弾性表面波フィルタを用いた分波器
【課題】 コンパクトで、しかも耐電力を向上させることができる弾性表面波フィルタを用いた分波器を提供する。
【解決手段】 通過帯域の異なる送信用フィルタ及び受信用フィルタを有するSAW分波器において、前記受信用フィルタは弾性表面波共振器で構成し、前記送信用フィルタを縦結合二重モードフィルタで構成し、前記送信用フィルタの出力側には直列に第1の弾性表面波共振器が、並列に第2の弾性表面波共振器が設けられ、前記第1の弾性表面波共振器の一端は前記送信用フィルタの出力端子と接続されており、前記第2の弾性表面波共振器の一端は前記第1の弾性表面波共振器の前記一端に接続される。
【解決手段】 通過帯域の異なる送信用フィルタ及び受信用フィルタを有するSAW分波器において、前記受信用フィルタは弾性表面波共振器で構成し、前記送信用フィルタを縦結合二重モードフィルタで構成し、前記送信用フィルタの出力側には直列に第1の弾性表面波共振器が、並列に第2の弾性表面波共振器が設けられ、前記第1の弾性表面波共振器の一端は前記送信用フィルタの出力端子と接続されており、前記第2の弾性表面波共振器の一端は前記第1の弾性表面波共振器の前記一端に接続される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体通信用機器、特に携帯電話等の無線部に用いられる弾性表面波フィルタを用いた分波器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、このような分野の技術としては、例えば、特開平10−256869号公報『分波器における送信用SAWフィルタの構造』(下記特許文献1参照)に開示されるものがあった。
【0003】
図10は従来の弾性表面波フィルタを用いた分波器の構成図である。
【0004】
この図に示すように、ANT端1、接地GA 2、Tx(送信)端3、接地GT 4、Rx(受信)端5、接地GR 6、アンテナ側整合回路7、送信側分波回路8、送信側SAW共振器型フィルタ9、送信側整合回路10、受信側分波回路11、受信側SAW共振器型フィルタ12、受信側整合回路13で構成され、小型で通過帯域の挿入損失が小さいこと、お互いの通過帯域に対する減衰が大きいこと等の特性が要求されている。
【0005】
図11は一般の弾性表面波共振器を用いた分波器を含むRF部の構成図である。
【0006】
この図において、14はアンテナ、15は分波器、16はアンプ、17は受信側SAWフィルタ、18はパワーアンプ、19は送信側SAWフィルタである。
【0007】
図12は従来の弾性表面波共振器を用いた梯子型の6段構成の受信用フィルタの構成図である。
【0008】
この図において、21は受信用フィルタの入力端子、22はこの受信用フィルタの出力端子、23は入力端子21に接続される第1の弾性表面波共振器、24は入力端子21に接続されるとともに、その出力端子が接地される第2の弾性表面波共振器、25は第1の弾性表面波共振器23の出力端子に接続されるとともに、その出力端子が接地される第3の弾性表面波共振器、26は第1の弾性表面波共振器23の出力端子に直列に接続される第4の弾性表面波共振器、27は第4の弾性表面波共振器26の出力端子に接続されるとともに、その出力端子が接地される第5の弾性表面波共振器、28は第4の弾性表面波共振器26の出力端子に直列に接続され、その出力がこの受信用フィルタの出力端子22に接続される第6の弾性表面波共振器、29は第6の弾性表面波共振器28の出力端子に接続されるとともに、その出力端子が接地される第7の弾性表面波共振器である。
【特許文献1】特開平10−256869号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
現在まで、分波器の部品用途は携帯電話端末用に用いられる誘電体フィルタと、カード端末用に用いられるSAW分波器といったように、大きく2種類に分けられていた。しかしながら、近年の携帯電話の普及と共に装置自体の小型化が消費者のニーズであり、自ずと装置内の高周波部品にも小型化の波が押し寄せてきている。その為、携帯電話端末用にも誘電体フィルタに代わってSAW分波器が使用されるようになってきた。
【0010】
上記のようなこともあって、SAW分波器に対する装置要求規格が誘電体フィルタと同等規格となる一方、その携帯電話への利用に対しては、かつ、カード端末への利用より耐電力特性が重要視される携帯電話端末の規格を満足することは厳しく、特に受信フィルタの近傍減衰量(送信フィルタ側の通過帯域)を確保するために、上記した図12に示す弾性表面波共振器を用いた梯子型回路構成でそれを実現することはチップサイズも大きくなる原因となり、難があった。
【0011】
また、縦結合二重モードフィルタを用いた回路構成は、受信フィルタの近傍減衰量(送信フィルタ側の通過帯域)を確保することは容易であるが、耐電力に弱いので、そのままSAW分波器で利用するには問題があった。
【0012】
本発明は、上記問題点を除去し、コンパクトで、しかも耐電力を向上させることができる弾性表面波フィルタを用いた分波器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕通過帯域の異なる送信用フィルタ及び受信用フィルタを有するSAW分波器において、前記受信用フィルタは弾性表面波共振器で構成し、前記送信用フィルタを縦結合二重モードフィルタで構成し、前記送信用フィルタの出力側には直列に第1の弾性表面波共振器が、並列に第2の弾性表面波共振器が設けられ、前記第1の弾性表面波共振器の一端は前記送信用フィルタの出力端子と接続されており、前記第2の弾性表面波共振器の一端は前記第1の弾性表面波共振器の前記一端に接続されているようにしたものである。
【0014】
〔2〕上記〔1〕記載の分波器において、前記送信用フィルタの入力側には、直列に第3の弾性表面波共振器が、並列に第4の弾性表面波共振器が設けられているようにしたものである。
【0015】
〔3〕上記〔2〕記載の分波器において、前記第3の弾性表面波共振器の一端は前記送信用フィルタの入力端子と接続されており、前記第4の弾性表面波共振器の一端は前記第3の弾性表面波共振器の前記一端に接続されるているようにしたものである。
