説明

廃棄物被覆用のキャッピングシート

【課題】本発明は、防水透湿性を有し、表面に覆土された土砂の停土性に優れた廃棄物被覆用のキャッピングシートを提供することを目的とするものである。
【解決手段】第1繊維シートと防水透湿性シートとからなる少なくとも2層の積層構造を有する廃棄物被覆用のキャッピングシートであって、
前記第1繊維シートの表面に、ホットメルト接着剤からなる防滑用繊維状物が設けられ、
前記防滑用繊維状物は、目付が15g/m〜100g/mであり、最大繊維径が0.1mm以上であり、最小繊維径が、最大繊維径の50%以下であることを特徴とする廃棄物被覆用のキャッピングシート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物処分場などで使用されるキャッピングシートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から廃棄物処分場では、廃棄物を埋め立て処理した後に、埋め立てピット内に雨水などが浸入することを防止するため、埋め立て領域をキャッピングシートなどでキャッピングし、表面を覆土で覆うことが行われている。廃棄物は、一般的に平地ではない凸凹表面地に埋蔵されるため、キャッピングシート表面にも起伏が生じて覆土が滑って片寄ってしまうという問題がある。このため、キャッピングシートには、表面に覆土された土砂が滑らないという防滑性を有していることが望まれる。例えば、特許文献1には、表面に熱可塑性樹脂からなる線条体が平面的に設けられることにより土砂の防滑性を有する覆土用補助シートが開示されている。
【特許文献1】特開2007−160185号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、熱可塑性樹脂からなる線条体が、繊維シートの表面から剥離してしまい、その結果、土砂がすべって片寄るという問題があった。本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、防滑性に優れる廃棄物被覆用のキャッピングシートを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記目的を達成した本発明の廃棄物被覆用のキャッピングシートは、第1繊維シートと防水透湿性シートとからなる少なくとも2層の積層構造を有する廃棄物被覆用のキャッピングシートであって、前記第1繊維シートの表面に、ホットメルト接着剤からなる防滑用繊維状物が設けられ、前記防滑用繊維状物は、目付が15g/m〜100g/mであり、最大繊維径が0.1mm以上であり、最小繊維径が、最大繊維径の50%以下であることを特徴とする。第1繊維シートの表面に設けた防滑用繊維状物は、ホットメルト接着剤からなるので、第1繊維シートへの密着性に優れる。そのため、防滑用繊維状物が、第1繊維シートから剥離することが抑制され、本発明の廃棄物被覆用キャッピングシートは、防滑性に優れる。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、防滑性に優れる廃棄物被覆用のキャッピングシートを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の廃棄物被覆用のキャッピングシートは、第1繊維シートと防水透湿性シートとからなる少なくとも2層の積層構造を有する廃棄物被覆用のキャッピングシートであって、前記第1繊維シートの表面に、ホットメルト接着剤からなる防滑用繊維状物が設けられ、前記防滑用繊維状物は、目付が15g/m〜100g/mであり、最大繊維径が0.1mm以上であり、最小繊維径が、最大繊維径の50%以下であることを特徴とする。
【0007】
まず、第1繊維シートの表面に設けられているホットメルト接着剤からなる防滑用繊維状物について説明する。
【0008】
防滑用繊維状物に使用されるホットメルト接着剤は、特に限定されるものではないが、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド樹脂を用いることが好ましい。中でも、ポリオレフィン系樹脂は、耐候性および耐熱異変性に優れるため、特に好ましい。また、これらの樹脂は単独使用しても良く、2種以上の樹脂からなる混合樹脂を使用することも可能である。また、樹脂の流動性や滑り性を制御するため、他の成分、例えば、固形パラフィンや、無機粒子などを含んでも良い。
【0009】
前記ホットメルト接着剤は、その融点が第1繊維シートを構成する繊維の融点(第1繊維シートは芯鞘構造を有する場合は、芯成分の融点を基準とする)より、30℃以上低いことが好ましく、50℃以上低いことがより好ましく、100℃以上低いことがさらに好ましい。前記ホットメルト接着剤は、その融点が第1繊維シートを構成する繊維の融点より30℃以上低いものであれば、繊維状物を形成する際に、第1繊維シートの繊維の空隙にホットメルト接着剤が流れ込んでキャッピングシートの防水性をあげるのに役立つ。前記ホットメルト接着剤の融点は、160℃以下であることが好ましく、120℃以下であることがより好ましい。また、前記ホットメルト接着剤の融点は、50℃以上であることが好ましく、80℃以上であることがより好ましい。融点が50℃以上であるホットメルト接着剤であれば、太陽などからの外部熱を蓄熱することにより実用上の不都合な軟化が生じない。
