延長した半減期を有する分子ならびにその組成物および用途
【課題】増加したin vivo半減期を有する、IgG、非IgG免疫グロブリン、タンパク質および非タンパク質物質を含めた分子を提供する。
【解決手段】FcRnに対するIgG定常ドメインまたはそのFcRn結合性フラグメントの親和性を増加させる1以上のアミノ酸修飾を有するIgG定常ドメインまたはそのFcRn結合性部分。これらのアミノ酸修飾の1以上を有するIgG定常ドメインの全部または一部(FcRn結合性部分)と、そのような修飾IgG定常ドメインに結合した非IgGタンパク質または非タンパク質分子とを含有する融合タンパク質。
【解決手段】FcRnに対するIgG定常ドメインまたはそのFcRn結合性フラグメントの親和性を増加させる1以上のアミノ酸修飾を有するIgG定常ドメインまたはそのFcRn結合性部分。これらのアミノ酸修飾の1以上を有するIgG定常ドメインの全部または一部(FcRn結合性部分)と、そのような修飾IgG定常ドメインに結合した非IgGタンパク質または非タンパク質分子とを含有する融合タンパク質。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
野生型IgG定常ドメインに対して、KabatのEU番号付けに基づくアミノ酸残基428での置換を含む、IgG定常ドメインまたはそのFcRn結合性フラグメントを含んでなる修飾されたIgGであって、該修飾IgGが、野生型IgG定常ドメインを有するIgGの半減期と比較して異なる半減期を有する、上記修飾IgG。
【請求項2】
アミノ酸残基428でのアミノ酸置換が、メチオニン、トレオニン、ロイシン、フェニルアラニンまたはセリンによる置換である、請求項1に記載の修飾IgG。
【請求項3】
対応する野生型IgG定常ドメインに対して、KabatのEU番号付けに基づくアミノ酸残基251-256、285-290、308-314、385-389および429-436のうち1以上での1以上のアミノ酸置換をさらに含む、請求項1または2に記載の修飾IgG。
【請求項4】
アミノ酸残基251でのアミノ酸置換がロイシンまたはアルギニンによる置換であり、アミノ酸残基252でのアミノ酸置換がチロシン、フェニルアラニン、セリン、トリプチトファンまたはトレオニンによる置換であり、アミノ酸残基254でのアミノ酸置換がトレオニンまたはセリンによる置換であり、アミノ酸残基255でのアミノ酸置換がロイシン、グリシン、イソロイシンまたはアルギニンによる置換であり、アミノ酸残基256でのアミノ酸置換がセリン、アルギニン、グルタミン、グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン、アスパラギンまたはトレオニンによる置換であり、アミノ酸残基308でのアミノ酸置換がトレオニンによる置換であり、アミノ酸残基309でのアミノ酸置換がプロリンによる置換であり、アミノ酸残基311でのアミノ酸置換がセリンによる置換であり、アミノ酸残基312でのアミノ酸置換がアスパラギン酸による置換であり、アミノ酸残基314でのアミノ酸置換がロイシンまたはアラニンによる置換であり、アミノ酸残基385でのアミノ酸置換がアルギニン、アスパラギン酸、セリン、トレオニン、ヒスチジン、リシンまたはアラニンによる置換であり、アミノ酸残基386でのアミノ酸置換がトレオニン、プロリン、アスパラギン酸、セリン、リシン、アルギニン、イソロイシンまたはメチオニンによる置換であり、アミノ酸残基387でのアミノ酸置換がアルギニン、ヒスチジン、セリン、トレオニン、アラニンまたはプロリンによる置換であり、アミノ酸残基389でのアミノ酸置換がプロリンまたはセリンによる置換であり、アミノ酸残基433でのアミノ酸置換がリシン、アルギニン、セリン、イソロイシン、プロリン、グルタミンまたはヒスチジンによる置換であり、アミノ酸残基434でのアミノ酸置換がフェニルアラニン、チロシンまたはヒスチジンによる置換であり、アミノ酸残基436でのアミノ酸置換が、ヒスチジン、アスパラギン、アルギニン、トレオニン、リシンまたはメチオニンによる置換である、請求項3に記載の修飾IgG。
【請求項5】
前記IgG定常ドメインがヒトIgG定常ドメインである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の修飾IgG。
【請求項6】
前記IgG定常ドメインがヒトIgG1、IgG2、IgG3またはIgG4定常ドメインである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の修飾IgG。
【請求項7】
ヒトまたはヒト化IgGである、請求項5に記載の修飾IgG。
【請求項8】
前記IgG定常ドメインが非ヒトIgG定常ドメインである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の修飾IgG。
