弾球遊技機
【課題】遊技者により迅速に発射強度を調整できる遊技機を提供する。
【解決手段】遊技者が把持して回動させることのできる回動部と、この回動部の回動角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるための駆動部とを備えた発射手段と、前記遊技盤に対して前記回動部の位置又は姿勢を変化させる回動部可変手段と、この回動部可変手段により変化した前記回動部の位置又は姿勢を検知する検知手段と、この位置検知手段により検知した回動部の位置又は姿勢の変化に基き、前記駆動部による駆動力の強さ度合いを変化させる駆動力可変手段と、この駆動力可変手段により変化された駆動力の強さ度合いに基づき、前記回動部の回動角度に応じて前記発射手段の発射強度を変化させる発射強度制御手段と、を備える弾球遊技機とした。
【解決手段】遊技者が把持して回動させることのできる回動部と、この回動部の回動角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるための駆動部とを備えた発射手段と、前記遊技盤に対して前記回動部の位置又は姿勢を変化させる回動部可変手段と、この回動部可変手段により変化した前記回動部の位置又は姿勢を検知する検知手段と、この位置検知手段により検知した回動部の位置又は姿勢の変化に基き、前記駆動部による駆動力の強さ度合いを変化させる駆動力可変手段と、この駆動力可変手段により変化された駆動力の強さ度合いに基づき、前記回動部の回動角度に応じて前記発射手段の発射強度を変化させる発射強度制御手段と、を備える弾球遊技機とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機などの弾球遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、代表的な弾球遊技機としてパチンコ遊技機があり、かかるパチンコ遊技機は、遊技者による発射ハンドルの操作によって、遊技球を遊技盤に形成された遊技領域に発射させるように構成されている。発射された遊技球は、通常、左側から右側へ大きく弧を描くように飛び出し、発射強度が強いほど遊技領域の右側上部へ着弾するようになっている。
【0003】
また、遊技領域内には、障害釘、風車、及び入賞役物など複数の遊技部材が設けられており、遊技者の操作により発射された遊技球が入賞役物に入賞すると、所定数の賞球が払い出されることから、遊技者は、遊技球を入賞役物に入賞させるために、発射ハンドルの操作に注意を払っている。
【0004】
発射ハンドルの一般的な構成は、遊技者が手で把持して回動させる回動部と、この回動部の回動角度に応じた強度で遊技球を発射させるためのソレノイドなどの駆動部とを備えており、前記回動部の回動に伴ってソレノイドが駆動され、所定発射位置に搬送された遊技球を押し出すように発射させる。
【0005】
ソレノイドは、回動部の回動角度が大きくなるほど遊技球を押し出す力が大きくなり、遊技領域のどのような位置に、どのような強度で発射されるかによって、入賞役物への入賞に影響を及ぼす。したがって、遊技者は、発射ハンドルにおける回動部の回動角度を微調整しながら遊技球を発射している。
【0006】
しかし、回動部の回動角度を手で調整するにも限界があることから、以下に示すようなパチンコ遊技機が提案されている。
【0007】
例えば、打球の着弾ポイントを遊技者の操作によって任意に調整可能とした操作レバーを設け、この操作レバーに設けられた指針部をセット位置に合わせることによって、遊技状態に応じた適切な着弾ポイントに遊技球が着弾するようにしたものがある(例えば、特許文献1を参照。)。
【0008】
また、回転操作部材の移動量に応じて発射強度を指令する発射強度調整ハンドルや(例えば、特許文献2を参照。)、発射強度設定手段により設定された遊技球の発射強度を微調整可能な発射強度補正手段を備えた遊技機(例えば、特許文献3を参照。)が提案されている。このように、様々な調整手段により発射強度の微調整を行うようにした遊技機が提案されている。
【0009】
一方、発射された遊技球が、遊技領域のどの位置に到達するかを遊技者に報知するために、遊技球の発射強度を選択する複数のポジション選択スイッチを設け、いずれかを選択することで表示ランプの点灯によって遊技球の到達位置を報知するようにした遊技機も提案されている(例えば、特許文献4を参照。)。
【特許文献1】特開2005−21509号公報
【特許文献2】特開2005−245692号公報
【特許文献3】特開2006−6695号公報
【特許文献4】特開2006−6795号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述した従来の遊技機などによる発射強度の調整では、発射ハンドルの操作に加えて、別途異なる面倒な調整を行う必要があるので、例えば、遊技状態の変化により遊技球を迅速に遊技領域における右側に集めることが必要になる、所謂「右打ち」を行わねばならない場合に、迅速な対応ができないおそれがあった。
【0011】
本発明は、上記課題を解決することのできる弾球遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載の本発明では、遊技盤に設けられるとともに、遊技者が把持して回動させることのできる回動部と、この回動部の回動角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるための駆動部とを備えた発射手段と、前記遊技盤に対して前記回動部の位置又は姿勢を変化させる回動部可変手段と、この回動部可変手段により変化した前記回動部の位置又は姿勢を検知する検知手段と、この位置検知手段により検知した回動部の位置又は姿勢の変化に基き、前記駆動部による駆動力の強さ度合いを変化させる駆動力可変手段と、この駆動力可変手段により変化された駆動力の強さ度合いに基づき、前記回動部の回動角度に応じて前記発射手段の発射強度を変化させる発射強度制御手段と、を備える弾球遊技機とした。
【0013】
請求項2記載の本発明では、請求項1記載の遊技機において、前記回動部可変手段は、前記遊技盤に対して、前記回動部を前後方向に進退可能としたことを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の本発明では、請求項1記載の遊技機において、前記回動部可変手段は、前記遊技盤に対して、前記回動部を左右方向に移動可能としたことを特徴とする。
【0015】
請求項4記載の本発明では、請求項1記載の遊技機において、前記回動部可変手段は、前記遊技盤に対して、前記回動部を傾動可能としたことを特徴とする。
【0016】
請求項5記載の本発明では、請求項1〜4のいずれか1項に記載の遊技機において、遊技状態の変化に応じて、前記回動部の位置又は姿勢を報知する報知手段を備えることを特徴とする。
【0017】
請求項6記載の本発明では、請求項1〜5のいずれか1項に記載の弾球遊技機において、発射された遊技球を上部側から下部側へ転動させるとともに、透明部材により形成されて背後が透視可能な透明遊技盤と、この透明遊技盤を通して視認されるように、当該透明遊技盤の背面側に配設され、前記駆動部による駆動力の強さ度合いが変化した場合、発射される遊技球が遊技盤上のいずれの範囲に到達するかを画像表示する画像表示手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の弾球遊技機によれば、駆動力可変手段により変化された駆動力の強さ度合いに基づき、前記回動部の回動角度に応じて前記発射手段の発射強度を変化させる発射強度制御手段を備えているので、遊技中においても遊技球の発射強度を迅速に調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係る実施形態について、弾球遊技機をパチンコ遊技機として説明する。
【0020】
本実施形態に係るパチンコ遊技機は、遊技盤に設けられるとともに、遊技者が把持して回動させることのできる回動部と、この回動部の回動角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるための駆動部とを備えた発射手段と、前記遊技盤に対して前記回動部の位置又は姿勢を変化させる回動部可変手段と、この回動部可変手段により変化した前記回動部の位置又は姿勢を検知する検知手段と、この位置検知手段により検知した回動部の位置又は姿勢の変化に基き、前記駆動部による駆動力の強さ度合いを変化させる駆動力可変手段と、この駆動力可変手段により変化された駆動力の強さ度合いに基づき、前記回動部の回動角度に応じて前記発射手段の発射強度を変化させる発射強度制御手段と、を備えるものである。
【0021】
すなわち、回動部となる発射ハンドルの位置又は姿勢を可変にして、その変化した状態に応じて遊技球を発射させる駆動部であるアクチュエータ(例えば、ソレノイドやモータなど)の強さレベルを変化させ、変化させた強さレベルの駆動力において、発射ハンドルの回動操作を行えば、その回動角度に応じて遊技球の発射強度を微調整することが可能となっている。
【0022】
通常のパチンコ機では、発射力の調整は、単に発射ハンドルの回動角度に応じてのみである。したがって、遊技球が力なく発射されて遊技領域まで届かない程度の強度である略最小の回動角度から、遊技球が勢いよく発射されて、遊技領域の右上側に設けられた所謂返しゴムに衝突する程の強度である略最大の回動角度までの間で、最適な発射強度となるように回動角度を調整しなければならなかったが、本実施形態によれば、発射ハンドルの位置又は姿勢を、例えば、3段階に変化できるようにして、それぞれの強さレベルを第1レベル(弱)、第2レベル(中)、第3レベル(強)とし、第1レベルでは遊技領域の上部を左右に3等分した3分の1の範囲に遊技球が発射され、その範囲内で、回動部の回動角度を最小から最大の範囲で調整することができるのである。したがって、同じ強さレベルにおいて、調整レンジが拡大されて微調整を行い易い。
【0023】
しかも、パチンコ機においては、通常の遊技状態から(遊技者は、この通常遊技状態では、遊技球の発射強度は中程度(第2レベル)にしているものと考えられる。)、所定の条件を契機にして遊技球を遊技領域の右側領域まで到達させなければ、遊技者にとって有利な遊技状態に移行できない機種などもある。すなわち、所謂「右打ち」を強いられるパチンコ機種がある。
【0024】
この場合、急いで右打ちをしようとすると、手首を大きくひねることになり、負担がかかるが、本実施形態のように、発射ハンドルの位置又は姿勢を変化させるだけで、手首などをひねることなくアクチュエータの駆動力のレベルを変化させることができ、例えば、前記第3レベルとなるように発射ハンドルの位置や姿勢を変化させると、労せずとも遊技球は遊技盤の右3分の1の範囲、すなわち右打ちのときに遊技球が発射される範囲に集中して発射されることになる。したがって、パチンコ遊技中における遊技球の発射強度を、迅速かつ手首などに負担をかけることなく調整することができる。
【0025】
また、上記パチンコ機において、前記回動部可変手段は、前記遊技盤に対して、前記回動部(発射ハンドル)を前後方向に進退可能とすることができる。
【0026】
すなわち、発射ハンドルを、遊技盤に対して複数段の位置で保持できるように進退自在に取付けて、進退位置に応じてアクチュエータの駆動力レベルを設定可能としている。
【0027】
例えば、上記第2レベルを中間位置(第2ポジション)として、通常の遊技状態ではこの位置で発射ハンドルを操作するが、例えば右打ちが必要な場合は発射ハンドルを押し込んだ第3ポジションの位置で第3レベルにアップさせたり、左打ちを行う場合は発射ハンドルを手前に引き出し、その引き出し位置である第1ポジションを第1レベルとしたりすることが可能である。
【0028】
かかる構成とすれば、発射ハンドルを握ったままで、遊技球の発射強度のレベルを切換えることが容易に行える。
【0029】
あるいは、前記回動部可変手段として、前記遊技盤に対して、前記回動部を左右方向に移動可能とすることもできる。
【0030】
すなわち、発射ハンドルにスライド機構を設けてスライド自在にするもので、スライド位置に応じてアクチュエータの強さレベルを可変とするものである。この場合、強さレベルの変化は無段階にすることもできるし、前述したように、複数段(例えば第1ポジション〜第3ポジションの3段階)に区分することもできる。
【0031】
あるいは、前記回動部可変手段を、前記遊技盤に対して、前記回動部を傾動可能としてもよい。
【0032】
すなわち、発射ハンドルの把持部を、前後方向に傾動可能とするもので、この場合、把持部が遊技盤に対して略平行な姿勢を、通常遊技状態で主に用いる第2レベルとすると、遊技盤側に傾動させた姿勢を第3レベル、手前に傾動させた姿勢を第1レベルというような設定が考えられる。
【0033】
また、上述してきたパチンコ遊技機において、遊技状態の変化に応じて、前記回動部の位置又は姿勢を報知する報知手段を備える構成とすることができる。
【0034】
すなわち、上述したように、例えば右打ちを強いられる遊技状態になった場合、発射ハンドルの位置又は姿勢をどの位置に、あるいはどのような姿勢にすればよいのかを報知するのである。
【0035】
報知手段としては、一般的な液晶表示装置において文字や図柄や画像などで報知することが考えられる。あるいは、発射ハンドルをスライド可能にしたものであれば、スライド位置毎に報知ランプを設けておき、変更させるべき位置の報知ランプを点灯するようにしてもよい。また、強さレベルに応じた位置や姿勢を、「第1ポジション」、「第2ポジション」、あるいは「第3ポジション」などというように、音声によって直接位置を指示するようにしてもよい。
【0036】
このように、発射ハンドルの位置や姿勢を報知する報知手段を備えた構成とすれば、発射強度を変更するタイミングを逸することがなく、遊技球の入賞確率を著しく低下させたりするおそれがなくなる。
【0037】
ところで、遊技状態の変化という場合、上述したように右打ちが必要な場合ばかりではなく、パチンコ機における入賞役物のレイアウトの違いなどによっては、例えば左打ち、あるいは遊技領域のセンター付近に遊技球を集めるような打ち方が有利になる場合も考えられる。
【0038】
また、その右打ちや左打ちなどが必要な状態が終了した場合も遊技状態の変化に含まれることは当然であり、例えば右打ちが必要な遊技状態から通常の遊技状態に移行すれば、報知手段は、例えば第1ポジションや第2ポジションに位置変更するように報知することになる。なお、第1ポジション、第2ポジションのいずれに変更するように報知するかについては、例えば、発射ハンドルの位置や姿勢の状態を記憶する記憶手段を備えておき、変更前の位置や姿勢を報知するように制御することが考えられる。
【0039】
さらに、上述してきたパチンコ機において、発射された遊技球を上部側から下部側へ転動させるとともに、透明部材により形成されて背後が透視可能な透明遊技盤と、この透明遊技盤を通して視認されるように、当該透明遊技盤の背面側に配設され、前記駆動部による駆動力の強さ度合いが変化した場合、発射される遊技球が遊技盤上のいずれの範囲に到達するかを画像表示する画像表示手段と、を備える構成とすることができる。
【0040】
これは、透明部材により形成された遊技盤(以下「透明遊技盤」という)の背後に配設された画像表示手段(例えば液晶表示装置が好適に用いられる)に、選択された(変更された)発射ハンドル位置の強さレベルで発射した遊技球の予想到達領域を画像表示するもので、遊技者からは透明遊技盤を通して視認することができる。表示形態としては、例えば、到達範囲を帯状に表示したり、到達範囲を含め遊技球の転動予想領域を含めて色彩表示したりするなどが考えられる。
【0041】
このように、アクチュエータの駆動力に係る強さレベルに応じて遊技球の予想到達領域を画像表示することにより、発射ハンドルの位置や姿勢をどのように変更すればよいかの決定が容易になるとともに、一つの遊技演出となって遊技者の興趣を高めることが可能となる。
【0042】
以下に、本発明の実施形態について、図面に基づいて、より具体的に説明する。なお、以下において説明する実施形態においては、遊技機をパチンコ遊技機としている。
[遊技機の構成]
本実施形態に係る遊技機の概観について図1及び図2を用いて説明する。図1は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の概観を示す斜視図である。また、図2は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の概観を示す分解斜視図である。
【0043】
図1及び図2に示すように、パチンコ遊技機10は、前面に開口12aが形成された本体枠12と、その本体枠12における開口12aの内部に配設される各種の部品と、本体枠12の前方に開閉自在に軸着された扉11とから構成されている。この扉11は、図1に示すように、開口12aを前面から閉鎖するためのものであり、通常閉鎖した状態で遊技が行われる。また、本体枠12の前面には、上皿20、下皿22、発射ハンドル26等が配設されている。
【0044】
本体枠12の開口12a内部には、画像を表示する表示手段としての液晶表示装置32と、スペーサー31、遊技盤14等が配設されている。なお、遊技盤14、スペーサー31、液晶表示装置32以外の各種の部品(図示せず)については、理解を容易にするために説明を省略する。
【0045】
遊技盤14は、その全部が透過性を有する板形状の樹脂(透過性を有する部材)によって形成されている。この透過性を有する部材としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂など各種の材質が該当する。また、遊技盤14は、その前面側に、発射された遊技球が転動可能な遊技領域15を有している。この遊技領域15は、ガイドレール30に囲まれ、遊技球が転動可能な領域である。また、遊技盤14における遊技領域15には複数の障害釘13が打ちこまれている。
【0046】
遊技に関する演出画像を表示する表示手段の一例である液晶表示装置32は、スペーサー31を挟んで、遊技盤14の背後に設けられている。すなわち、液晶表示装置32は、遊技盤14の透過性を有する部材の背後に配置されている。この液晶表示装置32は、遊技に関する画像の表示を可能とする表示領域32aを有している。この表示領域32aは、遊技盤14の全部又は一部に、スペーサー31を挟んで、背面側から重なるように配設される。具体的には、液晶表示装置32は、その表示領域32aが遊技領域15の全部又は一部と、遊技領域外域16の全部又は一部とに重なるように遊技盤14の後方に配設される。この液晶表示装置32における表示領域32aには、演出用の演出画像、装飾用の装飾画像等、各種の画像が表示される。
【0047】
また、本実施形態において、遊技盤14における透過性領域の背後に液晶表示装置32などの表示手段を設けることにより、例えば、障害釘の植設領域や役物、装飾部材といった遊技部材を設ける領域を大きくし、レイアウトの自由度も更に大きくすることが可能である。
【0048】
スペーサー31は、遊技盤14の後方(背面側)に配設されるとともに、液晶表示装置32の前方(前面側)に配設される。つまり、スペーサー31は、遊技盤14と液晶表示装置32によって挟持される。このスペーサー31は、透過性を有した材料で形成されており、中央に大きな貫通穴31aが設けられている。貫通穴31aには、電飾ユニット53が設けられている。
【0049】
図3によって、特別図柄表示器33、普通図柄表示器35、特別図柄保留ランプ34a〜34dおよび普通図柄保留ランプ50a〜50dを説明する。図3は、電飾ユニット53の拡大図である。
【0050】
図3に示すように、表示器ケース37に収容される特別図柄表示器33は、7セグメントLED41で構成されている。この7セグメントLED41は、所定の特別図柄の変動表示開始条件の成立により、点灯・消灯を繰り返す。7セグメントLED41の点灯・消灯によって、“0”から“9”までの10個の数字図柄が、特別図柄として変動表示される。
本実施形態においては、パチンコ遊技機10の遊技状態は、大別して一般遊技状態(大当たりの抽選を行いながら遊技球を消費する、所謂遊技客に不利な状態)と大当たり遊技状態(遊技客にとって短時間で大量の遊技球の獲得が期待できる、所謂遊技客にとって有利な状態)に分かれる。さらに、後述の特別図柄制御処理において抽選された、前記特別図柄表示器33に変動停止表示される特定の数字図柄により、15R確変大当り遊技状態、2R確変大当り遊技状態または15R通常大当り遊技状態の、3種類の大当たり遊技状態が決定する。そして、それぞれの大当たり遊技状態が終了後、前記一般遊技状態も、確変モードまたは時短モードと異なる状態の一般遊技状態へ移行する。
つまり、前記特別図柄として、特定の数字図柄(例えば、“7”の数字図柄)が停止表示された場合は、一般遊技状態から遊技者に有利なラウンドゲームを最大15回継続して行われる15R確変大当り遊技状態に移行する。また、特定の数字図柄(例えば、“3”の数字図柄)が停止表示された場合は、一般遊技状態から遊技者に有利なラウンドゲームを最大2回継続して行われる2R確変大当り遊技状態に移行する。そして、大当り遊技状態の終了後は、大当り遊技状態に移行する確率が通常より高い一般遊技状態である確変モードに移行する。さらに、特定の数字図柄(例えば、“5”の数字図柄)が停止表示された場合は、一般遊技状態から遊技者に有利なラウンドゲームを最大15回継続して行われる15R通常大当り遊技状態に移行する。そして、大当り遊技状態の終了後は、一般遊技状態である時短モードに移行する。この時短モードは、前記特別図柄の変動回数(例えば100回)を消化すると、一般遊技状態である通常モード(パチンコ遊技機10において最も基本的な一般遊技状態)に移行する。
【0051】
15R確変大当り遊技状態または15R通常大当たり状態となった場合には、後述するように、シャッタ40(図4参照)が開放状態に制御され、大入賞口39(図4参照)に遊技球が受け入れ可能な状態となる。また、2R確変大当り遊技状態となった場合には、後述するように、遊技領域15の右側上部に設けられた2R確変大当たり専用入賞アタッカー44(図4参照)の左右の両側に設けられている羽根部材(所謂、普通電動役物)48が閉鎖状態から開放状態となり、2R確変大当たり専用入賞アタッカー44に遊技球が受け入れ可能な状態となる。
【0052】
一方、特別図柄として、特定の数字図柄以外の数字図柄(例えば、“3”、“5”、または“7”以外の数字図柄)が停止表示された場合は、基本的に一般遊技状態は移行しない。但し、詳細は後述の特別図柄制御処理で説明するが、一般遊技状態が時短モードの場合は、特別図柄の変動回数が所定の変動回数(例えば100回)に達したと判断すると、一般遊技状態を時短モードから通常モードへ移行する。以上のように、特別図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって遊技状態が移行又は維持されるゲームを「特別図柄ゲーム」という。
【0053】
表示器ケース37の左右の両側には、特別図柄保留ランプ34a〜34dが設けられている。この特別図柄保留ランプ34a〜34dは、点灯又は消灯によって保留されている特別図柄の変動表示の実行回数(所謂、「特別図柄の保留球数」)を表示する。
【0054】
特別図柄表示器33の右側には、普通図柄表示器35が設けられている。普通図柄表示器35は、2つの表示用ランプ(図示せず)で構成されており、これら表示用ランプが交互に点灯・消灯を繰り返すことによって、例えば“○”、“×”等の記号が普通図柄として変動表示される。
【0055】
表示器ケース37の下側には、普通図柄保留ランプ50a〜50dが設けられている。この普通図柄保留ランプ50a〜50dは、後述するように、点灯又は消灯によって保留されている普通図柄の変動表示の実行回数(所謂、「普通図柄の保留球数」)を表示する。
【0056】
図1及び図2を用いたパチンコ遊技機10の概観の説明を続ける。遊技盤14の透過性領域の外側には、発光表示手段としての装飾ランプ133a、133bが配設されており、遊技状態に合わせた所定の発光態様の表示を行う。
【0057】
扉11には、透過性を有する保護板19が配設されている。この保護板19は、扉11が閉鎖された状態で遊技盤14の前面に対面するように配設されている。
【0058】
発射ハンドル26は本体枠12に対して回動自在に設けられている。また、発射ハンドル26の裏側には、駆動装置である発射ソレノイド(図示せず)が設けられている。さらに、発射ハンドル26の周縁部には、タッチセンサ(図示せず)が設けられている。このタッチセンサが遊技者により触接されたときには、遊技者により発射ハンドル26が握持されたと検知される。発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射ソレノイドに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が遊技盤14の遊技領域15に順次発射され、遊技が進められる。つまり、本実施の形態において、発射ハンドル26は、遊技者が把持して回動させることのできる回動部と、その回動部の回動角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるための駆動部(前記発射ソレノイド)とを備えた発射手段として用いられる。
【0059】
さらに、発射ハンドル26は、遊技者によりその位置又は姿勢を変化させることが可能で、かつ発射レベル検出センサ27(図8参照)を内蔵した構成としている。そして、発射レベル検出センサ27により、変化させた発射ハンドル26の位置又は姿勢を検知して、信号として前記発射ソレノイドに送ることによって、遊技球を遊技領域15に発射する際の駆動力の度合いを切換えられる構成としている。したがって、発射ハンドル26の位置又は姿勢を変更することによって、遊技領域15における遊技球の到達位置範囲を大まかに変更することが可能となっている。
【0060】
この発射レベル検出センサ27は、発射ハンドル26の位置や姿勢に応じて、レベル1の“弱”、レベル2の“中”、レベル3の“強”の3箇所の位置を検出できるように、各位置や姿勢に応じた箇所に発射レベル検出センサ27a〜27c(図8参照)が設けられており、それぞれ検出された発射ハンドル26の位置や姿勢に対応して、遊技球のベースとなる発射強度が変更されることとなる。また、それぞれ検出された発射ハンドル26の位置や姿勢に対応して、遊技領域15に発射される遊技球の到達範囲は、ある程度限定されることになり、その限定された遊技球の到達範囲内において、遊技者は発射ハンドル26を回転させて発射強度を微調整することができる。
【0061】
つまり、本実施形態において、前記発射ハンドル26は、発射手段として用いられるだけでなく、遊技者により位置又は姿勢を変化させられる回動部可変手段としても用いられる。また、前記発射ハンドル26に内蔵された前記発射レベル検出センサ27は、遊技者により変化させられた前記発射ハンドル26の位置や姿勢を検知する検知手段として用いられる。そして、前記発射レベル検出センサ27により検知された信号が前記駆動部である前記発射ソレノイドに送られ、この発射ソレノイドが駆動力可変手段として用いられ、駆動力の強さ度合いを変化させる。さらに、前記発射レベル検出センサ27により検知された信号は払出・発射制御回路126(図8参照)に送られ、この払出・発射制御回路126が発射強度制御手段として用いられて、検知された信号に従い発射強度を変化させる。
