説明

建物の屋根構造

【課題】屋根の上に設置された建物設備を好適に支持することができる屋根構造を提供する。
【解決手段】屋根10は、棟木21と、棟木21により支持された垂木22と、垂木22に載置された野地板23と、野地板23に載置された瓦24とを有している。屋根10の上には、アンテナ支柱42により支持されたアンテナ41が設置されている。アンテナ支柱42は、棟木21及び棟瓦24aを上下に貫通した状態で設置されており、棟木21及び棟瓦24aには、アンテナ支柱42が挿通される支柱挿通孔45,46がそれぞれ設けられている。棟木21においては、支柱挿通孔45が棟木21の長手方向に沿って複数設けられており、支柱挿通孔46有りの棟瓦24aは、いずれの支柱挿通孔45の上方についても設置可能とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の屋根構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
住宅等の建物において、アンテナや太陽光パネル等の建物設備が屋根の上に設置されていることがある。例えば特許文献1には、建物設備としてアンテナが屋根の上に設置されている構成が開示されている。この構成では、アンテナを支持するアンテナ支柱が、屋根において瓦等の屋根仕上材と棟木とを上下に貫通した状態で棟木及び束柱に対して固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−125420号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、アンテナ支柱等の支持部材が棟木を貫通した状態で固定されている構成においては、支持部材の位置を変更することや支持部材の数を増やす又は減らすことが困難になると考えられる。これは、固定位置の変更先においては棟木に貫通孔を新たに形成するか、貫通孔を新たに形成しない場合には棟木に対する支持部材の固定方式を変更する必要があるためである。したがって、屋根の上に設置された建物設備を好適に固定する構成に関して改善の余地がある。
【0005】
本発明は、屋根の上に設置された建物設備を好適に支持することができる屋根構造を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、第1の発明の建物の屋根構造は、屋根の棟に沿って延びる棟木を有し、前記棟木により支持される垂木の上に屋根仕上材が設けられ、前記屋根の上に設置された建物設備を支持する支持部材が前記屋根仕上材を貫通した状態で前記棟木に固定されている建物の屋根構造であって、前記棟木には、前記支持部材を挿通させることが可能な棟木孔が前記棟木の長手方向に沿って複数設けられており、前記屋根仕上材には、前記支持部材を挿通させることが可能な仕上材孔が前記複数の棟木孔のうち少なくとも1つの上方に設けられており、前記支持部材は、前記棟木孔及び前記仕上材孔に挿通させた状態で前記棟木に対して固定されていることを特徴とする。
【0007】
第1の発明によれば、支持部材が棟木を貫通した状態で固定されている構成において、棟木孔が棟木の長手方向に沿って複数並べられている。この場合、支持部材の固定対象を他の棟木孔に変更するという容易な作業により、支持部材の固定方式を変えることなく、棟木の長手方向において支持部材の位置変更を行うことが可能となる。さらに、複数の支持部材が設置されている場合にも、各支持部材の固定方式を支持部材ごとに変える必要がない。したがって、アンテナなど小型の建物設備を複数設置する場合や太陽光パネル等の大型の建物設備を設置する場合など複数の支持部材を必要とする場合に、支持部材の設置作業を容易化することができる。しかも、棟木は複数の垂木を支持できる強度を有しているものであるため、複数の支持部材が固定されてもそれら支持部材をいずれも好適に支持できる。以上の結果、屋根の上に設置された建物設備を好適に支持することができる。
【0008】
第2の発明では、前記屋根仕上材は、前記棟木の上方において該棟木に沿って並べられた複数の屋根葺き材を有しており、前記複数の屋根葺き材は、前記仕上材孔が設けられた孔有り葺き材と、前記仕上材孔が設けられていない孔無し葺き材とを有しており、前記棟木の上方においては、前記複数の棟木孔のうち少なくとも1つの上方位置に前記孔有り葺き材が設けられ、該孔有り葺き材とは異なる位置に前記孔無し葺き材が設けられている。
【0009】
第2の発明によれば、孔有り葺き材を棟木孔に合わせて配置することが可能となる。この場合、支持部材の固定対象としての棟木孔が複数設けられている構成において、支持部材の設置場所において屋根葺き材を加工して仕上材孔を新たに形成するという必要がなく、仕上材孔の移設作業や増設作業を容易化できる。つまり、屋根仕上材について仕上材孔の形成作業を容易化できる。
【0010】
第3の発明では、前記複数の屋根葺き材は、前記棟木の長手方向に沿って寸法Lの間隔で定めた各位置に並べて設けられており、前記仕上材孔は、前記孔有り葺き材においてあらかじめ定めた所定位置に配置されており、前記複数の棟木孔は、L×n(nは自然数)の間隔で前記棟木に配置されている。
