弁要素内に軸方向の流れを有する流量制御閉鎖弁
【課題】流量制御が相対的に正確で、確実な遮断を行なう弁要素を提供する。
【解決手段】弁ユニット10は、内腔21と入口ポート41、出口である開口部30のポート42と円筒内壁33を有する実質的に剛体のハウジング37を有し、内腔21内に密嵌される実質的に剛体の弁要素15は、軸方向に延在する内部穴23と、外面19と穴23との間で弁要素壁を貫通する絞り孔18を有する。ハウジング37内腔21内において弁要素15が第1の位置に移動すると、内腔の開口部30内で第1の位置に配置され、第1のチャンバ43及び第2のチャンバ44間で流体の第1の流量を可能にする。弁要素15が第2の位置に移動すると、絞り孔18が第1の位置とは異なる第2の位置に配置され、第1のチャンバ43及び第2のチャンバ44間の流体の第2の流量を可能にする。
【解決手段】弁ユニット10は、内腔21と入口ポート41、出口である開口部30のポート42と円筒内壁33を有する実質的に剛体のハウジング37を有し、内腔21内に密嵌される実質的に剛体の弁要素15は、軸方向に延在する内部穴23と、外面19と穴23との間で弁要素壁を貫通する絞り孔18を有する。ハウジング37内腔21内において弁要素15が第1の位置に移動すると、内腔の開口部30内で第1の位置に配置され、第1のチャンバ43及び第2のチャンバ44間で流体の第1の流量を可能にする。弁要素15が第2の位置に移動すると、絞り孔18が第1の位置とは異なる第2の位置に配置され、第1のチャンバ43及び第2のチャンバ44間の流体の第2の流量を可能にする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流量制御閉鎖弁に関する。
【背景技術】
【0002】
流体の流れを制御する弁には、様々な設計がある。多くは、流量調節機能及び遮断機能を含む。例えば、一般住宅用蛇口は、一般的に、通常は水の流れをシールするゴム座金を含む、弁要素の位置を制御するねじが切られた軸部を有する。ハンドルで軸部を一方向に回転させると、弁要素の座金が弁座に付勢され、水流を遮断する。反対方向に軸部を回転させると、座金が弁座から持ち上がって、流量の制御が可能となる。
【0003】
ボール弁及び仕切弁は、流量制御機能及び遮断機能を組み合わせた他のタイプの弁である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの弁の各々には、長所と短所がある。ねじが切られた軸部を有する弁は、複数方向回転式アクチュエータを必要とするが、極めて正確な流量制御及び確実な遮断を得られる。しかしながら、住宅所有者であれば誰でも知っているように、これらの弁のシール座金には定期的な交換が必要である。ボール弁及び仕切弁は、回転式アクチュエータで操作することができるが、流量制御において相対的に正確さに劣る。
【0005】
短ストローク線形アクチュエータにより操作可能であり、かつ、流量制御が相対的に正確である弁には、多くの長所がある。確実な遮断を行なうこともできるこのような弁の方が、はるかに望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
流体の流量を制御する絞り弁は、内腔を画定する円筒内壁を有するハウジングを備える。内腔は、一端に第1の開口部と、これから離間して円筒壁に配置される第2の開口部とを有し、かつ、流動空間を備える。流動空間は、少なくとも一部が縁部により画定される。
【0007】
実質的に剛体の弁要素は、内腔内に密嵌される外面を有し、内腔と弁要素との間での漏れを妨げる。弁要素は、第1の端部から第2の端部に向かって軸方向に延在し、かつ、弁要素の外面とともに壁を画定する内穴を有する。絞り孔は、弁要素の外面と弁要素穴との間で弁要素壁を貫通する。
【0008】
弁要素は、ハウジング内腔において第1の位置に移動可能であり、絞り隙間内の流動空間縁部の一部を第1の位置に配置することにより、絞り孔の一部を流動空間の一部と位置合わせして、第1のチャンバと第2のチャンバとの間で流体の第1の流量を可能にする。弁要素を第2の位置に摺動させると、絞り孔が第1の位置とは異なる第2の位置に配置され、第1のチャンバと第2のチャンバとの間で流体の第2の流量を可能にする。流動は、弁要素穴内において軸方向の流動ベクトルと絞り孔を通る半径方向の流動ベクトルとを有する。
【0009】
流動空間縁部は第1の開口部と第2の開口部との間に位置していてもよく、あるいは、両開口部の1つ自体が縁部を形成していてもよい。
一実施形態においては、弁要素は、弁要素が第3の位置にあるときに通路開口部と係合して通路開口部を遮断するシール要素を有し、これにより流体流動に対して弁を閉鎖する。
【0010】
別の実施形態においては、弁要素は、弁要素の端部に対してシール連結されている中央部と、ハウジングに対してシール連結されている周辺部とを有するダイヤフラムを具備する。ダイヤフラムは前記チャンバの一部を画定し、ポートの1つを介する以外に弁からの流体流動を防止し、又は、弁自体を介する以外にポート間の流動を防止する。
【0011】
さらに他の実施形態は、絞り孔について様々な形状を有する。これらの絞り孔の一部は、弁要素壁の一連の近接する穴又は隙間を含むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1及び図2は、流体流量の正確な制御を可能にするための、本発明を実施する弁ユニット10の使用に適した実質的に剛体の弁要素15の第1の実施形態を示す。弁要素15は、軸線に沿って整合される第1及び第2の端面20及び27と、端面20及び27の間に延在する略円筒形の外面19とを有する。代表的な実施形態においては、外面19は円筒形である。弁要素15は、第1の端面20から第2の端面27まで軸方向に延在する穴23を有する。穴23及び外面19は、これらの間に管状壁17を画定する。
【0013】
