説明

形状記憶合金コイルばねの製造方法

【課題】コイル径の小さいコイルばねの両端を回転させてねじれ変形を与えることにより、コイル径を更に小さくした形状記憶合金コイルばねを製造する。即ち、コイル径は小さく、線径/コイル径(d/D)の値は大きい形状記憶合金コイルばねを製造する。
【解決手段】形状記憶合金コイルばねの製造は、コイルばね10を製造する段階と、前記コイルばね10の両端を2つのグリップ20、30で固定し、2つのグリップ20、30を互いに反対方向に回転させてねじれ変形を与えコイル径を縮小する縮径段階と、前記縮径段階を経たコイルばね10に形状記憶熱処理を行う熱処理段階とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、形状記憶合金コイルばねの製造方法に関し、特に、形状記憶合金コイルばねにねじれを与えてコイルばねの直径を縮小してコイル径の小さい形状記憶合金コイルばねを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
形状記憶合金とは、一定の転移温度以下ではマルテンサイト相を有して形状が変形する可能性があるが、このような変形が発生した後、前記転移温度以上に温度が上昇するとオーステナイト相に相転移が起こって元の形状に戻る性質を有する素材である。このような形状記憶合金は、様々な分野で有用に利用されている。
【0003】
形状記憶合金素子は、大きな変位を生じさせることができるためコイルばねの分野に最も多く応用される。1つの例として、長さ30mmのワイヤは、1%回復すると、0.3mmの変位が生じるが、コイル径8mm、線径1mm、巻数30のコイルばねは、50mmの変位が生じる。
【0004】
一般金属のコイルばねは、コイルを巻回するだけでその形状が形成される。これに対して、形状記憶合金コイルばねは、巻回したコイルを熱処理することで完全な形状が形成される。一般に、形状記憶合金コイルばねの製造方法は2つある。
【0005】
1つの方法(以下、方法Aという)は、所定の直径を有する棒(rod)に形状記憶合金ワイヤを巻いて固定した後、形状を記憶させるために適切な温度で熱処理する方法である。
【0006】
もう1つの方法(以下、方法Bという)は、工業的にワイヤ加工機械を利用してコイルばねを製造した後に熱処理する方法であるが、この方法はコイルばねが解けて直径が大きくなる虞れがあるので、気をつけなければならない。最終のコイルばねの形状は、熱処理時の形状になるが、通常250℃以上であれば形状記憶処理が可能である。実際には、熱処理温度によって形状記憶や超弾性挙動が大きく異なるため、目的に応じて約250〜600℃で行うことが一般的である。
【0007】
最近、携帯電話等の多くの電気製品に形状記憶合金ばねの適用が試みられている。製品の小型化のためにばねの設置空間が小さいので、コイル径は小さくなければならない。また、適切なバネ定数を発揮するためには、適度に太いワイヤを利用する必要があるので、線径/コイル径(d/D)の数値が大きくなる。コイル径は、コイル内径、コイル外径、又はコイル平均径と定義され、一般に、内径と外径の中間値である平均径を採用するが、本明細書においては便宜上外径を意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、形状記憶合金は、弾性が非常に大きいため、大きい値の線径/コイル外径(d/D)を有するコイルばねの製造が難しい。形状記憶合金コイルばねは、1/5〜1/6が一般に製造できる線径/コイル外径の値の限界である。しかし、製品のスリム化のためには、1/4以上のコイルばねが必要な場合が多い。
【0009】
1つの例として、ばねを設置できる空間が1.5mmであり、3Nの力を発揮できるコイルばねが必要であるとする。許容できるコイル外径は約1.45mmである必要があり、約3Nの力を発揮するためには、Ni−Ti合金の場合、線径が0.35mmのコイルばねを製造しなければならない。線径が0.35mmで、コイル外径が1.45mmのNi−Tiコイルばねを製造するとき、従来の方法を採用すると、以下のような問題が発生する。前述の方法Aを採用する場合、直径0.75mmの棒に直径0.35mmのワイヤを巻いて固定して熱処理しなければならないが、これは、現実的に不可能である。従って、方法Aでは小さいコイルばねの製造が難しい。また、方法Bでも、直径0.35mmのワイヤで製造可能なコイル外径は1.85〜2.05mmとなるため、要求されるコイル径のコイルばねの製造が不可能である。
【0010】
