説明

延長されたオープンタイムを有する湿気反応性ホットメルト接着剤

本発明は、室温で液体であり、イソシアネート基を有するポリウレタンプレポリマー(P1)少なくとも1種と、室温で固体であり、ポリカプロラクトンセグメントを有し、ヒドロキシル基を有し、かつ170℃で100〜300 Pa・秒の溶融粘度を有する線状ポリウレタン(P2)少なくとも1種とを有する湿気反応性ホットメルト接着剤配合物に関する。この配合物は、特に、延長されたオープンタイムを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湿気反応性ホットメルト接着剤、より特に、輸送手段のグレージングユニットの接着結合、およびウィンドウまたはドア構造における接着結合を意図する湿気反応性ホットメルト接着剤の分野に関連する。
【背景技術】
【0002】
反応性ポリウレタンホットメルト接着剤は長い間知られてきた。ホットメルト接着剤(ホットメルト)は、冷却すると固化し、非常に急速に強度が増すという、大きな利点を有する。水、特に大気中の湿気の形態の水で架橋する、イソシアネート基を有する反応性ポリウレタン接着剤は、架橋の結果、接着剤の強度がさらに増大し、接着剤が高温で再溶解することが防止される。
【0003】
しかし、ホットメルト接着剤は、冷たい基材と熱い接着剤溶融物とが接触すると、接着剤が極めて突然冷却されるという大きな欠点を有する。この非常に急速な冷却の結果として、大きな応力が接着剤中、より特に接着に最も重要な接着剤/基材界面で生じる。さらに、接着剤と接触している基材は、結合後短時間、典型的には数秒あるいは数分後にもはや動かすことができない。しかし、この動かすことができる最大時間は、工業的な操作における最終的な位置決めまたは微調整、例えば、グレージングユニットの結合などにおいて、絶対に重要であることが多い。
【0004】
このため、ホットメルト接着剤、より特に80℃を超える適用温度を有するホットメルト接着剤は、この種の用途にほとんど用いられることがない。
【0005】
これらのホットメルト接着剤の欠点を低減させるために、さまざまな努力がなされてきた。すなわち、欧州特許第0705290号には、30分の皮膜形成時間を特徴とし、室温で液体の反応性プレポリマーと、室温で固体であり、40℃〜50℃の温度で液体になり得るポリマーもしくはプレポリマーとを含むホットメルト接着剤であって、その後の適用では、基材を動かすことが数分間(オープンタイム)可能である接着剤が記載されている。
【0006】
しかし、このオープンタイムは、多くの用途において短すぎることが分かってきた。例えば、一方では、最終的な位置決めのための時間が長く、より長いオープンタイムが必要とされる場合がある。このように、例えば、広い面積の基材(例えば、輸送手段、より特にバスまたは鉄道車両の外部に取り付けられたモジュールまたはグレージングユニットなど)の接着結合においては、少なくとも40分程度のオープンタイムを有することが求められる。理由は、この時間の間に、接着剤を適用し、接着剤が、皮膜形成することなく、あるいは、基材への接着がもはやそこでは保証できない程度に既に固化していることがいずれの場所においてもない状態で、連結および最終的な位置決めを行うことが必要であるからである。
【0007】
通例の1成分形ポリウレタン接着剤は、室温で適用され、実際に比較的長いオープンタイムを有している。しかし、イソシアネートプレポリマーと水、より特に大気中の湿気による架橋だけによって達成される強度の発達は、固定補助具を用いることなく基材のずれを防ぐため、あるいは早い時期に接着結合場所の移動を可能にするためには遅すぎる。
【特許文献1】欧州特許第0705290号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、従来技術の欠点を克服し、第一に、延長されたオープンタイムを有する一方、第二に、十分に高い初期強度を有するホットメルト接着剤組成物を提供することが本発明の目的である。
【0009】
この種のホットメルト接着剤は、第一に、基材の位置決め時間の延長、および第二に、表面積が大きな基材の信頼できる接着結合を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
驚くべきことに、この目的は、請求項1に記載の湿気反応性ホットメルト接着剤組成物によって可能になった。
【0011】
本発明は、第一に、室温で液体であり、イソシアネート基を有するポリウレタンプレポリマーP1少なくとも1種と、室温で固体であり、ポリカプロラクトンセグメントを有し、ヒドロキシル基を有し、かつ170℃で100〜300 Pa・秒の溶融粘度を有する線状ポリウレタンP2少なくとも1種と、を含む湿気反応性ホットメルト接着剤組成物を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明に不可欠な1つの特徴は、室温で固体であり、ポリカプロラクトンセグメントを有し、ヒドロキシル基を有する線状ポリウレタンP2が少なくとも1種存在することである。固体ポリウレタンP2は、DIN 53.735に準拠して測定して、170℃で100〜300 Pa・秒、好ましくは100〜150 Pa・秒の溶融粘度を有する
【0013】
固体ポリウレタンP2がヒドロキシル基を有することが必須であることが分かってきた。代わりに、末端イソシアネート基を有する他の固体ポリウレタン、またはヒドロキシル基を有さない他の固体ポリウレタンを用いると、本発明に不可欠な性質が得られず、かつ/あるいは不利点が生じる。固体ポリウレタンP2は、5 mg KOH/gのヒドロキシル価を有することが好ましい。
【0014】
