説明

弾性層と脆弱層の積層ハイブリッド構造を用いたヘルスセンサ

構造的要素の破損及び腐食の両方の可能性を監視及び試験するためのセンサが開示される。薄く破断可能な導体センスループを含む脆弱な材料層と、脆弱な層の上に結合された、導電性の腐食センスループを含む弾性材料層とによって、アセンブリが形成され、試験対象の構造要素に結合される。導電性の腐食センスループの一部は、弾性材料層の水抜き孔内に露出している。結合された構造的要素が損壊すると、脆弱な膜と薄く破断可能な導体センスループの両方が破壊され、導電性の腐食センスループが腐食すると、その電気的性質が変化する。破壊された導体センスループ及び/又は導電性の腐食センスループに測定される電気的性質の変化により、損傷の可能性が示される。両方のセンサ層は、単一の共有無線通信タグを利用して電気測定デバイスに連結することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造の試験に関するものである。具体的には、本発明は、使用年数の経過に伴う構造的要素の保全性の監視技術に関する。
【背景技術】
【0002】
構造的要素の保全性を監視する必要性は多数の異なる用途において生じる。例えば、航空機の構造を監視することが必要である。航空機は、長い年月に亘って使用され、設計限界を超えうる環境を経験する場合があり、その結果、疲労、破損、腐食といった様々な故障モードを有しうる。したがって、何らかの慎重なメンテナンスプログラムの一部として、ビークルの構造的保全性を定期的にチェックすることが必要である。同様に、他の種類の構造も定期的な監視を必要としうる。高架道路及び橋といった高速道路の構造は、定期的にチェックされなければならない。一部の建造物の構造も定期的なチェックを必要としうる。目視検査、X線、染色浸透剤、及び電界技術(例えば渦電流試験など)のような、構造的要素を試験するための従来の試験技術は多くの欠点を有している。
【0003】
構造的部材の目視検査には、多くの場合、有る程度構造を分解することが必要である。これは試験費用全体を大きく増加させる。例えば、航空機構造の目視検査には、目視により腐食を検出するのに十分な距離から対象領域を見るために接近する必要があるので、構造の実質的な分解と、インストールされている設備の取り外しが必要である。
【0004】
X線試験、広義には放射線透過試験では、特別な施設と国家ライセンスとが必要である。この技術では、種々の物質を通す短い波長の電磁放射能を利用する。X線装置又は放射性線源を、光子源として使用することができる。試験される物質の反対側から現われる放射量を検出及び測定できることにより、放射強度の変動を使用して、物質の厚さ又は組成を決定して故障を明らかにする。安全性の観点から、X線試験では、通常、試験が実施されている間は他の作業を全て停止することも必要である。
【0005】
染料浸透剤試験も長時間を要し、且つ煩雑である。染料浸透剤検査は、欠陥部からの色付き染料又は蛍光染料の流出により表面の破断欠陥を明らかにするために使用される。この技術は、毛管作用により表面の破断欠陥内へ液体が流入する性質に基づいている。一定時間の経過後、余分な表面浸透剤を除去し、現像液を添加する。これはブロッタとして働く。現像液は欠陥から浸透剤を引き出して、その存在を明らかにする。浸透剤と現像液の構成成分と、それらの副産物が危険物(HAZMAT)と同定される場合があり、その場合高価な廃棄手段が必要となる。
【0006】
最後に、電界の適用を使用する検査方法(例えば渦電流試験など)は、特に長時間を要し、この種の用途において正確に読み取ることが困難であり、構造に変更を必要とする。例えば、一般的な渦電流試験では、試験対象の導電性標本の近くに、AC電流を流す円形コイルが配置される。コイルの交流電流は帯電磁界を生成し、これが試験対象物と相互作用して対象物の中に渦電流を誘起する。このような渦電流の位相及び大きさは、第2のコイルを使用して、或いは一次コイルを流れる電流の変化を測定することにより、監視することができる。何らかの欠陥の存在、又は試験対象物の導電性又は透磁率の変化は、渦電流の流れに変化を生じさせ、これに対応して、測定される電流の位相及び大きさに変化が生じる。この技術は、通常、表面の破断又は表面近くのひび割れ、及び物質の組成変動を検出することに限定されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記を考慮すると、本技術分野には、構造的要素の保全性を効率的に監視するための装置と方法に対する需要が存在している。特に、長時間を要する分解作業を必要とせずに構造的要素を監視するための装置と方法に対する需要が存在する。また、軽量で安価に使用できる装置と方法も必要とされている。特に、航空機の分野に使用される装置と方法が必要とされている。更に、破損と腐食の可能性の両方、及びそれらの組み合わせについて、構造を監視するための装置と方法が必要とされている。これらの需要及びその他の需要は、後述で詳細に説明される本発明の開示内容によって満たされる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
構造的要素における破損及び腐食の可能性を両方とも監視及び試験するためのハイブリッドセンサデバイスが開示される。薄く破断可能な導体センスループを含む脆弱な材料層と、脆弱な層の上に結合される導電性の腐食センスループを含む弾性の材料層とによって、試験対象の構造的要素に結合されるアセンブリが形成される。導電性の腐食センスループの一部は、弾性の材料層内の水抜き孔に露出する。結合された構造的要素に破損が生じると、脆弱な膜と薄く破断可能な導体センスループの両方に破壊が誘起され、導電性の腐食センスループが腐食すると、その電気的性質が変化させる。破壊された導体センスループ及び/又は導電性の腐食センスループの電気的性質に測定される変化によって、損傷の可能性が明らかになる。両方のセンサ層は、単一の共有無線通信タグを使用して電気的測定装置に連結することができる。
