説明

循環式水力発電機並に本機の組合せ組立て方法

【課 題】 従来の水力発電は用地買収や周辺住民の生活権等の交渉が難航する場合が多く立地が制約されている。
【解決手段】
本発明の循環式水力発電機の構造は外槽の中に中槽を中槽の中空内部には取水口注入口ホッパー注入導水管水流遮断板水車発電機貯留槽バケット排水ポンプ排水口を内包する。外槽と中槽との間は満水にする。動作工程は中槽の取水口を水頭とし導水管内に水を自然流下させ流量計水流遮断版にて流下水塊と空隙を発生させその空隙中に水塊を落下させて水車:発電機を回転し発電する。初動排水は既存電力を使用するが、自前電力に切り替える。排水ポンプの圧力を循環水域内の水圧以上に設定し、流量計水流遮断板を既存技術の応用でコンピューター制御し流下水量より排出水量を多くして、中槽内流下の水を循環水域に排出し、また取水口から注入流下する。河川ダムが不要で人跡隔絶荒蕪地域や砂漠地帯又は海湖等にも立地設置できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は海中湖中或いは陸上で水力発電をする方法です。中空の中槽とその外側に外槽を設け中槽と外槽との間に水を満水にしてこの水を中槽内部に導水管内自然流下水車回転:発電:循環水域へポンプ排水:循環再使用する方法である。陸上任意の場所に設置する陸上型と海面湖面等を水頭(ヘッド)として海中湖中等に筒(外槽中槽)を陥入設置する自然水域型とがある。
【背景技術】
【0002】
従来の水力発電(以下従来水力発電という)は主に山間地谷間を利用するため物理条件気象条件等だけではなく周辺住民の生活権等との調整が難航する場合があり立地が可也狭められています。
【特許文献】 特開平7−119607号公報 特開平8−135558号公報 特開2000−9015号公報 特開2000−009012号公報 特開2001−165030号公報 特開2002−13464号公報
上記6件は水力を循環利用する発電について記載しております。この他の公開公報にも水力利用についての記載がある。
【非特許文献】 次世代エネルギ−構想 1998年10月12日 出版 (財)電力中央研究所編 (株)電力新報社 循環型社会 1998年12月25日 出版 (財)電力中央研究所編 (株)電力新報 自然エネルギ−利用学 1999年7月10日 出版 〔株〕パワ−社
資源エネルギ−庁のエネルギ−白書や上記の非特許文献は水力発電:新エネルギ−について記載しておりますが、水循環利用発電方式の記述はない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来水力発電施設は山間地にありクリ−ンエネルギ−生産利水治山等利点も相当多いですが、気象条件地盤等物理条件と環境問題:周辺住民の生活権との紛議等立地条件が成立しにくい場合が多々でてきている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明はクリ−ンエネルギ−生産低公害省資源型の循環式水力発電機を実現
提供することを目的とする。
【0005】
その方法を図1にて開示する。外槽1の中に中槽2を中槽の内部には如雨露型注入口〔ホッパ−12流量計15付):注入導水管4:水車5:発電機6:送電ケ−ブル11:貯留槽(バケット)13等を設置する。外槽中槽には水面直下域に取水口3A:3B(逆流防止弁付)と水車:発電機の下部に排出口8(逆流防止弁:流量計14付):排水ポンプ9を設置する。外槽と中槽との間(循環水域7)には水を満水にしておく。各槽は水面から突出させその上に雨雪遮蔽兼用プラットホ−ム10を設置し送電設備運転保守管理施設を開設する。又各槽は波風水圧浮力地震等で浮動横倒移動浮沈しないように海底湖底陸地等に支柱支線基礎工事を施工固定する。更に送電ケ−ブル等で地上基地と連結しそこから需要先に送電する。この1〜16を組み立てた状態が本発明循環式水力発電機の稼動可能状態である(可動循環式水力発電機と言う)
【0006】
