説明

強衝撃ポリ(ウレタン尿素)ポリスルフィド

【課題】本発明は、イオウ含有ポリ尿素ウレタンおよび該ポリ尿素ウレタンを調製する方法に関する。
【解決手段】本発明は、1実施態様では、このイオウ含有ポリ尿素ウレタンは、少なくとも部分的に硬化したとき、少なくとも1.57の屈折率、少なくとも32のアッベ数および1.3グラム/cm未満の密度を有するように適合されている。以下の(a)および(b)の反応により調製される、請求項1に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン:(a)イオウ含有ポリウレタンプレポリマー;および(b)アミン含有硬化剤も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、米国特許出願第10/287,716号(これは、2002年11月5日に出願された)の部分継続出願であり、そして米国仮特許出願第60/435,537および60/332,829(これらは、それぞれ、2002年12月20日および2001年11月16日に出願された)から優先権を主張している。
【0002】
本発明は、イオウ含有ポリ尿素ウレタンおよびそれらを調製する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
光学用レンズ、光学繊維、窓、および自動車用、船舶用および航空機用の透明機器のような用途において、ガラスの代替品および交換品として、多数の有機高分子材料(例えば、プラスチック)が開発されている。これらの高分子材料は、粉砕耐性、所定用途に対する軽量性、成形し易さおよび染色し易さを含めて、ガラスと比べて有利であり得る。しかしながら、多くの高分子材料の屈折率は、一般に、ガラスの屈折率よりも低い。眼科用途では、屈折率が低い高分子材料を使用するには、高い屈折率の材料と比べて、厚いレンズが必要である。厚いレンズは、望ましくない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それゆえ、当該技術分野では、屈折率が十分で衝撃耐性/強度が良好な高分子材料を開発することが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、少なくとも部分的に硬化したとき、少なくとも1.57の屈折率、少なくとも32のアッベ数および1.3グラム/cm未満の密度を有するように適合されたイオウ含有ポリ尿素ウレタンに関する。
したがって、本発明は、以下を提供する。
(1)少なくとも部分的に硬化したとき、少なくとも1.57の屈折率、少なくとも32のアッベ数および1.3グラム/cm未満の密度を有するように適合されたイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(2)前記アッベ数が、少なくとも35である、項目1に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(3)前記アッベ数が、32〜46である、項目1に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(4)前記屈折率が、少なくとも1.60である、項目1に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(5)前記密度が、1.25グラム/cm未満である、項目1に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(6)前記密度が、1.15グラム/cmから1.3グラム/cm未満である、項目1に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(7)さらに、Impact Energy Testを使用する少なくとも2ジュールの衝撃強度を含む、項目1に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(8)以下の(a)および(b)の反応により調製される、項目1に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン:
(a)イオウ含有ポリウレタンプレポリマー;および
(b)アミン含有硬化剤。
(9)前記イオウ含有ポリウレタンプレポリマーが、以下の(a)および(b)の反応物を含有する、項目8に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン:
(a)イオウ含有ポリシアネート;および
(b)活性水素含有物質。
(10)前記イオウ含有ポリシアネートが、ポリイソチオシアネートを含有する、項目9に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(11)前記イオウ含有ポリシアネートが、ポリイソチオシアネートとポリイソシアネートとの混合物を含有する、項目9に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(12)前記活性水素含有物質が、イオウを含まないポリオールを含有する、項目9に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(13)前記活性水素含有物質が、ポリチオールを含有する、項目9に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(14)前記活性水素含有物質が、イオウを含まないポリオールとポリチオールとの混合物を含有する、項目9に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(15)前記活性水素含有物質が、ヒドロキシル官能性ポリスルフィドである、項目9に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(16)前記ヒドロキシル官能性ポリスルフィドが、さらに、SH−官能性を含有する、項目15に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(17)前記イオウを含まないポリオールが、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、およびそれらの混合物から選択される、項目14に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(18)前記活性水素含有物質が、GPCで測定される200グラム/モル〜32,000グラム/モルの数平均分子量を有する、項目9に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(19)前記活性水素含有物質が、GPCで測定される約2,000グラム/モル〜15,000グラム/モルの数平均分子量を有する、項目18に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(20)前記プレポリマーが、2.0から5.5未満のヒドロキシル当量比まで、チオシアネートを有する、項目9に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(21)前記イオウを含まないポリオールが、ポリエーテルポリオールを含有する、項目12に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(22)前記ポリエーテルポリオールが、以下の構造式で表わされる、項目21に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン:
H−(O−CRRCRR−Y−(CRRCRR−Y−O)−(CRRCRR−Y−O)−H
ここで、Rは、水素またはC〜Cアルキルを表わし得る;Yは、CHを表わし得る;nは、0〜6の整数であり得る;a、bおよびcは、それぞれ、0〜300の整数であり得、ここで、a、bおよびcは、その数平均分子量がGPCで測定される32,000グラム/モルを超えないように選択される、
イオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(23)前記イオウ含有ポリシアネートおよび前記活性水素含有物質が、(NCO+NCS)と(SH+OH)とのモル当量比が5.5未満で1.0までとなるような量で存在している、項目9に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(24)前記イオウ含有ポリシアネートおよび前記活性水素含有物質が、(NCO+NCS)と(SH+OH+NR)とのモル当量比が5.5未満で1.0までとなるような量で存在しており、ここで、Rが、水素またはアルキルである、項目9に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(25)前記イオウ含有ポリウレタンプレポリマーが、以下の(a)および(b)の反応物を含有する、項目8に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン:
(a)ポリイソシアネート;および
(b)イオウ含有活性水素物質。
(26)前記ポリイソシアネートが、脂肪族ポリイソシアネート、環状脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、およびそれらの混合物から選択される、項目25に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(27)前記ポリイソシアネートが、脂肪族ジイソシアネート、環状脂肪族ジイソシアネート、芳
香族ジイソシアネート、それらの環状ダイマーおよび環状トリマー、およびそれらの混合物から選択される、項目25に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(28)前記ポリイソシアネートが、シクロヘキシルメタンおよびそれらの異性体混合物から選択される、項目23に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(29)前記ポリイソシアネートが、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)のトランス,トランス異性体から選択される、項目25に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(30)前記ポリイソシアネートが、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル−イソシアネート;メタ−テトラメチルキシレンジイソシアネート(1,3−ビス(1−イソシアネート1−メチルエチル)−ベンゼン)およびそれらの混合物から選択される、項目25に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(31)前記イオウ含有活性水素含有物質が、SH含有物質である、項目25に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(32)前記SH含有物質が、ポリチオールである、項目31に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(33)前記ポリチオールが、脂肪族ポリチオール、環状脂肪族ポリチオール、芳香族ポリチオール、重合体状ポリチオール、エーテル結合含有ポリチオール、1個またはそれより多くのスルフィド結合を含有するポリチオールから選択される、項目32に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(34)前記ポリチオールが、以下の構造式で表わされる少なくとも1種の物質を含有する、項目32に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン:
【化1】

(35)前記ポリチオールが、以下の構造式で表わされる少なくとも1種の物質を含有する、項目32に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン:
【化2】

ここで、Rは、CH、CHCO、C〜C10アルキル、シクロアルキル、アリールアルキルまたはアルキル−COで表わされ得る;Yは、C〜C10アルキル、シクロアルキル、C〜C14アリール、(CH(S)(CH、(CH(Se)(CH、(CH(Te)(CHで表わされ得、ここで、mは、1〜5の整数であり得、pおよびqは、それぞれ、1〜10の整数であり得る;nは、1〜30の整数であり得る;そしてxは、0〜10の整数であり得る、
イオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(36)前記ポリチオールが、以下の構造式で表わされる少なくとも1種の物質を含有する、項目32に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン:
【化3】

ここで、nは、1〜20の整数であり得る、
イオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(37)前記SH含有物質が、ポリチオールとイオウを含まないポリオールとの混合物を含有する、項目32に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(38)前記イオウ含有活性水素物質が、ヒドロキシル官能性ポリスルフィドである、項目25に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(39)前記ヒドロキシル官能性ポリスルフィドが、さらに、SH官能性を含有する、項目38に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(40)前記アミン含有硬化剤が、イオウ含有アミン含有硬化剤である、項目8に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(41)以下の(a)、(b)および(c)の反応により調製される、項目1に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン:
(a)イオウ含有ポリシアネート;
(b)活性水素含有物質;および
(c)アミン含有硬化剤。
(42)前記イオウ含有ポリシアネートが、ポリイソチオシアネートを含有する、項目41に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(43)
前記イオウ含有ポリシアネートが、ポリイソチオシアネートとポリイソシアネートとの混合物を含有する、項目41に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(44)前記活性水素含有物質が、イオウを含まないポリオールを含有する、項目41に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(45)前記活性水素含有物質が、ポリチオールを含有する、項目41に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(46)前記活性水素含有物質が、イオウを含まないポリオールとポリチオールとの混合物を含有する、項目41に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(47)前記イオウを含まないポリオールが、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、およびそれらの混合物から選択される、項目44に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(48)前記活性水素含有物質が、GPCで測定される200〜32,000グラム/モルの数平均分子量を有する、項目44に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(49)前記ポリエーテルポリオールが、以下の構造式で表わされる、項目47に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン:
H−(O−CRRCRR−Y−(CRRCRR−Y−O)−(CRRCRR−Y−O)−H
ここで、Rは、水素またはC〜Cアルキルを表わし得る;Yは、CHを表わし得る;nは、0〜6の整数であり得る;a、bおよびcは、それぞれ、0〜300の整数であり得、ここで、a、bおよびcは、その数平均分子量がGPCで測定される32,000グラム/モルを超えないように選択される、
イオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(50)以下の(a)、(b)および(c)の反応により調製される、項目1に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン:
(a)ポリシアネート;
(b)イオウ含有活性水素物質;および
(c)アミン含有硬化剤。
(51)前記アミン含有硬化剤が、イオウ含有アミン含有硬化剤である、項目50に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(52)前記ポリイソシアネートが、脂肪族ポリイソシアネート、環状脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、およびそれらの混合物から選択される、項目50に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(53)前記ポリイソシアネートが、脂肪族ジイソシアネート、環状脂肪族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、それらの環状ダイマーおよび環状トリマー、およびそれらの混合物から選択される、項目50に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(54)前記イオウ含有活性水素含有物質が、SH含有物質である、項目50に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(55)前記SH含有物質が、ポリチオールである、項目54に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレ
タン。
(56)前記ポリチオールが、脂肪族ポリチオール、環状脂肪族ポリチオール、芳香族ポリチオール、重合体状ポリチオール、エーテル結合含有ポリチオール、1個またはそれより多くのスルフィド結合を含有するポリチオールから選択される、項目44に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(57)前記ポリチオールが、以下の物質の少なくとも1種を含有する、項目55に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン:
【化4】

(58)前記ポリチオールが、以下の構造式で表わされる少なくとも1種の物質を含有する、項目55に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン:
【化5】

ここで、Rは、CH、CHCO、C〜C10アルキル、シクロアルキル、アリールアルキルまたはアルキル−COで表わされ得る;Yは、C〜C10アルキル、シクロアルキル、C〜C14アリール、(CH(S)(CH、(CH(Se)(CH、(CH(Te)(CHで表わされ得、ここで、mは、1〜5の整数であり得、pおよびqは、それぞれ、1〜10の整数であり得る;nは、1〜20の整数であり得る;そしてxは、0〜10の整数であり得る、
イオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(59)前記ポリチオールが、以下の物質の少なくとも1種を含有する、項目55に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン:
【化6】

ここで、nは、1〜20の整数であり得る、
イオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(60)前記SH含有物質が、ポリチオールとイオウを含まないポリオールとの混合物を含有する、項目54に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(61)前記イオウ含有活性水素物質が、ヒドロキシル官能性ポリスルフィドである、項目50に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(62)前記ヒドロキシル官能性ポリスルフィドが、さらに、SH官能性を含有する、項目61に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(63)前記アミン含有硬化剤が、アミン含有硬化剤と、ポリチオールおよびポリオールから選択される少なくとも1種の物質との混合物である、項目50に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(64)前記アミン含有硬化剤が、少なくとも2個の官能基を有するポリアミンであり、該ポリアミンが、別個に、第一級アミン(−NH)、第二級アミン(−NH−)、およびそれらの組合せから選択される、項目8に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(65)前記ポリアミンが、脂肪族ポリアミン、環状脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミン、およ
びそれらの混合物から選択される、項目64に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(66)前記ポリアミンが、以下の構造式により表わされるか、それらの混合物である、項目64に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン:
【化7】