【0010】
前記防滑用繊維状物は、前記ホットメルト接着剤からなる繊維状の形態を有するものである。繊維状の形態とは、繊維のような細長形状を有する形態である。
【0011】
前記防滑用繊維状物は、繊維径が不均一であることが好ましい。繊維径が不均一であることとは、前記防滑用繊維状物が、1本の繊維状物において異なる繊維径を有することを意味する。
【0012】
前記防滑用繊維状物は、最大繊維径が0.1mm以上であることが好ましく、0.3mm以上であることがより好ましく、3mm以下であることが好ましく、2mm以下であることがより好ましい。また、最小繊維径が前記最大繊維径の50%以下であることが好ましく、25%以下であることがより好ましく、10%以下であることがさらに好ましい。防滑用繊維状物の最大繊維径および最小繊維径を前記範囲にすることにより、本発明の廃棄物被覆用のキャッピングシートの停土性が良好である。また、防滑用繊維状物を形成する際に溶融したホットメルト接着剤の熱により防水透湿性シートにダメージが起こりにくくなる。最大繊維径および最小繊維径を測定する方法としては、幅100cm×長さ50cmのキャッピングシートサンプルを用い、幅を6等分する点の5mm角の視野の、倍率20倍の走査型顕微鏡表面写真(10cm×10cm)を撮り、得られた表面写真の左下と右上とを結ぶ対角線を引いて、対角線と交差する繊維の繊維径(繊維と重なる対角線の長さ)を測定し、5箇所のそれぞれの視野での最小繊維径および最大繊維径を調べた。また、最小繊維径と最大繊維径との比とは、前記繊維径の測定方法によるそれぞれの視野での最小繊維径と最大繊維径との比を求めて、5箇所の平均値を採用することにより得られた値である。
【0013】
なお、前記最大繊維径の平均値(5箇所でのそれぞれ最大繊維径の平均値)が0.1mm以上であることが好ましく、より好ましくは前記5箇所のそれぞれの視野での最大繊維径がいずれも0.1mm以上である。
【0014】
また、前記防滑用繊維状物は、摩擦力を大きくするため、ランダムに設けられていることが好ましい。ランダムに設けられていることとは、防滑用繊維状物は任意の形で設けられていることを意味する。
【0015】
前記防滑用繊維状物の目付は、15g/m以上であることが好ましく、25g/m以上であることがより好ましく、100g/m以下であることが好ましく、60g/m以下であることがより好ましい。防滑用繊維状物の目付を前記範囲にすることにより、本発明の廃棄物被覆用のキャッピングシートは、透湿性が確保されると共に、防滑効果も良好である。
【0016】
第1繊維シートの表面に防滑用繊維状物を形成する方法としては、特に限定されなく、例えば、スプレー法や、スパイラルジェット法などが挙げられる。スパイラルジェット法を用いる場合は、例えば、第1繊維シート上の所定の高さから、スパイラルジェット型ホットメルト接着剤塗布機にて、ノズルより溶融したホットメルト接着剤を吐出し、吐出したホットメルト接着剤に旋回エアー流を衝突させながら、前記ノズルを第1繊維シートの幅方向および長手方向の両方に移動させることで、全面にほぼ均一に、繊維径に変動がある防滑用繊維状物を第1繊維シートの上面に形成する。
【0017】
防滑用繊維状物を形成する条件は、防滑用繊維状物の繊維径や目付などに応じて適宜設定することができるが、例えば、接着剤塗布機のノズル直径が0.2mm〜1.5mmであること、接着剤塗布機のノズルが第1繊維シートからの高さが3cm〜30cmであること、ホットメルト接着剤の吐出速度が1g/min〜3g/minであることが推奨される。なお、旋回エアー流の実際の圧力は、ノズルオリフィス径やエアー吐出孔の孔径などにより最適値が変わるが、0.1kgf/cm〜2.0kgf/cmであることが推奨される。
【0018】
次に、本発明の廃棄物被覆用のキャッピングシートを構成する防水透湿性シートについて説明する。前記防水透湿性シートは、本発明の廃棄物被覆用のキャッピングシートに透湿性および防水性を付与するものである。
【0019】
前記防水透湿性シートの防水性としては、JIS L 1092の耐水度試験A法の規定に従って測定される耐水度水位が30cm以上であることが好ましく、200cm以上であることがより好ましく、500cm以上であることがさらに好ましい。このような耐水度水位の防水透湿性シートを用いることで、本発明の廃棄物被覆用のキャッピングシートの防水性を確保することができる。
【0020】
前記防水透湿性シートの透湿性としては、JIS L 1099 A−1法の規定に従って測定される透湿度が100g/m・24hr以上であることが好ましく、1000g/m・24hr以上であることがより好ましく、5000g/m・24hr以上であることがさらに好ましい。このような透湿度の防水透湿性シートを用いることで、本発明の廃棄物被覆用のキャッピングシートの透湿性を確保することができる。
【0021】
