説明

廃棄物ガス化装置及びその立ち上げ方法

【課題】 ガス化炉の立ち上げ時間を短くすること。
【解決手段】 縦型のガス化炉1内に廃棄物を投入して充填層を形成し、充填層の下方から酸化剤を供給して部分燃焼による燃焼帯を形成し、ガス化炉1の下部から燃焼残渣を排出するように形成された廃棄物ガス化装置の立ち上げ方法において、燃焼帯51の炉高位置よりも低い第1の炉高位置(18)から水蒸気を供給し、水蒸気の供給位置の設定高さ範囲の充填層の温度が設定温度を超えたとき、第1の炉高位置(18)からの水蒸気の供給を停止させ、これよりも低い第2の炉高位置(13)から水蒸気を供給するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物の移動床式ガス化装置およびその立ち上げ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
廃棄物を処理する方法として、廃棄物をガス化炉に投入して充填層を形成し、炉下部から酸化剤を供給して部分燃焼させ、炉高方向に燃焼帯、熱分解帯、乾燥帯を形成させることにより、廃棄物をガス化させる移動床式ガス化炉が提案されている(特許文献1参照。)。これによれば、熱分解帯で生成された熱分解ガスの熱により乾燥帯の廃棄物を加熱して乾燥させることができる。また、熱分解ガスが乾燥帯を上昇する過程で、熱分解ガスに含まれる飛灰等が除去されるため、比較的清浄な熱分解ガスを得ることができる。
【0003】
この移動床式ガス化炉は、通常、廃棄物とともに軽石などの不燃ペレットを混合して充填し、燃焼帯を通過して流下した燃焼残渣と不燃ペレットを炉下部から排出して分別処理している。ここで、燃焼帯を通過して加熱された不燃ペレット等は、例えば、炉底部から供給される酸化剤等と熱交換して冷却される一方、酸化剤等により熱が回収されるため、熱ロスが少ない。
【0004】
【特許文献1】特開2004−2552号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記の移動床式ガス化炉では、熱分解帯において廃棄物が熱分解されて、可燃性の熱分解ガスとともに炭素(チャー)が生成される。このチャーは燃焼帯に流下して燃焼されるため、燃焼帯の温度は約1000℃以上になる。ここで、燃焼帯に導かれたチャーの一部は、例えば、炉底部から供給された水蒸気と反応して、COとHに転換されるため、高いガス化効率が得られる。
【0006】
しかしながら、このようなガス化炉の立ち上げ時においては、充填層の移動が十分に行われていないため、燃焼帯の下方には、初期充填時の不燃ペレット等が低温の状態で留まっている。このため、炉底部から供給された水蒸気は、不燃ペレット等を通過して上昇する過程で凝縮し、燃焼帯に供給されないおそれがある。このように、立ち上げ時に水蒸気の供給が十分に行われないと、ガス化効率の低下を招くため、燃焼帯の下方の充填層が十分に加熱されるまで安定した運転を行うことができず、立ち上げ時間が長くなるという問題がある。
【0007】
本発明は、ガス化炉の立ち上げ時間を短くすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を達成するため、縦型のガス化炉内に廃棄物を投入して充填層を形成し、充填層の下方から酸化剤を供給して部分燃焼による燃焼帯を形成し、ガス化炉の下部から燃焼残渣を排出するように形成された廃棄物ガス化装置の立ち上げ方法において、燃焼帯の炉高位置よりも低い第1の炉高位置から水蒸気を供給し、この水蒸気の供給位置の設定高さ範囲の充填層の温度が設定温度を超えたとき、第1の炉高位置からの水蒸気の供給を停止させ、第1の炉高位置よりも低い第2の炉高位置から水蒸気を供給することを特徴とする。
【0009】