【0062】
ところで、本実施形態では、回動部可変手段として、発射ハンドル26の位置を、奥行き方向(遊技盤14に対して前後方向)に、複数段階で保持可能な機構を採用している。すなわち、図6に示すように、発射ハンドル26の取付基部26bの外周面に所定間隔をあけて2本の溝状凹部26cを形成する一方、本体枠12内に前記溝状凹部26cと係合する係合部(図示せず)を設け、遊技者が発射ハンドル26を進退させることで、3段階の位置に保持させることができるようにしている。
【0063】
このように、前記回動部可変手段によって、遊技者により操作される発射ハンドル26の位置を、パチンコ遊技機10に対して前後方向に進退させることによって変更できる構成としている。
【0064】
ここで、遊技者により選択された発射ハンドル26の位置に対応して遊技領域15に発射される遊技球の到達範囲について、図5及び図6を用いて説明する。
【0065】
まず、遊技者により選択された発射ハンドル26の位置が“弱”(図6(a)参照)の場合、発射ハンドル26の位置を発射レベル検出センサ27aが検出し、図5(a)に示すように、それに対応した遊技領域15における遊技球の到達予想範囲15aが遊技領域15の左側の1/3の範囲に表示される。
【0066】
この到達予想範囲15aの範囲内で、発射ハンドル26の回転を調整出来る範囲を従来のパチンコ遊技機と比較すると、図18に示すように、従来のパチンコ遊技機においては、遊技者が調整できる発射ハンドル26の回動角度はθbの範囲でしかないが、本実施形態の場合は、遊技者が微調整できる発射ハンドルの角度はθaと大幅に増加する。これにより、遊技者による発射ハンドル26の調整をより緻密にできることとなる。
【0067】
次に、遊技者により選択された発射ハンドル26の位置が“中”(図6の(b)参照)の場合、発射ハンドル26の位置を発射レベル検出センサ27bが検出し、図5(b)に示すように、それに対応した遊技領域15における遊技球の到達予想範囲15bが遊技領域15の中央の1/3の範囲に表示される。
【0068】
そして、遊技者により選択された発射ハンドル26の位置が“強”(図6(c)参照)の場合、発射ハンドル26の位置を発射レベル検出センサ27cが検出し、図5(c)に示すように、それに対応した遊技領域15における遊技球の到達予想範囲15cが遊技領域15の右側の1/3の範囲に表示される。
【0069】
このように、本実施形態においては、遊技者は、パチンコ遊技機10の遊技状態に合わせて、発射ハンドル26の位置を前後に変更することで、迅速に遊技盤14の遊技領域15に発射する遊技球の発射強度のレベルを変更することが出来る。そして、詳細は後述するが、遊技者により発射ハンドル26の位置が変更された場合は、図5に示すように、遊技領域15に発射される遊技球の到達予想範囲15a,15b,15cを所定の時間(例えば1秒)、遊技盤14の後方(背面側)に配設されている液晶表示装置32の表示領域32aを用いて遊技者に知らせることにより、現在の発射ハンドル26の位置及び発射強度を、遊技者が視覚的に確認出来るようにしている。
【0070】
さらに、パチンコ遊技機10の遊技状態が、例えば、2R確変大当たり専用入賞アタッカー44が開放したときのように、遊技領域15の右側に遊技球を発射させると遊技者が有利になるような遊技状態になった場合、発射ハンドル26の最適な発射強度を遊技者が視覚的に、かつ直感的に判断できるように、表示領域32aに報知図柄92a、92b及び92cを表示(図17参照)することにより、遊技者に対して、発射ハンドル26の位置の変更操作を促すこととなる。
【0071】
また、本実施形態に係る回動部可変手段の変形例を、図19を参照して説明する。この例では、回動部可変手段として、発射ハンドル26の位置を所定のスライド範囲の中で左右にスライド移動可能とするとともに、任意の位置で保持可能な構成としている。
【0072】
すなわち、本体枠12に発射ハンドル26を左右に移動させられる機構と、任意の位置で当該発射ハンドル26を保持可能な機構を設け、遊技者が発射ハンドル26を左右に移動させ、その位置を選択することにより、発射強度の変更を行うようにしている。
【0073】
まず、遊技者により選択された発射ハンドル26の位置が図19(a)に示すように、“弱”の位置の場合(つまり、遊技者がスライド範囲における左端位置を発射ハンドル26の位置として選択した場合)、発射ハンドル26の位置を発射レベル検出センサ27aが検出し、図5(a)に示すように、それに対応した遊技領域15における遊技球の到達予想範囲15aが遊技領域15の左側の1/3の範囲に表示される。
【0074】
次に、遊技者により選択された発射ハンドル26の位置が図19の(b)に示すように、“中”の位置の場合(つまり、遊技者がスライド範囲における中央位置を発射ハンドル26の位置として選択した場合)、発射ハンドル26の位置を発射レベル検出センサ27bが検出し、図5(b)に示すように、それに対応した遊技領域15における遊技球の到達予想範囲15bが遊技領域15の中央の1/3の範囲に表示される。
【0075】
そして、遊技者により選択された発射ハンドル26の位置が図19の(c)に示すように“強”の位置の場合(つまり、遊技者がスライド範囲における右端位置を発射ハンドル26の位置として選択した場合)、発射ハンドル26の位置を発射レベル検出センサ27cが検出し、図5(c)に示すように、それに対応した遊技領域15における遊技球の到達予想範囲15cが遊技領域15の右側の1/3の範囲に表示される。
【0076】
次に、回動部可変手段のさらなる変形例について、図20を用いて説明する。この例では、発射ハンドル26の位置に角度をつけて姿勢を変更するようにしており、この例における回動部可変手段としては、発射ハンドル26の取付基部26bに対して、遊技者が把持するヘッド部分を、上下に所定の角度で首振りさせ、かつ上、中、下の三箇所においてヘッド部分を保持可能な機構を設けている。したがって、この例では、遊技者は発射ハンドル26を把持する角度を選択することにより、発射強度の変更を行うこととなる。
【0077】
図20(a)に示すように、発射ハンドル26の姿勢が、遊技者により選択された発射ハンドル26の保持角度が“弱”の位置の場合(つまり、遊技者が発射ハンドル26の下側を押し込むように角度をつけた場合)、図5(a)に示すように、発射ハンドル26の角度を発射レベル検出センサ27aが検出し、それに対応した遊技領域15における遊技球の到達予想範囲15aが遊技領域15の左側の1/3の範囲に表示される。
【0078】
また、図20の(b)に示すように、遊技者により選択された発射ハンドル26の保持角度が “中”の位置の場合(つまり、遊技者が発射ハンドル26に角度をつけず水平に把持した場合)、図5(b)に示すように、発射ハンドル26の角度を発射レベル検出センサ27bが検出し、それに対応した遊技領域15における遊技球の到達予想範囲15bが遊技領域15の中央の1/3の範囲に表示される。
【0079】
また、図20の(c)に示すように、遊技者により選択された発射ハンドル26の保持角度が “強”の位置の場合(つまり、遊技者が発射ハンドル26の上側を押し込むように角度をつけた場合)、図5(c)に示すように、発射ハンドル26の角度を発射レベル検出センサ27cが検出し、それに対応した遊技領域15における遊技球の到達予想範囲15cが遊技領域15の右側の1/3の範囲に表示される。
【0080】
このように、遊技者により位置又は姿勢を変化させられる回動部可変手段の実施形態として、3つの例を挙げて説明したが、必ずしもこれらの例に限定されるものではなく、遊技者が迅速に発射ハンドル26を操作することで、発射強度を変更できる手段であれば如何なる構成であっても構わない。
【0081】
ここで、図1及び図2を用いたパチンコ遊技機10の概観の説明に戻る。遊技盤14の後方(背面側)に配設されている液晶表示装置32の表示領域32aでは、前述した特別図柄表示器33において表示される特別図柄と関連する演出画像や、前述したように、遊技者により変更された発射ハンドル26の位置に対応した遊技球の到達予想範囲15a〜15c(図5参照)等が表示される。
【0082】
例えば、特別図柄表示器33で表示される特別図柄の変動表示中においては、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて、一列の図柄列に数字や記号等からなる装飾図柄(演出用の識別情報でもある。例えば、“0”から“9”までの数字)が変動表示される。また、特別図柄表示器33において変動表示されていた特別図柄が停止表示されるとともに、液晶表示装置32の表示領域32aでも演出用の装飾図柄が停止表示される。
【0083】
また、特別図柄表示器33において特別図柄として特定の数字図柄が停止表示された場合には、大当りであることを遊技者に把握させる演出画像が液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示される。具体的には、特別図柄表示器33において特別図柄として特定の数字図柄が停止表示された場合には、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示される演出用の装飾図柄の組合せが特定の表示態様(例えば、“1”から“9”のいずれかが全て揃った状態で停止表示される態様)となる。
【0084】
この演出用の装飾図柄の組合せとして、特定の“奇数”の数字図柄が全て揃った状態で停止表示された場合(例えば、“111”〜“999” の数字図柄)は、一般遊技状態から遊技者に有利なラウンドゲームを最大15回継続して行われる15R確変大当り遊技状態に移行する。この場合は、前記特別図柄表示器33に表示される特定図柄は“7”である。また、特定の数字図柄が連番で停止表示された場合(例えば、“1”“2”“3”の数字図柄)は、一般遊技状態から遊技者に有利なラウンドゲームを最大2回継続して行われる2R確変大当り遊技状態に移行する。この場合は、前記特別図柄表示器33に表示される特定図柄は“3”である。さらに、特定の“偶数”の数字図柄が全て揃った状態で停止表示された場合(例えば、“222”〜“888” の数字図柄)は、一般遊技状態から遊技者に有利なラウンドゲームを最大15回継続して行われる15R通常大当り遊技状態に移行する。この場合は、前記特別図柄表示器33に表示される特定図柄は“5”である。このように、前述した、特別図柄表示器33に停止表示される特定図柄に対応した装飾図柄の組み合わせが、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて停止表示される。
【0085】
このように、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示される演出用の装飾図柄の組合せが特定の表示態様となった場合には、更に、「大当り!!」などの文字画像とともに、喜んでいるキャラクタ画像が液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示される。
【0086】
なお、本発明における遊技は、始動口25に遊技球が入球したことを契機に、遊技者にとって有利な遊技へ移行するか否かの抽選が行われ、特別図柄表示器33において識別図柄の変動表示が行われ、液晶表示装置32において演出としての装飾図柄の変動表示、及びこれに伴う演出表示が行われる遊技である。
【0087】
次に、図4を用いて、パチンコ遊技機10の概観について、さらに詳細に説明する。図4は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の概観を示す正面図である。なお、図4を用いたパチンコ遊技機10の概観の説明では、図1及び図2を用いたパチンコ遊技機10の概観の説明と重複する部分を省略する。また、図4においては、遊技盤14に打ち込まれている複数の障害釘13の記載を省略している。
【0088】
図4に示すように、遊技盤14には、2つのガイドレール30(30a及び30b)、障害物55、57、58、通過ゲート54、羽根部材23を備えた始動口25、大入賞口39、羽根部材48を備えた2R確変大当たり専用入賞アタッカー44が設けられている。なお、遊技盤14の上部では、特別図柄表示器33、普通図柄表示器35等の電飾ユニット53(図3参照)が視認可能となっている。
【0089】
遊技盤14の上部には障害物55が設けられ、遊技盤14の略中央には障害物57が設けられている。この障害物57下部には、始動口25が設けられている。
【0090】
遊技盤14の左側に設けられている2つのガイドレール30は、遊技領域15を区画(画定)する外レール30aと、その外レール30aの内側に配設された内レール30bとから構成される。発射された遊技球は、遊技盤14上に設けられたガイドレール30に案内されて、遊技盤14の上部に移動し、電飾ユニット53上を通過して、前述した複数の障害釘13(図2参照)、遊技盤14上に設けられた障害物55、57等との衝突により、その進行方向を変えながら遊技盤14の下方に向かって流下する。
【0091】
前述した始動口25に遊技球が入賞した場合(所定の特別図柄の変動表示開始の一つである。)には、特別図柄表示器33による特別図柄の変動表示が開始される。また、特別図柄の変動表示中に遊技球が始動口25へ入賞した場合には、変動表示中の特別図柄が停止表示されるまで、始動口25への遊技球の入賞に基づく特別図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた特別図柄が停止表示された後に、保留されていた特別図柄の変動表示が開始される。つまり、前記電飾ユニット53に設けられた、特別図柄保留ランプ34a〜34d(図3参照)は、保留された特別図柄の変動表示の実行回数に対応して、左から順番に点灯され、特別図柄の変動表示が一旦停止表示され、次の保留されていた特別図柄の変動表示が開始されると、それに対応した特別図柄保留ランプは消灯される。なお、特別図柄の変動表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、例えば、4回(個)を上限として特別図柄の変動表示は保留される。
【0092】
また、液晶表示装置32の表示領域32aにおいても、前述した始動口25に遊技球が入賞した場合には、前記特別図柄の変動表示の開始にあわせて、演出用の装飾図柄の変動表示が開始される。また、特別図柄に関する変動表示中に遊技球が始動口25へ入賞した場合には、変動表示中の演出用の識別情報が停止表示されるまで、始動口25への遊技球の入賞に基づく演出用の装飾図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた演出用の装飾図柄が停止表示された場合には、保留されていた演出用の装飾図柄の変動表示が開始される。
【0093】
なお、本実施形態においては、始動口25に遊技球が入賞したこと等を、所定の特別図柄の変動表示開始条件又は所定の演出用の装飾図柄の変動表示開始条件としたが、これに限らず、別の態様であってもよい。
【0094】
遊技盤14の略中央の左側には通過ゲート54が設けられている。この通過ゲート54には、後述する通過球センサ114(図8参照)が設けられている。通過球センサ114は、遊技球が通過ゲート54を通過したことを検出する。そして、通過球センサ114によって遊技球の通過が検出されたときには、普通図柄表示器35において普通図柄の変動表示が開始され、所定の時間が経過した後、普通図柄の変動表示が停止する。前述したように、この普通図柄は、“○”、“×”等の記号である。
【0095】
この普通図柄が所定の図柄、例えば“○”として停止表示されたときには、始動口25の左右の両側に設けられている羽根部材(所謂、普通電動役物)23が閉鎖状態から開放状態となり、始動口25に遊技球が入りやすくなる。また、羽根部材23を開放状態とした後、所定の時間が経過したときには、羽根部材23を閉鎖状態として、始動口25に遊技球が入りにくくなるようにする。以上のように、普通図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって羽根部材23の開放・閉鎖状態が異なってくるゲームを「普通図柄ゲーム」という。
【0096】
また、特別図柄の変動表示と同じように、普通図柄の変動表示中において通過ゲート54を遊技球が通過した場合には、変動表示中の普通図柄が停止表示されるまで、通過ゲート54への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。つまり、前記電飾ユニット53に設けられた、普通図柄保留ランプ50a〜50d(図3参照)は、保留された普通図柄の変動表示の実行回数に対応して、左から順番に点灯され、変動が停止表示されると、次の保留されていた普通図柄の変動表示が開始され、それに対応した普通図柄保留ランプは消灯される。なお、普通図柄の変動表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、例えば、4回(個)を上限として保留される。
【0097】
大入賞口39には、その前面側(前方)に開閉自在なシャッタ40が設けられている。このシャッタ40は、特別図柄表示器33において特別図柄として特定の数字図柄が停止表示され、遊技状態が前記の15R大当り遊技状態(つまり、15R確変大当たり状態または15R通常大当たり状態)に移行された場合は、遊技球を受け入れやすい開放状態となるように駆動される。その結果、大入賞口39は、遊技球を受け入れやすい開放状態となる。
【0098】
一方、シャッタ40の背面側(後方)に設けられた大入賞口39には、Vカウントセンサ102(図8参照)を有する特定領域(図示せず)と、カウントセンサ104(図8参照)を有する一般領域(図示せず)とがあり、それらの領域を遊技球が所定個数(例えば10個)通過するか、又は、所定時間(例えば30秒)が経過するまでシャッタ40が開放状態に駆動される。そして、開放状態において大入賞口39への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、シャッタ40は、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態になるように駆動される。その結果、大入賞口39は、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態となる。
【0099】
なお、大入賞口39が遊技球を受け入れやすい状態となっている開放状態から大入賞口39が遊技球を受け入れ難い状態となっている閉鎖状態までの遊技をラウンドゲームという。したがって、シャッタ40は、ラウンドゲーム時に開放し、各ラウンドゲーム間では閉鎖することになる。また、ラウンドゲームは、“1”ラウンド、“2”ラウンド等のラウンド数として計数される。例えば、ラウンドゲームの1回目を第1ラウンド、2回目を第2ラウンドと呼称する場合がある。
【0100】
続いて、開放状態から閉鎖状態に駆動されたシャッタ40は、開放状態において大入賞口39に受け入れられた遊技球がVカウントセンサ102を通過したことを条件に、再度開放状態に駆動される。つまり、シャッタ40の開放状態において大入賞口39に受け入れられた遊技球がVカウントセンサ102を通過したことを条件に、次のラウンドゲームへ継続して進むことができる。なお、第1ラウンドのラウンドゲームから、次のラウンドゲームに継続して進むことができない(最終の)ラウンドゲームが終了するまでの遊技を大当り遊技状態という。すなわち、大当り遊技状態は遊技者にとって有利な遊技状態である。
【0101】
さらに、2R確変大当たり専用入賞アタッカー44が、障害物58の下流に設けられている。この2R確変大当たり専用入賞アタッカー44は、左右の両側に羽根部材(所謂、普通電動役物)48が設けられている。この羽根部材48は、特別図柄表示器33において特別図柄として特定の数字図柄が停止表示され、遊技状態が2R確変大当り遊技状態に移行された場合は、遊技球を受け入れやすい開放状態となるように駆動され、その結果、2R確変大当たり専用入賞アタッカー44は、障害物58が存在していても遊技球を受け入れることのできる開放状態となる。
【0102】
また、2R確変大当たり専用入賞アタッカー44には、カウントセンサ105(図8参照)が設けられ、遊技球が所定個数(例えば9個)カウントされるか、又は、所定時間(例えば20秒)が経過するまで羽根部材48が開放状態に保持される。そして、開放状態において2R確変大当たり専用入賞アタッカー44への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、羽根部材48は、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態になるように駆動される。その結果、2R確変大当たり専用入賞アタッカー44は、閉鎖した羽根部材48の直上に遊技球が転動してきても、障害物58によって、遊技球を受け入れることができなくなる。なお、2R確変大当たり専用入賞アタッカー44が遊技球を受け入れやすい状態となっている開放状態から2R確変大当たり専用入賞アタッカー44が遊技球を受け入れ難い状態となっている閉鎖状態までの遊技をラウンドゲームという。したがって、羽根部材48は、ラウンドゲーム時に開放し、各ラウンドゲーム間では閉鎖することになる。
【0103】
なお、第1ラウンドのラウンドゲームから、第2(最終の)ラウンドのラウンドゲームが終了するまでの遊技を2R確変大当り遊技状態という。すなわち、2R確変大当り遊技状態は遊技者にとって有利な遊技状態である。このように、2R確変大当たり専用入賞アタッカー44は、2R確変大当り遊技の実行時に開放動作を行う第2の役物の一例として機能する。
【0104】
また、本実施形態においては、15R確変大当たり遊技状態または15R通常大当たり遊技状態の実行時に開放動作を行う第1の役物としての大入賞口39と、2R確変大当たり遊技状態の実行時に開放動作を行う第2の役物としての2R確変大当たり専用入賞アタッカー44を、大当たり用の入賞口として夫々設けているが、これらは一つの役物としてもよいし、また、遊技盤上に2つ以上のいかなる数の役物が設けられてもよい。
【0105】
本実施形態では、大当たり遊技状態の実行中において、最初のラウンド数から最もラウンドゲームが継続された場合の最後のラウンドゲームまでのラウンド数(最大継続ラウンド数)は、15ラウンドまたは2ラウンドである。なお、大当たり遊技状態の実行中における最大継続ラウンド数は限定されるものではない。例えば、最大継続ラウンド数は、ラウンド数抽選手段(後述するメインCPU66を含む主制御回路60(図8参照))による抽選により、“1”ラウンドから“15”ラウンドまでの間から選択されるなど、任意のラウンド数であってもよい。
【0106】
また、前述した始動口25、一般入賞口56a〜56d、大入賞口39、2R確変大当たり専用入賞アタッカー44における特定領域及び一般領域に遊技球が入賞又は通過したときには、それぞれの入賞口の種類に応じて予め設定されている数の遊技球が上皿20又は下皿22に払い出される。
【0107】
なお、本実施形態において、画像を表示する部分として液晶ディスプレイパネルからなる液晶表示装置32を採用したが、これに限らず、他の態様であってもよく、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)を含むブラウン管、ドットLED、セグメントLED、EL(Electronic Luminescent)、プラズマ等からなるものであってもよい。また、本実施形態においては、液晶表示装置32は、遊技機であるパチンコ遊技機10における遊技盤14の正面略中央に設けられている場合を示したが、遊技者により視認可能な位置であれば何処の位置に液晶表示装置32を設けることとしてもよい。また、本実施形態においては、液晶表示装置32とは別に特別図柄表示器33および普通図柄表示器35を備えるように構成したが、これに限らず、液晶表示装置32に特別図柄及び普通図柄を変動表示させるように構成してもよい。また、変動表示手段として液晶表示装置32を採用したが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、ドラム、ベルト、リーフ等を変動表示手段として採用してもよい。
[遊技機の電気的構成]
本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路について図8を用いて説明する。図8は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路を示すブロック図である。
本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路は、主に、遊技制御手段としての主制御回路60と、演出制御手段としての副制御回路200とから構成される。主制御回路60は、遊技の制御を行うものであり、副制御回路200は、遊技の進行に応じた演出の制御(例えば、画像表示制御、音声出音制御、装飾ランプ制御等)を行うものである。
【0108】
主制御回路60は、図8に示すように、制御手段であるメインCPU66、メインROM(読み出し専用メモリ)68、メインRAM(読み書き可能メモリ)70を備えている。この主制御回路60は、遊技の進行を制御する。
【0109】
メインCPU66には、メインROM68、メインRAM70等が接続されており、このメインROM68に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。このように、このメインCPU66は、例えば、特別遊技実行手段や抽選手段として機能するなど、後述する各種の手段として機能することとなる。
【0110】
メインROM68には、メインCPU66によりパチンコ遊技機10の動作を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、乱数抽選によって大当り判定をする際に参照される大当り判定テーブル(図7の参照)等の各種のテーブルが記憶されている。
【0111】
メインRAM70は、メインCPU66の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。
【0112】
また、この主制御回路60は、所定の周波数のクロックパルスを生成するリセット用クロックパルス発生回路62、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路64、後述する副制御回路200に対してコマンドを供給するためのシリアル通信用IC72を備えている。また、これらのリセット用クロックパルス発生回路62、初期リセット回路64、シリアル通信用IC72は、メインCPU66に接続されている。なお、このリセット用クロックパルス発生回路62は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生する。なお、このシリアル通信用IC72は、各種のコマンドを副制御回路200(副制御回路200に含まれる各種の手段)へ送信する送信手段に相当する。
【0113】
また、主制御回路60には、各種の装置が接続されており、例えば、図5に示すように、Vカウントセンサ102、カウントセンサ104、105、一般入賞球センサ106、108、110、112、通過球センサ114、始動入賞球センサ116、普通電動役物ソレノイド117、118、大入賞口ソレノイド120、シーソーソレノイド122、バックアップクリアスイッチ124、発射レベル検出センサ27a、27b、27cが接続されている。
