説明

循環搬送路におけるバイパス搬送装置

【課題】 搬送時において落下した塵芥の清掃を容易に行うことができるとともに、塵芥が落下しても搬送部材の駆動に支障をきたす虞が無い循環搬送路におけるバイパス搬送装置を提供すること。
【解決手段】 飲食物を循環搬送する循環型飲食物搬送装置にて構成される無端状の循環搬送路間を接続して飲食物の循環搬送経路を短縮させるバイパス路を構成するバイパス搬送装置10は、飲食物を搬送する搬送部材13を有する搬送ユニット11と、搬送ユニット11の下方に配置され、搬送部材13を駆動する駆動手段14を有する駆動ユニット12と、搬送ユニット12と駆動ユニット11との間に配置され、搬送部材13から落下する塵芥等を受ける塵芥受板15と、から構成され、搬送ユニット11は駆動ユニット12に対し分離自在に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、寿司等の飲食物を搬送して飲食客に供給する循環型飲食物搬送装置において、寿司の循環搬送経路を短縮させるためのバイパス路を構成するバイパス搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のバイパス搬送装置としては、例えば循環搬送路の経路中の互いに向かい合う循環搬送路間に、一対の駆動ローラに無端状の搬送ベルトを掛け渡したベルト式の搬送装置を適用して、これら搬送路を接続するバイパス路を設けるとともに、循環搬送路を搬送してきた飲食容器をバイパス路に方向変換させるガイド体を設けたものがあり、このガイド体を切り替えるだけで循環搬送路の搬送経路の長さを変更でき、店内に入場する客数の増減に応じて、循環搬送経路長さを適宜調整できるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平7−223725号公報(段落0014〜0018、図1〜3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載のバイパス搬送装置にあっては、特に寿司などの飲食物を載置した多くの容器(寿司皿等)が搬送されることから、この寿司皿に載置された飲食物や、該寿司皿に付着した飯粒やネタ、それに付随するタレ等の調味料や、椀物の汁などの塵芥が搬送ベルトの表面に落下し付着して汚れてしまい、これを放置しておくと衛生上問題があるため、店員によって搬送ベルトの表面を布巾等で払拭するといった清掃が行われていた。
【0005】
しかしながら、このような拭き清掃だけでは汚れを十分に落とすことが困難な場合には、搬送ベルトを装置から取り外して清掃することがあるが、搬送ベルトを取り外すためには、循環搬送路間に設置されたバイパス搬送装置全体を搬送路間から取り外さなければならず、作業が大がかりになるといった問題があった。
【0006】
また、搬送ベルトが下面側に回り込んだ際に、該搬送ベルトの表面に付着した塵芥が下方に落下し、装置内部に塵芥が堆積してしまうことがあり、衛生上問題があるばかりか、特に搬送ベルトを駆動する駆動部に塵芥等が付着すると、搬送ベルトの駆動に支障をきたす虞があった。特にローラ式のコンベアをバイパス搬送装置に適用した場合にあっては、上記ベルト式のコンベアに比べて搬送ローラ間から塵芥等が落下しやすく、塵芥が装置内部に堆積しやすいといった問題があった。
【0007】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、飲食物の搬送時において落下した塵芥の清掃を容易に行うことができるとともに、塵芥が落下しても搬送部材の駆動に支障をきたす虞が無い循環搬送路におけるバイパス搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の循環搬送路におけるバイパス搬送装置は、
飲食物を循環搬送する循環型飲食物搬送装置にて構成される無端状の循環搬送路間を接続して飲食物の循環搬送経路を短縮させるバイパス路を構成するバイパス搬送装置であって、
前記バイパス搬送装置は、
前記飲食物を搬送する搬送部材を有する搬送ユニットと、
前記搬送ユニットの下方に配置され、前記搬送部材を駆動する駆動手段を有する駆動ユニットと、
