説明

弾球遊技機用演出装置

【課題】趣向性に優れ、かつ大きな領域を必要としない弾球遊技機用演出装置を提供する。
【解決手段】球が流下する遊技領域12aを備える遊技盤12と、遊技盤12の前面を覆う扉体13とを有する弾球遊技機10に設けられる弾球遊技機用演出装置1であって、扉体13の前方を移動する移動体を非接触で検知し得る複数のセンサ2bと、複数のセンサ2bからの検知信号に基づいて移動体の動きを求めかつ移動体の動きに応じて扉体13に設けられた演出器5を制御する制御手段4とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機などの弾球遊技機に設けられる演出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
弾球遊技機には、従来種々な演出装置が設けられている。例えば、遊技者の手を非接触で検知するセンサを有し、そのセンサからの検知信号に基づいて表示装置の実行制御を変える演出装置が知られている(特許文献1参照)。また弾球遊技機ではないが、スロットマシンに設けられる演出装置も知られている(特許文献2参照)。この演出装置は、遊技者の手が挿入される筒体と、その筒体の内周面の全周に設けられる複数のセンサと、複数のセンサからの検知信号に基づいて手の形または動きを求める制御手段を有する。制御手段は、求めた手の形または動きに応じてスロットマシンの実行制御を変える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−24583号公報
【特許文献2】特開2007−190283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし特許文献1の演出装置は、手の動きを求めるのではなく、手が所定の領域に位置することを検知して表示装置の実行制御を変える。特許文献2の演出装置は、手の動きを検知するものの、手の動きを検知するために手が挿入される大きな凹部(筒体)が必要である。そのためそのような大きな凹部を設けることが容易でないパチンコ機等の弾球遊技機において該演出装置を設けることは容易でない。そこで本発明は、従来の演出装置に比べて趣向性に優れ、かつ大きな領域を必要としない弾球遊技機用演出装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために本発明は、各請求項に記載の通りの構成を備える弾球遊技機用演出装置であることを特徴とする。請求項1に記載の発明によると、扉体の前方または扉体の下方でかつ弾球遊技機の前方を移動する移動体を非接触で検知し得る複数のセンサと、複数のセンサからの検知信号に基づいて移動体の動きを求めかつ移動体の動きに応じて遊技盤または扉体に設けられた演出器を制御する制御手段とを有する。
【0006】
したがって遊技者の手などの移動体を扉体の前方等にて移動させると、移動体の動きに応じて演出器の演出が変化する。そのため従来の演出装置のように、手の有無のみで表示装置を制御する場合に比べて、多くの演出パターンが演出され得る。また遊技者は、手など移動体を移動させることで演出器の演出を変えることができるため、演出に参加する感覚(インタラクティブ)も向上する。そのため弾球遊技機の趣向性が向上する。またセンサは、扉体の前方または扉体の下方でかつ弾球遊技機の前方における移動体を非接触で検知する。そのため本発明は、従来のように手が挿入される大きな領域が不要である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】弾球遊技機の斜視図である。
【図2】扉体を開いた際の弾球遊技機の斜視図である。
【図3】上皿、下皿およびセンサユニットの斜視図である。
【図4】センサユニットの斜視図である。
【図5】演出装置のブロック図である。
【図6】演出処理のフローチャートである。
【図7】上皿、下皿および実施の形態2にかかるセンサユニットの斜視図である。
【図8】実施の形態2にかかるセンサユニットの斜視図である。
【図9】実施の形態2にかかるセンサユニットの断面図である。
【図10】実施の形態2にかかる演出処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(実施の形態1)
実施の形態1を図1〜5にしたがって説明する。図1,2に示すように弾球遊技機10は、演出装置1を備えるパチンコ機である。弾球遊技機10は、矩形枠状の外枠11と、外枠11に開閉可能に取付けられる中間枠19と扉体13を有する。中間枠19は、閉じた位置において外枠11の内周側に配設される。