ポリウレタンP2は、室温で固体であり、より特に、少なくとも50℃、典型的には60℃〜80℃、好ましくは60℃〜70℃の融点を有する。記載する融点は、より詳細には、動的示差熱量測定(DSC、示差走査型熱量測定)によって、加熱操作中に測定した曲線の最大値であって、材料が固体状態から液体状態に転移する温度である。
【0015】
固体ポリウレタンP2は、線状であり、ポリカプロラクトンセグメントを構造要素として含む。より詳細には、固体ポリウレタンP2は、少なくとも1種のポリカプロラクトンジオールと、1000 g/モル未満の分子量を有する少なくとも1種のジイソシアネートとから付加反応によって製造される。付加反応には、加えて、短鎖ジオールを、鎖延長剤として用いることができる。この付加反応は、ポリカプロラクトンジオールおよび場合により用いる鎖延長剤のヒドロキシル基の合計が、ポリイソシアネートのイソシアネート基に対して化学量論的過剰に存在するように行う。
【0016】
特に好ましい1つの実施態様では、ポリウレタンP2は、アルキレンジオール、より特にブタンジオールで鎖延長されたポリウレタン鎖であり、ポリカプロラクトンジオールと、1000 g/モル未満の分子量を有するジイソシアネートとから形成される。
【0017】
1000 g/モル未満の分子量を有するジイソシアネートとしては、より特に、4,4'-、2,4'-、および2,2'-ジフェニルメタンジイソシアネートおよびその異性体の任意の所望の混合物(MDI)、2,4-および2,6-トリレンジイソシアネートおよびその異性体の任意の所望の混合物(TDI)、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(すなわち、イソホロンジイソシアネート(IPDI))、またはパーヒドロ2,4'-および-4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート(HMDI)が好適である。MDIが好ましい。
【0018】
固体ポリウレタンP2は、DIN 53.735に準拠して測定して、30〜100 g/10分、より特に70〜90 g/10分のメルトフローインデックス(MFI)を有することが好ましい。
【0019】
ポリウレタンP2は、非常に速い結晶化速度および高度の熱可塑性において注目に値する。
【0020】
好ましい固体ポリウレタンP2は、Merquinsa社(スペイン)からのブランド名Pearlbond(登録商標)の下で入手可能な特定のポリウレタンである。Pearlbond(登録商標)DIPP-523、Pearlbond(登録商標)503、Pearlbond(登録商標)DIPP-521、およびPearlbond(登録商標)501が特に好ましい。Pearlbond(登録商標)DIPP-523が最も好ましい。
【0021】
室温で固体である線状ポリウレタンP2の分率が、湿気反応性ホットメルト接着剤組成物全体に基づいて1.5重量%〜10重量%、好ましくは2.0重量%〜6.5重量%であることが好ましい。
【0022】
本湿気反応性ホットメルト接着剤組成物は、室温で液体であるポリウレタンプレポリマーP1をさらに含む。好適なポリウレタンプレポリマーP1は、より詳細には、少なくとも1種のポリイソシアネートと少なくとも1種のポリオールとの反応であって、NCO/OH比が2.5未満、より特に2.2未満である反応によって得ることができる。
【0023】
この反応は、ポリオールとポリイソシアネートとを、通常の方法、50℃〜100℃の温度にて、例えば場合により好適な触媒を併用させて反応させることによって実施することができる。この場合において、ポリイソシアネートは、そのイソシアネート基がポリオールのヒドロキシル基に基づいて化学量論的過剰で存在するように計り入れる。有利には、2.5未満のNCO/OH比、より特に2.2未満のNCO/OH比が観測されるように、ポリイソシアネートを計り入れる。本明細書においてNCO/OH比は、用いるヒドロキシル基の数に対する用いるイソシアネート基の数の比を意味する。好ましくは、ポリオールのすべてのヒドロキシル基が反応した後、ポリウレタンプレポリマーP1全体に基づいて、遊離のイソシアネート基が0.5重量%〜3重量%の含有量で残存する。
【0024】
所望する場合には、ポリウレタンプレポリマーP1は、可塑剤の使用を伴って製造することができる。この場合、使用する可塑剤は、イソシアネートと反応性である基を全く含まない。
【0025】
ポリウレタンプレポリマーP1の製造のためのポリオールとして、例えば、以下の商業的に入手可能なポリオールまたはその混合物がある:
【0026】
− ポリオキシアルキレンポリオール。ポリエーテルポリオールまたはオリゴエーテルオールとも呼ばれ、これらは、エチレンオキシド、1,2-プロピレンオキシド、1,2-もしくは2,3-ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン、またはこれらの混合物の重合生成物である。これらは、水、アンモニアあるいは、2つ以上のOH基またはNH基を有する化合物(例えば、1,2-エタンジオール、1,2-および1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、異性体のジプロピレングリコールおよびトリプロピレングリコール、異性体のブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ウンデカンジオール、1,3-および1,4-シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、1,1,1-トリメチロールエタン、1,1,1-トリメチロールプロパン、グリセロール、アニリン、ならびにまた前述の化合物の混合物など)などの2個以上の活性水素原子を有する開始剤分子を用いて重合することができる。不飽和度(ASTM D-2849-69に従って測定され、ポリオール1g当たりの不飽和のミリ当量(ミリ当量/g)で報告されたもの)が低いポリオキシアルキレンポリオール〔例えば、二重金属シアニド錯体触媒(DMC触媒)として知られているものを用いて製造されるもの〕、および、不飽和度が高いポリオキシアルキレンポリオール〔例えば、NaOH、KOH、CsOH、またはアルカリ金属アルコキシドなどのアニオン性触媒を用いて製造されるもの〕の双方を使用することができる。