すなわち、ガス化炉に水蒸気を供給する位置を少なくとも2箇所設け、立ち上げ時において、まず、燃焼帯の炉高位置に最も近い第1の炉高位置から水蒸気を供給し、充填層の流下によって、この水蒸気の供給位置の周辺高さの充填層が設定温度まで上昇したところで、さらに下方の第2の炉高位置から水蒸気を供給するようにする。これにより、ガス化炉の立ち上げ時において、炉内に供給された水蒸気は、設定温度以上に加熱された充填層を水蒸気のまま流れて燃焼帯に供給される。したがって、燃焼帯の下方の充填層が底部まで設定温度以上に加熱されるのを待たなくても水蒸気を安定して供給できるため、ガス化炉の立ち上げ時間を短縮することができる。
【0010】
また、本発明は、炉上部に廃棄物が投入される投入口を有する縦型のガス化炉と、ガス化炉内の前記廃棄物の充填層に下方から酸化剤ガスを供給して部分燃焼による燃焼帯を形成する酸化剤供給手段と、ガス化炉の上方に設けられる生成ガスの排出口と、廃棄物を燃焼させて生成される燃焼残渣を炉底部から排出する排出手段と、充填層の燃焼帯に下方から水蒸気を供給する水蒸気供給手段と、充填層の温度を検知する温度センサとを有し、水蒸気供給手段は、水蒸気を充填層に供給する第1のノズルと、第1のノズルよりも低い位置に設けられて水蒸気を充填層に供給する第2のノズルとを備え、第1のノズルの炉高位置の設定高さ範囲の充填層の温度が設定温度を超えたとき、第1のノズルから第2のノズルに水蒸気の供給位置を切り替える切替手段を有する廃棄物ガス化装置とすることができる。
【0011】
この場合において、充填層の炉高方向の温度を検知する複数の温度センサを備え、水蒸気供給手段は、ガス化炉の炉高方向に複数のノズルを配設し、温度センサの計測結果に基づいてノズルの水蒸気の供給位置を下方に順次切り替える切替手段を備えるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ガス化炉の立ち上げ時間を短くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係る実施の形態について図面に基づいて説明する。図1は、本発明を適用してなる廃棄物ガス化装置の主要部を示す構成図である。図2は、本発明を適用してなる廃棄物ガス化装置の水蒸気供給ノズルの先端部分の拡大図を示し、(a)は上面図、(b)は側面図である。
【0014】
本実施形態の廃棄物ガス化炉(以下、単にガス化炉1という)は、図1に示すように、筒状縦型の容器3の頂部に、廃棄物を適宜乾燥させた状態で貯蔵するホッパ5と、炉内で廃棄物と混合して使用される不燃ペレット(例えば、焼成軽石、φ20〜25mm)を貯蔵するホッパ6とを備えている。ホッパ5及びホッパ6の投入口は、それぞれ二重ダンパ8,10が設けられている。廃棄物は、例えば、スクリューコンベア7により搬送されて投入口9から容器3内に供給される一方、不燃ペレットは、ロータリフィーダ12により投入口9からガス化炉1内に供給されるようになっている。
【0015】
ガス化炉1は、頂部の側壁に生成ガス(熱分解ガス)を排出する排出口11が形成され、底部に燃焼用の酸化剤ガス(空気又は酸素等)及び水蒸気を供給するガス化剤供給口13が設けられている。ガス化剤供給口13は、例えば、ガス化炉1の底部を形成する回転式抜き出し機15の回転軸の先端に形成されている。回転軸17内を通流してガス化剤供給口13から炉内に供給される酸化剤ガスと水蒸気は、ガス化炉1内に放射状に供給されるようになっている。回転式抜き出し機15の回転軸17はモータ21に連結され、回転軸17が回転することにより回転羽16が廃棄物の燃焼残渣等を半径方向に切り出して排出口19から排出させるようになっている。なお、ガス化剤供給口13は、例えば、ガス化炉1の水平断面方向に酸化剤と水蒸気とを均一に供給する構成であれば、本実施形態に限定されるものではない。
【0016】
炉壁の設定高さ位置、すなわち、後述する燃焼帯51の形成位置の下部には、水蒸気を炉内に供給する水蒸気供給ノズル18が取り付けられている。この水蒸気供給ノズル18は、例えば、炉壁の同一高さ位置に周方向で複数等間隔に配置されている。水蒸気供給ノズル18は、図2に示すように、円筒状のノズル31が炉内に突出して形成されている。ノズル31の外周にはノズル孔33が複数設けられている。
