説明

弾球遊技機

【課題】パチンコ遊技と図柄変動の待機中に実行可能なミニゲームとを両立させ、集客の促進を充分に図ることができる弾球遊技機を提供すること。
【解決手段】主制御装置80により遊技の進行が制御され、かつサブ制御装置83により図柄表示装置15の図柄表示が制御され、当否抽選に伴う図柄変動の待機状態にミニゲームを実行可能な弾球遊技機において、サブ制御装置83には、当否抽選の図柄変動の後に、主制御装置80から送信される待機状態コマンドの受信を起因に所定の期間を計時する計時手段と、該計時中を有効期間として遊技者の操作によりミニゲームの開始を可能とするミニゲーム制御手段と、ミニゲームがクリアされることにより特典の付与を可能とする特典付与手段とを設け、図柄変動後の有効期間中にのみミニゲームの実行を可能に構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は弾球遊技機、特に図柄表示装置において弾球遊技とは異なるミニゲームが実行可能な弾球遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に弾球遊技機たるパチンコ機は、始動口への入球に起因して当否抽選が行われ、抽選の結果が当りであれば、大入賞口を開放して遊技者にとって賞球の獲得に有利な特別遊技(大当り遊技)を実行する機種が主流である。
この種のパチンコ機では、遊技盤のほぼ中央に図柄表示装置が設けられ、前記当否抽選の結果を報知する演出として、図柄表示装置にて特別図柄を変動表示せしめ、その後に特別図柄を確定表示して抽選の結果を報知するようにして遊技の興趣を高めることが行われている。
【0003】
また従来のパチンコ機では、パチンコ遊技が行われていないときに、集客を促進する目的で、図柄表示装置を有効に活用して図柄表示装置でパチンコ遊技を宣伝するデモ画面や、パチンコ機の前面に設けられた演出用の操作部(演出ボタン)を操作することによりミニゲーム(占いなど)を実行することがなされている(例えば、特許文献1参照)。
更には、演出用の操作部を、ジョイスティックや自動車のハンドルタイプなどに多様化して、シューティングゲームやカーレースゲームなどの内容が複雑な遊戯性の高いミニゲームを行うことも考えられている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−282426号公報
【特許文献2】特開2011−103937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようにミニゲームの遊戯性を向上することで遊技者の興味を引いて集客の促進を図れるものの、客の興味はミニゲームに向いてミニゲームばかりが行われ、本来のパチンコ遊技が行われないおそれがある。これを防ぐために従来の構成では結果的にミニゲームの遊戯内容を単純なものに留められることとなり、その分、集客の促進効果が充分とはいえない。
そこで本発明は、パチンコ遊技とミニゲームとを両立することができ、集客の促進を充分に図ることができる弾球遊技機を提供することを課題としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、始動口への入球に起因して当否抽選が実行され、図柄表示装置に図柄を変動表示した後に確定表示して前記当否抽選の結果を知らしめ、結果が大当りであれば賞球の獲得に有利な特別遊技に移行する弾球遊技機において、
遊技機の前面には遊技者が操作可能な演出ボタンを有し、
遊技の進行を制御する主制御装置には、当否抽選で確定表示せしめる図柄を決定するとともに、図柄表示装置を制御するサブ制御装置へ向けて図柄変動表示および図柄確定表示の各コマンドを送信する図柄コマンド送信手段と、
図柄確定コマンドの送信後に、図柄変動の待機状態を指令する待機状態コマンド送信手段を具備し、
前記サブ制御装置は、図柄変動表示コマンドの受信により図柄表示装置の図柄変動を開始するとともに図柄確定表示コマンドの受信により図柄を確定表示し、
サブ制御装置には、図柄を確定表示した後に、前記待機状態コマンドを受信すると所定の期間の計時を開始する計時手段と、
計時手段の計時中を有効期間として前記演出ボタンが操作されることによりミニゲームを開始するミニゲーム制御手段と、
遊技者の操作によりミニゲームがクリアされると、特典として専用の演出モードへの移行を可能とする特典付与情報を設定するとともに、前記ミニゲームの有効期間を終了して図柄表示装置に特別待機画面を表示せしめる特別待機画面表示手段と、
前記特典付与情報が設定されると所定の期間の計時を開始し、該計時中を有効期間として、有効期間中に所定の遊技条件が達成されると前記特典を付与する特典付与手段と、
前記ミニゲームがクリアされない場合および特典の有効期間が終了した場合に図柄表示装置に通常待機画面を表示せしめる通常待機画面表示手段とを具備する構成とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、ミニゲーム有効期間は、待機状態コマンドの受信により計時手段が計時を開始するため、図柄変動の直後にしか設定されない。従って、ミニゲームは待機状態になればいつでもできるのではなく、当否抽選が実行され図柄が確定停止してから所定時間のみミニゲーム実行可能である。このため、従来のようにミニゲームのみを行い弾球遊技をしない客を排除することができる。また、ミニゲームのみを目的とする客を排除できる分、従来よりも内容およびゲーム性の高いミニゲームを実行可能となる。
更にミニゲームをクリアすると、その特典として通常に弾球遊技しているだけでは移行することない専用の演出モードで遊技できるようにし、ミニゲームを行う遊技者の意欲を高めることができる。また、特典を付与するに当たっても、有効期間を設けて有効期間中に所定の遊技条件を達成することにより特典を付与するようにしたので、特典付与の有効期間中に所定の遊技条件を達成できるか否かにおいても遊技者に期待感とスリル感とを与えることができる。またミニゲーム後に弾球遊技をしないと特典が付与されないので、ミニゲームから弾球遊技へ自然に導くことができる。
更にまた、ミニゲームと弾球遊技が両立するので、集客の促進を充分に図ることができる。
尚、演出モードとは、演出表示上での特別な映像や、音や、LEDの発光色などいずれかを指し、特に演出表示上の場合は、特別なキャラクタを表示したり、このモードに入った時だけ先読み演出が行われるといった専用の予告が発動したり、音の場合は特別な楽曲を聴きながら遊技が行えるなど、遊技者に取得するのに価値観を生じさせるものを指す。
また、ミニゲームは演出ボタンを用いて図柄表示装置上でいわゆるテレビゲームのような構成が考えられる。クイズ形式のものや、あみだくじ、すごろく、シューティングゲーム、格闘ゲーム、アクションゲームなど、所定の時間内で成否が決するものが望ましい。テレビゲーム以外としては、遊技盤面上にミニゲーム用の役物を設けて、検出済みの遊技球を用いてゲームを行うことも考えられる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の弾球遊技機において、
前記特典付与手段は、前記特典を付与する有効期間中に図柄変動が開始されたことを前記所定の遊技条件として前記前記専用の演出モードへ移行せしめる構成とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、特典を付与する遊技条件として特典付与の有効期間中の図柄変動の開始を好適に用いることができる。尚、図柄は特別図柄でも普通図柄どちらを対象とさせても良い。
【0010】
請求項3に記載の発明は、始動口への入球に起因して当否抽選が実行され、図柄表示装置に図柄を変動表示した後に確定表示して前記当否抽選の結果を知らしめ、結果が大当りであれば賞球の獲得に有利な特別遊技に移行する弾球遊技機において、
遊技機の前面には遊技者が操作可能な演出ボタンを有し、
遊技の進行を制御する主制御装置には、当否抽選で確定表示せしめる図柄を決定するとともに、図柄表示装置を制御するサブ制御装置へ向けて図柄変動表示および図柄確定表示の各コマンドを送信する図柄コマンド送信手段と、
図柄確定コマンドの送信後に、図柄変動の待機状態を指令する待機状態コマンド送信手段を具備し、
前記サブ制御装置は、図柄変動表示コマンドの受信により図柄表示装置の図柄変動を開始するとともに図柄確定表示コマンドの受信により図柄を確定表示し、
サブ制御装置には、図柄を確定表示した後に、前記待機状態コマンドを受信すると所定の期間の計時を開始する計時手段と、
計時手段の計時中を有効期間として、該有効期間中に前記演出ボタンが操作されることによりミニゲームを開始するミニゲーム制御手段と、
遊技者の操作によりミニゲームがクリアされると、特典の付与を可能とする特典付与情報を設定するとともに、前記ミニゲームの有効期間を終了して図柄表示装置に特別待機画面を表示せしめる特別待機画面表示手段と、
前記特典付与情報が設定されると所定の期間の計時を開始し、該計時中を有効期間として、有効期間中に前記特別待機画面上にて特典画像または特典音を出力せしめる特典付与手段と、
前記ミニゲームがクリアされない場合および特典の有効期間が終了した場合に図柄表示装置に通常待機画面を表示せしめる通常待機画面表示手段とを具備する構成とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、ミニゲーム有効期間は、待機状態コマンドの受信により計時手段が計時を開始するため、図柄変動の直後にしか設定されない。従って、ミニゲームは待機状態になればいつでもできるのではなく、当否抽選が実行され図柄が確定停止してから所定時間のみミニゲーム実行可能である。このため、従来のようにミニゲームのみを行い弾球遊技をしない客を排除することができる。また、ミニゲームのみを目的とする客を排除できる分、従来よりも内容およびゲーム性の高いミニゲームを実行可能となる。
