説明

建物

【課題】建物ユニット側のシール性を損なわずに軸組による付加架構を接合することができる建物を得る。
【解決手段】ユニット建物10は、複数の建物ユニット12を用いて構成された建物本体16と、この建物本体16の屋外側に設けられると共に鉄骨軸組構造で構築され、た付加架構40と、を備えている。付加架構40は建物ユニット12の柱18と接合される鉄軸床大梁56を備えている。具体的には、外壁パネル106の外板110に鉄軸床大梁56の端部が挿通可能な開口部116が形成されており、当該開口部116に鉄軸床大梁56の端部が挿通されている。建物ユニット12の柱18には梁接合ブラケット100が溶接されており、この梁接合ブラケット100と鉄軸床大梁56の端部との間に防水シート130が挟持された状態で締結固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユニット工法に鉄骨軸組工法を併用した建物に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、閉じた吹抜けを外部に備えた建物における換気構造が開示されている。簡単に説明すると、複数階に亘る居室に隣接して吹抜けが設けられており、居室と吹抜けは連通されている。吹抜けの上部には排気口が設けられており、又吹抜けの下部には外気取入口が設けられている。
【0003】
上記構成によれば、吹抜けの自然換気を利用して、居室内の空気の換気もなされるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−320031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ユニット工法によって構築されるユニット住宅においても、上記先行技術のような吹抜けを設置することができれば、プランニングの自由度が増す。しかし、建物の南側の全面に吹抜けを設置するようなプランニングは現実的ではなく、建物ユニットの配列の仕方によって生じたスペースに吹抜けを設置する方が現実的である。その場合、そのスペースに適合する大きさの建物ユニットを別途生産するとなると、生産性が低下し、ユニット工法のメリットが減殺される。そこで、ユニット工法に鉄骨軸組工法を併用して吹抜け等の付加価値を加えることが検討されている。
【0006】
しかしながら、ユニット工法で使用される建物ユニットのフレームと吹抜け等の軸組付加架構で使用される鉄骨梁との接合部のシールを確保することが困難である。換言すれば、建物ユニットが元々備えているシール性を損なわずに鉄骨梁を接合することは非常に難しい。
【0007】
本発明は上記事実を考慮し、建物ユニット側のシール性を損なわずに軸組による付加架構を接合することができる建物を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の本発明に係る建物は、複数の建物ユニットを用いて構成された建物本体と、この建物ユニット本体の屋外側に設けられると共に鉄骨軸組構造で構築され、建物ユニットのフレームの柱と接合される鉄骨梁を備えた付加架構と、を備え、前記フレームに固定される外壁パネルの外板には、前記鉄骨梁の端部を挿通させる開口部又は切欠部が形成されており、当該開口部又は切欠部に当該鉄骨梁の端部が挿通され、この状態で当該鉄骨梁の端部が建物ユニット側の防水手段を非貫通の状態で柱側に固定されている、ことを特徴としている。
【0009】
請求項2記載の本発明に係る建物は、複数の建物ユニットを用いて構成された建物本体と、この建物ユニット本体の屋外側に設けられると共に鉄骨軸組構造で構築され、建物ユニットのフレームの柱と接合される鉄骨梁を備えた付加架構と、を備え、前記フレームに固定される外壁パネルの外板には、前記柱の側面に固定されたブラケットの端部を挿通させる開口部又は切欠部が形成されており、当該開口部又は切欠部に当該ブラケットの端部が挿通され、この状態で当該鉄骨梁の端部が建物ユニット側の防水手段を非貫通の状態で当該ブラケットの端部に固定されている、ことを特徴としている。
【0010】
請求項3記載の本発明に係る建物は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記防水手段は、前記外壁パネルの外板の裏面側に配置され防水性を有するシート状部材であり、前記鉄骨梁の柱への接合部では、当該シート状部材が、当該鉄骨梁の端部と柱の側面に固定されたブラケットの端部との間に挟持された状態で接合されている、ことを特徴としている。
【0011】
請求項4記載の本発明に係る建物は、請求項3記載の発明において、横目地を挟んで外板が上下に配置されていると共に、上階側の外板の裏面に配置された前記シート状部材の下端部は、当該横目地を通って下階側の外板の表面に引き出されて当該表面に固定されており、さらに、前記鉄骨梁の下方側には、当該シート状部材の下端部を跨いだ状態で配置された胴差が上下に並ぶ外板に留め付けられている、ことを特徴としている。
【0012】
請求項5記載の本発明に係る建物は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明において、前記付加架構は吹抜けとして用いられていると共に、当該吹抜けの最屋外側の外壁には、採光可能な固定窓と、吹抜け上部側に設けられて開閉可能な上部開閉体と、吹抜け下部側に設けられて開閉可能な下部開閉体と、が設けられており、吹抜けに面した建物本体の室内へ熱が輻射される、ことを特徴としている。
【0013】
