説明

従来型外部記憶装置へのエミュレート及び管理方法

【課題】
複数の情報処理装置のオペレーティングシステム上で管理された複数のデータを、大容量の外部記憶装置をフロッピー(R)ディスクとして情報処理装置に認識させ、複数のフロッピー(R)ディスクを用意することなく他の情報処理装置にデータを転送するデータ管理システムを提供する。
【解決手段】
複数の情報処理装置において、前記情報処理装置に外部記憶装置が取り付け可能なスロットを備え、ファイルの管理をオペレーティングシステムによって行っているエミュレーションシステムを使用したデータ管理システムであって、前記外部記憶装置は前記情報処理装置がフロッピー(R)ディスクとして仮想認識させることのできる、エミュレートが動作するモードと通常の外部記憶装置として動作するモードを切り替えることのできる物理的なスイッチを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、USB(Universal Serial Bus)メモリなどの外部記憶装置を一般的なオペレーティングシステムで標準ドライバとして有しているフロッピー(R)ディスクドライブとして認識させ、フロッピー(R)ディスク複数枚分のデータを1つの記憶装置に保存し管理する方式を提供する。
【背景技術】
【0002】
情報処理装置におけるオペレーティングシステム上のデータを別の情報処理装置に転送する方法として、一時的なデータの保存場所としてUSBメモリなどの大容量の外部記憶装置を利用するため、オペレーティングシステムにドライバをインストールし新しいハードウェアとして外部記憶装置を認識させる方法やLANなどネットワーク環境を介する為にネットワーク設定を行う方法がある。
【0003】
しかし、いずれの方式を取る場合もオペレーティングシステムに対する特別な処理を行う必要があり、オペレーティングシステム上の設定及び、内容の変更を行いたくない場合においては、オペレーティングシステムでドライバのインストールが不要で新しいハードウェアとして認識を行う必要の無いフロッピー(R)ディスクドライブを使用してデータ転送する方法が有り、この方法では複数台の情報処理装置からデータを取得するにはフロッピー(R)ディスクを複数用意する必要が有り、別の情報処理装置にデータを一括管理するにはフロッピー(R)ディスクを一枚ずつデータ転送する必要がる。
【0004】
従来の技術において、外部記憶装置をフロッピー(R)ディスクドライブとしてオペレーティングシステムに認識させ、スイッチにて通常のリムーバブルデバイスに切り替えて使用する方法があるが、フロッピー(R)ディスクとしては1枚分のデータのみ保存することが可能でメモリ容量の残り部分は通常の外部記憶装置と同様にオペレーティングシステムに新しいデバイスとして認識してしまうためにオペレーティングシステム上の設定及び、内容の変更を行いたくない場合においては問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−182615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来複数の情報処理装置のデータを管理する為、情報処理装置毎に特別なアプリケーションのインストールが不要なフロッピー(R)ディスクを複数枚準備していたが、本発明では大容量外部記憶装置をフロッピー(R)ディスクとして認識させて1つの外部記憶装置でデータを一括管理することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、特許文献1の外部記憶装置をフロッピー(R)ディスクドライブとして認識させる技術を利用して、大容量外部記憶装置をフロッピー(R)ディスクドライブとして認識させて、外部記憶装置の空いている記憶領域を利用しフロッピー(R)ディスク複数枚分のデータを1つの外部記憶装置で管理する手段と、イメージ化されたデータを別の情報処理装置から閲覧する為にデータを変換するアプリケーションを有することで容易にファイル管理する手段を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によって、複数に分かれていたフロッピー(R)ディスクを1つの大容量外部記憶装置で管理することを可能とし、データの転送先となるデータベースサーバなどの別の情報処理装置から一括してデータ管理する方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態において、データの流れに関わるブロック図を示す。
【図2】エミュレートモード時の流れに関わるブロック図を示す。
【図3】エミュレートモード時の動作手順を表すフローチャートを示す。
【図4】通常の外部記憶装置モード時の動作手順を表すフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の説明をする。
【0011】
図1では、本発明の実施形態において、データの流れに関わるブロック図を示しており、情報処理装置1上でオペレーティングシステム4がファイル管理しているデータ10を情報処理装置2のオペレーティングシステム4で管理されているデータ保存領域9に転送する為に、外部記憶装置3のエミュレーション部5とアプリケーション7を備えている。
【0012】
図2では、エミュレートモード時の流れに関わるブロック図を示しており、外部記憶装置3はフロッピー(R)ディスクドライブとして情報処理装置1に認識させる為の機能を有効にするエミュレートモードと通常の外部記憶装置として動作するモードに切り替え用のスイッチを備えている。
【0013】
情報処理装置1のデータ10をイメージ11に変換してイメージ領域6にデータを一時保管する為、エミュレートモードに切り替えスイッチにより切り替えられた外部記憶装置3を情報処理装置1のスロットに取り付けを行う。(図3のA1)
エミュレーション部5は情報処理装置1に取り付けられると情報処理装置1のハードウェア情報13から情報処理装置1のMACアドレス(Media Access Control address)14などの固有識別子となる情報を取得する。固有識別子としてMACアドレス14を取得しているが、取得する固有識別子は情報処理装置1の識別が可能な情報であればMACアドレスである必要は無い。(図3のA2)
【0014】
情報処理装置1の前記識別子を内部的に管理する為、エミュレーション部5に備えられた対応表に対して、取得した前記固有識別子と前記情報処理装置1に割り当てるイメージ11の情報を書き込む。(図3のA3)その後、特許文献1の外部記憶装置をフロッピー(R)ディスクドライブとして認識させる技術を利用して、データ10をイメージ11に変換しイメージ領域6に作成(図3のA4)することで、情報処理装置1に対して外部記憶装置3のイメージ11がフロッピー(R)ディスクドライブとして認識する。(図3のA5)
【0015】
フロッピー(R)ディスクドライブとして認識後は前記フロッピー(R)ディスクドライブに手動操作でデータ10をコピーや貼り付けなどの方法で転送することでイメージ11に変換されたデータ10が保存される。(図3のA6)必要なデータを転送後は情報処理装置1から取り外し(図3のA7)別の情報処理装置に取り付けを行うが、別の情報処理装置から固有識別子を取得して図3のA4で作成された対応表に同じ固有識別子が存在する場合、その固有識別子で使用したイメージを再度利用することが可能であり、重複しない場合には新しいイメージを作成する。(図3のA8)
【0016】
情報処理装置1から外部記憶装置3のイメージ領域6に保存されたイメージ化されたデータ10を情報処理装置2のデータ保存領域9に転送する為に外部記憶装置の切り替えスイッチにより、通常の外部記憶装置モードに切り替えて情報処理装置2のスロットに取り付ける。(図4のB1)
【0017】
アプリケーション7は外部記憶装置3が情報処理装置2に取り付けられると自動的に動作し(図4のB2)、イメージ11をデータ12に変換してデータ領域8に保存する。(図4のB3〜6)データ10とデータ12は同じ内容のデータであるが、イメージの前と後で区別する為名称を変えている。
【0018】
データ領域8は情報処理装置2にリムーバブルデバイスとして認識し(図4のB7)、データ領域8に保存されたデータ12はデータ10と同じデータとして認識することで手動操作によってデータをデータ保存領域9に転送することができる。(図4のB8)予め情報処理装置2のデータ保存領域9が決められている場合は、データ領域8を直接データ保存領域9に設定しておくことで手動での操作を無くして自動的にデータを転送することが可能となる。
【0019】
アプリケーション7はイメージをデータに変換し、データ領域8に保存する処理を実行するが、いずれも従来の技術にて実現可能となる。
【符号の説明】
【0020】
1・・・データ取得の対象となる情報処理装置
2・・・取得データを管理する情報処理装置
3・・・大容量外部記憶装置
4・・・オペレーティングシステム
5・・・エミュレーションプログラム
6・・・イメージ保存領域
7・・・データ変換アプリケーション
8・・・イメージ変換後のデータ保存領域
9・・・データ一括管理用のデータ保存領域
10・・・管理対象となるデータ
11・・・イメージ化された管理対象となるデータ
12・・・イメージから変換されたデータ
13・・・情報処理装置のハードウェア情報
14・・・LANデバイスのMACアドレス
15・・・MACアドレスとイメージを管理する対応表