壁17の孔又はスロット18は、端面20及び27の間において選択された距離が得られるように軸方向に延在し、かつ、端面20及び27から選択された距離だけ離間して配置される。孔18は、外面19と穴23との間で半径方向に延在し、流体が穴23と外面19を包囲する領域との間で流動することを可能にする。弁要素15のこれらの特徴に関して「軸方向に」という場合には、従来どおり、円筒外面19の軸線22に沿って延在することを意味する。孔18は、流体の最大所望流量を可能にするために十分な大きさの通路を形成すべきである。単一の孔18が図1乃至図4に示されているが、複数の孔を設けることも可能であり、これについては以下に開示する。
【0014】
図3及び図4の断面図は、弁要素15が組み込まれた弁ユニット10を示す。図3は、閉状態時の弁10を示し、図4は、部分開状態時の弁15を示す。
弁ユニット10は、寸法がハウジング37と適合する弁要素15により部分的に占有された状態で図3及び図4に示す円筒穴又は内腔21を有する略剛体のハウジング37を有する。内腔21は、環状内面34を有し、かつ、ハウジング37の一部を成す壁33により画定される。内腔21は、通常、円筒形の横断面を有するが、他の柱筒形断面が有利な用途もある。内腔21の開放端は、この実施形態においては、入口ポートとして機能する第1のポート41を形成する。
【0015】
弁ユニット10は、全体が符号43にて示される入口チャンバを有する。弁ユニット10の出口チャンバは、全体が符号44にて示される。小さな部分のみが示されている壁49は、符号43に示す入口チャンバ及び符号44に示す出口チャンバを物理的に分離しており、内腔21及び弁要素15を介する以外には流体が入り口チャンバ43と出口チャンバ44との間を流動することができない。
【0016】
弁ユニット10の実施形態においては、弁要素15の外面19は、内腔21内に密嵌されており、かつ、内腔21内において両方向矢印で示すように様々な軸方向位置のうち任意の位置に摺動することができる。「密嵌」とは、外面19が、外面19及び内面34の間で最大でもごく少量の流体しか漏れないようにする内面34とのシール界面を形成する形状及び寸法を有することを意味する。外面19及び内面34は、流体が全く漏れないほど緊密に互いに嵌合させてもよい。あるいは、本設計に外面19及び内面34の間にOリングなどのシール要素を組み込み、流体の漏れを妨げる、又は防止することができる。このようなシール要素を用いた設計における外面19も、内腔21内で「密嵌される」とみなされるものである。
【0017】
別の実施形態においては、外面19及び内面34の間に小さな隙間を意図的に形成して、外面19及び内面34の間で幾分の流体の流動又は漏れを可能にしてもよい。このような隙間により、弁要素15の位置に関係なく、制限された流量の流体が弁10を通るが、これについては更に詳細に後述する。
【0018】
内腔21の開放端から離間して配置される開口部すなわち窓30は、内腔21まで環状壁33を貫通する。開口部30は、壁33を通って延在し、内腔21から壁33を通る流動を可能にする。開口部30は、軸方向における一端において縁部又は角部29を有する。外部開口部30は、この実施形態においては、出口ポートとして機能する第2のポート42を形成する。開口部30は、所定の距離が得られるように軸方向に延在し、かつ、流体の所望される最大流量を可能にするために十分な角度幅を有するべきである。この実施形態においては、孔18は、開口部30と角度方向においてほぼ整合した状態に保持されるべきである。
【0019】
図4は、第1のポート41から軸方向に穴23に入る、矢印36にて示される流体の流動を示す。図に示すように、その後、流体の流動方向はほぼ90°変化して半径方向の流れになる。この実施形態においてはポート41が入口ポートとして示されるが、実際は、ポート41又はポート42のいずれかが入口ポートとして機能し、他方が出口ポートとして機能することができる。
【0020】
図3及び図4は、内腔21内において2つの異なる位置にある弁要素15を示す。図4に示すように開口部30との重なり部分を形成するように縁部29に対して孔18を位置決めすることにより、流体の流動を可能にするオリフィス38を形成する。このオリフィス38の寸法は、内腔21内の弁要素15の軸方向における位置を変えることにより変化させることができる。図3及び図4の両方向矢印は、対向する壁34により閉塞される孔18の一部分を制御又は変更するために、弁要素15が内腔21内で軸方向に動くことができることを示す。隙間30及び絞り孔18の重なり部分により形成されるオリフィス38の寸法により、弁10を通る流体の流量が制御される。
【0021】
図3及び4は、弁要素15のための位置決め機構を示すものではない。様々な位置決め手段を用いることができる。例えば、機械式のリンクを第2の端面27にて弁要素15に連結して、ハウジング37の孔(図示せず)を介して右方向にハウジング37の外側へ突出させてもよい。機械式のリンクとハウジング37との間のシール機構は、内腔21から流体漏れを妨げるものである。線形アクチュエータ又は他の制御装置は、このリンクを介して弁要素15に力を加え、任意の所望の位置に弁要素15を位置決めして、正確にかつ繰り返し流体流動を制御することができる。
【0022】
図3に示す弁要素15の位置は、閉鎖中の弁10に対応する。弁要素15と通路21との間にシールが形成され、かつ一切の流体漏れを防止するために適した構造体においては、図3の弁要素15の位置は、それ自体が流体流動の遮断を可能にするために適切である。
【0023】
図5及び図6は、流量制御弁10の変更例である流量制御弁10’を示す。弁10の様々な構成要素及び特徴に類似する、図5乃至図7に示される弁10’の構成要素及び特徴についての符号は、同様の数字部分を有する。
【0024】
弁10’は、第1及び第2のポート41’及び42’を有する剛体ハウジング37’を備える。流体は、ポート41’及び42’のうちの1つに流れ込んで、他方から流れ出る。図5に示す矢印は、流体流動の1本の経路を示す。
【0025】