請求項6記載の本発明に係る建物は、請求項5記載の発明において、吹抜け上部の気温を検出する第1温度センサと、吹抜け下部の気温を検出する第2温度センサと、上部開閉体を開閉させる上部開閉手段と、下部開閉体を開閉させる下部開閉手段と、第1温度センサ及び第2温度センサの検出温度に基づいて上部開閉手段と下部開閉手段を開閉制御する制御手段と、を有することを特徴としている。
【0014】
請求項7記載の本発明に係る建物は、請求項6記載の発明において、前記制御手段は、前記第1温度センサによって検出された気温と第2温度センサによって検出された気温との温度差が所定範囲の温度差を維持するように上部開閉手段及び下部開閉手段の開閉制御を行う、ことを特徴としている。
【0015】
請求項8記載の本発明に係る建物は、請求項6記載の発明において、前記制御手段は、屋外に設置された外気温センサ又は前記第2温度センサによって検出された気温が所定温度以下の場合には、上部開閉体及び下部開閉体が閉止されるように上部開閉手段及び下部開閉手段の開閉制御を行う、ことを特徴としている。
【0016】
請求項1記載の本発明によれば、複数の建物ユニットを用いて構成された建物本体の屋外側には、鉄骨軸組構造で構築された付加架構が設けられる。この際、付加架構の鉄骨梁は、建物ユニットのフレームの柱に接合される。
【0017】
ここで、本発明では、建物ユニットのフレームに固定される外壁パネルの外板に開口部又は切欠部が形成されており、当該開口部又は切欠部に付加架構の鉄骨梁の端部が挿通され、この状態で当該鉄骨梁の端部が建物ユニット側の防水手段を非貫通の状態で柱側に固定されているので、建物ユニット側の防水手段の防水性は損なわれない。
【0018】
請求項2記載の本発明によれば、複数の建物ユニットを用いて構成された建物本体の屋外側には、鉄骨軸組構造で構築された付加架構が設けられる。この際、付加架構の鉄骨梁は、建物ユニットのフレームの柱に接合される。
【0019】
ここで、本発明では、建物ユニットのフレームに固定される外壁パネルの外板に開口部又は切欠部が形成されており、当該開口部又は切欠部に柱の側面に固定されたブラケットの端部が挿通され、この状態で当該鉄骨梁の端部が建物ユニット側の防水手段を非貫通の状態で当該ブラケットの端部に固定されているので、建物ユニット側の防水手段の防水性は損なわれない。
【0020】
請求項3記載の本発明によれば、鉄骨梁の柱への接合部では、外壁パネルの外板の裏面に配置された防水性を有するシート状部材が、鉄骨梁の端部と柱の側面に固定されたブラケットとの間に挟持された状態で接合される。このため、シート状部材に鉄骨梁を通すための大きな開口部等が生じない。
【0021】
請求項4記載の本発明によれば、横目地を挟んで外板が上下に配置されており、上階側の外板の裏面に配置されたシート状部材の下端部は横目地を通って下階側の外板の表面に引き出されて下階側の外板の表面に固定される。これにより、外板が上下に配置されて形成された横目地のシールがなされる。
【0022】
ここで、本発明では、付加架構の鉄骨梁の下方側にはシート状部材の下端部を跨いだ状態で胴差が配置され、かつ上下に並ぶ外板に留め付けられる。従って、胴差の留め付けによって防水シートの防水性能が損なわれることはない。
【0023】
請求項5記載の本発明によれば、付加架構は吹抜けとして用いられていると共に当該吹抜けの最屋外側の外壁には固定窓、上部開閉体、下部開閉体が配置されているので、吹抜け内への採光は固定窓から行われ、外気は下部開閉体から吹抜け内へ導入され、吹抜け内の内気は上部開閉体から外部へ排出される。
【0024】
請求項6記載の本発明によれば、第1温度センサによって吹抜け上部の気温が検出され、第2温度センサによって吹抜け下部の気温が検出される。これらの検出結果は制御手段に入力され、制御手段では検出された吹抜け上部の気温及び吹抜け下部の気温に基づいて上部開閉手段及び下部開閉手段の開閉を制御する。
【0025】
請求項7記載の本発明によれば、制御手段によって第1温度センサによって検出された気温と第2温度センサによって検出された気温との温度差が所定範囲の温度差を維持するように上部開閉手段及び下部開閉手段の開閉制御が行われる。このため、吹抜け内に気流が発生し、上部開閉体及び下部開閉体が開閉されている場合には吹抜け内部と外気との間で換気駆動力が発生する。このため、吹抜けを利用した自然換気が適切に行われる。従って、夏季等において吹抜けの自然換気を持続的に効率良く行わせることができる。
【0026】
請求項8記載の本発明によれば、外気温センサ又は第2温度センサによって検出された気温が所定温度以下の場合には、制御手段によって上部開閉体及び下部開閉体が閉止されるように上部開閉手段及び下部開閉手段の開閉制御が行われる。このため、冬季等において建物外部の気温が下がると、自動的に吹抜けの自然換気が停止され、吹抜けの内気の温度上昇が促進される。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように、請求項1及び請求項2記載の本発明に係る建物は、建物ユニット側のシール性を損なわずに軸組による付加架構を接合することができるという優れた効果を有する。
【0028】
請求項3記載の本発明に係る建物は、シート状部材の防水性能を損なうことなく、鉄骨軸組の付加架構をユニット工法による建物本体に接合することができるという優れた効果を有する。
【0029】
請求項4記載の本発明に係る建物は、胴差の設置も含めてシート状部材の防水性能を損なうことなく、鉄骨軸組の付加架構の鉄骨梁をユニット工法による建物本体の柱に接合することができるという優れた効果を有する。
