弾性表面波デバイス及び弾性表面波素子の使用方法
【課題】第1、第2の周波数以外の他の周波数を有する共振信号を取り出すことができなかった。
【解決手段】第1、第2の櫛形電極間に弾性表面波を励起するための入力信号を印加し、かつ、第3、第4の櫛形電極間に入力信号を実質的に印加しないことにより、第1、第2の周波数間に位置する第3の周波数を有する共振信号を生成する工程を含む。
【解決手段】第1、第2の櫛形電極間に弾性表面波を励起するための入力信号を印加し、かつ、第3、第4の櫛形電極間に入力信号を実質的に印加しないことにより、第1、第2の周波数間に位置する第3の周波数を有する共振信号を生成する工程を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)素子の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1に示され、また、図14(A)に示されるような従来の弾性表面波素子SD100では、圧電基板SB100に、対をなす第1、第2の櫛形電極CE101、CE102、及び、前記第1、第2の櫛形電極CE101、CE102に対応して対をなす第3、第4の櫛形電極CE103、CE104が設けられており、当該第1〜第4の櫛形電極CE101〜CE104を挟む位置に、対をなす第1、第2の反射器RF101、RF102が設けられている。
【0003】
上記した構成を有する弾性表面波素子SD100の使用方法について説明する。図14(A)に示されるように、端子T101a、端子101bから、弾性表面波を励起するための交流入力信号Sinを印加する。より詳しくは、第1、第2の櫛形電極CE101、CE102間の第1の電圧関係と、第3、第4の櫛形電極CE103、CE104間の第2の電圧関係とが「同相」になるように交流入力信号Sinを印加し、これにより、圧電基板SB100は、変位強度分布が「モードS0」になるように振動し、その結果として、当該モードS0に対応する、第1の周波数を有する共振信号Sout(S0)が生成され、当該共振信号Sout(S0)を、前記端子T101a、T101bに接続された電流電圧変換回路のような検出器(図示せず。)から取り出すことができる。なお、図14(A)は、端子T101aが+電圧になっており、端子T101bが−になっている時を示す。
【0004】
また、上記とは対照的に、図14(B)に示されるように、前記第1の電圧関係と前記第2の電圧関係とが、「逆相」になるように交流入力信号Sinを印加した場合、圧電基板SB100は、変位強度分布が「モードA0」になるように振動し、その結果として、当該モードA0に対応する、前記第1の周波数より高い第2の周波数を有する共振信号Soutが生成され、当該共振信号Sout(A0)を取り出すことができる。
【0005】
【特許文献1】特開平1−252016号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記した従来の弾性表面波素子SD100の使用方法では、モードS0に対応する前記第1の周波数を有する共振信号Sout、及びモードA0に対応する前記第2の周波数を有する共振信号Soutという2つの共振信号しか取り出すことができず、他の周波数を有する共振信号を取り出すことができないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決すべく、本発明に係る第1の弾性表面波デバイスは、
圧電基板と、
前記圧電基板上に配置された第1、第2の櫛形電極ユニットであって、当該第1の櫛形電極ユニットが第1、第2の櫛形電極からなり、当該第2の櫛形電極ユニットが、前記第1、第2の櫛形電極に対応する第3、第4の櫛形電極からなる前記第1、第2の櫛形電極ユニットと、
前記圧電基板上で前記第1、第2の櫛形電極ユニットを挟む位置に設けられた一対の反射器と、を有する弾性表面波素子と、
外部から信号が入力される第1の端子及び第2の端子と、
を備えた弾性表面波デバイスであって、
前記第1の端子と前記第1の櫛形電極とが、電気的に接続されており、
前記第2の端子と前記第2の櫛形電極とが、電気的に接続されており、
前記第1の端子と前記第3の櫛形電極とが、第1の可変抵抗器を介して電気的に接続されており、
前記第1の端子と前記第4の櫛形電極とが、第2の可変抵抗器を介して電気的に接続されており、
前記第2の端子と前記第3の櫛形電極とが、第3の可変抵抗器を介して電気的に接続されており、
前記第1の端子と前記第4の櫛形電極とが、第4の可変抵抗器を介して電気的に接続されており、
前記第1の可変抵抗器、前記第2の可変抵抗器、前記第3の可変抵抗器、及び前記第4の可変抵抗器の抵抗値の調整により、前記弾性表面波素子の共振周波数が変わる。
【0008】
上記した第1の弾性表面波デバイスでは、
(1)前記第1の可変抵抗器の抵抗値及び前記第4の可変抵抗器の抵抗値を実質的に0とし、前記第2の可変抵抗器の抵抗値及び前記第3の可変抵抗器の抵抗値を実質的に無限大として、前記弾性表面波素子の前記共振周波数を第1の周波数にする第1の状態と、(2)前記第1の可変抵抗器の抵抗値及び前記第4の可変抵抗器の抵抗値を実質的に無限大とし、前記第2の可変抵抗器の抵抗値及び前記第3の可変抵抗器の抵抗値を実質的に0として、前記弾性表面波素子の前記共振周波数を第2の周波数にする第2の状態と、(3)前記第1の可変抵抗器の抵抗値、前記第2の可変抵抗器の抵抗値、前記第3の可変抵抗器の抵抗値及び前記第4の可変抵抗器の抵抗値を実質的に無限大とし、前記弾性表面波素子の前記共振周波数を第3の周波数にする第3の状態と、を切り替える切替ユニットを更に備える。
【0009】
本発明に係る第2の弾性表面波デバイスは、
圧電基板と、
前記圧電基板上に配置された第1、第2の櫛形電極ユニットであって、当該第1の櫛形電極ユニットが第1、第2の櫛形電極からなり、当該第2の櫛形電極ユニットが、前記第1、第2の櫛形電極に対応する第3、第4の櫛形電極からなる前記第1、第2の櫛形電極ユニットと、
前記圧電基板上で前記第1、第2の櫛形電極ユニットを挟む位置に設けられた一対の反射器と、を有する弾性表面波素子と、
外部から信号が入力される第1の端子及び第2の端子と、
前記第3の櫛形電極、前記第4の櫛形電極、及び開放端のいずれかを、前記第1の端子に電気的に接続する第1のスイッチ部と、
前記第4の櫛形電極、前記第3の櫛形電極、及び開放端のいずれかを、前記第2の端子に電気的に接続する第2のスイッチ部と、
(1)前記第1のスイッチ部において前記第1の端子と前記第3の櫛形電極との間を電気的に接続し、前記第2のスイッチ部において前記第2の端子と前記第4の櫛形電極との間を電気的に接続する第1の状態と、(2)前記第1のスイッチ部において前記第1の端子と前記第4の櫛形電極との間を電気的に接続し、前記第2のスイッチ部において前記第2の端子と前記第3の櫛形電極との間を電気的に接続する第2の状態と、(3)前記第1のスイッチ部において前記第1の端子と前記開放端とを接続し、前記第2のスイッチ部において前記第2の端子と前記開放端とを接続する第3の状態と、のいずれかの状態になるように前記第1のスイッチ部及び前記第2のスイッチ部の接続動作を制御するスイッチ制御部と、を備える。
【0010】
本発明に係る第3の弾性表面波デバイスは、
圧電基板と、
前記圧電基板上に配置された第1、第2の櫛形電極ユニットであって、当該第1の櫛形電極ユニットが第1、第2の櫛形電極からなり、当該第2の櫛形電極ユニットが、前記第1、第2の櫛形電極に対応する第3、第4の櫛形電極からなる前記第1、第2の櫛形電極ユニットと、前記圧電基板上で前記第1、第2の櫛形電極ユニットを挟む位置に設けられた一対の反射器と、を有する弾性表面波素子と、
外部から信号が入力される第1の端子及び第2の端子と、
を備えた弾性表面波デバイスであって、
前記第1の櫛形電極及び前記第3の櫛形電極は前記第1の端子に接続されており、
前記第2の櫛形電極及び前記第4の櫛形電極は前記第2の端子に接続されており、
前記弾性表面波素子の共振周波数が、前記第1の端子と前記第3の櫛形電極との間の抵抗値である第1の抵抗値、前記第1の端子と前記第4の櫛形電極との間の抵抗値である第2の抵抗値、前記第2の端子と前記第3の櫛形電極との間の抵抗値である第3の抵抗値、及び前記第1の端子と前記第4の櫛形電極との間の抵抗値である第4の抵抗値に基づき、決定された共振周波数である。
【0011】
上記した本発明に係る第1の弾性表面波デバイスでは、
(1)前記第1の抵抗値及び前記第4の抵抗値を実質的に0とし、前記第2の抵抗値及び前記第3の抵抗値を実質的に無限大として、前記弾性表面波素子の前記共振周波数を第1の周波数にする第1の状態と、(2)前記第1の抵抗値及び前記第4の抵抗値を実質的に無限大とし、前記第2の抵抗値及び前記第3の抵抗値を実質的に0として、前記弾性表面波素子の前記共振周波数を第2の周波数にする第2の状態と、(3)前記第1の抵抗値、前記第2の抵抗値、前記第3の抵抗値及び前記第4の抵抗値を実質的に無限大とし、前記弾性表面波素子の前記共振周波数を第3の周波数にする第3の状態と、を切り替える切替ユニットを更に備える。
【0012】
上記した本発明に係る第1、第2、第3の弾性表面波デバイスによれば、上記したように前記抵抗値を調整することにより、又は、接続状態を切り替えることにより、所望の共振周波数を有する信号を得ることが可能となる。
【0013】
本発明に係る第1の弾性表面波素子の使用方法は、
圧電基板と、
前記圧電基板上に配置された第1、第2の櫛形電極ユニットであり、当該第1の櫛形電極ユニットが第1、第2の櫛形電極からなり、当該第2の櫛形電極ユニットが、前記第1、第2の櫛形電極に対応する第3、第4の櫛形電極からなる前記第1、第2の櫛形電極ユニットと、
前記圧電基板上で前記第1、第2の櫛形電極ユニットを挟む位置に設けられた一対の反射器と、を有する弾性表面波素子の使用方法であって、
前記第1、第2の櫛形電極間に前記弾性表面波素子を励起するための入力信号を印加し、かつ、前記第3、第4の櫛形電極間に前記入力信号を実質的に印加しないことにより、前記第1、第2の櫛形電極間及び前記第3、第4の櫛形電極間への前記入力信号の印加を前記第1の櫛形電極の電圧及び前記第2の櫛形電極の電圧間の第1の関係と前記第3の櫛形電極の電圧及び前記第4の櫛形電極の電圧間の第2の関係とが実質的に同相になるように行うことにより得られる第1の共振信号の第1の周波数と、前記第1の関係と前記第2の関係とが実質的に逆相になるように行うことにより得られる第2の共振信号の第2の周波数との間に位置する第3の周波数を有する第3の共振信号を生成する生成工程を含む。
【0014】
本発明に係る第2の弾性表面波素子の使用方法は、
圧電基板と、
前記圧電基板上に配置された第1、第2の櫛形電極ユニットであり、当該第1の櫛形電極ユニットが第1、第2の櫛形電極からなり、当該第2の櫛形電極ユニットが、前記第1、第2の櫛形電極に対応する第3、第4の櫛形電極からなる前記第1、第2の櫛形電極ユニットと、
前記圧電基板上で前記第1、第2の櫛形電極ユニットを挟む位置に設けられた一対の反射器と、を有する弾性表面波素子の使用方法であって、
前記第1、第2の櫛形電極間、及び、前記第3、第4の櫛形電極間への、前記弾性表面波素子を励起するための入力信号の印加を、前記第1の櫛形電極の電圧と前記第2の櫛形電極の電圧との第1の関係が、前記第3の櫛形電極の電圧と前記第4の櫛形電極の電圧との第2の関係と実質的に同相となるように行うことにより、第1の周波数を有する第1の共振信号を生成する第1の生成工程と、
前記第1、第2の櫛形電極間、及び、前記第3、第4の櫛形電極間への前記入力信号の印加を、前記第1関係が、前記第2の関係と実質的に逆相となるように行うことにより、前記第1の周波数より高い第2の周波数を有する第2の共振信号を生成する第2の生成工程と、
前記第1、第2の櫛形電極間に前記入力信号を印加し、かつ、前記第3、第4の櫛形電極間に前記入力信号を実質的に印加しないことにより、前記第1の周波数及び前記第2の周波数間に位置する第3の周波数を有する第3の共振信号を生成する第3の生成工程と、のうちのいずれかを選択的に実行する。
【0015】
上記本発明に係る第1、第2の弾性表面波素子の使用方法によれば、前記第3の工程では、前記第1、第2の櫛形電極間に前記入力信号を印加し、かつ、前記第3、第4の櫛形電極間に前記入力信号を実質的に印加しないことにより、前記第1の周波数及び前記第2の周波数間に位置する第3の周波数を有する第3の共振信号を生成することから、前記第1の周波数を有する第1の共振信号及び前記第2の周波数を有する第2の共振信号という2つの共振信号以外の共振信号を得ることができる。
【0016】
本発明に係る第3の弾性表面波素子の使用方法は、
圧電基板と、
前記圧電基板上に配置された第1、第2の櫛形電極ユニットであり、当該第1の櫛形電極ユニットが第1、第2の櫛形電極からなり、当該第2の櫛形電極ユニットが、前記第1、第2の櫛形電極に対応する第3、第4の櫛形電極からなる前記第1、第2の櫛形電極ユニットと、
前記圧電基板上で前記第1、第2の櫛形電極ユニットを挟む位置に設けられた一対の反射器と、を有する弾性表面波素子の使用方法であって、
前記第1、第2の櫛形電極間、及び、前記第3、第4の櫛形電極間への、前記弾性表面波素子を励起するための入力信号の印加を、前記第1の櫛形電極の電圧と前記第2の櫛形電極の電圧との関係が、前記第3の櫛形電極の電圧と前記第4の櫛形電極の電圧との関係と実質的に同相又は逆相となり、かつ、前記第3、第4の櫛形電極間の第1のインピーダンスが、前記第1、第2の櫛形電極間の第2のインピーダンスより大きくなるように行うことにより、前記第1のインピーダンスにより規定される周波数を有する共振信号を生成する生成工程を含む。
【0017】