【0011】
第3の発明によれば、棟木の上方において複数の屋根葺き材のいずれが孔有り葺き材とされても、仕上材孔と棟木孔とを上下に並べることができる。この場合、既設の屋根葺き材同士の位置を入れ替えることにより仕上材孔を位置変更することが可能となるため、仕上材孔の移設に際して新規の屋根仕上材を使用する必要がない。したがって、仕上材孔の移設についてコスト低減を図ることができる。なお、寸法Lは、屋根葺き材の葺き幅に相当する。
【0012】
第4の発明では、前記建物設備は、電気機器と該電気機器に電気的に接続される電気配線とを有しており、前記支持部材は、前記電気配線を挿通させることが可能な中空部と、前記電気配線を前記中空部から引き出すことが可能な配線引き出し口とを有しており、前記配線引き出し口は、前記仕上材孔の上方及び下方のそれぞれに設けられている。
【0013】
第4の発明によれば、支持部材が屋根仕上材を貫通している構成において、支持部材及び電気配線の両方を同一の仕上材孔に対して挿通させることができる。このため、支持部材の設置場所が異なっても、各場所における支持部材の固定方式だけでなく電気配線の敷設方式を統一できる。つまり、支持部材の設置作業に加えて電気配線の敷設作業を容易化することができる。
【0014】
第5の発明では、前記建物設備は、前記電気機器としてのアンテナと、前記電気配線としてのアンテナケーブルとを有しており、前記支持部材は、前記アンテナを支持するアンテナ支柱であり、前記屋根仕上材の屋内側には、前記アンテナケーブルを接続可能なケーブルコネクタが前記棟木の長手方向に沿って複数並べて設けられている。
【0015】
第5の発明によれば、ケーブルコネクタが棟木の長手方向に沿って複数並べられているため、複数の棟木孔のいずれに支持部材が固定されていても、その固定先でアンテナケーブルを近くのケーブルコネクタに接続することができる。したがって、アンテナ支柱を移設した場合にアンテナケーブルを移設元から移設先まで延ばすように敷設するという必要がない。つまり、アンテナケーブルの敷設作業を容易化できる。
【0016】
なお、前記ケーブルコネクタは前記棟木孔ごとに設けられていることが好ましい。この場合、アンテナ支柱の設置場所に合わせてアンテナケーブルの長さ調整(新規のアンテナケーブルへの取り換えやケーブル同士の接続作業)を行う必要がないため、アンテナケーブルをケーブルコネクタに接続する作業を容易化できる。
【0017】
第6の発明では、前記棟木孔は前記棟木を上下方向に貫通するものであり、前記アンテナ支柱は、配線引き出し口のいずれかが前記棟木孔の下側に配置されるように前記棟木孔に挿通されており、前記ケーブルコネクタは、前記棟木の下側に設けられている。
【0018】
第6の発明によれば、アンテナケーブルをケーブルコネクタに接続する作業を棟木の下側にて行うことができる。ここで、アンテナ支柱を棟木に固定する作業やアンテナケーブルをアンテナ支柱の下側のケーブル引き出し口から引き出す作業は、天井裏空間等において棟木の下方から行うと想定される。したがって、アンテナケーブルの接続作業も棟木の下方から行うことができることにより、アンテナの移設に際して屋根の下側にて行われる作業を容易化できる。
【0019】
第7の発明では、前記建物設備は、太陽光発電を行う太陽光パネルを有しており、前記太陽光パネルは、前記屋根の上において前記棟よりも下方に配置され、それぞれ異なる前記棟木孔に対して固定された複数の支持部材により上方から支持されているものである。
【0020】
第7の発明によれば、棟木の長手方向に沿って複数設置された複数の支持部材を使用すれば、屋根傾斜部に設けられた太陽光パネルを複数の場所にて好適に支持することができる。しかも、棟木は複数の垂木を支持できる強度を有しているため、屋根の上に設置された建物設備が太陽光パネルという大型の建物設備であっても支持部材を介して棟木により好適に支持できる。
【0021】
第8の発明では、前記棟を挟んで両側に配置された一対の傾斜屋根部を備え、前記太陽光パネルは、前記一対の傾斜屋根部のそれぞれに配置されており、それら太陽光パネルは前記複数の支持部材によりそれぞれ支持されているものである。
【0022】
一対の傾斜屋根部を有する寄棟式や切妻式の屋根においては、一対の傾斜屋根部のそれぞれに太陽光パネルが設けられていると、各太陽光パネルの上端部が屋根の棟において集合することになる。そこで、第8の発明によれば、棟に沿って複数設けられた支持部材により太陽光パネルを好適に支持することができる。しかも、いずれの傾斜屋根部に太陽光パネルが設置されていても、太陽光パネルを棟木により支持できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】棟周辺の屋根の内部構成を示す斜視図。
【図2】棟周辺の屋根の構成を示す縦断面図。
【図3】アンテナ周辺の屋根の構成を示す分解斜視図。