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の情報処理装置において、前記情報処理装置に外部記憶装置が取り付け可能なスロットを備え、ファイルの管理をオペレーティングシステムによって行っているエミュレーションシステムを使用したデータ管理システムであって、前記外部記憶装置は前記情報処理装置がフロッピー(R)ディスクとして仮想認識させることのできる、エミュレートが動作するモードと通常の外部記憶装置として動作するモードを切り替えることのできる物理的なスイッチを備えていることを特徴とするデータ管理システム。
【請求項2】
前記外部記憶装置でエミュレートが動作するモードの場合に前記複数の情報処理装置に対して取り付けが行われる度に、エミュレーションによって新しいイメージが生成され、毎回新しいフロッピー(R)ディスクとして認識されることを特徴とするデータ管理システム。
【請求項3】
請求項2で記載したデータ管理システムにおいて、前記エミュレーションを実行するプログラムは前記外部記憶装置内に保存されており、前記情報処理装置に取り付けられた際に、前記プログラムを自動的に実行することを特徴とするデータ管理システム。
【請求項4】
請求項2で記載したデータ管理システムにおいて、前記複数の情報処理装置で同じ情報処理装置に取り付けを行った場合、新しいイメージを作成するとイメージの管理が困難となる為、前記情報処理装置の固有のデータ情報となる、前記情報処理装置の固有識別子を自動的に取得し、前記外部記憶装置内に固有データとイメージの対応表として管理することで、前期外部記憶装置を情報処理装置に取り付けを行った際に、前期対応表を参照し情報処理装置の固有識別子が一致した場合、新しくイメージを作成することなく、固有識別子に対応したイメージを認識させることを特徴とするデータ管理システム。
【請求項5】
前記外部記憶装置で通常の外部記憶装置が動作するモードの場合に前記エミュレーションシステムにより作成されたイメージの保存で使用されなかった記憶領域を通常の外部記憶装置として情報処理装置に認識させることを特徴とするデータ管理システム。
【請求項6】
請求項5で記載したデータ管理システムにおいて、イメージを前記情報処理装置でデータとして取り込めるように変換するアプリケーションを前記外部記憶装置内に保存し前記情報処理装置に前記外部記憶装置を取り付けた場合に前記アプリケーションを自動的に実行することを特徴とするデータ管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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