【0016】
〔4〕上記〔2〕記載の分波器において、前記第3の弾性表面波共振器の一端は前記送信用フィルタの入力端子と接続されており、前記第4の弾性表面波共振器の一端は前記第3の弾性表面波共振器の他端に接続されているようにしたものである。
【0017】
〔5〕通過帯域の異なる送信用フィルタ及び受信用フィルタを有するSAW分波器において、前記送信用フィルタは弾性表面波共振器で構成し、前記受信用フィルタを縦結合二重モードフィルタで構成し、前記受信用フィルタの入力側には直列に第1の弾性表面波共振器が、並列に第2の弾性表面波共振器が設けられ、前記第1の弾性表面波共振器の一端は前記受信用フィルタの入力端子と接続されており、前記第2の弾性表面波共振器の一端は前記第1の弾性表面波共振器の前記一端に接続され、前記受信用フィルタの出力側には直列に第3の弾性表面波共振器が、並列に第4の弾性表面波共振器が設けられ、かつ前記第3の弾性表面波共振器の一端は前記受信用フィルタの出力端子と接続されており、前記第4の弾性表面波共振器の一端は前記第3の弾性表面波共振器の前記一端に接続されているようにしたものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
【0019】
(A)RF部の回路構成にあるように、アンテナから見て分波器の次に送信系に接続されているPA(パワーアンプ)からかなりの電力がかかるため、分波器の中のフィルタに耐電力に強い弾性表面波共振器を梯子型に1セクション配することにより、耐電力の向上を図ることができる。
【0020】
(B)弾性表面波チップの大きさが、従来の弾性表面波共振器を用いた梯子型の6段構成に比べ、受信フィルタの近傍(送信フィルタ側の通過帯域)における減衰量を改善することができる。なおかつ、弾性表面波共振器を梯子型に1セクション配置し、次段以降は縦結合二重モードフィルタを2段従属接続したパターン配置としたので、パターン設計に自由度が増し、チップサイズも小さくなり、製造コストも抑えることができる。
【0021】
(C)送信用フィルタを縦結合二重モードフィルタで構成する場合には、高調波特性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の分波器は、通過帯域の異なる送信用フィルタ及び受信用フィルタを有するSAW分波器において、前記受信用フィルタは弾性表面波共振器で構成し、前記送信用フィルタを縦結合二重モードフィルタで構成し、前記送信用フィルタの出力側には直列に第1の弾性表面波共振器が、並列に第2の弾性表面波共振器が設けられ、前記第1の弾性表面波共振器の一端は前記送信用フィルタの出力端子と接続されており、前記第2の弾性表面波共振器の一端は前記第1の弾性表面波共振器の前記一端に接続される。
【実施例】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0024】
図1は本発明の第1実施例を示す並列に弾性表面波共振器と、直列に弾性表面波共振器を1つずつと、縦結合二重モードフィルタを組み合わせた受信用フィルタを示す図である。
【0025】
この図において、101はこの受信用フィルタの入力端子、102はこの受信用フィルタの出力端子、103は入力端子101に接続されるとともに、その出力端子が接地される第1の弾性表面波共振器、104は入力端子101に直列に接続される第2の弾性表面波共振器、105は第2の弾性表面波共振器104の出力端子に接続される縦結合二重モードフィルタである。
【0026】
このように、第1実施例によれば、図10に示した弾性表面波フィルタを用いた分波器の構成の受信系において、従来は受信用フィルタを弾性表面波共振器で構成していたが、近傍減衰量(送信フィルタ側の通過帯域)規格の改善及び、高調波を十分確保するために、本実施例では縦結合二重モードフィルタ構造とし、受信用フィルタの前段に、図1に示すように、並列に第1の弾性表面波共振器103と、直列に第2の弾性表面波共振器104を1つずつ配置する。
【0027】
図2は本発明の第2実施例を示す直列に第1の弾性表面波共振器と、並列に第2の弾性表面波共振器を1つずつと縦結合二重モードフィルタを組み合わせた受信用フィルタを示す図である。
【0028】
この図において、201はこの受信用フィルタの入力端子、202はこの受信用フィルタの出力端子、203は入力端子201に直列に接続される第1の弾性表面波共振器、204は第1の弾性表面波共振器203の出力端子に接続されるとともに、その出力端子が接地される第2の弾性表面波共振器、205は第1の弾性表面波共振器203の出力端子に接続される縦結合二重モードフィルタである。
【0029】
このように、第2実施例によれば、図10に示した弾性表面波フィルタを用いた分波器の構成の受信系において、受信用フィルタを従来は弾性表面波共振器で構成していたが、近傍減衰量(送信フィルタ側の通過帯域)規格の改善及び、高調波を十分確保するために、縦結合二重モードフィルタ構造とし、受信用フィルタの前段に、図2に示したように、直列に弾性表面波共振器203と、並列に第2の弾性表面波共振器204を1つずつ配置する。
【0030】
図3は本発明の第3実施例を示す直列に弾性表面波共振器1つと、縦結合二重モードフィルタを組み合わせた受信用フィルタを示す図である。
【0031】
この図において、301はこの受信用フィルタの入力端子、302はこの受信用フィルタの出力端子、303は入力端子301に直列に接続される弾性表面波共振器、304は弾性表面波共振器303の出力端子に接続される縦結合二重モードフィルタである。
【0032】
このように、第3実施例によれば、図10に示した弾性表面波フィルタを用いた分波器の構成の受信系において、受信用フィルタを従来は弾性表面波共振器で構成していたが、近傍減衰量(送信フィルタ側の通過帯域)規格の改善及び、高調波を十分確保するために、縦結合二重モードフィルタ構造とし、受信用フィルタの前段に、図3に示すように、直列に弾性表面波共振器303を1つ配置する。
【0033】
以下、本発明の動作について説明する。
【0034】
