説明

廃珪藻土の高機能新素材化方法、及び、廃珪藻土による高機能新素材

【課題】 廃珪藻土の廃棄処理に際し、取り扱い性に優れると共に、乾燥燃費性に優れ、且つ、廃珪藻土中の酵素・酵母などの有機成分を残存コントロールする。
【解決手段】 生石灰(焼成ドロマイトを含む)を主成分とする乾燥処理用生石灰類により、ヘドロ状廃珪藻土の含有水を蒸発除去して乾燥処理を図り、アルカリによるヘドロ状廃珪藻土の殺菌無害化を図る。また、ヘドロ状廃珪藻土の乾燥処理に伴って廃珪藻土中に含有されている酵素・酵母などの有機成分の持つ機能を残存コントロールする。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術分野】
【0001】
この発明は、各種製造工揚のろ過工程などから排出される廃珪藻土の廃棄処理に際し、取り扱い性に優れると共に、乾燥燃費性に優れ、且つ、廃珪藻土中の酵素・酵母などの有機成分を残存コントロールしてその機能を活用するなど、高機能を低コストに得ることができる廃珪藻土の高機能新素材化方法、及び、廃珪藻土類による高機能新素材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ビール工場や醤油工場など各種製造工揚のろ過工程では、そのろ過材として珪藻土が使用されている。例えば、ビール工場においては大麦の麦芽汁にホップを加工して苦味や香りをつけ発酵させ、これを珪藻土を介してろ過しビールを製造している。
【0003】
このような珪藻土は、使用後には大量の水分とともに酵母や粕を含んだヘドロ状の廃材(廃珪藻土)となるため、その廃棄処理が大変であった。一般的には、埋め立て処理が行なわれているが、酵母や粕を含んだ大量の含有水のため、大量の水処理と臭気分の処理も考慮しなければならなかった。また、セメントキルンでの焼却処理を行なうにしても大量の水分を含むため多くのエネルギーが必要となる。
【0004】
このため最近は、廃珪藻土を乾燥・造粒・炭化処理・800〜1000℃の高温蒸気や炭酸ガス養生などで賦活処理されており、埋め立て処理や焼却処理以外に廃珪藻土の再利用化が検討されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したように、このような廃珪藻土は、一般的には廃棄物処理業者に委託し、理めたて処理しているのであるが、微生物・酵母・粕などの有機物等を含むヘドロ状であり、悪臭がある,ヘドロ状のためハンドリングが難しい,カビの発生や腐食し易い,等の種々の悪条件を有しているため、処理業者も避けたい廃棄物の一つとされている。このため、処理費用も年々高騰しており、製造コストを圧迫しているという問題がある。
【0006】
また、廃珪藻土の賦活処理による再利用は、賦活処理が複雑となる上に高温処理を必要とし、コストと手間がかかり過ぎるため、未だ実用化可能な技術とされてはおらないのが現状である。
【0007】
本願発明者は、上述したような廃珪藻土の有効処理と有効活用につき鋭意研究を行ったものであり、ハンドリングがし易い,さらさらの状態に固形物化できカビ・雑菌等か増殖しない保存可能な原料にできる,臭気を軽滅できる,これらの処理を短工程・低コストで行うことができる,酵素、酵母など廃珪藻土に含有する有機成分を活かし、多用途に渡り、例えば、ホルムアルデヒド等の有害化学物質の吸着分解能が大変優れている。これらの観点に着目し、全く新たな廃珪藻土の有効処理を開発したものである。
【0008】