上記本発明に係る第3の弾性表面波素子の使用方法によれば、前記第1、第2の櫛形電極間、及び、前記第3、第4の櫛形電極間への前記入力信号の印加を、前記両電圧関係が実質的に同相又は逆相となり、かつ、前記第1のインピーダンスが、前記第2のインピーダンスより大きくなるように行うことにより、前記第1のインピーダンスにより規定される周波数を有する共振信号を生成することから、当該第1のインピーダンスを変えることにより、前記第1、第2の周波数以外の周波数を有する共振信号を得ることができる。
【0018】
上記した本発明に係る第1、第2の弾性表面波素子の使用方法では、
前記第1の櫛形電極ユニットと、前記第2の櫛形電極ユニットは、実質的に同一の構造である。
【0019】
これにより、前記第3の周波数を、実質的に、前記第1の周波数及び前記第2の周波数間の中間に設定することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明に係る弾性表面波素子の使用方法の実施例について図面を参照して説明する。
【0021】
《実施例1》
図1は、実施例1の弾性表面波素子の構成を示す。実施例1の弾性表面波素子SD1は、図1に示されるように、圧電基板SB1と、第1、第2の櫛形電極ユニットCEU1、CEU2と、第1、第2の反射器RF1、RF2とを含む。
【0022】
圧電基板SB1は、例えば、レイリー型表面波で動作可能な面内回転STカット水晶板である。
【0023】
第1、第2の櫛形電極ユニットCEU1、CEU2は、いわゆる「横結合」されており、第1の櫛形電極ユニットCEU1は、一対の第1、第2の櫛形電極CE1、CE2からなり、また、第2の櫛形電極ユニットCEU2もまた、一対の第3、第4の櫛形電極CE3、CE4からなる。そして第1の櫛形電極ユニットCEU1と第2の櫛形電極ユニットCEU2は、弾性表面波の伝搬方向に直角に互いに隣接するように配置されている。第1の櫛形電極CE1は、3つの電極指EF1、EF2、EF3と、それら電極指EF1〜EF3を電気的に接続するバスバーBB1とを備えている。電極指EF1〜EF3は、圧電基板SB1の幅方向に延びる形状であるとともに、圧電基板SB1の長手方向すなわち弾性表面波の伝搬方向に向かって周期的に配置されている。物理的な構成(配置及び形状)並びに電気的な機能の観点から、第1の櫛形電極CE1と第3の櫛形電極CE3とが対応し、また、第2の櫛形電極CE2と第4の櫛形電極CE4とが対応する。より具体的には、前記圧電基板SB1の長手方向の位置について、第1の櫛形電極CE1の電極指のそれぞれと、第3の櫛形電極CE3の電極指のそれぞれとが対応している。そして、前記圧電基板SB1の長手方向の位置について、第2の櫛形電極CE2の電極指のそれぞれと、第4の櫛形電極CE4の電極指のそれぞれとが対応している。
【0024】
第1、第2の反射器RF1、RF2は、圧電基板SB1上で、前記第1、第2の櫛形電極ユニットCEU1、CEU2を挟む位置に設けられている。
【0025】
図2、図3、及び図4は、実施例1の弾性表面波素子の使用方法を示す。実施例1の弾性表面波素子SD1の使用方法は、より正確には、弾性表面波素子SD1及び端子T1a、T1bからなる弾性表面波デバイスSDEV1の使用方法は、(1)第1の周波数f1を有する第1の共振信号を生成する第1の使用態様、(2)前記第1の周波数f1より高い第2の周波数f2を有する第2の共振信号を生成する第2の使用態様、(3)前記第1の周波数f1と前記第2の周波数f3との間に位置する第3の周波数f3を有する第3の共振信号を生成する第3の使用態様からなる。
【0026】
〈第1の使用態様〉
第1の使用態様では、図2に示されるように、入力信号源ISから与えられる交流入力信号Sinを印加するための端子T1a、T1bについて、端子T1aと、第2、第4の櫛形電極CE2、CE4とが電気的に接続されており、かつ、端子T1bと、第1、第3の櫛形電極CE1、CE3とが電気的に接続されている。
【0027】
弾性表面波素子SD1に端子T1a、T1bから交流入力信号Sinを印加すると、第1の櫛形電極CE1に供給される交流信号と「同相」の交流信号が、第3の櫛形電極CE3に印加される。また、第2の櫛形電極CE2に供給される交流信号と「同相」の交流信号が、第4の櫛形電極CE4に印加される。より具体的には、第1の櫛形電極CE1の電極指に印加される交流信号の位相と、第3の櫛形電極CE3の電極指に印加される交流信号の位相とが、同じである。更に、第2の櫛形電極CE2の電極指に印加される交流信号の位相と、第4の櫛形電極CE4の電極指に印加される交流信号の位相とが、同じである。例えば、第1の櫛形電極CE1の電圧値が−V1であり第2の櫛形電極CE2の電圧値が+V1であるときに、第3の櫛形電極CE3の電圧値が−V1であり第4の櫛形電極CE4の電圧値が+V1である。これにより、圧電基板SB1は、変位強度分布が「モードS0」になるように共振する。この結果、端子T1a、T1bに接続された電流電圧変換器のような検出器(図示せず。)で、出力信号として、モードS0に対応する第1の周波数f1を有する共振信号Soutを取り出すことができる。
【0028】
〈第2の使用態様〉
第2の使用態様では、図3に示されるように、第1の使用態様のときと異なり、端子T1aと、第2、第3の櫛形電極CE2、CE3とが電気的に接続されており、かつ、端子T1bと、第1、第4の櫛形電極CE1、CE4とが電気的に接続されている。
【0029】
第1の使用態様のときと同様に、弾性表面波素子SD1に端子T1a、T1bから、交流入力信号Sinを印加すると、第1の使用態様のときと異なり、第1の櫛形電極CE1に供給される交流信号と「逆相」の交流信号が、第3の櫛形電極CE3に印加される。また、第2の櫛形電極CE2に供給される交流信号と「逆相」の交流信号が、第4の櫛形電極CE4に印加される。より具体的には、第1の櫛形電極CE1の電極指に印加される交流信号の位相と、第3の櫛形電極CE3の電極指に印加される交流信号の位相との間に、180°の差がある。更に、第2の櫛形電極CE2の電極指に印加される交流信号の位相と、第4の櫛形電極CE4の電極指に印加される交流信号の位相との間に、180°の差がある。例えば、第1の櫛形電極CE1の電圧値が−V1であり第2の櫛形電極CE2の電圧値が+V1であるときに、第3の櫛形電極CE3の電圧値が+V1であり第4の櫛形電極CE4の電圧値が−V1である。これにより、圧電基板SB1は、変位強度分布が「モードA0」になるように共振する。この結果、端子T1a、T1bに接続された前記検出器で、出力信号として、第1の周波数f1より高い第2の周波数f2を有し、モードA0に対応した共振信号Soutを取り出すことができる。
【0030】
〈第3の使用態様〉
第3の使用態様では、図4に示されるように、第1、第2の使用態様のときと異なり、端子T1aと第2の櫛形電極CE2とが電気的に接続されており、端子T1bと第1の櫛形電極CE1とが電気的に接続されており、かつ、第3、第4の櫛形電極CE3、CE4は、開放されている。より正確には、第1、第2の櫛形電極CE1、CE2間の入力インピーダンスに比して、第3、第4の櫛形電極CE3、CE4間の入力インピーダンスが高くなっている。
【0031】
第1、第2の使用態様のときと同様に、弾性表面波素子SD1に端子T1a、T1bから、交流入力信号Sinを印加すると、第1、第2の使用態様のときと異なり、圧電基板SB1は、変位強度分布がモード(S0+A0)になるように共振する。モード(S0+A0)は、モードS0の変位強度分布とモードA0の変位強度分布とを足し合わせた変位強度分布を有する。この結果、端子T1a、T1bに接続された前記検出器で、出力信号として、前記第1の周波数f1及び前記第2の周波数f2間に位置する第3の周波数f3を有する第3の共振信号Sout(S0+A0)を取り出すことができる。
【0032】
実施例1の弾性表面波素子SD1の使用方法では、図4を参照して説明したように、第3、第4の櫛形電極CE3、CE4間の入力インピーダンスが、第1、第2の櫛形電極CE1、CE2間の入力インピーダンスに比して大きい条件下で、前記第1、第2の櫛形電極CE1、CE2に交流入力信号Sinを与えることにより、圧電基板SB1の変位強度分布がモード(S0+A0)となる。これにより、前記モード(S0+A0)に対応する、従来の第1、第2の周波数f1、f2と異なる前記第3の周波数f3を有する共振信号Sout(S0+A0)を得ることが可能となる。なお、図4にて説明した弾性表面波素子SD1の使用方法では、第3、第4の櫛形電極CE3、CE4間は、電気的に開放されているため、その間の入力インピーダンスが著しく大きな値となっている。
【0033】
〈変形例1〉
上記した第1、第2の櫛形電極ユニットCEU1、CEU2が、物理的に、例えば、大きさ、形状、向き等が同一であり、かつ、第3、第4の櫛形電極CE3、CE4間の入力インピーダンスが著しく大きな値である場合、前記第3の周波数f3は、前記第1の周波数f1及び前記第2の周波数f2間の中間、即ち、(f1+f2)/2になり、当該(f1+f2)/2である第3の周波数f3を有する共振信号Sout(S0+A0)を得ることが可能となる。なお、第3、第4の櫛形電極CE3、CE4間の入力インピーダンスを著しく大きな値とするには、図4にて説明したように、第3、第4の櫛形電極CE3、CE4間を電気的に開放することによって実現できる。
【0034】
〈変形例2〉
上記した実施例1の第1〜第4の櫛形電極CE1〜CE4についての配線は、図5に示される構成における抵抗器R1a、R1b、R2a、R2bの抵抗値を変えることと等価である。より詳しくは、(a)端子T1aと第2の櫛形電極CE2とが接続されており、(b)第2の櫛形電極CE2と、第3、第4の櫛形電極CE3、CE4との間に、それぞれ、抵抗器R1a、R2aが設けられており、また、(c)端子T1bと第1の櫛形電極CE1とが接続されており、(d)第1の櫛形電極CE1と、第3、第4の櫛形電極CE3、CE4との間に、それぞれ、抵抗器R2b、R1bが設けられている。
【0035】
上記のような構成の下に、(A1)抵抗器R2a、R2bの抵抗値を「0」にし、他方で、抵抗器R1a、R1bの抵抗値を「∞」(実質的には、図6のグラフ上での抵抗値R∞(例えば、約500Ω)以上。以下同様。)にすることにより、上記した第1の使用態様のときの配線と同一になり、図6に示されるように、前記第1の周波数f1を有する前記共振信号Soutを生成することができる。
【0036】
また、(A2)抵抗器R1a、R1bの抵抗値を「0」にし、他方で、抵抗器R2a、R2bの抵抗値を「∞」にすることにより、上記した第2の使用態様のときの配線と同一になり、図6に示されるように、第2の周波数f2を有する前記共振信号Soutを生成することができる。
【0037】
更に、(A3)抵抗器R1a、R1b、R2a、R2bの4つの抵抗値を「∞」にすることにより、上記した第3の使用態様のときの配線と同一となり、図6に示されるように、第3の周波数f3を有する共振信号Soutを生成することができる。
【0038】
〈変形例3〉
上記した変形例2と異なり、より具体的には、上記した(A1)との比較で、(B1)抵抗器R2a、R2bの抵抗値を「0」にするものの、抵抗器R1a、R1bの抵抗値を「∞」にせずに、「0」から「∞」までの範囲内で変えることにより(例えば、可変抵抗器を用い、又は、トリミング技術による。)、図6に示されるように、第1の周波数f1から第3の周波数f3までの範囲の周波数f4を有する共振信号を生成することができる。
【0039】
また、上記した(A2)との比較で、(B2)抵抗器R1a、R1bの抵抗値を「0」にするものの、抵抗器R2a、R2bの抵抗値を「∞」にせずに、「0」から「∞」までの範囲内で変えることにより、図6に示されるように、第2の周波数f2から第3の周波数f3までの範囲内の周波数f5を有する共振信号を生成することができる。
【0040】
図7は、実施例1の弾性表面波素子を備える弾性表面波デバイスを含む発振装置の構成を示し、図8は、実施例1の弾性表面波デバイスの動作を示す。
【0041】
上記した実施例1の第1〜第4の櫛形電極CE1〜CE4についての配線は、図7に示される構成における切替ユニットSWUの第1のスイッチ部SW1及び第2のスイッチ部SW2の接続状態をスイッチ制御部SWCNTによって切り替えることが可能な弾性表面波デバイスSDEV1により実現できる。
【0042】
第1のスイッチ部SW1は、第3の櫛形電極ユニットCE3に接続されたノードND1(3)、第4の櫛形電極ユニットCE4に接続されたノードND1(4)、及び開放端OT1のいずれかを、端子T1aに電気的に接続するスイッチである。
【0043】
第2のスイッチ部SW2は、第4の櫛形電極ユニットCE4に接続されたノードND2(4)、第3の櫛形電極ユニットCE3に接続されたノードND2(3)、及び開放端OT2のいずれかを、端子T1bに電気的に接続するスイッチである。
【0044】
そして、スイッチ制御部SWCNTは、第1のスイッチ部SW1の接続状態及び第2のスイッチ部SW2の接続状態を同期して切り替える制御部である。スイッチ制御部SWCNTは、次の3つの接続状態を有する。
【0045】
第1の接続状態は、図8(A)に示されるように、第1のスイッチ部SW1において第1の端子T1aと第3の櫛形電極ユニットCE3に接続されたノードND1(3)との間を電気的に接続し、かつ、第2のスイッチ部SW2において第2の端子T1bと第4の櫛形電極ユニットCE4に接続されたノードND2(4)との間を電気的に接続した状態である(モードS0)。このとき、R2a=R2b=0(R1a=R1b=∞)と等価になり、図6に示したように弾性表面波素子の共振周波数はf1となる。
【0046】
第2の接続状態は、図8(B)に示されるように、第1のスイッチ部SW1において第1の端子T1aと第4の櫛形電極ユニットCE4に接続されたノードND1(4)との間を電気的に接続し、かつ、第2のスイッチ部SW2において第2の端子T1bと第3の櫛形電極ユニットCE3に接続されたノードN2(3)との間を電気的に接続した状態である(モードA0)。このとき、R1a=R1b=0(R2a=R2b=∞)と等価になり、図6に示したように弾性表面波素子の共振周波数はf2となる。