【0114】
Vカウントセンサ102は、大入賞口39における特定領域に設けられている。このVカウントセンサ102は、大入賞口39における特定領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
【0115】
カウントセンサ104は、大入賞口39における特定領域とは異なる一般領域に設けられている。このカウントセンサ104は、大入賞口39における一般領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
【0116】
カウントセンサ105は、2R確変大当たり専用入賞アタッカー44に設けられている。このカウントセンサ105は、2R確変大当たり専用入賞アタッカー44を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
【0117】
一般入賞球センサ106、108、110、112は、一般入賞口56a〜56dにそれぞれ設けられている。この一般入賞球センサ106、108、110、112は、各一般入賞口56a〜56dへ遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
【0118】
通過球センサ114は、通過ゲート54に設けられている。この通過球センサ114は、通過ゲート54を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
【0119】
遊技球検出手段である始動入賞球センサ116は、始動口25に設けられている。始動入賞球センサ116は、始動口25に遊技球が入賞したことを検出して、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
【0120】
普通電動役物ソレノイド117は、リンク部材(図示せず)を介して始動口25に設けた羽根部材23に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、羽根部材23を開放状態または閉鎖状態とする。
【0121】
普通電動役物ソレノイド118は、リンク部材(図示せず)を介して2R確変大当たり専用入賞アタッカー44に係る羽根部材48に接続されており、2R確変大当たり遊技の実行を行う場合、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、羽根部材48を開放状態または閉鎖状態とする。
【0122】
大入賞口ソレノイド120は、図4に示すシャッタ40に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、シャッタ40を駆動させ、大入賞口39を開放状態または閉鎖状態とする。
【0123】
シーソーソレノイド122は、板形状でシャッタ40内部に設けられているシーソー(図示せず)に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、シーソーを変位させ、そのシーソーの傾斜を変更する。このシーソーが傾斜された結果、特定領域を通過しやすくなるように又は一般領域を通過しやすくなるように切り替えることとなる。
【0124】
バックアップクリアスイッチ124は、パチンコ遊技機10に内蔵されており、電断時等におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアする機能を有する。
【0125】
発射レベル検出センサ27a、27b、27cは、前述したように、発射ハンドル26に内蔵されており、遊技者により選択された発射ハンドル26の位置を所定の検知信号として主制御回路60及び払出・発射制御回路126へ供給する。
【0126】
また、主制御回路60には、払出・発射制御回路126が接続されている。この払出・発射制御回路126には、遊技球の払出を行なう払出装置128、遊技球の発射を行なう発射装置130、カードユニット150が接続されている。
【0127】
この払出・発射制御回路126は、主制御回路60から供給される賞球制御コマンド、カードユニット150から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置128に対して所定の信号を送信することにより、払出装置128に遊技球を払い出させる。また、払出・発射制御回路126は、発射装置130に対して発射信号を供給することにより、遊技球を発射させる制御を行なう。
【0128】
また、発射装置130には、前述した発射ソレノイド、タッチセンサ等の遊技球を発射させるための装置が備えられている。さらに、前記払出・発射制御回路126を通して送られてくる、発射レベル検出センサ27a、27b、27cのいずれかの発射レベル検知信号に対応し、なおかつ発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射ソレノイドに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が発射ソレノイドにより遊技盤14に順次発射されこととなる。
【0129】
さらに、主制御回路60には、表示器制御回路76が接続されており、この表示器制御回路76は、メインCPU66からの指示に従い、特別図柄保留ランプ34a〜34d、普通図柄保留ランプ50a〜50d、特別図柄表示器33(7セグメントLED41)、普通図柄表示器35(表示用ランプ)等の表示を制御する。
【0130】
一方、シリアル通信用IC72には、副制御回路200が接続されている。この副制御回路200は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置32における表示制御、スピーカ46から発生させる音声に関する制御、装飾ランプ133a、133bの制御等を行なう。
【0131】
なお、本実施形態においては、主制御回路60から副制御回路200に対してコマンドを供給するとともに、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を送信できるように構成しても問題ない。
【0132】
副制御回路200は、可変表示制御手段、音発生制御手段としてのサブCPU206、記憶手段としてのプログラムROM208、ワークRAM210、液晶表示装置32における表示制御を行うための表示制御回路250、スピーカ46R、46Lから発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路230、装飾ランプなどのランプ133a、133bの制御を行うランプ制御回路240から構成されている。副制御回路200は、主制御回路60からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。
【0133】
サブCPU206には、プログラムROM208、ワークRAM210等が接続されている。サブCPU206は、このプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU206は、後述するように、主制御回路60から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路200の制御を行う。サブCPU206は、後述する各種の手段として機能することとなる。
【0134】
プログラムROM208には、サブCPU206によりパチンコ遊技機10の特別図柄の変動表示に関連して実行される液晶表示装置32の画像表示に伴う複数種類の演出画像データや、大当たり遊技中のラウンドゲームに関連して実行される複数種類の演出画像データが記憶されており、その他には、リーチ演出の表示期間を定めたリーチ時間テーブル等各種のテーブルも記憶されている。
【0135】
ワークRAM210は、サブCPU206の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。例えば、リーチ演出時間を制御するためのタイマ変数、演出パターンを選択するための演出表示選択用乱数カウンタ等、各種の変数等が位置付けられている。
【0136】
表示制御回路250は、サブCPU206から供給される、特別図柄の変動表示に関連して実行される演出表示の進行に伴う複数種類の演出パターンや、大当たり遊技中のラウンドゲームに関連して実行される複数種類の演出パターン及び発射レベル検出センサ27の切換えに伴う遊技球の到達位置の表示等の演出画像データ等を、液晶表示装置32に画像を表示させる制御を行うものである。
【0137】
音声制御回路230は、サブCPU206から供給される音声発生命令に応じて、スピーカ46R、46Lから音声を発生させるものである。
【0138】
ランプ制御回路240は、サブCPU206から供給されるプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、装飾ランプ133a、133bの発光制御を行うものである。
【0139】
なお、本実施形態においては、パチンコ遊技機10の制御回路において、遊技制御手段としての主制御回路60と、演出制御手段としての副制御回路200を別々に構成しているが、主制御回路60と副制御回路200とを同じ基板で構成してもかまわない。
なお、本実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する記憶手段として、主制御回路60ではメインROM68を、副制御回路200ではプログラムROM208を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に、プログラム、テーブル等が記録されていてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、主制御回路60ではメインRAM70、副制御回路200ではワークRAM210等に記録されるものでもよい。なお、本実施形態においては、メインCPU66の一時記憶領域としてメインRAM70を、サブCPU206の一時記憶領域としてワークRAM210を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
[遊技機の動作]
本実施形態では、遊技状態は大別して一般遊技状態(大当たりの抽選を行いながら遊技球を消費する、所謂遊技客に不利な状態)と大当たり遊技状態(遊技客にとって短時間で大量の遊技球の獲得が期待できる、所謂遊技客にとって有利な状態)に分かれる。さらに一般遊技状態においても、通常モード、確変モード、時短モードと3つの遊技状態が設けられている。以下に、パチンコ遊技機10の制御回路で実行される処理を図9〜図16に示す。
[メイン処理]
最初に、図9に示すように、RAMアクセス許可、バックアップ復帰処理、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する(ステップS11)。そして、詳しくは図11を用いて後述するが、特別図柄ゲームの進行、液晶表示装置32、特別図柄表示器33に表示される特別図柄、装飾図柄に関する特別図柄制御処理を実行する(ステップS12)。そして、詳しくは、図13を用いて後述するが、普通図柄ゲームの進行、普通図柄表示器35に表示される普通図柄に関する普通図柄制御処理を実行する(ステップS13)。さらに、詳しくは、図15を用いて後述するが、発射ハンドル26に内蔵されている発射レベル検出センサ27が、遊技者による発射ハンドル26の位置の変更を検出した場合、または、パチンコ遊技機10の遊技状態に応じて発射ハンドル26の位置を変更する必要が生じた場合に、パチンコ遊技機10の液晶表示装置32において、発射された遊技球の到達位置を表示する発射レベル表示制御処理を実行する(ステップS14)。このように、メイン処理においては、ステップS11の初期設定処理が終了した後、ステップS12及びステップS14の処理を繰り返し実行することとなる。
[システムタイマ割込処理]
また、メインCPU66は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。リセット用クロックパルス発生回路62から所定の周期(例えば2ミリ秒)毎に発生されるクロックパルスに応じて、以下のシステムタイマ割込処理を実行する。このシステムタイマ割込処理について図10を用いて説明する。
【0140】
図10に示すように、メインCPU66は、最初に、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ等の各カウント値を“1”増加するように乱数更新処理を実行する(ステップS21)。そして、メインCPU66は、始動口25等への遊技球の入賞
を検知する入力検出処理を実行する(ステップS22)。この処理においては、メインCPU66は、各種の入賞口に遊技球が入賞したことを条件として、遊技球を払出す(賞球する)旨のデータをメインRAM70の所定領域に記憶することとなる。そして、主制御回路60と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、大当りが発生した際に開放する大入賞口39または2R確変大当り専用入賞アタッカー44の開放時間を計測するための大当たり入賞口開放タイマ等、各種のタイマの更新処理を実行する(ステップS23)。そして、各種の変数に基づいて駆動制御するための信号をソレノイド、モータ等に供給するために、出力処理を実行する(ステップS24)。この処理が終了した場合には、ステップS25に処理を移す。
【0141】
ステップS25においては、コマンド出力処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、各種のコマンドを副制御回路200に供給する。これらの各種のコマンドとしては、具体的には、遊技球到達位置報知コマンド、遊技球到達位置表示コマンド、デモ表示コマンド、導出表示される特別図柄の種類を示す導出図柄指定コマンド等が含まれる。この処理が終了した場合には、ステップS26に処理を移す。
【0142】
そして、ステップS26の処理において、メインCPU66は、払出装置128に賞球を行わせるための賞球制御コマンドを払出・発射制御回路126へ送信する等の払出処理を実行する。具体的には、メインCPU66は、各種の入賞口に遊技球が入賞することで予め設定された所定数の賞球払出を行うための賞球制御コマンドを払出・発射制御回路126へ供給する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了し、割込発生前のアドレスへ復帰し、メイン処理を実行させる。
[特別図柄制御処理]
図9のステップS12において実行される特別図柄制御処理について図11を用いて説明する。
【0143】
図11に示すように、メインCPU66は、最初に特別図柄制御フラグをロードする(ステップS31)。この処理において、メインCPU66は、特別図柄制御フラグを読み出しステップS32に処理を移す。
【0144】
ステップS32おいては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグが(00)であるか否か判断し、(00)の場合には、ステップS33へ処理を移し、特別図柄記憶チェック処理を行う。この特別図柄記憶チェック処理では、詳細は後述するが、特別図柄の保留個数を調べ、保留個数がある場合は、大当り判定、特別図柄の変動開始、特別図柄変動タイマのセット等を行い、特別図柄制御フラグに次のステップの処理要求である(01)をセットして処理を終了する。また、特別図柄制御フラグが(00)でない場合には、ステップS34に処理を移す。
【0145】
ステップS34においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグが(01)であるか否か判断し、(01)でない場合には、ステップS40に処理を移す。また、特別図柄制御フラグが(01)の場合には、特別図柄変動時間監視処理を行う。ステップS35においては、メインCPU66は、特別図柄変動タイマがタイムアップ(つまり“0”)か判断し、タイムアップしていなければ処理を終了する。そしてタイムアップした場合は、メインCPU66は、ステップS36で特別図柄の停止処理を行うとともに、メインRAM70に記憶されている特別図柄保留個数を“1”減少するように記憶更新する。さらに、メインCPU66は、遊技状態フラグが時短モードであるか判断し、時短モードの場合はメインRAM70に記憶されている時短回数を“1”減少するように記憶更新し、そして、時短回数が“0”(つまり時短モードの終了)になった場合は、遊技状態フラグを通常モードにセットして、時短モードを終了させる。
【0146】
次に、メインCPU66は、ステップS37において特別図柄が大当たりか否か判断し、大当たりでなければステップS39において、特別図柄制御フラグをクリア(つまり特別図柄記憶チェック処理を要求する値(00)をセットする)して処理を終了する。そして、大当たりであった場合は、ステップS38の大当たり入賞口開放待ち処理を行う。大当たり入賞口開放待ち処理では、メインCPU66は、特別図柄制御フラグに大当たり入賞口開放待ちを示す値(02)をセットし、待ち時間(例えば1秒)を大当たり入賞口開放待ちタイマにセットして、メインRAM70の所定の領域に記憶して処理を終了する。
【0147】
ステップS40においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグが(02)であるか否か判断し、(02)でない場合には、ステップS45に処理を移す。一方、特別図柄制御フラグが(02)の場合には、ステップS41において、大当たり入賞口開放待ちタイマがタイムアップ(つまり“0”)したか否か判断し、タイムアップしていなければ処理を終了する。そしてタイムアップした場合は、ステップS42において、大当たりが2R確変大当たりか否か判断し、2R確変大当たりの場合はステップS44へ処理を移す。一方、2R確変大当たりでない場合は、ステップS43において、大入賞口開放処理を行う。大入賞口開放処理では、メインCPU66は、大入賞口39の開放をセット(メインRAM70の所定の領域に、シャッタ40による大入賞口ソレノイド120の開放指示を記憶する)し、次に大当たり入賞口開放タイマに大当たり入賞口の開放時間(例えば、30秒)をセットしメインRAM70の所定の領域に記憶する。そして、特別図柄制御フラグに大当たり入賞口開放監視処理を示す値(03)をセットし処理を終了する。
【0148】
ステップS44において、メインCPU66は、2R確変大当たり専用入賞アタッカー開放処理を行う。2R確変大当たり専用入賞アタッカー開放処理では、メインCPU66は、2R確変大当たり専用入賞アタッカー44の開放をセット(メインRAM70の所定の領域に、普通電動役物ソレノイド118による2R確変大当たり専用入賞アタッカー44に係る羽根部材48の開放指示を記憶する)し、次に大当たり入賞口開放タイマに2R確変大当たり専用入賞アタッカー44の開放時間(例えば、20秒)をセットする。さらに、メインCPU66は,パチンコ遊技機10の液晶表示装置32において、遊技者に対し発射ハンドル26を“強”の位置(図6の(c)参照)に変更するように促すための発射レベル切換報知フラグをセットし、発射レベル切換表示タイマに所定の時間(例えば1秒)をセットして、メインRAM70の所定の領域に記憶する。
【0149】
ここで、本実施の形態においては、2R確変大当たり専用入賞アタッカー44は、遊技盤14の右端に配設されているため(図4参照)、発射ハンドル26の位置が、“弱”や“中”に設定(図6の(a)及び(c)参照)されていると、2R確変大当たり専用入賞アタッカー44への遊技球の入賞が難しい、そこで、メインCPU66は、2R確変大当たり遊技状態を消化する際に、遊技者に対し発射ハンドル26の最適な位置を報知することとなる。そして、特別図柄制御フラグに大当たり入賞口開放監視処理を示す値(03)をセットし処理を終了する。
【0150】
このステップS44の処理において記憶された発射レベル切換報知フラグまたは発射レベル切換表示タイマ等のデータは、図10のステップS25のコマンド出力処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に遊技球到達位置報知コマンドとして供給する。これによって、副制御回路200において、遊技球到達位置を示す報知図柄92a、92b及び92cが液晶表示装置32に導出表示(図17参照)されるとともに、またその報知図柄92a、92b及び92cの表示時間も決定されることとなる。
【0151】
ここで、本実施の形態において、報知図柄92a、92b及び92cが液晶表示装置32に導出表示された場合の一例を、図17を参照して説明する。図17に示すように、パチンコ遊技機10の遊技状態が2R確変大当たり遊技状態に移行すると、遊技領域15の上部右側に遊技球目標到達領域を報知する報知図柄92aと、これを指差すキャラクタ図柄92b及び「右打ちだ!!」のメッセージ図柄92cが液晶表示装置32に表示される。これにより、遊技客に遊技球の発射強度を変更するように促すこととなる。この後、遊技客(者)により、報知された発射ハンドル26の位置(姿勢)変更操作が行われるか、または所定の表示時間(例えば1秒)が経過すると、これら液晶表示装置32における報知図柄92a、キャラクタ図柄92b、及びメッセージ図柄92cの表示は終了し、通常の2R確変大当たり演出表示が行われる。
【0152】
ステップS45においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグが(03)であるか否か判断し、(03)でない場合には、ステップS51に処理を移す。また、(03)の場合には、大当たり入賞口開放監視処理を行う。大当たり入賞口開放監視処理では、まず、メインCPU66は、ステップS46で大入賞口開放タイマがタイムアップしたか、または、大当たり入賞口へ規定の個数(大入賞口39開放の場合は10個、2R確変大当たり専用入賞アタッカー44開放の場合は9個)の遊技球が入賞したか否かを判断する。そして大当たり入賞口開放タイマがタイムアップしておらず、同時に、大当たり入賞口へ規定の個数の遊技球が入賞していなければ処理を終了する。そして大当たり入賞口開放タイマのタイムアップ、または、大当たり入賞口へ規定の個数の遊技球が入賞のいずれか一方の条件を満たしたことで、ステップS47へ処理を移行する。
【0153】
ステップS47においては、メインCPU66は、大当たり入賞口閉鎖処理(メインRAM70の所定の領域に、大入賞口39開放の場合は、シャッタ40による大入賞口ソレノイド120の閉鎖指示を、2R確変大当たり専用入賞アタッカー44開放の場合は、普通電動役物ソレノイド118による2R確変大当たり専用入賞アタッカー44の羽根部材48の閉鎖指示を記憶する)を実行してステップS48へ処理を移す。
【0154】
ステップS48においては、メインCPU66は、大当たり入賞口開放回数(所謂ラウンド数)をカウントし、規定回数(15R通常大当たりまたは15R確変大当たりでは15回、2R確変大当たりでは2回)に達したか否かを判断し、規定回数に達した場合はステップS50へ処理を移す。一方、大当たり入賞口開放回数が規定回数に達していなかった場合は、メインCPU66は、大当たりが2R確変大当たりか否か判断し、2R確変大当たりの場合はステップS49へ処理を移す。2R確変大当たりでは無い場合(大入賞口39開放の大当たりの場合)は、大入賞口39へ入賞した遊技球が所定の特定領域を通過したかどうかを判断し、大入賞口39へ入賞した遊技球が所定の特定領域を通過しなかった場合(Vカウントセンサ102が遊技球の通過を検出しなかった場合)は、ステップS50へ処理を移す。また、メインCPU66は、大入賞口39へ入賞した遊技球が所定の特定領域を通過した(つまり、Vカウントセンサ102が遊技球の通過を検出した)場合は、ステップS49へ処理を移す。
【0155】
ステップS49では、メインCPU66は、大当たり入賞口開放待ち処理を行う。大入賞口開放待ち処理では、特別図柄制御フラグに再度大当たり入賞口の開放を要求する値(02)をセットし、待ち時間(例えば1秒)を大当たり入賞口開放待ちタイマにセットして処理を終了する。
【0156】
ステップS50では、メインCPU66は、特別図柄制御フラグに大当たりの終了処理を要求する値(04)をセットして処理を終了する。
【0157】
ステップS51においては、メインCPU66は、大当たり終了処理を行う。大当たり終了処理では、大当たりが15R確変大当たりまたは2R確変大当たりの場合は、遊技状態フラグを確変モードとし、大当たり図柄が15R通常大当たりの場合には、遊技状態フラグを時短モードとするとともに、時短モード中の特別図柄の変動回数の上限(例えば100回)をメインRAM70の所定の領域に記憶する。そして、メインCPU66は、大当たりが2R確変大当たりの場合には、遊技者に対し、発射ハンドル26を通常遊技を行う位置に戻すように、つまり、発射ハンドル26の位置を“中”の位置(図6の(b)参照)に戻すことを促すために、発射レベル切換報知フラグをセットし、発射レベル切換表示タイマに所定の時間(例えば1秒)をセットして、メインRAM70の所定の領域に記憶する。最後にメインCPU66は、特別図柄制御フラグをクリア(つまり特別図柄記憶チェック処理を要求する値(00)をセットする)して、特別図柄制御処理を終了する。
[特別図柄記憶チェック処理]
図11のステップS33おいて実行される特別図柄記憶チェック処理について図12を用いて説明する。
【0158】
図12に示すように、メインCPU66は、最初に、特別図柄保留個数が“0”であるか否かの判断を行い(ステップS61)、特別図柄の保留個数が“0”の場合には、ステップS62に処理を移し、特別図柄の保留個数が“0”でない場合(つまり、特別図柄の変動がある場合)には、ステップS63に処理を移す。
【0159】
ステップS62においては、デモ表示処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、デモ表示を行わせるために、副制御回路200にデモ表示コマンドを供給するためのデータを、メインRAM70の所定の領域に記憶する。これによって、副制御回路200において、客待ち状態(所定の待機状態)となったことを認識することができる。この処理が終了した場合には、特別図柄記憶チェック処理を終了する。
【0160】
ステップS63においては、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理を要求する値(01)を、特別図柄制御フラグにセットする。この処理が終了した場合には、ステップS64に処理を移す。
【0161】
