説明

建築物の基礎における防蟻方法

【課題】 化学薬剤を使用することのない安全性の高い方法で、長期間にわたり優れた防蟻効果が維持できるとともに、適度な液剤の粘度により施工作業を簡易ならしめる建築物の基礎における防蟻方法を提供すること。
【解決手段】 粘度が50〜5000mPa・S(25℃)のスチレン−ブタジエン共重合体からなる合成ゴム系樹脂エマルションに、ガラス粉を20〜80w%の割合となるように配合した防蟻シーリング材を、土壌中に埋設されている建築物の基礎の側面と地面もしくは建築物の基礎コンクリートとの境界における接合部分に充填することによって、建築物の基礎における防蟻方法を完成させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の基礎における防蟻方法に関する。さらに詳しくは、シーリング材を基礎部分に確実に定着させることができ、シロアリが建物の床下地盤から床下へ侵入するのを防ぎ、建築物の基礎におけるシロアリの防除に有効な防蟻方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建築物におけるシロアリ被害に対する防止策としては、シロアリに対する殺虫、防虫又は忌避作用を有する薬剤を建築物の床下に散布する方法や、前記薬剤を不織布、紙、合成樹脂シート等に塗布や練りこみなどによって配合したシート材を、床パネルの下面に貼り付けたり、建築物の基礎周辺に敷き詰める方法などが行なわれている。
【0003】
しかしながら、シロアリに対する殺虫、防虫又は忌避作用を有する薬剤として化学薬剤を使用した場合には、薬剤による土壌汚染等の公害や、揮発した薬剤による居住者への例えばシックハウス症候群等の障害、散布時の飛散による作業者への健康障害などが社会問題化している。
【0004】
そこで、本発明者は、尖角形状のガラス薄片あるいは無アルカリガラス細片からなる高流動性ガラス粒材を建築物床下に堆積させて防蟻バリアを形成することにより、シロアリの負傷忌避本能を巧みに利用して、シロアリが床下から建築物の木質部分に這い上がることを確実に防止するとともに、地下水・河川湖水の化学汚染を引き起こす危険のない、建築物床下のシロアリ防除方法およびシロアリ防除構造を提案した(特許文献1、特許文献2および特許文献3参照)。
【0005】
しかしながら、こうしたシロアリ防除構造を得るためには、床下全面にガラス薄片を堆積させたり、あるいは、布基礎の側辺や束石の周囲に沿わせてガラス薄片を堤状に堆積させて防蟻バリアを形成する必要があるため、施工作業がより簡易な防蟻対策が望まれていた。
【0006】
他方また、シロアリに対する耐食害性を有さない液状ポリマーと高硬度粒子とを混合した防蟻シーリング材を境界部分に充填することによって、シロアリの侵入を防止せしめるものも知られている。
【0007】
しかしながら、この防蟻シーリング材は施工上、その粘度が非常に重要であり、高粘度である場合には、高硬度粒子を液体ポリマーに混合する際や、防蟻シーリング材を建築物の基礎周辺等に充填する際に、容器からの取り出しや塗り延ばし作業などの使い勝手が悪く、取り扱いが困難である。
【0008】
逆に、低粘度である場合には、傾斜面に充填した際に液ダレを生じたり、接着面に吸い込まれてしまい、所望量の充填ができず、やはり使い勝手が悪いという不満がある。
【0009】
【特許文献1】特開2004−360294号公報
【特許文献2】特開2005−65553号公報
【特許文献3】特開2007−132167号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、化学薬剤を使用することのない安全性の高い方法で、長期間にわたり優れた防蟻効果が維持できるとともに、適度な液剤の粘度により施工作業を簡易ならしめる建築物の基礎における防蟻方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の発明者らは鋭意研究した結果、多くの樹脂エマルションの中でもスチレン−ブタジエン共重合体からなる合成ゴム系樹脂エマルションを用いた場合に、ガラス粉と非常に容易に混合することができ、かつ、ガラス粉が樹脂エマルションに緊密に分散した防蟻シーリング材が得られることを見出した。さらに、前記防蟻シーリング材は、土壌中に埋設されている建築物の基礎の側面と地面もしくは建築物の基礎コンクリートとの境界における接合部分に充填する施工作業が非常に簡易に行なえるとともに、コンクリート等の被着体に対する接着力に優れ、また、コンクリートの収縮等に追従する粘弾性および優れた耐水性を有しており、周囲にモノマー臭などのVOCを揮散することなく、長期間にわたり有効な防蟻効果が維持できる事実を確認し、本発明を完成するに到った。