この発明は、上記のような事情に基づきなされたもので、再処理に際する廃珪藻土の取り扱い作業を容易に行なえると共に、再処理後の廃珪藻土を無害化し、且つ、有害化学物質などの高い吸着分解能を併せ持つ廃珪藻土の高機能新素材化方法、及び、廃珪藻土による高機能新素材を低コストに提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、上記のような目的を達成するために、廃珪藻土の高機能新素材化方法として、請求項1のように、ヘドロ状廃珪藻土を処理するに際し、生石灰(焼成ドロマイトを含む)を主成分とする乾燥処理用生石灰類により、ヘドロ状廃珪藻土の含有水を蒸発除去して乾燥処理を図ると共に、アルカリによるヘドロ状廃珪藻土の殺菌無害化を図ることを特徴とする。また、請求項2記載のように、ヘドロ状廃珪藻土を処理するに際し、生石灰(焼成ドロマイトを含む)を主成分とする乾燥処理用生石灰類により、ヘドロ状廃珪藻土の含有水を蒸発除去して乾燥処理を図ると共に、アルカリによるヘドロ状廃珪藻土の殺菌無害化を図り、且つ、ヘドロ状廃珪藻土の乾燥処理に伴って廃珪藻土中に含有されている酵素・酵母などの有機成分の持り機能を残存コントロールすることを特徴とする。また、請求項3記載のように、生石灰は、廃珪藻土の種類に応じてセメント鉱物,酸化鉄,石膏,ゼオライト,粘土鉱物等を適宜ブレンドした乾燥処理用生石灰類とされることを特徴とする。また、請求項4記載のように、廃珪藻土の解砕,攪拌を行なって水分を搾り出し、廃珪藻土を均一に液状化して含有水分量を把握する事前工程と、把握した含有水分量に見合う乾燥処理用生石灰類を投入して廃珪藻土の乾燥処理を行なうと共に、アルカリによる殺菌処理を施す本工程とよりなることを特徴とする。
【0010】
廃珪藻土による新素材として、請求項5のように、廃珪藻土の解砕,攪拌により水分を搾り出し、ヘドロ状廃珪藻土を均一に液状化して含有水分量を把握すると共に、生石灰(焼成ドロマイトを含む)を主成分とする乾燥処理用生石灰類により乾燥処理され、且つ、アルカリにより殺菌無害化されたことを特徴とする。また、請求項6記載のように、ヘドロ状廃珪藻土を処理するに際し、生石灰(焼成ドロマイトを含む)を主成分とする乾燥処理用生石灰類により、ヘドロ状廃珪藻土の含有水を蒸発除去して乾燥処理を図ると共に、アルカリによるヘドロ状廃珪藻土の殺菌無害化を図り、且つ、ヘドロ状廃珪藻土の乾燥処理に伴って廃珪藻土中に含有されている酵素・酵母などの有機成分の持つ機能を残存コントロールすることを特徴とする。また、請求項7記載のように、生石灰は、廃珪藻土の種類に応じてセメント鉱物,酸化鉄,石膏,ゼオライト,粘土鉱物等を適宜ブレンドした乾燥処理用生石灰類とされることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、従来は主として埋め立て処理するか高い燃費で焼却処理するしかなかった廃珪藻土の廃棄処分を、燃料を使用せず廃珪藻土が含有する水分と生石灰との反応熱を活用して廃珪藻土を低コストに乾燥処理すると共に、アルカリにより殺菌無害化することができる。
したがって、近年行き詰まりを見ていた廃珪藻土の廃棄処分に対し、有効処理方法を提供することができると共に、廃珪藻土を建材,防草,防虫,抗菌ボール,保水材,軽量骨材,屋上緑化パネル,水稲用肥料,土壌改良剤,生活用品などの多くの分野の原料として用途に応じて再資源化し有効活用することができ、環境衛生面と再活用面など多重に高機能化することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、廃珪藻土中に含有されている酵素・酵母などの有機成分の持つ機能を残存コントロールし、ホルムアルデヒドなど有害化学物質の吸着分解能を高めた高機能性を付加することができる。そのことにより、さらに農業・食品分野にも広く展開ができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1あるいは請求項2に記載の発明の効果に加えて、廃珪藻土の種類に応じて主材の生石灰に他の副助材を加え再生処理することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1,請求項2あるいは請求項3に記載の発明の効果に加えて、廃珪藻土の乾燥処理をコントロール性よく遂行することができる。