更にミニゲームをクリアすると、その特典として通常に弾球遊技しているだけでは得られない特典画像や特典音を得られるようにし、ミニゲームを行う遊技者の意欲を高めることができる。また、特典画像や特典音を付与するに当たっても、有効期間を設けて有効期間中にのみ特典を付与するようにしたので、遊技者に期待感とスリル感とを与えることができる。
更にまた、ミニゲームと弾球遊技が両立するので、集客の促進を充分に図ることができる。
尚、特典画像とは静止画、動画でもよく、動画の場合、特典動画の再生の終了が特典の有効期間の終了としてもよい。これは特典音の時も同様としてよく、ミニゲームをクリアした特典を、その後の弾球遊技に直接関係させないで付与することができる。ただし、再度特典画像、特典音を得ようと思った場合は弾球遊技を行なう必要があり、弾球遊技への意欲を喚起することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の弾球遊技機において、
前記特典画像は、2次元コードを含む画像とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、特典画像は、2次元コードを含む画像とすることで、これを携帯電話等に取込み、2次元コードが示すインターネットのホームページにアクセスして、携帯電話等に弾球遊技機に関連する特別画像を獲得させるようにできる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の弾球遊技機において、
前記始動口への入球に起因して乱数が抽出され、乱数に基づいて前記当否抽選を行う構成で、かつ始動口への入球毎に前記乱数を保留記憶として記憶するように構成され、
前記待機状態コマンド送信手段は、前記保留記憶が記憶されていない場合に、前記待機情報コマンドを送信する構成とする。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、保留記憶があれば連続して図柄変動が開始され、待機状態とならないので、待機状態コマンド送信手段の制御処理の軽減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明を適用した第1の実施形態の弾球遊技機の正面図である。
【図2】前記弾球遊技機の遊技盤の正面図である。
【図3】前記弾球遊技機の背面図である。
【図4】前記弾球遊技機の電気構成図である。
【図5】前記弾球遊技機の主制御装置で実行される特別図柄の始動口入賞確認処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図6】前記主制御装置における特別図柄の当否判定処理の制御内容を示す第1のフローチャートである。
【図7】前記当否判定処理の制御内容を示す第2のフローチャートである。
【図8】前記当否判定処理の制御内容を示す第3のフローチャートである。
【図9】前記当否判定処理の制御内容を示す第4のフローチャートである。
【図10】前記主制御装置から出力されるコマンドの出力タイミングチャートである。
【図11】前記弾球遊技機のサブ制御装置で実行される待機表示処理1の制御内容を示すフローチャートである。
【図12】前記サブ制御装置で実行されるミニゲーム開始処理1の制御内容を示す第1のフローチャートである。
【図13】前記ミニゲーム開始処理1の制御内容を示す第2のフローチャートである。
【図14】前記サブ制御装置で実行される特典1ミニゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図15】前記サブ制御装置で実行される特典2ミニゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図16】前記サブ制御装置で実行される第3待機表示終了処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図17】前記サブ制御装置で実行される特典1付与処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図18】前記サブ制御装置で実行される特典2付与処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図19】前記弾球遊技機で実行される表示例を示すもので、図19(a)は第1待機画面の表示例を、図19(b)は第1待機画面のデモ表示の表示例を、図19(c)は第2待機画面の表示例を示す図である。
【図20】前記弾球遊技機で実行される表示例を示すもので、図20(a)は第3待機画面の特典1の表示例を、図20(b)はバトルモードの表示例を、図20(c)は第3待機画面の特典2の表示例を示す図である。
【図21】前記弾球遊技機で実行される表示例を示すもので、図21(a)は先読み演出の表示例を、図21(b)は第4待機画面の表示例を示す図である。
【図22】本発明を適用した第2の実施形態の弾球遊技機のサブ制御装置で実行される待機表示処理2の制御内容を示すフローチャートである。
【図23】前記サブ制御装置で実行されるミニゲーム開始処理2の制御内容を示す第1のフローチャートである。
【図24】前記ミニゲーム開始処理2の制御内容を示す第2のフローチャートである。
【図25】前記サブ制御装置で実行される特典3ミニゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図26】前記サブ制御装置で実行される特典3終了処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図27】前記サブ制御装置で実行される特典4ミニゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図28】前記サブ制御装置で実行されるデモ表示処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図29】前記弾球遊技機で実行される第3待機画面の表示例を示す図である。
【図30】前記弾球遊技機で実行される表示例を示すもので、図30(a)は第4待機画面の表示例を、図30(b)は第4待機画面のデモ表示の表示例を、図30(c)は第5待機画面の表示例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明を適用した第1の実施形態にかかる弾球遊技機であるパチンコ機を説明する。図1に示すように、パチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造としてある。外枠51には、左側の上下の位置に設けたヒンジ53を介して、板ガラス61が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)52および後述の内枠が開閉可能に設けてある。
前枠52の板ガラス61の奥には前記内枠に保持された遊技盤10(図2)が設けてある。
【0018】
前枠52の上部の左右両側位置にはそれぞれスピーカ66が設置してあり、これらにより遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また前枠52には遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65のほか、遊技の異常を報知するLED類が設けてある。
前枠52の下半部には上皿55と下皿63とが形成してある。下皿63の右側には発射ハンドル64が設けてあり、該発射ハンドル64を時計回りに操作することにより発射装置が作動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤10に向けて発射される。
下皿63は上皿55から溢れた賞球を受ける構成で、球抜きレバーの操作により下皿63に溜まった遊技球を遊技店に備えられた別箱(ドル箱)に移すことができる。
【0019】
本パチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50には上皿55の右側に貸出ボタン57、精算ボタン58および残高表示器59が設けてある。また上皿55の中央部にはミニゲームの開始やゲーム進行等を可能とする演出ボタン67とその外周を囲むジョグダイヤル68が設けてある。
尚、図1の39は、前枠52および前記内枠を外枠51にロックするシリンダ錠であり、該シリンダ錠39に所定の鍵を挿入し、鍵を時計回りに操作して前記内枠を開放するようになし、反時計まわりの操作により前枠52を開放する。
【0020】
図2に示すように、遊技盤10には外レール11と内レール12とによって囲まれた略円形の遊技領域13が形成されている。遊技領域13には、その中央部から右半部を覆うように大型のセンターケース14が装着されている。センターケース14は中央に演出図柄表示装置15(全体の図示は省略)のLCDパネルが配設されている。またセンターケース14には、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージなどが設けられている。