ここで、RおよびRは、それぞれ別個に、メチル、エチル、プロピルおよびイソプロピル基から選択され、そしてRは、水素および塩素から選択される、
イオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(67)前記アミン含有硬化剤が、4,4’−メチレンビス(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)である、項目6に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(68)前記アミン含有硬化剤が、2,4−ジアミノ−3,5−ジエチル−トルエン;2,6−ジアミノ−3,5−ジエチル−トルエンおよびそれらの混合物から選択される、項目6に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(69)前記アミン含有硬化剤が、1.0 NCO/0.60 NH〜1.0 NCO/1.20NHのNCO/NH当量比を有する、項目6に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(70)少なくとも部分的に硬化したとき、少なくとも1.57の屈折率、少なくとも32のアッベ数および1.3グラム/cm未満の密度を有するように適合されたイオウ含有ポリ尿素ウレタンであって、
該イオウ含有ポリ尿素ウレタンは、以下の(a)および(b)の反応により、調製される:
(a)ポリウレタンプレポリマー;および
(b)アミン含有硬化剤であって、
ここで、(a)および(b)の少なくとも1つは、イオウ含有物質である、
イオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(71)前記ポリウレタンプレポリマーが、以下の反応物を含有する、項目70に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン:
(a)ポリシアネート;および
(b)活性水素含有物質。
(72)前記ポリシアネートが、ポリイソシアネート、ポリイソチオシアネート、およびそれらの混合物から選択される、項目71に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(73)前記活性水素含有物質が、ポリオール、ポリチオール、およびそれらの混合物から選択される、項目71に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(74)前記アミン含有硬化剤が、少なくとも2個の官能基を有するポリアミンであり、該ポリア
ミンが、別個に、第一級アミン(−NH)、第二級アミン(−NH−)、およびそれらの組合せから選択される、項目70に記載のイオウ含有ポリ尿素ウレタン。
(75)イオウ含有ポリ尿素ウレタンを調製する方法であって、該方法は、以下の工程を包含する:
(a)イオウ含有ポリシアネートと活性水素含有物質とを反応させて、ポリウレタンプレポリマーを形成する工程;および
(b)該ポリウレタンプレポリマーをアミン含有硬化剤と反応させる工程であって、
ここで、少なくとも部分的に硬化したとき、少なくとも1.57の屈折率、少なくとも32のアッベ数および1.3グラム/cm未満の密度を有するように適合されている、
方法。
(76)さらに、工程(a)において、前記ポリウレタンプレポリマーとエピスルフィド含有物質とを反応させる工程を包含する、項目75に記載の方法。
(77)前記イオウ含有ポリシアネートが、ポリイソチオシアネートを含有する、項目75に記載の方法。
(78)前記イオウ含有ポリシアネートが、ポリイソチオシアネートとポリイソシアネートとの混合物を含有する、項目75に記載の方法。
(79)前記活性水素含有物質が、イオウを含まないポリオールを含有する、項目75に記載の方法。
(80)前記活性水素含有物質が、ポリチオールを含有する、項目75に記載の方法。
(81)前記活性水素含有物質が、イオウを含まないポリオールとポリチオールとの混合物を含有する、項目75に記載の方法。
(82)イオウ含有ポリ尿素ウレタンを調製する方法であって、該方法は、以下の工程を包含する:
(a)ポリシアネートとイオウ含有活性水素含有物質とを反応させて、ポリウレタンプレポリマーを形成する工程;および
(b)該ポリウレタンプレポリマーをアミン含有硬化剤と反応させる工程であって、
ここで、少なくとも部分的に硬化したとき、少なくとも1.57の屈折率、少なくとも32のアッベ数および1.3グラム/cm未満の密度を有するように適合されている、
方法。
(83)前記ポリイソシアネートが、脂肪族ポリイソシアネート、環状脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、およびそれらの混合物から選択される、項目82に記載の方法。
(84)前記イオウ含有活性水素含有物質が、SH含有物質である、項目82に記載の方法。
(85)前記SH含有物質が、ポリチオールである、項目84に記載の方法。
(86)前記SH含有物質が、ポリチオールとイオウを含まないポリオールとの混合物を含有する、項目84に記載の方法。
(87)前記イオウ含有活性水素含有物質が、ヒドロキシル官能性ポリスルフィドである、項目
82に記載の方法。
(88)前記アミン含有硬化剤が、イオウ含有アミン含有硬化剤である、項目82に記載の方法。
(89)イオウ含有ポリ尿素ウレタンを含む光学品であって、ここで、該ポリ尿素ウレタンは、少なくとも部分的に硬化したとき、少なくとも1.57の屈折率、少なくとも32のアッベ数および1.3グラム/cm未満の密度を有するように適合されている、
光学品。
(90)イオウ含有ポリ尿素ウレタンを含む眼科用レンズであって、該ポリ尿素ウレタンは、少なくとも部分的に硬化したとき、少なくとも1.57の屈折率、少なくとも32のアッベ数および1.3グラム/cm未満の密度を有するように適合されている、
眼科用レンズ。
(91)イオウ含有ポリ尿素ウレタンを含むフォトクロミック品であって、ここで、該ポリ尿素ウレタンは、少なくとも1.57の屈折率、少なくとも32のアッベ数および1.3グラム/cm未満の密度を有するように適合されている、
フォトクロミック品。
(92)少なくとも部分的に硬化した基板、および少なくともフォトクロミック量のフォトクロミック物質を含有する、項目91に記載のフォトクロミック品。
(93)前記フォトクロミック物質が、少なくとも部分的に、前記基板に吸収されている、項目92に記載のフォトクロミック品。
(94)前記基板が、少なくとも部分的に、塗装組成物で被覆されており、該塗装組成物が、少なくともフォトクロミック量のフォトクロミック物質を含有する、項目92に記載のフォトクロミック品。
(95)前記フォトクロミック物質が、少なくとも1種のナフトピランを含有する、項目92に記載のフォトクロミック品。
(96)前記フォトクロミック物質が、スピロ(インドリン)ナフトオキサジン、スピロ(インドリン)ベンゾオキサジン、ベンゾピラン、ナフトピラン、有機金属ジチゾネート、フルジドおよびフルジミド、およびそれらの混合物から選択される、項目92に記載のフォトクロミック品。
(97)イオウ含有ポリ尿素ウレタン、少なくとも部分的に硬化した基板、フォトクロミック量のフォトクロミック物質を含有するフォトクロミック品であって、ここで、該フォトクロミック物質は、少なくとも部分的に、該基板に吸収されており、ここで、少なくとも部分的に硬化したとき、少なくとも1.57の屈折率、少なくとも32のアッベ数および1.3グラム/cm未満の密度により特徴付けられる、
フォトクロミック品。
(98)イオウ含有ポリ尿素ウレタン、少なくとも部分的に硬化した基板を含有するフォトクロミック品であって、ここで、該基板は、少なくとも部分的に、塗装組成物で被覆されており、該塗装組成物は、少なくともフォトクロミック量のフォトクロミック物質を含有し、ここで、該ポリ尿素ウレタンは、少なくとも部分的に硬化したとき、少なくとも1.57の屈折率、少なくとも32のアッベ数および1.3グラム/cm未満の密度を有するよう
に適合されている、
フォトクロミック品。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本願の目的のために、特に明記しない限り、本明細書および請求の範囲で使用される成分の量、反応条件などを示す全ての数値または表現は、いずれの場合にも、「約」との用語により修飾されることが理解できるはずである。従って、以下の明細書および添付の請求の範囲で述べた数値パラメータは、他にそうでないことが示されていない限り、近似値であり、これは、本発明で得るように求めた所望の特性に依存して、変わり得る。少なくとも、この請求の範囲の等価物の原則の適用に限定しようとするのではなく、各数値パラメータは、少なくとも、報告された有効数字の数に照らして、通常の端数計算技術を適用することにより、解釈すべきである。
【0007】
本発明の広い範囲を示す数値範囲およびバラメータは近似値であるにもかかわらず、特定の実施例で述べた数値は、できるだけ正確に報告されている。しかしながら、任意の数値は、本質的に、それらの各個の試験測定で見られる標準偏差から生じる一定の誤差を含む。
【0008】
本明細書中および請求の範囲で使用する「シアネート」との用語は、遮断されておらず反応基(例えば、チオール、ヒドロキシルまたはアミン官能基)と共有結合を形成できるイソシアネート物質およびイソチオシアネート物質を意味する。非限定的な実施態様では、本発明のポリイソシアネートは、イソシアネート(NCO)、イソチオシアネート(NCS)、およびイソシアネート官能基とイソチオシアネート官能基との組合せから選択される少なくとも2個の官能基を含有できる。「イソシアネート」との用語は、イオウを含
まないシアネートを意味する。「イソチオシアネート」との用語は、イオウ含有シアネートを意味する。
【0009】
非限定的な代替実施態様では、本発明のポリ尿素ウレタンは、重合したとき、少なくとも1.57、または少なくとも1.58、または少なくとも1.60、または少なくとも1.62の屈折率を有する重合体を生成できる。さらに他の代替実施態様では、本発明のポリ尿素ウレタンは、少なくとも32、または少なくとも35、または少なくとも38、または少なくとも39、または少なくとも40、または少なくとも44のアッベ数を有する重合体を生成できる。この屈折率およびアッベ数は、当該技術分野で公知の方法(例えば、American Standard Test Method(ASTM)Number D 542−00)により、決定できる。さらに、この屈折率およびアッベ数は、種々の公知の機器を使用して、決定できる。本発明の非限定的な実施態様では、この屈折率およびアッベ数は、以下のこと以外は、ASTM D 542−00に従って測定できる:(i)Section 7.3で指定した最低3個の試験片の代わりに、1個〜2個の試料/試験片で試験する;および(ii)Section 8.1で指定したように、試験前に、これらの試料/試験片を調整する代わりに、調整しなかった試料を試験する。さらに、非限定的な実施態様では、これらの試料/試験片の屈折率およびアッベ数を測定するために、Atago、モデルDR−M2 Multi−Wavelength Digital Abbe Refractometerが使用できる。
【0010】
非限定的な代替実施態様では、ポリイアネートの量および活性水素含有物質の量は、(NCO+NCS):(SH+OH)の当量比が1.0:1.0より大きく、または少なくとも2.0:1.0、または少なくとも2.5:1、または4.5:1.0未満、または5.5:1.0未満であり得るように選択できる。さらに他の非限定的な代替実施態様では、(NCO+NCS)(SH+OH+NR)の当量比(ここで、Rは、水素またはアルキルであり得る)は、1.0:1.0より大きく、または少なくとも2.0:1.0、または少なくとも2.5:1、または4.5:1.0未満、または5.5:1.0未満であり得る。
【0011】
本発明のポリ尿素ウレタンを調製する際に有用なポリシアネートは、非常に多く、広範に変えられる。本発明で使用するのに適当なポリシアネートには、重合体およびC〜C20直鎖、分枝、環状および芳香族ポリシアネートを挙げることができるが、これらに限定されない。非限定的な例には、以下から選択される骨格を有するポリイソシアネートおよびポリイソチオシアネートを挙げることができる:ウレタン結合(−NH−C(O)−O−)、チオウレタン結合(−NH− C(O)−S−)、チオカーバメート結合(−NH−C(S)−O−)、ジチオウレタン結合(−NH−C(S)−S−)、およびそれらの組合せ。
【0012】
このポリシアネートの分子量は、広範に変えることができる。非限定的な代替実施態様では、その数平均分子量(Mn)は、少なくとも100グラム/モル、または少なくとも150グラム/モル、または15,000グラム/モル未満、または5000グラム/モル未満であり得る。この数平均分子量は、公知の方法を使用して決定できる。本明細書中および請求の範囲で列挙した数平均分子量値は、ポリスチレン標準を使用するゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、決定した。
【0013】
適当なポリシアネートの非限定的な例には、少なくとも2個のイソシアネート基を有するポリイソシアネート;少なくとも2個のイソチオシアネート基を有するポリイソシアネート;それらの混合物;およびそれらの組合せ(例えば、イソシアネートおよびイソチオシアネート官能基を有する物質)を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0014】
ポリイソシアネートの非限定的な例には、脂肪族ポリイソシアネート、環状脂肪族ポリイソシアネート(ここで、1個またはそれより多くのイソシアナト基は、その環状脂肪族環に直接結合している)、環状脂肪族ポリイソシアネート(ここで、1個またはそれより多くのイソシアナト基は、その環状脂肪族環に直接結合していない)、芳香族ポリイソシアネート(ここで、1個またはそれより多くのイソシアナト基は、その芳香環に直接結合している)および芳香族ポリイソシアネート(ここで、1個またはそれより多くのイソシアナト基は、その芳香環に直接結合していない)を挙げることができるが、これらに限定されない。芳香族ポリイソシアネートを使用するとき、一般に、そのポリ尿素ウレタンが着色(例えば、黄色)しない物質を選択するように注意すべきである
本発明の非限定的な実施態様では、このポリイソシアネートには、脂肪族または環状脂肪族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、それらの環状ダイマーおよび環状トリマー、およびそれらの混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。適当なポリイソシアネートの非限定的な例には、Desmodur N 3300(ヘキサメチレンジイソシアネートトリマー)(これは、Bayerから市販されている);Desmodur N 3400(60%ヘキサメチレンジイソシアネートダイマーおよび40%ヘキサメチレンジイソシアネートトリマー)を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0015】
非限定的な実施態様では、このポリイソシアネートには、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートおよびそれらの異性体混合物を挙げることができる。本明細書中および請求の範囲で使用する「異性体混合物」との用語は、このポリイソシアネートのシス−シス、トランス−トランスおよびシス−トランス異性体を意味する。本発明で使用する異性体混合物の非限定的な例には、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(以下、「PICM」(パライソシアナトシクロヘキシルメタン)のトランス−トランス異性体、PICMのシス−トランス異性体、PICMのシス−シス異性体、およびそれらの混合物を挙げることができる。
【0016】
非限定的な1実施態様では、本発明で使用する4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)の適当な異性体は、以下で示す。
【0017】
【化8】

非限定的な1実施態様では、本発明で使用するPICMは、当該技術分野で周知の手順(例えば、米国特許第2,644,007号および第2,680,127号(それらの内容は、本明細書中で参考として援用されている)で開示された手順)により、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)(PACM)をホスゲン化することにより、調製
できる。このPACM異性体混合物は、ホスゲン化すると、液相、部分液相または固相にて、室温で、PICMを生成できる。これらのPACM異性体混合物は、水およびアルコール(例えば、メタノールおよびエタノール)の存在下にて、メチレンジアニリンの水素化により、および/またはPACM異性体混合物の分別結晶化により、得ることができる。
【0018】
非限定的な実施態様では、この異性体混合物は、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(PICM)のトランス,トランス異性体を10〜100%で含有できる。
【0019】
本発明の非限定的な代替実施態様で使用できる追加脂肪族および環状脂肪族ジイソシアネートには、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル−イソシアネート(「IPDI」)(これは、Arco Chemicalから市販されている)、およびメタ−テトラメチルキシレンジイソシアネート(1,3−ビス(1−イソシアネート1−メチルエチル)−ベンゼン)(これは、TMXDI.RTM.(Meta)Aliphatic Isocyanateの商品名で、Cytec Industries
Incから市販されている)が挙げられる。
【0020】
本明細書中および請求の範囲で使用する脂肪族および環状脂肪族ジイソシアネートとの用語は、2個のジイソシアネート反応性末端基を有する直鎖または環で結合された6個〜100個の炭素原子を意味する。本発明の非限定的な実施態様では、本発明で使用する脂肪族および環状脂肪族ジイソシアネートには、TMXDIおよび式R−(NCO)の化合物を挙げることができ、ここで、Rは、脂肪族基または環状脂肪族基を表わす。
【0021】
適当なポリシアネートのさらに他の非限定的な例には、以下を挙げることができるが、これらに限定されない:脂肪族ポリイソシアネートおよびポリイソチオシアネート;エチレン性不飽和ポリイソシアネートおよびポリイソチオシアネート;脂環族ポリイソシアネートおよびポリイソチオシアネート;芳香族ポリイソシアネートおよびポリイソチオシアネート(ここで、そのイソシアネート基は、その芳香環に直接結合していない;例えば、α,α’−キシレンジイソシアネート);芳香族ポリイソシアネートおよびポリイソチオシアネート(ここで、そのイソシアネート基は、その芳香環に直接結合していない;例えば、ベンゼンジイソシアネート);スルフィド結合を含有する脂肪族ポリイソシアネートおよびポリイソチオシアネート;スルフィド結合またはジスルフィド結合を含有する芳香族ポリイソシアネートおよびポリイソチオシアネート;スルホン結合を含有する芳香族ポリイソシアネートおよびポリイソチオシアネート;スルホン酸エステル型ポリイソシアネートおよびポリイソチオシアネート(例えば、4−メチル−3−イソシアネートベンゼンスルホニル−4’−イソシアネートフェノールエステル);芳香族スルホン酸アミド型ポリイソシアネートおよびポリイソチオシアネート;イオウ含有複素環ポリイソシアネートおよびポリイソチオシアネート(例えば、チオフェン−2,5−ジイソシアネート);それらのポリシアネートのハロゲン化、アルキル化、アルコキシル化、硝酸塩化、カルボジイミド変性、尿素変性誘導体;およびそれらのポリシアネートの二量化および三量化生成物。
【0022】
さらに他の非限定的な実施態様では、このポリウレタンプレポリマーの調製では、以下の一般式(I)の物質が使用できる:
【0023】
【化9】

