説明

弁当用容器

【課題】障害者が開封しやすく、容易に弁当を食べることができる弁当用容器を提供する。
【解決手段】弁当用容器1は、容器本体2が底板3と該底板3の周縁から立ち上がる側壁6,7との角部を部分的に内側に凹めた取手部8,9を有する。また容器本体2の開放上面を覆う蓋50を有し、該蓋50が容器本体2の取手部8,9を有する側壁6,7の外側に重ねられる縁部54,55を有し、該縁部54,55が前記取手部8,9より上側の側壁6,7より低い高さに形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弁当用容器に関し、特に障害者などに提供される弁当の容器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に弁当には、箸、スプーン、フォーフ、ナイフなどの食事用器具や醤油、ソース、塩などの調味料を樹脂フィルムなどの袋状容器に充填封入した包装体などが添えられている。また弁当用容器の封止には、紐、帯、ゴムバンドなどが多く用いられている。例えば特許文献1では蓋部の上に箸等の棒状部材を置き、その上から容器に封止帯がかけられ、特許文献2では調味料設置用の凹部と箸設置用の溝が蓋の上面に形成され、凹部に調味料を置き、その上に箸設置用の溝を介して箸をかけ渡し、その上から容器にゴムバンドがかけられ、特許文献3では箸、スプーン等の箸類を差込み可能な箸類収容部が容器本体又は蓋の側面に設けられ、箸類収容部に箸類を差込み、その上から容器にゴムバンドがかけられ、食事用器具や調味料を容器に保持した状態で該容器が封止される。
【特許文献1】特開2004−136902号公報
【特許文献2】特開2001−299430号公報
【特許文献3】特開平9−2447号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
障害者が弁当を食べるに当たって、食事用器具や調味料が取り出しやすく、すぐに使用できることも重要であるが、容器が開封しやすいことが重要である。特許文献1〜3のように封止帯やゴムバンドなどで容器が封止された場合、特に視覚障害者などや手や指が不自由な人にとっては開封しにくい。またこの種の弁当用容器には取手がないため、特に手や指が不自由な人にとっては容器を移動したり持ち上げたりすることがむずかしく開封しにくい。
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、障害者が開封しやすく、容易に弁当を食べることができる弁当用容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に記載の弁当用容器は、容器本体が底板と該底板の周縁から立ち上がる側壁との角部を部分的に内側に凹めた取手部を有していることを特徴とする。
【0006】
上記構成を有する本発明の請求項1に記載の弁当用容器は、容器本体が底板と該底板の周縁から立ち上がる側壁との角部を部分的に内側に凹めた取手部を有しているので、手や指が不自由な人などが容器本体の取手部に指先を差し込み、容器を容易に移動したり持ち上げたりすることができ、容器が開封しやすい。
【0007】
本発明の請求項2に記載の弁当用容器は、本発明の請求項1に記載の弁当用容器において、取手部が底板と該底板の対向する2側縁から立ち上がる一組の対向側壁との各角部で対向配置されていることを特徴とする。
【0008】
上記構成を有する本発明の請求項2に記載の弁当用容器は、取手部が底板と該底板の対向する2側縁から立ち上がる一組の対向側壁との各角部で対向配置されているので、手や指が不自由な人などが容器本体の各取手部に指先を差し込みやすく、容器を容易に移動したり持ち上げたりすることができ、容器が開封しやすい。
【0009】
本発明の請求項3に記載の弁当用容器は、本発明の請求項1又は2に記載の弁当用容器において、容器本体の開放上面を覆う蓋を有し、該蓋が容器本体の取手部を有する側壁の外側に重ねられる縁部を有し、該縁部が前記取手部より上側の側壁より低い高さに形成されていることを特徴とする。
【0010】
上記構成を有する本発明の請求項3に記載の弁当用容器は、蓋の縁部の下側が取手部によって内側に凹んでいるので、手や指が不自由な人などが蓋の縁部に指先を掛けやすく、容器が開封しやすい。
【0011】
本発明の請求項4に記載の弁当用容器は、本発明の請求項3に記載の弁当用容器において、蓋の縁部が突片を有し、該突片が取手部の外側に延出され、該突片の上部に切り目を介して切り起こし自在に係合片が形成され、該係合片が容器本体の取手部を有する側壁に形成されるスリット状の溝孔から該側壁の内側に差し込まれ、前記蓋が容器本体に閉状態で係合保持されることを特徴とする。
【0012】
上記構成を有する本発明の請求項4に記載の弁当用容器は、突片を取手部の外側で上方に折り曲げるだけで、係合片がスリット状の溝孔から抜け出し、蓋と容器本体の係合が解けると共に、取手部によって突片の内側に空間が形成され、突片は指先で把持しなくても外側に折り曲げることができるので、係合片とスリット状の溝孔の係合手段で蓋を確実に容器本体に閉状態で係合保持できるにもかかわらず、その係合を視覚障害者などや手や指が不自由な人などが解きやすく、また片手でも容易に解くことができ、容器が開封しやすい。
【0013】
本発明の請求項1乃至4に記載の弁当容器は、視覚障害者などに対して弁当の説明などを行うために、蓋に点字を施すことが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
