後処理装置
【課題】 後処理装置の処理能力をフルに活用できる、厚紙使用時の表示手段を備えた後処理装置を提供すること。
【解決手段】 画像形成装置から排出される記録紙、及び、前記記録紙の前後または中間に挿入される挿入紙に対し、綴じ処理、折り処理、または穴あけ処理のいずれかの後処理が実行可能な構成を有すると共に、前記挿入紙または前記記録紙を載置しうる挿入紙載置台を後処理装置内に備え、前記挿入紙を挿入する挿入手段、を有する後処理装置において、前記挿入紙の載置を検知する挿入紙載置検知手段と、厚み情報を入力する厚み情報入力手段と、当該厚み情報を表示する表示手段と、前記後処理装置のモードを制御する制御手段と、を有し、前記挿入紙の厚み情報及び載置を検知した情報に基づいて、前記制御手段により前記後処理装置のモードを制御することを特徴とする後処理装置。
【解決手段】 画像形成装置から排出される記録紙、及び、前記記録紙の前後または中間に挿入される挿入紙に対し、綴じ処理、折り処理、または穴あけ処理のいずれかの後処理が実行可能な構成を有すると共に、前記挿入紙または前記記録紙を載置しうる挿入紙載置台を後処理装置内に備え、前記挿入紙を挿入する挿入手段、を有する後処理装置において、前記挿入紙の載置を検知する挿入紙載置検知手段と、厚み情報を入力する厚み情報入力手段と、当該厚み情報を表示する表示手段と、前記後処理装置のモードを制御する制御手段と、を有し、前記挿入紙の厚み情報及び載置を検知した情報に基づいて、前記制御手段により前記後処理装置のモードを制御することを特徴とする後処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの諸機能を有する複合機等の画像形成装置から排出される記録紙に対して、綴じ処理、折り処理、穴あけ処理等の後処理を行う後処理装置に関し、詳しくは、綴じ処理、折り処理、及び穴あけ処理の後処理を備え、かつ、画像形成装置から排出される複数枚の記録紙の前後または中間に挿入紙を挿入する挿入紙挿入手段を備えた後処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリ、またはこれらの複合機等の画像形成装置本体に接続され、画像が記録された多数枚の記録紙を、プリント部数毎に丁合し、綴じ手段による綴じ処理、折り手段による折り処理、または穴あけ手段による穴あけ処理を行う後処理装置が提供されている。
【0003】
従来、綴じ処理、折り処理、穴あけ処理に加えて、画像形成装置から排出される複数枚の記録紙の前後または中間に挿入紙を挿入する挿入紙挿入手段を備えた後処理装置が開発されており、これらの後処理装置の挿入紙には、表紙にする等の目的から厚紙が用いられることも多い。挿入紙挿入手段を備えた後処理装置としては、画像形成装置からプリントされた記録紙の画像の向きと挿入紙の画像の向きとを揃える機能を有する後処理装置(例えば、特許文献1)や、画像形成装置からの指示とは別にオフラインで綴じ処理、折り処理または穴あけ処理を指定する機能を有する後処理装置(例えば、特許文献2)が提案されている。後処理装置の入力手段で後処理に係る情報を入力するオフラインにおいて、オフラインで後処理を行うことには、画像形成装置の操作部で複雑な入力操作を行う必要がないという利点がある。
【0004】
挿入紙に厚紙を用いたときには、綴じ処理、折り処理または穴あけ処理の処理能力(最大処理枚数)は普通紙を用いたときより減少した値となる筈である。然るに、特許文献1または特許文献2に提案されている後処理装置では、厚紙の挿入紙が複数枚となったときの綴じ処理、折り処理、及び穴あけ処理の対応については記載されていない。また、上記文献以外でも従来、オフラインで挿入紙の厚み情報により後処理工程を制御する後処理装置については提案されていない。
【0005】
また、挿入紙の厚み情報が不明確な場合、操作者は後処理装置の有する処理能力より低い枚数で設定してしまうとか、処理能力を超えた枚数で設定してしまい、処理不良を生じさせてしまうといった問題を起こしがちであった。
【特許文献1】特開2000−295410号公報
【特許文献2】特開2003−146532号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記の問題を解決するため、後処理装置の処理能力をフルに活用でき、かつ、厚紙の挿入紙に対し処理能力を超えた枚数の後処理が入力されても、制御手段が当該後処理の動作を停止させて後処理の不具合を防止することができる構成を有する後処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、下記の構成により達成することが出来る。
(請求項1)
画像形成装置から排出される複数枚の記録紙、及び、前記複数枚の記録紙の前後または中間に挿入される1枚または複数枚の挿入紙に対し、少なくとも綴じ処理、折り処理、または穴あけ処理のいずれかの後処理が実行可能な構成を有すると共に、
挿入紙または記録紙を載置しうる挿入紙載置台を後処理装置内に備え、前記挿入紙を前記複数枚の記録紙の前後または中間に挿入する挿入手段、
を有する後処理装置において、
前記挿入紙載置台への挿入紙の載置を検知する挿入紙載置検知手段と、
前記挿入紙の厚み情報を入力する厚み情報入力手段と、
前記厚み情報入力手段により入力された前記挿入紙の厚み情報を表示する表示手段と、
当該厚み情報に基づいて、前記後処理装置のモードを制御する制御手段と、を有し、
前記後処理装置のモードが、前記挿入紙の厚み情報及び載置を検知した情報に基づいて、前記制御手段により制御されることを特徴とする後処理装置。
(請求項2)
前記モードが前記表示手段の表示切替モードであることを特徴とする請求項1に記載の後処理装置。
(請求項3)
前記モードの初期設定が変更可能な構成であることを特徴とする請求項1または2に記載の後処理装置。
(請求項4)
前記モードが綴じ処理、折り処理、または穴あけ処理の最大処理枚数を変更する枚数制御モードであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の後処理装置。
(請求項5)
前記挿入紙が厚紙であるとき、前記モードの制御が穴あけ処理の穴あけ動作を禁止する制御であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の後処理装置。
(請求項6)
前記後処理装置に備えられ、前記綴じ処理、前記折り処理、及び前記穴あけ処理の内の1つまたは複数の後処理を、オフラインで選定し実施しうる後処理操作手段を有し、
挿入紙載置台に載置した挿入紙に対し、当該後処理操作手段からの指示により、前記綴じ処理、前記折り処理、及び前記穴あけ処理の内の1つまたは複数の後処理が可能に構成されたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の後処理装置。
【発明の効果】
【0008】
請求項1及び2に記載の発明により、操作者の挿入紙紙厚に対する認識が高まり、挿入紙紙厚に関わる誤操作によるミスコピーを少なくすることができる。
【0009】
請求項3に記載の発明により、ユーザが後処理装置のモードの初期設定を自由に変えることができ、ユーザ独自の使用環境に適した設定が得られる。
【0010】
請求項4に記載の発明により、処理枚数が多すぎたことによる綴じ処理、折り処理、及び穴あけ処理の処理不良を防止することができ、かつ、適正な処理枚数の設定により効率の良い後処理を行うことができる。
【0011】
請求項5に記載の発明により、厚紙による穴あけ処理の不具合を防止することができる。
【0012】
請求項6に記載の発明により、画像形成装置の操作部からの入力操作を不要とし、後処理装置の挿入紙載置台に載置した挿入紙に対し後処理装置操作部から簡単な操作で後処理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明の後処理装置を図面に基づいて説明する。
【0014】
[画像形成システム]
図1は、本発明の一実施形態である後処理装置FSを画像形成装置A及び画像読み取り装置Bに接続し、更に断裁装置Cを接続した画像形成システムの全体構成図であり、図2は画像形成システムの外観斜視図である。
【0015】
画像形成装置Aは、回転する像担持体1の周囲に、帯電手段2、像露光手段(書き込み手段)3、現像手段4、転写手段5A、除電手段5B、及びクリーニング手段6を配置した画像形成部を有し、帯電手段2によって像担持体1の表面に一様帯電を行った後に、像露光手段3のレーザビームによって原稿から読み取られた画像データに基づく露光走査を行って潜像を形成し、該潜像を現像手段4により反転現像して像担持体1の表面にトナー像を形成する。
【0016】
一方、記録紙収納手段7Aに収容された記録紙Sは、給紙手段7Bにより給紙され転写位置へと送られる。転写位置において転写手段5Aにより前記トナー像が記録紙S上に転写される。その後に、記録紙Sは除電手段5Bにより裏面の電荷が消去され、像担持体1から分離され、中間搬送手段7Cにより搬送され、引き続き定着手段8により加熱定着され、排紙手段7Dから排出される。
【0017】
記録紙Sの両面に画像形成を行う場合には、定着手段8により加熱定着された記録紙Sを、搬送路切り換え板7Eにより通常の排紙通路から分岐し、反転搬送手段7Fにおいてスイッチバックして表裏反転して裏面に画像形成した後、排紙手段7Dにより装置外に排出される。排紙手段7Dから排出された記録紙Sは、後処理装置FSに送り込まれる。
【0018】
一方、像担持体1の画像処理後の表面は、クリーニング手段6により表面に残留している現像剤が除去され、次の画像形成に備える。
【0019】
画像形成装置Aの上部前面側には、画像形成に関するモード、後処理に関するモードを選択して指定する操作部9が配置されている。
【0020】
画像形成装置Aの上部には、原稿移動型読み取り方式の自動原稿送り装置を備えた画像読み取り装置Bが設置されている。
【0021】
画像形成装置Aから排出された記録紙Sは、後処理装置FSにおいて、穴あけ手段40による穴あけ処理、シフト手段50によるシフト処理、集積部(用紙収納部)70の綴じ手段(ステイプル手段)700による綴じ処理、折り手段80における折り処理等の後処理がおこなわれた後、直接排紙手段30、昇降排紙台62、断裁装置Cの何れかに送り込まれる。また、後処理装置FSの上部には、画像形成装置から排出される複数枚の記録紙Sの前後または中間に挿入される挿入紙を収納して集積部70に搬送する、本発明の挿入手段である第1の挿入紙載置台20A、第2の挿入紙載置台20Bが配置されている。第1の挿入紙載置台20A及び第2の挿入紙載置台20Bにはそれぞれ挿入紙の載置を検知する図示しない載置検知手段25A、25Bが配設されている。
【0022】
第2の挿入紙載置台20Bの下方には、後処理装置FSに送り込まれた記録紙Sを直接排紙して収容する直接排紙手段30が設けられている。
【0023】
断裁装置Cは、第1搬送手段C1、第2搬送手段C2、断裁手段C3、冊子収納手段C4から構成されている。断裁装置Cは、中綴じ処理、中折り処理されて作製された用紙(記録紙及び挿入紙をまとめて用紙ともいう)束を第1搬送手段C1により搬送し、断裁手段C3により小口近傍を切断して小口を揃えて冊子を作製し、断裁処理後の冊子を第2搬送手段C2により搬送し、冊子収納手段C4において冊子を整列収納させる。後処理装置FSの上部前面側には、穴あけ処理、綴じ処理、及び折り処理の内、1つまたは複数の後処理を選択して指定する後処理操作手段である後処理装置FSの操作部90が配置されている。
【0024】
[後処理装置]
本発明の実施の形態における挿入紙としては、仕切として用いる仕切紙(インターシート)KAと、表紙として用いる表紙用紙(カバーシート)KBとがある。挿入紙を挿入する挿入手段としては、仕切紙KAを複数枚の記録紙Sの中間に挿入する第1の挿入紙載置台20Aと、表紙用紙KBを複数枚の記録紙Sの前後に挿入する第2の挿入紙載置台20Bとがある。
【0025】
図3は、本発明に係る後処理装置FS内における構成、及び、記録紙S、仕切紙KA、及び表紙用紙KBの搬送経路を説明するための後処理装置FSの全体構成図である。
【0026】
後処理装置FSは画像形成装置Aから搬出された記録紙Sの受入部11が、画像形成装置Aの排紙手段7Dと合致するような位置と高さに設置されている。
【0027】
受入部11には、画像形成装置Aから画像形成処理された記録紙Sと、第1の挿入紙載置台20Aから供給される仕切紙KAと、第2の挿入紙載置台20Bから供給される表紙用紙KBとが導入される。
【0028】
・(仕切紙、表紙用紙の給紙)
第1の挿入紙載置台20Aの給紙皿内に収容された仕切紙KAは、給紙部21により分離、給送され、搬送ローラ22、23、24に挟持されて、受入部11に導入される。また、第2の挿入紙載置台20Bの給紙皿内に収容された表紙用紙KBは、給紙部25により分離、給送され、搬送ローラ23、24に挟持されて、受入部11に導入される。