また、前記防水透湿性シートでは、透湿性を確保する観点から、多孔質であることが推奨される。例えば、樹脂に炭酸カルシウムなどの無機微粒子を混合してシート状とし、これを延伸するなどにより微小な空隙を形成した多孔質シートが挙げられる。特に、インフレーション法により製造される多孔質シートを前記防水透湿性シートとして用いることが好ましい。経験により、インフレーション法により製造される多孔質シートは、後述する第1繊維シートと第2繊維シートとの接着性が良いため、作製される廃棄物被覆用のキャッピングシートの防水性が高くなるからである。
【0022】
前記インフレーション法により製造される防水透湿性シートは、80℃での縦横の収縮率の平均値が5%以上であることが好ましく、10%以上であることがより好ましく、25%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましい。80℃での縦横の収縮率の平均値が前記範囲にあると、防水透湿性シートが適度な伸度を有すると共に経時的に収縮しにくいため、廃棄物被覆用のキャッピングシートの接合部において防水透湿性シートの収縮により防水性の経時的低下を防止することができる。
【0023】
前記防水透湿性シートを構成する素材としては、特に制限はないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)などのポリオレフィン系樹脂;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素系樹脂が好ましく、低密度ポリエチレンが特に好ましい。このような防水透湿性シートとしては、例えば、日東電工社製のミクロテックス(登録商標)や、ドナルドソン社製のテトラテックス(登録商標)などの市販品を用いることができ、また、フラッシュ紡不織布や極細繊維を用いたSMS不織布を使用することも可能である。
【0024】
敷設時の外力による防水透湿性シートに破損などが生じることを防ぐため、前記防水透湿性シートは、適度な破断伸び率及び引裂強度を有するものであることが好ましい。
【0025】
前記防水透湿性シートは、JIS L 1906の規定に従って測定される破断伸び率が250%以上であることが好ましく、300%以上であることがより好ましく、400%以上であることがさらに好ましい。
【0026】
前記防水透湿性シートは、JIS K 7128 1法の規定に従って測定される引裂強度が0.75N以上であることが好ましく、1.0N以上であることがより好ましく、2.0N以上であることがさらに好ましい。
【0027】
防水透湿性シートの破断伸び率または引裂強度が前記下限値以上であると、敷設時の外力による防水透湿性シートに破損が生じにくいため、廃棄物被覆用のキャッピングシートは高い防水性を維持できる。
【0028】
また、前記防水透湿性シートの厚みは、前記防水性と透湿性を確保できれば特に制限されないが、50μm以上であることが好ましく、80μm以上であることがより好ましく、200μm以下であることが好ましく、150μm以下であることがより好ましい。前記防水透湿性シートの厚みを前記範囲とすることが、特性、コスト、施工性のバランスの面から推奨される。
【0029】
前記防水透湿性シートの目付は、特に限定されないが、50g/m以上であることが好ましく、80g/m以上であることがより好ましく、200g/m以下であることが好ましく、150g/m以下であることがより好ましい。前記防水透湿性シートの目付を前記範囲とすることが、適切な透湿性および経時耐久性の面から推奨される。
【0030】
次に、本発明の廃棄物被覆用のキャッピングシートを構成する第1繊維シートについて説明する。前記第1繊維シートは前記防水透湿性シートの表面側(覆土側)に積層されるものである。第1繊維シートを用いることによって、本発明の廃棄物被覆用のキャッピングシートの耐候性を向上することができる。
【0031】
前記第1繊維シートは、JIS L 1055 A法の規定に従って測定される遮光率が90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましい。第1繊維シートの遮光率が前記下限値以上であれば、第1繊維シートを外側(廃棄物の反対側)にして施工をすれば、防水透湿性シートの異変を高度に抑制し、耐候性を向上することができる。
【0032】
前記第1繊維シートは、繊維で構成されたシートであって、前記遮光率を満足できるものであれば特に限定されなく、例えば、公知の各種繊維から構成される織布、不織布、編布、割布などを用いることができる。
【0033】
前記第1繊維シートを構成する繊維の素材も特に制限はなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン12などの脂肪族ポリアミド;アラミドなどの芳香族ポリアミド;ポリエチレンなどのポリオレフィンなどが一般的である。また、全芳香族ポリエステル、所謂超高分子量ポリエチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトンなどの樹脂も、前記繊維の素材として使用可能である。これらの素材は単独で使用してもよく、本発明の効果を損なわない範囲で2種以上を混合して用いても構わない。中でも、コストや耐候性などの面で、前記例示の各ポリエステルを素材とする繊維が好ましい。