【0012】
請求項5に記載の発明によれば、燃料を使用せず廃珪藻土が含有する水分と生石灰類との反応熱を活用して廃珪藻土を低コストに乾燥処理し、アルカリにより殺菌無害化され、廃珪藻土を建材,防草,防虫,抗菌ボール,保水材,軽量骨材,屋上緑化パネル,水稲用肥料,土壌改良剤,生活用品などの多くの分野の原料として用途に応じて箭い分け、低コストに再資源化し有効活用することができる新素材とすることができる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項5の発明の効果に加え、廃珪藻土中に含有されている酵素・酵母などの有機成分の持つ機能を残存コントロールし、残存された酵素・酵母などを活かし、多用途により、例えば、ホルムアルデヒドなど有害化学物質の吸着分解能を高めた高機能性を付加した新素材を低コストに提供することができる。
請求項7に記載の発明によれば、請求項5あるいは請求項6記載の発明の効果に加えて、廃珪藻土の乾燥理理をコントロール性よく遂行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、この発明の詳細を実施例に基づき説明する。
ろ過済廃材であるヘドロ状廃珪藻土の新素材化方法の前提としては、従来の燃料を使用したヘドロ状廃珪藻土の処理システムが、乾燥効率が悪くエネギー消責が多くなり、尚且つ高温処理するシステムのため、リサイクル化ができても利用価値は著しく低くなる点に鑑み、従来の燃料を使った乾燥方法は採用しない。
【0014】
従って、この発明に係る新素材化方法は、ヘドロ状廃珪藻土を処理するシステムとして、水との反応熱の活用、アルカリの殺菌性を活用するシステムである。すなわち、水と反応して高い反応熱を発生する生石灰(ドロマイト系を含む)、廃珪藻土の種類に応じてはセメント鉱物、空気と反応して熱を発生する酸化鉄、その他の石膏、ゼオライト等の副助材をブレンドして乾燥処理用生石灰類として活用する。
そして、この乾燥処理用生石灰類を活用して廃珪藻土が保有する酵素・酵母などの有機成分を残存コントロールしながら、ヘドロ状廃珪藻土の含有水を蒸発除去すると共に、アルカリによりヘドロ状廃珪藻土を殺菌して無害化する。
【0015】
これらの乾燥処理用生石灰類の機能を最大限に引き出すため、新素材化システムでは事前処理工程と本工程の2工程に分かれる。事前処理工程では、ヘドロ状あるいはケーキ状の廃珪藻土を乾燥処理用生石灰類と反応しやすくするために、生石灰が水分と反応して高い反応熱(生石灰の反応熱278Kcal/Kg)を発生することに鑑み、廃珪藻土における含有水分量の把握を行なうと共に、それに基づく水分の抽出を重要課題とする。
【0016】
このため、事前処理としてはミキサーなどにより廃珪藻土を十分に攪拌、揺籃し、廃珪藻土を均質に液状化する必要がある。一般に含水した珪藻土は付着水以外に細孔に含まれる水分も多く、この水分の抽出が重要である。この細孔に含まれる水分を十分抽出し活用することがこの方法では強く求められる。
【0017】
また、含有水分を把握した上で、次工程でブレンドすべき乾燥処理用生石灰類の投入量を決める。廃珪藻土の水分量に見合う乾燥処理用生石灰類の投入量の決定は、この発明に係る新素材化のシステムでは極めて重要な課題である。
【0018】
次に、本工程では、前工程で廃珪藻土の解砕・攪拌が完結し、水分の搾り出しが充分にできた廃珪藻土に、反応熱が高く比較的安価に入手できる生石灰を主材に、更に廃珪藻土の種類に応じて、セメント鉱物,酸化鉄,石膏,ゼオライト等々の副助材を適宜ブレンドした粉末(乾燥処理用生石灰類)を混合し攪拌する。