【請求項9】
ヒト化抗CD25モノクローナル抗体、キメラ抗CD25モノクローナル抗体、ヒト化抗αvβ3インテグリン抗体、またはヒト化抗CD3抗体である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の修飾IgG。
【請求項10】
呼吸器合胞体ウイルス(RSV)抗原に免疫特異的に結合する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の修飾IgG。
【請求項11】
FcRnに対して、野生型IgG定常ドメインを含む対応するIgGよりも高い親和性を有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の修飾IgG。
【請求項12】
FcRnに対して、pH 7.4におけるよりもpH 6.0において野生型IgG定常ドメインを含む対応するIgGよりも高い親和性を有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の修飾IgG。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の修飾IgGと製薬上許容される担体とを含んでなる医薬組成物。
【請求項14】
容器に入れられた請求項1〜12のいずれか1項に記載の修飾IgGと使用説明書とを含んでなるキット。
【請求項15】
修飾されたIgG定常ドメインまたはFcRnに結合するそのフラグメントと共有結合した非IgGポリペプチドを含んでなる融合タンパク質であって、該修飾IgG定常ドメインまたはそのフラグメントは、対応する野生型IgG定常ドメインに対して、KabatのEU番号付けに基づくアミノ酸残基428での置換を含む、上記融合タンパク質。
【請求項16】
アミノ酸残基428でのアミノ酸置換が、メチオニン、トレオニン、ロイシン、フェニルアラニンまたはセリンによる置換である、請求項15に記載の融合タンパク質。
【請求項17】
前記修飾IgG定常ドメインまたはFcRn結合性フラグメントが、対応する野生型IgG定常ドメインに対して、KabatのEU番号付けに基づくアミノ酸残基251-256、258-290、308-314、385-389、および429-436のうち1以上での1以上のアミノ酸置換をさらに含む、請求項15または16に記載の融合タンパク質。
【請求項18】
アミノ酸残基251でのアミノ酸置換がロイシンまたはアルギニンによる置換であり、アミノ酸残基252でのアミノ酸置換がチロシン、フェニルアラニン、セリン、トリプチトファンまたはトレオニンによる置換であり、アミノ酸残基254でのアミノ酸置換がトレオニンまたはセリンによる置換であり、アミノ酸残基255でのアミノ酸置換がロイシン、グリシン、イソロイシンまたはアルギニンによる置換であり、アミノ酸残基256でのアミノ酸置換がセリン、アルギニン、グルタミン、グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン、アスパラギンまたはトレオニンによる置換であり、アミノ酸残基308でのアミノ酸置換がトレオニンによる置換であり、アミノ酸残基309でのアミノ酸置換がプロリンによる置換であり、アミノ酸残基311でのアミノ酸置換がセリンによる置換であり、アミノ酸残基312でのアミノ酸置換がアスパラギン酸による置換であり、アミノ酸残基314でのアミノ酸置換がロイシンまたはアラニンによる置換であり、アミノ酸残基385でのアミノ酸置換がアルギニン、アスパラギン酸、セリン、トレオニン、ヒスチジン、リシンまたはアラニンによる置換であり、アミノ酸残基386でのアミノ酸置換がトレオニン、プロリン、アスパラギン酸、セリン、リシン、アルギニン、イソロイシンまたはメチオニンによる置換であり、アミノ酸残基387でのアミノ酸置換がアルギニン、ヒスチジン、セリン、トレオニン、アラニンまたはプロリンによる置換であり、アミノ酸残基389でのアミノ酸置換がプロリンまたはセリンによる置換であり、アミノ酸残基433でのアミノ酸置換がリシン、アルギニン、セリン、イソロイシン、プロリン、グルタミンまたはヒスチジンによる置換であり、アミノ酸残基434でのアミノ酸置換がフェニルアラニン、チロシンまたはヒスチジンによる置換であり、アミノ酸残基436でのアミノ酸置換が、ヒスチジン、アスパラギン、アルギニン、トレオニン、リシンまたはメチオニンによる置換である、請求項17に記載の融合タンパク質。
【請求項19】
修飾IgG定常ドメインまたはフラグメントがヒトIgG定常ドメインまたはそのフラグメントである、請求項15〜18のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項20】