【0009】
本発明の典型的なセンサの実施形態は、構造的保全性を感知するための装置からなり、このような装置には、脆弱な非導電性材料層、脆弱な非導電性材料層の上に配置される弾性の非導電性材料層、脆弱な非導電性材料層内部の破断可能な導体センスループ、並びに弾性の非導電性材料層内部にあって、その一部が弾性の非導電性材料層内の少なくとも一つの水抜き孔に露出している導電性の腐食センスループが含まれる。脆弱な非導電性材料が構造表面に隣接して配置されることにより、構造表面に損壊が生じると、破断可能な導体センスループが破壊され、且つ導電性の腐食センスループの露出部分が腐食すると、導電性の腐食センスループの電気的性質に変化が生じる。いくつかの実施形態では、破断可能な導体センスループと構造表面とは、共通の材料を含むことができる。典型的には、脆弱な非導電性の材料層は、構造表面に結合される。
【0010】
一般に、構造表面の破損による、破断可能な導体センスループの破壊と、導電性の腐食センスループの電気的性質の変化とは、破断可能な導体センスループ及び導電性の腐食センスループの両方に連結された電気的測定装置により感知することができる。さらなる実施形態では、センサは、このような電気的測定装置を破断可能な導体センスループ及び導電性の腐食センスループの両方に連結するための無線通信タグを含んでいる。別の構成では、回路式の接続装置を使用して、電気的測定装置を破断可能な導体センスループ及び導電性の腐食センスループの両方に連結することができる。
【0011】
更なる実施形態では、第2の構造表面を弾性の非導電性材料層の上方に、例えばガスケット構造に使用されるように、配置することができる。この場合、弾性の非導電性材料層は、第2の構造表面に接触する一又は複数のシーリングリブを含むことができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、脆弱な非導電性材料層の構成は、破断可能な導体センスループを間に挟む二つの層を含むことができる。同様に、弾性の非導電性材料層の構成は、導電性の腐食センスループを間に挟む二つの層を含むことができる。
【0013】
同様に、構造保全性を感知する典型的な方法は、中に破断可能な導体センスループを有する脆弱な非導電性材料を構造表面の隣に配置するステップと、脆弱な非導電性材料層の上に、中に導電性の腐食センスループを有する弾性の非導電性材料層を配置するステップであって、この導電性の腐食センスループの一部が、前記弾性の非導電性材料層内の少なくとも一つの水抜き孔に露出するステップと、構造表面の破損による破断可能な導体センスループの破壊を感知するステップと、導電性の腐食センスループの露出部分における腐食による導電性の腐食センスループの電気的性質の変化を感知するステップとを含む。本発明の方法の実施形態は、本明細書に記載される装置の実施形態に合わせて更に修正することができる。
【0014】
上述の特徴、機能、及び利点は、本発明の種々の実施形態においてそれぞれ独立に達成することができるか、又は他の実施形態において組み合わせることができる。これらの更なる詳細については、後述及び添付図面を参照することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
ここで添付図面に言及する。図中の類似の参照番号は対応する部品を表わしている。
【0016】
【図1A】図1Aは、弾性層と脆弱層の積層ハイブリッド構造を用いたヘルスセンサの一実施例を示す断面図である。
【図1B】図1Bは、弾性層と脆弱層の積層ハイブリッド構造を用いたヘルスセンサの一実施例を示す断面図であり、構造の故障を示している。
【図2A】図2Aは、弾性層と脆弱層の積層ハイブリッド構造を用いたヘルスセンサの一実施例の上面図である。
【図2B】図2Bは、A−Aにおける、弾性層と脆弱層の積層ハイブリッド構造を用いたヘルスセンサの一実施例の断面図である。
【図2C】図2Cは、B−Bにおける、弾性層と脆弱層の積層ハイブリッド構造を用いたヘルスセンサの一実施例の断面図である。
【図3A】図3Aは、構造センサに連結できる無線通信タグを示している。
【図3B】図3Bは、無線通信タグのレシーバの安全装置機構の一実施例を示している。
【図4】図4は、構造保全性を感知する方法のフロー図である。
【図5】図5は、図4の構造保全性感知方法の、センスループを使用して感知を行う部分的方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
1.概要
上述のように、本明細書の実施形態は、構造的要素内の不良(例えば破損)により生じる不連続性と、構造的要素内の腐食の可能性の両方を検出する技術を目的としている。このようなハイブリッドセンサは、上述のような二つのセンサ(米国特許出願第11/0941307号(Fayら、2007年11月16日出願)に記載の破損検出センサ、及び米国特許出願第11/941367号(Fayら、2007年11月16日出願)に記載の腐食検出センサ)の特徴を一つの統合センサに組み合わせたもので、腐食の検出能とひび割れの検出能の組み合わせを有している。二重層式膜センサは、効果的には、それがインストールされる構造の一部となる。このセンサは、ユーザに対し、迅速且つ正確に、腐食及び/又は損傷の状態を供給する。このセンサの操作には、特別な施設、道具、訓練又は設備は必要ない。