センターケース14の左側には普通図柄の始動ゲート(通過口)21と、その下方に風車20が設置されている。
【0021】
センターケース14の直下には第1の特別図柄始動口22Aがあり、その直下位置にはチューリップ式普通電動役物からなる第2の特別図柄始動口22Bが設置されている。
【0022】
第1の特別図柄始動口22Aは第1の特別図柄(以下、単に特図という)の抽選を実行する始動口である。第1の特別図柄始動口(以下、単に第1特図始動口という)22Aは上方へ向けて開放し、常時、遊技球が入球可能な入球口(入賞口)であり、第1特図始動口22Aに遊技球が入賞すると複数種類の乱数が抽出され、第1特図の保留記憶として記憶される。
【0023】
第2の特別図柄始動口(以下、単に第2特図始動口という)22Bは第2の特図の抽選を実行する始動口である。第2特図始動口22Bの普通電動役物(以下、単に普電役物という)は、遊技球が始動ゲート21を通過したことに起因して実行される普通図柄(以下、単に普図という)の抽選で当りとなると所定の時間開放する。そして、第2特図始動口22Bに遊技球が入賞すると複数種類の乱数が抽出され、第2特図の保留記憶として記憶される。
【0024】
第1および第2特図始動口22A,22Bの左側位置には複数の普通入賞口24が配されている。また、第2特図始動口22Bの下方には、開閉板にて開閉される大入賞口25が配され、盤面最下部にはアウト口28が設けられている。
尚、遊技盤10の遊技領域13には、多数の遊技釘が植設されている。
【0025】
また遊技盤10の右下端部には、レール12の外部に、第1特図表示装置16A、第2特図表示装置16B、第1特図保留数表示装置17A、第2特図保留数表示装置17B、普通図柄表示装置18、普図保留数表示装置19が設けてある。
【0026】
図3に示すように、パチンコ機50の裏側は、前記遊技盤10を脱着可能に取付ける内枠70が収納されている。内枠70は、前記前枠52と同様に、一方の側縁(図3の右側)の上下位置が前記外枠51にヒンジ結合され開閉可能に設置されている。内枠70には、遊技球流下通路が形成されており、上方(上流)から球タンク71、タンクレール72、払出ユニット73が設けられ、払出ユニット73の中には払出装置が設けられている。この構成により、遊技盤10の入賞口に遊技球が入賞すれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球(賞球)が払出装置73により払出球流下通路を通り前記上皿55に払い出される。また、本実施形態では前記賞球を払い出す払出装置73により貸出ボタンの操作で払い出される貸球も払い出す構成としてある。
また、パチンコ機50の裏側には、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置(84)、電源基板85が設けられている。演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83はサブ制御装置に該当する。
【0027】
主制御装置80、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83は遊技盤1に設けられ、払出制御装置81、発射制御装置(84)、電源基板85は内枠70に設けられている。図3では発射制御装置(84)が描かれていないが、払出制御装置81の下に設けてある。
【0028】
また、球タンク71の右側には、外部接続端子板78が設けてあり、外部接続端子板78により、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータへ送られる。尚、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子板には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施形態では、ひとつの外部接続端子板78を介して遊技状態や遊技結果を示す信号をホールコンピュータへ送信する。
【0029】
図4は本パチンコ機50の電気的構成を示すもので、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83および発射制御装置84においては、詳細の図示は省略するが、CPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えている。これらの制御装置は何れもCPUにより、2ms周期又は4ms周期の割り込み信号に起因してROMに搭載しているメインルーチンおよびサブルーチンからなるプログラムが開始され、各種の制御が実行される。
【0030】
主制御装置80は、裏配線中継端子板および外部接続端子板78を介して遊技施設のホールコンピュータと電気的に接続される。主制御装置80には、裏配線中継端子板や遊技盤中継端子板を介して、前枠(ガラス枠)52および内枠70が開放しているか否か検出するガラス枠開放SW(スイッチ)、内枠開放SW、第1特図始動口22Aへの入球を検出する第1始動口SW、第2特図始動口22Bへの入球を検出する第2始動口SW、普図始動ゲート21への入球を検出する普図始動SW、大入賞口25への入球を検出するカウントSW、普通入賞口24への入球を検出する左入賞口SW等の検出信号が入力される。
【0031】
また主制御装置80は前記プログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置81や、演出中継端子板を介してサブ統合制御装置83および演出図柄制御装置82にコマンドを出力し、図柄表示装置中継端子板を介して第1および第2特図表示装置16A,16B、第1および第2特図保留数表示装置17A,17B、普通図柄表示装置18および普図保留数表示装置19の表示制御を行なう。
主制御装置80は、大入賞口25の開閉駆動する大入賞口ソレノイドを制御して大入賞口を開放作動せしめる。また第2特図始動口22Bを開閉する普電役物ソレノイドの作動を制御する。
【0032】
払出制御装置81は、球タンクが空状態になったことを検出する球切れSW、遊技球が払い出されたことを検出する払出SW、遊技球貯留皿が満杯状態になったことを検出する満杯SW等の検出信号が入力される。主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータを稼働させて遊技球を払い出させる。また、CRユニットと電気的に接続され、精算表示装置59を介して球貸および精算SW57,58による貸出要求、精算要求の操作信号を受け付け、CRユニットとデータを送受し、貸出要求信号に応じて払出モータを稼働させて貸球を払い出させ、CRユニットに挿入されているプリペイドカードの残高表示を制御する。
【0033】
発射制御装置84は、発射停止SW、発射ハンドルに遊技者が接触(操作)していることを検出するタッチSW等の検出信号が入力される。払出制御装置81を介して主制御装置80から送られてくるコマンド(タッチSWの信号や遊技状況を反映している)、発射ハンドルの回動信号および発射停止SWの信号に基づいて発射モータを制御して遊技球を発射および停止させ、タッチランプの点灯を制御する。
【0034】
サブ統合制御装置83は、音量調節SWや演出ボタン67、ジョグダイヤル68などの検出信号が入力される。主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて、ミニゲームの開始や終了、ミニゲームに関する特典の付与等の制御や、スピーカ66を駆動して音声を出力することや、各種LEDや各種ランプ65の点灯制御する。更に演出図柄制御装置82へキャラクタなどを表示する擬似演出や特図の擬似図柄の表示態様、ミニゲームの表示に関する制御コマンドを送信する。
ミニゲームの内容としては、クイズを出して全問正解を目指すものや、格闘ゲームで相手を倒すことを目指すもの、車のレースゲームで完走を目指すものなどが考えられる。特にゲーム内容を限定するものではなく、制限時間内にゲームの成否が出る構成のものであれば良い。
【0035】
演出図柄制御装置82は、LCDパネルユニットや付属ユニットと共に演出図柄表示装置15を構成している。演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から送られてくるコマンドに応じてLCDパネルの表示を制御する。
【0036】
次にパチンコ機50の作動を説明する。
パチンコ機50は、始動ゲート21への入球に起因して普図の当否抽選を行い、普図表示装置18の図柄変動を開始する。前記抽選結果が当りであれば、表示装置18に普図の当り図柄を確定表示して前記普電役物を開放する。これにより第2特図始動口22Bへの入賞が可能となる。
第1又は第2特図始動口22A,22Bへの入賞があると、これに起因して乱数値が抽出され、該乱数値に基づいて特図の当否抽選を行い、特図表示装置16、および演出図柄表示装置15の図柄変動を開始する。抽選結果が大当りであれば、各表示装置15,16に大当り図柄を確定表示して大入賞口25の開放を伴う大当り遊技(特別遊技)を実行する構成である。
【0037】
またパチンコ機50は、特図の図柄変動が開始され、当否抽選の結果が「ハズレ」の図柄確定後の待機状態において、遊技球が発射されているか否かに関わらずミニゲームを実行可能で、かつミニゲームの結果に応じて特典を付与可能とする基本構成を有する。
以下、作動の詳細を、特許請求の範囲に記載の本発明に関わり深い主制御装置80で実行されるサブルーチン(プログラム)およびサブ統合制御装置83で実行されるサブルーチン(プログラム)に基づいて説明する。