【図4】太陽光パネル周辺の屋根の構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を具体化した一実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、本発明を切妻造りの屋根を有する住宅等の建物について具体化している。図1は棟12周辺の屋根10の内部構成を示す斜視図、図2は棟12周辺の屋根10の構成を示す縦断面図である。
【0025】
図1、図2に示すように、屋根10は、棟12をその短手方向において挟んで配置された一対の傾斜屋根部10aを有している。一対の傾斜屋根部10aは、それぞれ棟12を上端として軒先に向けて斜め下方に傾斜している。屋根10は、横架材(梁材)としての棟木21と、棟木21から軒先側に向けて延びる垂木22と、垂木22の上に載置された屋根下地材としての野地板23と、野地板23の上に載置された屋根仕上材としての瓦24とを有している。
【0026】
棟木21は、鋼材としてのH形鋼により長尺状に形成されており、棟12に沿って水平方向に延びている。棟木21は、ウェブ21aとそのウェブ21aを挟んで対向する一対のフランジ21bとを有しており、それらウェブ21a及びフランジ21bにより形成された溝部の開放側を側方に向けて設置されている。
【0027】
垂木22は、棟木21の長手方向と直交する方向において斜め下方に向けて延びており、棟木21を挟んで両側のそれぞれにおいて棟木21の長手方向に沿うように複数並べて配置されている。垂木22は、鋼材としての溝形鋼により長尺状に形成されており、溝部の開放側を側方に向けた状態で棟木21に連結されている。
【0028】
棟木21には棟木ブラケット31が取り付けられており、その棟木ブラケット31に垂木22の端部が固定されている。棟木ブラケット31は、棟木21のウェブ21aの両側面にそれぞれ取り付けられており、棟木21の長手方向に沿って延びている。各棟木ブラケット31は、棟木21の長手方向と直交する方向において斜め下方に向けて開放された溝形鋼とされており、棟木21の一対のフランジ21bの間(溝部内)に配置されている。各棟木ブラケット31のウェブ31aは棟木21のウェブ21aに重ねられており、各棟木ブラケット31のウェブ31aは棟木21のウェブ21aを挟んだ状態で固定ボルト32により棟木21のウェブ21aに対して固定されている。また、棟木ブラケット31は、溶接によっても棟木21に対して固定されている。
【0029】
垂木22の端部は棟木ブラケット31の溝部内に嵌合されており、その状態で棟木ブラケット31に対して固定されている。この場合、垂木22の端面が棟木ブラケット31のウェブ31aの側面に当接しているとともに、垂木22のフランジ22bの外側面が棟木ブラケット31のフランジ31bの内側面に当接しており、それら当接部分にて垂木22と棟木21とが溶接されている。
【0030】
また、棟木ブラケット31及び垂木22には、それらの連結状態を補強する連結補強部材33が取り付けられている。連結補強部材33は鋼鉄材料により板状に形成されており、棟木ブラケット31のウェブ31aと垂木22のウェブ22aとの境界部を跨いだ状態でそれらウェブ22a,31aの板面に当接し、その状態でウェブ22a,31aのそれぞれに対して溶接等により固定されている。
【0031】
野地板23は合板等により形成されており、棟木21を挟んで両側のそれぞれにおいて隣り合う垂木22に架け渡された状態で設置されている。瓦24は、金属板材やスレート材により板状に形成された屋根葺き材であり、ビス等の固定具により野地板23に対して固定されている。瓦24は、棟木21の長手方向及びそれとは直交する方向のそれぞれにおいて並べて複数配置されている。瓦24と野地板23との間には木製の桟木35が設けられており、桟木35により瓦24の位置決めがなされている。なお、図1においては野地板23及び桟木35の図示を省略している。
【0032】
複数の瓦24のうち屋根10の棟12を形成する棟瓦24aは、棟木21の上方において棟木21の長手方向に沿って横並びに複数配置されている。各棟瓦24aは、中央部分が上方に向けて突出するように折り曲げられた形状とされており、大きさ及び形状がほぼ同じとされている。棟瓦24aは、屋根10の傾斜方向(流れ方向)において隣り合う他の瓦24の上に重なった状態となるように棟桟36の上に載置されており、その棟桟36を介して棟木21に対して固定されている。
【0033】
棟木21の上面には、棟桟36を下方から支持する受け金具37が載置されており、受け金具37は棟木21の長手方向に沿って延びている。受け金具37はボルト等の固定具により棟木21に対して固定されており、棟瓦24aはネジ等の固定具により棟桟36に対して固定されている。
【0034】
屋根10の上には、視聴覚機器用のアンテナ41が設置されている。ここでは、アンテナ41の支持構成について図3を参照しつつ説明する。図3はアンテナ41周辺の屋根10の構成を示す分解斜視図である。なお、図3においては、垂木22、野地板23、棟木ブラケット31、固定ボルト32、連結補強部材33、桟木35、支柱固定具43、防水部材57の図示を省略している。
【0035】