一般に分波器を含めた無線(RF)部の回路構成は、前述した図11に示すようになっている。ここで、RF部の信号の流れは受信系に関しては、アンテナ14で受けた電波を分波器15で分波させ、受信系側のアンプ16で増幅し、受信側SAWフィルタ17へ至り、次の部品(図示なし)へと信号が流れていく。
【0035】
送信系に関しては、部品(図示なし)から送信側SAWフィルタ19へと信号が流れ、パワーアンプ18で増幅され、分波器15を介してアンテナ14から電波が発信されていく。
【0036】
上記したように、分波器15には、アンテナ14からみて分波器15の次に送信系に接続されているPA(パワーアンプ)18から、かなりの電力がかかる。そのため、分波器15の中の送信フィルタは勿論のこと、一部受信フィルタにも回り込みが発生する。そこで、本発明では、RF部の回路構成にあるように、アンテナ14から見て分波器15の次に送信系に接続されているPA(パワーアンプ)18からかなりの電力がかかるため、分波器の中の送信フィルタ出力段に耐電力に強い弾性表面波共振器を梯子型に1セクション配し、入力段側は縦結合二重モードフィルタを縦属接続する。
【0037】
このように構成したので、この実施例によれば、弾性表面波チップの大きさが従来の図12に示した弾性表面波共振器を用いた梯子型の6段構成に比べ、受信フィルタの近傍(送信フィルタ側の通過帯域)における減衰量を改善することができ、なおかつ弾性表面波共振器を梯子型に1セクション配し、次段以降は縦結合二重モードフィルタを2段従属接続したパターン配置であるので、パターン設計に自由度が増し、チップサイズも小さくなり製造コストも抑えることができる。
【0038】
更に、以下のような実施例を展開することができる。
【0039】
図4は本発明の第4実施例を示す縦結合二重モードフィルタ2段と直列に弾性表面波共振器と、並列に弾性表面波共振器を1つずつを組み合わせた送信用フィルタを示す図である。
【0040】
この図に示すように、この実施例の送信用フィルタは、送信用フィルタの入力端子401、送信用フィルタの出力端子402、入力端子401に直列に接続される2段の縦結合二重モードフィルタ403、その2段の縦結合二重モードフィルタ403の出力端子に直列に接続される弾性表面波共振器404と、その弾性表面波共振器404の出力端子に並列に接続される弾性表面波共振器405から構成されている。
【0041】
図5は本発明の第5実施例を示す縦結合二重モードフィルタ2段と並列に弾性表面波共振器と、直列に弾性表面波共振器を1つずつを組み合わせた送信用フィルタを示す図である。
【0042】
この図に示すように、この実施例の送信用フィルタは、送信用フィルタの入力端子501、送信用フィルタの出力端子502、入力端子501に直列に接続される2段の縦結合二重モードフィルタ503、その2段の縦結合二重モードフィルタ503の出力端子に並列に接続される弾性表面波共振器504、その2段の縦結合二重モードフィルタ503の出力端子に直列に接続される弾性表面波共振器505から構成されている。
【0043】
図6は本発明の第6実施例を示す並列に弾性表面波共振器と、直列に弾性表面波共振器を1つずつと縦結合二重モードフィルタ1段と直列に弾性表面波共振器と、並列に弾性表面波共振器を組み合わせた送信及び受信用フィルタを示す図である。
【0044】
この図に示すように、この実施例の送信及び受信用フィルタは、送信及び受信用フィルタの入力端子601、送信及び受信用フィルタの出力端子602、入力端子601に並列に接続される弾性表面波共振器603、入力端子601に直列に接続される弾性表面波共振器604、弾性表面波共振器604の出力端子に接続される1段の縦結合二重モードフィルタ605、その1段の縦結合二重モードフィルタ605の出力端子に直列に接続される弾性表面波共振器606、弾性表面波共振器606の出力端子に並列に接続される弾性表面波共振器607から構成されている。
【0045】
図7は本発明の第7実施例を示す並列に弾性表面波共振器と、直列に弾性表面波共振器を1つずつと縦結合二重モードフィルタ1段と並列に弾性表面波共振器と、直列に弾性表面波共振器を組み合わせた送信及び受信用フィルタを示す図である。
【0046】
この図に示すように、この実施例の送信及び受信用フィルタは、送信及び受信用フィルタの入力端子701、送信及び受信用フィルタの出力端子702、入力端子701に直列に接続される弾性表面波共振器704、並列に接続される弾性表面波共振器703、弾性表面波共振器704の出力端子に接続される1段の縦結合二重モードフィルタ705、その1段の縦結合二重モードフィルタ705の出力端子に並列に接続される弾性表面波共振器706、その1段の縦結合二重モードフィルタ705の出力端子に直列に接続される弾性表面波共振器707から構成している。
【0047】
図8は本発明の第8実施例を示す直列に弾性表面波共振器と、並列に弾性表面波共振器を1つずつと縦結合二重モードフィルタ1段と並列に弾性表面波共振器と、直列に弾性表面波共振器を組み合わせた送信及び受信用フィルタを示す図である。
【0048】
この図に示すように、この実施例の送信及び受信用フィルタは、送信及び受信用フィルタの入力端子801、送信及び受信用フィルタの出力端子802、入力端子801に直列に接続される弾性表面波共振器803、その弾性表面波共振器803の出力端子に並列に接続される弾性表面波共振器804、弾性表面波共振器803の出力端子に直列に接続される1段の縦結合二重モードフィルタ805、その1段の縦結合二重モードフィルタ805の出力端子に並列に接続される弾性表面波共振器806、その1段の縦結合二重モードフィルタ805の出力端子に直列に接続される弾性表面波共振器807から構成されている。
【0049】
図9は本発明の第9実施例を示す直列に弾性表面波共振器と、並列に弾性表面波共振器を1つずつと縦結合二重モードフィルタ1段と直列に弾性表面波共振器と、並列に弾性表面波共振器を組み合わせた送信及び受信用フィルタを示す図である。
【0050】