【0009】
中間枠19の上領域には、図1,2に示すように遊技盤12が取付けられる。中間枠19の下部前面には、上皿14と下皿15が取付けられる。中間枠19の下部右側には、操作ハンドル17が設けられる。中間枠19の下部には、操作ハンドル17を時計回りに回転させることで遊技領域12aに球を発射する発射装置16が設けられる。
【0010】
遊技盤12は、図2に示すように前面に円弧状のレール12bが取付けられる。これにより遊技盤12は、レール12bの内周側に位置する遊技領域12aと、外周側に位置する外周領域12cとに仕切られる。遊技領域12aの略中央には、三つの図柄等を表示する液晶表示ディスプレイを備える表示ユニット12dが設けられる。表示ユニット12dの周辺部には、始動口12e、大入賞口12g、普通入賞口12f、作動ゲートなどが設けられる。
【0011】
扉体13は、図1,2に示すように遊技盤12の前面を覆う閉じ位置と、遊技盤12の前面を開放する開き位置との間で回転する。扉体13は、円盤形で遊技領域12aを覆う透明板13aと、環状で外周領域12cを覆う外周部13bを有する。透明板13aは、透明のガラス材等から構成されている。これにより遊技者は、透明板13aを通して遊技領域12aを流下する球等を視認できる。
【0012】
扉体13の外周部13bには、図1,2に示すように演出装置1の演出器5が取付けられる。演出器5は、発光ダイオード等から構成される複数の発光体5a〜5hを有する。発光体5a〜5hは、それぞれ扉体13の外周部13bの上方位置、上右方位置、右方位置、右下方位置、下方位置、左下方位置、左方位置、左上方位置に配設される。扉体13の外周部13bの前面には、図示書略のカバーが取付けられる。カバーは、光を透過し得る樹脂材等から構成され、演出器5の前面を覆う。これにより遊技者は、カバーを通して発光体5a〜5hが発する光を視認できる。
【0013】
図3に示すように下皿15の本体部15aの中央には、球を貯留する凹部15bが形成される。上皿14の本体部14aの左部には、球を貯留する凹部14bが形成される。本体部14aの右部には、演出装置1のセンサユニット2が取付けられる。
【0014】
センサユニット2は、遊技者の手などの移動体を検知する装置であって、図3,4に示すようにベース6とセンサ7と確認用発光体3を有する。ベース6は、略直方体の本体部6aと、本体部6aの上面に設けられる複数の筒部6bを有する。筒部6bは、円筒状で、内部にセンサ7が設けられる。
【0015】
センサ7は、照度を検知し得るセンサであって、図4に示すように筒部6bによって開口された上方からの照度を検知し、照度に応じた検知信号を出力する。複数のセンサ7は、ベース6の後部に略並行に所定間隔で配設される。センサ7の照度を検知し得る方向は、略並行である。そのため複数のセンサ7のセンサ領域は、重なっていない。
【0016】
本体部6aは、図4に示すように前上方に向く傾斜面6dを有する。傾斜面6dには複数の開口部6cが形成され、各開口部6cに確認用発光体(例えば発光ダイオード)3が設けられる。各確認用発光体3は、各センサ7の前方近傍に配置される。本体部6a内には、センサ7からの検知信号を受信する制御手段4が設けられる。
【0017】
制御手段4は、図5に示すように中央処理装置4a、記憶装置4b、出力装置4c,4dおよびタイマー4eを有する。中央処理装置4aは、遊技盤12に設けられた遊技機側基板(電飾基盤、サブ基盤)18、センサ7、記憶装置4b、タイマー4e、出力装置4c,4dと接続される。中央処理装置4aは、各センサ7からの検知信号(アナログ信号)に基づいて先ず初期値(しきい値)を求める。すなわち遊技場の天井等に配設された照明具から発せられる通常の照度を求める。
【0018】
センサ7の上方に移動体(遊技者の手など)が位置すると、移動体によって照明具からセンサ7への光が遮られて、センサ7からの検知信号が変化する。中央処理装置4aは、センサ7からの検知信号の変化を求め、その変化が所定値以上にある場合に移動体がセンサ7の上方にてあると決定する。次に、中央処理装置4aは、複数のセンサ7からの検知信号の入力のタイミング等に基づいて、移動体の動き(方向と速度)を演算する。
【0019】
記憶装置4bには、予め移動体の動きの入力パターンと、入力パターンに対応する確認信号パターンと、入力パターンに対応する演出パターンが記憶されている。中央処理装置4aは、移動体の動きが所定の入力パターンと一致するか否かを判断する。一致した際には、その入力パターンに対応する確認信号パターンに基づく出力信号を出力装置4cに発信し、演出パターンに基づく出力信号を出力装置4dに発信する。