【0029】
紙厚み検知センサTS(詳細の説明は後述)は、本実施の形態においては、第2の挿入紙載置台20Bの給紙部25の近傍に配設されている。
【0030】
・(穴あけ処理)
受入部11の用紙搬送方向下流側に配置された穴あけ手段40は、画像形成装置Aから送り込まれた記録紙S、及び第1の挿入紙載置台20Aから搬送された仕切紙KA、第2の挿入紙載置台20Bから搬送された表紙用紙KBに穴あけ処理を行う。
【0031】
穴あけ手段40は、駆動手段により昇降駆動されるパンチ41と、パンチ41の刃部に嵌合するダイス42から成る。
【0032】
穴あけ手段40は、後述の後処理制御手段200からの指令により動作する。
【0033】
図4は、穴あけ手段40により穴あけ処理された記録紙Sの各種例を示す平面図である。図4(a)は記録紙Sの側縁辺aの近傍2箇所に穴hを穴あけした例(2穴ファイル)を示す。図4(b)は記録紙Sの側縁辺aの近傍3箇所に穴hを穴あけした例(3穴ファイル)を示す。図4(c)は記録紙Sの側縁辺aの近傍4箇所に穴hを穴あけした例(4穴ファイル)を示す。
【0034】
これらの複数の穴hの間隔は規格化されている。また、記録紙Sの側縁辺aから穴hの中心までの穴あけ端面距離bは任意に設定できるが、一般には9〜11mmである。
【0035】
・(用紙分岐)
穴あけ手段40の用紙搬送方向下流側には、切り換え手段G1、G2から成る用紙分岐手段が設けられている。切り換え手段G1、G2は図示しないソレノイドの駆動により三方の用紙搬送路、即ち、上段排紙用の第1搬送路イ、中段の第2搬送路ロ、下段の第3搬送路ハの何れかに選択的に分岐される。
【0036】
・(単純排紙)
この用紙搬送が設定されると、切り換え手段G1は第2搬送路ロ、第3搬送路ハを遮断し、第1搬送路イのみを開放する。
【0037】
直接排紙手段30は、搬送ローラ31、排出ローラ32、及び固定排紙台33等により構成されている。第1搬送路イを通過する記録紙S等は、搬送ローラ31に挟持されて上昇し、排出ローラ32により排出され、固定排紙台33上に載置され、順次積載される。固定排紙台33には最大約200枚の記録紙S等を積載することができる。
【0038】
・(シフト処理)
この搬送に関するモードに設定されると、切り換え手段G1は上方に退避し、切り換え手段G2は第3搬送路ハを遮断し、第2搬送路ロを開放し記録紙Sの第2搬送路ロへの通過を可能にする。画像形成装置Aより排出された画像形成済みの記録紙S、または、第1の挿入紙載置台20Aから給送された仕切紙KA、或いは、第2の挿入紙載置台20Bから給送された表紙用紙KBは、切り換え手段G1、G2の中間を通過し第2搬送路ロを進行しながら、シフト手段50により用紙搬送方向に直交する方向に所定量移動されるようにシフト処理され、排紙方向に搬送される。
【0039】
シフト手段50は所定の枚数毎に、搬送幅方向に記録紙Sの排紙位置を変えるシフト処理を行う。シフト処理された記録紙Sは、排紙手段60の排出ローラ61により挟持されて機外の昇降排紙台62に排出され、順次載置される。この昇降排紙台62は多数枚の記録紙Sを排紙するときには、順次下降するように構成されており、最大約3000枚(A4、B5)の記録紙Sを収容することが可能である。
【0040】
・(綴じ処理)
図5は、集積部70と折り手段80から成る後処理ユニットの部分断面図である。
【0041】
画像形成装置の操作部9または後処理装置の操作部90(図2参照)を介して綴じ処理または折り処理が設定されると、画像形成装置A内で画像形成処理されて後処理装置FSの受入部11に送り込まれた画像形成済みの記録紙Sは、穴あけ手段40(図3参照)を通過し、切り換え手段G2の下方の第3搬送路ハに送り込まれ、搬送ローラ12に挟持されて下方に搬送される。
【0042】
第3搬送路ハにおいて、A4、B5判より大きいサイズの記録紙Sが搬送されるとき、ソレノイドSD1が駆動され、記録紙Sは、切り換え手段G3の図示左側の通紙路13Aを通過して、搬送ローラ14に挟持されて、下方に搬送される。記録紙Sは、更に下流の入口搬送ローラ対(レジストローラ)15により挟持されて送り出され、集積部70において傾斜配置された用紙載置台(スタッカ)71の上方空間に排出され、用紙載置台71または用紙載置台71上に既に積載されている記録紙Sの上面に接し、斜め上方に搬送される。記録紙Sの進行方向後端部が搬送ローラ14の挟持位置から排出されたのちには、記録紙Sは自重により下降に転じ、用紙載置台71の傾斜面上を搬送され、打釘機構701と受針機構702とから成る綴じ手段近傍の端綴じ用の用紙後端突き当て部材(以下、第1突き当て部材とも称す)72の用紙突き当て面に記録紙Sの後端部が当接して停止する。16は、記録紙Sの先端部に摺接して巻き込み、第1突き当て部材72に送り込む回動するエンドレスベルト状の用紙案内部材である。なお、用紙案内部材16は、回転可能な羽根車でもよい。
【0043】
第3搬送路ハにおいて、A4、B5判等の小サイズの記録紙Sを、効率よく連続的に搬送してコピー生産性を向上させるため、可動の切り換え手段G3と、切り換え手段G3の図示左側の通紙路13Aに平行する通紙路13Bとを設ける。
【0044】
切り換え手段G3に接続するソレノイドSD1を駆動させると、通紙路13Aを閉止し、通紙路13Bを開放する。
【0045】
搬送ローラ12から送り出された1枚目の小サイズの記録紙Sの先端部は、通紙路13Bを通過して、回転停止状態の入口搬送ローラ対15の周面に当接して停止する。
【0046】
次に、ソレノイドSD1の通電がオフになり、切り換え手段G3の先端部が時計方向に揺動し、通紙路13Bを閉止し、通紙路13Aを開放する。搬送ローラ12から送り出された2枚目の記録紙Sの先端部は、通紙路13Aを通過して、回転停止状態の入口搬送ローラ対15の周面に当接して停止する。従って、入口搬送ローラ対15の挟持位置付近には、1枚目の記録紙Sと2枚目の記録紙Sの各先端部が重なって停止し、待機状態となる。
【0047】
所定のタイミングをとって、入口搬送ローラ対15が駆動回転し、2枚の記録紙Sを挟持して同時に搬送し、用紙載置台71上に排出する。3枚目以降は、入口搬送ローラ対15が記録紙Sを1枚ずつ排出する。
【0048】
73は用紙載置台71の両側面に移動可能に設けた一対の上流側の幅整合部材である。幅整合部材73は用紙搬送方向と直交する用紙幅方向に移動可能であり、記録紙Sが用紙載置台71上に搬送される用紙受け入れ時には、用紙幅より広く開放される。記録紙Sが用紙載置台71上を搬送され、第1突き当て部材72に当接して停止するときには、幅整合部材73は、記録紙Sの幅方向の側縁を軽打して用紙束Saの幅揃え(幅整合)を行う。この停止位置において、用紙載置台71上に所定枚数の記録紙Sが積載、整合されると、打針機構701と受針機構702とから成る綴じ手段により綴じ合わせ処理が行われ、用紙束Saが綴じ合わされる。
【0049】
用紙載置台71の用紙積載面の一部には切り欠き部が形成されていて、駆動プーリ74Aと従動プーリ74Bに巻回された1本の排出ベルト75が回動可能に駆動される。排出ベルト75の一部には、排出爪76が一体に形成されていて、その先端部は、図示一点鎖線のように長円軌跡Xを描く。綴じ処理された用紙束Saは、排出ベルト75の排出爪76により記録紙Sの後端部が保持されて、排出ベルト75上に載せられ、用紙載置台71の載置面上を滑走して斜め上方に押し上げられ、排紙手段60の排出ローラ61(図3参照)の挟持位置に進行する。回転する排出ローラ61に挟持された用紙束Saは、昇降排紙台62上に排出、積載される(図3参照)。
【0050】
集積部70、折り手段80は後処理ユニットの架台上に配置され、スライドレールR1、R2に案内されて後処理装置FSの前面側に引き出し可能である。
【0051】
図6は、各種綴じ処理を実施する場合の、打針機構701、受針機構702から成る綴じ手段700と、用紙束Saとの配置を示す平面図である。図6(a)は、用紙束Saの側縁近傍で中央振り分け2箇所に綴じ針SPを打針する平綴じ処理を示す平面図、図6(b)は、用紙束Saのコーナ部近傍の1箇所に綴じ針SPを打針する端綴じ処理を示す平面図、図6(c)は用紙束Saの中央部2箇所に綴じ針SPを打針する中綴じ処理を示す平面図である。
【0052】
・(中綴じ処理)
集積部70に配置された綴じ手段700は、打針機構701と受針機構702との2分割構造に構成され、その中間に記録紙Sが通過可能な通紙路77Aを形成している(図5参照)。
【0053】
綴じ手段700は、用紙搬送方向に直交する用紙幅方向に2組配置され、図示しない駆動手段により、用紙幅方向に移動可能である。
【0054】
中綴じ処理に設定されると、綴じ手段700の綴じ処理位置(綴じ針の打針位置)近傍の第1突き当て部材72が搬送路から待避し、ほぼ同時にそれより下流の中綴じ中折り兼用の第2突き当て部材78が通紙路77Aの延長面方向に移動して、通紙路77Bを遮断する。
【0055】
第2突き当て部材78を有する中綴じストッパユニットは、表紙用紙KB及び記録紙Sのサイズ(搬送方向の長さ)が設定または検知されると、中綴じ処理する用紙束Saの下方の端部に当接する位置に移動して停止する。
【0056】
表紙用紙KBが用紙載置台71上の所定の停止位置に載置された後、画像形成装置Aから搬出された記録紙Sが、後処理装置FSの受入部11から第3搬送路ハを通過して、用紙載置台71上に載置された表紙用紙KBの上面に順次積載され、記録紙Sの先端部が第2突き当て部材78に当接して位置決めされる。
【0057】
最終の記録紙Sが用紙載置台71上に位置決め載置された後、表紙用紙KBと記録紙Sの全頁とから成る用紙束Saに綴じ手段700による中綴じ処理を行う。この中綴じ処理により、表紙用紙KB及び記録紙Sの搬送方向の中央部に綴じ針SPが打ち込まれる。綴じ針SPは綴じ針駆動側の打針機構701から、綴じ針クリンチ側の受針機構702に向けて打ち込まれる(図5及び図6(c)参照)。
【0058】
綴じ手段700は後述の後処理制御手段200からの指令により動作する。
【0059】
・(折り処理)
図5において、集積部70の斜め下方には、折り手段80が配置されている。中綴じ処理後、第2突き当て部材78が用紙束Saの搬送下流方向に直線移動して、通紙路77Aの下流の通路を開放する。移動可能な第2突き当て部材78は、上方位置において中綴じ処理時の用紙束Saの停止位置を規制するとともに、下方位置において中折り処理時の用紙束Saの停止位置を規制する。
【0060】
中綴じ処理された表紙用紙KBと記録紙Sから成る用紙束Saは、斜め下方を案内板81により形成される通紙路81A内を搬送され、第2突き当て部材78に用紙束Saの搬送方向の端部が当接して、所定位置に停止する。第2突き当て部材78は用紙サイズの設定または検知結果と駆動手段により所定位置に移動可能である。
【0061】
後処理ユニットの用紙載置台71と、通紙路77A、77B、81Aは、ほぼ同一の平面上に形成され、且つ、約70度の急傾斜を成している。
【0062】
図7は、折り手段80の正面図である。
【0063】
折り手段80は、折り板82、第1折り上ローラ(以下、上ローラと称す)83、第1折り下ローラ(以下、下ローラと称す)84、第2折りローラ(以下、第2ローラと称す)85、搬送路切り換え部材87、案内板88、用紙先端停止部材89等から成り、用紙束Saを二つ折り処理または三つ折り処理する。
【0064】
上ローラ83と下ローラ84とは、ほぼ対称形をなす左右一対の押圧手段により支持されている。一方の押圧手段は、上ローラ83と、この上ローラ83を回転可能に支持し、支軸831を中心に揺動可能な支持板832と、この支持板832の一端に係止され、上ローラ83を挟持位置方向に付勢するバネ833とから成る。下ローラ84は、上ローラ83とほぼ対称形を成し、支軸841、支持板842、バネ843から成る。上ローラ83、下ローラ84は、後述の折りローラ駆動手段801により駆動回転される。上ローラ83、下ローラ84の各外周面は、高摩擦抵抗材により形成されている。
【0065】
搬送路切り換え部材87はソレノイドSD2により駆動されて揺動可能であり、二つ折り処理時には、排出される記録紙Sを二つ折り排紙出口E1に案内し、三つ折り処理時には、記録紙Sを案内板88内に案内し、排紙出口E2から排出する。
【0066】
・(用紙の中折り処理)
図8は折り手段80による二つ折り処理の工程を示す断面図であり、図8(a)は、折り板82が用紙束Saを押圧して上ローラ83、下ローラ84に圧接させる状態を示す。図8(b)は、折り板82が上ローラ83、下ローラ84の挟持位置Nを越えた位置に進入して用紙束Saを二つ折り処理した状態を示す。図8(c)は、折り板82が上ローラ83、下ローラ84の挟持位置Nから退避して初期位置に戻るとともに、二つ折り処理された用紙束Saが上ローラ83、下ローラ84により排出される状態を示す。