【0047】
第3の接続状態は、図8(C)に示されるように、第1のスイッチ部SW1において第1の端子T1aと開放端OT1とを接続し、第2のスイッチ部SW2において第2の端子T1bと開放端OT2とを接続する状態である(モード(S0+A0))。このとき、R1a=R1b=R2a=R2b=∞と等価になり、図6に示したように弾性表面波素子の共振周波数はf3となる。
【0048】
スイッチ制御部SWCNTによって、第1のスイッチ部SW1と第2のスイッチ部SW2の接続状態を、第1〜第3の接続状態のいずれかに切り替えることにより、弾性表面波素子SD1の共振周波数をf1、f2及びf3のいずれかに切り替えることを実現している。これにより、圧電体基板上に2つの櫛歯電極ユニットCE1及びCE2を構成した1つの弾性表面波素子を使用して、3つの周波数f1、f2及びf3のいずれかの共振周波数で共振する弾性表面波デバイスを実現できる。
【0049】
なお図7の弾性表面波デバイスSDEV1の端子T1a、T1bに、増幅器として反転増幅器INを接続することにより、1つの弾性表面波素子SD1を用いて3つの周波数の発振信号を出力することができる発振装置OSC1を構成している。
【0050】
《実施例2》
図9は、実施例2の弾性表面波素子の構成及び使用方法を示す。実施例2の弾性表面波素子SD10は、実施例1の弾性表面波素子SD1と同様に、圧電基板SB10と、第1、第2の櫛形電極ユニットCEU11、CEU12と、反射器RF11、RF12とからなる。
【0051】
実施例1の第1、第2の櫛形電極ユニットCEU1、CEU2と同様に、実施例2でもまた、第1、第2の櫛形電極ユニットCEU11、12は、「横結合」(櫛形電極ユニットが弾性表面波の伝搬方向に対し垂直な方向に沿って配置されているタイプ)されており、更に、第1の櫛形電極ユニットCEU11は、第1、第2の櫛形電極CE11、CE12を有し、同様に第2の櫛形電極ユニットCEU12は、第3、第4の櫛形電極CE13、CE14を有する。
【0052】
他方で、実施例1の反射器RF1、RF2と異なり、反射器RF11は、サブ反射器RF11a、RF11bからなり、また、反射器RF12は、サブ反射器RF12a、RF12bからなる。
【0053】
反射器RF11については、サブ反射器RF11bが、第4の櫛形電極CE14に接続されており、サブ反射器RF11bへの電圧の印加により、第4の櫛形電極CE14の電位を前記サブ反射器RF11bに印加した電圧と同一にすることができる。
【0054】
同様にして、反射器RF12については、サブ反射器RF12aが、第2の櫛形電極CE12に接続されており、これにより、サブ反射器RF12aへの電圧の印加により、第2の櫛形電極CE12の電位を前記サブ反射器RF12aに印加した電圧と同一にすることができる。
【0055】
実施例2の弾性表面波素子SD10の使用方法は、実施例1の弾性表面波素子SD1の使用方法と同様に、第1の使用態様、第2の使用態様、及び、第3の使用態様からなり、実施例2の各使用態様により得られる効果は、実施例1での対応する使用態様により得られる効果と同様である。以下、実施例2の使用態様を、実施例1の使用態様との差異を中心に説明する。
【0056】
〈第1の使用態様〉
端子T10aと、第1、第3の櫛形電極CE11、13とが接続されており、端子T10bと、サブ反射器RF11b、RF12aとが接続されている。
【0057】
図9(A)に示されるように、端子T10a、T10bから交流入力信号Sinを印加することにより、例えば、「+」電圧の入力信号Sinが、第1、第3の櫛形電極CE11、CE13に直接印加され、また、「−」電圧の入力信号Sinが、第2の櫛形電極CE12にサブ反射器RF12aを介して印加され、第4の櫛形電極CE14にサブ反射器RF11bを介して印加される。この結果、実施例1での第1の使用態様と同様に、第1、第2の櫛形電極CE11、CE12間の電圧関係と、第3、第4の櫛形電極CE13、14間の電圧関係とが「同相」になり、これにより、実施例1の第1の使用態様と同様に、第1の周波数f1を有する共振信号Sout(S0)を得ることができる。
【0058】
〈第2の使用態様〉
端子T10aと、第1の櫛形電極CE11及びサブ反射器RF11bとが接続されており、端子T10bと、第3の櫛形電極CE13及びサブ反射器RF12aとが接続されている。
【0059】
図9(B)に示されるように、端子T10a、T10bから入力信号Sinを印加することにより、例えば、「+」電圧の入力信号Sinが、第1の櫛形電極CE11に直接印加され、第4の櫛形電極CE14にサブ反射器RF11bを介して印加され、また、「−」電圧の入力信号Sinが、第3の櫛形電極CE13に直接印加され、第2の櫛形電極CE12にサブ反射器RF12aを介して印加される。この結果、実施例1での第2の使用態様と同様に、第1、第2の櫛形電極CE11、CE12間の電圧関係と、第3、第4の櫛形電極CE13、14間の電圧関係とが「逆相」になり、これにより、実施例1の第2の使用態様と同様に、第2の周波数f2を有する共振信号Sout(A0)を得ることができる。
【0060】
〈第3の使用態様〉
端子T10aと第1の櫛形電極CE11とが接続されており、端子T10bとサブ反射器RF12aとが接続されており、第3の櫛形電極CE13及びサブ反射器RF11bは、開放されている。
【0061】
図9(C)に示されるように、端子T10a、T10bから入力信号Sinを印加することにより、例えば、「+」電圧の入力信号Sinが、第1の櫛形電極CE11に直接印加され、「−」電圧の入力信号Sinが、第2の櫛形電極CE12にサブ反射器RF12aを介して印加され、他方で、入力信号Sinは、第3、第4の櫛形電極CE13、CE14には印加されない。この結果、実施例1の第3の使用態様と同様に、第3の周波数f3を有する共振信号Sout(S0+A0)を得ることができる。
【0062】
上述したように、実施例2の弾性表面波素子SD10の使用方法では、実施例1の弾性表面波素子SD1の使用方法と同様に、第3の周波数f3を有する共振信号Sout(S0+A0)を得ることができる。
【0063】
〈変形例1〉
実施例1の変形例1と同様に、第1、第2の櫛形電極ユニットCEU11、CEU12が、物理的に同一であるときには、前記第3の周波数f3は、前記第1の周波数f1及び前記第2の周波数f2間の中間、即ち、(f1+f2)/2になり、当該(f1+f2)/2である第3の周波数f3を有する共振信号Sout(S0+A0)を得ることが可能となる。
【0064】
〈変形例2〉
図10は、実施例2の変形例2の弾性表面波素子の配線を示す。上記した実施例2の第1〜第4の櫛形電極CE11〜CE14についての配線は、図10に示される構成における抵抗器R11a、R11b、R12a、R12bの抵抗値を変えることと等価である。より詳しくは、(a)端子T10aと第1の櫛形電極CE11とが接続されており、(b)端子T10aと、サブ反射器RF11b、第3の櫛形電極CE13との間には、それぞれ、抵抗器R12b、R11bが設けられており、また、(c)端子T10bとサブ反射器RF12aとが接続されており、(d)端子T10bと、サブ反射器RF11b、第3の櫛形電極CE13との間には、それぞれ、抵抗器R11a、R12aが設けられている。
【0065】
上記のような構成の下に、(A1)抵抗器R11a、R11bの抵抗値を「0」にし、他方で、抵抗器R12a、R12bの抵抗値を「∞」にすることにより、上記した第1の使用態様のときの配線と同一になり、前記第1の周波数f1を有する前記共振信号Sout(S0)を生成することができる。
【0066】
また、(A2)抵抗器R12a、R12bの抵抗値を「0」にし、他方で、抵抗器R11a、R11bの抵抗値を「∞」にすることにより、上記した第2の使用態様のときの配線と同一になり、前記第2の周波数f2を有する前記共振信号Sout(A0)を生成することができる。
【0067】
更に、(A3)抵抗器R11a、R11b、R12a、R12bの4つの抵抗値を「∞」にすることにより、上記した第3の使用態様のときと配線と同一となり、前記第3の周波数f3を有する共振信号Sout(S0+A0)を生成することができる。
【0068】
〈変形例3〉
上記した変形例2と異なり、実施例1の変形例3と同様にして、上記した(A1)との比較で、(B1)抵抗器R11a、R11bの抵抗値を「0」にするものの、抵抗器R12a、R12bの抵抗値を「∞」にせずに、「0」から「∞」までの範囲内で変えることにより、第1の周波数f1から第3の周波数f3までの範囲の第4の周波数f4(図6に図示。)を有する共振信号を生成することができる。
【0069】
また、上記した(A2)との比較で、(B2)抵抗器R12a、R21bの抵抗値を「0」にするものの、抵抗器R11a、R11bの抵抗値を「∞」にせずに、「0」から「∞」までの範囲内で変えることにより、第2の周波数f2から第3の周波数f3までの範囲内の第5の周波数f5(図6に図示。)を有する共振信号を生成することができる。
【0070】
実施例1の弾性表面波素子SD1を備えた実施例1の弾性表面波デバイスSDEV1(図7、図8に図示。)及び発振装置OSC1(図7に図示。)と同様に、実施例2の弾性表面波素子SD10と、第1、第2のスイッチ部SW1、SW2と、端子T10a、T10bを設けることにより実施例2の弾性表面波デバイス(図示せず。)を構成することができ、加えて、当該実施例2の弾性表面波デバイス(より正確には、第1、第2のスイッチ部SW1、SW2に代えて切替ユニットSWUを有する実施例2の弾性表面波デバイス)と、反転増幅器INとにより、実施例2の発振装置(図示せず。)を構成することができる。
【0071】
《実施例3》
図11は、実施例3の弾性表面波素子の構成を示す。実施例3の弾性表面波素子SD20は、実施例1、実施例2の弾性表面波素子SD1、SD10と同様に、圧電基板SB20と、第1、第2の櫛形電極ユニットCEU21、CEU22と、反射器RF21、RF22とを含む。
【0072】
また、実施例1、実施例2の第1、第2の櫛形電極ユニットCEU1、CEU2、CEU11、CEU12と同様に、実施例3でもまた、第1の櫛形電極ユニットCEU21は、第1、第2の櫛形電極CE21、CE22を有し、同様に第2の櫛形電極ユニットCEU22は、第3、第4の櫛形電極CE23、CE24を有する。
【0073】
他方で、実施例1、実施例2の第1、第2の櫛形電極ユニットCEU1、CEU2、CEU11、CEU12の「横結合」と異なり、実施例3では、第1、第2の櫛形電極ユニットCEU21、CEU22は、いわゆる「縦結合」(櫛形電極ユニットが弾性表面波の伝搬方向に沿って配置されているタイプ)されている。
【0074】
実施例3の弾性表面波素子SD20の使用方法は、実施例1の弾性表面波素子SD1の使用方法と同様に、第1の使用態様、第2の使用態様、及び、第3の使用態様からなり、実施例3の各使用態様により得られる効果は、実施例1での対応する使用態様により得られる効果と同様である。以下、実施例3の弾性表面波素子SD20の使用態様を、実施例1の弾性表面波素子SD1の使用態様との差異を中心に説明する。
【0075】
〈第1の使用態様〉
図12(A)に示されるように、弾性表面波素子SD20に交流入力信号Sinを印加することにより、即ち、例えば、「+」電圧の入力信号Sinを第1、第3の櫛形電極CE21、23に印加し、かつ、「−」電圧の入力信号Sinを第2、第4の櫛形電極CE22、24に印加することにより、実施例1の第1の使用態様と同様に、第1、第2の櫛形電極CE21、CE22間の電圧関係と、第3、第4の櫛形電極CE23、24間の電圧関係とが「同相」になり、これにより、実施例1の第1の使用態様と同様に、第1の周波数f1を有する共振信号Sout(S0)を得ることができる。
【0076】
〈第2の使用態様〉
図12(B)に示されるように、弾性表面波素子SD20に入力信号Sinを印加することにより、即ち、例えば、「+」電圧の入力信号Sinを第1、第4の櫛形電極CE21、24に印加し、かつ、「−」電圧の入力信号Sinを第2、第3の櫛形電極CE22、23に印加することにより、実施例1の第2の使用態様と同様に、第1、第2の櫛形電極CE21、CE22間の電圧関係と、第3、第4の櫛形電極CE23、24間の電圧関係とが「逆相」になり、これにより、実施例1の第2の使用態様と同様に、第2の周波数f2を有する共振信号Sout(A0)を得ることができる。
【0077】
〈第3の使用態様〉
図12(C)に示されるように、弾性表面波素子SD20に入力信号Sinを印加することにより、即ち、例えば、「+」電圧の入力信号Sinを第1の櫛形電極CE21に印加し、「−」電圧の入力信号Sinを第2の櫛形電極CE22に印加し、他方で、入力信号Sinを第3、第4の櫛形電極CE23、CE24に印加しないことにより、実施例1の第3の使用態様と同様に、第3の周波数f3を有する共振信号Sout(S0+A0)を得ることができる。
【0078】
〈変形例1〉
実施例1の変形例1と同様に、第1、第2の櫛形電極ユニットCEU21、CEU22が、物理的に同一であるときには、前記第3の周波数f3は、前記第1の周波数f1及び前記第2の周波数f2間の中間、即ち、(f1+f2)/2になり、当該(f1+f2)/2である第3の周波数f3を有する共振信号Sout(S0+A0)を得ることが可能となる。
【0079】
〈変形例2〉