図3に示すように、アンテナ41は、比較的小型の建物設備としての電気機器に相当し、屋根10に立設された支持部材としてのアンテナ支柱42の上端部に取り付けられている。アンテナ支柱42は、金属材料により形成された鋼管柱とされており、棟瓦24a及び棟木21を上下に貫通した状態で支柱固定具43により棟木21に対して固定されている。これにより、棟木21に対するアンテナ支柱42の固定強度を高めている。
【0036】
棟木21及び棟瓦24aには、アンテナ支柱42を挿通させるための支柱挿通孔45,46がそれぞれ設けられており、それら支柱挿通孔45,46は連通した状態となるように上下に並べて配置されている。棟木21においては、支柱挿通孔45が各フランジ21bのそれぞれに設けられており、いずれの支柱挿通孔45も、棟瓦24aの支柱挿通孔46と連通した状態となるように上下に並べられている。
【0037】
なお、アンテナ支柱42は棟木21及び棟瓦24aに加えて受け金具37を上下に貫通しており、受け金具37にも棟木21及び棟瓦24aの支柱挿通孔45,46と連通する挿通孔が設けられている。
【0038】
ちなみに、アンテナ41により電気機器及び建物設備が構成されている。また、棟木21に形成された支柱挿通孔45が棟木孔に相当し、瓦24に形成された支柱挿通孔46が仕上材孔に相当する。
【0039】
アンテナ41は、建物内に設置された視聴覚機器に対して電気配線としてのアンテナケーブル51により電気的に接続されている。建物には、アンテナケーブル51用のケーブルコネクタ52が設けられており、アンテナケーブル51はケーブルコネクタ52に接続されることで視聴覚機器と接続された状態になる。ケーブルコネクタ52はコネクタケース53に収納されており、コネクタケース53は棟木21の下側に設けられている。この場合、コネクタケース53は屋根裏空間に設けられていることになる。
【0040】
アンテナケーブル51は、アンテナ支柱42の中空部に挿通された状態で一端がアンテナ41に接続され、他端がケーブルコネクタ52に接続されている。アンテナ支柱42においては、その上端部及び下端部のそれぞれに配線引き出し口としてのケーブル引き出し口55が設けられている。この場合、上側のケーブル引き出し口55は屋外に配置され、アンテナ41に接続される方のケーブル端部はこのケーブル引き出し口55から引き出されている。一方、下側のケーブル引き出し口55は屋内に配置され、ケーブルコネクタ52に接続される方のケーブル端部はこのケーブル引き出し口55から引き出されている。なお、屋外側のケーブル引き出し口55においては防水フード等の水切り構造が設けられている。
【0041】
棟瓦24aの支柱挿通孔46においては、ゴム等の弾性材料により形成された防水部材57がアンテナ支柱42に対して取り付けられている。防水部材57は防水性を有しており、支柱挿通孔46の内周面とアンテナ支柱42の外周面との間の隙間に対して防水機能を付与している。
【0042】
支柱固定具43は、棟木21の下側のフランジ21bの下面側に配置されており、アンテナ支柱42の下端部を下側のフランジ21bに対して固定している。支柱固定具43は、アンテナ支柱42の周面に当接する第1当接部43aと、下側のフランジ21bの下面に当接する第2当接部43bとを有しており、第1当接部43aはビス等によりアンテナ支柱42の下端部に固定され、第2当接部43bはボルト等により下側のフランジ21bに固定されている。
【0043】
本実施形態では、棟木21において支柱挿通孔45が棟木21の長手方向に沿って複数並べて配置されている。この場合、棟木21を加工して支柱挿通孔45を新たに形成しなくても、アンテナ支柱42の取り付け対象を他の支柱挿通孔45に変更することにより、棟12が延びる方向においてアンテナ支柱42の取り付け位置を変更することができる。なお、受け金具37においても、その受け金具37を上下に貫通する貫通孔が棟木21の各支柱挿通孔45に合わせて複数設けられている。
【0044】
棟瓦24aにおいて支柱挿通孔46は、アンテナ支柱42が立設されている部分には設けられているが、アンテナ支柱42が立設されていない部分には設けられていない。これに対して、上述したように各棟瓦24aは互いの大きさ及び形状がほぼ同じとされているため、支柱挿通孔46有りの棟瓦24aと支柱挿通孔46無しの棟瓦24aとで位置を入れ替えることにより支柱挿通孔46の位置を変更することが可能となっている。なお、支柱挿通孔46有りの棟瓦24aが孔有り葺き材に相当し、支柱挿通孔46無しの棟瓦24aが孔無し葺き材に相当する。
【0045】
棟木21において各支柱挿通孔45は、それぞれの上方に存在する棟瓦24aに合わせて配置されている。この場合、各支柱挿通孔45は、それぞれの上方に存在する棟瓦24aとの相対的な位置関係が、全ての支柱挿通孔45について同じとなるように配置されている。具体的には、棟木21の上方において複数の棟瓦24aは、棟木21の長手方向に沿って所定寸法Lの間隔で定めた各位置に並べられており、棟木21の各支柱挿通孔45は所定寸法Lの間隔で並べられている。なお、所定寸法Lは、棟瓦24aの葺き幅に相当する。
【0046】