ステップS64においては、大当り判定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、遊技状態フラグ(通常モード、確変モードまたは時短モード)を読み出し、読み出した遊技状態フラグに基づいて、大当りの判定値の数が異なる複数の大当り判定テーブル(図7参照)から1つの大当り判定テーブルを選択する。そして、始動口25へ遊技球が入賞した時に抽出された大当り図柄用乱数値と、前記選択された大当たり判定テーブルを参照し、大当たりを判定(15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たりまたは“はずれ”のうちのいずれかを決定)する。ここで、図7の大当たり判定テーブルに示すように、通常モードまたは時短モードにおける大当り判定テーブルと確変モードにおける大当り判定テーブルでは、大当たりの判定値は、通常モードまたは時短モードでは7/400(15R通常大当たり、15R確変大当たり及び2R確変大当たりの全て大当たり判定値の合計)に設定されているのに対し、確変モードでは70/400(15R通常大当たり、15R確変大当たり及び2R確変大当たりの全て大当たり判定値の合計)と設定されている。つまり遊技状態フラグに基づいて大当り判定テーブルを選択することによって、大当り遊技状態に移行する確率が異なることとなる。このように、遊技状態フラグが確変モードである場合には、大当り遊技状態に移行する確率は、通常モードまたは時短モードよりも向上することとなるので、遊技者にとって有利な状態といえる。この処理が終了した場合には、ステップS65に処理を移す。
【0162】
ステップS65においては、メインCPU66は、大当たりであるか否かの判断処理を行う。この処理において、メインCPU66は、ステップS64の判定の結果が大当りであった場合には、ステップS66に処理を移し、大当りでなかった場合には、ステップS67に処理を移す。
【0163】
ステップS66においては、特定図柄の決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、ステップS64で決定された大当たりの種類に対応して表示される特定図柄を決定する。例えば、15R確変大当たりに対しては、特定図柄は“7”が決定され、2R確変大当たりに対しては、特定図柄は“3”、または、15R通常大当たりに対しては、特定図柄は“5”というように、それぞれの大当たりに対応して特定図柄は決定される。そして、決定された特定図柄は、メインRAM70の所定領域に記憶される。これによって、特別図柄表示器33に、大当たりに対応した特定図柄が導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS68に処理を移す。
【0164】
ステップS67においては、はずれ図柄の決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、はずれ図柄に対応した特定図柄(例えば“7”、“3”、“5”以外の数字)を決定し、メインRAM70の所定領域に記憶する。これによって、特別図柄表示器33に、はずれに対応した特定図柄が導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS68に処理を移す。
【0165】
ステップS68では、遊技状態判別処理を行う。この遊技状態判別処理において、メインCPU66は、現在の遊技状態フラグが、確変モードもしくは時短モードであると判断した場合は、ステップS70へ処理を移行し、通常モードである判断した場合は、ステップS69において、通常モードの特別図柄変動時間(例えば10秒)を、特別図柄変動タイマに記憶する。そして、ステップS71へ処理を移行する。
ステップS70においては、メインCPU66は、確変モードまたは時短モードの特別図柄変動時間(通常モードの特別図柄変動時間より短い時間、例えば5秒)を、特別図柄変動タイマに記憶する。そして、ステップS71へ処理を移行する。
ステップS71では、液晶表示装置32に演出表示される装飾図柄や演出時間の決定処理を行う。この処理において、メインCPU66は、ステップS66またはステップS67で記憶された“大当たり”または“はずれ”のデータ、そしてステップS69またはステップS70で記憶された特別図柄変動時間等のデータを、図10のステップS25のコマンド処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に導出図柄指定コマンドとして供給する。これによって、副制御回路200において、装飾図柄が液晶表示装置32に導出表示されるとともに、またその装飾図柄の変動時間も決定されることとなる。つまり、特別図柄表示器33で導出表示される特別図柄の変動時間と、液晶表示装置32に導出表示される装飾図柄の変動時間は、同期して行われることとなる。
[普通図柄制御処理]
図9のステップS13において実行されるサブルーチンについて図13を用いて説明する。
【0166】
最初に、図13に示すように、普通図柄制御フラグをロードする(ステップS101)。この処理において、メインCPU66は、普通図柄制御フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS102に処理を移す。
【0167】
ステップS102においては、メインCPU66は、普通図柄制御フラグが普通図柄記憶チェック要求を示す値(00)である場合に、ステップ103の普通図柄記憶チェック処理を行う、この普通図柄記憶チェック処理は、詳しくは図14を用いて説明するが、普通図柄の保留個数がある場合の当り判定等を行う。この処理が終了した場合には、処理を終了する。また、普通図柄制御フラグが(00)でない場合は、ステップS104へ処理を移す。
【0168】
ステップS104においては、メインCPU66は、普通図柄制御フラグが(01)であるか判断し、普通図柄制御フラグが(01)でない場合は、ステップS107へ処理を移す。また、普通図柄制御フラグが(01)である場合、ステップS105の普通図柄変動タイマがタイムアップ(つまり“0”)したかを判断し、タイムアップしなかった場合は処理を終了する。一方タイムアップした場合は、メインCPU66は、ステップS106で普通図柄に対して普通図柄変動停止処理を行うとともに、メインRAM70の普通図柄保留個数を“1”減少するように記憶更新する。そして、普通図柄制御フラグに(02)をセットして処理を終了する。
【0169】
ステップS107においては、メインCPU66は、普通図柄制御フラグが(02)であるか判断する。そして、普通図柄制御フラグが(02)でない場合は、ステップS111へ処理を移す。また、普通図柄制御フラグが(02)であった場合は、ステップS108へ処理を移し、普通図柄が当りか否かを判断する。そして、メインCPU66は、普通図柄が当りであると判断すると、ステップS109の普通電役開放処理に処理を移す。一方、メインCPU66は、普通図柄が当りではないと判断すると、ステップS110において、普通図柄制御フラグに普通図柄記憶チェックを要求する値(00)をセットして処理を終了する。
【0170】
ステップS109における普通電動役物開放処理では、メインCPU66は、普通電動役物の羽根部材23の開放処理(メインRAMの所定の領域に普通電動役物の解放を記憶する)を行う。さらに遊技台の遊技状態に合わせて、普通電動役物の羽根部材23の開放時間(例えば、遊技状態が確変モードまたは時短モードの場合は3秒、通常モードの場合は0.2秒)を普通電動役物開放タイマにセットし、普通図柄制御フラグに(03)をセットし処理を終了する。
【0171】
ステップS111においては、メインCPU66は、普通図柄制御フラグが(03)であるか否かを判断する。そして、普通図柄制御フラグが(03)でない場合は、ステップS114へ処理を移す。また、普通図柄制御フラグが(03)であった場合は、ステップS112へ処理を移し、普通電動役物開放タイマがタイムアップ(つまり“0”)かを判断する。そして、普通電動役物開放タイマがタイムアップしていない場合は処理を終了する。さらに、普通電動役物開放タイマがタイムアップしたと判断した場合は、メインCPU66は、ステップS113において、普通電動役物である羽根部材23を閉鎖状態(メインRAMの所定の領域に普通電動役物の閉鎖を記憶する)にさせる。そして普通図柄制御フラグに(04)をセットして処理を終了する。
【0172】
ステップS114においては、メインCPU66は、普通図柄制御フラグをクリア(つまり普通図柄の記憶チェックを要求する値“00”をセット)して処理を終了する。
[普通図柄記憶チェック処理]
図13のステップS103において実行されるサブルーチンについて図14を用いて説明する。
【0173】
最初に、ステップS121において、メインCPU66は、普通図柄保留個数が“0”であるか否かの判断を行い、普通図柄保留個数が“0”であると判断した場合には、普通図柄記憶チェック処理を終了する。なお、この普通図柄保留個数はメインRAMの所定の領域に記憶され、通過ゲート54を遊技球が通過したことを検出した場合に、所定個数(例えば“4”)を上限として“1”増加して記憶更新され、普通図柄ゲームにおける普通図柄の可変表示が終了したときには、“1”減算して記憶更新される。一方、メインCPU66は、普通図柄の保留個数が“0”であるとは判別しなかった場合には、ステップS122において、普通図柄制御フラグに普通図柄変動タイマ監視要求の値“01”をセットし、ステップS123へ処理を移す。
【0174】
ステップS123においては、普通図柄当り判定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、普通図柄始動領域通過時に(通過ゲート54を遊技球が通過することによって)抽出された普通図柄当り判定用乱数値と、メインROM68に記憶されている普通図柄当り判定値とを参照する。そして、メインCPU66は、参照した結果、普通図柄当り判定用乱数値が普通図柄当り判定値と一致する場合には、当り図柄(例えば、“○”図柄)を示すデータをメインRAMの所定の領域に記憶する。一方、メインCPU66は、参照した結果、普通図柄当り判定用乱数値が普通図柄当り判定値と一致しない場合には、はずれ図柄(例えば、“×”図柄)を示すデータをメインRAMの所定の領域に記憶する。このように記憶された当り図柄、はずれ図柄は、普通図柄表示器35に導出普通図柄指定コマンドとして供給される。これによって、普通図柄表示器35は、普通図柄の変動表示(例えば“○”、“×”図柄を交互に点滅させる)を開始する。この後ステップS124に処理を移す。
【0175】
ステップS124においては、メインCPUは、遊技状態フラグが確変モードまたは時短モードであるか判断する。遊技状態フラグが確変モードまたは時短モードであった場合は、S126で通常モードより短い普通図柄変動停止時間(例えば5秒)が、普通図柄変動タイマにセットされ処理を終了する。一方、遊技状態が確変モードまたは時短モードで無い(つまり通常モード)場合は、ステップS125で確変モードまたは時短モードより長い普通図柄変動停止時間(例えば30秒)が、普通図柄変動タイマにセットされ処理を終了する。
【0176】
ここで、パチンコ遊技機10における遊技状態フラグについて説明する。前述したように、パチンコ遊技機10における遊技状態フラグには、通常モード、確変モードおよび時短モードのいずれかが設定される。図7によると、各遊技モードでは遊技者に有利な状態である大当たりを判定する数値が異なっている、つまり確変モードでは、大当たりを判定する数値が70/400(15R通常大当たり、2R確変大当たり、15R確変大当たりの全ての数値の合計)に設定されているのに対し、通常モードまたは時短モードでは、大当たりを判定する数値が7/400(15R通常大当たり、2R確変大当たり、15R確変大当たりの全ての数値の合計)に設定されている。つまり確変モードでは通常モードまたは時短モードと比較して、10倍の確率で大当たり遊技状態への当選が期待できる。いいかえると、確変モードは遊技者にとって次回の大当たりの期待値の大きい有利な遊技モードと言える。
【0177】
また特別図柄及び普通図柄の変動時間においても、前述したように、確変モードまたは時短モードと通常モードでは、確変モードまたは時短モード時の変動時間が短く設定されており、さらに、普通図柄が当たった場合の、始動口25にかかる羽根部材23の開放時間も確変モードまたは時短モード時のほうが長く設定されている。当然、羽根部材23の開放時間が長ければ、始動口25に遊技球が入賞する機会が通常モードに比べて増加するため、確変モードおよび時短モードは、単位時間における特別図柄の抽選回数が増加する。よって、遊技者にとって最も有利な遊技状態である大当たり遊技状態への当選を期待する抽選機会が増加する。これも遊技者にとって有利な状態といえる。
[発射レベル表示制御処理]
図9のステップS14において実行される発射レベル表示制御処理について図15を用いて説明する。
【0178】
最初に、ステップS151において、メインCPU66は、発射レベル切換報知中か否かの判断を行い、発射レベル切換報知中であると判断した場合には、ステップS152へ処理を移す。一方、発射レベル切換報知中でないと判断した場合には、ステップS155へ処理を移す。ここで参照される発射レベル切換報知のフラグは、パチンコ遊技機10の液晶表示装置32において表示される発射ハンドル26の位置の切換えを、遊技者に対して報知中であることを示すもので、例えば、前述した特別図柄制御処理のステップS44の処理により、2R確変大当たり遊技状態の開始時に発射ハンドル26の位置の切換えにおいて、“強”(図6の(c)参照)の位置を選択するように遊技者に促すために、遊技球到達位置を示す報知図柄92a等が液晶表示装置32に導出表示中(図17参照)であることを示すものである。
【0179】
ステップS152においては、メインCPU66は、表示中の発射レベルに発射ハンドル26の位置が切換えられたか否かを判断し、切換えられている場合はステップS154へ処理を移す。また、切換えられていない場合は、ステップS153において発射レベル切換表示タイマがタイムアップ(つまり“0”)したか否かを判断し、タイムアップしていない場合は処理を終了し、タイムアップした場合は、メインCPU66は、ステップS154において、発射レベル切換報知のフラグをクリアして処理を終了する。ここで、発射レベル切換報知のフラグがクリアされることにより、液晶表示装置32に導出表示される報知図柄92a等(図17参照)の演出が終了することとなる。
【0180】
ステップS155においては、メインCPU66は、遊技者により発射ハンドル26の位置が切換えられたか否かを判断し、切換えられていない場合は、ステップS158へ処理を移す。また、切換えられた場合は、ステップS156において、発射レベル表示要求をセットし、さらに、ステップS157において、発射レベル表示タイマに発射レベルを表示する時間(例えば1秒)をセットしてメインRAM70の所定の領域に記憶して処理を終了する。
【0181】
ステップS158においては、メインCPU66は、発射レベル表示要求があるか否かを判断し、無かった場合は、本サブルーチンを終了する。一方、発射レベル表示要求があった場合はステップS159において、発射レベル表示タイマがタイムアップ(つまり“0”)か否かを判断し、タイムアップしていない場合は処理を終了する。また、タイムアップした場合は、メインCPU66は、ステップS160において、発射レベル表示要求をクリアして本サブルーチンを終了する。
【0182】
ここで、この発射レベル表示制御処理において記憶された発射レベル表示要求または発射レベル表示タイマ等のデータは、図10のステップS25のコマンド出力処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に遊技球到達位置表示コマンドとして供給する。これによって、副制御回路200において、遊技球到達位置表示図柄が遊技球の到達予想範囲15a,15b,15cとして液晶表示装置32に導出表示(図5参照)されるとともに、その表示時間も決定されることとなる。
【0183】
ここで、本実施の形態において、副制御回路200により、遊技球到達位置表示図柄(到達予想範囲15a,15b,15c)が液晶表示装置32に導出表示される場合は、図5に示すように、遊技球到達位置表示図柄(到達予想範囲15a,15b,15c)は、通常の液晶表示装置32の演出画面に重ねて表示されることとなる。また、その表示時間も、遊技者により発射ハンドル26の位置が任意に切換えられたときより遊技者が視認出来る時間(例えば1秒間)の表示にしているため、通常の液晶表示装置32で行われる演出画面にさほど影響が無く、遊技の進行に伴う演出表示の妨げにならない。
[副制御回路メイン処理]
一方、副制御回路200は、副制御回路メイン処理を実行することとなる。この副制御回路メイン処理について図16を用いて説明する。なお、この副制御回路メイン処理は、電源が投入されたときに開始される処理である。
【0184】
最初に、図16に示すように、サブCPU206は、RAMアクセス許可、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する(ステップS201)。つまり、サブCPU206は、電源が投入されたことに基づいて、遊技を正常に行わせるための所定の初期設定を行うこととなる。なお、本実施形態においては、ステップS201を実行するサブCPU206は、初期設定手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ステップS202に処理を移す。
【0185】
ステップS202において、サブCPU206は、乱数更新処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に位置付けられた各種の乱数カウンタの乱数値を更新する。この処理が終了した場合には、ステップS203に処理を移す。
【0186】
ステップS203において、サブCPU206は、受信したコマンドを解析し、その解析したコマンドに応じた処理を実行することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS204に処理を移す。
【0187】
ステップS204において、サブCPU206は、液晶表示装置32における画像の表示制御を行う。
【0188】
そして、サブCPU206は、スピーカ46から発生させる音の制御を行う音声制御処理(ステップS205)、各種のランプ133a、133bの発光制御を行うランプ制御処理を実行する(ステップS206)。この処理が終了した場合には、ステップS207に処理を移す。
【0189】
ステップS207において、この処理が終了した場合には、ステップS202に処理を移す。
【0190】
このように、副制御回路メイン処理においては、ステップS201の初期設定処理が終了した後、ステップS202からステップS207の処理を繰り返し実行することとなる。
【0191】
このように、本実施の形態においては、回動部可変手段として、発射ハンドル26の位置や姿勢を3段階に変更できる構成として、さらに、変更された発射ハンドル26の位置を検知できる発射レベル検出センサ27(図8参照)を設け、パチンコ遊技機10の遊技状況に合わせた発射強度を遊技者に報知(図17参照)することで、遊技者による迅速な発射ハンドル26の調整を促すことが出来るようにしている。さらに、遊技者により任意に発射ハンドル26の位置の変更操作が行われた場合は、その変更操作に合わせて遊技領域15へ発射される遊技球の到達予想範囲15a〜15cを、液晶表示装置32において所定の時間、表示(図5参照)することにより、発射ハンドル26の発射強度選択位置を遊技者が確認できる構成となっている。
【0192】
なお、本実施の形態では、パチンコ遊技を進めるにあたり、入賞を狙う上で、大多数の遊技者にとって最も選択し易く、かつ適切なレベル分けとなるように、パチンコ遊技機10の発射ハンドル26に、強、中、弱の3種類の発射強度レベルを検知できる発射レベル検出センサ27を設けたが、例えば、2種類でも良いし、または3種類より多くてもかまわない。つまり、遊技者が迅速に操作できる形態であれば特に数を限定するものではない。
【0193】
また、本実施の形態では、パチンコ遊技機10に配設されている役物(2R確変大当たり専用入賞アタッカー44)の配置上、2R確変大当たり遊技状態において、遊技者に右打ちを促すように、パチンコ遊技機10の液晶表示装置32において報知を行っているが(図17参照)、ここで、2R確変大当たり遊技状態において用いられる役物の配設位置は特に限定されるものではない。例えば、遊技盤14の左側に配設されていてもよく、その場合は、その役物の配設位置に見合う適切な遊技球の到達範囲を報知することとなる。
【0194】
そして、本実施の形態では、パチンコ遊技機10が、2R確変大当たり遊技状態に移行した場合に、遊技者に右打ちを促すように、主にパチンコ遊技機10の液晶表示装置32において報知(図17参照)を行っているが、遊技者に対する報知は、液晶表示装置32を用いて行われることに限定するものではない。例えば、スピーカ46R,46Lから出力される音声によって報知してもかまわない、また液晶表示装置32による報知と、スピーカ46R,46Lからの出音による報知とあわせて行えばより効果的である。
【0195】
また、本実施形態においては、一般的な確変デジタルパチンコ遊技機に本発明を適用したが、これに限らず、その他のパチンコ遊技機(例えば、羽根物、権利物、アレパチ、雀球等の弾球遊技機)またはゲーム機などに適用してもよい。
【0196】
以上、本発明の実施例を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、主に、遊技者にとって有利なラウンドゲームを複数回行う有利な遊技を実行するか否かの抽選を制御するとともに、当該有利な遊技の実行の制御を行う制御手段と、前記有利な遊技の実行時に所定の開放動作を行う役物が備えられた遊技盤と、演出画像を表示する表示手段と、前記表示手段における演出画像の表示制御を行う表示制御手段と、遊技者が把持して回動させることのできる回動部と、この回動部の回動角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるための駆動部とを備えた発射手段と、前記遊技盤に対して前記回動部の位置又は姿勢を変化させる回動部可変手段と、この回動部可変手段により変化した前記回動部の位置又は姿勢を検知する検知手段と、この位置検知手段により検知した回動部の位置又は姿勢の変化に基き、前記駆動部による駆動力の強さ度合いを変化させる駆動力可変手段と、この駆動力可変手段により変化された駆動力の強さ度合いに基づき、前記回動部の回動角度に応じて前記発射手段の発射強度を変化させる発射強度制御手段とを備えることを特徴とする遊技機であるが、制御手段、遊技盤などの具体的構成は、適宜設計変更可能である。
【0197】
なお、本発明の実施例に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施例に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0198】
【図1】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における概観を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における概観を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において構成される電飾ユニットを示す正面図である。
【図4】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における概観を示す正面図である。
【図5】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における発射ハンドルの発射強度の切換えの構成を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における発射ハンドルの発射強度の切換えの構成を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において参照される各種判定テーブルである。
【図8】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において構成される主制御回路及び副制御回路を示すブロック図である。
【図9】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図13】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図14】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図15】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図16】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図17】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における発射強度の切換えを報知する際に表示される報知図柄の一例を示す説明図である。
【図18】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における発射ハンドルの発射強度の切換えの構成を示す説明図である。
【図19】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における発射ハンドルの発射強度の切換えの構成を示す説明図である。
【図20】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における発射ハンドルの発射強度の切換えの構成を示す説明図である。
【符号の説明】
【0199】
10 パチンコ遊技機
12 本体枠
14 遊技盤
15 遊技領域
26 発射ハンドル
27 発射レベル検出センサ
32 液晶表示装置
44 2R確変大当たり専用入賞アタッカー
60 主制御回路
126 払出・発射制御回路
200 副制御回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機などの弾球遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、代表的な弾球遊技機としてパチンコ遊技機があり、かかるパチンコ遊技機は、遊技者による発射ハンドルの操作によって、遊技球を遊技盤に形成された遊技領域に発射させるように構成されている。発射された遊技球は、通常、左側から右側へ大きく弧を描くように飛び出し、発射強度が強いほど遊技領域の右側上部へ着弾するようになっている。
【0003】
また、遊技領域内には、障害釘、風車、及び入賞役物など複数の遊技部材が設けられており、遊技者の操作により発射された遊技球が入賞役物に入賞すると、所定数の賞球が払い出されることから、遊技者は、遊技球を入賞役物に入賞させるために、発射ハンドルの操作に注意を払っている。
【0004】
発射ハンドルの一般的な構成は、遊技者が手で把持して回動させる回動部と、この回動部の回動角度に応じた強度で遊技球を発射させるためのソレノイドなどの駆動部とを備えており、前記回動部の回動に伴ってソレノイドが駆動され、所定発射位置に搬送された遊技球を押し出すように発射させる。
【0005】
ソレノイドは、回動部の回動角度が大きくなるほど遊技球を押し出す力が大きくなり、遊技領域のどのような位置に、どのような強度で発射されるかによって、入賞役物への入賞に影響を及ぼす。したがって、遊技者は、発射ハンドルにおける回動部の回動角度を微調整しながら遊技球を発射している。
【0006】
しかし、回動部の回動角度を手で調整するにも限界があることから、以下に示すようなパチンコ遊技機が提案されている。
【0007】
例えば、打球の着弾ポイントを遊技者の操作によって任意に調整可能とした操作レバーを設け、この操作レバーに設けられた指針部をセット位置に合わせることによって、遊技状態に応じた適切な着弾ポイントに遊技球が着弾するようにしたものがある(例えば、特許文献1を参照。)。
