理される。
【0022】
前記廃棄物処理装置は、有害物質を計測する有害物質計測ユニットを有することが好ましい。前記有害物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ダイオキシン類、環境ホルモン、重金属、ポリ塩化ビフェニル(PCB)、放射性廃棄物、二酸化炭素ガス、塩化水素ガス、フロンガス、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)、などが挙げられる。
前記有害物質計測ユニットとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ダイオキシン類の測定方法としては、短期間で安価に計測できる「生物検定法」、加圧・加熱による「高速溶媒抽出法」、公定法のGC/MS(ガスクロマトグラフ質量分析)法、などが挙げられる。
【0023】
前記ダイオキシン類としては、ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(Polychlorinated dibenzo−p−dioxins:PCDDs)、ポリ塩化ジベンゾフラン(polychlorinated dibenzo furans:PCDFs)及びコプラナ-ポリ塩化ビフェニール(Coplanar polychlorinated biphenyl:co−PCB)が定義されている。該ダイオキシン類は、毒性が高く、安定な化合物であるが、数万℃のアークプラズマを作用させると99.99%以上分解できる。
前記フロンガスは、成層圏オゾン層の破壊という地球規模の環境問題を引き起こすが、アークプラズマにより高速に熱分解することができる。
前記燃焼ガス中の窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)は、アークプラズマ中で生成したイオンなどにより分解することができる。
前記PCBは、環境汚染を引き起こし、極めて安定な化合物であるが、数万℃のアークプラズマを作用させると99.99%以上分解できる。
前記放射性廃棄物は、原子力発電所から発生する掃除布などの低レベル放射性不燃性雑固体廃棄物をアークプラズマにより溶融すると、大きな減容効果が得られる。また、放射性物質がガラス固化体などの内部に均一に閉じ込められるため、保管の簡易化や性状の安定化も図れる。
【0024】
前記ユーティリティ・制御系ユニットとしては、例えば、プラズマトーチ用電源、各機器用電源、計測制御用電源、などが挙げられ、これらの電源は現場において受電するようになっている。また、制御・監視系ユニットとしては、例えば、各機器の制御、温度等の測定、などが挙げられる。
【0025】
本発明の廃棄物処理装置は、物流ネットワークにおける移動性を高めるため、以下のようにして、更に小型化(コンパクト化)を図ることが好ましい。
(1)前記アークプラズマ溶融技術の特徴を活かすため、廃棄物は不燃性廃棄物と可燃性廃棄物に分別したものを受け入れ、それぞれ別の処理システムとし、ユニットを分けることによって、廃棄物処理装置の更なるコンパクト化が可能となる。
(2)不燃性廃棄物の溶融前に、不燃性廃棄物の前処理として、不燃性廃棄物を乾燥することにより(3質量%以下)、排ガス処理ユニットの一層のコンパクト化が可能になり、廃棄物処理装置のコンパクト化が図れる。これは、水分は高温で溶融すると水蒸気となり、その体積が約1,800倍と著しく増大するため、排ガス処理ユニットへの負荷が大きくなるためである。水分の含有割合を溶融前に制御することにより、排ガス処理系のコンパクト化が達成できる。
(3)可燃性廃棄物焼却ユニット、不燃性廃棄物溶融ユニット、排ガス処理ユニット、及びユーティリティ・制御系ユニットをすべてコンパクト化すると同時に、それぞれをブロック化することにより、現地で組み立て、撤去を簡便に実施できる。これにより、機動性(移動性能)が向上して巡回処理が可能となる。
(4)廃棄物の種類や現場によっては、可燃性廃棄物の処理が不要な場合がある。このような状況に対応できるように、可燃性廃棄物の処理装置をブロック化し、更に必要に応じて使用できる設計とすることにより、廃棄物処理装置の機動性(移動性)が向上し、巡回処理が可能となる。
【0026】
−環境情報管理コンピュータ−