図13は、実施例3の変形例2の弾性表面波素子の配線を示す。上記した実施例3の第1〜第4の櫛形電極CE21〜CE24についての配線は、図13に示される構成における抵抗器R21a、R21b、R22a、R22bの抵抗値を変えることと等価である。より詳しくは、(a)入力信号源ISの一端(一)と第1の櫛形電極CE21とが接続されており、(b)入力信号源ISの一端(一)と第3の櫛形電極CE23、第4の櫛形電極CE24との間には、それぞれ、抵抗器R21a、R22bが設けられており、また、(c)入力信号源ISの他端(他)と第2の櫛形電極CE22とが接続されており、(d)入力信号源ISの他端(他)と第3の櫛形電極CE23、第4の櫛形電極CE24との間には、それぞれ、抵抗器R22a、R21bが設けられている。
【0080】
上記のような構成を前提として、(A1)抵抗器R21a、R21bの抵抗値を「0」にし、他方で、抵抗器R22a、R22bの抵抗値を「∞」にすることにより、上記した第1の使用態様のときの配線と同一になり、前記第1の周波数f1を有する前記共振信号Sout(S0)を生成することができる。
【0081】
また、(A2)抵抗器R22a、R22bの抵抗値を「0」にし、他方で、抵抗器R21a、R21bの抵抗値を「∞」にすることにより、上記した第2の使用態様のときの配線と同一になり、前記第2の周波数f2を有する前記共振信号Sout(A0)を生成することができる。
【0082】
更に、(A3)抵抗器R21a、R21b、R22a、R22bの4つの抵抗値を「∞」にすることにより、上記した第3の使用態様のときと配線と同一となり、前記第3の周波数f3を有する共振信号Sout(S0+A0)を生成することができる。
【0083】
〈変形例3〉
上記した変形例2と異なり、実施例1の変形例3と同様にして、上記した(A1)との比較で、(B1)抵抗器R21a、R21bの抵抗値を「0」にするものの、抵抗器R22a、R22bの抵抗値を「∞」にせずに、「0」から「∞」までの範囲内で変えることにより、第1の周波数f1から第3の周波数f3までの範囲の周波数f4(図6に図示。)を有する共振信号を生成することができ、また、上記した(A2)との比較で、(B2)抵抗器R22a、R21bの抵抗値を「0」にするものの、抵抗器R21a、R21bの抵抗値を「∞」にせずに、「0」から「∞」までの範囲内で変えることにより、第2の周波数f2から第3の周波数f3までの範囲内の周波数f5(図6に図示。)を有する共振信号を生成することができる。
【0084】
実施例1の弾性表面波素子SD1を備えた実施例1の弾性表面波デバイスSDEV1及び発振装置OSC1と同様に、実施例3の弾性表面波素子SD20と、第1、第2のスイッチ部SW1、SW2と、端子T20a、T20bを設けることにより実施例3の弾性表面波デバイス(図示せず。)を構成することができ、加えて、当該実施例2の弾性表面波デバイス(より正確には、第1、第2のスイッチ部SW1、SW2に代えて切替ユニットSWUを有する実施例2の弾性表面波デバイス)と、反転増幅器INとにより、実施例3の発振装置(図示せず。)を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】実施例1の弾性表面波素子の構成を示す図。
【図2】実施例1の弾性表面波素子の使用方法を示す図(その1)。
【図3】実施例1の弾性表面波素子の使用方法を示す図(その2)。
【図4】実施例1の弾性表面波素子の使用方法を示す図(その3)。
【図5】実施例1の変形例2の弾性表面波素子の配線を示す図。
【図6】実施例1の変形例2の使用方法での抵抗値と周波数との関係を示す図。
【図7】実施例1の発振装置の構成を示す図。
【図8】実施例1の弾性表面波デバイスの動作を示す図。
【図9】実施例2の弾性表面波素子の構成及び使用方法を示す図。
【図10】実施例2の変形例2の弾性表面波素子の配線を示す図。
【図11】実施例3の弾性表面波素子の構成を示す図。
【図12】実施例3の弾性表面波素子の使用方法を示す図。
【図13】実施例3の変形例2の弾性表面波素子の配線を示す図。
【図14】従来の弾性表面波素子の構成及び使用方法を示す図。
【符号の説明】
【0086】
SD1…弾性表面波素子、CE1、CE2…第1、第2の櫛形電極、Sin…交流入力信号、Sout(S0+A0)…共振信号。
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)素子の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1に示され、また、図14(A)に示されるような従来の弾性表面波素子SD100では、圧電基板SB100に、対をなす第1、第2の櫛形電極CE101、CE102、及び、前記第1、第2の櫛形電極CE101、CE102に対応して対をなす第3、第4の櫛形電極CE103、CE104が設けられており、当該第1〜第4の櫛形電極CE101〜CE104を挟む位置に、対をなす第1、第2の反射器RF101、RF102が設けられている。
【0003】
上記した構成を有する弾性表面波素子SD100の使用方法について説明する。図14(A)に示されるように、端子T101a、端子101bから、弾性表面波を励起するための交流入力信号Sinを印加する。より詳しくは、第1、第2の櫛形電極CE101、CE102間の第1の電圧関係と、第3、第4の櫛形電極CE103、CE104間の第2の電圧関係とが「同相」になるように交流入力信号Sinを印加し、これにより、圧電基板SB100は、変位強度分布が「モードS0」になるように振動し、その結果として、当該モードS0に対応する、第1の周波数を有する共振信号Sout(S0)が生成され、当該共振信号Sout(S0)を、前記端子T101a、T101bに接続された電流電圧変換回路のような検出器(図示せず。)から取り出すことができる。なお、図14(A)は、端子T101aが+電圧になっており、端子T101bが−になっている時を示す。
【0004】
また、上記とは対照的に、図14(B)に示されるように、前記第1の電圧関係と前記第2の電圧関係とが、「逆相」になるように交流入力信号Sinを印加した場合、圧電基板SB100は、変位強度分布が「モードA0」になるように振動し、その結果として、当該モードA0に対応する、前記第1の周波数より高い第2の周波数を有する共振信号Soutが生成され、当該共振信号Sout(A0)を取り出すことができる。
【0005】
【特許文献1】特開平1−252016号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記した従来の弾性表面波素子SD100の使用方法では、モードS0に対応する前記第1の周波数を有する共振信号Sout、及びモードA0に対応する前記第2の周波数を有する共振信号Soutという2つの共振信号しか取り出すことができず、他の周波数を有する共振信号を取り出すことができないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決すべく、本発明に係る第1の弾性表面波デバイスは、
圧電基板と、
前記圧電基板上に配置された第1、第2の櫛形電極ユニットであって、当該第1の櫛形電極ユニットが第1、第2の櫛形電極からなり、当該第2の櫛形電極ユニットが、前記第1、第2の櫛形電極に対応する第3、第4の櫛形電極からなる前記第1、第2の櫛形電極ユニットと、
前記圧電基板上で前記第1、第2の櫛形電極ユニットを挟む位置に設けられた一対の反射器と、を有する弾性表面波素子と、
外部から信号が入力される第1の端子及び第2の端子と、
を備えた弾性表面波デバイスであって、
前記第1の端子と前記第1の櫛形電極とが、電気的に接続されており、
前記第2の端子と前記第2の櫛形電極とが、電気的に接続されており、
前記第1の端子と前記第3の櫛形電極とが、第1の可変抵抗器を介して電気的に接続されており、
前記第1の端子と前記第4の櫛形電極とが、第2の可変抵抗器を介して電気的に接続されており、
前記第2の端子と前記第3の櫛形電極とが、第3の可変抵抗器を介して電気的に接続されており、
前記第1の端子と前記第4の櫛形電極とが、第4の可変抵抗器を介して電気的に接続されており、
前記第1の可変抵抗器、前記第2の可変抵抗器、前記第3の可変抵抗器、及び前記第4の可変抵抗器の抵抗値の調整により、前記弾性表面波素子の共振周波数が変わる。
【0008】
上記した第1の弾性表面波デバイスでは、
(1)前記第1の可変抵抗器の抵抗値及び前記第4の可変抵抗器の抵抗値を実質的に0とし、前記第2の可変抵抗器の抵抗値及び前記第3の可変抵抗器の抵抗値を実質的に無限大として、前記弾性表面波素子の前記共振周波数を第1の周波数にする第1の状態と、(2)前記第1の可変抵抗器の抵抗値及び前記第4の可変抵抗器の抵抗値を実質的に無限大とし、前記第2の可変抵抗器の抵抗値及び前記第3の可変抵抗器の抵抗値を実質的に0として、前記弾性表面波素子の前記共振周波数を第2の周波数にする第2の状態と、(3)前記第1の可変抵抗器の抵抗値、前記第2の可変抵抗器の抵抗値、前記第3の可変抵抗器の抵抗値及び前記第4の可変抵抗器の抵抗値を実質的に無限大とし、前記弾性表面波素子の前記共振周波数を第3の周波数にする第3の状態と、を切り替える切替ユニットを更に備える。
【0009】
本発明に係る第2の弾性表面波デバイスは、
圧電基板と、
前記圧電基板上に配置された第1、第2の櫛形電極ユニットであって、当該第1の櫛形電極ユニットが第1、第2の櫛形電極からなり、当該第2の櫛形電極ユニットが、前記第1、第2の櫛形電極に対応する第3、第4の櫛形電極からなる前記第1、第2の櫛形電極ユニットと、
前記圧電基板上で前記第1、第2の櫛形電極ユニットを挟む位置に設けられた一対の反射器と、を有する弾性表面波素子と、
外部から信号が入力される第1の端子及び第2の端子と、
前記第3の櫛形電極、前記第4の櫛形電極、及び開放端のいずれかを、前記第1の端子に電気的に接続する第1のスイッチ部と、
前記第4の櫛形電極、前記第3の櫛形電極、及び開放端のいずれかを、前記第2の端子に電気的に接続する第2のスイッチ部と、
(1)前記第1のスイッチ部において前記第1の端子と前記第3の櫛形電極との間を電気的に接続し、前記第2のスイッチ部において前記第2の端子と前記第4の櫛形電極との間を電気的に接続する第1の状態と、(2)前記第1のスイッチ部において前記第1の端子と前記第4の櫛形電極との間を電気的に接続し、前記第2のスイッチ部において前記第2の端子と前記第3の櫛形電極との間を電気的に接続する第2の状態と、(3)前記第1のスイッチ部において前記第1の端子と前記開放端とを接続し、前記第2のスイッチ部において前記第2の端子と前記開放端とを接続する第3の状態と、のいずれかの状態になるように前記第1のスイッチ部及び前記第2のスイッチ部の接続動作を制御するスイッチ制御部と、を備える。
【0010】
本発明に係る第3の弾性表面波デバイスは、
圧電基板と、
前記圧電基板上に配置された第1、第2の櫛形電極ユニットであって、当該第1の櫛形電極ユニットが第1、第2の櫛形電極からなり、当該第2の櫛形電極ユニットが、前記第1、第2の櫛形電極に対応する第3、第4の櫛形電極からなる前記第1、第2の櫛形電極ユニットと、前記圧電基板上で前記第1、第2の櫛形電極ユニットを挟む位置に設けられた一対の反射器と、を有する弾性表面波素子と、
外部から信号が入力される第1の端子及び第2の端子と、
を備えた弾性表面波デバイスであって、
前記第1の櫛形電極及び前記第3の櫛形電極は前記第1の端子に接続されており、
前記第2の櫛形電極及び前記第4の櫛形電極は前記第2の端子に接続されており、
前記弾性表面波素子の共振周波数が、前記第1の端子と前記第3の櫛形電極との間の抵抗値である第1の抵抗値、前記第1の端子と前記第4の櫛形電極との間の抵抗値である第2の抵抗値、前記第2の端子と前記第3の櫛形電極との間の抵抗値である第3の抵抗値、及び前記第1の端子と前記第4の櫛形電極との間の抵抗値である第4の抵抗値に基づき、決定された共振周波数である。
【0011】
上記した本発明に係る第1の弾性表面波デバイスでは、
(1)前記第1の抵抗値及び前記第4の抵抗値を実質的に0とし、前記第2の抵抗値及び前記第3の抵抗値を実質的に無限大として、前記弾性表面波素子の前記共振周波数を第1の周波数にする第1の状態と、(2)前記第1の抵抗値及び前記第4の抵抗値を実質的に無限大とし、前記第2の抵抗値及び前記第3の抵抗値を実質的に0として、前記弾性表面波素子の前記共振周波数を第2の周波数にする第2の状態と、(3)前記第1の抵抗値、前記第2の抵抗値、前記第3の抵抗値及び前記第4の抵抗値を実質的に無限大とし、前記弾性表面波素子の前記共振周波数を第3の周波数にする第3の状態と、を切り替える切替ユニットを更に備える。
【0012】
上記した本発明に係る第1、第2、第3の弾性表面波デバイスによれば、上記したように前記抵抗値を調整することにより、又は、接続状態を切り替えることにより、所望の共振周波数を有する信号を得ることが可能となる。
【0013】
本発明に係る第1の弾性表面波素子の使用方法は、
圧電基板と、
前記圧電基板上に配置された第1、第2の櫛形電極ユニットであり、当該第1の櫛形電極ユニットが第1、第2の櫛形電極からなり、当該第2の櫛形電極ユニットが、前記第1、第2の櫛形電極に対応する第3、第4の櫛形電極からなる前記第1、第2の櫛形電極ユニットと、
前記圧電基板上で前記第1、第2の櫛形電極ユニットを挟む位置に設けられた一対の反射器と、を有する弾性表面波素子の使用方法であって、
前記第1、第2の櫛形電極間に前記弾性表面波素子を励起するための入力信号を印加し、かつ、前記第3、第4の櫛形電極間に前記入力信号を実質的に印加しないことにより、前記第1、第2の櫛形電極間及び前記第3、第4の櫛形電極間への前記入力信号の印加を前記第1の櫛形電極の電圧及び前記第2の櫛形電極の電圧間の第1の関係と前記第3の櫛形電極の電圧及び前記第4の櫛形電極の電圧間の第2の関係とが実質的に同相になるように行うことにより得られる第1の共振信号の第1の周波数と、前記第1の関係と前記第2の関係とが実質的に逆相になるように行うことにより得られる第2の共振信号の第2の周波数との間に位置する第3の周波数を有する第3の共振信号を生成する生成工程を含む。