以上のように本発明によれば、障害者が開封しやすく、容易に弁当を食べることができる弁当用容器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施の形態に係る弁当用容器1を示す外観斜視図、図9は本発明の実施の形態に係る弁当用容器1の使用状態を示す外観斜視図、図10は本発明の実施の形態に係る弁当用容器1の使用状態を示す断面図である。図1、図9、図10に示すように、弁当用容器1は、図2〜図4に示すような紙製の容器本体2と該容器本体2とは別体の図5〜図8に示すような紙製の蓋50とで構成されている。
【0016】
図2は容器本体2を示す外観斜視図、図3(A)は容器本体2の上面図、図3(B)は容器本体2の後面図、図3(C)は容器本体2の右側面図、図4は容器本体2の展開図である。図2〜図4、図10に示すように、容器本体2は、左右方向に長い矩形の底板3と該底板3の前後左右の各側縁から略直角に立ち上げられる前後左右の各側壁4,5,6,7とで、上面開放のトレー状に構成されている。また底板3と左側壁6との角部の幅方向中央部には、該部を部分的に内側に向かって角形に凹めた左取手部8を有し、底板3と右側壁7との角部の幅方向中央部にも、該部を部分的に内側に向かって角形に凹めた前記左取手部8と同じ右取手部9を有し、これら左右取手部8,9が底板3と左右側壁6,7との各角部の幅方向中間部で対向状に配置されている。該左右取手部8,9は、テーブルなどの支持面に容器本体2を置いた状態で少なくとも親指以外の4本の指先が楽に差し込むことができ、その指先を下側から引っ掛けることができる大きさに形成されている。このため、容器本体2は、テーブルなどの支持面に置いた状態でも、左右取手部8,9に親指以外の4本の指先を差し込むことで、該容器本体2を支持面上で移動したり支持面から持ち上げたりすることが容易に行えるようになっている。また左右側壁6,7には、蓋50を容器本体2に閉状態で係合保持するための係合手段としてのスりット状の溝孔10,11を有し、該左右溝孔10,11は、左右側壁6,7における左右取手部8,9の上縁に沿って該上縁の幅方向中央部に形成されている。また左右側壁6,7の上縁には、折り曲げ自在に左右フラップ12,13が連設され、該左右フラップ12,13が左右側壁6,7の上縁から内側に略直角に折り曲げられ、容器本体2の開放上面における左右側端部に延出されている。
【0017】
前記容器本体2は、例えば厚さ0.3〜10mm程度のボール紙を、図4に示すように型抜きし、所定箇所に接着剤を塗布したり或いは両面接着テープを貼り付けて折り畳むことで作製されたものである。
【0018】
型抜きされた展開状態の容器本体2Aは、図4に示すように、底板3の前後左右の各側縁に折り目14,15,16,17を介して前後左右の各側壁4,5,6,7が連設され、前後側壁4,5の上縁に該前後側壁4,5を二重構造にするための内側壁18,19が折り目20,21を介して連設されている。また前後側壁4,5の左右側縁には折り目22,23,24,25を介して接合片26,27,28,29が連設され、左右側壁6,7の上縁には折り目30,31を介して左右フラップ12,13が連設されている。また前記左取手部8を形成するために、底板3と左側壁6の間の折り目16から等距離(各側壁4,5,6,7の高さ寸法の約3分の1程度の距離)の底板3側の幅方向中央部と左右側壁10,11側の幅方向中央部には、2本の同じ長さの折り目32,33が前記折り目16と平行に形成され、該2本の折り目32,33の対応する両端間には、前記折り目16と直角に交差して該2本の折り目32,33の対応する両端を繋ぐ2本の同じ長さの切り目34,35が平行に形成されると共に、右取手部9を形成するために、底板3と右側壁7の間の折り目17から等距離(各側壁4,5,6,7の高さ寸法の約3分の1程度の距離)の底板3側の幅方向中央部と右側壁7側の幅方向中央部にも、前記2本の折り目32,33と同様に2本の同じ長さの折り目36,37が前記折り目17と平行に形成され、該2本の折り目36,37の対応する両端間にも、前記2本の切り目34,35と同様に前記折り目17と直角に交差して該2本の折り目36,37の対応する両端を繋ぐ2本の同じ長さの切り目38,39が平行に形成されている。また左右側壁6,7上にある前記折り目33,37に沿って該折り目33,37の幅方向中央部に左右溝孔10,11が形成されている。また左右側板6,7の下縁と左右側縁の交点から左右フラップ12,13の端縁まで45度の傾斜角度を持って直線状に延びる容器本体折り畳み用の折り目40,41,42,43が形成されている。
【0019】
前記展開状態の容器本体2Aは、前後側壁4,5の上に折り目20,21を介して内側壁18,19を折り畳み、前後側壁4,5と内側壁18,19の接合面の一方に予め塗布された接着剤或いは予め貼り付けられた両面接着テープによって、前後側壁4,5の内面に内側壁18,19を接着固定し、前後側壁4,5を二重構造に形成する。その後、前後側壁4,5の左右側縁から折り目22,23,24,25を介して接合片26,27,28,29を折り立てた状態で、該前後側壁4,5を底板3の前後側縁から折り目14,15を介して略直角に折り立てる。その後、底板3の左右側縁から折り目16,17を介して左右側壁6,7を略直角に折り立て、左右側壁6,7と接合片26,27,28,29の接合面の一方に予め塗布された接着剤或いは予め貼り付けられた両面接着テープによって、左右側壁4,5の内面に接合片26,27,28,29を接着固定し、前後側壁4,5と左右側壁6,7を直立状態に保持する。これにより、左右取手部8,9が未形成で、左右フラップ12,13が左右側壁6,7の上縁から上向きに延出された半組み立て状態に組み立てることができる。なお左右側壁6,7と接合片26,27,28,29は、左右側壁6,7の左右側縁と折り目30,31と折り目41,42,43,44とで囲われた三角形の領域内で接着固定されている。