【0017】
ガス化炉1は、炉壁の炉高方向に所定の間隔で複数の温度センサ23が取り付けられており、この温度センサ23のうち1つは、水蒸気供給ノズル18と同一の炉高位置に配設されている。最上段に配置される温度センサ23の上方の炉壁には、充填層の高さを検知するレベルセンサ25が炉高方向に複数取り付けられている。なお、図示しないが、レベルセンサ25の上方の炉壁には、充填層の上部空間27の圧力を検知する圧力センサが取り付けられている。
【0018】
次に、実施形態の動作について説明する。まず、立ち上げ時において、不燃ペレットが投入口9からガス化炉1内に供給される。この不燃ペレットは、炉内に供給される酸化剤等の通流性を向上させるためのものである。不燃ペレットが所定量供給されると、適宜乾燥及び粉砕された廃棄物が投入口9からガス化炉1内に投入される。炉内に投入された廃棄物は、不燃ペレットとともに均一に混合された状態で炉内に充填されて充填層を形成する。
【0019】
次に、廃棄物が充填されたガス化炉1内に、ガス化剤供給口13から酸化剤を供給し、着火用熱風発生器14から高温空気(例えば、400℃以上)を吹き込むことで着火させる。そして、酸化剤の供給量を調整し、廃棄物を部分燃焼させて、充填層に燃焼帯を形成する。この燃焼帯の燃焼熱により、廃棄物が熱分解されると、熱分解ガスが発生し、この熱分解ガスは廃棄物の隙間を通ってガス化炉1内を上昇し、排出口11から排出される。
【0020】
廃棄物の部分燃焼及び熱分解が安定する定常状態になると、炉底部近傍に安定した燃焼帯51が形成され、その上部には熱分解帯53が形成され、さらに上部に廃棄物の乾燥帯55が形成される。廃棄物は、例えば約300℃以上に達すると熱分解されることから、その温度域を越えた廃棄物の充填層の領域が熱分解帯53となる。熱分解帯53では、廃棄物が熱分解されて可燃性の熱分解ガス及び炭素(チャー)が生成される。ここで生成されたチャーは、燃焼帯51に流下して燃焼され、燃焼帯51の温度は約1000℃以上になる。また、熱分解帯53で生成されたチャーの一部は、後述するように、燃焼帯51に供給される水蒸気と反応し、CO、Hに転換される。炉内に供給される酸化剤と水蒸気は、生成されたチャーの殆どが燃焼ガスと水性ガスとなるように、流量調整される。
【0021】
このようにして生成された熱分解ガスと水性ガスが混合された生成ガスは、上層の廃棄物の隙間を通流する過程で、乾燥帯55を通過して廃棄物を乾燥させる。生成ガスは、廃棄物を乾燥させることにより減温(例えば、約200℃)され、ガス化炉1の頂部に形成される上部空間27を介して排出口11から排出される。また、燃焼帯51で発生する飛灰が生成ガスに同伴しても、乾燥帯55に充填された廃棄物の層がフィルタの役目をして捕集するため、排出口11から流出する飛灰の量を低減できる。
【0022】
一方、乾燥帯55で乾燥された廃棄物は、次第に熱分解帯53に移動して熱分解処理され、続いて燃焼帯51に移動して熱分解及び燃焼されて灰になる。これらは燃焼帯51の下層に形成される冷却帯57を流下し、回転式抜き出し機15の回転によって排出口19に切り出されて炉外に排出される。
【0023】
このように、回転式抜き出し機15が廃棄物を底部から抜き出すことにより充填層の廃棄物は下方に移動する。これに対し、燃焼帯51や熱分解帯53が形成される炉高位置は、例えば、廃棄物の抜き出し速度、酸化剤の供給速度などによって設定された高さ範囲に調整されている。
【0024】
ところで、上記ガス化炉1の立ち上げ時において、廃棄物を熱分解して生成されるチャーは、燃焼帯51において燃焼処理されるが、一部は未燃のまま燃焼帯51を通過して冷却帯57を流下する場合がある。このため、立ち上げ時から廃棄物のガス化効率を安定化させるため、水蒸気を供給して水性ガス反応を行わせる必要がある。しかし、立ち上げ時において、燃焼帯51の下方には、初期充填時の不燃ペレット等が充填されている。つまり、この不燃ペレット等は、燃焼帯51を通過して加熱されたものではないため、比較的低温の状態になっている。このため、炉底部から供給された水蒸気は、これらを通過して上昇する過程で凝縮し、燃焼帯に供給されないおそれがある。