【0018】
本センサは、少なくとも二つの別個の材料層を含み、これらの材料層は、破断可能な導体センスループが埋め込まれた脆弱な非導電性層と、導電性の腐食センスループが埋め込まれた弾性の非導電性層を含んでいる。このようなハイブリッドセンサ構成は、弾性のガスケット腐食センサセクションを、脆弱な破損センサセクションに直接結合することにより構築することができる。取り付けの際には、破損センサセクションを対象の構造に直接結合することができる。脆弱な非導電性層は、構造的要素に破損が生じるとそれに対応して膜が破損し、且つ破断可能な導体センスループに破断が生じるように、構造的要素に結合される。破損の検出に関して、構造的要素は、金属又は複合材料など、いかなる材料でもよい。弾性の非導電性層は、脆弱な非導電性層の上面に配置されて、導電性の腐食センスループの一部を露出させる少なくとも一つの水抜き孔を含む。近くの構造の腐食の可能性は、導電性の腐食センスループの電気的性質の変化を引き起こす同センスループの腐食によって示される。
【0019】
破断可能な導体センスループの破壊と、導電性の腐食センスループの腐食は、共に、それぞれのループに連結された一の電気的測定装置によって検出可能である。別の構成では、別個の電気的測定装置を使用してもよい。センスループへの接続は、通常の電気コネクタ又は無線通信タグによって行うことができる。記載されるハイブリッドセンサでは、単一の共有無線通信タグを利用して、両方のセンサ層を電気的測定装置に連結することができる。
【0020】
いくつかの実施例では、無線リーダ測定装置を使用して、回路にエネルギー供給し、機能性を制御し、且つデータを受信するためのRF信号を供給することができる。本センサは、修理を要する程重大な腐食又は損傷が無い場合には、動作中のインストール済みの装置を長時間に亘って取り外す必要なく、検出を行うことができる。これとは異なり、従来の構造検査技術はすべて、極めて長時間を有し、高価なものである。
【0021】
したがって、互いに結合された脆弱なセンサ層と弾性の腐食センサ層は、構成要素及び構造を何ら取り外す必要無く、隠れた破損、その他の構造的損傷、及び腐食の可能性を検出することができる。修理が必要な程重大な損傷が無い場合、本発明の実施形態は、本発明によらなければ定期的な目視検査を実行するために必要となるであろう構成要素又は構造の分解の必要性を軽減することができる。更に、本発明の実施形態は、特別な施設、訓練、又は国家ライセンスを必要としない。本発明の実施形態は、進行中の他の作業を中断せずに構造の不良が存在するかどうかを決定するための迅速なプロセスも提供することができる。
【0022】
本発明によるハイブリッドセンサは、それにより節約できる労働と、それにより提供される追加的な設備の有効性とにより、(例えば航空機を)所有するための総費用を低減することができる。オペレータは、修理を要する損傷が無い場合、設備の使用を停止する必要がない。これとは異なり、従来の方法は、修理が不要である場合でも、多大な労働と、長期に亘る使用停止を必要とする。従来の方法では、接近に必要な分解作業の間にメンテナンスによる損傷が生じる危険も大きい。
【実施例】
【0023】
2.積層式破損及び腐食ハイブリッドセンサの構造
図1Aは、弾性の層と脆弱な層との積層式ハイブリッド構造を用いたヘルスセンサ100の一実施例を示す断面図である。センサ100は、構造102の表面に隣接して配置される薄く平坦な構造中に形成される脆弱な材料層104を含んでいる。通常、脆弱な材料層104は構造102に結合される。少なくとも一つの破断可能な導体センスループ106が、脆弱な材料層104内に埋め込まれている。脆弱な材料層104は、構造102の表面内における破損又はその他の構造的故障を検出するために使用される破断可能な導体センスループ106を短絡させないように、非導電性でなければならない。
【0024】
別個の弾性材料層108が、脆弱な材料層104の上に配置されている。弾性の材料層108には、少なくとも一つの導電性の腐食センスループ110が埋め込まれている。弾性の材料層108は、導電性の腐食センスループ110の一部を露出させるように開いた一又は複数の水抜き孔112を含んでいる。弾性材料層108も、導電性の腐食センスループ110の短絡を回避するために非導電性である。必須でないが、センサ100をガスケット構成において使用してもよい。この場合、第2の構造114の表面は、弾性の非導電性在留襲う108の上方に配置される。このような構成において、弾性の非導電性材料層108は、第2の構図114の表面に接触する一又は複数のシーリングリブ116を含むことができる。
【0025】
図1Bは、弾性の層と脆弱な層との積層式ハイブリッド構造を用いたヘルスセンサの一実施例の断面図であり、構造的な故障を示している。構造102の表面に現われた破損118によって、脆弱な材料層104に破断120が生じており、この破断によって破断可能な導体センスループ106に破断122が生じている。近くの構造102、114(又は図示しない他の構造)における腐食の可能性は、センサ100の弾性の非導電性材料層108によって検出される。通常、破断可能な導体センスループ104に検出される破壊は破断である(破断可能な導体センスループ104の完全な又は部分的な破断でありうる)。しかしながら、破壊を検出して、下部構造における破損又はその他の問題を示すために、破断可能な導体センスループ104に測定される電気的性質の何らかの変動(例えば抵抗の増大)を利用することもできる。
【0026】
