説明

弾球遊技機

【課題】遊技機において音声データによるメモリ容量の消費を抑制するとともに、遊技状態の変化にかかわらず個々の音声の役割を十分に発揮させる。
【解決手段】ある態様のぱちんこ遊技機10は、再生時間が定められた複数種類の音声データを記憶する音声データ記憶手段354と、各音声データの再生契機となる再生条件を記憶する再生条件記憶手段356と、再生条件が成立したときにその再生条件に対応する音声データを再生する音声制御手段358と、を備える。音声制御手段358は、予め定める遊技状態にて特定の音声データが再生された場合、その音声データの再生終了まで所定時間を残すようにその再生を一時停止させ、その後、所定の再開タイミングにてその音声データの残余の再生を再開する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は弾球遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種の弾球遊技機のうち、いわゆる第1種ぱちんこ遊技機と呼ばれていた遊技機は、遊技盤の略中央に設けられた液晶ディスプレイなどの表示領域に複数の図柄を変動させながら表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。この遊技機は、複数列の図柄変動を停止させたときの図柄の組合せが特定の態様となった場合に、通常遊技より多くの賞球が得られる、いわゆる大当りと呼ばれる特別遊技へと移行するものとして知られている(例えば、特許文献1参照)。表示領域における図柄の変動表示は、単に複数の図柄が変動表示されるだけでなく、いわゆるリーチ画面と呼ばれる状態のように、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態で変動表示の時間を通常よりも長くする等、遊技者の期待感を高めるための演出が図られている。また、キャラクタ画像や背景画像等を用いて図柄の変動表示にストーリーを持たせる演出や、特別遊技への移行期待度の高さを予告的に示唆する予告演出によっても遊技者の期待感を高めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−230714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような遊技機においては、図柄変動や予告等の演出中にその演出画像に合わせて予め設定された再生タイミングとなること、あるいは特定の操作ボタンが押下されることを契機にBGM(Background music)、セリフ、効果音(「SE(Sound Effects)」ともいう)といった様々な音声が再生される。BGM再生中にSEを発生させる場合、そのSEの種類に応じてBGMの音量を調整することで表示中の演出を盛り上げたり、遊技者の大当りへの期待感を高める手法も汎用されている。
【0005】
このような音声制御を行うにあたり、一般には演出画像に合わせた音声データを個々に用意し、設定された再生タイミングごとにその音声データを読み出して再生するといった処理がなされる。しかしながら、例えば比較的長い一連の映像に対して一連の音声を対応づけ、遊技状態に応じてそれらの中断と再開を繰り返す仕様もあり、そうした事情に合わせて演出の区切りごとに再生時間の異なる音声データを用意するとなると、限られたメモリ容量を圧迫してしまうことになる。また、事後的に演出の区切り位置を変更する必要が生じた場合、個々の音声データを作り直すなど煩雑な作業を伴う可能性がある。一方、遊技状態に応じて音声の中断や音量を下げるなどの必要が生じたとしても、各音声に割り当てられた役割については十分に発揮させる必要がある。
【0006】
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技機において音声データによるメモリ容量の消費を抑制するとともに、遊技状態の変化にかかわらず個々の音声の役割を十分に発揮させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動入賞口と、始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための当否抽選を実行する当否抽選手段と、再生時間が定められた複数種類の音声データを記憶する音声データ記憶手段と、各音声データの再生契機となる再生条件を記憶する再生条件記憶手段と、再生条件が成立したときにその再生条件に対応する音声データを再生する音声制御手段と、を備える。音声制御手段は、予め定める遊技状態にて特定の音声データが再生される場合、その音声データの再生終了まで所定時間を残すようにその再生を一時停止させ、その後、所定の再開タイミングにてその音声データの残余の再生を再開する。
【0008】
なお、以上の構成要素に関する任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体、データ構造などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の弾球遊技機によれば、音声データによるメモリ容量の消費を抑制するとともに、遊技状態の変化にかかわらず個々の音声の役割を十分に発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。
【図2】遊技盤の前面側における構造を示す図である。
【図3】ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す図である。
【図4】本実施例におけるぱちんこ遊技機の機能ブロックを示す図である。
【図5】遊技制御装置の演出制御に関する部分の電気的構成を示すブロック図である。
【図6】当否判定テーブルを模式的に示す図である。
【図7】図柄判定テーブルを模式的に示す図である。
【図8】変動パターンテーブルを模式的に示す図である。
【図9】図8(a)の変動パターンテーブルを詳細に示す図である。
【図10】音声データのチャンネル割り当てを示す図である。
【図11】通常遊技中における音声制御例を示す図である。
【図12】特別遊技中における音声制御例を示す図である。
【図13】ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。
【図14】図13におけるS10の入球処理を詳細に示すフローチャートである。
【図15】図13におけるS14の通常遊技制御処理の全体的な過程を示すフローチャートである。
【図16】図15におけるS20の特別図柄変動処理を詳細に示すフローチャートである。
【図17】図15におけるS22の演出表示制御処理を詳細に示すフローチャートである。
【図18】図15におけるS24の音声制御処理を詳細に示すフローチャートである。
【図19】図13におけるS16の特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。
【図20】図19におけるS97の音声制御処理を詳細に示すフローチャートである。
【図21】図19におけるS100の開放処理を詳細に示すフローチャートである。
【図22】図19におけるS102の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。
【図23】図13におけるS17の小当り遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。
【図24】図23におけるS160の開放処理を詳細に示すフローチャートである。
【図25】図23におけるS162の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、同時に実行されないよう第2の遊技が優先的に実行される。またこれらの遊技性を両立させるために、本実施例のぱちんこ遊技機は、複数の始動入賞口、複数の一般入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプ等を備える。各始動入賞口への入球を契機として当否抽選が実行される。その当否抽選の結果が大当りとなり、特別図柄が所定の大当り態様で停止されると、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行される。
【0012】
また、当否抽選の結果が大当りである期待度(「当り期待度」ともいう)を演出的に示唆するために、装飾図柄の変動演出やその図柄変動に伴わせる予告演出などの表示が行われる。遊技者は、その図柄変動演出や予告演出の種類から当り期待度の高さを認識することができる。図柄変動演出や予告演出は、その表示に合わせてBGMやSE等の様々な音声を伴う。本実施例では、これらの音声データがメモリ容量を過度に圧迫することのないよう、比較的長い一連の音声を演出の進行に合わせて再生・一時停止する手法を採用する。すなわち、一連の音声を個別の音声の組み合わせとして構成するのではなく、一つの音声として構成することでメモリ容量の消費を抑制する。また、一時停止した際の残余の音声を後に効果的に再生することにより、その音声に割り当てられた役割を十分に発揮させる。以下、その音声制御の具体例について説明する。
【0013】
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
【0014】
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。外枠11の左右にはスピーカ18(18L,18R)が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。上球皿15の近傍には、操作ボタン82が設けられている。操作ボタン82は、遊技者が遊技機に対して所定の指示を入力するために操作するボタンである。
【0015】
図2は、遊技盤の前面側における構造を示す。遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出表示装置60、第1始動入賞口62(以下、「第1始動口62」という)、第2始動入賞口63(以下、「第2始動口63」という)、センター飾り64、大入賞口91、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない多数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
【0016】
第1始動口62は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動口63は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動口62および第2始動口63は、遊技球の発射強弱によっていずれかを目標にした打ち分けが可能な程度に互いに離れた位置に設けられる。第1始動口62と第2始動口63は、遊技者の意思にしたがった遊技球の発射強弱によっていずれか一方への入球を狙うことが可能となるよう、それぞれ遊技領域52の左側と右側に離れて設置され、一方を狙った遊技球が他方へ入球しがたい構成となっている。
【0017】
本実施例では、第1始動口62が遊技領域52の下方中央、つまりアウト口58の上方に設けられている。一方、第2始動口63は遊技領域52の下方右寄り、つまりアウト口58の右上方の位置に設けられている。このような配置構成により、第1始動口62は遊技領域52の左側を狙って比較的弱めに発射したときに入球しやすくなり、第2始動口63は遊技領域52の右側を狙って比較的強めに発射したとき、いわゆる「右打ち」をしたときに入球しやすくなる。
【0018】
第1始動口62は、始動入賞検出装置74を備える。始動入賞検出装置74は、第1始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。一方、第2始動口63は、始動入賞検出装置75と、普通電動役物65と、普通電動役物65を開閉させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動入賞検出装置75は、第2始動口63への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。普通電動役物ソレノイド76の駆動力により普通電動役物65が拡開されると、第2始動口63への入球容易性が高まる。
【0019】
第2始動口63は図示するとおり遊技領域52の右寄りの位置に設けられているので、右側を狙って強めに打球した遊技球の多くが少なくとも第2始動口63の近傍に集まり、第2始動口63の入球可能性は高い。これに対して第1始動口62には普通電動役物が設置されておらず、しかも遊技領域52の中央寄りの位置に設けられている。したがって、普通電動役物65が拡開されれば第1始動口62よりも第2始動口63の方が入球可能性が相対的に高くなるような配置または構成の関係となっている。
【0020】