【0038】
図5に示す「始動口入賞確認処理」は主制御装置80で実行されるサブルーチンであり、この処理では、第1、第2特図始動口22,23への入賞を確認し、入賞時に抽出した各種乱数値の保留記憶処理と図柄変動開始時の当否判定(抽選)に先立って、先読み判定を行う。
【0039】
「始動口入賞確認処理」では、先ず第1、第2特図始動口SWの検出信号に基づいて、第1、第2特図始動口22A,22Bに入賞があるかを確認する(S200)。入賞があれば(S200:yes)、保留記憶数が既に上限数まで達していないか確認する(S201)。記憶可能な上限数は4個である。保留記憶数が上限数に達していなければ(S201:yes)、S202の抽出乱数保留記憶処理において、前記入賞に起因して複数の乱数値(大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、ハズレ図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数等)を抽出し、保留記憶として記憶する。
【0040】
続く先読み判定処理(S203)では、保留記憶された大当り判定用乱数の値が、特図の変動による当否判定の報知以前に遊技者に期待を持たせる演出を行うことが可能か否かを判定する処理である。具体的には、保留記憶が「大当り」となる可能性があるか、「リーチ」となる可能性があるか判定され、更にこれらの可能性がないときは「ハズレ」と判定される。
【0041】
次にS204の先読み判定コマンド送信処理では、S203による先読み判定の結果を先読み判定コマンドとしてサブ統合制御装置83に送信する。
続いて、特図保留数表示装置17の点灯数を増加させると共にサブ統合制御装置83に現在の保留記憶数を送信する保留個数指定コマンド送信処理を行う(S205)。
【0042】
図6ないし図9は主制御装置80で実行される特図の「当否判定処理」のフローチャートを示す。図6に示すように「当否判定処理」は、大入賞口25を開放させるための特別電動役物が作動中か確認し、作動していなければ(S300:no)、特図が変動中か確認し、変動中でなければ(S301:no)、特図の確定図柄が表示されているか確認する(S302)。尚、特別電動役物が作動中(S300:yes)であれば「特別遊技処理」に移行する。
【0043】
S302の処理で確定図柄が表示中でなければ(S302:no)、図7に示すように、特図の保留記憶があるか確認する(S310)。保留記憶がなければ(S310:no)、「特別遊技処理」に移行する。保留記憶があれば(S310:yes)、記憶数を減算し、保留記憶のシフト処理を行う(S311)。該シフト処理により特図の保留記憶のうち最も古い保留記憶が当否判定の対象となる。
【0044】
次にS312の処理で、確変フラグを確認して現在の遊技状態が確変状態(高確率)であるか確認する(確変フラグが「1」であれば確変中)。確変中であれば(S312:yes)、確変時の当否判定用テーブルと前記当否判定の対象となる保留記憶の大当り決定用乱数とを対比して大当りか否か当否判定を行う(S313)。
確変中でなければ(S312:no)、通常確率(低確率)の当否判定用テーブルと前記大当り決定用乱数とを対比して大当りか否か当否判定を行う(S314)。
【0045】
続くS315の処理では、S313又はS314の処理の当否判定が大当りか否かの確認を行う。
大当りであれば(S315:yes)、S316の処理において、前記当否判定の対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄を決定する。
S317の処理では、前記当否判定の対象となる保留記憶の変動パターン決定用乱数に基づいて、演出図柄表示装置15に表示される特図の大当り用の変動時間などといった変動パターンを決定する。
【0046】
変動パターンの決定後、S318で大当り設定処理を行う。この処理では、前記決定された大当り図柄に基づき、大当り遊技の開放パターンの設定を行う。例えば演出図柄表示装置15で実行される大当り遊技のオープニング演出の時間の設定、エンディング演出の時間の設定、および大入賞口25の開放態様の設定がなされる。更に大当り遊技終了後の特典遊技状態として確変と時短が付与されるか否かの設定、確変の継続期間を制限する確変カウンタの設定、時短の継続期間を制限する時短カウンタ設定等の処理がなされる。尚、実質的に確変機能および時短機能の付与、確変カウンタおよび時短カウンタの設定は後述する「特別遊技処理」で設定され、ここでの処理は仮設定処理である。
【0047】
S315の処理において、大当りでなくハズレであれば(S315:no)、S319の処理において、前記当否判定の対象となる保留記憶のハズレ図柄決定用乱数に基づいてハズレ図柄を決定し、続いて、演出図柄表示装置15に表示される特図のハズレ用の変動時間などといった変動パターンを決定する(S320)。続くハズレ設定処理(S321)では、遊技状態が確変、時短であれば、これらの継続期間をカウントする確変回数と時短回数を減算する。
【0048】
S318又はS321の各設定処理の後、S322の処理では、特図表示装置16の図柄変動開始制御を行い、サブ統合制御装置83へ図柄の変動開始コマンド、図柄指定コマンドを送信し、「特別遊技処理」へ移行する。変動開始コマンド、図柄指定コマンドには特図の変動パターン、特別図柄の当否判定の判定結果などが含まれる。
続くS323の処理では、シフト処理後(S311)の保留記憶数をサブ統合制御装置83へ送信し、「特別遊技処理」へ移行する。
【0049】
図6のS301の処理で特図の変動中のときは(S301:yes)、図8に示すように、図柄の変動時間が経過したことを確認すると(S330:yes)、確定図柄表示処理(S331)において、特図表示装置16の特図の変動表示を終了させる制御を行い、サブ統合制御装置83および演出図柄制御装置82へ擬似図柄の変動表示および演出表示を終了させるように図柄確定コマンドを送信し、「特別遊技処理」へ移行する。尚、前記S322の図柄変動開始コマンド送信処理およびS331の確定図柄表示処理は特許請求の範囲に記載の「図柄コマンド送信手段」に相当する。
【0050】
図6のS302の処理で特図の確定図柄を表示中であれば(S302:yes)、図9のS340の処理に移行して、確定図柄表示時間が終了したか確認する。確定図柄表示時間が終了していなければ(S340:no)、「特別遊技処理」へ移行する。
一方、確定図柄表示時間が終了したことを確認すると(S340:yes)、確定図柄表示終了の処理(S341)により特図表示装置16の特図の確定図柄表示を終了させる制御を行い、サブ統合制御装置83へ特図に対応する擬似図柄の確定表示を終了させるようにコマンドを送信する。
【0051】
続いて特図の図柄が大当りになる組合せであるか確認し(S342)、大当りになる組合せであったときは(S342:yes)、確変フラグが「1」であれば(S343:yes)、確変フラグに「0」をセットする(S344)。次に、時短フラグが「1」であれば(S345:yes)、時短フラグに「0」をセットする(S346)。これらの処理により大当り遊技(特別遊技)中での遊技状態を通常状態にリセットする。
【0052】
S347の処理では条件装置の作動を開始させ、S348の処理では役物連続作動装置の作動を開始させる。条件装置は大当り遊技で役物連続作動装置の作動に必要な装置であり、役物連続作動装置は特別電動役物を連続して作動させる装置である。
そして大当り開始演出処理(S349)によりサブ統合制御装置83へ大当り演出を開始させるようにコマンドを送信し、「特別遊技処理」に移行する。
【0053】
S342の処理で、大当りになる組合せでなければ(S342:no)、確変フラグが「1」であるか確認し(S350)、確変フラグが「1」であり(S350:yes)、確変カウンタ(回数)が「0」であれば(S351:yes)、確変フラグを「0」にセットする(S352)。
続く処理で時短フラグが「1」であり(S353:yes)、時短カウンタ(回数)が「0」であれば(S354:yes)、時短フラグを「0」にセットする(S355)。
続くS356の状態指定コマンド送信処理では、遊技状態を示す確変フラグや時短フラグの情報等を含む状態指定コマンドを、サブ統合制御装置83へ送信する。
【0054】
次にS357の処理では、今回の当否抽選後の保留記憶数が「0」であるか確認し(保留記憶が有るか無いか確認)、保留記憶が無ければ(S357:yes)、サブ統合制御装置83へ向けて、次に前記特図変動開始コマンドが出力されるまで特図の図柄変動を待機するように指示する待機状態指定コマンドを送信する(S358)。その後、「特別遊技処理」に移行する。尚、待機状態指定コマンド送信処理(S358)は特許請求の範囲に記載の「待機状態コマンド送信手段」に相当する。
【0055】
このように「当否判定処理」では、主制御装置80からサブ統合制御装置83へ向けて複数のコマンドが送信される。図10は当否判定時における各種コマンド送信のタイミングを示し、S322の処理の変動開始コマンドにより演出図柄表示装置15の図柄変動が開始され、この場合、変動開始コマンドとともに変動パターン指定、第1又は第2特図の保留指定、更に少し間隔をおいて図柄指定(特図指定)および機種情報指定等のコマンドがサブ統合制御装置83へ送信される。
【0056】