【0012】
かくして本発明によれば、粘度が50〜5000mPa・S(25℃)のスチレン−ブタジエン共重合体からなる合成ゴム系樹脂エマルションに、ガラス粉を20〜80w%の割合となるように配合した防蟻シーリング材を、土壌中に埋設されている建築物の基礎の側面と地面もしくは建築物の基礎コンクリートとの境界における接合部分に充填することによって、建築物の基礎における防蟻方法を完成させた。
【発明の効果】
【0013】
本発明の防蟻方法は、化学薬剤を使用することのない安全性の高い方法で、長期間にわたり優れた防蟻効果が維持できるとともに、粘度が50〜5000mPa・S(25℃)の樹脂エマルションを用いて防蟻シーリング材を製材したことにより、容器からの取り出しや塗り延ばし作業などの使い勝手が良く、傾斜面に充填した際に液ダレを生じたり、防蟻シーリング材が接着面に吸い込まれることがなく、施工作業が簡易である。
【0014】
また、本発明の防蟻方法によれば、コンクリート等の被着体に対する接着力に優れ、また、コンクリートの収縮等に追従する粘弾性および優れた耐水性を有しており、長期間にわたり有効な防蟻効果が維持できることから、産業上極めて有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
〔防蟻シーリング材について〕
本発明の方法では、粘度が50〜5000mPa・S(25℃)のスチレン−ブタジエン共重合体からなる合成ゴム系樹脂エマルションにガラス粉を配合した防蟻シーリング材を使用する。また、スチレン−ブタジエン共重合体からなる合成ゴム系樹脂エマルションに、さらにアクリル系樹脂エマルションを、全樹脂エマルションの30w%未満の割合で添加すると、コンクリートに対する接着性やコンクリートの収縮等に追従する粘弾性、および耐水性に優れ、さらに、施工作業が非常に簡易で、充填後に割れが生じにくい防蟻シーリング材が得られることから、好ましい実施態様である。このとき、アクリル系樹脂エマルションを全樹脂エマルションの30w%を超えて添加すると、充填後の防蟻シーリング材が割れやすくなったり、樹脂が溶け出したりすることから好ましくない。なお、スチレン−ブタジエン共重合体からなる合成ゴム系樹脂エマルションに、さらにアクリル系樹脂エマルションを混合した樹脂エマルションの粘度は、50〜5000mPa・S(25℃)とするのがよい。
【0016】
また、本発明において、防蟻シーリング材に使用するガラス粉としては、形状サイズが0.5〜5mm、厚さが0.5〜5mm、好ましくは1〜3mmのものを好適に用いることができ、例えば、厚さ1〜3mmの蛍光灯バルブ、液晶用ガラス、自動車用ガラス、普通ガラスを破砕して篩分けして、形状サイズが0.5〜5mmの薄片に作製したものを用いるとよい。このとき、ガラス粉の形状は、尖角形状が好ましく、形状サイズが1mm以下のものの存在率を2%以下とするのが好ましい。
【0017】
また、ガラスの種類は、高流動性ガラスの破片または廃棄液晶ガラス破片を採用する。この高流動性ガラスの素材としては、無アルカリガラス(比重=2.77以上)を尖った角のある状態に破砕して得た尖角形状の細片を用いる。無アルカリガラスとしては、液晶用ガラスが知られており、スベリ角(安息角)が30°以下のものが適当である。
【0018】
本発明では、粘度が50〜5000mPa・S(25℃)のスチレン−ブタジエン共重合体からなる合成ゴム系樹脂エマルション、あるいは、スチレン−ブタジエン共重合体からなる合成ゴム系樹脂エマルションに、さらにアクリル系樹脂エマルションを混合した、粘度が50〜5000mPa・S(25℃)の樹脂エマルションに、ガラス粉を20〜80w%、好ましくは35〜75w%の割合となるように配合し、混合して、防蟻シーリング材を調製する。また、防蟻シーリング材中のガラス粉の割合が20w%未満であると、防蟻効果が不十分となるため好ましくなく、また80w%を超えると、作業性が悪くなり施工がしにくくなることから好ましくない。
【0019】