【0027】
ポリオキシアルキレンジオールまたはポリオキシアルキレントリオール、より特にポリオキシプロピレンジオールまたはポリオキシプロピレントリオールが特に適している。
【0028】
0.02ミリ当量/g未満の不飽和度を有し、1000〜30000 g/モルの範囲の分子量を有するポリオキシアルキレンジオールまたはポリオキシアルキレントリオール、ならびに、400〜8000 g/モルの分子量を有するポリオキシプロピレンジオールおよびポリオキシプロピレントリオールが特に適している。
【0029】
同様に、エチレンオキシド末端化(「EOでエンドキャップされた」、エチレンオキシドでエンドキャップされた)ポリオキシプロピレンポリオールとして知られているものが特に適している。後者は、特定のポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレン-ポリオールであり、例えば、純粋なポリオキシプロピレンポリオール、より特にポリオキシプロピレン-ジオールおよび-トリオールを、ポリプロポキシ化反応の終点後に、エチレンオキシドでさらにアルコキシル化させることによって得られ、この結果、一級ヒドロキシル基を有している。
【0030】
− スチレン-アクリロニトリル-またはアクリロニトリル-メチルメタクリレート-グラフト化ポリエーテルポリオール。
【0031】
− ポリエステルポリオール。オリゴエステルオールとも呼ばれ、例えば、二価から三価アルコール(例えば、1,2-エタンジオール、ジエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセロール、1,1,1-トリメチロールプロパンまたは前述のアルコールの混合物など)と、有機ジカルボン酸またはその無水物またはエステル(例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、およびヘキサヒドロフタル酸または前述の酸の混合物など)とから製造される。ラクトン(例えばε-カプロラクトンなど)から形成されるポリエステルポリオールも挙げることができる。
【0032】
− ポリカーボネートポリオール。例えば、上記アルコール(ポリエステルポリオールを合成するために使用したもの)と、ジアルキルカーボネート、ジアリールカーボネート、またはホスゲンとを反応させることによって得られる種類のもの。
【0033】
− ポリアクリレートポリオールおよびポリメタクリレートポリオール。
【0034】
− ポリヒドロカーボンポリオール。オリゴヒドロカーボンオールとも呼ばれる。例えば、ポリヒドロキシ官能性のエチレン-プロピレンコポリマー、エチレン-ブチレンコポリマー、もしくはエチレン-プロピレン-ジエンコポリマー(例えば、Kraton Polymers社によって製造される種類のもの)、または、ジエン(例えば、1,3-ブタンジエンまたはジエン混合物など)とビニルモノマー(例えば、スチレン、アクリロニトリル、またはイソブチレンなど)とのポリヒドロキシ官能性コポリマー、またはポリヒドロキシ官能性ポリブタジエンポリオール(例えば、1,3-ブタジエンとアリルアルコールとの共重合によって製造されるものなど)など。
【0035】
− ポリヒドロキシル官能性アクリロニトリル/ポリブタジエンコポリマーであって、例えば、エポキシドまたはアミノアルコールと、カルボキシル末端化されたアクリロニトリル/ポリブタジエンコポリマー(Hanse Chemie社から商品名Hycar(登録商標)CTBNの下で市販されている)とから製造可能な種類のもの。
【0036】
上述したポリオールは、好ましくは、250〜30000 g/モル、より特に1000〜30000 g/モルの平均分子量を有し、好ましくは、1.6〜3個の範囲の平均OH官能基を有する。
【0037】
上述したポリオールに加えて、少量の低分子質量二価または多価アルコール、例えば、1,2-エタンジオール、1,2-および1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールおよびトリプロピレングリコールの異性体類、ブタンジオールの異性体類、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ウンデカンジオール、1,3-および1,4-シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールA、二量体脂肪アルコール、1,1,1-トリメチロールエタン、1,1,1-トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、糖アルコール、(例えば、キシリトール、ソルビトール、またはマンニトールなど)、糖(例えば、ショ糖など)、他の多価アルコール、前述の二価および多価アルコール類の低分子質量アルコキシ化生成物、ならびに、前述のアルコール類の混合物などを、ポリウレタンプレポリマーP1の製造に使用することが可能である。
【0038】
液体ポリウレタンプレポリマーP1は、ポリオキシアルキレンポリオール、より特にポリアルキレンジオール、好ましくは0.02ミリ当量/g未満の不飽和度を有し、1000〜30000 g/モル、より特に1000〜8000 g/モルの平均分子量を有するものと、少なくとも1種のポリイソシアネートとから少なくとも製造される。