【0014】
本発明に係る第2の弾性表面波素子の使用方法は、
圧電基板と、
前記圧電基板上に配置された第1、第2の櫛形電極ユニットであり、当該第1の櫛形電極ユニットが第1、第2の櫛形電極からなり、当該第2の櫛形電極ユニットが、前記第1、第2の櫛形電極に対応する第3、第4の櫛形電極からなる前記第1、第2の櫛形電極ユニットと、
前記圧電基板上で前記第1、第2の櫛形電極ユニットを挟む位置に設けられた一対の反射器と、を有する弾性表面波素子の使用方法であって、
前記第1、第2の櫛形電極間、及び、前記第3、第4の櫛形電極間への、前記弾性表面波素子を励起するための入力信号の印加を、前記第1の櫛形電極の電圧と前記第2の櫛形電極の電圧との第1の関係が、前記第3の櫛形電極の電圧と前記第4の櫛形電極の電圧との第2の関係と実質的に同相となるように行うことにより、第1の周波数を有する第1の共振信号を生成する第1の生成工程と、
前記第1、第2の櫛形電極間、及び、前記第3、第4の櫛形電極間への前記入力信号の印加を、前記第1関係が、前記第2の関係と実質的に逆相となるように行うことにより、前記第1の周波数より高い第2の周波数を有する第2の共振信号を生成する第2の生成工程と、
前記第1、第2の櫛形電極間に前記入力信号を印加し、かつ、前記第3、第4の櫛形電極間に前記入力信号を実質的に印加しないことにより、前記第1の周波数及び前記第2の周波数間に位置する第3の周波数を有する第3の共振信号を生成する第3の生成工程と、のうちのいずれかを選択的に実行する。
【0015】
上記本発明に係る第1、第2の弾性表面波素子の使用方法によれば、前記第3の工程では、前記第1、第2の櫛形電極間に前記入力信号を印加し、かつ、前記第3、第4の櫛形電極間に前記入力信号を実質的に印加しないことにより、前記第1の周波数及び前記第2の周波数間に位置する第3の周波数を有する第3の共振信号を生成することから、前記第1の周波数を有する第1の共振信号及び前記第2の周波数を有する第2の共振信号という2つの共振信号以外の共振信号を得ることができる。
【0016】
本発明に係る第3の弾性表面波素子の使用方法は、
圧電基板と、
前記圧電基板上に配置された第1、第2の櫛形電極ユニットであり、当該第1の櫛形電極ユニットが第1、第2の櫛形電極からなり、当該第2の櫛形電極ユニットが、前記第1、第2の櫛形電極に対応する第3、第4の櫛形電極からなる前記第1、第2の櫛形電極ユニットと、
前記圧電基板上で前記第1、第2の櫛形電極ユニットを挟む位置に設けられた一対の反射器と、を有する弾性表面波素子の使用方法であって、
前記第1、第2の櫛形電極間、及び、前記第3、第4の櫛形電極間への、前記弾性表面波素子を励起するための入力信号の印加を、前記第1の櫛形電極の電圧と前記第2の櫛形電極の電圧との関係が、前記第3の櫛形電極の電圧と前記第4の櫛形電極の電圧との関係と実質的に同相又は逆相となり、かつ、前記第3、第4の櫛形電極間の第1のインピーダンスが、前記第1、第2の櫛形電極間の第2のインピーダンスより大きくなるように行うことにより、前記第1のインピーダンスにより規定される周波数を有する共振信号を生成する生成工程を含む。
【0017】
上記本発明に係る第3の弾性表面波素子の使用方法によれば、前記第1、第2の櫛形電極間、及び、前記第3、第4の櫛形電極間への前記入力信号の印加を、前記両電圧関係が実質的に同相又は逆相となり、かつ、前記第1のインピーダンスが、前記第2のインピーダンスより大きくなるように行うことにより、前記第1のインピーダンスにより規定される周波数を有する共振信号を生成することから、当該第1のインピーダンスを変えることにより、前記第1、第2の周波数以外の周波数を有する共振信号を得ることができる。
【0018】
上記した本発明に係る第1、第2の弾性表面波素子の使用方法では、
前記第1の櫛形電極ユニットと、前記第2の櫛形電極ユニットは、実質的に同一の構造である。
【0019】
これにより、前記第3の周波数を、実質的に、前記第1の周波数及び前記第2の周波数間の中間に設定することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明に係る弾性表面波素子の使用方法の実施例について図面を参照して説明する。
【0021】
《実施例1》
図1は、実施例1の弾性表面波素子の構成を示す。実施例1の弾性表面波素子SD1は、図1に示されるように、圧電基板SB1と、第1、第2の櫛形電極ユニットCEU1、CEU2と、第1、第2の反射器RF1、RF2とを含む。
【0022】
圧電基板SB1は、例えば、レイリー型表面波で動作可能な面内回転STカット水晶板である。
【0023】
第1、第2の櫛形電極ユニットCEU1、CEU2は、いわゆる「横結合」されており、第1の櫛形電極ユニットCEU1は、一対の第1、第2の櫛形電極CE1、CE2からなり、また、第2の櫛形電極ユニットCEU2もまた、一対の第3、第4の櫛形電極CE3、CE4からなる。そして第1の櫛形電極ユニットCEU1と第2の櫛形電極ユニットCEU2は、弾性表面波の伝搬方向に直角に互いに隣接するように配置されている。第1の櫛形電極CE1は、3つの電極指EF1、EF2、EF3と、それら電極指EF1〜EF3を電気的に接続するバスバーBB1とを備えている。電極指EF1〜EF3は、圧電基板SB1の幅方向に延びる形状であるとともに、圧電基板SB1の長手方向すなわち弾性表面波の伝搬方向に向かって周期的に配置されている。物理的な構成(配置及び形状)並びに電気的な機能の観点から、第1の櫛形電極CE1と第3の櫛形電極CE3とが対応し、また、第2の櫛形電極CE2と第4の櫛形電極CE4とが対応する。より具体的には、前記圧電基板SB1の長手方向の位置について、第1の櫛形電極CE1の電極指のそれぞれと、第3の櫛形電極CE3の電極指のそれぞれとが対応している。そして、前記圧電基板SB1の長手方向の位置について、第2の櫛形電極CE2の電極指のそれぞれと、第4の櫛形電極CE4の電極指のそれぞれとが対応している。
【0024】
第1、第2の反射器RF1、RF2は、圧電基板SB1上で、前記第1、第2の櫛形電極ユニットCEU1、CEU2を挟む位置に設けられている。
【0025】
図2、図3、及び図4は、実施例1の弾性表面波素子の使用方法を示す。実施例1の弾性表面波素子SD1の使用方法は、より正確には、弾性表面波素子SD1及び端子T1a、T1bからなる弾性表面波デバイスSDEV1の使用方法は、(1)第1の周波数f1を有する第1の共振信号を生成する第1の使用態様、(2)前記第1の周波数f1より高い第2の周波数f2を有する第2の共振信号を生成する第2の使用態様、(3)前記第1の周波数f1と前記第2の周波数f3との間に位置する第3の周波数f3を有する第3の共振信号を生成する第3の使用態様からなる。
【0026】
〈第1の使用態様〉
第1の使用態様では、図2に示されるように、入力信号源ISから与えられる交流入力信号Sinを印加するための端子T1a、T1bについて、端子T1aと、第2、第4の櫛形電極CE2、CE4とが電気的に接続されており、かつ、端子T1bと、第1、第3の櫛形電極CE1、CE3とが電気的に接続されている。
【0027】
弾性表面波素子SD1に端子T1a、T1bから交流入力信号Sinを印加すると、第1の櫛形電極CE1に供給される交流信号と「同相」の交流信号が、第3の櫛形電極CE3に印加される。また、第2の櫛形電極CE2に供給される交流信号と「同相」の交流信号が、第4の櫛形電極CE4に印加される。より具体的には、第1の櫛形電極CE1の電極指に印加される交流信号の位相と、第3の櫛形電極CE3の電極指に印加される交流信号の位相とが、同じである。更に、第2の櫛形電極CE2の電極指に印加される交流信号の位相と、第4の櫛形電極CE4の電極指に印加される交流信号の位相とが、同じである。例えば、第1の櫛形電極CE1の電圧値が−V1であり第2の櫛形電極CE2の電圧値が+V1であるときに、第3の櫛形電極CE3の電圧値が−V1であり第4の櫛形電極CE4の電圧値が+V1である。これにより、圧電基板SB1は、変位強度分布が「モードS0」になるように共振する。この結果、端子T1a、T1bに接続された電流電圧変換器のような検出器(図示せず。)で、出力信号として、モードS0に対応する第1の周波数f1を有する共振信号Soutを取り出すことができる。
【0028】
〈第2の使用態様〉
第2の使用態様では、図3に示されるように、第1の使用態様のときと異なり、端子T1aと、第2、第3の櫛形電極CE2、CE3とが電気的に接続されており、かつ、端子T1bと、第1、第4の櫛形電極CE1、CE4とが電気的に接続されている。
【0029】
第1の使用態様のときと同様に、弾性表面波素子SD1に端子T1a、T1bから、交流入力信号Sinを印加すると、第1の使用態様のときと異なり、第1の櫛形電極CE1に供給される交流信号と「逆相」の交流信号が、第3の櫛形電極CE3に印加される。また、第2の櫛形電極CE2に供給される交流信号と「逆相」の交流信号が、第4の櫛形電極CE4に印加される。より具体的には、第1の櫛形電極CE1の電極指に印加される交流信号の位相と、第3の櫛形電極CE3の電極指に印加される交流信号の位相との間に、180°の差がある。更に、第2の櫛形電極CE2の電極指に印加される交流信号の位相と、第4の櫛形電極CE4の電極指に印加される交流信号の位相との間に、180°の差がある。例えば、第1の櫛形電極CE1の電圧値が−V1であり第2の櫛形電極CE2の電圧値が+V1であるときに、第3の櫛形電極CE3の電圧値が+V1であり第4の櫛形電極CE4の電圧値が−V1である。これにより、圧電基板SB1は、変位強度分布が「モードA0」になるように共振する。この結果、端子T1a、T1bに接続された前記検出器で、出力信号として、第1の周波数f1より高い第2の周波数f2を有し、モードA0に対応した共振信号Soutを取り出すことができる。
【0030】
〈第3の使用態様〉
第3の使用態様では、図4に示されるように、第1、第2の使用態様のときと異なり、端子T1aと第2の櫛形電極CE2とが電気的に接続されており、端子T1bと第1の櫛形電極CE1とが電気的に接続されており、かつ、第3、第4の櫛形電極CE3、CE4は、開放されている。より正確には、第1、第2の櫛形電極CE1、CE2間の入力インピーダンスに比して、第3、第4の櫛形電極CE3、CE4間の入力インピーダンスが高くなっている。
【0031】
第1、第2の使用態様のときと同様に、弾性表面波素子SD1に端子T1a、T1bから、交流入力信号Sinを印加すると、第1、第2の使用態様のときと異なり、圧電基板SB1は、変位強度分布がモード(S0+A0)になるように共振する。モード(S0+A0)は、モードS0の変位強度分布とモードA0の変位強度分布とを足し合わせた変位強度分布を有する。この結果、端子T1a、T1bに接続された前記検出器で、出力信号として、前記第1の周波数f1及び前記第2の周波数f2間に位置する第3の周波数f3を有する第3の共振信号Sout(S0+A0)を取り出すことができる。
【0032】
実施例1の弾性表面波素子SD1の使用方法では、図4を参照して説明したように、第3、第4の櫛形電極CE3、CE4間の入力インピーダンスが、第1、第2の櫛形電極CE1、CE2間の入力インピーダンスに比して大きい条件下で、前記第1、第2の櫛形電極CE1、CE2に交流入力信号Sinを与えることにより、圧電基板SB1の変位強度分布がモード(S0+A0)となる。これにより、前記モード(S0+A0)に対応する、従来の第1、第2の周波数f1、f2と異なる前記第3の周波数f3を有する共振信号Sout(S0+A0)を得ることが可能となる。なお、図4にて説明した弾性表面波素子SD1の使用方法では、第3、第4の櫛形電極CE3、CE4間は、電気的に開放されているため、その間の入力インピーダンスが著しく大きな値となっている。
【0033】
〈変形例1〉
上記した第1、第2の櫛形電極ユニットCEU1、CEU2が、物理的に、例えば、大きさ、形状、向き等が同一であり、かつ、第3、第4の櫛形電極CE3、CE4間の入力インピーダンスが著しく大きな値である場合、前記第3の周波数f3は、前記第1の周波数f1及び前記第2の周波数f2間の中間、即ち、(f1+f2)/2になり、当該(f1+f2)/2である第3の周波数f3を有する共振信号Sout(S0+A0)を得ることが可能となる。なお、第3、第4の櫛形電極CE3、CE4間の入力インピーダンスを著しく大きな値とするには、図4にて説明したように、第3、第4の櫛形電極CE3、CE4間を電気的に開放することによって実現できる。
【0034】
〈変形例2〉
上記した実施例1の第1〜第4の櫛形電極CE1〜CE4についての配線は、図5に示される構成における抵抗器R1a、R1b、R2a、R2bの抵抗値を変えることと等価である。より詳しくは、(a)端子T1aと第2の櫛形電極CE2とが接続されており、(b)第2の櫛形電極CE2と、第3、第4の櫛形電極CE3、CE4との間に、それぞれ、抵抗器R1a、R2aが設けられており、また、(c)端子T1bと第1の櫛形電極CE1とが接続されており、(d)第1の櫛形電極CE1と、第3、第4の櫛形電極CE3、CE4との間に、それぞれ、抵抗器R2b、R1bが設けられている。
【0035】
上記のような構成の下に、(A1)抵抗器R2a、R2bの抵抗値を「0」にし、他方で、抵抗器R1a、R1bの抵抗値を「∞」(実質的には、図6のグラフ上での抵抗値R∞(例えば、約500Ω)以上。以下同様。)にすることにより、上記した第1の使用態様のときの配線と同一になり、図6に示されるように、前記第1の周波数f1を有する前記共振信号Soutを生成することができる。
【0036】
また、(A2)抵抗器R1a、R1bの抵抗値を「0」にし、他方で、抵抗器R2a、R2bの抵抗値を「∞」にすることにより、上記した第2の使用態様のときの配線と同一になり、図6に示されるように、第2の周波数f2を有する前記共振信号Soutを生成することができる。