可動循環式水力発電機を稼動して電気を発生させるには、外槽1の取水口3Aから外部水域の水を取り込み循環水域7に満水する中槽2の取水口3Bから注入導水管4を通じて水を自然流下させ水車5を回転し水車と同軸の発電機6を回転させて電気を発生させる。水車と発電機の大小機能形式等の取付配置方法組合せは要求発電量等に応じて決める。水車を回転し流下した水は既存電力で排水ポンプ9を回して循環水域7に排水する。発電量(新生自前電力)が既存電力利用の排水ポンプ9の駆動運転電力量を超えたら既存電力から自前電力に切り替える。以後自前電力を使用して排水しながら水を順次循環し取水流下水車回転発電ポンプ排水を連続繰返する。
【0007】
この方法によって発生する電力量(生産電力量)が、排水ポンプの駆動運転電力量(排水電力量)よりも大きい場合はその差の分が利用できる電力量(エクセルギ−)である。生産電力量と排水電力量との関係を参考資料として添付する。
【0008】
本発明発電機は地上に設置する地上型循環式水力発電機A型と自然水域に設置する自然水域陥入型循環式水力発電機B型とがある。設置に当っては周辺環境等を考慮して立地場所を選定する。A型は例えば砂漠地帯や山岳地でも設置可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明実施形態を示すフロ−チャ−ト〜循環式水力発電機動作工程図 図の中で 水面 とあるのは 海中湖中設置のB型の場合である。又 設置する場合の基礎工等は省略した。
【符号の説明】
【0009】
1 外槽 外部外枠 外部からの取水の他周辺環境配慮機能装着
2 中槽 取水口:水車等本発明の主要発電機能機器を内包する
3 取水口3A 外槽に設置 外部からの取水用 (逆流防止弁付)
取水口3B 中槽に設置 循環域からの取水用(逆流防止弁付)
4 注入導水管 取水口Bからの水を水車に注水する
5 水車 フランシス:ペルトン等処理容量発電量により発電機と組合
6 発電機 防水性のもの 処理容量発電量により水車と組合せ
7 循環水域 ここの水を取水注水排水循環させる
8 排出口 水車回転後の水を循環域に排出する(逆流防止弁付)
9 排水ポンプ 循環水域への排水用:本体の発電までは外部電力を使用
10 プラットホ−ム 屋根兼送電設備:運転保守管理施設等を設置
11 ケ−ブル 本装置内配線:陸上基地への送電等用
12 注入口(ホッパ−)3Bからの水を注入導水管4に流下させる広口管
13 貯留槽(バケット)水車を経過した水を排水するまでの間貯留する槽
14 排出流量計 排出水量を調節するための計測器
15 注入流量計 注入導水管への流入水量調節用計測器
参考資料
諸元(spec.)
中槽の水頭から水車までの距離(高さ)水頭落差 200m
中槽から貯留槽(バケット〕までの距離〔高さ〕 210m
中槽から排出口の出口までの距離(高さ)220m=22hPa 220m
1秒間の流下水量 30t
排水ポンプの1秒間の排出可能水量 40t
排水ポンプ稼動電力量は流下水量30tを余力をもって排出し中槽内部を空洞状態に維持するためのパワ−として、流下水量より多い40tの水量を排水口から10mの循環水域に排出する回転出力で運転するとして。
*備考 水量40t(40m)を1m 揚水する馬力は
40m÷0.075m=534ps〜電力では534ps×0.735kw= 393kw
計算
理論発電量 9.8×30m×200m = 58,800kw/sec
水車:発電機の合計減衰率 20η として
実効発電量 58,800kw×80% = 47,040kw/sec
排水ポンプ稼動電力量
a. 22hPa×10m×40m =8,800kw/sec
b. 534ps・40m/sec×10m=5,340ps/sec *備考〜馬力換算
c. 5,340ps×0.735kw =3,925kw/sec 馬力を電力換算
実効利用可能電力量(エクセルギ−)
47,040kw/sec − 8,8ookw/sec(aの場合) = 38,240kw/sec
流下水量が 1tの場合の
理論発電量 9.8×10m×200m = 19.600kw/sec