【0020】
図4に示すように出力装置4cには確認用発光体3が接続されており、出力装置4dには演出器5が接続されている。確認用発光体3は、確認信号パターンに基づいて中央処理装置4aによって制御され、演出器5は、演出パターンに基づいて中央処理装置4aによって制御される。
【0021】
以下に、図6にしたがって演出装置1による確認処理と演出処理を説明する。先ず、遊技機本体に設けられた遊技機側基板18が表示ユニット12dと制御手段4に入力信号を発信する(ステップS1)。表示ユニット12dは、入力信号に基づいてセンサユニット2が準備されたことを表示する。あるいは遊技機側基板18が他の手段に入力信号を発信し、他の手段が入力信号に基づいてセンサユニット2が準備されたことを知らせる。制御手段4は、入力信号に基づいて確認処理と演出処理を開始する。
【0022】
次に制御手段4は、センサ7からの検知信号の有無を判断し、これによってセンサ7の上方に移動体が位置するか否かを判断する(ステップS2)。移動体が位置すると判断した場合、制御手段4は、複数のセンサ7からの検知信号の入力のタイミングに基づいて移動体の動き(方向および速度)を演算する(ステップS3)。
【0023】
次に制御手段4は、移動体の動きが記憶装置4bに記憶された入力パターンと一致するか否かを判断する(ステップS4)。所定の入力パターンと一致すると判断すると、制御手段4は、その入力パターンに対応する確認信号パターンによって確認用発光体3を制御する(ステップS5)。また制御手段4は、入力パターンに対応する演出パターンによって演出器5も制御する。
【0024】
例えば、遊技者がセンサユニット2の上方にて手を移動させると、制御手段4が手(移動体)の位置に対応するセンサ7の近傍に位置する確認用発光体3を発光させる。そのため手(移動体)の動きに合わせて複数の確認用発光体3が順番に発光する(確認処理)。
【0025】
遊技者がセンサユニット2の上方にて例えば手を左から右に移動させた場合は、制御手段4が各発光体5a〜5hを所定時間、時計回りに順番に発光させる。これにより光が時計回りに移動する。手を右から左に移動させた場合は、制御手段4が各発光体5a〜5hを所定時間、反時計回りに順番に発光させる。これにより光が反時計回りに移動する。制御手段4は、手の速度が速いほど、各発光体5a〜5hの発光する時間を短くする。これにより光が移動する速度が速くなる(演出処理)。
【0026】
センサユニット2の上方に手を止めた場合は、制御手段4が発光体5a〜5hを上から下へあるいは下から上へ順番に所定時間発光させ、次に発光体5a〜5hの全てを消灯させる。そしてこれら演出を繰り返す(演出処理)。
【0027】
図6のステップS2において制御手段4がセンサ7の上方に移動体が位置しないと判断した場合と、ステップS4において制御手段4が移動体の動きが記憶装置4bに記憶された入力パターンと一致しないと判断した場合は、ステップS6を実行する。ステップS6では、中央処理装置4aがタイマー4eからの信号に基づいて、ステップS1からの時間が所定時間以上経過しているか否か判断する。所定時間以上経過していないと判断した場合は、ステップS2を再び実行する。所定時間以上経過していると判断した場合は、演出装置1による演出処理を終了する(ステップS7)。これにより演出器5は、通常の演出をする、あるいは演出を終了する。
【0028】
以上のように演出装置1は、図1に示すように扉体13の前方を移動する移動体を非接触で検知し得る複数のセンサ7と、演出器5を制御する制御手段4とを有する。
【0029】
したがって遊技者の手などの移動体を扉体13の前方等にて移動させると、移動体の動きに応じて演出器5による演出が変化する。そのため従来の演出装置のように、手の有無のみで表示装置を制御する場合に比べて、多くの演出パターンが演出され得る。また遊技者は、手など移動体を移動させることで演出器5の演出を変えることができるため、演出に参加する感覚(インタラクティブ)も向上する。そのため弾球遊技機10の趣向性が向上する。またセンサ7は、扉体13の前方における移動体を非接触で検知する。そのため本装置では、従来のように手が挿入される大きな領域が不要である。
【0030】
またセンサ7は、図1,4に示すように照度を検知する照度センサであって、遊技盤12よりも下側に配設されかつ上方からの照度を検知するように上向きに配設される。したがって移動体がセンサ7の上方に位置すると、移動体が遊技場の天井に設けられた照明装置からセンサ7への光を遮る。そのためセンサ7は、その時の照度変化を検知することで、移動体を検知し得る。かくしてセンサ7は、遊技場の照明装置の光を利用して移動体を検知することができる。
