説明

廃水処理装置及び廃水処理方法

【課題】FPI廃水(浸透探傷検査工程から排出される浸透検査廃水)の処理を、ランニングコスト及び敷地面積を抑えつつ効果的に行う。
【解決手段】廃水処理装置に係る解決手段として、活性汚泥及び複数のポリウレタンフォームが予め充填されており、浸透探傷検査工程から排出される浸透検査廃水が導入される反応槽と、前記反応槽から流出する流出水が導入され、該流出水に含まれる活性汚泥を沈殿させると共に上澄水を処理水として外部に放流する沈殿槽と、前記沈殿槽にて沈殿した活性汚泥を前記反応槽へ返送する汚泥返送手段とを具備する、という手段を採用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃水処理装置及び廃水処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から非破壊検査の一種として、浸透液を被検査物の表面に浸透させてクラックの発生状況を観察する浸透探傷検査が知られている。この浸透探傷検査は、クラックの観察方法の違いにより、蛍光染料を含む浸透液を用いる蛍光浸透探傷検査と、赤色染料を含む浸透液を用いる染色浸透探傷検査とに分類される。また、各浸透液は、その余剰分の除去方法(洗浄方法)の違いにより、水洗性、後乳化性、溶剤除去性に分類される。
【0003】
水洗性浸透液は、基本成分である油脂類と着色成分(蛍光染料或いは赤色染料)の他、その油脂類を水洗浄可能とする乳化剤(界面活性剤)を含んでいる。また、後乳化性浸透液は、基本成分である油脂類と着色成分のみを含んでおり、その余剰分の洗浄時に乳化剤が添加されて水洗性を得るものである。
【0004】
これら水洗性浸透液と後乳化性浸透液とのいずれを用いても、余剰浸透液の洗浄によって油脂類、着色成分及び乳化剤を含む廃水(以下、FPI廃水と称す)が生じることになる。このFPI(Fluorescent Penetrant Inspection)廃水は、浮上分離処理を行っても、高濃度のn−ヘキサン抽出物質が残り、且つ独特の着色と発泡性を有し、さらにBOD/COD(Cr)比が0.1〜0.3程度で生物分解が困難であるという性質を持つ(下記非特許文献1参照)。
【0005】
従って、従来では、FPI廃水に含まれる有機物を分解によって処理するのではなく、分離によって処理するという廃水処理方法が採用されている。FPI廃水に含まれる有機物の分離方法としては、例えば有機物を炭化物に吸着させる方法(下記特許文献1、2参照)や添加剤を用いて有機物を凝集させる方法(下記特許文献3参照)などが特許文献として公開されているが、一般的には凝集剤か或いは凝集剤に粉末活性炭を加えたものを用いて有機物を凝集・沈殿させる凝集沈殿法が採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭57−4283号公報
【特許文献2】特開2004−130292号公報
【特許文献3】特開平10−274628号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】福永ら(2006)蛍光探傷剤排液のオゾン処理 第40回日本水環境学会年会講演集p154
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、FPI廃水の処理方法として凝集沈殿法を採用する場合、莫大な薬剤費が必要である上、処分しなければならない大量の凝集沈殿汚泥が発生する。また、凝集沈殿法は活性炭や生物処理から成る後処理を必要とする場合も多く、さらに薬品タンク等を設置するための広い敷地が必要であった。一方、有機物を粒状活性炭に吸着させた後、粒状活性炭の再生処理を行うことで凝集沈殿汚泥の発生量を低減できるが、粒状活性炭による処理をメインとすると再生費用が莫大となり、現実的ではない。
【0009】
また、近年では、FPI廃水中の有機物をオゾン処理によって酸化分解することで凝集沈殿処理を不要とする試みもなされているが、着色成分の除去効果は著しく大きい一方で、n−ヘキサン抽出物質や発泡性の除去効果は安定せず、オゾン処理のみで完全な廃水処理は困難であった(非特許文献1参照)。
【0010】
一般的な有機性廃水の処理に広く用いられている活性汚泥法などの生物処理法をFPI廃水の処理に適用することも可能であるが、FPI廃水は生物分解が困難であるという性質を持つため、生物処理の効率が十分でなく、希釈なしでは水質汚濁防止法に規定された基準(例えば、n−ヘキサン抽出物質5mg/L以下)を満足しない場合があり、単なる活性汚泥処理では凝集沈澱処理なみの敷地面積で満足すべき放流水質を得ることは困難であった(非特許文献1参照)。
以上をまとめると、従来のFPI廃水処理技術には、それぞれ表1に示すような問題点があった。