この図に示すように、この実施例の送信及び受信用フィルタは、送信及び受信用フィルタの入力端子901、送信及び受信用フィルタの出力端子902、入力端子901に直列に接続される弾性表面波共振器903、その弾性表面波共振器903の出力端子に並列に接続される弾性表面波共振器904、その弾性表面波共振器903の出力端子に直列に接続される1段の縦結合二重モードフィルタ905、その1段の縦結合二重モードフィルタ905の出力端子に直列に接続される弾性表面波共振器906、その弾性表面波共振器906に並列に接続される弾性表面波共振器907から構成されている。
【0051】
なお、図6〜図9に関しては受信側における構成を適宜送信側に適用できることは言うまでもない。
【0052】
また、送信側と受信側との複合構造にすることができることも言うまでもない。
【0053】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明の分波器は、コンパクトで、しかも耐電力を向上させることができる弾性表面波フィルタとして利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の第1実施例を示す並列に弾性表面波共振器と直列に弾性表面波共振器を1つずつと縦結合二重モードフィルタを組み合わせた受信用フィルタを示す図である。
【図2】本発明の第2実施例を示す直列に第1の弾性表面波共振器と並列に第2の弾性表面波共振器を1つずつと縦結合二重モードフィルタを組み合わせた受信用フィルタを示す図である。
【図3】本発明の第3実施例を示す直列に弾性表面波共振器1つと縦結合二重モードフィルタを組み合わせた受信用フィルタを示す図である。
【図4】本発明の第4実施例を示す縦結合二重モードフィルタ2段と直列に弾性表面波共振器と、並列に弾性表面波共振器を1つずつを組み合わせた送信用フィルタを示す図である。
【図5】本発明の第5実施例を示す縦結合二重モードフィルタ2段と並列に弾性表面波共振器と、直列に弾性表面波共振器を1つずつを組み合わせた送信用フィルタを示す図である。
【図6】本発明の第6実施例を示す並列に弾性表面波共振器と、直列に弾性表面波共振器を1つずつと縦結合二重モードフィルタ1段と直列に弾性表面波共振器と、並列に弾性表面波共振器を組み合わせた送信及び受信用フィルタを示す図である。
【図7】本発明の第7実施例を示す並列に弾性表面波共振器と、直列に弾性表面波共振器を1つずつと縦結合二重モードフィルタ1段と並列に弾性表面波共振器と、直列に弾性表面波共振器を組み合わせた送信及び受信用フィルタを示す図である。
【図8】本発明の第8実施例を示す直列に弾性表面波共振器と、並列に弾性表面波共振器を1つずつと縦結合二重モードフィルタ1段と並列に弾性表面波共振器と、直列に弾性表面波共振器を組み合わせた送信及び受信用フィルタを示す図である。
【図9】本発明の第9実施例を示す直列に弾性表面波共振器と、並列に弾性表面波共振器を1つずつと縦結合二重モードフィルタ1段と直列に弾性表面波共振器と、並列に弾性表面波共振器を組み合わせた送信及び受信用フィルタを示す図である。
【図10】従来の弾性表面波フィルタを用いた分波器の構成図である。
【図11】一般の弾性表面波共振器を用いた分波器のRF部の構成図である。
【図12】従来の弾性表面波共振器を用いた梯子型の6段構成の受信用フィルタの構成図である。
【符号の説明】
【0056】
14 アンテナ
15 分波器
16 受信系側のアンプ
17 受信側SAWフィルタ
18 パワーアンプ
19 送信側SAWフィルタ
101,201,301 受信用フィルタの入力端子
102,202,302 受信用フィルタの出力端子
103,203 第1の弾性表面波共振器
104,204 第2の弾性表面波共振器
105,205,304,403,503,605,705,805,905 縦結合二重モードフィルタ
303,404,405,504,505,603,604,606,607,703,704,706,707,803,804,806,807,903,904,906,907 弾性表面波共振器
401,501 送信用フィルタの入力端子
402,502 送信用フィルタの出力端子
601,701,801,901 送信及び受信用フィルタの入力端子
602,702,802,902 送信及び受信用フィルタの出力端子
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体通信用機器、特に携帯電話等の無線部に用いられる弾性表面波フィルタを用いた分波器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、このような分野の技術としては、例えば、特開平10−256869号公報『分波器における送信用SAWフィルタの構造』(下記特許文献1参照)に開示されるものがあった。
【0003】
図10は従来の弾性表面波フィルタを用いた分波器の構成図である。
【0004】
この図に示すように、ANT端1、接地GA 2、Tx(送信)端3、接地GT 4、Rx(受信)端5、接地GR 6、アンテナ側整合回路7、送信側分波回路8、送信側SAW共振器型フィルタ9、送信側整合回路10、受信側分波回路11、受信側SAW共振器型フィルタ12、受信側整合回路13で構成され、小型で通過帯域の挿入損失が小さいこと、お互いの通過帯域に対する減衰が大きいこと等の特性が要求されている。
【0005】
図11は一般の弾性表面波共振器を用いた分波器を含むRF部の構成図である。
【0006】
この図において、14はアンテナ、15は分波器、16はアンプ、17は受信側SAWフィルタ、18はパワーアンプ、19は送信側SAWフィルタである。
【0007】
図12は従来の弾性表面波共振器を用いた梯子型の6段構成の受信用フィルタの構成図である。
【0008】
この図において、21は受信用フィルタの入力端子、22はこの受信用フィルタの出力端子、23は入力端子21に接続される第1の弾性表面波共振器、24は入力端子21に接続されるとともに、その出力端子が接地される第2の弾性表面波共振器、25は第1の弾性表面波共振器23の出力端子に接続されるとともに、その出力端子が接地される第3の弾性表面波共振器、26は第1の弾性表面波共振器23の出力端子に直列に接続される第4の弾性表面波共振器、27は第4の弾性表面波共振器26の出力端子に接続されるとともに、その出力端子が接地される第5の弾性表面波共振器、28は第4の弾性表面波共振器26の出力端子に直列に接続され、その出力がこの受信用フィルタの出力端子22に接続される第6の弾性表面波共振器、29は第6の弾性表面波共振器28の出力端子に接続されるとともに、その出力端子が接地される第7の弾性表面波共振器である。