本発明は、前述した問題を解決するためのものであり、コイル径の小さい形状記憶合金コイルばねの製造方法、即ち、コイル径は小さくて線径/コイル径(d/D)の値は大きい形状記憶合金コイルばねの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このような目的を達成するために、本発明による形状記憶合金コイルばねの製造方法は、コイルばねを製造する段階と、前記コイルばねの両端を回転させてねじれ変形を与えコイル径を縮小する縮径段階と、前記縮径段階を経たコイルばねに形状記憶熱処理を行う熱処理段階とを含むことを特徴とする。
【0012】
前記縮径段階は、2つのグリップを利用して前記コイルばねの両端を固定する固定段階と、前記2つのグリップを回転させる回転段階とからなる。
【0013】
このような構成により、コイル径の小さいコイルばねを製造した後、前記コイルばねの両端を回転させてねじれ変形を与えてコイル径を更に小さくする。
【0014】
前記グリップは、外周面に螺旋形の溝が形成されている円筒形状又は円柱形状とするとよい。
【0015】
また、前記固定段階は、前記コイルばねの両端を前記螺旋形の溝に挿入して固定するとよい。
【0016】
また、前記縮径段階が終了した後、前記コイルばねの両端間の間隔を調整してコイルばねのピッチを調節するピッチ調節段階を更に含む。
【0017】
また、前記縮径段階及び前記熱処理段階は、繰り返し複数回行うようにするとよい。
【0018】
更に、本発明による形状記憶合金コイルばねの製造方法は、2つのグリップを利用してコイルばねの両端を固定する固定段階と、前記2つのグリップを互いに反対方向に回転させて前記コイルばねにねじれ変形を与えコイル径を縮小する縮径段階と、前記縮径段階を経たコイルばねに形状記憶熱処理を行う熱処理段階とを含むことを特徴とする。
【0019】
更に、本発明の形状記憶合金コイルばねの製造方法は、コイルばねの両端を第1パイプに挿入し、前記第1パイプと前記コイルばね間にくさび形状の第2パイプを挿入して前記コイルばねの両端を固定する固定段階と、前記第1パイプを回転させて前記コイルばねにねじれ変形を与えコイル径を縮小する縮径段階と、前記縮径段階を経たコイルばねに形状記憶熱処理を行う熱処理段階とを含むことを特徴とする。
【0020】
前記縮径段階が終了した後、前記コイルばねの両端間の間隔を調整して前記コイルばねのピッチを調節するピッチ調節段階を更に含む。
【0021】
また、前記縮径段階、前記ピッチ調節段階及び前記熱処理段階は、繰り返し複数回行うようにするとよい。
【0022】
更に、本発明の形状記憶合金コイルばねの製造方法は、2つのグリップを利用してコイルばねの両端を固定する固定段階と、前記コイルばねの内部に直線ワイヤ又は棒状の部材を挿入する段階と、2つのグリップを互いに反対方向に回転させて前記コイルばねにねじれ変形を与えコイル径を縮小する縮径段階と、前記縮径段階を経たコイルばねに形状記憶熱処理を行う熱処理段階とを含むことを特徴とする。
【0023】
ここで、前記直線ワイヤは、前記コイルばねの内部に複数配置するとよい。
【0024】
また、前記直線ワイヤは、前記縮径段階で前記コイルばねの縮径範囲を決定するために前記コイルばねの最終内径に該当する直径を有する円周上に位置させるとよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、コイル径が小さく、線径/コイル径(d/D)の値は大きい形状記憶合金コイルばねを容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態によるコイルばね及びグリップを示す斜視図である。
【図2】図1のコイルばねの両端にグリップが締結された状態を示す図である。
【図3】図2のグリップが回転してコイルばねの直径が縮小された状態を示す図である。
【図4】グリップの間隔を調節してコイルばねのピッチが調節された状態を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態により製造された形状記憶合金コイルばねを示す斜視図である。
【図6】本発明の他の実施形態により、コイルばねの内部にワイヤを備えた状態を示す図である。
【図7】図6の状態からコイルばねの直径が縮小されピッチが調節された状態を示す図である。
【図8】コイルばねの内部にワイヤの代わりに棒状の部材を備えて直径を縮小させた状態を示す図である。
【図9】図8の状態からコイルばねの直径が縮小されピッチが調節された状態を示す図である。