【0011】
【表1】

【0012】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、ランニングコスト及び敷地面積を抑えつつ、FPI廃水(浸透探傷検査工程から排出される浸透検査廃水)の処理を効果的に行うことの可能な廃水処理装置及び廃水処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願発明者は、FPI廃水中の有機物がポリウレタン樹脂、すなわち主鎖の繰り返し単位中にウレタン結合(-NHCOO-)をもつ高分子化合物の発泡体(ポリウレタンフォーム)に極めて吸着しやすい性質を有することを発見し、その性質を利用した新たなFPI廃水処理技術を発明した。
本願発明者は、このような本発明を実際のFPI廃水処理試験の結果から生み出したものであるので、以下ではFPI廃水処理試験の内容について具体的に説明する。
【0014】
表2は、FPI廃水処理試験に用いた各種の発泡樹脂をリストアップしたものである。まず、これらの発泡樹脂の中でポリウレタンフォームの特徴を明らかにする試験を、PUC、PS、PEの3種を用いて実施した。これらの発泡樹脂をキューブ状に切断して三角フラスコに入れ、表3に示す条件で、三角フラスコを振とうさせながらFPI廃水と発泡樹脂とを接触させた。
【0015】
30分後に三角フラスコ中のFPI廃水の色、発泡性、有機物濃度の指標であるCOD(Cr)を測定した。結果は、表3に示す通り、FPI廃水独特の緑色が消え、発泡量が低下し、COD(Cr)濃度も低下したのは、ポリウレタンフォーム(PUC)のみであった。つまり、いくつかの発泡樹脂の中でFPI廃水中の有機物を、溶液中から短時間に除去する能力を有するのはポリウレタンフォームのみであることがわかった。
なお、表3に記載されている発泡量の測定に用いたディフューザーストーン法については、非特許文献「界面化学研究会(1983)泡トラブルと消泡技術」を参照されたい。
【0016】
【表2】

【0017】
【表3】

【0018】
次に、上述したポリウレタンフォームの性質がメーカーによって異なる可能性を考慮して、異なる三つのメーカー(表2中のA社、B社、C社)のポリウレタンフォーム(いずれも新品)を用いて比較試験を行った。その結果を表4に示す。FPI廃水の緑色は全てのメーカーのポリウレタンフォームにおいて30分で完全に消えた。
【0019】
しかしながら、白色の濁りの残り方がメーカーによって異なり、400nm吸光度と発泡量は、C社のもの(PUC)が最も優れていた。このことから、FPI廃水中の有機物を最も効率よく除去できるのは、見かけ比重が0.03 g/cm以下のポリウレタンフォームが望ましいことがわかる。顕微鏡観察しても、見かけ比重の小さいC社のポリウレタンフォーム(PUC)は、他社に比べ繊維が細く、比表面積が大きいことがわかる。
【0020】
ところで、静置すると水と分離して浮上する油分に対しては各種吸着剤が開発されているが、ポリウレタンフォームをその用途に用いるにはアクリル樹脂による疎水加工をしなければならない(非特許文献:埼玉県産業技術総合センター(2005)テクニカルシートNo.28参照)。そのような加工をしないポリウレタンフォームを用いることによって、乳化剤によってエマルジョン化している油分を含むFPI廃水中の有機物を吸着できることは、本試験によって初めて明らかにされたものである。
【0021】
【表4】

【0022】
一方、微生物(活性汚泥)とポリウレタンフォーム(スポンジキューブ)とを曝気槽内で攪拌していくと、表5に示すように、数時間で大部分の活性汚泥がポリウレタンフォームに吸着されることがわかった。
【0023】
【表5】

【0024】
すなわち、FPI廃水中の有機物はポリウレタンフォームに急速に(30分程度で)吸着され、微生物もポリウレタンフォームに急速に(0.75〜5hで)吸着され、ポリウレタンフォーム表面では有機物と微生物とがともに高濃度となり、微生物がFPI廃水中の有機物を効率よく分解するというプロセスが考えられた。
【0025】
このプロセスが実際に働いているかどうかをチェックするため、ラボ試験を実施した。ラボ試験では、曝気部容量2.5リットル、沈澱部容量0.5リットルの活性汚泥装置を2系列用意し、同じ濃度になるよう両方に活性汚泥を投入し、同じ流量でFPI廃水を流入させた。この流量は、装置敷地面積が従来の凝集沈澱法と同程度の敷地面積内に収まるよう(したがって、従来の活性汚泥処理では良好な処理が難しい条件で)設定されている。
運転27日目に1系列のみに各容積約16mLのC社のポリウレタンフォーム(PUC)を40個投入し、その15日後の処理性能を見た結果を表6に示す。
【0026】
【表6】

【0027】