ここで、支柱挿通孔45は、一部の棟瓦24aに対応して設けられていてもよい。例えば、棟木21において、支柱挿通孔46有りの棟瓦24aからn個目の棟瓦24aの下方に支柱挿通孔45が配置されていてもよい。この場合、隣り合う支柱挿通孔45の間隔は所定寸法Lのn倍(L×n)の大きさとされる。ちなみに、nは自然数とされる。
【0047】
なお、所定寸法Lは、棟木21の長手方向において棟瓦24aが上方に露出した部分の長さ寸法とされている。したがって、隣り合う棟瓦24aが互いの一部を重ね合わせた状態で設けられている場合には、所定寸法Lが棟瓦24aの幅寸法と隣り合う棟瓦24aの重なり幅との差とされ、隣り合う棟瓦24aが重なっていない場合には、所定寸法Lが棟瓦24aの幅寸法とされる。
【0048】
上記のように、棟木21の各支柱挿通孔45は棟瓦24aに合わせて配置されているため、各支柱挿通孔45のいずれの上方に支柱挿通孔46有りの棟瓦24aが設置された場合でも、棟瓦24aの支柱挿通孔46が棟木21の支柱挿通孔45に対して上下に連通した状態となる。また、既設の支柱挿通孔46無しの棟瓦24aを新規の支柱挿通孔46有りの棟瓦24aに取り替えることで、支柱挿通孔46を増設することもできる。
【0049】
コネクタケース53は、長尺形状に形成されており、棟木21の下側において棟木21の長手方向に沿って延びるように配置されている。ケーブルコネクタ52は、コネクタケース53において複数設けられており、棟木21の支柱挿通孔45に対応させて棟木21の長手方向に沿って並べて配置されている。この場合、棟木21において複数の支柱挿通孔45にアンテナ支柱42が固定されていても、そのアンテナ支柱42の下端部のケーブル引き出し口55の近傍にケーブルコネクタ52が配置されていることになる。
【0050】
次に、アンテナ41の位置を変更する場合の作業手順について説明する。
【0051】
まず、現在の位置からアンテナ41をアンテナ支柱42ごと取り外す。具体的には、屋根裏空間においてアンテナケーブル51をケーブルコネクタ52から抜き取るとともに、アンテナ支柱42の中空部から抜き取る。また、屋根裏空間において支柱固定具43をアンテナ支柱42及び棟木21の両方から取り外し、アンテナ支柱42を棟木21及び棟瓦24aの支柱挿通孔45,46から屋根上に向けて抜き取る。
【0052】
その後、棟瓦24aの支柱挿通孔46を移設するために、移設元の棟瓦24aと移設先の棟瓦24aとを取り替える。そして、移設先において棟木21及び棟瓦24aの支柱挿通孔45,46にアンテナ支柱42を屋根上から挿通させるとともに、屋根裏空間において支柱固定具43を取り付けてアンテナ支柱42を棟木21に対して固定する。さらに、アンテナケーブル51をアンテナ支柱42の上端部のケーブル引き出し口55から挿し入れ、下端部のケーブル引き出し口55から引き出すとともにアンテナケーブル51を近傍のケーブルコネクタ52に差し込む。
【0053】
また、アンテナ41を増設する場合は、増設先において既設の棟瓦24aを新規の支柱挿通孔46有りの棟瓦24aに取り替え、アンテナ41をアンテナ支柱42に取り付けるとともに、アンテナ支柱42の移設時と同様にアンテナ支柱42の設置及びアンテナケーブル51の接続作業を行う。この場合、新規の棟瓦24aについては、その棟瓦24aにおける支柱挿通孔46の位置が既設の棟瓦24aと同じとされている。つまり、支柱挿通孔46はいずれの棟瓦24aにおいてもあらかじめ定めた所定位置に配置されている。このため、新規の棟瓦24aを取り付けた位置においても棟瓦24a及び棟木21の各支柱挿通孔45,46が上下に並ぶことになる。
【0054】
屋根10の上に、太陽光発電を行う太陽光パネル61が設置されている場合、その太陽光パネル61は棟木21により支持されていてもよい。ここでは、太陽光パネル61の支持構成について図4を参照しつつ説明する。図4は太陽光パネル61周辺の屋根10の構成を示す図であり、(a)に屋根10の平面図を示し、(b)に棟木21周辺の屋根10の縦断面図を示す。
【0055】
図4(a)、(b)に示すように、屋根10において一対の傾斜屋根部10aの上には、太陽光パネル61がそれぞれ設置されている。各傾斜屋根部10aにおいて太陽光パネル61は、棟12の下方にて棟木21の長手方向に沿って延びるようにそれぞれ配置されている。この場合、各太陽光パネル61の上端部が屋根10の棟12側に集合した状態となっている。なお、太陽光パネル61は、比較的大型の建物設備に相当する。
【0056】
棟木21の支柱挿通孔45は、ウェブ21aを挟んでフランジ21bの両端側に設けられており、両端側のそれぞれにおいて棟木21の長手方向に沿って並べて配置されている。同様に、棟瓦24aの支柱挿通孔46も、棟12を挟んで両側に設けられており、両側のそれぞれにおいて棟木21の長手方向に沿って並べて配置されている。この場合、支柱挿通孔46有りの複数の棟瓦24aが、棟木21の複数の支柱挿通孔45の上方に配置されていることになる。
【0057】