ここで、R10およびR11は、それぞれ別個に、C〜Cアルキルである。
【0024】
脂肪族ポリイソシアネートのさらに他の非限定的な例には、エチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、2,2’−ジメチルペンタンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、2,4,4,−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート4−(イソシアナトメチル)オクタン、2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアネート5−(イソシアナトメチル)オクタン、ビス(イソシアナトエチル)−カーボネート、ビス(イソシアナトエチル)エーテル、2−イソシアナトプロピル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート、リジンジイソシアナトメチルエステルおよびリジントリイソシアナトメチルエステルを挙げることができる。
【0025】
エチレン性不飽和ポリイソシアネートの例には、ブテンジイソシアネートおよび1,3−ブタジエン−1,4−ジイソシアネートを挙げることができるが、これらに限定されない。脂肪族ポリイソシアネートには、イソホロンジイソシアネート,シクロヘキサンジイソシアネート,メチルシクロヘキサンジイソシアネート,ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン,ビス(イソシアナトシクロヘキシル)メタン、ビス(イソシアナトシクロヘキシル)−2,2−プロパン、ビス(イソシアナトシクロヘキシル)−1,2−エタン、2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−5−イソシアナトメチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−6−イソシアナトメチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−5−イソシアナトメチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−6−イソシアナトメチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−6−(2−イソシアナトエチル)−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−5−(2−イソシアナトエチル)−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタンおよび2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−6−(2−イソシアナトエチル)−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタンを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0026】
芳香族ポリイソシアネート(ここで、そのイソシアネート基は、その芳香環に直接結合していない)の例には、ビス(イソシアナトエチル)ベンゼン、α,α,α’,α’−テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,3−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトブチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトメチル)ナフタレン、ビス(イソシアナトメチル)ジフェニルエーテル、ビス(イソシアナトエチル)フタレート、メシチレントリイソシアネートおよび2,5−ジ(イソシアナトメチル)フランを挙げることができるが、これらに限定されない。その芳香環にイソシアネート基を結合した芳香族ポリイソシアネートには、フェニレンジイソシアネート、エチルフェニレンジイソシアネート、イソプロピルフェニレンジイソシアネート、ジメチルフェニレンジイソシアネート、ジエチルフェニレンジイソシアネート、ジイソプロピルフェニレンジ
イソシアネート、トリメチルベンゼントリイソシアネート、ベンゼントリイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、メチルナフタレンジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、オルト−トルイジンジイソシアネート、オルト−トルイジンジイソシアネート、オルト−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ビス(3−メチル−4−イソシアナトフェニル)メタン、ビス(イソシアナトフェニル)エチレン、3,3'−ジメトキシ−ビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、トリフ
ェニルメタントリイソシアネート、重合体4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレントリイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4,4’−トリイソシアネート、4−メチルジフェニルメタン−3,5,2’,4’,6’−ペンタイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、ビス(イソシアナトフェニルエーテル)エチレングリコール、ビス(イソシアナトフェニルエーテル)−1,3−プロピレングリコール、ベンゾフェノンジイソシアネート、カルバゾールジイソシアネート、エチルカルバゾールジイソシアネートおよびジクロロカルバゾールジイソシアネートを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0027】
本発明で使用できる脂肪族および環状脂肪族ジイソシアネートのさらに他の非限定的な例には、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル−イソシアネート(「IPDI」)(これは、Arco Chemicalから市販されている)、およびメタ−テトラメチルキシレンジイソシアネート(1,3−ビス(l−イソシアネート1−メチルエチル)−ベンゼン)(これは、TMXDI.RTM.(Meta)Aliphatic Isocyanateの商品名で、Cytec Industries Inc.から市販されている)が挙げられる。
【0028】
本発明の非限定的な実施態様では、本発明で使用する脂肪族および環状脂肪族ジイソシアネートには、TMXDI、および式R−(NCO)の化合物(ここで、Rは、脂肪族基または環状脂肪族基を表わす)を挙げることができる。
【0029】
ポリイソシアネートの非限定的な例には、スルフィド結合を含有する脂肪族ポリイソシアネート(例えば、チオジエチルジイソシアネート、チオジプロピルジイソシアネート、ジチオジヘキシルジイソシアネート、ジメチルスルホンジイソシアネート、ジチオジメチルジイソシアネート、ジチオジエチルジイソシアネート、ジチオジプロピルジイソシアネートおよびジシクロヘキシルスルフィド−4,4’−ジイソシアネート)を挙げることができる。スルフィドまたはジスルフィド結合を含有する芳香族ポリイソシアネートの非限定的な例には、ジフェニルスルフィド−2,4’−ジイソシアネート、ジフェニルスルフィド−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジイソシアネートジベンジルチオエーテル、ビス(4−イソシアナトメチルベンゼン)−スルフィド、ジフェニルジスルフィド−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルジスルフィド−6,6'
−ジイソシアネート、4,4’−ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシジフェニルジスルフィド−4,4’−ジイソシアネートおよび4,4’−ジメトキシジフェニルジスルフィド−3,3’−ジイソシアネートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
ポリイソシアネートの非限定的な例には、スルホン結合を含有する芳香族ポリイソシアネート(例えば、ジフェニルスルホン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルスルホン−3,3’−ジイソシアネート、ベンジジンスルホン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタンスルホン−4,4’−ジイソシアネート、4−メチルジフェニルメタンスルホン−2,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジメトキシジフェニルスルホン−3,3’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジイソシアネートジベン
ジルスルホン、4,4’−ジメチルジフェニルスルホン−3,3’−ジイソシアネート、4,4’−ジ−tert−ブチル−ジフェニルスルホン−3,3’−ジイソシアネートおよび4,4’−ジクロロジフェニルスルホン−3,3’−ジイソシアネート)を挙げることができる。
【0031】
本発明で使用する芳香族スルホンアミド型ポリイソシアネートの非限定的な例には、4−メチル−3−イソシアネートベンゼン−スルホニルアニリド−3’−メチル−4’−イソシアネート、ジベンゼンスルホニル−エチレンジアミン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−メトキシベンゼンスルホニル−エチレンジアミン−3,3’−ジイソシアネートおよび4−メチル−3−イソシアネートベンゼン−スルホニルアニリド−4−エチル−3’−イソシアネートを挙げることができる。
【0032】
非限定的な代替実施態様では、このイソチオシアネートには、脂肪族ポリイソチオシアネート;脂環族ポリイソチオシアネート(例えば、シクロヘキサンジイソチオシアネートがあるが、これに限定されない);芳香族ポリイソチオシアネート(ここで、そのイソチオシアネート基は、その芳香環に直接結合していない;例えば、α,α’−キシレンジイソチオシアネートが挙げられるが、これに限定されない);芳香族ポリイソチオシアネート(ここで、そのイソチオシアネート基は、その芳香環に直接結合していない;例えば、フェニレンジイソチオシアネートがあるが、これに限定されない);複素環ポリイソチオシアネート(2,4,6−トリイソチオシアネート1,3,5−トリアジンおよびチオフェン−2,5−ジイソチオシアネートがあるが、これらに限定されない);カルボニルポリイソチオシアネート;スルフィド結合を含有する脂肪族ポリイソチオシアネート(例えば、チオビス(3−イソチオシアネートプロピン)があるが、これに限定されない);イソチオシアネート基のものに加えてもイオウ原子を含有する芳香族ポリイソチオシアネート;これらのポリイソチオシアネートのハロゲン化、アルキル化、アルコキシル化、硝酸塩化、カルボジイミド変性、尿素変性およびビウレット変性生成物)を挙げることができる。
【0033】
脂肪族ポリイソチオシアネートの非限定的な例には、1,2−ジイソチオシアネートエタン、1,3−ジイソチオシアネートプロパン、1,4−ジイソチオシアネートブタンおよび1,6−ジイソチオシアネートヘキサンが挙げられる。その芳香環にイソチオシアネート基を直接結合した芳香族ポリイソチオシアネートの非限定的には、1,2−ジイソチオシアネートベンゼン、1,3−ジイソチオシアネートベンゼン、1,4−ジイソチオシアネートベンゼン、2,4−ジイソチオシアネートトルエン、2,5−ジイソチオシアネートm−キシレン,4,4’−ジイソチオシアネート1,1’−ビフェニル、1,1’−メチレンビス(4−イソチオシアネートベンゼン)、1,1’−メチレンビス(4−イソチオシアネート2−メチルベンゼン)、1,1’−メチレンビス(4−イソチオシアネート3−メチルベンゼン)、1,1’−(1,2−エタン−ジイル)ビス(4−イソチオシアネートベンゼン)、4,4’−ジイソチオシアネートベンゾフェノン、4,4’−ジイソチオシアネート3,3’−ジメチルベンゾフェノン、ベンズアニリド−3,4’−ジイソチオシアネート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソチオシアネートおよびジフェニルアミン−4,4’−ジイソチオシアネートを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0034】
適当なカルボニルポリイソチオシアネートには、ヘキサン−ジオイルジイソチオシアネート、ノナンジオイルジイソチオシアネート、炭酸ジイソチオシアネート、1,3−ベンゼンジカルボニルジイソチオシアネート、1,4−ベンゼンジカルボニルジイソチオシアネートおよび(2,2’−ビピリジン)−4,4’−ジカルボニルジイソチオシアネートを挙げることができるが、これらに限定されない。イソチオシアネート基のものに加えてイオウ原子を含有する芳香族ポリイソチオシアネートには、1−イソチオシアネート4−
[(2−イソチオシアネート)スルホニル]ベンゼン、チオビス(4−イソチオシアネートベンゼン)、スルホニルビス(4−イソチオシアネートベンゼン)、スルフィニルビス(4−イソチオシアネートベンゼン)、ジチオビス(4−イソチオシアネートベンゼン)、4−イソチオシアネート1−[(4−イソチオシアネートフェニル)−スルホニル]−2−メトキシベンゼン、4−メチル−3−イソチオシアネートベンゼン−スルホニル−4’−イソチオシアネートフェニルエステルおよび4−メチル−3−イソチオシアネートベンゼン−スルホニルアニリド−3’−メチル−4’−イソチオシアネートを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0035】
イソシアネート基およびイソチオシアネート基を有するポリシアネートの非限定的な例には、脂肪族、脂環族、芳香族、複素環を挙げることができるか、またはそのイソチオシアネート基のものに加えてイオウ原子を含有する。このようなポリシアネートの非限定的な例には、1−イソシアネート3−イソチオシアネートプロパン、1−イソシアネート5−イソチオシアネートペンタン、1−イソシアネート6−イソチオシアネートヘキサン、イソシアネートカルボニルイソチオシアネート,1−イソシアネート4−イソチオシアネートシクロヘキサン、1−イソシアネート4−イソチオシアネートベンゼン、4−メチル−3−イソシアネート1−イソチオシアネートベンゼン、2−イソシアネート4,6−ジイソチオシアネート1,3,5−トリアジン、4−イソシアネート4’−イソチオシアネートジフェニルスルフィドおよび2−イソシアネート2’−イソチオシアネートジエチルジスルフィドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
非限定的な実施態様では、このポリシアネートは、活性水素含有物質と反応されて、ポリウレタンプレポリマーを形成できる。活性水素含有物質は、変えられ、そして当該技術分野で公知である。非限定的な例には、ヒドロキシル含有物質(例えば、ポリオールがあるが、これに限定されない);イオウ含有物質(例えば、ヒドロキシル官能性ポリスルフィドがあるが、これに限定されない)、およびSH含有物質(例えば、ポリチオールがあるが、これに限定されない);およびヒドロキシおよびチオール官能基の両方を有する物質を挙げることができる。
【0037】
本発明で使用するのに適当なヒドロキシル含有物質には、当該技術分野で公知の多種多様な物質を挙げることができる。非限定的な例には、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、およびそれらの混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0038】
ポリエーテルポリオールおよびそれらの調製方法は、当業者に公知である。種々の型の多くのポリエーテルポリオールは、様々な製造業者から市販されている。ポリエーテルポリオールの非限定的な例には、ポリオキシアルキレンポリオールおよびポリアルコキシル化ポリオールを挙げることができるが、これらに限定されない。ポリオキシアルキレンポリオールは、公知方法に従って調製できる。非限定的な実施態様では、ポリオキシアルキレンポリオールは、多価開始剤または多価開始剤混合物(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロールおよびソルビトールがあるが、これらに限定されない)との酸または塩基触媒付加を使用して、アルキレンオキシドまたはアルキレンオキシド混合物を縮合することにより、調製できる。アルキレンオキシドの非限定的な例には、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、アミレンオキシド、アラルキレンオキシド(例えば、スチレンオキシド、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの混合物があるが、これらに限定されない)を挙げることができる。さらに他の非限定的な実施態様では、ポリオキシアルキレンポリオールは、ランダムまたは段階的オキシアルキル化を使用して、アルキレンオキシドの混合物を使って調製できる。このようなポリオキシアルキレンポリオールの非限定的な例には、ポリオキシエチレン(例えば、ポリエチレングリコールがあるが、これに限定されない)、ポリオキシプロピレン(例えば、ポリ
プロピレングリコールがあるが、これに限定されない)が挙げられる。
【0039】
非限定的な実施態様では、ポリアルコキシル化ポリオールは、以下の一般式で表わすことができる:
【0040】
【化10】

ここで、mおよびnは、それぞれ、正の整数であり得、mおよびnの合計は、5〜70である;RおよびRは、それぞれ、水素、メチルまたはエチルである;そしてAは、二価連結基(例えば、直鎖または分枝アルキレンであり、これは、1個〜8個の炭素原子を含有できる;フェニレン、およびC1〜C9アルキル−置換フェニレン)である。mおよびnの選択した値は、選択した二価連結基と組み合わせて、このポリオールの分子量を決定する。ポリオキシアルキレンポリオールは、当該技術分野で公知の方法により、調製できる。非限定的な実施態様では、ポリオール(例えば、4,4’−イソプロピリデンジフェノール)は、オキシラン含有物質(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびブチレンオキシドがあるが、これらに限定されない)と反応されて、ヒドロキシ官能性を有するエトキシ化、プロポキシ化またはブトキシ化ポリオールと一般的に呼ばれているものを形成できる。ポリアルコキシル化ポリオールを調製する際に使用するのが適当なポリオールの非限定的な例には、米国特許第6,187,444 B1号の10欄、1〜20行(その開示内容は、本明細書中で参考として援用されている)で記述されたポリオールを挙げることができる。
【0041】
本明細書中および請求の範囲で使用する「ポリエーテルポリオール」との用語は、ルイス酸触媒(例えば、三フッ化ホウ素、塩化スズ(IV)および塩化スルホニルがあるが、これらに限定されない)の存在下にてテトラヒドロフランを重合させることにより調製される一般に公知のポリ(オキシテトラメチレン)ジオールを挙げることができる。また、環状エーテル(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、トリメチレンオキシドおよびテトラヒドロフランがあるが、これらに限定されない)を脂肪族ジオール(例えば、エチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−プロピレングリコールおよび1,3−プロピレングリコールがあるが、これらに限定されない)と共重合することにより調製されるポリエーテルも、含まれる。ポリエーテルポリオールの相溶性混合物もまた、使用できる。本明細書中で使用する「相溶性」とは、これらのポリオールが単一相を形成するように互いに相互に溶解性であることを意味する。
【0042】
本発明で使用する種々のポリエステルポリオールは、当該技術分野で公知である。適当なポリエステルポリオールには、ポリエステルグリコールを挙げることができるが、これに限定されない。本発明で使用するポリエステルグリコールには、4個〜10個の炭素原子を有する1種またはそれ以上のジカルボン酸(例えば、アジピン酸、コハク酸またはセバシン酸)と、2個〜10個の炭素原子を有する1種またはそれ以上の低分子量グリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオールおよび1,10−デカンジオールがあるが、これらに限定されない)とのエステル化生成物を挙げることができる。ポリエステルポリオールを生成するエステル化手順は、例えば、D.M.Young,F.Hostettlerら、「Polyesters from Lactone」、Union Carbide F−40,p.147で記述されている。
【0043】
非限定的な実施態様では、本発明で使用するポリオールには、ポリカプロラクトンポリオールを挙げることができる。非限定的な実施態様では、ポリカプロラクトンポリオールは、二官能性活性水素化合物(例えば、水または本明細書中で列挙した低分子量グリコールがあるが、これらに限定されない)の存在下にて、カプロラクトンを縮合することにより、調製できる。適当なポリカプロラクトンポリオールの非限定的な例には、Solvay ChemicalからCAPAシリーズとして命名された市販物質(これには、CAPA 2047Aが挙げられるが、これに限定されない)および、Dow Chemical製のTONEシリーズ(例えば、TONE 0201があるが、これらに限定されない)を挙げることができる。
【0044】
本発明で使用するポリカーボネートポリオールは、変えられ、そして当業者に公知である。適当なポリカーボネートポリオールには、市販のもの(例えば、Enichem S.p.A.製のRavecarb(商標)107)を挙げることができる。非限定的な実施態様では、このポリカーボネートポリオールは、有機グリコール(例えば、ジオールであって、これは、以下で、およびポリ尿素ウレタンのグリコール成分に関連して、記述されている)と炭酸ジアルキル(これは、例えば、米国特許第4,160,853号で記述されている)とを反応させることにより、生成できる。非限定的な実施態様では、このポリオールには、炭酸ポリヘキサメチル(例えば、HO−(CH−[O−C(O)−O−(CH−OHであって、ここで、nは、4〜24、または4〜10、または5〜7である)を挙げることができる。
【0045】
非限定的な実施態様では、このグリコール物質は、低分子量ポリオール(例えば、500グラム/モル未満の数平均分子量を有するポリオール)、およびそれらの相溶性混合物を含有できる。本明細書中で使用する「相溶性」とは、これらのグリコールが単一相を形成するように互いに相互に溶解性であることを意味する。これらのポリオールの非限定的な例には、低分子量ジオールおよびトリオールを挙げることができるが、これらに限定されない。さらに他の非限定的な実施態様では、選択されるトリオールの量は、そのポリウレタン中にて、高度な架橋を避けるような量である。この有機グリコールは、典型的には、2個〜16個、または2個〜6個、または2個〜10個の炭素原子を含有する。このようなグリコールの非限定的な例には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオールおよび1,4−ブタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオールおよび1,5−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオールおよび1,6−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−ビス(ヒドロキシエチル)−シクロヘキサン、グリセリン、テトラメチロールメタン(ペンタエリスリトール、トリメチロールエタンおよびトリメチロールプロパンがあるが、これらに限定されない);およびそれらの異性体を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0046】
非限定的な代替実施態様では、このヒドロキシル含有物質は、少なくとも200グラム/モル、または少なくとも1000グラム/モル、または少なくとも2000グラム/モルの分子量を有し得る。非限定的な代替実施態様では、このヒドロキシル含有物質は、10,000グラム/モル未満、または15,000グラム/モル未満、または20,000グラム/モル未満、または32,000グラム/モル未満の数平均分子量を有し得る。
【0047】
非限定的な実施態様では、本発明で使用するポリエーテル含有ポリオール物質には、少なくとも1種の低分子量ジカルボン酸(例えば、アジピン酸)から生成したテトラエステルを挙げることができる。
【0048】
本発明で使用するポリエーテルグリコールには、ポリテトラメチレンエーテルグリコールを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0049】
非限定的な実施態様では、この活性水素含有物質は、ブロック重合体(これは、エチレンオキシド−プロピレンオキシドおよび/またはエチレンオキシド−ブチレンオキシドのブロックを含む)を含有できる。非限定的な実施態様では、この活性水素含有物質は、以下の化学式のブロック重合体を含有できる:
(I”)H−(O−CRRCRR−Y−(CRRCRR−Y−O)−(CRRCRR−Y−O)−H
ここで、Rは、水素またはC〜Cアルキルを表わし得る;Yは、C〜C炭化水素を表わし得る;nは、0〜6の整数である;a、bおよびcは、それぞれ、0〜300の整数であり得、ここで、a、bおよびcは、このポリオールの数平均分子量が32,000グラム/モルを超えないように選択される。
【0050】
さらに他の非限定的な実施態様では、本発明の活性水素含有物質として、Pluronic R、Pluronic L62D、Tetronic RおよびTetronic(これらは、BASFから市販されている)が使用できる。
【0051】
本発明で使用する適当なポリオールの非限定的な例には、直鎖または分枝アルカンポリオール(例えば、1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、グリセロール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジ−トリメチロールプロパン、エリスリトール、ペンタエリスリトールおよびジ−ペンタエリスリトールがあるが、これらに限定されない);ポリアルキレングリコール(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールおよびそれより高級なポリアルキレングリコール(例えば、200グラム/モル〜2,000グラム/モルの数平均分子量を有し得るポリエチレングリコールがあるが、これらに限定されない)があるが、これらに限定されない);環状アルカンポリオール(例えば、、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサントリオール、シクロヘキサンジメタノール、ヒドロキシプロピルシクロヘキサノールおよびシクロヘキサンジエタノールがあるが、これらに限定されない);芳香族ポリオール(例えば、ジヒドロキシベンゼン、ベンゼントリオール、ヒドロキシベンジルアルコールおよびジヒドロキシトルエンがあるが、これらに限定されない);ビスフェノール(例えば、4,4’−イソプロピリデンジフェノール;4,4’−オキシビスフェノール、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−チオビスフェノール、フェノールフタレイン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4’−(1,2−エテンジイル)ビスフェノールおよび4,4’−スルホニルビスフェノールがあるが、これらに限定されない);ハロゲン化ビスフェノール(例えば、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジブロモフェノール)、4、4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジクロロフェノール)および4,4’−イソプロピリデンビス(2,3,5,6−テトラクロロフェノール)があるが、これらに限定されない);アルコキシル化ビスフェノール(例えば、アルコキシル化4,4’−イソプロピリデンジフェノール(これは、1個〜70個のアルコキシ基(例えば、エトキシ、プロポキシ、α−ブトキシおよび−ブトキシ基)を有し得る)があるが、これらに限定されない);およびビスシクロヘキサノール(これらは、対応するビスフェノール(例えば、4,4’−イソプロピリデン−ビスシクロヘキサノール、4,4’−オキシビスシクロヘキサノール、4,4’−チオビスシクロヘキサノールおよびビス(4−ヒドロキシシクロヘキサノール)メタンがあるが、これらに限定され
ない)から調製できる);ポリウレタンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリビニルアルコール、ヒドロキシ官能性アクリレートを含有する重合体、ヒドロキシ官能性メタクリレートを含有する重合体、およびアリルアルコールを含有する重合体が挙げられる。
【0052】
非限定的な実施態様では、このポリオールは、多官能性ポリオールから選択でき、これには、トリメチロールプロパン、エトキシ化トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
さらに他の非限定的な実施態様では、このポリオールは、2個またはそれ以上のヒドロキシ官能基を有するポリウレタンプレポリマーであり得る。このようなポリウレタンプレポリマーは、上記ポリオールおよび上記ポリイソシアネートのいずれかから調製できる。非限定的な実施態様では、そのOH:NCO当量比は、このポリウレタンプレポリマーを調製する際に、事実上、遊離のNCO基が生成されないように、選択できる。非限定的な実施態様では、このポリエーテル含有ポリウレタンプレポリマーで存在しているNCO(すなわち、イソシアネート)とOHとの当量比は、2.0から5.5未満のNCO/1.0 OHの量であり得る。
【0054】
非限定的な代替実施態様では、このポリウレタンプレポリマーは、50,000グラム/モル未満、または20,000グラム/モル未満、または10,000グラム/モル未満の数平均分子量(Mn)を有し得る。このMnは、種々の公知方法を使用して、決定できる。非限定的な実施態様では、このMnは、ポリスチレン標準を使用するゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、決定できる。
【0055】
非限定的な実施態様では、本発明で使用するイオウ含有活性水素含有物質には、SH含有物質(例えば、少なくとも2個のチオール基を有するポリチオールがあるが、これらに限定されな)を挙げることができる。適当なポリチオールの非限定的な例には、脂肪族ポリチオール、環状脂肪族ポリチオール、芳香族ポリチオール、複素環ポリチオール、重合体ポリチオールおよびそれらの混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。この水素含有物質は、結合(これには、エーテル結合(−O−)、スルフィド結合(−S−)、ポリスルフィド結合(−S−であって、ここで、xは、少なくとも2、または2〜4である)およびこのような結合の組合せが挙げられるが、これらに限定されない)を有し得る。本明細書中および請求の範囲で使用する「チオール」、「チオール基」、「メルカプト」または「メルカプト基」とは、イソシアネート基とチオウレタン結合(すなわち、−NH−C(O)−S−)を形成できるかイソチオシアネート基とジチオウレタン結合(すなわち、−NH−C(S)−S−)を形成できる−SH基を意味する。
【0056】
適当なポリチオールの非限定的な例には、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、ジメルカプトエチルスルフィド、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトアセテート)、4−メルカプトメチル−3,6−ジチア−1,8−オクタンジチオール、4−tert−ブチル−1,2−ベンゼンジチオール、4,4’−チオジベンゼンチオール、エタンジチオール、ベンゼンジチオール、エチレングリコールジ(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコールジ(3−メルカプトプロピオネート)、ポリ(エチレングリコール)ジ(2−メルカプトアセテート)およびポリ(エチレングリコール)ジ(3−メルカプトプロピオネート)、およびそれらの混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0057】
非限定的な実施態様では、このポリチオールは、以下の一般式で表わされる物質から選
択できる:
【0058】
【化11】