ハウジング37’は、ポート41’に連通する入口チャンバ54と、ポート42’に連通する出口チャンバ55とを有する。出口チャンバ55は、一部はハウジング37’の壁により、一部はキャップ59により、また一部はダイヤフラム50により画定される。キャップ59は、図示しないが当業者であれば容易に考えつくであろう手段により、ハウジング37’の頂面に装着される。ダイヤフラム50は、周辺部でキャップ59の頂面に装着される。キャップ59とハウジング37’との装着部、及びダイヤフラム50とハウジング37’との装着部が、チャンバ55内の流体の一切の漏れをシールする。ダイヤフラム50をキャップ59に装着する種々の代替構成が可能であり、このような代替構成は、当業者であれば容易に考え付くであろう。
【0026】
ハウジング37’は、チャンバ54をチャンバ55に接続する内部内腔21’も有する。内腔21’は柱筒形であるべきであり、一般的に円筒形をなす。環状縁部29’は、内腔21’の上端を画定する。シール面53は、半径方向において縁部29’の外側にある。
【0027】
図5及び図6に示す剛体弁要素15’は、図1乃至図4に示す弁要素15と機能的に類似するものであり、穴23’及びスロットなどの孔18’は、穴23から弁要素15’の外部領域までを連通させる。図5及び図6の実施形態においては、弁要素15’の一部は内腔21’の外部にあり、穴23’は、弁要素15’のこの外部にある部分までのみ延在する。
【0028】
弁要素15’は、ハウジング37’の内部構造体の一部を成す弁座53に対向する面を有する拡大肩部65を有する。肩部65及び弁座53の一部あるいはOリングが構成するシール要素は、確実な弁遮断を行うために、肩部65の一部を形成することができる。
【0029】
ダイヤフラム50は、弁要素15’の上面に、かつ、弁要素15’上で担持される突出部56に連結される。また、ダイヤフラム50と突出部56との連結は、チャンバ55内の流体の漏れを生じさせにくくする。ダイヤフラム56は撓曲し、弁要素15’の軸方向への移動を可能にする。突出部56は、弁要素15’を軸方向において位置決めするアクチュエータに連結してもよい。
【0030】
弁要素15’の下部は、内腔21’の断面形状に適合し、かつ、内腔21’と密嵌する断面形状を有する。弁要素15’は、内腔21’内で軸方向に移動することができる。縁部29’は、流体が流れることができる孔18’の部分の一端を画定する。図3及び図4の弁の場合と同様に、孔18’が内腔21’の縁部29’を越えて延在する距離は、流体が流動することができる孔18’の領域を決定する。弁要素15’を可能な限り下方にずらすと、Oリング65が弁座53をシールし、弁10’を通る全ての流体流動を妨げる。
【0031】
図7は、Oリング68がダイヤフラム50の機能に代わってチャンバ55をシールする弁10’の変形例を示す。
図8は、図1及び図2の弁要素15の代わりに用いることができる弁要素15aを示す。弁要素15aは、断面がほぼ台形状をなす孔18aを有する。孔18aがより多く暴露されるほど、比例してより多くの流体の流動を可能にする、比例して大きなオリフィスが形成される。
【0032】
図9及び図10は、また、図3及び図4の弁要素15に代えて用いることができる弁要素を示す。図9は、図3及び図4に示すようなハウジング37内で使用される弁要素15bを示す。弁要素15bは、弁要素15bの管状壁を貫通し、かつ、集合して孔18bを構成する、隣接する2列の小穴を符号71及び72にて示される場所に有する。これらの穴は、穴23と弁要素15bの外部領域との間の連通を可能にする。好適な実施形態においては、符号71及び72における個々の穴は、図示されるように、弁要素15bの軸線と整合された主軸線を有する楕円形の断面形状を有することができる。符号71にて列を成す個々の穴は、符号72にて列を成す個々の穴と軸方向において互い違いになるように配置することができる。孔18bのこの設計により、結果的に、隙間30内で暴露される符号71及び72にて列を成す穴が増えるにつれて、流量はすんなりとは増大しない。
【0033】
図10は、図3及び図4に示すハウジング内で使用される更なる別の弁要素15eを示す。孔18eは、図8の弁要素15aの孔18aに類似するものである。しかしながら、孔18eを画定する側壁92は若干湾曲しており、孔18eの狭い(左)端部の一部が隙間30内にあるときに、流体が流動できる相対的に小さな領域が暴露される。その後、孔18eの湾曲壁92により、流体が流動できる領域が形成され、この領域は、ハウジング37の穴21内の弁要素15eが軸方向左側に移動することにより、弁要素15eの軸方向の移動に比例するよりも急激に増大する。
【0034】
図10においては、孔18e内の端部壁89が、孔18eの内部に対して凹状をなして示されている。壁89は、壁92と融合させることができる。そのように融合させたときに、この特徴部分は、キャビテーション又は乱流を誘発する可能性がある孔18eの角部をなくす。
【0035】
図11は、弁要素15fが穴21内にある状態の弁10の別の変形例である弁10fを示す。弁要素15fは、第1の端部及び外面19と交差するスロット又は面取り部である特徴部分90を有する。特徴部分90は、孔18が完全に隙間30の外側にあるときに符号91にて示すような流体流動を提供する。状況に応じて、常時少量の流体が流動することが望ましいと考えられる場合があるが、特徴部分90はこのような流動を提供する。
【0036】
図12及び図13は、ハウジング37の穴21(図3及び図4参照)内で軸方向に摺動するように設計された弁要素15gの更なる変形例を示す。弁要素15gはスロット18gを有し、複数のブリッジ90は、スロット18gの幅にわたって横方向に取り付けられ、かつ、隣接するブリッジ90間で、又は、ブリッジ90とスロット18gの端部との間で複数の隣接する開口部91を画定する。各ブリッジ90の外面は、弁要素外面15gの延長部から凹状をなすように形成することができる。
【0037】
弁要素15gは、弁要素15に類似する作動の仕方をする。横方向のブリッジ90により、スロット18gの構造的な完全性が向上し、かつ、弁要素15gの位置の関数として異なる流量特性が得られる。
【0038】