棟木21の長手方向の複数の場所において、太陽光パネル61を支持するパネル支柱62が、アンテナ支柱42と同様に、棟木21及び棟瓦24aの支柱挿通孔45,46に挿通された状態で支柱固定具43により棟木21に対して固定されている。パネル支柱62は、アンテナ支柱42と同様に、金属材料により形成された鋼管柱とされ、上下両端部にケーブル引き出し口55をそれぞれ有している。
【0058】
各パネル支柱62の上端部は、ワイヤ等の連結具63により太陽光パネル61の上端部にそれぞれ連結されている。この場合、一対の傾斜屋根部10aのそれぞれにおいて、太陽光パネル61が複数のパネル支柱62を介して棟木21により支持されていることになる。
【0059】
太陽光パネル61は、建物内に設置された蓄電装置や電力供給装置に対して電気配線としての電力ケーブル65により電気的に接続されている。電力ケーブル65は、複数のパネル支柱62のうち少なくとも1つのパネル支柱62の中空部に挿通された状態で、一端が太陽光パネル61に接続され、他端が建物内において蓄電装置や電力供給装置に接続されている。
【0060】
一対の傾斜屋根部10aのそれぞれに太陽光パネル61が設置された構成においては、棟12側に太陽光パネル61の上端部が集合した状態となっているため、複数のパネル支柱62により各太陽光パネル61を棟木21に連結する上で都合がよい。例えば、構造強度の高い棟木21に対して太陽光パネル61が固定されるため、重量が比較的大きい太陽光パネル61であっても好適に支持できる。さらには、太陽光パネル61の支持構造が煩雑なものとなることを抑制できる。
【0061】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0062】
棟木21及び棟瓦24aを貫通した状態でアンテナ支柱42が設置されている構成において、棟木21において支柱挿通孔45が棟木21の長手方向に沿って複数並べられているとともに、棟瓦24aの支柱挿通孔46の位置が変更可能とされている。このため、アンテナ支柱42の挿通対象を他の支柱挿通孔45,46に変更するという容易な作業により、アンテナ支柱42の固定方式を変えることなく、棟木21の長手方向においてアンテナ支柱42の設置位置を変更することが可能となる。同様に、棟瓦24aの支柱挿通孔46を増設することにより、新規のアンテナ支柱42を支柱挿通孔45,46に挿通するという容易な作業により、アンテナ支柱42の増設を行うことができる。
【0063】
さらに、屋根10の上に太陽光パネル61が設置されている場合には、棟木21の長手方向に沿った複数の位置において、パネル支柱62が支柱挿通孔45,46に挿通された状態で棟木21に対して固定され、これらパネル支柱62により太陽光パネル61が支持されている。ここで、棟木21は複数の垂木22を支持するほどの強度を有しているため、複数のパネル支柱62が固定されてもそれらパネル支柱62をいずれも好適に支持できる。
【0064】
以上の結果、屋根10の上に設置された建物設備を好適に支持することができる。
【0065】
アンテナ支柱42の中空部に挿通させたアンテナケーブル51を、アンテナ支柱42の上下両端部にてケーブル引き出し口55から棟瓦24aの上下にてそれぞれ引き出すことができる。このため、支柱挿通孔45,46が設けられた各場所において、アンテナ支柱42の固定方式に加えてアンテナケーブル51の敷設方式を統一できる。したがって、アンテナ支柱42の設置作業に加えてアンテナケーブル51の敷設作業を容易化できる。これは、太陽光パネル61の設置に際して、パネル支柱62の設置作業及び電力ケーブル65の敷設作業についても同様である。
【0066】
ケーブルコネクタ52が棟木21の長手方向に沿って複数並べて配置されているため、棟木21において複数の支柱挿通孔45のいずれにアンテナ支柱42が固定されていても、その固定先でアンテナケーブル51を近くのケーブルコネクタ52に接続することができる。したがって、アンテナ支柱42を移設した場合に、アンテナケーブル51を移設元から移設先まで延ばすように敷設するという必要がない。つまり、アンテナケーブル51の敷設作業を容易化できる。
【0067】
ケーブルコネクタ52は、棟木21の支柱挿通孔45ごとに配置されているため、アンテナ支柱42の設置場所においてアンテナケーブル51がケーブルコネクタ52に届かないという不都合を回避できる。この場合、アンテナ支柱42の設置場所に合わせてアンテナケーブル51を長さ調整するという必要がないため、アンテナケーブル51をケーブルコネクタ52に接続する作業を容易化できる。
【0068】
アンテナ支柱42において下側のケーブル引き出し口55が棟木21の下側に配置されている構成において、ケーブルコネクタ52が棟木21の下側に配置されているため、ケーブルコネクタ52にアンテナケーブル51を接続する作業を容易化できる。特に、支柱固定具43をアンテナ支柱42及び棟木21に対して取り付ける作業や、アンテナケーブル51をアンテナ支柱42において下側のケーブル引き出し口55から引き出す作業は、天井裏空間等において棟木21の下方から行うと想定されるため、アンテナケーブル51をケーブルコネクタ52に接続する作業を棟木21の下側にて行うことができることにより、アンテナ41の設置作業をより一層容易化できる。