【0025】
そこで、本実施形態では、ガス化炉1の立ち上げ時において、燃焼帯51が形成されると、まず、燃焼帯51に近い位置の水蒸気供給ノズル18から炉内に水蒸気を供給し、水蒸気が低温の不燃ペレット等を通過する距離をできるだけ短縮して燃焼帯51に供給するようにしている。そして、燃焼帯51を通過して加熱された不燃ペレットや燃焼残渣が下方に移動し、水蒸気供給ノズル18の炉高位置が設定温度、例えば200℃を超えたことを温度センサ23が検知したとき、図示しない制御手段により水蒸気供給ノズル18のバルブが閉じられ、ガス化剤供給口13に繋がるバルブが開放される。なお、水蒸気供給位置の切り替え時期を判断する温度センサ23の検知位置(炉高位置)は、水蒸気供給ノズル18と同一の炉高位置に限定されるものではなく、例えば、炉高位置と設定温度との兼ね合いで決められる。
【0026】
以上述べたように、本実施形態のガス化炉1では、立ち上げ時に燃焼帯51の下部の充填層の温度を検知し、この温度に基づいて水蒸気の供給位置を切り替えているため、水蒸気が設定温度未満の充填層の領域を通過する距離を短くして、水蒸気の凝縮を抑制できる。よって、燃焼帯51の下方の充填層の温度に関係なく、燃焼帯51に供給される水蒸気量を安定化できるため、ガス化効率が高くなり、ガス化炉1の立ち上げ時間を短くすることができる。
【0027】
次に、本発明に係る他の実施形態について説明する。図3は、本発明を適用してなる廃棄物ガス化装置において水蒸気の供給動作を説明する図である。
【0028】
本実施形態のガス化炉1には、図に示すように、炉壁の炉高方向に複数(段)の水蒸気供給ノズル18が等間隔に取り付けられている。また、各段には、周方向に複数の水蒸気供給ノズル18が等間隔で配置されるとともに、温度センサ23a〜23cがそれぞれ取り付けられている。各段の水蒸気供給ノズル18には、上段側からバルブV1〜V3がそれぞれ連結されている。バルブV1〜V3及び温度センサ23a〜23cは、制御装置と電気的に接続されており、温度センサ23a〜23cの計測結果に基づいてバルブV1〜V3の開閉が制御されるようになっている。なお、他の構成部分は、図1と共通するため、説明を省略する。
【0029】
まず、図3(a)に示すように、ガス化炉1の立ち上げ時において、バルブV1のみが開放され、最上段の水蒸気供給ノズル18aから水蒸気が供給される。これにより、炉内に供給された水蒸気は、供給位置の直上に形成される設定温度(例えば、200℃)以上の高温領域35を介して燃焼帯51に供給され、水性ガス反応が行われる。
【0030】
次に、図3(b)において、不燃ペレットや燃焼残渣が燃焼帯51を通過して流下し、高温領域35が温度センサ23aの検知領域まで拡がると、温度センサ23aの計測温度が設定温度を超えることになる。すなわち、図3(c)に示すように、図示しない制御装置の指令によりバルブV1が閉じられて、バルブV2が開放される。これにより、水蒸気は、水蒸気供給ノズル18aを1段下げた水蒸気供給ノズル18bからのみ導入され、高温領域35を通じて燃焼帯51に供給される。
【0031】
次に、図3(d)において、さらに不燃ペレットや燃焼残渣が流下して高温領域35が温度センサ23bの検知領域まで拡がると、温度センサ23bの計測温度が設定温度を超えることになる。このため、制御装置の指令によりバルブV2が閉じられて、バルブV3が開放される。これにより、水蒸気は、水蒸気供給ノズル18bを1段下げた水蒸気供給ノズル18cからのみ導入され、高温領域35を通じて燃焼帯51に供給される。
【0032】
なお、温度センサ23cの計測温度が設定温度を超えたときは、例えば、定常運転とみなして、図1のガス化剤供給口13から水蒸気を供給するようにしてもよい。また、ガス化剤供給口13と水蒸気供給ノズル18の両方から水蒸気を供給するようにしてもよい。
【0033】