【0037】
更に、(A3)抵抗器R1a、R1b、R2a、R2bの4つの抵抗値を「∞」にすることにより、上記した第3の使用態様のときの配線と同一となり、図6に示されるように、第3の周波数f3を有する共振信号Soutを生成することができる。
【0038】
〈変形例3〉
上記した変形例2と異なり、より具体的には、上記した(A1)との比較で、(B1)抵抗器R2a、R2bの抵抗値を「0」にするものの、抵抗器R1a、R1bの抵抗値を「∞」にせずに、「0」から「∞」までの範囲内で変えることにより(例えば、可変抵抗器を用い、又は、トリミング技術による。)、図6に示されるように、第1の周波数f1から第3の周波数f3までの範囲の周波数f4を有する共振信号を生成することができる。
【0039】
また、上記した(A2)との比較で、(B2)抵抗器R1a、R1bの抵抗値を「0」にするものの、抵抗器R2a、R2bの抵抗値を「∞」にせずに、「0」から「∞」までの範囲内で変えることにより、図6に示されるように、第2の周波数f2から第3の周波数f3までの範囲内の周波数f5を有する共振信号を生成することができる。
【0040】
図7は、実施例1の弾性表面波素子を備える弾性表面波デバイスを含む発振装置の構成を示し、図8は、実施例1の弾性表面波デバイスの動作を示す。
【0041】
上記した実施例1の第1〜第4の櫛形電極CE1〜CE4についての配線は、図7に示される構成における切替ユニットSWUの第1のスイッチ部SW1及び第2のスイッチ部SW2の接続状態をスイッチ制御部SWCNTによって切り替えることが可能な弾性表面波デバイスSDEV1により実現できる。
【0042】
第1のスイッチ部SW1は、第3の櫛形電極ユニットCE3に接続されたノードND1(3)、第4の櫛形電極ユニットCE4に接続されたノードND1(4)、及び開放端OT1のいずれかを、端子T1aに電気的に接続するスイッチである。
【0043】
第2のスイッチ部SW2は、第4の櫛形電極ユニットCE4に接続されたノードND2(4)、第3の櫛形電極ユニットCE3に接続されたノードND2(3)、及び開放端OT2のいずれかを、端子T1bに電気的に接続するスイッチである。
【0044】
そして、スイッチ制御部SWCNTは、第1のスイッチ部SW1の接続状態及び第2のスイッチ部SW2の接続状態を同期して切り替える制御部である。スイッチ制御部SWCNTは、次の3つの接続状態を有する。
【0045】
第1の接続状態は、図8(A)に示されるように、第1のスイッチ部SW1において第1の端子T1aと第3の櫛形電極ユニットCE3に接続されたノードND1(3)との間を電気的に接続し、かつ、第2のスイッチ部SW2において第2の端子T1bと第4の櫛形電極ユニットCE4に接続されたノードND2(4)との間を電気的に接続した状態である(モードS0)。このとき、R2a=R2b=0(R1a=R1b=∞)と等価になり、図6に示したように弾性表面波素子の共振周波数はf1となる。
【0046】
第2の接続状態は、図8(B)に示されるように、第1のスイッチ部SW1において第1の端子T1aと第4の櫛形電極ユニットCE4に接続されたノードND1(4)との間を電気的に接続し、かつ、第2のスイッチ部SW2において第2の端子T1bと第3の櫛形電極ユニットCE3に接続されたノードN2(3)との間を電気的に接続した状態である(モードA0)。このとき、R1a=R1b=0(R2a=R2b=∞)と等価になり、図6に示したように弾性表面波素子の共振周波数はf2となる。
【0047】
第3の接続状態は、図8(C)に示されるように、第1のスイッチ部SW1において第1の端子T1aと開放端OT1とを接続し、第2のスイッチ部SW2において第2の端子T1bと開放端OT2とを接続する状態である(モード(S0+A0))。このとき、R1a=R1b=R2a=R2b=∞と等価になり、図6に示したように弾性表面波素子の共振周波数はf3となる。
【0048】
スイッチ制御部SWCNTによって、第1のスイッチ部SW1と第2のスイッチ部SW2の接続状態を、第1〜第3の接続状態のいずれかに切り替えることにより、弾性表面波素子SD1の共振周波数をf1、f2及びf3のいずれかに切り替えることを実現している。これにより、圧電体基板上に2つの櫛歯電極ユニットCE1及びCE2を構成した1つの弾性表面波素子を使用して、3つの周波数f1、f2及びf3のいずれかの共振周波数で共振する弾性表面波デバイスを実現できる。
【0049】
なお図7の弾性表面波デバイスSDEV1の端子T1a、T1bに、増幅器として反転増幅器INを接続することにより、1つの弾性表面波素子SD1を用いて3つの周波数の発振信号を出力することができる発振装置OSC1を構成している。
【0050】
《実施例2》
図9は、実施例2の弾性表面波素子の構成及び使用方法を示す。実施例2の弾性表面波素子SD10は、実施例1の弾性表面波素子SD1と同様に、圧電基板SB10と、第1、第2の櫛形電極ユニットCEU11、CEU12と、反射器RF11、RF12とからなる。
【0051】
実施例1の第1、第2の櫛形電極ユニットCEU1、CEU2と同様に、実施例2でもまた、第1、第2の櫛形電極ユニットCEU11、12は、「横結合」(櫛形電極ユニットが弾性表面波の伝搬方向に対し垂直な方向に沿って配置されているタイプ)されており、更に、第1の櫛形電極ユニットCEU11は、第1、第2の櫛形電極CE11、CE12を有し、同様に第2の櫛形電極ユニットCEU12は、第3、第4の櫛形電極CE13、CE14を有する。
【0052】
他方で、実施例1の反射器RF1、RF2と異なり、反射器RF11は、サブ反射器RF11a、RF11bからなり、また、反射器RF12は、サブ反射器RF12a、RF12bからなる。
【0053】
反射器RF11については、サブ反射器RF11bが、第4の櫛形電極CE14に接続されており、サブ反射器RF11bへの電圧の印加により、第4の櫛形電極CE14の電位を前記サブ反射器RF11bに印加した電圧と同一にすることができる。
【0054】
同様にして、反射器RF12については、サブ反射器RF12aが、第2の櫛形電極CE12に接続されており、これにより、サブ反射器RF12aへの電圧の印加により、第2の櫛形電極CE12の電位を前記サブ反射器RF12aに印加した電圧と同一にすることができる。
【0055】
実施例2の弾性表面波素子SD10の使用方法は、実施例1の弾性表面波素子SD1の使用方法と同様に、第1の使用態様、第2の使用態様、及び、第3の使用態様からなり、実施例2の各使用態様により得られる効果は、実施例1での対応する使用態様により得られる効果と同様である。以下、実施例2の使用態様を、実施例1の使用態様との差異を中心に説明する。
【0056】
〈第1の使用態様〉
端子T10aと、第1、第3の櫛形電極CE11、13とが接続されており、端子T10bと、サブ反射器RF11b、RF12aとが接続されている。
【0057】
図9(A)に示されるように、端子T10a、T10bから交流入力信号Sinを印加することにより、例えば、「+」電圧の入力信号Sinが、第1、第3の櫛形電極CE11、CE13に直接印加され、また、「−」電圧の入力信号Sinが、第2の櫛形電極CE12にサブ反射器RF12aを介して印加され、第4の櫛形電極CE14にサブ反射器RF11bを介して印加される。この結果、実施例1での第1の使用態様と同様に、第1、第2の櫛形電極CE11、CE12間の電圧関係と、第3、第4の櫛形電極CE13、14間の電圧関係とが「同相」になり、これにより、実施例1の第1の使用態様と同様に、第1の周波数f1を有する共振信号Sout(S0)を得ることができる。
【0058】
〈第2の使用態様〉
端子T10aと、第1の櫛形電極CE11及びサブ反射器RF11bとが接続されており、端子T10bと、第3の櫛形電極CE13及びサブ反射器RF12aとが接続されている。
【0059】
図9(B)に示されるように、端子T10a、T10bから入力信号Sinを印加することにより、例えば、「+」電圧の入力信号Sinが、第1の櫛形電極CE11に直接印加され、第4の櫛形電極CE14にサブ反射器RF11bを介して印加され、また、「−」電圧の入力信号Sinが、第3の櫛形電極CE13に直接印加され、第2の櫛形電極CE12にサブ反射器RF12aを介して印加される。この結果、実施例1での第2の使用態様と同様に、第1、第2の櫛形電極CE11、CE12間の電圧関係と、第3、第4の櫛形電極CE13、14間の電圧関係とが「逆相」になり、これにより、実施例1の第2の使用態様と同様に、第2の周波数f2を有する共振信号Sout(A0)を得ることができる。
【0060】
〈第3の使用態様〉
端子T10aと第1の櫛形電極CE11とが接続されており、端子T10bとサブ反射器RF12aとが接続されており、第3の櫛形電極CE13及びサブ反射器RF11bは、開放されている。
【0061】
図9(C)に示されるように、端子T10a、T10bから入力信号Sinを印加することにより、例えば、「+」電圧の入力信号Sinが、第1の櫛形電極CE11に直接印加され、「−」電圧の入力信号Sinが、第2の櫛形電極CE12にサブ反射器RF12aを介して印加され、他方で、入力信号Sinは、第3、第4の櫛形電極CE13、CE14には印加されない。この結果、実施例1の第3の使用態様と同様に、第3の周波数f3を有する共振信号Sout(S0+A0)を得ることができる。
【0062】
上述したように、実施例2の弾性表面波素子SD10の使用方法では、実施例1の弾性表面波素子SD1の使用方法と同様に、第3の周波数f3を有する共振信号Sout(S0+A0)を得ることができる。
【0063】
〈変形例1〉
実施例1の変形例1と同様に、第1、第2の櫛形電極ユニットCEU11、CEU12が、物理的に同一であるときには、前記第3の周波数f3は、前記第1の周波数f1及び前記第2の周波数f2間の中間、即ち、(f1+f2)/2になり、当該(f1+f2)/2である第3の周波数f3を有する共振信号Sout(S0+A0)を得ることが可能となる。
【0064】
〈変形例2〉
図10は、実施例2の変形例2の弾性表面波素子の配線を示す。上記した実施例2の第1〜第4の櫛形電極CE11〜CE14についての配線は、図10に示される構成における抵抗器R11a、R11b、R12a、R12bの抵抗値を変えることと等価である。より詳しくは、(a)端子T10aと第1の櫛形電極CE11とが接続されており、(b)端子T10aと、サブ反射器RF11b、第3の櫛形電極CE13との間には、それぞれ、抵抗器R12b、R11bが設けられており、また、(c)端子T10bとサブ反射器RF12aとが接続されており、(d)端子T10bと、サブ反射器RF11b、第3の櫛形電極CE13との間には、それぞれ、抵抗器R11a、R12aが設けられている。
【0065】
上記のような構成の下に、(A1)抵抗器R11a、R11bの抵抗値を「0」にし、他方で、抵抗器R12a、R12bの抵抗値を「∞」にすることにより、上記した第1の使用態様のときの配線と同一になり、前記第1の周波数f1を有する前記共振信号Sout(S0)を生成することができる。
【0066】
また、(A2)抵抗器R12a、R12bの抵抗値を「0」にし、他方で、抵抗器R11a、R11bの抵抗値を「∞」にすることにより、上記した第2の使用態様のときの配線と同一になり、前記第2の周波数f2を有する前記共振信号Sout(A0)を生成することができる。
【0067】
更に、(A3)抵抗器R11a、R11b、R12a、R12bの4つの抵抗値を「∞」にすることにより、上記した第3の使用態様のときと配線と同一となり、前記第3の周波数f3を有する共振信号Sout(S0+A0)を生成することができる。
【0068】
〈変形例3〉
上記した変形例2と異なり、実施例1の変形例3と同様にして、上記した(A1)との比較で、(B1)抵抗器R11a、R11bの抵抗値を「0」にするものの、抵抗器R12a、R12bの抵抗値を「∞」にせずに、「0」から「∞」までの範囲内で変えることにより、第1の周波数f1から第3の周波数f3までの範囲の第4の周波数f4(図6に図示。)を有する共振信号を生成することができる。
【0069】
また、上記した(A2)との比較で、(B2)抵抗器R12a、R21bの抵抗値を「0」にするものの、抵抗器R11a、R11bの抵抗値を「∞」にせずに、「0」から「∞」までの範囲内で変えることにより、第2の周波数f2から第3の周波数f3までの範囲内の第5の周波数f5(図6に図示。)を有する共振信号を生成することができる。
【0070】
実施例1の弾性表面波素子SD1を備えた実施例1の弾性表面波デバイスSDEV1(図7、図8に図示。)及び発振装置OSC1(図7に図示。)と同様に、実施例2の弾性表面波素子SD10と、第1、第2のスイッチ部SW1、SW2と、端子T10a、T10bを設けることにより実施例2の弾性表面波デバイス(図示せず。)を構成することができ、加えて、当該実施例2の弾性表面波デバイス(より正確には、第1、第2のスイッチ部SW1、SW2に代えて切替ユニットSWUを有する実施例2の弾性表面波デバイス)と、反転増幅器INとにより、実施例2の発振装置(図示せず。)を構成することができる。
【0071】
《実施例3》
図11は、実施例3の弾性表面波素子の構成を示す。実施例3の弾性表面波素子SD20は、実施例1、実施例2の弾性表面波素子SD1、SD10と同様に、圧電基板SB20と、第1、第2の櫛形電極ユニットCEU21、CEU22と、反射器RF21、RF22とを含む。
【0072】
また、実施例1、実施例2の第1、第2の櫛形電極ユニットCEU1、CEU2、CEU11、CEU12と同様に、実施例3でもまた、第1の櫛形電極ユニットCEU21は、第1、第2の櫛形電極CE21、CE22を有し、同様に第2の櫛形電極ユニットCEU22は、第3、第4の櫛形電極CE23、CE24を有する。
【0073】