前記搬送ユニットと前記駆動ユニットとの間に配置され、前記搬送部材から落下する塵芥等を受ける塵芥受板と、
から構成され、
前記搬送ユニットは、前記駆動ユニットに対し分離自在に構成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、搬送部材により搬送される飲食物の塵芥等が搬送部材の下方に落下することがあっても、塵芥受板上にて受け止められ、その下方に配置される駆動ユニット内に塵芥が堆積することがないため、塵芥が駆動手段による搬送部材の駆動に支障をきたすことがないばかりか、重量のある駆動ユニットを含めた装置全体を設置位置から取り外したりすることなく、搬送ユニットのみを駆動ユニットに対し分離させることができるため、塵芥受板上に堆積した塵芥を簡単に清掃することができる。
【0009】
本発明の請求項2に記載の循環搬送路におけるバイパス搬送装置は、請求項1に記載の循環搬送路におけるバイパス搬送装置であって、
前記塵芥受板は、前記搬送ユニット側に一体的に組み付けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、搬送ユニットを駆動ユニットに対し分離させることで塵芥受板が取り出されるため、塵芥受板の清掃を設置位置から取り外した状態で容易に行うことができる。
【0010】
本発明の請求項3に記載の循環搬送路におけるバイパス搬送装置は、請求項2に記載の循環搬送路におけるバイパス搬送装置であって、
前記塵芥受板とは別個に形成された補助受板が、前記塵芥受板における少なくとも前記飲食物の搬送方向の端部下方に配置されていることを特徴としている。
この特徴によれば、塵芥受板の端部から塵芥が落下しても補助受板にて受け止められるため、塵芥受板における飲食物の搬送方向の端部と循環搬送路側との間に形成される隙間からの塵芥の落下を確実に防止できる。
【0011】
本発明の請求項4に記載の循環搬送路におけるバイパス搬送装置は、請求項1乃至3のいずれかに記載の循環搬送路におけるバイパス搬送装置であって、
前記搬送ユニットを前記駆動ユニット上に配置したときに、前記駆動手段と前記搬送部材とが動力連係手段を介して連係されるようになっていることを特徴としている。
この特徴によれば、搬送ユニットを駆動ユニット上に配置することで、駆動手段と搬送部材とが動力連係手段を介して連係されるため、搬送ユニットの駆動ユニットへの組み付け作業が容易になる。
【0012】
本発明の請求項5に記載の循環搬送路におけるバイパス搬送装置は、請求項1乃至4のいずれかに記載の循環搬送路におけるバイパス搬送装置であって、
前記搬送部材は、前記飲食物の搬送方向に向けて所定間隔おきに配設される複数の搬送ローラからなり、各搬送ローラ間の上部位置には、隣接する搬送ローラ間に形成される隙間を閉塞する閉塞板が配置されていることを特徴としている。
この特徴によれば、各搬送ローラ間からの塵芥の落下が効果的に防止されるばかりか、閉塞板により平坦なバイパス搬送路面が形成されるため、搬送時におけるがたつきが防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施例を以下に説明する。
【実施例】
【0014】
図1は、本発明の実施例におけるバイパス搬送装置が適用された飲食物循環搬送装置が設置された店内を示す平面図であり、図2は、図1の循環搬送路の要部を示す拡大平面図であり、図3は、図2のA−A断面図であり、図4(a)は図3のB−B矢視断面図であり、(b)は図3のC−C矢視断面図であり、図5(a)(b)は、図4の状態から搬送ユニットを駆動ユニットから分離した状態を示す断面図である。
【0015】
先ず図1には、平面視略E型に形成された基台7が設置された店内が示されており、店内は、厨房エリア2と飲食客エリア3とが仕切り用の隔壁4で区画されている。基台7上には、寿司等の飲食物を循環搬送する循環型飲食物搬送装置の一部を構成するクレセントチェーンコンベアにより無端状の循環搬送路5が形成されており、このクレセントチェーンコンベアが図示しない駆動手段を介して駆動して循環走行することにより、該クレセントチェーンコンベア上に投入された飲食物載置容器としての寿司皿S上に載置された寿司等の飲食物が、寿司皿が厨房エリア2と飲食客エリア3とを循環走行するようになっている。つまり、本実施例における循環型飲食物搬送装置1は、循環搬送路5を構成するクレセントチェーンコンベア及び該クレセントチェーンコンベアを駆動する図示しない駆動手段にて構成される。また、飲食客エリア3における基台7の周囲にはテーブル8、8’が配置され、テーブル8、8’の周囲には座席9が配置されている。