【0031】
また図4に示すように複数のセンサ7の各近傍位置に確認用発光体3が設けられる。制御手段4は、センサ7が移動体を検知した際にセンサ7の近傍位置に設けられた確認用発光体3を発光させる。したがって遊技者は、センサ7によって移動体が検知されたか否かを確認用発光体3の発光によって確認することができる。
【0032】
また図4に示すように複数のセンサ7は、各センサ7の検知領域が重ならないように配置されている。したがって誤動作が少なくなる。
【0033】
また演出装置1は、図3に示すように弾球遊技機に装着されるベース6を有する。ベース6には複数のセンサ7と制御手段4が取付けられている。したがってこれらは、ユニット(センサユニット2)として取り扱えるため、種類の異なる弾球遊技機に簡易に装着され得る。
【0034】
(実施の形態2)
実施の形態2を図7〜10にしたがって説明する。実施の形態2の演出装置21は、実施の形態1の演出装置1と同様に形成されるが、図3に示すセンサユニット2に代えて図7に示すセンサユニット22を有する点で相違する。
【0035】
センサユニット22は、図8,9に示すようにベース26と複数のセンサ27(27a〜27c)と複数の確認用発光体23(23a〜23c)を有する。ベース26は、略直方体の本体部26aを有し、本体部26aにセンサ27と確認用発光体23が内設される。本体部26aの後部にセンサ27の上方を開口する開口部26bが形成される。開口部26bには透明板26dが取付けられる。
【0036】
センサ27は、赤外線センサであって、感知距離は800mm以下である。センサ27は、ベース26の後部に所定間隔で配設され、透明板26dと開口部26bを通って上方に赤外線を発信する。複数のセンサ27が発信する赤外線の方向は、略平行であって、赤外線が交差せず、焦点を形成しない。またセンサ27は、所定の間隔で配設されるため、センサ領域も重ならない。
【0037】
図8,9に示すようにベース26の本体部26aの前部には、確認用発光体23の上方を開口する複数の孔26cが形成される。各確認用発光体23は、各センサ27の前方近傍に配設される。ベース26内には、制御手段24が設けられる。制御手段24は、第一(左)のセンサ27aからの検知信号を受信すると、第一(左)の確認用発光体23aを発光させる。そして第二(右)のセンサ27bからの検知信号を受信すると、第二(右)の確認用発光体23bを発光させ、第三(真中)のセンサ27cからの検知信号を受信すると、第三(真中)の確認用発光体23cを発光させる。
【0038】
以下に、図10にしたがって演出装置21による演出器5の演出処理を説明する。先ず、遊技機本体に設けられた遊技機側基板18が表示ユニット12dと制御手段4に入力信号を発信する(ステップS10)。表示ユニット12dは、入力信号に基づいてセンサユニット22が準備されたことを表示する。制御手段24は、入力信号に基づいて演出処理を開始する。
【0039】
次に、制御手段24が第一のセンサ27aからの検知信号の有無を確認する(ステップS11)。移動体が第一のセンサ27aの上方に位置すると、第一のセンサ27aが検知信号を発信し、制御手段24が第一のセンサ27aからの検知信号を受信する。検知信号を受信すると制御手段24は、演出器5(図1参照)を第一演出するように制御する(ステップS12)。第一演出では、制御手段24が演出器5の各発光体5a〜5hを所定時間T1、時計回りに順番に発光するように制御する。
【0040】
次に、制御手段24が第二のセンサ27bからの検知信号の有無を確認する(ステップS13)。移動体が第一のセンサ27aから第二のセンサ27bに向けて移動し、第二のセンサ27bの上に到達すると、第二のセンサ27bが検知信号を発信して、制御手段24が第二のセンサ27bからの検知信号を受信する。検知信号を受信すると制御手段24は、演出器5の第一演出を速度アップさせる(ステップS14)。すなわち制御手段24が所定時間T1よりも短い時間T2で各発光体5a〜5hを時計回りに順番に発光するように制御する。
【0041】
次に、制御手段24は、第一演出のスピードが最大速度以下か否かを判断する(ステップS15)。最大速度以下であれば、制御手段24が第一のセンサ27aからの検知信号の有無を確認する(ステップS16)。第一のセンサ27aからの検知信号を受信すれば再度、制御手段24が第二のセンサ27bからの検知信号の有無を確認する(ステップS13)。したがって移動体が第一のセンサ27aから第二のセンサ27bに向けて複数回移動すると、移動体の移動の回数毎に制御手段24が演出器5の第一演出を速度アップさせ得る(ステップS14)。