図柄変動中、S331の図柄確定コマンド(停止指定)により図柄変動が停止して特図が確定表示される。該確定表示中には、S356の状態指定コマンドにより遊技状態を示す確変フラグや時短フラグの情報等がサブ統合制御装置83へ送られる。尚、状態指定コマンドは特図の確定表示時に送信されれば良く、本当否判定処理では、実質的に確定表示の終了時にサブ統合制御装置83へ送信される。そして、特図の確定表示後に、主制御装置80からサブ統合制御装置83へ向けて、S358の待機状態指定コマンドが送信される。
【0057】
続いてサブ統合制御装置83で実行される本発明に関わりの深いサブルーチンプログラムを説明する。
図11に示す「待機表示処理1」は当否抽選により特図が変動され確定表示された後、ミニゲームを実行可能であることを演出図柄表示装置15に表示せしめる待機画面表示の設定を行う処理である。
尚、本パチンコ機では待機画面表示として「第1待機画面表示」ないし「第4待機画面表示」の4種類が準備されている。「第1待機画面表示」は通常の待機画面であり、ミニゲームが実行不可であることを示す。「第2待機画面表示」はミニゲームが実行可能であることを示すものである。「第3待機画面表示」はミニゲームをクリア(成功)して特典の付与が可能とされること、および特典を得るために所定の遊技条件を達成しなければならない期間を示す。そして「第4待機画面表示」は特典の付与のないミニゲームが実行可能であることを示すものである。
また本パチンコ機では、ミニゲーム成功時の特典として「特典1」および「特典2」の2種類の特典が準備されており、「特典1」は通常のパチンコ遊技をしただけでは選択されない演出モードでの遊技に移行可能であり、「特典2」は通常のパチンコ遊技だけでは開始されない先読み演出が開始される。
無論、特典としてこれらだけに限定するものでなく、パチンコ遊技中(図柄変動中の)変動音を特別な変動音に変更したり、先読み演出以外にもミッション予告が付与されたり、新たな予告態様が追加されたり、新しいリーチや大当り演出、再抽選演出などが追加されることが考えられる。このようにすれば、ミニゲームをすることにより、パチンコ遊技の演出を強化していくことができ、ミニゲーム、パチンコ遊技、双方の参加意欲を高めていくことができる。
【0058】
「待機表示処理1」は、先ず主制御装置80からの待機状態指定コマンドを受信したか否か確認する(S400)。コマンドの受信があれば(S400:yes)、S401の処理において、特典1フラグにより既に特典1が付与されているか否かを確認する(特典1フラグが「1」であれば特典1が付与されている)。
【0059】
特典1が付与されていれば(S401:yes)、S402の処理において、特典2フラグにより既に特典2が付与されているか否かを確認する(特典2フラグが「1」であれば特典2が付与されている)。そして特典1および特典2が既に付与されている状態であれば(S402:yes)、ミニゲームの実行を許可するミニゲーム許可フラグに「1」をセットする(S403)。
尚、付与された特典1、特典2は、例えば遊技者の交代(5分以上パチンコ遊技が実行されない状態)などがない限り継続される。
また、その機種専用のサーバーを用意し、遊技者が携帯端末を介してアクセスすることにより、その機種での遊技履歴をサーバー上に蓄積していったり、その遊技機の表示設定などを行えるものがある。
【0060】
続く404の処理ではミニゲーム許可有効期間タイマによりミニゲームのゲーム開始が可能となるミニゲーム許可有効期間の計時を開始する。この場合、すでに特典1および特典2がともに付与されているので、次のS405の処理で、演出図柄表示装置15に特典の付与のないミニゲームが実行可能であることを示す「第4待機画面表示」(図21(b)参照)の表示を行う。尚、本パチンコ機ではミニゲーム許可有効期間が約12秒としてあり、この間に遊技者が演出ボタン67を操作することによりミニゲームが開始される。
【0061】
前記S401又はS402の処理において特典1又は特典2のいずれかが付与されていなければ(S401:no又はS402:no)、ミニゲームの実行を許可するミニゲーム許可フラグに「1」をセットする(S403)とともに、前記ミニゲーム許可有効タイマにより有効期間の計時を開始する(S407)。この場合、特典1又は特典2が付与される可能性があるので、次のS408の処理で、演出図柄表示装置15に特典の付与の可能性があるミニゲームが実行可能であることを示す「第2待機画面表示」(図19(c)参照)の表示を行う。尚、前記S404およびS407のミニゲーム許可有効期間計時開始の処理は特許請求の範囲に記載の「計時手段」に相当する。
【0062】
前記S405又はS408の処理の後、待機状態フラグに「1」をセットし(S409)、続いてデモ表示タイマによりデモ表示用期間の計時を開始する(S410)。
【0063】
図12はサブ統合制御装置83で実行される「ミニゲーム開始処理1」を示し、この処理では先ず、遊技者により演出ボタン67が操作されたか否かを確認する(S500)。操作が確認されれば(S500:yes)、前記ミニゲーム許可フラグが「1」であるか確認し(S501)、フラグが「1」であれば(S501:yes)、前記特典1フラグおよび前記特典2フラグがいずれも「1」であるか確認する(S502)。
【0064】
特典1,2の両フラグが「1」でなければ(S502:no)、特典1のミニゲームが選択されたか確認する(S503)。ミニゲームの選択はミニゲーム許可有効期間中の遊技者による演出ボタン67の操作時に遊技者により選択され、特典1のミニゲームが選択された場合には(S503:yes)、特典1ミニゲームの開始処理を行い(S504)、特典1ミニゲーム期間タイマにより特典1ミニゲームのゲーム期間の計時を開始し(S505)、特典1ミニゲームフラグに「1」をセットする(S506)。
【0065】
一方、前記S502の処理で特典1,2の両フラグが「1」であり、特典の付与されないミニゲームの場合(S502:yes)、又は前記S503の処理で特典1ではなく特典2が選択された場合には(S503:no)、特典2ミニゲームの開始処理を行い(S507)、特典2ミニゲーム期間タイマにより特典2ミニゲームのゲーム期間の計時を開始し(S508)、特典2ミニゲームフラグに「1」をセットする(S509)。尚、前記S504およびS507の各ミニゲーム開始処理は特許請求の範囲に記載の「ミニゲーム制御手段」に相当する。
【0066】
前記S506又はS509の処理の後、前記ミニゲーム許可有効期間タイマにより有効期間の計時を終了し(S510)、ミニゲーム許可フラグに「0」をセットする(S511)する。
【0067】
前記S500の処理で演出ボタン67操作が確認されなければ(S500:no)、図13に示すように、S520の処理において、前記ミニゲーム許可有効期間タイマがタイムアップしたか否か確認し(S520)、タイマがタイムアップしていれば(S520:yes)、ミニゲーム許可有効期間を終了し(S521)、ミニゲーム許可フラグに「0」をセットする(S522)する。その後、S523の処理において、演出図柄表示装置15にミニゲームの実行が可能でないことを示す「第1待機画面表示」(図19(a)参照)の表示を行う。
【0068】
図14に示す「特典1ミニゲーム処理」では、先ず前記特典1ミニゲームフラグが「1」にセットされているか確認する(S600)。フラグが「1」であれば
(S600:yes)、前記特典1ミニゲーム期間タイマがタイムアップしてゲーム期間が終了したか確認する(S601)。
【0069】
前記ゲーム期間が終了していれば(S601:yes)、演出図柄表示装置15にゲームオーバーであることを示す表示を行い(S602)、特典1ミニゲームフラグを「0」に落とす(S603)。続いてS604の処理において、演出図柄表示装置15に前記「第1待機画面表示」の表示を行う。
【0070】
前記S601の処理においてゲーム期間が終了していなければ(S601:no)、特典1ミニゲームをクリアしたか確認し(S605)、ゲームクリアであれば(S605:yes)、演出図柄表示装置15にゲームクリアで旨を示す表示を行い(S606)、特典1ミニゲームフラグを「0」に落とす(S607)。
【0071】
続くS608の処理では特典1付与フラグ(特典付与情報)に「1」をセットし、次に特典付与期間タイマにより特典を付与可能な期間の計時を開始し(S609)、その後、演出図柄表示装置15にミニゲームが成功して特典が付与されること、および特典を得るために所定の遊技条件を達成しなければならない期間を示す「第3待機画面表示」(図20(a)参照)の表示を行う(S610)。
【0072】
図15に示す「特典2ミニゲーム処理」では、前記特典2ミニゲームフラグが「1」にセットされているか確認し(S620)。フラグが「1」であれば(S620:yes)、前記特典2ミニゲーム期間タイマがタイムアップしてゲーム期間が終了したか確認する(S621)。
【0073】
前記ゲーム期間が終了していれば(S621:yes)、演出図柄表示装置15にゲームオーバーであることを示す表示を行い(S622)、特典2ミニゲームフラグを「0」に落とす(S623)。続いて演出図柄表示装置15に前記「第1待機画面表示」の表示を行う(S624)。
【0074】
前記S621の処理においてゲーム期間が終了していなければ(S621:no)、特典2ミニゲームをクリアしたか確認し(S625)、ゲームクリアであれば(S625:yes)、演出図柄表示装置15にゲームクリアで旨を示す表示を行い(S626)、特典2ミニゲームフラグを「0」に落とす(S627)。
【0075】