図14は、スロット18hに掛かる個々のブリッジ90aの設計の更なる変形例を示す。ブリッジ90aは、非矩形の断面形状を有し、図14においてはその断面形状が三角形として示される。ブリッジ90aのテーパ形状又は三角形の断面は、スロット18hを介して穴23へと内方に方向づけられた流れの乱れを低減することができる。
【0039】
図14は、また、ブリッジ90aよりも大きな断面を有するブリッジ90bを示す。低流動条件により、スロット18hにわたる圧力降下が最大となる。断面が大きいほど、より効果的にこの圧力の増大に抵抗することができ、高い圧力降下によるブリッジ90bの破壊を防止する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】弁の制御要素の斜視図。
【図2】弁の制御要素の断面図。
【図3】制御要素が閉位置にある弁の断面図。
【図4】制御要素が開位置にある弁の断面図。
【図5】部分的開状態にある本発明の弁の商業レベルの実施形態の断面図。
【図6】閉状態にある本発明の弁の商業レベルの実施形態の断面図。
【図7】図5及び図6に示す弁の第1の代替実施形態の断面図。
【図8】図1に示す弁要素の第1の代替実施形態の斜視図。
【図9】図1に示す弁要素の第2の代替実施形態の斜視図。
【図10】図1に示す弁要素の第3の代替実施形態の斜視図。
【図11】図1に示す弁要素に類似する第4の代替実施形態の断面図。
【図12】図1に示す弁要素に類似する第5の代替実施形態の斜視図。
【図13】図12に示す弁要素の断面図。
【図14】図12及び13に示す弁要素の代替実施形態の断面図。
【技術分野】
【0001】
本発明は、流量制御閉鎖弁に関する。
【背景技術】
【0002】
流体の流れを制御する弁には、様々な設計がある。多くは、流量調節機能及び遮断機能を含む。例えば、一般住宅用蛇口は、一般的に、通常は水の流れをシールするゴム座金を含む、弁要素の位置を制御するねじが切られた軸部を有する。ハンドルで軸部を一方向に回転させると、弁要素の座金が弁座に付勢され、水流を遮断する。反対方向に軸部を回転させると、座金が弁座から持ち上がって、流量の制御が可能となる。
【0003】
ボール弁及び仕切弁は、流量制御機能及び遮断機能を組み合わせた他のタイプの弁である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの弁の各々には、長所と短所がある。ねじが切られた軸部を有する弁は、複数方向回転式アクチュエータを必要とするが、極めて正確な流量制御及び確実な遮断を得られる。しかしながら、住宅所有者であれば誰でも知っているように、これらの弁のシール座金には定期的な交換が必要である。ボール弁及び仕切弁は、回転式アクチュエータで操作することができるが、流量制御において相対的に正確さに劣る。
【0005】
短ストローク線形アクチュエータにより操作可能であり、かつ、流量制御が相対的に正確である弁には、多くの長所がある。確実な遮断を行なうこともできるこのような弁の方が、はるかに望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
流体の流量を制御する絞り弁は、内腔を画定する円筒内壁を有するハウジングを備える。内腔は、一端に第1の開口部と、これから離間して円筒壁に配置される第2の開口部とを有し、かつ、流動空間を備える。流動空間は、少なくとも一部が縁部により画定される。
【0007】
実質的に剛体の弁要素は、内腔内に密嵌される外面を有し、内腔と弁要素との間での漏れを妨げる。弁要素は、第1の端部から第2の端部に向かって軸方向に延在し、かつ、弁要素の外面とともに壁を画定する内穴を有する。絞り孔は、弁要素の外面と弁要素穴との間で弁要素壁を貫通する。
【0008】
弁要素は、ハウジング内腔において第1の位置に移動可能であり、絞り隙間内の流動空間縁部の一部を第1の位置に配置することにより、絞り孔の一部を流動空間の一部と位置合わせして、第1のチャンバと第2のチャンバとの間で流体の第1の流量を可能にする。弁要素を第2の位置に摺動させると、絞り孔が第1の位置とは異なる第2の位置に配置され、第1のチャンバと第2のチャンバとの間で流体の第2の流量を可能にする。流動は、弁要素穴内において軸方向の流動ベクトルと絞り孔を通る半径方向の流動ベクトルとを有する。
【0009】
流動空間縁部は第1の開口部と第2の開口部との間に位置していてもよく、あるいは、両開口部の1つ自体が縁部を形成していてもよい。
一実施形態においては、弁要素は、弁要素が第3の位置にあるときに通路開口部と係合して通路開口部を遮断するシール要素を有し、これにより流体流動に対して弁を閉鎖する。
【0010】
別の実施形態においては、弁要素は、弁要素の端部に対してシール連結されている中央部と、ハウジングに対してシール連結されている周辺部とを有するダイヤフラムを具備する。ダイヤフラムは前記チャンバの一部を画定し、ポートの1つを介する以外に弁からの流体流動を防止し、又は、弁自体を介する以外にポート間の流動を防止する。
【0011】
さらに他の実施形態は、絞り孔について様々な形状を有する。これらの絞り孔の一部は、弁要素壁の一連の近接する穴又は隙間を含むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1及び図2は、流体流量の正確な制御を可能にするための、本発明を実施する弁ユニット10の使用に適した実質的に剛体の弁要素15の第1の実施形態を示す。弁要素15は、軸線に沿って整合される第1及び第2の端面20及び27と、端面20及び27の間に延在する略円筒形の外面19とを有する。代表的な実施形態においては、外面19は円筒形である。弁要素15は、第1の端面20から第2の端面27まで軸方向に延在する穴23を有する。穴23及び外面19は、これらの間に管状壁17を画定する。
【0013】