【0016】
図1において、厨房エリア2から飲食客エリア3に向けて延びる3本の帯状の基台7上には、厨房エリア2から飲食客エリア3に向けて寿司皿Sが搬送される直線状の循環搬送路5aと、該循環搬送路5aから基台7の先端部にて折り返された寿司皿Sが厨房エリア2に向けて搬送される直線状の循環搬送路5bとが、互いに所定距離離間した状態で平行に配設されている。循環搬送路5a、5bの長手方向の略中央位置は、後述するバイパス搬送装置であるバイパス搬送装置10(図2〜4参照)にて構成されるバイパス搬送路6により接続されており、循環搬送路5aからバイパス搬送路6を介して循環搬送路5bに寿司皿Sが搬送されることにより、寿司皿Sの循環搬送経路の一部が短縮されるようになっている。
【0017】
両循環搬送路5a、5bにおけるバイパス搬送路6との分岐部には、特に図2に示されるように、寿司皿Sの進路を循環搬送路5aからバイパス搬送路6側に変更するための進路変更手段が設けられており、この進路変更手段は、寿司皿Sの周縁を摺接案内する一対のガイド部材R1、R2と、バイパス搬送路6を挟んでその反対側に配設される円柱状のガイド盤R3と、から構成されている。
【0018】
一対のガイド部材R1、R2の基端は、図2中実線で示されるように循環搬送路5a、5bに対し平行となる閉位置と、図2中実線で示されるようにハの字状となる開成位置と、の範囲で水平方向に、かつ、上下方向に揺動移動できるように支軸(図示略)に枢着されており、例えば繁忙時期のように、店内に多数の飲食客が入っている状況では、一対のガイド部材R1、R2は図2中2点鎖線で示す閉位置とすることで、飲食物を載置した寿司皿Sは循環搬送路5全体を循環搬送されるようになっている。
【0019】
一方、店内に入る飲食客が少なくなった場合は、一対のガイド部材R1、R2を前記開成位置とすることで、循環搬送路5aの寿司皿Sは、図2中矢印で示されるように、バイパス搬送路6を経由して循環搬送路5bに迂回案内され、各基台7の中央位置で折り返されるため、寿司皿Sの循環搬送経路が短縮されることになる。
【0020】
次に、循環搬送路5a、5bを接続するバイパス路6を構成する本実施例におけるバイパス搬送装置10(以下、搬送装置10と略称する)の構造を、図3〜図5に基づいて説明する。なお、以下の説明において、搬送装置10における飲食物の搬送方向を前後方向(図4、5中左右方向)、搬送ローラ13の長手方向を左右方向(図2中左右方向)として説明する。
【0021】
その本実施例における搬送装置10は、バイパス搬送路6を形成する搬送部材としての複数(本実施例では4本)の搬送ローラ13を有する搬送ユニット11(特に図5参照)と、搬送ユニット11の下方に配置され、搬送ローラ13を駆動する駆動手段としての駆動モータ14を有する駆動ユニット12(特に図5参照)と、搬送ユニット11と駆動ユニット12との間に配置され、上方から落下する塵芥等を受ける塵芥受板15と、から主に構成されている。
【0022】
図3に示されるように、基台7の上面における循環搬送路5a、5b間に形成された設置用空間部P内には、搬送装置10を設置固定する側面視凹状の設置板16が、その両端に形成された取付片16aを、基台7を構成するフレーム部材17にボルト固定することにより嵌合されており、この設置板16の底板上に駆動ユニット12の下部をボルトにて固定することにより、搬送装置10が設置板16に設置・固定されている。
【0023】
駆動ユニット12は、設置板16の底板上に直接固定された駆動モータ14と、この駆動モータ14の上部に配設され、駆動モータ14の駆動力を搬送ユニット11に伝達するための駆動伝達機構と、から主に構成される。駆動伝達機構は、駆動モータ14の駆動軸14aの先端に固着された駆動ギヤ18と、その上部に並行配置される前後一対の駆動シャフト20a、20bと、から主に構成されており、この駆動シャフト20a、20bには、駆動ギヤ18に噛合する従動ギヤ19a、19bが一端側に固着されるとともに、他端側にゴムローラ21a、21bが固着されており、駆動ギヤ18の回動に応じて駆動シャフト20a、20bが軸心周りに回動するようになっている。