更にまた、本発明において、防蟻シーリング材の製材に使用する樹脂エマルションの粘度は50〜5000mPa・S(25℃)、好ましくは50〜1000mPa・S(25℃)である。粘度が50mPa・S(25℃)未満であると、傾斜面に充填した際に液ダレを生じたり、防蟻シーリング材が接着面に吸い込まれて所望量の充填ができないことからことから好ましくなく、5000mPa・S(25℃)を超えると、防蟻シーリング材の調製の際や建築物の基礎周辺等に充填する際の取り扱い性が悪くなることから好ましくない。
【0020】
なお、上記防蟻シーリング材には、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、増粘剤、脱水剤、接着性付与剤、垂れ防止剤等を配合してもよい。
【0021】
『第1実施形態』
本発明の防蟻方法の第1実施形態を図1から図4に基づいて説明する。まず、上記のように作製した防蟻シーリング材を、土壌中に埋設されている建築物の基礎の側面と地面もしくは建築物の基礎コンクリートとの境界における接合部分に充填する。
【0022】
即ち、具体的には、図1に示すように、土またはスラグなどの土壌2の中に基礎1を埋設する。この基礎1としては、布基礎やベタ基礎、ブロック塀などがある。土壌2の上にはコンクリート3を打設する。そして、基礎1とコンクリート3との境界における接合部分に、防蟻シーリング材4を充填する。また、図2に示すように、基礎1と土壌2との境界における接合部分に防蟻シーリング材4を充填してから、その上にコンクリート3を打設することもでき、防蟻シーリング材4を地表面から被覆することができる。
【0023】
本実施形態では、図3に示すように、コンクリート3を打設する前に、土壌2の上に防蟻および/または防湿性を有するシート材5を敷設することもできる。このとき、シート材5と基礎1との境界における接合部分において、シート材5には基礎1に沿って約3〜5cm程度の折り返し部分をもたせることによって、接合部分におけるシロアリの侵入ルートを遮ることができて、より効果的である。
【0024】
また、本実施形態では、図4に示すように、コンクリート3を打設する前に、土壌2の上に防蟻および/または防湿性を有するシート材5を敷設する実施態様として、基礎1とコンクリート3との境界における接合部分だけでなく、基礎1の側面とコンクリート3とシート材5との境界における接合部分に防蟻シーリング材を充填することもでき、接合部分におけるシロアリの侵入ルートを遮ることができて、より効果的である。なお、図3および図4の実施態様において、防蟻および/または防湿性を有するシート材5の上にさらに吸湿性を有するシート材を敷設した後、コンクリート3を打設すると、コンクリートの水分を吸収することができることから好ましい。
【0025】
本実施形態では、防蟻シーリング材4は、基礎1とコンクリート3に対して、正接又は余弦に配向して底辺は2〜4cm、好ましくは3cm〜4cmで、高さは2〜4cm、好ましくは3cm〜4cmの略直角三角形の断面になるように基礎1とコンクリート3に接して充填することによって、シーリング材の使用量を最小にすることができる。
【0026】
『第2実施形態』
本発明の第2実施形態を図5および図6に示す。本実施形態では、防蟻シーリング材を、土壌中に埋設されている建築物の基礎の側面と地面もしくは建築物の基礎コンクリート上面に敷設された防蟻シートとの境界における接合部分に充填するものである。
【0027】
具体的には、図5に示すように、土またはスラグなどの土壌2の中に基礎1を埋設し、コンクリート3を打設した上に、防蟻および/または防湿性を有するシート材5を敷設する。そして、基礎1とシート材5との境界における接合部分に、防蟻シーリング材4を充填することができる。
【0028】
一方、図6に示すように、土またはスラグなどの土壌2の中に基礎1を埋設し、土壌2の上にシート材5を敷設する。このとき、基礎1の基部側面近傍に形成された土壌2の掘削部にシート材5の端縁を折り込み、この折り込んだ端縁の上に防蟻シーリング材4を充填することができ、接合部分におけるシロアリの侵入ルートを遮ることができて、より効果的である。
【0029】
なお、本実施形態においても、防蟻シーリング材4は、基礎1とシート材5との接合点を頂点として、基礎1に沿った辺の長さが2〜4cm、好ましくは3cm〜4cm、シート材5に沿った辺の長さが2〜4cm、好ましくは3cm〜4cmの略直角三角形の断面になるように充填することができる。
【0030】
『第3実施形態』