続くS628の処理では特典2付与フラグ(特典付与情報)に「1」をセットし、次に特典付与期間タイマにより特典を付与可能な期間の計時を開始し(S629)、その後、演出図柄表示装置15にミニゲームが成功して特典が付与されること、および特典を得るために所定の遊技条件を達成しなければならない期間を示す「第3待機画面表示」(図20(c)参照)の表示を行う(S630)。尚、前記S610およびS630の各第3待機画面表示の処理は特許請求の範囲に記載の「特別待機画面表示手段」に相当する。
【0076】
図16に示す「第3待機表示終了処理」では、前記特典付与フラグが「1」であるか確認し(S700)、フラグが「1」であれば(S700:yes)、前記特典付与期間タイマがタイムアップしたか確認する(S701)。タイムアップしていれば(S701:yes)、前記特典付与フラグを「0」に落とし(S702)、特典付与期間を終了(S703)、演出図柄表示装置15に前記「第1待機画面表示」を表示せしめる(S704)。尚、前記S523、S604,S624およびS704の各第1待機画面表示の処理は特許請求の範囲に記載の「通常待機画面表示手段」に相当する。
【0077】
図17に示す「特典1付与処理」は特許請求の範囲に記載の「特典付与手段」に相当し、この処理では新たに始動口22A,22Bへの入球があり当否抽選(図柄変動)が行われて主制御装置80から前記変動パターン指定コマンドを受信したか否かを確認し(S800)、コマンドの受信があれば(S800:yes)、前記特典1付与フラグにより特典1を付与することが可能な状態であるが確認する(S801)。フラグが「1」であれば(S801:yes)、特別演出モード選択許可処理を実行し(S802)、続いて特典1付与フラグを「0」に落とし(S803)、特典1設定フラグに「1」をセットして(S804)、特別モードの使用を許可する。
前記S801の処理で特典1付与フラグが1でない場合(S801:no)、又は前記S804の処理の後、演出図柄表示装置15に表示せしめる演出内容を決める演出内容決定処理を行う(S805)。
【0078】
図18に示す「特典2付与処理」は特許請求の範囲に記載の「特典付与手段」に相当し、この処理では、新たに始動口22A,22Bへの入球が確認されて主制御装置80からの前記先読み判定コマンドを受信したか否かを確認し(S810)、コマンドの受信があれば(S810:yes)、前記特典2付与フラグにより特典2を付与することが可能な状態であるが確認する(S811)。フラグが「1」であれば(S811:yes)、先読み判定参照許可処理を実行し(S812)、続いて特典2付与フラグを「0」に落とし(S813)、特典2設定フラグに「1」をセットして(S814)、先読み演出の使用を許可する。その後、演出図柄表示装置15に表示せしめる先読み演出内容を決める先読み演出内容決定処理を行う(S815)。
【0079】
図19(a)は演出図柄表示装置15に表示される第1待機画面表示の一例を示し、第1待機画面表示では表示画面の中央に、特図に対応して確定表示された3桁の数字からなる擬似図柄150が継続して表示される。
図19(b)は演出図柄表示装置15に表示されるデモ表示の一例を示し、前記「待機表示処理1」(図11)において待機状態コマンドの受信後、前記デモ表示用タイマがタイムアップすることにより遊技者がパチンコ遊技を止めたと見做し、パチンコ機の宣伝用に表示画面の中央にパチンコ機の名称およびメインキャラクタの「熊の達吉」151を表示する。
図19(c)は演出図柄表示装置15に表示される第2待機画面表示の一例を示す。第2待機画面表示では表示画面の中央に、確定された擬似図柄150が継続して表示されるとともに、表示画面150の上部に、ミニゲームが開始可能であることを報知する表示およびミニゲームが開始可能な有効期間のカウントダウン表示152を行う。
【0080】
図20(a)は、ミニゲームが実行され、かつクリアされて特典1の付与が可能となった状態で演出図柄表示装置15に表示される第3待機画面表示の一例を示す。この場合、特典1では特別演出モードとしてバトルモードに移行可能であり、該第3待機画面表示ではバトルモードに移行するための遊技条件を表示する。表示画面には擬似図柄150の上方に、始動口への入球によりバトルモードへの移行が可能であることを示す遊技条件の表示およびバトルモードへの移行が可能な有効期間のカウントダウン表示154を行う。
図20(b)は、特典1のバトルモードを示し、表示画面の右上部にて擬似図柄150の変動表示中に、2人のキャラクタC1,C2が戦う構成の表示を行なう。
【0081】
図20(c)は、ミニゲームが実行され、かつクリアされて特典2の付与が可能となった状態で演出図柄表示装置15に表示される第3待機画面表示の一例を示す。この場合、特典2では特別演出モードとして先読み演出モードに移行可能であり、該第3待機画面表示では先読み演出モードに移行するための遊技条件を表示する。表示画面には擬似図柄150の上方に、始動口への入球により先読み演出モードへの移行が可能であることを示す遊技条件の表示および先読み演出モードへの移行が可能な有効期間のカウントダウン表示155を行う。
【0082】
図21(a)は、特典2の先読み演出モードを示し、表示画面の中央に擬似図柄150を表示するとともに、左下部に保留記憶数表示156を行い、保留記憶の中にリーチになる可能性の高いリーチ先読み表示156aと大当りになる可能性の高い大当り先読み表示156bを行う。
図21(b)は演出図柄表示装置15に表示される第4待機画面表示の一例を示す。第4待機画面表示では表示画面の中央に、確定された擬似図柄150が継続して表示されるとともに、表示画面150の上部に、クリアしても特典が付与されないミニゲームが開始可能であることを報知する表示およびミニゲームが開始可能な有効期間のカウントダウン表示153を行う。
【0083】
本パチンコ機は、特図の当否抽選の図柄変動の後(図柄確定後)に、抽選結果がハズレであり、保留記憶が無いときに主制御装置80から待機状態指令コマンドが出力され、これによりサブ総合制御装置83の制御により、遊技球の発射、非発射に関係なくミニゲームが実行可能な状態とされ、ミニゲームには実行可能な有効期間が設定される。このとき、演出図柄表示装置15に、ミニゲームが実行可能であることおよび有効期間を示す第2待機画面表示又は第4待機画面表示がなされる。そして、有効期間内に遊技者が演出ボタン67を操作することによりミニゲームが実行される。
一方、ミニゲームが実行されずに有効期間が終了したときは第1待機画面表示となる。
【0084】
ミニゲームが実行され、これをクリアすることで特典が付与される。特典は「特典1」として通常のパチンコ遊技からは移行しない「バトル演出モード」への移行と、「特典2」として通常のパチンコ遊技からは移行しない「先読み演出」への移行の2種類を設けた。特典はミニゲーム開始時に遊技者により選択可能である。
いずれの特典でも、ミニゲームのクリア後に所定の有効期間が設定され、該有効期間内に始動口22A,22Bへ入球させることで付与される。また特典が付与されると特典付与状態が維持され、いずれの特典も付与された状態では、ミニゲームが実行可能な状態を示す表示は「第4待機画面表示」を行う。
【0085】
本実施形態によれば、ミニゲームを実行可能な有効期間を定め、有効期間を、図柄変動(確定)の直後にのみ設定するようにしたので、ミニゲームは待機状態になればいつでもできるのではなく、当否抽選後の所定時間にのみミニゲーム実行可能であるため、従来のようにミニゲームのみを行いパチンコ遊技をしない客を排除することができる。また、ミニゲームのみを目的とする客を排除できる分、従来よりも内容およびゲーム性の高い内容のミニゲームを実行可能にできる。
【0086】
更にミニゲームをクリアすると、その特典として通常に弾球遊技しているだけでは移行することない専用の演出モード(特典1ではバトルモード、特典2では先読み演出)で遊技できるようにし、ミニゲームを実行しようとする遊技者の意欲を高めることができる。また、特典を付与するに当たっても、有効期間を設けて有効期間中に所定の遊技条件を達成することにより特典を付与するようにしたので、特典付与の有効期間中に所定の遊技条件を達成できるか否かにおいても遊技者に期待感やスリル感を与えることができる。また特典はミニゲームの後にパチンコ遊技をしないと付与されないので、ミニゲームからパチンコ遊技へ自然に導くことができる。更にまた、ミニゲームとパチンコ遊技が両立するので、パチンコの遊技性、ミニゲームの遊戯性を存分に向上させることができ、集客の促進を充分に図ることができる。
【0087】
更に、特図の図柄変動後(確定後)に主制御装置80にて待機状態指定コマンドを出力する際に、保留記憶がある場合は連続して図柄変動が開始されて待機状態とならないので、コマンドを出力しないようにすることでコマンド送信に関する制御処理を軽減することができる。
【0088】
次に本発明を適用した第2の実施形態のパチンコ機について説明する。本実施形態のパチンコ機の基本構成は、前記第1の実施形態のパチンコ機のそれとほぼ同じで、相違点を中心に説明する。尚、図において同一部材は同一符号で示す。
本パチンコ機は、ミニゲームをクリアすることにより2種類の特典が付与される。その1つの「特典3」ではクリアにより演出図柄表示装置15に2次元コード(例えばQRコード(登録商標)など)が表示され、これを携帯電話等に取込んで、2次元コードが示すインターネットのホームページにアクセスすることで、携帯電話等に本パチンコ機に関連する特別画像や音楽を獲得することができる。この構成の場合、ミニゲームをクリアすると特典の付与が確定してしまうので、その後のパチンコ遊技へ誘導する希求力に乏しく見えるが、取得できる2次元コードを複数備えることにより、遊技者に収集する興味を与え、それが引いてはパチンコ遊技に向かうことにすることができる。