【0067】
二つ折り処理開始信号により、駆動源に接続する折り板82は、用紙載置面より図示の左方向に突出する。折り板82は本実施の形態では厚さ約0.3mmの薄型のナイフ状をなし、その先端部は鋭角をなす。
【0068】
図示の左方向に直進して突出した折り板82の先端部は、用紙束Saの中央部を押し込み、用紙束Saを介して上ローラ83、下ローラ84の挟持位置Nを押し広げて離間させる。
【0069】
折り板82の先端部が上ローラ83、下ローラ84の挟持位置Nを通過後、折り板82が後退して、用紙束Saの中央部は、上ローラ83、下ローラ84により挟圧されて、折り目部cが形成される。この折り目部cは、中綴じ処理による用紙束Saへの綴じ針SPの打ち込み位置とほぼ一致する(図9参照)。
【0070】
折り手段80は、後述の後処理制御手段200からの指令により動作する。
【0071】
挟圧されて折り目部cを形成された用紙束Saは、駆動回転する上ローラ83、下ローラ84により搬出され、機外の排出トレイ800上に載置される。
【0072】
図9(a)は中綴じと二つ折りの後処理を施した用紙束Saの斜視図、図9(b)は後処理済みの用紙束Saを両開きした状態を示す斜視図、図9(c)は用紙束Saの模式断面図である。
【0073】
中綴じ処理と二つ折り処理により作成された用紙束Saは、記録紙Sの第1面(p1、p8)を外側に向け、その裏面側に第2面(p2、p7)、更にその内側に記録紙Sの第1面(p3、p6)、その内側に記録紙Sの第2面(p4、p5)が配置され、図示のように8頁(p1〜p8)から成る冊子Saの頁揃えができる。
【0074】
・(三つ折り処理)
図7に示す折り手段80は、二つ折り処理と三つ折り処理との二つのモードを実行可能である。折り手段80は、用紙束Saを二つ折り処理する第1折り畳み手段と、用紙束Saを三つ折り処理する第2折り畳み手段とを有する。
【0075】
第1折り畳み手段は、上ローラ83、下ローラ84と、折り板82とから成る。第2折り畳み手段は、第2ローラ85、搬送路切り換え部材87、案内板88、用紙先端停止部材89から成る。
【0076】
上ローラ83、下ローラ84の挟持位置N(図8参照)から、用紙先端停止部材89の用紙当接面までの用紙搬送距離は、記録紙Sの搬送方向長さの三分の一になるように、用紙先端停止部材89の位置が設定されている。
【0077】
下ローラ84と第2ローラ85は、支持板832に回転可能に支持され、折りローラ駆動手段801に接続している。
【0078】
図10(a)は、三つ折り処理される記録紙Sの展開平面図、図10(b)は三つ折り処理された記録紙Sの斜視図である。記録紙Sの長手方向の長さをほぼ三等分する折り目部d、eは、記録紙SをA面、B面、C面の3面に折り畳む。三つ折り処理される記録紙Sは、先ず、折り目部dにより折り畳まれ、次に折り目部eにより内側に折り畳まれる。
【0079】
なお、三つ折り処理は、同時に少数枚の用紙、例えば約3枚の記録紙Sを折り畳む事ができる。三つ折り処理された記録紙Sは、小サイズに折り畳まれ、通常郵便の封筒内に収容可能である。
【0080】
図11は、三つ折り処理工程を示す断面図である。なお、この三つ折り処理工程では、図10(b)に示す内側折り畳みを形成する。
【0081】
図11(a)において、折り板82の先端部は、記録紙Sに形成される折り目部dの位置を押圧して上ローラ83、下ローラ84の挟持位置N(図8参照)に挿入する。上ローラ83、下ローラ84は実線矢印方向に回転して、記録紙Sの折り目部dを形成しながら記録紙Sを挟み込む。折り板82は、上ローラ83、下ローラ84により折り目部aが形成された後、挟持位置Nから退避して初期位置に復帰する。
【0082】
図11(b)に示すように、上ローラ83、下ローラ84間で記録紙Sの折り目部dが形成された記録紙Sは、回転する上ローラ83、下ローラ84により実線矢印方向に搬送され、搬送路切り換え部材87の上面に沿って進行し、対向する一対の案内板88内を通過し、記録紙Sの折り目部dが用紙先端停止部材89に当接する。
【0083】
図11(c)に示すように、上ローラ83、下ローラ84が引き続き回転することにより、記録紙Sの折り目部dは用紙先端停止部材89に当接して進行を阻止されるが、記録紙Sの後端の長さ三分の一の部分は、摩擦抵抗の大きな下ローラ84の外周面に巻き込まれて、下ローラ84と第2ローラ85とが圧接する挟持位置に搬送され、記録紙Sに折り目部eが形成される。
【0084】
図11(d)に示すように、下ローラ84と第2ローラ85との挟持位置において折り目部dと折り目部eとが形成され、先端部と後端部とが折り返されて三つ折り処理された記録紙Sは、案内板86に沿って機外の排出トレイ800上に載置される。
【0085】
折り手段80は後述の後処理制御手段200からの指令により動作する。
【0086】
[後処理装置の制御手段]
図12は、本発明に係る画像形成装置Aと後処理装置FSの制御を示すブロック図である。
【0087】
本発明に係る後処理の動作を制御する制御手段には、画像形成装置Aの主制御手段100と後処理装置FSの後処理制御手段200とがあり、主制御手段100に接続された画像形成装置Aの通信手段101と、後処理制御手段200に接続された後処理装置FSの通信手段201とは、電気的に接続され、制御信号の授受が相互に行われる。本発明に係る厚み情報入力手段は、後処理装置FSの操作部90に設けられており(厚み情報入力手段については後で詳しく説明する)、本発明に係る枚数情報入力手段は、画像形成装置Aの操作部9に設けられている。
【0088】
厚み情報入力手段から入力される挿入紙の厚み情報(電気信号)、及び、枚数情報入力手段から入力される挿入紙及び記録紙の枚数情報に基づいて、後処理制御手段200は、穴あけ手段40による穴あけ処理、折り手段80による折り処理、及び綴じ手段700による綴じ処理の動作を制御する。穴あけ処理、折り処理、及び綴じ処理の各動作の制御は、予め主制御手段100の記憶手段110に入力された穴あけ処理、折り処理、及び綴じ処理の動作の停止の基準となる紙厚の累計値と、枚数情報入力手段及び厚み情報入力手段により入力された記録紙の枚数、挿入紙の枚数、及び挿入紙の厚さに基づいて演算された紙厚の累計値との比較により判定される。即ち、主制御手段100の記憶手段110には、挿入紙に厚紙が混在するとき、厚紙1枚が普通紙の何枚分に相当するかが基準値として設定されており、入力された用紙(記録紙及び挿入紙)の枚数を普通紙の枚数に換算して算出した累計枚数(合計算出枚数)を、穴あけ処理、折り処理、または綴じ処理のそれぞれの処理能力(最大処理枚数)と比較して、最大処理枚数を超えているときには、主制御手段100からの指令により後処理制御手段200は当該の後処理動作を停止させる。
【0089】
挿入紙の挿入手段である第1の挿入紙載置台20Aと第2の挿入紙載置台20Bとは、後処理制御手段200からの指令により動作する。
【0090】
[オンラインモードの後処理設定]
後処理に係る情報を画像形成装置Aにおける操作部9から入力するオンラインモードでは、操作部9により、後処理装置FSの第1の挿入紙載置台20A、第2の挿入紙載置台20Bによる給紙(枚数設定を含む)、穴あけ手段40による穴あけ処理、綴じ手段700による端綴じ、中綴じの各処理、折り手段80による中折り、三つ折りの各処理が設定される。
【0091】
画像形成装置Aにおける主制御手段100は操作部9によるこれらの設定により、通信手段101を介して後処理装置FSに制御信号を送る。制御信号は通信手段201を介して後処理制御手段200に伝達される。後処理制御手段200は設定された前記各手段を駆動する。
【0092】
図13は、画像形成装置Aの操作部9の基本画面(初期画面)を示す平面図である。この操作部9の表示画面上で記録紙の用紙サイズ、倍率、コピー濃度等を設定し、枚数情報入力手段である図示しないテンキーにより枚数情報、即ちコピー枚数を設定する。
【0093】
図14は、図13の次画面である。図14に示す画面は、操作部9の基本画面において、「出力設定」ボタンを押すと、次画面として表示される出力設定画面9Aである。
【0094】
オンラインモードで後処理を行う場合、操作者は、図13に示す操作部9の初期画面上で用紙サイズ、倍率、コピー濃度のコピー条件を設定し、前記テンキーによりコピー枚数を設定し、設定したコピー枚数の信号は主制御手段100に送られる。次に、「出力設定」ボタンを押し、画面を図14に示す出力設定画面9Aに切り替え、排紙トレイ(固定排紙台33または昇降排紙台62)の指定、ステイプル処理の位置と数の指定、ソート(シフト処理)、中綴じ、中折り、断裁、穴あけ等の選択をこの画面を用いて設定する。次いで、中綴じ、中折り、穴あけの各処理の選択ボタンを押して所望の後処理を選択し、「OK」ボタンを押すことにより、信号が主制御手段100に送られ、主制御手段100からの指令が後処理制御手段200を介してそれぞれの後処理各部を動作させて後処理が行われ、図13の画面に戻る。
【0095】
図15は図13の次画面であり、図13に示す操作部9の基本画面上の「応用機能」ボタンを押したときに次画面として表示される応用機能画面9Bである。一方の挿入紙であるインターシート、OHP合紙等の仕切紙KAの記録紙Sへの挿入はこの画面により設定され実行される。
【0096】
[オフラインモードの後処理設定]
図16は、本発明に係る厚み情報入力手段の実施の形態である、後処理装置に設置された操作部を示す平面図であり、図17は、本発明に係る厚み情報入力手段によりオフラインモードで後処理モードを制御する後処理装置の動作手順を説明するためのフローチャートである。
【0097】
後処理装置に設置された操作部90には、綴じ処理、折り処理の機能を選択する機能選択ボタン91、穴あけ処理を選択するパンチボタン92、コピー動作を開始するスタート/クリアボタン(表示ランプ兼用)93、第1載置台選択ボタン94A、第2載置台選択ボタン94B、及び紙厚選択ボタン95のボタン群と、表示ランプ91A、91B、91C、91D、92A、厚紙表示ランプ95A、及び普通紙表示ランプ95Bのランプ群とが備えられている。このうち、表示手段は、紙厚選択ボタン95、厚紙表示ランプ95A、及び普通紙表示ランプ95B等により構成される。
【0098】
操作部90を用いて、第1の挿入紙載置台20Aに収容された仕切紙KA、第2の挿入紙載置台20Bに収容された表紙用紙KB、及び画像形成装置Aから集積部70に排出された記録紙Sに対し、後処理装置FS内で行う穴あけ処理、シフト処理、綴じ処理、折り処理等の後処理動作を、画像形成装置Aからの指示とは別に、オフラインで操作し実行することができる。また、枚数情報入力手段である図示しない用紙検知センサが第3搬送路ハ(図3参照)に配設されており、第1の挿入紙載置台20Aまたは第2の挿入紙載置台20Bから集積部70へと搬送される用紙が検知され、その検知回数が主制御手段100の記憶手段110に記憶されて枚数がカウントされる。
【0099】
本発明に係る厚み情報入力手段は、本実施の形態においては、後処理装置の操作部90に設けられた紙厚選択ボタン95、及び、紙厚表示用ランプである厚紙表示ランプ95A及び普通紙表示ランプ95B等からなる。
【0100】
また、本発明に係る制御可能な後処理装置のモードには、挿入紙の厚み情報を表示する表示手段の表示切替モードと、綴じ処理、折り処理、または穴あけ処理の最大処理枚数を変更する枚数制御モードとがある。表示切替モードとは、紙厚選択ボタン95を繰り返し押す動作により、普通紙表示ランプ95Bまたは厚紙表示ランプ95Aのどちらか一方のランプが交互に点灯または点滅するというモードをいう。また、枚数制御モードとは、厚み情報入力手段により入力された挿入紙の厚み情報に応じて、綴じ処理、折り処理、または穴あけ処理の最大処理枚数を変更するというモードをいう。表示切替モードは後処理装置FSの後処理制御手段200により制御され、枚数制御モードは後処理制御手段200を介して、主制御手段100により制御される。
【0101】
以下、後処理装置の操作部90からの入力操作に基づいた後処理装置の動作手順を、図1、図2に示す画像形成システム及び図17のフローチャートを用いて説明する。
【0102】