【0008】
また、回転操作部材の移動量に応じて発射強度を指令する発射強度調整ハンドルや(例えば、特許文献2を参照。)、発射強度設定手段により設定された遊技球の発射強度を微調整可能な発射強度補正手段を備えた遊技機(例えば、特許文献3を参照。)が提案されている。このように、様々な調整手段により発射強度の微調整を行うようにした遊技機が提案されている。
【0009】
一方、発射された遊技球が、遊技領域のどの位置に到達するかを遊技者に報知するために、遊技球の発射強度を選択する複数のポジション選択スイッチを設け、いずれかを選択することで表示ランプの点灯によって遊技球の到達位置を報知するようにした遊技機も提案されている(例えば、特許文献4を参照。)。
【特許文献1】特開2005−21509号公報
【特許文献2】特開2005−245692号公報
【特許文献3】特開2006−6695号公報
【特許文献4】特開2006−6795号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述した従来の遊技機などによる発射強度の調整では、発射ハンドルの操作に加えて、別途異なる面倒な調整を行う必要があるので、例えば、遊技状態の変化により遊技球を迅速に遊技領域における右側に集めることが必要になる、所謂「右打ち」を行わねばならない場合に、迅速な対応ができないおそれがあった。
【0011】
本発明は、上記課題を解決することのできる弾球遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載の本発明では、遊技盤に設けられるとともに、遊技者が把持して回動させることのできる回動部と、この回動部の回動角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるための駆動部とを備えた発射手段と、前記遊技盤に対して前記回動部の位置又は姿勢を変化させる回動部可変手段と、この回動部可変手段により変化した前記回動部の位置又は姿勢を検知する検知手段と、この位置検知手段により検知した回動部の位置又は姿勢の変化に基き、前記駆動部による駆動力の強さ度合いを変化させる駆動力可変手段と、この駆動力可変手段により変化された駆動力の強さ度合いに基づき、前記回動部の回動角度に応じて前記発射手段の発射強度を変化させる発射強度制御手段と、を備える弾球遊技機とした。
【0013】
請求項2記載の本発明では、請求項1記載の遊技機において、前記回動部可変手段は、前記遊技盤に対して、前記回動部を前後方向に進退可能としたことを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の本発明では、請求項1記載の遊技機において、前記回動部可変手段は、前記遊技盤に対して、前記回動部を左右方向に移動可能としたことを特徴とする。
【0015】
請求項4記載の本発明では、請求項1記載の遊技機において、前記回動部可変手段は、前記遊技盤に対して、前記回動部を傾動可能としたことを特徴とする。
【0016】
請求項5記載の本発明では、請求項1〜4のいずれか1項に記載の遊技機において、遊技状態の変化に応じて、前記回動部の位置又は姿勢を報知する報知手段を備えることを特徴とする。
【0017】
請求項6記載の本発明では、請求項1〜5のいずれか1項に記載の弾球遊技機において、発射された遊技球を上部側から下部側へ転動させるとともに、透明部材により形成されて背後が透視可能な透明遊技盤と、この透明遊技盤を通して視認されるように、当該透明遊技盤の背面側に配設され、前記駆動部による駆動力の強さ度合いが変化した場合、発射される遊技球が遊技盤上のいずれの範囲に到達するかを画像表示する画像表示手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の弾球遊技機によれば、駆動力可変手段により変化された駆動力の強さ度合いに基づき、前記回動部の回動角度に応じて前記発射手段の発射強度を変化させる発射強度制御手段を備えているので、遊技中においても遊技球の発射強度を迅速に調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係る実施形態について、弾球遊技機をパチンコ遊技機として説明する。
【0020】
本実施形態に係るパチンコ遊技機は、遊技盤に設けられるとともに、遊技者が把持して回動させることのできる回動部と、この回動部の回動角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるための駆動部とを備えた発射手段と、前記遊技盤に対して前記回動部の位置又は姿勢を変化させる回動部可変手段と、この回動部可変手段により変化した前記回動部の位置又は姿勢を検知する検知手段と、この位置検知手段により検知した回動部の位置又は姿勢の変化に基き、前記駆動部による駆動力の強さ度合いを変化させる駆動力可変手段と、この駆動力可変手段により変化された駆動力の強さ度合いに基づき、前記回動部の回動角度に応じて前記発射手段の発射強度を変化させる発射強度制御手段と、を備えるものである。
【0021】
すなわち、回動部となる発射ハンドルの位置又は姿勢を可変にして、その変化した状態に応じて遊技球を発射させる駆動部であるアクチュエータ(例えば、ソレノイドやモータなど)の強さレベルを変化させ、変化させた強さレベルの駆動力において、発射ハンドルの回動操作を行えば、その回動角度に応じて遊技球の発射強度を微調整することが可能となっている。
【0022】
通常のパチンコ機では、発射力の調整は、単に発射ハンドルの回動角度に応じてのみである。したがって、遊技球が力なく発射されて遊技領域まで届かない程度の強度である略最小の回動角度から、遊技球が勢いよく発射されて、遊技領域の右上側に設けられた所謂返しゴムに衝突する程の強度である略最大の回動角度までの間で、最適な発射強度となるように回動角度を調整しなければならなかったが、本実施形態によれば、発射ハンドルの位置又は姿勢を、例えば、3段階に変化できるようにして、それぞれの強さレベルを第1レベル(弱)、第2レベル(中)、第3レベル(強)とし、第1レベルでは遊技領域の上部を左右に3等分した3分の1の範囲に遊技球が発射され、その範囲内で、回動部の回動角度を最小から最大の範囲で調整することができるのである。したがって、同じ強さレベルにおいて、調整レンジが拡大されて微調整を行い易い。
【0023】
しかも、パチンコ機においては、通常の遊技状態から(遊技者は、この通常遊技状態では、遊技球の発射強度は中程度(第2レベル)にしているものと考えられる。)、所定の条件を契機にして遊技球を遊技領域の右側領域まで到達させなければ、遊技者にとって有利な遊技状態に移行できない機種などもある。すなわち、所謂「右打ち」を強いられるパチンコ機種がある。
【0024】
この場合、急いで右打ちをしようとすると、手首を大きくひねることになり、負担がかかるが、本実施形態のように、発射ハンドルの位置又は姿勢を変化させるだけで、手首などをひねることなくアクチュエータの駆動力のレベルを変化させることができ、例えば、前記第3レベルとなるように発射ハンドルの位置や姿勢を変化させると、労せずとも遊技球は遊技盤の右3分の1の範囲、すなわち右打ちのときに遊技球が発射される範囲に集中して発射されることになる。したがって、パチンコ遊技中における遊技球の発射強度を、迅速かつ手首などに負担をかけることなく調整することができる。
【0025】
また、上記パチンコ機において、前記回動部可変手段は、前記遊技盤に対して、前記回動部(発射ハンドル)を前後方向に進退可能とすることができる。
【0026】
すなわち、発射ハンドルを、遊技盤に対して複数段の位置で保持できるように進退自在に取付けて、進退位置に応じてアクチュエータの駆動力レベルを設定可能としている。
【0027】
例えば、上記第2レベルを中間位置(第2ポジション)として、通常の遊技状態ではこの位置で発射ハンドルを操作するが、例えば右打ちが必要な場合は発射ハンドルを押し込んだ第3ポジションの位置で第3レベルにアップさせたり、左打ちを行う場合は発射ハンドルを手前に引き出し、その引き出し位置である第1ポジションを第1レベルとしたりすることが可能である。
【0028】
かかる構成とすれば、発射ハンドルを握ったままで、遊技球の発射強度のレベルを切換えることが容易に行える。
【0029】
あるいは、前記回動部可変手段として、前記遊技盤に対して、前記回動部を左右方向に移動可能とすることもできる。
【0030】
すなわち、発射ハンドルにスライド機構を設けてスライド自在にするもので、スライド位置に応じてアクチュエータの強さレベルを可変とするものである。この場合、強さレベルの変化は無段階にすることもできるし、前述したように、複数段(例えば第1ポジション〜第3ポジションの3段階)に区分することもできる。
【0031】
あるいは、前記回動部可変手段を、前記遊技盤に対して、前記回動部を傾動可能としてもよい。
【0032】
すなわち、発射ハンドルの把持部を、前後方向に傾動可能とするもので、この場合、把持部が遊技盤に対して略平行な姿勢を、通常遊技状態で主に用いる第2レベルとすると、遊技盤側に傾動させた姿勢を第3レベル、手前に傾動させた姿勢を第1レベルというような設定が考えられる。
【0033】
また、上述してきたパチンコ遊技機において、遊技状態の変化に応じて、前記回動部の位置又は姿勢を報知する報知手段を備える構成とすることができる。
【0034】
すなわち、上述したように、例えば右打ちを強いられる遊技状態になった場合、発射ハンドルの位置又は姿勢をどの位置に、あるいはどのような姿勢にすればよいのかを報知するのである。
【0035】
報知手段としては、一般的な液晶表示装置において文字や図柄や画像などで報知することが考えられる。あるいは、発射ハンドルをスライド可能にしたものであれば、スライド位置毎に報知ランプを設けておき、変更させるべき位置の報知ランプを点灯するようにしてもよい。また、強さレベルに応じた位置や姿勢を、「第1ポジション」、「第2ポジション」、あるいは「第3ポジション」などというように、音声によって直接位置を指示するようにしてもよい。
【0036】
このように、発射ハンドルの位置や姿勢を報知する報知手段を備えた構成とすれば、発射強度を変更するタイミングを逸することがなく、遊技球の入賞確率を著しく低下させたりするおそれがなくなる。
【0037】
ところで、遊技状態の変化という場合、上述したように右打ちが必要な場合ばかりではなく、パチンコ機における入賞役物のレイアウトの違いなどによっては、例えば左打ち、あるいは遊技領域のセンター付近に遊技球を集めるような打ち方が有利になる場合も考えられる。
【0038】
また、その右打ちや左打ちなどが必要な状態が終了した場合も遊技状態の変化に含まれることは当然であり、例えば右打ちが必要な遊技状態から通常の遊技状態に移行すれば、報知手段は、例えば第1ポジションや第2ポジションに位置変更するように報知することになる。なお、第1ポジション、第2ポジションのいずれに変更するように報知するかについては、例えば、発射ハンドルの位置や姿勢の状態を記憶する記憶手段を備えておき、変更前の位置や姿勢を報知するように制御することが考えられる。
【0039】
さらに、上述してきたパチンコ機において、発射された遊技球を上部側から下部側へ転動させるとともに、透明部材により形成されて背後が透視可能な透明遊技盤と、この透明遊技盤を通して視認されるように、当該透明遊技盤の背面側に配設され、前記駆動部による駆動力の強さ度合いが変化した場合、発射される遊技球が遊技盤上のいずれの範囲に到達するかを画像表示する画像表示手段と、を備える構成とすることができる。
【0040】
これは、透明部材により形成された遊技盤(以下「透明遊技盤」という)の背後に配設された画像表示手段(例えば液晶表示装置が好適に用いられる)に、選択された(変更された)発射ハンドル位置の強さレベルで発射した遊技球の予想到達領域を画像表示するもので、遊技者からは透明遊技盤を通して視認することができる。表示形態としては、例えば、到達範囲を帯状に表示したり、到達範囲を含め遊技球の転動予想領域を含めて色彩表示したりするなどが考えられる。
【0041】
このように、アクチュエータの駆動力に係る強さレベルに応じて遊技球の予想到達領域を画像表示することにより、発射ハンドルの位置や姿勢をどのように変更すればよいかの決定が容易になるとともに、一つの遊技演出となって遊技者の興趣を高めることが可能となる。
【0042】
以下に、本発明の実施形態について、図面に基づいて、より具体的に説明する。なお、以下において説明する実施形態においては、遊技機をパチンコ遊技機としている。
[遊技機の構成]
本実施形態に係る遊技機の概観について図1及び図2を用いて説明する。図1は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の概観を示す斜視図である。また、図2は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の概観を示す分解斜視図である。
【0043】
図1及び図2に示すように、パチンコ遊技機10は、前面に開口12aが形成された本体枠12と、その本体枠12における開口12aの内部に配設される各種の部品と、本体枠12の前方に開閉自在に軸着された扉11とから構成されている。この扉11は、図1に示すように、開口12aを前面から閉鎖するためのものであり、通常閉鎖した状態で遊技が行われる。また、本体枠12の前面には、上皿20、下皿22、発射ハンドル26等が配設されている。
【0044】
本体枠12の開口12a内部には、画像を表示する表示手段としての液晶表示装置32と、スペーサー31、遊技盤14等が配設されている。なお、遊技盤14、スペーサー31、液晶表示装置32以外の各種の部品(図示せず)については、理解を容易にするために説明を省略する。
【0045】
遊技盤14は、その全部が透過性を有する板形状の樹脂(透過性を有する部材)によって形成されている。この透過性を有する部材としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂など各種の材質が該当する。また、遊技盤14は、その前面側に、発射された遊技球が転動可能な遊技領域15を有している。この遊技領域15は、ガイドレール30に囲まれ、遊技球が転動可能な領域である。また、遊技盤14における遊技領域15には複数の障害釘13が打ちこまれている。
【0046】
遊技に関する演出画像を表示する表示手段の一例である液晶表示装置32は、スペーサー31を挟んで、遊技盤14の背後に設けられている。すなわち、液晶表示装置32は、遊技盤14の透過性を有する部材の背後に配置されている。この液晶表示装置32は、遊技に関する画像の表示を可能とする表示領域32aを有している。この表示領域32aは、遊技盤14の全部又は一部に、スペーサー31を挟んで、背面側から重なるように配設される。具体的には、液晶表示装置32は、その表示領域32aが遊技領域15の全部又は一部と、遊技領域外域16の全部又は一部とに重なるように遊技盤14の後方に配設される。この液晶表示装置32における表示領域32aには、演出用の演出画像、装飾用の装飾画像等、各種の画像が表示される。
【0047】
また、本実施形態において、遊技盤14における透過性領域の背後に液晶表示装置32などの表示手段を設けることにより、例えば、障害釘の植設領域や役物、装飾部材といった遊技部材を設ける領域を大きくし、レイアウトの自由度も更に大きくすることが可能である。
【0048】
スペーサー31は、遊技盤14の後方(背面側)に配設されるとともに、液晶表示装置32の前方(前面側)に配設される。つまり、スペーサー31は、遊技盤14と液晶表示装置32によって挟持される。このスペーサー31は、透過性を有した材料で形成されており、中央に大きな貫通穴31aが設けられている。貫通穴31aには、電飾ユニット53が設けられている。
【0049】
図3によって、特別図柄表示器33、普通図柄表示器35、特別図柄保留ランプ34a〜34dおよび普通図柄保留ランプ50a〜50dを説明する。図3は、電飾ユニット53の拡大図である。
【0050】
図3に示すように、表示器ケース37に収容される特別図柄表示器33は、7セグメントLED41で構成されている。この7セグメントLED41は、所定の特別図柄の変動表示開始条件の成立により、点灯・消灯を繰り返す。7セグメントLED41の点灯・消灯によって、“0”から“9”までの10個の数字図柄が、特別図柄として変動表示される。
本実施形態においては、パチンコ遊技機10の遊技状態は、大別して一般遊技状態(大当たりの抽選を行いながら遊技球を消費する、所謂遊技客に不利な状態)と大当たり遊技状態(遊技客にとって短時間で大量の遊技球の獲得が期待できる、所謂遊技客にとって有利な状態)に分かれる。さらに、後述の特別図柄制御処理において抽選された、前記特別図柄表示器33に変動停止表示される特定の数字図柄により、15R確変大当り遊技状態、2R確変大当り遊技状態または15R通常大当り遊技状態の、3種類の大当たり遊技状態が決定する。そして、それぞれの大当たり遊技状態が終了後、前記一般遊技状態も、確変モードまたは時短モードと異なる状態の一般遊技状態へ移行する。
つまり、前記特別図柄として、特定の数字図柄(例えば、“7”の数字図柄)が停止表示された場合は、一般遊技状態から遊技者に有利なラウンドゲームを最大15回継続して行われる15R確変大当り遊技状態に移行する。また、特定の数字図柄(例えば、“3”の数字図柄)が停止表示された場合は、一般遊技状態から遊技者に有利なラウンドゲームを最大2回継続して行われる2R確変大当り遊技状態に移行する。そして、大当り遊技状態の終了後は、大当り遊技状態に移行する確率が通常より高い一般遊技状態である確変モードに移行する。さらに、特定の数字図柄(例えば、“5”の数字図柄)が停止表示された場合は、一般遊技状態から遊技者に有利なラウンドゲームを最大15回継続して行われる15R通常大当り遊技状態に移行する。そして、大当り遊技状態の終了後は、一般遊技状態である時短モードに移行する。この時短モードは、前記特別図柄の変動回数(例えば100回)を消化すると、一般遊技状態である通常モード(パチンコ遊技機10において最も基本的な一般遊技状態)に移行する。
【0051】
15R確変大当り遊技状態または15R通常大当たり状態となった場合には、後述するように、シャッタ40(図4参照)が開放状態に制御され、大入賞口39(図4参照)に遊技球が受け入れ可能な状態となる。また、2R確変大当り遊技状態となった場合には、後述するように、遊技領域15の右側上部に設けられた2R確変大当たり専用入賞アタッカー44(図4参照)の左右の両側に設けられている羽根部材(所謂、普通電動役物)48が閉鎖状態から開放状態となり、2R確変大当たり専用入賞アタッカー44に遊技球が受け入れ可能な状態となる。
【0052】
一方、特別図柄として、特定の数字図柄以外の数字図柄(例えば、“3”、“5”、または“7”以外の数字図柄)が停止表示された場合は、基本的に一般遊技状態は移行しない。但し、詳細は後述の特別図柄制御処理で説明するが、一般遊技状態が時短モードの場合は、特別図柄の変動回数が所定の変動回数(例えば100回)に達したと判断すると、一般遊技状態を時短モードから通常モードへ移行する。以上のように、特別図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって遊技状態が移行又は維持されるゲームを「特別図柄ゲーム」という。
【0053】
表示器ケース37の左右の両側には、特別図柄保留ランプ34a〜34dが設けられている。この特別図柄保留ランプ34a〜34dは、点灯又は消灯によって保留されている特別図柄の変動表示の実行回数(所謂、「特別図柄の保留球数」)を表示する。
【0054】
特別図柄表示器33の右側には、普通図柄表示器35が設けられている。普通図柄表示器35は、2つの表示用ランプ(図示せず)で構成されており、これら表示用ランプが交互に点灯・消灯を繰り返すことによって、例えば“○”、“×”等の記号が普通図柄として変動表示される。
【0055】
表示器ケース37の下側には、普通図柄保留ランプ50a〜50dが設けられている。この普通図柄保留ランプ50a〜50dは、後述するように、点灯又は消灯によって保留されている普通図柄の変動表示の実行回数(所謂、「普通図柄の保留球数」)を表示する。
【0056】
図1及び図2を用いたパチンコ遊技機10の概観の説明を続ける。遊技盤14の透過性領域の外側には、発光表示手段としての装飾ランプ133a、133bが配設されており、遊技状態に合わせた所定の発光態様の表示を行う。
【0057】
扉11には、透過性を有する保護板19が配設されている。この保護板19は、扉11が閉鎖された状態で遊技盤14の前面に対面するように配設されている。
【0058】
発射ハンドル26は本体枠12に対して回動自在に設けられている。また、発射ハンドル26の裏側には、駆動装置である発射ソレノイド(図示せず)が設けられている。さらに、発射ハンドル26の周縁部には、タッチセンサ(図示せず)が設けられている。このタッチセンサが遊技者により触接されたときには、遊技者により発射ハンドル26が握持されたと検知される。発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射ソレノイドに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が遊技盤14の遊技領域15に順次発射され、遊技が進められる。つまり、本実施の形態において、発射ハンドル26は、遊技者が把持して回動させることのできる回動部と、その回動部の回動角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるための駆動部(前記発射ソレノイド)とを備えた発射手段として用いられる。
【0059】
さらに、発射ハンドル26は、遊技者によりその位置又は姿勢を変化させることが可能で、かつ発射レベル検出センサ27(図8参照)を内蔵した構成としている。そして、発射レベル検出センサ27により、変化させた発射ハンドル26の位置又は姿勢を検知して、信号として前記発射ソレノイドに送ることによって、遊技球を遊技領域15に発射する際の駆動力の度合いを切換えられる構成としている。したがって、発射ハンドル26の位置又は姿勢を変更することによって、遊技領域15における遊技球の到達位置範囲を大まかに変更することが可能となっている。
【0060】
この発射レベル検出センサ27は、発射ハンドル26の位置や姿勢に応じて、レベル1の“弱”、レベル2の“中”、レベル3の“強”の3箇所の位置を検出できるように、各位置や姿勢に応じた箇所に発射レベル検出センサ27a〜27c(図8参照)が設けられており、それぞれ検出された発射ハンドル26の位置や姿勢に対応して、遊技球のベースとなる発射強度が変更されることとなる。また、それぞれ検出された発射ハンドル26の位置や姿勢に対応して、遊技領域15に発射される遊技球の到達範囲は、ある程度限定されることになり、その限定された遊技球の到達範囲内において、遊技者は発射ハンドル26を回転させて発射強度を微調整することができる。
【0061】
つまり、本実施形態において、前記発射ハンドル26は、発射手段として用いられるだけでなく、遊技者により位置又は姿勢を変化させられる回動部可変手段としても用いられる。また、前記発射ハンドル26に内蔵された前記発射レベル検出センサ27は、遊技者により変化させられた前記発射ハンドル26の位置や姿勢を検知する検知手段として用いられる。そして、前記発射レベル検出センサ27により検知された信号が前記駆動部である前記発射ソレノイドに送られ、この発射ソレノイドが駆動力可変手段として用いられ、駆動力の強さ度合いを変化させる。さらに、前記発射レベル検出センサ27により検知された信号は払出・発射制御回路126(図8参照)に送られ、この払出・発射制御回路126が発射強度制御手段として用いられて、検知された信号に従い発射強度を変化させる。
【0062】
ところで、本実施形態では、回動部可変手段として、発射ハンドル26の位置を、奥行き方向(遊技盤14に対して前後方向)に、複数段階で保持可能な機構を採用している。すなわち、図6に示すように、発射ハンドル26の取付基部26bの外周面に所定間隔をあけて2本の溝状凹部26cを形成する一方、本体枠12内に前記溝状凹部26cと係合する係合部(図示せず)を設け、遊技者が発射ハンドル26を進退させることで、3段階の位置に保持させることができるようにしている。
【0063】
このように、前記回動部可変手段によって、遊技者により操作される発射ハンドル26の位置を、パチンコ遊技機10に対して前後方向に進退させることによって変更できる構成としている。
【0064】
ここで、遊技者により選択された発射ハンドル26の位置に対応して遊技領域15に発射される遊技球の到達範囲について、図5及び図6を用いて説明する。
【0065】
まず、遊技者により選択された発射ハンドル26の位置が“弱”(図6(a)参照)の場合、発射ハンドル26の位置を発射レベル検出センサ27aが検出し、図5(a)に示すように、それに対応した遊技領域15における遊技球の到達予想範囲15aが遊技領域15の左側の1/3の範囲に表示される。
【0066】
この到達予想範囲15aの範囲内で、発射ハンドル26の回転を調整出来る範囲を従来のパチンコ遊技機と比較すると、図18に示すように、従来のパチンコ遊技機においては、遊技者が調整できる発射ハンドル26の回動角度はθbの範囲でしかないが、本実施形態の場合は、遊技者が微調整できる発射ハンドルの角度はθaと大幅に増加する。これにより、遊技者による発射ハンドル26の調整をより緻密にできることとなる。
【0067】
次に、遊技者により選択された発射ハンドル26の位置が“中”(図6の(b)参照)の場合、発射ハンドル26の位置を発射レベル検出センサ27bが検出し、図5(b)に示すように、それに対応した遊技領域15における遊技球の到達予想範囲15bが遊技領域15の中央の1/3の範囲に表示される。
【0068】
そして、遊技者により選択された発射ハンドル26の位置が“強”(図6(c)参照)の場合、発射ハンドル26の位置を発射レベル検出センサ27cが検出し、図5(c)に示すように、それに対応した遊技領域15における遊技球の到達予想範囲15cが遊技領域15の右側の1/3の範囲に表示される。
【0069】
このように、本実施形態においては、遊技者は、パチンコ遊技機10の遊技状態に合わせて、発射ハンドル26の位置を前後に変更することで、迅速に遊技盤14の遊技領域15に発射する遊技球の発射強度のレベルを変更することが出来る。そして、詳細は後述するが、遊技者により発射ハンドル26の位置が変更された場合は、図5に示すように、遊技領域15に発射される遊技球の到達予想範囲15a,15b,15cを所定の時間(例えば1秒)、遊技盤14の後方(背面側)に配設されている液晶表示装置32の表示領域32aを用いて遊技者に知らせることにより、現在の発射ハンドル26の位置及び発射強度を、遊技者が視覚的に確認出来るようにしている。
【0070】
さらに、パチンコ遊技機10の遊技状態が、例えば、2R確変大当たり専用入賞アタッカー44が開放したときのように、遊技領域15の右側に遊技球を発射させると遊技者が有利になるような遊技状態になった場合、発射ハンドル26の最適な発射強度を遊技者が視覚的に、かつ直感的に判断できるように、表示領域32aに報知図柄92a、92b及び92cを表示(図17参照)することにより、遊技者に対して、発射ハンドル26の位置の変更操作を促すこととなる。