一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。複数の一般入賞口72(本実施例では3つ)に対して共用のセンサが一つ設けられている。
【0021】
大入賞口91は第1の遊技および第2の遊技の共用の大入賞口として設けられる。大入賞口91は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、大入賞口91を開閉させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、大入賞口91への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞情報を生成する。大入賞口91は、後述する第1特別図柄192または第2特別図柄193が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口91はアウト口58の右上方の位置に設けられる。なお、変形例として、第1の遊技と第2の遊技で個別の大入賞口を設ける形でもよい。
【0022】
遊技領域52の略中央に演出表示装置60が設けられている。演出表示装置60の左下方の遊技領域52から外れたスペースには、第1の遊技に対応する第1特別図柄表示装置70と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示装置71とが互いに左右に隣接するように設けられる。第1特別図柄表示装置70には第1の遊技に対応する第1特別図柄192の変動が表示され、第2特別図柄表示装置71には第2の遊技に対応する第2特別図柄193の変動が表示される。第1特別図柄192は、第1始動口62への遊技球の入球を契機として行われる第1の抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第2特別図柄193は、第2始動口63への遊技球の入球を契機として行われる第2の抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71は、例えば7セグメントLEDで構成される表示手段であり、第1特別図柄192および第2特別図柄193はそれぞれ「0」〜「9」の10種類の数字と記号「−」で表される。
【0023】
演出表示装置60の表示領域194には第1特別図柄192に連動する装飾図柄190または第2特別図柄193に連動する装飾図柄190の変動が表示される。演出表示装置60は、例えば液晶ディスプレイである。装飾図柄190は、第1特別図柄192で示される第1の抽選の結果表示または第2特別図柄193で示される第2の抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を表示領域194に表示する。演出表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、機械式のドラムやLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、第1特別図柄192および第2特別図柄193は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。
【0024】
作動口68は、遊技盤50の右側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は第2始動口63の普通電動役物65を拡開させるための開放抽選の契機となる。
【0025】
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当りながらその当り方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72、第1始動口62、第2始動口63、大入賞口91の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
【0026】
遊技球が第1始動口62に入球すると、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192が変動表示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190が変動表示される。遊技球が第2始動口63に入球すると、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193が変動表示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190が変動表示される。第1特別図柄192、第2特別図柄193、装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された変動時間の経過後に停止される。停止時の第1特別図柄192および装飾図柄190が大当り態様であった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口91の開閉動作が開始される。このときスロットマシンのゲームを模した装飾図柄190は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。停止時の第2特別図柄193および装飾図柄190が大当り態様であった場合もまた、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口91の開閉動作が開始される。
【0027】
特別遊技は、大入賞口91が開放される単位遊技が複数回繰り返される遊技であり、単位遊技が15回または8回繰り返されて多くの出玉を獲得できる第1特別遊技と、短い単位遊技が2回だけ繰り返されてほぼ出玉のない第2特別遊技とがある。15回の単位遊技が繰り返される第1特別遊技(以下、適宜「15R大当り」とも称する)や8回の単位遊技が繰り返される第1特別遊技(以下、適宜「8R大当り」とも称する)の場合、大入賞口91は約30秒間開放されたとき、または9球以上の遊技球が落入したときに一旦閉鎖されることで1回の単位遊技が終了する。2回の単位遊技が繰り返される第2特別遊技(以下、適宜「2R大当り」とも称する)の場合、大入賞口91は約0.2秒間開放されたときに一旦閉鎖されることで1回の単位遊技が終了する。
【0028】
停止時の第1特別図柄192および装飾図柄190が所定の小当り態様であった場合、1回の単位遊技で構成される小当り遊技に移行し、大入賞口91の開閉動作が実行される。停止時の第2特別図柄193および装飾図柄190が小当り態様であった場合もまた小当り遊技に移行し、大入賞口91の開閉動作が実行される。小当り遊技を構成する1回の単位遊技においては、大入賞口91が約0.2秒間の開放を2回繰り返すので、外観上は2R大当りと同様の動作態様となる。
【0029】
特別遊技が発生した場合であって抽選などの所定の条件が満たされた場合、特別遊技の終了後に特定遊技として確率変動遊技(以下、「確変」という)や変動時間短縮(以下、「時短」という)が開始される。確変中は、通常の確率状態より大当りの確率が高い抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生する。確変状態は、第1特別図柄192または第2特別図柄193が大当りとなるまで継続される。なお、変形例においては、確変状態が確変開始から第1特別図柄192と第2特別図柄193の変動表示の合計が所定の終了条件回数に達するまで継続されるようにしてもよい。その場合、その終了条件回数所定回数として複数種類の回数のいずれかを抽選により設定するようにしてもよい。ここで、抽選により決定する手法としては、大当りとなる特別図柄の停止態様により決定される等が考えられる。確変は、大当りの発生に伴い必ずその特別遊技の終了後に開始される。時短は、第1特別図柄192と第2特別図柄193の変動表示の合計が所定の終了条件回数に達するまで継続される。本実施例では、終了条件回数として100回が設定されるが、複数種類の回数のいずれかがランダムに設定されるようにしてもよい。時短中は、第1特別図柄192または第2特別図柄193の変動時間が概ね短縮される。時短は、15R大当りまたは8R大当りの場合にだけ特別遊技終了後に開始される。
【0030】
作動口68を遊技球が通過すると、所定時間、普通図柄と呼ばれる図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は第1特別図柄表示装置70の左上方に設けられ、本実施例では二つのランプが交互に点灯と消灯を繰り返す形で普通図柄の変動表示を表現し、どちらのランプが最終的に点灯したまま停止するかによって普通図柄の抽選結果を表す。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が所定の当り態様にて停止すると、第2始動口63の普通電動役物65が所定時間拡開する。このとき、通常状態では例えば1/256程度の低確率にて普通図柄が当り態様で停止し、後述する入球容易状態では例えば250/256程度の高確率にて普通図柄が当り態様で停止する。普通図柄が当り態様で停止すると、普通電動役物65が所定時間拡開される。普通電動役物65の開放時間は、例えば通常状態では0.1秒間であり、入球容易状態では6秒間である。
【0031】
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。遊技効果ランプ90がセンター飾り64の上部に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。第1の遊技に対応する第1特図保留ランプ20は第1特別図柄表示装置70の上方に設けられ、第2の遊技に対応する第2特図保留ランプ21は第2特別図柄表示装置71の上方に設けられ、普通図柄変動に対応する普図保留ランプ22は普通図柄表示装置59の下方に設けられる。第1特図保留ランプ20および第2特図保留ランプ21は、それぞれ2個のランプからなり、それぞれの点灯個数または点滅個数によって第1の遊技および第2の遊技のそれぞれにおける当否抽選値の保留数を表示する。
【0032】
第1特図保留ランプ20における当否抽選値の保留数は、第1特別図柄192の変動中または特別遊技の実行中に第1始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特図保留ランプ21における当否抽選値の保留数は、第2特別図柄193の変動中または特別遊技の実行中に第2始動口63へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。普図保留ランプ22もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。
【0033】
図3は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、とくに第1始動口62、第2始動口63へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。枠制御基板103は、払出ユニット43による遊技球の払出動作や、発射装置46による発射動作を制御する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させる。音声制御基板105は、液晶ユニット42に表示される演出画像に合わせた音声等の出力制御を実行する。メイン基板102、枠制御基板103、サブ基板104および音声制御基板105は、遊技制御装置100を構成する。裏セット機構39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。外部接続端子板47は、遊技制御装置100を外部装置としてのホールコンピュータに接続するための外部接続端子を含む。
【0034】
図4は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、第1始動口62、第2始動口63、大入賞口91、一般入賞口72、作動口68、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90、払出ユニット43のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作や遊技の進行を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御する主制御装置としてのメイン基板102と、払出ユニット43並びに発射装置(不図示)の制御を行う払出制御装置としての枠制御基板103と、図柄の演出等を制御する副制御装置としてのサブ基板104と、音声を制御する音声制御基板105とに機能を分担させた形態で構成される。
【0035】