【0030】
請求項5記載の本発明に係る建物は、建物ユニットの外部に自然換気型の吹抜けを設けることができ、プランニングの対応力を高めることができるという優れた効果を有する。
【0031】
請求項6記載の本発明に係る建物は、手動操作で上部開閉手段及び下部開閉手段を開閉させずとも自動的に適切な開閉制御が成されるという優れた効果を有する。
【0032】
請求項7記載の本発明に係る建物は、建物本体のサッシ等を開放させておくことにより室内換気を促進させることができ、ひいては建物全体の冷房負荷を軽減することができるという優れた効果を有する。
【0033】
請求項8記載の本発明に係る建物は、吹抜け内で生成された暖気の熱を建物本体の室内へ輻射させて取り込むことができ、ひいては建物全体の暖房負荷を軽減することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】第1実施形態の要部に係り、鉄軸フレームと建物本体との接合部を示す要部拡大縦断面図である。
【図2】図1に示される鉄軸フレームと建物本体との接合部を示す要部拡大平断面図である。
【図3】第1実施形態に係るユニット建物の平面図である。
【図4】(A)は図1に示されるユニット建物を桁側から見た側面図であり、(B)は当該ユニット建物を妻側から見た側面図である。
【図5】図1に示される付加機構を中心とした拡大平面図である。
【図6】図5に示される付加機構の要部を構成する鉄軸フレームの斜視図である。
【図7】図4(A)、(B)のA線矢視部の拡大三面図である。
【図8】図4(A)のB線矢視部の拡大図である。
【図9】図4(B)のC線矢視部の拡大図である。
【図10】第2実施形態に係るユニット建物の要部を示す側面図である。
【図11】第2実施形態に係るユニット建物の自動換気システムの制御フローを示すフローチャートである。
【図12】第3実施形態に係るユニット建物の要部を示す図1に対応する要部拡大縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
〔第1実施形態〕
以下、図1〜図9を用いて、本発明に係る建物の第1実施形態について説明する。
【0036】
<ユニット建物10の全体構成>
図3には、本実施形態に係るユニット建物の要部の平面図が示されている。また、図4(A)、(B)には、本実施形態に係るユニット建物の要部を異なる方向から見た側面図が示されている。これらの図に示されるように、ユニット建物10は、複数の箱型等の建物ユニット12、14を相互に連結することにより構成された建物本体16を備えている。
【0037】
建物ユニット12、14は、四隅に立設された4本の柱18と、柱18の上端部に接合された天井フレーム20と、柱18の下端部に接合された床フレーム22と、によって構成されたユニット躯体フレーム24を備えている。天井フレーム20は、長短二種類の天井大梁26、28と、長辺側の天井大梁26間に所定間隔で架け渡された複数本の天井小梁30と、を含んで構成されている。同様に、床フレーム22は、長短二種類の床大梁32(短辺側の床大梁は図示省略)と、長辺側の床大梁32間に所定間隔で架け渡された図示しない複数本の床小梁と、を含んで構成されている。
【0038】
なお、図3には、ユニット建物10の一部が図示されている。図3に図示されたユニット建物10では、3個の建物ユニット12が妻方向に並列的に配置されており、これら3個の建物ユニット12の妻側面12Aに同一サイズの箱型の建物ユニット14の桁側面14Aが直交して配置されている。建物ユニット14の桁方向の寸法は2個分の建物ユニット12の妻方向の寸法よりも大きく、かつ3個分の建物ユニット12の妻方向の寸法よりも小さい。このため、建物ユニット14の妻側面14B側に平面視で矩形の空きスペース38が形成されている。
【0039】
この空きスペース38には、鉄骨軸組構造で構築された付加架構40が接合されている。これにより、ユニット建物10は、ユニット工法によって構築された建物本体16と、この建物本体16の屋外側の空きスペース38に設けられた鉄骨軸組構造の付加架構40と、を備えた建物として構築されている。そして、付加架構40が設置されたことにより、付加架構40の内部空間が吹抜け42として利用されている。
【0040】
<付加架構40の詳細構成>
次に、上記付加架構40の構成について詳細に説明する。
【0041】
図5には、付加架構40を中心とした拡大平面図が示されている。また、図6には、付加架構40の要部を構成する鉄軸フレーム44の斜視図が示されている。さらに、図7〜図9には各部の詳細図が示されている(図7(A)〜(C)は図4(A)、(B)のA線矢視部の拡大三面図であり、図8は図4(A)のB線矢視部の拡大図であり、図9は図4(B)のC線矢視部の拡大図である)。
【0042】
図6に示されるように、付加架構40は、H鋼で構成された1本の柱部材46(図7(A)も参照)と、この柱部材46の上端部から直交する二方向へ延出された長短二種類の鉄軸天井大梁48、50と、柱部材46の中間部から直交する二方向へ平行に延出された長短二種類の鉄軸床大梁56、58及び鉄軸天井大梁52、54と、によって構成された鉄軸フレーム44を備えている。なお、本実施形態では、後述するサッシ96(図4(A)、(B)参照)の高さを建物本体16のサッシの高さに合わせるために鉄軸天井大梁52、54と鉄軸床大梁56、58とを上下に連続して配置しているが、その必要がない場合には鉄軸床大梁56、58だけにしてもよいし、或いは鉄軸天井大梁52、54だけにしてもよい。