近くの構造102、114(又は図示しないその他の構造)における腐食の可能性は、一又は複数の水抜き孔112によって露出する導電性の腐食センスループ110の部分の腐食によって示される。弾性の非導電性材料層108に設けられた一又は複数の水抜き孔112内において導電性の腐食センスループ110上で進行するどのような腐食124も、導電性の腐食センスループ110の電気的性質に影響する。導電性の腐食センスループ110の材料は、この領域に接触するどんな水分も、水抜き孔112に入って、導電性の腐食センスループ110の露出部分を少なくとも部分的に低減させるように、腐食しやすいものを選択することができる。これにより腐食により導体の断面積が低減するので、導体の実効抵抗が増大する。したがって、構造102、114が実際にはまだ腐食していなくても、水抜き孔112によって、導電性の腐食センスループ110は、水分の存在による構造的要素の腐食の可能性を早期に警告することができる。弾性の材料層108内の水抜き孔112において進行しうる過度の腐食によっても、同様に導電性の腐食センスループ110に破壊が生じうる。導電性の腐食センスループ110の一部を、導電性の腐食センスループ110の非露出部分とは異なる方法で処理するか、又は異なる材料から構成することで、この領域の腐食感受性が増大するように、導電性の腐食センスループ110の設計を最適化することができる。
【0027】
破断可能な導体センスループ106及び導電性の腐食センスループ110の両方の端部は、測定装置に連結する接続装置に接続されており、この測定装置は、積層式破損及び腐食ハイブリッドセンサ設備の一実施例に示されるように、破損又は腐食を検出する。これについては次のセクションで説明する。
【0028】
一実施例では、脆弱な材料層は、一又は複数の細いワイヤセンスループを間に挟むように含む、薄いプラスチック製の脆弱なフィルムからなる二つの層から構築することができる。脆弱な材料層は、設置前に柔軟性であるように硬化可能であるが、完全に硬化すると剛性で脆くなる。上述のように、ひび割れのような損傷が下部構造に発生すると、脆弱な膜も割れて、損傷箇所でワイヤセンスループを破断させる。脆弱な材料層は、設置の際には粘着性となりうる非導電性の材料であり、腐食に対して下部構造をシールし、保護する。
【0029】
同様に、弾性の材料層も、薄いプラスチックからなる二つの層から構築することができ、これらの層は、一又は複数のワイヤセンスループを含む。弾性材料層も硬化可能でありうるが、但し硬化すると弾性材料となる。弾性材料層も非導電性であり、脆弱な材料層の上に粘着しうる。上述のように、弾性材料層上部の一又は複数の水抜き孔により、導電性の腐食センスループは腐食の可能性を示すことができる。
【0030】
センサは、ひび割れ及び/又は腐食が懸念される構造的な位置、例えば与圧される構造内のカットアウト及び締め金具孔に取り付けることができる。適切な頻度で、オペレータはリーダ装置を使用してセンサへのエネルギー供給及びセンサの読み取りを行う。無線リーダ装置又は別の外部装置を使用して、特定の設置位置の各々において測定されるセンスループの読み出しと基準値の読み出しとの比較を行うことにより、腐食の可能性及び破損が存在するかどうかを決定するができる。基準値は、センサが特定の用途のために設計されて製造されるときに決定することができる。特定の用途に関する基準値は、手動による測定及び解析のために文書で存在させるか、自動解析を行うために無線リーダにロードすることができる。
【0031】
脆弱な層と弾性層は複数の共通の性質を共有するが、異なる特徴も有している。一般に、脆弱な材料層は通気性を有さず、設置後は脆弱である(脆い)。脆弱な材料層の材料は、外見上はペイント塗料と同様の特徴を有しうる。目的は、構造的要素にひび割れが生じた場合に脆弱な材料層も割れて、センスループを形成する導体を破断させるように、脆弱な材料層の組成を、それが結合される構造の材料と一致させることである。一方、弾性の材料層は、設置後に柔軟性を有しなければならない。両方の材料層は、事前に形成されるデバイスでもよく、現場で作製されてもよい。脆弱な材料層及び弾性の材料層は共に、有効な電気絶縁材であり、且つ設置前は設置を容易にするために十分な柔軟性を有しなければならない。両方の材料層は、予備品のストックが可能であるように、良好なシェルフライフ品質を有さねばならない。両層は、特に導電性の腐食センスループに対して、非導電性でなければならない。適切な層及びセンスループの材料、大きさ、及び電気的測定特徴は、センサの性能を最大化するように設備に応じて選択することができる。脆弱な膜の層に使用される様々な材料には、限定されないが、ポリカーボネート、ウレタン、ポリウレタン、エナメル、ポリエステル、アクリル、エポキシ、及び様々なプラスチック、並びにその他類似の材料が含まれうる。弾性ガスケット層の材料には、限定されないが、シリコン、ラバー、ニトリル、ブナN、ネオプレン、テフロン、及びその他類似の材料が含まれうる。
【0032】
センスループは、特定の用途に合わせて作製することができる。破断可能な導体センスループの場合、センスループは通常、インストールされたインターフェースにおける構造的要素と同じ材料(例えば、主成分の金属又は合金)から構成することができる。センスループの構成及び大きさは、膜が破断したとき及び膜が破断した場合に導体の破断を保証するために適切なものでなければならない。導電性の腐食センスループは、破断可能でなくともよい。センスループの材料には、限定されないが、アルミニウム、鋼、銅、マグネシウム、チタン、及びその他類似の材料が含まれる。次のセクションで説明するように、膜センサ装置はガスケット構成に導入されてもよい。
【0033】