図5は、遊技制御装置100の演出制御に関する部分の電気的構成を示すブロック図である。遊技制御装置100の各制御基板は、演算処理を実行するCPU、遊技プログラムが格納されたROM、遊技プログラムを実行する上で作業領域として機能するRAM等の素子を含んで構成される。なお、RAMは揮発性の処理RAMであってもよいし、遊技データをバックアップ可能な不揮発性のバックアップRAMであってもよい。すなわち、メイン基板102は、CPU102a、ROM102b、RAM102c、入出力インターフェイス(I/F)102d、通信インターフェイス(I/F)102e等を含むマイクロコンピュータから構成されている。サブ基板104も同様に、CPU104a、ROM104b、RAM104c、通信I/F104d、入出力I/F104e等を含むマイクロコンピュータから構成されている。なお、メイン基板102およびサブ基板104には、抽選用の所定桁数の乱数値を発生させるための図示しない乱数発生回路が搭載されている。
【0036】
音声制御基板105は、音声制御IC105a、音声データROM105b、入出力I/F105e等を含むマイクロコンピュータのほか、音声制御IC105aにより出力された音声信号を増幅するアンプ105f、音声のボリュームを調整するためのボリューム105gを有する。音声制御IC105aは、各種音声データが割り当てられた複数のチャンネルを有し、遊技状態に応じていずれかのチャンネルの音声データを再生した音声信号を出力する。この音声信号はアンプ105fにて増幅され、スピーカ18(左スピーカ18L,右スピーカ18R)から出力される。本実施例では、遊技盤50の背部にボリューム105gが配置され、ホール担当者のみが操作可能とされている。ホール担当者は、ボリューム105gを操作することにより、アンプ105fによる増幅率を適正に調整することができる。
【0037】
本実施例では、メイン基板102とサブ基板104の間におけるデータの送受信はメイン基板102からサブ基板104への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板102とサブ基板104に配置される。このようにメイン基板102からサブ基板104へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板104に含まれる構成からメイン基板102に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板102で生成された情報は、メイン基板102がサブ基板104へ一方的に送信しない限りサブ基板104から参照することはできない。なお、本実施例において、メイン基板102と枠制御基板103との間は双方向通信により構成されている。サブ基板104と音声制御基板105との間はサブ基板104から音声制御基板105への一方向通信により構成されている。
【0038】
図4に戻り、メイン基板102は、入球判定手段110、第1抽選手段126、第2抽選手段128、普図抽選手段129、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124、条件保持手段176、小当り遊技制御手段330を備える。本実施例における枠制御基板103は、払出ユニット制御手段350、発射制御手段352とを備える。払出ユニット制御手段350は、払出ユニット43による遊技球の払出動作を制御する。発射制御手段352は、発射装置46による発射動作を制御する。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、演出決定手段132、演出表示制御手段134、を備える。音声制御基板105は、音声データ記憶手段354、再生条件記憶手段356、音声制御手段358を備える。
【0039】
なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックのいずれかがメイン基板102ではなく枠制御基板103、サブ基板104または音声制御基板105に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックのいずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102、枠制御基板103または音声制御基板105に搭載されるかたちで構成されてもよい。また、枠制御基板103に含まれる各機能ブロックのいずれかがメイン基板102、サブ基板104または音声制御基板105に搭載されるかたちで構成されてもよい。さらに、音声制御基板105に含まれる各機能ブロックのいずれかがメイン基板102、サブ基板104または枠制御基板103に搭載されるかたちで構成されてもよい。
【0040】
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動口62に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動口63に入賞したと判断する。入球判定手段110は、大入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口91に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。入球判定手段110は、各入賞情報に応じた規定賞球数の情報を賞球個数データとして記憶するとともに、賞球個数データとして未払出賞球が残っている場合に単位個数の賞球情報を枠制御基板103に送信する。
【0041】
払出ユニット制御手段350は、受信した払出数情報に応じて払出ユニット43を駆動制御する。そして、払出ユニット制御手段350は、払出が完了したことに基づいて払出完了情報を入球判定手段110へ送信する。入球判定手段110は、払出完了情報を受信するごとに当該賞球処理が完了したと判断し、賞球個数データの更新を行う。ここで、入球判定手段110は、賞球個数データとして払出ユニット制御手段350に送信していない賞球情報があれば、次回の賞球情報を払出ユニット制御手段350に送信する。なお、本実施例では、賞球個数データとして各入賞口の払出単位数(例えば3個、10個、15個等)に応じた格納領域を設け、入賞判定毎に対応する賞球データを加算更新し、払出完了情報を受信する毎に該当する賞球データを減算更新しているが、賞球個数データを個数として一括管理し、所定上限単位数(例えば15球)または、それ以下の記憶数分を払い出すように賞球情報を送信してもよい。また、賞球データの減算更新は払出ユニット制御手段350に賞球情報を送信し、当該賞球情報が適切に受信されたことを示す情報が送信されたタイミングで行ってもよい。
【0042】
第1始動口62への入球に対応する第1の抽選を実行する第1抽選手段126は、第1抽選値取得手段112、第1当否判定手段113、第1パターン決定手段114、第1図柄決定手段320を含む。第2始動口63への入球に対応する第2の抽選を実行する第2抽選手段128は、第2抽選値取得手段115、第2当否判定手段117、第2パターン決定手段119、第2図柄決定手段322を含む。第1の抽選の結果は、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190の変動表示の形で示される。第2の抽選の結果は、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190の変動表示の形で示される。
【0043】
第1抽選手段126および第2抽選手段128は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の結果を図柄変動の制御コマンドとともに演出決定手段132へ送信する。
【0044】
第1抽選値取得手段112は、第1始動口62への入球を契機に、第1の抽選のために乱数の値を第1当否抽選値として取得する。第2抽選値取得手段115は、第2始動口63への入球を契機に、第2の抽選のために乱数の値を第2当否抽選値として取得する。例えば、当否抽選のために第1当否抽選値および第2当否抽選値として取得する値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。第1抽選値取得手段112および第2抽選値取得手段115が第1当否抽選値または第2当否抽選値として取得する値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない範囲で第1当否抽選値と第2当否抽選値が保留される。
【0045】
第1当否判定手段113は、第1当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。第2当否判定手段117は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、当否判定で参照する当否判定テーブルを保持する。
【0046】
図6は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。第1当否判定手段113による第1の抽選と第2当否判定手段117による第2の抽選のいずれにおいても、通常時には当否抽選値が0〜299の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜299の範囲に該当する場合だけでなく、300〜2999の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよいし、第1の抽選用と第2の抽選用とで別個に用意してもよい。
【0047】
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。本図の例では、第1当否判定手段113が取得する当否抽選値が56500〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなり、第2当否判定手段117が取得する当否抽選値が64000〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。すなわち、第2の抽選よりも第1の抽選の方が小当りに該当する範囲が広く、小当りが発生しやすい。このように、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。
【0048】
図4に戻り、第1図柄決定手段320および第2図柄決定手段322は、別途取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定する。第1図柄決定手段320および第2図柄決定手段322は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルを保持する。第1図柄決定手段320および第2図柄決定手段322は、当否判定結果に応じて異なる図柄判定テーブルを参照する。
【0049】
図7は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図7(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図7(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、図7(c)は当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。第1図柄決定手段320および第2図柄決定手段322は、図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、「0」〜「9」の数字および文字以外の記号「−」で表される特別図柄と第1図柄抽選値または第2図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、外れの当否判定結果と対応付けられており、奇数の数字が大当りに対応し、偶数の数字が小当りに対応し、記号「−」が外れに対応する。
【0050】
図7(a)に示す通り、特別図柄「0」〜「9」のうち奇数の数字である特別図柄「1」「3」「5」「7」「9」が大当りに対応付けられている。そのうち、特別図柄「7」は15R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「0〜99」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「0〜149」に対応付けられる。特別図柄「3」は2R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「100〜149」に対応付けられるが、第2図柄抽選値の場合には対応付けられていない。特別図柄「1」「5」「9」は8R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「150〜189」に特別図柄「1」が対応付けられ、「190〜229」に特別図柄「5」が対応付けられ、「230〜255」に特別図柄「9」が対応付けられる。このように、第2図柄抽選値は2R大当りを示す特別図柄「3」と対応付けられていないため、第2始動口63に入球させる限りは2R大当りは発生しない。