【図10】本発明の更に他の実施形態によりコイルばねの両端を第1及び第2パイプを使用して固定する状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面を参照して本発明の具体的な実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態によるコイルばねとグリップを示す斜視図であり、図2は、図1のコイルばねの両端にグリップが締結された状態を示す図であり、図3は、図2のグリップが回転してコイルばねの直径が縮小された状態を示す図であり、図4は、グリップの間隔を調節してコイルばねのピッチが調節された状態を示す図であり、図5は、本発明の一実施形態により製造された形状記憶合金コイルばねを示す斜視図である。
【0028】
図1に示すように、まず形状記憶合金を利用して一次的にコイル径が最も小さくなるようにコイルばね10を製造する。コイルばね10の製造は、通常の製造方法により行われ、コイル径の小さいコイルばねであることを考慮すると、前述した従来のばね製造方法のうち方法Bを用いて製造することが好ましい。この段階を製造段階という。
【0029】
このように製造されたコイルばね10の両端を、グリップ20、30を利用して固定する。グリップ20、30は、所定の長さを有する円柱形状であり、コイルばね10の両端をそれぞれ固定するために2つ備えられる。また、グリップ20、30の外周面には螺旋形の溝22、32が形成され、コイルばね10をグリップ20、30に固定するとき、前記コイルばね10の両端を前記螺旋形の溝22、32に巻いて固定する。図2に、前記コイルばね10の両端にグリップ20、30を固定した状態を示す。尚、グリップ20、30は円筒形状でもよい。
【0030】
その後、図3に示すように、前記2つのグリップ20、30を互いに反対方向に回すと、前記コイルばね10の巻数が増えて自然にコイルばね10の外径は縮小する。この段階を縮径段階という。ここで、前記グリップ20、30の回転の回数は、所望のコイル径を得るために必要な回数とする。
【0031】
また、所望のコイル径が得られると、コイルばね10のピッチを調節する必要があり、これは、図4に示すように、2つのグリップ20、30の間隔を調節して所望のピッチを得る。一般には、コイルばね10の両端に固定されたグリップ20、30を互いに離れる方向に引いて、前記コイルばね10の長さが長くなるようにしてピッチを調節する。この段階をピッチ調節段階という。
【0032】
その後、前記コイルばね10に形状記憶熱処理を行う。前記コイルばね10のピッチを調節した後、前記コイルばね10の両端にグリップ20、30を固定した状態で形状記憶熱処理を行うと、熱処理時のコイル径とピッチを有するコイルばね10を得ることができる。形状記憶熱処理は通常の方法で行われ、本発明においてはその詳細は説明を省略する。この段階を熱処理段階という。
【0033】
図5は、前述したような各段階を経て完成した、コイル径が縮小された形状記憶合金コイルばね10を示す。
【0034】
しかし、一度に過度にコイル径を縮小すると、コイルばねが歪んだり、滑らかでなくなる可能性がある。これを防止するためには、形状記憶熱処理を行った後に、コイル径の縮小及び熱処理を繰り返し行ってコイル径を徐々に縮小することも可能である。或いは、コイル径を大幅に縮小すると共に所望のピッチを得るために、コイル径の縮径段階、ピッチ調節段階及び熱処理段階を繰り返し行ってもよい。
【0035】
図6及び図7に、本発明の他の実施形態を示す。
図において、コイルばね10の真直度を向上させて均一なコイル径を得るために、コイルばね10内に直線ワイヤ40、50を挿入し貫通させておく方法を示す。ここで、ワイヤ40、50のコイルばね10の内部における位置は、縮径されたコイルばね10の最終内径に該当する直径を有する円周上とすることが好ましい。即ち、縮径段階でコイルばね10の内径が縮小してコイルばね10の内径が直線ワイヤ40、50に接してこれ以上内径が縮小しない最終内径までの縮径範囲を決定することができる。
【0036】
図6は、コイルばね10両端に円筒状のグリップ20、30が固定され、コイルばね10及びグリップ20、30の内部を貫通して直線ワイヤ40、50が備えられた状態を示す。また、図7は、図6の状態でグリップ20、30を互いに反対方向に回転させてコイルばね10のコイル径を縮小させる縮径段階とグリップ間隔を調節してコイルばね10のピッチを調節するピッチ調節段階とを経たコイルばねを示す。
【0037】
本実施形態においては、コイルばね10の真直度の向上のために2本のワイヤ40、50を等間隔に配置して使用する方法を示したが、これに限定されるものではなく、必要に応じて3〜4本のワイヤを等間隔に配置して使用してもよい。また、ワイヤではなく、コイルばね10及びグリップ20、30の内部に挿入して貫通させることができる小さい直径を有するパイプ又は棒材を使用してもよい。