【0034】
前記第1繊維シートは、前記遮光率を確保するために、着色されたものが好ましい。使用する色素として、紡糸の際に異変し難いものが好ましい。具体的には、カーボンブラックや無機顔料などが挙げられる。
【0035】
色合いについては特に制限はないが、通常、この色素によって着色された第1繊維シート側が最表面となるため、本発明のキャッピングシートが適用される場所に応じて好適な色となるような色素を選択すればよい。よって、色素は単独で使用してもよく、色合いを調整するために複数種を混合して用いても構わない。
【0036】
また、前記第1繊維シートに、機械強度、摩耗耐久性および防滑用繊維状物との接着強度を確保するため、エンボス加工を行うことが好ましい。また、エンボス加工の面積率は3〜23%であることが好ましい。
【0037】
前記第1繊維シートの厚みは、0.3mm以上であることが好ましく、0.4mm以上であることがより好ましく、1.0mm以下であることが好ましく、0.8mm以下であることがより好ましい。第1繊維シートの厚みが前記範囲にあると、複数の廃棄物被覆用のキャッピングシートを接合する際に、接合部における水の透過が最小限に抑えられる。
【0038】
前記第1繊維シートの目付は、特に限定されないが、70g/m以上であることが好ましく、100g/m以上であることがより好ましく、300g/m以下であることが好ましく、200g/m以下であることがより好ましい。第1繊維シートの目付を前記範囲にすることで、施工性、柔軟性および、十分な補強効果を確保することができる。第1繊維シートの目付が前記範囲を下回ると、キャッピングシートの強度を向上させる効果が不十分となる場合がある。他方、第1繊維シートの目付が前記範囲を超えると、経済的に不利である上に、キャッピングシートが硬くなってしまい、施工性が低下する傾向にある。
【0039】
なお、第1繊維シートの表面に低融点アクリルやポリエステルエラストマー、ポリオレフィンエラストマーゴム系材料で表面加工を行っても良い。ディッピングやコーティングを行っておいても良い。
【0040】
前記廃棄物被覆用のキャッピングシートは、さらに、前記防水透湿性シートに積層された第2繊維シートを有することが好ましい。前記第2繊維シートは前記防水透湿性シートの廃棄物側(第1繊維シートの反対側)に積層されるものである。第2繊維シートを用いることによって、廃棄物に含まれる注射針などによりキャッピングシートに穴や破れが生じて防水性が損なわれる懸念がある不法投棄場所に適用する場合でも、廃棄物被覆用のキャッピングシートの防水性を有効に保持し得る。
【0041】
前記第2繊維シートは、ASTM D 4833の規定に従って測定される貫入抵抗が200N以上であることが好ましく、300N以上であることがより好ましい。貫入抵抗が200N以上である第2繊維シートを含む構成を採用することにより、シート敷設時に廃棄物被覆用のキャッピングシートの防水性を有効に保持し得る。
【0042】
また、前記第2繊維シートとしては、前記貫入抵抗を有すると共に、本発明の廃棄物被覆用のキャッピングシートの後記透湿度を確保できるものであれば特に限定されなく、例えば、長繊維不織布、短繊維不織布、織編物などが挙げられる。第2繊維シートは、第1繊維シートと同じものであってもよいが、この繊維シート側は内側(廃棄物側)になるため、遮光機能は不要である。
【0043】
前記第2繊維シートの厚みは、特に制限されないが、0.2mm以上であることが好ましく、0.6mm以上であることがより好ましく、10.0mm以下であることが好ましく、5.0mm以下であることがより好ましい。前記第2繊維シートの厚みを前記範囲にすることで、本発明の廃棄物被覆用のキャッピングシートの接合部における防水性を維持することができ、キャッピングシートの適切な柔軟性や取り扱い性も良好とすることができる。
【0044】
前記第2繊維シートの目付は、特に制限されないが、50g/m以上であることが好ましく、150g/m以上であることがより好ましく、1000g/m以下であることが好ましく、500g/m以下であることがより好ましい。第2繊維シートの目付を前記範囲にすることで、本発明の廃棄物被覆用のキャッピングシートの防水性を保持しやすくすると共に、高価とならない。
【0045】
本発明の廃棄物被覆用のキャッピングシートは、例えば、前記第1繊維シート、第2繊維シート、および、前記防水透湿性シートを積層一体化することにより得られることが好ましい。一体化する方法として、例えば接着剤を用いる方法が挙げられる。前記方法において、透湿性が損なわれないように配慮する必要があり、例えば、ホットメルトパウダーや、ホットメルト繊維タイプの接着剤などを用いて部分的に熱接着することが推奨される。
【0046】
前記積層体を一体化する手順は、特に限定されなく、例えば、第1繊維シートの表面に防滑用繊維状物を設けた後、防水透湿性シートと第2繊維シートと積層一体化する方法、第1繊維シートを防水透湿性シートと第2繊維シートと積層一体化した後、第1繊維シートの表面に防滑用繊維状物を設ける方法、および、第1繊維シートを防水透湿性シートと積層一体化し、第1繊維シートの表面に防滑用繊維状物を設けた後、第2繊維シートと積層一体化する順番などが挙げられる。