始めに、操作者は挿入紙または記録紙を後処理装置FSの第1の挿入紙載置台20Aに載置する(S1)。このとき、第1の挿入紙載置台20Aには、マイクロスイッチや光センサからなる図示しない載置検知手段25Aが配設されており、挿入紙または記録紙の載置を検知して後処理制御手段200を介して主制御手段100に検知信号を送信する。また、一つの載置台には同一の厚みを有する用紙を載置するものとし、異なる厚みの挿入紙または記録紙は第2の挿入紙載置台20Bに載置する。第1の挿入紙載置台20Aと同様に、第2の挿入紙載置台20Bには載置検知手段25Bが配設されており、挿入紙または記録紙の載置を検知して主制御手段100に検知信号を送信する。このとき、図16に示す後処理装置FSの操作部90の表示画面上の紙厚表示用ランプは、初期設定として普通紙表示ランプ95Bが点灯するように構成されている。次に、操作部90の表示画面上で機能選択ボタン91を押し、オフラインモードに切り換える(S2)。穴あけ処理を行うときは、この状態でパンチボタン92を押せば、表示ランプ92Aが点灯するとともに、スタート/クリアボタン93の青色ランプが点灯し、動作開始可能(レディー)を表示する。穴あけ処理を行わないときは、パンチボタン92を再度押すことにより表示ランプ92Aが消灯して元に戻る(S3)。次いで、機能選択ボタン91を再び押すと、綴じ動作のうち、1ケ所綴じの表示ランプ91Aが点灯するとともに、スタート/クリアボタン93の青色ランプが点灯し、動作開始可能(レディー)を表示する。続いて、機能選択ボタン91を逐次押す動作に伴い、2ケ所綴じの表示ランプ91B、中綴じ中折りの表示ランプ91C、三つ折りの表示ランプ91Dの内の一つのランプが順次点灯するとともに、スタート/クリアボタン93の青色ランプが点灯し、動作開始可能(レディー)を表示するので、いずれか所望する後処理を選択する(S4)。次に、挿入紙が載置されている第1の挿入紙載置台20Aを選択するため、第1載置台選択ボタン94Aを押す(S5)。次いで、第1の挿入紙載置台20Aに載置した用紙に対応する紙厚に基づいて紙厚選択ボタン95を押すことにより前記表示手段は表示切替モードとなり、厚紙か普通紙かが選択される(S6)。紙厚選択ボタン95を押すと、当初点灯していた普通紙表示ランプ95Bが消灯し、代わりに厚紙表示ランプ95Aが点灯する(S7)。表示切替モードにおいて、紙厚選択ボタン95を繰り返し押す動作に応じて厚紙表示ランプ95Aと普通紙表示ランプ95Bとが点灯(または点滅)・消灯を繰り返し、常にどちらか一方のランプのみが表示される。厚紙表示ランプ95Aまたは普通紙表示ランプ95Bの点灯または点滅は、操作者の紙厚に対する認識を高め、紙厚に関わるミスコピーを少なくするという効果がある。
【0103】
次いで、スタート/クリアボタン93を押す(S8)と、第1の挿入紙載置台20Aに載置された挿入紙または記録紙は集積部70へと搬送される(S9)。同時に、第3搬送路ハ(図3参照)に配設した図示しない用紙検知センサにより集積部70へと搬送される用紙の枚数が検知され枚数制御モードに移行する。枚数制御モードに移行すると、搬送される用紙枚数の検知信号が後処理制御手段200を介して主制御手段100へ送られてカウントされ累計枚数が記憶手段110に記憶される。挿入紙または記録紙が普通紙のときはそのまま記録紙枚数と合算され、挿入紙が厚紙のときは記憶手段110に予め入力してある厚紙の基準値(プログラム)に基づき、厚紙を普通紙の枚数に換算して算出され、記録紙枚数に合算して累計枚数を算出するという演算処理を行って、累計枚数が算出され、主制御手段100は、算出された累計枚数を記憶手段110に入力されている該当する後処理の最大処理枚数と比較し、処理能力以内であるかどうかを判定する(S10)。該当する後処理が処理能力を超えているときは、自動的に後処理動作を停止し(S11)、図13の初期画面(S1)に戻り、処理能力がオーバーしていることと再設定が必要であることを表す警告が、警告ランプの点灯または警告文の表示として操作部9の画面に表示される。後処理が処理能力以内のときは、S12に進み、用紙の搬送が継続され、用紙は集積部70に搬送される(S12)。枚数制御モードにより、後処理装置FSの処理能力を最大に発揮させることが可能となると共に、処理能力を超えて後処理を実施してしまうというミスコピーが減少するという効果がある。
【0104】
次に、第1の挿入紙載置台20A上に用紙が残っていないかどうかが図示しない用紙残量検知センサにより検知され、残っているときはS10に戻り、残っていないときにはS14へ進む(S13)。第1の挿入紙載置台20A上に用紙が残っていないとき、第2の挿入紙載置台20B上に用紙が残っていないかどうかが図示しない用紙残量検知センサにより検知され(S14)、残っているときはS3に戻り、残っていないときにはS15へ進む(S13)。図示しない用紙残量検知センサにより、第1の挿入紙載置台20A上及び第2の挿入紙載置台20B上に用紙が残っていないことが検知されると、次に、追加したい用紙があるかどうかを確認し(S15)、追加したい用紙があるときはS16に進み、追加したい用紙がないときはS17に進む。追加したい用紙があるときは、第1の挿入紙載置台20A上または第2の挿入紙載置台20B上に所望の用紙を載置し(S16)、S3へ戻る。追加したい用紙がないときは、集積部70に搬送され、集結された用紙に対し所望の後処理が行われ、後処理された用紙束が昇降排紙台62又は固定排紙台33に排出される(S17)。
【0105】
本実施の形態においては、操作部90の紙厚の初期設定を普通紙としたが、図示しないディップスイッチまたは操作部画面上のボタンにより、初期設定を厚紙とすることができる。
【0106】
また、穴あけ処理については、パンチ41及びダイス42の刃部の摩耗を考慮して、挿入紙が厚紙の場合には穴あけ処理を実施しない構成とすることができる。
【0107】
紙厚み検知センサTSは、厚み情報入力手段として用いることも可能であり、挿入手段である第2の挿入紙載置台20Bの給紙部25(図3参照)近傍に設けられている。紙厚み検知センサTSは透過光や超音波を用いた公知の厚み検知センサにより構成される。第2の挿入紙載置台20Bから搬送される表紙用紙KBは、給紙部25の近傍で紙厚み検知センサTSにより厚紙か普通紙かが検知される。表紙用紙KBが厚紙であると検知されたときは、当該紙厚情報と第2の挿入紙載置台20Bに残された表紙用紙KBの枚数情報とが後処理制御手段200を介して主制御手段100に送られ普通紙の枚数として換算される。厚紙の表紙用紙KBを普通紙の枚数に換算した値は、主制御手段100により、第1の挿入紙載置台20Aから搬送される仕切紙KAの枚数と画像形成装置Aから集積部70に排出される記録紙Sの枚数とに合算され、算出された累計枚数が予め記憶手段110に入力された所定の後処理処理能力枚数(最大処理枚数)と比較され、対象となる後処理の動作を制御する指令(信号)が発せられる。即ち、主制御手段100は、挿入紙の算出された累計枚数が後処理の処理能力枚数を超えたときには、当該後処理の動作を停止する指令を発する。
【0108】
本実施の形態において、紙厚み検知センサTSは給紙部25近傍に設けられ、給紙部25に送られる用紙の厚みを1枚ずつ検知する構成としたが、挿入紙載置台20Aまたは20Bに載置された用紙束全体の厚みを超音波を用いて検知したり、用紙束の最上部高さを光学的に検知する構成としても良い。
【0109】
以上が、オフラインモードで仕切紙KAまたは表紙用紙KBに、穴あけ処理、綴じ処理、折り処理、三つ折り処理の何れかを選択して単独で後処理を行う過程を示すものである。
【0110】
図18は、綴じ処理と穴あけ処理の後処理が行われた状態を示す仕切紙KAの平面図であり、図18(a)は、穴あけ処理と1ケ所綴じ処理とが行われた仕切紙KAの平面図、図18(b)は、穴あけ処理と2ケ所綴じ処理とが行われた仕切紙KAの平面図である。
【0111】
オフラインモードで、図17に示す操作部90、または図19に示す操作部90Aにおいて、穴あけ処理と1ケ所綴じ処理の2操作を行って設定した場合には、後処理制御手段200は、図18(a)に示す2個の穴hの穴あけと、1個の綴じ針SPによる挿入紙コーナ1ケ所綴じとを可能とする。
【0112】
オフラインモードで、操作部90または操作部90Aにおいて、穴あけ処理と2ケ所綴じ処理の2操作を行って設定した場合には、後処理制御手段200は、図21(b)に示す2個の穴hの穴あけと、2個の綴じ針SPによる挿入紙端辺部2ケ所綴じとを可能とする。
【0113】
なお、本発明の実施の形態では、紙厚み検知センサTSを図3に示す給紙部25の近傍に配設し、表紙用紙KBの厚みのみを検知する構成としたが、給紙部22の近傍にも設けて仕切紙KAの厚みも検知する構成としてもよい。
【0114】
また、本発明の実施の形態では、複写機本体に接続した後処理装置について説明したが、プリンタ、複合機、軽印刷機等の画像形成装置に接続して使用する後処理装置にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明の一実施形態である後処理装置を画像形成装置及び画像読み取り装置に接続し、更に断裁装置を接続した画像形成システムの全体構成図。
【図2】画像形成システムの外観斜視図。
【図3】本発明に係る後処理装置内における記録紙及び挿入用紙、表紙用紙の搬送経路を示す全体構成図。
【図4】穴あけ手段により穴あけ処理された記録紙の各種例を示す平面図。
【図5】集積部と折り手段から成る後処理ユニットの断面図。
【図6】各種綴じ処理を実施する場合の、綴じ手段と用紙束との配置を示す平面図。
【図7】折り手段の正面図。
【図8】折り手段による二つ折り処理の工程を示す断面図。
【図9】中綴じと二つ折りの後処理を施した用紙束の斜視図、両開きした状態の用紙束の斜視図、用紙束の模式断面図。
【図10】三つ折り処理される記録紙の展開平面図、三つ折り処理された記録紙の斜視図。
【図11】三つ折り処理工程を示す断面図。
【図12】画像形成装置と後処理装置の制御を示すブロック図。
【図13】画像形成装置の操作部の基本画面を示す平面図、及び後処理装置に設置された操作部のサブ画面を示す平面図。
【図14】出力設定画面の平面図。
【図15】応用機能画面の平面図。
【図16】本発明に係る厚み情報入力手段の実施の形態である、後処理装置FSに設置された操作部90を示す平面図。
【図17】本発明に係る厚み情報入力手段によりオフラインモードで後処理モードを制御する後処理装置の動作手順を説明するためのフローチャート。
【図18】穴あけ処理と1ケ所綴じ処理とが行われた用紙の平面図、及び穴あけ処理と2ケ所綴じ処理とが行われた用紙の平面図。
【符号の説明】
【0116】
9 画像形成装置の操作部(枚数情報入力手段)
9A、9B 操作部9のサブ画面
20A 第1の挿入紙載置台
20B 第2の挿入紙載置台
25A、25B 載置検知手段
40 穴あけ手段
70 集積部(用紙収納部)
700 綴じ手段(ステイプル手段)
80 折り手段
90 後処理装置の操作部(後処理操作手段、厚み情報入力手段)
91 機能選択ボタン
91A、91B、91C、91D、92A 表示ランプ
92 パンチボタン
93 スタート/クリアボタン
95 紙厚選択ボタン
95A 厚紙表示ランプ(表示手段)
95B 普通紙表示ランプ(表示手段)
100 主制御手段
200 後処理制御手段
A 画像形成装置
FS 用紙後処理装置(後処理装置)
KA 仕切紙(挿入紙)
KB 表紙用紙(挿入紙)
TS 紙厚み検知センサ
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの諸機能を有する複合機等の画像形成装置から排出される記録紙に対して、綴じ処理、折り処理、穴あけ処理等の後処理を行う後処理装置に関し、詳しくは、綴じ処理、折り処理、及び穴あけ処理の後処理を備え、かつ、画像形成装置から排出される複数枚の記録紙の前後または中間に挿入紙を挿入する挿入紙挿入手段を備えた後処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリ、またはこれらの複合機等の画像形成装置本体に接続され、画像が記録された多数枚の記録紙を、プリント部数毎に丁合し、綴じ手段による綴じ処理、折り手段による折り処理、または穴あけ手段による穴あけ処理を行う後処理装置が提供されている。
【0003】
従来、綴じ処理、折り処理、穴あけ処理に加えて、画像形成装置から排出される複数枚の記録紙の前後または中間に挿入紙を挿入する挿入紙挿入手段を備えた後処理装置が開発されており、これらの後処理装置の挿入紙には、表紙にする等の目的から厚紙が用いられることも多い。挿入紙挿入手段を備えた後処理装置としては、画像形成装置からプリントされた記録紙の画像の向きと挿入紙の画像の向きとを揃える機能を有する後処理装置(例えば、特許文献1)や、画像形成装置からの指示とは別にオフラインで綴じ処理、折り処理または穴あけ処理を指定する機能を有する後処理装置(例えば、特許文献2)が提案されている。後処理装置の入力手段で後処理に係る情報を入力するオフラインにおいて、オフラインで後処理を行うことには、画像形成装置の操作部で複雑な入力操作を行う必要がないという利点がある。
【0004】