3.積層式破損及び腐食ハイブリッドセンサ設備の一実施例
図2A〜2Cは、弾性の層と脆弱な層との積層構造を用いたハイブリッドヘルスセンサ200の一実施例の、それぞれ上面図及び二つの断面図である。図2Aは、弾性の層と脆弱な層との積層構造を用いたハイブリッドヘルスセンサ200の一実施例を示し、図2Bは図2AのA−Aにおける断面図であり、図2Cは図2AのB−Bにおける断面図である。図2B及び2Cの断面図に示すように、センサ200は、一つの薄く平坦な構造内に形成される脆弱な材料層204A及び弾性の材料層204Bを備えており、この平坦な構造は、二つの構造202A、202Bの表面の間に隣接して配置される。この場合、脆弱な材料層204Aは、第1の構造202Aの表面上に配置される。この実施例では、三つの破断可能な導体センスループ206A、206B、206Cが、脆弱な材料層204A内に埋め込まれている。この実施例においても、図1A及び1Bに関連して上述したものと同様に、構造202A、202Bのいずれかの表面内の破損又はその他の構造的故障を検出するために使用される破断可能な導体センスループ206A、206B、206Cを短絡させることがないように、脆弱な材料層204Aは非導電性でなければならない。
【0034】
弾性の材料層204Bは、脆弱な材料層204Aの上に配置される。弾性の材料層204Bは、複数の水抜き孔230A〜230Rを含んでおり、これらの孔は層204Bを貫通して導電性の腐食センスループ208の別々の部分を露出させている。したがって、図1A及びBに関して上述したように、導電性の腐食センスループ208を使用して、腐食の早期検出を行うことができる。ガスケット構成のセンサ200も、弾性の材料層204Bの上面内に組み込まれる一又は複数のリブ210A、210Bを含むことができる。リブ210、210Bは、構造202Bの隣接する表面に接触してシールできるように設計されている。
【0035】
上述のように、導電性の腐食センスループ208の材料は、この領域に接触するいかなる水分も水抜き孔230A〜230Rの一又は複数に進入して導体の少なくとも部分的な腐食を引き起こすように、腐食し易いものを選択することができる。この結果、腐食により導体の断面積が小さくなるにつれて、導体の実効抵抗が上昇する。したがって、構造202A、202Bがまだ実際には腐食していなくとも、水抜き孔230A〜230Rがあることで、導体腐食センスループ208は、水分の存在による構造的要素の腐食の可能性を早期に警告することができる。弾性の材料層204Bの上面が外界からシールされている状態が維持されるので(シール用リブ210A、210Bの有無に関わらず)、ガスケット構成は早期腐食検出に特に適している。したがって、この領域の目視検査によって、水抜き孔230A〜230R内に存在する水分が発見されることはない。
【0036】
図2Aに示すように、導電性の腐食センスループ208及び三つの破断可能な導体センスループ206A、206B、206Cの端部はいずれも接続装置に接続されており、この接続装置は破損又は腐食を検出する測定回路に連結することができる。センサ200との通信は、任意の既知の技術を使用して達成することができる。このような構成では、二つの層204A、204Bは、図2B及び2Cに関して記載したように、二つの構造202A、202Bの表面の間に挟まれている。例えば、構造202A、202Bは、航空機の二つの構成部品間のジョイントでありうる。一連のボルト224A〜224Rが、構造202A、202B間の境界面の周囲に配置されている。破断可能な導体センスループ206A、206B、206Cは、上述のように、脆弱な材料層204A内に埋め込まれており、同じように周囲を囲むように配置されている。破断可能な導体センスループ206A、206B、206Cは、何らかの構造的故障が生じやすい場所に対して直角に設置される。
【0037】
加えて、上述のようにして腐食の早期警告を行うように動作する導電性の腐食センスループ208に沿った種々の地点には、水抜き孔230A〜230Rも存在している。リブ210A、210Bも、図2B及び2Cに関して記載したように、弾性の材料層204Bの上側でセンサ200の内縁及び外縁の両方の周りに配置されており、これらは層の表面、及び構造202Bの表面を水分からシールしている。
【0038】
ガスケットセンサ200の、破断可能な導体センスループ206A、206B、206Cと、導電性の腐食センスループ208とは、接続装置232に連結されており、この接続装置は、ループ206A、206B、206C、208の電気的性質の変化(例えば、腐食を示す抵抗の増大又は故障を示す開回路)を測定する電気的測定装置に接続するために使用される。電気的測定装置は、ループ206A、206B、206C、208の適切な電気的性質を測定できる任意の既知の装置とすることができる。単純な実施例では、接続装置232は電気コネクタを含むことができる。しかしながら、接続装置232は、次のセクションで説明するように無線通信タグを含むこともでき、このような通信タグは、単純な電気コネクタを凌駕する多数の利点を提供する。無線通信タグは、タグにリーダ装置の幾つかを組み込んでいる。
【0039】
4.センサとの無線通信