【0043】
図6に戻り、鉄軸フレーム44の柱部材46は、上端部に設けられた上端仕口コラム60と、中間部に設けられた中間仕口コラム62と、上端仕口コラム60と中間仕口コラム62とを繋ぐ上部柱64と、中間仕口コラム62から下方へ延出された下部柱66と、によって構成されている。上端仕口コラム60と上部柱64並びに中間仕口コラム62と上部柱64、下部柱66は、ガセットプレート68を用いてボルト70及びナット72によって接合されている。また、上端仕口コラム60、中間仕口コラム62の断面内方には、鉄軸天井大梁48、50、52、54、鉄軸床大梁56、58の上フランジ及び下フランジの高さに補強用のスチフナ74が予め溶接されている。
【0044】
さらに、上端仕口コラム60及び中間仕口コラム62の二側面には、平面視でコ字状に形成されたブラケット76が予め溶接により固着されている。ブラケット76における上端仕口コラム60の側面、中間仕口コラム62の側面と対向する面には、矩形平板状のインナプレート78が溶接によりそれぞれ固着されている。インナプレート78には、所定ピッチでタップ付きのボルト挿通孔80が形成されている。
【0045】
また、下部柱66の下端部には方形状の図示しないベースプレートが溶接されており、ベースプレートの中心部からはアンカボルト82(図4(A)、(B)参照)が下向きに突出されている。アンカボルト82は、基礎84に形成されたアンカホール86内に挿入されてグラウトで固定されている。これにより、柱部材46の建方用の位置出しが行われるようになっている。
【0046】
一方、鉄軸天井大梁48、50は、いずれもH鋼で構成されている。また、図7(A)〜(C)に示されるように、各鉄軸天井大梁48、50の長手方向の一端部には、矩形平板状のエンドプレート88が溶接により固着されている。エンドプレート88には、インナプレート78のボルト挿通孔80と同軸上にボルト挿通孔90が形成されている。そして、エンドプレート88側からボルト92が挿入されてインナプレート78のボルト挿通孔80に螺合されることにより、鉄軸天井大梁48、50の一端部が、上端仕口コラム60の側面にそれぞれ接合されている。なお、図7(B)、(C)では、一部のボルト70、92、ナット72のみを代表して図示し、残りのボルトについては締結位置を一点鎖線で示してその図示を省略している。また、鉄軸天井大梁48、50の長手方向の他端部側の構成については後述することにする。
【0047】
付加架構40の中段側に配置された鉄軸天井大梁52、54及び鉄軸床大梁56、58も、鉄軸天井大梁48、50と同様に構成されている。但し、図1に示されるように、鉄軸天井大梁52は鉄軸床大梁56よりも短くなっており、鉄軸天井大梁52の他端部はガ連結ブラケット94を介して鉄軸床大梁56の下フランジに締結固定されている。
【0048】
また、図4(A)、(B)に示されるように、上述した鉄軸フレーム44の鉄軸天井大梁48、50と鉄軸床大梁56、58との間には、サッシ96及び排気窓97が取り付けられている。また、鉄軸天井大梁52、54と基礎84との間には、外装材98が取り付けられている。但し、外装材98に代えて、サッシ96を設けてもよい。
【0049】
<本実施形態の要部構成>
図1には、鉄軸フレーム44と建物本体16との接合部の縦断面図が示されている。また、図2には、当該接合部の平断面図が示されている。
【0050】
図1に示されるように、建物本体16の上階側の建物ユニット12の柱18の下端部の側面には、梁接合ブラケット100が予め溶接により固着されている。梁接合ブラケット100は平面視でコ字状に形成されており、中間部にはボルト挿通孔102が形成されている。また、梁接合ブラケット100の中間部の裏面側には、ボルト挿通孔102と同軸上にウエルドナット104が予め溶着されている。
【0051】
一方、建物ユニット12の屋外側の面には外壁パネル106が配設されている。外壁パネル106は、建物ユニット12の天井大梁26、28及び床大梁32、34に支持される外壁フレーム108と、この外壁フレーム108の屋外側の面に固定される外板110と、によって構成されている。外壁フレーム108は、柱18に対して平行に所定の間隔で配置される複数本の縦桟(間柱)112(図1参照)と、天井大梁26に対して平行に配置される横桟114(図2参照)と、を含んで構成されている。
【0052】
上階側の建物ユニット12の外板110の下端部には、正面視で矩形状の開口部116が形成されている。この開口部116内へ鉄軸フレーム44の鉄軸床大梁56の長手方向の他端部が挿通されている。鉄軸床大梁56の長手方向の他端部にはエンドプレート118が固着されている。エンドプレート118にも梁接合ブラケット100のボルト挿通孔102と同軸上にボルト挿通孔120が形成されている。そして、エンドプレート118側から梁固定ボルト122がボルト挿通孔120、102内へ挿入されてウエルドナット104に螺合されることにより、鉄軸床大梁56の長手方向の他端部が建物ユニット12の柱18の下端部の側面に接合されている。
【0053】
ここで、図1に示されるように、上述した上階側の建物ユニット12の外壁パネル106の外板110の裏面側には、防水手段及びシート状部材としての防水シート130が両面テープ132等の接着手段によって取り付けられている。防水シート130の下部130Aは、鉄軸床大梁56の他端部のエンドプレート118と梁接合ブラケット100の中間部との間に挟持されている。梁固定ボルト122は、防水シート130をエンドプレート118と梁接合ブラケット100との間に挟持した状態で、ウエルドナット104に螺合されている。従って、防水シート130の下部130Aには、鉄軸床大梁56を挿通させるための開口部等は形成されていない。