本発明の第3実施形態を図7に示す。本実施形態では、コンクリート3を貫通して配管6が設置される。コンクリート3上の配管6を取り囲むように、防蟻シーリング材4を充填することもできる。このとき、コンクリート3を打設する前に、土壌2の上に防蟻および/または防湿性を有するシート材5を敷設することができ、これらの部材の接合部分におけるシロアリの侵入ルートを遮ることができて、より効果的である。
【実施例】
【0031】
本発明に用いる防蟻シーリング材の調製例について以下に説明する。本実施例では、各種供試樹脂エマルションに、5mmメッシュを通過した普通ガラスのガラス粉を混合し、本発明品としての実施例1〜2を調製するとともに、従来品として比較するための比較例1〜4の防蟻シーリング材をそれぞれ以下のように調製した。
【0032】
「実施例1」
スチレン−ブタジエン共重合体合成ゴム系樹脂エマルション 30重量部
ガラス粉 70重量部
なお、本実施例では、スチレン−ブタジエン共重合体合成ゴム系樹脂エマルションとして、JSR株式会社製「SB(スチレン・ブタジエン)ラテックス0569」を採用し、その組成は次のとおりである。
ブタジエン・スチレン・アクリル酸共重合体 48重量部
水 52重量部
【0033】
「実施例2」
スチレン−ブタジエン共重合体合成ゴム系樹脂エマルション 18重量部
アクリル系樹脂エマルション 6重量部
ガラス粉 76重量部
なお、本実施例では、アクリル系樹脂エマルションとして、昭和高分子株式会社製「ポリゾールAP4690N」を採用し、その組成は次のとおりである。
アクリル酸エステル共重合体 34〜37重量部
水 63〜66重量部
【0034】
「比較例1」
アクリル系樹脂エマルション 30重量部
ガラス粉 70重量部
【0035】
「比較例2」
ポリ酢酸ビニル系樹脂エマルション 30重量部
(昭和高分子株式会社製「ポリゾールS5501RL」)
ガラス粉 70重量部
【0036】
「比較例3」
スチレン−ブタジエン共重合体合成ゴム系樹脂エマルション 15重量部
アクリル系樹脂エマルション 15重量部
ガラス粉 70重量部
【0037】
「比較例4」
スチレン−ブタジエン共重合体合成ゴム系樹脂エマルション 6重量部
アクリル系樹脂エマルション 18重量部
ガラス粉 76重量部
【0038】
〔試験条件〕
本実施例における防蟻シーリング材の耐水性確認試験の実施方法を以下に示す。
(1)実施例1〜2および比較例1〜4の防蟻シーリング材を、セメントレンガのコーナー部分に、底辺が3cm、高さが3cmの略直角三角形になるように充填し、室温で3日間静置した。
(2)静置後、各供試防蟻シーリング材のセメントレンガへの接着性として、各供試防蟻シーリング材表面および内部の状態を観察した。
(3)さらに、5Lの水を入れた水槽内に供試セメントレンガを浸漬し、60分後に取り出して、各供試防蟻シーリング材を指で押したときの状態と、水槽内の水の濁りを観察した。
【0039】
上記試験結果を、以下の〔表1〕に示す。
【0040】
【表1】

【0041】
この試験結果より、本発明品はゴム状を保持していることから、形態安定性に優れ、施工性が高いことがわかる。
【0042】
次に、本実施例の方法に用いる防蟻シーリング材における防蟻効果確認試験について以下に説明する。本試験は、「社団法人日本木材保存協会規格 第17号 貫通防止性能試験」に準じて行なった。
【0043】
〔試験条件〕
(1)内径80mm、長さ50mmの合成樹脂性円筒2本で、直径70〜80mm、厚さ10mmの実施例1〜2および比較例1〜4の防蟻シーリング材を挟んだ試験筒を準備し、室温で3日間静置した。
(2)静置後、各試験筒を水に60分間浸漬した後、イエシロアリの巣の上に30日間静置して、各供試防蟻シーリング材へのシロアリ食害の有無を観察した。
【0044】
上記試験結果を、以下の〔表2〕に示す。
【0045】
【表2】

【0046】
この試験結果より、本発明品はシロアリの貫通被害を受けなかったことから、優れた防蟻性を具備していることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1実施形態の防蟻方法により施工した状態を表わす説明断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態の防蟻方法により施工した状態を表わす説明断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態の防蟻方法により施工した状態を表わす説明断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態の防蟻方法により施工した状態を表わす説明断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態の防蟻方法により施工した状態を表わす説明断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態の防蟻方法により施工した状態を表わす説明断面図である。