壁17の孔又はスロット18は、端面20及び27の間において選択された距離が得られるように軸方向に延在し、かつ、端面20及び27から選択された距離だけ離間して配置される。孔18は、外面19と穴23との間で半径方向に延在し、流体が穴23と外面19を包囲する領域との間で流動することを可能にする。弁要素15のこれらの特徴に関して「軸方向に」という場合には、従来どおり、円筒外面19の軸線22に沿って延在することを意味する。孔18は、流体の最大所望流量を可能にするために十分な大きさの通路を形成すべきである。単一の孔18が図1乃至図4に示されているが、複数の孔を設けることも可能であり、これについては以下に開示する。
【0014】
図3及び図4の断面図は、弁要素15が組み込まれた弁ユニット10を示す。図3は、閉状態時の弁10を示し、図4は、部分開状態時の弁15を示す。
弁ユニット10は、寸法がハウジング37と適合する弁要素15により部分的に占有された状態で図3及び図4に示す円筒穴又は内腔21を有する略剛体のハウジング37を有する。内腔21は、環状内面34を有し、かつ、ハウジング37の一部を成す壁33により画定される。内腔21は、通常、円筒形の横断面を有するが、他の柱筒形断面が有利な用途もある。内腔21の開放端は、この実施形態においては、入口ポートとして機能する第1のポート41を形成する。
【0015】
弁ユニット10は、全体が符号43にて示される入口チャンバを有する。弁ユニット10の出口チャンバは、全体が符号44にて示される。小さな部分のみが示されている壁49は、符号43に示す入口チャンバ及び符号44に示す出口チャンバを物理的に分離しており、内腔21及び弁要素15を介する以外には流体が入り口チャンバ43と出口チャンバ44との間を流動することができない。
【0016】
弁ユニット10の実施形態においては、弁要素15の外面19は、内腔21内に密嵌されており、かつ、内腔21内において両方向矢印で示すように様々な軸方向位置のうち任意の位置に摺動することができる。「密嵌」とは、外面19が、外面19及び内面34の間で最大でもごく少量の流体しか漏れないようにする内面34とのシール界面を形成する形状及び寸法を有することを意味する。外面19及び内面34は、流体が全く漏れないほど緊密に互いに嵌合させてもよい。あるいは、本設計に外面19及び内面34の間にOリングなどのシール要素を組み込み、流体の漏れを妨げる、又は防止することができる。このようなシール要素を用いた設計における外面19も、内腔21内で「密嵌される」とみなされるものである。
【0017】
別の実施形態においては、外面19及び内面34の間に小さな隙間を意図的に形成して、外面19及び内面34の間で幾分の流体の流動又は漏れを可能にしてもよい。このような隙間により、弁要素15の位置に関係なく、制限された流量の流体が弁10を通るが、これについては更に詳細に後述する。
【0018】
内腔21の開放端から離間して配置される開口部すなわち窓30は、内腔21まで環状壁33を貫通する。開口部30は、壁33を通って延在し、内腔21から壁33を通る流動を可能にする。開口部30は、軸方向における一端において縁部又は角部29を有する。外部開口部30は、この実施形態においては、出口ポートとして機能する第2のポート42を形成する。開口部30は、所定の距離が得られるように軸方向に延在し、かつ、流体の所望される最大流量を可能にするために十分な角度幅を有するべきである。この実施形態においては、孔18は、開口部30と角度方向においてほぼ整合した状態に保持されるべきである。
【0019】
図4は、第1のポート41から軸方向に穴23に入る、矢印36にて示される流体の流動を示す。図に示すように、その後、流体の流動方向はほぼ90°変化して半径方向の流れになる。この実施形態においてはポート41が入口ポートとして示されるが、実際は、ポート41又はポート42のいずれかが入口ポートとして機能し、他方が出口ポートとして機能することができる。
【0020】
図3及び図4は、内腔21内において2つの異なる位置にある弁要素15を示す。図4に示すように開口部30との重なり部分を形成するように縁部29に対して孔18を位置決めすることにより、流体の流動を可能にするオリフィス38を形成する。このオリフィス38の寸法は、内腔21内の弁要素15の軸方向における位置を変えることにより変化させることができる。図3及び図4の両方向矢印は、対向する壁34により閉塞される孔18の一部分を制御又は変更するために、弁要素15が内腔21内で軸方向に動くことができることを示す。隙間30及び絞り孔18の重なり部分により形成されるオリフィス38の寸法により、弁10を通る流体の流量が制御される。
【0021】
図3及び4は、弁要素15のための位置決め機構を示すものではない。様々な位置決め手段を用いることができる。例えば、機械式のリンクを第2の端面27にて弁要素15に連結して、ハウジング37の孔(図示せず)を介して右方向にハウジング37の外側へ突出させてもよい。機械式のリンクとハウジング37との間のシール機構は、内腔21から流体漏れを妨げるものである。線形アクチュエータ又は他の制御装置は、このリンクを介して弁要素15に力を加え、任意の所望の位置に弁要素15を位置決めして、正確にかつ繰り返し流体流動を制御することができる。
【0022】
図3に示す弁要素15の位置は、閉鎖中の弁10に対応する。弁要素15と通路21との間にシールが形成され、かつ一切の流体漏れを防止するために適した構造体においては、図3の弁要素15の位置は、それ自体が流体流動の遮断を可能にするために適切である。
【0023】
図5及び図6は、流量制御弁10の変更例である流量制御弁10’を示す。弁10の様々な構成要素及び特徴に類似する、図5乃至図7に示される弁10’の構成要素及び特徴についての符号は、同様の数字部分を有する。
【0024】
弁10’は、第1及び第2のポート41’及び42’を有する剛体ハウジング37’を備える。流体は、ポート41’及び42’のうちの1つに流れ込んで、他方から流れ出る。図5に示す矢印は、流体流動の1本の経路を示す。
【0025】