この結果、標準活性汚泥法に対してFPI廃水中の有機物の除去効果が明瞭に認められ、上記プロセスが働いていることが示唆された。
すなわち、FPI廃水とポリウレタンフォームとを接触させて、FPI廃水に含まれる有機物をポリウレタンフォームに吸着させるプロセスと、ポリウレタンフォームと活性汚泥(微生物)とを接触させて、ポリウレタンフォームに吸着されている有機物を微生物に分解させるプロセスとを組み合わせることによって、FPI廃水の実用的な生物処理が可能になることが示された。
【0028】
そこで、このプロセスをスケールアップし、旋回流式の曝気部600リットル、沈澱部100リットルの試験装置をFPI廃水が排出される現地に設置して連続処理試験を行った。曝気部には、各容積約16mLのC社のポリウレタンフォーム(PUC)約1万個と、微生物として産業排水処理施設の活性汚泥とを投入した。
【0029】
当初は旋回流の曝気としたが、曝気部に投入したポリウレタンフォームが徐々に重くなり槽の底部に沈降してデッドスペースを形成するようになった。そこで、底部全面に散気管を配し、底面以外の部分は傾斜させて、ポリウレタンフォームが沈降すると散気管からの曝気によって再び流動化するように改良したところ、デッドスペースは解消された。改良前後の代表的な処理性能を表7に示すが、曝気方式の改良後、有機物の除去性能が向上したことがわかる。
【0030】
【表7】

【0031】
なお、微生物としては、基本的に下水処理場や産業排水処理場の活性汚泥を用いて馴養することにより、FPI廃水の分解能力を持つものが増殖してくると考えられる。そのような微生物の種類としては、運転160日目の曝気部の液から培養法で得たコロニーの種類を判定したところ、Acidovorax属、Sphingopyxis属の細菌が存在していることがわかった。
【0032】
また、ポリウレタンフォームの吸着能力は長期使用によって低下する可能性が考えられたが、表8に示すように、使用済みポリウレタンフォーム(スポンジキューブ)を用いても、緑色は完全に除去され、発泡量も新品と同じように除去されている。400nm吸光度とCOD(Cr)濃度は新品に比べてやや高いが、これはポリウレタンフォームに付着していた微生物が液に再懸濁し、濁りやCOD(Cr)の原因になったためである。すなわち、FPI廃水中の有機物を吸着したポリウレタンフォームと微生物とを接触させ微生物による有機物分解を行わせるプロセスによって、ポリウレタンフォームの吸着力が回復することが示された。
【0033】
【表8】

【0034】
以上のFPI廃水処理試験の結果から、ポリウレタンフォームにFPI廃水及び活性汚泥(微生物)を接触させるという本処理方法を採用することにより、FPI廃水処理法として従来最も普及していた凝集沈澱法と同程度と想定される敷地面積で、n−ヘキサン抽出物質を5mg/L程度まで浄化できることが示された。また、本処理方法を採用することにより、従来の生物処理法で限界があった処理水質を明らかに向上させることができ、凝集沈澱法に対抗し得る処理能力を得ることができることが示された。
【0035】
そこで、本願発明者は、凝集沈澱法を用いてFPI廃水の処理を行っている工場で、現行の凝集沈澱法と本処理方法とを比較するためのFS試験を実施した。なお、このFS試験では、処理水質を完璧とするため、本処理方法の後工程に粒状活性炭装置をバックアップとして付設する前提にしている。FS試験の結果を表9に示す。本処理方法ではFPI廃水中の大部分の有機物が除去されるので、バックアップの活性炭の再生頻度は活性炭単独処理より大幅に低下している。維持管理費(ランニングコスト)は、本処理方法を採用すると従来の約1/5に抑えられ、敷地面積もこの工場では従来の30%に抑えられるという試算結果が得られた。
【0036】
【表9】

【0037】
本願発明者は、以上のようなFPI廃水処理試験の結果に基づき、上記課題を解決し得る廃水処理装置及び廃水処理方法を発明したものである。
すなわち、本発明では、廃水処理装置に係る第1の解決手段として、活性汚泥及び複数のポリウレタンフォームが予め充填されており、浸透探傷検査工程から排出される浸透検査廃水が導入される反応槽と、前記反応槽から流出する流出水が導入され、該流出水に含まれる活性汚泥を沈殿させると共に上澄水を処理水として外部に放流する沈殿槽と、前記沈殿槽にて沈殿した活性汚泥を前記反応槽へ返送する汚泥返送手段とを具備する、という手段を採用する。
【0038】
また、本発明では、廃水処理装置に係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記複数のポリウレタンフォームはそれぞれ反応槽内で流動自在な多面体形状をなし、前記反応槽は、前記沈殿槽へのポリウレタンフォームの流出を防止する濾過構造を備える、という手段を採用する。