【0038】
図8及び図9は、コイルばね10の真直度を向上させると共に均一なコイル径を得るために、コイルばね10内に棒状の部材55を挿入し貫通させて製造する方法を示す。ここで、棒状の部材55の外径は、縮径されたコイルばね10の最終内径と等しい方が良い。即ち、縮径段階でコイルばね10の内径が縮小して、その内径が棒状の部材55に接して内径が縮小しないようになるとコイルばね10が完成される。
【0039】
図9は、図8の状態で前記グリップ20、30を互いに反対方向に回転させて、コイルばね10のコイル径を縮小させる縮径段階及びグリップ間隔を調節してコイルばね10のピッチを調節するピッチ調節段階を経た状態を示す。
【0040】
図10は、本発明の更に他の実施形態によりコイルばねのコイル径を縮小する方法を示す。図において、コイルばね10の両端の外径より大きい外径を有する第1パイプ60、70を備え、コイルばね10の両端を第1パイプ60、70の内部に一定の長さだけ挿入する。また、コイルばね10と第1パイプ60、70間にくさび形状の第2パイプ65、75を挿入して固定する。このようにして、第1パイプ60、70、第2パイプ65、75及びコイルばね10が結合固定されて一体に回転可能とする。この状態で、2つの第1パイプ60、70を互いに反対方向に回すと、コイルばね10の両端が第1パイプ60、70と共に回転してコイルばね10にねじれ変形を起こし、結果としてコイル径が縮小し、第1パイプ60、70の間隔を調節してコイルばね10のピッチを調節することができる。その後、形状記憶熱処理段階を経るのは前述した実施形態と同様である。
【0041】
以下、本発明を適用する具体的な例について説明する。
ある電子通信製品に厚さ1.5mmより小さい3Nの圧縮ばねが必要である場合、計算の結果、線径0.35mm、コイル外径1.45mm、ピッチ1.0mmのNi−Ti合金ばねが必要である。一般金属、例えばステンレスばねを使用すると、塑性変形が発生して適用することはできない。
【0042】
本発明方法を適用した具体例としては、まず、合金組成が50.8Ni−Ti(原子比)で、直径が0.35mmの線材を製造した。最終の断面収縮率は28%であった。これをコイル製造機を利用する方法(方法B)でコイル径を最小化してコイルばねを製造した結果、外径が1.75mmのコイルばねを製造することができた。また、2.05mmのコイルばねも製造した。外径1.75mmのコイルばねの内部に0.75mmのワイヤを貫通させた後、コイルばねの両端を図2のようなグリップに固定し、グリップを互いに反対方向に回すとコイルばねの直径が縮小した。必要なコイル径、例えば1.45mmになったら(コイルばね内のワイヤによりこれ以上コイル径が縮小しない)グリップ間の距離を調節してピッチが1.0mmになるようにした。グリップを固定した後、適切な温度(約250〜600℃)で熱処理すると、所望のコイルばねの形状を得ることができた。2.05mmのコイルばねも同様の方法で直径を縮小することはできるが、約1.75mmでねじれが生じた。ここで、一次熱処理(例えば、350℃で10分)により外径1.75mmのコイルばねが得られた。熱処理の後、更にグリップを回転させて直径を縮小させ、最終の所望の形状で熱処理すると、正確に所望の形状記憶合金コイルばねの形状が得られた。
【符号の説明】
【0043】
10 コイルばね
20、30 グリップ
22、32 溝
40、50 ワイヤ
55 棒状の部材
60、70 第1パイプ
65、75 第2パイプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイルばねを製造する段階と、
前記コイルばねの両端を回転させてねじれ変形を与えコイル径を縮小する縮径段階と、
前記縮径段階を経たコイルばねに形状記憶熱処理を行う熱処理段階と、
を含むことを特徴とする形状記憶合金コイルばねの製造方法。
【請求項2】
前記縮径段階は、
2つのグリップを利用して前記コイルばねの両端を固定する固定段階と、
前記2つのグリップを回転させる回転段階と、
からなることを特徴とする請求項1に記載の形状記憶合金コイルばねの製造方法。
【請求項3】
前記グリップは、外周面に螺旋形の溝が形成されている円筒形状又は円柱形状であることを特徴とする請求項2に記載の形状記憶合金コイルばねの製造方法。
【請求項4】
前記固定段階は、前記コイルばねの両端を前記螺旋形の溝に挿入して固定することを特徴とする請求項3に記載の形状記憶合金コイルばねの製造方法。