【0042】
ステップS15において制御手段24が第一演出のスピードが最大速度よりも速くなったと判断すると、制御手段24が演出器5の演出処理を終了する(ステップS17)。制御手段24がステップS13においてセンサ27bからの検知信号を受信しなかった場合と、ステップS16においてセンサ27aからの検知信号を受信しなかった場合にも、制御手段24が演出器5の演出処理を終了する(ステップS17)。
【0043】
ステップS11において、制御手段24が第一のセンサ27aからの検知信号を受信しなかった場合は、制御手段24が第二のセンサ27bからの検知信号の有無を確認する(ステップS21)。第二のセンサ27bからの検知信号によって制御手段24が第二のセンサ27bの上方に移動体が位置すると判断すると、制御手段24は、演出器5を第二演出するように制御する(ステップS22)。第二演出では、制御手段24が演出器5の各発光体5a〜5hを所定時間T1、時計回りに順番に発光するように制御する。
【0044】
次に、制御手段24が第一のセンサ27aからの検知信号の有無を確認する(ステップS23)。移動体が第二のセンサ27bから第一のセンサ27aに向けて移動し、第一のセンサ27aの上に到達すると、第一のセンサ27aが検知信号を発信して、制御手段24が第一のセンサ27aからの検知信号を検知する。検知信号を検知すると制御手段24は、演出器5の第二演出を速度アップさせる(ステップS24)。すなわち制御手段24が所定時間T1よりも短い時間T2で各発光体5a〜5hを反時計回りに順番に発光するように制御する。
【0045】
次に、制御手段24は、第二演出のスピードが最大速度以下か否かを判断する(ステップS25)。最大速度以下であれば、制御手段24が第二のセンサ27bからの検知信号の有無を確認する(ステップS26)。第二のセンサ27bからの検知信号を受信すれば再度、制御手段24が第一のセンサ27aからの検知信号の有無を確認する(ステップS23)。したがって移動体が第二のセンサ27bから第一のセンサ27aに向けて複数回移動すると、移動体の移動の回数毎に制御手段24が演出器5の第二演出を速度アップさせ得る(ステップS24)。
【0046】
ステップS25において制御手段24が第二演出のスピードが最大速度よりも速くなったと判断すると、制御手段24が演出器5の制御処理を終了する(ステップS17)。制御手段24がステップS23においてセンサ27aからの検知信号を受信しなかった場合と、ステップS26においてセンサ27bからの検知信号を受信しなかった場合にも、制御手段24が演出器5の演出処理を終了する(ステップS17)。
【0047】
ステップS21において、制御手段24が第二のセンサ27bからの検知信号を受信しなかった場合は、制御手段24が第三のセンサ27cからの検知信号の有無を確認する(ステップS31)。第三のセンサ27cからの検知信号によって、制御手段24が第三のセンサ27cの上方に移動体が位置すると判断すると、制御手段24は、演出器5を第三演出するように制御する(ステップS32)。第三演出では、制御手段24が演出器5の発光体5a〜5hを所定時間T3間隔で点滅させる。
【0048】
次に制御手段24は、ステップS32から指定時間を経過した後に、第三のセンサ27cからの検知信号の有無を確認する(ステップS33)。したがって制御手段24は、第三のセンサ27cからの検知信号によって、移動体が第三のセンサ27cの上に指定時間以上静止しているか否かを判断し得る。移動体が指定時間において第三のセンサ27cの上に位置していると制御手段24が判断すると、制御手段24は、演出器5の第三演出を速度アップさせる(ステップS34)。すなわち所定時間T3よりも短い時間T4間隔で発光体5a〜5hが点滅するように制御手段24が演出器5を制御する。
【0049】
次に制御手段24は、第三のセンサ27cからの検知信号がOFFになったか否か確認する(ステップS35)。すなわち移動体が第三のセンサ27cの上から異なる位置へ移動して、第三のセンサ27cからの検知信号がOFFになったか否かを制御手段24が確認する。移動体が第三のセンサ27cの上から移動したと制御手段24が判断すると、制御手段24は、演出器5の第三演出をさらに速度アップさせる(ステップS36)。すなわち所定時間T4よりも短い時間T5間隔で発光体5a〜5hが点滅するように制御手段24が演出器5を制御する。これにより演出器5の各発光体5a〜5hが激しく全点滅する。