【0051】
図7(b)に示す通り、記号「−」は全範囲である図柄抽選値の範囲「0〜255」に対応付けられる。
【0052】
図7(c)に示す通り、特別図柄「0」〜「9」のうち偶数の数字である特別図柄「0」「2」「4」「6」「8」が小当りに対応付けられている。特別図柄「0」は図柄抽選値の範囲「0〜49」に対応付けられ、特別図柄「2」は図柄抽選値の範囲「50〜99」に対応付けられ、特別図柄「4」は図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられ、特別図柄「6」は図柄抽選値の範囲「150〜199」に対応付けられ、特別図柄「8」は図柄抽選値の範囲「200〜255」に対応付けられる。
【0053】
図4に戻り、第1パターン決定手段114は、第1特別図柄表示装置70および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第1パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第2パターン決定手段119は、第2特別図柄表示装置71および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第2パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、それぞれ図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、変動パターンを決定するために参照する変動パターン選択基準として複数の変動パターンテーブルをそれぞれ保持または共有する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。複数の変動パターンテーブルは、変動パターンと抽選値との対応関係としてそれぞれ変動時間の選択傾向が異なるように定められている。
【0054】
図8は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、変動パターン判定において本図の変動パターンテーブルを参照する。第1パターン決定手段114または第2パターン決定手段119は、当否判定結果が外れのときは図8(a)に示される外れ用の変動パターンを参照する。当否判定結果が15R大当りまたは8R大当りのときは図8(b)に示される15R大当りおよび8R大当り用の変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が2R大当りまたは小当りのときは図8(c)に示される2R大当りおよび小当り用の変動パターンテーブルを参照する。
【0055】
図8(a)においては、パターン抽選値0〜10には「スーパー1」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値11〜20には「スーパー2」というスーパーリーチが対応付けられている。パターン抽選値21〜255には「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし」のいずれかの変動パターンが対応付けられている。このように、当否判定結果が外れの場合、スーパーリーチ、ノーマルリーチ、リーチなしのいずれも選択される可能性がある。なお、図8(a)の変動パターンテーブルは、厳密には保留数ごとに参照すべき欄が異なるように規定されるが、その詳細は後述する図9において説明する。
【0056】
図8(b)においては、パターン抽選値0〜120には「スーパー1」のスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値121〜240には「スーパー2」のスーパーリーチが対応付けられている。パターン抽選値241〜250には「ノーマル1」のリーチが対応付けられ、パターン抽選値251〜255には「ノーマル2」のリーチが対応付けられている。
【0057】
図8(c)においては、パターン抽選値0〜122には「スーパー3」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値123〜255には「ノーマル3」というノーマルリーチが対応付けられている。このように当否判定結果が2R大当りまたは小当りの場合は「スーパー3」または「ノーマル3」がそれぞれ約50%の確率で選択される。
【0058】
図9は、図8(a)の変動パターンテーブルを詳細に示す図である。本図の変動パターンテーブル210においては、保留数ごとにそれぞれ変動パターンに対応付けられたパターン抽選値の範囲が異なる。具体的には、保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンに割り当てられたパターン抽選値の範囲が広くされており、それら変動時間の長い変動パターンが選択される確率を高めている。そのため、第1保留手段144または第2保留手段146による保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなる。したがって、第1保留手段144または第2保留手段146による保留数が所定数、例えば1〜2個より少なくなった場合に、変動時間の長い変動パターンの選択確率が通常より高くなり、変動時間が比較的長くなりやすい。
【0059】
第1欄212には、第1保留手段144による第1の抽選の結果保留数または第2保留手段146による第2の抽選の結果保留数が1の場合のパターン抽選値範囲と変動パターンとの対応関係が示される。同様に、第2欄214、第3欄216、第4欄218に、第1保留手段144による第1の抽選の結果保留数または第2保留手段146による第2の抽選の結果保留数がそれぞれ2、3、4の場合のパターン抽選値範囲と変動パターンとの対応関係が示される。すなわち、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218が保留数ごとの変動パターンテーブルを示すと考えることができる。本図では、外れのときに選択され得る複数の変動パターンを変動時間別に5種類に分類した例を説明するが、実際にはそれらの分類ごとに複数の変動演出パターンが用意されており、全体で数十種類の変動演出パターンがそれぞれの分類ごとの抽選値範囲に対応付けられていることに等しい。
【0060】
第1範囲222には、抽選値が0から10までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218のいずれにも「スーパー1」というスーパーリーチの変動パターンが対応付けられる。第2範囲224には、抽選値が11から20までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218のいずれにも「スーパー2」というスーパーリーチの変動パターンが対応付けられる。このように、抽選値が0から10までのパターン抽選値と抽選値が11から20までのパターン抽選値の場合には、保留数にかかわらず同じ変動時間の変動パターンが選択される。
【0061】
第3範囲226には、抽選値が21から255までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218にはそれぞれノーマルリーチである「ノーマル1」「ノーマル2」と「リーチなし」の3種類の変動パターンが対応付けられる。ただし、それぞれの変動パターンが対応付けられるパターン抽選値の範囲は保留数によって異なる。第1欄212では、「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし」のそれぞれが対応付けられる抽選値範囲の大きさがそれぞれほぼ等しく、21から255をほぼ3等分した範囲が対応付けられている。これに対し、第2欄214では、「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさが「リーチなし」に対応付けられる抽選値範囲よりやや小さい。また、第3欄216では「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさがさらに小さくなり、第4欄218にて「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさはまたさらに小さくなっている。
【0062】
「ノーマル1」「ノーマル2」の変動時間は「リーチなし」の変動時間より長くてもよく、また「リーチなし」のときは時短状態のように変動時間が短縮される場合もあるため、上記の第3範囲226の設定内容に応じて平均的な変動時間が異なることとなる。保留数が1から2、3、4と多くなるにつれて「ノーマル1」および「ノーマル2」のパターン抽選値範囲は小さくなり、逆に「リーチなし外れ」のパターン抽選値範囲が大きくなる。したがって、保留数が多いほど平均的な変動時間は短くなり、逆に保留数が少ないほど平均的な変動時間は長くなる。このように保留数ごとにパターン抽選値範囲と変動パターンの対応関係が異なる変動パターンテーブルを用いることにより、保留数が少なくなったときに変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなる制御を実現することができる。
【0063】
図4に戻り、普図抽選手段129は、作動口68を遊技球が通過したときに抽選値(「普図抽選値」ともいう)を取得することにより抽選を実行する。普図抽選手段129による抽選の結果は、普通図柄表示装置59において普通図柄の形で変動表示される。普図抽選手段129は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄判定テーブルを保持する。その図柄判定テーブルには抽選値と普通図柄の対応関係が定められており、普図抽選手段129は普通図柄の停止図柄を図柄判定テーブルを参照して決定する。決定された停止図柄が所定の図柄となった場合に普通図柄が当りに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄の変動表示が停止された後に開閉制御手段124が第2始動口63の普通電動役物65を所定時間拡開する。普通図柄の抽選値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
【0064】
保留制御手段116は、第1保留手段144、第2保留手段146、普図保留手段147を含む。第1保留手段144は、新たに第1の抽選が実行されるときにそれ以前の抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな第1の抽選の結果をその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。本実施例では第1の抽選の結果として4個を上限として当否抽選値を保持する。第2保留手段146は、新たに第2の抽選が実行されるときにそれ以前の抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな第2の抽選の結果をその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。本実施例では第2の抽選の結果として4個を上限として当否抽選値を保持する。普図保留手段147は、普図抽選手段129により取得された普図抽選値を保留球として保持する。これらの保留数がそれぞれ第1特図保留ランプ20、第2特図保留ランプ21、普図保留ランプ22の点灯数または点滅数により表される。第1保留手段144および第2保留手段146による保留の数は表示領域194にも表示される。
【0065】
第2保留手段146に保留された抽選値は第1保留手段144に保留された抽選値より優先的に消化されて図柄変動が表示される。そのため、第1保留手段144に大当りの抽選値が保留されていても第2保留手段146に保留がある限りは第1保留手段144の大当り抽選値に対応する図柄変動は表示されない。したがって、第1保留手段144に大当りの保留があっても、さらに第2保留手段146へ大当りの保留が入るまで打ち続けることで、複数回の連続的な大当りを獲得できる可能性がある。
【0066】
メイン表示制御手段118は、第1特図制御手段148、第2特図制御手段150、普図制御手段153を含む。第1特図制御手段148は、第1抽選手段126による第1の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄192の変動を第1特別図柄表示装置70に表示させる。第1特図制御手段148は、それ以前になされた第1の抽選または第2の抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。第2特図制御手段150は、第2抽選手段128による第2の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄193の変動を第2特別図柄表示装置71に表示させる。第2特図制御手段150もまた、それ以前になされた第1の抽選または第2の抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