ハウジング37’は、ポート41’に連通する入口チャンバ54と、ポート42’に連通する出口チャンバ55とを有する。出口チャンバ55は、一部はハウジング37’の壁により、一部はキャップ59により、また一部はダイヤフラム50により画定される。キャップ59は、図示しないが当業者であれば容易に考えつくであろう手段により、ハウジング37’の頂面に装着される。ダイヤフラム50は、周辺部でキャップ59の頂面に装着される。キャップ59とハウジング37’との装着部、及びダイヤフラム50とハウジング37’との装着部が、チャンバ55内の流体の一切の漏れをシールする。ダイヤフラム50をキャップ59に装着する種々の代替構成が可能であり、このような代替構成は、当業者であれば容易に考え付くであろう。
【0026】
ハウジング37’は、チャンバ54をチャンバ55に接続する内部内腔21’も有する。内腔21’は柱筒形であるべきであり、一般的に円筒形をなす。環状縁部29’は、内腔21’の上端を画定する。シール面53は、半径方向において縁部29’の外側にある。
【0027】
図5及び図6に示す剛体弁要素15’は、図1乃至図4に示す弁要素15と機能的に類似するものであり、穴23’及びスロットなどの孔18’は、穴23から弁要素15’の外部領域までを連通させる。図5及び図6の実施形態においては、弁要素15’の一部は内腔21’の外部にあり、穴23’は、弁要素15’のこの外部にある部分までのみ延在する。
【0028】
弁要素15’は、ハウジング37’の内部構造体の一部を成す弁座53に対向する面を有する拡大肩部65を有する。肩部65及び弁座53の一部あるいはOリングが構成するシール要素は、確実な弁遮断を行うために、肩部65の一部を形成することができる。
【0029】
ダイヤフラム50は、弁要素15’の上面に、かつ、弁要素15’上で担持される突出部56に連結される。また、ダイヤフラム50と突出部56との連結は、チャンバ55内の流体の漏れを生じさせにくくする。ダイヤフラム56は撓曲し、弁要素15’の軸方向への移動を可能にする。突出部56は、弁要素15’を軸方向において位置決めするアクチュエータに連結してもよい。
【0030】
弁要素15’の下部は、内腔21’の断面形状に適合し、かつ、内腔21’と密嵌する断面形状を有する。弁要素15’は、内腔21’内で軸方向に移動することができる。縁部29’は、流体が流れることができる孔18’の部分の一端を画定する。図3及び図4の弁の場合と同様に、孔18’が内腔21’の縁部29’を越えて延在する距離は、流体が流動することができる孔18’の領域を決定する。弁要素15’を可能な限り下方にずらすと、Oリング65が弁座53をシールし、弁10’を通る全ての流体流動を妨げる。
【0031】
図7は、Oリング68がダイヤフラム50の機能に代わってチャンバ55をシールする弁10’の変形例を示す。
図8は、図1及び図2の弁要素15の代わりに用いることができる弁要素15aを示す。弁要素15aは、断面がほぼ台形状をなす孔18aを有する。孔18aがより多く暴露されるほど、比例してより多くの流体の流動を可能にする、比例して大きなオリフィスが形成される。
【0032】
図9及び図10は、また、図3及び図4の弁要素15に代えて用いることができる弁要素を示す。図9は、図3及び図4に示すようなハウジング37内で使用される弁要素15bを示す。弁要素15bは、弁要素15bの管状壁を貫通し、かつ、集合して孔18bを構成する、隣接する2列の小穴を符号71及び72にて示される場所に有する。これらの穴は、穴23と弁要素15bの外部領域との間の連通を可能にする。好適な実施形態においては、符号71及び72における個々の穴は、図示されるように、弁要素15bの軸線と整合された主軸線を有する楕円形の断面形状を有することができる。符号71にて列を成す個々の穴は、符号72にて列を成す個々の穴と軸方向において互い違いになるように配置することができる。孔18bのこの設計により、結果的に、隙間30内で暴露される符号71及び72にて列を成す穴が増えるにつれて、流量はすんなりとは増大しない。
【0033】
図10は、図3及び図4に示すハウジング内で使用される更なる別の弁要素15eを示す。孔18eは、図8の弁要素15aの孔18aに類似するものである。しかしながら、孔18eを画定する側壁92は若干湾曲しており、孔18eの狭い(左)端部の一部が隙間30内にあるときに、流体が流動できる相対的に小さな領域が暴露される。その後、孔18eの湾曲壁92により、流体が流動できる領域が形成され、この領域は、ハウジング37の穴21内の弁要素15eが軸方向左側に移動することにより、弁要素15eの軸方向の移動に比例するよりも急激に増大する。
【0034】
図10においては、孔18e内の端部壁89が、孔18eの内部に対して凹状をなして示されている。壁89は、壁92と融合させることができる。そのように融合させたときに、この特徴部分は、キャビテーション又は乱流を誘発する可能性がある孔18eの角部をなくす。
【0035】
図11は、弁要素15fが穴21内にある状態の弁10の別の変形例である弁10fを示す。弁要素15fは、第1の端部及び外面19と交差するスロット又は面取り部である特徴部分90を有する。特徴部分90は、孔18が完全に隙間30の外側にあるときに符号91にて示すような流体流動を提供する。状況に応じて、常時少量の流体が流動することが望ましいと考えられる場合があるが、特徴部分90はこのような流動を提供する。
【0036】
図12及び図13は、ハウジング37の穴21(図3及び図4参照)内で軸方向に摺動するように設計された弁要素15gの更なる変形例を示す。弁要素15gはスロット18gを有し、複数のブリッジ90は、スロット18gの幅にわたって横方向に取り付けられ、かつ、隣接するブリッジ90間で、又は、ブリッジ90とスロット18gの端部との間で複数の隣接する開口部91を画定する。各ブリッジ90の外面は、弁要素外面15gの延長部から凹状をなすように形成することができる。
【0037】
弁要素15gは、弁要素15に類似する作動の仕方をする。横方向のブリッジ90により、スロット18gの構造的な完全性が向上し、かつ、弁要素15gの位置の関数として異なる流量特性が得られる。
【0038】
図14は、スロット18hに掛かる個々のブリッジ90aの設計の更なる変形例を示す。ブリッジ90aは、非矩形の断面形状を有し、図14においてはその断面形状が三角形として示される。ブリッジ90aのテーパ形状又は三角形の断面は、スロット18hを介して穴23へと内方に方向づけられた流れの乱れを低減することができる。