【0050】
その後、制御手段24が演出器5の演算処理を終了する(ステップS17)。制御手段24は、ステップS35においてセンサ27cからの検知信号がOFFになっていないと判断した場合、ステップS35を繰り返す。これにより制御手段24は、センサ27cからの検知信号がOFFになるまでステップS35を繰り返す。ステップS31,33において制御手段24がセンサ27cからの検知信号を受信しなかった場合は、制御手段24が演出器5の演算処理を終了する(ステップS17)。
【0051】
以上のように、複数のセンサ27は、第一のセンサ27aと第二のセンサ27bを有する。制御手段24は、移動体が第一のセンサ27aの近傍に位置した際に第一のセンサ27aからの検知信号に基づいて演出器5を第一演出するように制御する。移動体が第一のセンサ27aから第二のセンサ27bに向けて複数回動いた際に複数のセンサ(第一のセンサ27aと第二のセンサ27b)からの検知信号に基づいて第一演出をより短い時間で演出するように演出器5を制御する。
【0052】
したがって移動体が第一のセンサ27aから第二のセンサ27bに向けて移動した場合、先ず、制御手段24は、移動体が第一のセンサ27aの近傍に位置した時点において演出器5を第一演出するように制御する。そのため移動体が第二のセンサ27bの近傍に位置した時点において演出器5を第一演出するように制御する場合に比べて、演出器5は、早い時点で第一演出するように制御され得る。また制御手段24は、第一のセンサ27aからの検知信号のみで移動体が第一のセンサ27aから第二のセンサ27bに向けて移動することを検知(予見)する。そのため制御手段24は、複数のセンサ27a,27bからの検知信号の両方を検知する必要がない。一方、制御手段24は、移動体が第一のセンサ27aから第二のセンサ27bに向けて複数回動いた場合には、演出器5をより短い時間で第一演出を行う。そのため制御手段24は、移動体の動きに応じた演出も奏し得る。
【0053】
(他の実施の形態)
また本発明は、実施の形態1,2に限定されず、以下の形態等であっても良い。
(1)図1に示す弾球遊技機10は、パチンコ機であるが、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などであっても良い。
(2)図3に示すセンサ7は、照度センサであるが、赤外線センサ等の非接触検知センサであっても良い。図7に示すセンサ27は、赤外線センサであるが、照度センサ等の非接触検知センサであっても良い。
(3)図1に示すセンサ7は、扉体13の前方を移動する遊技者の手などを検知する。しかし扉体の下方でかつ弾球遊技機の前方を移動する移動体を検知するようにセンサが配設されていても良い。例えば上皿14または下皿15の前方を移動する移動体を検知するセンサが上皿14または下皿15に設けられても良い。
(4)図1に示すセンサ7は、上皿14に設けられている。しかしセンサが例えば扉体や遊技盤に設けられ、扉体の前方を移動する移動体を検知する形態であっても良い。
(5)図1に示す複数のセンサ7は、左右方向に略等間隔で配設されている。しかし複数のセンサが円弧状に所定間隔で配設されても良い。あるいはセンサが複数列にかつ各列にて所定間隔にて配設されても良い。
(6)図3に示す確認用発光体3は、センサ7の前方近傍位置に配設されている。しかし確認用発光体がセンサの横方向近傍位置、上下方向近傍位置、後方近傍位置に配設されても良い。
(7)図1に示す演出器5は、扉体13に設けられている。しかし演出器が遊技盤などに設けられても良い。
(8)図1に示す演出器5は、センサ7の検知信号に基づいて発光するように制御される発光体5a〜5hを有する。しかしセンサの検知信号に基づいて表示を変えるように制御される液晶表示ディスプレイ、あるいはセンサの検知信号に基づいて移動するように制御される可動部材、あるいはセンサの検知信号に基づいて音を発するように制御されるスピーカを演出器が有していても良い。
(9)図1に示すセンサユニット2は、上皿14から突出している。しかしセンサユニットが上皿等に内蔵されても良い。例えばセンサユニットが上皿等に形成された凹部14bと別に形成された凹部内に設置されて表面に突出しないように内蔵されても良い。
(10)図4,8に示すセンサユニット2,22は、センサ7,27を複数有している。センサの数は、好ましくは2〜20個であることが好ましく、一列に並んでいることが好ましい。