【0047】
本発明の廃棄物被覆用のキャッピングシートは、その防水性を確保する観点から、JIS L 1092の耐水度試験A法の規定に従って測定される耐水度水位が50cm以上であることが好ましく、100cm以上であることがより好ましく、2000cm以上であることがさらに好ましい。耐水度水位が前記下限値以上である廃棄物被覆用のキャッピングシートであれば、廃棄物などのキャッピングに使用されても、雨水などが廃棄物側へ浸透することを十分に防止でき、廃棄物下の土壌の汚染を抑制することができる。
【0048】
本発明の廃棄物被覆用のキャッピングシートは、その透湿性を確保する観点から、JIS L 1099 A−1法の規定に従って測定される透湿度が100g/m・24hr以上であることが好ましく、1000g/m・24hr以上であることがより好ましく、3000g/m・24hr以上であることがさらに好ましい。透湿度が前記下限値以上である廃棄物被覆用のキャッピングシートであれば、廃棄物よりガスや水蒸気などの発生によるキャッピング空間の圧力上昇による膨れあがりを抑制し、廃棄物被覆用のキャッピングシートの破れなどを防止することができる。
【0049】
本発明の廃棄物被覆用のキャッピングシートは、その防滑性を確保する観点から、JIS P 8147法の規定に準拠して測定される表面における摩擦角の中間値(メジアン)が37.5°以上であることが好ましく、38°以上であることがより好ましく、39°以上であることがさらに好ましい。表面における摩擦角の中間値(メジアン)が前記下限値以上である廃棄物被覆用のキャッピングシートであれば、防滑性に優れ、表面に覆土された土砂の停土性を確保することができる。
【0050】
本発明の廃棄物被覆用のキャッピングシートには、複数枚の前記廃棄物被覆用のキャッピングシート同士を接合してなるものも含まれる。接合方法としては、縫製法、熱融着法などが挙げられる。熱融着法により接合する場合は、第1繊維シートの表面に設けられているホットメルト接着剤からなる防滑用繊維状物の一部が第1繊維シートより早く溶融し目止め剤の役目をするため、接合部において耐水度および接合強度の良好な廃棄物被覆用のキャッピングシートが得られる。また、前記熱融着法において、熱により防滑用繊維状物と第2繊維シートの両方を同時に溶融させた状態で、複数枚の前記廃棄物被覆用のキャッピングシート同士を接合することが好ましい。さらに、第1繊維シートも同時に溶融しても良い。
【0051】
なお、接合して形成される接合部に、繊維シートの片面に粘着剤層を形成してなる粘着テープを用いることも好適である。前記粘着テープを構成するシートの素材や形成法は特に限定されるものではなく、例えば、第1繊維シートについて例示した素材や形成法が採用可能である。また、前記粘着テープを構成するシートは、目付が100g/m以上であることが好ましい。このような目付のシートであれば、耐候性を有するため、粘着剤層の異変を抑え得る。こうした観点から、粘着テープのシートも、前記第1繊維シートと同様に着色されたものであることが推奨される。着色の詳細は、第1繊維シートについて前記した通りである。さらに、粘着テープのシートは第1繊維シートと同じ素材及び同じ色であることが好ましい。なお、粘着剤層を形成するための粘着剤も特に制限はなく、例えば、ブチルゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、公知の布製テープに適用されている粘着剤などが使用できる。
【0052】
前記接合部は、JIS L 1092の耐水度試験A法の規定に従って測定される耐水度水位が30cm以上であることが好ましく、50cm以上であることがより好ましい。接合部の耐水度水位が30cm以上であると、廃棄物被覆用のキャッピングシートは、接合界面を通じる水の透過が抑えられるため、接合部においても十分な防水性が維持できる。
【0053】
前記接合部は、JIS L 1906の規定に準拠して測定される接合強度が350N/5cm以上であることが好ましく、500N/5cm以上であることがより好ましい。接合部の接合強度が350N/5cm以上であると、廃棄物被覆用のキャッピングシートは、外力による接合部の破損が最小限に抑えられる。
【0054】
本発明の廃棄物被覆用のキャッピングシートは、防滑用繊維状物面を外側として、廃棄物の投棄場所の面積にあわせて被覆し、公知の方法(ピン止めなど)で固定する。
【0055】
本発明の廃棄物被覆用のキャッピングシートは、表面に覆土された土砂の停土性が確保でき、高度な耐候性を有しており、防水性を長期間に亘って保持し得る。
【0056】
以下、本発明を図面に基づいて説明するが、本発明は図面に示された態様に限定されるものではない。
【0057】
図1は、本発明の廃棄物被覆用のキャッピングシートを例示する断面説明図である。本発明の廃棄物被覆用キャッピングシート10は、第1繊維シート1と、第2繊維シート3と、前記第1繊維シート1と第2繊維シート3との間に積層された防水透湿性シート2とを有し、第1繊維シート1の表面にホットメルト接着剤からなる防滑用繊維状物4が設けられている。
【0058】