前記IgG定常ドメインまたはフラグメントがヒトIgG1、IgG2、IgG3またはIgG4定常ドメインまたはそのフラグメントである、請求項15〜18のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項21】
前記IgG定常ドメインまたはフラグメントが非ヒトIgG定常ドメインまたはそのフラグメントである、請求項15〜18のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項22】
前記修飾IgG定常ドメインまたはフラグメントが、FcRnに対して、対応する野生型IgG定常ドメインまたはそのフラグメントよりも高い親和性を有する、請求項15〜21のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項23】
前記修飾IgG定常ドメインまたはフラグメントが、FcRnに対して、pH 7.4におけるよりもpH 6.0において対応する野生型定常ドメインまたはそのフラグメントよりも高い親和性を有する、請求項15〜21のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項24】
請求項15〜23のいずれか1項に記載の融合タンパク質と製薬上許容される担体とを含んでなる医薬組成物。
【請求項25】
容器に入れられた請求項15〜23のいずれか1項に記載の融合タンパク質と使用説明書とを含んでなるキット。
【請求項26】
修飾されたIgG定常ドメインまたはFcRnに結合するそのフラグメントと結合した非タンパク質物質を含んでなる分子であって、該修飾IgG定常ドメインまたはフラグメントは、対応する野生型IgG定常ドメインまたはそのフラグメントに対して、KabatのEU番号付けに基づくアミノ酸残基428でのアミノ酸置換を含む、上記分子。
【請求項27】
アミノ酸残基428でのアミノ酸置換が、メチオニン、トレオニン、ロイシン、フェニルアラニンまたはセリンによる置換である、請求項26に記載の分子。
【請求項28】
前記修飾IgG定常ドメインまたはフラグメントが、対応する野生型IgG定常ドメインに対して、KabatのEU番号付けに基づくアミノ酸残基251-256、258-290、308-314、385-389、および429-436のうち1以上での1以上のアミノ酸置換をさらに含む、請求項26または27に記載の分子。
【請求項29】
請求項26〜28のいずれか1項に記載の分子と製薬上許容される担体とを含んでなる医薬組成物。
【請求項30】
容器に入れられた請求項26〜28のいずれか1項に記載の分子と使用説明書とを含んでなるキット。
【請求項31】
修飾されたIgG定常ドメインまたはFcRnに結合するそのフラグメントをコードするヌクレオチド配列を含む核酸であって、該修飾IgG定常ドメインまたはフラグメントは、対応する野生型IgG定常ドメインまたはそのフラグメントに対して、KabatのEU番号付けに基づくアミノ酸残基428でのアミノ酸置換を含む、上記核酸。
【請求項32】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の修飾IgGの製造方法であって、(a) 該修飾IgGをコードするヌクレオチド配列に機能的に連結されたプロモーターを含んでなるベクターを宿主細胞に導入するステップ;および(b) 該宿主細胞を培養して該修飾IgGを産生させるステップを含む、上記方法。
【請求項33】
請求項15〜23のいずれか1項に記載の融合タンパク質の製造方法であって、(a) 該融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列に機能的に連結されたプロモーターを含んでなるベクターを宿主細胞に導入するステップ;(b) 該宿主細胞を培養して該融合タンパク質を産生させるステップを含む、上記方法。
【請求項34】
請求項31に記載の核酸を含んでなる宿主細胞。
【請求項35】
被験者での疾患もしくは障害を予防または治療するための医薬の製造における、請求項1〜9および11のいずれか1項に記載の修飾IgGの使用。
【請求項36】
被験者での呼吸器合胞体ウイルス(RSV)感染を予防または治療するための医薬の製造における、請求項10に記載の修飾IgGの使用。
【請求項37】
被験者がヒトである、請求項35または36に記載の使用。
【請求項38】
in vitroで疾患または障害を検出するための方法であって、(a) 請求項1〜9および11のいずれか1項に記載の修飾IgGを被験者由来のサンプルと接触させ、(b) 該修飾IgGと免疫特異的に結合する抗原のレベルを対照のレベルと比較し、該サンプル中の抗原のレベルが対照のレベルと比較して異なっていれば疾患または障害を示すこととなることを含んでなる、上記方法。
【請求項39】