この乾燥処理用生石灰類の量は、廃珪藻土から搾り出された水分量を勘案し、重量比で廃珪藻土の10%−50%の範囲で決める。攪拌は、5−10分程度と短時間で済ますのが好適である。攪拌終了後は、静かに養生し、その時間は30分前後が好ましい。養生中には廃珪藻土内部の温度は急上昇することとなり、水分は表面から水蒸気となって発散し、廃珪薄土はサラサラの乾燥した粉末となる。さらさら状態の乾燥状態になり、尚且つアルカリによる殺菌処理を同時に行なう。この工程で、廃珪藻土を効率よく脱水,乾燥,殺菌するには、水分の搾り出しと養生時間は極めて重要な要素となる。
【0019】
さらさらに乾燥し粉末となった廃珪藻土は、低コストに再生されて無害化、尚且つ高機能化されているので、本願特許出願人である(株)ワンウイルが保有している壁材特許第3358026号などに添加することで大幅に品質性能を高めることができる。さらに壁材以外にいろいろな用途があり、建材、防草、防虫、抗菌ボール、保水、軽量骨材、屋上緑化パネル、水稲用肥料、土壌改良剤、生活用品など多くの分野の原料として用途に応じて箭い分け再資源化することができる。さらに、残存している酵素・酵母によって高機能を備えた農業並びに食品分野でも展開できる。
【0020】
いずれにせよ、この発明によれば廃珪藻土の廃棄処分に際し、燃料を使用せず廃珪藻土が含有する水分と生石灰との反応熱を活用して廃珪藻土を低コストに乾燥処理すると共に、アルカリにより殺菌無害化することにより、低コストに建材,防草,防虫,抗菌ボール,保水材,軽量骨材,屋上緑化パネル,水稲用肥料,土壌改良剤,生活用品などの多くの分野の原料を、用途に応じて箭い分け再資源化し有効活用する。
また、廃珪藻土の種類に応じて主材の生石灰に他の副助材を適宜加え、廃珪藻土の乾燥処理をして高機能化を効率よく遂行する。すなわち、廃珪藻土中に含有されている酵素・酵母などの有機成分の持つ機能を残存コントロールし、残存された酵素・酵母などを活かした高機能化が可能になる。例えば、ホルムアルデヒドなど有害化学物質の吸着分解能を高めた高機能性が付加される。
【0021】
<実施例1>
醤油ろ過後の廃珪藻土は、10−15%の塩分,50−60%の水分を貪むためその処理が最も困難であるとされている。食品加工工場では、この廃珪藻土を水洗処理、脱水して理めたて処理しているが、コストが高くつくと共に、水処理の問題もあった。この発明に係る素材化方法の適用例を示す。
まず、前工程では、回転数をコントロールできるミキサーで、廃珪藻土を約20分攪拌し、珪藻土の付着水、細孔中の水分を表面に搾り出し、これに比表面積が高い(例えば20000cm2/g)ソフトバーンの生石灰粉を重量比で30%加え、約5分間攪拌した。その後、つき固めて約30分養生した。
廃珪藻土内部の温度は、30分後には90度前後になり、ヘドロ状の廃珪藻土は、サラサラの保存可能なリサイクル珪藻土に再生できた。臭気も著しく減少、建材用珪藻土として活用が可能であった。
【0022】
また、この廃珪藻土の微細な多孔中に適量に残存コントロールされた有機物が存在されていることにより、この有機物が作用し、ホルムアルデヒドの吸着分解能が極めて高いことが、神奈川県産業総合研究所(16.5.24)の分析により判明した。
以下に、その分析結果を表示する。
試料 1時間後 4時間後
(新品珪藻土入り)
ケイソウくん 0.11ppm以下 0.02ppm以下
塗壁材
(本廃棄珪藻土入り)
ケイソウくん
塗壁材
10%(47g)混入 0.005ppm以下 殆ど0値
30%(47g)混入 0.006ppm以下 殆ど0値
この分析結果から判ることは、含有有機成分を残存コントロトロールした乾燥廃珪藻土を混在したケイソウくんは、従来の新品ケインウくんに比べ、4時間後にはホルムアルデヒドが殆ど検出されないほど高い吸着分解能力を示した。ホルムアルデヒド吸着分解能は、乾燥時間、厚み、表面状態の物理吸着度合い等々で若干変わってくるが、いずれにせホルムアルデヒド吸着分解能力に優れるものである。