前記環境情報管理コンピュータは、廃棄物処理装置の運行管理、廃棄物ステーションとの情報管理、システム全体の制御及びメンテナンス、並びに環境情報の発信の少なくともいずれかを行うコンピュータである。
前記環境情報管理コンピュータは、経路制御装置、電話回線などの通信回線を経由してインターネット又は広域LANに接続されていることが好ましい。また、前記廃棄物処理装置、前記廃棄物ステーションは、前記環境情報管理コンピュータと同様に、インターネット又は広域LANに接続されている。
前記環境情報管理コンピュータとしては、例えば、パーソナルコンピューター、変換装置のモデム等を介して接続された装置であり、LCD、CRT等の表示部、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力部を有する。
【0027】
前記環境情報管理コンピュータは、制御装置、入力制御装置、出力制御装置、通信装置、記憶装置、データベース装置、及びこれらを双方向に通信可能に接続するメインバス等を有する。
【0028】
前記制御装置は、CPU等から構成され、前記環境情報管理コンピュータの全体を制御し、前記廃棄物処理装置の運行管理、廃棄物ステーションとの情報管理、及び環境情報の発信を制御している。
該制御装置は、記憶装置に格納されたメインプログラムやデータ等に基づいて動作し、各種機能を実現する。該各種機能としては、例えば、物流ネットワーク上における廃棄物処理装置の位置の表示、処理が必要な廃棄物ステーションの表示などのディスプレイ表示機能、環境情報の配信機能、データの転送、種々の演算、データの一時的な格納等が挙げられる。
前記入力制御装置は、インターネット等を介して接続された廃棄物ステーションや廃棄物処理装置における操作者の端末から入力されるデータを制御する。
前記出力制御装置は、廃棄物ステーションや廃棄物処理装置における操作者の端末に出力されるデータを制御する。
前記通信装置は、インターネット、通信回線等を介した外部との通信を制御する装置である。該通信装置は、例えば、モデムを変換装置として備えてもよいし、ISDN回線との接続に介在するターミナルアダプタ(TA)及びデジタルサービスユニット(DSU)等を備えていてもよい。
前記記憶装置は、各種メインプログラムや各種データを格納乃至記憶する機能を有している。ここに記憶されている各種メインプログラムは、前記制御装置において用いられるものである。
【0029】
本発明の廃棄物の処理システムは、GPS(Global Positioning System)を通して物流ネットワーク上を巡回している廃棄物処理装置の位置情報などを取得し、環境情報管理コンピュータに伝達して廃棄物処理装置の無駄のない最適な運行を管理することができる。
【0030】
前記環境情報管理コンピュータは、廃棄物ステーションから排出された排気ガス、焼却灰の量、それらに含まれる有害物質の濃度、及び廃棄物処理装置で処理した焼却灰の量の少なくともいずれかの環境情報を一元管理しておき、自治体、マンション管理組合、地域住民などの公衆に対して開示することが好ましい。
前記環境情報の開示方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、文書、郵便物、掲示物、電子情報、インターネットのホームページ、メールなどにより行うことができるが、これらの中でも、汎用性、利便性の点でホームページやメールなどが好ましい。
【0031】
本発明の廃棄物の処理システムは、有害物質を取り扱う処理事業であるので、その事業化にあたっては、計画の段階から周辺住民に対し情報を公開し、設計、工事、運転開始などの種々の段階で周辺住民の納得を得ながら事業を展開することが好ましい。また、事業を開始してから、環境情報管理コンピュータにおいて廃棄物の処理量、排ガスなどに含まれる環境基準物質の濃度などを一元管理し、適時情報公開を行うことが、周辺住民の信頼と安心を確保するために重要である。
【0032】
前記廃棄物の処理システムには、使用量及び処理時間のいずれかに応じて課金を行う課金手段を有することが好ましい。
前記課金手段としては、例えば、使用量及び処理時間のいずれかに応じて課金を行う所謂コインキット、紙幣受領装置、また、1ヶ月の使用量及び処理時間のいずれかのデータを蓄積しておき、後日請求する方法、等が挙げられる。
【0033】