【0054】
さらに、防水シート130の下端部130Bは、上階側の外板110の下端部と下階側の外板110の上端部との間に形成された隙間(横目地134)を通って屋外側に引き出され、両面テープ132等の接着手段によって下階側の外板110の上端部に取り付けられている。なお、横目地134の裏面側には内水切り136が配置されている。内水切り136はその上端部が上階側の外壁フレーム108の横桟114に固定されることにより外壁パネル106に取り付けられている。
【0055】
また、鉄軸床大梁56の下方側には、胴差138が配置されている。胴差138の上下幅は、下階側の外板110の上端部の表面側に引き出される防水シート130の下端部130Bを覆うことができる寸法に設定されている。そして、胴差138の上縁部及び下縁部がビス140、142で上階側の外板110の下端部及び下階側の外板110の上端部に留め付けられている。なお、胴差138の上縁部を固定するためのビス140は胴差138の下縁部を固定するためのビス142よりも短く、ビス140を打った際に先端部が防水シート130に達しない長さのものが使用されている。また、胴差138の下縁部を固定するためのビス142は下階側の外壁フレーム108の縦桟112にビス先端が達する長さのものが使用されている。
【0056】
(作用・効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0057】
まず、複数の建物ユニット12、14を用いて建物本体16が構築される。次いで、付加架構40が建物本体16の空きスペース38に後付けされる。
【0058】
このとき、鉄軸フレーム44の鉄軸床大梁56は、以下の要領で建物ユニット12の柱18の側面に接合される。まず、接合前の時点で、上階側の建物ユニット12の外板110の下端部所定位置には開口部116が予め形成されていると共に、防水シート130の下端部130Bが横目地134を通って下階側の建物ユニット12の外板118の表面側へ引き出されて両面テープ132で固着された状態にある。すなわち、防水シート130による防水シールがなされた状態にある。
【0059】
この状態から、鉄軸フレーム44の鉄軸床大梁56の他端部が、建物ユニット12の外板110に形成された開口部116内へ挿入される。開口部116と建物ユニット12の柱18に予め溶接された梁接合ブラケット100とは対向しているので、鉄軸フレーム44の鉄軸床大梁56の他端部を開口部116内へそのまま挿入していくと、防水シート130の下部130Aを介して梁接合ブラケット100に当接される。そして、エンドプレート118のボルト挿通孔120と梁接合ブラケット100のボルト挿通孔102とを同軸上になるように位置決めし、梁固定ボルト122を梁接合ブラケット100の裏面に予め溶着されたウエルドナット104に螺合させる。つまり、エンドプレート118と梁接合ブラケット100との間に防水シート130の下部130Aを挟持させ、この状態で鉄軸床大梁56の他端部を梁接合ブラケット100に接合させる。なお、梁固定ボルト122をウエルドナット104に螺合させた際に、梁固定ボルト122が防水シート130の下部130Aを貫通するが、その部位については湿式シール材でシールする。
【0060】
その後、胴差138がビス140、142で上階側の外板110の下端部及び下階側の外板110の上端部に留め付けられる。このとき、防水シート130の下端部130Bを跨ぐように胴差138を配置し、胴差138の上縁側は短い方のビス140で留め付け、下縁側は長い方のビス142で外壁フレーム108の縦桟112に達するように留め付ける。
【0061】
なお、上述した鉄軸フレーム44は、現場施工で組み立てられる。
【0062】
このように本実施形態では、建物ユニット12の外板118に開口部116を形成し、この開口部116から鉄軸フレーム44の鉄軸床大梁56の他端部を挿通させ、防水シート130の下部130Aをエンドプレート118と柱18付けの梁固定ブラケット100との間に挟持させた状態で梁固定ボルト122及びウエルドナット104で締結固定するようにしたので、防水シート130の下部130Aを非貫通の状態で付加架構40を建物本体16に接合することができる。このため、建物本体16側の防水シート130による防水性能は損なわれない。その結果、本実施形態によれば、建物ユニット12側のシール性を損なわずに軸組による付加架構40を接合することができる。
【0063】
また、前記の如く、防水シート130の下部130Aを鉄軸床大梁58の他端部と梁接合ブラケット100との間に挟持するようにしたので、防水シート130に鉄軸床大梁58を貫通させるための大きな開口部等が生じない。その結果、本実施形態によれば、防水シート130の防水性能を損なうことなく、鉄骨軸組の付加架構40をユニット工法による建物本体16に接合することができる。
【0064】
さらに、本実施形態では、防水シート130の下端部130Bを跨いだ状態で胴差138を配置し、かつ上下に並ぶ外板110に留め付けられる。従って、胴差138の留め付けによって防水シート130の防水性能が損なわれることはない。よって、胴差138の設置も含めて防水シート130の防水性能を損なうことなく、鉄骨軸組の付加架構40の鉄骨梁をユニット工法による建物本体16の柱18に接合することができる。