【0071】
また、本実施形態に係る回動部可変手段の変形例を、図19を参照して説明する。この例では、回動部可変手段として、発射ハンドル26の位置を所定のスライド範囲の中で左右にスライド移動可能とするとともに、任意の位置で保持可能な構成としている。
【0072】
すなわち、本体枠12に発射ハンドル26を左右に移動させられる機構と、任意の位置で当該発射ハンドル26を保持可能な機構を設け、遊技者が発射ハンドル26を左右に移動させ、その位置を選択することにより、発射強度の変更を行うようにしている。
【0073】
まず、遊技者により選択された発射ハンドル26の位置が図19(a)に示すように、“弱”の位置の場合(つまり、遊技者がスライド範囲における左端位置を発射ハンドル26の位置として選択した場合)、発射ハンドル26の位置を発射レベル検出センサ27aが検出し、図5(a)に示すように、それに対応した遊技領域15における遊技球の到達予想範囲15aが遊技領域15の左側の1/3の範囲に表示される。
【0074】
次に、遊技者により選択された発射ハンドル26の位置が図19の(b)に示すように、“中”の位置の場合(つまり、遊技者がスライド範囲における中央位置を発射ハンドル26の位置として選択した場合)、発射ハンドル26の位置を発射レベル検出センサ27bが検出し、図5(b)に示すように、それに対応した遊技領域15における遊技球の到達予想範囲15bが遊技領域15の中央の1/3の範囲に表示される。
【0075】
そして、遊技者により選択された発射ハンドル26の位置が図19の(c)に示すように“強”の位置の場合(つまり、遊技者がスライド範囲における右端位置を発射ハンドル26の位置として選択した場合)、発射ハンドル26の位置を発射レベル検出センサ27cが検出し、図5(c)に示すように、それに対応した遊技領域15における遊技球の到達予想範囲15cが遊技領域15の右側の1/3の範囲に表示される。
【0076】
次に、回動部可変手段のさらなる変形例について、図20を用いて説明する。この例では、発射ハンドル26の位置に角度をつけて姿勢を変更するようにしており、この例における回動部可変手段としては、発射ハンドル26の取付基部26bに対して、遊技者が把持するヘッド部分を、上下に所定の角度で首振りさせ、かつ上、中、下の三箇所においてヘッド部分を保持可能な機構を設けている。したがって、この例では、遊技者は発射ハンドル26を把持する角度を選択することにより、発射強度の変更を行うこととなる。
【0077】
図20(a)に示すように、発射ハンドル26の姿勢が、遊技者により選択された発射ハンドル26の保持角度が“弱”の位置の場合(つまり、遊技者が発射ハンドル26の下側を押し込むように角度をつけた場合)、図5(a)に示すように、発射ハンドル26の角度を発射レベル検出センサ27aが検出し、それに対応した遊技領域15における遊技球の到達予想範囲15aが遊技領域15の左側の1/3の範囲に表示される。
【0078】
また、図20の(b)に示すように、遊技者により選択された発射ハンドル26の保持角度が “中”の位置の場合(つまり、遊技者が発射ハンドル26に角度をつけず水平に把持した場合)、図5(b)に示すように、発射ハンドル26の角度を発射レベル検出センサ27bが検出し、それに対応した遊技領域15における遊技球の到達予想範囲15bが遊技領域15の中央の1/3の範囲に表示される。
【0079】
また、図20の(c)に示すように、遊技者により選択された発射ハンドル26の保持角度が “強”の位置の場合(つまり、遊技者が発射ハンドル26の上側を押し込むように角度をつけた場合)、図5(c)に示すように、発射ハンドル26の角度を発射レベル検出センサ27cが検出し、それに対応した遊技領域15における遊技球の到達予想範囲15cが遊技領域15の右側の1/3の範囲に表示される。
【0080】
このように、遊技者により位置又は姿勢を変化させられる回動部可変手段の実施形態として、3つの例を挙げて説明したが、必ずしもこれらの例に限定されるものではなく、遊技者が迅速に発射ハンドル26を操作することで、発射強度を変更できる手段であれば如何なる構成であっても構わない。
【0081】
ここで、図1及び図2を用いたパチンコ遊技機10の概観の説明に戻る。遊技盤14の後方(背面側)に配設されている液晶表示装置32の表示領域32aでは、前述した特別図柄表示器33において表示される特別図柄と関連する演出画像や、前述したように、遊技者により変更された発射ハンドル26の位置に対応した遊技球の到達予想範囲15a〜15c(図5参照)等が表示される。
【0082】
例えば、特別図柄表示器33で表示される特別図柄の変動表示中においては、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて、一列の図柄列に数字や記号等からなる装飾図柄(演出用の識別情報でもある。例えば、“0”から“9”までの数字)が変動表示される。また、特別図柄表示器33において変動表示されていた特別図柄が停止表示されるとともに、液晶表示装置32の表示領域32aでも演出用の装飾図柄が停止表示される。
【0083】
また、特別図柄表示器33において特別図柄として特定の数字図柄が停止表示された場合には、大当りであることを遊技者に把握させる演出画像が液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示される。具体的には、特別図柄表示器33において特別図柄として特定の数字図柄が停止表示された場合には、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示される演出用の装飾図柄の組合せが特定の表示態様(例えば、“1”から“9”のいずれかが全て揃った状態で停止表示される態様)となる。
【0084】
この演出用の装飾図柄の組合せとして、特定の“奇数”の数字図柄が全て揃った状態で停止表示された場合(例えば、“111”〜“999” の数字図柄)は、一般遊技状態から遊技者に有利なラウンドゲームを最大15回継続して行われる15R確変大当り遊技状態に移行する。この場合は、前記特別図柄表示器33に表示される特定図柄は“7”である。また、特定の数字図柄が連番で停止表示された場合(例えば、“1”“2”“3”の数字図柄)は、一般遊技状態から遊技者に有利なラウンドゲームを最大2回継続して行われる2R確変大当り遊技状態に移行する。この場合は、前記特別図柄表示器33に表示される特定図柄は“3”である。さらに、特定の“偶数”の数字図柄が全て揃った状態で停止表示された場合(例えば、“222”〜“888” の数字図柄)は、一般遊技状態から遊技者に有利なラウンドゲームを最大15回継続して行われる15R通常大当り遊技状態に移行する。この場合は、前記特別図柄表示器33に表示される特定図柄は“5”である。このように、前述した、特別図柄表示器33に停止表示される特定図柄に対応した装飾図柄の組み合わせが、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて停止表示される。
【0085】
このように、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示される演出用の装飾図柄の組合せが特定の表示態様となった場合には、更に、「大当り!!」などの文字画像とともに、喜んでいるキャラクタ画像が液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示される。
【0086】
なお、本発明における遊技は、始動口25に遊技球が入球したことを契機に、遊技者にとって有利な遊技へ移行するか否かの抽選が行われ、特別図柄表示器33において識別図柄の変動表示が行われ、液晶表示装置32において演出としての装飾図柄の変動表示、及びこれに伴う演出表示が行われる遊技である。
【0087】
次に、図4を用いて、パチンコ遊技機10の概観について、さらに詳細に説明する。図4は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の概観を示す正面図である。なお、図4を用いたパチンコ遊技機10の概観の説明では、図1及び図2を用いたパチンコ遊技機10の概観の説明と重複する部分を省略する。また、図4においては、遊技盤14に打ち込まれている複数の障害釘13の記載を省略している。
【0088】
図4に示すように、遊技盤14には、2つのガイドレール30(30a及び30b)、障害物55、57、58、通過ゲート54、羽根部材23を備えた始動口25、大入賞口39、羽根部材48を備えた2R確変大当たり専用入賞アタッカー44が設けられている。なお、遊技盤14の上部では、特別図柄表示器33、普通図柄表示器35等の電飾ユニット53(図3参照)が視認可能となっている。
【0089】
遊技盤14の上部には障害物55が設けられ、遊技盤14の略中央には障害物57が設けられている。この障害物57下部には、始動口25が設けられている。
【0090】
遊技盤14の左側に設けられている2つのガイドレール30は、遊技領域15を区画(画定)する外レール30aと、その外レール30aの内側に配設された内レール30bとから構成される。発射された遊技球は、遊技盤14上に設けられたガイドレール30に案内されて、遊技盤14の上部に移動し、電飾ユニット53上を通過して、前述した複数の障害釘13(図2参照)、遊技盤14上に設けられた障害物55、57等との衝突により、その進行方向を変えながら遊技盤14の下方に向かって流下する。
【0091】
前述した始動口25に遊技球が入賞した場合(所定の特別図柄の変動表示開始の一つである。)には、特別図柄表示器33による特別図柄の変動表示が開始される。また、特別図柄の変動表示中に遊技球が始動口25へ入賞した場合には、変動表示中の特別図柄が停止表示されるまで、始動口25への遊技球の入賞に基づく特別図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた特別図柄が停止表示された後に、保留されていた特別図柄の変動表示が開始される。つまり、前記電飾ユニット53に設けられた、特別図柄保留ランプ34a〜34d(図3参照)は、保留された特別図柄の変動表示の実行回数に対応して、左から順番に点灯され、特別図柄の変動表示が一旦停止表示され、次の保留されていた特別図柄の変動表示が開始されると、それに対応した特別図柄保留ランプは消灯される。なお、特別図柄の変動表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、例えば、4回(個)を上限として特別図柄の変動表示は保留される。
【0092】
また、液晶表示装置32の表示領域32aにおいても、前述した始動口25に遊技球が入賞した場合には、前記特別図柄の変動表示の開始にあわせて、演出用の装飾図柄の変動表示が開始される。また、特別図柄に関する変動表示中に遊技球が始動口25へ入賞した場合には、変動表示中の演出用の識別情報が停止表示されるまで、始動口25への遊技球の入賞に基づく演出用の装飾図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた演出用の装飾図柄が停止表示された場合には、保留されていた演出用の装飾図柄の変動表示が開始される。
【0093】
なお、本実施形態においては、始動口25に遊技球が入賞したこと等を、所定の特別図柄の変動表示開始条件又は所定の演出用の装飾図柄の変動表示開始条件としたが、これに限らず、別の態様であってもよい。
【0094】
遊技盤14の略中央の左側には通過ゲート54が設けられている。この通過ゲート54には、後述する通過球センサ114(図8参照)が設けられている。通過球センサ114は、遊技球が通過ゲート54を通過したことを検出する。そして、通過球センサ114によって遊技球の通過が検出されたときには、普通図柄表示器35において普通図柄の変動表示が開始され、所定の時間が経過した後、普通図柄の変動表示が停止する。前述したように、この普通図柄は、“○”、“×”等の記号である。
【0095】
この普通図柄が所定の図柄、例えば“○”として停止表示されたときには、始動口25の左右の両側に設けられている羽根部材(所謂、普通電動役物)23が閉鎖状態から開放状態となり、始動口25に遊技球が入りやすくなる。また、羽根部材23を開放状態とした後、所定の時間が経過したときには、羽根部材23を閉鎖状態として、始動口25に遊技球が入りにくくなるようにする。以上のように、普通図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって羽根部材23の開放・閉鎖状態が異なってくるゲームを「普通図柄ゲーム」という。
【0096】
また、特別図柄の変動表示と同じように、普通図柄の変動表示中において通過ゲート54を遊技球が通過した場合には、変動表示中の普通図柄が停止表示されるまで、通過ゲート54への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。つまり、前記電飾ユニット53に設けられた、普通図柄保留ランプ50a〜50d(図3参照)は、保留された普通図柄の変動表示の実行回数に対応して、左から順番に点灯され、変動が停止表示されると、次の保留されていた普通図柄の変動表示が開始され、それに対応した普通図柄保留ランプは消灯される。なお、普通図柄の変動表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、例えば、4回(個)を上限として保留される。
【0097】
大入賞口39には、その前面側(前方)に開閉自在なシャッタ40が設けられている。このシャッタ40は、特別図柄表示器33において特別図柄として特定の数字図柄が停止表示され、遊技状態が前記の15R大当り遊技状態(つまり、15R確変大当たり状態または15R通常大当たり状態)に移行された場合は、遊技球を受け入れやすい開放状態となるように駆動される。その結果、大入賞口39は、遊技球を受け入れやすい開放状態となる。
【0098】
一方、シャッタ40の背面側(後方)に設けられた大入賞口39には、Vカウントセンサ102(図8参照)を有する特定領域(図示せず)と、カウントセンサ104(図8参照)を有する一般領域(図示せず)とがあり、それらの領域を遊技球が所定個数(例えば10個)通過するか、又は、所定時間(例えば30秒)が経過するまでシャッタ40が開放状態に駆動される。そして、開放状態において大入賞口39への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、シャッタ40は、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態になるように駆動される。その結果、大入賞口39は、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態となる。
【0099】
なお、大入賞口39が遊技球を受け入れやすい状態となっている開放状態から大入賞口39が遊技球を受け入れ難い状態となっている閉鎖状態までの遊技をラウンドゲームという。したがって、シャッタ40は、ラウンドゲーム時に開放し、各ラウンドゲーム間では閉鎖することになる。また、ラウンドゲームは、“1”ラウンド、“2”ラウンド等のラウンド数として計数される。例えば、ラウンドゲームの1回目を第1ラウンド、2回目を第2ラウンドと呼称する場合がある。
【0100】
続いて、開放状態から閉鎖状態に駆動されたシャッタ40は、開放状態において大入賞口39に受け入れられた遊技球がVカウントセンサ102を通過したことを条件に、再度開放状態に駆動される。つまり、シャッタ40の開放状態において大入賞口39に受け入れられた遊技球がVカウントセンサ102を通過したことを条件に、次のラウンドゲームへ継続して進むことができる。なお、第1ラウンドのラウンドゲームから、次のラウンドゲームに継続して進むことができない(最終の)ラウンドゲームが終了するまでの遊技を大当り遊技状態という。すなわち、大当り遊技状態は遊技者にとって有利な遊技状態である。
【0101】
さらに、2R確変大当たり専用入賞アタッカー44が、障害物58の下流に設けられている。この2R確変大当たり専用入賞アタッカー44は、左右の両側に羽根部材(所謂、普通電動役物)48が設けられている。この羽根部材48は、特別図柄表示器33において特別図柄として特定の数字図柄が停止表示され、遊技状態が2R確変大当り遊技状態に移行された場合は、遊技球を受け入れやすい開放状態となるように駆動され、その結果、2R確変大当たり専用入賞アタッカー44は、障害物58が存在していても遊技球を受け入れることのできる開放状態となる。
【0102】
また、2R確変大当たり専用入賞アタッカー44には、カウントセンサ105(図8参照)が設けられ、遊技球が所定個数(例えば9個)カウントされるか、又は、所定時間(例えば20秒)が経過するまで羽根部材48が開放状態に保持される。そして、開放状態において2R確変大当たり専用入賞アタッカー44への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、羽根部材48は、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態になるように駆動される。その結果、2R確変大当たり専用入賞アタッカー44は、閉鎖した羽根部材48の直上に遊技球が転動してきても、障害物58によって、遊技球を受け入れることができなくなる。なお、2R確変大当たり専用入賞アタッカー44が遊技球を受け入れやすい状態となっている開放状態から2R確変大当たり専用入賞アタッカー44が遊技球を受け入れ難い状態となっている閉鎖状態までの遊技をラウンドゲームという。したがって、羽根部材48は、ラウンドゲーム時に開放し、各ラウンドゲーム間では閉鎖することになる。
【0103】
なお、第1ラウンドのラウンドゲームから、第2(最終の)ラウンドのラウンドゲームが終了するまでの遊技を2R確変大当り遊技状態という。すなわち、2R確変大当り遊技状態は遊技者にとって有利な遊技状態である。このように、2R確変大当たり専用入賞アタッカー44は、2R確変大当り遊技の実行時に開放動作を行う第2の役物の一例として機能する。
【0104】
また、本実施形態においては、15R確変大当たり遊技状態または15R通常大当たり遊技状態の実行時に開放動作を行う第1の役物としての大入賞口39と、2R確変大当たり遊技状態の実行時に開放動作を行う第2の役物としての2R確変大当たり専用入賞アタッカー44を、大当たり用の入賞口として夫々設けているが、これらは一つの役物としてもよいし、また、遊技盤上に2つ以上のいかなる数の役物が設けられてもよい。
【0105】
本実施形態では、大当たり遊技状態の実行中において、最初のラウンド数から最もラウンドゲームが継続された場合の最後のラウンドゲームまでのラウンド数(最大継続ラウンド数)は、15ラウンドまたは2ラウンドである。なお、大当たり遊技状態の実行中における最大継続ラウンド数は限定されるものではない。例えば、最大継続ラウンド数は、ラウンド数抽選手段(後述するメインCPU66を含む主制御回路60(図8参照))による抽選により、“1”ラウンドから“15”ラウンドまでの間から選択されるなど、任意のラウンド数であってもよい。
【0106】
また、前述した始動口25、一般入賞口56a〜56d、大入賞口39、2R確変大当たり専用入賞アタッカー44における特定領域及び一般領域に遊技球が入賞又は通過したときには、それぞれの入賞口の種類に応じて予め設定されている数の遊技球が上皿20又は下皿22に払い出される。
【0107】
なお、本実施形態において、画像を表示する部分として液晶ディスプレイパネルからなる液晶表示装置32を採用したが、これに限らず、他の態様であってもよく、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)を含むブラウン管、ドットLED、セグメントLED、EL(Electronic Luminescent)、プラズマ等からなるものであってもよい。また、本実施形態においては、液晶表示装置32は、遊技機であるパチンコ遊技機10における遊技盤14の正面略中央に設けられている場合を示したが、遊技者により視認可能な位置であれば何処の位置に液晶表示装置32を設けることとしてもよい。また、本実施形態においては、液晶表示装置32とは別に特別図柄表示器33および普通図柄表示器35を備えるように構成したが、これに限らず、液晶表示装置32に特別図柄及び普通図柄を変動表示させるように構成してもよい。また、変動表示手段として液晶表示装置32を採用したが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、ドラム、ベルト、リーフ等を変動表示手段として採用してもよい。
[遊技機の電気的構成]
本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路について図8を用いて説明する。図8は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路を示すブロック図である。
本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路は、主に、遊技制御手段としての主制御回路60と、演出制御手段としての副制御回路200とから構成される。主制御回路60は、遊技の制御を行うものであり、副制御回路200は、遊技の進行に応じた演出の制御(例えば、画像表示制御、音声出音制御、装飾ランプ制御等)を行うものである。
【0108】
主制御回路60は、図8に示すように、制御手段であるメインCPU66、メインROM(読み出し専用メモリ)68、メインRAM(読み書き可能メモリ)70を備えている。この主制御回路60は、遊技の進行を制御する。
【0109】
メインCPU66には、メインROM68、メインRAM70等が接続されており、このメインROM68に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。このように、このメインCPU66は、例えば、特別遊技実行手段や抽選手段として機能するなど、後述する各種の手段として機能することとなる。
【0110】
メインROM68には、メインCPU66によりパチンコ遊技機10の動作を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、乱数抽選によって大当り判定をする際に参照される大当り判定テーブル(図7の参照)等の各種のテーブルが記憶されている。
【0111】
メインRAM70は、メインCPU66の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。
【0112】
また、この主制御回路60は、所定の周波数のクロックパルスを生成するリセット用クロックパルス発生回路62、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路64、後述する副制御回路200に対してコマンドを供給するためのシリアル通信用IC72を備えている。また、これらのリセット用クロックパルス発生回路62、初期リセット回路64、シリアル通信用IC72は、メインCPU66に接続されている。なお、このリセット用クロックパルス発生回路62は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生する。なお、このシリアル通信用IC72は、各種のコマンドを副制御回路200(副制御回路200に含まれる各種の手段)へ送信する送信手段に相当する。
【0113】
また、主制御回路60には、各種の装置が接続されており、例えば、図5に示すように、Vカウントセンサ102、カウントセンサ104、105、一般入賞球センサ106、108、110、112、通過球センサ114、始動入賞球センサ116、普通電動役物ソレノイド117、118、大入賞口ソレノイド120、シーソーソレノイド122、バックアップクリアスイッチ124、発射レベル検出センサ27a、27b、27cが接続されている。
【0114】
Vカウントセンサ102は、大入賞口39における特定領域に設けられている。このVカウントセンサ102は、大入賞口39における特定領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
【0115】
カウントセンサ104は、大入賞口39における特定領域とは異なる一般領域に設けられている。このカウントセンサ104は、大入賞口39における一般領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
【0116】
カウントセンサ105は、2R確変大当たり専用入賞アタッカー44に設けられている。このカウントセンサ105は、2R確変大当たり専用入賞アタッカー44を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
【0117】
一般入賞球センサ106、108、110、112は、一般入賞口56a〜56dにそれぞれ設けられている。この一般入賞球センサ106、108、110、112は、各一般入賞口56a〜56dへ遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
【0118】
通過球センサ114は、通過ゲート54に設けられている。この通過球センサ114は、通過ゲート54を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
【0119】
遊技球検出手段である始動入賞球センサ116は、始動口25に設けられている。始動入賞球センサ116は、始動口25に遊技球が入賞したことを検出して、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
【0120】
普通電動役物ソレノイド117は、リンク部材(図示せず)を介して始動口25に設けた羽根部材23に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、羽根部材23を開放状態または閉鎖状態とする。
【0121】
普通電動役物ソレノイド118は、リンク部材(図示せず)を介して2R確変大当たり専用入賞アタッカー44に係る羽根部材48に接続されており、2R確変大当たり遊技の実行を行う場合、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、羽根部材48を開放状態または閉鎖状態とする。
【0122】
大入賞口ソレノイド120は、図4に示すシャッタ40に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、シャッタ40を駆動させ、大入賞口39を開放状態または閉鎖状態とする。
【0123】
シーソーソレノイド122は、板形状でシャッタ40内部に設けられているシーソー(図示せず)に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、シーソーを変位させ、そのシーソーの傾斜を変更する。このシーソーが傾斜された結果、特定領域を通過しやすくなるように又は一般領域を通過しやすくなるように切り替えることとなる。
【0124】
バックアップクリアスイッチ124は、パチンコ遊技機10に内蔵されており、電断時等におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアする機能を有する。