図2は、第1繊維シートの表面に設けられている防滑用繊維状物の写真である。図3は、第1繊維シートの表面に設けられている防滑用繊維状物の走査型顕微鏡(SEM)表面写真(20倍)である。図2および図3において、第1繊維シート1の表面に、ホットメルト接着剤からなる防滑用繊維状物4が設けられている。防滑用繊維状物は、ランダム、かつ、繊維径が不均一に設けられている。
【実施例】
【0059】
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施をすることは、全て本発明の技術的範囲に包含される。本発明で用いた測定法は以下の通りである。
【0060】
<繊維径>
幅100cm×長さ50cmのキャッピングシートサンプルを用い、幅を6等分する点の5mm角の視野の、倍率20倍の走査型顕微鏡表面写真(10cm×10cm)を撮り、得られた表面写真の左下と右上とを結ぶ対角線を引いて、対角線と交差する繊維の繊維径(繊維と重なる対角線の長さ)を測定し、5箇所のそれぞれの視野での最小繊維径および最大繊維径を調べた。複数の繊維が重なって太い繊維状になっている場合は、最も太い繊維の繊維径を採用する。境界がはっきりしない場合は、全ての繊維を併せて1本であるとする。
【0061】
<最小繊維径と最大繊維径との比>
前記繊維径の測定方法によるそれぞれの視野での最小繊維径と最大繊維径との比を求めて、5箇所の平均値を採用する。
<シートの目付>
JIS L 1906の規定に従って測定する。
【0062】
<防滑用繊維状物の目付>
防滑用繊維状物を形成する前後のキャッピングシートの質量の差を、形成した防滑用繊維状物の質量とし、JIS L 1906の規定に準拠して測定する。
【0063】
<熱収縮率>
JIS L 1906の規定に準拠して測定する。15cm角のサンプルを切り出し、80℃のオーブンに10分間置いた後の、縦横の辺の長さの変化率を測定し、その平均値を採用する。
【0064】
<破断伸び率>
JIS L 1906の規定に従って測定する。
<引裂強度>
JIS K 7128 1法の規定に従って測定する。
<遮光率>
JIS L 1055 A法の規定に従って測定する。
<貫入抵抗>
ASTM D−4833の規定に従って測定する。
<透湿度>
JIS L 1099 A−1法の規定に従って測定する。
【0065】
<耐水度水位>
JIS L 1092の耐水度試験A法の規定に従って測定する。サンプルを固定ホルダーより一回り大きい円形に切り出し、端部を溶融パラフィンにつけてシートの末端封鎖を行い、隙間のありそうなところにはシリコン系シール材を塗って固化し、その後ホルダーにセットし、目視により水滴が浮き上がった際の水頭を測定する。n=5点測定し、その中で最も値の低いものを採用する。
【0066】
<摩擦角>
JSP P 8147法の規定に準拠して傾斜方法により測定する。株式会社山富製造成用土砂を型枠に入れて、ハンマーにより締め硬めを行い、充填密度が約1.8g/cmになるようにする。その上に、廃棄物被覆用のキャッピングシートから7.5cm×14.0cmに切り出したサンプルを金属板の下面に貼り合わせて、5.25kgの荷重をかけて50g/cmの荷重になるようにおいた。サンプル長手方向に徐々に傾斜角が大きくなるように片方を持ち上げて、シートを貼り付けた金属板が動き出すときの水平面からの角度を測定する。5回の測定を行い、MaxおよびMix値をはずした3点中での中間値(メジアン)を摩擦角とする。
【0067】
<防滑性評価>
37.5°に傾斜させたコンパネ板に、1m角の本発明の廃棄物被覆用のキャッピングシートを防滑用繊維状物側が上面になるように両面テープで貼り付け、その表面に造成用土砂をスコップにより載せ、廃棄物被覆用のキャッピングシートの防滑性を評価する。評価基準は、次の通りである。
○:土砂が殆どすべりなし、30cm厚みの土層が形成可能であった。
△:土砂が若干のすべりあるが、実質的に殆どすべりなし、30cm厚みの土層が形成可能であった。
×:底に溜まるまで土砂がすべり、土層が形成困難であった。
【0068】
<ホットメルト接着剤を塗布する際の熱によるダメージについて>
本発明の廃棄物被覆用のキャッピングシートを構成する防水透湿性シートに、ホットメルト接着剤を塗布する際の熱によるダメージについて検討した。また、その熱により、廃棄物被覆用のキャッピングシートの防水性について変化していないか、本発明の廃棄物被覆用のキャッピングシートの上から5cm水中程度の水圧をかけ、ピンホールからの水浸透の有無をチェックした。評価基準は、次の通りである。
○:防水透湿性シートに特にダメージがなく、廃棄物被覆用のキャッピングシートの防水性も変化しなかった。
×:防水透湿性シートがダメージにより部分的に透明化した。
【0069】
<接合強度>
JIS L 1906の規定に準拠して測定する。接合部が上下の固定チャックの中間に来るようにセットして測定を行う。n=5点測定し、その中で最も値の低いものを採用する。
【0070】
実施例1