【0069】
支柱挿通孔46有りの棟瓦24aを位置変更することにより、支柱挿通孔46を移設することができる。この場合、棟木21において支柱挿通孔45が複数設けられている構成において、アンテナ支柱42の設置場所に対して棟瓦24aを加工して支柱挿通孔46を新たに形成するという必要ないため、支柱挿通孔46の移設作業や増設作業を容易化できる。つまり、棟木21の支柱挿通孔45に合わせて棟瓦24aの支柱挿通孔46を形成する作業を容易化できる。
【0070】
各棟瓦24aが所定寸法Lで配置されている構成において、棟木21の各支柱挿通孔45はL×n(nは自然数)の間隔で配置されているため、いずれの棟瓦24aが支柱挿通孔46有りの棟瓦24aとされても、棟瓦24a及び棟木21の各支柱挿通孔45,46を上下に並べて配置することができる。この場合、棟瓦24a同士の位置を入れ替えることが可能であるため、支柱挿通孔46の位置を変更する際に、新規の棟瓦24aを使用する必要がない。したがって、支柱挿通孔46の移設についてコスト低減を図ることができる。
【0071】
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0072】
(1)ケーブルコネクタ52は、棟木21の支柱挿通孔45ごとに設けられていなくてもよい。例えば、2つの支柱挿通孔45ごとに1つのケーブルコネクタ52が設けられている構成とする。この場合でも、棟木21の長手方向に沿ってケーブルコネクタ52を複数並べて配置することにはなる。
【0073】
(2)ケーブルコネクタ52は、棟木21の側方や上方に配置されていてもよい。ただし、棟木21の支柱挿通孔45の周辺に配置されていることが好ましい。さらには、アンテナ支柱42やパネル支柱62等の支持部材において屋内側の配線引き出し口の周辺に配置されていることが好ましい。
【0074】
(3)屋根10において、棟木21の上方に棟瓦24aではなく他の瓦24が配置されていれば、屋根仕上材を貫通する支柱挿通孔46は前記他の瓦24に設けられていてもよい。この場合でも、瓦24を移動させることにより屋根仕上材において支柱挿通孔46の位置変更が可能な構成を実現できる。
【0075】
(4)屋根10において、屋根葺き材としては瓦24の他にスレート材が挙げられる。例えば、スレート材が野地板23の上に複数載置されており、それらスレート材のうち棟木21の支柱挿通孔45の上方に配置されたスレート材には、支柱挿通孔46が設けられている構成とする。この構成では、棟瓦24aと同様に、棟木21の上方においてはスレート材同士の入れ替えが可能とされている。
【0076】
(5)屋根10においては、金属材料により板状に形成された屋根葺き材が屋根仕上材として設けられていてもよい。例えば、屋根葺き材としての金属板が、棟木21の複数の支柱挿通孔45を跨ぐように設けられている構成とする。この構成では、金属板には、棟木21の各支柱挿通孔45に合わせて複数の支柱挿通孔46があらかじめ複数形成され、アンテナ支柱42等の支持部材が挿通されていない支柱挿通孔46には、パッキン等の防水部材が取り付けられている。この場合、金属板の支柱挿通孔46に対して防水部材を着脱することにより、支柱挿通孔46の移設や増設を容易に行うことができる。
【0077】
(6)支持部材は、管状ではなく中実柱状の部材により形成されていてもよい。ただし、電気配線を挿通可能な配線挿通孔が支持部材の内部に設けられていることが好ましい。
【0078】
(7)上記実施形態では、屋根10が切妻式とされているが、寄棟式や片流れ式とされていてもよい。要は、棟12に沿って延びる棟木21を有しており、その棟木21に対してアンテナ支柱42やパネル支柱62といった支持部材が固定され、その固定位置が支柱挿通孔45,46等の棟木孔及び仕上材孔として複数設定された構成であればよい。
【0079】
また、傾斜屋根部10aのそれぞれに太陽光パネル61等の建物設備が設置され、各建物設備がパネル支柱62等の支持部材により支持される構成においては、屋根10が寄棟式とされていてもよい。この場合、棟木21をその短手方向において挟んだ傾斜屋根部10aに加えて、その長手方向において挟んだ傾斜屋根部に建物設備を設置することが可能となり、いずれの傾斜屋根部に建物設備が設置されていても各建物設備を支持部材により棟木21に対して固定することができる。
【0080】
さらに、各傾斜屋根部10aに配置されたそれぞれの建物設備は、共通の支持部材に連結されていてもよい。この場合、それら建物設備が支持部材を挟んで反対側に配置されていれば、支持部材に対する荷重方向のバランスを良くすることができる。したがって、支持部材により建物設備を支持する上で好適である。
【0081】
(8)棟木21において、支柱挿通孔45は上下の各フランジ21bのうち下側のフランジ21bには設けられていなくてもよい。支柱挿通孔45は、棟木21の少なくとも一部を上下に貫通していればよい。
【0082】
(9)棟木21は、I形鋼など他の形状の形鋼により形成されていてもよく、木材により形成されていてもよい。要は、棟12に沿って延びる梁材としての横架材であればよい。