【0039】
また、本発明では、廃水処理装置に係る第3の解決手段として、上記第2の解決手段において、内部空間が前記反応槽と前記沈殿槽とに区画される処理槽を具備し、前記処理槽は、内部空間が前記反応槽と前記沈殿槽とに区画されるように且つ両槽の底部が連通するように、上端が水面より高く、下端が前記処理槽の内壁と接しない状態で設置された第1仕切り板と、前記第1仕切り板から前記反応槽側へ所定距離を隔てて設置されると共に、上端が水面より高く、下端が前記処理槽の内壁と接しない状態で設置され、上端から下端に向けての一定範囲に前記沈殿槽側へのポリウレタンフォームの流出を防止する濾過構造が形成された第2仕切り板と、前記反応槽の底部に設置され、前記第2仕切り板の内側に上昇流が形成されるように前記反応槽の内部に空気を供給する空気供給手段と、を備え、前記沈殿槽の底部は、前記沈殿槽にて沈殿した活性汚泥が前記反応槽の底部に返送されるように傾斜している、という手段を採用する。
【0040】
また、本発明では、廃水処理装置に係る第4の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記複数のポリウレタンフォームはそれぞれシート形状をなし、前記反応槽内においてスペーサを介して一定間隔で固定配置されている、という手段を採用する。
【0041】
また、本発明では、廃水処理装置に係る第5の解決手段として、上記第4の解決手段において、内部空間が前記反応槽と前記沈殿槽とに区画される処理槽を具備し、前記処理槽は、内部空間が前記反応槽と前記沈殿槽とに区画されるように且つ両槽の底部が連通するように、上端が水面より高く、下端が前記処理槽の内壁と接しない状態で設置された第1仕切り板と、前記第1仕切り板から前記反応槽側へ所定距離を隔てて設置されると共に、上端が水面より低く、下端が前記処理槽の内壁と接しない状態で設置された第2仕切り板と、前記反応槽の底部に設置され、前記第2仕切り板の内側に上昇流が形成されるように前記反応槽の内部に空気を供給する空気供給手段と、を備え、前記沈殿槽の底部は、前記沈殿槽にて沈殿した活性汚泥が前記反応槽の底部に返送されるように傾斜している、という手段を採用する。
【0042】
一方、本発明では、廃水処理方法に係る第1の解決手段として、浸透探傷検査工程から排出される浸透検査廃水を処理するための廃水処理方法であって、前記浸透検査廃水とポリウレタンフォームとを接触させて、前記浸透検査廃水に含まれる有機物を前記ポリウレタンフォームに吸着させる第1工程と、前記ポリウレタンフォームと活性汚泥とを接触させて、前記ポリウレタンフォームに吸着されている有機物を微生物に分解させる第2工程とを有する、という手段を採用する。
【発明の効果】
【0043】
本発明によると、浸透検査廃水とポリウレタンフォームとを接触させて、浸透検査廃水に含まれる有機物をポリウレタンフォームに吸着させるプロセスと、ポリウレタンフォームと活性汚泥とを接触させて、ポリウレタンフォームに吸着されている有機物を微生物に分解させるプロセスとが実現されるため、ランニングコスト及び敷地面積を抑えつつ、浸透検査廃水の処理を効果的に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1実施形態における廃水処理装置1の構成概略図である。
【図2】本発明の第2実施形態における廃水処理装置2の構成概略図である。
【図3】廃水処理装置2の変形例である。
【図4】本発明の第3実施形態における廃水処理装置3の構成概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
〔第1実施形態〕
まず、本発明の第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態における廃水処理装置1の構成概略図である。この図1に示すように、第1実施形態における廃水処理装置1は、反応槽10、沈殿槽11及び汚泥返送装置12から構成されている。
【0046】
反応槽10は、反応槽10内で流動自在なキューブ形状をなす複数のポリウレタンフォームPcと、微生物の凝集体である活性汚泥Fが予め充填されており、浸透探傷検査工程から排出される浸透検査廃水(以下、FPI廃水と称す)が導入される。なお、一般的なポリウレタンフォームは、ポリオールとイソシアネートとから合成されるが、FPI廃水処理に用いるポリウレタンフォームPcの条件としては、ポリオールがポリエーテルポリオールであること、気泡は連結気泡であること(セル膜が無いこと)、さらに、見かけ比重が0.03g/cm以下であることが高い処理効率を達成するために望ましい。
【0047】