【特許文献1】特開平10−256869号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
現在まで、分波器の部品用途は携帯電話端末用に用いられる誘電体フィルタと、カード端末用に用いられるSAW分波器といったように、大きく2種類に分けられていた。しかしながら、近年の携帯電話の普及と共に装置自体の小型化が消費者のニーズであり、自ずと装置内の高周波部品にも小型化の波が押し寄せてきている。その為、携帯電話端末用にも誘電体フィルタに代わってSAW分波器が使用されるようになってきた。
【0010】
上記のようなこともあって、SAW分波器に対する装置要求規格が誘電体フィルタと同等規格となる一方、その携帯電話への利用に対しては、かつ、カード端末への利用より耐電力特性が重要視される携帯電話端末の規格を満足することは厳しく、特に受信フィルタの近傍減衰量(送信フィルタ側の通過帯域)を確保するために、上記した図12に示す弾性表面波共振器を用いた梯子型回路構成でそれを実現することはチップサイズも大きくなる原因となり、難があった。
【0011】
また、縦結合二重モードフィルタを用いた回路構成は、受信フィルタの近傍減衰量(送信フィルタ側の通過帯域)を確保することは容易であるが、耐電力に弱いので、そのままSAW分波器で利用するには問題があった。
【0012】
本発明は、上記問題点を除去し、コンパクトで、しかも耐電力を向上させることができる弾性表面波フィルタを用いた分波器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕通過帯域の異なる送信用フィルタ及び受信用フィルタを有するSAW分波器において、前記受信用フィルタは弾性表面波共振器で構成し、前記送信用フィルタを縦結合二重モードフィルタで構成し、前記送信用フィルタの出力側には直列に第1の弾性表面波共振器が、並列に第2の弾性表面波共振器が設けられ、前記第1の弾性表面波共振器の一端は前記送信用フィルタの出力端子と接続されており、前記第2の弾性表面波共振器の一端は前記第1の弾性表面波共振器の前記一端に接続されているようにしたものである。
【0014】
〔2〕上記〔1〕記載の分波器において、前記送信用フィルタの入力側には、直列に第3の弾性表面波共振器が、並列に第4の弾性表面波共振器が設けられているようにしたものである。
【0015】
〔3〕上記〔2〕記載の分波器において、前記第3の弾性表面波共振器の一端は前記送信用フィルタの入力端子と接続されており、前記第4の弾性表面波共振器の一端は前記第3の弾性表面波共振器の前記一端に接続されるているようにしたものである。
【0016】
〔4〕上記〔2〕記載の分波器において、前記第3の弾性表面波共振器の一端は前記送信用フィルタの入力端子と接続されており、前記第4の弾性表面波共振器の一端は前記第3の弾性表面波共振器の他端に接続されているようにしたものである。
【0017】
〔5〕通過帯域の異なる送信用フィルタ及び受信用フィルタを有するSAW分波器において、前記送信用フィルタは弾性表面波共振器で構成し、前記受信用フィルタを縦結合二重モードフィルタで構成し、前記受信用フィルタの入力側には直列に第1の弾性表面波共振器が、並列に第2の弾性表面波共振器が設けられ、前記第1の弾性表面波共振器の一端は前記受信用フィルタの入力端子と接続されており、前記第2の弾性表面波共振器の一端は前記第1の弾性表面波共振器の前記一端に接続され、前記受信用フィルタの出力側には直列に第3の弾性表面波共振器が、並列に第4の弾性表面波共振器が設けられ、かつ前記第3の弾性表面波共振器の一端は前記受信用フィルタの出力端子と接続されており、前記第4の弾性表面波共振器の一端は前記第3の弾性表面波共振器の前記一端に接続されているようにしたものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
【0019】
(A)RF部の回路構成にあるように、アンテナから見て分波器の次に送信系に接続されているPA(パワーアンプ)からかなりの電力がかかるため、分波器の中のフィルタに耐電力に強い弾性表面波共振器を梯子型に1セクション配することにより、耐電力の向上を図ることができる。
【0020】
(B)弾性表面波チップの大きさが、従来の弾性表面波共振器を用いた梯子型の6段構成に比べ、受信フィルタの近傍(送信フィルタ側の通過帯域)における減衰量を改善することができる。なおかつ、弾性表面波共振器を梯子型に1セクション配置し、次段以降は縦結合二重モードフィルタを2段従属接続したパターン配置としたので、パターン設計に自由度が増し、チップサイズも小さくなり、製造コストも抑えることができる。
【0021】
(C)送信用フィルタを縦結合二重モードフィルタで構成する場合には、高調波特性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の分波器は、通過帯域の異なる送信用フィルタ及び受信用フィルタを有するSAW分波器において、前記受信用フィルタは弾性表面波共振器で構成し、前記送信用フィルタを縦結合二重モードフィルタで構成し、前記送信用フィルタの出力側には直列に第1の弾性表面波共振器が、並列に第2の弾性表面波共振器が設けられ、前記第1の弾性表面波共振器の一端は前記送信用フィルタの出力端子と接続されており、前記第2の弾性表面波共振器の一端は前記第1の弾性表面波共振器の前記一端に接続される。
【実施例】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0024】
図1は本発明の第1実施例を示す並列に弾性表面波共振器と、直列に弾性表面波共振器を1つずつと、縦結合二重モードフィルタを組み合わせた受信用フィルタを示す図である。
【0025】