ここで、RおよびRは、それぞれ、別個に、直鎖または分枝アルキレン、環状アルキレン、フェニレンおよびC〜Cアルキル置換フェニレンから選択できる。直鎖または分枝鎖アルキレンの非限定的な例には、メチレン、エチレン、1,3−プロピレン、1,2−プロピレン、1,4−ブチレン、1,2−ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、オクタデシレンおよびイコシレンを挙げることができるが、これらに限定されない。環状アルキレンの非限定的な例には、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、シクロヘプチレン、シクロオクチレンおよびそれらのアルキル置換誘導体を挙げることができるが、これらに限定されない。非限定的な実施態様では、二価連結基RおよびRは、フェニレンおよびアルキル置換フェニレン(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルおよびノニル置換フェニレン)から選択できる。さらに他の非限定的な実施態様では、RおよびRは、それぞれ、メチレンまたはエチレンである。
【0059】
一般式IIで表わされるポリチオールは、任意の公知方法で調製できる。非限定的な実施態様では、式(II)のポリチオールは、その反応混合物から水またはアルコールを同時に除去しつつ、強酸触媒(例えば、メタンスルホン酸があるが、これらに限定されない)の存在下にて、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール(Chemical Abstract Service(CAS)Registry No.96−27−5)とチオール官能性カルボン酸またはカルボン酸エステルとのエステル反応またはエステル交換反応から調製できる。式IIのポリチオールの非限定的な例には、RおよびRがそれぞれメチレンである構造が挙げられる。
【0060】
非限定的な実施態様では、一般式IIで表わされるポリチオールは、チオグリセロールビス(2−メルカプトアセテート)であり得る。本明細書中および請求の範囲で使用する「チオグリセロールビス(2−メルカプトアセテート)」とは、任意の関連した共生成物オリゴマー種およびポリチオールモノマー組成物(これらは、残留出発物質を含有する)を意味する。非限定的な実施態様では、チオール基の酸化カップリングは、過剰の塩基(例えば、アンモニア水があるが、これらに限定されない)を使った3−メルカプト−1,2−プロパンジオールとチオール官能性カルボン酸(例えば、2−メルカプト酢酸があるが、これらに限定されない)とのエステル化から得られる反応混合物を洗浄するとき、起こり得る。このような酸化カップリングにより、ジスルフィド結合(例えば、−S−S−結合があるが、これらに限定されない)を有するオリゴマーポリチオール種が形成できる。
【0061】
本発明で使用する適当なポリチオールには、ジスルフィド結合を有するポリチオールオリゴマー(これらは、塩基性触媒の存在下にて、少なくとも2個のチオール基を有するポリチオールとイオウとを反応させることにより、調製できる)が挙げられるが、これらに限定されない。非限定的な実施態様では、ポリチオールモノマーとイオウとの当量比は、m:(m−1)であり、ここで、mは、2〜21の整数を表わし得る。このポリチオールは、上記例(例えば、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアンがあるが、これら
に限定されない)から選択できる。非限定的な代替実施態様では、このイオウは、結晶、コロイド、粉末および硫黄華の形状であり得、そして少なくとも95%または少なくとも98%の純度を有し得る。
【0062】
共生成物オリゴマー種の非限定的な例には、以下の一般式で表わされる物質を挙げることができるが、これらに限定されない:
【0063】
【化12】

ここで、RおよびRは、上で記述したとおりであり得、nおよびmは、別個に、0〜21り整数であり得、そして(n+m)は、少なくとも1であり得る。
【0064】
他の非限定的な実施態様では、このポリチオールオリゴマーは、ジスルフィド結合を有し得、そして以下の一般式IVで表わされる物質を挙げることができる:
【0065】
【化13】

ここで、nは、1〜21の整数を表わし得る。非限定的な実施態様では、一般式IVで表わされるポリチオールオリゴマーは、本明細書中にて先に記述したように、塩基性触媒の存在下にて、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアンとイオウとを反応させることにより、調製できる。
【0066】
非限定的な実施態様では、本発明で使用するポリチオールには、以下の構造式で表わされる少なくとも1種のポリチオールを挙げることができる:
【0067】
【化14】

1,3−ジチオラン(例えば、式IV’aおよびb)または1,3−ジチアン(例えば、式IV’cおよびd)を含有するイオウ含有ポリチオールは、asym−ジクロロアセトンとポリメルカプタンとを反応させることにより、次いで、その反応生成物をポリメルカプトアルキルスルフィド、ポリメルカプタンまたはそれらの混合物と反応させることにより、調製できる。
【0068】
asym−ジクロロアセトンとの反応で使用するのに適当なポリメルカプタンの非限定的な例には、次式の物質を挙げることができるが、これらに限定されない:
【0069】
【化15】

ここで、Yは、CHまたは(CH−S−CH)で表わされ得、そしてnは、0〜5の整数であり得る。非限定的な実施態様では、本発明においてasym−ジクロロアセトンと反応させるポリメルカプタンは、エタンジチオール、プロパンジチオールおよびそれらの混合物から選択できる。
【0070】
上記反応を実行するのに適当なasym−ジクロロアセトンおよびポリメルカプタンの量は、変えることができる。非限定的な実施態様では、asym−ジクロロアセトンおよびポリメルカプタンは、この反応混合物中にて、ジクロロアセトンとポリメルカプタンとのモル比が1:1〜1:10であり得るように、存在できる。
【0071】
asym−ジクロロアセトンとポリメルカプタンとを反応させるのに適当な温度は、変えることができる。非限定的な実施態様では、asym−ジクロロアセトンとポリメルカプタンとの反応は、0〜100℃の範囲内の温度で、実行できる。
【0072】
asym−ジクロロアセトンおよびポリメルカプタンの反応生成物との反応で使用するのに適当なポリメルカプタンの非限定的な例には、上記一般式1、芳香族ポリメルカプタン、シクロアルキルポリメルカプタン、複素環ポリメルカプタン、分枝ポリメルカプタン、およびそれらの混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0073】
asym−ジクロロアセトンおよびポリメルカプタンの反応生成物との反応で使用するのに適当なポリメルカプトアルキルスルフィドの非限定的な例には、以下の式で表わされる物質を挙げることができるが、これらに限定されない:
【0074】
【化16】

ここで、Xは、O、SまたはSeを表わし得、nは、0〜10の整数であり得、mは、0〜10の整数であり得、pは、1〜10の整数であり得、qは、0〜3の整数であり得るが、但し、(m+n)は、1〜20の整数である。
【0075】
本発明で使用するのに適当なポリメルカプトアルキルスルフィドの非限定的な例には、分枝ポリメルカプトアルキルスルフィドを挙げることができる。非限定的な実施態様では、本発明で使用するポリメルカプトアルキルスルフィドは、ジメルカプトエチルスルフィドであり得る。
【0076】
asym−ジクロロアセトンおよびポリメルカプタンの反応混合物と反応させるのに適当なポリメルカプタン、ポリメルカプトアルキルスルフィド、またはそれらの混合物の量は、変えることができる。非限定的な実施態様では、ポリメルカプタン、ポリメルカプトアルキルスルフィド、またはそれらの混合物は、反応生成物とポリメルカプタン、ポリメルカプトアルキルスルフィドまたはそれらの混合物との当量比が1:1.01〜1:2であり得るような量で、その反応混合物中に存在できる。さらに、この反応を実行するのに適当な温度は、変えることができる。非限定的な実施態様では、ポリメルカプタン、ポリメルカプトアルキルスルフィドまたはそれらの混合物とこの反応生成物との反応は、0〜100℃の範囲内の温度で、実行できる。
【0077】
非限定的な実施態様では、asym−ジクロロアセトンとポリメルカプタンとの反応は、酸触媒の存在下にて、実行できる。この酸触媒は、当該技術分野で公知の広範囲のもの(例えば、ルイス酸およびブレンステッド酸があるが、これらに限定されない)から選択できる。適当な酸触媒の非限定的な例には、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,5th Edition,1992,Volume A21,pp.673〜674で記述されたものを挙げることができる。さらに他の非限定的な代替実施態様では、この酸触媒は、三フッ化ホウ素エーテラート、塩化水素、トルエンスルホン酸およびそれらの混合物から選択できる。
【0078】
酸触媒の量は、変えることができる。非限定的な実施態様では、酸触媒の適当な量は、この反応混合物の0.01〜10重量%であり得る。
【0079】
他の非限定的な実施態様では、asym−ジクロロアセトンとポリメルカプタンとの反応生成物は、塩基触媒の存在下にて、実行できる。この塩基触媒は、当該技術分野で公知の広範囲のもの(例えば、ルイス塩基およびブレンステッド塩基があるが、これらに限定されない)から選択できる。適当な塩基の非限定的な例には、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,5th Edition,1992,Volume A21,pp.673〜674で記述されたものを挙げることができる。さらに他の非限定的な代替実施態様では、この塩基は、水酸化ナトリウムであり得る。
【0080】
この塩基の量は、変えることができる。非限定的な実施態様では、塩基と第一反応の反応生成物との適当な当量比は、1:1〜10:1であり得る。
【0081】
他の非限定的な実施態様では、これらのスルフィド含有ポリチオールの調製は、溶媒の使用を包含し得る。この溶媒は、当該技術分野で公知の広範囲のものから選択できる。
【0082】
さらに他の非限定的な実施態様では、asym−ジクロロアセトンとポリメルカプタンとの反応は、溶媒の存在下にて、実行できる。この溶媒は、多種多様な公知の物質から選択できる。非限定的な実施態様では、この溶媒は、有機溶媒(不活性有機溶媒を含めて)から選択できるが、これらに限定されない。適当な溶媒ま非限定的な例には、クロロホルム、ジクロロメタン1,2−ジクロロエタン、ジエチルエーテル、ベンゼン、トルエン、酢酸およびそれらの混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。さらに他の実施態様では、asym−ジクロロアセトンとポリメルカプタンとの反応は、溶媒としてのトルエンの存在下にて、実行できる。
【0083】
他の実施態様では、asym−ジクロロアセトンおよびポリメルカプタンの反応生成物は、溶媒の存在下にて、ポリメルカプトアルキルスルフィド、ポリメルカプタンまたはそれらの混合物と反応でき、ここで、この溶媒は、有機溶媒(不活性有機溶媒を含めて)から選択できるが、これらに限定されない。適当な有機溶媒および無機溶媒の非限定的な例には、アルコール(例えば、メタノール、エタノールおよびブロパノールがあるが、これらに限定されない);芳香族炭化水素溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンがあるが、これらに限定されない);ケトン(例えば、メチルエチルケトンがあるが、これらに限定されない);水およびそれらの混合物を挙げることができる。さらに他の非限定的な実施態様では、この反応は、溶媒系としてのトルエンおよび水の混合物の存在下にて、実行できる。他の非限定的な実施態様では、この反応は、溶媒としてのエタノールの存在下にて、実行できる。
【0084】
溶媒の量は、広範に変えることができる。非限定的な実施態様では、溶媒の適当な量は、その反応混合物の0〜99重量%であり得る。さらに他の非限定的な実施態様では、この反応は、ニート、すなわち、溶媒なしで、実行できる。
【0085】
他の非限定的な実施態様では、asym−ジクロロアセトンとポリメルカプタンとの反応は、脱水剤の存在下にて、実行できる。この脱水剤は、当該技術分野で公知の広範囲のものから選択できる。この反応で使用する適当な脱水剤には、硫酸マグネシウムを挙げることができるが、これに限定されない。脱水剤の量は、その脱水反応に従って、広範に変えることができる。
【0086】
非限定的な実施態様では、本発明のスルフィド含有ポリチオールは、以下で示すように、1,1−ジクロロアセトンと1,2−エタンジチオールと反応させて2−メチル−2−ジクロロメチル−1,3−ジチオランを生成することにより、調製できる。
【0087】
【化17】

さらに他の非限定的な実施態様では、1,1−ジクロロアセトンは、以下で示すようにして、1,3−プロパンジチオールと反応されて、2−メチル−2−ジクロロメチル−1,3−ジチアンを生成できる。
【0088】
【化18】

他の非限定的な実施態様では、2−メチル−2−ジクロロメチル−1,3−ジチオランは、以下で示すように、ジメルカプトエチルスルフィドと反応されて、本発明のジメルカプト1,3−ジチオラン誘導体を生成できる。
【0089】
【化19】

他の非限定的な実施態様では、2−メチル−2−ジクロロメチル−1,3−ジチオランは、以下で示すように、1,2−エタンジチオールと反応されて、本発明のジメルカプト1,3−ジチオラン誘導体を生成できる。
【0090】
【化20】

他の非限定的な実施態様では、2−メチル−2−ジクロロメチル−1,3−ジチオランは、以下で示すように、ジメルカプトエチルスルフィドと反応されて、本発明のジメルカプト1,3−ジチアン誘導体を生成できる。
【0091】
【化21】

他の非限定的な実施態様では、2−メチル−2−ジクロロメチル−1,3−ジチオランは、以下で示すように、1,2−エタンジチオールと反応されて、本発明のジメルカプト1,3−ジチアン誘導体を生成できる。
【0092】
【化22】

他の非限定的な実施態様では、本発明で使用するポリチオールには、以下のようにしてasym−ジクロロ誘導体とポリメルカプトアルキルスルフィドとを反応させることにより調製される少なくとも1種のオリゴマーポリチオールを挙げることができる:
【0093】
【化23】

ここで、Rは、CH、CHCO、C〜C10アルキル、シクロアルキル、アリールアルキルまたはアルキル−COを表わし得る;Yは、C〜C10アルキル、シクロアルキル、C〜C14アリール、(CH(S)(CH、(CH(Se)(CH、(CH(Te)(CHを表わし得、ここで、mは、1〜5の整数であり得、そしてpおよびqは、それぞれ、1〜10の整数であり得る;nは、1〜20の整数であり得る;そしてxは、0〜10の整数であり得る。
【0094】
さらに他の非限定的な実施態様では、ポリチオエーテルオリゴマージチオールは、塩基の存在下にて、asym−ジクロロアセトンとポリメルカプトアルキルスルフィドとを反応させることにより、調製できる。本発明で使用するのに適当なポリメルカプトアルキルスルフィドの非限定的な例には、本明細書中で先に列挙した一般式2で表わされる物質を挙げることができるが、これらに限定されない。本発明で使用するのに適当な塩基には、本明細書中で先に列挙したものを挙げることができる。
【0095】
本発明で使用するのに適当なポリメルカプトアルキルスルフィドのさらに非限定的な例
には、分枝ポリメルカプトアルキルスルフィドを挙げることができる。非限定的な実施態様では、このポリメルカプトアルキルスルフィドは、ジメルカプトエチルスルフィドであり得る。
【0096】
非限定的な実施態様では、asym−ジクロロ誘導体とポリメルカプトアルキルスルフィドとの反応は、塩基の存在下にて、実行できる。適当な塩基の非限定的な例には、本明細書中で先に列挙したものを挙げることができる。
【0097】
他の非限定的な実施態様では、asym−ジクロロ誘導体とポリメルカプトアルキルスルフィドとの反応は、相移動触媒の存在下にて、実行できる。本発明で使用するのに適当な相移動触媒は、公知であり、そして変えられる。非限定的な例には、テトラアルキルアンモニウム塩およびテトラアルキルホスホニウム塩を挙げることができるが、これらに限定されない。さらに他の非限定的な実施態様では、この反応は、相移動触媒として臭化テトラブチルホスホニウムの存在下にて、実行できる。相移動触媒の量は、広範に変えることができる。非限定的な実施態様では、相移動触媒の量は、このポリメルカプトスルフィド反応物に対して、0〜50当量%、または0〜10当量%、または0〜5当量%であり得る。
【0098】
他の非限定的な実施態様では、このポリチオエーテルオリゴマージチオールの調製は、溶媒の使用を包含し得る。適当な溶媒の非限定的な例には、本明細書中で先に列挙したものを挙げることができる。
【0099】
非限定的な実施態様では、「n」モルの1,1−ジクロロアセトンは、以下のようにして、「n+1」モルのポリメルカプトエチルスルフィドと反応され(ここで、nは、1〜20の整数を表わし得る)、ポリチオエーテルオリゴマージチオールを生成できる。
【0100】
【化24】

さらに他の非限定的な実施態様では、本発明のポリチオエーテルオリゴマージチオールは、以下のようにして、「n」モルの1,1−ジクロロエタンを「n+1」モルのポリメルカプトエチルスルフィドと共に導入することにより、調製できる:
【0101】
【化25】

ここで、nは、1〜20の整数を表わし得る。
【0102】
非限定的な代替実施態様では、本発明で使用するポリチオールには、以下の構造式で表わされ以下の方法で調製される少なくとも1種のオリゴマーポリチオールを挙げることができる。
【0103】
【化26】