この反応槽10の内部には、沈殿槽11へのポリウレタンフォームPcの流出を防止する濾過構造体10aと、反応槽10内に空気(酸素)を供給する空気供給装置10bが設けられている。沈殿槽11は、反応槽10から流出する流出水(有機物が除去されたFPI廃水)が導入され、該流出水に含まれる活性汚泥Fを沈殿させると共に上澄水を処理水として外部に放流する。汚泥返送装置12は、例えばポンプであり、沈殿槽11にて沈殿した活性汚泥Fを反応槽10に返送するものである。
【0048】
上記のように構成された廃水処理装置1によって実現される廃水処理プロセスは以下の通りである。
反応槽10に導入されたFPI廃水は、反応槽10内を通過する間にポリウレタンフォームPcと接触し、FPI廃水中の有機物の大部分はポリウレタンフォームPcに吸着される。同時に、反応槽10内でポリウレタンフォームPcと活性汚泥Fとが接触し、ポリウレタンフォームPcの表面では有機物と微生物とがともに高濃度となり、空気供給装置10bによる酸素供給によって微生物の増殖が促されて有機物の分解が効率良く行われ、ポリウレタンフォームPcの吸着力が回復する。
【0049】
一方、反応槽10においてポリウレタンフォームPcによって有機物が除去されたFPI廃水は、活性汚泥Fの一部と共に沈殿槽11に流出するが、反応槽10の内部に設けられた濾過構造体10aによって沈殿槽11へのポリウレタンフォームPcの流出は阻止される。また、沈殿槽11に流出した活性汚泥Fは、汚泥返送装置12によって反応槽10に返送される一方、活性汚泥Fの沈殿によって得られた上澄水は処理水として外部に放流される。ここで放流される処理水は、無色透明で発泡が少なく、n−ヘキサン抽出物質が5mg/L以下に抑えられた清浄な水である。
【0050】
以上のように、第1実施形態の廃水処理装置1によると、FPI廃水とポリウレタンフォームPcとを接触させて、FPI廃水に含まれる有機物をポリウレタンフォームPcに吸着させるプロセスと、ポリウレタンフォームPcと活性汚泥Fとを接触させて、ポリウレタンフォームPcに吸着されている有機物を微生物に分解させるプロセスとが実現されるため、ランニングコスト及び敷地面積を抑えつつ、FPI廃水の処理を効果的に行うことが可能となる。
【0051】
なお、本実施形態では、キューブ形状、つまり正六面体のポリウレタンフォームPcを用いる場合を例示したが、正八面体や正十二面体などの他の多面体形状をなすポリウレタンフォームを使用しても良い。このようにポリウレタンフォームの面数が増える程、有機物及び微生物との接触面積が増えるため、より効率良くFPI廃水の処理を行うことができるようになる。
【0052】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
キューブ形状をなすポリウレタンフォームPcはFPI廃水中の有機物を吸着すると、その重みによって沈降して槽内にデッドスペースを形成することが実験経験からわかった。以下で説明する第2実施形態はその問題を解決するものである。
【0053】
図2は、第2実施形態における廃水処理装置2の構成概略図である。この図2において、(a)は廃水処理装置2の側面図を示し、(b)は廃水処理装置2の平面図を示している。なお、図2において、図中に示すXYZ直交座標系を設定し、X軸方向を廃水処理装置2の幅方向、Y軸方向を奥行き方向、Z軸方向を高さ方向とする。また、XY平面は水平面と平行であると想定する。
【0054】
この図2に示すように、廃水処理装置2は、内部空間が反応槽21と沈殿槽22とに区画される処理槽20から構成されている。なお、反応槽21は、第1実施形態と同様に、反応槽21内で流動自在なキューブ形状をなす複数のポリウレタンフォームPcと、微生物の凝集体である活性汚泥Fが予め充填されており、廃水導入管50を通じて上方からFPI廃水が導入される。
【0055】
図2(a)に示すように、処理槽20は、内部空間が反応槽21と沈殿槽22とに区画されるように且つ両槽の底部が連通するように、上端が水面より高く、下端が処理槽20の内壁と接しない状態でZ軸と平行に設置された第1仕切り板23を備えている。また、図2(b)に示すように、処理槽20は平面的に矩形をなしており、第1仕切り板23は処理槽20の片側が平面的に矩形をなす反応槽21に、反対側が同じく平面的に矩形をなす沈殿槽22に区画されるようにY軸と平行に設置されている。
なお、図2(a)に示すように、処理槽20において、反応槽21の底部21aはXY平面に対して平行であるが、その両側、つまり反応槽21の側部21bと沈殿槽22の底部22aは反応槽21の底部21aに向かって傾斜している。
【0056】