【0067】
第1特図制御手段148は、第2保留手段146により第2の抽選の結果が保留されている場合は第1の抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。一方、第2特図制御手段150は、第1保留手段144により第1の抽選の結果が保留されているか否かにかかわらず第2の抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1保留手段144と第2保留手段146の双方によって抽選値が保留されていた場合、第2保留手段146によって保留された抽選値が優先的に読み出されて図柄変動が表示される。そのような場合、第2保留手段146の保留数が0になるまでは第1保留手段144に保留された抽選値は読み出されずその図柄変動も開始しない。
【0068】
第1特図制御手段148および第2特図制御手段150は、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1の抽選と第2の抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。これにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段153は、普図抽選手段129による抽選の結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置59に表示させる。
【0069】
条件保持手段176は、大入賞口の開放を伴う単位遊技を複数回含む特別遊技へ移行するための条件として特別遊技作動条件を保持する。特別遊技作動条件は、第1の抽選または第2の抽選で特別遊技へ移行する旨を示す結果となり、その抽選に対応する図柄変動が停止したことを条件の内容とする。
【0070】
特別遊技制御手段120は、第1抽選手段126による第1の抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄192が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口91を開放させることにより特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段120は、第2抽選手段128による第2の抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄193が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口91を開放させることにより特別遊技を実行する。特別遊技は、大入賞口91の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした複数回の単位遊技で構成される。
【0071】
特別遊技には、相対的に出玉の多くなる態様で大入賞口91を開閉させる第1特別遊技と、相対的に出玉の少なくなる態様で大入賞口91を開閉させる第2特別遊技と、が含まれる。第1特別遊技には、単位遊技を15回繰り返す15R大当りと、単位遊技を8回繰り返す8R大当りと、が含まれる。第2特別遊技は、短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当りである。15R大当りおよび8R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口91を原則として約30秒間開放させる。特別遊技制御手段120は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。
【0072】
小当り遊技制御手段330は、第1抽選手段126による第1の抽選が小当り遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄192が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口91を開放させることにより小当り遊技を実行する。同様に、小当り遊技制御手段330は、第2抽選手段128による第2の抽選が小当り遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄193が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口91を開放させることにより小当り遊技を実行する。小当り遊技は、大入賞口91の開閉動作を複数回行う遊技であり、2回の開閉を単位とした1回の単位遊技で構成される。小当り遊技においては、大入賞口91を2R大当りと同様に短時間だけ開放させる。小当り遊技制御手段330は、単位遊技を1回実行した後に小当り遊技を終了させる。
【0073】
特定遊技実行手段122は、遊技状態を通常状態から特定遊技状態へ移行させる制御と、特定遊技状態から通常状態へ戻す制御を実行する。本実施例における特定遊技には、当否抽選の当選確率を通常確率の状態から高確率の状態へ切り替える確変と、図柄変動時間を通常時間より短時間へ切り替える時短とがある。特定遊技実行手段122は、当否抽選値が確変状態へ移行すべき値であった場合に、特別遊技後の遊技状態を確変状態へ移行させる。確変状態は原則として次の大当りが発生するまで続行される。また、特定遊技実行手段122は、当否抽選値の如何に関わらず、特別遊技後に遊技状態を時短の状態へ移行させる。時短は、特別遊技後の特別図柄の変動回数(第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示回数の合計)が特別遊技の終了時点から数えて所定の継続回数(本実施例では100回)に至るまで継続される。
【0074】
第1特別図柄192および第2特別図柄193の時短中は、特定遊技の一つである入球容易状態が実施される。入球容易状態は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、普通電動役物65の開放延長が実施されることにより第2始動口63への入球容易性が高められる状態である。普通図柄の時短は、普通図柄の変動時間が通常状態より短縮される状態である。開放抽選の確率変動は、開放抽選の当り確率を通常状態より高める状態である。普通電動役物65の開放延長は、普通電動役物65の開放時間を通常状態よりも長くする状態である。
【0075】
このように、入球容易状態においては、一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常状態よりも増加する可能性が高まる上、第2始動口63への入球容易性も増すため、第2始動口63への入球数が増加する可能性も高い。したがって、第1特別図柄192、第2特別図柄193の時短および入球容易状態により、その期間中は第2始動口63への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさずに遊技し続けることが可能となる。また、時短中は第1始動口62より第2始動口63への入球容易性が高くなるため、遊技者はいわゆる右打ちをするために第2始動口63への入球を狙った強度にて遊技球を発射することとなる。
【0076】
なお、本実施例における入球容易状態は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、普通電動役物65の開放延長という3つの機能を用いて第2始動口63への入球容易性を高める。ただし、変形例としては、これら3つの機能のうち、1つまたは2つの機能を用いて第2始動口63への入球容易性を高める構成としてもよい。このように3つの機能のうち一部だけを用いても第2始動口63への入球容易性を高めることは可能である。また、3つの機能のうち少なくともいずれかを、実施する期間と実施しない期間とで遊技状態に応じて切り替える構成としてもよい。
【0077】
開閉制御手段124は、第2始動口63の普通電動役物65や大入賞口91の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、第2始動口63の普通電動役物65を開放させる。開閉制御手段124は、特別遊技において、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、大入賞口91を開放させる。
【0078】
パターン記憶手段130は、装飾図柄190の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄190の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。演出決定手段132は、第1抽選手段126から受け取る第1の抽選の結果または第2抽選手段128から受け取る第2の抽選の結果に応じて、演出表示制御手段134によって演出表示装置60へ表示させる演出内容を決定する。演出決定手段132は、第1パターン決定手段114または第2パターン決定手段119により決定された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンデータの中からいずれかを選択してパターン記憶手段130から読み出す。演出決定手段132は、変動演出パターンを選択するために参照すべきパターンテーブルを保持する。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
【0079】
演出決定手段132は、装飾図柄190の停止図柄の組合せを第1抽選手段126または第2抽選手段128が決定する特別図柄の停止図柄や変動パターンに基づいて決定する。すなわち、演出決定手段132は、装飾図柄190の停止図柄の組合せとその配置を、第1抽選手段126や第2抽選手段128による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
【0080】
装飾図柄190の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば第1抽選手段126または第2抽選手段128による当否判定結果が15R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、装飾図柄190として揃える数字には、第1特別図柄192や第2特別図柄193と同じ数字が選ばれるのが好ましい。例えば、第1特別図柄192または第2特別図柄193が「7」の場合は装飾図柄190が「777」となる。あるいは、3つの図柄の少なくとも一つに当りであることを示す特定の図柄が含まれる図柄の組み合わせによっても、その大当りを示すようにしてもよい。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が15R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。演出決定手段132は、装飾図柄190の停止図柄組合せと装飾図柄の変動演出パターンデータを演出表示制御手段134へ送る。
【0081】
装飾図柄の変動演出パターンデータには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの変動過程と演出過程が定義される。変動演出パターンには、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経てから当り態様または外れ態様である停止図柄組合せを表示するリーチパターンと、リーチ状態を経ずに外れ態様である停止図柄組合せを表示するリーチなしパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動演出パターンを選択する。
【0082】
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。本実施例では、特定のコメント文字列を画面に表示させるコメント予告演出、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるキャラクタ予告演出、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出、所定の役物を動作させる役物予告演出などが含まれる。
【0083】
予告演出パターンには、装飾図柄190の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターン、装飾図柄190が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターンなどが含まれる。演出決定手段132は、装飾図柄190の変動演出とともに表示させるべき予告演出パターンを決定する。
【0084】