ここで、nは、1〜20の整数を表わし得る。式(IV’f)のポリチオールを調製する種々の方法は、米国特許第6,509,418 B1、4欄、52行〜8欄、25行で詳細に記述されており、その開示内容は、本明細書中で参考として援用されている。一般に、このポリチオールは、1種またはそれ以上のポリビニルエーテルモノマーおよび1種またはそれ以上のポリチオール物質を含有する反応物を反応させることにより、調製できる。有用なポリビニルエーテルには、構造式(V’)で表わされるジビニルエーテルを挙げることができるが、これらに限定されない:
【0104】
【化27】

ここで、Rは、C〜C n−アルキレン、C〜C分枝アルキレン、C〜CシクロアルキレンまたはC〜C10アルキルシクロアルキレン基または−−[(CH−−)−−O−−]−−(−−CH−−)−−であり得、そしてmは、0〜10の範囲の有理数であり、pは、2〜6の範囲で別個に選択した整数であり、qは、1〜5の範囲で別個に選択した整数であり、そしてrは、2〜10の範囲で別個に選択した整数である。
【0105】
非限定的な実施態様では、mは、ゼロ(0)である。
【0106】
使用するのに適当なポリビニルエーテルモノマーの非限定的な例には、ジビニルエーテルモノマー(例えば、ジビニルエーテルおよびエチレングリコールジビニルエーテルがあるが、これらに限定されない)を挙げることができる。
【0107】
非限定的な代替実施態様では、このポリビニルエーテルモノマーは、このポリチオールを調製するのに使用される反応物を、20から50モルパーセント未満、または30から50モルパーセント未満で含有できる。
【0108】
式(V’)のジビニルエーテルは、ポリチオール(例えば、式(VI’)を有するジチオールがあるが、これらに限定されない)と反応できる:
【0109】
【化28】

ここで、R1は、C2〜C6 n−アルキレン基;C3〜C6分枝アルキレン基(これは、1個またはそれより多くのペンダント基を有し、これらには、ヒドロキシル基、アルキル基(例えば、メチル基またはエチル基)を挙げることができるが、これらに限定されない);アルコキシ基、またはC6〜C8シクロアルキレンであり得る。
【0110】
適当なポリチオールの非限定的な例には、ジチオール、例えば、1,2−エタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,3−ブタンジチオール、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,3−ペンタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,3−ジメルカプト−3−メチルブタン、ジペンテンジメルカプタン、エチルシクロヘキシルジチオール(ECHDT)、ジメルカプトジエチルスルフィド、メチル置換ジメルカプトジエチルスルフィド、ジメチル置換ジメルカプトジエチルスルフィド、ジメルカプトジオキサオクタン、1,5−ジメルカプト−3−オキサペンタンおよびそれらの混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。非限定的な実施態様では、式(VI’)のポリチオールは、ジメルカプトジエチルスルフィド(DMDS)であり得る。
【0111】
非限定的な実施態様では、このポリチオール物質は、90〜1000グラム/モル、または90〜500グラム/モルの数平均分子量を有し得る。さらに他の非限定的な実施態様では、ポリチオール:ジビニルエーテル物質の化学量論比は、1当量未満のポリビニルエーテル:1当量のポリチオールであり得る。
【0112】
非限定的な実施態様では、これらの反応物には、さらに、1種またはそれ以上の遊離ラジカル触媒を挙げることができる。適当な遊離ラジカル触媒の非限定的な例には、アゾ化合物(例えば、アゾビスニトリル化合物(例えば、アゾ(ビス)イソブチロニトリル(AIBN)があるが、これらに限定されない);有機過酸化物(例えば、過酸化ベンゾイルおよび過酸化t−ブチルがあるが、これらに限定されない);無機過酸化物および類似の遊離ラジカル発生剤を挙げることができる。
【0113】
非限定的な代替実施態様では、この反応は、カチオン性光開始部分と共にまたはそれなしで、いずれかで、紫外光を照射することにより、行うことができる。
【0114】
非限定的な実施態様では、本発明で使用するポリチオールには、以下の構造式を有する物質を挙げることができる:
【0115】
【化29】

ここで、nは、1〜20の整数であり得る。
【0116】
式(IV’g)のポリチオールを調製する種々の方法は、WO03/042270、2ページ、16行目〜10ページ、7行目で詳細に記述されており、その開示内容は、本明細書中で参考として援用されている。一般に、このポリチオールは、100〜3000グラム/モルの数平均分子量を有するプレポリマーであり得、このプレポリマーは、ジスルフィド(−S−S−)−結合がなく、そして適当な光開始剤の存在下での紫外線(W)触媒ラジカル重合により、調製できる。この方法では、適当な光開始剤は、当業者に公知の通常の量で、使用できる。非限定的な実施態様では、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(Irgacure 184)は、その混合物中に存在している重合可能モノ
マーの全重量を基準にして、0.05重量%〜0.10%重量%の量で、使用できる。
【0117】
非限定的な実施態様では、式(IV’g)のポリチオールは、上で示したようにして、「n」モルのアリルスルフィドと「n+1」モルのジメルカプトジエチルスルフィドとを反応させることとにより、調製できる。
【0118】
非限定的な実施態様では、本発明で使用するポリチオールには、以下の構造式で表わされる物質を挙げることができる:
【0119】
【化30】

ここで、nは、1〜20の整数であり得る。
【0120】
式(IV’h)のポリチオールを調製する種々の方法は、WO/01/66623A1、3ページ、19行目〜6ページ、11行目で詳細に記述されており、その開示内容は、本明細書中で参考として援用されている。一般に、このポリチオールは、触媒の存在下にてチオール(例えば、ジチオール)と脂肪族環含有非共役ジエンとを反応させることにより、調製できる。この反応で使用するのに適当なチオールの非限定的な例には、低級アルキレンチオール(例えば、エタンジチオール、ビニルシクロヘキシルジチオール、ジシクロペンタジエンジチオール、ジペンテンジメルカプタンおよびヘキサンジチオール);アリールチオール(例えば、ベンゼンジチオール);チオグリコール酸およびチオプロピオン酸のポリオールエステルを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0121】
適当なシクロジエンの非限定的な例には、ビニルシクロヘキセン、ジペンテン、ジシクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロドデカジエン、シクロオクタジエン、2−シクロペンテン−1−イル−エーテル、5−ビニル−2−ノルボルネンおよびノルボルナジエンを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0122】
この反応に適当な触媒の非限定的な例には、アゾまたは過酸化物遊離ラジカル開始剤(例えば、VAZO(商標)の商品名でDuPontから市販されているアゾビスアルキレンニトリル)を挙げることができる。
【0123】
さらに他の非限定的な実施態様では、ジメルカプトエチルスルフィドは、上で示したように、4−ビニル−1−シクロヘキセン、VAZO−52触媒と反応できる。
【0124】
他の非限定的な実施態様では、本発明で使用するポリチオールには、以下の構造式で表わされる物質を挙げることができる:
【0125】
【化31】

ここで、nは、1〜20の整数であり得る。
【0126】
式(IV’l)のポリチオールを調製する種々の方法は、米国特許第5,225,472号、2欄、8行目〜5欄、8行目で詳細に記述されている。
【0127】
非限定的な実施態様では、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン(DMDO)は、上で示したように、無水塩化亜鉛の存在下にて、ギ酸エチルと反応できる。
【0128】
非限定的な代替実施態様では、本発明で使用する活性水素含有物質は、少なくとも200グラム/モル、または少なくとも300グラム/モル、または少なくとも750グラム/モル;または1,500グラム/モル以下、または2,500グラム/モル以下、または4,000グラム/モル以下の数平均分子量を有するポリエーテルグリコールおよびポリエステルグリコールから選択できる。
【0129】
水酸基およびチオール基の両方を有する適当な物質の非限定的な例には、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、グリセリンビス(2−メルカプトアセテート)、グリセリンビス(3−メルカプトプロピオネート)、1−ヒドロキシ−4−メルカプトシクロヘキサン、2、4−ジメルカプトフェノール、2−メルカプトヒドロキノン、4−メルカプトフェノール、1,3−ジメルカプト−2−プロパノール、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、1,2−ジメルカプト−1,3−ブタンジオール、トリメチロールプロパンビス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパンビス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールモノ(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールビス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールトリス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールモノ(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールトリス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシメチル−トリス(メルカプトエチルチオメチル)メタン、l−ヒドロキシエチルチオ−3−メルカプトエチルチオベンゼン、4−ヒドロキシ−4’−メルカプトジフェニルスルホン、ジヒドロキシエチルスルフィドモノ(3−メルカプトプロピオネートおよびヒドロキシエチルチオメチル−トリス(メルカプトエチルチオ)メタンを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0130】
本発明の非限定的な実施態様では、このポリシアネートおよび活性水素含有物質は、反応されて、ポリウレタンプレポリマーを形成でき、このポリウレタンプレポリマーは、アミン含有硬化剤と反応できる。他の非限定的な実施態様では、このポリシアネート、活性
水素含有物質およびアミン含有硬化剤は、「ワンポット」プロセスで、共に反応できる。
【0131】
本発明で使用するアミン含有硬化剤は、非常に多数であり、そして広範に変えられる。適当なアミン含有硬化剤の非限定的な例には、脂肪族ポリアミン、環状脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミンおよびそれらの混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。非限定的な代替実施態様では、このアミン含有硬化剤は、少なくとも2個の官能基を有するポリアミンであり得、これらの官能基は、第一級アミン(−NH)、第二級アミン(−NH−)およびそれらの組合せから別個に選択される。さらに他の非限定的な実施態様では、このアミン含有硬化剤は、少なくとも2個の第一級アミン基を有し得る。他の非限定的な実施態様では、このアミン含有硬化剤は、ポリアミンとポリチオールおよびポリオールから選択された少なくとも1種の物質との混合物を含有できる。適当なポリチオールの非限定的な例には、本明細書中で先に列挙したものが挙げられる。さらに他の非限定的な実施態様では、このアミン含有硬化剤は、イオウガンや鵜アミン含有硬化剤であり得る。イオウ含有アミン含有硬化剤の非限定的な例には、Ethacure 300(これは、Albemarle Corporationから市販されている)を挙げることができる。
【0132】
色が薄いポリ尿素ウレタンを生成するのが望ましい実施態様では、このアミン硬化剤は、比較的に色が薄くなるように選択できるか、および/またはそのアミンが発色する(例えば、黄色)のを防止するような様式で製造および/または保存できる。
【0133】
本発明で使用するのに適当なアミン含有硬化剤には、以下の化学式を有する物質を挙げることができるが、これらに限定されない:
【0134】
【化32】

ここで、RおよびRは、それぞれ、別個に、メチル基、エチル基、プロピル基およびイソプロピル基から選択でき、そしてRは、水素および塩素から選択できる。本発明で使用するアミン含有硬化剤の非限定的な例には、以下の化合物(これらは、Lonza Ltd.(Basel、Switzerland)から製造した)が挙げられる:
LONZACURE.RTM.M−DIPA:R=C;R=C;R=H
LONZACURE.RTM.M−DMA:R=CH;R=CH;R=H
LONZACURE.RTM.M−MEA:R=CH;R=C;R=H
LONZACURE.RTM.M−DEA:R=C;R=C;R=H
LONZACURE.RTM.M−MIPA:R=CH;R=C;R=H
LONZACURE.RTM.M−CDEA:R=C;R=C;R=Cl
ここで、R、RおよびRは、前記化学式に対応している。
【0135】
非限定的な実施態様では、このアミン含有硬化剤には、ジアミン硬化剤(例えば、4,
4’−メチレンビス(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)、(Lonzacure.RTM.M−CDEA)(これは、米国では、Air ProductsおよびChemical、Inc.(Allentown、Pa.)から入手できる))を挙げることができるが、これらに限定されない。非限定的な代替実施態様では、本発明で使用するアミン含有硬化剤には、2,4−ジアミノ−3,5−ジエチル−トルエン、2,6−ジアミノ−3,5−ジエチル−トルエンおよびそれらの混合物(集合的に、「ジエチルトルエンジアミン」または「DETDA」)(これは、Ethacure 100の商品名で、Albemarle Corporationから市販されている);ジメチルチオトルエンジアミン(DMTDA)(これは、Ethacure 300の商品名で、Albemarle Corporationから市販されている);4,4’−メチレン−ビス−(2−クロロアニリン)(これは、MOCAの商品名で、Kingyorker Chemicalsから市販されている)を挙げることができる。DETDAは、室温で、液体であり、25℃で、156cPsの粘度を有する。DETDAは、異性体であり得、2,4−異性体の範囲は、75〜81%であるのに対して、2,6−異性体は、18〜24%である。
【0136】
非限定的な実施態様では、色安定化型のEthacure 100(すなわち、黄色を少なくする添加剤を含有する製剤)(これは、Ethacure 100Sの名称で入手できる)は、本発明で使用され得る。
【0137】
非限定的な実施態様では、このアミン含有硬化剤は、その重合反応にて、触媒として作用でき、そして得られた重合体に取り込むことができる。
【0138】
このアミン含有硬化剤の非限定的な例には、エチレンアミンを挙げることができる。適当なエチレンアミンには、エチレンジアミン(EDA)、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、ペンタエチレンヘキサミン(PEHA)、ピペラジン、モルホリン、置換モルホリン、ピペリジン、置換ピペリジン、ジエチレンジアミン(DEDA)および2−アミノ−1−エチルピペラジンを挙げることができるが、これらに限定されない。非限定的な代替実施態様では、このアミン含有硬化剤は、C〜Cジアルキルトルエンジアミン(例えば、3,5−ジメチル−2,4−トルエンジアミン、3,5−ジメチル−2,6−トルエンジアミン、3,5−ジエチル−2,4−トルエンジアミン、3,5−ジエチル−2,6−トルエンジアミン、3,5−ジイソプロピル−2,4−トルエンジアミン、3,5−ジイソプロピル−2,6−トルエンジアミンおよびそれらの混合物があるが、これらに限定されない)の1種またはそれ以上の異性体から選択できる。非限定的な代替実施態様では、このアミン含有硬化剤は、メチレンジアニリンまたはトリメチレングリコールジ(パラ−アミノベンゾエート)であり得る。
【0139】
本発明の非限定的な代替実施態様では、このアミン含有硬化剤には、以下の一般構造の1種を挙げることができる:
【0140】
【化33】

さらに他の非限定的な代替実施態様では、このアミン含有硬化剤には、1種またはそれ以上のメチレンビスアニリン(これは、一般式XVI〜XXで表わすことができる)、1種またはそれ以上のアニリンスルフィド(これは、一般式XXI〜XXVで表わすことができる)、および/または1種またはそれ以上のビアニリン(これは、一般式XXVI〜XXVIXで表わすことができる)を挙げることができる:
【0141】
【化34】




ここで、RおよびRは、それぞれ別個に、C〜Cアルキルを表わし、そしてR
は、水素およびハロゲン(例えば、塩素および臭素があるが、これらに限定されない)から選択できる。一般式XVで表わすことができるジアミンの非限定的な例には、4,4’−メチレン−ビス(ジアルキルアニリン)が挙げられるが、これらに限定されない。一般式XVで表わすことができるジアミンの適当な非限定的な例には、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジメチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジエチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(2−エチル−6−メチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジイソプロピルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(2−イソプロピル−6−メチルアニリン)および4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジエチル−3−クロロアニリン)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0142】
さらに他の非限定的な実施態様では、このアミン含有硬化剤には、以下の一般構造(XXX)で表わすことができる物質を挙げることができる:
【0143】
【化35】

ここで、R20、R21、R22およびR23は、別個に、H、C〜Cアルキル、CH−S−およびハロゲン(例えば、塩素または臭素があるが、これらに限定されない)から選択できる。本発明の非限定的な実施態様では、一般式XXXで表わすことができるアミン含有硬化剤には、ジエチルトルエンジアミン(DETDA)(ここで、R23は、メチルであり、R20およびR21は、それぞれ、エチルであり、そしてR22は、水素である)を挙げることができる。さらに他の非限定的な実施態様では、このアミン含有硬化剤には、4,4’−メチレンジアニリンを挙げることができる。
【0144】
本発明のイオウ含有ポリ尿素ウレタンは、当該技術分野で公知の種々の技術を使用して、重合できる。非限定的な実施態様(ここで、このポリ尿素ウレタンは、ポリシアネートおよび活性水素含有物質を共に導入してポリウレタンプレポリマーを形成することにより、次いで、このアミン含有硬化剤を導入することにより、調製できる)では、このイオウ含有ポリ尿素ウレタンは、そのプレポリマーを真空下にて脱気することにより、そしてアミン含有硬化剤を脱気することにより、重合できる。さらに他の非限定的な実施態様では、これらの物質は、真空下にて、脱気できる。このアミン含有硬化剤は、種々の方法および装置(例えば、インペラーまたは押出機があるが、これらに限定されない)を使用して、このプレポリマーと混合できる。
【0145】
他の非限定的な実施態様(ここで、このイオウ含有ポリ尿素ウレタンは、ワンポットプロセスで調製できる)では、このイオウ含有ポリ尿素ウレタンは、このポリシアネート、活性水素含有物質およびアミン含有硬化剤を共に導入することにより、その混合物を脱気することにより、重合できる。さらに他の非限定的な実施態様では、この混合物は、真空下にて、脱気できる。
【0146】
他の非限定的な実施態様(ここで、レンズが形成できる)では、脱気した混合物は、鋳型に導入でき、この鋳型は、当該技術分野で公知の種々の通常の技術を使用して、加熱できる。その熱硬化サイクルは、例えば、その反応物の反応性およびモル比および触媒の存在に依存して、変えることができる。非限定的な実施態様では、この熱硬化サイクルには
、このプレポリマーおよび硬化剤混合物、またはこのポリシアネート、活性水素含有物質および硬化剤混合物を、室温〜200℃で、0.5時間〜72時間にわたって加熱する工程を包含し得る。
【0147】
非限定的な実施態様では、本発明では、このポリウレタン形成物質の反応を高めるために、ウレタン形成触媒が使用できる。適当なウレタン形成触媒は変えることができ、例えば、適当なウレタン形成触媒には、NCOおよびOH含有物質の反応によりウレタンを形成するのに有用でありアロホネート(allophonate)およびイソシアネートを形成する副反応を促進する傾向が殆どない触媒を挙げることができる。適当な触媒の非限定的な例は、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,5版、1992,Volume A21,pp.673〜674で記述されているように、ルイス塩基、ルイス酸および挿入触媒の群から選択できる。非限定的な実施態様では、この触媒は、有機酸の塩(例えば、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズメルカプチド、ジブチルスズジマレエート、ジメチルスズジアセテート、ジメチルスズジラウレート、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、およびそれらの混合物があるが、これらに限定されない)であり得る。非限定的な代替実施態様では、この触媒は、オクトン酸亜鉛、ビスマス、またはアセチルアセトン酸第二鉄であり得る。
【0148】
適当な触媒のさらに他の非限定的な例には、第三級アミン(例えば、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミンおよびN,N−ジメチルベンジルアミンがあるが、これらに限定されない)を挙げることができる。このような適当な第三級アミンは、米国特許第5,693,738号、10欄、6〜38行目で開示されており、その開示内容は、本明細書中で参考として援用されている。
【0149】
さらに他の非限定的な実施態様では、この触媒は、ホスフィン、第三級アンモニア塩および第三級アミン(例えば、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミンおよびN,N−ジメチルベンジルアミンがあるが、これらに限定されない)を挙げることができる。適当な第三級アミンの非限定的な追加例は、米国特許第5,693,738号、10欄、6〜38行目で開示されており、その開示内容は、本明細書中で参考として援用されている。
【0150】
非限定的な実施態様(ここで、このイオウ含有ポリ尿素ウレタンは、ポリウレタンプレポリマーおよびアミン含有硬化剤を共に導入することにより、調製できる)では、このポリウレタンプレポリマーは、アミン含有硬化剤と共に導入する前に、少なくともエピスルフィド含有物質と反応できる。適当なエピスルフィド含有物質は、変えることができ、そして少なくとも1個または2個またはそれ以上のエピスルフィド官能基を有する物質を挙げることができるが、これらに限定されない。非限定的な実施態様では、このエピスルフィド含有物質は、以下の一般式で表わされる2個またはそれ以上の部分を有し得る:
【0151】
【化36】