第1繊維シートとして、黒色に着色されたポリエステル製の部分熱接着長繊維不織布(東洋紡績株式会社製の熱エンボス加工処理3A31AD:目付130g/m、厚み0.5mm、遮光率99.8%以上)を用いた。この第1繊維シートの下面に、防水透湿性シートとして、ポリエチレンをインフレーション法により製膜した防水透湿フィルム(トクヤマ株式会社製の「ポーラム(登録商標)」高耐候高伸度タイプ:目付100g/m、厚み100μm、破断伸び率530%、引裂強度2.1N、80℃での縦横の熱収縮率の平均値16%)を積層した。第1繊維シートと防水透湿性シートとを、アクリル系粘着剤(サイデン化学株式会社製のサイビノール(登録商標)TC−K3樹脂)により積層一体化した。第1繊維シートより約8cmの高さから、Nordson株式会社製のスパイラルジェット型接着剤塗布機にて、直径0.4mmのノズルより溶融したエチレン共重合体系ホットメルト接着剤(固形パラフィン成分を約30wt%含む)(示差熱量計DSCのピーク温度が約70℃である)を2g/minで吐出す。吐出したホットメルト接着剤にΦ1mmの孔から噴射されている約0.2kgf/cmの旋回エアー流を衝突させながら、前記ノズルを第1繊維シートの幅方向および長手方向の両方に移動させることで、全面にほぼ均一に、繊維径に変動がある防滑用繊維状物を第1繊維シートの上面に形成して、廃棄物被覆用のキャッピングシート1を作製した。前記防滑用繊維状物について、その最大繊維径、最小繊維径、最小繊維径と最大繊維径との比、および目付を測定し、結果を表1に示す。廃棄物被覆用のキャッピングシート1について、その表面における摩擦角を測定し、停土性およびホットメルト接着剤を塗布する際の熱による防水透湿性シートのダメージを評価し、結果を表1に示す。
【0071】
実施例2
吐出したホットメルト接着剤に衝突させる旋回エアー流の圧力を約0.3kgf/cmに設定した以外は、実施例1と同様に防滑用繊維状物を形成して、廃棄物被覆用のキャッピングシート2を作製した。防滑用繊維状物および廃棄物被覆用のキャッピングシート2について、実施例1と同様の方法で測定および評価を行った。結果を表1に示す。
【0072】
実施例3
実施例1で作製された廃棄物被覆用のキャッピングシート1を用い、その防水透湿性シートの下面(第1繊維シートの反対側)に、第2繊維シートとして、ポリエステル製ニードルパンチ不織布(目付500g/m、厚み5mm)を、アクリル系粘着剤(サイデン化学株式会社製のサイビノール(登録商標)TC−K3樹脂)により積層一体化する。得られた積層体を2枚用い、重ね部(幅10cm)を設けつつ、ライスター(加工エアー温度280℃、加工速度約2.2m/min)により接合し、廃棄物被覆用のキャッピングシート3を作製した。廃棄物被覆用のキャッピングシート3について、接合部の最小耐水度水位及び最小接合強度を測定した。結果を表1に示す。
【0073】
比較例1
第1繊維シートの上面に防滑用繊維状物を形成しなかった以外は、実施例1と同様に、廃棄物被覆用のキャッピングシート4を作製した。廃棄物被覆用のキャッピングシート4について、実施例1と同様の方法で測定し、評価を行った。結果を表1に示す。
【0074】
比較例2
吐出したホットメルト接着剤に旋回エアー流を衝突させず、重力落下により防滑用繊維状物を形成した以外は、実施例1と同様に防滑用繊維状物を形成して、廃棄物被覆用のキャッピングシート5を作製した。防滑用繊維状物および廃棄物被覆用のキャッピングシート5について、実施例1と同様の方法で測定および評価を行った。結果を表1に示す。
【0075】
比較例3
吐出したホットメルト接着剤に衝突させる旋回エアー流の圧力を約0.3kgf/cmに設定し、防滑用繊維状物の目付を10g/mに設定した以外は、実施例1と同様に防滑用繊維状物を形成して、廃棄物被覆用のキャッピングシート6を作製した。防滑用繊維状物および廃棄物被覆用のキャッピングシート6について、実施例1と同様の方法で測定および評価を行った。結果を表1に示す。
【0076】
比較例4
比較例1で作製された廃棄物被覆用のキャッピングシート4を用い、その防水透湿性シートの下面(第1繊維シートの反対側)に、第2繊維シートとして、ポリエステル製ニードルパンチ不織布(目付500g/m、厚み5mm)を、アクリル系粘着剤(サイデン化学株式会社製のサイビノール(登録商標)TC−K3樹脂)により積層一体化する。得られた積層体を2枚用い、重ね部(幅10cm)を設けつつ、ライスター(加工エアー温度290℃、加工速度約1.0m/min)により接合し、廃棄物被覆用のキャッピングシート7を作製した。廃棄物被覆用のキャッピングシート7について、実施例3と同様の方法で、接合部の最小耐水度水位及び最小接合強度を測定した。結果を表1に示す。
【0077】
比較例5
比較例1で作製された廃棄物被覆用のキャッピングシート4を用い、その防水透湿性シートの下面(第1繊維シートの反対側)に、第2繊維シートとして、ポリエステル製ニードルパンチ不織布(目付500g/m、厚み5mm)を、アクリル系粘着剤(サイデン化学株式会社製のサイビノール(登録商標)TC−K3樹脂)により積層一体化した。得られた積層体を2枚用い、重ね部(幅10cm)を設けつつ、ライスター(加工エアー温度275℃、加工速度約2.5m/min)により接合し、廃棄物被覆用のキャッピングシート8を作製した。廃棄物被覆用のキャッピングシート8について、実施例3と同様の方法で、接合部の最小耐水度水位及び最小接合強度を測定した。結果を表1に示す。