この図において、101はこの受信用フィルタの入力端子、102はこの受信用フィルタの出力端子、103は入力端子101に接続されるとともに、その出力端子が接地される第1の弾性表面波共振器、104は入力端子101に直列に接続される第2の弾性表面波共振器、105は第2の弾性表面波共振器104の出力端子に接続される縦結合二重モードフィルタである。
【0026】
このように、第1実施例によれば、図10に示した弾性表面波フィルタを用いた分波器の構成の受信系において、従来は受信用フィルタを弾性表面波共振器で構成していたが、近傍減衰量(送信フィルタ側の通過帯域)規格の改善及び、高調波を十分確保するために、本実施例では縦結合二重モードフィルタ構造とし、受信用フィルタの前段に、図1に示すように、並列に第1の弾性表面波共振器103と、直列に第2の弾性表面波共振器104を1つずつ配置する。
【0027】
図2は本発明の第2実施例を示す直列に第1の弾性表面波共振器と、並列に第2の弾性表面波共振器を1つずつと縦結合二重モードフィルタを組み合わせた受信用フィルタを示す図である。
【0028】
この図において、201はこの受信用フィルタの入力端子、202はこの受信用フィルタの出力端子、203は入力端子201に直列に接続される第1の弾性表面波共振器、204は第1の弾性表面波共振器203の出力端子に接続されるとともに、その出力端子が接地される第2の弾性表面波共振器、205は第1の弾性表面波共振器203の出力端子に接続される縦結合二重モードフィルタである。
【0029】
このように、第2実施例によれば、図10に示した弾性表面波フィルタを用いた分波器の構成の受信系において、受信用フィルタを従来は弾性表面波共振器で構成していたが、近傍減衰量(送信フィルタ側の通過帯域)規格の改善及び、高調波を十分確保するために、縦結合二重モードフィルタ構造とし、受信用フィルタの前段に、図2に示したように、直列に弾性表面波共振器203と、並列に第2の弾性表面波共振器204を1つずつ配置する。
【0030】
図3は本発明の第3実施例を示す直列に弾性表面波共振器1つと、縦結合二重モードフィルタを組み合わせた受信用フィルタを示す図である。
【0031】
この図において、301はこの受信用フィルタの入力端子、302はこの受信用フィルタの出力端子、303は入力端子301に直列に接続される弾性表面波共振器、304は弾性表面波共振器303の出力端子に接続される縦結合二重モードフィルタである。
【0032】
このように、第3実施例によれば、図10に示した弾性表面波フィルタを用いた分波器の構成の受信系において、受信用フィルタを従来は弾性表面波共振器で構成していたが、近傍減衰量(送信フィルタ側の通過帯域)規格の改善及び、高調波を十分確保するために、縦結合二重モードフィルタ構造とし、受信用フィルタの前段に、図3に示すように、直列に弾性表面波共振器303を1つ配置する。
【0033】
以下、本発明の動作について説明する。
【0034】
一般に分波器を含めた無線(RF)部の回路構成は、前述した図11に示すようになっている。ここで、RF部の信号の流れは受信系に関しては、アンテナ14で受けた電波を分波器15で分波させ、受信系側のアンプ16で増幅し、受信側SAWフィルタ17へ至り、次の部品(図示なし)へと信号が流れていく。
【0035】
送信系に関しては、部品(図示なし)から送信側SAWフィルタ19へと信号が流れ、パワーアンプ18で増幅され、分波器15を介してアンテナ14から電波が発信されていく。
【0036】
上記したように、分波器15には、アンテナ14からみて分波器15の次に送信系に接続されているPA(パワーアンプ)18から、かなりの電力がかかる。そのため、分波器15の中の送信フィルタは勿論のこと、一部受信フィルタにも回り込みが発生する。そこで、本発明では、RF部の回路構成にあるように、アンテナ14から見て分波器15の次に送信系に接続されているPA(パワーアンプ)18からかなりの電力がかかるため、分波器の中の送信フィルタ出力段に耐電力に強い弾性表面波共振器を梯子型に1セクション配し、入力段側は縦結合二重モードフィルタを縦属接続する。
【0037】
このように構成したので、この実施例によれば、弾性表面波チップの大きさが従来の図12に示した弾性表面波共振器を用いた梯子型の6段構成に比べ、受信フィルタの近傍(送信フィルタ側の通過帯域)における減衰量を改善することができ、なおかつ弾性表面波共振器を梯子型に1セクション配し、次段以降は縦結合二重モードフィルタを2段従属接続したパターン配置であるので、パターン設計に自由度が増し、チップサイズも小さくなり製造コストも抑えることができる。
【0038】
更に、以下のような実施例を展開することができる。
【0039】
図4は本発明の第4実施例を示す縦結合二重モードフィルタ2段と直列に弾性表面波共振器と、並列に弾性表面波共振器を1つずつを組み合わせた送信用フィルタを示す図である。
【0040】
この図に示すように、この実施例の送信用フィルタは、送信用フィルタの入力端子401、送信用フィルタの出力端子402、入力端子401に直列に接続される2段の縦結合二重モードフィルタ403、その2段の縦結合二重モードフィルタ403の出力端子に直列に接続される弾性表面波共振器404と、その弾性表面波共振器404の出力端子に並列に接続される弾性表面波共振器405から構成されている。
【0041】
図5は本発明の第5実施例を示す縦結合二重モードフィルタ2段と並列に弾性表面波共振器と、直列に弾性表面波共振器を1つずつを組み合わせた送信用フィルタを示す図である。
【0042】
この図に示すように、この実施例の送信用フィルタは、送信用フィルタの入力端子501、送信用フィルタの出力端子502、入力端子501に直列に接続される2段の縦結合二重モードフィルタ503、その2段の縦結合二重モードフィルタ503の出力端子に並列に接続される弾性表面波共振器504、その2段の縦結合二重モードフィルタ503の出力端子に直列に接続される弾性表面波共振器505から構成されている。
【0043】
図6は本発明の第6実施例を示す並列に弾性表面波共振器と、直列に弾性表面波共振器を1つずつと縦結合二重モードフィルタ1段と直列に弾性表面波共振器と、並列に弾性表面波共振器を組み合わせた送信及び受信用フィルタを示す図である。
【0044】