本発明の廃棄物の処理システムは、前記環境情報管理コンピュータからの情報に基づき、廃棄物の処理が必要な前記廃棄物ステーションのいずれかに前記廃棄物処理装置を移動させて前記廃棄物ステーションにおいて廃棄物の処理を行うことによって、焼却施設において焼却廃棄物を無害化処理、再資源化処理及び減容処理の少なくともいずれかを行うことができる。
【0034】
また、本発明の廃棄物の処理システムは、環境情報管理コンピュータからの情報に基づき、物流ネットワークを構成していない他の廃棄物ステーションまで廃棄物処理装置を移動させて、廃棄物を処理することもできる。この場合、巡回処理に支障をきたさない範囲で行うため、予め予約をとっておき、管理することが好ましい。
前記他の廃棄物ステーションとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、物流ネットワークを構成していない小規模焼却施設、発電プラント、化学プラント、マンション、建家の解体工事現場、学校、デパート、ショッピングセンター、などが挙げられる。
【実施例】
【0035】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0036】
図1は、本発明の比較的小規模な焼却施設が点在する地域を結ぶ物流ネットワークを有する廃棄物の処理システムの一例を示す概略図である。
図1に示すように、比較的小規模な焼却施設1を物流ネットワーク10で結び、該物流ネットワーク10上に少なくとも1台のコンパクトな廃棄物処理装置3を巡回させている。この実施例では、廃棄物処理装置としては大型車に搭載したプラズマ溶融処理装置を用いている。
一方、環境情報管理コンピュータ5は、廃棄物処理装置3の運行管理、廃棄物ステーションとの情報管理、システム全体の制御及びメンテナンス並びに環境情報の発信機能を有している。
この実施例の廃棄物の処理システムは、予め、物流ネットワーク10上に設けられた比較的小規模な焼却施設1からの依頼情報、廃棄物の種類、廃棄物の量等の情報が環境情報管理コンピュータ5に届けられており、この情報に基づき、処理が必要とされる焼却施設の情報が、物流ネットワーク上を巡回している廃棄物処理装置に送られ、この情報に基づき、廃棄物処理装置が焼却施設に移動し、該焼却施設において、焼却廃棄物を無害化処理する。この際、廃棄物ステーションから排出された排気ガス、焼却灰の量、それらに含まれる有害物質の濃度、及び廃棄物処理装置で処理した焼却灰の量の少なくともいずれかの環境情報を収集し、環境情報管理コンピュータ5に送り、これらの環境情報を公衆に開示する。
そして、廃棄物処理装置は作業が完了すると、完了したという情報を環境情報管理コンピュータ5に送り、次の焼却施設に移動するか、次に焼却施設がない場合には物流ネットワーク上を巡回する。なお、一定時間以上処理が必要な焼却施設がない場合には、廃棄物処理装置は、巡回をストップして待機状態となる。
【0037】
図2は、物流ネットワーク上の廃棄物ステーション1と環境情報管理コンピュータ5と廃棄物処理装置3と公衆との関係を表した模式図である。
物流ネットワーク10上の廃棄物ステーション1と環境情報管理コンピュータ5との間では、処理装置情報(位置情報、処理量、スラグ品質等)、小規模焼却施設情報(日報、ごみ量、運転時間等)などをやりとりできるようになっている。
前記廃棄物ステーションと環境情報管理コンピュータとは、電話回線等の通信回線を経由してインターネットに接続されており、例えば、前記廃棄物ステーションから環境情報管理コンピュータに廃棄物の処理依頼と共に、該廃棄物ステーションにおける廃棄物の種類、廃棄物の量、運転時間、位置情報を伝達することが好ましい。一方、環境情報管理コンピュータから廃棄物ステーションに対し廃棄物処理装置の到着予定時刻、廃棄物処理装置の予定処理時間、及び予定料金の少なくともいずれかを伝達することが好ましい。
【0038】
また、物流ネットワーク10上を巡回している廃棄物処理装置3の位置情報、処理量、スラグ量などの情報は環境情報管理コンピュータ5に送られる。この実施例では、廃棄物処理装置の巡回中の位置情報はGPS(Global Positioning System)7を通じて、リアルタイムで正確な情報が届けられるようになっている。
【0039】
また、環境情報管理コンピュータ5は、廃棄物ステーションから排出された排気ガス、焼却灰の量、それらに含まれる有害物質の濃度、及び廃棄物処理装置で処理した焼却灰の量の少なくともいずれかの環境情報を、周辺住民、自治体、管理組合、リサイクル施設等の公衆に対し、随時提供する。この実施例では、環境情報をインターネット上のホームページ及びメールを通じて開示している。