【0024】
搬送ユニット11は、特に図3、図4に示されるように、その下方に配置される駆動ユニット12に対して上方に向けて分離自在に設けられており、寿司皿Sの搬送方向に向けて所定間隔おきに離間配置された搬送部材としての複数の搬送ローラ13と、駆動ユニット12上への設置時において該駆動ユニット12の駆動伝達機構に連係して、該駆動伝達機構から伝達される回動力を搬送ローラ13に伝達する搬送伝達機構と、から主に構成される。搬送伝達機構は、搬送ローラ13の下方に回動自在に配設される駆動シャフト23と、駆動シャフト23の一端に固着される従動ギヤ24に噛合する前後一対の従動ギヤ25a、25bとから主に構成されており、駆動シャフト23の他端には、前後一対のゴムローラ21a、21b間に各々の外周に当接するように配置される連係ローラ22が一端に固着されており、ゴムローラ21a、21bからの回動力が駆動シャフト23に伝達されるようになっている。
【0025】
従動ギヤ25a、25bは、それぞれその上方に配置される2本の搬送ローラ13の回転軸13aの一端に固着されたギヤ13bにそれぞれ噛合されており、従動ギヤ25a、25bの回転により4本全ての搬送ローラ13が搬送方向に向けて回転するようになっている。
【0026】
また、特に図3に示されるように、これら搬送ローラ13の回転軸13aの両端は、その長手方向の両端側に設けられた搬送ユニット11の一部をなす支持部材26、26に枢支されているとともに、この支持部材26、26の下端には、塵芥受板15がネジN1を介して取り付けられている。本実施例の塵芥受板15は、左右幅が搬送ローラ13の長手方向の幅寸法とほぼ同寸であるとともに、前後幅が前後端の搬送ローラ13、13の離間幅とほぼ同寸となる略長方形状に形成されたステンレス製の板材にて構成されており(図3、図4参照)、前後方向の端部には、下方に向けて屈曲される屈曲片15a、15aが形成されている。
【0027】
また、特に図4に示されるように、搬送装置10が設置板16に設置された状態において、前後の屈曲片15a、15aの先端下方には、塵芥受板15の左右幅よりも若干長寸に形成された補助受板27、27が、基台7における設置用空間部Pを構成する側面壁にネジN2にて固設されており、塵芥受板15の屈曲片15a、15aからこぼれ落ちる塵芥が受け止められるようになっている。
【0028】
このように塵芥受板15は、搬送ローラ13の下方位置に水平方向を向いた状態で配置されており、上方から落下する塵芥が上面で受け止められて保持されるため、その下方の駆動ユニット12への塵芥の落下が防止されるとともに、屈曲片15a、15aを介して塵芥受板15からこぼれ落ちる塵芥は補助受板27、27にて保持されるようになっている。
【0029】
また、搬送ローラ13の上部位置には、図2〜図4に示されるように、各搬送ローラ13の上部を上方に向けて露呈するための横長長方形状の開口29が中央2本の搬送ローラ13の配置位置に形成された閉塞板28が配置されている。この閉塞板28は、複数本の搬送ローラ13全体を上方から被覆可能な長方形状に形成されているとともに、中央2本の搬送ローラ13に対応して形成された開口29は、搬送ローラ13の平面視形状よりも若干小さめに形成されており、該開口29を介して各搬送ローラ13の最上端が閉塞板28の上面28a(図3参照)よりも若干上方に突出するように配置されている。
【0030】
つまり、閉塞板28により各搬送ローラ13、13間上部が閉塞されるため、各搬送ローラ13、13間に形成された隙間から塵芥が落下しにくくなるとともに、各搬送ローラ13、13間の上部に配置された閉塞板28の上面28aにより、バイパス搬送路6の搬送路面を極力平坦面状に形成できるため、寿司皿Sの搬送ローラ13、13間におけるがたつきが効果的に防止される。
【0031】