また、処理槽20は、第1仕切り板23から反応槽21側へ所定距離を隔てて平行に設置されると共に、上端が水面より高く、下端が処理槽20の内壁と接しない状態で設置され、上端から下端に向けての一定範囲に沈殿槽22へのポリウレタンフォームPcの流出を防止する上部垂直濾過構造24aが形成された第2仕切り板24を備えている。この第2仕切り板24の下方には、反応槽21の底部21aから沈殿槽22へのポリウレタンフォームPcの流出を防止する下部垂直濾過構造25がZ軸と平行に設けられている。
【0057】
また、処理槽20は、反応槽21の底部21aの全面において、奥行き方向(Y軸方向)に沿って延在する状態で設置された散気装置26(空気供給手段)を備えている。この散気装置26は、その設置位置から周囲に向けて空気を吹き出すことで、第2仕切り板24の内側に上昇流Rを形成するものである。散気装置26によって形成された上昇流Rは水面に達すると2方向に分離して、第1仕切り板23と第2仕切り板24との間を下降する第1下降流D1と、反応槽21の側壁に沿って下降する第2下降流D2が形成される。
なお、この散気装置26の上部には、ポリウレタンフォームPcが散気装置26の隙間に入り込まないようにするための下部水平濾過構造27が水平に設置されている。
【0058】
また、沈殿槽22の上部には、活性汚泥Fの沈殿により分離される上澄水を処理水としてオーバーフローするための越流堰28が設けられており、それにより規定される水面は第1仕切り板23の上端より下方に位置するようになっている。また、沈殿槽22の水面に浮上したスカムの流出を防ぐために、越流堰28に隣接してスカムプレート29が設置されている。
【0059】
上記のように構成された廃水処理装置2によって実現される廃水処理プロセスは以下の通りである。
反応槽21にFPI廃水を導入すると、散気装置26から発生する気泡によって反応槽21内に上昇流Rが発生する。この上昇流Rは、水面に達すると、第1下降流D1と第2下降流D2とに分離し、両下降流はやがて反応槽21の底部21a(散気装置26の上方)に戻って上昇流Rと合流して旋回流となる。
【0060】
ポリウレタンフォームPcは、新品状態では水面に浮いているが、微生物(活性汚泥F)が付着すると重くなり沈むことがある。重くなったポリウレタンフォームPcの内、第1下降流D1に乗ったものは第2仕切り板24の上部垂直濾過構造24aによって遮られ、沈殿槽22への流出が阻止される一方、第2下降流D2に乗ったものは反応槽21の底部21aまで運ばれた後、上昇流Rに乗って再び水面まで運ばれて反応槽21内を流動する。
【0061】
このように反応槽21内に溜まったFPI廃水中をポリウレタンフォームPcが流動することにより、FPI廃水とポリウレタンフォームPcとを接触させて、FPI廃水に含まれる有機物をポリウレタンフォームPcに吸着させるプロセスと、ポリウレタンフォームPcと活性汚泥Fとを接触させて、ポリウレタンフォームPcに吸着されている有機物を微生物に分解させるプロセスとが進行する。
これにより、ポリウレタンフォームPcにはFPI廃水中の有機物及び微生物が付着し、酸素供給によって微生物の増殖が促されて有機物の分解が効率良く行われ、ポリウレタンフォームPcの吸着力が回復する。
【0062】
有機物を除去されたFPI廃水の一部は、第2仕切り板24の上部垂直濾過構造24aによってポリウレタンフォームPcを除かれたのち、第1下降流D1に乗って沈殿槽22に運ばれる。そして、沈殿槽22において、FPI廃水に含まれる活性汚泥Fのうち沈降するものは沈降して沈殿槽22の底部22aに案内されながら滑り落ち、第1下降流D1に乗って反応槽21の底部21aに返送される。つまり、反応槽21のFPI廃水中に形成された上昇流及び下降流によって、活性汚泥Fが沈殿槽22を経て反応槽21内を循環することになる。一方、沈殿槽22の上部に溜まった清浄な上澄水は、処理水として越流堰28から外部に放流される。
【0063】
以上のように、第2実施形態の廃水処理装置2によると、第1実施形態と同様に、ランニングコスト及び敷地面積を抑えつつ、FPI廃水の処理を効果的に行うことが可能となると共に、ポリウレタンフォームPcの流動化が促進されるため、ポリウレタンフォームPcの沈降によるデッドスペースの形成を抑制することができる。
【0064】
また、第2実施形態の廃水処理装置2によると、ポリウレタンフォームPcの流動化が促進されるため、第1実施形態と比べてポリウレタンフォームPcを、より大きく、ハンドリングしやすいものに変えることができる。ポリウレタンフォームPcを大きくすると、ポリウレタンフォームPcの反応槽21への投入、抜き出しや交換が容易となり、また、上部垂直濾過構造24aや下部垂直濾過構造25の目開きを粗くできて詰まりにくくできるなど、廃水処理装置2のハンドリング性が向上する。
【0065】