【0020】
前記半組み立て状態では、折り目41,42より内側の左側壁6及び左フラップ12の台形部分と折り目43,44より内側の右側壁7及び右フラップ13の台形部分を内側に押し倒すことで、該各台形部分が折り目16,17を介して底板3の上に折り畳まれ、それに伴って折り目41,42より外側の左側壁6及び左フラップ12の三角形部分と折り目43,44より外側の右側壁7及び右フラップ13の三角形部分が前記台形部分の両端部と前後側壁5,6の両端部の間に折り目41,42,43,44を介して折り込まれながら、該前後側壁5,6が折り目14,15を介して底板3の上に折り畳まれ、前後側壁5,6或いは前記台形部分を折り立てるワンタッチ操作で半組み立て状態に組み立て可能な状態に折り畳むことができ、該折り畳み状態では、該容器本体2の厚みが後述する蓋50の深さより薄くなり、該容器本体2を蓋50の内側に収めることができ、弁当用容器1の持ち運び及び保管を蓋50の外形分の省スペースで行えるようになっている。
【0021】
前記半組み立て状態では、底板3と左側壁6との角部の幅方向中央部を内側に押し込むことで、折り目16,32及び切り目34,35で囲われた矩形部分が底板3から折り目32を介して略直角に立ち上がり左取手部8の奥壁45になり、これと同時に折り目16,33及び切り目34,35で囲われた矩形部分が左側壁6から折り目33を介して内側に略水平に突出し左取手部8の天壁46になり、左取手部8を形成することができる。また底板3と右側壁7との角部の幅方向中央部を内側に押し込むことで、折り目17,36及び切り目38,39で囲われた矩形部分が底板3から折り目36を介して略直角に立ち上がり右取手部9の奥壁47になり、これと同時に折り目17,37及び切り目38,39で囲われた矩形部分が右側壁7から折り目37を介して内側に略水平に突出し右取手部9の天壁48になり、右取手部8を形成することができる。また左右フラップ12,13を左右側壁6,7の上縁から内側に略直角に折り曲げて容器本体2の開放上面における左右側端部に延出させる。これにより、図2、図3、図10に示すような使用状態に組み立てることができる。
【0022】
図5は蓋50の外観斜視図、図6(A)は蓋50の上面図、図6(B)は蓋50の後面図、図6(C)は蓋50の右側面図、図7は蓋50の内面図、図8は蓋50の展開図である。図1、図5〜図10に示すように、蓋50は、左右方向に長い矩形の天板51と該天板51の前後左右の各側縁から下向きに略直角に立ち上げられる前後左右の各縁部52,53,54,55とで、下面開放のトレー状に構成されており、前記容器本体2に上方から被せるようになっている。また蓋50は、該蓋50の前記容器本体2に被せた時に天板51が前記容器本体2の開放上面を覆い、前後左右の各縁部52,53,54,55が前記容器本体2の各側壁4,5,6,7の外側に重ねられるが、該蓋50の深さ、つまり各縁部52,53,54,55の高さは、蓋50が前記容器本体2から外しやすく、弁当用容器1が開封しやすいように、かつ前記容器本体2の左右側壁6,7の外側に重ねられる蓋50の左右縁部54,55が前記容器本体2の左右取手部8,9及び左右溝孔部10,11を塞がないように、前記容器本体2の深さ、つまり各側壁4,5,6,7の高さより低く、かつ左右取手部8,9より上側の左右側壁6,7の高さよりやや低くなている。また左右縁部54,55の幅方向中央部には、蓋50を前記容器本体2に被せた時に左右取手部8,9の幅方向中央部の外側に延出される左右突片56,57を有している。また該左右突片56,57の上部には、中央部で途切れた折り目58,59が該左右突片56,57の幅方向に形成され、該折り目58,59が蓋50を前記容器本体2に被せた時に左右取手部8,9の上縁(折り目33,37)に対応している。各折り目58,59の途切れ部には、上向きに盛り上がった半円形の切り目60,61が形成され、各切り目60,61の両端が各折り目58,59の途切れ端に繋がれており、左突片56の上部中央部には、該左突片56の下部を一連の折り目58及び切り目60を介して外側に折り曲げた時に該左突片56の下部と一体に該左突片56の上部中央部から切り目60を介して切り起こされる半月形の左係合片62が形成され、右突片57の上部中央部にも、該右突片57の下部を一連の折り目59及び切り目61を介して外側に折り曲げた時に該右突片57の下部と一体に該右突片57の上部中央部から切り目61を介して切り起こされる左係合片62と同じ半月形の右係合片63が形成され、該左右係合片62,63が蓋50を前記容器本体2に被せた時に左右溝孔10,11から左右側壁6,7の内側に差し込めるようになっており、該左右係合片62,63が左右溝孔10,11とで蓋50を容器本体2に閉状態で係合保持するための係合手段を構成している。
【0023】
また天板51の内面には、該内面の略全面を覆う一枚の矩形シート体としての樹脂フィルム64が接着固定されている。該樹脂フィルム64は、図7,図8の斜線で示すように、接着面65が「日」の字形になるように、両面接着テープや接着剤によって外周縁部と前後中央部よりやや前側に偏った箇所とが略一定幅で天板51の内面に接着固定され、該樹脂フィルム64が天板51の前半部内面で外周縁部が接着固定されて天板51の前半部内面に多くない弛みを持って(非緊張状態)張設される横に長い矩形の前非接着フィルム部66と、天板51の後半部内面で外周縁部が接着固定されて天板51の後半部内面に多くない弛みを持って(非緊張状態)張設される横に長い矩形の後非接着フィルム部67ととに画成されている。前非接着フィルム部66は後非接着フィルム部67より前後幅がやや幅狭になっている。