挿入紙に厚紙を用いたときには、綴じ処理、折り処理または穴あけ処理の処理能力(最大処理枚数)は普通紙を用いたときより減少した値となる筈である。然るに、特許文献1または特許文献2に提案されている後処理装置では、厚紙の挿入紙が複数枚となったときの綴じ処理、折り処理、及び穴あけ処理の対応については記載されていない。また、上記文献以外でも従来、オフラインで挿入紙の厚み情報により後処理工程を制御する後処理装置については提案されていない。
【0005】
また、挿入紙の厚み情報が不明確な場合、操作者は後処理装置の有する処理能力より低い枚数で設定してしまうとか、処理能力を超えた枚数で設定してしまい、処理不良を生じさせてしまうといった問題を起こしがちであった。
【特許文献1】特開2000−295410号公報
【特許文献2】特開2003−146532号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記の問題を解決するため、後処理装置の処理能力をフルに活用でき、かつ、厚紙の挿入紙に対し処理能力を超えた枚数の後処理が入力されても、制御手段が当該後処理の動作を停止させて後処理の不具合を防止することができる構成を有する後処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、下記の構成により達成することが出来る。
(請求項1)
画像形成装置から排出される複数枚の記録紙、及び、前記複数枚の記録紙の前後または中間に挿入される1枚または複数枚の挿入紙に対し、少なくとも綴じ処理、折り処理、または穴あけ処理のいずれかの後処理が実行可能な構成を有すると共に、
挿入紙または記録紙を載置しうる挿入紙載置台を後処理装置内に備え、前記挿入紙を前記複数枚の記録紙の前後または中間に挿入する挿入手段、
を有する後処理装置において、
前記挿入紙載置台への挿入紙の載置を検知する挿入紙載置検知手段と、
前記挿入紙の厚み情報を入力する厚み情報入力手段と、
前記厚み情報入力手段により入力された前記挿入紙の厚み情報を表示する表示手段と、
当該厚み情報に基づいて、前記後処理装置のモードを制御する制御手段と、を有し、
前記後処理装置のモードが、前記挿入紙の厚み情報及び載置を検知した情報に基づいて、前記制御手段により制御されることを特徴とする後処理装置。
(請求項2)
前記モードが前記表示手段の表示切替モードであることを特徴とする請求項1に記載の後処理装置。
(請求項3)
前記モードの初期設定が変更可能な構成であることを特徴とする請求項1または2に記載の後処理装置。
(請求項4)
前記モードが綴じ処理、折り処理、または穴あけ処理の最大処理枚数を変更する枚数制御モードであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の後処理装置。
(請求項5)
前記挿入紙が厚紙であるとき、前記モードの制御が穴あけ処理の穴あけ動作を禁止する制御であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の後処理装置。
(請求項6)
前記後処理装置に備えられ、前記綴じ処理、前記折り処理、及び前記穴あけ処理の内の1つまたは複数の後処理を、オフラインで選定し実施しうる後処理操作手段を有し、
挿入紙載置台に載置した挿入紙に対し、当該後処理操作手段からの指示により、前記綴じ処理、前記折り処理、及び前記穴あけ処理の内の1つまたは複数の後処理が可能に構成されたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の後処理装置。
【発明の効果】
【0008】
請求項1及び2に記載の発明により、操作者の挿入紙紙厚に対する認識が高まり、挿入紙紙厚に関わる誤操作によるミスコピーを少なくすることができる。
【0009】
請求項3に記載の発明により、ユーザが後処理装置のモードの初期設定を自由に変えることができ、ユーザ独自の使用環境に適した設定が得られる。
【0010】
請求項4に記載の発明により、処理枚数が多すぎたことによる綴じ処理、折り処理、及び穴あけ処理の処理不良を防止することができ、かつ、適正な処理枚数の設定により効率の良い後処理を行うことができる。
【0011】
請求項5に記載の発明により、厚紙による穴あけ処理の不具合を防止することができる。
【0012】
請求項6に記載の発明により、画像形成装置の操作部からの入力操作を不要とし、後処理装置の挿入紙載置台に載置した挿入紙に対し後処理装置操作部から簡単な操作で後処理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明の後処理装置を図面に基づいて説明する。
【0014】
[画像形成システム]
図1は、本発明の一実施形態である後処理装置FSを画像形成装置A及び画像読み取り装置Bに接続し、更に断裁装置Cを接続した画像形成システムの全体構成図であり、図2は画像形成システムの外観斜視図である。
【0015】
画像形成装置Aは、回転する像担持体1の周囲に、帯電手段2、像露光手段(書き込み手段)3、現像手段4、転写手段5A、除電手段5B、及びクリーニング手段6を配置した画像形成部を有し、帯電手段2によって像担持体1の表面に一様帯電を行った後に、像露光手段3のレーザビームによって原稿から読み取られた画像データに基づく露光走査を行って潜像を形成し、該潜像を現像手段4により反転現像して像担持体1の表面にトナー像を形成する。
【0016】
一方、記録紙収納手段7Aに収容された記録紙Sは、給紙手段7Bにより給紙され転写位置へと送られる。転写位置において転写手段5Aにより前記トナー像が記録紙S上に転写される。その後に、記録紙Sは除電手段5Bにより裏面の電荷が消去され、像担持体1から分離され、中間搬送手段7Cにより搬送され、引き続き定着手段8により加熱定着され、排紙手段7Dから排出される。
【0017】
記録紙Sの両面に画像形成を行う場合には、定着手段8により加熱定着された記録紙Sを、搬送路切り換え板7Eにより通常の排紙通路から分岐し、反転搬送手段7Fにおいてスイッチバックして表裏反転して裏面に画像形成した後、排紙手段7Dにより装置外に排出される。排紙手段7Dから排出された記録紙Sは、後処理装置FSに送り込まれる。
【0018】
一方、像担持体1の画像処理後の表面は、クリーニング手段6により表面に残留している現像剤が除去され、次の画像形成に備える。
【0019】
画像形成装置Aの上部前面側には、画像形成に関するモード、後処理に関するモードを選択して指定する操作部9が配置されている。
【0020】
画像形成装置Aの上部には、原稿移動型読み取り方式の自動原稿送り装置を備えた画像読み取り装置Bが設置されている。
【0021】
画像形成装置Aから排出された記録紙Sは、後処理装置FSにおいて、穴あけ手段40による穴あけ処理、シフト手段50によるシフト処理、集積部(用紙収納部)70の綴じ手段(ステイプル手段)700による綴じ処理、折り手段80における折り処理等の後処理がおこなわれた後、直接排紙手段30、昇降排紙台62、断裁装置Cの何れかに送り込まれる。また、後処理装置FSの上部には、画像形成装置から排出される複数枚の記録紙Sの前後または中間に挿入される挿入紙を収納して集積部70に搬送する、本発明の挿入手段である第1の挿入紙載置台20A、第2の挿入紙載置台20Bが配置されている。第1の挿入紙載置台20A及び第2の挿入紙載置台20Bにはそれぞれ挿入紙の載置を検知する図示しない載置検知手段25A、25Bが配設されている。
【0022】
第2の挿入紙載置台20Bの下方には、後処理装置FSに送り込まれた記録紙Sを直接排紙して収容する直接排紙手段30が設けられている。
【0023】
断裁装置Cは、第1搬送手段C1、第2搬送手段C2、断裁手段C3、冊子収納手段C4から構成されている。断裁装置Cは、中綴じ処理、中折り処理されて作製された用紙(記録紙及び挿入紙をまとめて用紙ともいう)束を第1搬送手段C1により搬送し、断裁手段C3により小口近傍を切断して小口を揃えて冊子を作製し、断裁処理後の冊子を第2搬送手段C2により搬送し、冊子収納手段C4において冊子を整列収納させる。後処理装置FSの上部前面側には、穴あけ処理、綴じ処理、及び折り処理の内、1つまたは複数の後処理を選択して指定する後処理操作手段である後処理装置FSの操作部90が配置されている。
【0024】
[後処理装置]
本発明の実施の形態における挿入紙としては、仕切として用いる仕切紙(インターシート)KAと、表紙として用いる表紙用紙(カバーシート)KBとがある。挿入紙を挿入する挿入手段としては、仕切紙KAを複数枚の記録紙Sの中間に挿入する第1の挿入紙載置台20Aと、表紙用紙KBを複数枚の記録紙Sの前後に挿入する第2の挿入紙載置台20Bとがある。
【0025】
図3は、本発明に係る後処理装置FS内における構成、及び、記録紙S、仕切紙KA、及び表紙用紙KBの搬送経路を説明するための後処理装置FSの全体構成図である。
【0026】
後処理装置FSは画像形成装置Aから搬出された記録紙Sの受入部11が、画像形成装置Aの排紙手段7Dと合致するような位置と高さに設置されている。
【0027】
受入部11には、画像形成装置Aから画像形成処理された記録紙Sと、第1の挿入紙載置台20Aから供給される仕切紙KAと、第2の挿入紙載置台20Bから供給される表紙用紙KBとが導入される。
【0028】
・(仕切紙、表紙用紙の給紙)
第1の挿入紙載置台20Aの給紙皿内に収容された仕切紙KAは、給紙部21により分離、給送され、搬送ローラ22、23、24に挟持されて、受入部11に導入される。また、第2の挿入紙載置台20Bの給紙皿内に収容された表紙用紙KBは、給紙部25により分離、給送され、搬送ローラ23、24に挟持されて、受入部11に導入される。
【0029】
紙厚み検知センサTS(詳細の説明は後述)は、本実施の形態においては、第2の挿入紙載置台20Bの給紙部25の近傍に配設されている。
【0030】
・(穴あけ処理)
受入部11の用紙搬送方向下流側に配置された穴あけ手段40は、画像形成装置Aから送り込まれた記録紙S、及び第1の挿入紙載置台20Aから搬送された仕切紙KA、第2の挿入紙載置台20Bから搬送された表紙用紙KBに穴あけ処理を行う。
【0031】
穴あけ手段40は、駆動手段により昇降駆動されるパンチ41と、パンチ41の刃部に嵌合するダイス42から成る。
【0032】
穴あけ手段40は、後述の後処理制御手段200からの指令により動作する。
【0033】
図4は、穴あけ手段40により穴あけ処理された記録紙Sの各種例を示す平面図である。図4(a)は記録紙Sの側縁辺aの近傍2箇所に穴hを穴あけした例(2穴ファイル)を示す。図4(b)は記録紙Sの側縁辺aの近傍3箇所に穴hを穴あけした例(3穴ファイル)を示す。図4(c)は記録紙Sの側縁辺aの近傍4箇所に穴hを穴あけした例(4穴ファイル)を示す。
【0034】
これらの複数の穴hの間隔は規格化されている。また、記録紙Sの側縁辺aから穴hの中心までの穴あけ端面距離bは任意に設定できるが、一般には9〜11mmである。
【0035】
・(用紙分岐)
穴あけ手段40の用紙搬送方向下流側には、切り換え手段G1、G2から成る用紙分岐手段が設けられている。切り換え手段G1、G2は図示しないソレノイドの駆動により三方の用紙搬送路、即ち、上段排紙用の第1搬送路イ、中段の第2搬送路ロ、下段の第3搬送路ハの何れかに選択的に分岐される。
【0036】
・(単純排紙)
この用紙搬送が設定されると、切り換え手段G1は第2搬送路ロ、第3搬送路ハを遮断し、第1搬送路イのみを開放する。
【0037】
直接排紙手段30は、搬送ローラ31、排出ローラ32、及び固定排紙台33等により構成されている。第1搬送路イを通過する記録紙S等は、搬送ローラ31に挟持されて上昇し、排出ローラ32により排出され、固定排紙台33上に載置され、順次積載される。固定排紙台33には最大約200枚の記録紙S等を積載することができる。
【0038】
・(シフト処理)
この搬送に関するモードに設定されると、切り換え手段G1は上方に退避し、切り換え手段G2は第3搬送路ハを遮断し、第2搬送路ロを開放し記録紙Sの第2搬送路ロへの通過を可能にする。画像形成装置Aより排出された画像形成済みの記録紙S、または、第1の挿入紙載置台20Aから給送された仕切紙KA、或いは、第2の挿入紙載置台20Bから給送された表紙用紙KBは、切り換え手段G1、G2の中間を通過し第2搬送路ロを進行しながら、シフト手段50により用紙搬送方向に直交する方向に所定量移動されるようにシフト処理され、排紙方向に搬送される。
【0039】
シフト手段50は所定の枚数毎に、搬送幅方向に記録紙Sの排紙位置を変えるシフト処理を行う。シフト処理された記録紙Sは、排紙手段60の排出ローラ61により挟持されて機外の昇降排紙台62に排出され、順次載置される。この昇降排紙台62は多数枚の記録紙Sを排紙するときには、順次下降するように構成されており、最大約3000枚(A4、B5)の記録紙Sを収容することが可能である。