【0083】
(10)屋根10の上に設置される建物設備としては、アンテナ41や太陽光パネル61の他に給湯設備の貯湯タンクや風力発電装置などが挙げられる。
【符号の説明】
【0084】
10…屋根、12…棟、21…棟木、22…垂木、24…屋根仕上材としての瓦、24a…屋根仕上材、孔有り葺き材及び孔無し葺き材としての棟瓦、41…建物設備及び電気機器としてのアンテナ、42…支持部材としてのアンテナ支柱、44…電気配線としてのアンテナケーブル、45…棟木孔としての支柱挿通孔、46…仕上材孔としての支柱挿通孔、51…電気配線としてのアンテナケーブル、52…ケーブルコネクタ、55…配線引き出し口としてのケーブル引き出し口、61…太陽光パネル、62…支持部材としてのパネル支柱、65…電気配線としての電力ケーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋根の棟に沿って延びる棟木を有し、前記棟木により支持される垂木の上に屋根仕上材が設けられ、前記屋根の上に設置された建物設備を支持する支持部材が前記屋根仕上材を貫通した状態で前記棟木に固定されている建物の屋根構造であって、
前記棟木には、前記支持部材を挿通させることが可能な棟木孔が前記棟木の長手方向に沿って複数設けられており、
前記屋根仕上材には、前記支持部材を挿通させることが可能な仕上材孔が前記複数の棟木孔のうち少なくとも1つの上方に設けられており、
前記支持部材は、前記棟木孔及び前記仕上材孔に挿通させた状態で前記棟木に対して固定されていることを特徴とする建物の屋根構造。
【請求項2】
前記屋根仕上材は、前記棟木の上方において該棟木に沿って並べられた複数の屋根葺き材を有しており、
前記複数の屋根葺き材は、前記仕上材孔が設けられた孔有り葺き材と、前記仕上材孔が設けられていない孔無し葺き材とを有しており、
前記棟木の上方においては、前記複数の棟木孔のうち少なくとも1つの上方位置に前記孔有り葺き材が設けられ、該孔有り葺き材とは異なる位置に前記孔無し葺き材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の建物の屋根構造。
【請求項3】
前記複数の屋根葺き材は、前記棟木の長手方向に沿って寸法Lの間隔で定めた各位置に並べて設けられており、
前記仕上材孔は、前記孔有り葺き材においてあらかじめ定めた所定位置に配置されており、
前記複数の棟木孔は、L×n(nは自然数)の間隔で前記棟木に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の建物の屋根構造。
【請求項4】
前記建物設備は、電気機器と該電気機器に電気的に接続される電気配線とを有しており、
前記支持部材は、前記電気配線を挿通させることが可能な中空部と、前記電気配線を前記中空部から引き出すことが可能な配線引き出し口とを有しており、
前記配線引き出し口は、前記仕上材孔の上方及び下方のそれぞれに設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の建物の屋根構造。
【請求項5】
前記建物設備は、前記電気機器としてのアンテナと、前記電気配線としてのアンテナケーブルとを有しており、
前記支持部材は、前記アンテナを支持するアンテナ支柱であり、
前記屋根仕上材の屋内側には、前記アンテナケーブルを接続可能なケーブルコネクタが前記棟木の長手方向に沿って複数並べて設けられていることを特徴とする請求項4に記載の建物の屋根構造。
【請求項6】
前記棟木孔は前記棟木を上下方向に貫通するものであり、
前記アンテナ支柱は、前記配線引き出し口のいずれかが前記棟木孔の下側に配置されるように前記棟木孔に挿通されており、
前記ケーブルコネクタは、前記棟木の下側に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の建物の屋根構造。
【請求項7】
前記建物設備は、太陽光発電を行う太陽光パネルを有しており、
前記太陽光パネルは、それぞれ異なる前記棟木孔に対して固定された複数の支持部材により支持されているものであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の建物の屋根構造。
【請求項8】
前記棟を挟んで両側に配置された一対の傾斜屋根部を備え、
前記太陽光パネルは、前記一対の傾斜屋根部のそれぞれに配置されており、それら太陽光パネルは前記複数の支持部材によりそれぞれ支持されているものであることを特徴とする請求項7に記載の建物の屋根構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−224984(P2012−224984A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90879(P2011−90879)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(504093467)トヨタホーム株式会社 (391)
【Fターム(参考)】