ここで、Xは、SまたはOであり得る;Yは、C〜C10アルキル、OまたはSであり得る;mは、0〜2の整数であり得、そしてnは、0〜10の整数であり得る。非限定的な実施態様では、Sの数値割合は、平均して、3員環を形成する全部のSおよびOの50%である。
【0152】
式(V)で表わされる2個またはそれ以上の部分を有するエピスルフィド含有物質は、非環式および/または環式骨格に結合できる。この非環式骨格は、分枝または非分枝であり得、そしてスルフィド結合および/またはエーテル結合を含有できる。非限定的な実施態様では、このエピスルフィド含有物質は、イオウ、チオ尿素、チオシアネート、トリフェニルホスフィンスルフィドまたは当該技術分野で公知の他のこのような試薬を使用して、エポキシ環含有非環式物質の酸素を置換することにより、得ることができる。さらに他の非限定的な実施態様では、アルキルスルフィド型エピスルフィド含有物質は、アルカリの存在下にて、種々の公知の非環式ポリチオールをエピクロロヒドリンと反応させることにより、次いで、上記のようにして、そのエポキシ環の酸素を置換することにより、得ることができる。
【0153】
非限定的な代替実施態様では、この環式骨格には、以下の物質を挙げることができる:
(a)その環式骨格が脂環式骨格であり得るエピスルフィド含有物質;
(b)その環式骨格が芳香族骨格であり得るエピスルフィド含有物質;および
(c)その環式骨格がヘテロ原子としてイオウ原子を含有する複素環骨格であり得るエピスルフィド含有物質。
【0154】
さらに他の非限定的な実施態様では、上記物質の各々は、スルフィド、エーテル、スルホン、ケトンおよび/またはエステルの結合を含有できる。
【0155】
脂環式骨格を有する適当なエピスルフィド含有物質の非限定的な例には、1,3−および1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキサン、1,3−および1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)シクロヘキサン、ビス[4−(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキシル]メタン、2,2−ビス[4−(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキシル]プロパン、ビス[4−(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキシル]スルフィド、4−ビニル−1−シクロヘキセンジエピスルフィド、4−エピチオエチル−1−シクロヘキセンスルフィド、4−エポキシ−1,2−シクロヘキセンスルフィド、2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−1,4−ジチアンおよび2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオエチルチオメチル)−1,4−ジチアンを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0156】
芳香族骨格を有する適当なエピスルフィド含有物質の非限定的な例には、1,3−および1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ベンゼン、1,3−および1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)ベンゼン、ビス[4−(β−エピチオプロピルチオ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−(β−エピチオプロピルチオ)フェニル]プロパン、ビス[4−(β−エピチオプロピルチオ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(β−エピチオプロピルチオ)フェニル]スルホンおよび4,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ビフェニルを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0157】
ヘテロ原子としてイオウ原子を含有する複素環骨格を有する適当なエピスルフィド含有物質の非限定的な例には、以下の一般式で表わされる物質を挙げることができるが、これらに限定されない:
【0158】
【化37】

ここで、mは、1〜5の整数であり得る;nは、0〜4の整数であり得る;aは、0〜5の整数であり得る;Uは、水素原子または1個〜5個の炭素原子を有するアルキル基であり得る;Yは、−(CHCHS)−であり得る;Zは、水素原子、1個〜5個の炭素原子を有するアルキル基または−(CHSYWから選択できる;Wは、次式で表わされるエピチオプロピル基であり得る:
【0159】
【化38】

ここで、Xは、OまたはSであり得る。
【0160】
適当なエピスルフィド含有物質の非限定的な追加例には、以下を挙げることができるが、これらに限定されない:2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−1,4−ジチアン;2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオエチルチオメチル)−1,4−ジチアン;2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオエチル)−1,4−ジチアン;2,3,5−トリ(β−エピチオプロピルチオエチル)−1,4−ジチアン;2,4,6−トリス(β−エピチオプロピルメチル)−1,3,5−トリチアン;2,4,6−トリス(β−エピチオプロピルチオエチル)−1,3,5−トリチアン;2,4,6−トリス(β−エピチオプロピルチオメチル)−1,3,5−トリチアン;2,4,6−トリス(β−エピチオプロピルチオエチルチオエチル)−1,3,5−トリチアン;
【0161】
【化39】

ここで、Xは、上で定義したとおりであり得る。
【0162】
非限定的な代替実施態様では、本発明のイオウ含有ポリ尿素ウレタンは、少なくとも0.4:1、または少なくとも0.8:1、または1.0:1以下、または2:0:1.0以下の(−NH+−NH−+−OH+SH):(NCO+NCS)の当量比を有し得る。
【0163】
非限定的な代替実施態様では、本発明のエピスルフィド含有物質は、エピスルフィド:(NCO+OH+SH)の比が少なくとも0.01:1、または1:1、または少なくとも1.3:1.0、または4.0:1.0以下、または6.0:1.0以下であり得る量で、存在できる。
【0164】
非限定的な実施態様では、このポリウレタンプレポリマーは、Desmodur Wと一般式XXXIを有するポリ(カプロラクトン)ジオールとの反応生成物であり得る:
【0165】
【化40】

ここで、tは、1〜10の整数である。
【0166】
非限定的な実施態様では、このポリエーテル含有ポリオールは、エチレンオキシド−プロピレンオキシドおよび/またはエチレンオキシド−ブチレンオキシドのブロックを含有するブロック重合体を含み得る。非限定的な実施態様では、このポリエーテル含有ポリオールは、以下の化学式のブロック重合体を含み得る:
【0167】
【化41】

ここで、Rは、水素またはC〜Cアルキルを表わし得る;Yは、CHを表わし得る;nは、0〜6の整数であり得る;a、bおよびcは、それぞれ、0〜300の整数であり得、ここで、a、bおよびcは、このポリオールの数平均分子量が32,000グラム/モルを超えないように、選択される。
【0168】
非限定的な実施態様では、このポリウレタンプレポリマーは、構造式XXXIIのエピスルフィド含有物質と反応できる:
【0169】
【化42】