【0039】
ポリウレタンプレポリマーP1を製造するためのポリイソシアネートとして、商業的に通例のポリイソシアネートを使用することが可能であり、例には以下のものがある:
1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2-メチルペンタメチレン1,5-ジイソシアネート、2,2,4-および2,4,4-トリメチル1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、1,12-ドデカメチレンジイソシアネート、リシンジイソシアネートおよびリシンエステルジイソシアネート、シクロヘキサン1,3-および1,4-ジイソシアネートおよびその異性体の任意の所望の混合物、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(すなわち、イソホロンジイソシアネート(IPDI))、パーヒドロ2,4'-および-4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート(HMDI)、1,4-ジイソシアナト-2,2,6-トリメチルシクロヘキサン(TMCDI)、1,3-および1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、m-およびp-キシリレンジイソシアネート(m-およびp-XDI)、m-およびp-テトラメチル-1,3-および-1,4-キシリレンジイソシアネート(m-およびp-TMXDI)、ビス(1-イソシアナト-1-メチルエチル)ナフタレン、2,4-および2,6-トリレンジイソシアネートおよびその異性体の任意の所望の混合物(TDI)、4,4'-、2,4'-、および2,2'-ジフェニルメタンジイソシアネートおよびその異性体の任意の所望の混合物(MDI)、1,3-および1,4-フェニレンジイソシアネート、2,3,5,6-テトラメチル-1,4-ジイソシアナトベンゼン、ナフタレン1,5-ジイソシアネート(NDI)、3,3'-ジメチル-4,4'-ジイソシアナトビフェニル(TODI)、前述のイソシアネートのオリゴマーおよびポリマー、ならびに、前述のイソシアネートの任意の所望の混合物。MDI、TDI、HDI、およびIPDIが好ましい。
【0040】
典型的には、液体ポリウレタンプレポリマーP1は、ホットメルト接着剤組成物全体に基づいて20重量%〜40重量%の分率で存在する。
【0041】
特に好ましいホットメルト接着剤組成物は、ポリウレタンプレポリマーP1のポリウレタンP2に対する重量比が、15〜4、より特に10〜6である
【0042】
機械的特性および適用特性を最適化するためには、ホットメルト接着剤組成物がさらに少なくとも1種の充填剤を含むことが有利である。充填剤は、ホットメルト接着剤組成物全体に基づいて、20重量%〜50重量%の量で用いることがこのましい。好適な充填剤には、有機および無機充填剤、例えば、天然の粉砕または沈降炭酸カルシウム〔適切な場合、脂肪酸(特にステアレート)でコーティングされたもの〕、またはバライト(BaSO4、重晶石とも呼ばれる)、焼成カオリン、シリカ(より特に、熱分解処理からの高分散シリカ)、カーボンブラック、より特に工業的に製造されたカーボンブラック(以下、「カーボンブラック」と呼ぶ)、PVC粉末または中空のビーズ、ならびに難燃性充填剤(例えば、水和物または水酸化物など、より特に水酸化アルミニウムおよび焼成酸化アルミニウムが含まれる。好ましい充填剤は、炭酸カルシウム、カーボンブラック、および焼成カオリンである。
【0043】
加えて、ホットメルト接着剤組成物が、少なくとも1種の触媒、より特に有機スズ触媒、例えば、ジブチルスズジラウレートを含むことが好ましい。
【0044】
触媒の混合物、より特に、有機スズ触媒と、第三級アミノ基を有する触媒〔例えば、2,2'-ジモルホリノジエチルエーテル(DMDEE)または1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)など〕との混合物を使用することが特に有利であることが分かった。
【0045】
触媒の量、特に有機スズ触媒の量は、ホットメルト接着剤組成物全体に基づいて、0.1重量%〜2重量%であることが有利である。
【0046】
本組成物は、場合により、従来技術にしたがって典型的に用いられる種類の更なる構成成分を含む。より特に、本組成物は、所望する場合には、1種以上の以下の助剤および添加剤を含む。
【0047】
− 可塑剤。例えば、有機カルボン酸またはその無水物のエステル(例えば、フタル酸ジオクチルまたはフタル酸ジイソデシルなど)、例えば、アジペート(例えば、アジピン酸ジオクチルなど)、セバケート、ポリオール(例えば、ポリオキシアルキレンポリオールまたはポリエステルポリオールなど)、有機リン酸およびスルホン酸エステル、またはポリブテン。
【0048】
− 溶媒。例えば、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン、アセトニルアセトン、メシチルオキサイドなど)、環状ケトン(例えば、メチルシクロヘキサノンおよびシクロヘキサノンなど);エステル(例えば、エチルアセテート、プロピルアセテートまたはブチルアセテート、ホルメート、プロピオネート、またはマロネートなど);エーテル(例えば、ケトンエーテル、エステルエーテルなど)およびジアルキルエーテル(例えば、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、およびエチレングリコールジエチルエーテルなど);脂肪族および芳香族炭化水素(例えば、トルエン、キシレン、へプタン、オクタンなど)、およびさまざまな石油留分(例えば、ナフサ、ホワイトスピリット、石油エーテル、またはベンジンなど);ハロゲン化炭化水素(例えば、塩化メチレンなど);およびN-アルキル化ラクタム(例えば、N-メチルピロリドン、N-シクロヘキシルピロリドン、またはN-ドデシルピロリドンなど)。