また前非接着フィルム部66と対向する天板51の前半部で、かつ左右中央よりやや右側に偏って箇所には、前非接着フィルム部66の前後幅よりやや幅狭で、かつ右側に向かって開口するU字形の切り込み68が形成され、該切り込み68より左側に該切り込み68より左側で対向している前非接着フィルム部66及び天板51と、該切り込み68とによって蓋50に深い第1ポケット69を形成すると共に、該切り込み68より右側に該切り込み68より右側で対向している前非接着フィルム部66及び天板51と、該切り込み68とによって蓋50に前記第1ポケット69より浅い第2ポケット70を形成し、該第1ポケット69と第2ポケット70が対向配置されて切り込み68を共通のポケット口71として有している。また天板51には切り込み68の両端部から連続的に天板51の右端まで2本のミシン目72,73が平行に形成され、天板51の第2ポケット70の表面となる部分に切り込み68及び2本のミシン目72,73によって、先端部に片持ち梁の舌片状の摘み片74を有する引き裂き部75が形成されている。また該引き裂き部75には第2ポケット70に収容される後述する包装体105が外から見え、かつ包装体105を外から直接指先などで触ることができるように、貫通孔でなる単一或いは複数の透孔76が開口形成されている。なお前記接着面65は2本のミシン目72,73上で途切れている。
【0024】
前記蓋50も、例えば厚さ0.3〜10mm程度のボール紙を、図8に示すように型抜きし、所定箇所に接着剤を塗布したり或いは両面接着テープを貼り付けて折り畳むことで作製されたものである。
【0025】
型抜きされた展開状態の蓋50Aは、図8に示すように、天板51の前後左右の各側縁に折り目77,78,79,80を介して前後左右の矩形の各縁部52,53,54,55が連設され、前後左右の各縁部52,53,54,55の上縁に該各縁部52,53,54,55を二重構造にするための前後左右の矩形の各内縁部81,82,83,84が折り目85,86,87,88を介して連設されている。また天板51の四隅外側には隣接する縁部52,53,54,55の端縁同士を連設するコーナー片89,90,91,92が各縁部52,53,54,55の端縁で折り曲げ自在に形成され、各コーナー片89,90,91,92の対角線上には折り目93,94,95,96が形成されている。また左右縁部54,55と左右内縁部83,84の間の折り目87,88は幅方向中央部で途切れており、各折り目87,88の途切れ部には、左右内縁部83,84側に突出したコ形の切り目97,98が形成され、各切り目97,98の両端が各折り目87,88の途切れ端に繋がれ、一連の折り目58及び切り目60を有する左突片56が左切り目97を介して左内縁部83から切り起こし可能に形成されると共に、一連の折り目59及び切り目61を有する右突片57が右切り目98を介して右内縁部84から切り起こし可能に形成されている。また左右内縁部83,84には左右縁部54,55の下縁と左右側縁の交点から45度の傾斜角度を持って直線状に延びる線上に折り目99,100,101,102が形成されている。
【0026】
前記蓋用台紙50Aは、前後縁部52,53の上に折り目85,86を介して前後内縁部81,82を折り畳み、前後縁部52,53と前後内縁部81,82の接合面の一方に予め塗布された接着剤或いは予め貼り付けられた両面接着テープによって、前後縁部52,53の内面に前後内縁部81,82を接着固定し、前後縁部52,53を二重構造に形成する。その後、前後縁部52,53を天板51の前後側縁から折り目77,78を介して略直角に折り立てる。その後、コーナー片89,90,91,92を折り目93,94,95,96を介して折り畳み、左右縁部54,55の内側に折り込みながら、該左右縁部54,55を天板51の左右側縁から折り目79,80を介して略直角に折り立てる。その後、左右縁部54,55の内面側に折り目87,88を介して左右内縁部83,84を折り曲げ、左右縁部54,55と左右内縁部83,84の接合面の一方に予め塗布された接着剤或いは予め貼り付けられた両面接着テープによって、左右縁部54,55の内面に左右内縁部83,84を接着固定する。左右縁部54,55と左右内縁部83,84は、左右内縁部83,84の折り目99,100,101,102の間で接着固定され、左右内縁部83,84の折り目99,100,101,102より外側の部分で左右縁部54,55との間にコーナー片89,90,91,92を挟み込み、前後縁部52,53と左右縁部54,55を直立状態に保持する。そして、左右縁部54,55の内面側への左右内縁部83,84の折り曲げに伴って、一連の折り目58及び切り目60を有する左突片56が左切り目97を介して左内縁部83から切り起こされて左縁部54の幅方向中央部から延出されると共に、一連の折り目59及び切り目61を有する右突片57が右切り目98を介して右内縁部84から切り起こされて右縁部55の幅方向中央部から延出される。これにより、図1、図5〜図7、図9、図10に示すような使用状態に組み立てることができる。なお樹脂フィルム64は展開状態の蓋50Aを使用状態に組み立てる前に展開状態の蓋50Aの天板51内面に接着固定されるが、該接着固定は組み立て中或いは組み立て後であっても行うことができる。
【0027】
上記のように使用状態に組み立てられた容器本体2と蓋50は、図10に示すように、ご飯やおかずなどを盛り付けたプラスチック製のトレー状の容器103を容器本体2の内部に収容し、該容器本体2に上方から蓋50を被せ、該容器本体2の開放上面を閉じ、弁当用容器1として供することができる。
【0028】