図3Aは、構造センサ310に連結できる無線通信タグ300を示している。この実施例による無線通信タグ300は、一又は複数のRFレシーバ302を備えている。一又は複数のRFレシーバ302は、一組の整流器回路304と、一の復調器306とに連結される。RFレシーバは、レシーバの整流器回路と復調器の励起を最大化するために、一又は複数の共鳴周波数を有するように設計されなければならない。各RFレシーバの整流器回路304は、特定の組の共鳴周波数、及び/又は並行な共鳴周波数に関連付けることにより、様々な動作モードの間に、タグ及びセンサ310の必要なセクション(即ちセンサループ)に電力供給するために生成される信号電圧308を最大化することができる。整流器304からの電圧308はセンサ310に供給され、センサ310は測定論理回路312への測定量318を生む。復調器306から送出されるクロック信号302及び制御信号330は、メモリ314に転送されるデータ334へと測定量318を転換する測定論理312を制御するために使用される。復調器306のクロック332は、メモリ314へのデータのタイミングを合わせるための測定論理312に基づいてクロック信号を生成するために使用される。復調器322から発せられるクロック信号及び制御信号は、メモリ314へのデータの読み込み及び書き込みのための論理制御装置326を制御するために使用される。
【0040】
RFレシーバ302は、レシーバ復調器306が測定論理312とメモリ314の標的位置とを適切に制御及び同期できるようにするために、一又は複数の組の共鳴周波数、及び/又は並行な、共鳴周波数を含むことができる。RFレシーバ302のアンテナ316は、従来技術に知られているように、分布キャパシタンス、インダクタンス、及び抵抗を使用することにより、一組の並行な共鳴周波数をサポートすることができる。RFレシーバ302は、従来技術に既知の周波数スペクトルに亘ってOFDM、CDMA、又はその他任意の多搬送波共鳴周波数を使用して動作するように設計することができる。RFレシーバ302は、安全要件に基づいて不適切な動作を確実に防ぐために、安全装置機構を有するように設計されなければならない。
【0041】
図3Bは、無線通信タグ300におけるレシーバ302(例えば図3AのRFレシーバ302)の安全装置機構の一実施例である。装置の電源、クロック、制御をそれぞれ管理するために、複数組の固有の共鳴周波数(又は周波数パターン)の入力348(1−n)、350(1−n)、352(1−n)が使用される。典型的には、複数組の電源の共鳴周波数の入力348は、整流器(例えば図3Aの整流器304)を管理し、複数組のクロック及び制御の共鳴周波数入力350、352は、装置の復調器(例えば図3Aの復調器306)を管理する。本発明の実施形態は、更に、装置全体の不測の動作を防止するための安全装置機構を導入することができ、この機構は装置毎に一組の安全装置共鳴周波数入力354(1−n)を使用することができる。(安全装置共鳴周波数入力354は、電源、クロック、及び/又は制御の共鳴周波数入力348、350、352に基づいて使用される周波数のサブセットか、又は固有の共鳴周波数パターンとすることができる。)動作論理340は、安全装置周波数入力354の組(例えば、対応する振幅を有する特定の周波数)が動作論理回路340の必要な安全装置の条件を満たすときにのみ、電源、クロック、及び制御ゲート342、344、346をそれぞれ使用可能にするように動作する。例えば、動作論理340は、受信する周波数入力348、350、352、354の組に特定のタイミング又は順番を必要とする場合がある。安全装置の条件は、動作論理回路340の固定部分とすることができるか、又は再構成を可能にする方法で、例えばプログラム可能な要素により導入することができる。
【0042】
当業者であれば、同様の安全装置アーキテクチャを、トランスポンダ(例えば図3AのRFトランスポンダ318)に容易に適用できることが分かるであろう。RFトランスポンダ318は、トランスポンダ整流器回路320、復調器322、及び変調器324のうちの一又は複数の励起を最大化するような、一又は複数の共鳴周波数を有するように設計されなければならない。RFトランスポンダ318は、従来技術に既知のFRID技術を使用して動作することができる。各RFトランスポンダ整流器回路320は、特定の組の共鳴周波数、及び/又は並行な共鳴周波数に関連付けることにより、様々な動作モードの間に、タグの必要なセクションに給電するために生成される信号電圧を最大化することができる。RFトランスポンダ318は、トランスポンダ復調器322がトランスポンダ制御論理326とメモリ314の標的位置とを適切に制御及び同期することができるような、一又は複数の組の共鳴周波数、及び/又は並行な共鳴周波数を有するように設計することができる。RFトランスポンダ318は、トランスポンダ復調器324がアンテナ328を介してリーダ(図示せず)への伝送信号を外部から適切に生成することができるように、一又は複数の組の共鳴周波数、及び/又は並行な共鳴周波数を有するように設計されなければならない。RFトランスポンダ318は、従来技術に既知のように、RFIDをサポートする周波数帯の全て又はサブセットを含んでいなければならない。RFトランスポンダは、安全要件に基づいて不適切な動作を確実に防止する安全装置機構を有するように設計されなければならない。
【0043】
図3Aに示すように、測定論理312は、センサ310からの入力測定量318をサポートし、測定量318の値をデジタルフォーマットに転換し、且つこの値をデータチャネル334上でメモリ314の標的位置に書き込むことができる。測定論理312は、連続又は並行の制御330及びクロック332信号をサポートすることができる。メモリ314は、少なくとも、不揮発性参照情報(例えば、識別、暗号鍵)と、不揮発性又は揮発性の値フィールド(例えば、測定値)とをサポートすることができる。更に、メモリ314は、連続又は並行の読み取り及び書き込みもサポートすることができる。全ての複合器306、322は、連続及び/又は並行の制御及びクロック信号を供給することができる。論理制御装置326は、標的のメモリ314領域の読み込み能を提供し、且つ変調器324に同時に入力することができる。