この図に示すように、この実施例の送信及び受信用フィルタは、送信及び受信用フィルタの入力端子601、送信及び受信用フィルタの出力端子602、入力端子601に並列に接続される弾性表面波共振器603、入力端子601に直列に接続される弾性表面波共振器604、弾性表面波共振器604の出力端子に接続される1段の縦結合二重モードフィルタ605、その1段の縦結合二重モードフィルタ605の出力端子に直列に接続される弾性表面波共振器606、弾性表面波共振器606の出力端子に並列に接続される弾性表面波共振器607から構成されている。
【0045】
図7は本発明の第7実施例を示す並列に弾性表面波共振器と、直列に弾性表面波共振器を1つずつと縦結合二重モードフィルタ1段と並列に弾性表面波共振器と、直列に弾性表面波共振器を組み合わせた送信及び受信用フィルタを示す図である。
【0046】
この図に示すように、この実施例の送信及び受信用フィルタは、送信及び受信用フィルタの入力端子701、送信及び受信用フィルタの出力端子702、入力端子701に直列に接続される弾性表面波共振器704、並列に接続される弾性表面波共振器703、弾性表面波共振器704の出力端子に接続される1段の縦結合二重モードフィルタ705、その1段の縦結合二重モードフィルタ705の出力端子に並列に接続される弾性表面波共振器706、その1段の縦結合二重モードフィルタ705の出力端子に直列に接続される弾性表面波共振器707から構成している。
【0047】
図8は本発明の第8実施例を示す直列に弾性表面波共振器と、並列に弾性表面波共振器を1つずつと縦結合二重モードフィルタ1段と並列に弾性表面波共振器と、直列に弾性表面波共振器を組み合わせた送信及び受信用フィルタを示す図である。
【0048】
この図に示すように、この実施例の送信及び受信用フィルタは、送信及び受信用フィルタの入力端子801、送信及び受信用フィルタの出力端子802、入力端子801に直列に接続される弾性表面波共振器803、その弾性表面波共振器803の出力端子に並列に接続される弾性表面波共振器804、弾性表面波共振器803の出力端子に直列に接続される1段の縦結合二重モードフィルタ805、その1段の縦結合二重モードフィルタ805の出力端子に並列に接続される弾性表面波共振器806、その1段の縦結合二重モードフィルタ805の出力端子に直列に接続される弾性表面波共振器807から構成されている。
【0049】
図9は本発明の第9実施例を示す直列に弾性表面波共振器と、並列に弾性表面波共振器を1つずつと縦結合二重モードフィルタ1段と直列に弾性表面波共振器と、並列に弾性表面波共振器を組み合わせた送信及び受信用フィルタを示す図である。
【0050】
この図に示すように、この実施例の送信及び受信用フィルタは、送信及び受信用フィルタの入力端子901、送信及び受信用フィルタの出力端子902、入力端子901に直列に接続される弾性表面波共振器903、その弾性表面波共振器903の出力端子に並列に接続される弾性表面波共振器904、その弾性表面波共振器903の出力端子に直列に接続される1段の縦結合二重モードフィルタ905、その1段の縦結合二重モードフィルタ905の出力端子に直列に接続される弾性表面波共振器906、その弾性表面波共振器906に並列に接続される弾性表面波共振器907から構成されている。
【0051】
なお、図6〜図9に関しては受信側における構成を適宜送信側に適用できることは言うまでもない。
【0052】
また、送信側と受信側との複合構造にすることができることも言うまでもない。
【0053】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明の分波器は、コンパクトで、しかも耐電力を向上させることができる弾性表面波フィルタとして利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の第1実施例を示す並列に弾性表面波共振器と直列に弾性表面波共振器を1つずつと縦結合二重モードフィルタを組み合わせた受信用フィルタを示す図である。
【図2】本発明の第2実施例を示す直列に第1の弾性表面波共振器と並列に第2の弾性表面波共振器を1つずつと縦結合二重モードフィルタを組み合わせた受信用フィルタを示す図である。
【図3】本発明の第3実施例を示す直列に弾性表面波共振器1つと縦結合二重モードフィルタを組み合わせた受信用フィルタを示す図である。
【図4】本発明の第4実施例を示す縦結合二重モードフィルタ2段と直列に弾性表面波共振器と、並列に弾性表面波共振器を1つずつを組み合わせた送信用フィルタを示す図である。
【図5】本発明の第5実施例を示す縦結合二重モードフィルタ2段と並列に弾性表面波共振器と、直列に弾性表面波共振器を1つずつを組み合わせた送信用フィルタを示す図である。
【図6】本発明の第6実施例を示す並列に弾性表面波共振器と、直列に弾性表面波共振器を1つずつと縦結合二重モードフィルタ1段と直列に弾性表面波共振器と、並列に弾性表面波共振器を組み合わせた送信及び受信用フィルタを示す図である。
【図7】本発明の第7実施例を示す並列に弾性表面波共振器と、直列に弾性表面波共振器を1つずつと縦結合二重モードフィルタ1段と並列に弾性表面波共振器と、直列に弾性表面波共振器を組み合わせた送信及び受信用フィルタを示す図である。
【図8】本発明の第8実施例を示す直列に弾性表面波共振器と、並列に弾性表面波共振器を1つずつと縦結合二重モードフィルタ1段と並列に弾性表面波共振器と、直列に弾性表面波共振器を組み合わせた送信及び受信用フィルタを示す図である。
【図9】本発明の第9実施例を示す直列に弾性表面波共振器と、並列に弾性表面波共振器を1つずつと縦結合二重モードフィルタ1段と直列に弾性表面波共振器と、並列に弾性表面波共振器を組み合わせた送信及び受信用フィルタを示す図である。
【図10】従来の弾性表面波フィルタを用いた分波器の構成図である。
【図11】一般の弾性表面波共振器を用いた分波器のRF部の構成図である。
【図12】従来の弾性表面波共振器を用いた梯子型の6段構成の受信用フィルタの構成図である。
【符号の説明】
【0056】
14 アンテナ
15 分波器
16 受信系側のアンプ
17 受信側SAWフィルタ
18 パワーアンプ
19 送信側SAWフィルタ