なお、第2実施形態で問題となるのは、散気装置26を補修するために引き上げた後、再設置する場合に、ポリウレタンフォームPcが邪魔になって反応槽21の底部21aに再設置できない可能性がある。これについては、網状の板を散気装置26が設置されていた位置を囲むように鉛直に立て、ポリウレタンフォームPcを排除しながら散気装置26を引き上げれば、問題は解決される。
【0066】
また、第2実施形態の廃水処理装置2において、図3に示すように、下部垂直濾過構造25を削除し、下部水平濾過構造27の一端を第2仕切り板24の下端と接するようにして、底面から下部水平濾過構造27までの距離を沈澱槽22側でより大きくするようにしてもよい。このような構造とすることにより、処理槽22の底部付近の液体の流れが一層円滑になる。
【0067】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図4は、第3実施形態における廃水処理装置3の構成概略図である。この図4において、(a)は廃水処理装置3の側面図を示し、(b)は廃水処理装置3の平面図を示している。なお、図4において、図中に示すXYZ直交座標系を設定し、X軸方向を廃水処理装置2の幅方向、Y軸方向を奥行き方向、Z軸方向を高さ方向とする。また、XY平面は水平面と平行であると想定する。
【0068】
この図4に示すように、廃水処理装置3は、内部空間が反応槽31と沈殿槽32とに区画される処理槽30から構成されている。反応槽31には、シート形状をなす複数のポリウレタンフォームPsがスペーサSpを介して一定間隔で並列に固定配置されており、廃水導入管50を通じて上方からFPI廃水が導入される。
【0069】
図4(a)に示すように、処理槽30は、内部空間が反応槽31と沈殿槽32とに区画されるように且つ両槽の底部が連通するように、上端が水面より高く、下端が処理槽30の内壁と接しない状態でZ軸と平行に設置された第1仕切り板33を備えている。また、図4(b)に示すように、処理槽30は平面的に矩形をなしており、第1仕切り板33は処理槽30の片側が平面的に矩形をなす反応槽31に、反対側が同じく平面的に矩形をなす沈殿槽32に区画されるようにY軸と平行に設置されている。
なお、図4(a)に示すように、処理槽30において、反応槽31の底部31aはXY平面に対して平行であるが、その両側、つまり反応槽31の側部31bと沈殿槽32の底部32aは反応槽31の底部31aに向かって傾斜している。
【0070】
また、処理槽30は、第1仕切り板33から反応槽31側へ所定距離を隔てて平行に設置されると共に、上端が水面より低く、下端が処理槽30の内壁と接しない状態で設置された第2仕切り板34を備えている。
また、処理槽30は、反応槽31の底部31aにおいて、奥行き方向(Y軸方向)に沿って延在する状態で設置された散気装置35(空気供給手段)を備えている。この散気装置35は、その設置位置から周囲に向けて空気を吹き出すことで、第2仕切り板34の内側に上昇流Rを形成するものである。散気装置35によって形成された上昇流Rは水面に達すると2方向に分離して、第1仕切り板33と第2仕切り板34との間を下降する第1下降流D1と、反応槽31の側壁に沿って下降する第2下降流D2が形成される。
【0071】
また、沈殿槽32の上部には、活性汚泥Fの沈殿により分離される上澄水を処理水としてオーバーフローするための越流堰36が設けられており、それにより規定される水面は第1仕切り板33の上端より下方に位置するようになっている。また、沈殿槽32の水面に浮上したスカムの流出を防ぐために、越流堰36に隣接してスカムプレート37が設置されている。
【0072】
上記のように構成された廃水処理装置3によって実現される廃水処理プロセスは以下の通りである。
反応槽31にFPI廃水を導入すると、散気装置35から発生する気泡によって反応槽31内に上昇流Rが発生する。この上昇流Rは、水面に達すると、第1下降流D1と第2下降流D2とに分離し、両下降流はやがて反応槽31の底部31a(散気装置35の上方)に戻って上昇流Rと合流して旋回流となる。
【0073】
このように反応槽21内に溜まったFPI廃水に旋回流が発生することにより、FPI廃水とポリウレタンフォームPsとを接触させて、FPI廃水に含まれる有機物をポリウレタンフォームPsに吸着させるプロセスと、ポリウレタンフォームPsと活性汚泥Fとを接触させて、ポリウレタンフォームPsに吸着されている有機物を微生物に分解させるプロセスとが進行する。
これにより、シート形状をなす各ポリウレタンフォームPsの表面にはFPI廃水中の有機物及び微生物が付着し、酸素供給によって微生物の増殖が促されて有機物の分解が効率良く行われ、ポリウレタンフォームPsの吸着力が回復する。
【0074】