非限定的な代替実施態様では、本発明のイオウ含有ポリ尿素ウレタンには、種々の公知の添加剤を取り込むことができる。このような添加剤には、光安定化剤、熱安定化剤、酸化防止剤、紫外光吸収剤、離型剤、スタティック(非フォトクロミック)染料、顔料および柔軟化添加剤(例えば、アルコキシル化フェノールベンゾエートおよびポリ(アルキレングリコール)ジベンゾエートがあるが、これらに限定されない)を挙げることができるが、これらに限定されない。抗黄化添加剤の非限定的な例には、3−メチル−2−ブタノール、有機ピロカーボネートおよび亜リン酸トリフェニル(CAS registry no.101−02−0)を挙げることができる。このような添加剤は、その添加剤が、このプレポリマーの全重量を基準にして、10重量%未満、または5重量%未満、または3重量%未満を構成するように、存在できる。非限定的な代替実施態様では、前記の任意の添加剤は、このポリシアネートと混合できる。さらに他の実施態様では、この任意の添加剤は、水素含有物質と混合できる。
【0170】
非限定的な実施態様では、本発明の得られたイオウ含有ポリ尿素ウレタンは、少なくとも部分的に硬化したとき、固形であり得、そして光学用途または眼科用途に適当であるように、事実上透明である。非限定的な代替実施態様では、このイオウ含有ポリ尿素ウレタンは、少なくとも1.57、または少なくとも1.58、または少なくとも1.60、または少なくとも1.62の屈折率を有し得る。さらに他の非限定的な代替実施態様では、このイオウ含有ポリ尿素ウレタンは、少なくとも32、または少なくとも35、または少なくとも38、または少なくとも39、または少なくとも40、または少なくとも44のアッベ数を有し得る。
【0171】
非限定的な実施態様では、このイオウ含有ポリ尿素ウレタンは、重合し少なくとも部分的に硬化したとき、良好な衝撃耐性/強度を示し得る。衝撃強度は、当業者に公知の種々の通常方法を使用して、測定できる。非限定的な実施態様では、この衝撃強度は、Impact Energy Testを使用して測定され、これは、厚さ3mmの重合体のフラットシートの中心に、50インチ(1.25メートル)の距離から、重量を重くした種々のボールを落下させることにより、このシートを試験することからなる。もし、このシートは、破砕されたとき、不合格であると決定される。本明細書中で使用する「破砕」との用語は、そのシートの全厚にわたって2個またはそれ以上の別々の断片に分解するか、またはシートの裏面(すなわち、衝撃面とは反対側)から1個またはそれより多くの断片が剥離することを意味する。この実施態様では、本明細書中で記述したImpact Energy Testを使用して、その衝撃強度は、少なくとも2.0ジュール、または少なくとも4.95ジュールであり得る。
【0172】
さらに、本発明のイオウ含有ポリ尿素ウレタンは、少なくとも部分的に硬化したとき、低い密度を有し得る。非限定的な実施態様では、この密度は、1.0グラム/cmより高く1.25グラム/cm未満、または1.0グラム/cmより高く1.3グラム/cm未満であり得る。非限定的な実施態様では、この密度は、DensiTECH機器(これは、Tech Pro,Incorporated製である)を使用して、測定される。さらに他の非限定的な実施態様では、この密度は、ASTM D297に従って、測定される。
【0173】
本発明のイオウ含有ポリ尿素ウレタンを使用して作製できる物品には、光学レンズ(例えば、平レンズおよび眼科用レンズ、太陽レンズ)、窓、自動車用透明機器(例えば、フロントガラス、サイドライト、バックライト)および航空機用透明機器が挙げられるが、これらに限定されない。
【0174】
非限定的な実施態様では、本発明のイオウ含有ポリ尿素ウレタン重合体は、フォトクロミック品(例えば、レンズ)を作製するのに使用できる。さらに他の実施態様では、この重合体は、そのフォトクロミック物質を活性化する部分の電磁スペクトル(すなわち、着色形態または開放形態のフォトクロミック物質を生じる紫外(UV)光の波長)およびそのUV活性化形態(開放形態)でフォトクロミック物質の最大吸収波長を含む部分の可視スペクトルまで、透明であり得る。
【0175】
本発明では、多種多様なフォトクロミック物質が使用できる。非限定的な実施態様では、有機フォトクロミック化合物または物質が使用できる。非限定的な代替実施態様では、このフォトクロミック物質は、この重合体に導入(例えば、熔解、分散または拡散)できるか、またはそこに被覆として塗布できる。
【0176】
非限定的な実施態様では、この有機フォトクロミック物質は、590ナノメートルより高い可視範囲内で、活性化極大を有し得る。さらに他の非限定的な実施態様では、可視範囲内での活性化吸収極大は、590〜700ナノメートルの間であり得る。これらの物質は、適当な溶媒またはマトリックス中にて、紫外光に晒したとき、青色、青緑色または青紫色を示し得る。本発明で有用なこのような物質の非限定的な例には、スピロ(インドリン)ナフトオキサジンおよびスピロ(インドリン)ベンゾオキサジンが挙げられるが、これらに限定されない。これらのおよび他の適当なフォトクロミック物質は、米国特許第3,562,172号;第3,578,602号;第4,215,010号;第4,342,668号;第5,405,958号;第4,637,698号;第4,931,219号;第4,816,584号;第4,880,667号;第4,818,096号で記述されている。
【0177】
他の非限定的な実施態様では、これらの有機フォトクロミック物質は、400ナノメートルと500ナノメートル未満との間の可視範囲内で、少なくとも1つの吸収極大を有し得る。さらに他の非限定的な実施態様では、この物質は、この可視範囲内で、2つの吸収極大を有し得る。これらの物質は、適当な溶媒またはマトリックス中にて紫外光に晒したとき、黄橙色を示し得る。このような物質の非限定的な例には、ある種のクロメン(例えば、ベンゾピランおよびナフトピランがあるが、これらに限定されない)を挙げることができる。このようなクロメンの多くは、米国特許第3,567,605号;第4,826,977号;第5,066,818号;第4,826,977号;第5,066,818号;第5,466,398号;第5,384,077号;第5,238,931号;第5,274,132号で記述されている。
【0178】
他の非限定的な実施態様では、このフォトクロミック物質は、400〜500ナノメートルの間の可視範囲内で1つの吸収極大を有し得、そして500〜700ナノメートルの間の可視範囲内で1つの吸収極大を有し得る。これらの物質は、適当な溶媒またはマトリックス中で紫外光に晒したとき、黄色/褐色〜紫色/灰色の範囲の色を示し得る。これらの物質の非限定的な例には、その2位置で置換基を有しそのベンゾピランのベンゼン部分に置換または非置換複素環(例えば、ベンゾチエノまたはベンゾフラノ環)が縮合したベンゾピラン化合物を挙げることができる。このような物質のさらに他の非限定的な例は、米国特許第5,429,774号で開示されている。
【0179】
非限定的な実施態様では、本発明で使用するフォトクロミック物質には、フォトクロミック有機金属ジチゾネート(例えば、(アリールアゾ)−チオギ酸アリールヒドラジデート(例えば、水銀ジチアゾネート(これは、例えば、米国特許第3,361,706号で記述されている)があるが、これに限定されない))を挙げることができる。フルジドおよびフルジミド(例えば、3−フリルおよび3−チエニルフルジドおよびフルジミド(これらは、米国特許第4,931,220号、20欄、5行目〜21欄、38行目で記述されている)があるが、これらに限定されない)は、本発明で使用できる。
【0180】
前記特許の関連部分の内容は、本明細書中で参考として援用されている。
【0181】
非限定的な代替実施態様では、本発明のフォトクロミック品は、1種のフォトクロミック物質または1種より多いフォトクロミック物質の混合物を挙げることができる。さらに他の非限定的な代替実施態様では、活性化色(例えば、中間色に近い灰色または褐色)を得るために、フォトクロミック物質の種々の混合物が使用できる。
【0182】
使用するフォトクロミック物質の量は、変えることができる。非限定的な代替実施態様では、フォトクロミック物質の量および物質の割合(例えば、混合物を使用するとき)は、その物質が適用されるか取り込まれる重合体が所望の合成色(例えば、実質的に中間色(例えば、フィルタ処理していない日光で活性化したとき、灰色または褐色の陰影)、すなわち、活性化したフォトクロミック物質の色にできるだけ近い中間色)を示す。非限定的な実施態様では、使用するフォトクロミック物質の量は、活性化種の色または所望の最終色の強度に依存し得る。
【0183】
非限定的な代替実施態様では、このフォトクロミック物質は、当該技術分野で公知の種々の方法により、この重合体に塗布または取り込まむことができる。非限定的な実施態様では、このフォトクロミック物質は、この重合体に溶解または分散できる。さらに他の非限定的な実施態様では、このフォトクロミック物質は、当該技術分野で公知の方法により、この重合体に吸収できる。「吸収」または「吸収する」との用語は、このフォトクロミック物質単独での重合体への浸透、このフォトクロミック物質の多孔質重合体への溶媒で
補助した移動吸収、蒸気相移動、および他のこのような移動機構を含む。非限定的な実施態様では、その吸収方法は、そのフォトクロミック品をフォトクロミック物質で被覆する工程;このフォトクロミック品の表面を加熱する工程;およびそのフォトクロミック品から残留被覆を除去する工程を包含できる。非限定的な代替実施態様では、この吸収プロセスは、この重合体をフォトクロミック物質の熱溶液に浸漬するか熱移動による工程を包含できる。
【0184】
非限定的な代替実施態様では、このフォトクロミック物質は、例えば、重合体フィルムの一部として、この重合体の隣接層間の別の層であり得る;またはこのフォトクロミック物質は、この重合体の表面に配置された被覆または被覆の一部として、塗布できる。
【0185】
フォトクロミック物質またはそれを重合体に塗布または取り込んだ組成物の量は、変えることができる。非限定的な実施態様では、この量は、活性化すると肉眼で識別できるフォトクロミック効果が生じるような量であり得る。このような量は、一般に、フォトクロミック量として記述できる。非限定的な代替実施態様では、使用する量は、そこに照射すると望ましい色強度およびフォトクロミック物質を塗布または取り込むのに使用される方法に依存し得る。一般に、多くのフォトクロミック物質を塗布または取り込むほど、色強度が高くなる。非限定的な実施態様では、フォトクロミック光学重合体に取り込むか塗布するフォトクロミック物質の量は、そのフォトクロミック物質を取り込むか塗布する表面1平方センチメートルあたり、0.15〜0.35ミリグラムであり得る。
【0186】
他の実施態様では、このフォトクロミック物質は、その物質を重合および/または硬化する前に、このイオウ含有ポリ尿素ウレタンに加えることができる。この実施態様では、使用するフォトクロミック物質は、例えば、存在しているイソシアネート基、イソチオシアネート基およびアミン基との潜在的に好ましくない相互作用に抵抗するように、選択できる。このような好ましくない相互作用から、開放形態または閉鎖形態のいずれかでそれらを捕捉することにより、このフォトクロミック物質の活性を生じ得る。
【0187】
本発明で使用するのに適当なフォトクロミック物質のさらに他の非限定的な例には、金属酸化物にカプセル化されたフォトクロミック顔料および有機フォトクロミック物質(例えば、米国特許第4,166,043号および第4,367,170号で開示されたもの);有機重合体にカプセル化された有機フォトクロミック物質(例えば、米国特許第4,931,220号で開示されたもの)を挙げることができる。
【実施例】
【0188】
以下の実施例では、特に明記しない限り、1H NMRおよび13C NMRは、Varian Unity Plus(200MHz)機で測定した;質量スペクトルは、Mariner Bio Systems装置で測定した;屈折率およびアッベ数は、複数波長Abbe Refractometer Model DR−M2(ATAGO Co.,Ltd.製)で測定した;液体の屈折率およびアッベ数は、ASTM−D1218に従って測定した;固体の屈折率およびアッベ数は、ASTM−D542に従って測定した;固体の密度は、ASTM−D792に従って測定した;そして粘度は、Brookfield CAP 2000+粘度計を使用して測定した。
【0189】
(実施例1−反応性ポリシアネートプレポリマー1(RP1)の調製)
パドルブレード型攪拌機、温度計、ガス入口および滴下漏斗を備え付けた反応容器に、Desmodur W(これは、Bayer Corporationから得た)11721グラム(89.30当量のNCO)、400MWのポリカプロラクトンジオール(Solvayから得たCAPA 2047A)5000グラム(24.82当量のOH)、750MWのポリカプロラクトンジオール(Solvayから得たCAPA 2077A
)1195グラム(3.22当量のOH)およびトリメチロールプロパン(TMP)(これは、Aldrichから得た)217.4グラム(4.78当量のOH)を充填した。Desmodur Wは、Bayer Corporationから得たが、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(これは、20%のトランス、トランス異性体および80%のシス、トランス異性体を含有する)に相当している。この反応器の内容物を、150rpmの速度で攪拌し、そして反応器の内容物を120℃の温度まで加熱するにつれて、窒素ブランケットを適用し、その時点で、この反応混合物は、発熱し始めた。この熱を取り除くと、その温度は、30分間で140℃まで上昇した後、冷却し始めた。温度が120℃に達したとき、この反応器に加熱を適用し、その温度で、4時間維持した。この反応混合物を試料採取し、そして本実施態様で下記の方法に従ってもNCO%について分析した。分析結果により、約13.1%の遊離NCO基が明らかとなった。この反応器の内容物を取り出す前に、このプレポリマーに、Irganox 1010(これは、Ciba Specialty Chemicalsから得た)45.3g、熱安定剤およびCyasorb 5411(これは、Cytekから得た)362.7g、UV安定剤を混合した、
ASTM−D−2572−91に従って、以下の滴定手順を使用して、このプレポリマーのNCO濃度を測定した。この滴定方法は、三角フラスコに、成分Aの2グラムの試料を加えることからなっていた。この試料に窒素をパージし、次いで、数個のガラムビーズ(5mm)を加えた。この混合物に、ピペットで、1Nジブチルアミン(トルエン中)20mLを加えた。この混合物を渦流にして混ぜ、そして蓋を付けた。次いで、このフラスコを熱源に置き、そして僅かに還流するまで加熱し、この温度で15分間維持し、次いで、室温まで冷却した。注記:加熱している間、圧力の蓄積を防止するために、ストッパーとジョイントとの間には、Teflon断片を入れた。この加熱サイクル中にて、完全に溶解し反応するように、これらの内容物を頻繁に渦流にして混ぜた。ブランク値は、Titrino 751ダイナミック自動滴定装置を使用して、ピペットで取りだした1Nジブチルアミン(DBA)20mL+メタノール50mLを1N塩酸(HCl)で直接滴定することにより、測定し得た。一旦、HClの規定度およびDBAブランクが算出されると、これらの値を自動滴定装置にプログラム化した。この試料を冷却した後、それらの内容物を、約50〜60mLのメタノールと共に、ビーカーに入れた。磁気攪拌棒を加え、その試料を、プログラム化したTitrino 751自動滴定装置を使用して、1N HClで滴定した。以下の式に従って、NCOおよびIEW(イソシアネート当量重量)を自動的に算出した:
%NCO=(ブランクのmL数−試料のmL数)(HClの規定度)(4.2018)/試料の重量(グラム)
IEW=(試料の重量(グラム))1000/(ブランクのmL数−試料のmL数)(HClの規定度)。
【0190】
「HCl規定度」値は、以下のようにして、測定した。予め計量したビーカーに、NaCO一次標準0.4グラムを加え、その重量を記録した。これに、脱イオン水50mLを加え、このNaCOを、磁気攪拌しつつ、溶解した。組合せpH電極(すなわち、Metrohm組合せガラス電極No.6.0222.100)を備え付けた自動滴定装置(すなわち、ビウレット50mLを付けたMetrohm GPD Titrino
751ダイナミック自動滴定装置)を使用して、この一次標準を1N HClで滴定し、その容量を記録した。3つの滴定について、この手順をさらに2回繰り返し、その平均を、以下の式に従って、この規定度として使用した。
【0191】
HCl規定度=標準の重量(グラム)/(HClのmL数)(0.053)
(実施例2−反応性ポリシアネートプレポリマー2(RP2)の調製)
窒素ブランケットを含む反応器にて、室温で、400MWポリカプロラクトン450グラム、750MWポリカプロラクトン109グラム、トリメチロールプロパン114.4
グラム、Pluronic L62D(3000グラム)およびDesmodur W(2698グラム)を一緒に混合して、2.86のNCO/OHの当量比を得た。Desmodur Wは、Bayer Corporationから得たが、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(これは、20%のトランス、トランス異性体および80%のシス、トランス異性体を含有する)に相当している。Pluronic L62Dは、ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシドブロックポリエーテルジオールであり、そしてBASFから得た。その反応混合物を65℃の温度まで加熱し、その時点で、ジブチルスズジラウレート30ppm(Aldrich製)を加え、そして熱を取り除いた。生じた発熱により、この混合物の温度は、112℃まで上昇した。次いで、その反応物を約100℃の温度まで冷却し、そしてExalite Blue 78−13(Excitonから得た)の1重量%溶液0.98グラムと共に、UV吸収剤−Cyasorb 5411(これは、American Cyanamid/Cytecから得た)131グラムおよびIrganox 1010(Ciba Geigyから得た)32.66グラムを加えた。その混合物を、100℃で、さらに2時間攪拌し、次いで、室温まで冷却した。このプレポリマーのイソシアネート(NCO)濃度を上記手順(実施例1を参照)を使用して決定したところ、8.7%であった。
【0192】
(実施例3−反応性ポリシアネートプレポリマー3(RP3)の調製)
窒素ブランケットを含む反応器にて、室温で、400MWポリカプロラクトン450グラム、750MWポリカプロラクトン109グラム、トリメチロールプロパン114.4グラム、Pluronic L62D(3000グラム)およびDesmodur W(3500グラム)を一緒に混合して、3.50のNCO/OHの当量比を得た。Desmodur Wは、Bayer Corporationから得たが、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(これは、20%のトランス、トランス異性体および80%のシス、トランス異性体を含有する)に相当している。Pluronic L62Dは、ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシドブロックポリエーテルジオールであり、そしてBASFから得た。その反応混合物を65℃の温度まで加熱し、その時点で、ジブチルスズジラウレート30ppm(Aldrich製)を加え、そして熱を取り除いた。生じた発熱により、この混合物の温度は、112℃まで上昇した。次いで、その反応物を約100℃の温度まで冷却し、そしてExalite Blue 78−13(Excitonから得た)の1重量%溶液0.98グラムと共に、UV吸収剤−Cyasorb 5411(これは、American Cyanamid/Cytecから得た)131グラムおよびIrganox 1010(Ciba Geigyから得た)32.66グラムを加えた。その混合物を、100℃で、さらに2時間攪拌し、次いで、室温まで冷却した。このプレポリマーのイソシアネート(NCO)濃度を上記手順(実施例1を参照)を使用して決定したところ、10.8%であった。
【0193】
(実施例4−反応性ポリシアネートプレポリマー4(RP4)の調製)
窒素ブランケットを含む反応器にて、室温で、400MWポリカプロラクトン508グラム、トリメチロールプロパン114.4グラム、Pluronic L62D(3000グラム)およびDesmodur W(4140グラム)を一緒に混合して、4.10のNCO/OHの当量比を得た。Desmodur Wは、Bayer Corporationから得たが、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(これは、20%のトランス、トランス異性体および80%のシス、トランス異性体を含有する)に相当している。Pluronic L62Dは、ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシドブロックポリエーテルジオールであり、そしてBASFから得た。その反応混合物を65℃の温度まで加熱し、その時点で、ジブチルスズジラウレート30ppm(Aldrich製)を加え、そして熱を取り除いた。生じた発熱により、この混合物の温度は、112℃まで上昇した。次いで、その反応物を約100℃の温度まで冷却し、そしてExalite Blue 78−13(Excitonから得た)の1重量%溶液1
.13グラムと共に、UV吸収剤−Cyasorb 5411(これは、American Cyanamid/Cytecから得た)150グラムおよびIrganox 1010(Ciba Geigyから得た)37.5グラムを加えた。その混合物を、100℃で、さらに2時間攪拌し、次いで、室温まで冷却した。このプレポリマーのイソシアネート(NCO)濃度を上記手順(実施例1を参照)を使用して決定したところ、12.2%であった。
【0194】
(実施例5)
RP1(30.0g)およびビス−エピチオプロピルスルフィド(式XXXII)10.0gを、均一混合物が得られるまで、50℃で攪拌することにより、混合した。PTMA(4.00g)、DETDA(2.67g)およびMDA(5.94g)を、均一混合物が得られるまで、50℃で攪拌することにより、混合した。次いで、両方の混合物を、真空下にて、50℃で、脱気した。次いで、それらをこの温度で混合し、そして1〜2分間にわたって穏やかに攪拌することにより、均質化した。得られた透明混合物を2枚の平板なガラス製鋳型の間に直ちに充填した。これらの鋳型を、130℃で、5時間加熱して、表1で示した屈折率(e−ライン)、アッベ数、密度および衝撃耐性を備えた透明プラスチックシートを得た。
【0195】
(実施例6)
RP1(24.0g)およびビス−エピチオプロピルスルフィド(式XXXII)20.0gを、均一混合物が得られるまで、50℃で攪拌することにより、混合した。DMDS(2.00g)、DETDA(2.14g)、MDA(4.75g)および Irganox 1010(これは、Ciba Specialty Chemicalsから得た)0.12gを、均一混合物が得られるまで、50℃で攪拌することにより、混合した。次いで、両方の混合物を、真空下にて、50℃で、脱気した。次いで、それらをこの温度で混合し、そして1〜2分間にわたって穏やかに攪拌することにより、均質化した。得られた透明混合物を2枚の平板なガラス製鋳型の間に直ちに充填した。これらの鋳型を、130℃で、5時間加熱して、表1で示した屈折率(e−ライン)、アッベ数、密度および衝撃耐性を備えた透明プラスチックシートを得た。
【0196】
(実施例7)
RP1(30.0g)およびビス−エピチオプロピルスルフィド(式XXXII)20.0gを、均一混合物が得られるまで、50℃で攪拌することにより、混合した。PTMA(2.40g)、DETDA(5.34g)およびMDA(3.96g)を、均一混合物が得られるまで、50℃で攪拌することにより、混合した。次いで、両方の混合物を、真空下にて、50℃で、脱気した。次いで、それらをこの温度で混合し、そして1〜2分間にわたって穏やかに攪拌することにより、均質化した。得られた透明混合物を2枚の平板なガラス製鋳型の間に直ちに充填した。これらの鋳型を、130℃で、5時間加熱して、表1で示した屈折率(e−ライン)、アッベ数、密度および衝撃耐性を備えた透明プラスチックシートを得た。
【0197】
(実施例8)
RP1(24.0g)およびビス−エピチオプロピルスルフィド(式XXXII)20.0gを、均一混合物が得られるまで、50℃で攪拌することにより、混合した。DETDA(2.85g)およびMDA(3.96g)を、均一混合物が得られるまで、50℃で攪拌することにより、混合した。次いで、両方の混合物を、真空下にて、50℃で、脱気した。次いで、それらをこの温度で混合し、そして1〜2分間にわたって穏やかに攪拌することにより、均質化した。得られた透明混合物を2枚の平板なガラス製鋳型の間に直ちに充填した。これらの鋳型を、130℃で、5時間加熱して、表1で示した屈折率(e−ライン)、アッベ数、密度および衝撃耐性を備えた透明プラスチックシートを得た。
【0198】
(実施例9)
RP3(30.0g)およびビス−エピチオプロピルスルフィド(式XXXII)25.0gを、均一混合物が得られるまで、50℃で攪拌することにより、混合した。DMDS(3.75g)、DETDA(2.45g)およびMDA(4.66g)を、均一混合物が得られるまで、50℃で攪拌することにより、混合した。次いで、両方の混合物を、真空下にて、50℃で、脱気した。次いで、それらをこの温度で混合し、そして1〜2分間にわたって穏やかに攪拌することにより、均質化した。得られた透明混合物を2枚の平板なガラス製鋳型の間に直ちに充填した。これらの鋳型を、130℃で、5時間加熱して、表1で示した屈折率(e−ライン)、アッベ数、密度および衝撃耐性を備えた透明プラスチックシートを得た。
【0199】
(実施例10)
RP4(30.0g)およびビス−エピチオプロピルスルフィド(式XXXII)25.0gを、均一混合物が得られるまで、50℃で攪拌することにより、混合した。DMDS(3.75g)、DETDA(2.71g)およびMDA(5.17g)を、均一混合物が得られるまで、50℃で攪拌することにより、混合した。次いで、両方の混合物を、真空下にて、50℃で、脱気した。次いで、それらをこの温度で混合し、そして1〜2分間にわたって穏やかに攪拌することにより、均質化した。得られた透明混合物を2枚の平板なガラス製鋳型の間に直ちに充填した。これらの鋳型を、130℃で、5時間加熱して、表1で示した屈折率(e−ライン)、アッベ数、密度および衝撃耐性を備えた透明プラスチックシートを得た。
【0200】
(実施例11)
RP2(30.0g)およびビス−エピチオプロピルスルフィド(式XXXII)21.4.0gを、均一混合物が得られるまで、50℃で攪拌することにより、混合した。DMDS(3.21g)、DETDA(1.92g)およびMDA(3.67g)を、均一混合物が得られるまで、50℃で攪拌することにより、混合した。次いで、両方の混合物を、真空下にて、50℃で、脱気した。次いで、それらをこの温度で混合し、そして1〜2分間にわたって穏やかに攪拌することにより、均質化した。得られた透明混合物を2枚の平板なガラス製鋳型の間に直ちに充填した。これらの鋳型を、130℃で、5時間加熱して、表1で示した屈折率(e−ライン)、アッベ数、密度および衝撃耐性を備えた透明プラスチックシートを得た。
【0201】
(表1)
【0202】
【表1】

(実施例12−ポリチオエーテル(PTE)ジチオール(1)の合成)
NaOH(44.15g、1.01mol)をHO(350mL)に溶解した。この溶液を室温まで冷却し、そしてトルエン500mLを加え、続いて、ジメルカプトエチルスルフィド(135mL、159.70g、1.04mol)を加えた。その反応混合物を40℃の温度まで加熱し、攪拌し、次いで、室温まで冷却した。1,1−ジクロロアセトン(DCA)(50mL、66.35g、0.52 mol)をトルエン250mLに溶解し、次いで、その温度を20〜25℃で維持しつつ、この反応混合物に滴下した。この滴下中にて、この反応混合物を、室温で、さらに20時間攪拌した。次いで、その有機相を分離し、HO(2×100mL)、ブライン1×100mLで洗浄し、そして無水MgSOで乾燥した。この乾燥剤を濾過して除き、そしてBuchiロータリーエバポレーターを使用して、このトルエンを蒸発させた。濁った残留物をCeliteで濾過して、無色透明の油性液体として、182g(収率96%)のPTEジチオール(1)を得た。
【0203】
Mariner Bio Systems装置を使用して、生成物の試料に対して、質量スペクトルを行った。結果は、以下のとおりであった:ESI−MS:385(M+Na)。従って、その分子量は、362であった。
【0204】
Varian Unity Plus装置を使用して、生成物の試料に対して、NMRを行った。結果は、以下のとおりであった:
【0205】
【化43】