廃珪藻土の中には多くの有機物が含有されている。例えば、酵母の場合ではポリオール、カルボン酸、スルホン酸等様々な有機成分が存在し、その中でN(窒素)が多く含まれている。このNH(アミノ基)がホルムアルデヒド(HCHO)をメチロール化し他の物質に変える。また、ホルムアルデヒドはユリア(尿素)と相性がよいため、このユリア(尿素)と反応して無害に変化するものと思われる。
このように、廃珪藻土に含有されている有機成分を残存コントロールすることにより、この事例の場合はガス吸着分解能に優れた有効新素材とすることができる。
【0023】
なお、上記ホルムアルデヒド低減試験方法は、ガラス容器(真空デシケータ/12L)のほぼ中央部に試料(ガラス板上丹塗付乾燥物、厚さ:4mm、面積:150cm)をセットし、容器内を減圧後、これにホルムアルデヒド調整空気を封入する。静置して一定時間容器内空気を採取して気中濃度を測定する。ホルムアルデヒドの暴露条件は、初期濃度を2.5ppmとし、温度20℃、湿度50%で行なった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘドロ状廃珪藻土を処理するに際し、生石灰(焼成ドロマイトを含む)を主成分とする乾燥処理用生石灰類により、ヘドロ状廃珪藻土の含有水を蒸発除去して乾燥処理を図ると共に、アルカリによるヘドロ状廃珪藻土の殺菌無害化を図ることを特徴とする廃珪藻土の高機能新素材化方法。
【請求項2】
ヘドロ状廃珪藻土を処理するに際し、生石灰(焼成ドロマイトを含む)を主成分とする乾燥処理用生石灰類により、ヘドロ状廃珪藻土の含有水を蒸発除去して乾燥処理を図ると共に、アルカリによるヘドロ状廃珪藻土の殺菌無害化を図り、且つ、ヘドロ状廃珪藻土の乾燥処理に伴って廃珪藻土中に含有されている酵素・酵母などの有機成分の持つ機能を残存コントロールすることを特徴とする廃珪藻土の高機能新素材化方法。
【請求項3】
生石灰は、廃珪藻土の種類に応じてセメント鉱物,酸化鉄,石膏,ゼオライト,粘土鉱物等を適宜ブレンドした乾燥処理用生石灰類とされることを特徴とする請求項1または2記載の廃珪藻土の高機能新素材化方法。
【請求項4】
廃珪藻土の解砕,攪拌を行なって水分を搾り出し、廃珪藻土を均一に液状化して含有水分量を把握する事前工程と、把握した含有水分量に見合う乾燥処理用生石灰類を投入して廃珪藻土の乾燥処理を行なうと共に、アルカリによる殺菌処理を施す本工程とよりなることを特徴とする請求項1,2または3記載の廃珪藻土類の高機能新素材化方法。
【請求項5】
廃珪藻土の解砕,攪拌により水分を搾り出し、ヘドロ状廃珪藻土を均一に液状化して含有水分量を把握すると共に、生石灰(焼成ドロマイトを含む)を主成分とする乾燥処理用生石灰類により乾燥処理され、且つ、アルカリにより殺菌無害化されたことを特徴とする廃珪藻土による高機能新素材。
【請求項6】
ヘドロ状廃珪藻土を処理するに際し、生石灰(焼成ドロマイトを含む)を主成分とする乾燥処理用生石灰類により、ヘドロ状廃珪藻土の含有水を蒸発除去して乾燥処理を図ると共に、アルカリによるヘドロ状廃珪藻土の殺菌無害化を図り、且つ、ヘドロ状廃珪藻土の乾燥処理に伴って廃珪藻土中に含有されている酵素・酵母などの有機成分の持つ機能を残存コントロールすることを特徴とする廃珪藻土による高機能新素材。
【請求項7】
生石灰は、廃珪藻土の種類に応じてセメント鉱物,酸化鉄,石膏,ゼオライト,粘土鉱物等を適宜ブレンドした乾燥処理用生石灰類とされることを特徴とする請求項5または6記載の廃珪藻土による高機能新素材。

【公開番号】特開2007−175556(P2007−175556A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−209244(P2004−209244)
【出願日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(592116763)株式会社ワンウイル (3)
【出願人】(503088105)
【Fターム(参考)】