演出決定手段132は、当否抽選の結果や決定された変動パターンに応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定するとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段132は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選の結果が大当りの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。
【0085】
演出表示制御手段134は、第1演出制御手段168および第2演出制御手段170を含む。第1演出制御手段168および第2演出制御手段170は、第1抽選手段126による第1の抽選の結果または第2抽選手段128による第2の抽選の結果を、選択された変動演出パターンデータにしたがって装飾図柄190として演出表示装置60の表示領域194に変動表示させる。第1演出制御手段168および第2演出制御手段170は、それ以前の第1の抽選または第2の抽選に対応する装飾図柄190の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
【0086】
第1演出制御手段168は、第2保留手段146により第2の抽選の結果が保留されている場合は第1の抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。第2演出制御手段170は、第1保留手段144により第1の抽選の結果が保留されているか否かにかかわらず第2の抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1保留手段144と第2保留手段146の双方によって抽選値が保留されていた場合は第2保留手段146により保留された抽選値が優先的に読み出されて装飾図柄の変動が表示される。そのような場合、第2保留手段146の保留数が0になるまでは第1保留手段144に保留された抽選値は読み出されずその装飾図柄の変動も開始しない。このように演出表示制御手段134は、装飾図柄190の変動表示を含む図柄変動演出を演出表示装置60に表示させる。
【0087】
演出表示制御手段134は、また、予告演出を表示させる旨が演出決定手段132により決定された場合、演出決定手段132により選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を図柄変動の演出に重畳させる形で演出表示装置60の表示領域194に表示させる。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯などの演出表示処理をさらに制御する。
【0088】
音声データ記憶手段354は、遊技状態に応じて再生される様々な音声データを記憶する。各音声データは予め定められた再生時間を有する。再生条件記憶手段356は、音声データごとに再生契機となる「再生条件」を保持する。音声データは、装飾図柄190の変動表示と同期して再生されるされるものもあれば、例えば操作ボタン82の押下を契機として再生されるものもある。例えば、ある演出パターンによる変動表示が開始されてから10秒後を再生条件とする音声データは、この演出パターンによる演出表示過程と同期して再生される音声データであるといえる。本実施例におけるぱちんこ遊技機10の場合、複数種類の音声データが様々な組合せにて同時再生される可能性がある。
【0089】
音声制御手段358は、再生条件の成否を適宜判定し、再生条件の成立した音声データをスピーカ18から再生する。音声制御手段358は、演出パターンに同期する音声データについては、その再生が決定されたときにその音声制御パターンを決定し、その音声制御パターンにしたがった音声出力を実行する。音声制御手段358は、2以上の音声データが同時再生されるときに、その双方または一方の音声データの音量を調整したりする。
【0090】
次に、本実施例の特徴的構成および動作について説明する。本実施例では、演出画像に合わせた音声制御を遊技状態の変化にかかわらず遊技者に違和感なく実行するとともに、その音声制御を簡易かつ低コストに実現する。具体的には、音声データの容量を抑えるために一連の音声の再生に際し、一時停止と再生再開とを適正なタイミングで行うように設定する。以下、その詳細について説明する。
【0091】
図10は、音声データのチャンネル割り当てを示す図である。既に述べたように、音声制御IC105aは、音声出力用の複数のチャンネル(本実施例では10チャンネル:ch0〜ch9)を保持する。各チャンネルには音声データが予め割り当てられており、音声制御IC105aが指定したチャンネルから音声信号が出力される。その際、単一のチャンネルを指定することで1種類の音声を出力することができ、また、複数のチャンネルを同時に指定することで複数種の音声を重畳的に出力することもできる。
【0092】
図示の例では、チャンネル0,1にはステレオ出力されるBGMaが割り当てられている。チャンネル0のBGMaLは左スピーカ18Lから出力され、チャンネル1のBGMaRは右スピーカ18Rから出力される。チャンネル2,3にはステレオ出力されるBGMbが割り当てられている。チャンネル2のBGMbLは左スピーカ18Lから出力され、チャンネル3のBGMbRは右スピーカ18Rから出力される。また、チャンネル4〜7には特定の予告演出の表示過程でステレオ出力されるSEやモノラル出力されるSEが割り当てられている。すなわち、チャンネル4,5には予告Aの表示過程でステレオ出力されるSEaが割り当てられている。チャンネル4のSEaLは左スピーカ18Lから出力され、チャンネル5のSEaRは右スピーカ18Rから出力される。チャンネル6には予告Bに合わせてモノラル出力されるSEbが割り当てられ、チャンネル7には予告C(図示しない役物予告)に合わせてモノラル出力されるSEcが割り当てられている。これらチャンネル6のSEbやチャンネル7のSEcは左スピーカ18Lおよび右スピーカ18Rの双方から出力される。さらに、チャンネル8には予告Dに合わせて出力されるボイス(セリフ)が割り当てられている。チャンネル9には、ぱちんこ遊技機10に所定のエラーが発生したと判定されたときに出力されるエラー報知音が割り当てられている。各チャンネルの音声にはそれぞれ優先度が設定されており、同時に出力指令があった場合には、優先度の低い方の音声を消音するか、少なくとも優先度の高い方の音声の音量が大きくなるよう規定される。図示の例では、エラー報知音の優先度が最も高く設定されており、エラーの発生をホール担当者に速やかに通知できるようにされている。
【0093】
各音声データにはその再生条件が設定されている。図示のように、BGMa,BGMbについては通常変動演出、ノーマルリーチを伴うリーチ変動演出、スーパーリーチへ発展するリーチ変動演出、あるいは大当り中の大当り演出の各演出パターンが選択されることが再生条件の一つとされている。SEaについては予告Aの予告演出パターンが選択されることが再生条件の一つとされ、SEbについては予告Bの予告演出パターンが選択されることが再生条件の一つとされている。SEcについては予告Cの予告演出パターンが選択されることが再生条件の一つとされ、ボイスについては予告Dの予告演出パターンが選択されることが再生条件の一つとされている。さらに、エラー報知音についてはエラーの発生が再生条件の一つとされている。なお、同図には音声設定の一例が示されているが、さらにチャンネルを設けるなどしてより多くの音声を割り当てるようにしてもよい。
【0094】
図11は、通常遊技中における音声制御例を示す図である。(a)は本実施例においてリーチなしの変動パターンが選択され、1種類のBGMが出力される場合を例示している。(b)は本実施例においてリーチパターンが選択され、2種類のBGMが出力される場合を例示している。(c)は比較例においてリーチパターンが選択され、2種類のBGMが出力される場合を例示している。各図の縦軸は上段から装飾図柄190の図柄変動状態、音声出力状態を示し、横軸は時間の経過を示している。なお、音声出力状態は音声信号の大きさを示し、実線は音声再生部分を示し、破線は音声停止部分を示している。
【0095】
図11(a)は、例えば変動パターンとして「リーチなし」が選択され、図柄変動演出に対応するBGMaが選択される場合を例示している。BGMaは再生時間Taを有している。BGMaは、時刻t1にて図柄変動が開始されるとともに再生が開始され、時刻t2にて図柄変動が停止されるとともに再生が終了されている。
【0096】
図11(b)は、「ノーマルリーチ」が選択され、BGMaおよびBGMbが選択される場合を例示している。図示の例では、図柄変動が開始されるとともにBGMaの再生が開始され、その図柄変動がリーチに発展するとともにBGMbが割り込むように出力されている。本実施例においてはBGMaよりもBGMbのほうが優先度が高く設定されているため、時刻t3から時刻t4にかけてBGMbがフェードインされるとともにBGMaがフェードアウトされる。そして、BGMbの再生が終了に近づくと、時刻t5から時刻t6にかけてBGMbがフェードアウトされるとともにBGMaがフェードインされる。すなわち、図柄変動の終盤にはBGMaの再生が再開され、時刻t7にて図柄変動が停止されるとともにそのBGMaの再生が終了されている。本実施例では、このような遊技状態で音声制御を行うに際して遊技者に違和感を与えない工夫をしている。なお、本実施例において、BGMaが「第1の音声データ」に対応し、BGMbが「第2の音声データ」に対応する。
【0097】
すなわち、BGMaの再生中にBGMbの再生が開始される場合、BGMaの再生終了まで設定時間Ta2を残すようにしてその再生を一時停止する。つまり、BGMaを時間Ta1再生したときに一時停止するようフェードアウトのタイミングを設定し、図柄変動が停止される時刻t7にBGMaの再生が終了するようBGMaのフェードインのタイミングを設定する。これにより、途中に一時停止の期間Tが設けられるものの、BGMaについてその再生時間Ta(=Ta1+Ta2)が確保されるとともに、図柄変動演出の終了タイミングとBGMaの終了タイミングとを合わせることができる。その結果、演出表示と音声出力の内容が整合し、遊技者に違和感を与えることなく図柄変動演出を完了させることができる。なお、図示の例では、BGMaについてフェードアウトにより音量がゼロとなるタイミングでその再生を一時停止するように設定しているが、音量がゼロとなっても無音のままBGMaの再生を継続し、一時停止タイミングの時間調整をしてもよい。
【0098】
図11(c)は、本実施例のようなBGMaの一時停止を行わない場合を例示している。この場合、BGMbの再生開始によりBGMaがフェードアウトされるものの、そのまま再生が継続される。BGMaは無音のまま再生が継続され、BGMbの再生中に終了を迎えるようになる。その結果、BGMbの再生が終了する時刻t6から図柄変動が停止される時刻t7にかけて無音状態となり、その音声の空白期間が遊技者に違和感を与える可能性が高くなる。言い換えれば、図11(b)に示す本実施例の手法により、そうした弊害を回避することが可能となっている。
【0099】
図12は、特別遊技中における音声制御例を示す図である。同図には、その上段から装飾図柄190の図柄変動状態、大入賞口91の開閉状態、BGMの出力状態、SEの出力状態が、それぞれ示されている。横軸は時間の経過を示している。なお、音声出力状態は音声信号の大きさを示し、実線は音声再生部分を示し、破線は音声停止部分を示している。
【0100】
本実施例においては、15R特別遊技中の大当り演出として、複数のラウンド(単位遊技)にわたって連続的にBGMbが出力される。すなわち、BGMbは、15ラウンドにわたって出力される一連の音声である。一方、各ラウンドにおいてはSEbがBGMbに重畳されるように出力される。このSEbは、第1ラウンドのSEb1,第2ラウンドのSEb2,・・・,第15ラウンドのSEb15といったように、各ラウンドに区分されたSEb1〜SEb15の結合体として構成される。すなわち、SEb1〜SEb15は、一連の音声であるSEbを区分した部分音声となっている。言い換えれば、仮にSEb1〜SEb15を連続再生した場合には、一連の音声と認識されるものとなっている。
ところで、15R特別遊技においては、1ラウンドあたりに大入賞口91が1回開放され、ラウンド間で大入賞口91が閉鎖状態にあるインターバル時間(本実施例では1秒)が設けられる。既に述べたように、大入賞口91が30秒間開放されたとき、または大入賞口91に9球以上の遊技球が落入したときに単位遊技は終了する。このため、仮に全ての単位遊技において大入賞口91に9球以上の入球がなければ、各単位遊技の期間は30秒で一定となるが、大入賞口91に9球以上入球することでいずれかの単位遊技が30秒未満で終了する場合もある。