【0049】
− ポリウレタン化学において通例のさらなる触媒。
【0050】
− 反応性希釈剤および架橋剤。例えば、ポリイソシアネート(例えば、MDI、PMDI、TDI、HDI、1,12-ドデカメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン1,3-または1,4-ジイソシアネート、IPDI、パーヒドロ2,4'-および-4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3-および1,4-テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど)、これらのポリイソシアネートのオリゴマーおよびポリマー(より特に、前述のポリイソシアネートのイソシアヌレート、カルボジイミド、ウレトンイミン、ビュウレット、アロファネート、およびイミノオキサジアジンジオンなど)、ポリイソシアネートと短鎖ポリオールとの付加物、ならびに他のジヒドラジド類。
【0051】
− 潜在性ポリアミン。例えば、ポリアルジミン、ポリケチミン、ポリエナミン、ポリオキサゾリジン、マイクロカプセル化されたかあるいはゼオライトに吸収されたポリアミン、アミン-金属錯体。第一級脂肪族ポリアミンとアルデヒド(より特に、例えば、2,2-ジメチル-3-アシロキシプロパナール、より特に2,2-ジメチル-3-ラウロイルオキシプロナールなどのアルデヒド)との反応からのポリアルジミンが好ましい。さらに、メチレンジアニリン(MDA)と、塩化ナトリウムとから形成された錯体〔ジエチルヘキシルフタレートまたはジイソデシルフタレート中の分散物としてCrompton ChemicalからCaytur(登録商標)21の商標名の下で販売されている〕も好ましい。
【0052】
− 乾燥剤、例えば、p-トシルイソシアネートおよび他の反応性イソシアネート、オルトギ酸エステル、酸化カルシウム;ビニルトリメトキシシランまたは他の易加水分解性シラン(例えば、有機アルコキシシラン、例えば、シラン基のα位に位置する官能基を有する有機アルコキシシランなど)、またはモレキュラーシーブ。
【0053】
− レオロジー調整剤(例えば、増粘剤など、例えば、尿素化合物など)、ポリアミドワックス、ベントナイト、またはヒュームドシリカ。
【0054】
− 接着促進剤、より特に、有機アルコキシシラン(例えば、エポキシシラン、ビニルシラン、(メタ)アクリロシラン、イソシアナトシラン、カルバマトシラン、S-(アルキルカルボニル)-メルカプトシラン、およびアルジミノシランなど)、およびこれらのシランのオリゴマー形態。
【0055】
− 熱照射、光照射およびUV線照射に対する安定剤。難燃剤。
【0056】
− 界面活性物質、例えば、湿潤剤、フロー制御剤、脱気剤、または脱泡剤など。
【0057】
− 殺生物剤、例えば、殺藻剤、殺真菌剤、または真菌増殖阻害剤。
【0058】
加えて、イソシアネート含有組成物において典型的に用いられるさらなる物質。
【0059】
記載した湿気硬化性ホットメルト接着剤組成物は、湿分を含まない条件下に保つ。組成物は、貯蔵安定性を有する。すなわち、湿分のない条件下、適切な包材または施設、例えばドラム、小袋、またはカートリッジ中で、数ヵ月から1年以上にわたる期間中、その適用特性またはその硬化後の特性において、使用に関連するいかなる変化をも受けることなく保存することができる。通例、貯蔵安定性は、粘度、押出し容積、押出し力の測定によって測定する。
【0060】
ホットメルト接着剤組成物は、水によって架橋反応する(化学的架橋)。ここで、イソシアネート基は、水、より特に大気中の湿気の形態の水と反応して尿素基を形成する。イソシアネート基の大部分または全てが反応した後、ホットメルト接着剤組成物はその極限強さを達成する。
【0061】
さらなる態様において、本発明は、第一の基材S1と第二の基材S2とを接着結合させる方法であって、
(i) 上述した湿気反応性ホットメルト接着剤組成物を、40℃〜120℃、より特に60℃〜90℃の温度に加熱する工程と、
(ii) 加熱した前記湿気反応性ホットメルト接着剤組成物を、第一の基材S1の表面に適用する工程と、
(iii) オープンタイム内に、第二の基材S2の表面を、第一の基材S1に適用した前記ホットメルト接着剤組成物に接触させることによって結合させる工程と、
(iv) 前記ホットメルト接着剤組成物を水によって硬化させる工程と
を含み、
第一の基材S1と第二の基材S2とが、同じ材料でできているかまたは異なる材料でできている方法を提供する。
【0062】
本方法の一変形態様は、少なくとも以下の工程:
(i) 上述した湿気反応性ホットメルト接着剤組成物を、40℃〜120℃、より特に60℃〜90℃の温度に加熱する工程と、
(ii’) 加熱した前記湿気反応性ホットメルト接着剤組成物を、第一の基材S1の表面と第二の基材S2の表面とによって少なくとも部分的に形成された間隙に適用し、接着剤によって第一の基材S1の表面と第二の基材S2の表面とを接触させる工程と、
(iv) 前記ホットメルト接着剤組成物を水によって硬化させる工程と
を含み、
第一の基材S1と第二の基材S2とが、同じ材料でできているかまたは異なる材料でできている方法である。
【0063】
好ましい第一の基材S1および/または第二の基材S2は、より特に、ガラス、ガラスセラミック、PVC、金属、木材、コーティングされた金属、またはコーティングされた木材である。