【0040】
・(綴じ処理)
図5は、集積部70と折り手段80から成る後処理ユニットの部分断面図である。
【0041】
画像形成装置の操作部9または後処理装置の操作部90(図2参照)を介して綴じ処理または折り処理が設定されると、画像形成装置A内で画像形成処理されて後処理装置FSの受入部11に送り込まれた画像形成済みの記録紙Sは、穴あけ手段40(図3参照)を通過し、切り換え手段G2の下方の第3搬送路ハに送り込まれ、搬送ローラ12に挟持されて下方に搬送される。
【0042】
第3搬送路ハにおいて、A4、B5判より大きいサイズの記録紙Sが搬送されるとき、ソレノイドSD1が駆動され、記録紙Sは、切り換え手段G3の図示左側の通紙路13Aを通過して、搬送ローラ14に挟持されて、下方に搬送される。記録紙Sは、更に下流の入口搬送ローラ対(レジストローラ)15により挟持されて送り出され、集積部70において傾斜配置された用紙載置台(スタッカ)71の上方空間に排出され、用紙載置台71または用紙載置台71上に既に積載されている記録紙Sの上面に接し、斜め上方に搬送される。記録紙Sの進行方向後端部が搬送ローラ14の挟持位置から排出されたのちには、記録紙Sは自重により下降に転じ、用紙載置台71の傾斜面上を搬送され、打釘機構701と受針機構702とから成る綴じ手段近傍の端綴じ用の用紙後端突き当て部材(以下、第1突き当て部材とも称す)72の用紙突き当て面に記録紙Sの後端部が当接して停止する。16は、記録紙Sの先端部に摺接して巻き込み、第1突き当て部材72に送り込む回動するエンドレスベルト状の用紙案内部材である。なお、用紙案内部材16は、回転可能な羽根車でもよい。
【0043】
第3搬送路ハにおいて、A4、B5判等の小サイズの記録紙Sを、効率よく連続的に搬送してコピー生産性を向上させるため、可動の切り換え手段G3と、切り換え手段G3の図示左側の通紙路13Aに平行する通紙路13Bとを設ける。
【0044】
切り換え手段G3に接続するソレノイドSD1を駆動させると、通紙路13Aを閉止し、通紙路13Bを開放する。
【0045】
搬送ローラ12から送り出された1枚目の小サイズの記録紙Sの先端部は、通紙路13Bを通過して、回転停止状態の入口搬送ローラ対15の周面に当接して停止する。
【0046】
次に、ソレノイドSD1の通電がオフになり、切り換え手段G3の先端部が時計方向に揺動し、通紙路13Bを閉止し、通紙路13Aを開放する。搬送ローラ12から送り出された2枚目の記録紙Sの先端部は、通紙路13Aを通過して、回転停止状態の入口搬送ローラ対15の周面に当接して停止する。従って、入口搬送ローラ対15の挟持位置付近には、1枚目の記録紙Sと2枚目の記録紙Sの各先端部が重なって停止し、待機状態となる。
【0047】
所定のタイミングをとって、入口搬送ローラ対15が駆動回転し、2枚の記録紙Sを挟持して同時に搬送し、用紙載置台71上に排出する。3枚目以降は、入口搬送ローラ対15が記録紙Sを1枚ずつ排出する。
【0048】
73は用紙載置台71の両側面に移動可能に設けた一対の上流側の幅整合部材である。幅整合部材73は用紙搬送方向と直交する用紙幅方向に移動可能であり、記録紙Sが用紙載置台71上に搬送される用紙受け入れ時には、用紙幅より広く開放される。記録紙Sが用紙載置台71上を搬送され、第1突き当て部材72に当接して停止するときには、幅整合部材73は、記録紙Sの幅方向の側縁を軽打して用紙束Saの幅揃え(幅整合)を行う。この停止位置において、用紙載置台71上に所定枚数の記録紙Sが積載、整合されると、打針機構701と受針機構702とから成る綴じ手段により綴じ合わせ処理が行われ、用紙束Saが綴じ合わされる。
【0049】
用紙載置台71の用紙積載面の一部には切り欠き部が形成されていて、駆動プーリ74Aと従動プーリ74Bに巻回された1本の排出ベルト75が回動可能に駆動される。排出ベルト75の一部には、排出爪76が一体に形成されていて、その先端部は、図示一点鎖線のように長円軌跡Xを描く。綴じ処理された用紙束Saは、排出ベルト75の排出爪76により記録紙Sの後端部が保持されて、排出ベルト75上に載せられ、用紙載置台71の載置面上を滑走して斜め上方に押し上げられ、排紙手段60の排出ローラ61(図3参照)の挟持位置に進行する。回転する排出ローラ61に挟持された用紙束Saは、昇降排紙台62上に排出、積載される(図3参照)。
【0050】
集積部70、折り手段80は後処理ユニットの架台上に配置され、スライドレールR1、R2に案内されて後処理装置FSの前面側に引き出し可能である。
【0051】
図6は、各種綴じ処理を実施する場合の、打針機構701、受針機構702から成る綴じ手段700と、用紙束Saとの配置を示す平面図である。図6(a)は、用紙束Saの側縁近傍で中央振り分け2箇所に綴じ針SPを打針する平綴じ処理を示す平面図、図6(b)は、用紙束Saのコーナ部近傍の1箇所に綴じ針SPを打針する端綴じ処理を示す平面図、図6(c)は用紙束Saの中央部2箇所に綴じ針SPを打針する中綴じ処理を示す平面図である。
【0052】
・(中綴じ処理)
集積部70に配置された綴じ手段700は、打針機構701と受針機構702との2分割構造に構成され、その中間に記録紙Sが通過可能な通紙路77Aを形成している(図5参照)。
【0053】
綴じ手段700は、用紙搬送方向に直交する用紙幅方向に2組配置され、図示しない駆動手段により、用紙幅方向に移動可能である。
【0054】
中綴じ処理に設定されると、綴じ手段700の綴じ処理位置(綴じ針の打針位置)近傍の第1突き当て部材72が搬送路から待避し、ほぼ同時にそれより下流の中綴じ中折り兼用の第2突き当て部材78が通紙路77Aの延長面方向に移動して、通紙路77Bを遮断する。
【0055】
第2突き当て部材78を有する中綴じストッパユニットは、表紙用紙KB及び記録紙Sのサイズ(搬送方向の長さ)が設定または検知されると、中綴じ処理する用紙束Saの下方の端部に当接する位置に移動して停止する。
【0056】
表紙用紙KBが用紙載置台71上の所定の停止位置に載置された後、画像形成装置Aから搬出された記録紙Sが、後処理装置FSの受入部11から第3搬送路ハを通過して、用紙載置台71上に載置された表紙用紙KBの上面に順次積載され、記録紙Sの先端部が第2突き当て部材78に当接して位置決めされる。
【0057】
最終の記録紙Sが用紙載置台71上に位置決め載置された後、表紙用紙KBと記録紙Sの全頁とから成る用紙束Saに綴じ手段700による中綴じ処理を行う。この中綴じ処理により、表紙用紙KB及び記録紙Sの搬送方向の中央部に綴じ針SPが打ち込まれる。綴じ針SPは綴じ針駆動側の打針機構701から、綴じ針クリンチ側の受針機構702に向けて打ち込まれる(図5及び図6(c)参照)。
【0058】
綴じ手段700は後述の後処理制御手段200からの指令により動作する。
【0059】
・(折り処理)
図5において、集積部70の斜め下方には、折り手段80が配置されている。中綴じ処理後、第2突き当て部材78が用紙束Saの搬送下流方向に直線移動して、通紙路77Aの下流の通路を開放する。移動可能な第2突き当て部材78は、上方位置において中綴じ処理時の用紙束Saの停止位置を規制するとともに、下方位置において中折り処理時の用紙束Saの停止位置を規制する。
【0060】
中綴じ処理された表紙用紙KBと記録紙Sから成る用紙束Saは、斜め下方を案内板81により形成される通紙路81A内を搬送され、第2突き当て部材78に用紙束Saの搬送方向の端部が当接して、所定位置に停止する。第2突き当て部材78は用紙サイズの設定または検知結果と駆動手段により所定位置に移動可能である。
【0061】
後処理ユニットの用紙載置台71と、通紙路77A、77B、81Aは、ほぼ同一の平面上に形成され、且つ、約70度の急傾斜を成している。
【0062】
図7は、折り手段80の正面図である。
【0063】
折り手段80は、折り板82、第1折り上ローラ(以下、上ローラと称す)83、第1折り下ローラ(以下、下ローラと称す)84、第2折りローラ(以下、第2ローラと称す)85、搬送路切り換え部材87、案内板88、用紙先端停止部材89等から成り、用紙束Saを二つ折り処理または三つ折り処理する。
【0064】
上ローラ83と下ローラ84とは、ほぼ対称形をなす左右一対の押圧手段により支持されている。一方の押圧手段は、上ローラ83と、この上ローラ83を回転可能に支持し、支軸831を中心に揺動可能な支持板832と、この支持板832の一端に係止され、上ローラ83を挟持位置方向に付勢するバネ833とから成る。下ローラ84は、上ローラ83とほぼ対称形を成し、支軸841、支持板842、バネ843から成る。上ローラ83、下ローラ84は、後述の折りローラ駆動手段801により駆動回転される。上ローラ83、下ローラ84の各外周面は、高摩擦抵抗材により形成されている。
【0065】
搬送路切り換え部材87はソレノイドSD2により駆動されて揺動可能であり、二つ折り処理時には、排出される記録紙Sを二つ折り排紙出口E1に案内し、三つ折り処理時には、記録紙Sを案内板88内に案内し、排紙出口E2から排出する。
【0066】
・(用紙の中折り処理)
図8は折り手段80による二つ折り処理の工程を示す断面図であり、図8(a)は、折り板82が用紙束Saを押圧して上ローラ83、下ローラ84に圧接させる状態を示す。図8(b)は、折り板82が上ローラ83、下ローラ84の挟持位置Nを越えた位置に進入して用紙束Saを二つ折り処理した状態を示す。図8(c)は、折り板82が上ローラ83、下ローラ84の挟持位置Nから退避して初期位置に戻るとともに、二つ折り処理された用紙束Saが上ローラ83、下ローラ84により排出される状態を示す。
【0067】
二つ折り処理開始信号により、駆動源に接続する折り板82は、用紙載置面より図示の左方向に突出する。折り板82は本実施の形態では厚さ約0.3mmの薄型のナイフ状をなし、その先端部は鋭角をなす。
【0068】
図示の左方向に直進して突出した折り板82の先端部は、用紙束Saの中央部を押し込み、用紙束Saを介して上ローラ83、下ローラ84の挟持位置Nを押し広げて離間させる。
【0069】
折り板82の先端部が上ローラ83、下ローラ84の挟持位置Nを通過後、折り板82が後退して、用紙束Saの中央部は、上ローラ83、下ローラ84により挟圧されて、折り目部cが形成される。この折り目部cは、中綴じ処理による用紙束Saへの綴じ針SPの打ち込み位置とほぼ一致する(図9参照)。
【0070】
折り手段80は、後述の後処理制御手段200からの指令により動作する。
【0071】
挟圧されて折り目部cを形成された用紙束Saは、駆動回転する上ローラ83、下ローラ84により搬出され、機外の排出トレイ800上に載置される。
【0072】
図9(a)は中綴じと二つ折りの後処理を施した用紙束Saの斜視図、図9(b)は後処理済みの用紙束Saを両開きした状態を示す斜視図、図9(c)は用紙束Saの模式断面図である。
【0073】
中綴じ処理と二つ折り処理により作成された用紙束Saは、記録紙Sの第1面(p1、p8)を外側に向け、その裏面側に第2面(p2、p7)、更にその内側に記録紙Sの第1面(p3、p6)、その内側に記録紙Sの第2面(p4、p5)が配置され、図示のように8頁(p1〜p8)から成る冊子Saの頁揃えができる。
【0074】
・(三つ折り処理)
図7に示す折り手段80は、二つ折り処理と三つ折り処理との二つのモードを実行可能である。折り手段80は、用紙束Saを二つ折り処理する第1折り畳み手段と、用紙束Saを三つ折り処理する第2折り畳み手段とを有する。
【0075】
第1折り畳み手段は、上ローラ83、下ローラ84と、折り板82とから成る。第2折り畳み手段は、第2ローラ85、搬送路切り換え部材87、案内板88、用紙先端停止部材89から成る。
【0076】
上ローラ83、下ローラ84の挟持位置N(図8参照)から、用紙先端停止部材89の用紙当接面までの用紙搬送距離は、記録紙Sの搬送方向長さの三分の一になるように、用紙先端停止部材89の位置が設定されている。
【0077】
下ローラ84と第2ローラ85は、支持板832に回転可能に支持され、折りローラ駆動手段801に接続している。
【0078】
図10(a)は、三つ折り処理される記録紙Sの展開平面図、図10(b)は三つ折り処理された記録紙Sの斜視図である。記録紙Sの長手方向の長さをほぼ三等分する折り目部d、eは、記録紙SをA面、B面、C面の3面に折り畳む。三つ折り処理される記録紙Sは、先ず、折り目部dにより折り畳まれ、次に折り目部eにより内側に折り畳まれる。
【0079】
なお、三つ折り処理は、同時に少数枚の用紙、例えば約3枚の記録紙Sを折り畳む事ができる。三つ折り処理された記録紙Sは、小サイズに折り畳まれ、通常郵便の封筒内に収容可能である。
【0080】
図11は、三つ折り処理工程を示す断面図である。なお、この三つ折り処理工程では、図10(b)に示す内側折り畳みを形成する。