そこで本実施例では、SEbの各ラウンドでの再生時間(つまり、SEb1〜SEb15のそれぞれの再生時間)を、入球数による終了条件(例えば9球入球)が満たされるまでに最低限必要と想定される基準時間以下に設定し、かつ各ラウンドのSEbが演出上まとまりのある音声となるようにしている。この「基準時間」は実験等により設定することができる。例えば9球の入球について少なくとも20秒は必要になるといった場合、BGMeの各ラウンドでの再生時間を20秒以下の設定時間とする。このような構成により、大当り演出の進行に合わせてSEbの全体が違和感なく出力されることを確保している。
【0101】
図示の例では、時刻t1にて15R大当りとなったため、それを示す図柄変動後の時刻t2に15R特別遊技が開始されている。そして、その大当り演出の開始とともにBGMbの再生が開始されている。SEbの再生は各ラウンドの開始とともに開始され、各ラウンドにおいて予め設定された再生位置(再生区分)まで再生されると一時停止される。すなわち、SEbは全ラウンドにわたって間欠的に出力されるが、次のラウンドにおいては先のラウンドで停止された再生位置からその再生が再開される。つまり、一時停止と再生再開が繰り返されるが、各ラウンドごとにまとまりのある音声として区分されている。このような設定により、一連の長い音声が区切られて断続的に出力されるものの、遊技者に違和感を与えることなくその全てが再生されるようになっている。
【0102】
図13は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が第1始動口62、第2始動口63、一般入賞口72、大入賞口91などへ入賞した場合の処理を実行し(S10)、通常遊技中であれば(S12のY)、図柄変動などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、通常遊技中でなければ(S12のN)、特別遊技の制御処理を実行し(S16)、小当り遊技の制御処理を実行する(S17)。その後、S10の入賞処理において各種入賞に応じた賞球払出に関連するデータ更新やコマンド送信処理を行う。(S18)。
【0103】
図14は、図13におけるS10の入球処理を詳細に示すフローチャートである。入球判定手段110は、始動入賞口(第1始動口62または第2始動口63)への入球が検出されると(S200のY)、その始動口に対応する規定賞球数をセットする(S202)。そして、当否抽選値を取得し(S204)、保留制御手段116による当否抽選値の保留数が4未満であるか否かを参照してさらなる保留が可能な状態であれば(S206のY)、その当否抽選値を保留制御手段116に保留する(S208)。S206において保留数が上限に達していてさらなる保留が不可能な場合は(S206のN)、S208の処理をスキップする。S200において入球検出がない場合には(S200のN)、S202からS208の処理をスキップする。
【0104】
作動口68に入球があった場合(S212のY)、普図抽選値を取得し(S214)、保留制御手段116による普図抽選値の保留数が4未満であるか参照してさらに保留可能な状態であれば(S216のY)、その普図抽選値を保留制御手段116に保留する(S220)。S212において作動口68への入球がない場合は(S212のN)、S214からS220までの処理をスキップする。S216において保留数が上限に達していてさらなる保留が不可能な場合には(S216のN)、S220の処理をスキップする。
【0105】
一般入賞口72に入球があった場合(S222のY)、一般入賞口72に対応する規定賞球数をセットする(S224)。一般入賞口72への入球がないときは(S222のN)、S224の処理をスキップする。
【0106】
大入賞口91に入球があった場合(S226のY)、大入賞口91に対応する規定賞球数をセットする(S228)。大入賞口91への入球がないときは(S226のN)、S228の処理をスキップする。
【0107】
図15は、図13におけるS14の通常遊技制御処理の全体的な過程を示すフローチャートである。この通常遊技制御処理においては、メイン基板102における特別図柄変動処理(S20)、サブ基板104における演出表示制御処理(S22)、および音声制御基板105における音声制御処理(S24)が繰り返し処理される。
【0108】
図16は、図15におけるS20の特別図柄変動処理を詳細に示すフローチャートである。まだ図柄変動表示が開始されていない場合(S60のN)、第2保留手段146により抽選値の保留がなされている場合(S62のY)、第2当否判定手段117が第2保留手段146から抽選値を読み出して第2特別図柄193の当否を判定し(S64)、第2図柄決定手段322が第2特別図柄193を決定し(S66)、第2パターン決定手段119が第2特別図柄193の変動パターンを決定し(S68)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板104へ送信して第2特別図柄193の図柄変動を開始する(S77)。
【0109】
第2保留手段146により抽選値の保留がなされていない場合であって(S62のN)、第1保留手段144により抽選値の保留がなされている場合(S70のY)、第1当否判定手段113が第1保留手段144から抽選値を読み出して第1特別図柄192の当否を判定し(S72)、第1図柄決定手段320が第1特別図柄192を決定し(S74)、第1パターン決定手段114が第1特別図柄192の変動パターンを決定する(S75)。決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板104へ送信して第1特別図柄192の図柄変動を開始する(S77)。第1保留手段144により抽選値の保留がなされていない場合はS72からS77までの処理をスキップする(S70のN)。
【0110】
すでに図柄変動表示が開始されている場合(S60のY)、特別図柄の図柄変動表示を処理し(S78)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S80のY)、変動停止コマンドをサブ基板104へ送信して表示中の図柄変動を予め決定された停止図柄にて停止する(S82)。図柄表示の停止タイミングに達していない場合はS82およびS84の処理をスキップして本図のフローを終了する(S80のN)。
【0111】
図17は、図15におけるS22の演出表示制御処理を詳細に示すフローチャートである。サブ基板104の演出決定手段132がメイン基板102から変動開始コマンドを受信した場合(S230のY)、受信した特別図柄の停止図柄、変動パターン、当否判定結果に応じて装飾図柄の停止態様を決定し(S232)、変動演出パターンを決定し(S234)、予告演出パターンを決定する(S236)。サブ基板104は、決定した変動演出パターンおよび予告演出パターン等の演出パターンに関する情報を音声制御基板105へ送信する。なお、ここでいう「演出パターンに関する情報」は、音声制御基板105が演出内容に合わせて音声制御パターンを決定するために必要な情報である。変動演出パターンや予告演出パターンそのものの情報であってもよいし、各演出パターンに基づき再生対象となる音声データ(対応するチャンネル)や、その音声データに基づく音声信号の出力パターン(音声制御パターン)などを特定できる情報でもよい。その後、装飾図柄の変動表示および予告演出の表示を開始する(S238)。メイン基板102から変動開始コマンドを受信しなかった場合は(S230のN)、S232からS238の処理をスキップする。
【0112】
すでに装飾図柄の変動表示が開始済みであれば(S240のY)、その図柄変動や予告演出の表示処理を実行し(S242)、メイン基板102から変動停止コマンドを受信したときは(S244のY)、S232で決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで図柄変動表示を停止する(S246)。変動停止コマンドをメイン基板102から受信していないときは(S244のN)、S246をスキップする。変動表示が開始済みでないときは(S240のN)、S242からS246の処理をスキップする。
【0113】
図18は、図15におけるS24の音声制御処理を詳細に示すフローチャートである。音声制御基板105の音声制御手段358は、演出パターンに関する情報を受信していれば(S250のY)、その受信により再生条件が満たされる音声データを決定し(S252)、その音声データの再生過程である音声制御パターンを決定する(S254)。そして、その音声制御パターンにしたがった音声出力を開始する(S256)。演出パターンに関する情報を受信していなければ(S250のN)、S252からS256の処理をスキップする。既に音声出力(再生)が開始済みであれば(S258のY)、音声制御パターンにしたがった音声制御を実行する(S260)。音声出力が開始済みでなければ(S258のN)、S260の処理をスキップする。
【0114】
図19は、図13におけるS16の特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。当否抽選の結果が大当りであった場合(S90のY)、未だ特別遊技が開始済みでなければ(S92のN)、特別遊技中に表示させるべき大当り演出の設定処理を実行する(S93)。そして、特別遊技を開始して(S94)、その大当り演出の表示を開始する(S96)。
【0115】
一方、既に特別遊技が開始済みであれば(S92のY)、音声制御処理を実行する(S97)。そして、大入賞口(大入賞口91)が開放済でなければ(S98のN)、大入賞口の開放処理を実行する(S100)。大入賞口が開放済みであれば(S98のY)、大入賞口の閉鎖処理を実行する(S102)。その結果、大入賞口が閉鎖状態になっていれば(S104のY)、S106へ移行する。閉鎖状態でなければ(S104のN)、S106以降の処理をスキップして本処理を一旦終了する。
【0116】
S106においては、大当り演出のデモ演出中であるか否かを判定する。なお、ここでいう「デモ演出」は、開始デモ演出および終了デモ演出を含む。デモ演出中でなければ(S106のN)、特別遊技終了条件が満たされたか否かを判定する。ここでは、後述する終了フラグがオンになっていれば、特別遊技終了条件が満たされることになる。特別遊技終了条件が満たされていれば(S110のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S112)、終了デモ演出の表示を開始する(S114)。特別遊技終了条件が満たされていなければ(S110のN)、本処理を一旦終了する。S106にてデモ演出中であると判定され(S106のY)、終了デモ演出が終了した場合(S116のY)、特別遊技を終了する(S118)。そして、確変や時短などの特定遊技への移行が決定されている場合には、特定遊技実行手段122が特定遊技を開始する(S120)。終了デモ演出が終了していない場合は(S116のN)、S118およびS120の処理をスキップする。大当りでない場合は(S90のN)、本図のS92以降の処理をスキップする。
【0117】
図20は、図19におけるS97の音声制御処理を詳細に示すフローチャートである。音声制御手段358は、特別遊技が開始されるとBGMbを再生する一方、各ラウンドごとに区分されたSEbを再生する。すなわち、SEbが再生中であり(S270のY)、そのラウンドでのSEbの区分(つまりSEb1〜SEb15のいずれか)の再生が完了すると(S272のY)、SEbを一時停止する(S274)。SEbの区分の再生が完了していなければ(S272のN)、S274の処理をスキップする。また、SEbが再生中でなければ(S270のN)、S272およびS274の処理をスキップする。また、次のラウンドが開始されて大入賞口91が閉鎖状態から開放状態に変化すると(S276のY)、SEbの再生を再開する(S278)。次のラウンドが開始されなければ(S276のN)、S278の処理をスキップする。
【0118】
図21は、図19におけるS100の開放処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口91の開放タイミングとなったとき(S122のY)、開閉制御手段124は、通過フラグを一律にオフにするとともに開閉パターンの動作を設定し(S124)、大入賞口91を開放させる(S126)。また、現在の単位遊技の繰り返し回数に対応した大当り演出、または繰り返し回数が異なる回数になることに対応した大当り演出を設定して開始する。開放タイミングでないときは(S122のN)、S124およびS126の処理をスキップする。
【0119】
図22は、図19におけるS102の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口91の閉鎖タイミングとなったとき、開閉制御手段124は大入賞口91を閉鎖させる。すなわち、特別遊技中において、入球数による終了条件が満たされるか(S130のY)、入球数による終了条件が満たされなくとも(S130のN)、開放時間による終了条件が満たされれば(S132のY)、大入賞口91を閉鎖する(S134)。開放時間による終了条件も満たされなければ(S132のN)、S134以降のフローをスキップする。