【請求項5】
前記縮径段階が終了した後、前記コイルばねの両端間の間隔を調整してコイルばねのピッチを調節するピッチ調節段階を更に含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の形状記憶合金コイルばねの製造方法。
【請求項6】
前記縮径段階及び前記熱処理段階は、繰り返し複数回行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の形状記憶合金コイルばねの製造方法。
【請求項7】
2つのグリップを利用してコイルばねの両端を固定する固定段階と、
前記2つのグリップを互いに反対方向に回転させて前記コイルばねにねじれ変形を与えコイル径を縮小する縮径段階と、
前記縮径段階を経たコイルばねに形状記憶熱処理を行う熱処理段階と、
を含むことを特徴とする形状記憶合金コイルばねの製造方法。
【請求項8】
前記グリップの外周面には、前記コイルばねの両端が挿入される螺旋形の溝が形成され、
前記固定段階は、前記コイルばねの両端を前記螺旋形の溝に挿入して固定することを特徴とする請求項7に記載の形状記憶合金コイルばねの製造方法。
【請求項9】
前記縮径段階が終了した後、前記コイルばねの両端間の間隔を調整してコイルばねのピッチを調節するピッチ調節段階を更に含むことを特徴とする請求項7又は8に記載の形状記憶合金コイルばねの製造方法。
【請求項10】
前記縮径段階、前記ピッチ調節段階及び前記熱処理段階は、繰り返し複数回行うことを特徴とする請求項9に記載のコイルばねの製造方法。
【請求項11】
コイルばねの両端を第1パイプに挿入し、前記第1パイプと前記コイルばね間にくさび形状の第2パイプを挿入して前記コイルばねの両端を固定する固定段階と、
前記第1パイプを回転させて前記コイルばねにねじれ変形を与えてコイル径を縮小する縮径段階と、
前記縮径段階を経たコイルばねに形状記憶熱処理を行う熱処理段階と、
を含むことを特徴とする形状記憶合金コイルばねの製造方法。
【請求項12】
前記縮径段階が終了した後、前記コイルばねの両端間の間隔を調整して前記コイルばねのピッチを調節するピッチ調節段階を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の形状記憶合金コイルばねの製造方法。
【請求項13】
前記縮径段階、前記ピッチ調節段階、及び前記熱処理段階は、繰り返し複数回行うことを特徴とする請求項12に記載の形状記憶合金コイルばねの製造方法。
【請求項14】
2つのグリップを利用してコイルばねの両端を固定する固定段階と、
前記コイルばねの内部に直線ワイヤ又は棒状の部材を挿入する段階と、
2つのグリップを互いに反対方向に回転させて前記コイルばねにねじれ変形を与えコイル径を縮小する縮径段階と、
前記縮径段階を経たコイルばねに形状記憶熱処理を行う熱処理段階と、
を含むことを特徴とする形状記憶合金コイルばねの製造方法。
【請求項15】
前記直線ワイヤは、前記コイルばねの内部に複数配置することを特徴とする請求項14に記載の形状記憶合金コイルばねの製造方法。
【請求項16】
前記直線ワイヤは、前記縮径段階における前記コイルばねの縮径範囲を決定するために、前記コイルばねの最終内径に該当する直径を有する円周上に位置させることを特徴とする請求項14又は15に記載の形状記憶合金コイルばねの製造方法。
【請求項17】
前記グリップの外周面には前記コイルばねの両端が挿入される螺旋形の溝が形成され、
前記固定段階は、前記コイルばねの両端を前記螺旋形の溝に挿入して固定することを特徴とする請求項14〜16のいずれか1つに記載の形状記憶合金コイルばねの製造方法。
【請求項18】
前記縮径段階が終了した後、前記コイルばねの両端間の間隔を調整して前記コイルばねのピッチを調節するピッチ調節段階を更に含むことを特徴とする請求項14〜17のいずれか1つに記載の形状記憶合金コイルばねの製造方法。
【請求項19】
前記縮径段階、前記ピッチ調節段階及び前記熱処理段階は、繰り返し複数回行うことを特徴とする請求項18に記載の形状記憶合金コイルばねの製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2011−51012(P2011−51012A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−96319(P2010−96319)
【出願日】平成22年4月19日(2010.4.19)
【出願人】(399101854)コリア インスティテュート オブ サイエンス アンド テクノロジー (68)
【Fターム(参考)】