【0081】
図11(a)において、折り板82の先端部は、記録紙Sに形成される折り目部dの位置を押圧して上ローラ83、下ローラ84の挟持位置N(図8参照)に挿入する。上ローラ83、下ローラ84は実線矢印方向に回転して、記録紙Sの折り目部dを形成しながら記録紙Sを挟み込む。折り板82は、上ローラ83、下ローラ84により折り目部aが形成された後、挟持位置Nから退避して初期位置に復帰する。
【0082】
図11(b)に示すように、上ローラ83、下ローラ84間で記録紙Sの折り目部dが形成された記録紙Sは、回転する上ローラ83、下ローラ84により実線矢印方向に搬送され、搬送路切り換え部材87の上面に沿って進行し、対向する一対の案内板88内を通過し、記録紙Sの折り目部dが用紙先端停止部材89に当接する。
【0083】
図11(c)に示すように、上ローラ83、下ローラ84が引き続き回転することにより、記録紙Sの折り目部dは用紙先端停止部材89に当接して進行を阻止されるが、記録紙Sの後端の長さ三分の一の部分は、摩擦抵抗の大きな下ローラ84の外周面に巻き込まれて、下ローラ84と第2ローラ85とが圧接する挟持位置に搬送され、記録紙Sに折り目部eが形成される。
【0084】
図11(d)に示すように、下ローラ84と第2ローラ85との挟持位置において折り目部dと折り目部eとが形成され、先端部と後端部とが折り返されて三つ折り処理された記録紙Sは、案内板86に沿って機外の排出トレイ800上に載置される。
【0085】
折り手段80は後述の後処理制御手段200からの指令により動作する。
【0086】
[後処理装置の制御手段]
図12は、本発明に係る画像形成装置Aと後処理装置FSの制御を示すブロック図である。
【0087】
本発明に係る後処理の動作を制御する制御手段には、画像形成装置Aの主制御手段100と後処理装置FSの後処理制御手段200とがあり、主制御手段100に接続された画像形成装置Aの通信手段101と、後処理制御手段200に接続された後処理装置FSの通信手段201とは、電気的に接続され、制御信号の授受が相互に行われる。本発明に係る厚み情報入力手段は、後処理装置FSの操作部90に設けられており(厚み情報入力手段については後で詳しく説明する)、本発明に係る枚数情報入力手段は、画像形成装置Aの操作部9に設けられている。
【0088】
厚み情報入力手段から入力される挿入紙の厚み情報(電気信号)、及び、枚数情報入力手段から入力される挿入紙及び記録紙の枚数情報に基づいて、後処理制御手段200は、穴あけ手段40による穴あけ処理、折り手段80による折り処理、及び綴じ手段700による綴じ処理の動作を制御する。穴あけ処理、折り処理、及び綴じ処理の各動作の制御は、予め主制御手段100の記憶手段110に入力された穴あけ処理、折り処理、及び綴じ処理の動作の停止の基準となる紙厚の累計値と、枚数情報入力手段及び厚み情報入力手段により入力された記録紙の枚数、挿入紙の枚数、及び挿入紙の厚さに基づいて演算された紙厚の累計値との比較により判定される。即ち、主制御手段100の記憶手段110には、挿入紙に厚紙が混在するとき、厚紙1枚が普通紙の何枚分に相当するかが基準値として設定されており、入力された用紙(記録紙及び挿入紙)の枚数を普通紙の枚数に換算して算出した累計枚数(合計算出枚数)を、穴あけ処理、折り処理、または綴じ処理のそれぞれの処理能力(最大処理枚数)と比較して、最大処理枚数を超えているときには、主制御手段100からの指令により後処理制御手段200は当該の後処理動作を停止させる。
【0089】
挿入紙の挿入手段である第1の挿入紙載置台20Aと第2の挿入紙載置台20Bとは、後処理制御手段200からの指令により動作する。
【0090】
[オンラインモードの後処理設定]
後処理に係る情報を画像形成装置Aにおける操作部9から入力するオンラインモードでは、操作部9により、後処理装置FSの第1の挿入紙載置台20A、第2の挿入紙載置台20Bによる給紙(枚数設定を含む)、穴あけ手段40による穴あけ処理、綴じ手段700による端綴じ、中綴じの各処理、折り手段80による中折り、三つ折りの各処理が設定される。
【0091】
画像形成装置Aにおける主制御手段100は操作部9によるこれらの設定により、通信手段101を介して後処理装置FSに制御信号を送る。制御信号は通信手段201を介して後処理制御手段200に伝達される。後処理制御手段200は設定された前記各手段を駆動する。
【0092】
図13は、画像形成装置Aの操作部9の基本画面(初期画面)を示す平面図である。この操作部9の表示画面上で記録紙の用紙サイズ、倍率、コピー濃度等を設定し、枚数情報入力手段である図示しないテンキーにより枚数情報、即ちコピー枚数を設定する。
【0093】
図14は、図13の次画面である。図14に示す画面は、操作部9の基本画面において、「出力設定」ボタンを押すと、次画面として表示される出力設定画面9Aである。
【0094】
オンラインモードで後処理を行う場合、操作者は、図13に示す操作部9の初期画面上で用紙サイズ、倍率、コピー濃度のコピー条件を設定し、前記テンキーによりコピー枚数を設定し、設定したコピー枚数の信号は主制御手段100に送られる。次に、「出力設定」ボタンを押し、画面を図14に示す出力設定画面9Aに切り替え、排紙トレイ(固定排紙台33または昇降排紙台62)の指定、ステイプル処理の位置と数の指定、ソート(シフト処理)、中綴じ、中折り、断裁、穴あけ等の選択をこの画面を用いて設定する。次いで、中綴じ、中折り、穴あけの各処理の選択ボタンを押して所望の後処理を選択し、「OK」ボタンを押すことにより、信号が主制御手段100に送られ、主制御手段100からの指令が後処理制御手段200を介してそれぞれの後処理各部を動作させて後処理が行われ、図13の画面に戻る。
【0095】
図15は図13の次画面であり、図13に示す操作部9の基本画面上の「応用機能」ボタンを押したときに次画面として表示される応用機能画面9Bである。一方の挿入紙であるインターシート、OHP合紙等の仕切紙KAの記録紙Sへの挿入はこの画面により設定され実行される。
【0096】
[オフラインモードの後処理設定]
図16は、本発明に係る厚み情報入力手段の実施の形態である、後処理装置に設置された操作部を示す平面図であり、図17は、本発明に係る厚み情報入力手段によりオフラインモードで後処理モードを制御する後処理装置の動作手順を説明するためのフローチャートである。
【0097】
後処理装置に設置された操作部90には、綴じ処理、折り処理の機能を選択する機能選択ボタン91、穴あけ処理を選択するパンチボタン92、コピー動作を開始するスタート/クリアボタン(表示ランプ兼用)93、第1載置台選択ボタン94A、第2載置台選択ボタン94B、及び紙厚選択ボタン95のボタン群と、表示ランプ91A、91B、91C、91D、92A、厚紙表示ランプ95A、及び普通紙表示ランプ95Bのランプ群とが備えられている。このうち、表示手段は、紙厚選択ボタン95、厚紙表示ランプ95A、及び普通紙表示ランプ95B等により構成される。
【0098】
操作部90を用いて、第1の挿入紙載置台20Aに収容された仕切紙KA、第2の挿入紙載置台20Bに収容された表紙用紙KB、及び画像形成装置Aから集積部70に排出された記録紙Sに対し、後処理装置FS内で行う穴あけ処理、シフト処理、綴じ処理、折り処理等の後処理動作を、画像形成装置Aからの指示とは別に、オフラインで操作し実行することができる。また、枚数情報入力手段である図示しない用紙検知センサが第3搬送路ハ(図3参照)に配設されており、第1の挿入紙載置台20Aまたは第2の挿入紙載置台20Bから集積部70へと搬送される用紙が検知され、その検知回数が主制御手段100の記憶手段110に記憶されて枚数がカウントされる。
【0099】
本発明に係る厚み情報入力手段は、本実施の形態においては、後処理装置の操作部90に設けられた紙厚選択ボタン95、及び、紙厚表示用ランプである厚紙表示ランプ95A及び普通紙表示ランプ95B等からなる。
【0100】
また、本発明に係る制御可能な後処理装置のモードには、挿入紙の厚み情報を表示する表示手段の表示切替モードと、綴じ処理、折り処理、または穴あけ処理の最大処理枚数を変更する枚数制御モードとがある。表示切替モードとは、紙厚選択ボタン95を繰り返し押す動作により、普通紙表示ランプ95Bまたは厚紙表示ランプ95Aのどちらか一方のランプが交互に点灯または点滅するというモードをいう。また、枚数制御モードとは、厚み情報入力手段により入力された挿入紙の厚み情報に応じて、綴じ処理、折り処理、または穴あけ処理の最大処理枚数を変更するというモードをいう。表示切替モードは後処理装置FSの後処理制御手段200により制御され、枚数制御モードは後処理制御手段200を介して、主制御手段100により制御される。
【0101】
以下、後処理装置の操作部90からの入力操作に基づいた後処理装置の動作手順を、図1、図2に示す画像形成システム及び図17のフローチャートを用いて説明する。
【0102】
始めに、操作者は挿入紙または記録紙を後処理装置FSの第1の挿入紙載置台20Aに載置する(S1)。このとき、第1の挿入紙載置台20Aには、マイクロスイッチや光センサからなる図示しない載置検知手段25Aが配設されており、挿入紙または記録紙の載置を検知して後処理制御手段200を介して主制御手段100に検知信号を送信する。また、一つの載置台には同一の厚みを有する用紙を載置するものとし、異なる厚みの挿入紙または記録紙は第2の挿入紙載置台20Bに載置する。第1の挿入紙載置台20Aと同様に、第2の挿入紙載置台20Bには載置検知手段25Bが配設されており、挿入紙または記録紙の載置を検知して主制御手段100に検知信号を送信する。このとき、図16に示す後処理装置FSの操作部90の表示画面上の紙厚表示用ランプは、初期設定として普通紙表示ランプ95Bが点灯するように構成されている。次に、操作部90の表示画面上で機能選択ボタン91を押し、オフラインモードに切り換える(S2)。穴あけ処理を行うときは、この状態でパンチボタン92を押せば、表示ランプ92Aが点灯するとともに、スタート/クリアボタン93の青色ランプが点灯し、動作開始可能(レディー)を表示する。穴あけ処理を行わないときは、パンチボタン92を再度押すことにより表示ランプ92Aが消灯して元に戻る(S3)。次いで、機能選択ボタン91を再び押すと、綴じ動作のうち、1ケ所綴じの表示ランプ91Aが点灯するとともに、スタート/クリアボタン93の青色ランプが点灯し、動作開始可能(レディー)を表示する。続いて、機能選択ボタン91を逐次押す動作に伴い、2ケ所綴じの表示ランプ91B、中綴じ中折りの表示ランプ91C、三つ折りの表示ランプ91Dの内の一つのランプが順次点灯するとともに、スタート/クリアボタン93の青色ランプが点灯し、動作開始可能(レディー)を表示するので、いずれか所望する後処理を選択する(S4)。次に、挿入紙が載置されている第1の挿入紙載置台20Aを選択するため、第1載置台選択ボタン94Aを押す(S5)。次いで、第1の挿入紙載置台20Aに載置した用紙に対応する紙厚に基づいて紙厚選択ボタン95を押すことにより前記表示手段は表示切替モードとなり、厚紙か普通紙かが選択される(S6)。紙厚選択ボタン95を押すと、当初点灯していた普通紙表示ランプ95Bが消灯し、代わりに厚紙表示ランプ95Aが点灯する(S7)。表示切替モードにおいて、紙厚選択ボタン95を繰り返し押す動作に応じて厚紙表示ランプ95Aと普通紙表示ランプ95Bとが点灯(または点滅)・消灯を繰り返し、常にどちらか一方のランプのみが表示される。厚紙表示ランプ95Aまたは普通紙表示ランプ95Bの点灯または点滅は、操作者の紙厚に対する認識を高め、紙厚に関わるミスコピーを少なくするという効果がある。
【0103】
次いで、スタート/クリアボタン93を押す(S8)と、第1の挿入紙載置台20Aに載置された挿入紙または記録紙は集積部70へと搬送される(S9)。同時に、第3搬送路ハ(図3参照)に配設した図示しない用紙検知センサにより集積部70へと搬送される用紙の枚数が検知され枚数制御モードに移行する。枚数制御モードに移行すると、搬送される用紙枚数の検知信号が後処理制御手段200を介して主制御手段100へ送られてカウントされ累計枚数が記憶手段110に記憶される。挿入紙または記録紙が普通紙のときはそのまま記録紙枚数と合算され、挿入紙が厚紙のときは記憶手段110に予め入力してある厚紙の基準値(プログラム)に基づき、厚紙を普通紙の枚数に換算して算出され、記録紙枚数に合算して累計枚数を算出するという演算処理を行って、累計枚数が算出され、主制御手段100は、算出された累計枚数を記憶手段110に入力されている該当する後処理の最大処理枚数と比較し、処理能力以内であるかどうかを判定する(S10)。該当する後処理が処理能力を超えているときは、自動的に後処理動作を停止し(S11)、図13の初期画面(S1)に戻り、処理能力がオーバーしていることと再設定が必要であることを表す警告が、警告ランプの点灯または警告文の表示として操作部9の画面に表示される。後処理が処理能力以内のときは、S12に進み、用紙の搬送が継続され、用紙は集積部70に搬送される(S12)。枚数制御モードにより、後処理装置FSの処理能力を最大に発揮させることが可能となると共に、処理能力を超えて後処理を実施してしまうというミスコピーが減少するという効果がある。