このように、炉高方向に複数の水蒸気供給ノズル18を配設し、充填層の移動に伴う高温領域の流下に合わせて水蒸気の供給位置を下方に移動していくことにより、ガス化炉1の立ち上げ時において、充填層に供給される水蒸気の凝縮を抑制できる。よって、燃焼帯51の下方の充填層の温度に関わらず、燃焼帯51に供給される水蒸気量を安定化できるため、ガス化効率が高くなり、ガス化炉1の立ち上げ時間を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明を適用してなる廃棄物ガス化装置の主要部を示す構成図である。
【図2】本発明を適用してなる廃棄物ガス化装置の水蒸気供給ノズルの先端部分の拡大図を示し、(a)は上面図、(b)は側面図である。
【図3】本発明を適用してなる廃棄物ガス化装置において水蒸気の供給動作を説明する図である。
【符号の説明】
【0035】
1 ガス化炉
7 スクリューコンベア
9 投入口
11 排出口
13 ガス化剤供給口
15 回転式抜き出し機
18 水蒸気供給ノズル
19 排出口
23 温度センサ
33 ノズル孔
51 燃焼帯
53 熱分解帯
55 乾燥帯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦型のガス化炉内に廃棄物を投入して充填層を形成し、該充填層の下方から酸化剤を供給して部分燃焼による燃焼帯を形成し、前記ガス化炉の下部から燃焼残渣を排出するように形成された廃棄物ガス化装置の立ち上げ方法において、前記燃焼帯の炉高位置よりも低い第1の炉高位置から水蒸気を供給し、該水蒸気の供給位置の設定高さ範囲の前記充填層の温度が設定温度を超えたとき、前記第1の炉高位置からの水蒸気の供給を停止させ、前記第1の炉高位置よりも低い第2の炉高位置から水蒸気を供給することを特徴とする廃棄物ガス化装置の立ち上げ方法。
【請求項2】
炉上部に廃棄物が投入される投入口を有する縦型のガス化炉と、該ガス化炉内の前記廃棄物の充填層に下方から酸化剤ガスを供給して部分燃焼による燃焼帯を形成する酸化剤供給手段と、前記ガス化炉の上方に設けられる生成ガスの排出口と、前記廃棄物を燃焼させて生成される燃焼残渣を炉底部から排出する排出手段と、前記充填層の前記燃焼帯に下方から水蒸気を供給する水蒸気供給手段と、前記充填層の温度を検知する温度センサとを備えた廃棄物ガス化装置であって、
前記水蒸気供給手段は、前記水蒸気を前記充填層に供給する第1のノズルと、該第1のノズルよりも低い位置に設けられて水蒸気を前記充填層に供給する第2のノズルとを備え、前記第1のノズルの炉高位置の設定高さ範囲の前記充填層の温度が設定温度を超えたとき、前記第1のノズルから前記第2のノズルに水蒸気の供給位置を切り替える切替手段を有することを特徴とする廃棄物ガス化装置。
【請求項3】
炉上部に廃棄物が投入される投入口を有する縦型のガス化炉と、該ガス化炉内の前記廃棄物の充填層に下方から酸化剤ガスを供給して部分燃焼による燃焼帯を形成する酸化剤供給手段と、前記ガス化炉の上方に設けられる生成ガスの排出口と、前記廃棄物を燃焼させて生成される燃焼残渣を炉底部から排出する排出手段と、前記充填層の前記燃焼帯に下方から水蒸気を供給する水蒸気供給手段と、前記充填層の炉高方向の温度を検知する複数の温度センサとを備えた廃棄物ガス化装置であって、
前記水蒸気供給手段は、前記ガス化炉の炉高方向に複数のノズルを配設し、前記温度センサの計測結果に基づいて前記ノズルの水蒸気の供給位置を下方に順次切り替える切替手段を有することを特徴とする廃棄物ガス化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−225419(P2006−225419A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−37409(P2005−37409)
【出願日】平成17年2月15日(2005.2.15)
【出願人】(000005902)三井造船株式会社 (1,723)
【Fターム(参考)】