他の「特典4」では演出図柄表示装置15に待機画面やデモ表示画面が表示されているときに、通常のパチンコ遊技だけでは表示されない特典画像や、映像、音楽を提供する。この場合も、特典画像や音楽を複数備えることにより、収集する興味を持たせ、引いてはそれがパチンコ遊技に向かわせることができる。
【0089】
図22に示す「待機表示処理2」は本パチンコ機のサブ統合制御装置83で実行される処理で、特図変動後(確定表示後)にミニゲームを実行可能であることを演出図柄表示装置15に表示せしめる待機画面表示の設定を行う処理である。
尚、本パチンコ機では待機画面表示として「第1待機画面表示」ないし「第5待機画面表示」の5種類が準備されている。「第1待機画面表示」は通常の待機画面であり、ミニゲームが実行不可であることを示す。「第2待機画面表示」はミニゲームが実行可能であることを示すものである。尚、第1および第2待機画面表示は第1の実施形態と同様である。「第3待機画面表示」はミニゲームが成功して特典3の待機画面の表示およびその表示期間を示す。「第4待機画面表示」は特典4の特別待機画面又は特別デモ表示を示すものである。「第5待機画面表示」は「第4待機画面」上でミニゲームが実行可能であることを示すものである。
【0090】
「待機表示処理2」は、先ず主制御装置80からの待機状態指定コマンドを受信したか否か確認する(S420)。コマンドの受信があれば(S420:yes)、S421の処理において、特典4設定フラグにより既に特典4が設定されているか否かを確認する(特典4設定フラグが「1」であれば特典4が設定されている)。
【0091】
特典4が設定されていれば(S421:yes)、S422の処理において、ミニゲームの実行を許可するミニゲーム許可フラグに「1」をセットする。
尚、既に付与された特典4は、例えば遊技者の交代(遊技が5分以上パチンコ遊技が実行されない状態)などがない限り継続される。
【0092】
続く423の処理ではミニゲーム許可有効期間タイマによりミニゲームのゲーム開始が可能となるミニゲーム許可有効期間の計時を開始する。この場合、すでに特典4が設定されているので、次のS424の処理で、演出図柄表示装置15に特典の付与のないミニゲームが実行可能であることを示す「第5待機画面表示」(図30(c)参照)の表示を行う。尚、本パチンコ機ではミニゲーム許可有効期間が約12秒としてあり、この間に遊技者が演出ボタン67を操作することによりミニゲームが開始される。
【0093】
前記S421の処理において特典4が設定されていなければ(S421:no)、ミニゲームの実行を許可するミニゲーム許可フラグに「1」をセットする(S425)とともに、前記ミニゲーム許可有効タイマにより有効期間の計時を開始する(S426)。この場合、特典4が設定される可能性があるので、次のS427の処理で、演出図柄表示装置15に特典の付与の可能性があるミニゲームが実行可能であることを示す「第2待機画面表示」(図20(c)参照)の表示を行う。
【0094】
前記S424又はS427の処理の後、待機状態フラグに「1」をセットし(S428)、続いてデモ表示タイマによりデモ表示用期間の計時を開始する(S429)。
【0095】
図23はサブ統合制御装置83で実行される「ミニゲーム開始処理2」を示し、この処理では先ず、ミニゲーム許可有効期間中に遊技者により演出ボタン67が操作されたか否かを確認する(S530)。操作が確認されれば(S530:yes)、前記ミニゲーム許可フラグが「1」であるか確認し(S531)、フラグが「1」であれば(S531:yes)、前記特典3フラグおよび前記特典4フラグがいずれも「1」であるか確認する(S532)。
【0096】
特典3,4の両フラグが「1」でなければ(S532:no)、特典3のミニゲームが選択されたか確認する(S533)。ミニゲームの選択はミニゲーム許可有効期間中の遊技者による演出ボタン67の操作時に遊技者により選択され、特典3のミニゲームが選択された場合には(S533:yes)、特典3ミニゲームの開始処理を行い(S534)、特典3ミニゲーム期間タイマにより特典3ミニゲームのゲーム期間の計時を開始し(S535)、特典3ミニゲームフラグに「1」をセットする(S536)。
【0097】
一方、前記S532の処理で特典3,4の両フラグが「1」であり、特典の付与されないミニゲームの場合(S532:yes)、又は前記S533の処理で特典3ではなく特典4が選択された場合には(S533:no)、特典4ミニゲームの開始処理を行い(S537)、特典4ミニゲーム期間タイマにより特典4ミニゲームのゲーム期間の計時を開始し(S538)、特典4ミニゲームフラグに「1」をセットする(S539)。
【0098】
前記S536又はS539の処理の後、前記ミニゲーム許可有効期間タイマにより有効期間の計時を終了し(S540)、ミニゲーム許可フラグを「0」に落とす(S541)。
【0099】
前記S530の処理で演出ボタン67操作が確認されなければ(S530:no)、図24に示すように、S550の処理において、前記ミニゲーム許可有効期間タイマがタイムアップしたか否か確認し、タイマがタイムアップしていれば(S550:yes)、ミニゲーム許可有効期間を終了し(S551)、ミニゲーム許可フラグを「0」に落とす(S552)。その後、特典4設定フラグにより特典4が設定されているか確認し(S553)、特典4が設定されていなければ(S533:no)、S554の処理において演出図柄表示装置15にミニゲームの実行が可能でないことを示す「第1待機画面表示」(図19(a)参照)の表示を行う。
一方、前記S553の処理において、特典4が設定されていれば(S533:yes)、S555の処理において演出図柄表示装置15に「第4待機画面表示」(図30(a)又は(b)参照)の表示を行う。
【0100】
図25に示す「特典3ミニゲーム処理」では、先ず前記特典3ミニゲームフラグが「1」にセットされているか確認する(S640)。フラグが「1」であれば
(S640:yes)、前記特典3ミニゲーム期間タイマがタイムアップしてゲーム期間が終了したか確認する(S641)。
【0101】
前記ゲーム期間が終了していれば(S641:yes)、演出図柄表示装置15にゲームオーバーであることを示す表示を行い(S642)、特典3ミニゲームフラグを「0」に落とす(S643)。続いてS644の処理において、演出図柄表示装置15に前記「第1待機画面表示」の表示を行う。
【0102】
前記S641の処理においてゲーム期間が終了していなければ(S641:no)、特典3ミニゲームをクリアしたか確認し(S645)、ゲームクリアであれば(S645:yes)、演出図柄表示装置15にゲームクリアで旨を示す表示を行い(S646)、特典3ミニゲームフラグを「0」に落とす(S647)。
【0103】
続くS648の処理では特典3設定フラグ(特典付与情報)に「1」をセットし、次に特典付与期間タイマにより特典を付与可能な期間の計時を開始し(S649)、その後、演出図柄表示装置15にミニゲームが成功して特典3の2次元コード、およびその表示期間を示す「第3待機画面表示」の表示を行う(S650)。尚、前記S650の第3待機画面表示の処理は特許請求の範囲に記載の「特典画像付与手段」に相当する。
【0104】
図26に示す「特典3終了処理」では、前記特典付与期間タイマがタイムアップして特典3の表示期間が経過したか確認し(S660)、表示期間が経過していれば(S660:yes)、前記演出図柄表示装置15の表示を「第1待機画面表示」に変更する(S661)。
【0105】
図27に示す「特典4ミニゲーム処理」では、先ず前記特典4ミニゲームフラグが「1」にセットされているか確認する(S670)。フラグが「1」であれば
(S670:yes)、前記特典4ミニゲーム期間タイマがタイムアップしてゲーム期間が終了したか確認する(S671)。
【0106】
前記ゲーム期間が終了していれば(S671:yes)、演出図柄表示装置15にゲームオーバーであることを示す表示を行い(S672)、特典4ミニゲームフラグを「0」に落とす(S673)。続いてS674の処理において、特典4設定フラグが「1」であるか確認し、フラグが「1」でなければ(S674:no)、演出図柄表示装置15に前記「第1待機画面表示」の表示を行う(S675)。
【0107】
前記S671の処理においてゲーム期間が終了していなければ(S671:no)、特典4ミニゲームをクリアしたか確認し(S676)、ゲームクリアであれば(S676:yes)、演出図柄表示装置15にゲームクリアで旨を示す表示を行い(S677)、特典4ミニゲームフラグを「0」に落とす(S678)。
【0108】
続くS679の処理では特典4設定フラグが「1」であるか確認し、フラグが「1」でなければ(S679:no)、特典4設定フラグ(特典付与情報)に「1」をセットする(S680)。一方、フラグが「1」であれば(S679:yes)、次に第4待機画面の内容変更処理を行なう(S681)。
前記S674の処理において特典4設定フラグが「1」であった場合(S674:yes)、又はS680、S681の処理の後、S682の処理において、演出図柄表示装置15に「第4待機画面表示」の表示を行う。
【0109】