有機物を除去されたFPI廃水の一部は、第1下降流D1に乗って沈殿槽32に運ばれる。そして、沈殿槽32において、FPI廃水に含まれる活性汚泥Fのうち沈降するものは沈降して沈殿槽32の底部32aに案内されながら滑り落ち、第1下降流D1に乗って反応槽31の底部31aに返送される。つまり、反応槽31のFPI廃水中に形成された上昇流及び下降流によって、活性汚泥Fが沈殿槽32を経て反応槽31内を循環することになる。一方、沈殿槽32の上部に溜まった清浄な上澄水は、処理水として越流堰36から外部に放流される。
【0075】
以上のように、第3実施形態の廃水処理装置3によると、第1実施形態と同様に、ランニングコスト及び敷地面積を抑えつつ、FPI廃水の処理を効果的に行うことが可能となると共に、第2実施形態のようにキューブ形状のポリウレタンフォームPcを流動化させる必要がないため、散気装置35の構成がシンプルになり、さらに、上部垂直濾過構造24a、下部垂直濾過構造25及び下部水平濾過構造27が不要となる。
【符号の説明】
【0076】
1、2、3…廃水処理装置、10、21、31…反応槽、11、22、32…沈殿槽、12…汚泥返送装置、Pc、Ps…ポリウレタンフォーム、F…活性汚泥

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性汚泥及び複数のポリウレタンフォームが予め充填されており、浸透探傷検査工程から排出される浸透検査廃水が導入される反応槽と、
前記反応槽から流出する流出水が導入され、該流出水に含まれる活性汚泥を沈殿させると共に上澄水を処理水として外部に放流する沈殿槽と、
前記沈殿槽にて沈殿した活性汚泥を前記反応槽へ返送する汚泥返送手段と、
を具備することを特徴とする廃水処理装置。
【請求項2】
前記複数のポリウレタンフォームはそれぞれ反応槽内で流動自在な多面体形状をなし、
前記反応槽は、前記沈殿槽へのポリウレタンフォームの流出を防止する濾過構造を備えることを特徴とする請求項1に記載の廃水処理装置。
【請求項3】
内部空間が前記反応槽と前記沈殿槽とに区画される処理槽を具備し、
前記処理槽は、
内部空間が前記反応槽と前記沈殿槽とに区画されるように且つ両槽の底部が連通するように、上端が水面より高く、下端が前記処理槽の内壁と接しない状態で設置された第1仕切り板と、
前記第1仕切り板から前記反応槽側へ所定距離を隔てて設置されると共に、上端が水面より高く、下端が前記処理槽の内壁と接しない状態で設置され、上端から下端に向けての一定範囲に前記沈殿槽側へのポリウレタンフォームの流出を防止する濾過構造が形成された第2仕切り板と、
前記反応槽の底部に設置され、前記第2仕切り板の内側に上昇流が形成されるように前記反応槽の内部に空気を供給する空気供給手段と、を備え、
前記沈殿槽の底部は、前記沈殿槽にて沈殿した活性汚泥が前記反応槽の底部に返送されるように傾斜していることを特徴とする請求項2に記載の廃水処理装置。
【請求項4】
前記複数のポリウレタンフォームはそれぞれシート形状をなし、前記反応槽内においてスペーサを介して一定間隔で固定配置されていることを特徴とする請求項1に記載の廃水処理装置。
【請求項5】
内部空間が前記反応槽と前記沈殿槽とに区画される処理槽を具備し、
前記処理槽は、
内部空間が前記反応槽と前記沈殿槽とに区画されるように且つ両槽の底部が連通するように、上端が水面より高く、下端が前記処理槽の内壁と接しない状態で設置された第1仕切り板と、
前記第1仕切り板から前記反応槽側へ所定距離を隔てて設置されると共に、上端が水面より低く、下端が前記処理槽の内壁と接しない状態で設置された第2仕切り板と、
前記反応槽の底部に設置され、前記第2仕切り板の内側に上昇流が形成されるように前記反応槽の内部に空気を供給する空気供給手段と、を備え、
前記沈殿槽の底部は、前記沈殿槽にて沈殿した活性汚泥が前記反応槽の底部に返送されるように傾斜していることを特徴とする請求項4に記載の廃水処理装置。
【請求項6】
浸透探傷検査工程から排出される浸透検査廃水を処理するための廃水処理方法であって、
前記浸透検査廃水とポリウレタンフォームとを接触させて、前記浸透検査廃水に含まれる有機物を前記ポリウレタンフォームに吸着させる第1工程と、
前記ポリウレタンフォームと活性汚泥とを接触させて、前記ポリウレタンフォームに吸着されている有機物を微生物に分解させる第2工程と、
を有することを特徴とする廃水処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−35234(P2012−35234A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−180266(P2010−180266)
【出願日】平成22年8月11日(2010.8.11)
【出願人】(591104815)株式会社アイ・エヌ・シー・エンジニアリング (8)
【Fターム(参考)】