【図7】本発明の第3実施形態の防蟻方法により施工した状態を表わす説明断面図である。
【符号の説明】
【0048】
1 基礎
2 土壌
3 コンクリート
4 充填剤
5 シート材
6 配管


【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘度が50〜5000mPa・S(25℃)のスチレン−ブタジエン共重合体からなる合成ゴム系樹脂エマルションに、ガラス粉を20〜80w%の割合となるように配合して防蟻シーリング材を作製する一方、
この防蟻シーリング材を、土壌中に埋設されている建築物の基礎の側面と地面もしくは建築物の基礎コンクリートとの境界における接合部分に充填することを特徴とする建築物の基礎における防蟻方法。
【請求項2】
粘度が50〜5000mPa・S(25℃)のスチレン−ブタジエン共重合体からなる合成ゴム系樹脂エマルションに、ガラス粉を20〜80w%の割合となるように配合して防蟻シーリング材を作製する一方、
この防蟻シーリング材を、土壌中に埋設されている建築物の基礎の側面と地面もしくは建築物の基礎コンクリート上面に敷設された防蟻シートとの境界における接合部分に充填することを特徴とする建築物の基礎における防蟻方法。
【請求項3】
ガラス粉の形状サイズを0.5〜5mm、厚さを0.5〜5mmにして配合した防蟻シーリング材を充填することを特徴とする請求項1または2に記載の建築物の基礎における防蟻方法。
【請求項4】
スチレン−ブタジエン共重合体からなる合成ゴム系樹脂エマルションに、アクリル樹脂系エマルションを、全樹脂エマルションの30w%未満の割合で添加した粘度が50〜5000mPa・S(25℃)の樹脂エマルションにガラス粉を配合した防蟻シーリング材を充填することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の建築物の基礎における防蟻方法。
【請求項5】
コンクリートを打設する前に、土壌の上に防蟻および/または防湿性を有するシート材を敷設して、かつ、シート材と基礎との境界における接合部分において、シート材には基礎に沿って折り返し部分をもたせることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の建築物の基礎における防蟻方法。
【請求項6】
防蟻シーリング材を、基礎とコンクリートに対して、正接又は余弦に配向せる略直角三角形の断面になるようにして基礎側面に接して充填することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の建築物の基礎における防蟻方法。
【請求項7】
土またはスラグなどの土壌の中に基礎を埋設し、土壌の上に防蟻および/または防湿性を有するシート材を敷設するとき、基礎の基部側面近傍に形成された土壌の掘削部にシート材の端縁を折り込み、この折り込んだ端縁の上に防蟻シーリング材を充填することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の建築物の基礎における防蟻方法。
【請求項8】
コンクリートを貫通する配管を設置して、コンクリート上の配管を取り囲むようにして防蟻シーリング材を充填することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の建築物の基礎における防蟻方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−84902(P2009−84902A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−257114(P2007−257114)
【出願日】平成19年10月1日(2007.10.1)
【出願人】(000196750)
【出願人】(000154727)株式会社片山化学工業研究所 (82)
【Fターム(参考)】