【0078】
【表1】

【0079】
実施例1〜3の廃棄物被覆用のキャッピングシートでは、摩擦角が大きく、防滑性に優れていることがわかった。
【0080】
比較例1、4および5の廃棄物被覆用のキャッピングシートでは、第1繊維シートの表面に防滑用繊維状物が設けられなかったため、摩擦角が小さく、防滑性が低かった。
【0081】
比較例2の廃棄物被覆用のキャッピングシートでは、第1繊維シートの表面に設けられている防滑用繊維状物の最小繊維径が最大繊維径の50%超になったため、摩擦角が小さく、防滑性が低かった。
【0082】
比較例3の廃棄物被覆用のキャッピングシートでは、第1繊維シートの表面に設けられている防滑用繊維状物の目付が15g/m未満であったため、摩擦角が小さく、防滑性が低いことが分かった。
【0083】
なお、実施例3の廃棄物被覆用のキャッピングシートは、実施例1の廃棄物被覆用のキャッピングシートを用いて第2繊維シートと積層一体化したものを、ライスターにより接合してなるものである。実施例3の廃棄物被覆用のキャッピングシートは、第1繊維シートの表面に設けられている繊維状物が第1繊維シートより熱融着接合により早く溶融し目止め剤の役目をするため、ライスター加工状況が気温や風により変動しても、接合部において耐水度および接合強度が良好であった。
【0084】
比較例4および5の廃棄物被覆用のキャッピングシートは、比較例1の廃棄物被覆用のキャッピングシートを用いて第2繊維シートと積層一体化したものを、ライスターにより接合してなるものである。比較例4および5の廃棄物被覆用のキャッピングシートは、その第1繊維シートの表面に防滑用繊維状物が設けられていないため、接合強度を確保すれば、高い熱融着温度が必要になるため接合部の耐水性が弱くなり(比較例4)、或いは、接合部の耐水性を確保すれば、接合強度が不良であることになり(比較例5)、いずれも接合部の耐水性および接合強度を同時に満足するものが得られなかった。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の廃棄物被覆用のキャッピングシートの断面説明図である。
【図2】本発明の廃棄物被覆用のキャッピングシートの表面に設けられる防滑用繊維状物の写真である。
【図3】本発明の廃棄物被覆用のキャッピングシートの表面に設けられる防滑用繊維状物のSEM表面写真である。
【符号の説明】
【0086】
1:第1繊維シート、2:防水透湿性シート、3:第2繊維シート、4:防滑用繊維状物、10:廃棄物被覆用のキャッピングシート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1繊維シートと防水透湿性シートとからなる少なくとも2層の積層構造を有する廃棄物被覆用のキャッピングシートであって、
前記第1繊維シートの表面に、ホットメルト接着剤からなる防滑用繊維状物が設けられ、
前記防滑用繊維状物は、目付が15g/m〜100g/mであり、最大繊維径が0.1mm以上であり、最小繊維径が、最大繊維径の50%以下であることを特徴とする廃棄物被覆用のキャッピングシート。
【請求項2】
前記廃棄物被覆用のキャッピングシートは、さらに、前記防水透湿性シートに積層された第2繊維シートを有し、前記第2繊維シートは、第1繊維シートの反対側に配置されている請求項1に記載の廃棄物被覆用のキャッピングシート。
【請求項3】
前記防滑用繊維状物は、ランダム、かつ、繊維径が不均一に設けられている請求項1または2に記載の廃棄物被覆用のキャッピングシート。
【請求項4】
前記ホットメルト接着剤は、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、および、ポリアミド樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種の樹脂からなる請求項1〜3のいずれか一項に記載の廃棄物被覆用のキャッピングシート。
【請求項5】
前記ホットメルト接着剤は、融点が前記第1繊維シートを構成する繊維より30℃以上低い請求項1〜4のいずれか一項に記載の廃棄物被覆用のキャッピングシート。
【請求項6】
前記第1繊維シートは、遮光率が90%以上であり、目付が70g/m〜300g/mである請求項1〜5のいずれか一項に記載の廃棄物被覆用のキャッピングシート。
【請求項7】
前記第2繊維シートは、厚みが0.2mm〜10.0mm、目付が50g/m〜1000g/m、および、貫入抵抗が200N以上である請求項2〜6のいずれか一項に記載の廃棄物被覆用のキャッピングシート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−189937(P2009−189937A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−32373(P2008−32373)
【出願日】平成20年2月13日(2008.2.13)
【出願人】(000003160)東洋紡績株式会社 (3,622)
【出願人】(000204192)太陽工業株式会社 (174)
【Fターム(参考)】