in vitroでRSV感染を検出するための方法であって、(a) 請求項10に記載の修飾IgGを被験者由来のサンプルと接触させ、(b) 該修飾IgGと免疫特異的に結合するRSV抗原のレベルを対照のレベルと比較し、該サンプル中のRSV抗原のレベルが対照のレベルと比較して増加していればRSV感染を示すこととなることを含んでなる、上記方法。
【請求項40】
疾患または障害を診断するための医薬の製造における、標識された形態の請求項1〜9および11のいずれか1項に記載の修飾IgGの使用であって、該医薬は、(a) 該医薬を被験者に投与し、(b) 該修飾IgGが免疫特異的に結合する抗原が発現されている被験者体内の部位へ標識された形態の該修飾IgGが優先的に濃縮されるまでの時間を待ち、(c) バックグラウンドレベルを測定し、(d) 被験者体内の標識された形態の該修飾IgGを検出して、バックグラウンドレベルを超える標識された形態の該修飾IgGが検出されれば、該被験者が疾患または障害を有していることが示されることを含んでなる方法において用いるためのものである、上記使用。
【請求項41】
RSV感染を診断するための医薬の製造における、標識された形態の請求項10に記載の修飾IgGの使用であって、該医薬は、(a) 該医薬を被験者に投与し、(b) 該修飾IgGが免疫特異的に結合するRSV抗原が発現されている被験者体内の部位へ標識された形態の該修飾IgGが優先的に濃縮されるまでの時間を待ち、(c) バックグラウンドレベルを測定し、(d) 被験者体内の標識された形態の該修飾IgGを検出して、バックグラウンドレベルを超える標識された形態の該修飾IgGが検出されれば、該被験者がRSV感染を有していることが示されることを含んでなる方法において用いるためのものである、上記使用。
【請求項42】
被験者がヒトである、請求項38〜41のいずれか1項に記載の方法または使用。
【請求項43】
被験者での疾患もしくは障害を予防または治療するための医薬の製造における、請求項15〜23のいずれか1項に記載の融合タンパク質の使用。
【請求項44】
in vitroで疾患または障害を検出するための方法であって、(a) 請求項15〜23のいずれか1項に記載の融合タンパク質を被験者由来のサンプルと接触させ、(b) 該融合タンパク質と免疫特異的に結合する抗原のレベルを対照のレベルと比較し、該サンプル中の抗原のレベルが対照のレベルと比較して異なっていれば疾患または障害を示すこととなることを含んでなる、上記方法。
【請求項45】
疾患または障害を診断するための医薬の製造における、標識された形態の請求項15〜23のいずれか1項に記載の融合タンパク質の使用であって、該医薬は、(a) 該医薬を被験者に投与し、(b) 該融合タンパク質が免疫特異的に結合する抗原が発現されている被験者体内の部位へ標識された形態の該融合タンパク質が優先的に濃縮されるまでの時間を待ち、(c) バックグラウンドレベルを測定し、(d) 被験者体内の標識された形態の該融合タンパク質を検出して、バックグラウンドレベルを超える標識された形態の該融合タンパク質が検出されれば、該被験者が疾患または障害を有していることが示されることを含んでなる方法において用いるためのものである、上記使用。
【請求項46】
被験者がヒトである、請求項43〜45のいずれか1項に記載の使用または方法。
【請求項47】
被験者での疾患もしくは障害を予防または治療するための医薬の製造における、請求項26〜28のいずれか1項に記載の分子の使用。
【請求項48】
in vitroで疾患または障害を検出するための方法であって、(a) 請求項26〜28のいずれか1項に記載の分子を被験者由来のサンプルと接触させ、(b) 該分子と免疫特異的に結合する抗原のレベルを対照のレベルと比較し、該サンプル中の抗原のレベルが対照のレベルと比較して増加していれば疾患または障害を示すこととなることを含んでなる、上記方法。
【請求項49】
疾患または障害を診断するための医薬の製造における、標識された形態の請求項26〜28のいずれか1項に記載の分子の使用であって、該医薬は、(a) 該医薬を被験者に投与し、(b) 該分子が免疫特異的に結合する抗原が発現されている被験者体内の部位へ標識された形態の該分子が優先的に濃縮されるまでの時間を待ち、(c) バックグラウンドレベルを測定し、(d) 被験者体内の標識された形態の該分子を検出して、バックグラウンドレベルを超える標識された形態の該分子が検出されれば、該被験者が疾患または障害を有していることが示されることを含んでなる方法において用いるためのものである、上記使用。
【請求項50】
被験者がヒトである、請求項47〜49のいずれか1項に記載の使用または方法。
【請求項1】