他方で、実施例1、実施例2の第1、第2の櫛形電極ユニットCEU1、CEU2、CEU11、CEU12の「横結合」と異なり、実施例3では、第1、第2の櫛形電極ユニットCEU21、CEU22は、いわゆる「縦結合」(櫛形電極ユニットが弾性表面波の伝搬方向に沿って配置されているタイプ)されている。
【0074】
実施例3の弾性表面波素子SD20の使用方法は、実施例1の弾性表面波素子SD1の使用方法と同様に、第1の使用態様、第2の使用態様、及び、第3の使用態様からなり、実施例3の各使用態様により得られる効果は、実施例1での対応する使用態様により得られる効果と同様である。以下、実施例3の弾性表面波素子SD20の使用態様を、実施例1の弾性表面波素子SD1の使用態様との差異を中心に説明する。
【0075】
〈第1の使用態様〉
図12(A)に示されるように、弾性表面波素子SD20に交流入力信号Sinを印加することにより、即ち、例えば、「+」電圧の入力信号Sinを第1、第3の櫛形電極CE21、23に印加し、かつ、「−」電圧の入力信号Sinを第2、第4の櫛形電極CE22、24に印加することにより、実施例1の第1の使用態様と同様に、第1、第2の櫛形電極CE21、CE22間の電圧関係と、第3、第4の櫛形電極CE23、24間の電圧関係とが「同相」になり、これにより、実施例1の第1の使用態様と同様に、第1の周波数f1を有する共振信号Sout(S0)を得ることができる。
【0076】
〈第2の使用態様〉
図12(B)に示されるように、弾性表面波素子SD20に入力信号Sinを印加することにより、即ち、例えば、「+」電圧の入力信号Sinを第1、第4の櫛形電極CE21、24に印加し、かつ、「−」電圧の入力信号Sinを第2、第3の櫛形電極CE22、23に印加することにより、実施例1の第2の使用態様と同様に、第1、第2の櫛形電極CE21、CE22間の電圧関係と、第3、第4の櫛形電極CE23、24間の電圧関係とが「逆相」になり、これにより、実施例1の第2の使用態様と同様に、第2の周波数f2を有する共振信号Sout(A0)を得ることができる。
【0077】
〈第3の使用態様〉
図12(C)に示されるように、弾性表面波素子SD20に入力信号Sinを印加することにより、即ち、例えば、「+」電圧の入力信号Sinを第1の櫛形電極CE21に印加し、「−」電圧の入力信号Sinを第2の櫛形電極CE22に印加し、他方で、入力信号Sinを第3、第4の櫛形電極CE23、CE24に印加しないことにより、実施例1の第3の使用態様と同様に、第3の周波数f3を有する共振信号Sout(S0+A0)を得ることができる。
【0078】
〈変形例1〉
実施例1の変形例1と同様に、第1、第2の櫛形電極ユニットCEU21、CEU22が、物理的に同一であるときには、前記第3の周波数f3は、前記第1の周波数f1及び前記第2の周波数f2間の中間、即ち、(f1+f2)/2になり、当該(f1+f2)/2である第3の周波数f3を有する共振信号Sout(S0+A0)を得ることが可能となる。
【0079】
〈変形例2〉
図13は、実施例3の変形例2の弾性表面波素子の配線を示す。上記した実施例3の第1〜第4の櫛形電極CE21〜CE24についての配線は、図13に示される構成における抵抗器R21a、R21b、R22a、R22bの抵抗値を変えることと等価である。より詳しくは、(a)入力信号源ISの一端(一)と第1の櫛形電極CE21とが接続されており、(b)入力信号源ISの一端(一)と第3の櫛形電極CE23、第4の櫛形電極CE24との間には、それぞれ、抵抗器R21a、R22bが設けられており、また、(c)入力信号源ISの他端(他)と第2の櫛形電極CE22とが接続されており、(d)入力信号源ISの他端(他)と第3の櫛形電極CE23、第4の櫛形電極CE24との間には、それぞれ、抵抗器R22a、R21bが設けられている。
【0080】
上記のような構成を前提として、(A1)抵抗器R21a、R21bの抵抗値を「0」にし、他方で、抵抗器R22a、R22bの抵抗値を「∞」にすることにより、上記した第1の使用態様のときの配線と同一になり、前記第1の周波数f1を有する前記共振信号Sout(S0)を生成することができる。
【0081】
また、(A2)抵抗器R22a、R22bの抵抗値を「0」にし、他方で、抵抗器R21a、R21bの抵抗値を「∞」にすることにより、上記した第2の使用態様のときの配線と同一になり、前記第2の周波数f2を有する前記共振信号Sout(A0)を生成することができる。
【0082】
更に、(A3)抵抗器R21a、R21b、R22a、R22bの4つの抵抗値を「∞」にすることにより、上記した第3の使用態様のときと配線と同一となり、前記第3の周波数f3を有する共振信号Sout(S0+A0)を生成することができる。
【0083】
〈変形例3〉
上記した変形例2と異なり、実施例1の変形例3と同様にして、上記した(A1)との比較で、(B1)抵抗器R21a、R21bの抵抗値を「0」にするものの、抵抗器R22a、R22bの抵抗値を「∞」にせずに、「0」から「∞」までの範囲内で変えることにより、第1の周波数f1から第3の周波数f3までの範囲の周波数f4(図6に図示。)を有する共振信号を生成することができ、また、上記した(A2)との比較で、(B2)抵抗器R22a、R21bの抵抗値を「0」にするものの、抵抗器R21a、R21bの抵抗値を「∞」にせずに、「0」から「∞」までの範囲内で変えることにより、第2の周波数f2から第3の周波数f3までの範囲内の周波数f5(図6に図示。)を有する共振信号を生成することができる。
【0084】
実施例1の弾性表面波素子SD1を備えた実施例1の弾性表面波デバイスSDEV1及び発振装置OSC1と同様に、実施例3の弾性表面波素子SD20と、第1、第2のスイッチ部SW1、SW2と、端子T20a、T20bを設けることにより実施例3の弾性表面波デバイス(図示せず。)を構成することができ、加えて、当該実施例2の弾性表面波デバイス(より正確には、第1、第2のスイッチ部SW1、SW2に代えて切替ユニットSWUを有する実施例2の弾性表面波デバイス)と、反転増幅器INとにより、実施例3の発振装置(図示せず。)を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】実施例1の弾性表面波素子の構成を示す図。
【図2】実施例1の弾性表面波素子の使用方法を示す図(その1)。
【図3】実施例1の弾性表面波素子の使用方法を示す図(その2)。
【図4】実施例1の弾性表面波素子の使用方法を示す図(その3)。
【図5】実施例1の変形例2の弾性表面波素子の配線を示す図。
【図6】実施例1の変形例2の使用方法での抵抗値と周波数との関係を示す図。
【図7】実施例1の発振装置の構成を示す図。
【図8】実施例1の弾性表面波デバイスの動作を示す図。
【図9】実施例2の弾性表面波素子の構成及び使用方法を示す図。
【図10】実施例2の変形例2の弾性表面波素子の配線を示す図。
【図11】実施例3の弾性表面波素子の構成を示す図。
【図12】実施例3の弾性表面波素子の使用方法を示す図。
【図13】実施例3の変形例2の弾性表面波素子の配線を示す図。
【図14】従来の弾性表面波素子の構成及び使用方法を示す図。
【符号の説明】
【0086】
SD1…弾性表面波素子、CE1、CE2…第1、第2の櫛形電極、Sin…交流入力信号、Sout(S0+A0)…共振信号。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電基板と、
前記圧電基板上に配置された第1、第2の櫛形電極ユニットであって、当該第1の櫛形電極ユニットが第1、第2の櫛形電極からなり、当該第2の櫛形電極ユニットが、前記第1、第2の櫛形電極に対応する第3、第4の櫛形電極からなる前記第1、第2の櫛形電極ユニットと、
前記圧電基板上で前記第1、第2の櫛形電極ユニットを挟む位置に設けられた一対の反射器と、を有する弾性表面波素子と、
外部から信号が入力される第1の端子及び第2の端子と、
を備えた弾性表面波デバイスであって、
前記第1の端子と前記第1の櫛形電極とが、電気的に接続されており、
前記第2の端子と前記第2の櫛形電極とが、電気的に接続されており、
前記第1の端子と前記第3の櫛形電極とが、第1の可変抵抗器を介して電気的に接続されており、
前記第1の端子と前記第4の櫛形電極とが、第2の可変抵抗器を介して電気的に接続されており、
前記第2の端子と前記第3の櫛形電極とが、第3の可変抵抗器を介して電気的に接続されており、
前記第1の端子と前記第4の櫛形電極とが、第4の可変抵抗器を介して電気的に接続されており、
前記第1の可変抵抗器、前記第2の可変抵抗器、前記第3の可変抵抗器、及び前記第4の可変抵抗器の抵抗値の調整により、前記弾性表面波素子の共振周波数が変わることを特徴とする弾性表面波デバイス。
【請求項2】
請求項1記載の弾性表面波デバイスにおいて、
(1)前記第1の可変抵抗器の抵抗値及び前記第4の可変抵抗器の抵抗値を実質的に0とし、前記第2の可変抵抗器の抵抗値及び前記第3の可変抵抗器の抵抗値を実質的に無限大として、前記弾性表面波素子の前記共振周波数を第1の周波数にする第1の状態と、(2)前記第1の可変抵抗器の抵抗値及び前記第4の可変抵抗器の抵抗値を実質的に無限大とし、前記第2の可変抵抗器の抵抗値及び前記第3の可変抵抗器の抵抗値を実質的に0として、前記弾性表面波素子の前記共振周波数を第2の周波数にする第2の状態と、(3)前記第1の可変抵抗器の抵抗値、前記第2の可変抵抗器の抵抗値、前記第3の可変抵抗器の抵抗値及び前記第4の可変抵抗器の抵抗値を実質的に無限大とし、前記弾性表面波素子の前記共振周波数を第3の周波数にする第3の状態と、を切り替える切替ユニットを更に備えたことを特徴とする弾性表面波デバイス。
【請求項3】
圧電基板と、
前記圧電基板上に配置された第1、第2の櫛形電極ユニットであって、当該第1の櫛形電極ユニットが第1、第2の櫛形電極からなり、当該第2の櫛形電極ユニットが、前記第1、第2の櫛形電極に対応する第3、第4の櫛形電極からなる前記第1、第2の櫛形電極ユニットと、前記圧電基板上で前記第1、第2の櫛形電極ユニットを挟む位置に設けられた一対の反射器と、を有する弾性表面波素子と、
外部から信号が入力される第1の端子及び第2の端子と、
を備えた弾性表面波デバイスであって、
前記第1の櫛形電極及び前記第3の櫛形電極は前記第1の端子に接続されており、
前記第2の櫛形電極及び前記第4の櫛形電極は前記第2の端子に接続されており、
前記弾性表面波素子の共振周波数が、前記第1の端子と前記第3の櫛形電極との間の抵抗値である第1の抵抗値、前記第1の端子と前記第4の櫛形電極との間の抵抗値である第2の抵抗値、前記第2の端子と前記第3の櫛形電極との間の抵抗値である第3の抵抗値、及び前記第1の端子と前記第4の櫛形電極との間の抵抗値である第4の抵抗値に基づき、決定された共振周波数であることを特徴とする弾性表面波デバイス。
【請求項4】
請求項1に記載の弾性表面波デバイスにおいて、
(1)前記第1の抵抗値及び前記第4の抵抗値を実質的に0とし、前記第2の抵抗値及び前記第3の抵抗値を実質的に無限大として、前記弾性表面波素子の前記共振周波数を第1の周波数にする第1の状態と、(2)前記第1の抵抗値及び前記第4の抵抗値を実質的に無限大とし、前記第2の抵抗値及び前記第3の抵抗値を実質的に0として、前記弾性表面波素子の前記共振周波数を第2の周波数にする第2の状態と、(3)前記第1の抵抗値、前記第2の抵抗値、前記第3の抵抗値及び前記第4の抵抗値を実質的に無限大とし、前記弾性表面波素子の前記共振周波数を第3の周波数にする第3の状態と、を切り替える切替ユニットを更に備えたことを特徴とする弾性表面波デバイス。
【請求項5】
圧電基板と、
前記圧電基板上に配置された第1、第2の櫛形電極ユニットであって、当該第1の櫛形電極ユニットが第1、第2の櫛形電極からなり、当該第2の櫛形電極ユニットが、前記第1、第2の櫛形電極に対応する第3、第4の櫛形電極からなる前記第1、第2の櫛形電極ユニットと、
前記圧電基板上で前記第1、第2の櫛形電極ユニットを挟む位置に設けられた一対の反射器と、を有する弾性表面波素子と、
外部から信号が入力される第1の端子及び第2の端子と、
前記第3の櫛形電極、前記第4の櫛形電極、及び開放端のいずれかを、前記第1の端子に電気的に接続する第1のスイッチ部と、
前記第4の櫛形電極、前記第3の櫛形電極、及び開放端のいずれかを、前記第2の端子に電気的に接続する第2のスイッチ部と、
(1)前記第1のスイッチ部において前記第1の端子と前記第3の櫛形電極との間を電気的に接続し、前記第2のスイッチ部において前記第2の端子と前記第4の櫛形電極との間を電気的に接続する第1の状態と、(2)前記第1のスイッチ部において前記第1の端子と前記第4の櫛形電極との間を電気的に接続し、前記第2のスイッチ部において前記第2の端子と前記第3の櫛形電極との間を電気的に接続する第2の状態と、(3)前記第1のスイッチ部において前記第1の端子と前記開放端とを接続し、前記第2のスイッチ部において前記第2の端子と前記開放端とを接続する第3の状態と、のいずれかの状態になるように前記第1のスイッチ部及び前記第2のスイッチ部を制御するスイッチ制御部と、を備えたことを特徴とする弾性表面波デバイス。
【請求項6】
圧電基板と、
前記圧電基板上に配置された第1、第2の櫛形電極ユニットを備え、当該第1の櫛形電極ユニットが第1、第2の櫛形電極からなり、当該第2の櫛形電極ユニットが、前記第1、第2の櫛形電極に対応する第3、第4の櫛形電極からなる前記第1、第2の櫛形電極ユニットと、
前記圧電基板上で前記第1、第2の櫛形電極ユニットを挟む位置に設けられた一対の反射器と、を有する弾性表面波素子の使用方法であって、