【0044】
重要なのは、無線通信タグが、破損及び/又は腐食の感知を含む上述のセンサのようなレンジセンサと共に動作するように設計できることである。加えて、無線通信タグは、構造を監視するためにインストールできる他のあらゆるセンサと共に動作するように設計することができる。
【0045】
一実施例では、各々が無線通信タグを有する複数の構造センサ(例えば、ハイブリッド式破損及び腐食センサ)が、航空機構造にインストールされて、包括的な試験計画の下で利用される。センサは、最初、航空機の建造段階で、種々の位置にインストールされる。全てのセンサがそれぞれの機能を確認し、リーダ装置に識別とセンサ結果を供給するように、初回の読み取りが実行される。これに続いて、航空機建造が完了すると、センサは機能性を再確認する。(このようなセンサの取り付けは、最初の航空機建造時、又は航空機のメンテナンスの間に行われるレトロフィット時に行うことができる。)種々のセンサの識別及び位置は記録される。次に、センサの読み取りは定期検査時に行われ、何か問題が示されると修理が行われる。読み取りプロセスの一実施例について後述する。
【0046】
無線リーダ装置は、一又は複数のセンサがインストールされた航空機構造の局所的領域に「ピング」を送信することにより、センサの識別番号を読み取るために使用される。領域内のセンサはすべて、それらの識別番号により応答する。このとき、識別番号が航空機の記録と相互参照されて、センサ位置が決定される。次いで、リーダは、別の「ピング」を送信してセンサの感知要素回路にエネルギー供給することにより、すべてのセンサに対する問い合わせを行う。各センサタグは、リーダから送信された電力によって内部に誘起される電圧により電力供給される。次に、無線通信タグは、誘起された電力がシステム仕様の範囲内であることを確認する。これに失敗すると、リーダにエラーメッセージが返送される。成功であれば、タグのセンサ部分は導体センスループにエネルギー供給する。するとタグの感知部分が、電力供給されたセンスループの電気的特徴を読み取る。次いで、タグは、解析のために感知要素の読み取りをリーダに送信する。リーダは、送信されたタグデータを受信すると、この値と各センサの参照基準とを比較する。最後に、リーダは、各センサの検査結果を表示する。結果が成功である場合は次回の定期検査時期が決定され、或いは故障の存在が示された場合は修理の予定が立てられる。
【0047】
5.構造保全性の監視方法
図4は、構造保全性を感知する方法400のフロー図である。方法400は、中に破断可能な導体センスループを有する脆弱な非導電性材料を構造表面の隣に配置する第1の工程402によって開始される。工程404では、中に導電性の腐食センスループを有する弾性の非導電性材料層を脆弱な非導電性材料層の上に配置し、導電性の腐食センスループの一部を、弾性の非導電性材料層内に設けられた少なくとも一つの水抜き孔に露出させる。工程406では、構造表面内の破損による破断可能な導体センスループの破壊が感知される。工程408では、導電性の腐食センスループの露出部分の腐食による導電性の腐食センスループの電気的性質の変化が感知される。構造保全性を感知するこの方法400は、本明細書に記載されるいずれかの装置又は他の方法に合わせて修正することができる。
【0048】
通常、工程404が、弾性の非導電性材料層を脆弱な非導電性材料層に結合してハイブリッドセンサを形成する製造プロセスにおいて最初に行われ、その後、工程402が、ハイブリッドセンサを構造に取り付けるときに行われることに注意されたい。しかしながら、これら二つの工程は、反対の順番で行ってもよい。例えば、ハイブリッドセンサは、工程402において最初に構造に結合された脆弱な非導電性材料層と、その後工程404において脆弱な非導電性材料層の上に結合された弾性の非導電性材料層とを有する構造にインストールするときに、組み立てることができる。
【0049】
図5は、センスループを用いて感知を行う工程406及び408の部分の方法500のフロー図である。センスループを用いて感知を行う部分の方法500は、破断可能な導体センスループと導電性の腐食センスループとを無線通信タグに接続する工程502によって開始される。工程504では、無線通信タグと電気的測定装置との間に無線リンクを形成する。工程506では、電気的測定装置により破断可能な導体センスループの破壊が検出される。工程508では、電気的測定装置により導電性の腐食センスループの電気的性質の変化(例えば、抵抗の変化)が測定される。二つのセンスループを用いて感知を行うこの方法500は、本明細書に記載されるいずれかの装置又は他の方法に合わせて修正することができる。
【0050】
これで本発明の種々の実施形態の説明を終了する。本発明の実施形態についての記載を含む上述の説明は、例示と説明のみを目的とするものである。上述の技術範囲内で多くの変形例が可能である。特許請求の範囲に記述される本発明の構想から逸脱することなく、本発明の更なる変形例を想起することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造保全性を感知するための装置であって、
脆弱な非導電性材料層と、
脆弱な非導電性材料層の上に配置される弾性の非導電性材料層と、
脆弱な非導電性材料層内の破断可能な導体センスループと、
弾性の非導電性材料層内の導電性の腐食センスループであって、弾性の非導電性材料層に設けられた少なくとも一つの水抜き孔に一部が露出している導電性の腐食センスループと