101,201,301 受信用フィルタの入力端子
102,202,302 受信用フィルタの出力端子
103,203 第1の弾性表面波共振器
104,204 第2の弾性表面波共振器
105,205,304,403,503,605,705,805,905 縦結合二重モードフィルタ
303,404,405,504,505,603,604,606,607,703,704,706,707,803,804,806,807,903,904,906,907 弾性表面波共振器
401,501 送信用フィルタの入力端子
402,502 送信用フィルタの出力端子
601,701,801,901 送信及び受信用フィルタの入力端子
602,702,802,902 送信及び受信用フィルタの出力端子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通過帯域の異なる送信用フィルタ及び受信用フィルタを有するSAW分波器において、
前記受信用フィルタは弾性表面波共振器で構成し、前記送信用フィルタを縦結合二重モードフィルタで構成し、前記送信用フィルタの出力側には、直列に第1の弾性表面波共振器が、並列に第2の弾性表面波共振器が設けられ、前記第1の弾性表面波共振器の一端は前記送信用フィルタの出力端子と接続されており、前記第2の弾性表面波共振器の一端は前記第1の弾性表面波共振器の前記一端に接続されていることを特徴とする分波器。
【請求項2】
請求項1記載の分波器において、前記送信用フィルタの入力側には、直列に第3の弾性表面波共振器が、並列に第4の弾性表面波共振器が設けられていることを特徴とする分波器。
【請求項3】
請求項2記載の分波器において、前記第3の弾性表面波共振器の一端は前記送信用フィルタの入力端子と接続されており、前記第4の弾性表面波共振器の一端は前記第3の弾性表面波共振器の前記一端に接続されていることを特徴とする分波器。
【請求項4】
請求項2記載の分波器において、前記第3の弾性表面波共振器の一端は前記送信用フィルタの入力端子と接続されており、前記第4の弾性表面波共振器の一端は前記第3の弾性表面波共振器の他端に接続されていることを特徴とする分波器。
【請求項5】
通過帯域の異なる送信用フィルタ及び受信用フィルタを有するSAW分波器において、
前記送信用フィルタは弾性表面波共振器で構成し、前記受信用フィルタを縦結合二重モードフィルタで構成し、前記受信用フィルタの入力側には、直列に第1の弾性表面波共振器が、並列に第2の弾性表面波共振器が設けられ、前記第1の弾性表面波共振器の一端は前記受信用フィルタの入力端子と接続されており、前記第2の弾性表面波共振器の一端は前記第1の弾性表面波共振器の前記一端に接続され、前記受信用フィルタの出力側には直列に第3の弾性表面波共振器が、並列に第4の弾性表面波共振器が設けられ、かつ前記第3の弾性表面波共振器の一端は前記受信用フィルタの出力端子と接続されており、前記第4の弾性表面波共振器の一端は前記第3の弾性表面波共振器の前記一端に接続されていることを特徴とする分波器。
【請求項1】
通過帯域の異なる送信用フィルタ及び受信用フィルタを有するSAW分波器において、
前記受信用フィルタは弾性表面波共振器で構成し、前記送信用フィルタを縦結合二重モードフィルタで構成し、前記送信用フィルタの出力側には、直列に第1の弾性表面波共振器が、並列に第2の弾性表面波共振器が設けられ、前記第1の弾性表面波共振器の一端は前記送信用フィルタの出力端子と接続されており、前記第2の弾性表面波共振器の一端は前記第1の弾性表面波共振器の前記一端に接続されていることを特徴とする分波器。
【請求項2】
請求項1記載の分波器において、前記送信用フィルタの入力側には、直列に第3の弾性表面波共振器が、並列に第4の弾性表面波共振器が設けられていることを特徴とする分波器。
【請求項3】
請求項2記載の分波器において、前記第3の弾性表面波共振器の一端は前記送信用フィルタの入力端子と接続されており、前記第4の弾性表面波共振器の一端は前記第3の弾性表面波共振器の前記一端に接続されていることを特徴とする分波器。
【請求項4】
請求項2記載の分波器において、前記第3の弾性表面波共振器の一端は前記送信用フィルタの入力端子と接続されており、前記第4の弾性表面波共振器の一端は前記第3の弾性表面波共振器の他端に接続されていることを特徴とする分波器。
【請求項5】
通過帯域の異なる送信用フィルタ及び受信用フィルタを有するSAW分波器において、
前記送信用フィルタは弾性表面波共振器で構成し、前記受信用フィルタを縦結合二重モードフィルタで構成し、前記受信用フィルタの入力側には、直列に第1の弾性表面波共振器が、並列に第2の弾性表面波共振器が設けられ、前記第1の弾性表面波共振器の一端は前記受信用フィルタの入力端子と接続されており、前記第2の弾性表面波共振器の一端は前記第1の弾性表面波共振器の前記一端に接続され、前記受信用フィルタの出力側には直列に第3の弾性表面波共振器が、並列に第4の弾性表面波共振器が設けられ、かつ前記第3の弾性表面波共振器の一端は前記受信用フィルタの出力端子と接続されており、前記第4の弾性表面波共振器の一端は前記第3の弾性表面波共振器の前記一端に接続されていることを特徴とする分波器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−189747(P2007−189747A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−106075(P2007−106075)
【出願日】平成19年4月13日(2007.4.13)
【分割の表示】特願平11−160636の分割
【原出願日】平成11年6月8日(1999.6.8)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月13日(2007.4.13)
【分割の表示】特願平11−160636の分割
【原出願日】平成11年6月8日(1999.6.8)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
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