(11)図9に示すセンサユニット22は、センサ27を保護し得る透明板26dを有している。しかし透明板26dを有しておらず、センサ27の上方が露出されても良い。
(12)図10に示す演出処理では、ステップS16とS13あるいはS26とS23においてセンサ27a,27bの両方からの検知信号を受信することで制御手段24が第一演出または第二演出をさらに速度アップする。しかしステップS15またはS25の所定時間内においていずれか一つのセンサ27a,27bからの検知信号を受信することで制御手段24がさらに第一演出または第二演出をさらに速度アップしても良い。
(13)図10に示す演出処理では、ステップS11,13,16あるいはS21,23,26において第一のセンサ27aと第二のセンサ27bからの検知信号に基づいて移動体が第一のセンサ27aから第二のセンサ27bに向けて、あるいは第二のセンサ27bから第一のセンサ27aに向けて移動したことを検知する。しかし第一のセンサ27aと第三のセンサ27cからの検知信号、あるいは第二のセンサ27bと第三のセンサ27cからの検知信号からの検知信号に基づいて、移動体が第一のセンサ27aから第二のセンサ27bに向けて、あるいは第二のセンサ27bから第一のセンサ27aに向けて移動したことを制御手段24が検知しても良い。
(14)図10の第一の演出、第二の演出、第三の演出は、上記記載の演出に限定されず、他の演出であっても良い。
【符号の説明】
【0054】
1,21…演出装置
2,22…センサユニット
3,23,23a〜23c…確認用発光体
4,24…制御手段
4a…中央処理装置
4b…記憶装置
4c,4d…出力装置
5…演出器
5a〜5h…発光体
6,26…ベース
7,27,27a〜27c…センサ
10…弾球遊技機
11…外枠
12…遊技盤
12a…遊技領域
12b…レール
13…扉体
18…遊技機側基板
19…中間枠



【特許請求の範囲】
【請求項1】
球が流下する遊技領域を備える遊技盤と、前記遊技盤の前面を覆う扉体とを有する弾球遊技機に設けられる弾球遊技機用演出装置であって、
前記扉体の前方または前記扉体の下方でかつ前記弾球遊技機の前方を移動する移動体を非接触で検知し得る複数のセンサと、前記複数のセンサからの検知信号に基づいて前記移動体の動きを求めかつ前記移動体の動きに応じて前記遊技盤または前記扉体に設けられた演出器を制御する制御手段とを有することを特徴とする弾球遊技機用演出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の弾球遊技機用演出装置であって、
前記複数のセンサは、第一のセンサと第二のセンサを有し、
前記制御手段は、前記移動体が前記第一のセンサの近傍に位置した際に前記第一のセンサからの検知信号に基づいて前記演出器を第一演出するように制御し、前記移動体が前記第一のセンサから前記第二のセンサに向けて複数回動いた際に前記複数のセンサからの検知信号に基づいて前記第一演出をより短い時間で演出するように前記演出器を制御することを特徴とする弾球遊技機用演出装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の弾球遊技機用演出装置であって、
前記複数のセンサは、各センサの検知領域が重ならないように配置されていることを特徴とする弾球遊技機用演出装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一つに記載の弾球遊技機用演出装置であって、
前記弾球遊技機に装着されるベースを有し、
前記ベースに前記複数のセンサと前記制御手段が取付けられていることを特徴とする弾球遊技機用演出装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の弾球遊技機用演出装置であって、
前記センサは、照度を検知する照度センサであって、前記遊技盤よりも下側に配設されかつ上方からの照度を検知するように上向きに配設されることを特徴とする弾球遊技機用演出装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一つに記載の弾球遊技機用演出装置であって、
前記複数のセンサの各近傍位置に確認用発光体が設けられ、
前記制御手段は、前記センサが前記移動体を検知した際に前記センサの近傍位置に設けられた前記確認用発光体を発光させることを特徴とする弾球遊技機用演出装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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