【0064】
特に好ましくは、2つの基材S1およびS2の一方がガラスまたはガラスセラミックであり、他方がPVC、コーティングされた金属、またはコーティングされた木材である。
【0065】
オープンタイム、換言すれば、ホットメルト接着剤組成物の適用時点と、ホットメルト接着剤組成物が接着させるべき基材への接着性を失う時点との間の経過時間は、少なくとも40分である。皮膜形成時間は、オープンタイムと同じ長さであるかまたはより長い。すなわち、ホットメルト接着剤組成物は、少なくとも40分のオープンタイムを有する。オープンタイムは、40〜240分、より特に40〜180分であることが好ましい。最も好ましくは、オープンタイムは40〜80分である。
【0066】
結合がオープンタイム内に起こると、その中間時点であっても初期強度が生じ、ホットメルト接着剤組成物が、基材S1と基材S2との間の力を伝達することが可能になる。
【0067】
ホットメルト接着剤組成物を、適用直後に大気中の水と接触し、これにより化学的硬化反応がこの時点で開始し得ることを理解することが重要である。しかし、この硬化は、工程(iii)の結合工程の前、あるいは工程(ii’)の接触工程の前であり、皮膜が表面に形成される程度にまで化学的硬化が進んでいない。通例では、化学的硬化は、その大部分が、工程(iii)の結合工程の後、あるいは工程(ii’)の接触工程の後に起こる。
【0068】
オープンタイムの時間内には、ホットメルト接着剤組成物が硬化した後の接着性にいかなる悪影響も及ぼさないで、被接着体を動かし、包装し、または調整することができる。
【0069】
この種の接着結合方法を実施した結果、接着結合した物品が得られる。
【0070】
この種の物品は、広い範囲の使用分野の物品であってよい。好ましくは、物品は、グレージングユニット、ウィンドウ、またはドアである。これが次には、建造物、または輸送手段の一部を構成する。
【0071】
本ホットメルト接着剤組成物は、表面積の広い部品の接着結合に好適である。
【0072】
好ましい用途には、第一に、輸送手段、より特に、バスまたは鉄道車両におけるグレージングユニットの取り付けが含まれる。
【0073】
第二の好ましい用途は、ドアまたはウインドウの製造である。この用途においては、ガラスグレージングユニット、好ましくは断熱ガラスユニットを、木材、プラスチック、好ましくはPVC、あるいは金属、好ましくはコーティングした金属でできたフレームに、ホットメルト接着剤組成物を用いて接着結合させる。
【実施例】
【0074】
しかし、上述した用途とは別に、本ホットメルト接着剤組成物は、さらなる用途のために利用することもできる。
【0075】
【表1】

【0076】
[イソシアネート基を有する、室温で液体のポリウレタンプレポリマーP1の製造(P1−1)]
湿気の非存在下で、攪拌した反応槽内に、1560 gのAcclaim(登録商標)4200N、3120 gのVoranol(登録商標)CP 4755、600 gのジイソデシルフタレート(DIDP)、および720 gの4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(125 g/当量のNCO当量重量を有するもの)を、混合物のイソシアネート含量が2.15重量%の一定値になるまで90℃にて4時間攪拌した。得られた生成物を室温に冷却し、湿気の非存在下に保った。生成物は20℃にて64 Pa・秒の粘度を有していた。
【0077】
[ホットメルト接着剤組成物の製造:比較例1〜3および実施例1〜4]
ホットメルト接着剤組成物を、加熱ジャケットおよび真空ポンプを備えた遊星形ミキサー内で製造した。
【0078】
可塑剤(DIDP)を、最初の装入物として導入した後、上述の通りに製造したポリウレタンプレポリマーP1−1、チキソトロピー剤(ヒュームドシリカ)、および固体ポリマー(ポリウレタンP2:「539」、「Acronal」、または「Irostic」)を、添加し、これらの成分を窒素下で5分間攪拌した。その後、充填剤(焼成カオリン)を添加し、窒素下で10分間攪拌した。次いで、混合物を、100 mbarまで減圧にし、混合物の温度が70℃に上昇するまで成分を高速度で混合した。このホットメルト接着剤組成物のきめの細かさを観察し、必要に応じてさらに攪拌した。その後、触媒溶液(DIDP中の25重量%のジブチルスズジラウレート)を添加し、成分を再び高速で5分間混合した。その後、真空を窒素によって破壊し、ホットメルト接着剤組成物をアルミニウムカートリッジに分注した。
【0079】
[測定方法]
「オープンタイム」は、以下の通りに測定した。各ホットメルト接着剤組成物が入った密封したカートリッジを、80℃で2時間加熱した。次いで、この接着剤を、カートリッジの先端に付けた円形ノズルを通して、8.5 mmの口径を有するビードとして、冷たいガラス板に23℃にて適用した。定期的に、接着剤のビードをポリエチレンピペットの先端と接触させて、ピペットが硬化しつつある組成物によって濡れることが観察できなくなる時点を測定した。この時点を「オープンタイム」として記録した。
【0080】
「粘度」は、サーモスタット付粘度計、Physica MCR 300(プレート/プレート型、プレート直径20 mm、プレート間隔1 mm、せん断速度50 秒-1)を使用して、各温度(50℃、75℃、および100℃)にて測定し、「50°Cでの粘度」、「75°Cでの粘度」、および「100°Cでの粘度」として記録した。
【0081】
「ショアA硬度」は、DIN 53505に準拠して測定した。試料は、23℃および50%相対湿度で、1日間、7日間、および14日間硬化させた後、測定に用いた。
【0082】
「全硬化速度」は、以下の通りに測定した。
【0083】