【0125】
発射レベル検出センサ27a、27b、27cは、前述したように、発射ハンドル26に内蔵されており、遊技者により選択された発射ハンドル26の位置を所定の検知信号として主制御回路60及び払出・発射制御回路126へ供給する。
【0126】
また、主制御回路60には、払出・発射制御回路126が接続されている。この払出・発射制御回路126には、遊技球の払出を行なう払出装置128、遊技球の発射を行なう発射装置130、カードユニット150が接続されている。
【0127】
この払出・発射制御回路126は、主制御回路60から供給される賞球制御コマンド、カードユニット150から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置128に対して所定の信号を送信することにより、払出装置128に遊技球を払い出させる。また、払出・発射制御回路126は、発射装置130に対して発射信号を供給することにより、遊技球を発射させる制御を行なう。
【0128】
また、発射装置130には、前述した発射ソレノイド、タッチセンサ等の遊技球を発射させるための装置が備えられている。さらに、前記払出・発射制御回路126を通して送られてくる、発射レベル検出センサ27a、27b、27cのいずれかの発射レベル検知信号に対応し、なおかつ発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射ソレノイドに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が発射ソレノイドにより遊技盤14に順次発射されこととなる。
【0129】
さらに、主制御回路60には、表示器制御回路76が接続されており、この表示器制御回路76は、メインCPU66からの指示に従い、特別図柄保留ランプ34a〜34d、普通図柄保留ランプ50a〜50d、特別図柄表示器33(7セグメントLED41)、普通図柄表示器35(表示用ランプ)等の表示を制御する。
【0130】
一方、シリアル通信用IC72には、副制御回路200が接続されている。この副制御回路200は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置32における表示制御、スピーカ46から発生させる音声に関する制御、装飾ランプ133a、133bの制御等を行なう。
【0131】
なお、本実施形態においては、主制御回路60から副制御回路200に対してコマンドを供給するとともに、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を送信できるように構成しても問題ない。
【0132】
副制御回路200は、可変表示制御手段、音発生制御手段としてのサブCPU206、記憶手段としてのプログラムROM208、ワークRAM210、液晶表示装置32における表示制御を行うための表示制御回路250、スピーカ46R、46Lから発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路230、装飾ランプなどのランプ133a、133bの制御を行うランプ制御回路240から構成されている。副制御回路200は、主制御回路60からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。
【0133】
サブCPU206には、プログラムROM208、ワークRAM210等が接続されている。サブCPU206は、このプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU206は、後述するように、主制御回路60から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路200の制御を行う。サブCPU206は、後述する各種の手段として機能することとなる。
【0134】
プログラムROM208には、サブCPU206によりパチンコ遊技機10の特別図柄の変動表示に関連して実行される液晶表示装置32の画像表示に伴う複数種類の演出画像データや、大当たり遊技中のラウンドゲームに関連して実行される複数種類の演出画像データが記憶されており、その他には、リーチ演出の表示期間を定めたリーチ時間テーブル等各種のテーブルも記憶されている。
【0135】
ワークRAM210は、サブCPU206の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。例えば、リーチ演出時間を制御するためのタイマ変数、演出パターンを選択するための演出表示選択用乱数カウンタ等、各種の変数等が位置付けられている。
【0136】
表示制御回路250は、サブCPU206から供給される、特別図柄の変動表示に関連して実行される演出表示の進行に伴う複数種類の演出パターンや、大当たり遊技中のラウンドゲームに関連して実行される複数種類の演出パターン及び発射レベル検出センサ27の切換えに伴う遊技球の到達位置の表示等の演出画像データ等を、液晶表示装置32に画像を表示させる制御を行うものである。
【0137】
音声制御回路230は、サブCPU206から供給される音声発生命令に応じて、スピーカ46R、46Lから音声を発生させるものである。
【0138】
ランプ制御回路240は、サブCPU206から供給されるプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、装飾ランプ133a、133bの発光制御を行うものである。
【0139】
なお、本実施形態においては、パチンコ遊技機10の制御回路において、遊技制御手段としての主制御回路60と、演出制御手段としての副制御回路200を別々に構成しているが、主制御回路60と副制御回路200とを同じ基板で構成してもかまわない。
なお、本実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する記憶手段として、主制御回路60ではメインROM68を、副制御回路200ではプログラムROM208を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に、プログラム、テーブル等が記録されていてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、主制御回路60ではメインRAM70、副制御回路200ではワークRAM210等に記録されるものでもよい。なお、本実施形態においては、メインCPU66の一時記憶領域としてメインRAM70を、サブCPU206の一時記憶領域としてワークRAM210を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
[遊技機の動作]
本実施形態では、遊技状態は大別して一般遊技状態(大当たりの抽選を行いながら遊技球を消費する、所謂遊技客に不利な状態)と大当たり遊技状態(遊技客にとって短時間で大量の遊技球の獲得が期待できる、所謂遊技客にとって有利な状態)に分かれる。さらに一般遊技状態においても、通常モード、確変モード、時短モードと3つの遊技状態が設けられている。以下に、パチンコ遊技機10の制御回路で実行される処理を図9〜図16に示す。
[メイン処理]
最初に、図9に示すように、RAMアクセス許可、バックアップ復帰処理、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する(ステップS11)。そして、詳しくは図11を用いて後述するが、特別図柄ゲームの進行、液晶表示装置32、特別図柄表示器33に表示される特別図柄、装飾図柄に関する特別図柄制御処理を実行する(ステップS12)。そして、詳しくは、図13を用いて後述するが、普通図柄ゲームの進行、普通図柄表示器35に表示される普通図柄に関する普通図柄制御処理を実行する(ステップS13)。さらに、詳しくは、図15を用いて後述するが、発射ハンドル26に内蔵されている発射レベル検出センサ27が、遊技者による発射ハンドル26の位置の変更を検出した場合、または、パチンコ遊技機10の遊技状態に応じて発射ハンドル26の位置を変更する必要が生じた場合に、パチンコ遊技機10の液晶表示装置32において、発射された遊技球の到達位置を表示する発射レベル表示制御処理を実行する(ステップS14)。このように、メイン処理においては、ステップS11の初期設定処理が終了した後、ステップS12及びステップS14の処理を繰り返し実行することとなる。
[システムタイマ割込処理]
また、メインCPU66は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。リセット用クロックパルス発生回路62から所定の周期(例えば2ミリ秒)毎に発生されるクロックパルスに応じて、以下のシステムタイマ割込処理を実行する。このシステムタイマ割込処理について図10を用いて説明する。
【0140】
図10に示すように、メインCPU66は、最初に、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ等の各カウント値を“1”増加するように乱数更新処理を実行する(ステップS21)。そして、メインCPU66は、始動口25等への遊技球の入賞
を検知する入力検出処理を実行する(ステップS22)。この処理においては、メインCPU66は、各種の入賞口に遊技球が入賞したことを条件として、遊技球を払出す(賞球する)旨のデータをメインRAM70の所定領域に記憶することとなる。そして、主制御回路60と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、大当りが発生した際に開放する大入賞口39または2R確変大当り専用入賞アタッカー44の開放時間を計測するための大当たり入賞口開放タイマ等、各種のタイマの更新処理を実行する(ステップS23)。そして、各種の変数に基づいて駆動制御するための信号をソレノイド、モータ等に供給するために、出力処理を実行する(ステップS24)。この処理が終了した場合には、ステップS25に処理を移す。
【0141】
ステップS25においては、コマンド出力処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、各種のコマンドを副制御回路200に供給する。これらの各種のコマンドとしては、具体的には、遊技球到達位置報知コマンド、遊技球到達位置表示コマンド、デモ表示コマンド、導出表示される特別図柄の種類を示す導出図柄指定コマンド等が含まれる。この処理が終了した場合には、ステップS26に処理を移す。
【0142】
そして、ステップS26の処理において、メインCPU66は、払出装置128に賞球を行わせるための賞球制御コマンドを払出・発射制御回路126へ送信する等の払出処理を実行する。具体的には、メインCPU66は、各種の入賞口に遊技球が入賞することで予め設定された所定数の賞球払出を行うための賞球制御コマンドを払出・発射制御回路126へ供給する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了し、割込発生前のアドレスへ復帰し、メイン処理を実行させる。
[特別図柄制御処理]
図9のステップS12において実行される特別図柄制御処理について図11を用いて説明する。
【0143】
図11に示すように、メインCPU66は、最初に特別図柄制御フラグをロードする(ステップS31)。この処理において、メインCPU66は、特別図柄制御フラグを読み出しステップS32に処理を移す。
【0144】
ステップS32おいては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグが(00)であるか否か判断し、(00)の場合には、ステップS33へ処理を移し、特別図柄記憶チェック処理を行う。この特別図柄記憶チェック処理では、詳細は後述するが、特別図柄の保留個数を調べ、保留個数がある場合は、大当り判定、特別図柄の変動開始、特別図柄変動タイマのセット等を行い、特別図柄制御フラグに次のステップの処理要求である(01)をセットして処理を終了する。また、特別図柄制御フラグが(00)でない場合には、ステップS34に処理を移す。
【0145】
ステップS34においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグが(01)であるか否か判断し、(01)でない場合には、ステップS40に処理を移す。また、特別図柄制御フラグが(01)の場合には、特別図柄変動時間監視処理を行う。ステップS35においては、メインCPU66は、特別図柄変動タイマがタイムアップ(つまり“0”)か判断し、タイムアップしていなければ処理を終了する。そしてタイムアップした場合は、メインCPU66は、ステップS36で特別図柄の停止処理を行うとともに、メインRAM70に記憶されている特別図柄保留個数を“1”減少するように記憶更新する。さらに、メインCPU66は、遊技状態フラグが時短モードであるか判断し、時短モードの場合はメインRAM70に記憶されている時短回数を“1”減少するように記憶更新し、そして、時短回数が“0”(つまり時短モードの終了)になった場合は、遊技状態フラグを通常モードにセットして、時短モードを終了させる。
【0146】
次に、メインCPU66は、ステップS37において特別図柄が大当たりか否か判断し、大当たりでなければステップS39において、特別図柄制御フラグをクリア(つまり特別図柄記憶チェック処理を要求する値(00)をセットする)して処理を終了する。そして、大当たりであった場合は、ステップS38の大当たり入賞口開放待ち処理を行う。大当たり入賞口開放待ち処理では、メインCPU66は、特別図柄制御フラグに大当たり入賞口開放待ちを示す値(02)をセットし、待ち時間(例えば1秒)を大当たり入賞口開放待ちタイマにセットして、メインRAM70の所定の領域に記憶して処理を終了する。
【0147】
ステップS40においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグが(02)であるか否か判断し、(02)でない場合には、ステップS45に処理を移す。一方、特別図柄制御フラグが(02)の場合には、ステップS41において、大当たり入賞口開放待ちタイマがタイムアップ(つまり“0”)したか否か判断し、タイムアップしていなければ処理を終了する。そしてタイムアップした場合は、ステップS42において、大当たりが2R確変大当たりか否か判断し、2R確変大当たりの場合はステップS44へ処理を移す。一方、2R確変大当たりでない場合は、ステップS43において、大入賞口開放処理を行う。大入賞口開放処理では、メインCPU66は、大入賞口39の開放をセット(メインRAM70の所定の領域に、シャッタ40による大入賞口ソレノイド120の開放指示を記憶する)し、次に大当たり入賞口開放タイマに大当たり入賞口の開放時間(例えば、30秒)をセットしメインRAM70の所定の領域に記憶する。そして、特別図柄制御フラグに大当たり入賞口開放監視処理を示す値(03)をセットし処理を終了する。
【0148】
ステップS44において、メインCPU66は、2R確変大当たり専用入賞アタッカー開放処理を行う。2R確変大当たり専用入賞アタッカー開放処理では、メインCPU66は、2R確変大当たり専用入賞アタッカー44の開放をセット(メインRAM70の所定の領域に、普通電動役物ソレノイド118による2R確変大当たり専用入賞アタッカー44に係る羽根部材48の開放指示を記憶する)し、次に大当たり入賞口開放タイマに2R確変大当たり専用入賞アタッカー44の開放時間(例えば、20秒)をセットする。さらに、メインCPU66は,パチンコ遊技機10の液晶表示装置32において、遊技者に対し発射ハンドル26を“強”の位置(図6の(c)参照)に変更するように促すための発射レベル切換報知フラグをセットし、発射レベル切換表示タイマに所定の時間(例えば1秒)をセットして、メインRAM70の所定の領域に記憶する。
【0149】
ここで、本実施の形態においては、2R確変大当たり専用入賞アタッカー44は、遊技盤14の右端に配設されているため(図4参照)、発射ハンドル26の位置が、“弱”や“中”に設定(図6の(a)及び(c)参照)されていると、2R確変大当たり専用入賞アタッカー44への遊技球の入賞が難しい、そこで、メインCPU66は、2R確変大当たり遊技状態を消化する際に、遊技者に対し発射ハンドル26の最適な位置を報知することとなる。そして、特別図柄制御フラグに大当たり入賞口開放監視処理を示す値(03)をセットし処理を終了する。
【0150】
このステップS44の処理において記憶された発射レベル切換報知フラグまたは発射レベル切換表示タイマ等のデータは、図10のステップS25のコマンド出力処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に遊技球到達位置報知コマンドとして供給する。これによって、副制御回路200において、遊技球到達位置を示す報知図柄92a、92b及び92cが液晶表示装置32に導出表示(図17参照)されるとともに、またその報知図柄92a、92b及び92cの表示時間も決定されることとなる。
【0151】
ここで、本実施の形態において、報知図柄92a、92b及び92cが液晶表示装置32に導出表示された場合の一例を、図17を参照して説明する。図17に示すように、パチンコ遊技機10の遊技状態が2R確変大当たり遊技状態に移行すると、遊技領域15の上部右側に遊技球目標到達領域を報知する報知図柄92aと、これを指差すキャラクタ図柄92b及び「右打ちだ!!」のメッセージ図柄92cが液晶表示装置32に表示される。これにより、遊技客に遊技球の発射強度を変更するように促すこととなる。この後、遊技客(者)により、報知された発射ハンドル26の位置(姿勢)変更操作が行われるか、または所定の表示時間(例えば1秒)が経過すると、これら液晶表示装置32における報知図柄92a、キャラクタ図柄92b、及びメッセージ図柄92cの表示は終了し、通常の2R確変大当たり演出表示が行われる。
【0152】
ステップS45においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグが(03)であるか否か判断し、(03)でない場合には、ステップS51に処理を移す。また、(03)の場合には、大当たり入賞口開放監視処理を行う。大当たり入賞口開放監視処理では、まず、メインCPU66は、ステップS46で大入賞口開放タイマがタイムアップしたか、または、大当たり入賞口へ規定の個数(大入賞口39開放の場合は10個、2R確変大当たり専用入賞アタッカー44開放の場合は9個)の遊技球が入賞したか否かを判断する。そして大当たり入賞口開放タイマがタイムアップしておらず、同時に、大当たり入賞口へ規定の個数の遊技球が入賞していなければ処理を終了する。そして大当たり入賞口開放タイマのタイムアップ、または、大当たり入賞口へ規定の個数の遊技球が入賞のいずれか一方の条件を満たしたことで、ステップS47へ処理を移行する。
【0153】
ステップS47においては、メインCPU66は、大当たり入賞口閉鎖処理(メインRAM70の所定の領域に、大入賞口39開放の場合は、シャッタ40による大入賞口ソレノイド120の閉鎖指示を、2R確変大当たり専用入賞アタッカー44開放の場合は、普通電動役物ソレノイド118による2R確変大当たり専用入賞アタッカー44の羽根部材48の閉鎖指示を記憶する)を実行してステップS48へ処理を移す。
【0154】
ステップS48においては、メインCPU66は、大当たり入賞口開放回数(所謂ラウンド数)をカウントし、規定回数(15R通常大当たりまたは15R確変大当たりでは15回、2R確変大当たりでは2回)に達したか否かを判断し、規定回数に達した場合はステップS50へ処理を移す。一方、大当たり入賞口開放回数が規定回数に達していなかった場合は、メインCPU66は、大当たりが2R確変大当たりか否か判断し、2R確変大当たりの場合はステップS49へ処理を移す。2R確変大当たりでは無い場合(大入賞口39開放の大当たりの場合)は、大入賞口39へ入賞した遊技球が所定の特定領域を通過したかどうかを判断し、大入賞口39へ入賞した遊技球が所定の特定領域を通過しなかった場合(Vカウントセンサ102が遊技球の通過を検出しなかった場合)は、ステップS50へ処理を移す。また、メインCPU66は、大入賞口39へ入賞した遊技球が所定の特定領域を通過した(つまり、Vカウントセンサ102が遊技球の通過を検出した)場合は、ステップS49へ処理を移す。
【0155】
ステップS49では、メインCPU66は、大当たり入賞口開放待ち処理を行う。大入賞口開放待ち処理では、特別図柄制御フラグに再度大当たり入賞口の開放を要求する値(02)をセットし、待ち時間(例えば1秒)を大当たり入賞口開放待ちタイマにセットして処理を終了する。
【0156】
ステップS50では、メインCPU66は、特別図柄制御フラグに大当たりの終了処理を要求する値(04)をセットして処理を終了する。
【0157】
ステップS51においては、メインCPU66は、大当たり終了処理を行う。大当たり終了処理では、大当たりが15R確変大当たりまたは2R確変大当たりの場合は、遊技状態フラグを確変モードとし、大当たり図柄が15R通常大当たりの場合には、遊技状態フラグを時短モードとするとともに、時短モード中の特別図柄の変動回数の上限(例えば100回)をメインRAM70の所定の領域に記憶する。そして、メインCPU66は、大当たりが2R確変大当たりの場合には、遊技者に対し、発射ハンドル26を通常遊技を行う位置に戻すように、つまり、発射ハンドル26の位置を“中”の位置(図6の(b)参照)に戻すことを促すために、発射レベル切換報知フラグをセットし、発射レベル切換表示タイマに所定の時間(例えば1秒)をセットして、メインRAM70の所定の領域に記憶する。最後にメインCPU66は、特別図柄制御フラグをクリア(つまり特別図柄記憶チェック処理を要求する値(00)をセットする)して、特別図柄制御処理を終了する。
[特別図柄記憶チェック処理]
図11のステップS33おいて実行される特別図柄記憶チェック処理について図12を用いて説明する。
【0158】
図12に示すように、メインCPU66は、最初に、特別図柄保留個数が“0”であるか否かの判断を行い(ステップS61)、特別図柄の保留個数が“0”の場合には、ステップS62に処理を移し、特別図柄の保留個数が“0”でない場合(つまり、特別図柄の変動がある場合)には、ステップS63に処理を移す。
【0159】
ステップS62においては、デモ表示処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、デモ表示を行わせるために、副制御回路200にデモ表示コマンドを供給するためのデータを、メインRAM70の所定の領域に記憶する。これによって、副制御回路200において、客待ち状態(所定の待機状態)となったことを認識することができる。この処理が終了した場合には、特別図柄記憶チェック処理を終了する。
【0160】
ステップS63においては、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理を要求する値(01)を、特別図柄制御フラグにセットする。この処理が終了した場合には、ステップS64に処理を移す。
【0161】
ステップS64においては、大当り判定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、遊技状態フラグ(通常モード、確変モードまたは時短モード)を読み出し、読み出した遊技状態フラグに基づいて、大当りの判定値の数が異なる複数の大当り判定テーブル(図7参照)から1つの大当り判定テーブルを選択する。そして、始動口25へ遊技球が入賞した時に抽出された大当り図柄用乱数値と、前記選択された大当たり判定テーブルを参照し、大当たりを判定(15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たりまたは“はずれ”のうちのいずれかを決定)する。ここで、図7の大当たり判定テーブルに示すように、通常モードまたは時短モードにおける大当り判定テーブルと確変モードにおける大当り判定テーブルでは、大当たりの判定値は、通常モードまたは時短モードでは7/400(15R通常大当たり、15R確変大当たり及び2R確変大当たりの全て大当たり判定値の合計)に設定されているのに対し、確変モードでは70/400(15R通常大当たり、15R確変大当たり及び2R確変大当たりの全て大当たり判定値の合計)と設定されている。つまり遊技状態フラグに基づいて大当り判定テーブルを選択することによって、大当り遊技状態に移行する確率が異なることとなる。このように、遊技状態フラグが確変モードである場合には、大当り遊技状態に移行する確率は、通常モードまたは時短モードよりも向上することとなるので、遊技者にとって有利な状態といえる。この処理が終了した場合には、ステップS65に処理を移す。
【0162】
ステップS65においては、メインCPU66は、大当たりであるか否かの判断処理を行う。この処理において、メインCPU66は、ステップS64の判定の結果が大当りであった場合には、ステップS66に処理を移し、大当りでなかった場合には、ステップS67に処理を移す。
【0163】
ステップS66においては、特定図柄の決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、ステップS64で決定された大当たりの種類に対応して表示される特定図柄を決定する。例えば、15R確変大当たりに対しては、特定図柄は“7”が決定され、2R確変大当たりに対しては、特定図柄は“3”、または、15R通常大当たりに対しては、特定図柄は“5”というように、それぞれの大当たりに対応して特定図柄は決定される。そして、決定された特定図柄は、メインRAM70の所定領域に記憶される。これによって、特別図柄表示器33に、大当たりに対応した特定図柄が導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS68に処理を移す。
【0164】
ステップS67においては、はずれ図柄の決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、はずれ図柄に対応した特定図柄(例えば“7”、“3”、“5”以外の数字)を決定し、メインRAM70の所定領域に記憶する。これによって、特別図柄表示器33に、はずれに対応した特定図柄が導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS68に処理を移す。
【0165】
ステップS68では、遊技状態判別処理を行う。この遊技状態判別処理において、メインCPU66は、現在の遊技状態フラグが、確変モードもしくは時短モードであると判断した場合は、ステップS70へ処理を移行し、通常モードである判断した場合は、ステップS69において、通常モードの特別図柄変動時間(例えば10秒)を、特別図柄変動タイマに記憶する。そして、ステップS71へ処理を移行する。
ステップS70においては、メインCPU66は、確変モードまたは時短モードの特別図柄変動時間(通常モードの特別図柄変動時間より短い時間、例えば5秒)を、特別図柄変動タイマに記憶する。そして、ステップS71へ処理を移行する。