排水ポンプ稼動電力量20tの水量を排水口から10mの循環水域に排出する
実効発電量 19,600kw×80% = 15,680kw/sec
排水ポンプ稼動電力量 aの式から
22hPa×10m×20m= 4.400kw/s
実効利用可能電力量(エクセルギ−)
15,680kw/sec − 4,4ookw/sec = 11,280kw/sec

【特許請求の範囲】
【請求項1】
循環式水力発電方法を提供します。まず外槽1(取水口3A装着)とその中に内部が中空の中槽2を設置する。外槽と中槽は地盤:海底等に支柱支線基礎工等で固定する。外槽と中槽との間(循環水域7)には水を充満させておく。外槽中槽の上端には雨雪等からの遮蔽を兼ねてプラットホーム10を設置して送電設備:運転保守管理施設等を配置する。中槽の内部は循環水域7の水を中槽の中に取込注入する取水口3Bを設置し更にこの取水口部をヘッド(水頭)とする水の注入導水管4を設置する。取水口は循環水域の水面直下浅層域の水を取水しやすい位置に設置する。中槽底部に近い位置に水車5と防水型の発電機6を設置する。水車設置位置の下部には循環水域に水を排出する排出口8と排水用ポンプ9を設置する。注入導水管は注入水が水車に流下水撃するように配管する。注入導水管上部には如雨露型の注入口(ホッパー)12を装着する。注入口12と排水口8は遠隔操作で開閉或いは口径を調節できる機能を備着する。本発明は水を水深水圧下静水域(循環水域7)に重力落下エネルギーと排水ポンプを利用して自然落下流滑排出を実現することによって水循環水力発電を可能にするものである。そのためには中槽内部を中空にして注入導水管4内を自然落下して水車を回転させ水車下の貯留槽(バケット)13に到着した水量を循環水域7に排出し、中槽内部を空洞状態に維持することが必要で、その方法として注入口12と排出口8の出口径部に排出流置計14を装着して口径開絞し、水量調節を連動させて、注入口側からの流水量が排出流量計14の感知計測した水量を超過しないように注入流量計15が水量調節するコンピューターシステムを導入する。この流量調節用のコンピューターシステムは現在産業界で使用しているものを活用する。以上の組立状態を可動発電機という。これを稼動させて発電する方法は、循環水域7から中槽2内に取込んだ水を注入導水管4内を自然流下し水車5に衝突回転させて水車5と同軸の発電機6を回転し発電する。発生電気はケーブル11等でプッラトホーム10を経由して陸地の受電送変電施設等に送電する。排水ポンプ9用の使用電力置より水車回転による発生電力量が多い場合はその分が利用可能の新生電力です。水車5を回転させ貯留槽(バケット)13に流着した水は水車下部に設置した排水用ポンプ9によって排出口8から循環域水7に排出される。この循環水域7の水をまた順次中槽取水口3Bから取込んで使用する。排出水は循環域水内排出口付近の水圧を超えるポンプ出力で排出しなければならないが流下水は未だ落下流速を有しており排水にはこの流下余力も利用する。又循環水域は上層程水温が高くなり水圧も低くなるので静水域であるこの水域では排出口から放出すれば水は自由流上放散するため、排水ポンプは排出水を水圧に抗して循環水域の上層部に圧送するまでのパワー電力量は必要ではなく(揚水発電所のように上池まで圧送しなくてもよい)、バケット内の水を排出口の中槽側入口から排出口の循環水域側出口の前方水域まで放出する分の電力量があればよいから、取水口3Bヘッドから貯留槽13までの距離(高さ)によって発揮される流下エネルギーの方が大きいので発生電力量は排水ポンプ用電力置より充分に多く生産できます。この利用可能電力置の計算は参考資料として後述する。本発電機の起動時には排水ポンプ稼動用の既存の電源電力が必要ですが、運転が安定し発電が始まればこの発生電気を使用できる。本発明の発電方法は砂漠や海中や湖中等に適用設置することも可能である。ついては上記原理発電方法の特許を得たく申請します。

【図1】
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