【0104】
次に、第1の挿入紙載置台20A上に用紙が残っていないかどうかが図示しない用紙残量検知センサにより検知され、残っているときはS10に戻り、残っていないときにはS14へ進む(S13)。第1の挿入紙載置台20A上に用紙が残っていないとき、第2の挿入紙載置台20B上に用紙が残っていないかどうかが図示しない用紙残量検知センサにより検知され(S14)、残っているときはS3に戻り、残っていないときにはS15へ進む(S13)。図示しない用紙残量検知センサにより、第1の挿入紙載置台20A上及び第2の挿入紙載置台20B上に用紙が残っていないことが検知されると、次に、追加したい用紙があるかどうかを確認し(S15)、追加したい用紙があるときはS16に進み、追加したい用紙がないときはS17に進む。追加したい用紙があるときは、第1の挿入紙載置台20A上または第2の挿入紙載置台20B上に所望の用紙を載置し(S16)、S3へ戻る。追加したい用紙がないときは、集積部70に搬送され、集結された用紙に対し所望の後処理が行われ、後処理された用紙束が昇降排紙台62又は固定排紙台33に排出される(S17)。
【0105】
本実施の形態においては、操作部90の紙厚の初期設定を普通紙としたが、図示しないディップスイッチまたは操作部画面上のボタンにより、初期設定を厚紙とすることができる。
【0106】
また、穴あけ処理については、パンチ41及びダイス42の刃部の摩耗を考慮して、挿入紙が厚紙の場合には穴あけ処理を実施しない構成とすることができる。
【0107】
紙厚み検知センサTSは、厚み情報入力手段として用いることも可能であり、挿入手段である第2の挿入紙載置台20Bの給紙部25(図3参照)近傍に設けられている。紙厚み検知センサTSは透過光や超音波を用いた公知の厚み検知センサにより構成される。第2の挿入紙載置台20Bから搬送される表紙用紙KBは、給紙部25の近傍で紙厚み検知センサTSにより厚紙か普通紙かが検知される。表紙用紙KBが厚紙であると検知されたときは、当該紙厚情報と第2の挿入紙載置台20Bに残された表紙用紙KBの枚数情報とが後処理制御手段200を介して主制御手段100に送られ普通紙の枚数として換算される。厚紙の表紙用紙KBを普通紙の枚数に換算した値は、主制御手段100により、第1の挿入紙載置台20Aから搬送される仕切紙KAの枚数と画像形成装置Aから集積部70に排出される記録紙Sの枚数とに合算され、算出された累計枚数が予め記憶手段110に入力された所定の後処理処理能力枚数(最大処理枚数)と比較され、対象となる後処理の動作を制御する指令(信号)が発せられる。即ち、主制御手段100は、挿入紙の算出された累計枚数が後処理の処理能力枚数を超えたときには、当該後処理の動作を停止する指令を発する。
【0108】
本実施の形態において、紙厚み検知センサTSは給紙部25近傍に設けられ、給紙部25に送られる用紙の厚みを1枚ずつ検知する構成としたが、挿入紙載置台20Aまたは20Bに載置された用紙束全体の厚みを超音波を用いて検知したり、用紙束の最上部高さを光学的に検知する構成としても良い。
【0109】
以上が、オフラインモードで仕切紙KAまたは表紙用紙KBに、穴あけ処理、綴じ処理、折り処理、三つ折り処理の何れかを選択して単独で後処理を行う過程を示すものである。
【0110】
図18は、綴じ処理と穴あけ処理の後処理が行われた状態を示す仕切紙KAの平面図であり、図18(a)は、穴あけ処理と1ケ所綴じ処理とが行われた仕切紙KAの平面図、図18(b)は、穴あけ処理と2ケ所綴じ処理とが行われた仕切紙KAの平面図である。
【0111】
オフラインモードで、図17に示す操作部90、または図19に示す操作部90Aにおいて、穴あけ処理と1ケ所綴じ処理の2操作を行って設定した場合には、後処理制御手段200は、図18(a)に示す2個の穴hの穴あけと、1個の綴じ針SPによる挿入紙コーナ1ケ所綴じとを可能とする。
【0112】
オフラインモードで、操作部90または操作部90Aにおいて、穴あけ処理と2ケ所綴じ処理の2操作を行って設定した場合には、後処理制御手段200は、図21(b)に示す2個の穴hの穴あけと、2個の綴じ針SPによる挿入紙端辺部2ケ所綴じとを可能とする。
【0113】
なお、本発明の実施の形態では、紙厚み検知センサTSを図3に示す給紙部25の近傍に配設し、表紙用紙KBの厚みのみを検知する構成としたが、給紙部22の近傍にも設けて仕切紙KAの厚みも検知する構成としてもよい。
【0114】
また、本発明の実施の形態では、複写機本体に接続した後処理装置について説明したが、プリンタ、複合機、軽印刷機等の画像形成装置に接続して使用する後処理装置にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明の一実施形態である後処理装置を画像形成装置及び画像読み取り装置に接続し、更に断裁装置を接続した画像形成システムの全体構成図。
【図2】画像形成システムの外観斜視図。
【図3】本発明に係る後処理装置内における記録紙及び挿入用紙、表紙用紙の搬送経路を示す全体構成図。
【図4】穴あけ手段により穴あけ処理された記録紙の各種例を示す平面図。
【図5】集積部と折り手段から成る後処理ユニットの断面図。
【図6】各種綴じ処理を実施する場合の、綴じ手段と用紙束との配置を示す平面図。
【図7】折り手段の正面図。
【図8】折り手段による二つ折り処理の工程を示す断面図。
【図9】中綴じと二つ折りの後処理を施した用紙束の斜視図、両開きした状態の用紙束の斜視図、用紙束の模式断面図。
【図10】三つ折り処理される記録紙の展開平面図、三つ折り処理された記録紙の斜視図。
【図11】三つ折り処理工程を示す断面図。
【図12】画像形成装置と後処理装置の制御を示すブロック図。
【図13】画像形成装置の操作部の基本画面を示す平面図、及び後処理装置に設置された操作部のサブ画面を示す平面図。
【図14】出力設定画面の平面図。
【図15】応用機能画面の平面図。
【図16】本発明に係る厚み情報入力手段の実施の形態である、後処理装置FSに設置された操作部90を示す平面図。
【図17】本発明に係る厚み情報入力手段によりオフラインモードで後処理モードを制御する後処理装置の動作手順を説明するためのフローチャート。
【図18】穴あけ処理と1ケ所綴じ処理とが行われた用紙の平面図、及び穴あけ処理と2ケ所綴じ処理とが行われた用紙の平面図。
【符号の説明】
【0116】
9 画像形成装置の操作部(枚数情報入力手段)
9A、9B 操作部9のサブ画面
20A 第1の挿入紙載置台
20B 第2の挿入紙載置台
25A、25B 載置検知手段
40 穴あけ手段
70 集積部(用紙収納部)
700 綴じ手段(ステイプル手段)
80 折り手段
90 後処理装置の操作部(後処理操作手段、厚み情報入力手段)
91 機能選択ボタン
91A、91B、91C、91D、92A 表示ランプ
92 パンチボタン
93 スタート/クリアボタン
95 紙厚選択ボタン
95A 厚紙表示ランプ(表示手段)
95B 普通紙表示ランプ(表示手段)
100 主制御手段
200 後処理制御手段
A 画像形成装置
FS 用紙後処理装置(後処理装置)
KA 仕切紙(挿入紙)
KB 表紙用紙(挿入紙)
TS 紙厚み検知センサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置から排出される複数枚の記録紙、及び、前記複数枚の記録紙の前後または中間に挿入される1枚または複数枚の挿入紙に対し、少なくとも綴じ処理、折り処理、または穴あけ処理のいずれかの後処理が実行可能な構成を有すると共に、
挿入紙または記録紙を載置しうる挿入紙載置台を後処理装置内に備え、前記挿入紙を前記複数枚の記録紙の前後または中間に挿入する挿入手段、
を有する後処理装置において、
前記挿入紙載置台への挿入紙の載置を検知する挿入紙載置検知手段と、
前記挿入紙の厚み情報を入力する厚み情報入力手段と、
前記厚み情報入力手段により入力された前記挿入紙の厚み情報を表示する表示手段と、
当該厚み情報に基づいて、前記後処理装置のモードを制御する制御手段と、を有し、
前記後処理装置のモードが、前記挿入紙の厚み情報及び載置を検知した情報に基づいて、前記制御手段により制御されることを特徴とする後処理装置。
【請求項2】
前記モードが前記表示手段の表示切替モードであることを特徴とする請求項1に記載の後処理装置。
【請求項3】
前記モードの初期設定が変更可能な構成であることを特徴とする請求項1または2に記載の後処理装置。
【請求項4】
前記モードが綴じ処理、折り処理、または穴あけ処理の最大処理枚数を変更する枚数制御モードであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の後処理装置。
【請求項5】
前記挿入紙が厚紙であるとき、前記モードの制御が穴あけ処理の穴あけ動作を禁止する制御であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の後処理装置。
【請求項6】
前記後処理装置に備えられ、前記綴じ処理、前記折り処理、及び前記穴あけ処理の内の1つまたは複数の後処理を、オフラインで選定し実施しうる後処理操作手段を有し、
挿入紙載置台に載置した挿入紙に対し、当該後処理操作手段からの指示により、前記綴じ処理、前記折り処理、及び前記穴あけ処理の内の1つまたは複数の後処理が可能に構成されたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の後処理装置。
【請求項1】
画像形成装置から排出される複数枚の記録紙、及び、前記複数枚の記録紙の前後または中間に挿入される1枚または複数枚の挿入紙に対し、少なくとも綴じ処理、折り処理、または穴あけ処理のいずれかの後処理が実行可能な構成を有すると共に、
挿入紙または記録紙を載置しうる挿入紙載置台を後処理装置内に備え、前記挿入紙を前記複数枚の記録紙の前後または中間に挿入する挿入手段、
を有する後処理装置において、
前記挿入紙載置台への挿入紙の載置を検知する挿入紙載置検知手段と、
前記挿入紙の厚み情報を入力する厚み情報入力手段と、
前記厚み情報入力手段により入力された前記挿入紙の厚み情報を表示する表示手段と、
当該厚み情報に基づいて、前記後処理装置のモードを制御する制御手段と、を有し、
前記後処理装置のモードが、前記挿入紙の厚み情報及び載置を検知した情報に基づいて、前記制御手段により制御されることを特徴とする後処理装置。
【請求項2】
前記モードが前記表示手段の表示切替モードであることを特徴とする請求項1に記載の後処理装置。
【請求項3】
前記モードの初期設定が変更可能な構成であることを特徴とする請求項1または2に記載の後処理装置。
【請求項4】
前記モードが綴じ処理、折り処理、または穴あけ処理の最大処理枚数を変更する枚数制御モードであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の後処理装置。
【請求項5】
前記挿入紙が厚紙であるとき、前記モードの制御が穴あけ処理の穴あけ動作を禁止する制御であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の後処理装置。
【請求項6】
前記後処理装置に備えられ、前記綴じ処理、前記折り処理、及び前記穴あけ処理の内の1つまたは複数の後処理を、オフラインで選定し実施しうる後処理操作手段を有し、
挿入紙載置台に載置した挿入紙に対し、当該後処理操作手段からの指示により、前記綴じ処理、前記折り処理、及び前記穴あけ処理の内の1つまたは複数の後処理が可能に構成されたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の後処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2006−56670(P2006−56670A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−240535(P2004−240535)
【出願日】平成16年8月20日(2004.8.20)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月20日(2004.8.20)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]