【0040】
図3は、ブロック化した表面処理装置としてのプラズマ溶融処理装置の構成を示す概略図である。
このプラズマ溶融処理装置3は、その機能に応じて、(1)可燃性廃棄物焼却ユニット11、(2)不燃性廃棄物溶融ユニット12、(3)排ガス処理ユニット13、(4)ユーティリティ・制御系ユニット14の4つのユニットを有している。
これら(1)〜(4)のユニットは着脱自在であり、廃棄物の種類や現場によっては、可燃性廃棄物の処理が不要な場合がある。このような状況に対応できるように、可燃性廃棄物の処理装置をブロック化し、更に必要に応じて組み立て使用できる設計とすることにより、廃棄物処理装置の機動性(移動性能)が向上して巡回処理が可能となる。また、現地では簡単な接続程度で稼動が可能な状態に立ち上げることができる。
【0041】
例えば、前記可燃性廃棄物ユニット11は、可燃性廃棄物を破砕し、焼却し、排ガス処理を行うと同時に、残渣を回収する。この残渣は、前記不燃性廃棄物の溶融ユニット12で処理される。
前記不燃性廃棄物の溶融ユニット12では、不燃性廃棄物を開封し、前処理(乾燥)を行い、除塵する。これによって、廃棄物の含水率を3%以下にできる。前処理済みの不燃性廃棄物をプラズマ溶融炉で固定化処理する。
前記排ガス処理ユニット13では、プラズマ溶融炉から排出される燃焼性ガスは燃焼させた後、脱塩、急冷、除塵を行い、脱硝し、活性炭フィルターにかけて処理する。
前記ユーティリティ・制御系ユニット14は、廃棄物処理装置の稼働に必要なプラズマトーチ用電源、各機器用電源、及び計測制御用電源を現場において受電する。また、制御・監視系ユニットとしては、例えば、各機器の制御、温度、有害物質の計測、データの収集などが挙げられる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の廃棄物の処理システムは、比較的小規模な焼却施設が点在する地域を結ぶ物流ネットワークを構成している島嶼地域、及びごみ処理広域化計画が難航している地域などにおいて好適に用いられる。また、本発明の廃棄物の処理システムは、物流ネットワークを構成していない小規模焼却施設、発電プラント、化学プラント、マンション、建家の解体工事現場、学校、デパート、ショッピングセンターなどにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は、本発明の比較的小規模な焼却施設が点在する地域を結ぶ物流ネットワークを有する廃棄物の処理システムの一例を示す概略図である。
【図2】図2は、本発明の一例に係る物流ネットワーク上の廃棄物ステーションと環境情報管理コンピュータと廃棄物処理装置と公衆との関係を表した模式図である。
【図3】図3は、本発明の廃棄物処理装置の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0044】
1 廃棄物ステーション(小規模焼却処理施設)
3 廃棄物処理装置(移動型プラズマ溶融処理装置)
5 環境情報管理コンピュータ
7 GPS
10 物流ネットワーク
11 可燃性廃棄物焼却ユニット
12 不燃性廃棄物溶融ユニット
13 排ガス処理ユニット
14 ユーティリティ・制御系ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物ステーションが点在する地域における該廃棄物ステーション間を結ぶ物流ネットワークと、該物流ネットワーク上の前記廃棄物ステーション間を巡回する少なくとも1台の廃棄物処理装置と、該廃棄物処理装置の運行管理、廃棄物ステーションとの情報管理、システム全体の制御及びメンテナンス並びに環境情報の発信の少なくともいずれかを行う環境情報管理コンピュータとを備えた廃棄物の処理システムであって、
前記環境情報管理コンピュータからの情報に基づき、廃棄物の処理が必要な前記廃棄物ステーションのいずれかに前記廃棄物処理装置を移動させて前記廃棄物ステーションで廃棄物の処理を行うことを特徴とする廃棄物の処理システム。
【請求項2】
廃棄物ステーションが、小規模な焼却施設である請求項1に記載の廃棄物の処理システム。
【請求項3】
小規模な焼却施設が、自前の溶融炉を持っておらず、廃棄物の集積、廃棄物の分別、及び廃棄物の焼却の少なくともいずれかを行う請求項2に記載の廃棄物の処理システム。