を備えており、
脆弱な非導電性材料が構造表面の近くに配置されていることにより、構造表面内の破損により破断可能な導体センスループが破壊され、且つ導電性の腐食センスループの露出部分の腐食により、導電性の腐食センスループの電気的性質の変化が示される、装置。
【請求項2】
破断可能な導体センスループ及び導電性の腐食センスループの両方に連結された電気的測定装置によって、構造表面内の破損による破断可能な導体センスループの破壊と、導電性の腐食センスループの電気的性質の変化とが感知される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
電気的測定装置を破断可能な導体センスループ及び導電性の腐食センスループの両方に連結する無線通信タグを更に備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
電気的測定装置を破断可能な導体センスループ及び導電性の腐食センスループの両方に連結する回路式接続デバイスを更に備える、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
破断可能な導体センスループと構造表面とが共通の材料を含んでいる、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
脆弱な非導電性の材料層が構造表面に結合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
第2の構造表面が弾性の非導電性材料層の上方に配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
弾性の非導電性材料層が、第2の構造表面に接する一又は複数のシーリングリブを含んでいる、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
脆弱な非導電性材料層が、破断可能な導体センスループを間に挟む二つの層を含んでいる、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
弾性の非導電性材料層が、導電性の腐食センスループを間に挟む二つの層を含んでいる、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
構造保全性を感知する方法であって、
中に破断可能な導体センスループを有する脆弱な非導電性材料を、構造表面の隣に配置するステップと、
中に導電性の腐食センスループを有する弾性の非導電性材料層を、脆弱な非導電性材料層の上に配置するステップであって、弾性の非導電性材料に設けられた少なくとも一つの水抜き孔に導電性の腐食センスループの一部を露出させるステップと、
構造表面の破損による、破断可能な導体センスループの破壊を感知するステップと、
導電性の腐食センスループの露出部分の腐食による、導電性の腐食センスループの電気的性質の変化を感知するステップと
を含む方法。
【請求項12】
破断可能な導体センスループ及び導電性の腐食センスループの両方に連結された電気的測定装置により、構造表面内の破損による破断可能な導体センスループの破壊と、導電性の腐食センスループの電気的性質の変化とを感知する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
無線通信タグによって、電気的測定装置を、破断可能な導体センスループ及び導電性の腐食センスループの両方に連結する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
回路式接続デバイスによって、電気的測定装置を、破断可能な導体センスループ及び導電性の腐食センスループの両方に連結する、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
破断可能な導体センスループと構造表面とが共通の材料を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
脆弱な非導電性材料層を構造表面に結合させる、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
第2の構造表面を弾性の非導電性材料層の上方に配置する、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
弾性の非導電性材料層が、第2の構造表面に接する一又は複数のシーリングリブを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
脆弱な非導電性材料層が、破断可能な導体センスループを間に挟む二つの層を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
弾性の非導電性材料層が、導電性の腐食センスループを間に挟む二つの層を含む、請求項11に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−501461(P2012−501461A)
【公表日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526148(P2011−526148)
【出願日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【国際出願番号】PCT/US2009/055720
【国際公開番号】WO2010/028035
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】