野生型IgG定常ドメインに対して、KabatのEU番号付けに基づくアミノ酸残基428での置換を含む、IgG定常ドメインまたはそのFcRn結合性フラグメントを含んでなる修飾されたIgGであって、該修飾IgGが、野生型IgG定常ドメインを有するIgGの半減期と比較して異なる半減期を有する、上記修飾IgG。
【請求項2】
アミノ酸残基428でのアミノ酸置換が、メチオニン、トレオニン、ロイシン、フェニルアラニンまたはセリンによる置換である、請求項1に記載の修飾IgG。
【請求項3】
対応する野生型IgG定常ドメインに対して、KabatのEU番号付けに基づくアミノ酸残基251-256、285-290、308-314、385-389および429-436のうち1以上での1以上のアミノ酸置換をさらに含む、請求項1または2に記載の修飾IgG。
【請求項4】
アミノ酸残基251でのアミノ酸置換がロイシンまたはアルギニンによる置換であり、アミノ酸残基252でのアミノ酸置換がチロシン、フェニルアラニン、セリン、トリプチトファンまたはトレオニンによる置換であり、アミノ酸残基254でのアミノ酸置換がトレオニンまたはセリンによる置換であり、アミノ酸残基255でのアミノ酸置換がロイシン、グリシン、イソロイシンまたはアルギニンによる置換であり、アミノ酸残基256でのアミノ酸置換がセリン、アルギニン、グルタミン、グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン、アスパラギンまたはトレオニンによる置換であり、アミノ酸残基308でのアミノ酸置換がトレオニンによる置換であり、アミノ酸残基309でのアミノ酸置換がプロリンによる置換であり、アミノ酸残基311でのアミノ酸置換がセリンによる置換であり、アミノ酸残基312でのアミノ酸置換がアスパラギン酸による置換であり、アミノ酸残基314でのアミノ酸置換がロイシンまたはアラニンによる置換であり、アミノ酸残基385でのアミノ酸置換がアルギニン、アスパラギン酸、セリン、トレオニン、ヒスチジン、リシンまたはアラニンによる置換であり、アミノ酸残基386でのアミノ酸置換がトレオニン、プロリン、アスパラギン酸、セリン、リシン、アルギニン、イソロイシンまたはメチオニンによる置換であり、アミノ酸残基387でのアミノ酸置換がアルギニン、ヒスチジン、セリン、トレオニン、アラニンまたはプロリンによる置換であり、アミノ酸残基389でのアミノ酸置換がプロリンまたはセリンによる置換であり、アミノ酸残基433でのアミノ酸置換がリシン、アルギニン、セリン、イソロイシン、プロリン、グルタミンまたはヒスチジンによる置換であり、アミノ酸残基434でのアミノ酸置換がフェニルアラニン、チロシンまたはヒスチジンによる置換であり、アミノ酸残基436でのアミノ酸置換が、ヒスチジン、アスパラギン、アルギニン、トレオニン、リシンまたはメチオニンによる置換である、請求項3に記載の修飾IgG。
【請求項5】
前記IgG定常ドメインがヒトIgG定常ドメインである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の修飾IgG。
【請求項6】
前記IgG定常ドメインがヒトIgG1、IgG2、IgG3またはIgG4定常ドメインである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の修飾IgG。
【請求項7】
ヒトまたはヒト化IgGである、請求項5に記載の修飾IgG。
【請求項8】
前記IgG定常ドメインが非ヒトIgG定常ドメインである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の修飾IgG。
【請求項9】
ヒト化抗CD25モノクローナル抗体、キメラ抗CD25モノクローナル抗体、ヒト化抗αvβ3インテグリン抗体、またはヒト化抗CD3抗体である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の修飾IgG。
【請求項10】
呼吸器合胞体ウイルス(RSV)抗原に免疫特異的に結合する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の修飾IgG。
【請求項11】
FcRnに対して、野生型IgG定常ドメインを含む対応するIgGよりも高い親和性を有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の修飾IgG。
【請求項12】
FcRnに対して、pH 7.4におけるよりもpH 6.0において野生型IgG定常ドメインを含む対応するIgGよりも高い親和性を有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の修飾IgG。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の修飾IgGと製薬上許容される担体とを含んでなる医薬組成物。