80℃のオーブン内で2時間貯蔵した接着剤を、テフロン(登録商標)型内の楔形の凹部に適用し、木製スパチュラで平坦化した。標準条件下(23±1℃、相対湿度50±5%)で24時間保持した後、架橋した接着剤を、楔状の細い端部から出発して、楔状凹部の傾斜した表面上に未架橋の接着剤が見られる地点(厚さ)まで注意深くテフロン(登録商標)型から持ち上げた。この寸法により、この方法で、全硬化速度の尺度として、硬化中の層の厚さを測定することができる。この数値を、表2に「TCR24h」として記録した。
【0084】
「引張強度」および「破断伸び」は、DIN 53504(引張速度:200 mm/分)に準拠して、標準条件下(23±1℃、相対湿度50±5%)で14日間硬化させた、1.1 mmの層厚さを有するフィルムについて測定した。
【0085】
「接着性」は、以下の通りに測定した。
【0086】
接着性の試験するために、基材を、Sika(登録商標)Cleaner 205で洗浄した。10分間蒸発させた後に、個々の組成物を、80℃のオーブン内で2時間加熱したカートリッジからのビードの形態で適用した。次いで、ビードがコートされた基材を、標準条件下(23±1℃、相対湿度50±5%)で7日間保管し、その後接着を試験した。接着を試験するために、硬化したビードの一端に基材の表面(結合表面)の直上まで切り込みを入れた。ビードの切り込んだ端を手で持って注意深くかつゆっくり基材表面からビードのもう一方の端の方向へ引っ張った。このはがす過程で、引っ張るとビードの端がちぎれそうになるほど接着が強い場合は、カッターを使用してビードを引っ張る方向と直角にプラックの裸の表面まで切り、こうしてビードの切片を取り除いた。この種の切り取りは、引っ張りを続ける過程で必要に応じて、2〜3mmの間隔で繰り返した。この方法でビード全体を基材から引張りおよび/または切り取った。接着性は、ビードを取り除いた後で基材表面に残っている硬化したシーラントまたは接着剤(凝集破壊)に基づいて評価した。評価は、接着面の凝集破壊の割合を見積ることによって、次の尺度に従って行った。
1=凝集破壊95%超
2=凝集破壊75%〜95%
3=凝集破壊25%〜75%
4=凝集破壊25%未満
75%未満の凝集破壊値、すなわちスコア3および4の試験結果では、不十分と考えられる。
【0087】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)室温で液体であり、イソシアネート基を有するポリウレタンプレポリマーP1少なくとも1種と、
b)室温で固体であり、ポリカプロラクトンセグメントを有し、ヒドロキシル基を有し、かつ170℃で100〜300 Pa・秒の溶融粘度を有する線状ポリウレタンP2少なくとも1種と
を含む、湿気反応性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項2】
室温で固体であり、ポリカプロラクトンセグメントを有する線状ポリウレタンP2が、少なくとも1種のポリカプロラクトンジオールと、1000 g/モル未満の分子量を有する少なくとも1種のジイソシアネートとから製造されることを特徴とする、請求項1に記載の湿気反応性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項3】
室温で固体であり、ポリカプロラクトンセグメントを有するポリウレタンP2が、アルキレンジオール、より特にブチレンジオールで鎖延長されたポリウレタンであり、
ポリカプロラクトンジオールと、
1000 g/モル未満の分子量を有するジイソシアネート、より特に、4,4'-、2,4'-、および2,2'-ジフェニルメタンジイソシアネートおよびその異性体の任意の所望の混合物(MDI)、2,4-および2,6-トリレンジイソシアネートおよびその異性体の任意の所望の混合物(TDI)、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(すなわち、イソホロンジイソシアネート(IPDI))、またはパーヒドロ2,4'-および-4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート(HMDI)、好ましくはMDIと
から形成されることを特徴とする、請求項2に記載の湿気反応性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項4】
室温で固体であり、ポリカプロラクトンセグメントを有する線状ポリウレタンP2が、30〜100 g/10分、より特に70〜90 g/10分のメルトフローインデックスを有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の湿気反応性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項5】
室温で固体であり、ポリカプロラクトンセグメントを有する線状ポリウレタンP2が、170℃で100〜150 Pa・秒の溶融粘度を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の湿気反応性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項6】
室温で固体であり、ポリカプロラクトンセグメントを有する線状ポリウレタンP2が、5 mg KOH/g未満のOH価を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の湿気反応性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項7】
室温で液体であり、イソシアネート基を有するポリウレタンプレポリマーP1が、