弁当には箸、スプーン、フォーフ、ナイフなどの食事用器具(以下、「箸類」という。)104と、醤油、ソース、塩などの調味料を樹脂フィルムなどの袋状容器に充填封入した包装体(以下、「調味料」という。)105が添えられる。箸類104は、図9〜図11に示すように、蓋50のポケット口71から第1ポケット69に差し込まれ、箸類104の一部が第2ポケット70の表面となる天板51の上にはみ出した状態で該蓋50に保持される。また調味料105は、箸類104を第1ポケット69に差し込む前に、図10,図11に示すように、蓋50のポケット口71から第2ポケット70に差し込んで収容され、第2ポケット70内で該蓋50に保持される。なお弁当には、簡易手拭などもよく添えられるが、この場合、簡易手拭は、第1ポケット69や第2ポケット70に箸類104や調味料105と共に収容することができる。
【0029】
箸類104は、図12に示すように、弁当を食べる者Aに対して一部が天板51の前右角部の上で右向きにはみ出すように第1ポケット69に差し込まれており、この時の弁当を食べる者Aに対する容器本体2の前後左右と弁当の前後左右とが一致するように、弁当が容器本体2に収容されている。
【0030】
また蓋50は、左右溝孔10,11と左右係合片62,63とからなる係合手段によって、容器本体2に閉状態で係合保持される。該係合は、図13〜図15に示すように、蓋50の左右縁部54,55から容器本体2の左右取手部8,9の外側に垂下されている左右突片56,57の下部を外側に折り曲げるだけで、左右係合片62,63が切り起こされて左右溝孔10,11に対応するので、この状態で位置合わせなどを行わずに左右係合片62,63を左右溝孔10,11に差し込むことができる。その後、該左右係合片62,63を左右縁部54,55から容器本体2の左右取手部8,9の外側に垂下する元の状態に戻すことで、左右係合片62,63が左右側壁6,7の内側に上向きに差し込まれ、その差し込み状態で保持される。これにより、蓋50が容器本体2に閉状態で確実に係合保持され、弁当用容器1の封止に封止帯やゴムバンドなどを用いる必要がない。
【0031】
一方、弁当を食べる際、箸類104は、天板51の上にはみ出ている該箸類104の一部を把持し、第1ポケット69から抜き取り、使用することができる。また調味料105は、図16に示すように、天板51のポケット口71にある摘み片74を把持して右斜め上方に引っ張り、引き裂き部75をミシン目72,73を介して切り裂き、第2ポケット70を上方に大きく開放し、第2ポケット70から上方に取り出し、使用することができる。また弁当用容器1の開封は、蓋50と容器本体2の係合を解いた後、蓋50を持ち上げて容器本体2から取り外すことで行える。この際、左右突片56,57を左右取手部8,9の外側で上方に折り曲げる(折り返す)だけで、左右係合片62,63が左右溝孔10,11から抜け出すので、蓋50と容器本体2の係合が解きやすく、弁当用容器1の開封が容易に行える。
【0032】
上記から明らかなように、本実施の形態の弁当用容器1では、容器本体2の開放上面を覆う蓋50がポケット69を有し、該ポケット69に箸類104が差し込まれ、該箸類104の一部が前記ポケット69から前記蓋50の上にはみ出ているので、視覚障害者などにとっても箸類104の所在がすぐにわかり、箸類104が取り出しやすい。また手や指が不自由な人などにとっても取り出しやすい。
【0033】
また箸類104の一部がポケット69から蓋50の上の偏奇した箇所ではみ出ているので、視覚障害者などが弁当を食べる際、一部がポケット69から蓋50の上の偏奇した箇所ではみ出ている箸類104のの取り出しによって視覚障害者などに弁当の前後左右を対応させることができる。つまり右利きの視覚障害者などが箸類104をポケット69から取り出す際には、ポケット69から蓋50の上にはみ出ている箸類104の一部を把持し、該箸類104をポケット69から右側に抜き取ることが自然で、容易である。この時の視覚障害者などに対する容器本体2の前後左右と弁当の前後左右とが一致するように、該容器本体2に弁当を詰めることで、該箸類104の取り出しによって視覚障害者などに弁当の前後左右を対応させることができる。
【0034】
またポケット69が、蓋50と、該蓋50の内面に周縁部の一部を残して接合されるシート体64と、前記蓋50の前記シート体64の非接合部に対応する部位に形成される切り込み68と、から構成されているので、ポケット69を容易に、かつコスト高を殆ど招くことなく形成することができる。
【0035】
またシート体64が樹脂フィルムであり、シート体64が弁当の水分、油分、熱などに耐性を有し、変質したり損壊しないので、箸類104を弁当に該弁当と分けて衛生的に添付することができる。
【0036】
また切り込み68がポケット69に対する箸類104の挿入方向に向かって凸形状に形成されているので、箸類104をポケット口71、つまり切り込み68を通して該ポケット69に差し込む際、及び箸類104を切り込み68を通して該ポケット69から抜き取る際、該切り込み68で囲われた片持ち梁の舌片状の部分74がガイドとなり、箸類104が抜き差ししやすく、視覚障害者などや手や指が不自由な人などが箸類104を取り出しやすい。
【0037】
また容器本体2の開放上面を覆う蓋50がポケット70を有し、該ポケット70に調味料105が収容され、該調味料105の一部が前記蓋50に開口された透孔76を通して外から見え、指先でも触ることもできるので、視覚障害者などにとっても調味料105の所在がすぐにわかり、調味料105が取り出しやすい。また手や指が不自由な人などにとっても取り出しやすい。また調味料105がおかずなどと混在しないので、調味料105を使用する際に手や指を汚すことがないと共に、視覚障害者などが誤って調味料(包装体)105を口に入れてしまうことがない。
【0038】