ステップS71では、液晶表示装置32に演出表示される装飾図柄や演出時間の決定処理を行う。この処理において、メインCPU66は、ステップS66またはステップS67で記憶された“大当たり”または“はずれ”のデータ、そしてステップS69またはステップS70で記憶された特別図柄変動時間等のデータを、図10のステップS25のコマンド処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に導出図柄指定コマンドとして供給する。これによって、副制御回路200において、装飾図柄が液晶表示装置32に導出表示されるとともに、またその装飾図柄の変動時間も決定されることとなる。つまり、特別図柄表示器33で導出表示される特別図柄の変動時間と、液晶表示装置32に導出表示される装飾図柄の変動時間は、同期して行われることとなる。
[普通図柄制御処理]
図9のステップS13において実行されるサブルーチンについて図13を用いて説明する。
【0166】
最初に、図13に示すように、普通図柄制御フラグをロードする(ステップS101)。この処理において、メインCPU66は、普通図柄制御フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS102に処理を移す。
【0167】
ステップS102においては、メインCPU66は、普通図柄制御フラグが普通図柄記憶チェック要求を示す値(00)である場合に、ステップ103の普通図柄記憶チェック処理を行う、この普通図柄記憶チェック処理は、詳しくは図14を用いて説明するが、普通図柄の保留個数がある場合の当り判定等を行う。この処理が終了した場合には、処理を終了する。また、普通図柄制御フラグが(00)でない場合は、ステップS104へ処理を移す。
【0168】
ステップS104においては、メインCPU66は、普通図柄制御フラグが(01)であるか判断し、普通図柄制御フラグが(01)でない場合は、ステップS107へ処理を移す。また、普通図柄制御フラグが(01)である場合、ステップS105の普通図柄変動タイマがタイムアップ(つまり“0”)したかを判断し、タイムアップしなかった場合は処理を終了する。一方タイムアップした場合は、メインCPU66は、ステップS106で普通図柄に対して普通図柄変動停止処理を行うとともに、メインRAM70の普通図柄保留個数を“1”減少するように記憶更新する。そして、普通図柄制御フラグに(02)をセットして処理を終了する。
【0169】
ステップS107においては、メインCPU66は、普通図柄制御フラグが(02)であるか判断する。そして、普通図柄制御フラグが(02)でない場合は、ステップS111へ処理を移す。また、普通図柄制御フラグが(02)であった場合は、ステップS108へ処理を移し、普通図柄が当りか否かを判断する。そして、メインCPU66は、普通図柄が当りであると判断すると、ステップS109の普通電役開放処理に処理を移す。一方、メインCPU66は、普通図柄が当りではないと判断すると、ステップS110において、普通図柄制御フラグに普通図柄記憶チェックを要求する値(00)をセットして処理を終了する。
【0170】
ステップS109における普通電動役物開放処理では、メインCPU66は、普通電動役物の羽根部材23の開放処理(メインRAMの所定の領域に普通電動役物の解放を記憶する)を行う。さらに遊技台の遊技状態に合わせて、普通電動役物の羽根部材23の開放時間(例えば、遊技状態が確変モードまたは時短モードの場合は3秒、通常モードの場合は0.2秒)を普通電動役物開放タイマにセットし、普通図柄制御フラグに(03)をセットし処理を終了する。
【0171】
ステップS111においては、メインCPU66は、普通図柄制御フラグが(03)であるか否かを判断する。そして、普通図柄制御フラグが(03)でない場合は、ステップS114へ処理を移す。また、普通図柄制御フラグが(03)であった場合は、ステップS112へ処理を移し、普通電動役物開放タイマがタイムアップ(つまり“0”)かを判断する。そして、普通電動役物開放タイマがタイムアップしていない場合は処理を終了する。さらに、普通電動役物開放タイマがタイムアップしたと判断した場合は、メインCPU66は、ステップS113において、普通電動役物である羽根部材23を閉鎖状態(メインRAMの所定の領域に普通電動役物の閉鎖を記憶する)にさせる。そして普通図柄制御フラグに(04)をセットして処理を終了する。
【0172】
ステップS114においては、メインCPU66は、普通図柄制御フラグをクリア(つまり普通図柄の記憶チェックを要求する値“00”をセット)して処理を終了する。
[普通図柄記憶チェック処理]
図13のステップS103において実行されるサブルーチンについて図14を用いて説明する。
【0173】
最初に、ステップS121において、メインCPU66は、普通図柄保留個数が“0”であるか否かの判断を行い、普通図柄保留個数が“0”であると判断した場合には、普通図柄記憶チェック処理を終了する。なお、この普通図柄保留個数はメインRAMの所定の領域に記憶され、通過ゲート54を遊技球が通過したことを検出した場合に、所定個数(例えば“4”)を上限として“1”増加して記憶更新され、普通図柄ゲームにおける普通図柄の可変表示が終了したときには、“1”減算して記憶更新される。一方、メインCPU66は、普通図柄の保留個数が“0”であるとは判別しなかった場合には、ステップS122において、普通図柄制御フラグに普通図柄変動タイマ監視要求の値“01”をセットし、ステップS123へ処理を移す。
【0174】
ステップS123においては、普通図柄当り判定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、普通図柄始動領域通過時に(通過ゲート54を遊技球が通過することによって)抽出された普通図柄当り判定用乱数値と、メインROM68に記憶されている普通図柄当り判定値とを参照する。そして、メインCPU66は、参照した結果、普通図柄当り判定用乱数値が普通図柄当り判定値と一致する場合には、当り図柄(例えば、“○”図柄)を示すデータをメインRAMの所定の領域に記憶する。一方、メインCPU66は、参照した結果、普通図柄当り判定用乱数値が普通図柄当り判定値と一致しない場合には、はずれ図柄(例えば、“×”図柄)を示すデータをメインRAMの所定の領域に記憶する。このように記憶された当り図柄、はずれ図柄は、普通図柄表示器35に導出普通図柄指定コマンドとして供給される。これによって、普通図柄表示器35は、普通図柄の変動表示(例えば“○”、“×”図柄を交互に点滅させる)を開始する。この後ステップS124に処理を移す。
【0175】
ステップS124においては、メインCPUは、遊技状態フラグが確変モードまたは時短モードであるか判断する。遊技状態フラグが確変モードまたは時短モードであった場合は、S126で通常モードより短い普通図柄変動停止時間(例えば5秒)が、普通図柄変動タイマにセットされ処理を終了する。一方、遊技状態が確変モードまたは時短モードで無い(つまり通常モード)場合は、ステップS125で確変モードまたは時短モードより長い普通図柄変動停止時間(例えば30秒)が、普通図柄変動タイマにセットされ処理を終了する。
【0176】
ここで、パチンコ遊技機10における遊技状態フラグについて説明する。前述したように、パチンコ遊技機10における遊技状態フラグには、通常モード、確変モードおよび時短モードのいずれかが設定される。図7によると、各遊技モードでは遊技者に有利な状態である大当たりを判定する数値が異なっている、つまり確変モードでは、大当たりを判定する数値が70/400(15R通常大当たり、2R確変大当たり、15R確変大当たりの全ての数値の合計)に設定されているのに対し、通常モードまたは時短モードでは、大当たりを判定する数値が7/400(15R通常大当たり、2R確変大当たり、15R確変大当たりの全ての数値の合計)に設定されている。つまり確変モードでは通常モードまたは時短モードと比較して、10倍の確率で大当たり遊技状態への当選が期待できる。いいかえると、確変モードは遊技者にとって次回の大当たりの期待値の大きい有利な遊技モードと言える。
【0177】
また特別図柄及び普通図柄の変動時間においても、前述したように、確変モードまたは時短モードと通常モードでは、確変モードまたは時短モード時の変動時間が短く設定されており、さらに、普通図柄が当たった場合の、始動口25にかかる羽根部材23の開放時間も確変モードまたは時短モード時のほうが長く設定されている。当然、羽根部材23の開放時間が長ければ、始動口25に遊技球が入賞する機会が通常モードに比べて増加するため、確変モードおよび時短モードは、単位時間における特別図柄の抽選回数が増加する。よって、遊技者にとって最も有利な遊技状態である大当たり遊技状態への当選を期待する抽選機会が増加する。これも遊技者にとって有利な状態といえる。
[発射レベル表示制御処理]
図9のステップS14において実行される発射レベル表示制御処理について図15を用いて説明する。
【0178】
最初に、ステップS151において、メインCPU66は、発射レベル切換報知中か否かの判断を行い、発射レベル切換報知中であると判断した場合には、ステップS152へ処理を移す。一方、発射レベル切換報知中でないと判断した場合には、ステップS155へ処理を移す。ここで参照される発射レベル切換報知のフラグは、パチンコ遊技機10の液晶表示装置32において表示される発射ハンドル26の位置の切換えを、遊技者に対して報知中であることを示すもので、例えば、前述した特別図柄制御処理のステップS44の処理により、2R確変大当たり遊技状態の開始時に発射ハンドル26の位置の切換えにおいて、“強”(図6の(c)参照)の位置を選択するように遊技者に促すために、遊技球到達位置を示す報知図柄92a等が液晶表示装置32に導出表示中(図17参照)であることを示すものである。
【0179】
ステップS152においては、メインCPU66は、表示中の発射レベルに発射ハンドル26の位置が切換えられたか否かを判断し、切換えられている場合はステップS154へ処理を移す。また、切換えられていない場合は、ステップS153において発射レベル切換表示タイマがタイムアップ(つまり“0”)したか否かを判断し、タイムアップしていない場合は処理を終了し、タイムアップした場合は、メインCPU66は、ステップS154において、発射レベル切換報知のフラグをクリアして処理を終了する。ここで、発射レベル切換報知のフラグがクリアされることにより、液晶表示装置32に導出表示される報知図柄92a等(図17参照)の演出が終了することとなる。
【0180】
ステップS155においては、メインCPU66は、遊技者により発射ハンドル26の位置が切換えられたか否かを判断し、切換えられていない場合は、ステップS158へ処理を移す。また、切換えられた場合は、ステップS156において、発射レベル表示要求をセットし、さらに、ステップS157において、発射レベル表示タイマに発射レベルを表示する時間(例えば1秒)をセットしてメインRAM70の所定の領域に記憶して処理を終了する。
【0181】
ステップS158においては、メインCPU66は、発射レベル表示要求があるか否かを判断し、無かった場合は、本サブルーチンを終了する。一方、発射レベル表示要求があった場合はステップS159において、発射レベル表示タイマがタイムアップ(つまり“0”)か否かを判断し、タイムアップしていない場合は処理を終了する。また、タイムアップした場合は、メインCPU66は、ステップS160において、発射レベル表示要求をクリアして本サブルーチンを終了する。
【0182】
ここで、この発射レベル表示制御処理において記憶された発射レベル表示要求または発射レベル表示タイマ等のデータは、図10のステップS25のコマンド出力処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に遊技球到達位置表示コマンドとして供給する。これによって、副制御回路200において、遊技球到達位置表示図柄が遊技球の到達予想範囲15a,15b,15cとして液晶表示装置32に導出表示(図5参照)されるとともに、その表示時間も決定されることとなる。
【0183】
ここで、本実施の形態において、副制御回路200により、遊技球到達位置表示図柄(到達予想範囲15a,15b,15c)が液晶表示装置32に導出表示される場合は、図5に示すように、遊技球到達位置表示図柄(到達予想範囲15a,15b,15c)は、通常の液晶表示装置32の演出画面に重ねて表示されることとなる。また、その表示時間も、遊技者により発射ハンドル26の位置が任意に切換えられたときより遊技者が視認出来る時間(例えば1秒間)の表示にしているため、通常の液晶表示装置32で行われる演出画面にさほど影響が無く、遊技の進行に伴う演出表示の妨げにならない。
[副制御回路メイン処理]
一方、副制御回路200は、副制御回路メイン処理を実行することとなる。この副制御回路メイン処理について図16を用いて説明する。なお、この副制御回路メイン処理は、電源が投入されたときに開始される処理である。
【0184】
最初に、図16に示すように、サブCPU206は、RAMアクセス許可、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する(ステップS201)。つまり、サブCPU206は、電源が投入されたことに基づいて、遊技を正常に行わせるための所定の初期設定を行うこととなる。なお、本実施形態においては、ステップS201を実行するサブCPU206は、初期設定手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ステップS202に処理を移す。
【0185】
ステップS202において、サブCPU206は、乱数更新処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に位置付けられた各種の乱数カウンタの乱数値を更新する。この処理が終了した場合には、ステップS203に処理を移す。
【0186】
ステップS203において、サブCPU206は、受信したコマンドを解析し、その解析したコマンドに応じた処理を実行することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS204に処理を移す。
【0187】
ステップS204において、サブCPU206は、液晶表示装置32における画像の表示制御を行う。
【0188】
そして、サブCPU206は、スピーカ46から発生させる音の制御を行う音声制御処理(ステップS205)、各種のランプ133a、133bの発光制御を行うランプ制御処理を実行する(ステップS206)。この処理が終了した場合には、ステップS207に処理を移す。
【0189】
ステップS207において、この処理が終了した場合には、ステップS202に処理を移す。
【0190】
このように、副制御回路メイン処理においては、ステップS201の初期設定処理が終了した後、ステップS202からステップS207の処理を繰り返し実行することとなる。
【0191】
このように、本実施の形態においては、回動部可変手段として、発射ハンドル26の位置や姿勢を3段階に変更できる構成として、さらに、変更された発射ハンドル26の位置を検知できる発射レベル検出センサ27(図8参照)を設け、パチンコ遊技機10の遊技状況に合わせた発射強度を遊技者に報知(図17参照)することで、遊技者による迅速な発射ハンドル26の調整を促すことが出来るようにしている。さらに、遊技者により任意に発射ハンドル26の位置の変更操作が行われた場合は、その変更操作に合わせて遊技領域15へ発射される遊技球の到達予想範囲15a〜15cを、液晶表示装置32において所定の時間、表示(図5参照)することにより、発射ハンドル26の発射強度選択位置を遊技者が確認できる構成となっている。
【0192】
なお、本実施の形態では、パチンコ遊技を進めるにあたり、入賞を狙う上で、大多数の遊技者にとって最も選択し易く、かつ適切なレベル分けとなるように、パチンコ遊技機10の発射ハンドル26に、強、中、弱の3種類の発射強度レベルを検知できる発射レベル検出センサ27を設けたが、例えば、2種類でも良いし、または3種類より多くてもかまわない。つまり、遊技者が迅速に操作できる形態であれば特に数を限定するものではない。
【0193】
また、本実施の形態では、パチンコ遊技機10に配設されている役物(2R確変大当たり専用入賞アタッカー44)の配置上、2R確変大当たり遊技状態において、遊技者に右打ちを促すように、パチンコ遊技機10の液晶表示装置32において報知を行っているが(図17参照)、ここで、2R確変大当たり遊技状態において用いられる役物の配設位置は特に限定されるものではない。例えば、遊技盤14の左側に配設されていてもよく、その場合は、その役物の配設位置に見合う適切な遊技球の到達範囲を報知することとなる。
【0194】
そして、本実施の形態では、パチンコ遊技機10が、2R確変大当たり遊技状態に移行した場合に、遊技者に右打ちを促すように、主にパチンコ遊技機10の液晶表示装置32において報知(図17参照)を行っているが、遊技者に対する報知は、液晶表示装置32を用いて行われることに限定するものではない。例えば、スピーカ46R,46Lから出力される音声によって報知してもかまわない、また液晶表示装置32による報知と、スピーカ46R,46Lからの出音による報知とあわせて行えばより効果的である。
【0195】
また、本実施形態においては、一般的な確変デジタルパチンコ遊技機に本発明を適用したが、これに限らず、その他のパチンコ遊技機(例えば、羽根物、権利物、アレパチ、雀球等の弾球遊技機)またはゲーム機などに適用してもよい。
【0196】
以上、本発明の実施例を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、主に、遊技者にとって有利なラウンドゲームを複数回行う有利な遊技を実行するか否かの抽選を制御するとともに、当該有利な遊技の実行の制御を行う制御手段と、前記有利な遊技の実行時に所定の開放動作を行う役物が備えられた遊技盤と、演出画像を表示する表示手段と、前記表示手段における演出画像の表示制御を行う表示制御手段と、遊技者が把持して回動させることのできる回動部と、この回動部の回動角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるための駆動部とを備えた発射手段と、前記遊技盤に対して前記回動部の位置又は姿勢を変化させる回動部可変手段と、この回動部可変手段により変化した前記回動部の位置又は姿勢を検知する検知手段と、この位置検知手段により検知した回動部の位置又は姿勢の変化に基き、前記駆動部による駆動力の強さ度合いを変化させる駆動力可変手段と、この駆動力可変手段により変化された駆動力の強さ度合いに基づき、前記回動部の回動角度に応じて前記発射手段の発射強度を変化させる発射強度制御手段とを備えることを特徴とする遊技機であるが、制御手段、遊技盤などの具体的構成は、適宜設計変更可能である。
【0197】
なお、本発明の実施例に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施例に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0198】
【図1】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における概観を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における概観を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において構成される電飾ユニットを示す正面図である。
【図4】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における概観を示す正面図である。
【図5】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における発射ハンドルの発射強度の切換えの構成を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における発射ハンドルの発射強度の切換えの構成を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において参照される各種判定テーブルである。
【図8】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において構成される主制御回路及び副制御回路を示すブロック図である。
【図9】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図13】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図14】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図15】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図16】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図17】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における発射強度の切換えを報知する際に表示される報知図柄の一例を示す説明図である。
【図18】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における発射ハンドルの発射強度の切換えの構成を示す説明図である。
【図19】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における発射ハンドルの発射強度の切換えの構成を示す説明図である。
【図20】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における発射ハンドルの発射強度の切換えの構成を示す説明図である。
【符号の説明】
【0199】
10 パチンコ遊技機
12 本体枠
14 遊技盤
15 遊技領域
26 発射ハンドル
27 発射レベル検出センサ
32 液晶表示装置
44 2R確変大当たり専用入賞アタッカー
60 主制御回路
126 払出・発射制御回路
200 副制御回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤に設けられるとともに、遊技者が把持して回動させることのできる回動部と、この回動部の回動角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるための駆動部とを備えた発射手段と、
前記遊技盤に対して前記回動部の位置又は姿勢を変化させる回動部可変手段と、
この回動部可変手段により変化した前記回動部の位置又は姿勢を検知する検知手段と、
この位置検知手段により検知した回動部の位置又は姿勢の変化に基き、前記駆動部による駆動力の強さ度合いを変化させる駆動力可変手段と、
この駆動力可変手段により変化された駆動力の強さ度合いに基づき、前記回動部の回動角度に応じて前記発射手段の発射強度を変化させる発射強度制御手段と、
を備えることを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
前記回動部可変手段は、前記遊技盤に対して、前記回動部を前後方向に進退可能としたことを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記回動部可変手段は、前記遊技盤に対して、前記回動部を左右方向に移動可能としたことを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項4】
前記回動部可変手段は、前記遊技盤に対して、前記回動部を傾動可能としたことを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項5】
遊技状態の変化に応じて、前記回動部の位置又は姿勢を報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項6】
発射された遊技球を上部側から下部側へ転動させるとともに、透明部材により形成されて背後が透視可能な透明遊技盤と、
この透明遊技盤を通して視認されるように、当該透明遊技盤の背面側に配設され、前記駆動部による駆動力の強さ度合いが変化した場合、発射される遊技球が遊技盤上のいずれの範囲に到達するかを画像表示する画像表示手段と、
を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の弾球遊技機。
【請求項1】
遊技盤に設けられるとともに、遊技者が把持して回動させることのできる回動部と、この回動部の回動角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるための駆動部とを備えた発射手段と、
前記遊技盤に対して前記回動部の位置又は姿勢を変化させる回動部可変手段と、
この回動部可変手段により変化した前記回動部の位置又は姿勢を検知する検知手段と、
この位置検知手段により検知した回動部の位置又は姿勢の変化に基き、前記駆動部による駆動力の強さ度合いを変化させる駆動力可変手段と、
この駆動力可変手段により変化された駆動力の強さ度合いに基づき、前記回動部の回動角度に応じて前記発射手段の発射強度を変化させる発射強度制御手段と、
を備えることを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
前記回動部可変手段は、前記遊技盤に対して、前記回動部を前後方向に進退可能としたことを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記回動部可変手段は、前記遊技盤に対して、前記回動部を左右方向に移動可能としたことを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項4】
前記回動部可変手段は、前記遊技盤に対して、前記回動部を傾動可能としたことを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項5】
遊技状態の変化に応じて、前記回動部の位置又は姿勢を報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項6】
発射された遊技球を上部側から下部側へ転動させるとともに、透明部材により形成されて背後が透視可能な透明遊技盤と、
この透明遊技盤を通して視認されるように、当該透明遊技盤の背面側に配設され、前記駆動部による駆動力の強さ度合いが変化した場合、発射される遊技球が遊技盤上のいずれの範囲に到達するかを画像表示する画像表示手段と、
を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の弾球遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2007−275433(P2007−275433A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−108065(P2006−108065)
【出願日】平成18年4月10日(2006.4.10)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月10日(2006.4.10)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】
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