このように構成された搬送装置10は、図5に示されるように、設置板16に設置固定された駆動ユニット12に対し、上方に向けて分離自在に構成されている。具体的には、駆動伝達機構の前後一対のゴムローラ21a、21bと、搬送伝達機構の連係ローラ22とは、前後に離間配置されたゴムローラ21a、21b間に連係ローラ22が上方から嵌合されることで互いの外周面が当接し、動力の伝達が可能な状態に連係されるように構成されているため、搬送ユニット11を駆動ユニット12に対し上方に分離させることで、前後一対のゴムローラ21a、21bに対し連係ローラ22は容易に分離される。
【0032】
また、搬送ユニット11とともにそのユニットに一体的に取り付けられた塵芥受板15が設置位置から取り出されることになるため、塵芥受板15上面に堆積した塵芥を、駆動ユニット12から取り外し、清掃がしやすい別の場所にて清掃することができる。
【0033】
また、塵芥受板15の前後端下方には、塵芥受板15とは別個に形成された補助受板27が、循環搬送路5が配設されている基台7本体側に取り付けられていることで、塵芥受板15の屈曲片15a、15bから塵芥が落下しても補助受板27にて受け止められるため、塵芥受板15における飲食物の搬送方向の端部、つまり前後の屈曲片15a、15bと循環搬送路5a、5b側の基台7側壁との間に形成される隙間からの塵芥の落下を確実に防止できる。
【0034】
また、搬送ローラ13、13間から落下する塵芥をバイパス搬送路6の長手方向にわたってもれなく受け止めるようにするために、塵芥受板15を搬送方向に向けて長寸に形成する必要がないため、搬送ユニット11を分離して取り外す際において、長寸の塵芥受板15が邪魔になることがない。
【0035】
また、取り付け時においては、搬送ユニット11を下降し、駆動ユニット12の上部に載置するだけで、ゴムローラ21a、21b間に連係ローラ22が嵌合するように配置されて、連係ローラ22の外周面が両ゴムローラ21a、21bの外周面にそれぞれ当接し、ゴムローラ21a、21bと連係ローラ22とが連係してゴムローラ21a、21bの回転力が連係ローラ22に伝達されるようになるため、搬送ユニット11を容易に組み付けることができる。
【0036】
つまり、これら前後一対のゴムローラ21a、21bと連係ローラ22とは、本発明の動力連係手段を構成しているとともに、これら動力連係手段がギヤ(歯車)ではなくローラにて構成されることで、連係時において噛み合わせ等がうまくいかず連係できなかったり、取り付けた後にあらためて連係操作を行う必要がないので、取り付け時の手間が軽減される。
【0037】
以上説明したように、本発明の実施例としての搬送装置10にあっては、搬送部材としての搬送ローラ13により搬送される飲食物の塵芥等が、搬送ローラ13、13間に形成される間隙から下方に落下することがあっても、塵芥受板15上にて受け止められ、その下方に配置される駆動ユニット12内に塵芥が堆積することがないため、塵芥が駆動手段としての駆動モータ14や駆動伝達機構、搬送伝達機構による搬送ローラ13の駆動に支障をきたすことがないばかりか、重量のある駆動ユニット12を含めた搬送装置10全体を設置位置から取り外したりすることなく、搬送ユニット11のみを駆動ユニット12に対し分離させることができるため、塵芥受板15上に堆積した塵芥を簡単に清掃することができる。
【0038】
図6には、本発明の変形例としての示されるように、塵芥受板15の上面に、紙製または布製等のシート30等を剥離自在に貼着することにより敷設しておき、清掃時においてそのシート上面に落下した塵芥とともにシート30を塵芥受板15上から除去し、廃棄処理できるようにしてもよい。また、このようなシート30に、予め防虫、殺虫剤等を含有させておくことで、害虫等の発生を効果的に防止することができる。
【0039】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0040】
例えば、前記実施例では、塵芥受板15は搬送ユニット11とともに配置位置から取り外すことができるようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、塵芥受板15は搬送ユニット11と駆動ユニット12との間に配置されていれば、例えば図7に示されるように、塵芥受板15を予め基台7側の側壁に固定しておき、搬送ユニット11を取り外しても塵芥受板15のみが配置位置に残るようにしてもよい。このような場合でも、搬送ユニット11を取り外すことで塵芥受板15の上面が外部に露呈されることになるので、払拭等による清掃を容易に行うことができる。さらに、塵芥受板15を駆動ユニット12側の設置板16等に固定してもよい。