またポケット70が、蓋50と、該蓋50の内面に周縁部の一部を残して接合されるシート体64と、該蓋50の前記シート体64の非接合部に対応する部位に形成される切り込み68と、から構成されているので、ポケット70を容易に、かつコスト高を殆ど招くことなく形成することができる。
【0039】
またシート体64が樹脂フィルムであり、シート体64が弁当の水分、油分、熱などに耐性を有し、変質したり損壊しないので、調味料105を弁当に該弁当と分けて衛生的に添付することができる。
【0040】
また切り込み68がポケット70に対する調味料105の挿入方向と逆方向に凸形状に形成されているので、調味料105をポケット口71、つまり切り込み68を通して該ポケット70に差し込む際、及び調味料105を切り込み68を通して該ポケット70から抜き取る際、該切り込み68で囲われた片持ち梁の舌片状の部分74を持ち上げることで、調味料105が抜き差ししやすく、視覚障害者などや手や指が不自由な人などが調味料105を取り出しやすい。
【0041】
また蓋50の切り込み68の両端からポケット70の側縁に沿ってミシン目72,73が設けられているので、蓋50のポケット部分75をミシン目(弱め線でも可)72,73を介して引き裂き、調味料105全体を露出できるので、該調味料105が取り出しやすく、視覚障害者などや手や指が不自由な人などが調味料105を取り出しやすい。また切り込み68がポケット70に対する調味料105の挿入方向と逆方向に凸形状に形成されていると、切り込み68で囲われた片持ち梁の舌片状の部分74が摘み片となり、蓋50のポケット部分75が引き裂きやすく、調味料105が取り出しやすく、視覚障害者などや手や指が不自由な人などが調味料105を取り出しやすい。
【0042】
また容器本体2の開放上面を覆う蓋50が第1ポケット69と第2ポケット70を有し、該第1ポケット69と該第2ポケット70が対向配置されて共通のポケット口71を有し、前記第1ポケット69に箸類104が差し込まれ、該箸類104の一部が前記蓋50の前記第1ポケット69から前記第2ポケット70の上にはみ出ていると共に、前記第2ポケット70に調味料105が収容され、該調味料105の一部が前記蓋50に開口された透孔76を通して外から見え、指先でも触ることができるので、視覚障害者などにとっても箸類104の所在がすぐにわかり、箸類104が取り出しやすい。また手や指が不自由な人などにとっても取り出しやすい。視覚障害者などにとっても調味料105の所在がすぐにわかり、調味料105が取り出しやすい。また手や指が不自由な人などにとっても取り出しやすい。また調味料105がおかずなどと混在しないので、調味料105を使用する際に手や指を汚すことがないと共に、視覚障害者などが誤って調味料105(包装体)を口に入れてしまうことがない。さらに箸類104の一部が前記蓋50の前記第1ポケット69から前記第2ポケット70の上にはみ出ているので、箸類104と調味料105のそれぞれの厚みが第1ポケット69と第2ポケット70の共通のポケット口71を閉じるように作用するので、箸類104が第1ポケット69に、調味料105が第2ポケット70に、それぞれ適正に保持することができる。
【0043】
また第1ポケット69と第2ポケット70が蓋50の偏奇した箇所に配置され、箸類104の一部が前記蓋50の偏奇した箇所で前記第1ポケット69から前記第2ポケット70の上にはみ出ているので、視覚障害者などが弁当を食べる際、一部が第1ポケット69から蓋50の上の偏奇した箇所ではみ出ている箸類104の取り出しによって視覚障害者などに弁当の前後左右を対応させることができる。つまり右利きの視覚障害者などが箸類104を第1ポケット69から取り出す際には、第1ポケット69から蓋50の上にはみ出ている箸類104の一部を把持し、該箸類104を第1ポケット69から右側に抜き取ることが自然で、容易である。この時の視覚障害者などに対する容器本体2の前後左右と弁当の前後左右とが一致するように、該容器本体2に弁当を詰めることで、該箸類104の取り出しによって視覚障害者などに弁当の前後左右を対応させることができる。
【0044】
また第1ポケット69と第2ポケット70が、蓋50と、該蓋50の内面に周縁部が接合されるシート体64と、前記蓋50の前記シート体64の非接合部に対応する部位に形成される切り込み68と、から構成されているので、第1ポケット69と第2ポケット70を容易に、かつコスト高を殆ど招くことなく形成することができる。
【0045】
またシート体64が樹脂フィルムであり、シート体64が弁当の水分、油分、熱などに耐性を有し、変質したり損壊しないので、箸類104と調味料105を弁当に該弁当と分けて衛生的に添付することができる。
【0046】
また切り込み68が第1ポケット69に対する箸類104の挿入方向に向かって凸形状に形成され、第2ポケット70に対する調味料105の挿入方向とは逆方向に凸形状に形成されているので、箸類104をポケット口71、つまり切り込み68を通して第1ポケット69に差し込む際、及び箸類104を切り込み68を通して第1ポケット69から抜き取る際、該切り込み68で囲われた片持ち梁の舌片状の部分74がガイドとなり、箸類104が抜き差ししやすく、視覚障害者などや手や指が不自由な人などが箸類104を取り出しやすい。また調味料105をポケット口71、つまり切り込み68を通して第2ポケット70に差し込む際、及び調味料105を切り込み68を通して第2ポケット70から抜き取る際、該切り込み68で囲われた片持ち梁の舌片状の部分74を持ち上げることで、調味料105が抜き差ししやすく、視覚障害者などや手や指が不自由な人などが調味料105を取り出しやすい。
【0047】