【0120】
なお、15R大当りにおける入球数による終了条件は大入賞口91への9球以上の入球であり、開放時間による終了条件は、大入賞口91の開放開始から開閉パターンに沿った設定時間の経過である。15R大当りまたは8R大当りの場合は、その開放開始から30秒の経過であり、2R大当りの場合は、その開放開始から0.2秒の経過である。ただし、0.2秒の開放は極めて短いため、9球以上の入球はもちろん、入球そのものが困難である。その大入賞口の開放と同時に遊技球を打ち出したとしても入球困難であるため、大入賞口91の極短開放が行われる2R大当りについては、大入賞口91の開放前にその開放を予測して遊技球を打ち出す必要がある。このとき、特別遊技におけるラウンド数(単位遊技数)が継続上限回数に達していれば(S136のY)、終了フラグをオンにする(S138)。継続上限回数に達していなければ(S136のN)、S138の処理をスキップする。本実施例における継続上限回数は、15R大当りであれば15回、8R大当りであれば8回、2R大当りであれば2回である。入球数による終了条件および開放時間による終了条件のいずれも満たされていなければ(S130のN,S132のN)、S134以降の処理をスキップする。
【0121】
図23は、図13におけるS17の小当り遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。当否抽選の結果が小当りであった場合(S150のY)、既に小当り遊技が開始済みであって(S152のY)、大入賞口91が開放済でなければ(S158のN)、大入賞口91の開放処理を実行し(S160)、開放済みであれば(S158のY)、大入賞口91の閉鎖処理を実行する(S162)。その結果、大入賞口91が閉鎖状態になっていれば(S164のY)、S166へ移行する。閉鎖状態でなければ(S164のN)、S166以降の処理をスキップして本処理を一旦終了する。一方、S152において小当り遊技が開始済みでない場合は(S152のN)、小当り遊技を開始して(S154)、2R大当りと同様の開始デモ演出の表示を開始し(S156)、本処理を一旦終了する。
【0122】
S166においては、小当り遊技中の演出であるデモ演出中であるか否かを判定する。デモ演出中でなければ(S166のN)、小当り遊技終了条件が満たされたか否かを判定する。ここでは、後述する終了フラグがオンになっていれば、小当り遊技終了条件が満たされることになる。小当り遊技終了条件が満たされていれば(S170のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S172)、終了デモ演出の表示を開始する(S174)。小当り遊技終了条件が満たされていなければ(S170のN)、本処理を一旦終了する。S166にてデモ演出中であると判定され(S166のY)、終了デモ演出が終了した場合(S176のY)、小当り遊技を終了する(S178)。終了デモ演出が終了していない場合は(S176のN)、S178の処理をスキップする。小当りでない場合は(S150のN)、本図のS152以降のフローをスキップする。
【0123】
図24は、図23におけるS160の開放処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口91の開放タイミングとなったとき(S180のY)、開閉制御手段124は、開閉パターンの動作を設定し(S182)、大入賞口91の開放を開始する(S184)。開放タイミングでないときは(S180のN)、S182およびS184の処理をスキップする。
【0124】
図25は、図23におけるS162の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口91の終了タイミングとなったとき(S190のY)、終了フラグをオンにし(S192)、大入賞口91を閉鎖する(S194)。なお、この閉鎖タイミングは、大入賞口91の開放開始から0.2秒の経過したタイミングである。閉鎖タイミングでなければ(S190のN)、S192およびS194の処理をスキップする。
【0125】
以上説明したように、本実施例では、通常遊技中に異なる音声データが同時再生される場合、各音声における少なくも重要部分については遊技者が聴き漏らすことのないよう音声制御パターンを構成した。すなわち、図11(b)に示したように、BGMaの再生期間中にBGMbの再生条件が成立して両BGMが同時再生される場合、BGMaをその再生終了まで設定時間Ta2を残すように一時停止させ、BGMbの再生終了に合わせるようにそのBGMaの残余の再生を再開するようにした。このようにすることで、遊技者はBGMaの音声全体を違和感なく聴くことができる。
【0126】
また、BGMbが割り込むような場合、BGMaを前半(時間Ta1)と後半(時間Ta2)とに分けることになるところ、BGMaの音声データをその前半と後半に分けて用意するのではなく、一つの音声データとして一時停止・再生再開させるようにした。このようにすることで、メモリ容量の圧迫を抑制できるというメリットも得られる。これは特別遊技中においても同様である。すなわち、図12に示したように、特別遊技においては単位遊技の終了条件として時間による条件と入球数による条件とが設定され、後者の条件による場合は単位遊技の時間が定まらない。この点、本実施例によれば、SEbとして一つの音声データを用意するとともに、その一連の音声を単位遊技ごとに区分した。そして、各区分のSEbの再生時間を、後者の条件により単位遊技が早期に終了するとしてもその再生が完了できるように設定した。すなわち、SEbについても演出表示との整合をとりつつ、一つの音声データとして一時停止・再生再開させるようにすることで、メモリ容量の圧迫を抑制することができる。
【0127】
以上、本発明を実施例に基づいて説明した。尚、本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜組合せにより種々の発明を形成しても良いし、上記実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除しても良い。更に、複数の実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせることも可能である。
【0128】
(変形例1)
上記実施例において述べなかったが、音声の一時停止タイミングを調整することにより無音区間を意図的に生成し、これを演出面で積極的に利用するようにしてもよい。例えば、図11(b)に示した音声制御パターンのほかに、BGMaをリーチ発生より少し前に一時停止させるよう後半部の再生開始タイミングを設定した特殊音声制御パターンを選択対象として用意する。そして、図11(b)に示したリーチパターンよりも当り期待度の高いリーチパターンが選択されたときに、この特殊音声制御パターンを選択するようにしてもよい。これにより、リーチの発生前に無音区間がある演出が行われた場合に遊技者の期待感を高めるといった遊技性を実現できるようになる。
【0129】
(変形例2)
上記実施例においては、図11において音声を一時停止させるときにフェードアウト、再生再開させるときにフェードインを実行する例を示したが、このようなフェードアウトやフェードインをさせない設定としてもよい。また、上記実施例においては、相対的に優先度が異なるBGMa,BGMbが同時再生される区間について、優先度の高いBGMbの再生とともに優先度の低いBGMaの音量を小さくするよう設定したが、BGMaの音量を小さくすることなく、BGMbの音量を通常音量よりも大きくしてもよい。あるいは、BGMaの音量を通常音量よりも小さくするとともに、BGMbの音量を通常音量よりも大きくしてもよい。音声データごとに優先値を設定することにより、3種類以上の音声データが同時再生される状況であっても、その中でもっとも重要で遊技者に確実に聞き取らせるべき音声の音量を相対的に大きくするようにすればよい。
【0130】
(変形例3)
上記実施例においては、第2始動口63を第1始動口62と離れるように遊技領域52の右寄りの位置に設ける例を示した。変形例においては、第2始動口63を第1始動口62の直下に配置し、普通電動役物65が開放されなければ入球困難な配置構成としてもよい。また、上記実施例では、入球に基づく利益として遊技球(賞球)を払い出す形態のパチンコ機を例示したが、賞球払出に代わり、電子的な利益管理システムを利用して遊技球の発射・賞球付与管理を行ういわゆる封入式タイプのぱちんこ機にも応用できる。
【符号の説明】
【0131】
10 遊技機、 18 スピーカ、 50 遊技盤、 52 遊技領域、 60 演出表示装置、 62 第1始動口、 63 第2始動口、 68 作動口、 72 一般入賞口、 91 大入賞口、 100 遊技制御装置、 102 メイン基板、 103 枠制御基板、 104 サブ基板、 105 音声制御基板、 116 保留制御手段、 118 メイン表示制御手段、 120 特別遊技制御手段、 126 第1抽選手段、 128 第2抽選手段、 130 パターン記憶手段、 132 演出決定手段、 134 演出表示制御手段、 190 装飾図柄、 192 第1特別図柄、 193 第2特別図柄、 354 音声データ記憶手段、 356 再生条件記憶手段、 358 音声制御手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための当否抽選を実行する当否抽選手段と、
再生時間が定められた複数種類の音声データを記憶する音声データ記憶手段と、
各音声データの再生契機となる再生条件を記憶する再生条件記憶手段と、
前記再生条件が成立したときにその再生条件に対応する音声データを再生する音声制御手段と、を備え、
前記音声制御手段は、予め定める遊技状態にて特定の音声データが再生される場合、その音声データの再生終了まで所定時間を残すようにその再生を一時停止させ、その後、所定の再開タイミングにてその音声データの残余の再生を再開することを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
前記音声データ記憶手段は、複数種類の音声データとして、前記特定の音声データとしての第1の音声データと、その第1の音声データと異なる第2の音声データを含み、
前記音声制御手段は、前記第1の音声データの再生期間中に前記第2の音声データの再生条件が成立して前記第1の音声データと前記第2の音声データが同時再生される場合、前記第1の音声データの再生終了まで設定時間を残すように前記第2の音声データの再生を継続しつつ前記第1の音声データの再生を一時停止させ、その後、所定の再開タイミングにて前記第1の音声データの残余の再生を再開することを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
【請求項3】
前記音声制御手段は、前記第1の音声データと前記第2の音声データとが同時再生されるときには、一方の音声データの再生音量が他方の音声データの再生音量よりも大きくなるように、前記第1の音声データおよび前記第2の音声データの双方または一方の再生音量を調整することを特徴とする請求項2に記載の弾球遊技機。
【請求項4】
前記当否抽選の結果を示すための図柄の変動表示を含む所定の演出画像を表示可能な演出表示装置と、
前記図柄の変動表示における変動開始から停止までの変動過程が定められた複数の変動演出パターンを含む複数の演出画像の演出パターンを保持するパターン記憶手段と、
前記当否抽選の結果に応じていずれかの演出パターンを選択する演出決定手段と、
選択された演出パターンに応じた演出画像を表示させる表示制御手段と、を備え、
前記音声データ記憶手段は、前記音声データとして、前記演出パターンに対応づけられ、その演出パターンに基づく演出表示に合わせた特定のタイミングとなることを前記再生条件とする複数種類の演出音声データを含み、その演出音声データとして、前記第1の音声データとしての第1の演出音声データと前記第2の音声データとしての第2の演出音声データを含み、
前記音声制御手段は、前記第1の演出音声データおよび前記第2の演出音声データが対応づけられた演出パターンに基づく演出表示がなされているとき、その演出パターンにおける演出内容の変化に合わせて予め設定されたタイミングにて前記第1の演出音声データの再生が終了するよう前記設定時間を設定し、その設定時間を残すように前記第1の演出音声データの再生を一時停止させることを特徴とする請求項2または3に記載の弾球遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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