【0041】
また、上記実施例においては、搬送装置10としてローラ式のコンベアが適用されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、搬送部材が一対の駆動ローラ間に掛け渡された搬送ベルトにて構成されるベルト式のコンベアを適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施例におけるバイパス搬送装置が適用された飲食物循環搬送装置が設置された店内を示す平面図である。
【図2】図1の循環搬送路の要部を示す拡大平面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】(a)は図3のB−B矢視断面図であり、(b)は図3のC−C矢視断面図である。
【図5】(a)(b)は、図4の状態から搬送ユニットを駆動ユニットから分離した状態を示す断面図である。
【図6】本発明の変形例としての塵芥受板を示す断面図である。
【図7】本発明の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0043】
1 循環型飲食物搬送装置
2 厨房エリア
3 飲食客エリア
5、5a、5b 循環搬送路
6 バイパス搬送路
7 基台
10 バイパス搬送装置
11 搬送ユニット
12 駆動ユニット
13 搬送ローラ
14 駆動モータ
15 塵芥受板
16 設置板
18 駆動ギヤ
19a、19b 従動ギヤ
20a、20b 駆動シャフト
21a、21b ゴムローラ
22 連係ローラ
23 駆動シャフト
24 従動ギヤ
25a、25b 従動ギヤ
26 支持部材
27 補助受板
28 閉塞板
29 開口
30 シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲食物を循環搬送する循環型飲食物搬送装置にて構成される無端状の循環搬送路間を接続して飲食物の循環搬送経路を短縮させるバイパス路を構成するバイパス搬送装置であって、
前記バイパス搬送装置は、
前記飲食物を搬送する搬送部材を有する搬送ユニットと、
前記搬送ユニットの下方に配置され、前記搬送部材を駆動する駆動手段を有する駆動ユニットと、
前記搬送ユニットと前記駆動ユニットとの間に配置され、前記搬送部材から落下する塵芥等を受ける塵芥受板と、
から構成され、
前記搬送ユニットは、前記駆動ユニットに対し分離自在に構成されていることを特徴とする循環搬送路におけるバイパス搬送装置。
【請求項2】
前記塵芥受板は、前記搬送ユニット側に一体的に組み付けられている請求項1に記載の循環搬送路におけるバイパス搬送装置。
【請求項3】
前記塵芥受板とは別個に形成された補助受板が、前記塵芥受板における少なくとも前記飲食物の搬送方向の端部下方に配置されている請求項2に記載の循環搬送路におけるバイパス搬送装置。
【請求項4】
前記搬送ユニットを前記駆動ユニット上に配置したときに、前記駆動手段と前記搬送部材とが動力連係手段を介して連係されるようになっている請求項1乃至3のいずれかに記載の循環搬送路におけるバイパス搬送装置。
【請求項5】
前記搬送部材は、前記飲食物の搬送方向に向けて所定間隔おきに配設される複数の搬送ローラからなり、各搬送ローラ間の上部位置には、隣接する搬送ローラ間に形成される隙間を閉塞する閉塞板が配置されている請求項1乃至4のいずれかに記載の循環搬送路におけるバイパス搬送装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2006−340861(P2006−340861A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−168745(P2005−168745)
【出願日】平成17年6月8日(2005.6.8)
【出願人】(390010319)株式会社石野製作所 (85)
【Fターム(参考)】