図28に示す「デモ表示処理」では、前記デモ表示タイマがタイムアップしてデモ表示用の所定時間になったか確認する(S900)。デモ表示用時間であれば(S900:yes)、次にトクテン設定フラグが「1」であるか確認し(S901)、フラグが「1」であれば(S901:yes)、演出図柄表示装置15に特典4のデモ表示を行う(S902)。一方、フラグが「1」でなければ(S901:no)、通常のデモ表示を行う(S903)。
【0110】
図29は本実施形態のパチンコ機の演出図柄表示装置15に表示される第3待機画面表示の一例を示し、第3待機画面表示では表示画面の中央に、ミニゲームクリアにより付与される特典3の2次元コード表示157を行い、かつその上方位置に特典画像を取得する説明と2次元コード表示の有効期間の表示158を行う。
【0111】
図30(a)はミニゲームがクリアされて演出図柄表示装置15に表示される特典4の特典画像からなる第4待機画面表示の一例を示し、第4待機画面表示では表示画面の上半部中央に、特図に対応して確定された3桁の数字からなる擬似図柄150が継続表示され、その下方に特別キャラクタC3を表示する。
図30(b)は前記特典4の第4待機画面表示のデモ表示の一例を示し、前記「待機表示処理2」(図22)において待機状態コマンドの受信後、前記デモ表示用タイマがカウントアップすることにより遊技者がパチンコ遊技を止めた見做し、パチンコ機の宣伝用に表示画面パチンコ機の名称151aおよび特別キャラクタC1,C2を表示する。
図30(c)は演出図柄表示装置15に表示される第5待機画面表示の一例を示す。第5待機画面表示では前記第4待機画像表示の下部に、ミニゲームが開始可能であることを報知する表示およびミニゲームが開始可能な有効期間のカウントダウン表示152を行う。
【0112】
本パチンコ機は、特図の当否抽選の図柄変動の後(図柄確定後)に、抽選結果がハズレであり、保留記憶が無いときに主制御装置80から待機状態指令コマンドが出力され、これによりサブ総合制御装置83の制御により、遊技球の発射、非発射に関係なくミニゲームが実行可能な状態とされ、ミニゲームには実行可能な有効期間が設定される。このとき、演出図柄表示装置15に、ミニゲームが実行可能であることおよび有効期間を示す第2待機画面表示又は第5待機画面表示がなされる。そして、有効期間内に遊技者が演出ボタン67を操作することによりミニゲームが実行される。
一方、ミニゲームが実行されずに有効期間が終了したときは第1待機画面表示又は第4待機画面表示となる。
【0113】
ミニゲームが実行され、これをクリアすることで特典が付与される。特典は「特典3」として携帯電話等に本パチンコ機に関連する特別画像や音楽を獲得可能であること、「特典4」では待機画面やデモ表示画面を特典画像や映像、音楽を提供することの2種類を設けた。特典はミニゲーム開始時に遊技者により選択可能である。いずれの特典でも、ミニゲームのクリア後に待機状態で実行される。尚、特典4ではこれが付与されると付与状態が維持される。
【0114】
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、ミニゲームを実行可能な有効期間を定め、有効期間を、図柄変動(確定)の直後にのみ設定するようにしたので、ミニゲームは待機状態になればいつでもできるのではなく、当否抽選後の所定時間にのみミニゲーム実行可能であるため、従来のようにミニゲームのみを行い弾球遊技をしない客を排除することができる。また、ミニゲームのみを目的とする客を排除できる分、従来よりも内容およびゲーム性の高いミニゲームを実行可能となる。
また特典として、携帯電話等に本パチンコ機に関する画像を提供するようにしたので、遊技者のミニゲームへの関心を高め、もってパチンコ遊技を促進することができる。
【0115】
尚、本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは勿論である。例えば、前記実施形態では、主制御装置80からの待機状態指示コマンドを保留記憶のないときに出力するように構成したがこれに限らず、保留記憶の有無に関わらず出力するようにしても良い。この場合、サブ統合制御装置83が待機状態指示コマンドを受信しても、直ちに主制御装置80から次の特図の図柄変動開始コマンドが送られるので、図柄変動が優先されてミニゲーム移行することはない。
またサブ統合制御装置83によりミニゲームの制御処理行うようにしたが、ミニゲームに関連する制御処理を演出図柄制御装置82で行なっても良い。
【符号の説明】
【0116】
10 遊技盤
22A,22B 始動口
50 パチンコ機(弾球遊技機)
67 演出ボタン
80 主制御装置(図柄コマンド送信手段、待機状態コマンド送信手段)
83 サブ統合制御装置(サブ制御装置、計時手段、ミニゲーム制御手段、特別待機画面表示手段、特典付与手段、通常待機画面表示手段、特典画像付与手段)



【特許請求の範囲】
【請求項1】
始動口への入球に起因して当否抽選が実行され、図柄表示装置に図柄を変動表示した後に確定表示して前記当否抽選の結果を知らしめ、結果が大当りであれば賞球の獲得に有利な特別遊技に移行する弾球遊技機において、
遊技機の前面には遊技者が操作可能な演出ボタンを有し、
遊技の進行を制御する主制御装置には、当否抽選で確定表示せしめる図柄を決定するとともに、図柄表示装置を制御するサブ制御装置へ向けて図柄変動表示および図柄確定表示の各コマンドを送信する図柄コマンド送信手段と、
図柄確定コマンドの送信後に、図柄変動の待機状態を指令する待機状態コマンド送信手段を具備し、
前記サブ制御装置は、図柄変動表示コマンドの受信により図柄表示装置の図柄変動を開始するとともに図柄確定表示コマンドの受信により図柄を確定表示し、
サブ制御装置には、図柄を確定表示した後に、前記待機状態コマンドを受信すると所定の期間の計時を開始する計時手段と、
計時手段の計時中を有効期間として前記演出ボタンが操作されることによりミニゲームを開始するミニゲーム制御手段と、
遊技者の操作によりミニゲームがクリアされると、特典として専用の演出モードへの移行を可能とする特典付与情報を設定するとともに、前記ミニゲームの有効期間を終了して図柄表示装置に特別待機画面を表示せしめる特別待機画面表示手段と、
前記特典付与情報が設定されると所定の期間の計時を開始し、該計時中を有効期間として、有効期間中に所定の遊技条件が達成されると前記特典を付与する特典付与手段と、
前記ミニゲームがクリアされない場合および特典の有効期間が終了した場合に図柄表示装置に通常待機画面を表示せしめる通常待機画面表示手段とを具備することを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載の弾球遊技機において、
前記特典付与手段は、前記特典を付与する有効期間中に図柄変動が開始されたことを前記所定の遊技条件として前記専用の演出モードへ移行することを特徴とする弾球遊技機。
【請求項3】
始動口への入球に起因して当否抽選が実行され、図柄表示装置に図柄を変動表示した後に確定表示して前記当否抽選の結果を知らしめ、結果が大当りであれば賞球の獲得に有利な特別遊技に移行する弾球遊技機において、
遊技機の前面には遊技者が操作可能な演出ボタンを有し、
遊技の進行を制御する主制御装置には、当否抽選で確定表示せしめる図柄を決定するとともに、図柄表示装置を制御するサブ制御装置へ向けて図柄変動表示および図柄確定表示の各コマンドを送信する図柄コマンド送信手段と、
図柄確定コマンドの送信後に、図柄変動の待機状態を指令する待機状態コマンド送信手段を具備し、
前記サブ制御装置は、図柄変動表示コマンドの受信により図柄表示装置の図柄変動を開始するとともに図柄確定表示コマンドの受信により図柄を確定表示し、
サブ制御装置には、図柄を確定表示した後に、前記待機状態コマンドを受信すると所定の期間の計時を開始する計時手段と、
計時手段の計時中を有効期間として、該有効期間中に前記演出ボタンが操作されることによりミニゲームを開始するミニゲーム制御手段と、
遊技者の操作によりミニゲームがクリアされると、特典の付与を可能とする特典付与情報を設定するとともに、前記ミニゲームの有効期間を終了して図柄表示装置に特別待機画面を表示せしめる特別待機画面表示手段と、
前記特典付与情報が設定されると所定の期間の計時を開始し、該計時中を有効期間として、有効期間中に前記特別待機画面上にて特典画像または特典音を出力せしめる特典付与手段と、
前記ミニゲームがクリアされない場合および特典の有効期間が終了した場合に図柄表示装置に通常待機画面を表示せしめる通常待機画面表示手段とを備えたことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項4】
請求項2に記載の弾球遊技機において、
前記特典画像は、2次元コードを含む画像であることを特徴とする弾球遊技機。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の弾球遊技機において、
前記始動口への入球に起因して乱数が抽出され、乱数に基づいて前記当否抽選を行う構成で、かつ始動口への入球毎に前記乱数を保留記憶として記憶するように構成され、
前記待機状態コマンド送信手段は、前記保留記憶が記憶されていない場合に、前記待機情報コマンドを送信することを特徴とする弾球遊技機。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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