【請求項14】
容器に入れられた請求項1〜12のいずれか1項に記載の修飾IgGと使用説明書とを含んでなるキット。
【請求項15】
修飾されたIgG定常ドメインまたはFcRnに結合するそのフラグメントと共有結合した非IgGポリペプチドを含んでなる融合タンパク質であって、該修飾IgG定常ドメインまたはそのフラグメントは、対応する野生型IgG定常ドメインに対して、KabatのEU番号付けに基づくアミノ酸残基428での置換を含む、上記融合タンパク質。
【請求項16】
アミノ酸残基428でのアミノ酸置換が、メチオニン、トレオニン、ロイシン、フェニルアラニンまたはセリンによる置換である、請求項15に記載の融合タンパク質。
【請求項17】
前記修飾IgG定常ドメインまたはFcRn結合性フラグメントが、対応する野生型IgG定常ドメインに対して、KabatのEU番号付けに基づくアミノ酸残基251-256、258-290、308-314、385-389、および429-436のうち1以上での1以上のアミノ酸置換をさらに含む、請求項15または16に記載の融合タンパク質。
【請求項18】
アミノ酸残基251でのアミノ酸置換がロイシンまたはアルギニンによる置換であり、アミノ酸残基252でのアミノ酸置換がチロシン、フェニルアラニン、セリン、トリプチトファンまたはトレオニンによる置換であり、アミノ酸残基254でのアミノ酸置換がトレオニンまたはセリンによる置換であり、アミノ酸残基255でのアミノ酸置換がロイシン、グリシン、イソロイシンまたはアルギニンによる置換であり、アミノ酸残基256でのアミノ酸置換がセリン、アルギニン、グルタミン、グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン、アスパラギンまたはトレオニンによる置換であり、アミノ酸残基308でのアミノ酸置換がトレオニンによる置換であり、アミノ酸残基309でのアミノ酸置換がプロリンによる置換であり、アミノ酸残基311でのアミノ酸置換がセリンによる置換であり、アミノ酸残基312でのアミノ酸置換がアスパラギン酸による置換であり、アミノ酸残基314でのアミノ酸置換がロイシンまたはアラニンによる置換であり、アミノ酸残基385でのアミノ酸置換がアルギニン、アスパラギン酸、セリン、トレオニン、ヒスチジン、リシンまたはアラニンによる置換であり、アミノ酸残基386でのアミノ酸置換がトレオニン、プロリン、アスパラギン酸、セリン、リシン、アルギニン、イソロイシンまたはメチオニンによる置換であり、アミノ酸残基387でのアミノ酸置換がアルギニン、ヒスチジン、セリン、トレオニン、アラニンまたはプロリンによる置換であり、アミノ酸残基389でのアミノ酸置換がプロリンまたはセリンによる置換であり、アミノ酸残基433でのアミノ酸置換がリシン、アルギニン、セリン、イソロイシン、プロリン、グルタミンまたはヒスチジンによる置換であり、アミノ酸残基434でのアミノ酸置換がフェニルアラニン、チロシンまたはヒスチジンによる置換であり、アミノ酸残基436でのアミノ酸置換が、ヒスチジン、アスパラギン、アルギニン、トレオニン、リシンまたはメチオニンによる置換である、請求項17に記載の融合タンパク質。
【請求項19】
修飾IgG定常ドメインまたはフラグメントがヒトIgG定常ドメインまたはそのフラグメントである、請求項15〜18のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項20】
前記IgG定常ドメインまたはフラグメントがヒトIgG1、IgG2、IgG3またはIgG4定常ドメインまたはそのフラグメントである、請求項15〜18のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項21】
前記IgG定常ドメインまたはフラグメントが非ヒトIgG定常ドメインまたはそのフラグメントである、請求項15〜18のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項22】
前記修飾IgG定常ドメインまたはフラグメントが、FcRnに対して、対応する野生型IgG定常ドメインまたはそのフラグメントよりも高い親和性を有する、請求項15〜21のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項23】
前記修飾IgG定常ドメインまたはフラグメントが、FcRnに対して、pH 7.4におけるよりもpH 6.0において対応する野生型定常ドメインまたはそのフラグメントよりも高い親和性を有する、請求項15〜21のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項24】
請求項15〜23のいずれか1項に記載の融合タンパク質と製薬上許容される担体とを含んでなる医薬組成物。