【0065】
また、鉄軸フレーム44は現場施工で組み立てられるので、つまり予め複数の要素に分割されているので、輸送車両で容易に工場から建築地に輸送することができる。
【0066】
さらに、本実施形態では、柱18の側面にタップが切られたインナプレート78が溶接されたブラケット76を予め取り付けておき、このブラケット76に対して鉄軸床大梁56の他端部を梁固定ボルト122で締結固定するので、鉄軸床大梁56を正確な位置に取り付けることができる。従って、鉄軸床大梁56の傾きといった精度の管理を行うことができる。
【0067】
〔第2実施形態〕
以下、図10及び図11を用いて、本発明に係る建物の第2実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0068】
図10に示されるように、この第2実施形態では、第1実施形態で説明した吹抜け42に自動換気制御システム150を付加した点に特徴がある。
【0069】
この図に示されるように、付加架構40の最屋外側の外壁152の上端部には上部開閉体としての上部開閉窓154が設けられており、又当該外壁152の下端部には下部開閉体としての下部開閉窓156が設けられている。さらに、上部開閉窓154と下部開閉窓156の間には、開閉しない固定窓158が設けられている。
【0070】
上部開閉窓154はヒンジ160回りに回転可能に設けられており、上部開閉手段としての第1駆動モータ162が駆動回転することにより所定開度の範囲で開閉されるようになっている。なお、駆動力の伝達機構としては、例えばヒンジ160の端部にセクタギヤを設けておき、第1駆動モータ162の出力軸とセクタギヤとを減速機構で連結するといった構成等を適用することができる。下部開閉窓156も、上部開閉窓154と同様に、ヒンジ164回りに回転可能に設けられており、下部開閉手段としての第2駆動モータ164が駆動回転することにより所定開度の範囲で開閉されるようになっている。
【0071】
上記第1駆動モータ162及び第2駆動モータ166は、建物本体16側に設けられた制御手段としてのコントローラ168に接続されており、その駆動が制御されている。また、建物本体16側には、自動換気制御システム150を作動及び停止させるための電源スイッチ170が設けられている。
【0072】
さらに、吹抜け42の上部壁面には第1温度センサとしての上部気温検出センサ172が配設されている。また、吹抜け42の下部壁面には第2温度センサとしての下部気温検出センサ174が配設されている。さらに、付加機構40の屋外側の面には、外気温を検出するための外気温センサ176が配設されている。これらの上部気温検出センサ172、下部気温検出センサ174及び外気温センサ176は、コントローラ168に接続されており、その検出結果を常時出力している。
【0073】
(作用・効果)
次に、図11に示されるフローチャートに基づいて、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0074】
電源スイッチ170がONにされると、ステップ200で、上部気温検出センサ172及び下部気温検出センサ174の検出結果がコントローラ168に取込まれる。具体的には、上部気温検出センサ172によって、吹抜け42内の上部の気温が検出されてその検出結果(t1)がコントローラ168に出力される。同時に、下部気温検出センサ174によって、吹抜け42内の下部の気温が検出されてその検出結果(t2)がコントローラ168に出力される。さらに、外気温センサ176によって屋外の気温が検出されてその検出結果(t3)がコントローラ168に出力される。
【0075】
次に、ステップ202で、外気温t3が所定温度T1(例えば、10℃)未満か否かが判断される。ステップ202で肯定されると、(冬期と判定して)ステップ204へ移行し、温室モードが設定される。すなわち、コントローラ168によって、第1駆動モータ162及び第2駆動モータ164が逆転駆動されて、上部開閉窓154及び下部開閉窓156が全閉状態とされる。これにより、吹抜け42の内部空間が閉鎖されるので、温室効果により気温が上昇される。上昇した暖気の熱は、建物本体16の吹抜け42に面したサッシ178から輻射される。その結果、建物本体16側の暖房負荷が低減される。
【0076】
一方、ステップ202で否定された場合は、ステップ206へ移行し、外気温t3が所定温度T2(例えば、25℃)を超えているか否かが判断される。ステップ206で肯定された場合は、(夏期と判定して)ステップ208へ移行し、通風モードに設定される。すなわち、コントローラ168によって、第1駆動モータ162及び第2駆動モータ164が正転駆動されて上部開閉窓154及び下部開閉窓156が全開状態とされる。これにより、下部開閉窓156から外気が導入されると共に、吹抜け42内の熱気が上部開閉窓154から強制的に排気される。その結果、吹抜け42内の気温が過度に上昇することが防止される。
【0077】
また、ステップ206で否定された場合は、ステップ210へ移行し、コントローラ168によって、吹抜け42内の上部と下部との温度差(t1−t2)が演算される。そして、その演算結果が所定の温度差ΔT以上か否かが判断される。ステップ206で否定された場合は、温度差が小さいので、ステップ208へ移行し、通風モードに設定され、通風が促進される。
【0078】