【0039】
図14は、また、ブリッジ90aよりも大きな断面を有するブリッジ90bを示す。低流動条件により、スロット18hにわたる圧力降下が最大となる。断面が大きいほど、より効果的にこの圧力の増大に抵抗することができ、高い圧力降下によるブリッジ90bの破壊を防止する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】弁の制御要素の斜視図。
【図2】弁の制御要素の断面図。
【図3】制御要素が閉位置にある弁の断面図。
【図4】制御要素が開位置にある弁の断面図。
【図5】部分的開状態にある本発明の弁の商業レベルの実施形態の断面図。
【図6】閉状態にある本発明の弁の商業レベルの実施形態の断面図。
【図7】図5及び図6に示す弁の第1の代替実施形態の断面図。
【図8】図1に示す弁要素の第1の代替実施形態の斜視図。
【図9】図1に示す弁要素の第2の代替実施形態の斜視図。
【図10】図1に示す弁要素の第3の代替実施形態の斜視図。
【図11】図1に示す弁要素に類似する第4の代替実施形態の断面図。
【図12】図1に示す弁要素に類似する第5の代替実施形態の斜視図。
【図13】図12に示す弁要素の断面図。
【図14】図12及び13に示す弁要素の代替実施形態の断面図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)内腔を画定する円筒内壁と、前記内腔の少なくとも一端に開口部とを有する実質的に剛体のハウジングであって、該ハウジングは第1及び第2のチャンバを有し、前記第1のチャンバは、前記開口部において前記ハウジングの内腔と連通し、前記第2のチャンバが前記内腔の外部にあり、前記円筒壁が、前記内腔と前記第2のチャンバとの間での流体流動を可能にする流動空間の少なくとも一部を画定する縁部を有する、ハウジングと、
b)長手方向軸線が間に延在する第1及び第2の端部と、これら両端部の間に延在し、かつ、形状及び寸法が前記内腔の円筒壁とほぼ適合する円筒外面とを有する、前記内腔内に配置される実質的に剛体の弁要素であって、該弁要素は、i)前記ハウジングの第1のチャンバと連通する、前記第1の端部から前記第2の端部に向かって軸方向に延在する穴と、ii)前記弁要素の外面と前記弁要素穴との間で前記弁要素壁を貫通する絞り孔とを備え、前記弁要素は、前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとの間で流体の第1の流量を可能にするように、ハウジング内腔内において絞り隙間内の縁部を第1の位置に配置する第1の位置に移動可能であり、かつ、前記弁要素は、前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとの間で流体の第2の流量を可能にするように、前記絞り孔内の縁部を第1の位置とは異なる第2の位置に移動可能であり、前記流動が、前記弁要素穴内の軸方向の成分と前記絞り孔を通る半径方向成分とを有する、弁要素と
を備える絞り弁。
【請求項2】
環状面がその端部において前記内腔開口部を包囲し、前記環状面と前記内腔との交差部が前記縁部を形成する、請求項1に記載の弁。
【請求項3】
前記弁要素が、前記内腔を包囲する前記環状面と対向する環状肩部を有し、前記環状肩部及び前記環状面のうち一方がシール要素を担持する、請求項2に記載の弁。
【請求項4】
前記弁要素の環状肩部が前記シール要素を担持する、請求項3に記載の弁。
【請求項5】
周縁部にて前記ハウジングに、かつ、中央部にて前記弁要素に連結されるダイヤフラムをさらに備え、該ダイヤフラムが前記第2のチャンバの一部を画定する、請求項2に記載の弁。
【請求項6】
前記ハウジングが、前記内腔から離間して、かつ前記内腔と整合するように配置された、前記弁要素を包囲する内部円筒穴を備え、かつ、前記内部円筒穴と前記弁要素との間で前記流動空間を閉鎖するシールを備える、請求項2に記載の弁。
【請求項7】
中央部が前記弁要素の第2の端部にシール連結され、かつ周縁部が前記ハウジングにシール連結されるダイヤフラムを備える、請求項1に記載の弁。
【請求項8】
前記ハウジングが、前記内腔及び前記開口部を介して前記第1及び第2のチャンバ間が連通するように、前記第2のチャンバから前記内腔まで延在する開口部を有し、該開口部は、前記第1のチャンバから離間して配置され、かつ、その端部において前記縁部により軸方向に画定される、請求項1に記載の弁。
【請求項9】
前記弁要素の長手方向軸線に沿って延在する非平行側面が前記絞り孔を画定する、請求項1に記載の弁。
【請求項10】
前記弁要素の長手方向軸線に沿ってほぼ延在する湾曲した側面が前記絞り孔を画定する、請求項1に記載の弁。
【請求項11】
前記弁要素の長手方向軸線に沿って位置合わせして前記弁要素に設けられた一連の開口部が、前記絞り孔を形成する、請求項1に記載の弁。
【請求項12】
前記長手方向軸線を横切る方向に延びるブリッジが、前記弁要素の長手方向軸線に沿って前記一連の開口部を画定する、請求項11に記載の弁。
【請求項13】
前記ブリッジのうちの少なくとも1つが、前記弁要素の穴を画定する前記表面とほぼ整合した内面と、前記隣接する弁要素外壁から凹状をなすように形成された外面とを有する、請求項12に記載の弁。
【請求項14】
前記ブリッジのうちの少なくとも1つがテーパ状をなす断面形状を有する、請求項13に記載の弁。
【請求項15】
前記開口部のうち隣接した開口部からなる第1の対の間隔が、前記開口部のうち隣接した開口部からなる第2の対の間隔とは異なる、請求項11に記載の弁。
【請求項16】
前記弁要素の長手方向軸線を横切る方向に離間して配置された前記弁要素の一連の開口部が、前記絞り孔を形成する、請求項1に記載の弁。
【請求項17】
前記一連の開口部が、前記弁要素の長手方向軸線に沿って離間して配置される、請求項16に記載の弁。
【請求項18】