前記第1、第2の櫛形電極間に前記弾性表面波素子を励起するための入力信号を印加し、かつ、前記第3、第4の櫛形電極間に前記入力信号を実質的に印加しないことにより、前記第1、第2の櫛形電極間及び前記第3、第4の櫛形電極間への前記入力信号の印加を前記第1の櫛形電極の電圧及び前記第2の櫛形電極の電圧間の第1の関係と前記第3の櫛形電極の電圧及び前記第4の櫛形電極の電圧間の第2の関係とが実質的に同相になるように行うことにより得られる第1の共振信号の第1の周波数と、前記第1の関係と前記第2の関係とが実質的に逆相になるように行うことにより得られる第2の共振信号の第2の周波数との間に位置する第3の周波数を有する第3の共振信号を生成する生成工程を含むことを特徴とする弾性表面波素子の使用方法。
【請求項7】
圧電基板と、
前記圧電基板上に配置された第1、第2の櫛形電極ユニットであり、当該第1の櫛形電極ユニットが第1、第2の櫛形電極からなり、当該第2の櫛形電極ユニットが、前記第1、第2の櫛形電極に対応する第3、第4の櫛形電極からなる前記第1、第2の櫛形電極ユニットと、
前記圧電基板上で前記第1、第2の櫛形電極ユニットを挟む位置に設けられた一対の反射器と、を有する弾性表面波素子の使用方法であって、
前記第1、第2の櫛形電極間、及び、前記第3、第4の櫛形電極間への、前記弾性表面波素子を励起するための入力信号の印加を、前記第1の櫛形電極の電圧と前記第2の櫛形電極の電圧との第1の関係が、前記第3の櫛形電極の電圧と前記第4の櫛形電極の電圧との第2の関係と実質的に同相となるように行うことにより、第1の周波数を有する第1の共振信号を生成する第1の生成工程と、
前記第1、第2の櫛形電極間、及び、前記第3、第4の櫛形電極間への前記入力信号の印加を、前記第1関係が、前記第2の関係と実質的に逆相となるように行うことにより、前記第1の周波数より高い第2の周波数を有する第2の共振信号を生成する第2の生成工程と、
前記第1、第2の櫛形電極間に前記入力信号を印加し、かつ、前記第3、第4の櫛形電極間に前記入力信号を実質的に印加しないことにより、前記第1の周波数及び前記第2の周波数間に位置する第3の周波数を有する第3の共振信号を生成する第3の生成工程と、のうちのいずれかを選択的に実行することを特徴とする弾性表面波素子の使用方法。
【請求項8】
圧電基板と、
前記圧電基板上に配置された第1、第2の櫛形電極ユニットであり、当該第1の櫛形電極ユニットが第1、第2の櫛形電極からなり、当該第2の櫛形電極ユニットが、前記第1、第2の櫛形電極に対応する第3、第4の櫛形電極からなる前記第1、第2の櫛形電極ユニットと、
前記圧電基板上で前記第1、第2の櫛形電極ユニットを挟む位置に設けられた一対の反射器と、を有する弾性表面波素子の使用方法であって、
前記第1、第2の櫛形電極間、及び、前記第3、第4の櫛形電極間への、前記弾性表面波素子を励起するための入力信号の印加を、前記第1の櫛形電極の電圧と前記第2の櫛形電極の電圧との関係が、前記第3の櫛形電極の電圧と前記第4の櫛形電極の電圧との関係と実質的に同相又は逆相となり、かつ、前記第3、第4の櫛形電極間の第1のインピーダンスが、前記第1、第2の櫛形電極間の第2のインピーダンスより大きくなるように行うことにより、前記第1のインピーダンスにより規定される周波数を有する共振信号を生成する生成工程を含むことを特徴とする弾性表面波素子の使用方法。
【請求項9】
前記第1の櫛形電極ユニットと、前記第2の櫛形電極ユニットは、実質的に同一の構造であることを特徴とする請求項4、5記載の弾性表面波素子の使用方法。
【請求項1】
圧電基板と、
前記圧電基板上に配置された第1、第2の櫛形電極ユニットであって、当該第1の櫛形電極ユニットが第1、第2の櫛形電極からなり、当該第2の櫛形電極ユニットが、前記第1、第2の櫛形電極に対応する第3、第4の櫛形電極からなる前記第1、第2の櫛形電極ユニットと、
前記圧電基板上で前記第1、第2の櫛形電極ユニットを挟む位置に設けられた一対の反射器と、を有する弾性表面波素子と、
外部から信号が入力される第1の端子及び第2の端子と、
を備えた弾性表面波デバイスであって、
前記第1の端子と前記第1の櫛形電極とが、電気的に接続されており、
前記第2の端子と前記第2の櫛形電極とが、電気的に接続されており、
前記第1の端子と前記第3の櫛形電極とが、第1の可変抵抗器を介して電気的に接続されており、
前記第1の端子と前記第4の櫛形電極とが、第2の可変抵抗器を介して電気的に接続されており、
前記第2の端子と前記第3の櫛形電極とが、第3の可変抵抗器を介して電気的に接続されており、
前記第1の端子と前記第4の櫛形電極とが、第4の可変抵抗器を介して電気的に接続されており、
前記第1の可変抵抗器、前記第2の可変抵抗器、前記第3の可変抵抗器、及び前記第4の可変抵抗器の抵抗値の調整により、前記弾性表面波素子の共振周波数が変わることを特徴とする弾性表面波デバイス。
【請求項2】
請求項1記載の弾性表面波デバイスにおいて、
(1)前記第1の可変抵抗器の抵抗値及び前記第4の可変抵抗器の抵抗値を実質的に0とし、前記第2の可変抵抗器の抵抗値及び前記第3の可変抵抗器の抵抗値を実質的に無限大として、前記弾性表面波素子の前記共振周波数を第1の周波数にする第1の状態と、(2)前記第1の可変抵抗器の抵抗値及び前記第4の可変抵抗器の抵抗値を実質的に無限大とし、前記第2の可変抵抗器の抵抗値及び前記第3の可変抵抗器の抵抗値を実質的に0として、前記弾性表面波素子の前記共振周波数を第2の周波数にする第2の状態と、(3)前記第1の可変抵抗器の抵抗値、前記第2の可変抵抗器の抵抗値、前記第3の可変抵抗器の抵抗値及び前記第4の可変抵抗器の抵抗値を実質的に無限大とし、前記弾性表面波素子の前記共振周波数を第3の周波数にする第3の状態と、を切り替える切替ユニットを更に備えたことを特徴とする弾性表面波デバイス。
【請求項3】
圧電基板と、
前記圧電基板上に配置された第1、第2の櫛形電極ユニットであって、当該第1の櫛形電極ユニットが第1、第2の櫛形電極からなり、当該第2の櫛形電極ユニットが、前記第1、第2の櫛形電極に対応する第3、第4の櫛形電極からなる前記第1、第2の櫛形電極ユニットと、前記圧電基板上で前記第1、第2の櫛形電極ユニットを挟む位置に設けられた一対の反射器と、を有する弾性表面波素子と、
外部から信号が入力される第1の端子及び第2の端子と、
を備えた弾性表面波デバイスであって、
前記第1の櫛形電極及び前記第3の櫛形電極は前記第1の端子に接続されており、
前記第2の櫛形電極及び前記第4の櫛形電極は前記第2の端子に接続されており、
前記弾性表面波素子の共振周波数が、前記第1の端子と前記第3の櫛形電極との間の抵抗値である第1の抵抗値、前記第1の端子と前記第4の櫛形電極との間の抵抗値である第2の抵抗値、前記第2の端子と前記第3の櫛形電極との間の抵抗値である第3の抵抗値、及び前記第1の端子と前記第4の櫛形電極との間の抵抗値である第4の抵抗値に基づき、決定された共振周波数であることを特徴とする弾性表面波デバイス。
【請求項4】
請求項1に記載の弾性表面波デバイスにおいて、
(1)前記第1の抵抗値及び前記第4の抵抗値を実質的に0とし、前記第2の抵抗値及び前記第3の抵抗値を実質的に無限大として、前記弾性表面波素子の前記共振周波数を第1の周波数にする第1の状態と、(2)前記第1の抵抗値及び前記第4の抵抗値を実質的に無限大とし、前記第2の抵抗値及び前記第3の抵抗値を実質的に0として、前記弾性表面波素子の前記共振周波数を第2の周波数にする第2の状態と、(3)前記第1の抵抗値、前記第2の抵抗値、前記第3の抵抗値及び前記第4の抵抗値を実質的に無限大とし、前記弾性表面波素子の前記共振周波数を第3の周波数にする第3の状態と、を切り替える切替ユニットを更に備えたことを特徴とする弾性表面波デバイス。
【請求項5】
圧電基板と、
前記圧電基板上に配置された第1、第2の櫛形電極ユニットであって、当該第1の櫛形電極ユニットが第1、第2の櫛形電極からなり、当該第2の櫛形電極ユニットが、前記第1、第2の櫛形電極に対応する第3、第4の櫛形電極からなる前記第1、第2の櫛形電極ユニットと、
前記圧電基板上で前記第1、第2の櫛形電極ユニットを挟む位置に設けられた一対の反射器と、を有する弾性表面波素子と、
外部から信号が入力される第1の端子及び第2の端子と、
前記第3の櫛形電極、前記第4の櫛形電極、及び開放端のいずれかを、前記第1の端子に電気的に接続する第1のスイッチ部と、
前記第4の櫛形電極、前記第3の櫛形電極、及び開放端のいずれかを、前記第2の端子に電気的に接続する第2のスイッチ部と、
(1)前記第1のスイッチ部において前記第1の端子と前記第3の櫛形電極との間を電気的に接続し、前記第2のスイッチ部において前記第2の端子と前記第4の櫛形電極との間を電気的に接続する第1の状態と、(2)前記第1のスイッチ部において前記第1の端子と前記第4の櫛形電極との間を電気的に接続し、前記第2のスイッチ部において前記第2の端子と前記第3の櫛形電極との間を電気的に接続する第2の状態と、(3)前記第1のスイッチ部において前記第1の端子と前記開放端とを接続し、前記第2のスイッチ部において前記第2の端子と前記開放端とを接続する第3の状態と、のいずれかの状態になるように前記第1のスイッチ部及び前記第2のスイッチ部を制御するスイッチ制御部と、を備えたことを特徴とする弾性表面波デバイス。
【請求項6】
圧電基板と、
前記圧電基板上に配置された第1、第2の櫛形電極ユニットを備え、当該第1の櫛形電極ユニットが第1、第2の櫛形電極からなり、当該第2の櫛形電極ユニットが、前記第1、第2の櫛形電極に対応する第3、第4の櫛形電極からなる前記第1、第2の櫛形電極ユニットと、
前記圧電基板上で前記第1、第2の櫛形電極ユニットを挟む位置に設けられた一対の反射器と、を有する弾性表面波素子の使用方法であって、
前記第1、第2の櫛形電極間に前記弾性表面波素子を励起するための入力信号を印加し、かつ、前記第3、第4の櫛形電極間に前記入力信号を実質的に印加しないことにより、前記第1、第2の櫛形電極間及び前記第3、第4の櫛形電極間への前記入力信号の印加を前記第1の櫛形電極の電圧及び前記第2の櫛形電極の電圧間の第1の関係と前記第3の櫛形電極の電圧及び前記第4の櫛形電極の電圧間の第2の関係とが実質的に同相になるように行うことにより得られる第1の共振信号の第1の周波数と、前記第1の関係と前記第2の関係とが実質的に逆相になるように行うことにより得られる第2の共振信号の第2の周波数との間に位置する第3の周波数を有する第3の共振信号を生成する生成工程を含むことを特徴とする弾性表面波素子の使用方法。
【請求項7】
圧電基板と、
前記圧電基板上に配置された第1、第2の櫛形電極ユニットであり、当該第1の櫛形電極ユニットが第1、第2の櫛形電極からなり、当該第2の櫛形電極ユニットが、前記第1、第2の櫛形電極に対応する第3、第4の櫛形電極からなる前記第1、第2の櫛形電極ユニットと、
前記圧電基板上で前記第1、第2の櫛形電極ユニットを挟む位置に設けられた一対の反射器と、を有する弾性表面波素子の使用方法であって、
前記第1、第2の櫛形電極間、及び、前記第3、第4の櫛形電極間への、前記弾性表面波素子を励起するための入力信号の印加を、前記第1の櫛形電極の電圧と前記第2の櫛形電極の電圧との第1の関係が、前記第3の櫛形電極の電圧と前記第4の櫛形電極の電圧との第2の関係と実質的に同相となるように行うことにより、第1の周波数を有する第1の共振信号を生成する第1の生成工程と、
前記第1、第2の櫛形電極間、及び、前記第3、第4の櫛形電極間への前記入力信号の印加を、前記第1関係が、前記第2の関係と実質的に逆相となるように行うことにより、前記第1の周波数より高い第2の周波数を有する第2の共振信号を生成する第2の生成工程と、
前記第1、第2の櫛形電極間に前記入力信号を印加し、かつ、前記第3、第4の櫛形電極間に前記入力信号を実質的に印加しないことにより、前記第1の周波数及び前記第2の周波数間に位置する第3の周波数を有する第3の共振信号を生成する第3の生成工程と、のうちのいずれかを選択的に実行することを特徴とする弾性表面波素子の使用方法。
【請求項8】
圧電基板と、
前記圧電基板上に配置された第1、第2の櫛形電極ユニットであり、当該第1の櫛形電極ユニットが第1、第2の櫛形電極からなり、当該第2の櫛形電極ユニットが、前記第1、第2の櫛形電極に対応する第3、第4の櫛形電極からなる前記第1、第2の櫛形電極ユニットと、
前記圧電基板上で前記第1、第2の櫛形電極ユニットを挟む位置に設けられた一対の反射器と、を有する弾性表面波素子の使用方法であって、
前記第1、第2の櫛形電極間、及び、前記第3、第4の櫛形電極間への、前記弾性表面波素子を励起するための入力信号の印加を、前記第1の櫛形電極の電圧と前記第2の櫛形電極の電圧との関係が、前記第3の櫛形電極の電圧と前記第4の櫛形電極の電圧との関係と実質的に同相又は逆相となり、かつ、前記第3、第4の櫛形電極間の第1のインピーダンスが、前記第1、第2の櫛形電極間の第2のインピーダンスより大きくなるように行うことにより、前記第1のインピーダンスにより規定される周波数を有する共振信号を生成する生成工程を含むことを特徴とする弾性表面波素子の使用方法。
【請求項9】
前記第1の櫛形電極ユニットと、前記第2の櫛形電極ユニットは、実質的に同一の構造であることを特徴とする請求項4、5記載の弾性表面波素子の使用方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−136034(P2008−136034A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−321245(P2006−321245)
【出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【出願人】(000003104)エプソントヨコム株式会社 (1,528)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【出願人】(000003104)エプソントヨコム株式会社 (1,528)
【Fターム(参考)】
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