また蓋50の切り込み68の両端から第2ポケット70の側縁に沿ってミシン目72,73が設けられているので、蓋50の第2ポケット部分75をミシン目(弱め線でも可)72,73を介して引き裂き、調味料105全体を露出できるので、該調味料105が取り出しやすく、視覚障害者などや手や指が不自由な人などが調味料105を取り出しやすい。また切り込み68が第2ポケット70に対する調味料105の挿入方向と逆方向に凸形状に形成されていると、切り込み68で囲われた片持ち梁の舌片状の部分74が摘み片となり、蓋50の第2ポケット部分75が引き裂きやすく、調味料105が取り出しやすく、視覚障害者などや手や指が不自由な人などが調味料105を取り出しやすい。
【0048】
また容器本体2と蓋50の間に係合手段を有し、該係合手段が容器本体2と蓋50の一方に有するスリット状の係合孔10,11と他方に有する係合片62,63でなり、該係合片62,63の該係合孔10,11への差し込みによって前記蓋50が前記容器本体2に閉状態で係合保持されるので、容器本体2と蓋50の間に有する係合手段によって前記蓋50が前記容器本体2に閉状態で係合保持され、前記蓋50に有するポケット69,70で箸類104や調味料105が該蓋50に保持されるので、容器1に封止帯やゴムバンドなどをかける必要がなく、視覚障害者などや手や指が不自由な人などが容器1を開封しやすい。
【0049】
したがって、障害者が開封しやすく、箸類104や調味料105を取り出しやすく、すぐに使用でき、容易に弁当を食べることができる弁当用容器1になる。
【0050】
また本実施の形態の弁当用容器1では、容器本体2が底板3と該底板3の周縁から立ち上がる側壁6,7との角部を部分的に内側に凹めた取手部8,9を有しているので、手や指が不自由な人などが容器本体2の取手部8,9に指先を差し込み、容器1を容易に移動したり持ち上げたりすることができ、容器1が開封しやすい。
【0051】
また取手部8,9が底板3と該底板3の対向する2側縁から立ち上がる一組の対向側壁6,7との各角部で対向配置されているので、手や指が不自由な人などが容器本体2の各取手部8,9に指先を差し込みやすく、容器1を容易に移動したり持ち上げたりすることができ、容器1が開封しやすい。
【0052】
また容器本体2の開放上面を覆う蓋50を有し、該蓋50が容器本体2の取手部8,9を有する側壁6,7の外側に重ねられる縁部54,55を有し、該縁部54,55が前記取手部8,9より上側の側壁54,55より低い高さに形成されているので、蓋50の縁部54,55の下側が取手部8,9によって内側に凹んでいるので、手や指が不自由な人などが蓋50の縁部54,55に指先を掛けやすく、容器1が開封しやすい。
【0053】
また蓋50の縁部54,55が突片56,57を有し、該突片56,57が取手部8,9の外側に延出され、該突片56,57の上部に切り目61,61を介して切り起こし自在に係合片62,63が形成され、該係合片62,63が容器本体2の取手部8,9を有する側壁6,7に形成されるスリット状の溝孔10,11から該側壁6,7の内側に差し込まれ、前記蓋50が容器本体2に閉状態で係合保持されるので、突片56,57を取手部8,9の外側で上方に折り曲げるだけで、係合片62,63がスリット状の溝孔10,11から抜け出し、蓋50と容器本体2の係合が解けると共に、取手部8,9によって突片56,57の内側に空間が形成され、突片56,57は指先で把持しなくても外側に折り曲げることができるので、係合片62,63とスリット状の溝孔10,11の係合手段で蓋50を確実に容器本体2に閉状態で係合保持できるにもかかわらず、その係合を視覚障害者などや手や指が不自由な人などが解きやすく、また片手でも容易に解くことができ、容器1が開封しやすい。
【0054】
また本実施の形態の弁当用容器1では、容器本体2の開放上面を覆う蓋50が該容器本体2の底板3の周縁から立ち上がる側壁6,7の外側に重ねられる該側壁6,7より高さの低い縁部54,55を有し、該縁部54,55が突片56,57を有し、該突片56,57の上部に切り目60,61を介して切り起こし自在に係合片62,63が形成され、該係合片62,63が容器本体2の側壁6,7に形成されるスリット状の溝孔10,11から該側壁6,7の内側に差し込まれ、前記蓋50が容器本体2に閉状態で係合保持されるので、突片56,57を上方に折り曲げるだけで、係合片62,63がスリット状の溝孔10,11から抜け出し、蓋50と容器本体2の係合が解けるので、係合片62,63とスリット状の溝孔10,11の係合手段で蓋50を確実に容器本体2に閉状態で係合保持できるにもかかわらず、その係合を視覚障害者などや手や指が不自由な人などが解きやすく、また片手でも容易に解くことができ、容器1が開封しやすい。
【0055】
また容器本体2が底板3と該底板3の周縁から立ち上がる側壁6,7との角部を部分的に内側に凹めた取手部8,9を有し、蓋50の縁部54,55が該取手部8,9より上側の側壁6,7より低い高さに形成され、該縁部54,55の突片56,57が前記取手部8,9の外側に延出されているので、取手部8,9によって突片56,57の内側に空間が形成され、突片56,57は指先で把持しなくても外側に折り曲げることができるので、係合片62,63とスリット状の溝孔10,11の係合手段で蓋50を確実に容器本体2に閉状態で係合保持できるにもかかわらず、その係合を視覚障害者などや手や指が不自由な人などが解きやすく、また片手でも容易に解くことができ、容器1が開封しやすい。また容器本体2が底板3と該底板3の周縁から立ち上がる側壁6,7との角部を部分的に内側に凹めた取手部8,9を有しているので、手や指が不自由な人などが容器本体2の取手部8,9に指先を差し込み、容器1を容易に移動したり持ち上げたりすることができ、容器1が開封しやすい。