前記弁要素が、前記第1の端部及び前記外面と交差する特徴部分を備え、前記弁要素は、前記ハウジングの流動空間と前記特徴部分の一部とが整合する位置を有し、かつ、該位置にあるときには流体の流動を可能にする、請求項1に記載の弁。
【請求項1】
a)内腔を画定する円筒内壁と、前記内腔の少なくとも一端に開口部とを有する実質的に剛体のハウジングであって、該ハウジングは第1及び第2のチャンバを有し、前記第1のチャンバは、前記開口部において前記ハウジングの内腔と連通し、前記第2のチャンバが前記内腔の外部にあり、前記円筒壁が、前記内腔と前記第2のチャンバとの間での流体流動を可能にする流動空間の少なくとも一部を画定する縁部を有する、ハウジングと、
b)長手方向軸線が間に延在する第1及び第2の端部と、これら両端部の間に延在し、かつ、形状及び寸法が前記内腔の円筒壁とほぼ適合する円筒外面とを有する、前記内腔内に配置される実質的に剛体の弁要素であって、該弁要素は、i)前記ハウジングの第1のチャンバと連通する、前記第1の端部から前記第2の端部に向かって軸方向に延在する穴と、ii)前記弁要素の外面と前記弁要素穴との間で前記弁要素壁を貫通する絞り孔とを備え、前記弁要素は、前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとの間で流体の第1の流量を可能にするように、ハウジング内腔内において絞り隙間内の縁部を第1の位置に配置する第1の位置に移動可能であり、かつ、前記弁要素は、前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとの間で流体の第2の流量を可能にするように、前記絞り孔内の縁部を第1の位置とは異なる第2の位置に移動可能であり、前記流動が、前記弁要素穴内の軸方向の成分と前記絞り孔を通る半径方向成分とを有する、弁要素と
を備える絞り弁。
【請求項2】
環状面がその端部において前記内腔開口部を包囲し、前記環状面と前記内腔との交差部が前記縁部を形成する、請求項1に記載の弁。
【請求項3】
前記弁要素が、前記内腔を包囲する前記環状面と対向する環状肩部を有し、前記環状肩部及び前記環状面のうち一方がシール要素を担持する、請求項2に記載の弁。
【請求項4】
前記弁要素の環状肩部が前記シール要素を担持する、請求項3に記載の弁。
【請求項5】
周縁部にて前記ハウジングに、かつ、中央部にて前記弁要素に連結されるダイヤフラムをさらに備え、該ダイヤフラムが前記第2のチャンバの一部を画定する、請求項2に記載の弁。
【請求項6】
前記ハウジングが、前記内腔から離間して、かつ前記内腔と整合するように配置された、前記弁要素を包囲する内部円筒穴を備え、かつ、前記内部円筒穴と前記弁要素との間で前記流動空間を閉鎖するシールを備える、請求項2に記載の弁。
【請求項7】
中央部が前記弁要素の第2の端部にシール連結され、かつ周縁部が前記ハウジングにシール連結されるダイヤフラムを備える、請求項1に記載の弁。
【請求項8】
前記ハウジングが、前記内腔及び前記開口部を介して前記第1及び第2のチャンバ間が連通するように、前記第2のチャンバから前記内腔まで延在する開口部を有し、該開口部は、前記第1のチャンバから離間して配置され、かつ、その端部において前記縁部により軸方向に画定される、請求項1に記載の弁。
【請求項9】
前記弁要素の長手方向軸線に沿って延在する非平行側面が前記絞り孔を画定する、請求項1に記載の弁。
【請求項10】
前記弁要素の長手方向軸線に沿ってほぼ延在する湾曲した側面が前記絞り孔を画定する、請求項1に記載の弁。
【請求項11】
前記弁要素の長手方向軸線に沿って位置合わせして前記弁要素に設けられた一連の開口部が、前記絞り孔を形成する、請求項1に記載の弁。
【請求項12】
前記長手方向軸線を横切る方向に延びるブリッジが、前記弁要素の長手方向軸線に沿って前記一連の開口部を画定する、請求項11に記載の弁。
【請求項13】
前記ブリッジのうちの少なくとも1つが、前記弁要素の穴を画定する前記表面とほぼ整合した内面と、前記隣接する弁要素外壁から凹状をなすように形成された外面とを有する、請求項12に記載の弁。
【請求項14】
前記ブリッジのうちの少なくとも1つがテーパ状をなす断面形状を有する、請求項13に記載の弁。
【請求項15】
前記開口部のうち隣接した開口部からなる第1の対の間隔が、前記開口部のうち隣接した開口部からなる第2の対の間隔とは異なる、請求項11に記載の弁。
【請求項16】
前記弁要素の長手方向軸線を横切る方向に離間して配置された前記弁要素の一連の開口部が、前記絞り孔を形成する、請求項1に記載の弁。
【請求項17】
前記一連の開口部が、前記弁要素の長手方向軸線に沿って離間して配置される、請求項16に記載の弁。
【請求項18】
前記弁要素が、前記第1の端部及び前記外面と交差する特徴部分を備え、前記弁要素は、前記ハウジングの流動空間と前記特徴部分の一部とが整合する位置を有し、かつ、該位置にあるときには流体の流動を可能にする、請求項1に記載の弁。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−115311(P2009−115311A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−219757(P2008−219757)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(594195557)ザ フューチャースター コーポレイション (1)
【氏名又は名称原語表記】The Futurestar Corporation
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−219757(P2008−219757)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(594195557)ザ フューチャースター コーポレイション (1)
【氏名又は名称原語表記】The Futurestar Corporation
【Fターム(参考)】
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