【請求項4】
廃棄物ステーションから環境情報管理コンピュータに対し廃棄物の処理を依頼すると共に、該廃棄物ステーションにおける廃棄物の種類、廃棄物の量、運転時間、及び位置情報の少なくともいずれかを伝達する請求項1から3のいずれかに記載の廃棄物の処理システム。
【請求項5】
環境情報管理コンピュータから廃棄物ステーションに対し廃棄物処理装置の到着予定時刻、廃棄物処理装置の予定処理時間、及び予定料金の少なくともいずれかを伝達する請求項1から4のいずれかに記載の廃棄物の処理システム。
【請求項6】
廃棄物ステーションが点在する地域が、島嶼地域、及びごみ処理広域化計画が難航している地域の少なくともいずれかである請求項1から5のいずれかに記載の廃棄物の処理システム。
【請求項7】
物流ネットワーク上で、廃棄物処理装置を陸路、海路、及び空路の少なくともいずれかの巡回手段により巡回させる請求項1から6のいずれかに記載の廃棄物の処理システム。
【請求項8】
廃棄物処理装置による廃棄物の処理が、廃棄物の焼却処理、廃棄物の無害化処理、廃棄物の減容化処理、廃棄物の再資源化処理、排ガス処理及び有害物質の計測処理の少なくともいずれかである請求項1から7のいずれかに記載の廃棄物の処理システム。
【請求項9】
廃棄物処理装置が、少なくとも不燃性廃棄物溶融ユニット及び排ガス処理ユニットを着脱自在に有する請求項1から8のいずれかに記載の廃棄物の処理システム。
【請求項10】
廃棄物処理装置が、更に可燃性廃棄物焼却ユニットを有する請求項9に記載の廃棄物の処理システム。
【請求項11】
不燃性廃棄物溶融ユニットが、小型のプラズマ溶融炉を有する請求項9から10のいずれかに記載の廃棄物の処理システム。
【請求項12】
廃棄物処理装置が、更に有害物質を計測する有害物質計測ユニットを有する請求項9から11のいずれかに記載に廃棄物の処理システム。
【請求項13】
有害物質が、ダイオキシン類、環境ホルモン、重金属、ポリ塩化ビフェニル(PCB)、放射性廃棄物、二酸化炭素ガス、塩化水素ガス、フロンガス、窒素酸化物(NOx)及び硫黄酸化物(SOx)から選択される少なくとも1種である請求項12に記載に廃棄物の処理システム。
【請求項14】
環境情報管理コンピュータは、廃棄物ステーションから排出された排気ガス、焼却灰の量、それらに含まれる有害物質の濃度、及び廃棄物処理装置で処理した焼却灰の量の少なくともいずれかの環境情報を一元管理して公衆に開示する請求項1から13のいずれかに記載の廃棄物の処理システム。
【請求項15】
環境情報の開示が、インターネットのホームページ及びメールにより行われる請求項14に記載の廃棄物の処理システム。
【請求項16】
廃棄物の処理システムが、廃棄物の処理量及び廃棄物の処理時間の少なくともいずれかに応じて課金を行う課金手段を有する請求項1から15のいずれかに記載の廃棄物の処理システム。
【請求項17】
廃棄物の処理システムは、GPS(Global Positioning System)を通して巡回中の廃棄物処理装置の位置をリアルタイムで環境情報管理コンピュータに伝達する請求項1から16のいずれかに記載の廃棄物の処理システム。
【請求項18】
環境情報管理コンピュータからの情報に基づき、物流ネットワークを構成していない他の廃棄物ステーションまで廃棄物処理装置を移動させて、廃棄物を処理する請求項1から17のいずれかに記載の廃棄物の処理システム。
【請求項19】
他の廃棄物ステーションが、物流ネットワークを構成していない小規模焼却施設、発電プラント、化学プラント、マンション、建家の解体工事現場、学校、及びデパート、ショッピングセンターから選択される少なくともいずれかである請求項18に記載の廃棄物の処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−142230(P2006−142230A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−337238(P2004−337238)
【出願日】平成16年11月22日(2004.11.22)
【出願人】(000173809)財団法人電力中央研究所 (1,040)
【出願人】(000174943)三井住友建設株式会社 (346)
【出願人】(504432208)中央カンセー株式会社 (1)
【Fターム(参考)】