この生成物内のSH基は、以下の手順を使用して、決定した。試料サイズ(0.1mg)の生成物をテトラヒドロフラン(THF)50mL/プロピレングリコール(80/20)と混ぜ合わせ、そして室温で、この試料が実質的に溶解するまで、攪拌した。攪拌している間、0.1Nヨウ素溶液(これは、Aldrich 31から得た、8898−1)25.0mLを加え、次いで、5〜10分間にわたって、反応させた。この混合物に、濃HCl(2.0mL)を加えた。この混合物を、次いで、ミリボルト(mV)モードで、0.1Nチオ硫酸ナトリウムで電位差滴定した。まず、この生成物試料を使って行った様式と同じ様式で、ヨウ素25mL(これは、濃塩酸1mLを含む)をチオ硫酸ナトリウムで滴定することにより、ブランク値を得た。
【0206】
%SH=(ブランクのmL数−試料のmL数)(Naの規定度)(3.307)/試料の重量(グラム)
以下の結果が得られた:13.4%のSH
屈折率(e−ライン)およびアッベ数は、ASTM 542−00に従って、複数波長のAbbe Refractometer Model No.DR−M2(ATAGO
Co.、Limited製)を使用して、測定した。この屈折率は、1.618(20℃)であり、そのアッベ数は、35であった。
【0207】
この生成物試料は、以下のようにして、アセチル化した:PTEジチオール(1)(100mg、0.28mmol)を、室温で、ジクロロメタン2mLに溶解した。その反応混合物に、無水酢酸(0.058mL、0.6mmol)を加え、次いで、トリエチルアミン(0.09mL、0.67mmol)およびジメチルアミノピリジン(1滴)を加えた。この混合物を、室温で、2時間維持した。次いで、この混合物をエチルエーテル20mLで希釈し、NaHCO水溶液で洗浄し、そしてMgSOで乾燥した。この乾燥剤を濾過して除き、真空下にて、揮発性物質を蒸発させ、その油性残留物をシリカゲルクロ
マトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル 8:2 v/v)で精製して、103mg(収率83%)のジアセチル化生成物を得た。
【0208】
【化44】

(実施例13−PTEジチオール(2)の合成)
NaOH(23.4g、0.58mol)をHO(54mL)に溶解した。この溶液を室温まで冷却し、そしてDMDS(30.8g、0.20mol)を加えた。その混合物を攪拌した直後、その温度を20〜25℃で維持しつつ、ジクロロアセトン(19.0g、0.15mol)を滴下した。ジクロロアセトンの添加が完了した後、この混合物を、室温で、さらに2時間攪拌した。この混合物を、10%HClで、pH<9まで酸性化し、次いで、ジクロロメタン100mLを加え、その混合物を攪拌した。相分離に続いて、その有機相をHO(100mL)、そして無水MgSOで乾燥した。この乾燥剤を濾過して除き、そしてBuchiロータリーエバポレーターを使用して溶媒を蒸発させて、35g(90%)の粘稠で透明な液体を得、これは、38cPの粘度(73℃);1.622(20℃)の屈折率(e−ライン)、36のアッベ数、8.10%のSH基分析値を得た。
【0209】
(実施例14−PTEジチオール3の合成)
NaOH(32.0g、0.80mol)をHO(250mL)に溶解した。この溶液を室温まで冷却し、そしてトルエン240mLを加え、続いて、DMDS(77.00g、0.50mol)を加えた。その混合物を40℃の温度まで加熱し、攪拌し、次いで、窒素下にて、室温に達するまで、冷却した。DCA(50.8g、0.40mol)をトルエン70mLに溶解し、その温度を20〜25℃で維持しつつ、攪拌しながら、この混合物に滴下した。この添加が完了した後、この混合物を、室温で、さらに16時間攪拌した。その有機相を分離し、HO(2×100mL)、ブライン1×100mLで洗浄し、そして無水MgSOで乾燥した。この乾燥剤を濾過して除き、そしてロータリーエバポレーターを使用してトルエンを蒸発させて、89g(90%)の粘稠で透明な液体を得、これは、58cPの粘度(73℃);1.622(20℃)の屈折率(e−ライン)、36のアッベ数、3.54%のSH基分析値を得た。
【0210】
(実施例15−PTEジチオール4の合成)
NaOH(96.0g、2.40mol)をHO(160mL)に溶解し、この溶液を室温まで冷却した。DMDS(215.6g、1.40mol)、1,1−ジクロロエタン(DCE)(240.0g、2.40mol)および臭化テトラブチルホスホニウム(8.14g、1mol.%)を混合し、その温度を20〜25℃で保持しつつ、窒素流下にて、激しく攪拌しながら、上記混合物に滴下した。この添加が完了した後、この混合物を、室温で、さらに15時間攪拌した。その水層を酸性化し、そして抽出して、103.0gの未反応DMDSを得た。その有機相をHO(2×100mL)、ブライン1×100mLで洗浄し、そして無水MgSOで乾燥した。乾燥剤を濾過して除き、そしてロータリーエバポレーターで過剰のDCEを蒸発させて、78g(32%)の透明な液体を得た:粘度(73℃):15cP;屈折率(e−ライン):1.625(20℃)、アッベ数36;SH基分析値15.74%。
【0211】
(実施例16−PTEジチオール5の合成)
NaOH(96.0g、2.40mol)をHO(140mL)に溶解し、この溶液を10℃まで冷却し、そして三ッ口フラスコ(これは、機械攪拌機および窒素出口を備え付けている)に充填した。次いで、DMDS(215.6g、1.40mol)を充填し、その温度を10℃で保持した。この混合物に、窒素流下にて、激しく攪拌しながら、臭化テトラブチルホスホニウム(8.14g、lmol.%)のDCE(120g、1.2mol)溶液を滴下した。この添加が完了した後、この混合物を、室温で、さらに60時間攪拌した。次いで、HO(300mL)およびDCE(50mL)を加え、その混合物を振盪し、相分離した後、その有機層に、トルエン200mLを加えた;次いで、それをHO(150mL)、5%HCl(50mL)およびHO(2×100mL)で洗浄し、そして無水MgSOで乾燥した。乾燥剤を濾過して除き、ロータリーエバポレーターで溶媒を蒸発させて、粘稠で透明な液体80g(32%)を得た:粘度(73℃):56cP;屈折率(e−ライン):1.635(20℃)、アッベ数36;SH基分析値7.95%。
【0212】
(実施例17−ポリチオウレタンプレポリマー(PTUPP)1の合成)
Desmodur W(62.9g、0.24mol)およびPTEジチオール[1](39.4g、0.08mol)を混合し、そして真空下にて、室温で、2.5時間脱気した。次いで、ジブチルスズジラウレート(0.01重量%)を加え、その混合物を窒素でフラッシュし、そして86℃で、32時間加熱した。SH基を分析すると、SH基が完全に消費されたことが明らかとなった。この加熱を停止した。得られた粘稠な混合物は、Brookfield CAP 2000+ Viscometerで測定した粘度(73℃)600cP、屈折率(e−ライン):1.562(20℃)、アッベ数43;NCO基13.2%(計算値13.1%)を有していた。このNCOは、本明細書中の実施例1で記述した手順に従って、決定した。
【0213】
(実施例18−PTUPP2の合成)
Desmodur W(19.7g、0.075mol)およびPTEジチオール[2](20.0g、0.025mol)を混合し、そして真空下にて、室温で、2.5時間脱気した。次いで、ジブチルスズジラウレート(0.01重量%)を加え、その混合物を窒素でフラッシュし、そして86℃で、18時間加熱した。SH基を分析すると、SH基が完全に消費されたことが明らかとなった。この加熱を停止した。得られた粘稠な混合物は、Brookfield CAP 2000+ Viscometerで測定した粘度(73℃の温度)510cP、屈折率(e−ライン):1.574(20℃)、アッベ数42;NCO基10.5%(計算値10.6%)を有していた。
【0214】
(実施例19−PTUPP3の合成)
Desmodur W(31.0g、0.118mol)およびPTEジチオール[3](73.7g、0.039mol)を混合し、そして真空下にて、室温で、2.5時間脱気した。次いで、ジブチルスズジラウレート(0.01重量%)を加え、その混合物を窒素でフラッシュし、そして64℃の温度で、37時間加熱した。SH基を分析すると、SH基が完全に消費されたことが明らかとなった。この加熱を停止した。得られた粘稠な混合物は、Brookfield CAP 2000+ Viscometerで測定した粘度(73℃の温度)415cP、屈折率(e−ライン):1.596(20℃)、アッベ数39;NCO基6.6%(計算値6.3%)を有していた。
【0215】
(実施例20−芳香族アミンによるポリチオウレタンプレポリマーの鎖伸長)
PTUPP[1](30g)を、真空下にて、70℃の温度で、2時間脱気した。DETDA(7.11g)およびPTEジチオール[1](1.0g)を混合し、そして真空
下にて、70℃の温度で、2時間脱気した。次いで、これらの2種の混合物を、同じ温度で一緒に混合し、そして予め加熱したガラスプレート鋳型間に充填した。この物質を、予め加熱したオーブンにて、130℃の温度で、5時間硬化した。硬化した物質は、透明であり、そして屈折率(e−ライン):1.585(20℃)、アッベ数39および密度1.174g/cmを有していた。この密度は、ASTM D792に従って、決定した。
【0216】
(実施例21)
PTUPP2(25g)を、真空下にて、65℃の温度で、3時間脱気した。DETDA(3.88g)およびPTEジチオール1(3.83g)を混合し、そして真空下にて、65℃の温度で、2時間脱気した。次いで、これらの2種の混合物を、同じ温度で一緒に混合し、そして予め加熱したガラスプレート鋳型間に充填した。この物質を、予め加熱したオーブンにて、130℃で、10時間硬化した。硬化した物質は、透明であり、そして屈折率(e−ライン):1.599(20℃)、アッベ数39および密度1.202g/cmを有している。
【0217】
(実施例22)
PTUPP3(40g)を、真空下にて、65℃で、2時間脱気した。DETDA(3.89g)およびPTEジチオール1(3.84g)を混合し、そして真空下にて、65℃で、2時間脱気した。次いで、これらの2種の混合物を、同じ温度で一緒に混合し、そして予め加熱したガラスプレート鋳型間に充填した。この物質を、予め加熱したオーブンにて、130℃の温度で、10時間硬化した。硬化した物質は、透明であり、そして屈折率(e−ライン):1.609(20℃)、アッベ数39および密度1.195g/cmを有している。
【0218】
(実施例23−2−メチル−2−ジクロロメチル−1,3−ジチオランの合成)
三ッ口フラスコ(これは、磁気攪拌機を備え付けており、そして入口および出口に窒素ブランケットを有する)に、トルエン200ml中の1,1−ジクロロアセトン13.27グラム(0.104mol)、1,2−エタンジチオール11.23グラム(0.119mol)、無水MgSO(20グラム)およびMontmorilonite K−10(これは、Aldrich,USAから商業的に得た)5グラムを加えた。その混合物を、室温で、24時間攪拌した。不溶な生成物を濾過して除き、このトルエンを、真空下にて、蒸発させて、17.2グラム(収率80%)の粗2−メチル−2−ジクロロメチル−1,3−ジチオランを得た。
【0219】
この粗生成物を、102〜112℃の温度範囲内にて、12mmHgで、蒸留した。Varian Unity Plus(200MHz)機を使用して、蒸留した生成物のH NMRおよび13C NMRを測定した。結果は、以下のとおりであった:
【0220】
【化45】

(実施例24−PTEジチオール6(DMDS/VCH、1:2のモル比)の合成)
1−リットルの四ッ口フラスコ(これは、機械攪拌機、温度計および2個の気体通過アダプタ(1個は、入口用であり、そして1個は、出口用である)を備え付けている)に、2−ジメルカプトエチルスルフィド(DMDS)(888.53g、5.758モル)を充填した。このフラスコを乾燥窒素でフラッシュし、そして2時間15分にわたって攪拌しながら、4−ビニル−1−シクロヘキセン(VCH)(311.47g、2.879モ
ル)を加えた。添加の1時間後、その反応温度は、室温から62℃まで上昇した。このビニルシクロヘキセンを加えた後の反応温度は、37℃であった。次いで、その反応混合物を60℃の温度まで加熱し、そして遊離ラジカル開始剤Vazo−52(2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタンニトリル)(これは、DuPontから得た)の5つの0.25g−部分を加えた。1時間の間隔を置いて、各部分を加えた。この反応混合物を、60℃/4〜5mmHgで、1時間脱気して、以下の特性を有する無色液体1.2kg(収率:100%)を得た:
粘度300cps(25℃)(Brookfield CAP 2000+、スピンドル#3、500rpm);屈折率(e−ライン)=1.597(20℃);アッベ数=39;SH基含量16.7%。
【0221】
(実施例25−PTEジチオール7(DMDS/VCH、5:4のモル比)の合成)
磁気攪拌機を備えたガラス製ジャーに、4−ビニル−1−シクロヘキセン(VCH)(Aldrich製)21.6.8.グラム(0.20モル)および2−メルカプトエチルスルフィド(DMDS)(Nisso Maruzen製)38.6グラム(0.25モル)を充填した。その混合物は、この反応の発熱が原因で、60℃の温度となった。この混合物を、47℃の温度の油浴に入れ、そして窒素流下にて、40時間攪拌した。次いで、この混合物を室温まで冷却した。以下の特性を有する無色で粘稠なオリゴマー生成物を得た:
粘度10860cps(25℃)(Brookfield CAP 2000+、スピンドル#3、500rpm);屈折率(e−ライン)=1.604(20℃);アッベ数=41;SH基含量5.1%。
【0222】
(実施例26−星形重合体(SP)の合成)
7500lbの容量のガラスライン反応器に、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン(DMDO)(3907.541b、21.43モル)、ギ酸エチル(705.53lb、9.53モル)および無水塩化亜鉛(90.45lb、0.66モル)を加えた。その混合物を、85℃の温度で、20時間攪拌し、次いで、52℃の温度まで冷却した。この混合物に、1時間にわたって、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)(0.28mole)の33%溶液96.48lbを加えた。次いで、この混合物を49℃の温度まで冷却し、そして200ミクロンの濾過バッグで濾過して、以下の特性を有する液状ポリチオエーテルを得た。
【0223】
粘度320cps(25℃)(Brookfield CAP 2000+、スピンドル#1、1000rpm);n20=1.553;アッベ数=42;SH基含量11.8%(チオール当量:280)。
【0224】
(実施例27−PTUPP4の合成)
4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(Desmodur W)(Bayer製)(20.96g、0.08モル)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)(Bayer製)(35.52g、0.16モル)およびPTEジチオール6(32.0g、0.08モル)を混合し、そして真空下にて、室温で、2.5時間脱気した。次いで、この混合物に、ジブチルスズジラウレート(0.01%)(これは、Aldrichから得た)を加え、その混合物を窒素でフラッシュし、そして90℃の温度で、16時間加熱した。SH基を分析すると、SH基が完全に消費されたことが明らかとなった。この加熱を停止した。得られた透明で粘稠な混合物は、粘度(73℃)1800cP、屈折率(e−ライン):1.555(20℃)、アッベ数44;NCO基14.02%を有していた。
【0225】
(実施例28−PTUPP4の鎖伸長)
PTUPP4(30g)を、真空下にて、60℃の温度で、2時間脱気した。DETDA(7.57g)およびPTEジチオール6(2.02g)を混合し、そして真空下にて、60℃の温度で、2時間脱気した。次いで、これらの2種の混合物を、同じ温度で一緒に混合し、そして予め加熱したガラスプレート鋳型間に充填した。この物質を、予め加熱したオーブンにて、130℃の温度で、5時間硬化した。硬化した物質は、透明であり、そして屈折率(e−ライン):1.574(20℃)、アッベ数40を有していた。
【0226】
(実施例29−PTUPP5の合成)
4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(Desmodur W)(Bayer製)(99.00g、0.378モル)、PTEジチオール6(47.00g、0.118モル)および星形重合体(実施例6)(4.06g、0.0085モル)を混合し、そして真空下にて、室温で、2.5時間脱気した。次いで、この混合物に、ジブチルスズジラウレート(Aldrich)(0.01%)を加え、その混合物を窒素でフラッシュし、そして90℃の温度で、16時間加熱した。SH基を分析すると、SH基が完全に消費されたことが明らかとなった。この加熱を停止した。得られた透明で粘稠な混合物は、粘度(73℃)1820cP、屈折率(e−ライン):1.553(20℃)、アッベ数46;NCO基13.65%を有していた。
【0227】
(実施例30−PTUPP5の鎖伸長)
PTUPP5(30g)を、真空下にて、60℃の温度で、2時間脱気した。DETDA(6.94g)およびDMDS(1.13g)を混合し、そして真空下にて、60℃の温度で、2時間脱気した。次いで、これらの2種の混合物を、同じ温度で一緒に混合し、そして予め加熱したガラスプレート鋳型間に充填した。この物質を、予め加熱したオーブンにて、130℃の温度で、5時間硬化した。硬化した物質は、透明であり、そして屈折率(e−ライン):1.575(20℃)、アッベ数41を有していた。
【0228】
(実施例31−ポリチオ尿素/ウレタン物質のワンポット合成)
4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(Desmodur W)(Bayer製)(42.00g、0.16モル)を、真空下にて、室温で、2時間脱気した。PTEジチオール6(32.00g、0.08モル)、DETDA(11.40g、0.064モル)およびDMDS(2.46g、0.016モル)を混合し、そして真空下にて、室温で、2時間脱気した。次いで、これらの2種の混合物を、同じ温度で一緒に混合し、そして予め加熱したガラスプレート鋳型間に充填した。この物質を、予め加熱したオーブンにて、130℃の温度で、24時間硬化した。硬化した物質は、透明であった。結果は、以下のとおりであった:屈折率(e−ライン):1.582(20℃)およびアッベ数40。
【0229】
本発明は、非限定的な実施態様を参照して、記述されている。詳細な説明を読んで理解すると、明らかな改良および変更が想起できる。本発明は、このような改良および変更が添付の請求の範囲またはそれらの同等物の範囲内に入る限りそれらを含むと解釈すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。

【公開番号】特開2008−195946(P2008−195946A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−46887(P2008−46887)
【出願日】平成20年2月27日(2008.2.27)
【分割の表示】特願2005−508552(P2005−508552)の分割
【原出願日】平成15年12月3日(2003.12.3)
【出願人】(599087017)ピーピージー インダストリーズ オハイオ, インコーポレイテッド (267)
【Fターム(参考)】