一方、ステップ210で肯定された場合は、温度差(t1−t2)が所定温度以上に維持されているので、ステップ212移行し、換気モードが設定される。すなわち、コントローラ168によって、第1駆動モータ162及び第2駆動モータ164が正転駆動される。これにより、上部開閉窓154及び下部開閉窓156が半開状態とされる。その結果、吹抜け42内に気流が発生し、外気との間で自然換気するための換気駆動力が発生する。
【0079】
その後、ステップ214へ移行し、電源スイッチ170がOFFにされたか否かが判断され、肯定された場合は終了し、否定された場合は、ステップ200に戻る。
【0080】
このように本実施形態によれば、吹抜け42の最屋外側の外壁に上部開閉窓154、下部開閉窓156及び固定窓158を設けたので、吹抜け42内への採光は固定窓158から行われ、外気は下部開閉窓156から導入され、内気は上部開閉窓154から排出される。その結果、本実施形態によれば、建物本体16の外部に自然換気型の吹抜け42を設けることができ、ひいてはプランニングの対応力を高めることができる。
【0081】
また、吹抜け42内部の上部及び下部の気温をそれぞれ検出し、それらの検出値(t1、t2)に基づいて、コントローラ168によって上部開閉窓154及び下部開閉窓156の開閉制御を行うようにしたので、手動操作で上部開閉窓154及び下部開閉窓156を開閉させずとも自動的に適切な開閉制御が成される。その結果、本実施形態によれば、建物本体16のサッシ等を開放させておくことにより室内換気を促進させることができ、ひいてはユニット建物10全体の冷房負荷を軽減することができる。
【0082】
さらに、本実施形態では、上部気温検出センサ172によって検出された気温t1と下部気温検出センサ174によって検出された気温t2との温度差(t1−t2)が所定範囲の温度差(ΔT)以上を維持するように第1駆動モータ162及び第2駆動モータ164による上部開閉窓154及び下部開閉窓156の開閉制御が行われる。このため、吹抜け42内に気流が発生し、上部開閉窓154及び下部開閉窓156が開閉されている場合には吹抜け42内部と外気との間で換気駆動力が発生する。このため、吹抜け42を利用した自然換気が適切に行われる。従って、夏期等において吹抜け42の自然換気を持続的に効率良く行わせることができる。
【0083】
また、本実施形態では、外気温センサ176によって検出された気温t3が所定温度T1未満の場合には、コントローラ168によって上部開閉窓154及び下部開閉窓156が全閉状態となるように第1駆動モータ162及び第2駆動モータ164による上部開閉窓154及び下部開閉窓156の開閉制御が行われる。このため、冬期等において建物本体16の外部の気温t3が下がると、自動的に吹抜け42の自然換気が停止され、吹抜け42内の空気が温室効果により暖められる。その結果、吹抜け42内で生成された暖気の熱を建物本体16の室内へ輻射させて取り込むことができ、ひいてはユニット建物10全体の暖房負荷を軽減することができる。
【0084】
さらに、本実施形態では、鉄軸フレーム44を建物本体16に付加することとしたので、スペースの有効活用を図ることができる。すなわち、図5において、仮に空きスペース38に建物ユニットを設置した場合には、大梁や柱が隣接して配置されることになり、屋内スペースを狭めるが、本実施形態によれば、屋内スペースを最大限広げることができる。
【0085】
なお、本実施形態では、外気温センサ176によって検出された外気温t3を基準として温室モードと通風モードの切換えを行ったが、これに限らず、下部気温検出センサ174によって検出された吹抜け42の下部の気温t2を基準として温室モードと通風モードの切換えを行ってもよい。
【0086】
また、吹抜け42の一階と二階との境界部にグレーチング180等の空気が流通可能な床を設置してもよい。この場合、温室・乾燥室・エアコンの室外機置場といった多目的用途に使用することができる。なお、室外機を置いた場合、冬期は吹抜け42の内部が温室効果により上昇するので、ヒートポンプにより汲み上げる熱量が少なくて済む。このため、暖房負荷を軽減することが可能となる。また、受熱器具を取り付けることにより、吹抜け42の温室効果による熱を建物本体16内に取り込むこともできる。
【0087】
〔第3実施形態〕
以下、図12を用いて、本発明に係る建物の第3実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0088】
図12に示されるように、この第3実施形態では、柱18の側面に固定される梁固定ブラケット190が第1実施形態で用いたものよりも嵩だかに形成されており、その突出端部190Aが防水シート130ごと外板110の開口部116内へ嵌合されている。そして、梁固定ブラケット190の突出端部190Aと鉄軸床大梁56’の他端部との間に防水シート130の下部130Aが挟持され、この状態で鉄軸床大梁56’の他端部が梁固定ブラケット190の突出端部190Aに梁固定ボルト122で固定されている。
【0089】
(作用・効果)
上記構成によっても、上述した第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0090】
加えて、外板110の外側で梁固定ボルト122の締結作業を行うことができるので、作業性が良い。
【0091】
〔上記実施形態の補足説明〕
(1) 上述した実施形態では、外板110に開口部116を形成したが、これに限らず、切欠部を形成してもよい。
【0092】