【0056】
また容器本体2の左右方向で対向する一組の対向側壁6,7の外側に重ねられる蓋50の縁部54,55に突片56,57及び係合片62,63を有し、容器本体2の前記一組の対向側壁6,7に取手部8,9及びスリット状の溝孔10,11を有しているので、視覚障害者などや手や指が不自由な人などが突片56,57を上方に折り曲げやすいと共に、容器本体2の各取手部8,9に指先を差し込みやすく、容器1が開封しやすい。
【0057】
したがって、障害者が開封しやすく、容易に弁当を食べることができる弁当用容器1になる。
【0058】
また視覚障害者などに対して弁当の説明などを行うために、蓋50の天板51に点字を施すことができる。
【0059】
以上、本実施の形態は本発明の好適な一実施の形態を示したが、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形実施することができる。例えば本発明は矩形の底板の上下左右の各側縁から上下左右の各側壁を立ち上げた容器本体の後側壁の上縁に蓋を折り曲げ自在に連設した容器などにも好適に実施できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施の形態に係る弁当用容器を示す外観斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る弁当用容器の容器本体を示す外観斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る弁当用容器の容器本体を示し、(A)は上面図、(B)は後面図、(C)は右側面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る弁当用容器の容器本体を示す展開図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る弁当用容器の蓋を示す外観斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る弁当用容器の蓋を示し、(A)は上面図、(B)は後面図、(C)は右側面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る弁当用容器の蓋を示す内面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る弁当用容器の蓋を示す展開図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る弁当用容器の使用状態を示す外観斜視図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る弁当用容器の使用状態を示す断面図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る弁当用容器の蓋ポケット部を示す断面図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る弁当用容器の蓋ポケット部と弁当を食べる者との関係を示す平面図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る弁当用容器の容器本体の取手部及び蓋の係合手段を示す外観斜視図である。
【図14】本発明の実施の形態に係る弁当用容器の容器本体の取手部及び蓋の係合手段を示す部分拡大斜視図である。
【図15】本発明の実施の形態に係る弁当用容器の容器本体の取手部及び蓋の係合手段を示す部分拡大断面図である。
【図16】本発明の実施の形態に係る弁当用容器の調味料の取り出し方法を示す外観斜視図である。
【符号の説明】
【0061】
1 弁当用容器
2,2A 容器本体
3 底板
6,7 側壁
8,9 取手部
10,11 溝孔(係合手段)
50,50A 蓋
51 天板
54,55 縁部
56,57 突片
60,61 切り目
62,63 係合片(係合手段)
64 樹脂フィルム(シート体)
68 切り込み
69 第1ポケット
70 第2ポケット
71 ポケット口
72,73 ミシン目
74 摘み片
75 引き裂き部
76 透孔
104 箸類(食事用器具)
105 調味料(包装体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体が底板と該底板の周縁から立ち上がる側壁との角部を部分的に内側に凹めた取手部を有していることを特徴とする弁当用容器。
【請求項2】
取手部が底板と該底板の対向する2側縁から立ち上がる一組の対向側壁との各角部で対向配置されている請求項1に記載の弁当用容器。
【請求項3】
容器本体の開放上面を覆う蓋を有し、該蓋が容器本体の取手部を有する側壁の外側に重ねられる縁部を有し、該縁部が前記取手部より上側の側壁より低い高さに形成されている請求項1又は2に記載の弁当用容器。
【請求項4】
蓋の縁部が突片を有し、該突片が取手部の外側に延出され、該突片の上部に切り目を介して切り起こし自在に係合片が形成され、該係合片が容器本体の取手部を有する側壁に形成されるスリット状の溝孔から該側壁の内側に差し込まれ、前記蓋が容器本体に閉状態で係合保持される請求項3に記載の弁当用容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−275341(P2007−275341A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−106328(P2006−106328)
【出願日】平成18年4月7日(2006.4.7)
【出願人】(506117976)オリカ産業株式会社 (6)
【Fターム(参考)】