【請求項25】
容器に入れられた請求項15〜23のいずれか1項に記載の融合タンパク質と使用説明書とを含んでなるキット。
【請求項26】
修飾されたIgG定常ドメインまたはFcRnに結合するそのフラグメントと結合した非タンパク質物質を含んでなる分子であって、該修飾IgG定常ドメインまたはフラグメントは、対応する野生型IgG定常ドメインまたはそのフラグメントに対して、KabatのEU番号付けに基づくアミノ酸残基428でのアミノ酸置換を含む、上記分子。
【請求項27】
アミノ酸残基428でのアミノ酸置換が、メチオニン、トレオニン、ロイシン、フェニルアラニンまたはセリンによる置換である、請求項26に記載の分子。
【請求項28】
前記修飾IgG定常ドメインまたはフラグメントが、対応する野生型IgG定常ドメインに対して、KabatのEU番号付けに基づくアミノ酸残基251-256、258-290、308-314、385-389、および429-436のうち1以上での1以上のアミノ酸置換をさらに含む、請求項26または27に記載の分子。
【請求項29】
請求項26〜28のいずれか1項に記載の分子と製薬上許容される担体とを含んでなる医薬組成物。
【請求項30】
容器に入れられた請求項26〜28のいずれか1項に記載の分子と使用説明書とを含んでなるキット。
【請求項31】
修飾されたIgG定常ドメインまたはFcRnに結合するそのフラグメントをコードするヌクレオチド配列を含む核酸であって、該修飾IgG定常ドメインまたはフラグメントは、対応する野生型IgG定常ドメインまたはそのフラグメントに対して、KabatのEU番号付けに基づくアミノ酸残基428でのアミノ酸置換を含む、上記核酸。
【請求項32】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の修飾IgGの製造方法であって、(a) 該修飾IgGをコードするヌクレオチド配列に機能的に連結されたプロモーターを含んでなるベクターを宿主細胞に導入するステップ;および(b) 該宿主細胞を培養して該修飾IgGを産生させるステップを含む、上記方法。
【請求項33】
請求項15〜23のいずれか1項に記載の融合タンパク質の製造方法であって、(a) 該融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列に機能的に連結されたプロモーターを含んでなるベクターを宿主細胞に導入するステップ;(b) 該宿主細胞を培養して該融合タンパク質を産生させるステップを含む、上記方法。
【請求項34】
請求項31に記載の核酸を含んでなる宿主細胞。
【請求項35】
被験者での疾患もしくは障害を予防または治療するための医薬の製造における、請求項1〜9および11のいずれか1項に記載の修飾IgGの使用。
【請求項36】
被験者での呼吸器合胞体ウイルス(RSV)感染を予防または治療するための医薬の製造における、請求項10に記載の修飾IgGの使用。
【請求項37】
被験者がヒトである、請求項35または36に記載の使用。
【請求項38】
in vitroで疾患または障害を検出するための方法であって、(a) 請求項1〜9および11のいずれか1項に記載の修飾IgGを被験者由来のサンプルと接触させ、(b) 該修飾IgGと免疫特異的に結合する抗原のレベルを対照のレベルと比較し、該サンプル中の抗原のレベルが対照のレベルと比較して異なっていれば疾患または障害を示すこととなることを含んでなる、上記方法。
【請求項39】
in vitroでRSV感染を検出するための方法であって、(a) 請求項10に記載の修飾IgGを被験者由来のサンプルと接触させ、(b) 該修飾IgGと免疫特異的に結合するRSV抗原のレベルを対照のレベルと比較し、該サンプル中のRSV抗原のレベルが対照のレベルと比較して増加していればRSV感染を示すこととなることを含んでなる、上記方法。
【請求項40】
疾患または障害を診断するための医薬の製造における、標識された形態の請求項1〜9および11のいずれか1項に記載の修飾IgGの使用であって、該医薬は、(a) 該医薬を被験者に投与し、(b) 該修飾IgGが免疫特異的に結合する抗原が発現されている被験者体内の部位へ標識された形態の該修飾IgGが優先的に濃縮されるまでの時間を待ち、(c) バックグラウンドレベルを測定し、(d) 被験者体内の標識された形態の該修飾IgGを検出して、バックグラウンドレベルを超える標識された形態の該修飾IgGが検出されれば、該被験者が疾患または障害を有していることが示されることを含んでなる方法において用いるためのものである、上記使用。
【請求項41】