(2) 上述した第1実施形態では、鉄軸天井大梁52の長さを床大梁56よりも短くして鉄軸天井大梁52の他端部を連結ブラケット94で鉄軸床大梁56に連結することで、鉄軸床大梁56のみを柱18の梁接合ブラケット100に接合するようにしたが、これに限らず、他の接合方法を採ってもよい。例えば、図1において、下階側の柱12の上端部の側面に嵩だかの梁接合ブラケットを予め接合し、外板110の上端部に切欠部を設けておき、その切欠部に梁接合ブラケットの突出端部を嵌合させる。そして、胴差138に開口部を形成し、鉄軸天井大梁52の他端部を防水シート130の下端部130Bを挟んで梁接合ブラケットの突出端部に締結固定するといった手法も可能である。
【符号の説明】
【0093】
10 ユニット建物(建物)
12 建物ユニット
14 建物ユニット
16 建物本体
18 柱
24 ユニット躯体フレーム
40 付加架構
42 吹抜け
44 鉄軸フレーム
56 鉄軸床大梁
100 梁接合ブラケット
106 外壁パネル
110 外板
130 防水シート(防水手段、シート状部材)
130A 下部
130B 下端部
134 横目地
138 胴差
140 ビス
142 ビス
154 上部開閉窓(上部開閉体)
156 下部開閉窓(下部開閉体)
158 固定窓
162 第1駆動モータ(上部開閉手段)
166 第2駆動モータ(下部開閉手段)
168 コントローラ(制御手段)
172 上部気温検出センサ(第1温度センサ)
174 下部気温検出センサ(第2気温センサ)
176 外気温センサ
190 梁固定ブラケット
190A 突出端部(端部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の建物ユニットを用いて構成された建物本体と、
この建物ユニット本体の屋外側に設けられると共に鉄骨軸組構造で構築され、建物ユニットのフレームの柱と接合される鉄骨梁を備えた付加架構と、
を備え、
前記フレームに固定される外壁パネルの外板には、前記鉄骨梁の端部を挿通させる開口部又は切欠部が形成されており、当該開口部又は切欠部に当該鉄骨梁の端部が挿通され、この状態で当該鉄骨梁の端部が建物ユニット側の防水手段を非貫通の状態で柱側に固定されている、
ことを特徴とする建物。
【請求項2】
複数の建物ユニットを用いて構成された建物本体と、
この建物ユニット本体の屋外側に設けられると共に鉄骨軸組構造で構築され、建物ユニットのフレームの柱と接合される鉄骨梁を備えた付加架構と、
を備え、
前記フレームに固定される外壁パネルの外板には、前記柱の側面に固定されたブラケットの端部を挿通させる開口部又は切欠部が形成されており、当該開口部又は切欠部に当該ブラケットの端部が挿通され、この状態で当該鉄骨梁の端部が建物ユニット側の防水手段を非貫通の状態で当該ブラケットの端部に固定されている、
ことを特徴とする建物。
【請求項3】
前記防水手段は、前記外壁パネルの外板の裏面側に配置され防水性を有するシート状部材であり、
前記鉄骨梁の柱への接合部では、当該シート状部材が、当該鉄骨梁の端部と柱の側面に固定されたブラケットの端部との間に挟持された状態で接合されている、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の建物。
【請求項4】
横目地を挟んで外板が上下に配置されていると共に、上階側の外板の裏面に配置された前記シート状部材の下端部は、当該横目地を通って下階側の外板の表面に引き出されて当該表面に固定されており、
さらに、前記鉄骨梁の下方側には、当該シート状部材の下端部を跨いだ状態で配置された胴差が上下に並ぶ外板に留め付けられている、
ことを特徴とする請求項3記載の建物。
【請求項5】
前記付加架構は吹抜けとして用いられていると共に、
当該吹抜けの最屋外側の外壁には、採光可能な固定窓と、吹抜け上部側に設けられて開閉可能な上部開閉体と、吹抜け下部側に設けられて開閉可能な下部開閉体と、が設けられており、
吹抜けに面した建物本体の室内へ熱が輻射される、
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の建物。
【請求項6】
吹抜け上部の気温を検出する第1温度センサと、
吹抜け下部の気温を検出する第2温度センサと、
上部開閉体を開閉させる上部開閉手段と、
下部開閉体を開閉させる下部開閉手段と、
第1温度センサ及び第2温度センサの検出温度に基づいて上部開閉手段と下部開閉手段を開閉制御する制御手段と、
を有することを特徴とする請求項5記載の建物。
【請求項7】
前記制御手段は、前記第1温度センサによって検出された気温と第2温度センサによって検出された気温との温度差が所定範囲の温度差を維持するように上部開閉手段及び下部開閉手段の開閉制御を行う、
ことを特徴とする請求項6記載の建物。
【請求項8】
前記制御手段は、屋外に設置された外気温センサ又は前記第2温度センサによって検出された気温が所定温度以下の場合には、上部開閉体及び下部開閉体が閉止されるように上部開閉手段及び下部開閉手段の開閉制御を行う、
ことを特徴とする請求項6記載の建物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−275775(P2010−275775A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−129677(P2009−129677)
【出願日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(504093467)トヨタホーム株式会社 (391)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】