少なくとも1種のポリオキシアルキレンポリオール、より特に、ポリアルキレンジオール、好ましくは、0.02 ミリ当量/g未満の不飽和度、および1000〜30000 g/モル、より特に1000〜8000 g/モルの分子量を有するものと、
少なくとも1種のポリイソシアネートと
から製造されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の湿気反応性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項8】
室温で固体であり、ポリカプロラクトンセグメントを有する線状ポリウレタンP2の分率が、湿気反応性ホットメルト接着剤組成物の重量に基づいて1.5重量%〜10重量%、好ましくは2重量%〜6.5重量%であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の湿気反応性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項9】
室温で液体であるポリウレタンプレポリマーP1の固体の、ポリウレタンP2に対する重量比が、15〜4、より特に10〜6であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の湿気反応性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項10】
少なくとも1種の充填剤をさらに含むこと、より特に、湿気反応性ホットメルト接着剤組成物の重量に基づいて20重量%〜50重量%の量で少なくとも1種の充填剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の湿気反応性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項11】
前記組成物が、少なくとも1種の有機スズ触媒を含むこと、より特に、湿気反応性ホットメルト接着剤組成物の重量に基づいて0.1重量%〜2重量%の量で少なくとも1種の有機スズ触媒を含むことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の湿気反応性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項12】
第一の基材S1と第二の基材S2とを接着結合させる方法であって、
(i) 請求項1から11のいずれか一項に記載の湿気反応性ホットメルト接着剤組成物を、40℃〜120℃、より特に60℃〜90℃の温度に加熱する工程と、
(ii) 加熱した前記湿気反応性ホットメルト接着剤組成物を、第一の基材S1の表面に適用する工程と、
(iii) オープンタイム内に、第二の基材S2の表面を、第一の基材S1に適用した前記ホットメルト接着剤組成物に接触させることによって結合させる工程と、
(iv) 前記ホットメルト接着剤組成物を水によって硬化させる工程と
を含み、
第一の基材S1と第二の基材S2とが、同じ材料でできているかまたは異なる材料でできている、方法。
【請求項13】
第一の基材S1と第二の基材S2とを接着結合させる方法であって、
(i) 請求項1から11のいずれか一項に記載の湿気反応性ホットメルト接着剤組成物を、40℃〜120℃、より特に60℃〜90℃の温度に加熱する工程と、
(ii’) 加熱した前記湿気反応性ホットメルト接着剤組成物を、第一の基材S1の表面と第二の基材S2の表面とによって少なくとも部分的に形成された間隙に適用し、接着剤によって第一の基材S1の表面と第二の基材S2の表面とを接触させる工程と、
(iv) 前記ホットメルト接着剤組成物を水によって硬化させる工程と
を含み、
第一の基材S1と第二の基材S2とが、同じ材料でできているかまたは異なる材料でできている、方法。
【請求項14】
第一の基材S1および/または第二の基材S2が、ガラス、ガラスセラミック、PVC、金属、木材、コーティングされた金属、またはコーティングされた木材でできていることを特徴とする、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
2つの基材S1およびS2の一方がガラスまたはガラスセラミックであり、他方がPVC、コーティングされた金属、またはコーティングされた木材であることを特徴とする、請求項12〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記オープンタイムが、40〜240分間、より特に40〜180分間、好ましくは40〜80分間であることを特徴とする、請求項12〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
請求項12〜16のいずれか一項に記載の方法によって接着結合された物品。
【請求項18】
前記物品が、グレージングユニット、ウィンドウ、またはドアであることを特徴とする、請求項17に記載の接着結合された物品。
【請求項19】
前記物品が、建造物または輸送手段であることを特徴とする、請求項17に記載の接着結合された物品。

【公表番号】特表2009−541517(P2009−541517A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−515898(P2009−515898)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【国際出願番号】PCT/EP2007/056600
【国際公開番号】WO2008/000832
【国際公開日】平成20年1月3日(2008.1.3)
【出願人】(504274505)シーカ・テクノロジー・アーゲー (227)
【Fターム(参考)】