RSV感染を診断するための医薬の製造における、標識された形態の請求項10に記載の修飾IgGの使用であって、該医薬は、(a) 該医薬を被験者に投与し、(b) 該修飾IgGが免疫特異的に結合するRSV抗原が発現されている被験者体内の部位へ標識された形態の該修飾IgGが優先的に濃縮されるまでの時間を待ち、(c) バックグラウンドレベルを測定し、(d) 被験者体内の標識された形態の該修飾IgGを検出して、バックグラウンドレベルを超える標識された形態の該修飾IgGが検出されれば、該被験者がRSV感染を有していることが示されることを含んでなる方法において用いるためのものである、上記使用。
【請求項42】
被験者がヒトである、請求項38〜41のいずれか1項に記載の方法または使用。
【請求項43】
被験者での疾患もしくは障害を予防または治療するための医薬の製造における、請求項15〜23のいずれか1項に記載の融合タンパク質の使用。
【請求項44】
in vitroで疾患または障害を検出するための方法であって、(a) 請求項15〜23のいずれか1項に記載の融合タンパク質を被験者由来のサンプルと接触させ、(b) 該融合タンパク質と免疫特異的に結合する抗原のレベルを対照のレベルと比較し、該サンプル中の抗原のレベルが対照のレベルと比較して異なっていれば疾患または障害を示すこととなることを含んでなる、上記方法。
【請求項45】
疾患または障害を診断するための医薬の製造における、標識された形態の請求項15〜23のいずれか1項に記載の融合タンパク質の使用であって、該医薬は、(a) 該医薬を被験者に投与し、(b) 該融合タンパク質が免疫特異的に結合する抗原が発現されている被験者体内の部位へ標識された形態の該融合タンパク質が優先的に濃縮されるまでの時間を待ち、(c) バックグラウンドレベルを測定し、(d) 被験者体内の標識された形態の該融合タンパク質を検出して、バックグラウンドレベルを超える標識された形態の該融合タンパク質が検出されれば、該被験者が疾患または障害を有していることが示されることを含んでなる方法において用いるためのものである、上記使用。
【請求項46】
被験者がヒトである、請求項43〜45のいずれか1項に記載の使用または方法。
【請求項47】
被験者での疾患もしくは障害を予防または治療するための医薬の製造における、請求項26〜28のいずれか1項に記載の分子の使用。
【請求項48】
in vitroで疾患または障害を検出するための方法であって、(a) 請求項26〜28のいずれか1項に記載の分子を被験者由来のサンプルと接触させ、(b) 該分子と免疫特異的に結合する抗原のレベルを対照のレベルと比較し、該サンプル中の抗原のレベルが対照のレベルと比較して増加していれば疾患または障害を示すこととなることを含んでなる、上記方法。
【請求項49】
疾患または障害を診断するための医薬の製造における、標識された形態の請求項26〜28のいずれか1項に記載の分子の使用であって、該医薬は、(a) 該医薬を被験者に投与し、(b) 該分子が免疫特異的に結合する抗原が発現されている被験者体内の部位へ標識された形態の該分子が優先的に濃縮されるまでの時間を待ち、(c) バックグラウンドレベルを測定し、(d) 被験者体内の標識された形態の該分子を検出して、バックグラウンドレベルを超える標識された形態の該分子が検出されれば、該被験者が疾患または障害を有していることが示されることを含んでなる方法において用いるためのものである、上記使用。
【請求項50】
被験者がヒトである、請求項47〜49のいずれか1項に記載の使用または方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2008−54679(P2008−54679A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−219930(P2007−219930)
【出願日】平成19年8月27日(2007.8.27)
【分割の表示】特願2002−561487(P2002−561487)の分割
【原出願日】平成13年12月12日(2001.12.12)
【出願人】(504333972)メディミューン,インコーポレーテッド (108)
【出願人】(302014206)ザ ボード オブ レジェンツ−ザ ユニバーシティー オブ テキサス システム (10)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月27日(2007.8.27)
【分割の表示】特願2002−561487(P2002−561487)の分割
【原出願日】平成13年12月12日(2001.12.12)
【出願人】(504333972)メディミューン,インコーポレーテッド (108)
【出願人】(302014206)ザ ボード オブ レジェンツ−ザ ユニバーシティー オブ テキサス システム (10)
【Fターム(参考)】
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